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Title:
LIQUID SUPPLY DEVICE, MICRODEVICE SYSTEM, AND LIQUID SUPPLY METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175289
Kind Code:
A1
Abstract:
This liquid supply device 3 is provided with a pump part 41, a branch pipe 45, a first introduction part 50, a second introduction part 55, and a stopping part 65. The pump part 41 has a discharge port 41a for discharging a fluid F1. The branch pipe 45 has a connecting part 46, and first and second pipe parts 47 and 48. The connecting part 46 is connected to the discharge port 41a. The first and second pipe parts 47 and 48 branch off from the connecting part 46. The first introduction part 50 is connected to the first pipe part 47 and introduces a first liquid L1 into a first flow path 10 at a flow rate that corresponds to the flow rate of the fluid F1 flowing in the first pipe part 47. The second introduction part 55 is connected to the second pipe part 48 and introduces a second liquid L2 into the first flow path 10 at a flow rate that corresponds to the flow rate of the fluid F1 flowing in the second pipe part 48. The stopping part 65 stops the flow of the fluid F1 in the second pipe part 48.

Inventors:
KIMURA YUJI (JP)
ITOH HIROYASU (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/006615
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 19, 2020
Export Citation:
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Assignee:
HAMAMATSU PHOTONICS KK (JP)
International Classes:
G01N37/00; C12M1/34; C12Q1/02; G01N35/08
Foreign References:
JP2003279569A2003-10-02
JP2008136475A2008-06-19
JP2012185073A2012-09-27
JP2010104918A2010-05-13
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA Yoshiki et al. (JP)
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Claims:
\¥02020/175289 37 卩(:17 2020/006615

請求の範囲

[請求項 1 ] 液体供給装置であって、

流体を放出する放出口を有するボンプ部と、

前記放出口に接続されている接続部と、 前記接続部から分岐した第 1及び第 2管部とを有する分岐管と、

各々が、 前記分岐管に接続されていると共に、 第 1流路と、 前記第 1流路に沿って延在する第 2流路と、 前記第 1流路と前記第 2流路と を連通する連通孔とを有する微小流体デバイスに、 液体を供給する第 1及び第 2導入部と、

前記第 2管部における前記流体の流れを停止する停止部と、 を備え 前記第 1導入部は、 前記第 1管部に接続されており、 前記第 1管部 を流れる前記流体の流量に応じた流量で前記第 1流路に第 1液体を導 入し、

前記第 2導入部は、 前記第 2管部に接続されており、 前記第 2管部 を流れる前記流体の流量に応じた流量で前記第 1流路に第 2液体を導 入する。

[請求項 2] 請求項 1 に記載の液体供給装置であって、

前記第 1導入部は、 前記第 1管部に接続されていると共に前記第 1 液体を内部に収容する第 1収容管を含み、

前記第 2導入部は、 前記第 2管部に接続されていると共に前記第 2 液体を内部に収容する第 2収容管を含む。

[請求項 3] 請求項 1又は 2に記載の液体供給装置であって、

前記停止部は、 前記第 2管部と前記第 2導入部とを接続する流路を 開閉するバルブを含む。

[請求項 4] 微小デバイスシステムであって、

第 1流路と、 前記第 1流路に沿って延在する第 2流路と、 前記第 1 流路と前記第 2流路とを連通する連通孔とを有する微小流体デバイス 〇 2020/175289 38 卩(:171? 2020 /006615

と、

前記第 1流路に液体を供給する第 1供給部と、 前記第 2流路に液体を供給する第 2供給部と、 を備え、

前記第 1供給部は、

流体を放出する放出口を有するボンプ部と、 前記第 1供給部の前記ポンプ部の前記放出口に接続されている接 続部と、 前記接続部から分岐した第 1及び第 2管部とを有する分岐管 と、

前記第 1管部に接続されており、 前記第 1管部を流れる前記流体 の流量に応じた流量で前記第 1流路に第 1液体を導入する第 1導入部 と、

前記第 2管部に接続されており、 前記第 2管部を流れる前記流体 の流量に応じた流量で前記第 1流路に第 2液体を導入する第 2導入部 と、

前記第 2管部における前記流体の流れを停止する停止部と、 を有 する。

[請求項 5] 請求項 4に記載の微小デバイスシステムであって、

前記微小流体デバイスは、 前記第 1流路に接続された第 1及び第 2 流入路を有し、

前記第 1及び第 2流入路は、 前記第 1流路及び前記第 2流路を通る 平面上で前記第 2流路の延在方向と直交する方向において、 前記連通 孔よりも前記第 2流路から離れた位置に配置されており、

前記第 2流入路は、 前記平面に直交する方向から見て、 前記第 1流 入路よりも前記第 2流路側で延在しており、

前記第 1導入部は、 前記第 1流入路に前記第 1液体を導入するよう に配置され、

前記第 2導入部は、 前記第 2流入路に前記第 2液体を導入するよう に配置されている。 〇 2020/175289 39 卩(:171? 2020 /006615

[請求項 6] 請求項 4又は 5に記載の微小デバイスシステムであって、

前記第 2供給部は、

流体を放出する放出口を有するボンプ部と、 前記第 2供給部の前記ボンプ部の前記放出口に接続されている接 続部と、 前記接続部から分岐した第 3管部及び第 4管部とを有する分 岐管と、

前記第 3管部に接続されており、 前記第 3管部を流れる前記流体 の流量に応じた流量で前記第 2流路に第 3液体を導入する第 3導入部 と、

前記第 4管部に接続されており、 前記第 4管部を流れる前記流体 の流量に応じた流量で前記第 2流路に第 4液体を導入する第 4導入部 と、

前記第 3管部における前記流体の流れを停止する停止部と、 を有 する。

[請求項 7] 請求項 6に記載の微小デバイスシステムであって、

前記微小流体デバイスは、 前記第 2流路に接続された第 3及び第 4 流入路を有し、

前記第 3及び前記第 4流入路は、 前記第 1流路及び前記第 2流路を 通る平面上で前記第 2流路の延在方向と直交する方向において、 前記 連通孔よりも前記第 1流路から離れた位置に配置されており、 前記第 3流入路は、 前記平面に直交する方向から見て、 前記第 4流 入路よりも前記第 1流路側で延在しており、

前記第 3導入部は、 前記第 3流入路に前記第 3液体を導入するよう に配置され、

前記第 4導入部は、 前記第 4流入路に前記第 4液体を導入するよう に配置されている。

[請求項 8] 請求項 6又は 7に記載の微小デ/<イスシステムであって、

前記連通孔の径は、 1〜 1 5 である。 〇 2020/175289 40 卩(:171? 2020 /006615

[請求項 9] 液体供給方法であって、

第 1流路と、 前記第 1流路に沿って延在する第 2流路と、 前記第 1 流路と前記第 2流路とを連通する連通孔とを有する微小流体デバイス に、 液体を供給する液体供給装置を準備するステップと、

前記液体供給装置によって前記第 1流路及び前記第 2流路に液体を 導入するステップと、 を有し、

前記液体供給装置は、 前記第 1流路に液体を供給する第 1供給部と 、 前記第 2流路に液体を供給する第 2供給部と、 を有し、

前記第 1供給部は、 流体を放出する放出口を有するポンプ部と、 前 記放出口に接続されている接続部と前記接続部から分岐した第 1管部 及び第 2管部とを有する分岐管と、 前記第 1管部に接続されており前 記第 1管部を流れる前記流体の流量に応じた流量で前記第 1流路に第 1液体を導入する第 1導入部と、 前記第 2管部に接続されており前記 第 2管部を流れる前記流体の流量に応じた流量で前記第 1流路に第 2 液体を導入する第 2導入部と、 を有し、

前記液体を供給するステップは、

前記第 1供給部の前記ポンプ部の前記放出口から前記流体を放出 し、 前記第 1及び第 2管部内に前記流体を流すステップと、

前記第 1及び第 2管部内に前記流体を流すステップの後に、 前記 第 1管部内に前記流体を流しながら前記第 2管部内の前記流体の流れ を停止するステップと、 を有する。

[請求項 1 0] 請求項 9に記載の液体供給方法であって、

前記第 1及び第 2管部内に前記流体を流すステップでは、 前記第 1 流路において、 前記第 2液体が前記第 1液体よりも前記第 2流路の近 くを流れるように、 前記第 1液体と前記第 2液体とを並列させて流す

[請求項 1 1 ] 請求項 9又は 1 0に記載の液体供給方法であって、

前記第 2供給部は、 流体を放出する放出口を有するポンプ部と、 前 〇 2020/175289 41 卩(:171? 2020 /006615

記放出口に接続されている接続部と前記接続部から分岐した第 3管部 及び第 4管部とを有する分岐管と、 前記第 3管部に接続されており前 記第 3管部を流れる前記流体の流量に応じた流量で前記第 2流路に第 3液体を導入する第 3導入部と、 前記第 4管部に接続されており前記 第 4管部を流れる前記流体の流量に応じた流量で前記第 2流路に第 4 液体を導入する第 4導入部と、 を有し、

前記液体を供給するステップは、

前記第 2管部内の前記流体の流れを停止するステップの前に、 前 記第 2供給部の前記ポンプ部の前記放出口から前記流体を放出し、 前 記第 3及び第 4管部内に前記流体を流すステップと、

前記第 2管部内の前記流体の流れを停止するステップの後に、 前 記第 4管部内に前記流体を流しながら前記第 3管部内の前記流体の流 れを停止するステップと、 を有する。

[請求項 12] 請求項 1 1 に記載の液体供給方法であって、

前記第 3及び第 4管部内に前記流体を流すステップでは、 前記第 2 流路において、 前記第 4液体が前記第 3液体よりも前記第 1流路の近 くを流れるように、 前記第 3液体と前記第 4液体とを並列させて流す

[請求項 13] 請求項 1 1又は 1 2に記載の液体供給方法であって、

前記第 2液体は、 複数の細胞を含む懸濁液であり、

前記第 4液体は、 細胞に接触させる標的物質を含む試料であり、 前記第 1及び第 2管部内に前記流体を流すステップ及び前記第 3及 び第 4管部内に前記流体を流すステップでは、 前記第 1流路内の圧力 が前記第 2流路内の圧力よりも高くなるように、 前記第 1供給部の前 記ボンプ部及び前記第 2供給部の前記ボンプ部から前記流体を放出し 前記第 2管部内の前記流体の流れを停止するステップでは、 前記第 1及び第 2管部内に前記流体を流すステップ及び前記第 3及び第 4管 〇 2020/175289 42 卩(:171? 2020 /006615

部内に前記流体を流すステップにおける、 前記第 1供給部の前記ポン プ部が放出する前記流体の流量、 及び、 前記第 2供給部の前記ポンプ 部が放出する前記流体の流量を維持する。

[請求項 14] 請求項 1 3に記載の液体供給方法であって、

前記第 3管部内の前記流体の流れを停止するステップでは、 前記第 1及び第 2管部内に前記流体を流すステップ及び前記第 3及び第 4管 部内に前記流体を流すステップにおける、 前記第 1供給部の前記ポン プ部が放出する前記流体の流量、 及び、 前記第 2供給部の前記ポンプ 部が放出する前記流体の流量を維持する。

[請求項 15] 請求項 9又は 1 0に記載の液体供給方法であって、

前記第 1液体は、 水溶液であり、

前記第 2液体は、 脂質を溶解した油性溶液であり、

前記液体を供給するステップは、 前記第 2管部内の前記流体の流れ を停止するステップの前に、 前記第 2流路に水溶液を供給するステッ プを有し、

前記第 1及び第 2管部内に前記流体を流すステップ及び前記第 2流 路に水溶液を供給するステップでは、 前記第 1流路内の圧力と前記第 2流路内の圧力とが同じになるように、 前記第 1供給部の前記ポンプ 部及び前記第 2供給部の前記ボンプ部から前記流体を放出し、 前記第 2管部内の前記流体の流れを停止するステップでは、 前記第 1及び第 2管部内に前記流体を流すステップ及び前記第 2流路に水溶 液を供給するステップにおける、 前記第 1供給部の前記ポンプ部が放 出する前記流体の流量、 及び、 前記第 2供給部の前記ポンプ部が放出 する前記流体の流量を維持する。

Description:
\¥02020/175289 1 ?<:17 2020/006615

明 細 書

発明の名称 :

液体供給装置、 微小デバイスシステム、 及び液体供給方法

技術分野

[0001 ] 本発明は、 液体供給装置、 微小デバイスシステム、 及び液体供給方法に関 する。

背景技術

[0002] 微小流体デバイスと、 当該微小流体デバイスに液体を供給する液体 供給装 置とを含む微小デバイスシステムが知られて いる (たとえば、 特許文献 1)

。 特許文献 1 に開示されている微小流体デバイスでは、 2つの流路が互いに 沿って延在している。 2つの流路は、 連通孔によって連通されている。 2つ の流路のそれぞれには、 所望の液体が供給される。 微小流体デバイスは、 た とえば、 1\/1巳1\/1 3技術により作製される。

先行技術文献

特許文献

[0003] 特許文献 1 :特開 2 0 1 5— 0 0 2 6 8 4号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004] 上記微小流体デバイスは、 たとえば、 連通孔に脂質二重膜を形成するデバ イス、 又は、 2つの流路の圧力差によって連通孔の一方の 路側に細胞を捕 捉するデバイスを含む。 微小流体デバイスでは、 1つの流路に複数種類の液 体を任意のタイミングで導入することが考え られる。 たとえば、 第 1流路に 2種の液体を同時に導入し、 その後、 第 2流路に液体が導入されている状態 で、 第 1流路に導入されている 2種の液体のうち 1種の導入を停止すること が考えられる。

[0005] この場合、 第 1流路への液体の導入の停止に伴って第 1流路を流れる液体 の流量が変化する場合、 第 1流路の圧力も変化する。 第 1流路の圧力が急激 〇 2020/175289 2 卩(:171? 2020 /006615

に変化する場合には、 第 1流路と第 2流路との間の圧力差が急激に変化する という問題が生じる。 2つの流路間での圧力差の変化は、 連通孔に位置して いる対象物に影響を及ぼす。 連通孔に脂質膜が形成されていた場合、 たとえ ば、 上記圧力差の変化によって、 形成された脂質膜が破砕するおそれがある 。 連通孔に細胞が配置されていた場合には、 たとえば、 上記圧力差の変化に よって、 細胞が連通孔から意図せずに離脱するおそれ 、 又は細胞が連通孔に 押しつけられて破砕するおそれがある。

[0006] 上記問題を解決するために、 微小流体デバイスに液体を供給する液体供給 装置が、 状況に応じて、 各流路に導入する液体の導入量をそれぞれ電 子制御 することも考えられる。 しかし、 この場合、 液体供給装置の大型化、 複雑化 、 及び高コスト化が懸念される。

[0007] 本発明の一つの態様は、 簡易な構成で流路間の圧力差の変化を抑制で きる 液体供給装置を提供することを目的とする。 本発明の別の態様は、 簡易な構 成で流路間の圧力差の変化を抑制できる微小 デバイスシステムを提供するこ とを目的とする。 本発明の更に別の態様は、 簡易な構成で流路間の圧力差の 変化を抑制できる液体供給方法を提供するこ とを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明の一つの態様に係る液体供給装置は、 第 1流路と、 第 2流路と、 連 通孔とを有する微小流体デバイスに液体を供 給する。 第 2流路は、 第 1流路 に沿って延在する。 連通孔は、 第 1流路と第 2流路とを連通する。 この液体 供給装置は、 ポンプ部と、 分岐管と、 第 1導入部と、 第 2導入部と、 停止部 とを備える。 ポンプ部は、 流体を放出する放出口を有する。 分岐管は、 接続 咅0と、 第 1及び第 2管部とを有する。 接続部は、 放出口に接続されている。 第 1及び第 2管部は、 接続部から分岐している。 第 1導入部は、 第 1管部に 接続されており、 第 1管部を流れる流体の流量に応じた流量で第 1流路に第 1液体を導入する。 第 2導入部は、 第 2管部に接続されており、 第 2管部を 流れる流体の流量に応じた流量で第 1流路に第 2液体を導入する。 停止部は 、 第 2管部における流体の流れを停止する。 〇 2020/175289 3 卩(:171? 2020 /006615

[0009] 上記一つの態様では、 第 2導入部は、 第 2管部を流れる流体の流量に応じ た流量で第 1流路に第 2液体を導入する。 このため、 第 2管部内の流体の流 れを停止することで、 第 1流路への第 2液体の導入が停止される。 第 2管部 内の流体の流れが停止された状態では、 ポンプ部の放出口から放出された流 体は、 分岐管の第 2管部以外の部分に流れ込む。 分岐管では接続部から第 1 及び第 2管部が分岐しているため、 第 2管部内の流体の流れが停止された状 態における第 1管部内の流体の流量は、 第 2管部内の流体の流れが停止され ていない状態に比べて増加する。 第 1導入部は、 第 1管部を流れる流体の流 量に応じた流量で第 1流路に第 1液体を導入する。 このため、 第 2管部内の 流体の流れが停止された状態と停止されてい ない状態との間で遷移する場合 でも、 第 1流路を流れる液体の流量の変化は抑制され 。 したがって、 上記 液体供給装置では、 第 2管部内の流体の流れが停止された場合と停 されて いない場合との間で遷移する場合でも、 第 1流路における圧力の変化は抑制 される。 この結果、 第 1及び第 2液体の導入量を電子制御することなく、 簡 易な構成で、 第 1流路と第 2流路との間の圧力差の変化が抑制され得る

[0010] 上記一つの態様では、 第 1導入部は、 第 1管部に接続されていると共に第

1液体を内部に収容する第 1収容管を含んでもよい。 第 2導入部は、 第 2管 部に接続されていると共に第 2液体を内部に収容する第 2収容管を含んでも よい。 この場合、 第 1管部を流れる流体の流量に応じて、 第 1収容管に収容 された第 1液体が押し出される。 第 2管部を流れる流体の流量に応じて、 第 2収容管に収容された第 2液体が押し出される。 この結果、 より簡易な構成 で、 第 1流路と第 2流路との間における圧力差の変化の抑制が 現され得る

[001 1 ] 上記一つの態様では、 停止部は、 第 2管部と第 2導入部とを接続する流路 を開閉するバルブを含んでもよい。 この場合、 第 2管部内の流体の流れは、 バルブによって容易に停止され得る。 バルブが第 2導入部と第 2管部との間 に設けられていれば、 当該バルブによって第 2管部の流体の流れが停止され る場合に、 第 2液体の圧縮性及び第 2導入部内の流路の膨張などによる影響 〇 2020/175289 4 卩(:171? 2020 /006615

を受けることなく、 ボンプ部からの流体が分岐管の第 2管部以外の部分に流 れ込む。 したがって、 第 1流路における圧力の変化がさらに抑制され 。

[0012] 本発明の別の態様に係る微小デバイスシステ ムは、 微小流体デバイスと、 第 1供給部と、 第 2供給部と、 を備える。 微小流体デバイスは、 第 1流路と 、 第 2流路と、 連通孔とを有する。 第 2流路は、 第 1流路に沿って延在する 。 連通孔は、 第 1流路と第 2流路とを連通する。 第 1供給部は、 第 1流路に 液体を供給する。 第 2供給部は、 第 2流路に液体を供給する。 第 1供給部は 、 ポンプ部と、 分岐管と、 第 1導入部と、 第 2導入部と、 停止部とを備える 。 ポンプ部は、 流体を放出する放出口を有する。 分岐管は、 接続部と、 第 1 及び第 2管部とを有する。 接続部は、 第 1供給部のポンプ部の放出口に接続 されている。 第 1及び第 2管部は、 接続部から分岐している。 第 1導入部は 、 第 1管部に接続されており、 第 1管部を流れる流体の流量に応じた流量で 第 1流路に第 1液体を導入する。 第 2導入部は、 第 2管部に接続されており 、 第 2管部を流れる流体の流量に応じた流量で第 1流路に第 2液体を導入す る。 停止部は、 第 2管部における流体の流れを停止する。

[0013] 上記別の態様では、 第 2導入部は、 第 2管部を流れる流体の流量に応じた 流量で第 1流路に第 2液体を導入する。 このため、 第 2管部内の流体の流れ の停止によって、 第 1流路への第 2液体の導入が停止される。 第 2管部内の 流体の流れが停止された状態では、 ボンプ部の放出口から放出された流体は 分岐管の第 2管部以外の部分に流れ込む。 分岐管では接続部から第 1及び第 2管部が分岐しているため、 第 2管部内の流体の流れが停止された状態にお ける第 1管部内の流体の流量は、 第 2管部内の流体の流れが停止されていな い状態に比べて増加する。 第 1導入部は、 第 1管部を流れる流体の流量に応 じた流量で第 1流路に第 1液体を導入する。 このため、 第 2管部内の流体の 流れが停止された状態と停止されていない状 態との間で遷移する場合でも、 第 1流路を流れる液体の流量の変化は抑制され 。 したがって、 上記微小デ バイスシステムでは、 第 2管部内の流体の流れが停止された状態と停 され ていない状態との間で遷移する場合でも、 第 1流路における圧力の変化が抑 〇 2020/175289 5 卩(:171? 2020 /006615

制される。 この結果、 第 1及び第 2液体の導入量を電子制御することなく、 簡易な構成で、 第 1流路と第 2流路との間の圧力差の変化が抑制され得る

[0014] 上記別の態様では、 微小流体デバイスは、 第 1流路に接続された第 1及び 第 2流入路を有してもよい。 第 1及び第 2流入路は、 第 1流路及び第 2流路 を通る平面上で第 2流路の延在方向と直交する方向において、 連通孔よりも 第 2流路から離れた位置に配置されていてもよ 。 第 2流入路は、 上記平面 に直交する方向から見て、 第 1流入路よりも第 2流路側で延在していてもよ い。 第 1導入部は、 第 1流入路に第 1液体を導入するように配置されていて もよい。 第 2導入部は、 第 2流入路に第 2液体を導入するように配置されて いてもよい。 この場合、 第 1及び第 2流入路のそれぞれに第 1及び第 2液体 を導入することで、 第 1液体が流れる層と第 2液体が流れる層とが第 1流路 内に形成される。 この構成であれば、 第 2流入路に第 2液体を導入するか否 かによって、 連通孔に供給する液体を制御できる。

[0015] 上記別の態様では、 第 2供給部は、 ポンプ部と、 分岐管と、 第 3導入部と 、 第 4導入部と、 停止部とを備えてもよい。 上記ポンプ部は、 流体を放出す る放出口を有してもよい。 分岐管は、 接続部と、 第 3及び第 4管部とを有し てもよい。 上記接続部は、 第 2供給部のポンプ部の放出口に接続されてい もよい。 第 3及び第 4管部は、 上記接続部から分岐していてもよい。 第 3導 入部は、 第 3管部に接続されており、 第 3管部を流れる流体の流量に応じた 流量で第 2流路に第 3液体を導入してもよい。 第 4導入部は、 第 4管部に接 続されており、 第 4管部を流れる流体の流量に応じた流量で第 2流路に第 4 液体を導入してもよい。 上記停止部は、 第 3管部における流体の流れを停止 してもよい。 この場合、 第 2供給部と第 1供給部とが同様の構成を有する。 したがって、 第 3管部内の流体の流れが停止された状態と停 されていない 状態との間で遷移する場合でも、 第 2流路における圧力の変化が抑制される 。 この結果、 第 1、 第 2、 第 3、 及び第 4液体の導入量を電子制御すること なく、 簡易な構成で、 第 1流路と第 2流路との間の圧力差の変化が抑制され 得る。 〇 2020/175289 6 卩(:171? 2020 /006615

[0016] 上記別の態様では、 微小流体デバイスは、 第 2流路に接続された第 3及び 第 4流入路を有してもよい。 第 3及び第 4流入路は、 第 1流路及び第 2流路 を通る平面上で第 2流路の延在方向と直交する方向において、 連通孔よりも 第 1流路から離れた位置に配置されていてもよ 。 第 3流入路は、 上記平面 に直交する方向から見て、 第 4流入路よりも第 1流路側で延在していてもよ い。 第 3導入部は、 第 3流入路に第 3液体を導入するように配置されてもよ い。 第 4導入部は、 第 4流入路に第 4液体を導入するように配置されてもよ い。 この場合、 第 3及び第 4流入路のそれぞれに第 3及び第 4液体を導入す ることで、 第 3液体が流れる層と第 4液体が流れる層とが第 2流路内に形成 される。 この構成であれば、 第 3液体を導入するか否かによって、 連通孔に 供給する液体を制御できる。

[0017] 上記別の態様では、 連通孔の径は、 1〜 1 5 であってもよい。 この場 合、 第 1流路と第 2流路との間に圧力差を設けることで、 連通孔で細胞を捕 捉できる。

[0018] 本発明の更に別の態様に係る液体供給方法は 、 第 1流路と、 第 2流路と、 連通孔とを有する微小流体デバイスに液体を 供給する。 第 2流路は、 第 1流 路に沿って延在する。 連通孔は、 第 1流路と第 2流路とを連通する。 この液 体供給方法は、 微小流体デバイスに液体を供給する液体供給 装置を準備する ステップと、 液体供給装置によって第 1流路及び第 2流路に液体を導入する ステップと、 を備える。 液体供給装置は、 第 1流路に液体を供給する第 1供 給部と、 第 2流路に液体を供給する第 2供給部とを有する。 第 1供給部は、 ポンプ部と、 分岐管と、 第 1導入部と、 第 2導入部とを備える。 ポンプ部は 、 流体を放出する放出口を有する。 分岐管は、 接続部と、 第 1及び第 2管部 とを有する。 接続部は、 放出口に接続されている。 第 1及び第 2管部は、 接 続部から分岐している。 第 1導入部は、 第 1管部に接続されており第 1管部 を流れる流体の流量に応じた流量で第 1流路に第 1液体を導入する。 第 2導 入部は、 第 2管部に接続されており第 2管部を流れる流体の流量に応じた流 量で第 1流路に第 2液体を導入する。 液体を供給するステップは、 第 1供給部 〇 2020/175289 7 卩(:171? 2020 /006615

のポンプ部の放出口から流体を放出し、 第 1及び第 2管部内に流体を流すス テップと、 第 1及び第 2管部内に流体を流すステップの後に第 1管部内に流 体を流しながら第 2管部内の流体の流れを停止するステップと を有する。

[0019] 上記の更に別の態様では、 第 1及び第 2管部内に流体を流すステップにお いて第 1流路に第 1及び第 2液体が導入され、 第 2管部内の流体の流れを停 止するステップでは第 1流路に第 1液体は導入されるが第 2液体は導入され ない。 第 2管部内の流体の流れが停止された状態では ポンプ部の放出口か ら放出された流体は分岐管の第 2管部以外の部分に流れ込む。 このため、 第 2管部内の流体の流れが停止された状態にお る第 1管部内の流体の流量は 、 第 2管部内の流体の流れが停止されていない状 に比べて増加する。 この ため、 第 2管部内の流体の流れが停止された状態と停 されていない状態と の間で遷移する場合でも、 第 1流路を流れる液体の流量の変化は抑制され 。 したがって、 上記液体供給方法では、 第 1及び第 2管部内に流体を流すス テップと第 2管部内の流体の流れを停止するステップと 間で、 第 1流路に おける圧力の変化が抑制される。 この結果、 第 1及び第 2液体の導入量を電 子制御することなく、 簡易な構成で、 第 1流路と第 2流路との間の圧力差の 変化が抑制され得る。

[0020] 上記の更に別の態様では、 第 1及び第 2管部内に流体を流すステップでは 、 第 1流路において、 第 2液体が第 1液体よりも第 2流路の近くを流れるよ うに、 第 1液体と第 2液体とを並列させて流してもよい。 この場合、 第 1及 び第 2管部内に流体を流すステップと第 2管部内の流体の流れを停止するス テップとの間で、 連通孔に供給する液体を制御できる。

[0021 ] 上記の更に別の態様では、 第 2供給部は、 ポンプ部と、 分岐管と、 第 3導 入部と、 第 4導入部とを備えてもよい。 ポンプ部は、 流体を放出する放出口 を有してもよい。 分岐管は、 接続部と、 第 3及び第 4管部とを有してもよい 。 接続部は、 放出口に接続されていてもよい。 第 3及び第 4管部は、 接続部 から分岐していてもよい。 第 3導入部は、 第 3管部に接続されており第 3管 部を流れる流体の流量に応じた流量で第 2流路に第 3液体を導入してもよい 〇 2020/175289 8 卩(:171? 2020 /006615

。 第 4導入部は、 第 4管部に接続されており第 4管部を流れる流体の流量に 応じた流量で第 2流路に第 4液体を導入してもよい。 液体を供給するステッ プは、 第 2供給部のポンプ部の放出口から流体を放出 、 第 3及び第 4管部 内に流体を流すステップと、 第 3及び第 4管部内に流体を流すステップの後 に第 4管部内に流体を流しながら第 3管部内の流体の流れを停止するステッ プと、 を有してもよい。 この場合、 第 3及び第 4管部内に流体を流すステッ プにおいて第 2流路に第 3及び第 4液体が導入され、 第 3管部内の流体の流 れを停止するステップでは第 2流路に第 4液体は導入されるが第 3液体は導 入されない。 第 3管部内の流体の流れが停止された状態では ポンプ部の放 出口から放出された流体は分岐管の第 3管部以外の部分に流れ込む。 このた め、 第 3管部内の流体の流れが停止された状態にお る第 4管部内の流体の 流量は、 第 3管部内の流体の流れが停止されていない状 に比べて増加する 。 したがって、 上記液体供給方法では、 第 3及び第 4管部内に流体を流すス テップと第 3管部内の流体の流れを停止するステップと 間で、 第 2流路に おける圧力の変化が抑制される。 この結果、 第 1、 第 2、 第 3、 及び第 4液 体の導入量を電子制御することなく、 簡易な構成で、 第 1流路と第 2流路と の間の圧力差の変化が抑制される。

[0022] 上記の更に別の態様では、 第 3及び第 4管部内に流体を流すステップでは 、 第 2流路において、 第 3液体が第 4液体よりも第 1流路の近くを流れるよ うに、 第 3液体と第 4液体とを並列させて流してもよい。 この場合、 第 3及 び第 4管部内に流体を流すステップと第 3管部内の流体の流れを停止するス テップとの間で、 連通孔に供給する液体を制御できる。

[0023] 上記の更に別の態様では、 第 2液体は、 複数の細胞を含む懸濁液であって もよい。 第 4液体は、 細胞に接触させる標的物質を含む試料であっ てもよい 。 第 1及び第 2管部内に流体を流すステップ及び第 3及び第 4管部内に流体 を流すステップでは、 第 1流路内の圧力が第 2流路内の圧力よりも高くなる ように、 第 1供給部のボンプ部及び第 2供給部のボンプ部から流体を放出し てもよい。 第 2管部内の流体の流れを停止するステップで 、 第 1及び第 2 〇 2020/175289 9 卩(:171? 2020 /006615

管部内に流体を流すステップ及び第 3及び第 4管部内に流体を流すステップ における、 第 1供給部のポンプ部が放出する流体の流量、 及び、 第 2供給部 のポンプ部が放出する流体の流量を維持して もよい。 この場合、 連通孔の第 1流路側に細胞を捕捉できる。 第 3管部内の流体の流れを停止するステップ において、 捕捉された細胞に標的物質を接触させること ができる。 第 2管部 内の流体の流れを停止するステップでは、 第 1流路と第 2流路との間の圧力 差の変化が抑制される。 このため、 捕捉された細胞が連通孔から意図せずに 離脱すること、 及び、 捕捉された細胞が連通孔に押しつけられて破 砕するこ とが防止される。

[0024] 上記の更に別の態様では、 第 3管部内の流体の流れを停止するステップで は、 第 1及び第 2管部内に流体を流すステップ及び第 3及び第 4管部内に流 体を流すステップにおける、 第 1供給部のポンプ部が放出する流体の流量、 及び、 第 2供給部のポンプ部が放出する流体の流量を 持してもよい。 この 場合、 第 3管部内の流体の流れを停止するステップに いて、 第 1流路と第 2流路との間の圧力差の変化が抑制される。 このため、 捕捉された細胞が連 通孔から意図せずに離脱すること、 及び、 捕捉された細胞が連通孔に押しつ けられて破砕することが防止される。

[0025] 上記の更に別の態様では、 第 1液体は、 水溶液であってもよい。 第 2液体 は、 脂質を溶解した油性溶液であってもよい。 液体を供給するステップは、 第 2管部内の流体の流れを停止するステップの に、 第 2流路に水溶液を供 給するステップを有してもよい。 第 1及び第 2管部内に流体を流すステップ 及び第 2流路に水溶液を供給するステップでは、 第 1流路内の圧力と第 2流 路内の圧力とが同じになるように、 第 1供給部のポンプ部及び第 2供給部の ポンプ部から流体を放出してもよい。 第 2管部内の流体の流れを停止するス テップでは、 第 1及び第 2管部内に流体を流すステップ及び第 2流路に水溶 液を供給するステップにおける、 第 1供給部のポンプ部が放出する流体の流 量、 及び、 第 2供給部のポンプ部が放出する流体の流量を 持してもよい。 この場合、 第 2管部内の流体の流れを停止する前に、 連通孔に単分子の脂質 〇 2020/175289 10 卩(:171? 2020 /006615

膜が形成され、 第 2管部内の流体の流れを停止するステップに いて連通孔 に脂質二重膜が形成される。 第 2管部内の流体の流れを停止するステップで は、 第 1流路と第 2流路との間の圧力差の変化が抑制される。 このため、 形 成された脂質膜が破砕することが防止される 。

発明の効果

[0026] 本発明の一つの態様は、 簡易な構成で流路間の圧力差の変化が抑制さ れる 液体供給装置を提供できる。 本発明の別の態様は、 簡易な構成で流路間の圧 力差の変化が抑制される微小デバイスシステ ムを提供できる。 本発明の更に 別の態様は、 簡易な構成で流路間の圧力差の変化が抑制さ れる液体供給方法 を提供できる。

図面の簡単な説明

[0027] [図 1]図 1は、 本実施形態に係る微小デバイスシステムの概 略図である。

[図 2]図 2は、 微小流体デバイスの部分拡大図である。

[図 3]図 3は、 微小デバイスシステムの動作を説明するため の図である。 [図 4]図 4は、 微小デバイスシステムの動作を説明するため の図である。 [図 5]図 5は、 微小流体デバイスへの液体の供給方法を示す フローチヤートで ある。

[図 6]図 6は、 微小流体デバイスへの液体の供給方法を説明 するための図であ る。

[図 7]図 7は、 微小流体デバイスへの液体の供給方法を説明 するための図であ る。

[図 8]図 8は、 微小流体デバイスへの液体の供給方法を説明 するための図であ る。

[図 9]図 9は、 微小流体デバイスへの液体の供給方法を説明 するための図であ る。

[図 10]図 1 0は、 本実施形態の変形例に係る微小デバイスシス テムにおける 微小流体デバイスへの液体の供給方法を示す フローチヤートである。

[図 1 1]図 1 1は、 微小流体デバイスへの液体の供給方法を説明 するための図 〇 2020/175289 1 1 卩(:171? 2020 /006615

である。

[図 12]図 1 2は、 微小流体デバイスへの液体の供給方法を説明 するための図 である。

[図 13]図 1 3は、 微小流体デバイスへの液体の供給方法を説明 するための図 である。

発明を実施するための形態

[0028] 以下、 添付図面を参照して、 本発明の実施形態について詳細に説明する。

なお、 説明において、 同一要素又は同一機能を有する要素には、 同一符号を 用いることとし、 重複する説明は省略する。

[0029] まず、 図 1及び図 2を参照して、 本実施形態に係る微小デバイスシステム を説明する。 図 1は、 微小デバイスシステムの概略図である。 図 2は、 微小 流体デバイスの部分拡大図である。 微小デバイスシステム 1は、 捕捉した細 胞の標的物質に対する反応の観察、 又は、 脂質二重膜の形成などに用いられ る。 微小デバイスシステム 1は、 たとえば、 マイクロ流体デバイス又はナノ 流体デバイスである。

[0030] 微小デバイスシステム 1は、 微小流体デバイス 2と液体供給装置 3とを備 える。 液体供給装置 3は、 微小流体デバイス 2に所望の液体を供給する。 本 実施形態では、 液体供給装置 3は、 4種の液体 1_ 1 , !_ 2 , !_ 3 , !_ 4を微 小流体デバイス 2に供給する。 たとえば、 液体 !_ 1は第 1液体であり、 液体 !_ 2は第 2液体であり、 液体 !_ 3は第 3液体であり、 液体 !_ 4は第 4液体で ある。

[0031] 微小流体デバイス 2は、 カバーガラス 4と、 基板 5とを有する。 基板 5は 、 カバーガラス 4上に積層されている。 基板 5は、 一対の主面を有する。 図 1 に示されているように、 基板 5には、 液体供給装置 3から供給された液体 が流れる溝が設けられている。 図 1は、 基板 5の一対の主面に平行な断面を 示している。 基板 5は、 一方の主面でカバーガラス 4と接している。 基板 5 は、 たとえば、 シリコンゴムなどの樹脂で形成されている。 シリコンゴムの 材料としては、 たとえば、 ジメチルポリシロキサンが挙げられる。 基板 5の 〇 2020/175289 12 卩(:171? 2020 /006615

上記溝は、 たとえば、 フォトリソグラフィなどによって形成される 。

[0032] 基板 5に設けられた溝は、 一対の流路 1 0, 20、 流入路 1 1 , 1 2, 2

1 , 22、 流出路 1 3, 23、 及び連通部 30を含んでいる。 流路 1 0 , 2 0は、 一端と他端とを有している。 流路 1 0, 20の一端は、 流路の入口を 構成する。 流路 1 〇, 20の他端は、 流路の出口を構成する。 流入路 1 1 ,

1 2は、 流路 1 0の一端に接続されている。 流出路 1 3は、 流路 1 0の他端 に接続されている。 流入路 2 1 , 22は、 流路 20の一端に接続されている 。 流出路 23は、 流路 20の他端に接続されている。 連通部 30は、 流路 1 0, 20の一端と他端との間の領域で、 流路 1 0と流路 20とを連通してい る。

[0033] —対の流路 1 0, 20は、 基板 5の主面と平行に、 方向 01 に互いに沿っ て延在している。 換言すれば、 一対の流路 1 0, 20は、 基板 5の主面と平 行な平面を通っており、 当該平面上で方向口 1 と直交する方向口 2において 並んでいる。 流路 1 0と流路 20とは、 流路 1 0と流路 20との間に位置し ている壁で区画されている。 本実施形態では、 流路 1 0, 20は、 直線状で ある。 流路 1 0, 20は、 弧状であってもよい。

[0034] 本実施形態では、 基板 5の主面に直交する方向 03から見て、 流路 1 0と 流路 20との壁の幅は、 流路 1 0, 20の幅よりも小さい。 本実施形態では 、 流路 1 0, 20の断面は矩形であり、 流路 1 0の断面積と流路 20の断面 積とは同一である。 流路 1 0と流路 20との断面形状も同一ある。 たとえば 、 流路 1 〇が第 1流路である場合、 流路 20は第 2流路である。 たとえば、 本実施形態では、 流入路 1 1は第 1流入路であり、 流入路 1 2は第 2流入路 であり、 流入路 2 1は第 3流入路であり、 流入路 22は第 4流入路である。

[0035] 方向口 2における流路 1 0, 20の幅は、 たとえば 1 00 である。 方 向口 2における流路 1 0, 20の幅は、 50 〇1〜 2000 仰 であって もよい。 流路 1 〇, 20の長さは、 たとえば 7 である。 方向口 3におけ る流路 1 0, 20の深さは、 たとえば、 25 である。 方向口3における 流路 1 0, 20の深さは、 1 5 〇1〜30 であってもよい。 〇 2020/175289 13 卩(:171? 2020 /006615

[0036] 連通部 3 0は、 図 2に示されているように、 流路 1 0に設けられた窪み 3

1 と、 流路 2 0に設けられた窪み 3 2と、 窪み 3 1 と窪み 3 2を連通する連 通孔 3 3とを含む。 窪み 3 1は、 方向口 3から見て流路 2 0側に向けて窪ん だリ字形状を有する。 窪み 3 2は、 方向口3から見て流路 1 0側に向けて窪 んだリ字形状を有する。 連通孔 3 3は、 II字形状の窪み 3 1 , 3 2のそれぞ れの底面を貫通し、 流路 1 〇と流路 2 0とを連通する。 連通孔 3 3は、 方向 0 2に設けられている。

[0037] 流入路 1 1 , 1 2及び流出路 1 3は、 一端と他端とを有している。 流入路

1 1の一端は、 注入口 1 1 3を含んでいる。 流入路 1 1の他端は、 流路 1 0 に接続されている。 流入路 1 2の一端は、 注入口 1 2 3を含んでいる。 流入 路 1 2の他端は、 流路 1 0に接続されている。 流出路 1 3の一端は、 流出口 1 3 3を含んでいる。 流出路 1 3の他端は、 流路 1 0に接続されている。

[0038] 流入路 1 1 , 1 2及び流出路 1 3は、 方向 0 2において、 連通孔 3 3より も流路 2 0から離れた位置に設けられている。 流入路 1 1 , 1 2及び流出路 1 3は、 直線状である。 流入路 1 2は、 方向口 3から見て、 流入路 1 1 より も流路 2 0側で延在している。 本実施形態では、 流入路 1 1 , 1 2及び流出 路 1 3は、 基板 5の主面と平行、 かつ、 流路 1 0 , 2 0の延在方向 0 1 と交 差する方向に延在している。 流入路 1 1は、 流入路 1 2よりも大きい角度で 流路 1 0 , 2 0の延在方向 0 1 に対して傾斜している。

[0039] 流入路 2 1 , 2 2及び流出路 2 3は、 一端と他端とを有している。 流入路

2 1の一端は、 注入口 2 1 3を含んでいる。 流入路 2 1の他端は、 流路 2 0 に接続されている。 流入路 2 2の一端は、 注入口 2 2 3を含んでいる。 流入 路 2 2の他端は、 流路 2 0に接続されている。 流出路 2 3の一端は、 流出口 2 3 3を含んでいる。 流出路 2 3の他端は、 流路 2 0に接続されている。

[0040] 流入路 2 1 , 2 2及び流出路 2 3は、 方向口 2において、 連通孔 3 3より も流路 1 0から離れた位置に設けられている。 本実施形態では、 流入路 2 1 , 2 2及び流出路 2 3は、 直線状である。 流入路 2 1は、 方向口 3から見て 、 流入路 2 2よりも流路 1 0側で延在している。 本実施形態では、 流入路 2 〇 2020/175289 14 卩(:171? 2020 /006615

1 , 2 2及び流出路 2 3は、 基板 5の主面と平行、 かつ、 流路 1 0 , 2 0の 延在方向口 1 と交差する方向に延在している。 流入路 2 2は、 流入路 2 1 よ りも大きい角度で流路 1 0 , 2 0の延在方向 0 1 に対して傾斜している。 流 入路 2 1は、 流路 1 0 , 2 0の延在方向 0 1 に延在していてもよい。

[0041 ] 液体供給装置 3は、 流路 1 0に液体を供給する供給部 4 0、 及び流路 2 0 に液体を供給する供給部 7 0を備える。 供給部 4 0は、 ポンプ部 4 1、 分岐 管 4 5、 導入部 5 0 , 5 5、 及び停止部 6 0 , 6 5を備える。 供給部 7 0は 、 ポンプ部 7 1、 分岐管 7 5、 導入部 8 0 , 8 5、 及び停止部 9 0 , 9 5を 備える。 たとえば、 本実施形態では、 導入部 5 0は第 1導入部であり、 導入 部 5 5は第 2導入部であり、 導入部 8 0は第 3導入部であり、 導入部 8 5は 第 4導入部である。 たとえば、 供給部 4 0は第 1供給部であり、 供給部 7 0 は第 2供給部である。

[0042] ポンプ部 4 1は、 流体 1 を放出する放出口 4 1 3を有する。 ポンプ部 4

1は、 たとえば、 放出口 4 1 3から放出する流体 1が収容されているシリ ンジポンプである。 ポンプ部 4 1は、 人力で放出口 4 1 3から流体 1 を放 出してもよい。 ポンプ部 4 1は、 一定流量で放出口 4 1 3から流体 1 を放 出する。 流体 1は、 たとえば第 1流体である。

[0043] ポンプ部 4 1が放出口 4 1 3から放出する流体 1は、 たとえば、 非圧縮 性流体である。 非圧縮性流体としては、 たとえば、 液体が挙げられる。 液体 としては、 たとえば、 緩衝液が挙げられる。 この緩衝液は、 たとえば、 リン 酸緩衝生理食塩水 (以下、 「 巳 3」 という) であってもよい。 図 1 におい て、 供給部 4 0に対して示されている矢印は、 流体 1の流量を示している 。 図 1 において、 供給部 7 0に対して示されている矢印は、 流体 2の流量 を示している。 矢印の幅が広いほど、 流量は大きい。 なお、 「流量」 とは、 体積流量であり、 流体が移動する単位時間あたりの体積を意味 する。

[0044] 分岐管 4 5は、 接続部 4 6と複数の管部 4 7 , 4 8とを有する。 本実施形 態では、 分岐管 4 5は、 2つの管部 4 7 , 4 8を有する。 接続部 4 6は、 放 出口 4 1 3に接続されている。 放出口 4 1 3から放出された流体 1は、 接 〇 2020/175289 15 卩(:171? 2020 /006615

続部 4 6から分岐管 4 5の内部に流入する。 本実施形態では、 シリンジボン プと分岐管 4 5の接続部 4 6とがシリコーンチューブで接続されている

[0045] 管部 4 7 , 4 8は、 接続部 4 6から分岐している。 したがって、 接続部 4

6から流入した流体 1は、 複数の管部 4 7 , 4 8の少なくとも一つに流入 する。 分岐管 4 5が流体 1で満たされた後に、 接続部 4 6へ流入する流体 1の流量は、 管部 4 7 , 4 8から流出する流体 1の流量の合計である。 本実施形態では、 分岐管 4 5は、 接続部 4 6から 2つの管部 4 7 , 4 8に分 岐しているが、 3つ以上の管部 4 7 , 4 8に分岐してもよい。

[0046] 導入部 5 0は、 液体 !_ 1 を流路 1 0に導入する。 導入部 5 0は、 液体 !_ 1 を流入路 1 1の注入口 1 1 3に導入するように配置される。 導入部 5 0は、 液体 !_ 1 を収容する構成を有する。 本実施形態では、 導入部 5 0は、 液体 !_ 1 を内部に収容する収容管 5 1 を含む。 収容管 5 1の一端は、 管部 4 7に接 続されている。 収容管 5 1の他端は、 微小流体デバイス 2の注入口 1 1 3 に 配置される。 収容管 5 1は、 収容する液体 !_ 1の体積にしたがって十分な長 さを有する。 収容管 5 1は、 省スぺース化のためにループ状に構成されて い る。 本実施形態では、 導入部 5 0は、 延在方向口 1 において、 流入路 1 1 と 流路 1 0との接続位置から流路 1 0と連通孔 3 3との接続位置までの流路 1 〇の容積を超える体積の液体 !_ 1 を収容管 5 1 に収容している。 たとえば、 収容管 5 1は第 1収容管である。

[0047] 管部 4 7から流出した流体 1は、 収容管 5 1 に流入する。 この結果、 収 容管 5 1 に収容されている液体 !_ 1は、 収容管 5 1 に流入した流体 1 に押 し出される。 具体的には、 収容管 5 1 に収容されている液体 !_ 1は、 収容管 5 1 に流体 1が流入した体積に応じて管部 4 7とは反対側に移動する。 こ のため、 収容管 5 1から微小流体デバイス 2の流路 1 0に供給される液体 !_ 1の流量は、 管部 4 7から流出する流体 1の流量である。 換言すれば、 導 入部 5 0は、 管部 4 7を流れる流体 1の流量に応じた流量で流路 1 0に液 体 1- 1 を導入する。 供給部 4 0の構成は上述した構成に限定されず、 収容管 5 1から微小流体デバイス 2の流路 1 0に供給される液体 !_ 1の流量は、 管 〇 2020/175289 16 卩(:171? 2020 /006615 部 4 7から流出する流体 1の流量と異なってもよい。

[0048] 導入部 5 5は、 液体 !_ 2を流路 1 0に導入する。 導入部 5 5は、 液体 !_ 2 を流入路 1 2の注入口 1 2 3に導入するように配置される。 導入部 5 5は、 液体 !_ 2を収容する構成を有する。 本実施形態では、 導入部 5 5は、 液体 !_ 2を内部に収容する収容管 5 6を含む。 本実施形態では、 収容管 5 6の一端 は、 管部 4 8に接続されている。 収容管 5 6の他端は、 微小流体デバイス 2 の注入口 1 2 3に配置される。 収容管 5 6は、 収容する液体 !_ 2の体積にし たがって十分な長さを有する。 収容管 5 6は、 省スペース化のためにループ 状に構成されている。 たとえば、 収容管 5 6は第 2収容管である。

[0049] 管部 4 8から流出した流体 1は、 収容管 5 6に流入する。 この結果、 収 容管 5 6に収容されている液体 !_ 2は、 収容管 5 6に流入した流体 1 に押 し出される。 具体的には、 収容管 5 6に収容されている液体 !_ 2は、 収容管 5 6に流体 1が流入した体積に応じて管部 4 8とは反対側に移動する。 こ のため、 収容管 5 6から微小流体デバイス 2の流路 1 0に供給される液体 !_ 2の流量は、 管部 4 8から流出する流体 1の流量である。 換言すれば、 導 入部 5 5は、 管部 4 8を流れる流体 1の流量に応じた流量で流路 1 0に液 体 !_ 2を導入する。 供給部 4 0の構成は上述した構成に限定されず、 収容管

5 6から微小流体デバイス 2の流路 1 0に供給される液体 !_ 2の流量は、 管 部 4 8から流出する流体 1の流量と異なってもよい。

[0050] 停止部 6 0は、 管部 4 7における流体 1の流れを停止する。 停止部 6 5 は、 管部 4 8における流体 1の流れを停止する。 本実施形態では、 停止部

6 0 , 6 5は、 それぞれ流路を開閉するバルブ 6 1 , 6 6を含む。 バルブ 6 1は、 管部 4 7と導入部 5 0とを接続する流路を開閉する。 バルブ 6 1は、 収容管 5 1の一端と管部 4 7との接続部分に設けられている。 バルブ 6 6は 、 管部 4 8と導入部 5 5とを接続する流路を開閉する。 バルブ 6 6は、 収容 管 5 6の一端と管部 4 8との接続部分に設けられている。 バルブ 6 1は、 導 入部 5 0と微小流体デバイス 2とを接続する流路を開閉してもよい。 バルブ 6 6は、 導入部 5 5と微小流体デバイス 2とを接続する流路を開閉してもよ 〇 2020/175289 17 卩(:171? 2020 /006615

い。

[0051 ] バルブ 6 1 , 6 6は、 たとえば、 流体 1、 液体 !_ 1、 又は液体 !_ 2が流 れる流路に隣接して設けられた、 IV!巳 IV! 3技術による空気圧バルブであって もよい。 この場合、 当該空気圧バルブ内の空気圧の増加によって 、 流体 1 、 液体 1_ 1、 又は液体 !_ 2が流れる流路が押圧され、 当該流路が閉鎖される

[0052] ポンプ部 7 1は、 流体 2を放出する放出口 7 1 3を有する。 ポンプ部 7

1は、 たとえば、 放出口 7 1 3から放出する流体 2が収容されているシリ ンジポンプである。 ポンプ部 7 1は、 人力で放出口 7 1 3から流体 2を放 出してもよい。 ポンプ部 7 1は、 一定圧で放出口 7 1 3から流体 2を放出 する。 流体 2は、 たとえば第 2流体である。

[0053] ポンプ部 7 1が放出口 7 1 3から放出する流体 2は、 たとえば、 非圧縮 性流体である。 非圧縮性流体としては、 たとえば、 液体が挙げられる。 液体 としては、 たとえば、 緩衝液が挙げられる。 この緩衝液は、 たとえば、 巳 3であってもよい。

[0054] 分岐管 7 5は、 接続部 7 6及び複数の管部 7 7 , 7 8を有する。 本実施形 態では、 分岐管 7 5は、 2つの管部 7 7 , 7 8を有する。 接続部 7 6は、 放 出口 7 1 3に接続されている。 放出口 7 1 3から放出された流体 2は、 接 続部 7 6から分岐管 7 5の内部に流入する。 本実施形態では、 シリンジボン プと分岐管 7 5の接続部 7 6とがシリコーンチューブで接続されている た とえば、 本実施形態では、 管部 4 7は第 1管部であり、 管部 4 8は第 2管部 であり、 管部 7 7は第 3管部であり、 管部 7 8は第 4管部である。

[0055] 管部 7 7 , 7 8は、 接続部 7 6から分岐している。 したがって、 接続部 7

6から流入した流体 2は、 管部 7 7 , 7 8の少なくとも一つに流入する。 分岐管 7 5が流体 2で満たされた後に、 接続部 7 6へ流入する流体 2の 流量は、 管部 7 7 , 7 8から流出する流体 2の流量の合計である。 本実施 形態では、 分岐管 7 5は、 接続部 7 6から 2つの管部 7 7 , 7 8に分岐して いるが、 3つ以上の管部 7 7 , 7 8に分岐してもよい。 〇 2020/175289 18 卩(:171? 2020 /006615

[0056] 導入部 8 0は、 液体 1_ 3を流路 2 0に導入する。 導入部 8 0は、 液体 1_ 3 を流入路 2 1の注入口 2 1 3に導入するように配置される。 導入部 8 0は、 液体 !_ 3を収容する構成を有する。 本実施形態では、 導入部 8 0は、 液体 !_ 3を内部に収容する収容管 8 1 を含む。 本実施形態では、 収容管 8 1の一端 は、 管部 7 7に接続されている。 収容管 8 1の他端は、 微小流体デバイス 2 の注入口 2 1 3に配置される。 収容管 8 1は、 収容する液体 !_ 3の体積にし たがって十分な長さを有する。 収容管 8 1は、 省スペース化のためにループ 状に構成されている。 たとえば、 収容管 8 1は第 3収容管である。

[0057] 管部 7 7から流出した流体 2は、 収容管 8 1 に流入する。 この結果、 収 容管 8 1 に収容されている液体 !_ 3は、 収容管 8 1 に流入した流体 2に押 し出される。 具体的には、 収容管 8 1 に収容されている液体 !_ 3は、 収容管 8 1 に流体 2が流入した体積に応じて管部 7 7とは反対側に移動する。 こ のため、 収容管 8 1から微小流体デバイス 2の流路 2 0に供給される液体 !_ 3の流量は、 管部 7 7から流出する流体 2の流量である。 換言すれば、 導 入部 8 0は、 管部 7 7を流れる流体 2の流量に応じた流量で流路 2 0に液 体 !_ 3を導入する。 供給部 7 0の構成は上述した構成に限定されず、 収容管 8 1から微小流体デバイス 2の流路 2 0に供給される液体 !_ 3の流量は、 管 部 7 7から流出する流体 2の流量と異なってもよい。

[0058] 導入部 8 5は、 液体 1- 4を流路 2 0に導入する。 導入部 8 5は、 液体 1_ 4 を流入路 2 2の注入口 2 2 3に導入するように配置される。 導入部 8 5は、 液体 1_ 4を収容する構成を有する。 本実施形態では、 導入部 8 5は、 液体 1_ 4を内部に収容する収容管 8 6を含む。 本実施形態では、 収容管 8 6の一端 は、 管部 7 8に接続されている。 収容管 8 6の他端は、 微小流体デバイス 2 の注入口 2 2 3 に配置される。 収容管 8 6は、 収容する液体 1_ 4の体積にし たがって十分な長さを有する。 収容管 8 6は、 省スペース化のためにループ 状に構成されている。 本実施形態では、 導入部 8 5は、 収容管 8 6に、 延在 方向口 1 において、 流入路 2 1 と流路 2 0との接続位置から流路 2 0と連通 孔 3 3との接続位置までの流路 2 0の容積を超える体積の液体 1_ 4を収容し 〇 2020/175289 19 卩(:171? 2020 /006615

ている。 たとえば、 収容管 8 6は第 4収容管である。

[0059] 管部 7 8から流出した流体 2は、 収容管 8 6に流入する。 この結果、 収 容管 8 6に収容されている液体 1_ 4は、 収容管 8 6に流入した流体 2に押 し出される。 具体的には、 収容管 8 6に収容されている液体 1_ 4は、 収容管 8 6に流体 2が流入した体積に応じて管部 7 8とは反対側に移動する。 こ のため、 収容管 8 6から微小流体デバイス 2の流路 2 0に供給される液体 1_ 4の流量は、 管部 7 8から流出する流体 2の流量である。 換言すれば、 導 入部 8 5は、 管部 7 8を流れる流体 2の流量に応じた流量で流路 2 0に液 体 1- 4を導入する。 供給部 7 0の構成は上述した構成に限定されず、 収容管

8 6から微小流体デバイス 2の流路 2 0に供給される液体 1_ 4の流量は、 管 部 7 8から流出する流体 2の流量と異なってもよい。

[0060] 停止部 9 0は、 管部 7 7における流体 2の流れを停止する。 停止部 9 5 は、 管部 7 8における流体 2の流れを停止する。 本実施形態では、 停止部

9 0 , 9 5は、 それぞれ流路を開閉するバルブ 9 1 , 9 6を含む。 バルブ 9 1は、 管部 7 7と導入部 8 0とを接続する流路を開閉する。 バルブ 9 1は、 収容管 8 1の一端と管部 7 7との接続部分に設けられている。 バルブ 9 6は 、 管部 7 8と導入部 8 5とを接続する流路を開閉する。 バルブ 9 6は、 収容 管 8 6の一端と管部 7 8との接続部分に設けられている。 バルブ 9 1は、 導 入部 8 0と微小流体デバイス 2とを接続する流路を開閉してもよい。 バルブ 9 6は、 導入部 8 5と微小流体デバイス 2とを接続する流路を開閉してもよ い。

[0061 ] バルブ 9 1 , 9 6は、 たとえば、 流体 2、 液体 1_ 3、 又は液体 1_ 4が流 れる流路に隣接して設けられた、 IV!巳 IV! 3技術による空気圧バルブであって もよい。 この場合、 当該空気圧バルブ内の空気圧の増加によって 、 流体 2 、 液体 1_ 3、 又は液体 1_ 4が流れる流路が押圧され、 当該流路が閉鎖される

[0062] 次に、 図 1、 図 3及び図 4を参照して、 微小デバイスシステム 1 における 液体供給の動作を詳細に説明する。 図 3及び図 4には、 微小流体デバイス 2 〇 2020/175289 20 卩(:171? 2020 /006615

の一部と供給部 4 0のみが示されているが、 供給部 4 0によって流路 1 0に 液体を供給する場合と共に、 供給部 7 0によって流路 2 0に液体を供給する 場合についても説明する。 図 3は、 供給部 4 0のバルブ 6 1 , 6 6の双方が 開いている状態を示している。 図 4は、 供給部 4 0のバルブ 6 6が閉じてい る状態を示している。 図 3及び図 4において、 矢印は、 流体 1及び液体 !_ 1 , 1_ 2の流量を示している。 矢印の幅が広いほど、 流量は大きい。 図 3及 び図 4において、 二点鎖線は、 液体 1_ 1 と液体 1_ 2との境目を示している。 この境目では、 液体 !- 1 と液体 1_ 2とが混ざり合っている。

[0063] 図 3に示されているように、 供給部 4 0のバルブ 6 1 , 6 6の双方が開い ている状態では、 ボンプ部 4 1から分岐管 4 5に導入された流体 1が管部 4 7及び管部 4 8の双方から流出する。 この場合、 導入部 5 0から流入路 1 1 に液体 1_ 1が導入され、 導入部 5 5から流入路 1 2に液体 !_ 2が導入され る。 流入路 1 1 を流れた液体 !_ 1 と流入路 1 2を流れた液体 !_ 2とは、 流路 1 0で合流する。 合流した液体 !_ 1 と液体 !_ 2は、 互いに並列して流路 1 0 を延在方向口 1 に流れる。 すなわち、 液体 !_ 1が流れる層と液体 !_ 2が流れ る層とが流路 1 〇内に形成される。 方向口3から見た場合に、 流路 2 0側を 液体 !_ 2が流れる。 換言すれば、 液体 !_ 2の流れは、 方向口 2において、 液 体 !_ 1の流れより流路 2 0に近い。 したがって、 連通孔 3 3の流路 1 0側に は、 液体 !_ 2のみが供給される。

[0064] 供給部 7 0のバルブ 9 1 , 9 6の双方が開いている状態では、 ポンプ部 7

1から分岐管 7 5に導入された流体 2が管部 7 7及び管部 7 8の双方から 流出する。 この場合、 導入部 8 0から流入路 2 1 に液体 !_ 3が導入され、 導 入部 8 5から流入路 2 2に液体 !_ 4が導入される。 流入路 2 1 を流れた液体 1- 3と流入路 2 2を流れた液体 1_ 4とは、 流路 2 0で合流する。 合流した液 体 1- 3と液体 1_ 4は、 液体 1_ 1 , !_ 2と同様に、 互いに並列して流路 2 0を 延在方向口 1 に流れる。 すなわち、 液体 !_ 3が流れる層と液体 !_ 4が流れる 層とが流路 2 0内に形成される。 方向口3から見た場合に、 流路 1 0側を液 体 !_ 3が流れる。 換言すれば、 液体 1- 3の流れは、 方向口 2において、 液体 〇 2020/175289 21 卩(:171? 2020 /006615

1- 4の流れより流路 1 0に近い。 したがって、 連通孔 3 3の流路 2 0側には 、 液体 !_ 3のみが供給される。

[0065] 図 4に示されているように、 バルブ 6 1が開いた状態かつバルブ 6 6が閉 じた状態では、 ボンプ部 4 1から分岐管 4 5に導入された流体 1が、 管部 4 7から流出し、 管部 4 8からは流出しない。 このため、 液体 1_ 1は導入部 5 0から流入路 1 1 に導入されるが、 液体 !_ 2は導入部 5 5から流入路 1 2 に導入されない。 したがって、 流入路 1 2における液体 !_ 2の流れは停止し 、 液体 !_ 1のみが流路 1 〇を延在方向口 1 に流れる。 この際、 液体 !_ 1は、 流路 1 0内に残っていた液体 !_ 2を押し流す。 この結果、 連通孔 3 3の流路 1 〇側には、 液体 !_ 1のみが供給される。

[0066] バルブ 6 1が開いた状態かつバルブ 6 6が閉じた状態では、 管部 4 8を流 れる流体 1の流量の減少に応じて、 管部 4 7を流れる流体 1の流量が増 加する。 本実施形態では、 ポンプ部 4 1から新たに分岐管 4 5に導入された 流体 1の全てが管部 4 7から流出する。 この結果、 管部 4 7における流体 1の流量が、 バルブ 6 1 , 6 6の双方が開いている状態から増加する。 こ のため、 導入部 5 0から流入路 1 1 に導入される液体 !_ 1の流量もバルブ 6 1 , 6 6の双方が開いている状態から増加する。 したがって、 バルブ 6 1 ,

6 6の双方が開いている状態からバルブ 6 6が閉じた状態に切り替わったと しても、 流路 1 〇内を流れる液体の流量の変化は抑制され、 流路 1 0内の圧 力変化が抑制される。

[0067] バルブ 9 6が開いた状態かつバルブ 9 1が閉じた状態では、 ボンプ部 7 1 から分岐管 7 5に導入された流体 2が、 管部 7 8から流出し、 管部 7 7か らは流出しない。 このため、 液体 !_ 4は導入部 8 5から流入路 2 2に導入さ れるが、 液体 !_ 3は導入部 8 0から流入路 2 1 に導入されない。 したがって 、 流入路 2 1 における液体 !_ 3の流れは停止し、 液体 !_ 4のみが流路 2 0を 延在方向口 1 に流れる。 この際、 液体 !_ 4は、 流路 2 0内に残っていた液体 1- 3を押し流す。 この結果、 連通孔 3 3の流路 2 0側には、 液体 1_ 4のみが 供給される。 [0068] バルブ 96が開いた状態かつバルブ 9 1 が閉じた状態では、 管部 7 7を流 れる流体 F 2の流量の減少に応じて、 管部 78を流れる流体 F 2の流量が増 加する。 本実施形態では、 ポンプ部 7 1 から新たに分岐管 7 5に導入された 流体 F 2の全てが管部 78から流出するため、 管部 78における流体 F 2の 流量がバルブ 9 1 , 96の双方が開いている状態から増加する。 このため、 導入部 85から流入路 22に導入される液体 L 4の流量もバルブ 9 1 , 96 の双方が開いている状態から増加する。 したがって、 バルブ 9 1 , 96の双 方が開いている状態からバルブ 9 1 が閉じた状態に切り替わったとしても、 流路 20内の圧力変化が抑制される。

[0069] 次に、 本実施形態における微小デバイスシステムの 使用方法について説明 する。 本実施形態では、 微小デバイスシステム 1 を細胞の標的物質に対する 反応の観察に用いる場合について説明する。 本実施形態では、 液体 L 1 , L 3は、 たとえば、 緩衝液である。 この緩衝液は、 たとえば、 H B Sバッファ - ( 1 40 mM N a C I , 5 mM KC I , 2 mM C a C I 2, 1 m M M g C I 2 , 1 0 m M g l u c o s e, 0. 2 % B S A (bovine serum albumin) 、 及び 1 0 m M H E P E S ( p H 7. 4) )であっ てもよい。 液体 L 2は、 複数の細胞を含む懸濁液 (以下、 「細胞懸濁液」 と いう) である。 液体 L 4は、 細胞に接触させる標的物質を含む試料 (以下、 単に 「試料」 という) である。 液体 L 1 は、 細胞を含んでいない。 液体 L 3 は、 標的物質を含んでいない。 液体 L 1 , L 2, L 3, L 4には、 それぞれ の流れを確認するために蛍光色素が添加され ていてもよい。

[0070] 本実施形態における微小流体デバイス 2の連通孔 33の径は、 細胞の径よ りも小さい。 たとえば、 連通孔 33の径は、 細胞の直径の 7 5%よりも小さ い。 たとえば、 連通孔 33の径は、 1 〜 1 5 Mmである。 本実施形態では、 連通孔 33の径は、 3 mである。

[0071] 本実施形態において使用される細胞は、 蛍光指示薬を有する細胞である。

[0072] 標的物質は、 特に限定されず、 AT P、 ヒスタミン等の刺激物質であって よい。 〇 2020/175289 23 卩(:171? 2020 /006615

[0073] 蛍光指示薬は、 標的物質による刺激の結果蛍光を発する物質 であれば特に 限定されない。 蛍光指示薬は、 たとえば、 蛍光タンパク質又は蛍光色素であ ってよい。 蛍光指示薬は、 好ましくは遺伝的にコードされた蛍光タンパ ク質 である。 たとえば、 標的物質による刺激が細胞内のイオン濃度の 変化をもた らす場合、 蛍光指示薬は、 そのイオンに感受性の蛍光タンパク質又は蛍 光色 素であってよい。 蛍光タンパク質の例は、 カルシウム感受性蛍光タンパク質 である、 タンパク質、

IV! 7タンパク質である。 蛍光色素の例は、 丨 リ〇 3—八1\/1、 [¾ 〇 (商標) 5 2 0、 1 リ〇 4 -八1\/1、 1 —八1\/1、 〇 3 丨 13 「 7 1 6 5 9 0、 〇 8

1 13 「 V I 6 6 3 0等のカルシウム感受性蛍光色素である。

[0074] 細胞は、 たとえば、 ヒト子宮頸部上皮がん細胞 1 ~ 1 6 3 である。

[0075] 次に、 図 5から図 9を参照して、 本実施形態における微小流体デバイス 2 への液体供給方法について説明する。 図 5は、 本実施形態における微小流体 デバイス 2への液体供給方法を示すフローチヤートで る。 図 6から図 9は 、 微小流体デバイス 2への液体供給方法の各ステップを説明する めの図で ある。 図 6から図 9において、 矢印は、 液体の流れ方向を示している。 図 6 から図 8において、 二点鎖線は、 異なる液体の境目を示している。 この境目 では、 異なる液体が混ざり合っている。

[0076] まず、 図 5に示されているように、 微小流体デバイス 2に液体を供給する 液体供給装置 3を準備する (処理 3 1 1) 。 具体的には、 導入部 5 0は、 流 入路 1 1の注入口 1 1 3に液体 1_ 1 として緩衝液を導入するように配置され る。 導入部 5 5は、 流入路 1 2の注入口 1 2 3 に液体 !_ 2として細胞懸濁液 を導入するように配置される。 導入部 8 0は、 流入路 2 1の注入口 2 1 3 に 液体 1- 3として緩衝液を導入するように配置される 導入部 8 5は、 流入路

2 2の注入口 2 2 3に液体 1_ 4として試料を導入するように配置される。 [0077] 続いて、 図 5に示されているように、 ポンプ部 4 1 , 7 1 によって、 各管 部 4 7, 4 8, 7 7, 7 8に流体 1, 2を導入する (処理 3 1 2) 。 具 〇 2020/175289 24 卩(:171? 2020 /006615

体的には、 供給部 4 0のポンプ部 4 1の放出口 4 1 3から流体 1が一定の 流量で放出され、 管部 4 7 , 4 8内に流体 1が流される。 供給部 7 0のポ ンプ部 7 1の放出口 7 1 3から流体 2が一定の流量で放出され、 管部 7 7 , 7 8内に流体 2が流される。 この際、 バルブ 6 1 , 6 6 , 9 1 , 9 6の 全てが開いた状態である。 この結果、 図 6に示されているように、 液体供給 装置 3によって、 流路 1 0に液体 1_ 1 , !_ 2が導入され、 流路 2 0に液体 !_ 3 , 1_ 4が導入される。 流路 1 0には、 細胞懸濁液が緩衝液よりも流路 2 0 の近くを流れるように、 緩衝液と細胞懸濁液が並列して流れる。 流路 2 0に は、 緩衝液が試料よりも流路 1 0の近くを流れるように、 緩衝液と試料とが 並列して流れる。 すなわち、 流路 1 〇内には緩衝液が流れる層と細胞懸濁液 が流れる層とが形成される。 流路 2 0内には緩衝液が流れる層と試料が流れ る層とが形成される。

[0078] 本実施形態では、 流路 1 0内の圧力が流路 2 0内の圧力よりも高くなるよ うに、 供給部 4 0のポンプ部 4 1及び供給部 7 0のポンプ部 7 1から流体 1 , 2が放出される。 このため、 連通孔 3 3において、 圧力差が生じる。 この圧力差によって、 液体 1- 2中の細胞《が、 図 7に示されているように、 流路 1 〇側において連通孔 3 3で捕捉される。 なお、 流路内の 「圧力」 とは 、 静圧を意味する。 したがって、 「圧力差」 とは、 流路間の静圧の差である

[0079] 本実施形態では、 流路 1 〇を流れる液体 !_ 1 , 1- 2の流量の合計と流路 2 〇を流れる液体 1- 3 , 1_ 4の流量の合計との違いによって、 流路 1 0内の圧 力が流路 2 0内の圧力よりも高くされる。 しかしながら、 流路 1 0を流れる 流量と流路 2 0の流量との違いでなく、 流路 1 0と流路 2 0との形状の違い によって、 流路 1 〇内の圧力が流路 2 0内の圧力よりも高くされてもよい。 処理 3 1 2では、 流路 1 0を流れる液体 1_ 1 , !_ 2の流量の合計は、 6 0 1- / IIである。 流路 2 0を流れる液体 1_ 3 , 1_ 4の流量の合計は、 4 0 1- / 1 * 1である。

[0080] 続いて、 図 5に示されているように、 流路 1 0への細胞懸濁液の導入を停 〇 2020/175289 25 卩(:171? 2020 /006615

止する (処理 3 1 3) 。 具体的には、 バルブ 6 6を閉じ、 管部 4 7内に流体 1 を流しながら、 管部 4 8内の流体 1の流れを停止する。 管部 7 7 , 7 8内には、 流体 2が流れている。 この結果、 図 8に示されているように、 流路 1 0には液体 !_ 1 として緩衝液のみが流れ、 連通孔 3 3で捕捉されなか った細胞《が洗い流される。 流路 2 0には、 処理 3 1 2と同様に、 液体 !_ 3 , 1- 4として緩衝液と試料とが並列して流れる。

[0081 ] 処理 3 1 3では、 処理 3 1 2における、 供給部 4 0のポンプ部 4 1が放出 する流体 1の流量、 及び、 供給部 7 0のポンプ部 7 1が放出する流体 2 の流量が維持される。 バルブ 6 6が閉じ、 管部 4 8内の流体 1の流れが停 止しているため、 処理 3 1 2で管部 4 8内を流れていた流体 1の流量だけ 管部 4 7内の流体 1の流量が増加する。 この結果、 処理 3 1 2で流路 1 0 を流れていた細胞懸濁液の流量だけ、 流路 1 0を流れる緩衝液の流量が増加 する。 したがって、 処理 3 1 2から処理 3 1 3に切り替わったとしても、 流 路 1 0内の圧力変化が抑制される。

[0082] 続いて、 図 5に示されているように、 流路 2 0への緩衝液の導入を停止す る (処理 3 1 4) 。 具体的には、 バルブ 9 1 を閉じ、 管部 7 8内に流体 2 を流しながら、 管部 7 7内の流体 2の流れを停止する。 管部 4 7内には、 流体 1が流れている。 管部 4 8内の流体 1の流れは停止している。 この 結果、 図 9に示されているように、 流路 2 0には液体 !_ 4として試料のみが 流れ、 流路 2 0の連通孔 3 3側にも標的物質を含む試料が流れ込む。 したが って、 連通孔 3 3を通して、 連通孔 3 3によって捕捉された細胞《に標的物 質が接触する。 これによって、 標的物質に対する細胞《の反応が開始される

[0083] 処理 3 1 4では、 処理 3 1 2及び処理 3 1 3における、 供給部 4 0のボン プ部 4 1が放出する流体 1の流量、 及び、 供給部 7 0のポンプ部 7 1が放 出する流体 2の流量が維持される。 バルブ 9 1が閉じ、 管部 7 7内の流体 2の流れが停止しているため、 処理 3 1 2及び処理 3 1 3で管部 7 7内を 流れていた流体 2の流量だけ管部 7 8内の流体 2の流量が増加する。 こ 〇 2020/175289 26 卩(:171? 2020 /006615

の結果、 処理 3 1 2及び処理 3 1 3で流路 2 0を流れていた緩衝液の流量だ け、 流路 2 0を流れる試料の流量が増加する。 したがって、 処理 3 1 3から 処理 3 1 4に切り替わったとしても、 流路 2 0内の圧力変化が抑制される。

[0084] 次に、 本実施形態の変形例に係る微小デバイスシス テムの使用方法につい て説明する。 本変形例は、 微小デバイスシステム 1 を脂質二重膜の形成に用 いる場合について説明する。 本変形例における微小デバイスシステムは、 概 ね、 上述した実施形態と類似又は同じである。 本変形例の微小デバイスシス テムは、 微小流体デバイス 2の連通孔 3 3の径、 及び、 液体 !_ 1 , !_ 2 ,

3 , 1- 4の種別が上述した実施形態と相違する。 以下、 上述した実施形態と 変形例との相違点を主として説明する。

[0085] 本変形例における微小流体デバイス 2の連通孔 3 3の径は、 上記実施形態 における連通孔 3 3の径よりも大きい。 たとえば、 本変形例における連通孔 3 3の径の上限は、 流路 1 0 , 2 0の深さ以下である。 すなわち、 流路 1 0 , 2 0の深さが 1 0 0 であれば、 連通孔 3 3の径も 1 0 0 であつ てもよい。 本変形例の微小流体デバイス 2では、 連通孔 3 3の径は、 たとえ ば、 1〜 3 0 に形成され得る。 本変形例では、 連通孔 3 3の径は、 1 0 である。 液体 !_ 2 , !_ 3は、 脂質を溶解した油性溶液 (以下、 単に 「油 性溶液」 という) である。 液体 !_ 1 , !_ 4は、 水溶液である。 液体 !_ 1 ,

2 , !_ 3 , !_ 4には、 それぞれの流れを確認するために蛍光色素が 添加され ていてもよい。

[0086] 脂質は、 脂質二重膜形成成分であり、 親水基 (親水性原子団) と疎水基 ( 疎水性原子団) とを有する。 脂質は、 形成する脂質二重膜に応じて適宜選択 される。 脂質は、 たとえば、 リン脂質、 糖脂質、 コレステロール、 又はその 他の化合物である。 リン脂質としては、 たとえば、 ホスファチジルコリン、 ホスファチジルエタノールアミン、 ホスファチジルセリン、 ホスファチジル イノシトール、 スフインゴミエリンなどが挙げられる。 糖脂質としては、 た とえば、 セレブロシド、 ガングリオシドなどが挙げられる。

[0087] 脂質を溶解する油性溶媒としては、 各種の有機溶媒が適宜選択される。 油 \¥02020/175289 27 卩(:17 2020/006615

性有機溶媒としては、 たとえば、 へキサデカン、 スクアレンなどが挙げられ る。

[0088] 液体 1_ 1 , !_ 4の水溶液は、 たとえば、 緩衝液である。 この緩衝液は、 た とえば であってもよい。 液体 1_ 1 , !_ 4の水溶液は、 脂質二重膜の形 成に影響がない各種成分を含む。

[0089] 次に、 図 1 0から図 1 3を参照して、 本変形例における微小流体デバイス

2への液体供給方法について説明する。 図 1 0は、 本変形例における微小流 体デバイス 2への液体供給方法を示すフローチヤートで る。 図 1 1から図 1 3は、 微小流体デバイス 2への液体供給方法の各ステップを説明する め の図である。 図 1 1から図 1 3において、 矢印は、 液体の流れ方向を示して いる。 図 1 1及び図 1 2において、 二点鎖線は、 異なる液体の境目を示して いる。 この境目では、 異なる液体が混ざり合っている。

[0090] まず、 図 1 0に示されているように、 微小流体デバイス 2に液体を供給す る液体供給装置 3を準備する (処理 3 2 1) 。 具体的には、 導入部 5 0は、 流入路 1 1の注入口 1 1 3に液体 !_ 1 として水溶液を導入するように配置さ れる。 導入部 5 5は、 流入路 1 2の注入口 1 2 3 に液体 !_ 2として油性溶液 を導入するように配置される。 導入部 8 0は、 流入路 2 1の注入口 2 1 3 に 液体 1- 3として油性溶液を導入するように配置され 。 導入部 8 5は、 流入 路 2 2の注入口 2 2 3に液体 1_ 4として水溶液を導入するように配置される

[0091 ] 続いて、 図 1 0に示されているように、 ポンプ部 4 1 , 7 1 によって、 各 管部 4 7, 4 8, 7 7, 7 8に流体 1, 2を導入する (処理 3 2 2) 。 具体的には、 供給部 4 0のポンプ部 4 1の放出口 4 1 3から流体 1が一定 の流量で放出され、 管部 4 7 , 4 8内に流体 1が流される。 供給部 7 0の ボンプ部 7 1の放出口 7 1 3から流体 2が一定の流量で放出され、 管部 7 7 , 7 8内に流体 2が流される。 この際、 バルブ 6 1 , 6 6 , 9 1 , 9 6 の全ては開いた状態である。 この結果、 図 1 1 に示されているように、 液体 供給装置 3によって、 流路 1 0に液体 1_ 1 , !_ 2が導入され、 流路 2 0に液 〇 2020/175289 28 卩(:171? 2020 /006615

体 1_ 3 , 1_ 4が導入される。 流路 1 0には、 油性溶液が水溶液よりも流路 2 0の近くを流れるように、 水溶液と油性溶液とが並列して流れる。 流路 2 0 には、 油性溶液が水溶液よりも流路 1 0の近くを流れるように、 油性溶液と 水溶液とが並列して流れる。 すなわち、 流路 1 0及び流路 2 0のそれぞれに は、 水溶液が流れる層と油性溶液が流れる層とが 形成される。

[0092] 本変形例では、 流路 1 0内の圧力と流路 2 0内の圧力とが同じになるよう に、 供給部 4 0のボンプ部 4 1及び供給部 7 0のボンプ部 7 1から流体 1 , 2が放出される。 この 「同じ」 には、 連通孔 3 3に形成される脂質膜が 破砕しない程度の圧力差が生じる場合が含ま れる。 なお、 流路内の 「圧力」 とは、 静圧を意味する。 したがって、 「圧力差」 とは、 流路間の静圧の差で ある。

[0093] 本変形例では、 流路 1 0を流れる液体 !_ 1 , !_ 2の流量の合計と流路 2 0 を流れる液体 1- 3 , 1_ 4の流量の合計とを同一とすることによって 流路 1 0内の圧力と流路 2 0内の圧力とが同じにされる。 しかし、 流路 1 0を流れ る流量と流路 2 0の流量とが異なっても、 流路 1 0と流路 2 0との形状の違 いによって、 流路 1 0内の圧力と流路 2 0内の圧力とが同じにされてもよい 。 処理 3 2 2では、 流路 1 0を流れる液体 !_ 1 , の流量の合計は、 1 0 1- / IIである。 流路 2 0を流れる液体 1_ 3 , 1_ 4の流量の合計は、 1 0 である。

[0094] 続いて、 図 1 0に示されているように、 流路 1 0への油脂溶液の導入を停 止する (処理 3 2 3) 。 具体的には、 バルブ 6 6を閉じ、 管部 4 7内に流体 1 を流しながら、 管部 4 8内の流体 1の流れを停止する。 管部 7 7 , 7 8内には、 流体 2が流れている。 この結果、 図 1 2に示されているように 、 流路 1 0には液体 !_ 1 として水溶液のみが流れ、 流路 1 0内の油性溶液が 洗い流される。 したがって、 連通孔 3 3の流路 1 0側に水溶液が供給され、 液体 !_ 1の水溶液と液体 !_ 3の油性溶液との界面が連通孔 3 3に形成される 。 当該界面では、 親水基を水溶液側に向けて配列した単分子の 脂質膜が連通 孔 3 3に形成される。 流路 2 0には、 処理 3 2 2と同様に、 液体!- 3 , 〇 2020/175289 29 卩(:171? 2020 /006615

として水溶液と油性溶液が並列して流れる 。

[0095] 処理 3 2 3では、 処理 3 2 2における、 供給部 4 0のポンプ部 4 1が放出 する流体 1の流量、 及び、 供給部 7 0のポンプ部 7 1が放出する流体 2 の流量が維持される。 バルブ 6 6が閉じ、 管部 4 8内の流体 1の流れが停 止しているため、 処理 3 2 2で管部 4 8内を流れていた流体 1の流量だけ 管部 4 7内の流体 1の流量が増加する。 この結果、 処理 3 2 2で流路 1 0 を流れていた油性溶液の流量だけ、 流路 1 0を流れる水溶液の流量が増加す る。 したがって、 処理 3 2 2から処理 3 2 3に切り替わったとしても、 流路 1 〇内の圧力変化が抑制される。

[0096] 続いて、 図 1 0に示されているように、 流路 2 0への油性溶液の導入を停 止する (処理 3 2 4) 。 具体的には、 バルブ 9 1 を閉じ、 管部 7 8内に流体 2を流しながら、 管部 7 7内の流体 2の流れを停止する。 管部 4 7内に は、 流体 1が流れている。 管部 4 8内の流体 1の流れは停止している。 この結果、 図 1 3に示されているように、 流路 2 0には液体 !_ 4として水溶 液のみが流れ、 流路 2 0内の油性溶液が洗い流される。 この際、 連通孔 3 3 に形成されていた単分子の脂質膜の疎水基に 油性溶液中の脂質/ 3の疎水基が 配置され、 連通孔 3 3に脂質二重膜が形成される。 形成された脂質二重膜は 、 テール ツー ·テール式に脂質 2分子の疎水基同士が向き合うように配向 した構造を有する。

[0097] 処理 3 2 4では、 処理 3 2 2における、 供給部 4 0のポンプ部 4 1が放出 する流体 1の流量、 及び、 供給部 7 0のポンプ部 7 1が放出する流体 2 の流量が維持される。 バルブ 9 1が閉じ、 管部 7 7内の流体 2の流れが停 止しているため、 処理 3 2 3で管部 7 7内を流れていた流体 2の流量だけ 管部 7 8内の流体 2の流量が増加する。 この結果、 処理 3 2 3で流路 2 0 を流れていた油性溶液の流量だけ、 流路 2 0を流れる水溶液の流量が増加す る。 したがって、 処理 3 2 3から処理 3 2 4に切り替わったとしても、 流路 2 0内の圧力変化が抑制される。

[0098] 以上のように、 供給部 4 0において、 導入部 5 5は、 管部 4 8を流れる流 〇 2020/175289 30 卩(:171? 2020 /006615

体 1の流量に応じた流量で流路 1 0に液体 1- 2を導入する。 このため、 管 部 4 8内の流体 1の流れを停止することで、 流路 1 0への液体 !_ 2の導入 が停止される。 管部 4 8内の流体 1の流れが停止された状態では、 ポンプ 部 4 1の放出口 4 1 3から放出された流体 1は分岐管 4 5の管部 4 8以外 の部分に流れ込む。 分岐管 4 5では接続部 4 6から管部 4 7 , 4 8が分岐し ているため、 管部 4 8内の流体 1の流れが停止された状態における管部 4 7内の流体 1の流量は、 管部 4 8内の流体 1の流れが停止されていない 状態に比べて増加する。 上記実施形態及び変形例では、 管部 4 8に流れ込ま なくなった流量だけ、 管部 4 7に流体 1が流れ込む。 導入部 5 0は、 管部 4 7を流れる流体 1の流量に応じた流量で流路 1 0に液体 !_ 1 を導入する 。 このため、 管部 4 8内の流体 1の流れが停止された状態と停止されてい ない状態との間で遷移する場合でも、 流路 1 〇を流れる液体 !_ 1 , !_ 2の合 計流量の変化は抑制される。 したがって、 上記液体供給装置 3では、 管部 4 8内の流体 1の流れが停止された状態と停止されていな 状態との間で遷 移する場合でも、 流路 1 0における圧力の変化は抑制される。 この結果、 液 体 1_ 1 , !_ 2の導入量を電子制御することなく、 簡易な構成で、 流路 1 0と 流路 2 0との間の圧力差の変化が抑制され得る。

[0099] 供給部 7 0も供給部 4 0と同様の構成を有する。 このため、 管部 7 7内の 流体 2の流れが停止された状態と停止されていな 状態との間で遷移する 場合でも、 流路 2 0における圧力の変化は抑制される。 この結果、 液体 !_ 1 , !_ 2 , !_ 3 , 1- 4の導入量を電子制御することなく、 簡易な構成で、 流路 1 0と流路 2 0との間の圧力差の変化が抑制される。

[0100] 導入部 5 0は、 管部 4 7に接続されていると共に液体 !_ 1 を内部に収容す る収容管 5 1 を含んでいる。 導入部 5 5は、 管部 4 8に接続されていると共 に液体 !_ 2を内部に収容する収容管 5 6を含んでいる。 このため、 管部 4 7 を流れる流体 1の流量に応じて、 収容管 5 1 に収容された液体 !_ 1が押し 出される。 管部 4 8を流れる流体 1の流量に応じて、 収容管 5 6に収容さ れた液体 !_ 2が押し出される。 この結果、 より簡易な構成で、 流路 1 0と流 〇 2020/175289 31 卩(:171? 2020 /006615

路 2 0との間における圧力差の変化の抑制が実現 れ得る。

[0101 ] 停止部 6 5は、 管部 4 8と導入部 5 5とを接続する流路を開閉するバルブ

6 6を含んでいる。 このため、 管部 4 8内の流体 1の流れは、 バルブ 6 6 によって容易に停止され得る。 バルブ 6 6が導入部 5 5と管部 4 8との間に 設けられていれば、 当該バルブ 6 6によって管部 4 8の流体 1の流れが停 止される場合に、 液体 !_ 2の圧縮性及び導入部 5 5内の流路の膨張などによ る影響を受けることなく、 ボンプ部 4 1からの流体 1が管部 4 7に流れ込 む。 したがって、 流路 1 0における圧力の変化がさらに抑制される。

[0102] 微小流体デバイス 2は、 流路 1 0に接続された流入路 1 1 , 1 2を有する 。 流入路 1 1 , 1 2は、 方向口 2において、 連通孔 3 3よりも流路 2 0から 離れた位置に配置されている。 流入路 1 2は、 方向口 3から見て、 流入路 1 1 よりも流路 2 0側で延在している。 導入部 5 0は、 流入路 1 1 に液体 !_ 1 を導入するように配置されている。 導入部 5 5は、 流入路 1 2に液体 !_ 2を 導入するように配置されている。 この場合、 流入路 1 1 , 1 2のそれぞれに 液体 1_ 1 , 1_ 2を導入することで、 液体 1_ 1が流れる層と液体 1_ 2が流れる 層とが流路 1 0内に形成される。 この構成であれば、 流入路 1 2に液体 !_ 2 を導入するか否かによって、 連通孔 3 3に供給する液体を制御できる。

[0103] 微小流体デバイス 2は、 流路 2 0に接続された流入路 2 1 , 2 2を有する 。 流入路 2 1 , 2 2は、 方向口 2において、 連通孔 3 3よりも流路 1 0から 離れた位置に配置されている。 流入路 2 1は、 方向口 3から見て、 流入路 2 2よりも流路 1 0側で延在している。 導入部 8 0は、 流入路 2 1 に液体 !_ 3 を導入するように配置されている。 導入部 8 5は、 流入路 2 2に液体 !_ 4を 導入するように配置されている。 この場合、 流入路 2 1 , 2 2のそれぞれに 液体 !_ 3 , 1_ 4を導入することで、 液体 1_ 3が流れる層と液体 1_ 4が流れる 層とが流路 2 0内に形成される。 この構成であれば、 液体 1_ 3を導入するか 否かによって、 連通孔 3 3に供給する液体を制御できる。

[0104] 連通孔 3 3の径は、 1〜 1 5 である。 この場合、 流路 1 0と流路 2 0 との間に圧力差を設けることで、 連通孔 3 3で細胞《を捕捉できる。 〇 2020/175289 32 卩(:171? 2020 /006615

[0105] 上述した液体供給方法では、 管部 4 7 , 4 8内に流体を流すステップにお いて流路 1 0に液体 !_ 1 , !_ 2が導入される。 管部 4 8内の流体 1の流れ を停止するステップでは、 流路 1 0に液体 !_ 1は導入されるが液体 !_ 2は導 入されない。 管部 4 8内の流体 1の流れが停止された状態では、 ボンプ部 4 1の放出口 4 1 3から放出された流体 1は分岐管 4 5の管部 4 8以外の 部分に流れ込む。 このため、 管部 4 8内の流体 1の流れが停止された状態 における管部 4 7内の流体 1の流量は、 管部 4 8内の流体 1の流れが停 止されていない状態に比べて増加する。 したがって、 上記液体供給方法では 、 管部 4 7 , 4 8内に流体 1 を流すステップと管部 4 8内の流体 1の流 れを停止するステップとの間で、 流路 1 0における圧力の変化が抑制される 。 この結果、 液体 1- 1 , !_ 2の導入量を電子制御することなく、 簡易な構成 で、 流路 1 0と流路 2 0との間の圧力差の変化が抑制され得る。

[0106] 管部 4 7 , 4 8内に流体を流すステップでは、 流路 1 0において、 液体 !_

2が液体 !_ 1 よりも流路 2 0の近くを流れるように、 液体 !_ 1 と液体 !_ 2と を並列させて流す。 この場合、 管部 4 7 , 4 8内に流体 1 を流すステップ と管部 4 8内の流体 1の流れを停止するステップとの間で、 連通孔 3 3に 供給する液体を制御できる。

[0107] 管部 7 7 , 7 8内に流体 2を流すステップにおいて、 流路 2 0に液体 !_

3 , 1_ 4が導入される。 管部 7 7内の流体 2の流れを停止するステップで は、 流路 2 0に液体 1_ 4は導入されるが液体 1_ 3は導入されない。 管部 7 7 内の流体の流れが停止された状態でも、 ポンプ部 7 1の放出口 7 1 3から放 出された流体は分岐管 7 5の管部 7 7以外の部分に流れ込む。 このため、 管 部 7 7内の流体 2の流れが停止された状態における管部 7 8内の流体 2 の流量は、 管部 7 7内の流体 2の流れが停止されていない状態に比べて増 加する。 したがって、 上記液体供給方法では、 管部 7 7 , 7 8内に流体 2 を流すステップと管部 7 7内の流体 2の流れを停止するステップとの間で 、 流路 2 0における圧力の変化が抑制される。 この結果、 液体 1_ 1 , !_ 2 , !_ 3 , 1- 4の導入量を電子制御することなく、 簡易な構成で、 流路 1 0と流 〇 2020/175289 33 卩(:171? 2020 /006615

路 2 0との間の圧力差の変化が抑制される。

[0108] 管部 7 7 , 7 8内に流体 2を流すステップでは、 流路 2 0において、 液 体 !_ 3が液体 !_ 4よりも流路 1 0の近くを流れるように、 液体 !_ 3と液体 !_ 4とを並列させて流す。 この場合、 管部 7 7 , 7 8内に流体 2を流すステ ップと管部 7 7内の流体 2の流れを停止するステップとの間で、 連通孔 3 3に供給する液体を制御できる。

[0109] 上記実施形態では、 液体 1_ 2は、 複数の細胞《を含む懸濁液である。 液体

1- 4は、 細胞《に接触させる標的物質を含む試料であ ってもよい。 管部 4 7 , 4 8内に流体 1 を流すステップ及び管部 7 7 , 7 8内に流体 2を流す ステップでは、 流路 1 0内の圧力が流路 2 0内の圧力よりも高くなるように 、 供給部 4 0のポンプ部 4 1及び供給部 7 0のポンプ部 7 1から流体 1 , 2が放出される。 管部 4 8内の流体 1の流れを停止するステップでは、 管部 4 7 , 4 8内に流体 1 を流すステップ及び管部 7 7 , 7 8内に流体 2を流すステップにおける、 供給部 4 0のポンプ部 4 1が放出する流体 1 の流量、 及び、 供給部 7 0のボンプ部 7 1が放出する流体 2の流量が維持 される。

[01 10] この場合、 連通孔 3 3の流路 1 0側に細胞《を捕捉できる。 管部 7 7内の 流体 2の流れを停止するステップにおいて、 捕捉された細胞《に標的物質 を接触させることができる。 管部 4 8内の流体 1の流れを停止するステッ プでは、 流路 1 0と流路 2 0との間の圧力差の変化が抑制される。 このため 、 捕捉された細胞《が連通孔 3 3から意図せずに離脱すること、 及び、 捕捉 された細胞《が連通孔 3 3に押しつけられて破砕することが防止され 。

[01 1 1 ] 管部 7 7内の流体 2の流れを停止するステップでは、 管部 4 7 , 4 8内 に流体 1 を流すステップ及び管部 7 7 , 7 8内に流体 2を流すステップ における、 供給部 4 0のポンプ部 4 1が放出する流体 1の流量、 及び、 供 給部 7 0のボンプ部 7 1が放出する流体 2の流量を維持する。 この場合、 管部 7 7内の流体 2の流れを停止するステップにおいて、 流路 1 0と流路 2 0との間の圧力差の変化が抑制される。 このため、 捕捉された細胞《が連 〇 2020/175289 34 卩(:171? 2020 /006615

通孔 3 3から意図せずに離脱すること、 及び、 捕捉された細胞《が連通孔 3 3に押しつけられて破砕することが防止され 。

[01 12] 上記変形例では、 液体 1_ 4は、 水溶液である。 液体 1_ 3は、 脂質/ 3を溶解 した油性溶液である。 液体を供給するステップは、 管部 7 7内の流体 2の 流れを停止するステップの前に、 流路 1 〇に水溶液を供給するステップを有 する。 管部 7 7 , 7 8内に流体 2を流すステップ及び流路 1 0に水溶液を 供給するステップでは、 流路 1 0内の圧力と流路 2 0内の圧力とが同じにな るように、 供給部 4 0のボンプ部 4 1及び供給部 7 0のボンプ部 7 1から流 体 1及び流体 2が放出される。 管部 7 7内の流体 2の流れを停止する ステップでは、 管部 7 7 , 7 8内に流体 2を流すステップ及び流路 1 0に 水溶液を供給するステップにおける、 供給部 4 0のポンプ部 4 1が放出する 流体 1の流量、 及び、 供給部 7 0のボンプ部 7 1が放出する流体 2の流 量が維持される。 この場合、 管部 7 7内の流体 2の流れを停止する前に連 通孔 3 3に単分子の脂質膜が形成され、 管部 7 7内の流体 2の流れを停止 するステップにおいて連通孔 3 3に脂質二重膜が形成される。 管部 7 7内の 流体 2の流れを停止するステップでは、 流路 1 0と流路 2 0との間の圧力 差の変化が抑制される。 このため、 形成された脂質膜が破砕することが防止 される。

[01 13] 以上、 本発明の実施形態及び変形例について説明し てきたが、 本発明は必 ずしも上述した実施形態及び変形例に限定さ れるものではなく、 その要旨を 逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。

[01 14] たとえば、 連通部 3 0の形状は、 上述した実施形態及び変形例に記載した 形状に限定されない。 連通部 3 0は、 連通孔 3 3の代わりに、 流路 1 0と流 路 2 0とを連通するスリッ トを含んでいてもよい。 この場合、 実施形態及び 変形例で記載した 「連通孔 3 3の径」 は、 「連通部 3 0のスリッ ト幅」 と読 み替える。

[01 15] 分岐管 4 5 , 7 5のそれぞれにおいて、 接続部 4 6 , 7 6から分岐される 管部は 2つに限定されない。 液体供給装置 3は、 分岐管 4 5 , 7 5が有する 〇 2020/175289 35 卩(:171? 2020 /006615

管部の数だけ、 各管部に接続された導入部を備えてもよいし 、 各管部に停止 部を備えていてもよい。

[0116] 流路 1 0, 20のそれぞれにおいて、 流入路 1 1 , 1 2, 2 1 , 22は 2 つに限定されない。 流路 1 0, 20のそれぞれに 3つ以上の流入路が接続さ れてもよい。

[0117] 微小流体デバイス 2は、 流路 1 0と流路 20とを連通する複数個の連通部

30を有していてもよい。

[0118] 液体供給装置 3は、 流路 1 0, 20のいずれか一方のみに液体を供給して もよい。 この場合、 供給部 40, 70のいずれか一方のみが用いられてもよ い。

[0119] 7 1 3から放出される流体 1 , 2は、 気体であっても よい。 気体の圧縮性は、 液体の圧縮性よりも大きい。 このため、 放出口 4 1 3 7 1 3から放出される流体 1 , 2が液体である場合の方が、 ポンプ 部 4 1 , 7 1の操作によって微小流体デバイス 2に供給する液体 !_ 1 , , !_ 3 , 4の量が、 流体 1 , 2が気体である場合よりも高い精度で調 整される。 上記実施形態及び変形例では、 液体供給装置 3は、 ポンプ部 4 1 , 7 1から流路 1 0, 20まで気体が入らないように構成されている

[0120] 微小流体デバイス 2には、 ボンプ部 4 1及びボンプ部 7 1から流体 1 ,

2を放出する前から、 各種の液体が配置されていてもよい。 たとえば、 ポ ンプ部 4 1及びポンプ部 7 1の動作前から、 流入路 1 1及び流路 1 0の一部 に液体 !_ 1が配置され、 流入路 1 2及び流路 1 0の一部に液体 !_ 2が配置さ れ、 流入路 2 1及び流路 20の一部に液体 !_ 3が配置され、 流入路 22及び 流路 20の一部に液体 !_ 4が配置されていてもよい。 この場合、 流路 1 0内 に、 液体 !_ 1の層と液体 !_ 2の層とが予め形成されていてもよい。 流路 20 内に、 液体!- 3の層と液体 !_ 4の層とが予め形成されていてもよい。

[0121] 導入部 50, 55, 80, 85が液体1_ 1 , !_ 2, !_ 3, !_ 4を収容する のは、 収容管 5 1 , 56, 81 , 86のように分岐管 45, 75に直接接続 された管状の部材に限定されない。 たとえば、 導入部 50, 55, 80, 8 〇 2020/175289 36 卩(:171? 2020 /006615

5は、 各管部 47, 48, 77, 78から放出された流体 1 , 2から加 わる圧力によって、 各液体 !_ 1 , !_ 2, !_ 3, 1_4を放出するシリンジであ ってもよい。

[0122] 供給部 40は、 停止部 60を備えていなくてもよい。 供給部 70は、 停止 部 95を備えていなくてもよい。

[0123] 停止部 60, 65, 90, 95は、 それぞれ、 収容管 5 1 , 56, 81 ,

86の一端又は両端に設けられていてもよいし 収容管 5 1 , 56, 81 ,

86の流路の途中に設けられていてもよい。

[0124] 停止部 60, 65, 90, 95は、 バルブによって流体の流れを停止する 構成に限定されない。 たとえば、 停止部 60, 65, 90, 95は、 バルブ でなく、 管部 47 , 48, 77, 78から微小流体デバイス 2までの流路の 一部を構成する弾性チューブを含んでいても よい。 停止部 60, 65, 90 , 95は、 弾性チューブがたとえば人の手によって折り 曲げられることで、 管部 47, 48, 77, 78から微小流体デバイス 2までの流路の一部を閉 鎖する構成でもよい。 符号の説明

[0125] 1 微小デバイスシステム、 2 微小流体デバイス、 3 液体供給装置、

1 0, 20 流路、 1 1 , 1 2, 2 1 , 22 流入路、 33 連通孔、 40 , 70 供給部、 4 1, 7 1 ポンプ部、 4 1 3, 7 1 3 放出口、 45,

75 分岐管、 46, 76 接続部、 47, 48, 77, 78 管部、 50 , 55, 80, 85 導入部、 5 1 , 56, 81 , 86 収容管、 60, 6 5, 90, 95 停止部、 6 1 , 66, 9 1 , 96 バルブ、 1 , 2···