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Title:
LUBRICANT COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2018/083533
Kind Code:
A1
Abstract:
A first purpose of the present invention is to provide a lubricant composition that achieves extended anti-shudder durability without causing a decrease in the metal-to-metal friction coefficient, even when the viscosity of the composition is reduced. A lubricant composition characterized by comprising (A) a lubricant base oil, (C) (C-1) a succinimide compound or boronated succinimide compound having a weight-average molecular weight of 4,000 to 7,000, (C-2) a succinimide compound or boronated succinimide compound having a weight-average molecular weight of more than 7,000 to 10,000, and (D) (D-1) an amide-based friction modifier.

Inventors:
MORI TAKAFUMI (JP)
SATO TAKEHISA (JP)
FUKUMIZU TAKAHIRO (JP)
OGAWA MASASHI (JP)
NISHINOZAWA JUNICH (JP)
Application Number:
PCT/IB2017/001330
Publication Date:
May 11, 2018
Filing Date:
November 06, 2017
Export Citation:
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Assignee:
EXXONMOBIL RES & ENG CO (US)
International Classes:
C10M169/04
Domestic Patent References:
WO2008014319A22008-01-31
Foreign References:
EP2241611A12010-10-20
JP2009167278A2009-07-30
US20080234153A12008-09-25
EP2661482A12013-11-13
Other References:
None
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Claims:
請求の範囲

[請求項 1] (A) 潤滑油基油、

(C) (C一 1 ) 質量平均分子量 4, 000〜7, 000のコハク酸 イミド化合物またはホウ素化コハク酸イミド化合物、

(C— 2) 質量平均分子量 7, 000超〜 1 0, 000のコハク 酸ィミド化合物またはホウ素化コハク酸ィミド化合物、

(D) (D— 1 ) アミ ド系摩擦調整剤

からなることを特徴とする潤滑油組成物。

[請求項 2] (D) ( D— 2 ) ホウ酸または酸化ホゥ素とエポキシドとの反応生 成物からなる摩擦調整剤を

さらに含有することを特徴とする請求項 1記載の潤滑油組成物。

[請求項 3] 前記 (A) 成分の一部または全部として、 1 00°Cでの動粘度 6~

80mm2/sを有するポリ α—才レフィン又は α—ォレフィン共重 合体を、 潤滑油組成物全体の質量に対して 5〜30質量%で含有し、 及び

(Β) 質量平均分子量 1 5, 000〜40, 000を有するポリメタ クリレートをさらに含む、 請求項 1又は 2記載の潤滑油組成物。

[請求項 4] 前記 (C— 1 ) 成分および前記 (C一 2) 成分の一部または全部が

、 ホウ素化コハク酸イミ ドであることを特徴とする、 請求項 1〜3の いずれか 1項に記載の潤滑油組成物。

[請求項 5] 前記 (C一 1 ) 成分および Ζ又は前記 (C— 2) 成分が各々、 ホウ 素を前記 (C— 1 ) 成分または前記 (C— 2) 成分の質量に対して 0 . 1〜3質量%の量で含有する、 請求項 4に記載の潤滑油組成物。

[請求項 6] 前記 (C一 1 ) 成分と前記 (C— 2) 成分の質量比が (C一 2) /

(C一 1 ) = 1〜 1 0である、 請求項 1 ~ 5のいずれか 1項に記載の 潤滑油組成物。

[請求項 7] コハク酸イミド化合物が下記式 (1 ) または (2) で表される、 請 求項 〜 6のいずれか 1項に記載の潤滑油組成物。 [化 1 ]

[化 2]

上記式において、 R 1は互いに独立に炭素数 4 0〜4 0 0のアルキル 基またはアルケニル基であり、 mは 1〜2 0の整数であり、 nは 0 ~ 2 0の整数である。

1 0 0 °Cにおける動粘度 3〜 1 0 m m 2Z sを有する、 請求項 1〜 7のいずれか 1項に記載の潤滑油組成物。

粘度指数 1 5 0以上を有する、 請求項 1〜8のいずれか 1項に記載 の潤滑油組成物。

前記 (D— 1 ) が炭素数 6〜3 0のアルキル基又はアルケニル基を 有する脂肪酸から誘導されるアミ ド化合物から少なくとも 1種以上選 択されることを特徴とする請求項 1〜 9のいずれか 1項に記載の潤滑 油組成物。

前記 (D— 2 ) が下記の一般式で表されるエポキシドとホウ酸また は酸化ホウ素との反応生成物、 又はその開環物から少なくとも 1種以 上選択されることを特徴とする請求項 2〜 1 0のいずれか 1項に記載 の潤滑油組成物。 [化 3]

C一 R4

瞧 薩

R2 R3

(R 1、 R2、 R3、 R 4はそれぞれ独立して水素原子、 または 1個

〜 30個の炭素原子を含有する炭化水素基を示し、 そのうち少なくと も 1個は炭化水素基である。 )

[請求項 12] さらに、 (E) 金属清浄剤を含有することを特徴とする請求項】〜

1 1のいずれか 1項に記載の潤滑油組成物。

[請求項 13] さらに、 (F) エーテルスルホラン化合物を含有することを特徴と する請求項 1〜 1 2いずれか 1項に記載の潤滑油組成物。

[請求項 14] 無段変速機用であることを特徴とする請求項 1 ~ 1 3のいずれか 1 項に記載の潤滑油組成物。

Description:
明 細 書

発明の名称 : 潤滑油組成物

技術分野

[0001 ] 本発明は潤滑油組成物、 とりわけ自動車用変速機に好適に使用される 潤滑 油組成物に関する。 さらに詳細には、 本発明は無段変速機用潤滑油組成物に 関する。

背景技術

[0002] 潤滑油組成物は、 内燃機関用、 自動変速機用、 ギヤ油用など自動車分野で は幅広く使用されている。 近年、 省燃費性を達成するために、 潤滑油組成物 の低粘度化が求められている。 また、 有段の自動変速機に替わって無段変速 機 (C T V ) が広く用いられてきており、 動力伝達に金属ベルトとプーリ一 を使用する金属ベルト式 C V Tが一般的となっている。

[0003] 無段変速機車の燃費向上のための一つの方法 としてロックアップクラッチ の作動条件拡大があり、 ロックアップクラッチのシャダ一防止寿命を 延ばす ことが要求される。 しかし、 シャダ一防止寿命を延ばすために摩擦調整剤 を 増量すると、 金属ベルトとプーリー間の金属間摩擦係数が 低下して、 ベル卜 グリップ性能が低下し、 トルク伝達能力が低下するという問題が生じ る。 こ のようにシャダ一防止性能と金属間摩擦係数 はトレードオフの関係にあリ、 十分なトルク特性とシャダー防止性能とを高 いレベルで両立させることが要 求されている。 変速機用潤滑油組成物を低粘度化した場合、 十分な金属間摩 擦係数を得ることができず、 十分大きなトルクを確保できないという問題 も ある。

[0004] 従来の無段変速機用潤滑油組成物として例え ば特許文献 1 〜 5に記載があ る。 特許文献 1は、 ホウ素を含まない特定のコハク酸イミ ド化合物とリン系 化合物を配合し、 かつジアルキルジチ才リン酸亜鉛を含有しな いようにした 潤滑油組成物を記載し、 金属ベル卜やチェーンとプーリ一間の摩擦係 数を著 しく向上させ、 長期に亘つて高い摩擦係数を維持でき、 且つクラッチ板の目 詰まりを引き起こすことがないと記載してい る。 特許文献 2は、 スルホネ一 卜系清浄剤、 サリシレート系清浄剤及びホウ素含有コハク 酸イミ ド系添加剤 を特定量及び特定量比で含む潤滑剤組成物を 記載し、 十分なトルク伝達容量 と変速特性を保持し、 シャダ一防止性能に優れると記載している。 特許文献 3は、 特定の重量平均分子量を有するホウ素化アル キルコハク酸イミ ド及び Zまたはホウ素化ァルケニルコハク酸イミ ド、 及び直鎖型アルキル基を有す る金属系清浄剤を特定量含む潤滑油組成物を 記載し、 高い金属間摩擦係数を 有し、 変速特性とシャダ一防止性能に優れると記載 している。 特許文献 4は 、 特定のスルホラン誘導体、 カルシウムスルホネ一卜及びカルシウムフエ ネ 一卜から選ばれる 1種以上、 及び特定の粘度指数向上剤を特定量配合する 潤 滑油組成物を記載し、 高い金属摩擦係数を有し、 低粘度化による省燃費性と 部品耐久性を両立させたと記載している。 特許文献 5は、 カルシウムサリシ レート、 リン系摩耗防止剤、 摩擦調整剤、 分散型粘度指数向上剤の少なくと も 4種類の添加剤を必須成分として配合するこ により、 高い金属間摩擦係 数とシャダ一防止性を両立できると記載して いる。

先行技術文献

特許文献

[0005] 特許文献 1 :特開 2006— 056934号公報

特許文献 2:特開 2007— 1 2654 1号公報

特許文献 3:特開 2009— 21 5395号公報

特許文献 4:特開 201 0- 1 80278号公報

特許文献 5:特開 2000— 355695号公報

発明の概要

発明が解決しょうとする課題

[0006] 本発明は、 上記事情に鑑み、 低粘度化した場合においても金属間摩擦係数 を低下させることなくシャダ一防止寿命を延 長された潤滑油組成物を提供す ることを第一の目的とする。 課題を解決するための手段

[0007] 本発明者らは鋭意検討を進めた結果、 無灰分散剤として、 特定の質量平均 分子量を有する 2種類のコハク酸イミド化合物を組合せ、 さらに特定の摩擦 調整剤を併用することにより、 低粘度化した場合においても金属間摩擦係数 を低下させることなくシャダ一防止寿命を延 長できることを見出し、 本発明 を成すに至った。

[0008] すなわち本発明は、

(A) 潤滑油基油、

(C) (C一 1 ) 質量平均分子量 4, 000〜7, 000のコハク酸イミ ド 化合物またはホウ素化コハク酸イミド化合物 、

(C— 2) 質量平均分子量 7, 000超〜 1 0, 000のコハク酸イミ ド化合物またはホウ素化コハク酸イミ ド化合物、

(D) (D- 1 ) アミ ド系摩擦調整剤

からなることを特徴とする潤滑油組成物であ る。

[0009] また、 燃費向上のためには、 高温 (例えば 1 00°C) での粘度をできるだ け維持しつつ、 燃費に影響する低温 (例えば 40°C) の粘度を低減すること 、 すなわち高い粘度指数が求められるが、 従来の無段変速機潤滑油組成物で は、 機械的せん断により基油や粘度指数向上剤の 高分子鎖が切断され、 走行 に伴い高温粘度の低下を招くという問題があ る。

[0010] 本発明者らは上記潤滑油組成物においてさら に潤滑油基油 (A) と粘度指 数向上剤の構成を特定することにより、 金属間摩擦係数を低下させることな くシャダ一防止寿命を延長する効果に加えて 、 せん断安定性を向上すること ができることを見出した。

すなわち、 本発明の潤滑油組成物は、 好ましくは、 前記 (A) 成分の一部 又は全部として、 1 00°Cでの動粘度 6〜80 mn^Zsを有するポリ α—才 レフィン又は α—才レフィン共重合体を、 潤滑油組成物全体の質量に対して 5~30質量%で含有し、 さらに

(Β) 質量平均分子量 1 5, 000-40, 000を有するポリメタクリレ —トを含有する。

さらに本発明の潤滑油組成物の好適な態様は 、 下記 (1 ) ~ (1 1 ) の少 なくとも 1の特徴を有する。

( 1 ) (D-2) ホウ酸または酸化ホウ素とエポキシドとの反 応生成物から なる摩擦調整剤をさらに含有する。

(2) 前記 (C_ 1 ) 成分および前記 (C— 2) 成分の一部または全部が、 ホウ素化コハク酸イミドである。

(3) 前記 (C一 1 ) 成分および 又は前記 (C一 2) 成分が各々、 ホウ素 を前記 (C— 1 ) 成分または前記 (C一 2) 成分の質量に対して 0. 1〜3 質量%の量で含有する。

(4) 前記 (C一 1 ) 成分と前記 (C一 2) 成分の質量比が (C— 2) / ( C- 1 ) = 1〜 1 0である。

(5) 潤滑油組成物が、 1 00°Cにおける動粘度 3~ 1 0mm 2 Zsを有する

(6) 潤滑油組成物が、 粘度指数 1 50以上を有する。

(7) 前記 (D— 1 ) が炭素数 6〜30のアルキル基又はアルケニル基を有 する脂肪酸から誘導されるアミ ド化合物から少なくとも 1種以上選択される

(8) 前記 (D— 2) が下記の一般式で表されるエポキシドとホウ 酸または 酸化ホウ素との反応生成物、 又はその開環物から少なくとも 1種以上選択さ れる。

[化 1]

0

R1一 C* /\ I- mm f

瞧 瞧

R2 R3 (R 1、 R 2、 R3、 R 4はそれぞれ独立して水素原子、 または 1個〜 30 個の炭素原子を含有する炭化水素を示し、 そのうち少なくとも 1個は炭化水 素基である。 )

(9) 潤滑油組成物が、 さらに、 (E) 金属清浄剤を含有する。

(1 0) 潤滑油組成物が、 さらに、 (F) エーテルスルホラン化合物を含有 する。

(1 1 ) 潤滑油組成物が、 無段変速機用である。

[0012] 特には、 上記潤滑油組成物は、 前記 (A) 成分の一部又は全部として、 1

00°Cでの動粘度 6〜80 mm 2 / sを有するポリ α—才レフィン又は α—才 レフイン共重合体を、 潤滑油組成物全体の質量に対して 5~30質量%で含 有し、 且つ、 (Ε) エーテルスルホラン化合物を含有するのが好 ましい。 合 成基油は鉱物油に比べてパツキンゃガスケッ トと呼ばれるォィルシ一ルゴ厶 との親和性が低く、 また、 高分子量 (高粘度) 基油ほどその親和性は低くな る。 親和性が低いとシールゴムの膨潤が低下し、 逆に収縮しやすくなる。 こ れによりシール性が低下し油漏れを起こすと いう問題がある。 本発明の潤滑 油組成物を当該構成とすることにより、 シールゴムの膨潤性をより確保する ことができる。

さらに、 上記潤滑油組成物は、 (D— 2) ホウ酸または酸化ホウ素とェポ キシドとの反応生成物からなる摩擦調整剤を 含有することにより、 初期のシ ャダ一特性に優れるという特徴を有する。

発明の効果

[0013] 本発明の潤滑油組成物は、 金属間摩擦係数を低下させることなくシャダ 一 防止寿命を延長することができる。 当該効果は潤滑油組成物の 1 00°Cでの 動粘度を 5. 0程度にまで下げたとしても達成できる。 また本発明によれば 、 当該効果に加えてさらに、 せん断安定性を向上した潤滑油組成物を提供 す ることができる。 さらには、 シールゴムの膨潤性を確保することもできる 。 さらにシャダ一特性の中でも初期特性を改善 することができる。 本発明の潤 滑油組成物は無段変速機用潤滑油組成物とし て特に好適に使用できる。 発明を実施するための形態

[0014] 以下、 各成分について説明する。

[0015] (A) 潤滑油基油

本発明における潤滑油基油としては、 従来公知の潤滑油基油を使用でき、 鉱油、 合成油、 あるいはこれらの混合油がある。 特には、 潤滑油基油の一部 又は全部として、 1 00°Cでの動粘度 6~80 mm 2 /sを有するポリ α—才 レフイン又は α—ォレフィン共重合体を、 潤滑油組成物全体の質量に対して 5〜 30質量%含有するのが好ましく、 より好ましくは下限は 6質量%、 よ リ好ましくは、 8質量%、 上限は 25質量%、 より好ましくは、 20質量% である。 前記基油の含有量が前記下限値未満では十分 な粘度指数、 すなわち 省燃費性と機械要素への保護性能の両立が得 られず、 前記上限値超ではせん 断安定性の低下やゴムの適合性の悪化 (ゴムの収縮) が起きるおそれがある

[0016] ポリ α—才レフイン及び α—才レフイン共重合体は、 1 00°Cでの動粘度

6〜80mm 2 Zsを有するのがよく、 好ましくは 8〜80 m m 2 Zsであり 、 より好ましくは 8〜60mm 2 Zsであり、 さらに好ましくは 9〜 40 m m 2/ sであるのがよい。 1 00°Cでの動粘度が前記下限値未満では、 粘度指数 、 すなわち省燃費性と機械要素への保護性能の 両立が得られず、 1 00°Cで の動粘度が前記上限値超では、 せん断安定性やゴムの適合性の悪化 (ゴムの 収縮) するため好ましくない。

[0017] ポリ α—才レフイン又は α—才レフイン共重合体は、 α—才レフインの ( コ) ポリマ一又は (コ) オリゴマーであり、 上記動粘度を有するものであれ ばよく、 潤滑油基油として従来公知のものを使用でき る。 α—才レフインは 、 例えば、 炭素数 2〜 1 4、 好ましくは炭素数 4〜 1 2の直鎖又は分岐のォ レフイン炭化水素から選ばれるものである。 例えば、 1一才クテンオリゴマ ―、 1 —デセンオリゴマー、 エチレン一プロピレンオリゴマー、 イソプテン オリゴマー並びにこれらの水素化物が挙げら れる。 また、 ポリ α—才レフィ ン又は α—才レフイン共重合体は、 メタ口セン触媒を用いて製造されたもの であってもよい。 該 (コ) ポリマー又は (コ) オリゴマーの質量平均分子量 は、 1 0 o°cでの動粘度が上記範囲を満たすものであ ばよい。 例えば質量 平均分子量 1, 000〜 1 0, 000、 好ましくは 1, 1 00〜7, 000 を有するものである。 ポリ α—ォレフィン又は α—才レフィン共重合体は、 1種を単独で使用しても、 2種以上を併用してもよい。

[0018] 本発明の潤滑油組成物は、 上記ポリ α—才レフイン又は α—才レフイン共 重合体と併用して他の潤滑油基油を含んでよ い。 これらの潤滑油基油は特に 制限されるものでなく、 従来公知の鉱油系基油及び上記ポリ α—ォレフィン 及び α—才レフィン共重合体以外の合成系基油が 用できる。

[0019] 鉱油系基油としては、 原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤 滑油留 分を、 溶剤脱れき、 溶剤抽出、 水素化分解、 溶剤脱ろう、 接触脱ろう、 水素 化精製、 硫酸洗浄、 白土処理等の精製処理等を適宜組み合わせて 精製した、 パラフィン系、 ナフテン系等の潤滑油基油や、 溶剤脱ロウで得たワックスを 異性化、 脱ろうして得られる潤滑油基油が挙げられる 。 該鉱油系基油の動粘 度は特に制限されるものでないが、 低粘度を有する潤滑油組成物を得るため には、 1〜5 mm 2 Zsであるのが好ましい。

[0020] 合成系基油としては、 イソパラフィン、 アルキルベンゼン、 アルキルナフ タレン、 モノエステル、 ジエステル、 ポリオ一ルエステル、 ポリオキシアル キレングリコール、 ジアルキルジフエ二ルェ一テル、 ポリフエ二ルェ一テル 並びに GT L基油等が使用できる。 該合成系基油の動粘度は特に制限される ものでない。 また、 1 00°Cでの動粘度が 6 mm 2 Zs未満又は 80 mm 2 Z s超であるポリ α—才レフイン又は α—才レフイン共重合体を使用すること も可能である。 低粘度を有する潤滑油組成物を得るためには 、 合成系基油の 動粘度は 1 ~6mm 2 Zsであるのが好ましい。

[0021] 上記併用出来る基油は、 1種を単独で使用しても、 2種以上を使用しても よい。 2種以上を使用する場合、 2種以上の鉱油系基油の使用、 2種以上の 合成系基油の使用、 及び 1種以上の鉱油系基油と 1種以上の合成系基油の使 用が可能である。 中でも、 鉱油系基油の単独使用、 2種以上の鉱油系基油の 使用、 1 00 Cの動粘度が 1〜6mm 2 Zs未満である合成系基油の単独使用 、 1 00°Cの動粘度が 1〜6 mm 2 Zs未満である 2種以上の合成系基油の使 用が好適である。

[0022] また、 低粘度を有する潤滑油組成物を得るためには 、 潤滑油基油全体とし て、 1 00°Cでの動粘度 2〜7 mm 2 Zs、 好ましくは 2. 3〜6mm 2 ノ s 、 特には 2. 5〜5. 6 mm 2 / sを有することが好ましい。

[0023] (B) 粘度指数向上剤

本発明の潤滑油組成物は従来公知の粘度指数 向上剤を含有することができ る。 好ましくは、 粘度指数向上剤として質量平均分子量 1 5, 000〜40 , 000を有するポリメタクリレートを含むのが好 ましい。 質量平均分子量 の下限は、 好ましくは 1 7, 000、 より好ましくは 1 8, 000である。 質量平均分子量の上限は、 好ましくは 38, 000、 より好ましくは 36, 000である。 質量平均分子量が前記下限値未満であると、 粘度指数向上の 効果が不十分であり、 質量平均分子量が前記上限値超である場合に は、 粘度 指数向上の効果は得られるものの、 せん断安定性が悪化するため好ましくな い。 前記ポリメタクリレ一卜の含有量は限定的で はないが、 潤滑油組成物中 0. 1〜20質量%が好ましく、 1〜1 5質量%がより好ましく、 2〜 1 0 質量%がさらに好ましい。

[0024] 上記ポリメタクリレートは、 1種を単独で使用しても、 2種以上を併用し てもよい。

[0025] 本発明の潤滑油組成物は、 上記ポリメタクリレー卜と併せて他の粘度指 数 向上剤を含んでもよい。 当該他の粘度指数向上剤としては、 質量平均分子量 が 1 5, 000未満のポリメタクリレート、 質量平均分子量が 40, 000 超であるポリメタクリレート、 ポリイソプチレン及びその水添物、 スチレン 一ジェン水素化共重合体、 スチレン一無水マレイン酸エステル共重合体 及び ポリアルキルスチレンが挙げられる。 他の粘度指数向上剤を含む場合に、 そ の配合量は、 潤滑油組成物中に 0. 1〜1 5質量%となる量が好ましい。

[0026] (C) コハク酸イミ ド化合物 本発明の潤滑油組成物は、 無灰分散剤として、 2種類の特定のコハク酸ィ ミ ド化合物を含むことを特徴とする。 すなわち本発明は、 潤滑油組成物が、 (C— 1 ) 質量平均分子量 4, 000-7, 000、 好ましくは 5, 000 〜7, 000、 を有するコハク酸イミド化合物と、 (C— 2) 質量平均分子 量 7, 000超〜 1 0, 000、 好ましくは 7, 1 00-9, 600、 を有 するコハク酸イミ ド化合物とを組合わせることを特徴とする。 以下において 、 上記 (C— 1 ) 成分を第 1のコハク酸イミ ド化合物といい、 上記 (C一 2 ) 成分を第 2のコハク酸イミド化合物ということがある

なお、 限定的ではないが、 (C— 1 ) 成分および前記 (C—2) 成分の一 部または全部がホゥ素化コハク酸イミドであ ってもよい。

(C) 成分は好ましくは、 組成物全体に対し 0. 5〜3. 0質量%、 より 好ましくは 0. 6〜2. 5質量%、 さらに好ましくは 0. 9~2. 0質量% の量で組成物に含有される。 上記下限未満では、 シャダ一防止性が確保でき なくなる可能性がある。 上記上限超では、 低温における粘度が高くなる可能 性がある。

[0027] (C- 1 ) 成分と (C— 2) 成分との質量比は、 限定的ではないが、 (C -2) / (C— 1 ) = 1 -1 0が好ましく、 1. 5〜 8がより好ましく、 2 〜6がさらに好ましい。 上記範囲の比において、 摩擦係数とシャダ一特性と のより良い両立を図ることができる。 (C— 1 ) の量が不足の場合には、 シ ャダ一防止性が低温、 例えば 40°Cで不十分であり、 この不十分さが耐久試 験の中で早期に顕在化するという問題があり 、 (C— 2) の量が不足の場合 には、 高温、 例えば 1 20 °Cでのシャダー防止性が不十分であリ、 この不十 分さが耐久試験の中で早期に顕在化するとい う問題がある。

[0028] 本発明における第 Ί及び第 2のコハク酸イミド化合物は、 無灰分散剤とし て公知のコハク酸イミ ド化合物であってよい。

[0029] コハク酸イミド化合物とは、 より詳細には、 ポリアミンに無水コハク酸が 付加した化合物である。 モノタイプのコハク酸イミ ド化合物及びビスタイプ のコハク酸イミ ド化合物があり、 いずれも使用することができる。 モノタイ プのコハク酸イミ ド化合物は例えば下記式 (1 ) で表すことができる。 ビス タイプのコハク酸イミ ド化合物は例えば下記式 (2 ) で表すことができる。

[化 2]

[化 3]

上記式において、 R 1 は互いに独立に炭素数 4 0〜4 0 0のアルキル基また はアルケニル基であり、 mは 1 〜2 0の整数であり、 nは 0〜2 0の整数で ある。 特にはビスタイプのコハク酸イミ ド化合物が好ましい。 ホウ素化コハ ク酸イミ ド化合物は、 モノタイプ及びビスタイプの併用、 2種以上のモノタ イブの併用、 2種以上のビスタイプの併用であってもよい コハク酸イミ ド 化合物中の窒素含有量は、 限定的ではないが、 化合物の質量に対して 0 . 3 〜 1 0質量 0 / 0 が好ましく、 さらには 0 . 5〜5質量%が好ましく、 特には 0 . 8 - 2 . 5質量%が好ましい。

任意であるホウ素化コハク酸イミ ド化合物は、 より詳細には、 上記式で表 されるようなコハク酸ィミド化合物とホウ素 化合物とを反応して得られた化 合物である。 ホウ素化合物とは、 ホウ酸、 ホウ酸無水物、 ホウ酸エステル、 酸化ホウ素、 及びハロゲン化ホウ素などである。 なお、 ホウ素化コハク酸ィ ミド化合物とは、 アルキル基又はアルケニル基を分子中に少な くとも 1個有 するコハク酸イミド化合物を、 ホウ酸又はホウ酸塩等で変性した (ホウ素化 した) ものが挙げられる。 アルキル基又はアルケニル基とは、 例えば、 プロ ピレン、 1 ープテン、 イソプチレン等のォレフィンのオリゴマー、 エチレン とプロピレンのコオリゴマーなどから誘導さ れる一価の基が挙げられる。

[0031] (C一 1 ) 第 1のコハク酸イミ ド化合物は、 質量平均分子量 4, 000〜

7, 000を有する。 該質量平均分子量は、 好ましくは 5, 000〜7, 0 00であり、 さらに好ましくは 5, 200〜6, 800である。 第 1のコハ ク酸イミ ド化合物の分子量が上記下限未満であると、 シャダ一特性が悪化す る。

尚、 本発明において、 第 1のホウ素化コハク酸イミド化合物の質量平 分 子量は、 溶媒: T H F (テトラヒドロフラン) 、 充填カラム:スチレン 'ジ ビニルベンゼン共重合体、 設定温度: 40°C、 設定流量 1. Om l Z分で、 I (示差屈折) 検出器にて測定された、 ポリスチレン換算の値である。

[0032] 第 1のコハク酸ィミ ド化合物としてホウ素化コハク酸ィミド化合 物を使用 する場合におけるホウ素含有量は、 限定的ではないが、 化合物の質量に対し て 0. 1〜3質量%が好ましく、 さらには 0. 2〜2. 5質量%が好ましく 、 さらには 0. 2〜 2質量%が好ましく、 特には 0. 2〜1. 5質量%が好 ましい。

[0033] 潤滑油組成物中における第 1のコハク酸イミド化合物の含有量は、 限定的 ではないが、 潤滑油組成物の質量全体に対して 0. 05〜2. 00質量%が 好ましく、 0. 08〜1. 80質量%がより好ましく、 0. 1 0〜 1. 50 質量%がさらに好ましい。 含有量が前記下限値未満では十分な清浄性が 確保 できない可能性があり、 前記上限値を超えるとスラッジが発生する可 能性が ある。

なお、 第 1のコハク酸イミ ド化合物としてはホウ素化されていないコハ ク 酸イミ ド化合物、 ホウ素化コハク酸イミ ド化合物のうちから少なくとも 1種 以上選択されたものを使用することができる 。 したがって、 ホウ素化されて いないコハク酸イミド化合物を単独又は 2種以上、 ホウ素化コハク酸イミド 化合物単独又は 2種以上、 ホウ素化されていないコハク酸イミ ド化合物 1種 以上とホウ素化コハク酸ィミ ド化合物 1種以上との組み合わせのいずれであ つてもよい。

[0034] (C一 2) 第 2のコハク酸イミド化合物は、 質量平均分子量 7, 000超 〜1 0, 000を有する。 該質量平均分子量は、 好ましくは 7, 1 00〜9 , 600であり、 さらに好ましくは 7, 500-9, 200であるのがよい 。 第 2のコハク酸イミ ド化合物の分子量が上記上限を超えると、 組成物の低 温粘度が不都合なまでに上がる。

尚、 本発明において、 第 2のコハク酸イミ ド化合物の質量平均分子量は、 溶媒: TH F (テトラヒドロフラン) 、 充填カラム:スチレン■ジビニルベ ンゼン共重合体、 設定温度: 40°C、 設定流量 1. Om l Z分で、 R I (示 差屈折) 検出器にて測定された、 ポリスチレン換算の値である。

[0035] 第 2のコハク酸イミ ド化合物としてホウ素化コハク酸イミド化合 物を使用 する場合、 ホウ素含有量は、 限定的ではないが、 化合物の質量に対して 0. 1 ~3質量%が好ましく、 さらには 0. 2〜2. 5質量%が好ましく、 さら には 0. 2〜2質量%が好ましく、 特には0. 2~ 1. 5質量%が好ましい 。 コハク酸イミ ド化合物中の窒素含有量は、 限定的ではないが、 0. 2〜5 . 0質量%が好ましく、 さらには 0. 3〜2. 5質量%が好ましく、 特には 0. 5〜2. 0質量 0 / 0 が好ましい。

[0036] 潤滑油組成物中における第 2のコハク酸イミド化合物の含有量は、 限定的 ではないが、 潤滑油組成物の質量全体に対して 0. 2~3. 0質量%が好ま しく、 0. 4~2. 5質量%がより好ましく、 0. 6〜2. 0質量%がさら に好ましい。 前記下限値未満では十分な清浄性が確保でき ない可能性があり 、 前記上限値を超えると組成物の低温粘度が不 都合なまでに上がる。

なお、 第 2のコハク酸イミ ド化合物としてはホウ素化されていないコハ ク 酸イミ ド化合物、 ホウ素化コハク酸イミ ド化合物のうちから少なくとも 1種 以上選択されたものを使用することができる 。 したがって、 ホウ素化されて いないコハク酸イミ ド化合物を単独又は 2種以上、 ホウ素化コハク酸イミド 化合物単独又は 2種以上、 ホウ素化されていないコハク酸イミ ド化合物 1種 以上とホウ素化コハク酸ィミ ド化合物 1種以上との組み合わせのいずれであ つてもよい。

[0037] 本発明の潤滑剤組成物は、 上記 (C一 1 ) 成分及び上記 (C— 2 ) 成分と 併用して、 他の無灰分散剤をさらに含有することができ る。 他の無灰分散剤 として典型的には、 コハク酸アミ ド化合物が挙げられる。

[0038] 本発明の潤滑油組成物は、 上記 (A ) ~ ( C ) 成分に加えて、 さらに (D ) ( D— 1 ) アミ ド系摩擦調整剤を必須とし、 必要に応じて (D— 2 ) ホウ 酸または酸化ホゥ素とエポキシドとの反応生 成物からなる摩擦調整剤を使用 する。

( D ) 摩擦調整剤

摩擦調整剤は、 (D— 1 ) アミ ド系摩擦調整剤を必須とし、 (D— 2 ) ホ ゥ酸または酸化ホゥ素とエポキシドとの反応 生成物からなる摩擦調整剤は必 要に応じて使用される。

( D - 1 ) アミ ド系摩擦調整剤としては、 限定されることはないが、 脂肪 酸アミド化合物が好適に使用され、 特に直鎖状の脂肪酸と、 脂肪族モノアミ ンまたは脂肪族ポリアミンとのアミドが使用 でき、 中でも炭素数 6〜3 0の アルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸 アミ ド化合物が好適に使用する ことができる。 より具体的には、 例えば、 ラウリン酸ァミド、 ラウリン酸ジ エタノールアミ ド、 ラウリン酸モノプロパノールアミ ド、 ミリスチン酸アミ ド、 ミリスチン酸ジエタノールアミ ド、 ミリスチン酸モノプロパノールアミ ド、 ノヽリレミチン酸アミ ド、 パルミチン酸ジエタノールアミド、 パルミチン酸 モノプロパノールアミド、 ステアリン酸アミド、 イソステアリン酸アミ ド、 ステアリン酸ジメタノールアミ ド、 イソステアリン酸ジメタノールアミ ド、 ステアリン酸ジエタノールアミ ド、 イソステアリン酸ジエタノールアミ ド、 ステアリン酸モノプロパノールアミド、 ィソステアリン酸モノプロパノール アミ ド、 イソステアリン酸トリス (ヒドロキシメチル) メチレンアミド、 才 レイン酸アミ ド、 ォレイン酸ジメタノールアミ ド、 ォレイン酸ジエタノール アミ ド、 ォレイン酸モノプロパノールアミド、 ヤシ油脂肪酸アミ ド、 ヤシ油 脂肪酸ジエタノールアミド、 ヤシ油脂肪酸モノプロパノールアミ ド、 炭素数

1 2〜 3の合成混合脂肪酸アミ ド、 炭素数 1 2~ 1 3の合成混合脂肪酸ジ エタノールアミ ド、 炭素数 1 2〜 1 3の合成混合脂肪酸モノプロパノールァ ミド、 およびこれらの混合物等が特に好ましく用い られる。

この (D— 1 ) アミ ド系摩擦調整剤は、 必須成分である。

[0039] 本発明の潤滑油組成物は、 (D— 1 ) アミ ド系摩擦調整剤を必須成分とし て含有する限りにおいて、 他の摩擦調整剤を含むことを妨げない。 たとえば 、 他のエステル系摩擦調整剤、 アミン系摩擦調整剤、 アルコール系摩擦調整 剤、 モリプデン系摩擦調整剤などの任意の摩擦調 整剤を包含することができ る。

中でも (D— 2) ホウ酸または酸化ホウ素とエポキシドとの反 応生成物か らなる摩擦調整剤を使用すると、 初期のシャダ一特性を改良することとなる ため、 好ましく用いられる。

[0040] (D- 2) ホウ酸または酸化ホウ素とエポキシドとの反 応生成物からなる 摩擦調整剤ある。 該反応生成物からなる摩擦調整剤は、 自体、 周知であり、 たとえば特開 2000-87068号公報に記載されている。 ホウ酸として は、 種々の形のホウ酸 (メタホウ酸、 H B0 2 、 オルトホウ酸、 H 3 B0 3 、 お よびテトラホウ酸、 H 2 B 4 0 7 を含めて) 、 および式 (RO) X B (OH) y ( ここで、 xは、 1〜3であり、 そして yは、 0~2であり、 Xおよび yの合 計は、 3であり、 ここで、 Rは、 1個〜 6個の炭素原子を含有するアルキル 基である) のホウ酸アルキルが挙げられる。 エポキシドそのもの、 あるいは その反応の観点での等価物、 例えば、 ジオールおよびハロヒドリンである。 米国特許第 4, 584, 1 1 5号に詳細に記述されており、 一般に、 ェポキ シド (好ましくは、 ヒドロカルビルエポキシド) とホウ酸または三酸化ホウ 素とを反応させることにより、 調製される。 エポキシドは、 以下の一般式に より、 表わされ得る。 [化 4]

O

/\

I I

R2 R3 ここで、 R 1、 R 2、 3及び!^4は、 それぞれ独立して、 水素原子、 ま たは 1個〜 30個の炭素原子を含有する炭化水素基であり その少なくとも 1個は、 炭化水素基である。 この R 1、 R 2、 R 3及び R 4のうち任意の 2 個が、 それらが結合される原子と一緒になつて環状 基 (脂環式または複素環 式であり得る) を形成していてもよい。

限定的ではないが、 R 1、 R2、 R 3及び R 4のうち、 いずれか一つが炭 素数 6〜30を有する炭化水素基であり、 残こりが水素原子であることが好 ましい。

炭素数 6 ~30の炭化水素基としては、 限定的ではないが、 アルキル基、 アルケニル基、 アルキニル基、 ァリ一ル基、 等が挙げられるほか、 飽和又は 不飽和の脂肪酸残基を挙げることができる。

たとえば、 飽和脂肪酸残基としては、 カブロン酸残基、 力プリル酸残基、 力プリン酸残基、 ラウリン酸残基、 ミリスチル酸残基、 パルミチル酸残基、 ステアリル酸残基及びィソステアリル酸残基 が挙げられる。

また、 不飽和脂肪酸残基としては、 リノール酸残基、 α—リノ レン酸残基 、 アーリノ レン酸残基、 ァラキドン酸残基、 ドコサペンタ塩酸残基、 パルミ トレイン酸残基、 パクセン酸残基、 バウリン酸残基、 ォレイン酸残基 (ォレ ィル基) 、 エライジン酸残基、 エル力酸残基、 ネルボン酸残基などが挙げら れる。

これらのエポキシドは、 C 14 - 16 または C 14 - l 8 エポキシドの巿販混合物で あり得、 これは、 E L F— ATOCH EMまたは U n i o n C a r b i d eから購入でき、 また、 公知方法により、 対応する才レフインから調製され 得る。 ホウ酸または酸化ホウ素 (以下、 まとめて単にホウ酸ということがあ る) とエポキシドまたはその等価物 (以下、 まとめて単にエポキシドと言う ことがある) とを混合し、 適切な温度 (典型的には、 80°C〜250°C) で 加熱することにより、 反応物が調製される。 ホウ酸とエポキシドのモル比は 、 一般に、 4 : 1〜 1 : 4である。 1 : 1 ~ 1 : 3の比が好ましく、 1 : 2 は、 特に好ましい比である。 この反応を行う際に、 不活性液体を反応媒体と して使用し得る。 この液体は、 トルエン、 キシレン、 クロ口ベンゼン、 ジメ チルホルムアミ ドなどであり得る。 反応により、 水が形成され、 典型的には 、 この反応操作中に留去される。 この反応を促進するために、 水酸化物が使 用され得る。 反応生成物においてエポキシ環が開環してい いても良い。 該反 応性生物の調製方法は、 特許出願公開昭 57— 200496号公報にも記載 されている。

このようにして得られた化合物は、 摩擦調整剤として有効に使用され、 良 好なシャダ一特性をもたらす。

[0042] (D-2) の例としては、 限定されることはないが、 脂肪酸エポキシエス テルのホウ酸塩化物又はその開環物が好まし く、 たとえば、 力プリル酸グリ シジルのホウ酸塩化物、 カプリン酸グリシジルのホウ酸塩化物、 ミリスチン 酸グリシジルのホゥ酸塩化物、 パルミチン酸グリシジルのホゥ酸塩化物、 ォ レイン酸グリシジルのホウ酸塩化物、 ォレイン酸エチレン才キシドのホウ酸 塩化物、 ステアリン酸グリシジルのホウ酸塩化物、 ィソステアリン酸グリシ ジルのホウ酸塩化物、 ラウリン酸グリシジルのホウ酸塩化物等を挙 げること ができる。

[0043] (D- 1 ) の添加量は、 限定的ではないが、 潤滑油組成物の全質量当たり

0. 01〜5質量%であることが好ましく、 0. 02〜4質量%であること がより好ましく、 0. 1〜 3質量%であることが一層好ましい。

(D-2) は、 必須ではないが、 添加する場合は、 潤滑油組成物の全質量 当たり 0. 01 ~5質量%であることが好ましく、 0. 02~4質量%でぁ ることがより好ましく、 0. 1〜3質量%であることが一層好ましい。

[0044] 本発明の潤滑油組成物は、 上記 (A) 〜 (D) 成分に加えて、 さらに (E ) 金属清浄剤及び Z又は (F) エーテルスルホラン化合物を含むことが好ま しい。

[0045] (E) 金属清浄剤

金属清浄剤としてはアル力リ金属又はアル力 リ土類金属を有する清浄剤が 挙げられる。 例えば、 アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有す るスルフ ォネート、 アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有す るサリシレ一ト、 ァ ルカリ金属又はアル力リ土類金属を含有する フエネー卜が挙げられるが、 こ れに限定されない。 また、 アルカリ金属又はアルカリ土類金属としては 、 マ グネシゥム、 ノくリウム、 ナトリウム、 及びカルシウムが挙げられるが、 これ に限定されない。

[0046] アル力リ金属又はアル力リ土類金属を含有す るスルフォネ一卜としては、 限定的ではないが、 カルシウムスルフ才ネート、 及びマグネシウムスルフ才 ネートが好ましく用いられる。

[0047] アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有す るサリシレートとしては、 限 定的ではないが、 カルシウムサリシレ一卜、 及びマグネシウムサリシレート が好ましく用いられる。

[0048] アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有す るフエネートとしては、 限定 的ではないが、 カルシウムフエネート、 及びマグネシウムフエネートが好ま しく用いられる。

[0049] 金属清浄剤中に含まれるアルカリ金属又はア ルカリ土類金属の量は、 限定 的ではないが、 金属清浄剤の質量当たり 0. 1 ~20質量%が好ましく、 0 . 5〜1 5質量%がより好ましく、 1. 0〜 1 5質量%がさらに好ましい。

[0050] 金属清浄剤は、 限定的ではないが、 全塩基価 1 0〜500m g KOHZg を有するのが好ましく、 50〜4 O Om g KOHZgがより好ましく、 1 5 0〜400 m g KOH/gがさらに好ましい。 特には、 200 ~4 O Om g K〇H/gとした場合、 より一層好ましくは 300〜4 O Om g KOH/g とした場合、 最も好ましくは 3 1 0〜400m g KOHZgとした場合には 、 清浄性効果も高く、 スラッジの発生も抑制可能となるため、 最も好ましい

[0051] 金属清浄剤は、 潤滑油組成物中に任意の割合で含有される。 例えば、 潤滑 油組成物全質量当たリ 0〜 5質量%であり、 より好ましくは 0. 1 ~ 2質量 %であり、 さらに好ましくは 0. 2〜 1質量%である。

[0052] 金属清浄剤は、 1種を単独で使用しても、 2種以上を併用してもよい。 併 用する場合でも種類の限定はなく、 たとえばスルフォネート化合物同士、 サ リシレート化合物同士、 フエネート化合物同士でもよいが、 スルフォネート 化合物とサリシレート化合物、 スルフォネ一卜化合物とフエネ一卜化合物、 サリシレ一ト化合物とフエネー卜化合物とい う組み合わせであってもよい。

[0053] (F) エーテルスルホラン化合物

本発明の潤滑油組成物はエーテルスルホラン 化合物を含有することにより 適度なシールゴム膨潤性をより確保すること ができる。 エーテルスルホラン 化合物とは、 以下のような化合物である。

[化 5]

上記式において、 Rは炭素数 1〜20のアルキル基であり、 好ましくは炭 素数 8〜1 6のアルキル基である。

[0054] エーテルスルホラン化合物の配合量は、 潤滑油組成物全質量当たり 0〜 5 質量%が好ましく、 0. 1〜 2質量%がさらに好ましく、 0. 2〜 1質量% がより好ましい。

[0055] 本発明の潤滑油組成物中は、 上記 (B) ないし (F) 以外のその他の添加 剤をさらに含んでもよい。 たとえば、 油性剤、 摩耗防止剤、 極圧剤、 さび止 め剤、 上記以外の摩擦調整剤、 酸化防止剤、 腐食防止剤、 金属不活性化剤、 流動点降下剤、 消泡剤、 着色剤、 及び自動変速機油用パッケージ添加剤が挙 げられる。 これらのうち少なくとも 1種を含有する各種潤滑油用パッケージ 添加剤を添加することもできる。

[0056] 特に、 極圧剤としては、 限定的ではないが、 リン系極圧剤を使用すること ができ、 酸性リン酸エステル、 酸性リン酸亜リン酸エステル、 リン酸エステ ル又は亜リン酸エステル、 及びこれらのアミン塩、 リン酸又は亜リン酸から 少なくとも 1種以上選択されることが好ましい。

また、 限定的ではないが、 酸性リン酸エステル、 酸性リン酸亜リン酸エス テル、 リン酸エステル又は亜リン酸エステル、 及びこれらのァミン塩の中か ら少なくとも 1種以上選択され、 かつリン酸又は亜リン酸から少なくとも 1 種以上選択されることが好ましい。

さらに、 限定的ではないが、 酸性リン酸エステル、 酸性リン酸亜リン酸ェ ステル、 リン酸エステル又は亜リン酸エステル、 及びこれらのァミン塩の中 から少なくとも 1種以上選択され、 かつリン酸又は亜リン酸から少なくとも 1種以上選択されることが好ましい。

また、 酸性リン酸エステルとリン酸又は亜リン酸か ら選ばれる 1種以上の 化合物との組み合わせも好ましく、 特に酸性リン酸エステルのうち、 酸性リ ン酸プチルエステル、 酸性リン酸へキシルエステル、 酸性リン酸才クチルェ ステル、 酸性リン酸ドデシルエステルの使用が好まし い。

これらのリン系極圧剤の量は、 限定的ではないが、 潤滑油組成物全質量当 たり 0. 01〜2. 5質量 0 / 0 が好ましく、 0. 02〜 1. 5質量 0 / 0 がより好 ましく、 0. 02~ 1. 0質量%であることがさらに好ましい。

[0057] 本発明の潤滑油組成物の 1 00°Cでの動粘度は、 限定されることはないが 、 3~ 1 0mm 2 Zsであることが好ましく、 3 ~ 8 m m 2 Z sであることが より好ましく、 4〜7. 5 mm 2 /sであることがさらに好ましく、 4〜6m m 2 /sであることが一層好ましい。 潤滑油組成物の 1 00°Cでの動粘度が上 記下限値未満であると、 摩擦係数を十分に確保することができない可 能性が ある。 また、 上記上限値超であると、 シャダ一特性が悪くなる場合がある。

[0058] 本発明の潤滑油組成物の粘度指数は、 限定されることはないが、 1 50以 上であることが好ましく、 1 60以上であることがより好ましい。 潤滑油組 成物の粘度指数が上記下限値未満であると、 40°Cでの燃費特性を十分に確 保できない可能性がある。 また、 上限は限定されることはないが、 250で あることが好ましい。

[0059] 本発明の潤滑油組成物は、 低粘度化されているにもかかわらず、 十分大き な金属間摩擦係数を有し、 且つ、 シャダ一特性も確保できるという効果を奏 する。 また、 上記の通り、 本発明に従いさらに基油及び粘度指数向上剤 の構 成を特定することにより、 せん断安定性を確保することもできる。 さらには 、 エーテルスルホラン化合物を含有することに より、 適度なシールゴム膨潤 性を確保することもできる。 さらには、 全塩基価が 200~400 m g KO H/gの金属清净剤を使用することによって、 清浄性を確保しつつスラッジ の発生を抑制できる。 本発明の潤滑油組成物は無段変速機用として 好適に用 いることができる。

実施例

[0060] 以下、 実施例及び比較例を示し、 本発明をより詳細に説明するが、 本発明 は下記の実施例に制限されるものではない。

[0061] 実施例及び比較例にて使用した各成分は以下 の通りである。 下記に示す各 成分を表 1又は表 2に示す組成にて混合して潤滑油組成物を調 した。 下記 において KV 1 00は1 00°Cでの動粘度を、 V I は粘度指数を、 PMAは ポリメタクリレートを意味する。 摩擦係数は、 比較例 8の組成物 (市販品) を 1 とした場合の摩擦係数の比である。

(A) 潤滑油基油 、

■鉱油 1 :高度水素化精製バラフィン系基油 (KV 1 00 = 3. 1 mm2/s 、 V I = 1 1 2)

-鉱油 2 :高度水素化精製パラフィン系基油 (KV 1 00 = 4. 2 rnrn s 、 V I = 1 22)

-鉱油 3 :高度水素化精製パラフィン系基油 (KV 1 00 = 4. 2 mm 2 /s 、 V I = 1 34)

-鉱油 4 :水素化精製パラフィン系基油 (KV 1 00 = 2. 2 m m 2 / s , V 1 = 1 09)

-鉱油 5 :水素化精製バラフィン系基油 (KV 1 00 = 2. 5 mm 2 Zs、 V 1 = 99)

■合成基油 1 :ポリ _α—才レフイン (KV 1 00= 1 0 mm 2 5、 V I =

1 3 7)

■合成基油 2 : ポリ一 α—才レフィン (KV 1 00 = 40 mm 2 Zs、 V I =

1 47)

■合成基油 3 :エチレン一 α—才レフィン共重合体 (KV 1 00= 1 0mm 2 / s V I = 1 50)

-合成基油 4 : エチレン一 α—才レフィン共重合体 (KV 1 00 = 40 mm 2 /s, V I = 1 55)

[0062] (B) 粘度指数向上剤

■ PMA系粘度指数向上剤 1 (Mw=30, 000) 、 - (CH 2 -C (CH 3) (COOR) ) n —構造を有する。

[0063] (C) ホウ素化コハク酸イミ ド化合物

(C一 1 )

■ホウ素化コハク酸イミ ド化合物 1 (Mw= 5, 600、 B : 0. 34 w ΐ %、 Ν= 1. 58w t %、 式 (2) において、 R 1はポリイソブテニル基、 n = 4〜 1 2の混合物)

-ホウ素化コハク酸イミド化合物 3 (Mw = 4, 600、 B : 1. 8 w t % 、 N = 2. 35w t %、 式 (2) において、 R 1はポリイソブテニル基、 n = 4〜 1 2の混合物)

(C-2)

-ホゥ素化コハク酸イミ ド化合物 2 (Mw= 8, 500、 B : 0. 23 w t %、 N = 0. 88 w t % s 式 (2) において、 R 1はポリイソプテニル基、 n =4~ 1 2の混合物) )

[0064] (D) 摩擦調整剤

(D— 1 ) 成分 アミ ド系摩擦調整剤

- (D— 1 a) イソステアリン酸と卜リス (ヒドロキシメチル) ァミノメタ ンとの反応物

' (D- 1 b) イソステアリン酸ジエタノールアミ ド

- (D— 1 c) ステアリン酸ジエタノールアミ ド

■ (D— 1 d) ォレイン酸ジエタノールアミ ド

- (D— 1 e) ラウリン酸ジエタノールアミド

(D— 2) 成分 ホウ素塩化エポキシド又はその開環物からな る摩擦調整剤 - (D-2 a) ォレイン酸エチレンォキシドのホウ素化物

■ (D- 2 b) ステアリン酸エチレンォキシドのホウ素化物

- ( D— 2 c ) ォレイン酸グリシジルのホゥ素化物

- (D-2 d) ラウリン酸グリシジルのホウ素化物

(E) 金属清浄剤

- C aスルホネート (全塩基価 350 m g KO HZg)

■ C aサリシレート (全塩基価 30 Om g KOHZg)

■ Mgサリシレート (全塩基価 40 Om g KOHZg)

[0065] (F) エーテルスルホラン化合物

■ LUBR I ZOL 730 (下記式において、 R 1 = C, 0 H 2 ,の化合物) [化 6]

[0066] (F) その他の添加剤

摩耗防止剤、 摩擦調整剤、 酸化防止剤、 消泡剤、 金属不活性化剤、 及び着 色剤

[0067] [表 1-1] 表 1一 1

[0068] [表 1-2]

表 1一 2

組成物の性能

[0069] 2]

表 2