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Title:
LOCKING DEVICE FOR ROTARY CUTTING TOOL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/117741
Kind Code:
A1
Abstract:
In applying a conventional tool-free clamp to an existing circular sawing machine, tilt angle and cutting depth during the oblique cutting work have been sacrificed due to increased size in the radial or thickness direction and some other problems. A locking device for a rotary cutting tool of this invention makes a cutting blade locking device tool-free without sacrificing those capabilities. A screw flange section (22) of a screw body (20) which is tightened through a screw hole (5a) on a spindle (5) takes a conical trapezoidal form, and an operation lever (24) is provided which can be operated to turn to the housing position and operating position with its inside and outside reversed. Such a structure ensures that the operation lever (24) never runs out of the conical trapezoidal form when housed.

Inventors:
HIRABAYASHI SHINJI (JP)
KOJIMA NAOYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055230
Publication Date:
October 02, 2008
Filing Date:
March 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MAKITA CORP (JP)
HIRABAYASHI SHINJI (JP)
KOJIMA NAOYUKI (JP)
International Classes:
B23D61/10; B23B31/02; B23D47/00; B27B9/00
Foreign References:
JPH02145211A1990-06-04
JP2004513797A2004-05-13
JP2003025145A2003-01-29
JPH07299743A1995-11-14
JP2000504282A2000-04-11
JPH06503634A1994-04-21
US6843627B22005-01-18
JP2001520734A2001-10-30
Other References:
See also references of EP 2127794A4
Attorney, Agent or Firm:
OKADA PATENT & TRADEMARK OFFICE, P.C. (10-19 Sakae 2-chom, Naka-ku Nagoya-shi Aichi 08, JP)
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Claims:
回転工具のスピンドルに回転刃具を固定するための装置であって、前記回転刃具を挟むアウタフランジとインナフランジと、前記スピンドルのねじ孔に締め込まれるねじ軸部と該ねじ軸部の頭部側から周囲に張り出して前記アウタフランジの外面側に押圧されるねじフランジ部を有するねじ本体を備え、
 前記ねじフランジ部は、前記アウタフランジ部側が大径となる円錐台形状を有し、かつその外面に、表裏反転方向に回動させて収納位置と使用位置との間を回動操作可能な操作レバーを備え、
 該操作レバーは、前記収納位置に回動されると、前記円錐台形状の外面に設けたレバー収納凹部内に収納されてその先端側を当該ねじフランジ部の周縁からはみ出さない状態に収納され、前記使用位置に回動されるとその先端側を当該ねじフランジ部の周縁から放射方向へ突き出した状態となる固定装置。
請求項1記載の固定装置であって、前記操作レバーは、前記レバー収納凹部に収納されて前記ねじフランジ部の円錐台形状の外面からはみ出さない状態となる固定装置。
請求項2記載の固定装置であって、前記操作レバーは、前記収納位置側に付勢された固定装置。
請求項1記載の固定装置であって、前記ねじフランジ部と前記アウタフランジとの間に両者間の回転方向の摩擦抵抗を低減するための摩擦低減部材を介在させた固定装置。
請求項1記載の固定装置であって、前記アウタフランジと前記インナフランジが前記スピンドルの軸線回りの回転について該スピンドルに固定された固定装置。
請求項1記載の固定装置であって、前記インナフランジのボス部を前記回転刃具の取り付け孔に挿入して、該回転刃具が前記スピンドルに対して同軸に取り付けられた固定装置。
請求項1記載の固定装置であって、前記操作レバーは支軸を介して前記ねじフランジ部に対して前記収納位置と前記使用位置との間を回動操作可能に支持されており、前記操作レバーは前記使用位置に取り出すと前記収納凹部に設けた受け凹部に断面山形の受け台座部を当接させて、該受け台座部と前記支軸との2点で前記操作レバーに付加される前記使用位置への取り出し方向の外力を受ける構成とした固定装置。
請求項1記載の固定装置であって、前記操作レバーを前記使用位置に取り出した状態において、該操作レバーの幅方向側面を前記収納凹部の幅方向両側部に当接させて、該操作レバーに付加されるねじ回転方向の外力を受ける構成とした固定装置。
請求項1記載の固定装置であって、前記スピンドルの回転により発生する遠心力を前記操作レバーを前記収納位置側に保持する方向の外力として作用させるために当該操作レバーの重心が、前記スピンドルの回転軸線Jと、該回転軸線Jに直交し、かつ当該操作レバーを回転支持する支軸を通る基準線Hとにより区画される四つの領域(A)(B)(C)(D)のうち、領域(B)(D)に位置するように当該操作レバーの重量配分を設定した固定装置。
Description:
回転刃具の固定装置

 この発明は、例えば携帯丸鋸等の回転工 において、特別の工具を用いることなく鋸 等の回転刃具をスピンドルに固定するため 装置(ツールレスブレードクランプ)に関す 。

 従来、この種の固定装置に関する技術とし 、例えば下記の特許文献1には、ラチェット 機構を利用して締まり過ぎを防止することに より工具を用いることなく手動で緩めること ができるツールレスブレードクランプアッセ ンブリ(固定ねじ)が記載されている。
 また、特許文献2には、スピンドルのねじ軸 部に締め付ける固定ナットに格納式のレバー 部を設け、このレバー部を把持して大きなト ルクで当該固定ナットをスピンドルのねじ軸 部に対して締め込むことができ、これにより 作業者は例えばスパナ等の特別の工具を用い ることなく回転刃具をスピンドルに対して強 固に固定できる。締め付け完了後にはレバー を固定ナットからはみ出さない状態に格納し ておくことにより回転刃具の回転動作に支障 を来さないようになっている。また、固定ナ ットを緩める場合にも、このレバーを取り出 して大きなトルクで当該固定ナットを緩め方 向に回転することができるので、この場合も 作業者は特別の工具を用いることなく手で固 定ナットを緩めて回転刃具を取り外すことが できる。

米国特許第6843627号公報

特表平2001-520734号公報

 しかしながら、前者の特許文献1に記載され た固定ねじは、使用者が手で操作することを 特徴とするものの、これをより強固に締め付 けるための技術については開示されていない 。
 また、後者の特許文献2に記載された技術は 、切断機本体のスピンドルに対して鋸刃を固 定するための固定ナットであって、大きなト ルクで締め付け、緩めることができる固定ナ ットであるものの、その径方向若しくは厚さ 方向にコンパクト化を図る技術については何 ら開示されていない。
 本発明は、使用者が手で回転操作する固定 置において、大きなトルクで締め付け、あ いは緩めることができるとともに、その径 向若しくは厚さ方向にコンパクト化を図っ 、例えば携帯丸鋸におけるいわゆる傾斜切 時の切り込み深さが十分に確保されるよう することを目的とする。

 このため、本発明は、特許請求の範囲の各 求項に記載した構成の固定装置とした。
 請求項1記載の固定装置によれば、ねじ本体 をその径方向及び厚さ方向について大型化す ることなく操作レバーを備えていることから 、例えば既存の携帯丸鋸に適用した場合に、 その傾斜切り作業時における携帯丸鋸本体の 傾斜角度を維持しつつ鋸刃の十分な切り込み 深さを確保することができ、これに加えてツ ールレスクランプ(工具不要な固定装置)とし の機能を持たせることができる。
 すなわち、固定装置の操作レバーは、その 用位置に取り出し、これを経てねじ本体に ルクを付加することにより当該ねじ本体に きな回転力を付加することができるため、 別の工具を用いることなくねじ本体を強固 締め付けることができる。
 また、ねじフランジ部は円錐台形状を有し おり、操作レバーはこのねじフランジ部の 縁からはみ出さない状態に収納されるため 当該回転工具が鋸刃を有する本体部と、こ 本体部を傾動可能に支持するベースを備え 携帯丸鋸である場合に、当該固定装置がベ スに対して干渉しない範囲で本体部をベー に対して傾斜させて鋸刃を一定角度に傾斜 せつつ鋸刃のベース下面側への突き出し寸 すなわち切り込み深さを十分に確保するこ ができる。
 以上のことから、請求項1記載の固定装置を 既存の携帯丸鋸に用いることにより、その傾 斜切り時の切り込み深さを犠牲にすることな くツールレス機能を追加することができる。
 ねじフランジ部の外形形状については、厳 (正確)に円錐台形状である必要はなく、要 先端側が細径となるテーパ形のねじフラン 部であれば、回転工具を傾斜させた場合に 該固定装置と他部位との干渉を回避できる 果、当該回転工具の傾斜角度を大きく設定 ることができる。

 請求項2記載の固定装置によれば、操作レバ ーはレバー収納凹部に収納されると、正面か ら見ても、側方から見てもねじフランジ部の 周縁からはみ出さない状態に収容されること から、当該固定装置をその厚さ方向及び径方 向にコンパクトに構成することができ、これ により回転工具本体の傾斜角度を大きく設定 することができる。
 請求項3記載の固定装置によれば、使用者は 操作レバーを付勢力に抗してレバー収納凹部 からその使用位置に取り出すことができ、使 用位置に取り出した操作レバーは使用者が離 せば自動的にレバー収納位置に戻される。こ の点で、当該固定装置の使い勝手をよくする ことができる。
 請求項4記載の固定装置によれば、操作レバ ーを経てねじ本体に付加したねじ締め方向又 はねじ緩め方向の回転トルク(回転操作力)が 率よくねじ軸部に付加される。すなわち、 用者がねじ本体に加えた回転トルクが、ね フランジ部とアウタフランジとの摩擦抵抗( 回転抵抗)に費やされず、そのほぼ全てがね 軸部に付加される。この点で、ねじ軸部を め付け、あるいは緩めるために必要な回転 ルクを小さくすることができ、従って必要 回転操作力をより一層小さくすることがで る。
 請求項5記載の固定装置によれば、アウタフ ランジとインナフランジがスピンドルの例え ば二面幅部に装着されて回転について一体化 される。
 請求項6記載の固定装置によれば、インナフ ランジを介して回転刃具をスピンドルに対し て確実かつ容易に同軸に取り付けることがで きる。
 請求項7記載の固定装置によれば、使用者が 操作レバーに付加する取り出し方向の操作力 及び取り出し位置の保持力を支軸と受け台座 部の2点で分散して受けることができる。
 請求項8記載の固定装置によれば、使用者が 操作レバーを介して付加するねじ回転方向の 操作力がレバー収納凹部の幅方向両側部で受 けられるため支軸への付加を低減することが できる。
 請求項9記載の固定装置によれば、回転刃具 の高速回転に伴う操作レバーの不用意な起立 方向への浮き上がりを防止することができる 。

本発明の実施形態に係る固定装置を備 た携帯丸鋸の正面図である。 固定装置の正面図である。本図は、レ ーが収納位置に位置する状態を示している 図2中(III)-(III)線断面矢視図であって、 定装置の縦断面図である。 固定装置の正面図である。本図は、レ ーが使用位置に取り出された状態を示して る。 図4中(V)-(V)線断面矢視図であって、固 装置の縦断面図である。 図3中(VI)部の拡大図であって、摩擦低 部材の縦断面図である。 レバーの側面図である。本図では、レ ーの重心位置と一定条件で区画した四つの 域との関係により遠心力の作用方向が異な ことを理解することができる。 固定装置及びその周辺の縦断面図であ 。本図では、固定装置のサイズによって傾 切り時の切り込み深さが異なることを理解 ることができる。

 次に、本発明の実施形態を図1~図8に基づい 説明する。図1は、本実施形態に係る固定装 置10を用いて円形の鋸刃2を固定した携帯丸鋸 1を示している。本実施形態は、回転工具の 例として携帯丸鋸1を例示し、回転刃具の一 として円形の鋸刃2を例示する。携帯丸鋸1 体の構成については従来公知のものと同様 あり、本実施形態において特に変更を要し い。鋸刃2の上側半周の周縁はブレードケー 3で覆われている。このブレードケース3の 面側に駆動モータ及び減速機構が配置され いる。この駆動モータの出力が減速機構を てブレードケース内側に突き出されたスピ ドル5に伝達される。このスピンドル5に鋸刃 2を固定するために以下説明する固定装置10が 用いられている。
 図1において符号4は、切断材Wに当接させる ースを示している。このベース4の上面にブ レードケース3が支持されており、鋸刃2の下 側はこのベース4の下面側に突き出されてい る。この突き出し部分によって切断材が切断 される。ブレードケース3はベースに対して 下に傾動可能に支持されており、これによ 鋸刃の突き出し寸法を変更して切断材に対 る切り込み深さを調整できるようになって る。また、ブレードケース3は、ベース4に対 して切断方向左右(紙面に交差する方向)に傾 可能に支持されている。通常、鋸刃2の上部 側を手前側(切断進行方向に向かって右側)に 位させる方向にブレードケース3を傾動させ ることにより、いわゆる傾斜切りを行うこと ができる。これら切り込み深さ調整機構及び 傾斜切り機構についても従来公知の技術が用 いられている。

 本実施形態の固定装置10の詳細が図2以下に されている。この固定装置10は、鋸刃2を挟 アウタフランジ11とインナフランジ12とねじ 本体20を備えている。アウタフランジ11とイ ナフランジ12はいずれもスピンドル5の先端 に形成した二面幅部5b,5bに装着されて当該ス ピンドル5に対して回転不能に装着されてい 。アウタフランジ11が鋸刃2の外面側(図3,5に いて左側面)に当接され、インナフランジ12 内側面(図3,5において右側面)に当接されて る。
 インナフランジ12にはボス部12aが設けられ いる。このボス部12aが鋸刃2の取り付け孔2a にがたつきなく挿入されている。
 ねじ本体20は、スピンドル5のねじ孔5aに締 込まれるねじ軸部21と、このねじ軸部21の頭 側(図3において左端部側)から周囲に張り出 ねじフランジ部22を備えている。
 ねじフランジ部22は、アウタフランジ11側が 大径となる方向に外周面(円錐面)が傾斜する 錐台形状を有している。このねじフランジ 22の外面側には、支軸23を介して操作レバー 24が回動操作可能に支持されている。支軸23 周囲であって操作レバー24とねじフランジ部 22との間には捩りばね25が介装されている。 の捩りばね25によって操作レバー24が後述す 収納位置(図2及び図3に示す位置)側に付勢さ れている。
 ねじフランジ部22の外面には、レバー収容 部30が設けられている。図3に示すように操 レバー24はその収納位置に位置する状態では 、レバー収容凹部30内に収容されて円錐面22a らほぼはみ出さない状態となる。これに対 て図5に示すように操作レバー24は捩りばね2 5に抗してその使用位置に取り出すと、その 部分がレバー収納部30からはみ出して、当該 ねじフランジ部22から放射方向は大きく突き した状態となる。使用者が指先で操作レバ 24を捩りばね25に抗して使用位置に取り出し 、この使用位置に取り出し状態において指先 を離すと操作レバー24は捩りばね25によって 納位置に戻される。

 図3及び図5に示すように操作レバー24の先端 側は樹脂カバー24aで覆われている。また図2 び図4に示すように操作レバー24の先端側の 寸法は徐々に細くなっている。一方、ねじ ランジ部22の図2及び図4において上部は欠落( 欠落部22b)されており、操作レバー24が収納位 置に位置する状態(図2に示す状態)では、その 先端部がねじフランジ部22の欠落部22bから若 はみ出る状態となる。このはみ出る部分を 先で摘んで使用者は当該操作レバー24を収 位置から容易に使用位置に取り出すことが きる。
 操作レバー24は、当該ねじフランジ部22の円 錐台形状に合わせて概ね山形(V形)に屈曲した 形状を有しており、その屈曲先端部付近に断 面山形(V形)の受け台座部24bを備えている。図 5に示すようにこの受け台座部24bは、当該操 レバー24を使用位置に取り出すと、レバー収 納凹部30の底部に形成された概ね山形(V形)の け凹部30a内にぴったりと嵌り込む。これに り、使用位置に取り出した操作レバー24に して付加される取り出し方向の外力(図5にお いて白抜きの矢印で示す方向の押し力)がね フランジ部22で受けられる。
 また、操作レバー24の幅寸法は、レバー収 凹部30の幅寸法に対してがたつきなく収容可 能は幅寸法に設定されている。このため、図 4に示すように操作レバー24を使用位置に取り 出した状態では、その当該操作レバー24がレ ー収納凹部30内に幅方向にがたつきなく嵌 込んだ状態となる。このため、使用位置に り出した状態の操作レバー24に対してねじ回 転方向の外力(図4において白抜きの矢印で示 方向)が付加された場合に、これがレバー収 納凹部30の両側部で受けられ、支軸23側への 加が低減されている。

 ねじフランジ部22とアウタフランジ11との間 には、摩擦低減部材40が挟み込まれている。 の摩擦低減部材40の詳細が図6に示されてい 。この摩擦低減部材40は、多数の鋼球41~41と これを軸線J回りの同一円周上に一定の間隔 いて保持する保持リング42と、これらの軸線 J方向の位置ズレを規制する金属カバー43を備 えている。各鋼球41は、アウタフランジ11に けた転動溝11a内に嵌り込んでいる。
 また、金属カバー43は保持リング42に沿った 円環形状を有しており、その側面には、上記 アウタフランジ11の転動溝11aに対向して転動 43aが設けられている。各鋼球41は、この転 溝43a内にも嵌り込んでいる。アウタフラン 11の転動溝11aと金属カバー43の転動溝43aとの に各鋼球41が転動可能な状態で挟み込まれ いる。
 また、金属カバー43の内周面には係合溝43c 全周にわたって形成されている。この係合 43cに対向して、アウタフランジ11のボス部11c の外周にも係合溝11bがその全周にわたって形 成されている。金属カバー43の係合溝43cと、 ウタフランジ11の係合溝11bとの両者に跨っ ゴムリング44が装着されている。このゴムリ ング44を介してアウタフランジ11のボス部11c 外周側に金属カバー43が保持され、ひいては 当該摩擦低減部材40が保持されている。
 ねじ本体20のスピンドル5に対する締め付け 緩め動作に伴ってそのねじフランジ部22を ウタフランジ11に対して相対回転させる際に 、各鋼球41が転動溝11aに沿って転動されるこ により、両者間22,11の摩擦(相対回転抵抗)が 大幅に低減され、これにより当該ねじ本体20 小さな操作力でスピンドル5のねじ孔5aに強 に締め付けることができ、また逆に緩める とができる。

 次に、操作レバー24の重心Gの位置は下記の 件に適合するようその形状若しくは重量配 等が適切に設定されている。図7に示すよう にねじ本体20のねじ軸部21の軸線J(スピンドル 5の回転軸線)とこの軸線Jに直交し、かつ当該 操作レバー24の回転中心(支軸23の軸線)を通る 基準線Hにより区画される四つの領域(A)、(B) (C)、(D)を考えたときに、収納位置に位置す 操作レバー24の重心Gが領域(B)若しくは領域(D )に位置するように設定されている。本実施 態では、操作レバー24の重心Gが領域(B)であ て山形の受け台座部24bの近傍に位置するよ に当該操作レバー24の形状若しくは重量配分 が適切に設定されている。
 このように操作レバー24の重心Gの位置を設 したことにより、鋸刃2の高速回転に伴って 発生する遠心力が当該操作レバー24を収納位 に保持する方向(図7において白抜きの矢印 示す時計回り方向)の力として作用すること ら、プランジャ等の保持手段を別途設ける となく当該操作レバー24を確実に収納位置 保持しておくことができ、これにより鋸刃2 高速回転に伴う操作レバー24の不用意な起 方向(使用位置側)への回動(浮き上がり)を確 に防止することができる。

 以上のように構成した本実施形態の固定装 10によれば、ねじ本体20が操作レバー24を備 ており、この操作レバー24は使用位置に取 出すと、当該ねじ本体20のねじフランジ部22 周縁部よりもさらに外周側に突き出された 態となる。このことから、使用者はこの操 レバー24を指先で把持して当該ねじ本体20を 回転させることができる。この場合、単にね じフランジ部22を摘んで回転させた場合より 大きなトルクをねじフランジ部22に作用さ ることができるので、当該ねじ本体20をスピ ンドル5に対して強固に締め付けることがで 、これにより鋸刃2を確実に固定することが きる。
 また、ねじフランジ部22よりも外周側に突 出す操作レバー24を用いてねじ本体20を緩め 向に回転させることができるので、使用者 小さな操作力で大きなトルクをねじ本体22 加えて緩めることができ、これにより鋸刃2 交換作業等を楽に行うことができる。
 また、本実施形態の固定装置10によれば、 じ本体20のねじフランジ部22が円錐台形状の 形を備え、かつこの円錐台形状をなすねじ ランジ部22の内側にアウタフランジ11がほぼ 収容された状態に配置されて、当該固定装置 10の鋸刃2からの突き出し寸法が従来よりも小 さくなっているとともに、その全体形状とし てほぼ円錐台形状を有している。

 このことから、鋸刃2の回転軸線(ねじ軸J)を よりベース4側に近い高さ(低い位置)に設定し て鋸刃2のベース4の下面側への突き出し寸法( 切り込み深さ)を大きく設定しても、当該固 装置10のベース4に対する干渉を回避しつつ 丸鋸本体(丸鋸2)をベース4に対して従来通り5 0°傾斜させることができるようになることか ら、本実施形態の固定装置10によれば、傾斜 り時の傾斜角度を犠牲にすることなく鋸刃2 の回転軸線Jをより低く設定することにより 当該鋸刃2の切り込み深さ(ベース4の下面か の突き出し寸法)をより大きくすることがで る。この点が図8に示されている。
 図8には、例示した本実施形態に係る固定装 置10のアウタフランジ11とは異なって比較的 さ寸法が大きな円柱体形状のアウタフラン 及びその他の部材によりその全体形状とし 円柱体形状部51の厚さT1が大きい固定装置50 示されている。この固定装置50の場合、仮に 鋸刃2からの突き出し寸法T0及び径方向の寸法 が本実施形態に係る固定装置10と同じであっ も、図中二点鎖線で示すように本実施形態 係るねじフランジ部22の円錐面22aからの突 出し量が大きくなるため、これに相当する だけねじ軸線J(鋸刃2の回転中心)のベース4か らの芯高さを大きくして傾斜切り時の傾斜角 度50°を確保する必要があり、従って鋸刃2の り込み深さK1は、本実施形態の固定装置10に よる場合の切り込み深さK0よりも小さくなる

 このように本実施形態に係る固定装置10に れば、使用者は操作レバー24を使用位置に取 り出し、この使用位置に保持しつつ操作レバ ー24を経てねじ本体を回転させることにより ねじ本体部20のねじフランジ部22を直接指先 で摘んで回転させる場合に比して、より小さ な力で当該ねじ本体を大きなトルク(操作力) 回転させることができるので、ねじ回し用 ドライバ等の特別の工具を用いることなく ねじ本体20をスピンドルに対して強固に締 付けて回転刃具を強固に取り付けることが きる。
 逆に、操作レバーを用いることにより使用 は小さな力でねじ本体を緩め方向に回転さ ることができ、これにより回転刃具の交換 業を楽に行うことができるようになる。
 しかも、ねじフランジ部22に収納凹部30が設 けられ、この収納凹部30内に操作レバー24が 納されて、当該ねじフランジ部22の外面(円 面)からほぼはみ出ない構成であるので鋸刃2 からの突き出し寸法T0を極力小さくすること でき、またねじフランジ部22の外面が円錐 形状に形成されていることから、当該固定 置10の径方向(鋸刃2の面方向に沿った方向)の 寸法をも実質的に小さくすることができる。 このことから、既存の携帯丸鋸1における傾 切り時の傾斜角度を確保しつつその切り込 深さをも従来通り十分に確保することがで る。
 以上説明したように本実施形態の固定装置1 0によれば、傾斜切り作業時の切り込み深さ 十分に確保しつつ(犠牲にすることなく)、回 転操作用の操作レバー24を備えることにより 用者は小さな力で鋸刃2をより強固に固定で き、逆に小さな力で楽にこれを取り外すこと ができるようになることから、当該固定装置 10を既存の携帯丸鋸1に適用してそのツールレ ス化を図ることができる。

 また、例示した固定装置10によれば、支軸23 を中心としてレバー24を回動操作する構成で り、当該操作レバー24はその使用位置に取 出された状態では、受け台座部24bがアウタ ランジ11側の受け凹部30aに嵌り込んで、当該 操作レバー24に付加される図5において白抜き の矢印で示す方向の押し付け力を十分に受け ることができる。このため、使用者は指先で 当該操作レバー24を同方向に軽く押し付けて 用位置に保持しながら、当該操作レバー24 介してねじ本体20を締め込み若しくは緩め方 向に回転させることができる。この点で、本 例の固定装置10では、ねじ本体20の回転操作 ついてその良好な使い勝手(回転操作性)が確 保されている。
 さらに操作レバー24をその使用位置に取り すと、その幅方向両側部がレバー収納凹部30 の両側部間にほぼがたつきなく嵌り込んだ状 態となり、これによりそのねじ軸回転方向の がたつきが排除若しくは抑制された状態とな る。このため、当該操作レバー24に付加され ねじ軸回転方向(図4において白抜きの矢印 示す方向)の操作力を支軸23側で全て受ける 合に比して当該支軸23の耐久性を確保しつつ 当該操作レバー24の回転操作性を確保するこ ができる。

 以上説明した実施形態には種々変更を加え ことができる。例えば、摩擦低減部材とし 鋼球41~41を用いる構成を例示したが、これ 代えてニードルローラを用いる構成若しく 単に摺動性の高いライナーを挟み込む構成 してもよい。
 なお、アウタフランジ11とインナフランジ12 の鋸刃2に当接する面(座面)に、硬質重金属を 含有する塗料を塗布する等の高摩擦係数処理 を施すことにより、当該両フランジ11,12の鋸 2に対する摩擦係数を高めることができ、こ れにより鋸刃2の滑りをより一層確実に防止 ることができる。
 さらに、回転工具として携帯丸鋸を例示し 回転刃具として鋸刃を例示したが、本発明 係る固定装置は、例えば卓上型の丸鋸盤や 持ち式のグラインダ等その他の回転工具に いて回転刃具を固定するための固定ボルト して広く適用することができる。