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Patent Searching and Data


Title:
LUBRICANT COMPOSITION HAVING EXCELLENT ANTIOXIDANT PROPERTIES
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075259
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a lubricant composition characterized by containing 0.01-5% by mass of a compound (B) represented by the general formula (1) below in a lubricant (A) having a phosphorus content of 50-1500 ppm by mass. [chemical formula 1] (1) (In the formula, R1-R6 respectively represent a hydrogen atom, a hydrocarbon group having 1-18 carbon atoms or a group expressed as -OR11; R7-R10 respectively represent a hydrogen atom, a hydroxy group, a hydrocarbon group having 1-18 carbon atoms or a group expressed as -OR11; and R11 represents a hydrocarbon group having 1-12 carbon atoms. In this connection, adjacent two groups among R1-R10 may combine together to form a cycloalkyl ring, cycloalkenyl ring or aromatic ring having 5-12 carbon atoms.)

Inventors:
TATSUMI YUKIO (JP)
NAMIKI MASATO (JP)
IINO MASASHI (JP)
SUGIURA YUKI (JP)
FURUYA TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072321
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
December 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ADEKA CORP (JP)
NIHON NOHYAKU CO LTD (JP)
TATSUMI YUKIO (JP)
NAMIKI MASATO (JP)
IINO MASASHI (JP)
SUGIURA YUKI (JP)
FURUYA TAKASHI (JP)
International Classes:
C10M141/10; C10M101/02; C10M129/10; C10M133/38; C10M137/00; C10M137/06; C10M137/10; C10N10/12; C10N30/10; C10N40/25
Foreign References:
JP2007532757A2007-11-15
US2930680A1960-03-29
US2881061A1959-04-07
JPS63170364A1988-07-14
US2989486A1961-06-20
JPS5837092A1983-03-04
JP2006206723A2006-08-10
Attorney, Agent or Firm:
SOGA, Michiharu et al. (8th FloorKokusai Building,1-1, Marunouchi 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 05, JP)
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Claims:
 リン含量が50~1500質量ppmの潤滑油(A)に、下記の一般式(1)
(式中、R 1 ~R 6 は、水素原子、炭素数1~18の炭化水素基又は-OR 11 で表わされる基のいずれかを表わし、R 7 ~R 10 は、水素原子、水酸基、炭素数1~18の炭化水素基又は-OR 11 で表わされる基のいずれかを表わし、R 11 は炭素数1~12の炭素水素基を表わす。なお、R 1 ~R 10 から選択される隣合う2つの基はそれぞれ結合して、炭素数5~12のシクロアルキル環、シクロアルケニル環又は芳香族環を形成してもよい)で表わされる化合物(B)を0.01~5質量%含有することを特徴とする潤滑油組成物。
 潤滑油(A)が、鉱物油及び/又は合成油からなる基油に、リン化合物を含有させた潤滑油である、請求項1記載の潤滑油組成物。
 リン化合物が、亜鉛ジチオホスフェート、モリブデンジチオホスフェート及びモリブデンホスフェートからなる群から選択される1種又は2種以上の化合物である、請求項2記載の潤滑油組成物。
 潤滑油(A)のリン含量が200~800質量ppmである、請求項1ないし3のいずれか1項記載の潤滑油組成物。
 化合物(B)のR 1 ~R 10 が、アルキル基又はアリール基である、請求項1ないし4のいずれか1項記載の潤滑油組成物。
 化合物(B)を0.5~1.5質量%含有する、請求項1ないし5のいずれか1項記載の潤滑油組成物。
 更に、フェノール系酸化防止剤、一般式(1)以外のアミン系酸化防止剤、摩擦低減剤、極圧剤、油性向上剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤及び消泡剤からなる群から選択される1種または2種以上の潤滑油添加剤を含有する、請求項1ないし6のいずれか1項記載の潤滑油組成物。
 請求項1ないし7のいずれか1項記載の潤滑油組成物を含有することを特徴とするエンジン油。
Description:
酸化防止性能に優れた潤滑油組 物

 本発明は、酸化防止性能に優れた潤滑油 成物に関する。

 エンジン油、駆動系油、金属加工油等の 滑油を長時間使用していると、大気中の酸 や熱、酸性ガスの混入等によって酸化劣化 てくる。酸化劣化が進むと、これらの潤滑 は酸化劣化前の能力を発揮できなくなるた 、なるべく長時間使用できるように酸化劣 を遅らせる試みがなされてきた。その中で も一般的に行われているのが、これらの潤 油に酸化防止剤を含有させることである。

 潤滑油の酸化防止剤には様々なものが使 されているが、現在はフェノール系酸化防 剤、アミン系酸化防止剤及び亜鉛ジチオホ フェートを併用しているのが一般的である これらの酸化防止剤の入った潤滑油は一定 効果を持っているが、近年の環境問題や自 車エンジンの性能向上等により、高温での 化防止性能の向上や長期間使用できる潤滑 の要求が高まっている。更に、潤滑油に含 されるリン成分は排ガス触媒を被毒するた 、潤滑油に含まれるリン成分を削減する要 も同時に高まっているのが現状である。

 ここで、潤滑油中のリン成分を削減する 、酸化防止性能が低下すると同時に金属に する摩耗が増大してしまうという問題があ 、潤滑油において一定量のリン成分は必要 可欠な成分となっている。そのため、上記 様々な要求を満たすためには、一定量のリ 成分を含有する潤滑油にリンを含有しない 化防止剤を添加して、潤滑油組成物の酸化 止性能をいかにして向上させるかが課題で った。

 こうした中、リン成分を含有した現行の 滑油の酸化防止性能を向上させるためには リン成分を含有しない酸化防止剤を増量す しか方法がなかった。しかしながら、フェ ール系酸化防止剤は、活性が高く、初期の 化防止に効果はあるが、比較的早く壊れる め増量しても長期間の使用には耐えられず 一方、アミン系酸化防止剤は、活性が低く 比較的壊れにくいため長期間の使用に向い いるが、アミン系酸化防止剤を増量すると ラッジが発生してしまう等の問題があった

 そこで、新規な酸化防止剤として、例えば 許文献1には、
で示される化合物を、合計で60重量%(質量%)以 上含むスチレン化ジフェニル系化合物からな る潤滑剤酸化防止剤(請求項1)が開示されてい る。

 また、特許文献2には、下記の一般式(1)
(式中、R 1 及びR 2 はアルキレン基を表わし、R 3 は水素原子又は炭化水素基を表わし、mは1以 の数を表わし、nは1以上の数を表わす。)で わされるポリアミン化合物からなる酸化防 性潤滑油添加剤(請求項1)が開示されている

特開平9-53087号公報 特許請求の範囲

特開平11-302678号公報 特許請求の範囲

 しかしながら、特許文献1に開示されてい るような比較的分子量の大きいアミン系酸化 防止剤は、現行の酸化防止剤と比較して劣化 のしやすさは同等であるものの、酸化防止性 能を大幅に向上させることはできなかった。 また、特許文献2に開示されているような非 香族系のアミン系酸化防止剤は、リン含量 50~1500質量ppmの範囲内にある潤滑油と併用し も、充分な酸化防止効果が得られないこと あるという問題があった。 

 従って、本発明の目的は、近年の環境問 等に起因する潤滑油組成物の高性能化要求 満たすため、酸化防止性能に優れた潤滑油 成物を提供することにある。

 そこで、本発明者らは、上記課題を解決す ために鋭意検討した結果、酸化防止性能に れた潤滑油組成物を見出し、本発明を完成 るに至った。
 即ち、本発明は、リン含量が50~1500質量ppmの 潤滑油(A)に、下記の一般式(1)
(式中、R 1 ~R 6 は、水素原子、炭素数1~18の炭化水素基又は-O R 11 で表わされる基のいずれかを表わし、R 7 ~R 10 は、水素原子、水酸基、炭素数1~18の炭化水 基又は-OR 11 で表わされる基のいずれかを表わし、R 11 は炭素数1~12の炭素水素基を表わす。なお、R 1 ~R 10 から選択される隣合う2つの基はそれぞれ結 して、炭素数5~12のシクロアルキル環、シク アルケニル環又は芳香族環を形成してもよ )で表わされる化合物(B)を0.01~5質量%含有す ことを特徴とする潤滑油組成物にある。

 また、本発明の潤滑油組成物は、潤滑油( A)が、鉱物油及び/又は合成油からなる基油に 、リン化合物を含有させた潤滑油であること を特徴とする。

 更に、本発明の潤滑油組成物は、リン化 物が、亜鉛ジチオホスフェート、モリブデ ジチオホスフェート及びモリブデンホスフ ートからなる群から選択される1種又は2種 上の化合物であることを特徴とする。

 また、本発明の潤滑油組成物は、潤滑油( A)のリン含量が200~800質量ppmであることを特徴 とする。

 更に、本発明の潤滑油組成物は、化合物(B) R 1 ~R 10 が、アルキル基又はアリール基であることを 特徴とする。

 また、本発明の潤滑油組成物は、化合物( B)を0.5~1.5質量%含有することを特徴とする。

 更に、本発明の潤滑油組成物は、フェノ ル系酸化防止剤、一般式(1)以外のアミン系 化防止剤、摩擦低減剤、極圧剤、油性向上 、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤、流動 降下剤、防錆剤、腐食防止剤及び消泡剤か なる群から選択される1種又は2種以上の潤 油添加剤を含有することを特徴とする。

 また、本発明は、上記潤滑油組成物を含 するエンジン油にある。

 本発明の効果は、一定量のリン成分を含 した酸化防止性能に優れた潤滑油組成物を 供したことにある。

 本発明に使用する潤滑油(A)は、リン含量 50~1500質量ppmの潤滑油である。こうした潤滑 油は、通常、基油にリン化合物を添加したも のであり、基油としては、例えば、鉱物油、 植物油、動物油等の天然油;ポリ-α-オレフィ 、エチレン-α-オレフィン共重合体、ポリブ テン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレ ン、ポリアルキレングリコール、ポリフェニ ルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテ ル、ポリオールエステル、二塩基酸エステル 、炭酸エステル、シリコーン油、フッ素化油 、GTL(Gas to Liquids)等の合成油が挙げられる。 これらの中でも、鉱物油や合成油が好ましく 、エンジンオイルとして好適な鉱物油、ポリ -α-オレフィン、エチレン-α-オレフィン共重 体、GTLがより好ましい。

 リン化合物としては、基油に溶解するリ 化合物であればいずれも使用することがで るが、酸化防止性能を持つリン化合物が好 しい。こうしたリン化合物としては、例え 、トリフェニルホスファイト、ジフェニル ソデシルホスファイト、フェニルジイソデ ルホスファイト、4,4-ブチリデンビス(3-メチ ル-6-ターシャリブチルジイソトリデシル)ホ ファイト(以下、「ターシャリブチル」をt- チルと略記する)、ジステアリルペンタエリ リトールジホスファイト、ジイソデシルペ タエリスリトールジホスファイト、トリス( ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノ ルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t- チルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t- チルフェニル)ペンタエリスリトールホスフ ァイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニ )ペンタエリスリトールホスファイト、2,2- チレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチ ホスファイト、1,1,3-ブチリジントリス(3-メ ル-6-t-ブチルフェニルジイソトリデシル)ホ ファイト、2,2-プロピリデンビス(3-メチル-6-t -ブチルフェニルジイソトリデシル)ホスファ ト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4 -ビフェニレン-ジ-ホスホナイト、9,10-ジヒド -9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オ サイド、10-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベン ジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェ ントレン-10-オキサイド、10-デシルオキシ-9, 10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナント ン、亜鉛ジチオホスフェート、硫化オキシ リブデンジチオホスフェート、モリブデン スフェート等が挙げられる。これらのリン 合物の中でも、潤滑油の酸化防止剤として 好な性能を示すことから、亜鉛ジチオホス ェート、硫化オキシモリブデンジチオホス ェート、モリブデンホスフェートが好まし 。

 また、上述の亜鉛ジチオホスフェートは、 記の一般式(2)で表わされる:
(式中、R 12 及びR 13 は炭化水素基を表わし、aは0~1/3の数を表わす )

 一般式(2)において、R 12 及びR 13 は、炭化水素基を表わすが、こうした炭化水 素基としては、例えば、アルキル基、アルケ ニル基、アリール基、シクロアルキル基、シ クロアルケニル基等が挙げられる。

 アルキル基としては、例えば、メチル基 エチル基、プロピル基、イソプロピル基、 チル基、イソブチル基、2級ブチル基、ター シャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル 基、2級ペンチル基、ネオペンチル基、ター ャリペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル 、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基 、2-エチルヘキシル基、2級オクチル基、ノニ ル基、2級ノニル基、デシル基、2級デシル基 ウンデシル基、2級ウンデシル基、ドデシル 基、2級ドデシル基、トリデシル基、イソト デシル基、2級トリデシル基、テトラデシル 、2級テトラデシル、ヘキサデシル基、2級 キサデシル基、ステアリル基、エイコシル 、ドコシル基、テトラコシル基、トリアコ チル基、2-ブチルオクチル基、2-ヘキシルオ チル基、2-ヘキシルデシル基、2-オクチルデ シル基、2-ヘキシルドデシル基、2-オクチル デシル基、2-デシルテトラデシル基、2-ドデ ルヘキサデシル基、2-ヘキサデシルオクタ シル基、2-テトラデシルオクタデシル基、モ ノメチル分枝-イソステアリル基等が挙げら る。

 アルケニル基としては、例えば、ビニル 、アリル基、プロペニル基、イソプロペニ 基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテ ル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基、 プテニル基、オクテニル基、ノネニル基、 セニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基 テトラデセニル基、オレイル基等が挙げら る。

 アリール基としては、例えば、フェニル 、トルイル基、キシリル基、クメニル基、 シチル基、ベンジル基、フェネチル基、ス リル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基 トリチル基、エチルフェニル基、プロピル ェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフ ニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフ ニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェ ル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェ ル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フ ニル基、p-クミルフェニル基、フェニルフ ニル基、ベンジルフェニル基、α-ナフチル 、β-ナフチル基等が挙げられる。

 シクロアルキル基、シクロアルケニル基 しては、例えば、シクロペンチル基、シク ヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシ ロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、 チルシクロヘプチル基、シクロペンテニル 、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル 、メチルシクロペンテニル基、メチルシク ヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基 が挙げられる。

 これらの炭化水素基の中で、R 12 及びR 13 としては、アルキル基が好ましく、2級アル ル基が更に好ましい。炭素数は、3~14である とが好ましく、3~10であることが更に好まし く、3~8であることが最も好ましい。又、R 12 及びR 13 は、同一の炭化水素基でも異なる炭化水素基 でもよい。

 更に、一般式(2)において、a=0の場合、中 亜鉛(ジチオ)ホスフェート(中性塩)と呼ばれ 、aが1/3の場合は、塩基性亜鉛(ジチオ)ホスフ ェート(塩基性塩)と呼ばれている。亜鉛(ジチ オ)ホスフェートは、これら中性塩と塩基性 の混合物であるため、aは0~1/3の数で表され 。aの数は亜鉛ジチオホスフェートの製法に って異なるが、0.08~0.3が好ましく、0.15~0.3が 更に好ましく、0.18~0.3が最も好ましい。aの値 が大きくなると加水分解安定性が悪くなる傾 向にあり、aの値が小さくなると配合した潤 油の耐磨耗性が悪くなる傾向にある。

 また、上述の硫化オキシモリブデンジチオ スフェートは、一般式(3)で表わされる:
(式中、R 14 ~R 17 は炭化水素基を表わし、X 1 ~X 4 は酸素原子または硫黄原子を表わす。)

 一般式(3)において、R 14 ~R 17 は炭化水素基を表わすが、こうした炭化水素 基としては、例えば、アルキル基、アルケニ ル基、アリール基、シクロアルキル基、シク ロアルケニル基等が挙げられる。

 アルキル基としては、例えば、メチル基 エチル基、プロピル基、イソプロピル基、 チル基、イソブチル基、2級ブチル基、ター シャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル 基、2級ペンチル基、ネオペンチル基、ター ャリペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル 、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基 、2-エチルヘキシル基、2級オクチル基、ノニ ル基、2級ノニル基、デシル基、2級デシル基 ウンデシル基、2級ウンデシル基、ドデシル 基、2級ドデシル基、トリデシル基、イソト デシル基、2級トリデシル基、テトラデシル 、2級テトラデシル基、ヘキサデシル基、2 ヘキサデシル基、ステアリル基、エイコシ 基、ドコシル基、テトラコシル基、トリア ンチル基、2-ブチルオクチル基、2-ブチルデ ル基、2-ヘキシルオクチル基、2-ヘキシルデ シル基、2-オクチルデシル基、2-ヘキシルド シル基、2-オクチルドデシル基、2-デシルテ ラデシル基、2-ドデシルヘキサデシル基、2- ヘキサデシルオクタデシル基、2-テトラデシ オクタデシル基、モノメチル分枝-イソステ アリル基等が挙げられる。

 アルケニル基としては、例えば、ビニル 、アリル基、プロペニル基、イソプロペニ 基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテ ル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基、 プテニル基、オクテニル基、ノネニル基、 セニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基 テトラデセニル基、オレイル基等が挙げら る。

 アリール基としては、例えば、フェニル 、トルイル基、キシリル基、クメニル基、 シチル基、ベンジル基、フェネチル基、ス リル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基 トリチル基、エチルフェニル基、プロピル ェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフ ニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフ ニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェ ル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェ ル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フ ニル基、p-クミルフェニル基、フェニルフ ニル基、ベンジルフェニル基、α-ナフチル 、β-ナフチル基等が挙げられる。

 シクロアルキル基、シクロアルケニル基 しては、例えば、シクロペンチル基、シク ヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシ ロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、 チルシクロヘプチル基、シクロペンテニル 、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル 、メチルシクロペンテニル基、メチルシク ヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基 が挙げられる。

 これらの炭化水素基の中で、R 14 ~R 17 としては、アルキル基が好ましく、分岐のア ルキル基が更に好ましい。炭素数は、6~18で ることが好ましく、6~15であることが更に好 しく、8~13であることが最も好ましい。又、 R 14 ~R 17 は、同一の炭化水素基でも異なる炭化水素基 でもよい。

 一般式(3)のX 1 ~X 4 は酸素原子または硫黄原子を表わすが、X 1 ~X 4 の全てが酸素原子になることはない。少なく とも1つ以上の原子が硫黄原子でなければな ず、好ましくは2つの原子が硫黄原子で残り 2つの原子が酸素原子である。

 更に、上述のモリブデンホスフェートは、 機のモリブデン化合物と酸性リン酸エステ とを反応させた化合物であればよい。無機 モリブデン化合物としては、例えば、三酸 モリブデン又はその水和物(MoO 3 ・nH 2 O)、モリブデン酸(H 2 MoO 4 )、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸 リウム等のモリブデン酸金属塩(M 2 MoO 4 ;Mは金属原子)、モリブデン酸アンモニウム[(N H 4 ) 2 MoO 4 又は(NH 4 ) 6 (Mo 7 O 24 )・4H 2 O]、MoOCl 4 、MoO 2 Cl 2 、MoO 2 Br 2 、Mo 2 O 3 Cl 6 等が挙げられる。また、これらの無機モリブ デン化合物を、スルホキシル酸、亜二チオン 酸(ハイドロサルファイト)、亜硫酸、亜硫酸 素、ピロ亜硫酸、チオ硫酸、二チオン酸、 ルフィン酸、二酸化チオ尿素、又はそれら アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等 還元剤で還元したものでもよい。これらの 機モリブデン化合物の中でも、入手しやす 三酸化モリブデン又はその水和物、モリブ ン酸金属塩、モリブデン酸アンモニウム、 はそれらの還元物を使用することが好まし 。

 なお、酸性リン酸エステルは下記の一般式( 4)で表わされる:
(R 18 は炭化水素基を表し、m及びnは1又は2の数を し、且つ、m+n=3である。)

 一般式(4)において、R 18 は炭化水素基を表わすが、こうした炭化水素 基としては、例えば、アルキル基、アルケニ ル基、アリール基、シクロアルキル基、シク ロアルケニル基等が挙げられる。

 アルキル基としては、例えば、メチル基 エチル基、プロピル基、イソプロピル基、 チル基、イソブチル基、2級ブチル基、ター シャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル 基、2級ペンチル基、ネオペンチル基、ター ャリペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル 、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基 、2-エチルヘキシル基、2級オクチル基、ノニ ル基、2級ノニル基、デシル基、2級デシル基 ウンデシル基、2級ウンデシル基、ドデシル 基、2級ドデシル基、トリデシル基、イソト デシル基、2級トリデシル基、テトラデシル 、2級テトラデシル基、ヘキサデシル基、2 ヘキサデシル基、ステアリル基、エイコシ 基、ドコシル基、テトラコシル基、トリア ンチル基、2-ブチルオクチル基、2-ブチルデ ル基、2-ヘキシルオクチル基、2-ヘキシルデ シル基、2-オクチルデシル基、2-ヘキシルド シル基、2-オクチルドデシル基、2-デシルテ ラデシル基、2-ドデシルヘキサデシル基、2- ヘキサデシルオクタデシル基、2-テトラデシ オクタデシル基、モノメチル分枝-イソステ アリル基等が挙げられる。

 アルケニル基としては、例えば、ビニル 、アリル基、プロペニル基、イソプロペニ 基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテ ル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基、 プテニル基、オクテニル基、ノネニル基、 セニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基 テトラデセニル基、オレイル基等が挙げら る。

 アリール基としては、例えば、フェニル 、トルイル基、キシリル基、クメニル基、 シチル基、ベンジル基、フェネチル基、ス リル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基 トリチル基、エチルフェニル基、プロピル ェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフ ニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフ ニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェ ル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェ ル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フ ニル基、p-クミルフェニル基、フェニルフ ニル基、ベンジルフェニル基、α-ナフチル 、β-ナフチル基等が挙げられる。

 シクロアルキル基、シクロアルケニル基 しては、例えば、シクロペンチル基、シク ヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシ ロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、 チルシクロヘプチル基、シクロペンテニル 、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル 、メチルシクロペンテニル基、メチルシク ヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基 が挙げられる。

 これらの炭化水素基の中でも、潤滑油に入 たときの安定性がよく、スラッジ等が生成 ないことから、R 18 はアルキル基とアリール基であることが好ま しく、油への溶解性と性能のバランスから、 炭素数6~18のアルキル基及びアリール基がよ 好ましく、炭素数6~12のアルキル基及びアリ ル基が更に好ましい。

 一般式(4)のmの値が1のとき、一般式(4)は 性モノリン酸エステルとなり、mの値が2のと きは酸性ジリン酸エステルとなる。使用でき るリン酸エステルは、酸性モノリン酸エステ ルでも酸性ジリン酸エステルのどちらでもよ く、これらの混合物であってもよい。

 また、上述のモリブデンホスフェートは、 機のモリブデン化合物と酸性リン酸エステ とを混合撹拌しながら加温することにより 成することができる。更に詳しくは、モリ デン1原子に対して酸性リン酸エステルを0.5 ~2.5モル、好ましくは0.6~2モル、より好ましく は0.7~1.5モル混合し、40~100℃の温度で1~30時間 応させればよい。無機モリブデン化合物は 反応前に塩酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫 、過塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素 等の鉱酸で中和してもよく、反応後にこれ の鉱酸で中和してもよい。モリブデンホス ェートの好ましい構造としては、特願2006-29 4455号及び特願2007-101757号に記載された下記の 一般式(5)及び一般式(6)の化合物が挙げられる :
(R 19 ~R 24 はそれぞれ水素原子または炭化水素基を表し 、qは1~5の数を表す。ただしR 18 ~R 23 の全てが同時に水素原子になることはない。 )
(R 25 、R 26 及びR 27 はそれぞれ独立した炭素数1~20の炭化水素基 表す。)

 次に、本発明で使用する化合物(B)は、下記 一般式(1)で表わされる:
(R 1 ~R 6 は、水素原子、炭素数1~18の炭化水素基又は-O R 11 で表わされる基のいずれかを表わし、R 7 ~R 10 は、水素原子、水酸基、炭素数1~18の炭化水 基又は-OR 11 で表わされる基のいずれかを表わし、R 11 は炭素数1~12の炭化水素基を表わす。なお、R 1 ~R 10 から選択される隣り合う2つの基はそれぞれ 合して、炭素数5~12のシクロアルキル環、シ ロアルケニル環又は芳香族環を形成しても い。)

 上記一般式(1)のR 1 ~R 6 は、水素原子、炭素数1~18の炭化水素基又は-O R 11 で表わされる基のいずれかを表わし、R 7 ~R 10 は、水素原子、水酸基、炭素数1~18の炭化水 基又は-OR 11 で表わされる基のいずれかを表わすが、R 1 ~R 10 の炭素数1~18の炭化水素基としては、例えば アルキル基、アルケニル基、アリール基、 クロアルキル基、シクロアルケニル基等が げられる。

 アルキル基としては、例えば、メチル基 エチル基、プロピル基、イソプロピル基、 チル基、イソブチル基、2級ブチル基、ター シャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル 基、2級ペンチル基、ネオペンチル基、ター ャリペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル 、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基 、2-エチルヘキシル基、2級オクチル基、ノニ ル基、2級ノニル基、デシル基、2級デシル基 ウンデシル基、2級ウンデシル基、ドデシル 基、2級ドデシル基、トリデシル基、イソト デシル基、2級トリデシル基、テトラデシル 、2級テトラデシル基、ヘキサデシル基、2 ヘキサデシル基、ステアリル基、2-ブチルオ クチル基、2-ブチルデシル基、2-ヘキシルオ チル基、2-ヘキシルデシル基、2-オクチルデ ル基、2-ヘキシルドデシル基、モノメチル 枝-イソステアリル基等が挙げられる。

 アルケニル基としては、例えば、ビニル 、アリル基、プロペニル基、イソプロペニ 基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテ ル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基、 プテニル基、オクテニル基、ノネニル基、 セニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基 テトラデセニル基、オレイル基等が挙げら る。

 アリール基としては、例えば、フェニル 、トルイル基、キシリル基、クメニル基、 シチル基、ベンジル基、フェネチル基、ス リル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基 トリチル基、エチルフェニル基、プロピル ェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフ ニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフ ニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェ ル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェ ル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フ ニル基、p-クミルフェニル基、フェニルフ ニル基、ベンジルフェニル基、α-ナフチル 、β-ナフチル基等が挙げられる。

 シクロアルキル基、シクロアルケニル基 しては、例えば、シクロペンチル基、シク ヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシ ロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、 チルシクロヘプチル基、シクロペンテニル 、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル 、メチルシクロペンテニル基、メチルシク ヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基 が挙げられる。

 化合物(B)は潤滑油への溶解性が高く、低揮 性の化合物であることが好ましい。そのた には、R 1 ~R 10 はできるだけ分子量の大きな炭化水素基であ る方が有利であるが、分子量の小さい化合物 は、単位質量あたりの分子数が多くなるため 酸化防止性能が優れることになる。また、不 飽和結合やエーテル結合が分子内に存在する と耐熱性が悪化する。これらを総合的に判断 すると、R 1 ~R 10 は、いずれか1つ以上が炭素数1~18の炭化水素 であることが好ましく、炭素数1~18のアルキ ル基又はアリール基であることがより好まし く、R 1 ~R 10 のいずれか2つ以上が炭素数1~12のアルキル基 はアリール基であることが更に好ましい。 た、R 1 ~R 10 の炭化水素基の合計炭素数は、2~20であるこ が好ましく、3~15であることがより好ましい

 基油に、リン化合物をリン含量として50~1 500質量ppm含有させたものが潤滑油(A)であり、 この潤滑油(A)に、化合物(B)を0.01~5質量%含有 せたものが本発明の潤滑油組成物である。 発明の潤滑油組成物は、潤滑油(A)と化合物(B )との相乗効果により従来の潤滑油組成物と 較して良好な酸化防止性能を持つが、その 果が顕著に表れることから、潤滑油(A)のリ 含量は、100~1000質量ppmが好ましく、200~800質 ppmがより好ましい。リン含量が50質量ppm未満 あるいは1500質量ppmを超えると、化合物(B)を 加することによる相乗効果が期待できない また、化合物(B)の添加量は、0.01~5質量%、好 しくは0.1~3質量%、よりが好ましくは0.5~1.5質 量%である。化合物(B)の添加量が0.01質量%未満 の場合は酸化防止効果が期待できず、5質量% 超えるとスラッジの原因となる場合がある で好ましくない。

 リン成分は潤滑油の用途によって様々な 量に設定されるが、50~1500質量ppmの範囲であ れば、上記の範囲で化合物(B)を添加すること により、従来品より高い酸化防止性能を持つ 潤滑油組成物を得ることができる。

 更に、本発明の潤滑油組成物は、公知の 滑油添加剤の添加を拒むものではなく、使 目的に応じて、フェノール系酸化防止剤、 般式(1)以外のアミン系酸化防止剤、摩擦低 剤、極圧剤、油性向上剤、清浄剤、分散剤 粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、 食防止剤、消泡剤などを本発明の効果を損 わない範囲で添加してもよい。但し、これ の中でリン系の添加剤を使用する場合は、 ンジン油中の総リン含量が増えるので、本 明で規定した範囲を超えないようにする必 がある。

 フェノール系酸化防止剤としては、例え 、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチ -p-クレゾール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェ ール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、 2,4-ジメチル-6-t-ブチルフェノール、4,4’-メ レンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’- ス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’-ビス(2- メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレ ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’- チレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール) 4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフ ノール)、4,4’-イソプロピリデンビス(2,6-ジ -t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4- チル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’- チレンビス(4-メチル-6-ノニルフェノール)、2 ,2’-イソブチリデンビス(4,6-ジメチルフェノ ル)、2,6-ビス(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5 -メチルベンジル)-4-メチルフェノール、3-t- チル-4-ヒドロキシアニソール、2-t-ブチル-4- ヒドロキシアニソール、3-(4-ヒドロキシ-3,5- -t-ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル、3 -(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロ オン酸ステアリル、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t- チルフェニル)プロピオン酸オレイル、3-(4- ドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオ 酸ドデシル、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチル フェニル)プロピオン酸デシル、3-(4-ヒドロキ シ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオン酸オク チル、テトラキス{3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブ ルフェニル)プロピオニルオキシメチル}メ ン、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル) プロピオン酸グリセリンモノエステル、3-(4- ドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオ 酸とグリセリンモノオレイルエーテルとの ステル、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェ ニル)プロピオン酸ブチレングリコールジエ テル、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニ )プロピオン酸チオジグリコールジエステル 、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノー ル)、4,4’-チオビス(2-メチル-6-t-ブチルフェ ール)、2,2’-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフ ノール)、2,6-ジ-t-ブチル-α-ジメチルアミノ- p-クレゾール、2,6-ジ-t-ブチル-4-(N,N’-ジメチ アミノメチルフェノール)、ビス(3,5-ジ-t-ブ ル-4-ヒドロキシベンジル)サルファイド、ト リス{(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル) ロピオニル―オキシエチル}イソシアヌレー 、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェ ル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t- チル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレー 、ビス{2-メチル-4-(3-n-アルキルチオプロピ ニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル}サルファイ 、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジ メチルベンジル)イソシアヌレート、テトラ タロイル-ジ(2,6-ジメチル-4-t-ブチル-3-ヒドロ キシベンジルサルファイド)、6-(4-ヒドロキシ -3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-2,4-ビス(オクチルチ オ)-1,3,5-トリアジン、2,2-チオ-{ジエチル-ビス -3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)}プ ピオネート、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5- -t-ブチル-4-ヒドロキシ―ヒドロシナミド)、3 ,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル-リン酸 エステル、ビス(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t- チルベンジル)サルファイド、3,9-ビス〔1,1- メチル-2-{β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチ フェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕-2,4,8 ,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3- トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t―ブチルフ ニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3, 5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン 、ビス{3,3’-ビス-(4’-ヒドロキシ-3’-t-ブチ フェニル)ブチリックアシッド}グリコール ステル等が挙げられる。

 フェノール系酸化防止剤の含量は、本発 の潤滑油組成物全量に対して0.01~5質量%が好 ましく、0.05~4質量%がより好ましく、0.1~3質量 %が更に好ましい。0.01質量%以下になると、フ ェノール系酸化防止剤の効果が現れない場合 があり、5質量%を超えると、添加量に見合っ 効果が得られない場合やスラッジを発生さ る場合がある。

 一般式(1)以外のアミン系酸化防止剤とし は、1-ナフチルアミン、フェニル-1-ナフチ アミン、p-オクチルフェニル-1-ナフチルアミ ン、p-ノニルフェニル-1-ナフチルアミン、p- デシルフェニル-1-ナフチルアミン、フェニ -2-ナフチルアミン等のナフチルアミン系酸 防止剤;N,N’-ジイソプロピル-p-フェニレンジ アミン、N,N’-ジイソブチル-p-フェニレンジ ミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミ 、N,N’-ジ-β-ナフチル-p-フェニレンジアミ 、N-フェニル-N’-イソプロピル-p-フェニレン ジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p- ェニレンジアミン、N-1,3-ジメチルブチル-N -フェニル-p-フェニレンジアミン、ジオクチ -p-フェニレンジアミン、フェニルヘキシル- p-フェニレンジアミン、フェニルオクチル-p- ェニレンジアミン等のフェニレンジアミン 酸化防止剤;ジピリジルアミン、ジフェニル アミン、p,p’-ジ-n-ブチルフェニルアミン、p, p’-ジ-t-ブチルジフェニルアミン、p,p’-ジ-t- ペンチルジフェニルアミン、p,p’-ジオクチ ジフェニルアミン、p,p’-ジノニルジフェニ アミン、p,p’-ジデシルジフェニルアミン、 p,p’-ジドデシルジフェニルアミン、p,p’-ジ チリルジフェニルアミン、p,p’-ジメトキシ ジフェニルアミン、4,4’-ビス(4-α,α-ジメチ ベンゾイル)ジフェニルアミン、p-イソプロ キシジフェニルアミン、ジピリジルアミン のジフェニルアミン系酸化防止剤;フェノチ ジン、N-メチルフェノチアジン、N-エチルフ ェノチアジン、3,7-ジオクチルフェノチアジ 、フェノチアジンカルボン酸エステル、フ ノセレナジン等のフェノチアジン系酸化防 剤が挙げられる。

 一般式(1)以外のアミン系酸化防止剤の配 量は、本発明の潤滑油組成物全量に対して0 .01~5質量%が好ましく、0.05~4質量%がより好ま く、0.1~3質量%が更に好ましい。該配合量が0. 01質量%未満になると、一般式(1)以外のアミン 系酸化防止剤の効果が現れない場合があり、 また、5質量%を超えると、配合量に見合った 果が得られない場合やスラッジを発生させ 場合がある。

 摩擦低減剤としては、例えば、硫化オキ モリブデンジチオカルバメート等の有機モ ブデン化合物が挙げられる。これら摩擦低 剤の好ましい配合量は、基油に対してモリ デン含量で30~2000質量ppm、より好ましくは50~ 1000質量ppmである。

 極圧剤としては、例えば、硫化油脂、オ フィンポリスルフィド、ジベンジルスルフ ド等の硫黄系添加剤;モノオクチルホスフェ ート、トリブチルホスフェート、トリフェニ ルホスファイト、トリブチルホスファイト、 チオリン酸エステル等のリン系化合物;チオ ン酸金属塩、チオカルバミン酸金属塩、亜 ホスフェート等の酸性リン酸エステル金属 等の有機金属化合物などが挙げられる。こ ら極圧剤の好ましい配合量は、基油に対し 0.01~2質量%、より好ましくは0.05~1質量%である 。なお、これらの極圧剤の中には、耐磨耗剤 としての性能を持つものもある。

 油性向上剤としては、例えば、オレイル ルコール、ステアリルアルコール等の高級 ルコール類;オレイン酸、ステアリン酸等の 脂肪酸類;オレイルグリセリンエステル、ス アリルグリセリンエステル、ラウリルグリ リンエステル等のエステル類;ラウリルアミ 、オレイルアミド、ステアリルアミド等の ミド類;ラウリルアミン、オレイルアミン、 ステアリルアミン等のアミン類;ラウリルグ セリンエーテル、オレイルグリセリンエー ル等のエーテル類が挙げられる。これら油 向上剤の好ましい配合量は、基油に対して0. 1~5質量%、より好ましくは0.2~3質量%である。

 清浄剤としては、例えば、カルシウム、 グネシウム、バリウムなどのスルフォネー 、フェネート、サリシレート、フォスフェ ト及びこれらの過塩基性塩が挙げられる。 れらの中でも過塩基性塩が好ましく、過塩 性塩の中でもTBN(トータルベーシックナンバ ー)が30~500mgKOH/gのものがより好ましい。更に リン及び硫黄原子のないサリシレート系の 浄剤が好ましい。これらの清浄剤の好まし 配合量は、基油に対して0.5~10質量%、より好 ましくは1~8質量%である。

 分散剤としては、例えば、重量平均分子 約500~3000のアルキル基またはアルケニル基 付加されたコハク酸イミド、コハク酸エス ル、ベンジルアミン又はこれらのホウ素変 物等が挙げられる。これらの分散剤の好ま い配合量は、基油に対して0.5~10質量%、より ましくは1~8質量%である。

 粘度指数向上剤としては、例えば、ポリ( C1~18)アルキルメタクリレート、(C1~18)アルキ アクリレート/(C1~18)アルキルメタクリレート 共重合体、ジエチルアミノエチルメタクリレ ート/(C1~18)アルキルメタクリレート共重合体 エチレン/(C1~18)アルキルメタクリレート共 合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルス レン、エチレン/プロピレン共重合体、スチ ン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン /イソプレン水素化共重合体等が挙げられる あるいは、分散性能を付与した分散型もし は多機能型粘度指数向上剤を用いてもよい 重量平均分子量は10,000~1,500,000程度である。 れらの粘度指数向上剤の好ましい配合量は 基油に対して0.1~20質量%。より好ましくは0.3 ~15質量%である。

 流動点降下剤としては、例えば、ポリア キルメタクリレート、ポリアルキルアクリ ート、ポリアルキルスチレン、ポリビニル セテート等が挙げられ、重量平均分子量は1 000~100,000である。これらの流動点降下剤の好 しい配合量は、基油に対して0.005~3質量%、 り好ましくは0.01~2質量%である。

 防錆剤としては、例えば、亜硝酸ナトリ ム、酸化パラフィンワックスカルシウム塩 酸化パラフィンワックスマグネシウム塩、 脂脂肪酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金 塩又はアミン塩、アルケニルコハク酸又は ルケニルコハク酸ハーフエステル(アルケニ ル基の分子量は100~300程度)、ソルビタンモノ ステル、ノニルフェノールエトキシレート ラノリン脂肪酸カルシウム塩等が挙げられ 。これらの防錆剤の好ましい配合量は、基 に対して0.01~3質量%、より好ましくは0.02~2質 量%である。

 腐食防止剤としては、例えば、ベンゾト アゾール ベンゾイミダゾール ベンゾチア ゾール テトラアルキルチウラムジサルファ ド等が挙げられる。これら腐食防止剤の好 しい配合量は、基油に対して0.01~3質量%、よ り好ましくは0.02~2質量%である。

 消泡剤としては、例えば、ポリジメチル リコーン、トリフルオロプロピルメチルシ コーン、コロイダルシリカ、ポリアルキル クリレート、ポリアルキルメタクリレート アルコールエトキシ/プロポキシレート、脂 肪酸エトキシ/プロポキシレート、ソルビタ 部分脂肪酸エステル等が挙げられる。これ の消泡剤の好ましい配合量は、基油に対し 0.001~0.1質量%、より好ましくは0.001~0.01質量% ある。

 以下、本発明を実施例により具体的に説明 る。尚、以下の実施例等において、「%」及 び「ppm」は特に記載がない限り質量基準であ る。
 以下に試験に用いた化合物を記載する:
(A-1):亜鉛ジブチルジチオホスフェート

(A-2):モリブデンホスフェート

(B-1):1,2,3,4-テトラヒドロキノリン

(B-2):2,2,4-トリメチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノ リン

(B-3):2,4-ジフェニル-1,2,3,4-テトラヒドロキノ ン

(B-4):
2,4-ジフェニル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン
ベンゼンプロパン酸3,5-ビス(1,1-ジメチルエチ ル)-4-ヒドロキシC 7 - 9 分岐アルキルエステル
(R:C 7-9 分岐アルキル基)
(B-4)は、上記化合物を1:1(質量比)で配合

(B-5):
2,4-ジフェニル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン
ジ2-エチルヘキシルフェニルアミン
(B-5)は、上記化合物を1:1(質量比)で配合

(C-1:アミン系化合物):ジ2-エチルヘキシルフェ ニルアミン

(C-2:アミン系化合物):フェニル-α-ナフチルア ン

(C-3:アミン系化合物):N,N’-ジイソブチル-p-フ ニレンアミン

(C-4):
ジ2-エチルヘキシルフェニルアミン
ベンゼンプロパン酸3,5-ビス(1,1-ジメチルエチ ル)-4-ヒドロキシC 7 - 9 分岐アルキルエステル
(R:C 7-9 分岐アルキル基)
C-1は、上記アミンとフェノールを1:1(質量比) 配合

(基油1)
動粘度4.24mm 2 /秒(100℃)、19.65mm 2 /秒(40℃)、粘度指数=126の鉱物油系高粘度VI油
(基油2)
動粘度4.10mm 2 /秒(100℃)、19.00mm 2 /秒(40℃)、粘度指数=126のポリ-α-オレフィン

<酸化劣化試験>
 上記(A-1)及び(A-2)で表わされるリン化合物を 表1及び表2に示した割合で基油に溶解させ、 ン濃度の異なる試験油A 1 (試験油1~11)及び試験油A 2 (試験油12~22)を作製した。試験油A 1 に使用した基油は基油1であり、試験油A 2 に使用した基油は基油2である。この試験油A 1 及びA 2 に化合物(B-1)~(B-6)及び(C-1)をそれぞれ1質量%に なるように添加し、試験用の潤滑油組成物を 得た。
 酸化劣化試験は、この試験用の潤滑油組成 3mg測りとり、アルミ製セルに装填し、セル 下記に示した装置にセットした後密封し、 気により690kPaまで加圧した。その後、昇温 開始し、160℃に到達した時点を測定開始時 とし、温度を160℃に保ったまま、サンプル 急激な発熱が確認できた時点を測定終了時 とした。酸化誘導期間として、測定開始時 から測定終了時刻までの時間を試験結果と た。この時間が長いほど酸化防止性能が良 である。なお、試験油A 1 での結果を表3に、試験油A 2 の結果を表4に記した。
測定機器:DSC2920 Differential Scanning Calorimeter( 差走査熱量計)
    [ティー・エー・インスツルメンツ社(TA  Instruments社)製]

 なお、リン化合物を含有しない基油そのも を「試験油0」として試験に使用した。

 なお、リン化合物を含有しない基油そのも を「試験油0」として試験に使用した。

 上記結果より、(B-1)~(B-3)の化合物を添加 た潤滑油組成物は、従来の潤滑油組成物に 用されてきた(C-1)~(C-4)の比較化合物を添加し た潤滑油組成物と比較して、50~1500ppmという 範囲なリン含量において、明らかに高い酸 防止性能を示している。潤滑油組成物のリ 含量は、潤滑油組成物の用途や他に添加さ る添加剤の種類等によって様々に変化させ ものであるが、50~1500ppmの領域であれば、本 明の潤滑油組成物は、従来の潤滑油組成物 り高い酸化防止性能を得ることができる。

 本発明の潤滑油組成物は潤滑の用途であ ばいずれにも使用することができ、例えば ガソリンエンジン油、ディーゼルエンジン 等のエンジン油、ギヤー油、タービン油、 動油、難燃性作動液、冷凍機油、コンプレ サー油、真空ポンプ油、軸受油、絶縁油、 ゅう動面油、ロックドリル油、金属加工油 塑性加工油、熱処理油、グリース等の潤滑 に使用することができる。これらの中でも 使用環境が厳しく、高い酸化防止性能が要 されるエンジン油やタービン油で使用する とが好ましく、エンジン油で使用すること より好ましい。