酒井一泉 (〒26 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号株式会社ジャパンエナジー内 Saitama, 〒3350026, JP)
TAKAHASHI, Kazutoshi (17-35 Niizominami 3-chome, Toda-sh, Saitama 26, 〒3350026, JP)
高橋一聡 (〒26 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号株式会社ジャパンエナジー内 Saitama, 〒3350026, JP)
株式会社ジャパンエナジー (〒01 東京都港区虎ノ門二丁目10番1号 Tokyo, 〒1050001, JP)
SAKAI, Kazumi (17-35 Niizominami 3-chome, Toda-sh, Saitama 26, 〒3350026, JP)
酒井一泉 (〒26 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号株式会社ジャパンエナジー内 Saitama, 〒3350026, JP)
TAKAHASHI, Kazutoshi (17-35 Niizominami 3-chome, Toda-sh, Saitama 26, 〒3350026, JP)
| 鉱油系、合成油系及び/又は動植物油系の潤滑油基油に、アミド化合物を1~70質量%及びトリアジン誘導体を0.1~50質量%含有することを特徴とする常温でゲル状の潤滑剤組成物。 |
| トリアジン誘導体が、メラミンシアヌレート(MCA)である請求項1に記載の潤滑剤組成物。 |
| 潤滑油基油は、40℃における動粘度が5~1000mm 2 /sである請求項1又は2に記載の潤滑剤組成物。 |
| ちょう度が90~400である請求項1~3のいずれかに記載の潤滑剤組成物。 |
| さらに、モリブデン化合物をモリブデン(Mo)として0.1~10質量%含有する請求項1~4のいずれかに記載の潤滑剤組成物。 |
| 請求項1~5のいずれかに記載の潤滑剤組成物を用いることを特徴とする潤滑システム。 |
本発明は、潤滑油基油に、アミド化合物 トリアジン誘導体を含有する常温でゲル状 潤滑剤組成物に関し、特にはトリアジン誘 体としてメラミンシアヌレート(MCA)を含有 、摺動部における摩耗を大幅に低減し、極 性を大幅に向上して潤滑不良を改善し、潤 システムの信頼性を向上した潤滑剤組成物 関する。また、本発明は該潤滑剤組成物を いた潤滑システムに関する。
精密機械、産業機械、輸送機械、測定機 などの機械システムには、各種軸受、歯車 ピストンシリンダー、駆動系などの様々な 動部があり、絶えず摩擦摩耗を繰り返して る。これらの摺動部において潤滑不良が生 れば、潤滑システム、あるいはそれを含む 械システムは所望の働きができなくなって まう。そのため、摺動部には各種の潤滑剤 その使用環境・条件に応じて用いられてい 。一般的には、潤滑油やグリースなどが広 用いられているが、摺動部を構成する部材 体に優れた潤滑性を有する材料が使用され いたり、もしくは優れた潤滑性を付与する 面処理を行うなど様々な対応が施されてい 。
潤滑剤として一般に使用されている液状の
滑油、半固体状のグリースなどのなかで、
にリチウム(Li)石けんやカルシウム(Ca)石け
、あるいはウレアを増ちょう剤として配合
たグリースでは固体潤滑剤を混合して耐摩
性を向上させているケースがあり、一定の
果をあげている。固体潤滑剤としては、二
化モリブデン、グラファイト、ポリテトラ
ルオロエチレン(PTFE)、窒化ホウ素(BN)などが
般的に用いられている。
しかし、昨今、機械システムの小型、高速
、高荷重化により摺動部における負荷が高
り、より耐摩耗性や極圧性などの潤滑性に
れる潤滑剤が求められている。さらには、
少量での油量でも十分な潤滑性が確保でき
潤滑剤が求められている。
一方、Liグリースやウレアグリースに比 、低摩擦特性を有する熱可逆性ゲル状潤滑 も開発されている(特許文献1)。しかし、極 て潤滑条件の厳しい用途では、より一層高 極圧性や耐摩耗性が求められている。
本発明は、高速化、高荷重化、少油量化 よってより一層シビアとなっている摺動部 における諸問題を解決することを目的とす 。すなわち、本発明は、極少量の油量でも 分な潤滑性を有し、特には摩擦、摩耗を低 し、かつ高い極圧性を有する潤滑剤組成物 提供することを課題とする。また本発明は かかる潤滑剤組成物を用いた潤滑システム 提供することを課題とする。
本発明者は、潤滑剤の性能を向上させて 記の課題を解決するため、様々な材料、そ 形態や性状、及び各種材料の配合割合など ついて調査、研究した結果、トリアジン誘 体、特にはメラミンシアヌレート(MCA)を、 ミド化合物をゲル化剤として含有する熱可 性ゲル状潤滑剤に配合することによりその 滑性を大幅に向上できることを見出した。 して、かかる知見に基づいて本発明を完成 た。
すなわち、本発明は次のとおりの潤滑剤組
物及びこれを用いた潤滑システムである。
(1)鉱油系、合成油系及び/又は動植物油系の
滑油基油に、アミド化合物を1~70質量%、及び
トリアジン誘導体を0.1~50質量%含有する常温
ゲル状の潤滑剤組成物。
(2)トリアジン誘導体がメラミンシアヌレート
(MCA)である上記(1)に記載の潤滑剤組成物。
(3)潤滑油基油は40℃における動粘度が5~1000mm 2
/sである上記(1)又は(2)に記載の潤滑剤組成物
(4)ちょう度が90~400である上記(1)~(3)のいずれ
に記載の潤滑剤組成物。
(5)さらに、モリブデン化合物をモリブデン (Mo)として0.1~10質量%含有する上記(1)~(4)のいず れかに記載の潤滑剤組成物。
(6) 上記(1)~(5)のいずれかに記載の潤滑剤組 成物を用いることを特徴とする潤滑システム 。
本発明の潤滑剤組成物は、作動時に低摩 特性を有する常温でゲル状の熱可逆性潤滑 に、極圧性が高く、微細で固体潤滑剤とし 作用するMCAを含有するので、摩耗が顕著に 減され、かつ摩擦係数も低く安定する特性 有する。したがって、本発明の潤滑剤組成 は、潤滑条件の厳しい機械システムの長寿 化に貢献し、かつ低く安定した摩擦係数の 性から省エネルギーにも寄与するなど格別 効果を奏する。
本発明の潤滑剤組成物は、鉱油系、合成 系及び/又は動植物油系の潤滑油基油とアミ ド化合物を含有する常温でゲル状の熱可逆性 潤滑剤において、トリアジン誘導体、特には MCAを0.1~50質量%含有することを特徴とする。
〔潤滑剤組成物〕
本発明の常温でゲル状の熱可逆性を有する
滑剤組成物は、潤滑油基油に、ゲル化剤と
てアミド化合物を、さらに摩擦、摩耗を低
する効果を有する成分としてトリアジン誘
体を含有する組成物である。グリースと比
した常温でゲル状の潤滑剤組成物の特長と
ては、摺動部分が作動時には摩擦熱によっ
液体状となって摺動部に浸入して潤滑油膜
形成し、停止時には摺動部の温度が低下し
常温になり、潤滑剤組成物は半固体状にな
。したがって、作動時にはゲル化剤自体が
性剤であり摩擦係数を大幅に下げ、また付
力が強く薄膜状態でも油膜を長時間維持で
ることなどの利点が挙げられる。また低温
のトルクが小さく、停止時や摺動部から離
た位置における低温状態ではゲル状となっ
蒸発性を低く抑えられるなどの利点もある
用途はグリースが使われている分野により
ましく用いることができるが、グリースで
特性が充分でない特殊な機器、部分、条件
でも使うことができる。
本発明の潤滑剤組成物は、90~400のちょう度
有するものが、潤滑システムでの適用粘性
機器等への充填時等で取扱いが容易である
で、好ましい。
なお、ここで「常温」とは室内の普通の温
を意味し、具体的には、50℃以下、より一
的には-10~30℃程度の温度環境をいう。
〔潤滑油基油〕
本発明において、潤滑油基油としては、鉱
系、合成油系、動植物油系などの潤滑油基
を用いることができる。さらに、これらの
滑油基油を2種以上混合して用いてもかまわ
ない。
潤滑油基油の物性としては、特に限定する
のではないが、軸受や歯車などの潤滑シス
ムで適用されうる適正粘性,油膜形成能のた
め、40℃における動粘度が5~1000mm 2
/sのものが好ましく、10~600mm 2
/sのものがより好ましく、さらに好ましくは2
0~500mm 2
/sである。また、幅広い温度域で安定した潤
性能維持のため、粘度指数は90以上が好ま
く、より好ましくは100~250であり、低温作動
のため、流動点は-10℃以下が好ましく、よ
好ましくは-15~-70℃であり、また、潤滑シス
テムおよび取扱い上の安全のため、引火点は
150℃以上が好ましく、より好ましくは200℃以
上である。
鉱油系の潤滑油基油としては、原油を常 蒸留して、さらには減圧蒸留して得られた 滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素 分解、溶剤脱蝋、水素化脱蝋、水素化精製 硫酸洗浄、白土処理等の潤滑油精製手段を 宜組み合わせて処理して得られた精製潤滑 留分を好適に用いることができる。各種の 料と各種の精製手段の組み合わせから得ら た性状の異なる精製潤滑油留分を単独で用 てもよいし、2種以上を組み合わせて用いる こともできる。このように石油の比較的高沸 点な留分より作られる鉱油系の潤滑油基油は 一般的に安価なこともあり、様々な潤滑油や グリースなどに広く用いられている。
また、合成油系の潤滑油基油としては、 リ‐α‐オレフィン(PAO)、エチレン‐α‐オ フィンオリゴマーなどのポリ‐α‐オレフ ンオリゴマー、アルキルベンゼン、アルキ ナフテン、アルキルナフタレン、グリコー 、エステル、エーテル、シリコーン油、フ 素化油などが挙げられる。なかでもPAO、エ テルが、特にPAOが、粘度特性、酸化安定性 材料適合性、コストの面で優れており、好 しく用いることができる。これらの合成油 、上記の物性を満足するのであれば、単独 用いることもできるし、2種以上を組み合わ て用いることもできる。
ポリ‐α‐オレフィンは、化学的に不活 であり、粘度特性に優れ、幅広い粘度を有 るものが市販されておりコスト面でも好ま い。ポリ‐α‐オレフィンは、1‐デセンや1 ドデセン、あるいは1‐テトラデセンなどの オレフィンオリゴマーを重合し、重合度2~10 範囲で、これら重合物を粘度調整のために 宜配合したものを好ましく使用することが きる。
エステルも様々な分子構造の化合物が市 されており、それぞれ特有の粘度特性(高粘 度指数、低流動点)を有し、同一粘度である 化水素系基油と比べると引火点が高い特徴 ある基油である。エステルは、アルコール 脂肪酸を脱水縮合反応して得ることができ が、本発明においては、化学的な安定性の で、二塩基酸と1価アルコールとのジエステ 、ポリオール(特にはネオペンチルポリオー ル)と1価脂肪酸とのポリオールエステル、ま はポリオールと多価塩基酸と1価アルコール (又は1価脂肪酸)とのコンプレックスエステル を好適な基油成分として挙げることができる 。
動植物油系の潤滑油基油としては、菜種油
大豆油などが挙げられる。
通常、これら鉱油系、合成油系、動植物油
などの潤滑油基油は適宜組み合わせ、用途
とに要求される様々な性能を満たすように
宜の割合で配合することができる。このと
、鉱油系、合成油系及び動植物油系の潤滑
基油はそれぞれ複数用いてもかまわない。
〔アミド化合物〕
本発明において、アミド化合物は前記の潤
油基油と混合して常温でゲル状の潤滑剤組
物を調製するために用いる。アミド化合物
、グリースの増ちょう剤に相当するゲル化
として作用し、本発明の潤滑剤組成物に、
ル化剤の融点を超えると液体になり、融点
下だと半固体状(ゲル状)となる熱可逆性の
度特性を付与する。
本発明に用いるアミド化合物は、アミド基(
‐NH‐CO‐)を1つ以上有する脂肪酸アミド化合
物で、次の式(1)で表されるアミド基が1個の
ノアミド、及び式(2)及び(3)で表されるアミ
基を2個有するビスアミドを好ましく用いる
とができる。
モノアミド化合物は、上記式(1)で表される
、R 1
及びR 2
を構成する水素の一部は水酸基で置換されて
いてもよい。このようなモノアミド化合物と
して、具体的には、ラウリン酸アミド、パル
ミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘ
ン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド
等の飽和脂肪酸アミド、オレイン酸アミド、
エルカ酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド、
及びステアリルステアリン酸アミド、オレイ
ルオレイン酸アミド、オレイルステアリン酸
アミド、ステアリルオレイン酸アミド等の飽
和又は不飽和の長鎖脂肪酸と長鎖アミンによ
る置換アミド類などが挙げられる。
これらのモノアミド化合物の中でも、式(1)
R 1
及びR 2
がそれぞれ独立して炭素数12~20の飽和鎖状炭
水素基のアミド化合物及び/又はR 1
とR 2
の少なくともいずれか一方が炭素数12~20の不
和鎖状炭化水素基のアミド化合物であるこ
が好ましく、両アミド化合物の混合物がよ
好ましい。さらに不飽和鎖状炭化水素基が
素数18の不飽和結合を有するオレイル基で
るモノアミド化合物が好ましい。具体的に
オレイン酸アミド、オレイルオレイン酸ア
ドが好ましく、摺動部に薄膜を形成し、保
し、焼付トラブルの解消に効果的な薄膜保
性を確保する。
ビスアミド化合物としては、ジアミンの酸
ミド又はジ酸の酸アミドの形をした上記式(
2)又は(3)でそれぞれ表される化合物である。
お、式(2)及び(3)でR 3
、R 4
、R 5
及びR 6
、さらにA 1
及びA 2
で表される炭化水素基において、一部の水素
が水酸基(‐OH)で置換されていてもよい。
式(2)で表されるアミド化合物として、具体
には、エチレンビスステアリン酸アミド、
チレンビスイソステアリン酸アミド、エチ
ンビスオレイン酸アミド、メチレンビスラ
リン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイ
酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシ
テアリン酸アミド、m-キシリレンビスステ
リン酸アミド等が挙げられる。式(3)で表さ
るアミド化合物として、具体的には、N,N’
ジステアリルセバシン酸アミド等が挙げら
る。
これらビスアミド化合物の中でも、モノア ド化合物の場合と同様に、式(2)のR 3 とR 4 及び式(3)のR 5 とR 6 がそれぞれ独立して炭素数12~20の飽和鎖状炭 水素基のアミド化合物及び/又はR 3 とR 4 及びR 5 とR 6 の少なくともいずれか一方が炭素数12~20の不 和鎖状炭化水素基のアミド化合物であるこ が好ましく、両アミド化合物の混合物がよ 好ましい。さらに不飽和鎖状炭化水素基が 素数18の不飽和結合を有するオレイル基で るビスアミド化合物が薄膜保持性を確保す 上で好ましい。このような化合物として、 チレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチ ンビスオレイン酸アミドなどが挙げられる
また機械システムの設計上の制約から極 量の油剤しか用いることができない摺動部 厳しい潤滑環境下においても焼付きなどを こさないためには、摺動表面に油剤が強固 吸着・付着し、油膜を保持しなければなら い。そのためには付着性を有する油剤が必 であるが、本発明では、ゲル化剤であるア ド化合物の炭化水素基が不飽和鎖状である 付着性が増す。付着性が増すと摺動表面へ 膜状に塗布することができ、厳しい潤滑環 においても油膜切れを起こしにくくなり、 滑性能が向上する。不飽和鎖状炭化水素基 しては、炭素数12~20の不飽和結合を有する ルケニル基、特には炭素数18の不飽和結合を 有するオレイル基であるビスアミド化合物が 好ましい。
アミド化合物は、仕上がりの常温で半固 状である潤滑剤組成物に1~70質量%含まれる うに配合する。アミド化合物の配合量が、1 量%未満では、常温でゲル状の組成物を形成 することができず、一方、90質量%を超えて配 合しても硬くなりすぎてハンドリングしにく くなり、好ましくない。より好ましい配合量 は1~50質量%で、5~30質量%が特に好ましい。
〔トリアジン誘導体〕
本発明で用いることのできるトリアジン誘
体としては、メラミン類やシアヌル酸類、
たメラミン類とシアヌル酸類の付加物等が
げられる。シアヌル酸類としては、シアヌ
酸やイソシアヌル酸、トリメチルシアヌレ
ト、トリエチルシアヌレート、メチルシア
レート、ジエチルシアヌレート、トリノル
ルプロピルシアヌレート、及びそれらの水
物でも無水物であってもよい。メラミン類
しては、メラミン、アンメリド、アンメリ
、ホルモグアナミン、グアニルメラミン、
アノメラミン、アリルグアナミン、リン酸
ラミン等が挙げられる。メラミン類とシア
ル酸類との付加物としては、前記メラミン
とシアヌル酸類の付加物、好ましくは等モ
付加物が挙げられ、付加物はメラミン類と
アヌル酸類の水溶液を混合して両者の塩を
成させ、濾過して得ることができる。
本発明の潤滑剤組成物において、トリア ン誘導体としては、特にはメラミンとイソ アヌル酸の付加物であるメラミンシアヌレ ト(MCA)などで、平均粒径が10μm以下の極めて 微細な粉末状のものを用いることが好ましい 。トリアジン誘導体をこのような微粉末で用 いると、潤滑剤組成物中に均一に分散される 。平均粒径が10μm以下といった極めて微細な 子は、潤滑剤組成物に配合すると、沈降し り、粒子同士が凝集して不均一な濃度分布 形成したりすることがない。均一な濃度で 分散状態を長期間に亘って保持することが きる。
そして、微細なトリアジン誘導体を均一な
散状態で含有した潤滑剤組成物は、摺動面
おける摩擦、摩耗を顕著に低減する。この
細なメカニズムは明確ではないが、トリア
ン誘導体の微細粒子が摺動部において良好
固体潤滑剤として働き摺動抵抗を軽減する
とに加えて、さらにトリアジン誘導体の微
粒子がゲル化剤のアミド化合物と水素結合
結合して摺動面に複合被膜を形成し、これ
さらに相乗的に摩擦を減じ、摩耗を抑制す
ものと推察される。さらにトリアジン誘導
とアミド系ゲル化剤の水素結合は、せん断
定性を高める作用があり、不混和ちょう度
混和ちょう度の変化を少なくする作用があ
。10μm以上の大きな粒子では、摺動面に導
されにくくなるばかりでなく、潤滑剤組成
での安定な分散性が劣るなどの欠点が生じ
。平均粒径は0.1~5μmがより好ましく、0.1~2μm
特に好ましい。なお、本発明において、平
粒径は、走査型電子顕微鏡より算術平均し
求めた値である。
なお、トリアジン誘導体のなかでもMCAは、
ハロゲン系の難燃助剤として使われている
うに化学的に安定な微粉末であり、比較的
価に市販されている。したがって、入手し
すく、また粒径を10μm以下に選別し生産す
技術も確立されている。
トリアジン誘導体は、好ましくは潤滑剤 成物に0.1~50質量%含有されるように配合する 。より好ましくは1~20重量%である。0.1質量%未 満では、トリアジン誘導体の添加の効果が得 られず、一方、50質量%を超える量配合しても 増量に見合うトリアジン誘導体の添加の効果 が得られない。
〔潤滑剤組成物の調製〕
本発明の潤滑剤組成物は、潤滑油基油とア
ド化合物からなる常温でゲル状の混合物に
リアジン誘導体が均一に分散して含有され
いるのであれば、より好ましくは、平均粒
が10μm以下のMCAの微細粒子が均一に分散、
有されている状態で得られるのであれば、
かなる方法で調製してもかまわない。潤滑
基油とアミド化合物の半固体・ゲル状混合
に特殊なミキサーを用いて、常温で潤滑剤
成物を調製することは可能であるが、取り
いが面倒であり、効率的でもない。したが
て、潤滑油基油とアミド化合物の混合物を
旦液状ないし液体に近い状態に昇温してMCA
どのトリアジン誘導体をブレンドすると比
的容易に本発明の潤滑剤組成物を調製する
とができる。
したがって、MCAを均一に含有する常温で ル状の本発明の潤滑剤を調製する場合、ア ド化合物をその融点以上に昇温して潤滑油 油と液体状態で撹拌して均一混合物をつく 際に、該混合物が液体状態であるときにMCA 微細粒子を添加し、撹拌して均一に混合し 冷却し常温でゲル状の本発明の潤滑剤組成 を調製することができる。また、アミド化 物と潤滑油基油とを液体状態で混合するに 立って、予め液体の潤滑油基油に均一に混 させてから、アミド化合物と融点以上の温 で混合することによって調製することもで る。このようにして、MCAを均一に分散する とにより、本発明の効果を享受することが きる。また、MCAなどのトリアジン誘導体を 合するとき、トリアジン誘導体を調合する 点で、その他の添加剤も同時に混合するこ により効率的調合することができる。
〔添加剤〕
本発明の潤滑剤組成物には、本発明の目的
損なわれない範囲で、より性能を向上させ
ために、従来からグリース、ゲル状潤滑剤
潤滑油などに用いられている、アルカリ土
金属系清浄剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤、
圧剤、清浄分散剤、酸化防止剤、防錆剤、
属不活性化剤、消泡剤などの添加剤を添加
ることができる。特には、MoDTCなどのモリ
デン化合物を微細なトリアジン誘導体を含
する本発明の潤滑剤組成物に添加すると、
れらの相乗効果により、より一層摩擦係数
下げる効果があり、従来の技術を更に改善
ることが可能である。
アルカリ土類金属系清浄剤としては、マ ネシウム、カルシウム、バリウム等のアル リ土類金属を含有するもので、例えば、ア カリ土類金属スルホネート、アルカリ土類 属フェネート、アルカリ土類金属サリシレ トなどが挙げられる。摩擦調整剤としては 肪族アミン、脂肪族アミド、脂肪族イミド アルコール、エステル、リン酸エステルア ン塩、亜リン酸エステルアミン塩など、摩 防止剤としてはリン酸エステル、ジアルキ ジチオリン酸亜鉛など、極圧剤としては硫 オレフィン、硫化油脂など、分散剤として ポリアルケニルコハク酸イミド、ポリアル ニルコハク酸エステルおよびそれぞれのホ 酸変性物など、酸化防止剤としてはアミン 、フェノール系の酸化防止剤など、金属不 性化剤としてはベンゾトリアゾールなど、 錆剤としてはアルケニルコハク酸エステル たは部分エステルなど、消泡剤としてはシ コーン化合物、エステル系消泡剤などがそ ぞれ挙げられる。
また特には、モリブデンを含有する有 モリブデン化合物、二硫化モリブデンなど 併用することで、より一層潤滑性能を向上 た潤滑剤組成物を得ることができる。有機 リブデン化合物としては、モリブデンジチ カーバメート(MoDTC)やモリブデンジチオフォ フェート(MoDTP)などが挙げられる。二硫化モ リブデンは、固体潤滑剤として一般的に知ら れているものを使用することができる。MoDTC MoDTP、二硫化モリブデンは、MCAと同様の調 により、ゲル状潤滑剤中に安定に分散化す ことが可能である。また、モリブデン化合 の配合量は、モリブデン原子(Mo)として潤滑 組成物全体に対する質量割合で、0.1~10質量% 含有されることが好ましく、より好ましくは 0.2~3質量%である。
〔潤滑システム〕
本発明の潤滑剤組成物は、常温でゲル状の
可逆性を有するので、摺動部分が作動時に
摩擦熱によって液体状となって摺動部に浸
して潤滑油膜を形成し、停止時には摺動部
温度が低下して常温になり、潤滑剤組成物
半固体状になる。したがって、従来、グリ
スが使われている、精密機械、産業機械、
送機械、測定機器などの機械システムにお
る各種軸受、歯車、ピストンシリンダー、
動系などの様々な摺動部やグリースでは特
が充分でない特殊な機器、部品、条件下の
動部に、本発明の潤滑剤組成物を充填また
塗布することにより、潤滑システムを構成
ることができる。
以下、実施例および比較例に基づいて り本発明をより詳細に説明するが、本発明 かかる実施例に限定されるものではない。
〔潤滑剤組成物の調製〕
次に示す潤滑油基油、ゲル化剤、MCA及び添
剤を用いて実施例及び比較例の潤滑剤組成
を調製した。
(A)潤滑油基油:
(A1)PAO(動粘度(40℃):400mm 2
/s、粘度指数:150、流動点:-35℃、引火点:280℃)
(A2)鉱物油(動粘度(40℃):22mm 2
/s、粘度指数:125、流動点:-15℃、引火点:230℃)
(A3)菜種油(動粘度(40℃):32mm 2
/s、粘度指数:200、流動点:-25℃、引火点:330℃)
(B)ゲル化剤:
(B1)ビスアミド(エチレンビスステアリルビス
ミド、融点150℃)
(B2)モノアミド(N-ステアリルステアリン酸ア
ド、融点95℃)
(C)添加剤:
(C1)トリクレジルフォスフェート(TCP)
(C2)モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)
(C3)モリブデンジチオフォスフェート(MoDTP)
(C4)二硫化モリブデン(MoS 2
、平均粒子径1μm)
(D)メラミンシアヌレート(MCA、堺化学工業製
STABIACE MC-5S、平均粒径=0.5μm)
(E)Li石けん:12ヒドロキシステアリン酸リチウ
実施例および比較例で使用した潤滑剤組成
を、上記A~Dの各成分を用い、表1に示す配合
割合(組成物全量基準での質量%)で次のように
してブレンドし調製した。
(A1)~(A3)の潤滑油基油を投入した撹拌混合器(
ホットプレートスターラー)に(B1)から(B2)のゲ
ル化剤を加えて、融点以上に昇温してゲル化
剤を溶融し液体の状態で均一に混ざり合うま
で撹拌した。そこに(C1)~(C4)の添加剤と(D)のMCA
を加えてさらに1時間撹拌した。その後、加
と撹拌を停止し、そのまま放置して室温に
で降温し、実施例1~7、及び比較例1、2の潤滑
剤組成物を得た。比較例3は、Liせっけんを増
ちょう剤としたグリースで、MCAを所定量混合
し、25℃(半固体状)で1時間混練して調製した
このようにして得た、実施例1~7及び比較例1
~3の潤滑剤組成物それぞれについて、外観、
ょう度(不混和ちょう度、混和ちょう度、ち
ょう度差)、潤滑性能(焼付荷重、摩耗量)を測
定、評価した。得られた測定・評価結果を表
1下部に示す。
〔測定・評価方法〕
前記の測定及び評価は、次の方法にて行っ
。
〔外観〕
規定の配合割合で調合し、室温まで冷却し
後、組成物の出来上がりを外観目視により
察した。析出物や沈殿物が発生し、均一な
成物が得られなかった場合を不合格とし、
一ゲルが得られた場合を合格と記録した。
〔ちょう度〕
JIS K2220に従い、1/4ちょう度計にて不混和ち
ょう度、混和ちょう度を測定した。なお混和
ちょう度から不混和ちょう度を差し引いた数
値(ちょう度差)で、せん断安定性を評価した
数値が小さいほどせん断安定性が高く、よ
好ましい組成物と言える。
〔FALEX極圧性試験〕
ピン/ブロックタイプのFALEX摩擦試験機を用
て、実施例及び比較例の潤滑剤組成物の焼
荷重を測定した。
試験条件は、ASTM D3233に準拠し、より油膜
できにくく、厳しい潤滑条件をシミュレー
すべく、回転数を低速の60rpmとし、室温で試
験を開始した。また極少量での油剤での潤滑
保持性能を確認するために、Vブロック部分
供試油剤を塗布して測定を行った。連続的
荷重を上げていき、焼付による異音、振動
確認された時点を焼付荷重(kgf)として記録し
た。
〔FALEX耐摩耗性試験〕
上記と同じFALEX試験機を用い、以下の条件
耐摩耗性の評価を実施した。回転数60rpm、荷
重540kgf、試験時間40minで潤滑し、摩耗量(ピン
+ブロックの総和、mg)を測定した。
表1に示す比較例1は、アミド系ゲル化剤 配合しておらず、そのためMCA、二硫化モリ デンが沈降・分離し、不均一な組成物とな 、潤滑性が低い(焼付荷重が750kgfと低く、摩 量が46mgと多い)結果を示した。また比較例2 、MCAを配合していない組成物であるが、均 なゲルが形成されているものの、焼付荷重 675kgf、摩耗量が60mgであり、潤滑性能として は不十分であった。またLiグリースにMCAを配 したものは、焼付荷重が725kgf、摩耗量が52mg であり、潤滑性能としては未だ十分とは言え なかった。
一方、表1に示す実施例はいずれも焼付荷重
が高く、摩耗量が少なく、良好な結果をしま
した。これらのうち、基油にPAOを用いた組成
物では、比較例2に比べ、焼付荷重が高く、
つ摩耗量も少なく、優れた潤滑性能を示し
。特にモリブデン化合物を併用した場合、
り高い潤滑性能が示された。また低粘度鉱
油や植物油を基油とした実施例においても
様の高い潤滑性能が認められた。さらにMCA
配合することにより、混和ちょう度と不混
ちょう度の差が少なく、せん断安定性が向
した。
このように、微細な粒径を有するMCAを熱可
性ゲル状潤滑剤に配合することにより焼付
重が増加し、かつ摩耗量が少なくできるこ
が分かる。
本発明の潤滑剤組成物は、摩耗が顕著に 減され、かつ摩擦係数も低く安定する特性 有するため、精密機械、産業機械、輸送機 、測定機器などの機械システムにおける各 軸受、歯車、ピストンシリンダー、駆動系 どの様々な摺動部に用いることができる。 れにより、潤滑条件の厳しい機械システム 長寿命化に貢献し、かつ低く安定した摩擦 数の特性から省エネルギーにも寄与するこ ができる。
Next Patent: CHARGED PARTICLE BEAM APPARATUS, AND METHOD OF CONTROLLING THE SAME
