OKADA TAHEI (JP)
SEKIGUCHI HIROKI (JP)
OKADA TAHEI (JP)
JPH07133488A | 1995-05-23 | |||
JP2005098495A | 2005-04-14 | |||
JPH07145187A | 1995-06-06 |
IVANOV, V. E. ET AL.: "Effect of lubrication by technical-grade media on drawing parameters.", TRENIE I IZNOS, vol. 14, no. 5, 1993, pages 926 - 30, XP008129892, ISSN: 0202-4977
RODNENKOV, V. G.: "Potentiometric studies of steel friction surface characteristics subsequent to dynamic contact with liquid crystal additives in lubricants.", TRENIE I IZNOS, vol. 21, no. 5, 2000, pages 551 - 557, XP008129893, ISSN: 0202-4977
ラノリンアルコール飽和脂肪酸エステル、ラノリンアルコール炭酸エステルおよびラノリンアルコールエーテルから選ばれる少なくとも1種のラノリンアルコール誘導体を配合してなることを特徴とする潤滑油添加剤。 |
ステロイド飽和脂肪酸エステル、ステロイド炭酸エステルおよびステロイドエーテルから選ばれる少なくとも1種のステロイド誘導体を配合してなることを特徴とする潤滑油添加剤。 |
請求項2に記載の潤滑油添加剤において、 前記ステロイド誘導体がコレステロール誘導体であることを特徴とする潤滑油添加剤。 |
潤滑油基油と、請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の潤滑油添加剤とを配合してなることを特徴とする潤滑油組成物。 |
請求項4に記載の潤滑油組成物において、 さらに、粘度指数向上剤、流動点降下剤、酸化防止剤、無灰系分散剤、摩擦調整剤、金属系清浄剤、摩耗防止剤、防錆剤、金属不活性化剤、抗乳化剤および消泡剤から選ばれる少なくとも1種を配合してなることを特徴とする潤滑油組成物。 |
請求項4または請求項5に記載の潤滑油組成物において、 エンジン用、ギア用または工業用として用いることを特徴とする潤滑油組成物。 |
本発明は、潤滑油添加剤および潤滑油組 物に関する。
地球環境の観点より二酸化炭素排出量の削
が要望されており、エネルギーのより効率
な利用が大きな課題となっている。例えば
摺動部を持つ機械の場合、潤滑油の使用に
り摩擦エネルギーを低減させることで、エ
ルギーの効率的な利用が可能となる。また
摩耗を防止することも、潤滑油の最も大切
機能の一つであり、機械の長寿命化につな
る。さらに廃棄物削減の観点から、潤滑油
ロングドレイン化が求められており、潤滑
として高い酸化安定性および耐熱性が求め
れている。
そこで、優れた摩擦低減効果を持つ添加剤
して、モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)
などの硫黄含有モリブデン化合物が使用され
ている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載されている
ような金属含有化合物は、排ガス浄化触媒に
対して悪影響を及ぼすおそれもあり、無灰系
の潤滑油添加剤が求められている。また、硫
黄やリンについても、摩耗防止効果はあるも
のの、毒性の問題や排ガス浄化触媒への悪影
響から、削減が要望されている。
そこで、本発明は、Moのような金属や硫黄
リンを含まなくても十分な潤滑特性を備え
、いわゆる無灰系の潤滑油添加剤、および
の潤滑油添加剤を用いた潤滑油組成物を提
することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下の
うな潤滑油添加剤および潤滑油組成物を提
するものである。
[1]ラノリンアルコール飽和脂肪酸エステル、
ラノリンアルコール炭酸エステルおよびラノ
リンアルコールエーテルから選ばれる少なく
とも1種のラノリンアルコール誘導体を配合
てなることを特徴とする潤滑油添加剤。
[2]ステロイド飽和脂肪酸エステル、ステロイ
ド炭酸エステルおよびステロイドエーテルか
ら選ばれる少なくとも1種のステロイド誘導
を配合してなることを特徴とする潤滑油添
剤。
[3]上記[2]に記載の潤滑油添加剤において、前
記ステロイド誘導体がコレステロール誘導体
であることを特徴とする潤滑油添加剤。
[4]潤滑油基油と、上記[1]ないし[3]のいずれか
一つに記載の潤滑油添加剤とを配合してなる
ことを特徴とする潤滑油組成物。
[5]上記[4]に記載の潤滑油組成物において、さ
らに、粘度指数向上剤、流動点降下剤、酸化
防止剤、無灰系分散剤、摩擦調整剤、金属系
清浄剤、摩耗防止剤、防錆剤、金属不活性化
剤、抗乳化剤および消泡剤から選ばれる少な
くとも1種を配合してなることを特徴とする
滑油組成物。
[6]上記[4]または[5]に記載の潤滑油組成物にお
いて、エンジン用、ギア用または工業用とし
て用いることを特徴とする潤滑油組成物。
本発明によれば、Moのような金属や硫黄 リンを含まないにもかかわらず、十分な潤 特性を発揮し得る潤滑油添加剤を提供でき 。具体的には、この潤滑油添加剤を適当な 油に配合してなる潤滑油組成物は、摩擦係 が低く、また耐摩耗性に優れる。
本発明の潤滑油添加剤は、ラノリンアルコー
ル飽和脂肪酸エステル、ラノリンアルコール
炭酸エステルおよびラノリンアルコールエー
テルから選ばれる少なくとも1種のラノリン
ルコール誘導体を含むことを特徴とする。
ここで、ラノリンアルコールとは、ラノリ
をケン化して得られた中性アルコール成分
言う。ラノリンは羊毛を洗った洗浄液を回
した「ウールグリース」を脱酸、脱色、脱
等を行って精製した淡黄色の蝋状物質を言
。
ラノリンアルコールにはコレステロール、
スモステロール、ラノステロール、ジヒド
ラノステロール、ラノステロール等のステ
イド骨格と、炭素数16から28までの分岐を持
つ鎖状アルコールが含まれる。
このようなラノリンアルコールは、日本精化
株式会社より入手可能である。ラノリンアル
コールと脂肪酸クロリドとを塩基存在下にエ
ステル化反応を行って、ラノリンアルコール
脂肪酸エステルを得る事ができる。
あるいは、ラノリンアルコールと飽和脂肪
とを、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド
)、DIC(ジイソプロピルカルボジイミド)やEDC(1-
エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボ
イミド塩酸塩)等の脱水縮合剤存在下に反応
せて、ラノリンアルコール脂肪酸エステル
得ることもできる。
さらに別法として、酸触媒下に、ステロー
化合物と飽和脂肪酸とを脱水して得ること
可能である。
ラノリンアルコール炭酸エステルは、ラノ
ンアルコールとクロロ炭酸エステルとを塩
存在下に反応させ、得る事ができる。
ラノリンアルコールアルキルエーテルは、
ノリンアルコールとアルキルブロミドとを
基存在下に反応させ、得ることができる。
た、ラノリンアルコールと鎖状アルコール
を酸存在下に脱水縮合させ、得ることもで
る。
本発明の潤滑油添加剤は、ステロイド飽和
肪酸エステル、ステロイド炭酸エステルお
びステロイドエーテルから選ばれる少なく
も1種のステロイド誘導体を含むことを特徴
とする。
ここで、ステロイドとは、シクロペンタ[a]
ェナントレン骨格の総称であり、例えば、
記式(1)~(5)のような各種の構造がある。
また、ステロイド飽和脂肪酸エステル、ス
ロイド炭酸エステルおよびステロイドエー
ルとは上記骨格に1以上の飽和脂肪酸エステ
ル基、炭酸エステル基、エーテル基が結合し
ている化合物をいう。
ステロイド飽和脂肪酸エステルの例として
、下記式(6)、(7)のようなコレステロール飽
脂肪酸エステルやコレスタノール飽和脂肪
エステルが挙げられる。
ここで、上記式(6)、(7)において、R 1
、R 2
は、分岐を有していてもよい飽和炭化水素基
である。R 1
、R 2
が不飽和構造であると、潤滑油添加剤として
、耐摩耗性が低下するとともに酸化安定性も
悪くなり好ましくない。また、R 1
、R 2
の炭素数は1~30であることが好ましく、より
ましい炭素数は9~24である。R 1
、R 2
の炭素数が30を超えると、容易には入手でき
好ましくない。R 1
、R 2
を基本骨格とするエステルを構成するカルボ
ン酸としては、例えば、ペラルゴン酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタ
デカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ス
テアリン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ド
コサン酸、テトラドコサン酸、等が挙げられ
る。
さらにまた、潤滑油添加剤としては容易に
手可能であり、また摩擦低減効果の観点よ
、式(6)のコレステロール飽和脂肪酸エステ
が好ましい。
このようなステロイド飽和脂肪酸エステ は、市販品として容易に入手可能である(例 えば、和光純薬株式会社 Cholesterol Stearate)。 また、ステロール化合物と飽和脂肪酸クロラ イドとを塩基存在下にエステル化反応を行っ てステロール飽和脂肪酸エステルを得ること もできる。あるいは、ステロール化合物と飽 和脂肪酸とをDCC(ジシクロヘキシルカルボジ ミド)、DIC(ジイソプロピルカルボジイミド) EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カ ボジイミド塩酸塩)等の脱水縮合剤存在下に 反応させて、ステロールエステルを得ること もできる。さらに別法として、酸触媒下に、 ステロール化合物と飽和脂肪酸とを脱水して 得ることも可能である。
ステロイド炭酸エステルの例としては、 記式(8)、(9)のようなコレステロール炭酸エ テルおよびコレスタノール炭酸エステルが げられる。
R 3
、R 4
は、分岐を有していてもよい炭化水素基であ
る。R 3
、R 4
の炭素数は1~30であることが好ましく、より
ましい炭素数は9~24である。R 3
、R 4
の炭素数が30を超えると、容易には入手でき
好ましくない。R 3
、R 4
を基本骨格とするエステルを構成するカルボ
ン酸としては、例えば、ペラルゴン酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタ
デカン酸、パルチミン酸、マルガリン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノ
レン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸
、エイコサペンタエン酸、エルカ酸等が挙げ
られる。
潤滑油添加剤としては容易に入手可能な式(
8)のコレステロール炭酸エステルが好ましい
このようなステロイド炭酸エステルも、 販品として容易に入手できる(例えば、東京 化成工業株式会社製 Cholesterol Oleyl carbonate) また、ステロール化合物とクロロ蟻酸エス ルとを塩基存在下に反応させて得ることも きる。
ステロイドエーテルの例としては、下記 (10)、(11)のようなコレステロールエーテル よびコレスタノールエーテルが挙げられる
ここで、R 5
、R 6
は、分岐を有していてもよい炭化水素基であ
る。また、R 5
、R 6
の炭素数は1~30であることが好ましく、より
ましい炭素数は9~24である。R 5
、R 6
の炭素数が30を超えると、容易には入手でき
好ましくない。R 5
、R 6
の例としては、ノニル基、デシル基、ウンデ
シル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基
、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、エイコシル基等が挙げられる。
潤滑油添加剤としては容易に入手可能な式(
10)のコレステロールエーテルが好ましい。
このようなステロイドエーテルは、例え 、ステロール化合物とアルキルブロマイド を塩基存在下に反応させて得ることができ 。また、ステロール化合物とアルコールと 酸触媒存在下に反応させて得ることもでき 。
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油と、
述の潤滑油添加剤とを含むことを特徴とす
。ここで、潤滑油基油としては、鉱油およ
/または合成油が用いられる。この鉱油や合
成油の種類については特に制限はなく、従来
、潤滑油の基油として使用されている鉱油や
合成油の中から任意のものを適宜選択して用
いることができる。
鉱油としては、例えば、原油(パラフィン系
、ナフテン系、芳香族系)を常圧蒸留して得
れる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑
留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分
、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等
1つ以上の処理を行って精製した鉱油、ある
はワックス、GTL WAXを異性化することによ
て製造される鉱油が挙げられる。具体的に
、スピンドル油、70ニユートラル油、100ニユ
ートラル油、150ニユートラル油、500ニユート
ラル油、あるいはブライトストックなどが挙
げられる。
また、合成油としては、例えば、ポリブ ン、ポリオレフィン[α-オレフィン単独重合 体や共重合体(例えばエチレン-α-オレフィン 重合体)など]、各種のエステル(例えば、ポ オールエステル、二塩基酸エステル、リン エステルなど)、各種のエーテル(例えば、 リフェニルエーテルなど)、ポリグリコール アルキルベンゼン、アルキルナフタレンな が挙げられる。これらの合成油のうち、特 、ポリα-オレフィン共重合体が低摩擦係数 示す点で好ましい。また、ポリα-オレフィ 共重合体であっても、その分子量は250~5000 あることが好ましく、300~3000であることがよ り好ましい。分子量が250未満であると、低粘 度のため油膜切れを起こしやすく、耐摩耗性 に劣るので好ましくなく、分子量が5000を超 ると高粘度となり、撹拌抵抗が大きくなり 擦係数が高くなるので好ましくない。
本発明においては、基油として、上記鉱油
合成油を1種用いてもよく、2種以上を組み
わせて用いてもよい。
基油の粘度については、40℃での動粘度が2~
2000mm 2
/sであることが好ましく、より好ましくは10~1
500mm 2
/sである。40℃での動粘度が2mm 2
/s未満であると油膜切れを起こしやすくなり
ましくない。一方、40℃での動粘度が2000mm 2
/sを超えると、流体抵抗が大きくなり、摩擦
数が高くなるので好ましくない。
上述した潤滑油添加剤の好ましい含有量は
組成物全量基準で0.01~5質量%であり、より好
ましくは0.1~2質量%である。上述した潤滑油添
加剤の含有量が0.01質量%未満であると、摩擦
数の低減効果や耐摩耗性の向上が十分では
い。一方、潤滑油添加剤の含有量が5質量%
超えても含有量に見合った効果は得られな
。
本発明の潤滑油組成物は、上述したように
潤滑油基油と、ステロイド飽和脂肪酸エス
ル、ステロイド炭酸エステルおよびステロ
ドエーテルから選ばれる少なくとも1種のス
テロイド誘導体を含む添加剤とから構成され
ており、Moのような金属、硫黄あるいはリン
含まなくても低摩擦係数であり、耐摩耗性
も優れている。
また、前記したステロイド誘導体は、金属
硫黄およびリンを含まない、いわゆる無灰
化合物であるので、内燃機関に用いた場合
も触媒の劣化を抑えることができ、また環
負荷も低い。
それ故、本発明の潤滑油組成物は、摩擦摩
が生じる機械に好適に使用することができ
。例えばエンジン用潤滑油として、車両、
舶等のガソリンおよびディーゼルエンジン
燃機関に好適に用いられる。また、ギア用
滑油として、デフ、ミッション、マニュア
トランスミッション、オートマチックトラ
スミッション、無段変速機等に好適に用い
れる。さらに工業用潤滑油として、圧縮機
、切削油、塑性加工油等に好適に用いられ
。なお、圧縮機としては冷凍機、真空ポン
等が挙げられる。切削油としては、切削加
等に使用され、塑性加工油は圧延加工、押
出し加工、引き抜き加工、せん断加工、曲
加工、深絞り加工、鍛造加工等に使用され
。
本発明の潤滑油組成物には、さらに適当 添加剤を加えてもよい。具体的には、粘度 数向上剤、流動点降下剤、酸化防止剤、無 系分散剤、摩擦調整剤、金属系清浄剤、摩 防止剤、防錆剤、金属不活性化剤、抗乳化 、消泡剤などが挙げられる。
粘度指数向上剤としては、例えば、非分 型ポリメタクリレート、分散型ポリメタク レート、オレフィン系共重合体(例えば、エ チレン-プロピレン共重合体など)、分散型オ フィン系共重合体、スチレン系共重合体(例 えば、スチレン-ジエン水素化共重合体など) どが挙げられる。これら粘度指数向上剤の 量平均分子量は、例えば分散型および非分 型ポリメタクリレートでは5,000~1,000,000が好 しく、10,0000~800,000がさらに好ましい。また オレフィン系共重合体では800~300,000が好ま く、10,000~200,000がさらに好ましい。これらの 粘度指数向上剤は、単独でまたは複数種を任 意に組合せて含有させることができるが、通 常その含有量は、潤滑油組成物基準で0.1~20質 量%の範囲である。
流動点降下剤としては、例えばエチレン- 酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナ フタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフ ェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、 ポリアルキルスチレン等が挙げられ、特に、 ポリメタクリレートが好ましく用いられる。 これらの含有量は、通常、潤滑油組成物基準 で0.01~5質量%の範囲である。
酸化防止剤としては、アルキル化ジフェ ルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、ア ルキル化フェニル-α-ナフチルアミン等のア ン系酸化防止剤、2,6-ジ-t-ブチルフェノール 4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノー )、イソオクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ シフェニル)プロピオネート、n-オクタデシ -3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プ ピオネート等のフェノール系酸化防止剤、 ラウリル-3,3’-チオジプロピオネイト等の 黄系酸化防止剤、ホスファイト等のリン系 化防止剤、さらにジチオリン酸亜鉛系、モ ブデン系酸化防止剤が挙げられる。これら 酸化防止剤は単独でまたは複数種を任意に 合せて含有させることができるが、通常2種 上の組み合わせが好ましく、その配合量は 潤滑油組成物基準で0.01~5質量%が好ましく、 0.2~3質量%が更に好ましい。
無灰分散剤としては、数平均分子量が900~ 3,500のポリブテニル基を有するポリブテニル ハク酸イミド、ポリブテニルベンジルアミ 、ポリブテニルアミン、およびこれらのホ 酸変性物等の誘導体等が挙げられる。これ の無灰分散剤は、単独でまたは複数種を任 に組合せて含有させることができるが、通 その含有量は、潤滑油組成物基準で0.1~20質 %の範囲である。
摩擦調整剤としては、例えば、有機モリ デン系化合物、脂肪酸、高級アルコール、 肪酸エステル、油脂類、アミン、アミド、 ン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸 ステルアミン塩、あるいは、硫化オレフィ 、硫化脂肪酸エステル、ジベンジルジサル ァイド等の硫黄含有化合物、塩素化パラフ ン等の塩素化合物が挙げられる。これらは 単独でまたは複数種を任意に組合せて含有 せることができるが、通常その含有量は、 滑油組成物基準で0.05~4質量%の範囲である。
金属系清浄剤としては、例えば、アルカ 金属(ナトリウム(Na)、カリウム(K)等)または ルカリ土類金属(カルシウム(Ca)、マグネシ ム(Mg)等)のスルホネート、フェネート、サリ シレートおよびナフテネート等が挙げられる 。これらは単独でまたは複数種を組合せて使 用できる。これらの金属系清浄剤の全塩基価 および添加量は、要求される潤滑油の性能に 応じて任意に選択でき、全塩基価は、過塩素 酸法で通常0~500mgKOH/g、望ましくは20~400mgKOH/g その配合量は、通常、潤滑油組成物基準で0. 1~10質量%の範囲である。
摩耗防止剤としては、例えば、ジチオリ 酸金属塩(Zn、Pb、Sb、Moなど)、ジチオカルバ ミン酸金属塩(Zn、Pb、Sb、Moなど)、ナフテン 金属塩(Pbなど)、脂肪酸金属塩(Pbなど)、ホウ 素化合物、リン酸エステル、亜リン酸エステ ル、アルキルハイドロゲンホスファイト、リ ン酸エステルアミン塩、リン酸エステル金属 塩(Znなど)、ジスルフィド、硫化油脂、硫化 レフィン、ジアルキルポリスルフィド、ジ リールアルキルポリスルフィド、ジアリー ポリスルフィドなどや、グラファイト、二 化モリブデン、硫化アンチモン、ポリテト フルオロエチレンなどの固体潤滑系摩耗防 剤などが挙げられる。これらの摩耗防止剤 、単独でまたは複数種を任意に組合せて含 させることができるが、通常その含有量は 潤滑油組成物基準で0.1~5質量%の範囲である
防錆剤としては、例えば、脂肪酸、アル ニルコハク酸ハーフエステル、脂肪酸セッ ン、アルキルスルホン酸塩、多価アルコー 脂肪酸エステル、脂肪酸アミン、酸化パラ ィン、アルキルポリオキシエチレンエーテ 等が挙げられ、通常その含有量は、潤滑油 成物基準で0.01~3質量%の範囲である。
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾ
ル、トリアゾール誘導体、ベンゾトリアゾ
ル誘導体、チアジアゾール誘導体等が挙げ
れ、通常その含有量は、潤滑油組成物基準
0.01~3質量%の範囲である。
消泡剤としては、液状シリコーンが適して
り、例えば、メチルシリコーン,フルオロシ
リコーン,ポリアクリレートが使用可能であ
。これら消泡剤の好ましい配合量は、組成
全量基準で0.0005~0.01質量%である。
抗乳化剤としては、ポリオキシエチレン ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル ルフェニルエーテルなどのエーテルや、ソ ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ レン脂肪酸エステルなどのエステルが挙げ れる。これら抗乳化剤の好ましい配合量は 組成物全量基準で0.005~1質量%である。
なお、本発明の効果をより発揮するため は、前記した各添加剤のなかで、金属含有 合物や、硫黄化合物およびリン化合物の含 量をできるだけ少なくなるように配合処方 検討することが好ましい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細
説明するが、本発明は、これらの例によっ
なんら限定されるものではない。
具体的には、以下に示すように所定の潤滑
組成物を調製して、潤滑特性(摩擦係数およ
び耐摩耗性)を評価した。
潤滑油組成物の調製に用いた各成分の詳細
、以下の通りである。
(1)基油:
(1-1)基油A:500ニュートラル留分の鉱油(HG500)
(1-2)基油B:酸化防止剤、耐摩耗剤等を含んだ
市販油(多目的用であり、例えばギア油とし
用いられている。)
(2)添加剤:
(2-1)FM A:コレステロールステアリン酸エス
ル(和光純薬(株)製)
(2-2)FM B:コレステロールn-カプリル酸エステ
ル(東京化成工業(株)製)
(2-3)FM C:コレステロール酢酸エステル(東京
成工業(株)製)
(2-4)FM D:コレステロールn-オクチル炭酸エス
テル(東京化成工業(株)製)
(2-5)FM E:コレステロールイソステアリン酸
ステル(東京化成工業(株)製)
(2-6)FM F:コレステロールオレイル炭酸エス
ル(東京化成工業(株)製)
(2-7)モリブデンヂチオカーバメート(MoDTC)
(2-8)FM G:ラノリンアルコールステアレート(
記参照) ラノリンアルコール100g、ピリジン
40gをトルエン700mlに溶かし、ステアリン酸ク
リド131g、トルエン300ml溶液を0℃で加えた。
1日反応後、水を加え、不溶物をろ過し、有
層を5%塩酸水溶液、水で洗い、硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、濃縮し、淡黄色固体202gを得
。
〔実施例1~12、比較例1〕
表1に示す配合処方で各潤滑油組成物(試料
)を調製し、以下に示す各試験により潤滑特
を評価した。結果も併せて表1に示す。なお
、参考として、基油A(HG500)単体、および基油B
(市販油)についても同様に試験を行った。
(1)ブロック オン リング試験
ブロック オン リング試験機(LFW-1)を用い
回転数500rpm、荷重44.5~177.8N(10~40lbs)、油温60℃
、摩擦時間15分の条件で試験を行った。
具体的には、リングの半分が試料油に浸漬
る油量で、テストブロックにFalex社製H-60テ
トブロック、テストリングにFalex社製S-10テ
トリングを用いてブロックに荷重をかけ、
ングを回転させたときに生じる抵抗を歪み
で検出し、摩擦係数を算出した。また、試
後のブロックの摩耗痕幅を測定した。
(2)曽田式振子試験(JASO法)
油温60℃の条件で曽田式振子試験を行い、
擦係数を求めた。
(3)シェル四球EP試験(ASTM D 2783準拠)
回転数1800rpm、室温の条件で試験を行い、最
大非焼付荷重(LNL)と、融着荷重(LWL)を測定し
それらから荷重摩耗指数(LWI)を求めた。この
値が大きいほど耐荷重性が良好である。
〔実施例13〕
基油A(HG500)98.7質量%、フェノール系酸化防止
剤0.3質量%、およびFM Aを1質量%を混合し、120
、168時間で熱安定度試験(JIS K2540準拠)を実
した。沈殿物は全く見られなかった。
以上の結果より、本発明の潤滑油添加剤 、MoやZnのような金属や、硫黄、リンを含ん でいないにもかかわらず、摩擦係数低減効果 や耐摩耗効果が非常に優れていることがわか る。特に、これまで非常に優れた摩擦低減効 果を持つ添加剤として汎用されてきたMoDTC(比 較例1)よりも優れた摩擦低減効果を持つこと 特筆すべきである。また、実施例4、5から かるように、本発明の潤滑油添加剤を、市 の多目的用潤滑油に添加した場合、さらに 擦係数を下げることができ、しかもごく少 の添加で十分な効果を発揮できることがわ る。また、実施例13より、本発明の潤滑油添 加剤は、耐熱性や耐酸化安定性にも優れるこ とがわかる。それ故、潤滑油としてのロング ドレイン化が可能となり、廃棄物削減にも寄 与できる。
本発明の潤滑油用添加剤および該添加剤 含む潤滑油組成物は、各種潤滑油の分野で 用できる。