YOSHIDA YUKIO (JP)
ODA SUMIHIRO (JP)
TSUBOUCHI TOSHIYUKI (JP)
KOGA HIDETOSHI (JP)
SEKIGUCHI HIROKI (JP)
YOSHIDA YUKIO (JP)
ODA SUMIHIRO (JP)
TSUBOUCHI TOSHIYUKI (JP)
KOGA HIDETOSHI (JP)
WO2005035699A1 | 2005-04-21 | |||
WO2003014268A1 | 2003-02-20 | |||
WO2005035699A1 | 2005-04-21 |
JP2001247492A | 2001-09-11 | |||
JP2000204386A | 2000-07-25 | |||
JP2000017280A | 2000-01-18 |
基油として、下記性状 (a)120℃におけるトラクション係数が、2,4-ジシクロヘキシル-2-メチルペンタンのそれの115%以上、 (b)-40℃における粘度が、2,4-ジシクロヘキシル-2-メチルペンタンの粘度(260Pa・s)以下、及び (c)粘度指数が65以上、 である合成油Iと共に、-40℃における粘度が1Pa・s以下の合成油IIを用い、かつ当該基油の性状が、 (a’)120℃におけるトランクション係数が、2,4-ジシクロヘキシル-2-メチルペンタンのそれの110%以上、 (b’)-40℃における粘度が130Pa・s以下、及び (c’)粘度指数が70以上、 である無段変速機用潤滑油。 |
基油の-40℃における粘度が60Pa・s以下である請求項1に記載の無段変速機用潤滑油。 |
合成油Iが、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合物を二つ含み多重結合を有しない化合物である請求項1に記載の無段変速機用潤滑油。 |
合成油Iが、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合物の二量体の水素化物である請求項1に記載の無段変速機用潤滑油。 |
合成油IIが、下記の一般式(IV)~(IX) で表される炭化水素化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の無段変速機用潤滑油。 |
酸化防止剤、粘度指数向上剤、清浄分散剤、摩擦低減剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、耐摩耗剤、消泡剤及び極圧剤の中から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含む請求項1に記載の無段変速機用潤滑油。 |
本発明は、無段変速機用潤滑油に関し、 らに詳しくは、高温においても高いトラク ョン係数を有し、かつ良好な低温流動性を する、自動車用無段変速機の潤滑油として 適な無段変速機用潤滑油に関するものであ 。
無段変速機(以下、「CVT」と称することがあ
る。)、特に、自動車用CVTはトルク伝達容量
大きく、また温度の変動幅が大きいなど使
条件も過酷なため、十分な動力伝達を達成
るためには、使用する無段変速機用潤滑油
トラクション係数は、使用温度範囲に亘っ
高いことが要求される。したがって、通常
滑油のトラクション係数は油温の上昇につ
て低下することから、無段変速機用潤滑油
トラクション係数の最低値、すなわち高温(1
20℃)でのトラクション係数がCVTの設計値より
十分に高いことが必須である。
また、無段変速機用潤滑油はCVT内で通常の
滑油としての役割を担っているので、高温
も十分な油膜を保持できるだけの高い粘度
有することが必要となる。
一方では北米・北欧等の寒冷地での低温始
性のために低温でも低い粘度を有すること(
低温流動性)が要求される。すなわち、無段
速機用潤滑油は、温度変化による粘度の変
が小さいこと、つまり粘度指数が高いこと
必要である。
このような事情のもとで、本発明者らは、
に、特定の物性を有する合成油を基油とし
使用してなるトラクションドライブ用流体(
特許文献1参照)、及び特定の構造を基本骨格
する炭化水素化合物を少なくとも1種含み、
高温におけるトラクション係数が高く、-40℃
における粘度が低く、かつ粘度指数が高い潤
滑油基油(特許文献2参照)を開示した。
ところで、最近では環境問題への意識の高
りから各国で燃費規制が強化されつつある
この燃費向上のニーズの高まりに応えるた
に、CVTが採用される傾向にある。CVTは無段
に変速できることから、必要な出力トルク
より最適なエンジン回転数を選択すること
でき、燃費向上効果が大きい。CVTには金属
ルト方式、チェーン方式、トラクションド
イブ方式等があり、いずれの方式でも高い
達効率が求められる。そこでトラクション
数の高い潤滑油を開発し、伝達効率を向上
せることが必要となる。
また、CVTは無段階に変速するため、変速シ
ックがなく、シフトアップ時のエンジン回
数の落ち込みがないので加速性能が向上し
ドライバビリティーに優れている。
さらに、CVTは大型自動車やトラックにも搭
される例が増えている。このような大型車
高トルク容量であるため、今まで以上に高
トラクション係数をもつ潤滑油の開発が望
れる。
本発明は、このような状況下で、高温に いても高いトラクション係数を有し、かつ 好な低温流動性を有する、自動車用無段変 機の潤滑油として好適な無段変速機用潤滑 を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記の好ましい性質を有す
無段変速機用潤滑油を開発すべく鋭意研究
重ねた結果、基油として、特定の性状を有
る合成油を用いることにより、その目的を
成し得ることを見出した。本発明は、かか
知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)基油として、下記性状
(a)120℃におけるトラクション係数が、2,4-ジ
クロヘキシル-2-メチルペンタンのそれの115%
上、
(b)-40℃における粘度が、2,4-ジシクロヘキシ
-2-メチルペンタンの粘度(260Pa・s)以下、及び
(c)粘度指数が65以上、
である合成油Iと共に、-40℃における粘度が1P
a・s以下の合成油IIを用い、かつ当該基油の
状が、
(a’)120℃におけるトランクション係数が、2,4
-ジシクロヘキシル-2-メチルペンタンのそれ
110%以上、
(b’)-40℃における粘度が130Pa・s以下、及び
(c’)粘度指数が70以上、
である無段変速機用潤滑油、
(2)基油の-40℃における粘度が60Pa・s以下であ
上記(1)に記載の無段変速機用潤滑油、
(3)合成油Iが、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合
を二つ含み多重結合を有さない化合物であ
上記(1)又は(2)に記載の無段変速機用潤滑油
(4)合成油Iが、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環化合
の二量体の水素化物である上記(1)~(3)のいず
れかに記載の無段変速機用潤滑油、
(5)合成油IIが、下記の一般式(IV)~(IX)
で表される炭化水素化合物から選ばれる少な
くとも1種の化合物である上記(1)~(4)のいずれ
に記載の無段変速機用潤滑油、
(6)酸化防止剤、粘度指数向上剤、清浄分散剤
、摩擦低減剤、金属不活性化剤、流動点降下
剤、耐摩耗剤、消泡剤及び極圧剤の中から選
ばれる少なくとも1種の添加剤を含む上記(1)~(
5)のいずれかに記載の無段変速機用潤滑油、
を提供するものである。
本発明によれば、高温においても高いト クション係数を有し、かつ良好な低温流動 を有する、自動車用無段変速機の潤滑油と て好適な無段変速機用潤滑油を提供するこ ができる。
本発明の無段変速機用潤滑油(以下、単に「
本発明の潤滑油」と称することがある。)は
基油として、下記性状
(a)120℃におけるトラクション係数が、2,4-ジ
クロヘキシル-2-メチルペンタンのそれの115%
上、
(b)-40℃における粘度が、2,4-ジシクロヘキシ
-2-メチルペンタンの粘度(260Pa・s)以下、及び
(c)粘度指数が65以上、
を有する合成油Iと共に、-40℃における粘度
1Pa・s以下の合成油IIを用い、かつ当該基油
特定の性状を有するものを用いることを特
とする。
本発明の潤滑油において、基油を構成する
成油Iは、120℃におけるトラクション係数が
、2,4-ジシクロヘキシル-2-メチルペンタン(以
、DC2MPと略記することがある。)のそれの115%
以上であることを要す。DC2MPは、産業用トラ
ションドライブ流体の基油として市販され
いる。合成油Iのトラクション係数が、DC2MP
それの115%未満であると、高温におけるトラ
クション係数が低く、後述する低粘度の合成
油IIを混合したときに、さらにトラクション
数が低くなり、高トルク容量車への搭載が
可能となる。またCVTの設計値を高くするこ
ができず、伝達効率が悪い。
前記トラクション係数は、DC2MPのそれの120%
上がより好ましい。その上限は他の性能を
足すれば特に制限はない。
なお、前記トラクション係数は、下記の方
で測定して求めた値である。
<トラクション係数の測定>
120℃でのトラクション係数の測定は二円筒
がり滑り摩擦試験機にて行った。すなわち
接している同じサイズの円筒(直径52mm、厚
6mmで被駆動側は曲率半径10mmのタイコ型、駆
側はクラウニングなしのフラット型)の一方
を一定速度で、他方の回転速度を連続的に変
化させ、両円筒の接触部分に錘により98.0Nの
重を与えて、両円筒間に発生する接線力、
ちトラクション力を測定し、トラクション
数を求めた。この円筒は軸受鋼SUJ-2鏡面仕
げでできており、平均周速6.8m/s、最大ヘル
接触圧は1.23GPaであった。また、流体温度(油
温)120℃でのトラクション係数を測定するに
たっては、油タンクをヒーターで加熱する
とにより、油温を40℃から140℃まで昇温させ
、すべり率5%におけるトラクション係数を求
た。
当該合成油Iは、-40℃における粘度が、DC2MP
粘度(260Pa・s)以下であることを要す。この
度が、DC2MPの粘度(260Pa・s)を超えると、北米
北欧などの寒冷地においては、使用しにく
。-40℃における粘度は、好ましくは130Pa・s
下、より好ましくは100Pa・s以下、さらに好
しくは60Pa・s以下である。
このように、-40℃における粘度を低くする
は、後述の低粘度の合成油IIを少量加え、
ラクション係数の低下を抑制すると共に、
度を下げることが望ましい。
なお、前記-40℃における粘度は、ASTM D2983
準拠し、ブルックフィールド粘度を測定し
値である。
当該合成油Iは、粘度指数が65以上であるこ
を要す。この粘度指数が65未満であれば、
温時での粘度が不足し、油膜切れを起こす
因となる。該粘度指数は、好ましくは70以上
、より好ましくは75以上、さらに好ましくは8
0以上である。
なお、前記粘度指数は、JIS K 2283に規定さ
る「石油製品動粘度試験方法」に準拠して
定した値である。
本発明の無段変速機用潤滑油においては、
油として、前記合成油Iと共に、-40℃におけ
る粘度が1Pa・s以下の合成油IIを用い、かつ当
該基油の性状が、
(a’)120℃におけるトラクション係数が、好ま
しくはDC2MPのそれの110%以上、より好ましくは
115%以上、
(b’)-40℃における粘度が、好ましくは130Pa・s
以下、より好ましくは100Pa・s以下、さらに好
ましくは60Pa・s以下、及び
(c’)粘度指数が、好ましくは70以上、より好
しくは75以上、さらに好ましくは80以上、
であることが必要である。
[合成油I]
本発明の潤滑油において、基油を構成する
成油Iとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環
合物を二つ含み、かつ多重結合を有しない
合物が好ましい。具体的には、例えば、ビ
クロ[2.2.1]ヘプタン環を二つ有し、かつ炭素
1~3のアルキル基(好ましくはメチル基)が1以
置換していてもよい化合物であって、分子
が200~400のものが挙げられる。
なお、多重結合を有さない化合物とは、二
結合、三重結合、及び芳香族結合などを含
ない化合物であり、通常製造過程で水素化
程を経ることによって得ることができるも
である。
このような化合物の中で、特にビシクロ[2.2
.1]ヘプタン環化合物の二量体の水素化物が好
ましい。
このような化合物としては、例えば下記一
式(I)
(式中、R 1
及びR 2
は、それぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基、
R 3
は側鎖にメチル基もしくはエチル基が置換し
ていてもよいメチレン基、エチレン基又はト
リメチレン基を示し、s及びtは、それぞれ0~3
整数、uは0又は1を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。
前記一般式(I)で表される化合物の中でも、
記一般式(I-a)
(式中、qは1又は2の整数を示し、rは2又は3の
数を示す。)
で表される化合物が特に好ましい。
前記一般式(I-a)で表される化合物としては
例えば下記式(II)
で表されるendo-2-メチル-exo-3-メチル-exo-2-〔(ex
o-3-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-exo-2-イル)メ
ル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及びendo-2-メチル
-exo-3-メチル-exo-2-〔(exo-2-メチルビシクロ[2.2.1
]ヘプト-exo-3-イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘ
タン、並びに式(III)で表されるendo-2-メチル-e
xo-3-メチル-exo-2-〔(endo-3-メチルビシクロ[2.2.1]
ヘプト-endo-2-イル)メチル〕ビシクロ[2.2.1]ヘ
タン及びendo-2-メチル-exo-3-メチル-exo-2-〔(endo
-2-メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト-endo-3-イル)
チル〕ビシクロ[2.2.1]ヘプタンを好ましく挙
げることができる。
当該合成油Iは、1種を単独で用いてもよく
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[合成油II]
本発明の潤滑油において、基油を構成する
成油IIとしては、下記一般式(IV)~(IX)
(式中、R 4
及びR 5
は、それぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基を
示し、k及びmはそれぞれ独立に0~6の整数を示
、nは0~2の整数を示す。また、R 4
、R 5
が複数ある場合には、複数のR 4
、R 5
は同一でも異なっていてもよい。)
で表される炭化水素化合物が好ましい。
一般式(IV)~(IX)で表される炭化水素化合物に
、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの2位と6位、また
3位と5位が結合した構造のものも含まれる
また、R 4
、R 5
のアルキル基としては、メチル基、エチル基
、n‐プロピル基、イソプロピル基を挙げる
とができる。
前記一般式(IV)~(IX)で表される炭化水素化合
の具体例としては、例えば4,8,8,9-テトラメ
ルデカヒドロ-1,4-メタノアズレン、1,1,5,5-テ
ラメチルオクタヒドロ-2H-2,4a-メタノナフタ
ン、4-イソプロピル-1,7a-ジメチル-オクタヒ
ロ-1,4-メタノ-インデン、4,7a、9,9-テトラメ
ル-オクタヒドロ-1,3a-エタノ-インデン、1,1,5,
5,8-ペンタメチル-オクタヒドロ-2,4a-メタノ-ナ
フタレン、スピロ[1,2,7,7-テトラメチル-ビシ
ロ[2.2.1]ヘプタン-3,1’-シクロペンタン、ス
ロ[1,2,7,7-テトラメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン-3,1’-シクロヘキサンを挙げることができ
。
当該合成油IIは、1種を単独で用いてもよく
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の潤滑油においては、当該合成油II
使用量は、必要とされる-40℃における粘度
よって決められるが、その使用量が多けれ
多いほどトラクション係数が低下するため
基油全量に基づき、3~20質量%が好ましく、5~1
5質量%がより好ましい。
本発明の無段変速機用潤滑油においては、
油に、本発明の効果が損なわれない範囲で
トラクションドライブ用流体として、従来
いられているその他の化合物を適宜含有さ
ることができる。また、本発明の潤滑油に
、本発明の効果が損なわれない範囲で、各
添加成分、例えば酸化防止剤、粘度指数向
剤、清浄分散剤、摩擦低減剤、金属不活性
剤、流動点降下剤、耐摩耗剤、消泡剤及び
圧剤の中から選ばれる少なくとも1種を含有
させることができる。
[任意添加成分]
任意添加成分としては、例えば酸化防止剤
して、アルキル化ジフェニルアミン,フェニ
ル-α-ナフチルアミンなどのアミン系化合物
2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール,4,4’-メ
レンビス-(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)などの
ェノール系化合物;粘度指数向上剤として、
ポリメチルメタクリレート系,ポリイソブチ
ン系,エチレン-プロピレン共重合体系,スチ
ン-イソプレン共重合体系,スチレン-ブタジ
ン水添共重合体系を挙げることができる。
さらに、清浄分散剤として、アルカリ土 金属スルホネート, アルカリ土類金属フェ ート,アルカリ土類金属サリチレート,アル リ土類金属ホスホネート等の金属系清浄剤 並びにアルケニルコハク酸イミド,ベンジル ミン,アルキルポリアミン,アルケニルコハ 酸エステル等の無灰系分散剤;摩擦低減剤と ては、脂肪族アルコール,脂肪酸,脂肪酸エ テル,脂肪族アミン,脂肪酸アミン塩,脂肪酸 ミド;金属不活性化剤として、ベンゾトリア ール,チアジアゾール,アルケニルコハク酸 ステル;流動点降下剤として、ポリアルキル タクリレート,ポリアルキルスチレン;耐摩 剤としては、MoDTP,MoDTCなどの有機モリブデン 化合物、ZnDTPなどの有機亜鉛化合物、アルキ メルカプチルボレートなどの有機ホウ素化 物、グラファイト,二硫化モリブデン,硫化 ンチモン,ホウ素化合物,ポリテトラフルオロ エチレンなどの固体潤滑剤系耐摩耗剤;消泡 として、ジメチルポリシロキサン,ポリアク レート;極圧剤として、硫化油脂,ジフェニ スルフィド,メチルトリクロロステアレート, 塩素化ナフタレンなどを挙げることができる 。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細
説明するが、本発明は、これらの例によっ
なんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた流体の性状は、以下
示す方法に従って測定した。
(1)動粘度
JIS K 2283に準拠し、40℃、100℃における動
度を測定する。
(2)粘度指数
JIS K 2283に準拠して測定する。
(3)ブルックフィールド粘度
ASTM D2983に準拠し、-40℃における粘度を測
する。
(4)15℃密度
JIS K 2249に準拠して測定する。
(5)トラクション係数
明細書本文記載の方法に従って測定する。
(6)2,4-ジシクロヘキシル-2-メチルペンタンと
トラクション係数の比
下記の式により、%で表示した。
〔(各流体の120℃におけるトラクション係数
)×100〕/(2,4-ジシクロヘキシル-2-メチルペンタ
ンの120℃におけるトラクション係数)
製造例1 合成油I:流体1の製造
(1)原料オレフィンの調製
2Lのステンレス製オートクレーブに、クロ
ンアルデヒド561g(8モル)及びジシクロペンタ
エン352g(2.67モル)を仕込み、170℃で3時間攪
して反応させた。
反応溶液を室温まで冷却した後、スポンジ
ッケル触媒〔川研ファインケミカル(株)製,M
-300T〕18gを加え、水素圧0.9MPa・G、反応温度150
℃で4時間水素化を行った。冷却後、触媒を
別した後、濾液を減圧蒸留し、105℃/2.66kPa留
分565gを得た。この留分をマススペクトル,核
気共鳴スペクトルで分析した結果、この留
は2-ヒドロキシメチル-3-メチルビシクロ〔2.
2.1〕ヘプタン及び3-ヒドロキシメチル-2-メチ
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンであることが確
された。次いで、外径20mm,長さ500mmの石英ガ
ス製流通式常圧反応管に、γ-アルミナ〔日
化学(株)製,N612N〕20gを入れ、反応温度285℃,
量空間速度(WHSV)1.1hr -1
で脱水反応を行い、2-メチレン-3-メチルビシ
ロ〔2.2.1〕ヘプタン及び3-メチレン-2-メチル
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン55質量%、2,3-ジメチ
ルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト-2-エン30質量%を含
する2-ヒドロキシメチル-3-メチルビシクロ
2.2.1〕ヘプタンと3-ヒドロキシメチル-2-メチ
ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの脱水反応生成物490
gを得た。
(2)二量体の調製
1Lの四つ口フラスコに三フッ化ホウ素ジエ
ルエーテル錯体8g、及び上記(1)で得たオレフ
ィン化合物400gを入れ、メカニカルスターラ
を用いて攪拌しながら、0℃で6時間二量化反
応を行った。この反応混合物を希NaOH水溶液
飽和食塩水で洗浄した。
(3)水素化工程
1Lオートクレーブに上記(2)で得たオレフィ
化合物300g及び水素化用ニッケル/ケイソウ土
触媒〔日揮化学(株)製,N-113〕12gを加え、水素
3MPa・G,反応温度180℃,反応時間2時間の条件
水素化反応を行った。反応終了後、濾過に
り触媒を除き、濾液を減圧で蒸留すること
より、目的とする二量体水素化物240gを得た(
合成油I:流体1)。流体1の一般性状及びトラク
ョン係数の測定結果を表1に示す。
製造例2 合成油I:流体2の製造
二量体の調製までは、流体1と同様に実施し
た。
1Lオートクレーブにイソオクタン200ml及び水
素化用ニッケル/ケイソウ土触媒〔堺化学(株)
製,SN-750〕9.0gを加え、水素圧3MPa・G,反応温度1
80℃,反応時間1時間の条件で触媒を活性化し
。それに上記で得たオレフィン化合物300gを
え、水素圧3MPa・G,反応温度80℃,反応時間5時
間水素化反応を行った。さらに10質量%Pd-C 9.0
gを加え、水素圧3MPa・G 、反応温度150℃で1時
間反応した。反応終了後、濾過により触媒を
除き、濾液を減圧で蒸留することにより、目
的とする二量体水素化物240g(合成油I:流体2)を
得た。流体2の一般性状及びトラクション係
の測定結果を表1に示す。
製造例3 合成油I:流体3の製造
前記流体2を充填材を詰めた40mmφ、120cmのカ
ムで精密蒸留し、沸点137-139℃/266Paの留分を
21%の収率で得た(合成油I:流体3)。流体3の一般
性状及びトラクション係数の測定結果を表1
示す。
流体1~3は、いずれも従来にない高いトラ ション係数を有し、粘度指数も高く、かつ 温粘度がDC2MPより低い。
製造例4 流体Aの製造
純度80質量%ロンギフォーレン〔Honghe Fine Ch
emical社製〕1000gと水添用ニッケル/ケイソウ土
触媒(日揮化学社製、N-113)30gを2Lオートクレー
ブに入れ、水素圧3MPa・G、反応温度180℃で3時
間水素化を行った。反応終了後濾過により触
媒を除き、精密蒸留することにより、目的と
するロンギフォーレン水素化物700gを得た(合
油II:流体A:4,8,8,9-テトラメチルデカヒドロ-1,
4-メタノアズレン)。流体Aの一般性状及びト
クション係数の測定結果を表2に示す。
実施例1 流体4の製造
製造例4の流体Aを含有量が全質量の8質量%と
なるように流体1に混合して、流体4を製造し
。流体4の一般性状及びトラクション係数の
測定結果を表2に示す。
実施例2 流体5の製造
製造例4の流体Aを含有量が全質量の15質量%
なるように流体1に混合して、流体5を製造し
た。流体5の一般性状及びトラクション係数
測定結果を表2に示す。
実施例3 流体6の製造
製造例4の流体Aを含有量が全質量の8質量%と
なるように流体2に混合して、流体6を製造し
。流体6の一般性状及びトラクション係数の
測定結果を表2に示す。
実施例4 流体7の製造
製造例4の流体Aを含有量が全質量の15質量%
なるように流体2に混合して、流体7を製造し
た。流体7の一般性状及びトラクション係数
測定結果を表2に示す。
製造例5 流体Bの製造
5L四つ口フラスコに製造例4と同じロンギフ
ーレン1000g、酢酸500mlを入れ、20℃で攪拌し
がら三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体5
00mlを4時間で滴下して異性化を行った。この
応混合物を氷水、飽和炭酸水素ナトリウム
溶液、飽和食塩水で洗浄し、蒸留精製後、2
Lオートクレーブに水添用パラジウム-カーボ
触媒18gと共に加え、水素化を行った(水素圧
3MPa・G、反応温度100℃、反応時間 3時間)。
応終了後、濾過により触媒を除き、精密蒸
することにより、目的とするロンギフォー
ン異性化水素化物600g(合成油II:流体B:1,1,5,5-
トラメチルオクタヒドロ-2,4a-メタノナフタ
ン)を得た。流体Bの一般性状及びトラクシ
ン係数の測定結果を表3に示す。
実施例5 流体8の製造
製造例5の流体Bを含有量が全質量の8質量%と
なるように流体1に混合して、流体8を製造し
。流体8の一般性状及びトラクション係数の
測定結果を表3に示す。
実施例6 流体9の製造
製造例5の流体Bを含有量が全質量の15質量%
なるように流体1に混合して、流体9を製造し
た。流体9の一般性状及びトラクション係数
測定結果を表3に示す。
実施例7 流体10の製造
製造例5の流体Bを含有量が全質量の8質量%と
なるように流体2に混合して、流体10を製造し
た。流体10の一般性状及びトラクション係数
測定結果を表3に示す。
実施例8 流体11の製造
製造例5の流体Bを含有量が全質量の15質量%
なるように流体2に混合して、流体11を製造
た。流体11の一般性状及びトラクション係数
の測定結果を表3に示す。
製造例6 流体Cの製造
2L四つ口フラスコに製造例4と同じロンギフ
ーレン1000g、ブロム酢酸100gを入れ、170℃で1
8時間反応を行った。この反応混合物を飽和
酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、蒸
精製後、2Lオートクレーブに水添用パラジウ
ム-カーボン触媒18gと共に加え、水素化を行
た(水素圧 6MPa・G,反応温度 100℃、反応時間
2時間)。反応終了後、濾過により触媒を除
、精密蒸留することにより、目的とする2-イ
ソプロピル-1,7a―ジメチル-オクタヒドロ-1,4-
タノ-インデン200g(合成油II:流体C)を得た。
体Cの一般性状及びトラクション係数の測定
果を表4に示す。
実施例9 流体12の製造
製造例6の流体Cを含有量が全質量の8質量%に
なるように流体1に混合して、流体12を製造し
た。流体12の一般性状及びトラクション係数
測定結果を表4に示す。
実施例10 流体13の製造
製造例6の流体Cを含有量が全質量の8質量%と
なるように流体2に混合して、流体13を製造し
た。流体13の一般性状及びトラクション係数
測定結果を表4に示す。
製造例7 流体Dの製造
3L四つ口フラスコにジエチルエーテル680mlを
入れ、0℃で濃硫酸360g、β―カリオフィレン(
京化成工業社製試薬)920gをゆっくりと滴下
た。20時間後、水酸化ナトリウム水溶液で洗
浄し、水蒸気蒸留により反応混合物を取り出
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
よる分離、さらに精密蒸留を行い、β―カリ
フィレン異性化物100gを得た。これをヘキサ
ンで300mlに希釈し、1Lオートクレーブに水添
パラジウム-カーボン触媒9gと共に加え、水
化を行った(水素圧 6MPa・G,反応温度 100℃、
反応時間 1時間)。反応終了後、濾過により
媒を除き、濾液を減圧で蒸留することによ
、目的とする4,7a,9,9-テトラメチル-オクタヒ
ロ-1,3a-エタノ-インデン95g(合成油II:流体D)を
得た。流体Dの一般性状及びトラクション係
の測定結果を表5に示す。
実施例11 流体14の製造
製造例7の流体Dを含有量が全質量の8質量%に
なるように流体1に混合して、流体14を製造し
た。流体14の一般性状及びトラクション係数
測定結果を表5に示す。
実施例12 流体15の製造
製造例7の流体Dを含有量が全質量の8質量%と
なるように流体2に混合して、流体15を製造し
た。流体15の一般性状及びトラクション係数
測定結果を表5に示す。
製造例8 流体Eの製造
2L四つ口フラスコにロンギフォーレン500g、
酸250mlを入れ、20℃で撹拌しながら、三フッ
化ホウ素ジエチルエーテル錯体250mlを4時間で
滴下して異性化反応を行った。この反応混合
物を氷水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、
飽和食塩水で洗浄し、蒸留精製後、塩化メチ
レン1800mlと0.5モル/L炭酸水素ナトリウム水溶
900mlに混合し、10℃以下で3-クロロ過安息香
400gをゆっくりと加えた。反応終了後、1モ
/L水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄し、減
圧濃縮により得られる粗生成物をトルエン3L
溶解させ、5℃以下で三フッ化ホウ素ジエチ
ルエーテル錯体260mlをゆっくりと滴下した。
応終了後、水で洗浄し、蒸留精製すること
1,1,5,5-テトラメチルヘキサヒドロ-2H-2,4a-メ
ノ-ナフタレン-8-オン270gを得た。これを2.1モ
ル/Lメチルリチウム/ジエチルエーテル溶液640
ml中に5℃以下で滴下し、アルキル化を行い、
反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液、
水で洗浄した。この反応生成物を1Lオートク
ーブに水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日
化学社製、N-113)30g共に加え、脱水水素化を
った(水素圧 6MPa・G、反応温度 250℃、反応
間 6時間)。
反応終了後、濾過により触媒を除き、濾液
減圧で蒸留することにより、目的とする1,1,
5,5,8-ペンタメチルオクタヒドロ-2H-2,4a-メタノ
-ナフタレン240g(合成油II:流体E)を得た。流体D
の一般性状及びトラクション係数の測定結果
を表6に示す。
実施例13 流体16の製造
製造例8の流体Eを含有量が全質量の8質量%と
なるように流体1に混合して、流体16を製造し
た。流体16の一般性状及びトラクション係数
測定結果を表6に示す。
実施例14 流体17の製造
製造例8の流体Eを含有量が全質量の15質量%
なるように流体1に混合して、流体17を製造
た。流体17の一般性状及びトラクション係数
の測定結果を表6に示す。
製造例9 流体Fの製造
2L四つ口フラスコに、ヘキサン600ml、ソジウ
ムアミド195gを入れ、懸濁液を加熱還流した
カンファー304g、1,4-ジブロモブタン628gを600ml
のヘキサンに溶かした溶液を1時間かけて滴
し、そのまま13時間加熱還流した。反応物を
10質量%硫酸水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで
抽出し、有機層を乾燥、濃縮後、減圧蒸留し
、スピロ[1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプ
タン-2-オン-3.1’-シクロペンタン]326gを得た
2L四つ口フラスコにスピロ[1,7,7-トリメチル-
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン-3.1’-シクロペ
ンタン]206g及びジエチルエーテル600mlを入れ
室温で2.1モル/Lメチルリチウム/ジエチルエ
テル溶液600mlを1時間かけて滴下し、室温に
6時間反応した。
反応物を10質量%硫酸水溶液に注ぎ込み、酢
エチルで抽出し、有機層を乾燥、濃縮し、
渣を2Lナスフラスコに入れ、トルエン1L及び
p-トルエンスルホン酸1.8gを加え、2時間脱水
応を行った。飽和炭酸水素ナトリウム水で
い、有機層を乾燥、濃縮し、スピロ[1,7,7-ト
メチル-2-メチレン-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3
.1’-シクロペンタン]204gを得た。それをヘキ
ンに溶かし600mlとし、水添用パラジウム-カ
ボン触媒18gを加え、2Lオートクレーブで水
化した(水素圧 4MPa・G,反応温度 40℃、反応
間 6時間)。反応物を濾過し、濃縮後減圧蒸
留し、スピロ[1,2,7,7-テトラメチル-ビシクロ[2
.2.1]ヘプタン-3.1’-シクロペンタン]190g(合成
II:流体F)を得た。流体Fの一般性状及びトラ
ション係数の測定結果を表7に示す。
実施例15 流体18の製造
製造例9の流体Fを含有量が全質量の8質量%と
なるように流体1に混合して、流体18を製造し
た。流体18の一般性状及びトラクション係数
測定結果を表7に示す。
実施例16 流体19の製造
製造例7の流体Fを含有量が全質量の8質量%と
なるように流体2に混合して、流体19を製造し
た。流体19の一般性状及びトラクション係数
測定結果を表7に示す。
製造例10 流体Gの製造
2L四つ口フラスコに、ヘキサン600ml、ソジウ
ムアミド195gを入れ、懸濁液を加熱還流した
カンファー304g、1,5-ジブロモペンタン690gを60
0mlのヘキサンに溶かした溶液を1時間かけて
下し、そのまま13時間加熱還流した。反応物
を10質量%硫酸水溶液に注ぎ込み、酢酸エチル
で抽出し、有機層を乾燥、濃縮後、減圧蒸留
し、スピロ[1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘ
プタン-2-オン-3,1’-シクロヘキサン]250gを得
。
2L四つ口フラスコにスピロ[1,7,7-トリメチル-
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン-3,1’-シクロヘ
キサン]220g及びジエチルエーテル600mlを入れ
室温で2.1モル/Lメチルリチウム/ジエチルエ
テル溶液600mlを1時間かけて滴下し、室温に
6時間反応した。
反応物を10質量%硫酸水溶液に注ぎ込み、酢
エチルで抽出し、有機層を乾燥、濃縮し、
渣を2Lナスフラスコに入れ、トルエン1L及び
p-トルエンスルホン酸1.2gを加え、2時間脱水
応を行った。飽和炭酸水素ナトリウム水で
い、有機層を乾燥、濃縮し、スピロ[1,7,7-ト
メチル-2-メチレン-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3
、1’-シクロヘキサン]150gを得た。それをヘ
サンに溶かし600mlとし、水添用パラジウム-
ーボン触媒18gを加え、2Lオートクレーブで水
素化した(水素圧 4MPa・G,反応温度 40℃、反
時間 6時間)。反応物を濾過し、濃縮後減圧
留し、スピロ[1,2,7,7-テトラメチル-ビシクロ
[2.2.1]ヘプタン-3,1’-シクロヘキサン]80g(合成
II:流体G)を得た。流体Gの一般性状及びトラ
ション係数の測定結果を表8に示す。
実施例17 流体20の製造
製造例10の流体Gを含有量が全質量の8質量%
なるように流体1に混合して、流体20を製造
た。流体20の一般性状及びトラクション係数
の測定結果を表8に示す。
実施例18 流体21の製造
製造例10の流体Gを含有量が全質量の15質量%
なるように流体1に混合して、流体21を製造
た。流体21の一般性状及びトラクション係
の測定結果を表8に示す。
実施例1~17の流体は、いずれも高いトラク ション係数を有し、かつ粘度指数が高く、低 温粘度も低い。
比較例1 流体22製造(WO2003/014268に記載)
還流冷却器、攪拌装置および温度計を備え
500mlの四つ口フラスコに活性白土(水澤化学
業(株)製「ガレオンアースNS」)4g、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル10g及びα-メ
チルスチレン200gを入れ、反応温度105℃に加
し、4時間攪拌した。反応終了後、生成液を
スクロマトグラフィーで分析して、転化率7
0%、目的物α-メチルスチレン線状二量体の選
率95%、副生成物α-メチルスチレン環状二量
の選択率1%、三量体等の高沸点物選択率4%で
あることが分かった。この反応混合物を1Lオ
トクレーブに水添用ニッケル/ケイソウ土触
媒(日揮化学(株)製,「N-113」)15gを加え,水素化
行った(水素圧3MPa・G、反応温度250℃,反応時
間5時間)。反応物を濾過し、濃縮後、減圧蒸
を行うことにより、99%純度のα-メチルスチ
ン線状二量体水素化物すなわち2,4-ジシクロ
ヘキシル-2-メチルペンタン125g(流体22)を得た
流体22の一般性状及びトラクション係数の
定結果を表9に示す。
流体22はトラクション係数、粘度指数が低
かつ低温粘度が高い。
比較例2 流体23の製造(特開2000-17280に記載)
(1)原料オレフィンの調製
1Lのステンレス製オートクレーブに、クロ
ンアルデヒド350.5g(5モル)及びジシクロペン
ジエン198.3g(1.5モル)を仕込み、170℃で2時間
拌して反応させた。反応溶液を室温まで冷
した後、5質量%ルテニウム-カーボン触媒〔NE
ケムキャット(株)製〕22gを加え、水素圧7MPa・
G、反応温度180℃で4時間水素化を行った。冷
後、触媒を濾別した後、濾液を減圧蒸留し
70℃/120Pa留分242gを得た。この留分をマスス
クトル,核磁気共鳴スペクトルで分析した結
果、この留分は2-ヒドロキシメチル-3-メチル
シクロ〔2.2.1〕ヘプタンであることが確認
れた。次いで、外径20mm,長さ500mmの石英ガラ
製流通式常圧反応管に、γ-アルミナ〔日化
工(株)製,ノートンアルミナSA-6273〕15gを入れ
、反応温度270℃,質量空間速度(WHSV)1.07hr‐ 1
で脱水反応を行い、2-メチレン-3-メチルビ
クロ〔2.2.1〕ヘプタン65質量%
及び2,3-ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト-2-エ
ン28質量%を含有する2-ヒドロキシメチル-3-メ
ルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンの脱水反応生
物196gを得た。
(2)二量体水素化物の調製
500mlの四つ口フラスコに活性白土〔水澤化
(株)製ガレオンアースNS〕9.5g及び上記(1)で得
たオレフィン化合物190gを入れ、145℃で3時間
拌して二量化反応を行った。この反応混合
から活性白土を濾過した後、1Lオートクレ
ブに水素化用ニッケル/ケイソウ土触媒〔日
化学(株)製,N-113〕6gを加え、水素圧4MPa・G、
応温度160℃、反応時間4時間の条件で水素化
反応を行った。反応終了後、濾過により触媒
を除き、濾液を減圧で蒸留することにより、
目的とする沸点126~128℃/27Pa留分の二量体水素
化物116g(流体23)を得た。この二量体水素化物
一般性状及びトラクション係数の測定結果
表9に示す。
流体23は粘度指数が低い。
比較例3 流体24の製造(特開2000-17280に記載)
(1)原料オレフィンの調製
2Lのステンレス製オートクレーブに、クロ
ンアルデヒド561g(8モル)及びジシクロペンタ
エン352g(2.67モル)を仕込み、170℃で3時間攪
して反応させた。反応溶液を室温まで冷却
た後、ラネーニッケル触媒〔川研ファイン
ミカル(株)製,M-300T〕18gを加え、水素圧0.9MPa
G、反応温度150℃で4時間水素化を行った。冷
却後、触媒を濾別した後、濾液を減圧蒸留し
、105℃/2.66kPa留分565gを得た。この留分をマス
スペクトル,核磁気共鳴スペクトルで分析し
結果、この留分は2-ヒドロキシメチル-3-メチ
ルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンであることが確
された。次いで、外径20mm,長さ500mmの石英ガ
ラス製流通式常圧反応管に、γ-アルミナ〔日
揮化学(株)製,N612N〕20gを入れ、反応温度285℃,
質量空間速度(WHSV)1.1hr -1
で脱水反応を行い、2-メチレン-3-メチルビシ
ロ〔2,2,1〕へプタン55質量%及び2,3-ジメチル
シクロ〔2.2.1〕ヘプト-2-エン30質量%を含有
る2-ヒドロキシメチル-3-メチルビシクロ〔2.2
.1〕ヘプタンの脱水反応生成物490gを得た。
(2)二量体水素化物の調製
1Lの四つ口フラスコに三フッ化ホウ素ジエ
ルエーテル錯体8g、及び上記(1)で得たオレフ
ィン化合物400gを入れ、メカニカルスターラ
を用いて攪拌しながら、20℃で4時間二量化
応を行った。この反応混合物を希NaOH水溶液
飽和食塩水で洗浄した後、1Lオートクレー
に水素化用ニッケル/ケイソウ土触媒〔日揮
学(株)製,N-113〕12gを加え、水素圧3MPa・G、反
応温度250℃,反応時間6時間の条件で水素化反
を行った。反応終了後、濾過により触媒を
き、濾液を減圧で蒸留することにより、目
とする
二量体水素化物240gを得た(流体24)。この二量
水素化物の一般性状及びトラクション係数
測定結果を表9に示す。
流体24はトラクション係数が低い。
比較例4 流体25の製造
実施例1の流体Aを含有量が全質量の8質量%と
なるように比較例1の流体22に混合して、流体
25を製造した。流体25の一般性状及びトラク
ョン係数の測定結果を表9に示す。
流体25はトラクション係数及び粘度指数が
い。
比較例5 流体26の製造
実施例1の流体Aを含有量が全質量の15質量%
なるように比較例1の流体22に混合して、流
26を製造した。流体26の一般性状及びトラク
ョン係数の測定結果を表10に示す。
流体26はトラクション係数及び粘度指数が
い。
比較例6 流体27の製造
実施例1の流体Aを含有量が全質量の8質量%と
なるように比較例2の流体23に混合して流体27
製造した。流体27の一般性状及びトラクシ
ン係数の測定結果を表10に示す。流体27はト
クション係数が低く、粘度指数も低い。
比較例7 流体28の製造
実施例1の流体Aを含有量が全質量の8質量%と
なるように比較例3の流体24に混合して、流体
28を製造した。流体28の一般性状及びトラク
ョン係数の測定結果を表10に示す。
流体28はトラクション係数が低い。
比較例8 流体29の製造
実施例5の流体Bを含有量が全質量の8質量%と
なるように比較例3の流体24に混合して、流体
29を製造した。流体29の一般性状及びトラク
ョン係数の測定結果を表10に示す。
流体29はトラクション係数が低い。
本発明の無段変速機用潤滑油は、高温に いても高いトラクション係数を有し、かつ 好な低温流動性を有する、自動車用無段変 機の潤滑油として好適な無段変速機用潤滑 である。