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Patent Searching and Data


Title:
LUMINESCENT COMPOSITE YARN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093560
Kind Code:
A1
Abstract:
A composite yarn which comprises a filament of an ultra-high-molecular polyethylene and a filament of another synthetic resin, at least part of the filament of another synthetic resin containing a phosphorescent agent. This composite yarn is characterized by combining perceptibility in the dark with properties required of yarns employing ultra-high-molecular polyethylene fibers, such as fishing lines.

Inventors:
NAKANISHI SHIGERU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050738
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
Y G K CO LTD (JP)
NAKANISHI SHIGERU (JP)
International Classes:
D02G3/02; A01K91/00; D04C1/12; D06M15/333; D06M15/643
Foreign References:
JP2004084148A2004-03-18
JP2002339179A2002-11-27
JP2005200774A2005-07-28
JP2004308048A2004-11-04
JP2001089928A2001-04-03
JP2004084148A2004-03-18
JP2005200774A2005-07-28
JPS555228A1980-01-16
JPS55107506A1980-08-18
Other References:
See also references of EP 2128316A4
Attorney, Agent or Firm:
IWATANI, Ryo (1-31 Dojima 2-chome, Kita-k, Osaka-shi Osaka 03, JP)
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Claims:
 超高分子量ポリエチレンフィラメントと、他の合成樹脂フィラメントとを含んでなり、該他の合成樹脂フィラメントの少なくとも一部が蓄光剤を含有する複合糸条。
 糸条の比重が1.0未満である請求の範囲第1項に記載の複合糸条。
 糸条の強度が11cN/dtex以上である請求の範囲第1項又は第2項に記載の複合糸条。
 糸条の伸度が5%以下である請求の範囲第1~3項のいずれか1項に記載の複合糸条。
 上記他の合成樹脂フィラメントがポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂およびフッ素系樹脂からなる群より選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂からなるフィラメントである請求の範囲第1~4項のいずれか1項に記載の複合糸条。
 糸条が製紐糸である請求の範囲第1~5項のいずれか1項に記載の複合糸条。
 上記他の合成樹脂フィラメントがモノフィラメントである請求の範囲第6項に記載の複合糸条。
 糸条を構成するフィラメントが樹脂で一体化されている請求の範囲第1~7項のいずれか1項に記載の複合糸条。
 シリコーン系表面処理剤が塗付されている請求の範囲第1~8項のいずれか1項に記載の複合糸条。
 さらに外周が樹脂被覆されている請求の範囲第1~8項のいずれか1項に記載の複合糸条。
 釣り糸である請求の範囲第1~10項のいずれか1項に記載の複合糸条。
Description:
発光性複合糸条

 本発明は、超高分子量ポリエチレンフィ メントを含む発光性の複合糸条に関するも であり、詳細には、超高分子量ポリエチレ フィラメントに由来する優れた強度特性と 光の外部刺激により発光し、この外部刺激 取り除いた後でも暗所で残光を持続的に発 できる発光性とを備えた、夜釣り用の釣り 等に好適な発光性複合糸条に関するもので る。

 従来、主に夜釣りの釣り糸に用いること 目的として、発光性の繊維ないし糸条が種 提案されている。それらは、熱可塑性樹脂 蓄光剤を含有させた組成物から主に成形さ ており(例えば、特許文献1参照)、蓄光剤の 用を利用して、光の外部刺激により発光し この外部刺激を取り除いた後でも暗所で残 を持続的に発光できる発光性を具備させて る。

 一方、近年、超高分子量ポリエチレン繊 を使用した糸条が、高強度で伸びの少ない り糸として注目され、種々提案されている( 例えば、特許文献2参照)。それにもかかわら 、この超高分子量ポリエチレン繊維を使用 た釣り糸等において、発光性の糸条は未だ 当たらない。

 その理由として、超高分子量ポリエチレ 繊維において、十分な発光に必要な蓄光剤 含有させて紡糸したのでは、超高分子量ポ エチレン繊維の強伸度特性が大きく損なわ てしまうことが考えられる。

 超高分子量ポリエチレン繊維中に蓄光剤 含有させることができないならば、別途、 光剤を含有する樹脂組成物をコーティング る方法が考えられる。しかし、この方法に って十分視認できる発光性を確保しようと ると、かなりのコーティング量が必要とな 、超高分子量ポリエチレン繊維を使用した り糸等に要求される特性を十分に確保でき いおそれがある。高強力の有機合成繊維を 成分とし、蓄光剤を含有する熱可塑性樹脂 成物で溶融被覆した複合繊維が実際に提案 れているが(例えば、特許文献3参照)、超高 子量ポリエチレン繊維の場合、上記の問題 加え、溶融被覆時の熱による強度劣化も問 となる。

特開2001-89928号公報(特許請求の範囲)

特開2004-84148号公報(特許請求の範囲)

特開2005-200774号公報(特許請求の範囲、比 較例1)

 上記の状況に鑑み、本発明は、暗所での 認性と、釣り糸等の超高分子量ポリエチレ 繊維を使用した糸条に要求される特性とを 立しうる、超高分子量ポリエチレンフィラ ントを含む発光性の複合糸条を提供するこ を課題とする。

 かかる課題を解決すべく、本発明者らは種 研究を重ねた結果、超高分子量ポリエチレ フィラメントと、他の合成樹脂フィラメン とを含んでなり、該他の合成樹脂フィラメ トの少なくとも一部が蓄光剤を含有する複 糸条が所期の特性を有することを見出し、 らに研究を重ねて本発明を完成するにいた た。
 すなわち、本発明は、
[1] 超高分子量ポリエチレンフィラメントと 他の合成樹脂フィラメントとを含んでなり 該他の合成樹脂フィラメントの少なくとも 部が蓄光剤を含有する複合糸条、
[2] 糸条の比重が1.0未満である前項[1]に記載 複合糸条、
[3] 糸条の強度が11cN/dtex以上である前項[1]ま は[2]に記載の複合糸条、
[4] 糸条の伸度が5%以下である前項[1]~[3]のい れか1項に記載の複合糸条、
[5] 上記他の合成樹脂フィラメントがポリオ フィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ テル系樹脂およびフッ素系樹脂からなる群 り選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂からなる フィラメントである前項[1]~[4]のいずれか1項 記載の複合糸条、
[6] 糸条が製紐糸である前項[1]~[5]のいずれか 1項に記載の複合糸条、
[7] 上記他の合成樹脂フィラメントがモノフ ラメントである前項[6]に記載の複合糸条、
[8] 糸条を構成するフィラメントが樹脂で一 化されている前項[1]~[7]のいずれか1項に記 の複合糸条、
[9] シリコーン系表面処理剤が塗付されてい 前項[1]~[8]のいずれか1項に記載の複合糸条
[10] さらに外周が樹脂被覆されている前項[1] ~[8]のいずれか1項に記載の複合糸条、および
[11] 釣り糸である前項[1]~[10]のいずれか1項に 記載の複合糸条
に関する。

 本発明にかかる複合糸条は、超高分子量 リエチレンフィラメントを用いた糸条とし は従来にない暗所での視認性に優れた発光 を有する糸条であり、特に夜釣りの釣り糸 して好適に用いることができる。また、本 明にかかる糸条は、所望の発光性を得るた の蓄光剤の使用量が少なくて済み、経済的 あるとともに、意匠性にも優れた糸条とす ことができる。

 本発明にかかる複合糸条は、超高分子量 リエチレンフィラメントと、他の合成樹脂 ィラメントとを含んでなり、該他の合成樹 フィラメントの少なくとも一部が蓄光剤を 有することを特徴とする。

 本発明において、超高分子量ポリエチレ フィラメントを構成する超高分子量ポリエ レンとしては、分子量が好ましくは20万以 、より好ましくは60万以上のものが用いられ る。かかる超高分子量ポリエチレンは、ホモ ポリマーであってもよいし、炭素数3~10程度 低級α-オレフィン類、例えばプロピレン、 テン、ペンテン、へキセン等との共重合体 あってもよい。該エチレンとα-オレフィン の共重合体としては、後者の割合が炭素数10 00個当たり平均0.1~20個程度、好ましくは平均0 .5~10個程度である共重合体を用いるのが好ま い。

 超高分子量ポリエチレンフィラメントの 造方法は、例えば特開昭55-5228号公報、特開 昭55-107506号公報などに開示されており、これ ら自体公知の方法を用いてよい。また、超高 分子量ポリエチレンフィラメントとしては、 ダイニーマ(登録商標 東洋紡株式会社製)や ペクトラ(登録商標 ハネウエル社製)等の市 品を用いてもよい。

 上記のダイニーマ、スペクトラのいずれ フィラメントも、基本的には同じようにし 製造されたものであり、一般にゲル紡糸さ た超高分子量ポリエチレンフィラメントと て知られたものであるが、かかる超高分子 ポリエチレンフィラメントとしては、十分 直径を有するモノフィラメントは一般に入 できない。したがって、超高分子量ポリエ レンフィラメントといえば、通常はマルチ ィラメントであり、本発明においても、超 分子量ポリエチレンフィラメントとしては ルチフィラメントが好ましく用いられる。 高分子量ポリエチレンフィラメントとして 、引張強度が18cN/dtex以上、伸度が6%以下、 張弾性率が530cN/dtex以上のものを用いること 好ましい。

 本発明にかかる複合糸条は、上記の超高 子量ポリエチレンフィラメントに加えて、 の合成樹脂フィラメント(以下、「補助フィ ラメント」と略記することがある)を含んで る複合糸条である。上記補助フィラメント 構成する合成樹脂(以下、「他の合成樹脂」 いうことがある)としては、特に限定される ものではなく、公知の繊維形成性の合成樹脂 を用いることができるが、熱可塑性樹脂が好 ましい。具体的には、例えば、ポリオレフィ ン系、ポリアミド系、ポリエステル系、フッ 素系、ポリアクリロニトリル系、ポリアセタ ール系などの熱可塑性合成樹脂が挙げられる 。これらのうち、ポリアミド系、ポリエステ ル系、フッ素系、ポリアセタール系樹脂が好 ましく、なかでもポリオレフィン系樹脂がよ り好ましく、ポリプロピレン樹脂が特に好ま しい。ポリオレフィン系樹脂、特にポリプロ ピレン樹脂は、比重が小さいため本発明にか かる糸条全体の比重を小さくすることを可能 にし、また、上記の超高分子量ポリエチレン フィラメントと融点が近いために糸条の後加 工の温度条件の設定を容易にする。

 ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナ ロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6, 10等の脂肪族ポリアミドもしくはその共重合 、または芳香族ジアミンとジカルボン酸に り形成される半芳香族ポリアミドもしくは の共重合体等が挙げられる。

 ポリエステル系樹脂としては、例えば、 レフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン2,6 カルボン酸、フタル酸、α,β-(4-カルボキシ ェニル)エタン、4,4’-ジカルボキシフェニ もしくは5-ナトリウムスルホイソフタル酸等 の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸もしくは セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこ れらのエステル類と、エチレングリコール、 ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール ポリエチレングリコールまたはテトラメチ ングリコール等のジオール化合物とから重 合されるポリエステルもしくはその共重合 等が挙げられる。

 フッ素系樹脂としては、例えば、ポリフ 化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレ 、ポリモノクロロトリフルオロエチレンも くはポリヘキサフルオロプロピレンまたは の共重合体等が挙げられる。

 ポリアセタール系樹脂としては、例えば リオキシメチレン等アセタール結合を主鎖 有するホモポリマーもしくはコポリマーが げられる。

 上記の他の合成樹脂からなるフィラメン の少なくとも一部には、蓄光剤が含有され いることが必要である。他の合成樹脂とし 熱可塑性樹脂を使用すれば、他の合成樹脂 蓄光剤を練りこみ、これを公知の方法にて 融紡糸することにより、補助フィラメント あって蓄光剤を含有するフィラメントを容 に得ることができる。

 本発明に用いうる蓄光剤自体は公知であ 、光による外部刺激により発光し、この外 刺激を取り除いた後でも暗所で残光を肉眼 発光できるものであればよい。

 蓄光剤としては、例えば、特開2005-20774号公 報に記載されている、アルミ酸化物のアルカ リ土類金属塩に希土類をドープさせてなる、 蓄光性蛍光体を使用することができる。該ア ルミ酸化物のアルカリ土類金属塩としては、 SrAl 2 O 4 、CaAl 2 O 4 もしくはSr 4 Al 14 O 25 等が挙げられ、これらの化合物に、希土類元 素であるEu(ユウロピウム)および/またはDy(ジ プロシウム)および/またはNd(ネオジム)をア カリ土類金属に対し物質量(モル)比で0.001~10 %ドープされているものが、発光輝度が高い とから好ましく使用される。これらの蓄光 は市販品として入手可能であり、例えば根 特殊化学株式会社製の「N夜光ルミノーバ(登 録商標)G-300FF」、「N夜光ルミノーバ(登録商 )V-300M」、「N夜光ルミノーバ(登録商標)BG-300F 」等が該当するが、これらに限られるもので はない。

 蓄光剤の平均粒径としては、特に限定さ るものではないが、平均粒径が大きすぎる 、蓄光剤を含有する繊維の表面の平滑性が 下したり、紡糸性が低下したりする場合が り、逆に小さすぎると、紡糸時に蓄光剤粒 同士が凝集するおそれがあり、一部が粗大 となる結果、やはり繊維の表面の平滑性が 下したり、紡糸性が低下したりする場合が り、いずれも好ましくない。かかる点を考 すれば、蓄光剤の平均粒系としては、樹脂 含有させる前にレーザー回折散乱法により 定した累積粒度分布率50%に相当する粒径(D50 )の値が2.0~20.0μmであることが好ましい。

 また、補助フィラメントに蓄光剤が含有 れる場合の蓄光剤の含有量としては、補助 ィラメント全体に対して1~20質量%であるこ が好ましく、2~7質量%がより好ましい。当該 のフィラメントにおける蓄光剤の含有量が なすぎると、糸条としての発光性が不足す 場合があり、一方、多すぎると、紡糸に支 をきたす場合があり、いずれも好ましくな 。

 また、補助フィラメントの繊維軸方向に 直な断面すなわち横断面形状としては、特 限定されるものではなく、丸断面以外に異 断面でもよく、中空断面でもよい。さらに 同種または異種の2以上の樹脂ないし組成物 からなる複合型断面であってもよく、例えば 、横断面がいわゆる芯鞘型であってもよく、 特に、鞘成分に蓄光剤を含む芯鞘型断面とす ることは、蓄光剤の使用量を節約して効率良 く発光させることができるので好ましい。例 えば、繊維横断面における芯/鞘の面積比を ましくは40/60~95/5、より好ましくは60/45~90/10 し、芯成分には実質的に蓄光剤を含有させ 、鞘成分には蓄光剤を好ましくは鞘成分中 1~20質量%、より好ましくは2~7質量%とするこ ができる。そのような芯鞘型断面の繊維は 公知の複合溶融紡糸装置を用いて容易に製 することができる。上記の芯成分には実質 に蓄光剤を含有させず、鞘成分には蓄光剤 含有させる芯鞘型断面を形成する場合、芯 分と鞘成分は同種の樹脂であることが好ま い。また、鞘成分の融点を芯成分の融点よ 低くした芯鞘型のバインダー繊維としても く、その場合、鞘成分には実質的に蓄光剤 含有させず、芯成分には蓄光剤を含有させ 態様も好ましい。

 本発明において、補助フィラメントには 蓄光剤以外の添加剤が含まれていてもよい 例えば、比重を調整するために、金属や金 化合物、例えば酸化バリウムや硫酸バリウ 等の高比重物質が添加剤として含まれてい もよい。蓄光剤以外の添加剤は、補助フィ メントのうち、蓄光剤を含有するフィラメ トに含有されていてもよく、蓄光剤を含有 ないフィラメントに含有されていてもよい また、上記した芯鞘型のフィラメントの芯 分に含有されていてもよい。

 本発明にかかる複合糸条においては、上 したように、補助フィラメントのうち、そ 少なくとも一部のフィラメントに蓄光剤が 有されていることを要するが、その蓄光剤 含有するフィラメント以外に、蓄光剤を含 しない他のフィラメントが存在してもよく 存在しなくてもよい。

 本発明にかかる複合糸条の横断面の面積 おける各フィラメントの占める面積の割合( 以下、「断面積比」と略記することがある) ついて、超高分子量ポリエチレンフィラメ トの断面積比としては、全断面積に対して40 ~90%が好ましく、50~80%がより好ましい。また 補助フィラメントであって蓄光剤を含有す フィラメント(以下、「蓄光フィラメント」 略記することがある)の断面積比としては、 全断面積に対して10~60%が好ましく、20~50%がよ り好ましい。超高分子量ポリエチレンフィラ メントの断面積比が40%未満では、複合糸条全 体としての強伸度特性が本発明の目的に沿わ ないものとなる傾向にあり好ましくない。他 方、蓄光フィラメントの断面積比が10%未満で は、発光性が不足する傾向にあり好ましくな い。上記の超高分子量フィラメントの断面積 比と蓄光フィラメントの合計は、100%であっ もよいが、100%未満であってもよい。

 本発明において、補助フィラメントは、 ノフィラメントであってもマルチフィラメ トであってもよく、目的に応じて選択する とができる。例えば、複合糸条にハリを与 たい場合には補助フィラメントとしてモノ ィラメントを用いるのが好ましく、柔らか 複合糸条としたい場合には補助フィラメン としてマルチフィラメントを用いるのが好 しく、両者を併用することもできる。

 本発明にかかる複合糸条の比重は、目的 応じて適宜設定され、特に限定されないが 例えばふかせ釣りのように水面上に糸を浮 せて使用する場合を考慮すれば、比重を1.0 満とすることが好ましい。水面下に沈んだ 分は水の影響で見え難くなるので、水に浮 糸とすることで、発光状態をより視認しや くなるので好ましい。本発明にかかる糸条 比重は、補助フィラメントの種類を選択す ことなどによって調整可能であり、比重が1 .0未満の複合糸条とするためには、補助フィ メントとしてポリオレフィン系繊維、特に リプロピレン繊維を選択することが好まし 。

 本発明にかかる複合糸条の引張強度とし は、11cN/dtex以上が好ましく、15cN/dtexがより ましい。なお、引張り強度は、JIS L 1013に って、万能試験機 オートグラフAG-100kNI(商 名 島津製作所製)で測定する。

 また、本発明に複合糸条の伸度としては 10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい 例えば、釣糸に関して言えば魚信を的確に えやすくなる等の理由から、伸度は前記範 が好ましい。なお、伸度は、JIS L 1013に従 て、万能試験機 オートグラフAG-100kNI(商品  島津製作所製)を用いて測定する。このと 、超高分子量ポリエチレンフィラメントが 断した時点をもって、糸条全体が破断した のとみなす。

 本発明にかかる複合糸条の複合形態とし は、上記した超高分子量ポリエチレンフィ メントと補助フィラメントとを組み合わせ なる引き揃え糸、撚り糸、製紐糸等が挙げ れるが、複数本の超高分子量ポリエチレン ィラメントと1本または複数本の補助フィラ メントとを組み合わせてなる製紐糸が好まし く、複数本の高分子量ポリエチレンマルチフ ィラメントと、1本もしくは複数本の蓄光モ フィラメント(モノフィラメントである蓄光 ィラメントを意味する)とを組み合わせてな る製紐糸が特に好ましい。

 本発明にかかる複合糸条が撚糸である場合 、本発明にかかる複合糸条を構成するフィ メント(以下、「構成フィラメント」と略記 することがある)を複数本引き揃え、撚係数K 約0.2~1.5程度、より好ましくは約0.3~1.2程度 さらに好ましくは約0.4~0.8程度の撚りをかけ ものが好適である。糸条の耐磨耗性を考慮 れば、撚係数が約0.2以上であることが好ま く、糸条の伸度を低くするためには撚係数 約1.5以下であることが好ましい。なお、撚 数Kは次式:K=t×D 1/2 (但し、t:撚り数(回/m)、D:繊度(tex)を表す。)よ り算出される。前記式における繊度は、JIS L  1013に従って測定する。

 本発明にかかる複合糸条が製紐糸の場合 、公知の製紐構造を採用することができ、 えば4つ打ち、8つ打ち、12打ちおよび16打ち して知られる、構成フィラメント数がそれ れ4本、8本、12本および16本のいずれかの製 糸とすることができるが、それらに限定さ るものではない。製紐糸は、通常は製紐機( 組紐機)を用いて行われ、例えば4つ打ちの場 、4本の構成フィラメントを準備し、右側ま たは左側の糸を交互に真中に配置させて組み 上げていく。

 製紐糸においては、構成フィラメントの 数に応じて、超高分子量ポリエチレンフィ メントと補助フィラメントの本数とを振り ければよいが、少なくとも1本の構成フィラ メントは蓄光フィラメントであることを要す る。蓄光フィラメントとしては、モノフィラ メントが好ましいが、単糸の少なくとも一部 が蓄光剤を含むマルチフィラメントであって もよい。

 具体的には、4つ打ちの場合、構成フィラメ ントのうち2~3本を超高分子量ポリエチレンフ ィラメント、2~1本を蓄光フィラメントとする のが好ましい。
 8つ打ちの場合、構成フィラメントのうち4~6 本を超高分子量ポリエチレンフィラメント、 4~2本を蓄光フィラメントとするのが好ましい 。
 12打ちの場合、構成フィラメントのうち6~10 を超高分子量ポリエチレンフィラメント、6 ~2本を蓄光フィラメントとするのが好ましい
 16打ちの場合、構成フィラメントのうち8~14 を超高分子量ポリエチレンフィラメント、8 ~2本を蓄光フィラメントとするのが好ましい

 製紐糸における構成フィラメント1本あた りの繊度については、素材の種類や複合糸条 全体の太さにより様々なバリエーションが考 えられ、特に限定されるものではないが、超 高分子量ポリエチレンフィラメントの繊度と しては、11~440dtexが好ましく、11~200dtexが好ま い。また、蓄光フィラメントの繊度として 11~440が好ましい。そして、1本あたりの繊度 で対比して、蓄光フィラメントの繊度は超高 分子量ポリエチレンフィラメントの繊度と同 程度とすることが好ましい。

 また、製紐糸の組角としては、約5°~90° 度、より好ましくは約5°~50°程度、さらに好 ましくは約20°~30°程度が好適である。糸条の 耐磨耗性を維持するためには、組角が約5°以 上であることが好ましく、糸条の伸度を低く するためには組角が約90°以下であることが ましい。なお、組角は、デジタルHDマイクロ スコープ VH-7000(キーエンス株式会社製)を用 て測定できる。

 また、所望により、製紐糸の芯部に芯糸 埋設させてもよい。

 本発明にかかる複合糸条は、蓄光させて 光した際の暗所での視認性に優れている。 えば、蓄光剤を含有する樹脂を被覆したも と比べて、同じ量の蓄光剤を使用したとす ば、本発明の有利さが理解できよう。すな ち、本発明では、蓄光フィラメントという い箇所に蓄光剤が集中しているので、面積 小さくとも強い発光が得られるのに対し、 光剤を含有させた樹脂を被覆した場合は、 光剤が薄まってしまうので面積は大きくと 弱い発光となる。前者の方が視認しやすい とは、夜空において視野角は大きいが淡い の星雲が肉眼で観測できないのに対し、視 角の小さい点状の1個の星が明確に視認でき るごときである。本発明者らが今回見出した 知見として特に強調しておきたいことは、夜 釣りの釣り糸等の発光は、必ずしも一本の糸 状につながった状態で発光が確認されなくて もよく、途切れ途切れ、すなわち鎖線状の発 光でも、実用上の視認性は何ら劣るものでは ないということであり、むしろ、その方が注 目を引いてかえって視認しやすいこともあり 、また、意匠的に優れた効果を奏しうるとい うことである。本発明にかかる糸条が製紐糸 の場合、そのような鎖線状に発光させること ができる。もちろん、その鎖線の間隔がごく 小さい場合には、接近して見なければ鎖線で はなく1本の線として視認されうる。

 また、本発明にかかる複合糸条において 各構成フィラメントは一体化されているこ が好ましい。ここで、一体化とは、隣接す 構成フィラメント同士が、接着剤を用いて しくは用いることなく接着しており、通常 使用状況では各フィラメントがバラバラに らないことを意味する。より具体的には、 成フィラメントが切れた場合でも、当該構 フィラメントがずれたり、抜け落ちたりし いような構造を有するものが好ましい。ま 、本発明にかかる複合糸条を切断したとき 、構成フィラメントがバラけない構造を有 ることが好ましい。

 接着剤を用いずにかかる一体化の状態を 現する可能性のある方法としては、超高分 量ポリエチレンフィラメントの融点範囲内 ある温度に、隣接するフィラメントを少な とも一部融着させるのに十分な時間暴露す 方法が挙げられるが、超高分子量ポリエチ ンフィラメントの強伸度特性を大きく損な ないように当該方法を実施するのは困難で る。したがって、接着剤として樹脂を用い 一体化することが好ましい。そのような樹 としては、常温接着性樹脂、熱接着性樹脂 いずれでもよいが、糸条の製造時における 用のし易さ等の点から、熱接着性樹脂が好 しい。

 上記構成フィラメントの接着に用いる熱 着性樹脂としては、構成フィラメントの融 よりも低い温度で軟化もしくは融解する樹 であることが好ましい。該熱接着性樹脂と ては、具体的には、融点が約50~200℃程度の 脂、好ましくは約50~160℃程度の樹脂、より ましくは融点が約60~135℃程度の樹脂、特に ましくは融点が100℃前後の樹脂である。前 融点は、例えばJIS L 1013(1999)に従った方法 て、公知の測定器、例えばパーキンエルマ 社製「DSC7」で測定できる。

 かかる熱接着性樹脂としては、公知のも を用いてよいが、例えば、ポリオレフィン 樹脂、ポリエステル系樹脂またはポリアミ 系樹脂等が挙げられる。中でも、かかる熱 着性樹脂としては、例えばポリエチレンや リプロピレン等を主体とするポリオレフィ 共重合体からなるポリオレフィン系樹脂で って、約50℃程度の温度による約10秒程度の 加熱でも軟化し得る軟質の樹脂が好ましい。 また、融点が100℃前後で、溶融時には低粘度 であるポリオレフィン系樹脂も好ましい。か かるポリオレフィン系樹脂は、短時間の加熱 であっても容易に流動性を示し、繊維間に速 やかに拡散浸透していくことができるので、 優れた接着機能を果たすことができる。

 かかる熱接着性樹脂としては、ホットメ ト接着剤がより好ましい。上記ホットメル 接着剤は、熱可塑性高分子を主体とする固 分100%の接着剤であって、熱溶融させて粘度 を低くして塗布された後、冷却とともに固化 し、接着力を発揮する接着剤をいう。ホット メルト接着剤としては、前述のようなもので あれば特に限定されず、公知のホットメルト 接着剤を用いてよい。中でも、硬化後に約100 ℃程度以下では溶融しないホットメルト接着 剤が好ましい。糸条の運搬時または保存時に ホットメルト接着剤が溶け出し、例えばスプ ールに巻かれた状態で固化するのを防止する ためである。また、該ホットメルト接着剤の 融点は、構成フィラメントの融点よりも低い ほうが好ましい。

 ホットメルト接着剤としては、例えば、 ースポリマーの種類により、エチレン-酢酸 ビニル共重合体(EVA)系接着剤、ポリエチレン 接着剤、ポリオレフィン系接着剤、熱可塑 ゴム系接着剤、エチレン-アクリル酸エチル 共重合体(EEA)系接着剤、ポリ酢酸ビニル共重 体系接着剤、ポリカーボネート(PC)系接着剤 等が挙げられる。それらの中でも、ポリエチ レン系接着剤またはポリオレフィン系接着剤 が好ましい。

 ホットメルト接着剤としては、反応型ホ トメルト接着剤がさらに好ましい。反応型 ットメルト接着剤においては、接着後に架 反応が起こり、耐熱性が向上する。具体的 は、反応型ホットメルト接着剤を比較的低 で溶融させ、構成フィラメントに塗布また 含浸させても、一旦接着すると、該接着剤 、低温、具体的には約100℃以下の温度では 融しなくなる。そのため、反応型ホットメ ト接着剤を用いれば、糸条の運搬時または 存時にホットメルト接着剤が溶け出す可能 を極力低くすることができる。

 反応型ホットメルト接着剤としては、特 限定されず、公知のものを用いてもよい。 でも、接着剤塗布時に、比較的低温、具体 には約60~130℃程度、好ましくは約70~100℃程 の温度で溶融する反応型ホットメルト接着 が好ましい。

 上記反応型ホットメルト接着剤としては 具体的には、架橋反応の種類により以下の うな接着剤が挙げられる。例えば、(a)ポリ ー中のカルボキシル基と多価金属イオンに り架橋反応を行わせるイオン架橋型ホット ルト接着剤;(b)接着後加熱硬化させる加熱架 橋型ホットメルト接着剤;(c)二重結合を有す ブロックコポリマーやポリエステルを利用 、電子線や紫外線等の高エネルギー線を照 することにより架橋反応を行わせるホット ルト接着剤;(d)溶融塗布後の空気中もしくは 着材中に存在する水分(湿気)と反応させる とにより架橋を行わせる湿気硬化型ホット ルト接着剤;または(e)種々の官能基を有する リマーとそのポリマー中に存在する官能基 反応する添加剤またはポリマーを各々溶融 、塗布直前に混合塗布することにより、2液 を反応させ架橋構造を形成させるホットメル ト接着剤等がある。

 反応型ホットメルト接着剤としては、加 架橋型ホットメルト接着剤または湿気硬化 ホットメルト接着剤がより好ましく、さら 湿気硬化型ホットメルト接着剤が特に好ま い。加熱架橋型ホットメルト接着剤として 具体的には、(a)ポリエステルもしくはコポ アミドの末端カルボキシル基もしくはアミ 基、または(b)分子末端もしくは側鎖に導入 たイソシアネート基を、カプロラクタムま はフェノール等のブロック剤でブロックし ブロックイソシアネートを含有するホット ルト接着剤が挙げられる。湿気硬化型ホッ メルト接着剤として、具体的には、アルコ シ基をポリマー中に導入したホットメルト 着剤、イソシアネート基やポリマー中に導 したホットメルト接着剤等が挙げられる。

 また、本発明にかかる複合糸条には、シ コーン系表面処理剤が塗付されていること 好ましい。シリコーン系表面処理剤を本発 の複合糸条に塗布することにより、構成フ ラメント間に浸透して、透明もしくは半透 の糸条とすることができる。そのようなシ コーン系表面処理剤としては、シリコーン イル(例えばジメチルシリコーンオイル、メ チルフェニルシリコーンオイル、メチルハイ ドロジェンシリコーンオイル等)や変性シリ ーンオイルが挙げられ、あるいはそれらの ちの1種以上を主体とする処理剤が挙げられ 。

 上記シリコーン系表面処理剤の塗布量と ては、糸条を透明もしくは半透明にすると う観点から、糸条の質量に対して外掛けで3 ~20質量%が好ましく、5~15%がより好ましい。

 さらに、本発明にかかる複合糸条におい は、その外周が樹脂被覆されていることも ましい。糸条を樹脂で被覆することにより 例えば本発明にかかる複合糸条の撚形態や 形態の変形を防止し、糸条の伸度を低く保 とともに、耐磨耗性、耐水性、耐候性等を 上させることもできる。本発明においては 上記樹脂被覆の際、樹脂が糸条の外周のみ 被覆していてもよいし、樹脂が糸条の内部 浸透していてもよい。特に、被覆に用いる 脂が糸条の内部に浸透し、構成フィラメン の一体化に寄与することが好ましい。すな ち、構成フィラメントが樹脂で一体化され さらに外周が樹脂被覆されている態様が好 しい。したがって、樹脂被覆に用いる樹脂 しては、上記構成フィラメントの接着に用 る熱接着性樹脂として説明したものを好ま く用いることができる。

 本発明にかかる複合糸条が、上記の構成 ィラメントの接着および/または樹脂被覆さ れたものである場合、構成フィラメントの接 着および/または樹脂被覆に用いられる樹脂 合計質量と、構成フィラメントの質量との は、0.5/99.5~20/80程度が好ましい。また、熱接 着性樹脂を用いる場合は、熱接着性樹脂の合 計質量が、本発明にかかる複合糸条全体の質 量のうち約0.5~20%程度、より好ましくは約0.5~1 0%程度であることが好ましい。そのような範 とすることは、十分な接着力を得る一方で 余剰の熱接着性樹脂が糸条表面にはみ出し 不要な凹凸が生じるという不都合をより確 に防止できるので好ましい。

 本発明においては、構成フィラメントお び/または構成フィラメントを接着する樹脂 および/または樹脂被覆に、本発明の目的を なわない範囲内で各種公知の添加剤等、例 ば耐磨耗剤、艶消し剤、改質剤、紫外線吸 剤、染料、顔料もしくは導電性物質等が含 されていてもよい。

 以下に、本発明にかかる複合糸条を製造す 方法の例について詳細に述べる。
 蓄光フィラメントを製造する方法としては 蓄光フィラメントを形成するための熱可塑 樹脂に所定量の蓄光剤を添加して溶融混練 、公知の方法により溶融紡糸を行う。蓄光 を添加する際には、熱可塑性樹脂に予め蓄 剤を高濃度添加したマスターバッチを調製 、これを混ぜ合わせて溶融混練することが ましい。また、溶融紡糸温度としては、熱 塑性樹脂や蓄光剤が劣化しない程度の温度 行うのが望ましい。蓄光フィラメントとし は、超高分子量ポリエチレンフィラメント 複合する前に延伸しておいてもよく、未延 であってもよい。また、テーパー状に延伸 れたものでもよい。

 一方、超高分子量ポリエチレンフィラメ トは、公知の方法で製造もしくは市販品と て入手できる。超高分子量ポリエチレンフ ラメントは、市販品をさらに延伸して用い もよい。また、テーパー状に延伸されたも でもよい。

 上記のようにして得られる超高分子量ポ エチレンフィラメントと、蓄光フィラメン とを、それぞれ所定の本数ずつ用意して複 させる。例えば、それらの構成フィラメン を所定の本数割合で製紐により複合して製 糸とすればよい。複合して得られた糸条を さらに所望により延伸してもよい。

 上記において、複合する前の構成フィラ ントは、既に延伸されているフィラメント あってもよく、最大延伸倍率よりも低倍率 延伸されているフィラメントもしくは全く 伸されていないフィラメントであってもよ 。以下の説明においては、全く延伸されて ないフィラメントはもとより、最大延伸倍 よりも低倍率で延伸されていてさらに延伸 可能なものも含めて、「未延伸フィラメン 」と総称する。

 なお、最大延伸倍率とは、フィラメント 製造工程でのフィラメントの破断が製造上 題ならない程度の延伸倍率をいう。すなわ 、紡糸工程中の延伸倍率が増大するにつれ 、フィラメントの引張り強さおよび剛性が 大する。しかし、延伸倍率が増大するにつ て、製造工程中のフィラメントの破断がま ます頻繁に生じるため、延伸倍率は非制限 増大できない。どの程度の延伸倍率であれ 、延伸工程を中断しなければならない破断 発生し、その発生頻度が許容できる程度で るかということは、実験的に容易に決定す ことができる。この延伸倍率を最大延伸倍 という。

 各構成フィラメントまたは複合糸条を延 させる際には、予め油剤を付与することが ましい。油剤を付与する方法は特に限定さ ず、公知の方法を用いてよい。具体的な油 付与方法としては、例えば、浸漬給油法、 プレー給油法、ローラー給油法、計量ポン を用いたガイド給油法等が挙げられるが、 漬給油法またはスプレー給油法を用いるこ が好ましい。このように、延伸前に油剤を 与した場合は、所望により延伸後、各構成 ィラメントまたは複合糸条を水洗してもよ 。特に、樹脂による構成フィラメントの接 や複合糸条の被覆を行う場合には、水洗等 より油剤を除去しておくことが望ましい。

 上記の油剤としては、特に限定されるも ではなく、繊維に付与される油剤として通 使用されているものから適宜選択して用い ことができ、例えば、集束性樹脂(バインダ ー類)、ベース潤滑油および界面活性剤等が 剤として挙げられ、これらのうちの1種また 2種以上の混合物を用いればよい。

 上記の集束性樹脂としては、例えばポリ レタン系樹脂、シリコン系樹脂またはフッ 系樹脂等が挙げられる。ベース潤滑油とし は、ジメチルポリシロキサンまたはポリエ テルなどが挙げられる。界面活性剤として 、高級アルコール、高級アルコール脂肪酸 ステル、ポリオキシエチレン・高級アルコ ルエーテル、ポリオキシエチレン・高級脂 酸エステル、ポリエチレングリコール・高 脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ア キルアミノエーテル、ポリオキシエチレン ヒマシ油エーテル、アルキルリン酸エステ 塩(好ましくは、アルカリ金属塩もしくはア ミン塩)、ポリオキシエチレンアルキルエー ルリン酸エステル塩(好ましくは、アルカリ 属塩もしくはアミン塩)、アルキルスルホネ ートナトリウム塩などが挙げられる。これら は、1種類のみを用いてもよいし、2種以上を 用してもよい。

 上記の収束性樹脂についてさらに詳細に 明すれば、上記のポリウレタン系樹脂とし は、詳細にはポリエーテルポリオールとポ イソシアネートとの反応、またはポリカー ネートポリオールとポリイソシアネートと 反応により得られる高分子重合体が挙げら るが、なかでも耐水性、耐熱性等の点から リカーボネートポリオールとポリイソシア ートとの反応により得られる高分子重合体 好ましい。また、ポリイソシアネートとし は、ヘキサメチレンジイソシアネート、キ リレンジイソシアネート、イソホロンジイ シアネート、トリレンジイソシアネート、 フェニルメタンジイソシアネート、トリフ ニルメタントリイソシアネート、ナフチレ ジイソシアネートなどの脂肪族または芳香 のポリイソシアネートを用いることができ が、耐候性の点から脂肪族ポリイソシアネ トが好ましい。

 また、上記のシリコン系樹脂としては、 本骨格にシロキサン結合を有するものが挙 られるが、なかでも、水素、炭素数1~3のア キル基やフェニル基、または、これらのア コキシ基がケイ素原子に結合しているもの 好ましい。これらの中で、特にジメチルシ キサンが好ましい。さらに、ジメチルシロ サンのアミノ変性、エポキシ変性、アルキ ンオキサイド変性などの変性シリコン系樹 、あるいは、それらの混合物を用いること 好ましい。

 また、上記のフッ素系樹脂としては、例 ば、4フッ化エチレン重合体、3フッ化塩化 チレン重合体、4フッ化エチレン・6フッ化プ ロピレン共重合体、4フッ化エチレン・パー ロロアルキルビニルエーテル共重合体、4フ 化エチレン・6フッ化プロピレン・パーフロ ロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化 ビニリデン重合体、エチレン・4フッ化エチ ン共重合体などが挙げられる。フッ素系樹 は通常分散剤を用いて分散媒中に微粒子状 ッ素系樹脂を分散せしめた分散体あるいは 化剤を用いて水系媒体中に微粒子状フッ素 樹脂を乳化せしめた水乳化体の形で使用す のが好ましい。

 本発明において、各構成フィラメントま は複合糸条を延伸させる方法としては、特 限定されるものではなく、液体または気体 で加熱しながら延伸する等の、公知の延伸 法が採用され得る。延伸時の温度は構成フ ラメントの種類や複合糸条の径の大きさ等 よって異なるので、それらを考慮して適宜 定すればよい。

 例えば、複合糸条が直径約1mmを超える太い 条の場合、構成フィラメントの融点以上の 度で延伸処理を行うのが好ましい。また、 合糸条が直径約1mm以下の糸条の場合、構成 ィラメントの融点以上の温度で延伸処理を っても、融点以下の温度で延伸処理を行っ もよいが、融点以上の温度で延伸処理を行 のが好ましい。より具体的には、延伸時の 度は、約120~300℃程度、好ましくは約130~250 程度、より好ましくは約130~200℃程度、さら 好ましくは約130~170℃程度である。
また、延伸は、1段で行ってもよいし、2段以 で行ってもよい。

 上記延伸処理時の延伸倍率は、構成フィ メントの種類に応じて、また、構成フィラ ントが既に延伸されているか否か、延伸さ ている場合はどの程度延伸されているのか 応じて、適宜設定すればよい。具体的な延 倍率は、例えば約1.01~15倍程度である。

 延伸においては、以下のようにして延伸 にテーパー状を形成させることができる。 体的には、延伸速度を調整することにより 伸時にテーパー状を形成させることができ 。より具体的には、延伸速度を上げること より、長手方向に径が小さくなり、延伸速 を下げることにより、長手方向に径が大き なる。上記のように延伸速度を変化させる には、延伸速度の変化がなだらかに増加傾 または減少傾向に傾斜していることが好ま い。すなわち、延伸時に延伸速度を漸増ま は/および漸減することが好ましい。延伸速 度の変化がそのようななだらかな変化であれ ば、延伸速度は直線的に変化してもよいし、 非直線的に変化してもよい。

 上記のテーパー状を形成する際の延伸速 としては、構成フィラメントの種類や複合 条の太さ等により異なるので、それらを考 して適宜設定すればよい。例えば、複合糸 をテーパー状に延伸する場合は、糸条の径 最も大きい部分を形成させる際の延伸速度 、糸条の径の最も小さい部分を形成させる の延伸速度との比が、1:2~6程度であること 好ましい。また、構成フィラメントをテー ー状に延伸する場合は、径の最も大きい部 を形成させる際の延伸速度と、径の最も小 い部分を形成させる際の延伸速度との比が 1:1.5~4程度であることが好ましい。

 本発明において、構成フィラメント同士 接着させる場合の接着方法としては、特に 定されるものではないが、上記したように 熱接着性樹脂を用いて接着する方法が好ま い。熱接着性樹脂を用いて接着する方法と ては、例えば、構成フィラメントに予め熱 着性樹脂をコーティングしておく方法が挙 られる。コーティング方法としては、特に 定されるものではなく、公知のコーティン 方法を用いてよいが、例えば、熱接着性樹 を溶解させてなる液体の入ったバスに、構 フィラメントを含浸させ、余剰分を絞り取 て、乾燥させることにより行うことができ 。

 複合糸条を形成した後に熱接着性樹脂に り構成フィラメント同士を接着させる際の 度としては、通常は熱接着性樹脂の融点以 で、かつ構成フィラメントの融点以下の温 、好ましくは約50~200℃程度、より好ましく 約50~160℃程度、さらに好ましくは約60~130℃ 度の温度が好適である。

 本発明において、複合糸条の外周を樹脂 覆する方法としては、特に限定されるもの はなく、公知の樹脂被覆方法を採用すれば く、例えば、加圧押出し被覆等を採用する とができ、中でも、パイプ式押出被覆によ 方法が好適である。パイプ式押出被覆によ 方法は押出成型機から溶融した被覆樹脂を し出し、予熱されている糸条に当該被覆樹 を加圧状況下に密着させるものであり、皮 の密着性が格段に優れたものとなる。その 、例えばアプリケーター、ナイフコーター リバースロールコーター、グラビアコータ 、フローコーター、ロッドコーターまたは 毛など公知の手段を用いて被覆樹脂を塗布 てもよいし、溶融状もしくは溶液状の被覆 脂を収納した桶の中にコアとなる糸条を浸 し引き上げて余剰量を絞り取るという方法 用いてもよい。

 なお、上記の樹脂被覆方法により、糸条 外周を樹脂被覆するとともに、被覆樹脂が 条の内部に浸透して構成フィラメント同士 接着させることもできる。すなわち、樹脂 覆方法が構成フィラメント同士の接着方法 兼ねることが可能であり、その場合には、 記したような構成フィラメントのコーティ グは行わなくてもよい。

 上記の樹脂被覆をするに際して、本発明 かかる複合糸条の形状をテーパー状とする ともできる。テーパー形状を形成する方法 して、公知の方法を用いてよい。例えば、 出機に組み込まれている計量ポンプ(ギヤー ポンプ)の回転数を任意に上下させて樹脂の 出量を変え、さらに、それぞれの状況下に ける回転数の持続時間をコントロールする とにより、目的とする太部と細部とテーパ 部とにおいて、それぞれの長さを持ち合わ ているテーパー形状を形成することができ 。テーパー部の形状は計量ポンプの、高速 転から低速回転または低速回転から高速回 への切り替え時間の長短により変化を付け ことができる。

 本発明にかかる複合糸条には、所望によ 公知の方法で後処理を施すこともできる。 えば、本発明にかかる糸条を着色してもよ 。着色方法としては、公知の方法を用いれ よく、例えば、本発明の糸条を着色剤溶液 入っている浴に室温、例えば約20~25℃程度 温度下に通過させ、その後、乾燥し、さら 約100~130℃程度の温度に保たれた炉に通し、 過させることによって着色された糸条とす ことができる。着色剤としては、無機顔料 有機顔料または有機染料が知られているが 好適なものとしては、例えば、酸化チタン カドミウム化合物、カーボンブラック、ア 化合物、シアニン染料または多環顔料等が げられる。

 以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に 明するが、本発明がこれに限られないこと いうまでもない。
 超高分子量ポリエチレンフィラメントとし は、いずれの例でも、東洋紡績株式会社「 イニーマ(登録商標)SK71」を用いた。
 なお、実施例に記載の繊度は、製造途中の ィラメントおよび/または最終的に得られた 複合糸条にホットメルト接着剤および/また 表面処理剤が塗布されている場合であって 、それら塗布されたホットメルト接着剤や 面処理剤の質量を含めずに計算した繊度で る。

[実施例1]
 蓄光性のポリプロピレンマルチフィラメン (MRCパイレン株式会社製、商品名:パイレンR2 0 235T30FM1)(235dtex/30fil)を176℃で2.1倍に熱延伸 、さらに該フィラメント100質量部あたりホ トメルト接着剤(セメダイン株式会社製、商 名:HM320S)3質量部を塗布したものを補助フィ メントとして用いた。
 超高分子量ポリエチレンフィラメント(110dte x/96f)3本と、上記のホットメルト接着剤が塗 された補助フィラメント1本とを用いて4つ打 ちで製紐(繊度484dtex)した後、160℃で1.33倍に 熱延伸して、目的とする複合糸条を得た。

[実施例2]
 ポリプロピレン樹脂チップ(日本ポリプロ株 式会社製、商品名:ノバテックPP FY4)中に、蓄 光剤(根本特殊化学株式会社製、商品名:N夜光 ルミノーバGLL-300FFS(S1))を5質量%となるよう配 し、溶融混練した後、常法により紡糸(紡糸 温度150℃)および延伸(延伸倍率7倍)して得た ノフィラメント(55dtex)を補助フィラメントと して用いた。
 超高分子量ポリエチレンフィラメント(55dtex /48f)4本と、上記の補助フィラメント4本とを いて8つ打ちで製紐(繊度484dtex)した後、160℃ 1.33倍に加熱延伸して得た糸条に、シリコー ン系表面処理剤(信越化学工業株式会社製、 番:KF-96A)を糸条100質量部に対して5質量部の 合で塗布し、目的とする複合糸条を得た。 の複合糸条の外観は半透明であった。

[実施例3]
 実施例1で用いたのと同じの、ホットメルト 接着剤が塗布された補助フィラメント1本を 糸とし、その周囲に超高分子量ポリエチレ フィラメント(110dtex/96f)4本を4つ打ちにして 紐(繊度605dtex)した後、160℃で1.7倍に加熱延 して、目的とする複合糸条を得た。

[実施例4]
 共重合ポリアミド樹脂チップ(三菱エンジニ アリングプラスチック株式会社製、商品名: バミッド2030)中に、蓄光剤(根本特殊化学株 会社製、商品名:N夜光ルミノーバGLL-300FFS(S1)) を5質量%となるよう配合し、溶融混練した後 常法により紡糸(紡糸温度250℃)および延伸( 伸倍率5.9倍)して得たモノマルチフィラメン ト(110dtex/5f)に、さらに該フィラメント100質量 部あたりホットメルト接着剤(セメダイン株 会社製、商品名:HM320S)3質量部を塗布したも を補助フィラメントとして用いた。
 超高分子量ポリエチレンフィラメント(110dte x/96f)3本と、上記のホットメルト接着剤が塗 された補助フィラメント1本とを用いて4つ打 ちで製紐(繊度484dtex)した後、170℃で1.33倍に 熱延伸して、目的とする複合糸条を得た。

[実施例5]
 共重合ポリアミド樹脂チップ(三菱エンジニ アリングプラスチック株式会社製、商品名: バミッド2030)中に、蓄光剤(根本特殊化学株 会社製、商品名:N夜光ルミノーバGLL-300FFS(S1)) を5質量%となるよう配合し、溶融混練した後 常法により紡糸(紡糸温度250℃)および延伸( 伸倍率5.9倍)して得たモノフィラメント(55dte x)を補助フィラメントとして用いた。
 超高分子量ポリエチレンフィラメント(55dtex /48f)4本と、上記の補助フィラメント4本とを いて8つ打ちで製紐(繊度484dtex)した後、170℃ 1.33倍に加熱延伸して得た糸条に、シリコー ン系表面処理剤(信越化学工業株式会社製、 番:KF-96A)を糸条100質量部に対して5質量部の 合で塗布し、目的とする複合糸条を得た。 の複合糸条の外観は半透明であった。

[実施例6]
 ポリエチレンテレフタレート樹脂チップ(ユ ニチカ株式会社製、品番:NEH2070)中に、蓄光剤 (根本特殊化学株式会社製、商品名:N夜光ルミ ノーバGLL-300FFS(S1))を5質量%となるよう配合し 溶融混練した後、常法により紡糸(紡糸温度 280℃)および延伸(延伸倍率7.0倍)して得たモノ マルチフィラメント(110dtex/5f)に、さらに該フ ィラメント100質量部あたりホットメルト接着 剤(セメダイン株式会社製、商品名:HM320S)3質 部を塗布したものを補助フィラメントとし 用いた。
 超高分子量ポリエチレンフィラメント(110dte x/96f)3本と、上記のホットメルト接着剤が塗 された補助フィラメント1本とを用いて4つ打 ちで製紐(繊度484dtex)した後、190℃で1.33倍に 熱延伸して、目的とする複合糸条を得た。

[実施例7]
 ポリエチレンテレフタレート樹脂チップ(ユ ニチカ株式会社製、品番:NEH2070)中に、蓄光剤 (根本特殊化学株式会社製、商品名:N夜光ルミ ノーバGLL-300FFS(S1))を5質量%となるよう配合し 溶融混練した後、常法により紡糸(紡糸温度 280℃)および延伸(延伸倍率7.0倍)して得たモノ フィラメント(55dtex)を補助フィラメントとし 用いた。
 超高分子量ポリエチレンフィラメント(55dtex /48f)4本と、上記の補助フィラメント4本とを いて8つ打ちで製紐(繊度484dtex)した後、190℃ 1.33倍に加熱延伸して得た糸条に、シリコー ン系表面処理剤(信越化学工業株式会社製、 番:KF-96A)を糸条100質量部に対して5質量部の 合で塗布し、目的とする複合糸条を得た。 の複合糸条の外観は半透明であった。

[実施例8]
 ポリフッ化ビニリデン樹脂チップ中に、蓄 剤(根本特殊化学株式会社製、商品名:N夜光 ミノーバGLL-300FFS(S1))を5質量%となるよう配 し、溶融混練した後、常法により紡糸(紡糸 度260℃)および延伸(延伸倍率6.5倍)して得た ノフィラメント(55dtex)を補助フィラメント して用いた。
 超高分子量ポリエチレンフィラメント(55dtex /48f)4本と、上記の補助フィラメント4本とを いて8つ打ちで製紐(繊度484dtex)した後、160℃ 1.33倍に加熱延伸して得た糸条に、シリコー ン系表面処理剤(信越化学工業株式会社製、 番:KF-96A)を糸条100質量部に対して5質量部の 合で塗布し、目的とする複合糸条を得た。 の複合糸条の外観は半透明であった。

 上記の各実施例で得られた本発明にかかる 条(複合糸条)の特性を下記表1に示す。

 各実施例の糸条を、波長375nmの紫外線LED イトを照射して蓄光させ、暗所での発光性 調べたところ、良く光り、視認性が良かっ 。ただし、実施例3の糸条は、蓄光剤を含む 助フィラメントが芯糸に位置するため、他 実施例に比べて光り方が弱く感じた。