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Title:
LUBRICATING OIL COMPOSITION FOR REFRIGERATORS AND COMPRESSORS WITH THE COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/130039
Kind Code:
A1
Abstract:
A lubricating oil composition for refrigerators, characterized by comprising as the main component a polyol ester prepared from both a polyhydric alcohol selected from among pentaerythritol, dipentaerythritol, trimethylolpropane, and neopentyl glycol and an aliphatic monocarboxylic acid having 4 to 20 carbon atoms and by having an acid value of 0.02mgKOH/g or below and a hydroxyl value of 5mgKOH/g or below; and compressors with the composition. The lubricating oil composition is applicable to refrigerators with refrigerants having specific structures such as unsaturated fluorinated hydrocarbons usable as refrigerator in current car air conditioner systems or the like and is excellent in the compatibility with the refrigerants and sealing properties. Further, the lubricating oil composition attains a low coefficient of friction in the sliding part and is excellent in stability.

Inventors:
NAGAO SATOSHI (JP)
KATO TAKAYUKI (JP)
HOSHIDA TAKAHIRO (JP)
INOUE MASAKI (JP)
IKEJIMA SHOZO (JP)
MUTO MASATAKA (JP)
YAMASHITA MASAHITO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057635
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
April 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IDEMITSU KOSAN CO (JP)
TOYOTA IND CORP (JP)
DENSO CORP (JP)
NAGAO SATOSHI (JP)
KATO TAKAYUKI (JP)
HOSHIDA TAKAHIRO (JP)
INOUE MASAKI (JP)
IKEJIMA SHOZO (JP)
MUTO MASATAKA (JP)
YAMASHITA MASAHITO (JP)
International Classes:
C10M105/38; F04B39/00; C10N20/00; C10N20/02; C10N20/04; C10N30/00; C10N30/06; C10N40/30
Domestic Patent References:
WO2005103190A12005-11-03
WO2007026646A12007-03-08
WO2005103190A12005-11-03
Foreign References:
JPH11293273A1999-10-26
JP2001139972A2001-05-22
JP2000073080A2000-03-07
JP2002356694A2002-12-13
JPH04110388A1992-04-10
JP2006316147A2006-11-24
JP2006503961A2006-02-02
JPH07507342A1995-08-10
JP2002356694A2002-12-13
JPH04110388A1992-04-10
JP2006316147A2006-11-24
Other References:
See also references of EP 2138558A4
Attorney, Agent or Firm:
OHTANI, Tamotsu et al. (Bridgestone Toranomon Bldg. 6F.25-2, Toranomon 3-chome,Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 下記の分子式(A)
  C p O q F r R s      ・・・(A)
[式中、Rは、Cl、Br、I又はHを示し、pは1~6、qは0~2、rは1~14、sは0~13の整数である。但し、qが0の場合は、pは2~6であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の含フッ素有機化合物、又は前記含フッ素有機化合物と飽和フッ化炭化水素化合物との組合せを含む冷媒を用いる冷凍機用の潤滑油組成物であって、基油として、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン及びネオペンチルグリコールの中から選ばれる多価アルコールと、炭素数4~20の脂肪族モノカルボン酸とからなるポリオールエステル系化合物を主成分として含み、かつ酸価が0.02mgKOH/g以下及び水酸基価が5mgKOH/g以下であるものを用いることを特徴とする冷凍機用潤滑油組成物。
 冷媒が、炭素数2~3の不飽和フッ化炭化水素冷媒、又は炭素数1~2の飽和フッ化炭化水素冷媒と炭素数3の不飽和フッ化炭化水素冷媒との組合わせからなる請求項1に記載の冷凍機用潤滑油組成物。
 基油の100℃における動粘度が2~50mm 2 /sである請求項1に記載の冷凍機用潤滑油組成物。
 基油の分子量が300以上である請求項1に記載の冷凍機用潤滑油組成物。
 基油の引火点が200℃以上である請求項1に記載の冷凍機用潤滑油組成物。
 極圧剤、油性剤、酸化防止剤、酸捕捉剤及び消泡剤の中から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含む請求項1に記載の冷凍機用潤滑油組成物。
 冷凍機の摺動部分がエンジニアリングプラスチックからなるもの、又は有機コーティング膜もしくは無機コーティング膜を有するものである請求項1に記載の冷凍機用潤滑油組成物。
 有機コーティング膜が、ポリテトラフルオロエチレンコーティング膜、ポリイミドコーティング膜、ポリアミドイミドコーティング膜、又はポリヒドロキシエーテル樹脂とポリサルホン系樹脂からなる樹脂基材及び架橋剤を含む樹脂塗料を用いて形成された熱硬化型絶縁膜である請求項7に記載の冷凍機用潤滑油組成物。
 無機コーティング膜が、黒鉛膜、ダイヤモンドライクカーボン膜、スズ膜、クロム膜、ニッケル膜又はモリブデン膜である請求項7に記載の冷凍機用潤滑油組成物。
 カーエアコン、電動カーエアコン、ガスヒートポンプ、空調、冷蔵庫、自動販売機又はショーケースの各種給湯システム、あるいは冷凍・暖房システムに用いられる請求項1~9のいずれかに記載の冷凍機用潤滑油組成物。
 システム内の水分含有量が300質量ppm以下で、残存空気量が10kPa以下である請求項10に記載の冷凍機用潤滑油組成物。
 請求項1に記載の冷凍機油組成物を用いた圧縮機。
 摺動部分がエンジニアリングプラスチックからなるもの、又は有機コーティング膜もしくは無機コーティング膜を有するものである請求項12に記載の圧縮機。
 エンジニアリングプラスチックが、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、又はポリアセタール樹脂である請求項13に記載の圧縮機。
 有機コーティング膜が、ポリテトラフルオロエチレンコーティング膜、ポリイミドコーティング膜、ポリアミドイミドコーティング膜、又はポリヒドロキシエーテル樹脂とポリサルホン系樹脂からなる樹脂基材及び架橋剤を含む樹脂塗料を用いて形成された熱硬化型絶縁膜である請求項13に記載の圧縮機。
 無機コーティング膜が、黒鉛膜、ダイヤモンドライクカーボン膜、スズ膜、クロム膜、ニッケル膜又はモリブデン膜である請求項13に記載の圧縮機。
Description:
冷凍機用潤滑油組成物及びこれ 用いた圧縮機

 本発明は冷凍機用潤滑油組成物、さらに しくは、地球温暖化係数が低く、特に現行 ーエアコンシステムなどに使用可能な冷媒 ある不飽和フッ化炭化水素化合物等特定の 媒を用いた冷凍機用として使用される、特 のポリオールエステル系化合物を主成分と る基油を用いた冷凍機用潤滑油組成物、及 これを用いた圧縮機に関するものである。

 一般に、圧縮型冷凍機は少なくとも圧縮 、凝縮器、膨張機構(膨張弁など)、蒸発器 あるいは更に乾燥器から構成され、冷媒と 滑油(冷凍機油)の混合液体がこの密閉された 系内を循環する構造となっている。このよう な圧縮型冷凍機においては、装置の種類にも よるが、一般に、圧縮機内では高温、冷却器 内では低温となるので、冷媒と潤滑油は低温 から高温まで幅広い温度範囲内で相分離する ことなく、この系内を循環することが必要で ある。一般に、冷媒と潤滑油とは低温側と高 温側に相分離する領域を有し、そして、低温 側の分離領域の最高温度としては-10℃以下が 好ましく、特に-20℃以下が好ましい。一方、 高温側の分離領域の最低温度としては30℃以 が好ましく、特に40℃以上が好ましい。も 、冷凍機の運転中に相分離が生じると、装 の寿命や効率に著しい悪影響を及ぼす。例 ば、圧縮機部分で冷媒と潤滑油の相分離が じると、可動部が潤滑不良となって、焼付 などを起こして装置の寿命を著しく短くし 一方蒸発器内で相分離が生じると、粘度の い潤滑油が存在するため熱交換の効率低下 もたらす。

 従来、冷凍機用冷媒としてクロロフルオロ ーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカー ン(HCFC)などが主に使用されてきたが、環境 題の原因となる塩素を含む化合物であった とから、ハイドロフルオロカーボン(HFC)など の塩素を含有しない代替冷媒が検討されるに 至った。このようなハイドロフルオロカーボ ンとしては、例えば1,1,1,2-テトラフルオロエ ン、ジフルオロメタン、ペンタフルオロエ ン、1,1,1-トリフルオロエタンに代表される イドロフルオロカーボンが注目されるよう なり、例えばカーエアコンシステムには1,1, 1,2-テトラフルオロエタンが使用されてきた
 しかしながら、このHFCも地球温暖化の面で 響が懸念されることから、更に環境保護に した代替冷媒として二酸化炭素などのいわ る自然冷媒が注目されているが、この二酸 炭素は高圧を必要とするため、現行のカー アコンシステムには使用することができな 。
 地球温暖化係数が低く、現行カーエアコン ステムに使用できる冷媒として、例えば不 和フッ化炭化水素化合物(例えば、特許文献 1参照)、フッ化エーテル化合物(例えば、特許 文献2参照)、フッ化アルコール化合物、フッ ケトン化合物など分子中に特定の極性構造 有する冷媒が見出されている。
 このような冷媒を用いる冷凍機用潤滑油に しては、前記冷媒に対する優れた相溶性を すると共に、シール性が良好で、かつ摺動 分の摩擦係数が低く、しかも安定性に優れ ことが要求される。

特表2006-503961号公報

特表平7-507342号公報

 本発明は、このような状況下で、地球温 化係数が低く、特に現行カーエアコンシス ムなどに使用可能な冷媒である不飽和フッ 炭化水素化合物等特定の構造を有する冷媒 用いた冷凍機用として使用される、前記冷 に対する優れた相溶性を有すると共に、シ ル性が良好で、かつ摺動部分の摩擦係数が く、しかも安定性に優れる冷凍機用潤滑油 成物、及びこれを用いた圧縮機を提供する とを目的とするものである。

 本発明者らは、前記目的を達成するために 意研究を重ねた結果、基油として特定のポ オールエステル系化合物を含み、かつ特定 性状を有するものを用い、好ましくは冷凍 の摺動部分に特定の材料を用いることによ 、その目的を達成し得ることを見出した。 発明は、かかる知見に基づいて完成したも である。
 すなわち、本発明は、

(1)下記の分子式(A)
  C p O q F r R s      ・・・(A)
[式中、Rは、Cl、Br、I又はHを示し、pは1~6、q 0~2、rは1~14、sは0~13の整数である。但し、qが 0の場合は、pは2~6であり、分子中に炭素-炭素 不飽和結合を1以上有する。]
で表される化合物から選ばれる少なくとも1 の含フッ素有機化合物、又は前記含フッ素 機化合物と飽和フッ化炭化水素化合物との 合せを含む冷媒を用いる冷凍機用の潤滑油 成物であって、基油として、ペンタエリス ール、ジペンタエリストール、トリメチロ ルプロパン及びネオペンチルグリコールの から選ばれる多価アルコールと、炭素数4~20 脂肪族モノカルボン酸とからなるポリオー エステル系化合物を主成分として含み、か 酸価が0.02mgKOH/g以下及び水酸基価が5mgKOH/g以 下であるものを用いることを特徴とする冷凍 機用潤滑油組成物、
(2)冷媒が、炭素数2~3の不飽和フッ化炭化水素 冷媒、又は炭素数1~2の飽和フッ化炭化水素冷 媒と炭素数3の不飽和フッ化炭化水素冷媒と 組合わせからなる上記(1)項に記載の冷凍機 潤滑油組成物、
(3)基油の100℃における動粘度が2~50mm 2 /sである請求項1叉は2に記載の冷凍機用潤滑 組成物、
(4)基油の分子量が300以上である上記(1)~(3)項 いずれかに記載の冷凍機用潤滑油組成物、
(5)基油の引火点が200℃以上である上記(1)~(4) のいずれかに記載の冷凍機用潤滑油組成物

(6)極圧剤、油性剤、酸化防止剤、酸捕捉剤及 び消泡剤の中から選ばれる少なくとも1種の 加剤を含む上記(1)~(5)項のいずれかに記載の 凍機用潤滑油組成物、
(7)冷凍機の摺動部分がエンジニアリングプラ スチックからなるもの、又は有機コーティン グ膜もしくは無機コーティング膜を有するも のである上記(1)~(6)項のいずれかに記載の冷 機用潤滑油組成物、
(8)有機コーティング膜が、ポリテトラフルオ ロエチレンコーティング膜、ポリイミドコー ティング膜、ポリアミドイミドコーティング 膜、又はポリヒドロキシエーテル樹脂とポリ サルホン系樹脂からなる樹脂基材及び架橋剤 を含む樹脂塗料を用いて形成された熱硬化型 絶縁膜である上記(7)項に記載の冷凍機用潤滑 油組成物、
(9)無機コーティング膜が、黒鉛膜、ダイヤモ ンドライクカーボン膜、スズ膜、クロム膜、 ニッケル膜又はモリブデン膜である上記(7)項 に記載の冷凍機用潤滑油組成物、
(10)カーエアコン、電動カーエアコン、ガス ートポンプ、空調、冷蔵庫、自動販売機又 ショーケースの各種給湯システム、あるい 冷凍・暖房システムに用いられる上記(1)~(9) のいずれかに記載の冷凍機用潤滑油組成物
(11)システム内の水分含有量が300質量ppm以下 、残存空気量が10kPa以下である上記(10)項に 載の冷凍機用潤滑油組成物、

(12)上記(1)~(6)のいずれかに記載の冷凍機油組 物を用いた圧縮機、
(13)摺動部分がエンジニアリングプラスチッ からなるもの、又は有機コーティング膜も くは無機コーティング膜を有するものであ 上記(12)に記載の圧縮機、
(14)エンジニアリングプラスチックが、ポリ ミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂 又はポリアセタール樹脂である上記(13)に記 の圧縮機、
(15)有機コーティング膜が、ポリテトラフル ロエチレンコーティング膜、ポリイミドコ ティング膜、ポリアミドイミドコーティン 膜、又はポリヒドロキシエーテル樹脂とポ サルホン系樹脂からなる樹脂基材及び架橋 を含む樹脂塗料を用いて形成された熱硬化 絶縁膜である上記(13)に記載の圧縮機、
(16)無機コーティング膜が、黒鉛膜、ダイヤ ンドライクカーボン膜、スズ膜、クロム膜 ニッケル膜又はモリブデン膜である上記(13) 記載の圧縮機
を提供するものである。

 本発明によれば、地球温暖化係数が低く 特に現行カーエアコンシステムなどに使用 能な冷媒である不飽和フッ化炭化水素化合 等特定の構造を有する冷媒を用いる冷凍機 として使用される、前記冷媒に対する優れ 相溶性を有すると共に、シール性が良好で かつ摺動部分の摩擦係数が低く、しかも安 性に優れる冷凍機用潤滑油組成物、及びこ を用いた圧縮機を提供することができる。

 本発明の冷凍機用潤滑油組成物は、下記の 子式(A)
  C p O q F r R s      ・・・(A)
[式中、Rは、Cl、Br、I又はHを示し、pは1~6、q 0~2、rは1~14、sは0~13の整数である。但し、qが 0の場合は、pは2~6であり、分子中に炭素-炭素 不飽和結合を1以上有する。]
で表される化合物から選ばれる少なくとも1 の含フッ素有機化合物、又は前記含フッ素 機化合物と飽和フッ化炭化水素化合物との 合せを含む冷媒を用いる冷凍機用潤滑油組 物である。

<冷媒>
 前記分子式(A)は、分子中の元素の種類と数 表すものであり、式(A)は、炭素原子Cの数p 1~6の含フッ素有機化合物を表している。炭 数が1~6の含フッ素有機化合物であれば、冷 として要求される沸点、凝固点、蒸発潜熱 どの物理的、化学的性質を有することがで る。
 該分子式(A)において、C p で表されるp個の炭素原子の結合形態は、炭 -炭素単結合、炭素-炭素二重結合等の不飽和 結合、炭素―酸素二重結合などが含まれる。 炭素-炭素の不飽和結合は、安定性の点から 炭素-炭素二重結合であることが好ましく、 の数は1以上であるが、1であるものが好ま い。
 また、分子式(A)において、O q で表されるq個の酸素原子の結合形態は、エ テル基、水酸基又はカルボニル基に由来す 酸素であることが好ましい。この酸素原子 数qは、2であってもよく、2個のエーテル基 水酸基等を有する場合も含まれる。
 また、O q におけるqが0であり分子中に酸素原子を含ま い場合は、pは2~6であって、分子中に炭素- 素二重結合等の不飽和結合を1以上有する。 なわち、C p で表されるp個の炭素原子の結合形態の少な とも1つは、炭素-炭素不飽和結合であること が必要である。
 また、分子式(A)において、Rは、Cl、Br、I又 Hを表し、これらのいずれであってもよいが 、オゾン層を破壊する恐れが小さいことから 、Rは、Hであることが好ましい。
 上記のとおり、分子式(A)で表される含フッ 有機化合物としては、不飽和フッ化炭化水 化合物、フッ化エーテル化合物、フッ化ア コール化合物及びフッ化ケトン化合物など 好適なものとして挙げられる。
 以下、これらの化合物について説明する。

 [不飽和フッ化炭化水素化合物]
 本発明において、冷凍機の冷媒として用い れる不飽和フッ化炭化水素化合物としては 例えば、分子式(A)において、RがHであり、p 2~6、qが0、rが1~12、sは0~11である不飽和フッ 炭化水素化合物が挙げられる。
 このような不飽和フッ化炭化水素化合物と て好ましくは、例えば、炭素数2~6の直鎖状 は分岐状の鎖状オレフィンや炭素数4~6の環 オレフィンのフッ素化物を挙げることがで る。
 具体的には、1~3個のフッ素原子が導入され エチレン、1~5個のフッ素原子が導入された ロペン、1~7個のフッ素原子が導入されたブ ン類、1~9個のフッ素原子が導入されたペン ン類、1~11個のフッ素原子が導入されたヘキ セン類、1~5個のフッ素原子が導入されたシク ロブテン、1~7個のフッ素原子が導入されたシ クロペンテン、1~9個のフッ素原子が導入され たシクロヘキセンなどが挙げられる。
 これらの不飽和フッ化炭化水素化合物の中 は、炭素数2~3の不飽和フッ化炭化水素化合 が好ましく、プロペンのフッ化物がより好 しい。このプロペンのフッ化物としては、 えばペンタフルオロプロペンの各種異性体 3,3,3-トリフルオロプロペン及び2,3,3,3-テト フルオロプロペンなどを挙げることができ が、特に、1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン び2,3,3,3-テトラフルオロプロペンが好適で る。
 本発明においては、この不飽和フッ化炭化 素化合物は、1種を単独で用いてよく、2種 上組合わせて用いてもよい。
 また、炭素数1~2の飽和フッ化炭化水素冷媒 炭素数3の不飽和フッ化炭化水素冷媒との組 合わせも好適に用いられる。このような組合 わせとしては、例えば前記の1,2,3,3,3-ペンタ ルオロプロペンとCH 2 F 2 との組合わせ、1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロ ンとCHF 2 CH 3 との組合わせ、及び前記の2,3,3,3-テトラフル ロプロペンとCF 3 Iとの組合わせなどを挙げることができる。

 [フッ化エーテル化合物]
 本発明において、冷凍機の冷媒として用い れるフッ化エーテル化合物としては、例え 、分子式(A)において、RがHであり、pが2~6、q が1~2、rが1~14、sは0~13であるフッ化エーテル 合物が挙げられる。
 このようなフッ化エーテル化合物として好 しくは、例えば、炭素数が2~6で、1~2個のエ テル結合を有し、アルキル基が直鎖状又は 岐状の鎖状脂肪族エーテルのフッ素化物や 炭素数が3~6で、1~2個のエーテル結合を有す 環状脂肪族エーテルのフッ素化物を挙げる とができる。
 具体的には、1~6個のフッ素原子が導入され ジメチルエーテル、1~8個のフッ素原子が導 されたメチルエチルエーテル、1~8個のフッ 原子が導入されたジメトキシメタン、1~10個 のフッ素原子が導入されたメチルプロピルエ ーテル類、1~12個のフッ素原子が導入された チルブチルエーテル類、1~12個のフッ素原子 導入されたエチルプロピルエーテル類、1~6 のフッ素原子が導入されたオキセタン、1~6 のフッ素原子が導入された1,3-ジオキソラン 、1~8個のフッ素原子が導入されたテトラヒド ロフランなどを挙げることができる

 これらのフッ化エーテル化合物としては、 えばヘキサフルオロジメチルエーテル、ペ タフルオロジメチルエーテル、ビス(ジフル オロメチル)エーテル、フルオロメチルトリ ルオロメチルエーテル、トリフルオロメチ メチルエーテル、ペルフルオロジメトキシ タン、1-トリフルオロメトキシ-1,1,2,2-テトラ フルオロエタン、ジフルオロメトキシペンタ フルオロエタン、1-トリフルオロメトキシ-1,2 ,2,2-テトラフルオロエタン、1-ジフルオロメ キシ-1,1,2,2-テトラフルオロエタン、1-ジフル オロメトキシ-1,2,2,2-テトラフルオロエタン、 1-トリフルオロメトキシ-2,2,2-トリフルオロエ タン、1-ジフルオロメトキシー2,2,2-トリフル ロエタン、ペルフルオロオキセタン、ペル ルオロ-1,3-ジオキソラン、ペンタフルオロ キセタンの各種異性体、テトラフルオロオ セタンの各種異性体などが挙げられる。
 本発明においては、このフッ化エーテル化 物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上 組み合わせて用いてもよい。

 [フッ化アルコール化合物]
 本発明において、冷凍機の冷媒として用い れる分子式(A)で表されるフッ化アルコール 合物としては、例えば、分子式(A)において RがHであり、pが1~6、qが1~2、rが1~13、sは1~13 あるフッ化エーテル化合物が挙げられる。
 このようなフッ化アルコール化合物として ましくは、例えば、炭素数が1~6で、1~2個の 酸基を有する直鎖状又は分岐状の脂肪族ア コールのフッ素化物を挙げることができる
 具体的には、1~3個のフッ素原子が導入され メチルアルコール、1~5個のフッ素原子が導 されたエチルアルコール、1~7個のフッ素原 が導入されたプロピルアルコール類、1~9個 フッ素原子が導入されたブチルアルコール 、1~11個のフッ素原子が導入されたペンチル アルコール類、1~4個のフッ素原子が導入され たエチレングリコール、1~6個のフッ素原子が 導入されたプロピレングリコールなどを挙げ ることができる。

 これらのフッ化アルコール化合物としては 例えばモノフルオロメチルアルコール、ジ ルオロメチルアルコール、トリフルオロメ ルアルコール、ジフルオロエチルアルコー の各種異性体、トリフルオロエチルアルコ ルの各種異性体、テトラフルオロエチルア コールの各種異性体、ペンタフルオロエチ アルコール、ジフルオロプロピルアルコー の各種異性体、トリフルオロプロピルアル ールの各種異性体、テトラフルオロプロピ アルコールの各種異性体、ペンタフルオロ ロピルアルコールの各種異性体、ヘキサフ オロプロピルアルコールの各種異性体、ヘ タフルオロプロピルアルコール、ジフルオ ブチルアルコールの各種異性体、トリフル ロブチルアルコールの各種異性体、テトラ ルオロブチルアルコールの各種異性体、ペ タフルオロブチルアルコールの各種異性体 ヘキサフルオロブチルアルコールの各種異 体、ヘプタフルオロブチルアルコールの各 異性体、オクタフルオロブチルアルコール 各種異性体、ノナフルオロブチルアルコー 、ジフルオロエチレングリコールの各種異 体、トリフルオロエチレングリコール、テ ラフルオロエチレングリコール、さらには フルオロプロピレングリコールの各種異性 、トリフルオロプロピレングリコールの各 異性体、テトラフルオロプロピレングリコ ルの各種異性体、ペンタフルオロプロピレ グリコールの各種異性体、ヘキサフルオロ ロピレングリコールなどのフッ化プロピレ グリコール、及びこのフッ化プロピレング コールに対応するフッ化トリメチレングリ ールなどが挙げられる。
 本発明においては、これらのフッ化アルコ ル化合物は、1種を単独で用いてもよく、2 以上を組合せて用いてもよい。

[フッ化ケトン化合物]
 本発明において、冷凍機の冷媒として用い れるフッ化ケトン化合物としては、例えば 分子式(A)において、RがHであり、pが2~6、qが 1~2、rが1~12、sは0~11であるフッ化ケトン化合 が挙げられる。
 このようなフッ化ケトン化合物として好ま くは、例えば、炭素数が3~6で、アルキル基 直鎖状又は分岐状の脂肪族ケトンのフッ素 物を挙げることができる。
 具体的には、1~6個のフッ素原子が導入され アセトン、1~8個のフッ素原子が導入された チルエチルケトン、1~10個のフッ素原子が導 入されたジエチルケトン、1~10個のフッ素原 が導入されたメチルプロピルケトン類など 挙げられる。

 これらのフッ化ケトン化合物としては、例 ばヘキサフルオロジメチルケトン、ペンタ ルオロジメチルケトン、ビス(ジフルオロメ チル)ケトン、フルオロメチルトリフルオロ チルケトン、トリフルオロメチルメチルケ ン、ペルフルオロメチルエチルケトン、ト フルオロメチル-1,1,2,2-テトラフルオロエチ ケトン、ジフルオロメチルペンタフルオロ チルケトン、トリフルオロメチル-1,1,2,2-テ ラフルオロエチルケトン、ジフルオロメチ -1,1,2,2-テトラフルオロエチルケトン、ジフ オロメチル-1,2,2,2-テトラフルオロエチルケ ン、トリフルオロメチル-2,2,2-トリフルオロ チルケトン、ジフルオロメチル-2,2,2-トリフ ルオロエチルケトンなどが挙げられる。
 本発明においては、これらのフッ化ケトン 合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以 を組み合わせて用いてもよい。

[飽和フッ化炭化水素化合物]
 この飽和フッ化炭化水素化合物は、前記の 子式(A)で表される化合物から選ばれる少な とも1種の含フッ素有機化合物に、必要に応 じて混合することのできる冷媒である。
 この飽和フッ化炭化水素化合物としては、 素数1~4のアルカンのフッ化物が好ましく、 に炭素数1~2のメタンやエタンのフッ化物で るトリフルオロメタン、ジフルオロメタン 1,1-ジフルオロエタン、1,1,1-トリフルオロエ タン、1,1,2-トリフルオロエタン、1,1,1,2-テト フルオロエタン、1,1,2,2-テトラフルオロエ ン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタンが好適で る。また、飽和フッ化炭化水素化合物とし は、上記アルカンのフッ化物を、さらにフ 素以外のハロゲン原子でハロゲン化したも であっても良く、例えば、トリフルオロヨ ドメタン(CF 3 I)などが例示できる。これらの飽和フッ化炭 水素化合物は、1種を単独で用いてよく、2 以上組み合わせて用いてもよい。
 また、当該飽和フッ化炭化水素化合物の配 量は、冷媒全量に基づき、通常30質量%以下 好ましくは20質量%以下、より好ましくは10 量%以下である。

 本発明の冷凍機用潤滑油組成物(以下、冷凍 機油組成物と称することがある。)は、前述 冷媒を用いる冷凍機用の潤滑油組成物であ て、基油として、下記のものが用いられる
 [基油]
 本発明の冷凍機油組成物の基油としては、 ンタエリスリトール、ジベンタエリスリト ル、トリメチロールプロパン及びネオペン ルグリコールの中から選ばれる多価アルコ ルと、炭素数4~20の脂肪族モノカルボン酸と からなるポリオールエステル系化合物が用い られる。炭素数4~20の脂肪族モノカルボン酸 中でも、潤滑性の点からは、炭素数5以上の のが好ましく、炭素数6以上のものがより好 ましく、炭素数8以上のものが特に好ましい また、冷媒との相溶性の点からは、炭素数18 以下のものが好ましく、炭素数12以下のもの より好ましく、炭素数9以下のものがさらに より好ましい。
 また、直鎖状、分岐状の何れであっても良 、潤滑性の点からは直鎖状脂肪族モノカル ン酸が好ましく、加水分解安定性の点から 分岐状脂肪族モノカルボン酸が好ましい。
 更に、飽和脂肪族モノカルボン酸、不飽和 肪族モノカルボン酸の何れであっても良い

 脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、 ンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オク ン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸 ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン 、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプ デカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸 イコサン酸、オレイン酸などの直鎖または 岐のもの、あるいはα炭素原子が4級である わゆるネオ酸などが挙げられる。さらに具 的には、吉草酸(n-ペンタン酸)、カプロン酸 (n-ヘキサン酸)、エナント酸(n-ヘプタン酸)、 プリル酸(n-オクタン酸)、ペラルゴン酸(n-ノ ナン酸)、カプリン酸(n-デカン酸)、オレイン (cis-9-オクタデセン酸)、イソペンタン酸(3- チルブタン酸)、2-メチルヘキサン酸、2-エチ ルペンタン酸、2-エチルヘキサン酸、3,5,5-ト メチルヘキサン酸などが好ましい。
 なお、ポリオールエステル系化合物として 、ポリオールの全ての水酸基がエステル化 れずに残った部分エステルであっても良く 全ての水酸基がエステル化された完全エス ルであっても良く、また部分エステルと完 エステルの混合物であっても良いが、完全 ステルであることが好ましい。
 なお、ペンタエリスリトール、ジペンタエ スリトール、トリメチロールプロパン及び オペンチルグリコールの中から選ばれる多 アルコールと、前記脂肪族モノカルボン酸 のエステルが、ジエステル以上の場合、混 脂肪族モノカルボン酸と多価アルコールと エステルであってもよい。このようなエス ルは、低温特性や冷媒との相溶性に優れる

 本発明の冷凍機油組成物においては、基油 して、前述のポリオールエステル系化合物 中から選ばれる少なくとも1種を主成分とし て含むものが用いられる。ここで主成分とし て含むとは、当該ポリオールエステル系化合 物を50質量%以上の割合で含むことを指す。基 油中の当該ポリオールエステル系化合物の好 ましい含有量は70質量%以上、より好ましい含 有量は90質量%以上、さらに好ましい含有量は 100質量%である。
 本発明における基油は、特に前述した不飽 フッ化炭化水素冷媒用として好適であるが 該冷媒はオレフィン構造を有するため、安 性に劣ることから、基油は、酸価が0.02mgKOH/ g以下で、かつ水酸基価が5mgKOH/g以下であるこ とを要す。好ましい酸価は0.01mgKOH/g以下であ 、好ましい水酸基価は3mgKOH/g以下である。
 また、この基油としては、ASTM色が1以下、 面張力が20mN/m以上、抽出水pHが5.5以上、灰分 が0.1質量%以下、体積抵抗値が10 9 ωm以上であることが好ましい。このような性 状を有する基油は安定性が良好で、優れた電 気絶縁性を有し、好適である。
 当該ポリオールエステル系化合物を製造す に際し、不活性ガス雰囲気でエステル化反 を行うことにより、着色を抑制することが きる。また、反応させる多価アルコールと 肪族モノカルボン酸との割合において、脂 族モノカルボン酸の量が、化学量論的量よ 少ない場合は、水酸基が残存し、水酸基価 上昇し、一方化学量論的量より多い場合は カルボン酸が残存し、酸価が上昇すると共 、抽出水のpHが低下する。したがって、多 アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのモ 比は、最適にすることが望ましく、また、 存するエステル化触媒(灰分)の量は、できる だけ少なくする処理を施すことが望ましい。

 本発明においては、基油の100℃の動粘度は 好ましくは2~50mm 2 /s、より好ましくは3~40mm 2 /s、さらに好ましくは4~30mm 2 /sである。該動粘度が2mm 2 /s以上であれば良好な潤滑性能(耐荷重性)が 揮されると共に、シール性もよく、また50mm 2 /s以下であれば省エネルギー性も良好である
 また、基油の分子量は、300以上であること 好ましく、500~3000がより好ましく、600~2500が さらに好ましい。基油の引火点は200℃以上で あることが好ましい。基油の分子量が300以上 であれば、冷凍機油としての所望の性能を発 揮することができると共に、基油の引火点を 200℃以上にすることができる。さらに、酸化 安定性の面から、蒸発量は5質量%以下である とが好ましい。なお、この蒸発量は熱安定 試験(JIS K 2540)に基づいて測定した値であ 。

 本発明においては、基油として、前記の性 を有していれば、当該ポリオールエステル 化合物と共に、50質量%以下、好ましくは30 量%以下、より好ましくは10質量%以下の割合 、他の基油を含むものを用いることができ が、他の基油を含まないものがさらに好ま い。
 当該ポリオールエステル系化合物と併用で る基油としては、例えばポリオキシアルキ ングリコール類、ポリビニルエーテル類、 リ(オキシ)アルキレングリコール又はその ノエーテルとポリビニルエーテルとの共重 体、他のポリエステル類、ポリカーボネー 類、α-オレフィンオリゴマーの水素化物、 らには鉱油、脂環式炭化水素化合物、アル ル化芳香族炭化水素化合物などを挙げるこ ができる。
 本発明の冷凍機油組成物には、極圧剤、油 剤、酸化防止剤、酸捕捉剤及び消泡剤など 中から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含 有させることができる。
 前記極圧剤としては、リン酸エステル、酸 リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性 リン酸エステル及びこれらのアミン塩など リン系極圧剤を挙げることができる。
 これらのリン系極圧剤の中で、極圧性、摩 特性などの点からトリクレジルホスフェー 、トリチオフェニルホスフェート、トリ(ノ ニルフェニル)ホスファイト、ジオレイルハ ドロゲンホスファイト、2-エチルヘキシルジ フェニルホスファイトなどが特に好ましい。

 また、極圧剤としては、カルボン酸の金属 が挙げられる。ここでいうカルボン酸の金 塩は、好ましくは炭素数3~60のカルボン酸、 さらには炭素数3~30、特に好ましくは12~30の脂 肪酸の金属塩である。また、前記脂肪酸のダ イマー酸やトリマー酸並びに炭素数3~30のジ ルボン酸の金属塩を挙げることができる。 れらのうち炭素数12~30の脂肪酸及び炭素数3~3 0のジカルボン酸の金属塩が特に好ましい。
 一方、金属塩を構成する金属としてはアル リ金属又はアルカリ土類金属が好ましく、 に、アルカリ金属が最適である。
 また、極圧剤としては、さらに、上記以外 極圧剤として、例えば、硫化油脂、硫化脂 酸、硫化エステル、硫化オレフィン、ジヒ ロカルビルポリサルファイド、チオカーバ ート類、チオテルペン類、ジアルキルチオ プロピオネート類などの硫黄系極圧剤を挙 ることができる。
 上記極圧剤の配合量は、潤滑性及び安定性 点から、組成物全量に基づき、通常0.001~5質 量%、特に0.005~3質量%の範囲が好ましい。
 前記の極圧剤は1種を単独で用いてもよく、 2種以上を組合わせて用いてもよい。

 前記油性剤の例としては、ステアリン酸、 レイン酸などの脂肪族飽和及び不飽和モノ ルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸な の重合脂肪酸、リシノレイン酸、12-ヒドロ システアリン酸などのヒドロキシ脂肪酸、 ウリルアルコール、オレイルアルコールな の脂肪族飽和及び不飽和モノアルコール、 テアリルアミン、オレイルアミンなどの脂 族飽和および不飽和モノアミン、ラウリン アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪族飽 及び不飽和モノカルボン酸アミド、グリセ ン、ソルビトールなどの多価アルコールと 肪族飽和又は不飽和モノカルボン酸との部 エステル等が挙げられる。
 これらは1種を単独で用いてもよく、2種以 を組み合わせて用いてもよい。また、その 合量は、組成物全量に基づき、通常0.01~10質 %、好ましくは0.1~5質量%の範囲で選定される 。

 前記酸化防止剤としては、2,6-ジ-tert-ブチ ル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4- チルフェノール、2,2’-メチレンビス(4-メチ -6-tert-ブチルフェノール)等のフェノール系 フェニル-α-ナフチルアミン、N.N’-ジ-フェ ル-p-フェニレンジアミン等のアミン系の酸 防止剤を配合するのが好ましい。酸化防止 は、効果及び経済性などの点から、組成物 に通常0.01~5質量%、好ましくは0.05~3質量%配 する。

 酸捕捉剤としては、例えばフェニルグリシ ルエーテル、アルキルグリシジルエーテル アルキレングリコールグリシジルエーテル フェニルグリシジルエステル、アルキルグ シジルエステル、アルケニルグリシジルエ テル、シクロヘキセンオキシド、α-オレフ ンオキシド、エポキシ化大豆油などのエポ シ化合物を挙げることができる。中でも相 性の点でフェニルグリシジルエーテル、ア キルグリシジルエーテル、アルキレングリ ールグリシジルエーテル、グリシジル-2,2- メチルオクタノエート、グリシジルベンゾ ート、グリシジル-tert-ブチルベンゾエート グリシジルアクリレート、グリシジルメタ リレート、シクロヘキセンオキシド、α-オ フィンオキシドが好ましい。
 このアルキルグリシジルエーテルのアルキ 基、及びアルキレングリコールグリシジル ーテルのアルキレン基は、分岐を有してい もよく、炭素数は通常3~30、好ましくは4~24 特に6~16のものである。また、α-オレフィン キシドは全炭素数が一般に4~50、好ましくは 4~24、特に6~16のものを使用する。本発明にお ては、上記酸捕捉剤は1種を用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。また その配合量は、効果及びスラッジ発生の抑 の点から、組成物に対して、通常0.005~5質量% 、特に0.05~3質量%の範囲が好ましい。

 本発明においては、この酸捕捉剤を配合す ことにより、冷凍機油組成物の安定性を向 させることができる。前記極圧剤及び酸化 止剤を併用することにより、さらに安定性 向上させる効果が発揮される。
 前記消泡剤としては、シリコーン油やフッ 化シリコーン油などを挙げることができる
 本発明の冷凍機油組成物には、本発明の目 を阻害しない範囲で、他の公知の各種添加 、例えばN-[N,N’-ジアルキル(炭素数3~12のア キル基)アミノメチル]トリアゾールなどの 不活性化剤などを適宣配合することができ 。

 本発明の冷凍機油組成物は、前記分子式(A) 表される化合物から選ばれる少なくとも1種 の含フッ素有機化合物、又は前記含フッ素有 機化合物と飽和フッ化炭化水素化合物との組 合わせを含む冷媒を用いた冷凍機に適用され る。特に不飽和フッ化炭化水素化合物を含む 冷媒を用いた冷凍機用に適している。
 本発明の冷凍機油組成物を使用する冷凍機 潤滑方法において、前記各種冷媒と冷凍機 組成物の使用量については、冷媒/冷凍機油 組成物の質量比で99/1~10/90、更に95/5~30/70の範 にあることが好ましい。冷媒の量が上記範 よりも少ない場合は冷凍能力の低下が見ら 、また上記範囲よりも多い場合は潤滑性能 低下し好ましくない。本発明の冷凍機油組 物は、種々の冷凍機に使用可能であるが、 に、圧縮型冷凍機の圧縮式冷凍サイクルに ましく適用できる。

 本発明の冷凍機油組成物が適用される冷凍 は、圧縮機、凝縮器、膨張機構(膨張弁など )及び蒸発器、あるいは圧縮機、凝縮器、膨 機構、乾燥器及び蒸発器を必須とする構成 らなる冷凍サイクルを有するとともに、冷 機油として前述した本発明の冷凍機油組成 を使用し、また冷媒として前述の各種冷媒 使用される。
 ここで乾燥器中には、細孔径0.33nm以下のゼ ライトからなる乾燥剤を充填することが好 しい。また、このゼオライトとしては、天 ゼオライトや合成ゼオライトを挙げること でき、さらにこのゼオライトは、25℃、CO 2 ガス分圧33kPaにおけるCO 2 ガス吸収容量が1.0%以下のものが一層好適で る。このような合成ゼオライトとしては、 えばユニオン昭和(株)製の商品名XH-9、XH-600 を挙げることができる。
 本発明において、このような乾燥剤を用い ば、冷凍サイクル中の冷媒を吸収すること く、水分を効率よく除去できると同時に、 燥剤自体の劣化による粉末化が抑制され、 たがって粉末化によって生じる配管の閉塞 圧縮機摺動部への進入による異常摩耗等の れがなくなり、冷凍機を長時間にわたって 定的に運転することができる。

 本発明の冷凍機油組成物が適用される冷凍 においては、圧縮機内に様々な摺動部分(例 えば軸受など)がある。本発明においては、 の摺動部分として特にシール性の点から、 ンジニアリングプラスチックからなるもの 又は有機コーティング膜もしくは無機コー ィング膜を有するものが用いられる。
 前記エンジニアリングプラスチックとして 、シール性、摺動性、耐摩耗性などの点で 例えばポリアミド樹脂、ポリフェニレンス フィド樹脂、ポリアセタール樹脂などを好 しく挙げることができる。
 また、有機コーティング膜としては、シー 性、摺動性、耐摩耗性などの点で、例えば ッ素含有樹脂コーティング膜(ポリテトラフ ルオロエチレンコーティング膜など)、ポリ ミドコーティング膜、ポリアミドイミドコ ティング膜、さらには、ポリヒドロキシエ テル樹脂とポリサルホン系樹脂からなる樹 基材及び架橋剤を含む樹脂塗料を用いて形 された熱硬化型絶縁膜などを挙げることが きる。
 一方、無機コーティング膜としては、シー 性、摺動性、耐摩耗性などの点で、黒鉛膜 ダイヤモンドライクカーボン膜、ニッケル 、モリブデン膜、スズ膜、クロム膜などが げられる。この無機コーティング膜は、メ キ処理で形成してもよいし、PVD法(物理的気 相蒸着法)で形成してもよい。
 なお、当該摺動部分として、従来の合金系 例えばFe基合金、Al基合金、Cu基合金などか なるものを用いることもできる。

 本発明の冷凍機油組成物は、例えばカーエ コン、電動カーエアコン、ガスヒートポン 、空調、冷蔵庫、自動販売機又はショーケ スなどの各種給湯システム、あるいは冷凍 暖房システムに用いることができる。
 本発明においては、前記システム内の水分 有量は、300質量ppm以下が好ましく、200質量p pm以下がより好ましい。また該システム内の 存空気量は、10kPa以下が好ましく、5kPa以下 より好ましい。
 本発明の冷凍機油組成物は、基油として、 定の含酸素化合物を主成分として含むもの あって、粘度が低くて省エネルギー性の向 を図ることができ、しかもシール性に優れ いる。

 本発明における圧縮機(冷凍機用圧縮機)は 上記冷凍機油組成物を用いた圧縮機である すなわち、冷媒として上記分子式(A)で表さ る化合物から選ばれる少なくとも1種の含フ 素有機化合物、又は前記含フッ素有機化合 と飽和フッ化炭化水素化合物との組み合わ を含む冷媒を用い、上記冷凍機油組成物を いた圧縮機である。
 この圧縮機の摺動部分は、その一部又は全 が、エンジニアリングプラスチックからな もの、又は有機コーティング膜もしくは無 コーティング膜を有するものを用いること 好ましい。摺動部分としては、例えば、斜 式圧縮機においては、斜板とシューとの摺 面、シューとピストンとの摺動部面、ピス ンとシリンダーブロックとの摺動面などの 動部分が挙げられる。
 このような摺動部分の少なくとも一部が、 記エンジニアリングプラスチックからなる の、又は有機コーティング膜もしくは無機 ーティング膜を有するものであることによ 、圧縮機、及び該圧縮機を含む冷凍機のシ ル性が向上し、さらに摺動性、耐摩耗性を めることができる。
 エンジニアリングプラスチック、有機コー ィング膜、及び無機コーティング膜の好ま い例は、前述のとおりである。

 次に、本発明を、実施例により、さらに詳 に説明するが、本発明は、これらの例によ てなんら限定されるものではない。
 なお、基油の性状及び冷凍機油組成物の諸 性は、以下に示す要領に従って求めた。
<基油の性状>
(1)100℃動粘度
 JIS K2283-1983に準じ、ガラス製毛管式粘度計 用いて測定した。
(2)引火点
 JIS K2265に準じ、C.O.C法により測定した。
(3)分子量
 基油を構成する化合物の化学構造に基づく 算値である。
(4)酸価
 JIS K 2501に準拠して測定する。
(5)水酸基価
 JIS K 0070に準拠して測定する。
<冷凍機油組成物の諸特性>
(6)二層分離温度
 二層分離温度測定管(内容積10mL)に油/冷媒(0. 6g/2.4g)を充填し、恒温槽に保持した。恒温槽 温度を室温(25℃)より、温度を1℃/minの割合 上げ、二層分離温度を測定した。
 なお、冷媒は、1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロ ペン(アポロサイエンティフィック・リミッ ド製「PC07052」)を用いた。
(7)安定性(シールドチューブ試験)
 ガラス管に、油/冷媒4mL/1g(水分含有量200ppm) 及び鉄、銅、アルミニウムの金属触媒を充 して封管し、空気圧26.6kPa、温度175℃の条件 にて30日間保持後、油外観、触媒外観、スラ ジの有無を目視観察すると共に、酸価を測 した。冷媒は上記(6)と同じである。
(8)焼付試験
 ピン/ブロック=A4032/AISIC1137、回転数:1200rpm、 荷重:223N、油量:4μL、上記(6)の冷媒:1MPaの条件 で、塗布ファレックス焼付試験を行った。

 冷凍機油組成物の調製に用いた各成分の種 を以下に示す。
 基油として、A1~A23を用いた。各基油の化合 名及び性状を第1表に示す。

[注]
  オクタン酸=2-エチルヘキサン酸
  ノナン酸 =3,3,5-トリメチルヘキサン酸
  基油A1の性状(表中記載以外)=ASTM色L0.5、界 張力34.7mN/m、抽出水pH6.4、灰分<0.1質量%、 積抵抗値10 11 ωm

 また、添加剤として、酸化防止剤B1(2,6-ジ -t-ブチル-4-メチルフェノール)を用いた。

実施例1~9及び比較例1~14
 第2表に示す組成の冷凍機油組成物を調製し 、冷媒として1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペ を用いて、前記組成物の特性を評価した。 の結果を第2表に示す。

 第2表から分かるように、本発明の冷凍機油 組成物(実施例1~9)は、冷媒1,2,3,3,3-ペンタフル オロプロペンに対して、二層分離温度が40℃ 超え、かつ1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン を用いたシールドチューブ試験において安定 性に優れており、また、塗布ファレックス焼 付試験において、焼付時間が長い。

 本発明の冷凍機用潤滑油組成物は、地球 暖化係数が低く、特に現行カーエアコンシ テムなどに使用可能な冷媒である不飽和フ 化炭化水素化合物等特定の構造を有する冷 を用いる冷凍機用として使用され、前記冷 に対する優れた相溶性を有すると共に、シ ル性が良好で、かつ摺動部分の摩擦係数が く、しかも安定性に優れる冷凍機用潤滑油 成物、及びこれを用いた圧縮機を提供する とができる。