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Title:
LOW-LOSS FERRITE AND ELECTRONIC COMPONENT USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096795
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a low-loss ferrite characterized by mainly containing 47.1-49.3 mol% of Fe2O3, 20-26 mol% of ZnO, 6-14 mol% of CuO and the balance of NiO, while containing, per 100 mass% of the main components, 0.1-2 mass% of Sn in terms of SnO2 and 0.05-2 mass% of Mn in terms of Mn3O4. This low-loss ferrite is also characterized by having an average crystal grain size of 0.5-3 μm.

Inventors:
TANAKA, Satoru (Tottori Works, 70-2 Naneich, Tottori-shi Tottori 21, 6891121, JP)
田中 智 (〒21 鳥取県鳥取市南栄町70番地2 日立金属株式会社鳥取工場内 Tottori, 6891121, JP)
Application Number:
JP2008/051968
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
February 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI METALS, LTD. (2-1 Shibaura 1-chome, Minato-ku Tokyo, 14, 1058614, JP)
日立金属株式会社 (〒14 東京都港区芝浦1丁目2-1 Tokyo, 1058614, JP)
TANAKA, Satoru (Tottori Works, 70-2 Naneich, Tottori-shi Tottori 21, 6891121, JP)
International Classes:
C04B35/30; H01F1/34; H01F27/255
Attorney, Agent or Firm:
TAKAISHI, Kitsuma (Kagurazaka FN Bldg. 5F, 67 Kagurazaka 6-chom, Shinjuku-ku Tokyo, 162-0825, JP)
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Claims:
主成分として47.1~49.3 mol %のFe 2 O 3 、20~26 mol %のZnO、6~14 mol %のCuO、及び残部NiOを含有し、かつ前記主成分100質量%に対して、SnO 2 換算で0.1~2質量%のSn、及びMn 3 O 4 換算で0.05~2質量%のMnを含有し、平均結晶粒径が0.5~3μmであることを特長とする低損失フェライト。
請求項1に記載の低損失フェライトにおいて、コアロスが2 MHzの周波数及び33 mTの動作磁束密度Bmにおいて2700 kW/m 3 以下で、5 MHzの周波数及び10 mTの動作磁束密度Bmにおいて430 kW/m 3 以下であり、4000 A/mの磁界における飽和磁束密度が390 mT以上であることを特徴とする低損失フェライト。
請求項1又は2に記載の低損失フェライトを用いた磁心と、前記磁心に巻線したコイルとを有することを特徴とする電子部品。
請求項1又は2に記載の低損失フェライトを用いた複数のフェライト層からなる一体焼結した積層体と、前記積層体の内部に設けられたAgを含む電極からなるコイルとを有することを特徴とする電子部品。
請求項4に記載の電子部品において、スイッチ素子を含む半導体素子、キャパシタンス素子及び抵抗素子が実装されており、少なくとも前記半導体素子は前記積層体の表面に設けた電極に実装されていることを特徴とする電子部品。
Description:
低損失フェライト及びこれを用 た電子部品

 本発明は、低温焼結可能で、応力下でも い温度範囲で特性変動が少ない低損失フェ イト、及びこれを用いてインダクタを構成 た電子部品に関する。

 各種の携帯型電子機器(携帯電話、携帯情 報端末PDA、ノート型のパーソナルコンピュー タ、DVDプレイヤー、CDプレイヤー、MDプレイ ー、デジタルカメラ、デジタルビデオカメ 等)は、内蔵電池の電圧を動作電圧に変換す 電力変換装置として、複数のDC/DCコンバー を備えている。例えばノート型のパーソナ コンピュータでは、DC/DCコンバータはDSP(Digit al Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)等の に配置されている。  

 DC/DCコンバータの一例として、図6は、入 コンデンサCin、出力コンデンサCout、出力イ ンダクタLout、及びスイッチング素子及び制 回路を含む半導体集積回路ICを、プリント基 板上にディスクリート回路として配置してな る降圧型DC-DCコンバータを示す。制御回路か の制御信号に基づいてスイッチング素子を イッチングすることにより、直流入力電圧V inからVout=Ton/(Ton+Toff)×Vin(ただし、Tonはスイッ チング素子がオンの時間を表し、Toffはオフ 時間を表す。)で表される出力電圧Voutが得ら れる。入力電圧Vinが変動しても、TonとToffの 率を調整することにより安定した出力電圧Vo utが得られる。電流エネルギーの蓄積と放出 行なう出力インダクタLoutと、電圧エネルギ ーの蓄積と放出を行なう出力コンデンサCout からなるLC回路は、直流電圧を出力するため のフィルタ回路(平滑回路)として機能する。

 出力インダクタLoutとして現在広く用いら れているのは、図8及び9に示すように磁心220 導線230を巻いた巻線型である。磁心220には 直接巻線可能なNi-Zn系フェライト、Ni-Cu-Zn系 フェライト等の高抵抗のフェライトが使用さ れている。

 近年、DSP及びMPUを構成するLSI(Large Scale I ntegration)は、電池の長寿命化を図るため動作 圧の低下が加速されている。MPU及びDSPのよ な高速動作が要求される部品に対して、動 電圧は2.5 V、さらに1.8 Vまで引き下げられ いる。このような動作電圧の低下により、D C/DCコンバータの出力電圧の変動(リップル)に 対するLSI側の電圧マージンが減少し、ノイズ の影響を受けやすくなった。その対策として 、DC/DCコンバータのスイッチング周波数を従 の500 kHzから1 MHz以上に高め、リップルを 制している。

 スイッチングの高周波数化により出力イ ダクタLoutに要求されるインダクタンスが低 下するため、インダクタの小型化が可能とな り、電源回路を小型化できる。しかしスイッ チングの高周波数化は、スイッチング素子及 びインダクタで発生する損失による変換効率 の低下の要因となる。インダクタによる電力 損失は、低周波数では導体線路の直流抵抗及 び出力電流が支配的であるが、高周波数では 、交流抵抗(導体線路の交流抵抗及びフェラ トのコアロス)が無視できない。従って1 MHz 超える高周波数でスイッチングするDC/DCコ バータを効率良く動作させるためには、イ ダクタを構成するフェライトのコアロスを 減しなければならない。フェライトのコア スは、ヒステリシス損失、渦電流損失及び 留損失により決まる。これらの損失は、フ ライトの保磁力、飽和磁化、磁壁共鳴等の 気特性や、結晶粒径、比抵抗等に依存する とが知られている。

 特開2002-289421号は、46~50 mol %のFe 2 O 3 、2~13 mol %のCuO、24~30.5 mol %のZnO、3.5 mol % 下のMn 2 O 3 、及び残部NiOからなり、高飽和磁束密度で低 損失なNi-Cu-Zn系フェライトを開示している。 のフェライトは、Mn 2 O 3 の添加により、150 mTの磁束密度及び50 kHzの 波数における損失が低下している。しかし の文献では、高周波数における損失の低減 及び応力による特性劣化や温度特性の変化 対する対策がなされていない。この文献は B、C、Al、Si、P、S、Cl、As、Se、Br、Te、Iや、 Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Ga、Ge、Sr、Cd、In、Sn、S b、Ba、Tl、Pb、Bi等の典型金属元素、Sc、Ti、V Cr、Co、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Hf、Ta、W等の 移金属元素等の不可避不純物を含んでもよ と記載しているが、副成分としてMnとSnを複 添加することについて全く議論していない

 インダクタには、対応力安定性(応力に対 してインダクタンスの変動が小さく、損失の 増加が少ない性質)も求められる。応力には プリント基板との線膨張係数差による応力 プリント基板の変形による応力、インダク を樹脂封止する場合にはモールド樹脂の硬 により生じる応力、積層インダクタの場合 は内部導体とフェライトとの同時焼結の際 収縮差による応力、外部端子のめっき皮膜 らくる応力等がある。またDC/DCコンバータは 半導体集積回路IC等の熱に曝されるので、そ に使用されるインダクタは使用温度におい 安定した特性を発揮すること、即ち温度に してインダクタンスの変動が小さいことも められる。

 対応力安定性や温度特性が改善されたフェ イトとして、特開平05-326243号は、46.5~49.5 mo l %のFe 2 O 3 、5.0~12.0 mol %のCuO、2.0~30.0 mol %のZnO、及び 部NiOからなる主成分100質量%に対して、0.05~0 .6質量%のCo 3 O 4 、0.5~2質量%のBi 2 O 3 、及び合計0.1~2質量%のSiO 2 及びSnO 2 からなる副成分を添加したNi-Cu-Zn系フェライ を開示している。しかし、このNi-Cu-Zn系フ ライトはSnO 2 を含有するものの、Mn(Mn 2 O 3 )を含有していない。そのため、Mn及びSnの複 添加による高周波数での損失の低下、及び 応力安定性及び温度特性の改善は得られな 。また融点が820℃のBi 2 O 3 を0.5~2質量%と多量に含有するために、結晶成 長が促され、平均結晶粒径が5μm以上の結晶 織となって、高周波数でのコアロスが大き 。

 従って、本発明の目的は、Agの融点より 温で焼結可能であり、2 MHz以上の高周波数 も低損失であり、応力下でも広い温度範囲 特性変動が少ない低損失フェライト、及び の低損失フェライトを用いた電子部品を提 することである。

 本発明の低損失フェライトは、主成分とし 47.1~49.3 mol %のFe 2 O 3 、20~26 mol %のZnO、6~14 mol %のCuO、及び残部Ni Oを含有し、かつ前記主成分100質量%に対して SnO 2 換算で0.1~2質量%のSn、及びMn 3 O 4 換算で0.05~2質量%のMnを含有し、平均結晶粒径 が0.5~3μmであることを特長とする。

 本発明の低損失フェライトは、2 MHzの周波 及び33 mTの動作磁束密度Bmにおいて2700 kW/m 3 以下、及び5 MHzの周波数及び10 mTの動作磁束 密度Bmにおいて430 kW/m 3 以下のコアロス、及び4000 A/mの磁界において 390 mT以上の飽和磁束密度Bsを有するのが好ま しい。

 本発明の第一の電子部品は、上記低損失 ェライトを用いた磁心と、前記磁心に巻線 たコイルとを有することを特徴とする。

 本発明の第二の電子部品は、上記低損失 ェライトを用いた複数のフェライト層から る一体焼結した積層体と、前記積層体の内 に設けられたAgを含む電極からなるコイル を有することを特徴とする。この電子部品 、スイッチ素子を含む半導体素子、キャパ タンス素子及び抵抗素子が実装されており 少なくとも前記半導体素子は前記積層体の 面に設けた電極に実装されているのが好ま い。

 本発明の低損失フェライトは、Agの融点 ある960℃以下で焼結可能であり、2 MHz以上 高周波数でも低損失であり、かつ応力及び きな直流重畳電流が作用する環境下でも広 温度範囲で特性変動が少ない。そのため、 発明の低損失フェライトは積層インダクタ 、コイルを内蔵する積層基板等の電子部品 好適である。

本発明の低損失フェライトを用いた積 インダクタを示す斜視図である。 Sn量が異なる低損失フェライトサンプ について、インダクタンスの応力による変 率を示すグラフである。 Sn量が異なる低損失フェライトサンプ について、コアロスの応力による変化率を すグラフである。 Mn量が異なる低損失フェライトサンプ について、インダクタンスの応力による変 率を示すグラフである。 Mn量が異なる低損失フェライトサンプ について、コアロスの応力による変化率を すグラフである。 DC/DCコンバータの等価回路を示す図で る。 本発明の低損失フェライトを用いたDC/D Cコンバータを示す斜視図である。 フェライト磁心を有するインダクタの 例を示す断面図である。 図8のインダクタを示す斜視図である。

[1] 低損失フェライト
(A) 組成
(1) 主成分
 本発明の低損失フェライト(Ni-Cu-Zn系フェラ ト)は、主成分として47.1~49.3 mol %のFe 2 O 3 、20~26 mol %のZnO、6~14 mol %のCuO、及び残部Ni Oを含有する。

 Fe 2 O 3 が47.1 mol %未満では2 MHz及び5 MHzにおけるコ アロスPcvが大きく、また十分な透磁率が得ら れない。一方、Fe 2 O 3 が49.3 mol %超では、Agの融点である960℃以下 温度で十分に焼結せず、磁気特性及び機械 強度が低い。好ましくはFe 2 O 3 は47.5~49.0 mol %である。

 ZnOが20 mol %未満では、2 MHzの周波数及び 33 mTの動作磁束密度でのコアロスが大きく、 透磁率が低い。一方、ZnOが26 mol %超では、5 MHzの周波数及び10 mTの動作磁束密度でのコ ロスが大きい。ZnOの好ましい含有量は21~26 m ol %である。

 CuOが6 mol %未満又は14 mol %超であると、 飽和磁束密度Bsが390 mT 未満と低い。飽和磁 密度Bsの減少は直流重畳特性の劣化を招き ましくない。またCuOは焼結温度の低下に寄 するが、6 mol %未満であると焼結密度が不 分となり易い。CuOの好ましい含有量は7~11 mo l %である。

 NiO量は主成分の残部である。所望の透磁 とともに高い飽和磁束密度Bsを得るには、Ni O/CuOのモル比を1.0~3.1とするのが好ましい。

(2) 副成分
 本発明の低損失フェライトは、主成分100質 %に対して、副成分として、SnO 2 換算で0.1~2質量%のSn、及びMn 3 O 4 換算で0.05~2質量%のMnを含有する。

 Snの添加により、フェライトの飽和磁束密 Bsは低下し、保磁力Hcは増加する。Snは安定 4価イオンとして結晶粒内に固溶し、格子歪 低減させることにより飽和磁歪定数λs及び 気異方性定数K1を小さくし、もって応力に するインダクタンスの変化やコアロスの増 を抑制する。温度の上昇に応じて飽和磁束 度Bs及び磁気異方性定数K1が減少するが、SnO 2 換算で2質量%以下のSnの添加により、使用温 における飽和磁束密度Bs及び磁気異方性定数 K1を調整することができ、もって温度に対す 初透磁率μiの変化を低減できる。SnO 2 が2質量%超であると、その一部が結晶粒界に って焼結を阻害し、960℃以下では焼結密度 上昇せず、透磁率等の磁気特性が劣化する このため、Ag電極等との一体焼結を行なう 層部品には好ましくない。またSnO 2 が0.05質量%未満であると、SnO 2 の十分な添加効果が得られない。Snの好まし 添加量は、SnO 2 換算で0.25~2質量%である。

 本発明の低損失フェライトは、Mn 3 O 4 換算で0.05~2質量%のMnを含有する。Mnの添加に り、格子歪が低減し、初透磁率μiが増加し BHループの線形性が改善され、マイナール プにおける保磁力Hcが低下し、ヒステリシス 損失が低減する。またMnはFe 3+ 及びFe 2+ の間での電子の移動を抑制するため、比抵抗 ρを増加させ、渦電流損失を低減する。しか Mn 3 O 4 の添加によりコアロスPcv及びインダクタンス の応力特性が悪化する傾向がある。そのため 、Mn 3 O 4 の添加量は0.1~1.5質量%であるのが好ましい。

 添加されたMnの一部は価数が変化して、Sn の添加による初透磁率μiの低下及び保磁力Hc 増加を解消する。従って、Sn及びMnの複合添 加により、優れた対応力安定性を有しながら 、損失の顕著に低減されたフェライトが得ら れる。

(3) その他の成分
 本発明の低損失フェライトは、更にCaをCaO 算で1.5質量%以下、SiをSiO 2 換算で1.5質量%以下含有しても良い。それぞ 結晶粒の成長を抑制し、透磁率の低下及び 抵抗の増大をもたらす。またSn添加による焼 結性の低下を緩和するため、BiをBi 2 O 3 換算で0.3質量%以下含有しても良い。

 フェライト原料中に不可避的に含まれるN a,S,Cl,P,W,B等の不可避不純物は、できるだけ少 ない方が好ましいが、工業的な許容範囲は全 体で0.05質量%以下である。特にClを5 ppm未満 し、Pを8 ppm未満とすると、低損失化に有利 ある。

 主成分及び副成分の定量は、蛍光X線分析 及びICP発光分光分析を用いて行う。予め蛍光 X線分析により含有元素の定性分析を行い、 に含有元素を標準サンプルと比較する検量 法により定量する。

(B) 組織及び特性
 本発明の低損失フェライトは、0.5~3μmの平 結晶粒径を有する。平均結晶粒径が3μm以下 あると、渦電流損失が低減し、磁壁の減少 ら残留損失が低減し、高周波数でのコアロ が低下する。しかし、平均結晶粒径が0.5μm 満であると、粒界が磁壁のピンニング点と て作用し、透磁率の低下及びコアロスの増 が生じ易くなる。平均結晶粒径が3μmを超え ると、渦電流損失や残留損失の影響が大きく なり、高周波(例えば5 MHz)での損失の増加が 著となる。

 平均結晶粒径を3μm以下とするには、焼結に 供するフェライト仮焼粉のBET比表面積を5~10  m 2 /gとするのが好ましい。BET比表面積が大きい ど反応活性が上がるため、低い焼結温度か 緻密化が促進される。フェライト仮焼粉のB ET比表面積が5~10 m 2 /gであると、960℃以下の低い焼結温度でも結 粒径が小さく均一な緻密なフェライトが得 れる。

 フェライト仮焼粉のBET比表面積が5 m 2 /g未満であると、フェライト焼結体の平均結 粒径が3μmを超える場合がある。BET比表面積 が10 m 2 /g超であると、フェライト仮焼粉が凝集し易 、またフェライト仮焼粉表面に水分が吸着 易い。そのため、ポリビニルブチラール等 水溶性樹脂をバインダーとしたスラリーを 成すると、凝集構造となり易く、得られる リーンシートに空隙が多い。空隙は電子部 内部へ水分が入り込む経路になる。フェラ ト仮焼粉の好ましいBET比表面積は5.5~8 m 2 /gである。

 フェライトの初透磁率μiは下記式:
  μi∝Bs 2 /(aK1+bλsσ)
(ただしBsは飽和磁束密度であり、K1は磁気異 性定数であり、λsは磁歪定数であり、σは 力であり、a及びbは定数である。)
により定義される。Ni-Cu-Zn系フェライトは負 磁歪定数を有するため、初透磁率μiは圧縮 力に応じて増加し、極大値を経て減少する 直流重畳特性を改善するため磁気回路中に 気ギャップを設けたインダクタの場合、実 透磁率が低下するので、150以上の透磁率が ましい。

[2] 電子部品
 図1は、本発明の低損失フェライトを用いた 電子部品として、内部にコイル(インダクタ) 備えた積層インダクタを示す。この積層イ ダクタ10は、低損失フェライトからドクタ ブレード法等によりグリーンシートを形成 、これにAg又はその合金等の導体ペーストで コイルパターン3を形成し、さらに必要に応 てフェライトペースト及び非磁性ペースト 印刷した後積層し、一体的に焼結し、導体 ターンが露出した積層体2の側面に外部端子2 00a,200bを形成することにより作製することが きる。

 電子部品の別の例として、図7は、インダ クタを内蔵した積層基板10の表面に設けられ 実装電極に、半導体集積回路部品IC及びコ デンサCin,Coutを実装し、インダクタと電気的 に接続したDC/DCコンバータモジュールを示す またコンデンサを内蔵する積層基板に、イ ダクタ及び半導体集積回路部品ICを実装し モジュールとしても良い。勿論本発明の技 思想を逸脱しない範囲内であれば、これら 外にも種々の態様の構成としても良い。

 本発明を以下の実施例によりさらに詳細 説明するが、本発明はそれらに限定される のではない。

実施例1
 Fe 2 O 3 、ZnO、CuO及びNiOの主成分、及びSnO 2 及びMn 3 O 4 の副成分を表1及び2に示す割合で湿式混合し 後、乾燥し、800℃で2時間仮焼した。得られ た仮焼粉をイオン交換水とともにボールミル に投入し、BET比表面積が6.5 m 2 /gとなるまで約20時間粉砕した。仮焼粉にポ ビニルアルコールを加えてスプレードライ ー法により顆粒化した後成形し、表1及び2に 示す875~950℃の範囲内の温度で2時間大気中焼 し、外径8 mm、内径4 mm及び厚さ2 mmのリン 状サンプルと、外寸が8 mm×8 mm、内寸が4 m m×4 mm、厚さが2 mmの角型環状サンプルを作 した。

 各サンプルの密度、平均結晶粒径、初透 率μi、飽和磁束密度Bs、残留磁束密度Br、保 磁力Hc、抵抗率、コアロスPcv、及び初透磁率 iの相対温度係数αμirを下記方法により測定 た。測定結果を表3及び4に示す。

(1) 密度
 リング状サンプルの寸法及び重量から、密 を算出した。

(2) 平均結晶粒径
 リング状サンプルの電子顕微鏡写真(10,000倍 )に任意の長さL 1 の直線を引き、この直線上に存在する粒子の 数N 1 計測し、長さL 1 を粒子数N 1 で除した値L 1 /N 1 を算出した。L 1 /N 1 を複数の直線について求めて平均し、平均結 晶粒径とした。

(3) 初透磁率μi
 リング状サンプルに7ターンの銅線を巻いて インダクタを作製し、LCRメーターを用いて1  MHzの周波数及び1 mAの電流でインダクタンスL を測定し、下記式により初透磁率μiを算出し た。
  μi=(le×L)/(μ 0 ×Ae×N 2 )
(ただしleは磁路長であり、Lはインダクタン であり、μ 0 は真空の透磁率=4π×10 -7 (H/m)であり、Aeはサンプルの断面積であり、N コイルの巻数である。)

(4) 初透磁率μiの相対温度係数αμir
 初透磁率μiの相対温度係数αμirは下記式に り表される。
  αμir=〔(μi 2 -μi 1 )/μi 1 2 〕/(T 2 -T 1 )
(ただし、T 1 及びT 2 は測定温度であり、μi 1 は温度T 1 における初透磁率であり、μi 2 は温度T 2 における初透磁率である。)
 電子恒温槽で-40℃~+80℃に調整した各サンプ ルに対して、初透磁率μiを測定した。-40℃~+2 0℃の相対温度係数αμirの場合、T 1 =+20℃であり、T 2 =-40℃であり、μi 1 は+20℃における初透磁率であり、μi 2 は-40℃における初透磁率である。また+20℃~+8 0℃の相対温度係数αμirの場合、T 1 =+20℃であり、T 2 =+80℃であり、μi 1 は+20℃における初透磁率であり、μi 2 は+80℃における初透磁率である。


(5) 飽和磁束密度Bs
 B-Hアナライザにより、4000 A/mの磁場中で10  kHzの周波数で各リング状サンプルのヒステリ シスのメジャーループを求めた。このヒステ リシスループから飽和磁束密度Bsを測定した

(6) 残留磁束密度Br
上記ヒステリシスループから残留磁束密度Br 測定した。

(7) 保磁力Hc
上記ヒステリシスループから保磁力Hcを測定 た。

(8) 抵抗率
リング状サンプルを2分割し、切断面に導電 樹脂を塗布し、乾燥させることにより得た 験片に対して、絶縁抵抗計により直流電圧  50 Vで抵抗率を測定した。

(9) コアロスPcv
 リング状サンプルに一次側及び二次側とも7 ターンの銅線を巻き、室温(25℃)で、100 kHz及 び50 mTの条件、2 MHz及び33 mTの条件、及び5  MHz及び10 mTの条件でPcvを測定した。

表3(続き)

表4(続き)

注:(1) 平均結晶粒径(μm)。
  (2) 初透磁率μi。
  (3) 飽和磁束密度Bs(mT)。
  (4) 残留磁束密度Br(mT)。
  (5) 保磁力Hc(A/m)。
  (6) コアロスPcv(kW/m 3 )。
  (7) 初透磁率μiの相対温度係数αμir。

 Fe 2 O 3 が47 mol %のサンプル1は大きな保磁力Hc及び アロスPcvを有しており、またFe 2 O 3 が49.5 mol %のサンプル10は低い焼結密度及び しく大きなコアロスPcvを有し、磁気特性が しく劣っていた。副成分を含まないサンプ 11は高周波数で大きなコアロスPcvを有した 副成分の代わりにBi 2 O 3 を含むサンプル12は大きな平均結晶粒径を有 、コアロスPcvが著しく劣っていた。Sn及びMn とともに0.5質量%のBi 2 O 3 を含むサンプル5及び6は、粒径が30μm程度の 晶粒と1μm程度の結晶粒とが混在する結晶組 となる異常焼結の状態となり、5 MHzでのコ ロスPcvが著しく劣っていた。

 ZnO量を増加させてNiO量を減少させると、 和磁束密度Bs、残留磁束密度Br及び保磁力Hc 低下し、初透磁率μiは増加した。2 MHzではZ nOの増加によりコアロスPcvは減少したが、5 M HzではZnOが23 mol %のサンプル17のコアロスPcv 小さく、ZnO量が増えても減ってもコアロスP cvは増加した。

 Niの一部を置換するCuの量が少ないと、焼 結性が劣り、初透磁率μi及び飽和磁束密度Bs 低下し、保磁力Hc及びコアロスPcvが増加し 。またCuの量が多いと飽和磁束密度Bsが低下 た。

 Snを含まないサンプル36は大きなコアロス Pcvを有し、3.0質量%のSnを含むサンプル40は焼 不足で、著しく劣る磁気特性及び大きなコ ロスを有した。SnO量が増加すると相対温度 数αμirは低下し、1質量%を超えると相対温 係数αμirは負となった。これから、適量のSn Oを含有させることによりインダクタンスの 度変化を低減できることが分かる。またMnの 添加によりコアロスPcvが低減し、抵抗率が増 加した。相対温度係数αμirは、Snとは逆にMn 添加量に応じて増加した。

 角型環状サンプル2,13,36,37,39,44,47及び48に1 2ターンの銅線を巻き、テンションメータを えた加圧ジグに配置し、室温で一軸方向に 縮力を印加し、1 MHzの周波数及び1 mAの電流 におけるインダクタンス、及び2 MHzの周波数 及び33 mTの動作磁束密度Bmにおけるコアロス 連続的に測定した。これから、下記式によ インダクタンス及びコアロスの変化率を算 し、それらの対応力安定性を評価した。結 を図2~図5に示す。

(1) インダクタンスの変化率
 (L 1 -L 0 )/L 0 ×100(%)
  L 1 :一軸方向に圧縮した時のインダクタンス。
  L 0 :一軸に圧縮しない時のインダクタンス。

(2) コアロスの変化率
 (Pcv 1 -Pcv 0 )/Pcv 0 ×100(%)
  Pcv 1 :一軸方向に圧縮した時の2 MHz及び33 mTにお るコアロス。
  Pcv 0 :一軸に圧縮しない時の2 MHz及び33 mTにおけ コアロス。

 Sn量が異なるサンプル2,13,36,37及び39につ て、図2はインダクタンスの対応力安定性を し、図3はコアロスの対応力安定性を示す。 Sn量が多くなるに従い、応力に対するインダ タンス、コアロスの変化率が低下した。

 Mn量が異なるサンプル2,44,47及び48について 図4はインダクタンスの対応力安定性を示し 図5はコアロスの対応力安定性を示す。Mn量 多くなるに従い、応力に対するインダクタ ス及びコアロスの変化率が増加した。Mn 2 O 3 が2.1質量%のサンプル48ではSn未添加の場合よ 更に対応力安定性に劣る結果となった。

実施例2
 サンプル2,13の各フェライト粉末を、ポリビ ニルブチラールを主成分としたバインダー及 びエタノールとともにボールミル粉砕し、得 られたスラリーの粘度を調整した後、ポリエ ステルフィルム上にドクターブレード法で塗 布し、乾燥厚さが30μmのグリーンシートを作 した。各フェライトグリーンシートにAgペ ストで複数のコイル状導体パターンを形成 た。さらに必要に応じてフェライトペース 及び非磁性ペーストを印刷した。導体パタ ンを有する複数のグリーンシートを圧着し 得られた積層体を焼結後の寸法が3.2 mm×1.6  mm×1.0 mmとなるように切断し、脱バインダー 、大気中で900℃で3時間焼結した。導体パタ ーンが露出した側面に、Agペーストを塗布し 600℃で焼き付けることにより外部端子200a、 200bを形成した。このようにして積層体2にコ ル3を内蔵した積層インダクタ10を作製した 図1はその外観を示す。

 積層インダクタ10を、2 MHzのスイッチン 周波数fs、3.6 Vの入力電圧Vin及び1.5 Vの出力 電圧Voutを有する図6に示す降圧型DC/DCコンバ タに組み込み、DC/DC変換効率を測定した。サ ンプル2はサンプル13より変換効率が1%程度高 った。サンプル2は低損失であるとともに、 応力に対するPcvの変化率が非常に小さいので 、DC/DC変換効率が高かったものと考えられる