Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
MACHINE BODY DIAGNOSING METHOD, AND MACHINE BODY DIAGNOSING SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/099519
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a machine body diagnosing system capable of performing the abnormality/trouble diagnoses of a machine body without using a threshold value. The machine body diagnosing system is constituted of a movement managing controller (24) for generating such frequency distribution information at every constant time runs of a machine body (11) as expresses the relation between the magnitude of a signal relating to an engine output and an appearance frequency, a management unit (15) for receiving and storing a plurality of pieces of frequency distribution information, and terminal devices (17 and 19) for detecting the drop of an engine output by arranging and comparing the pieces of frequency distribution information acquired from the management unit (15). Unlike the case of the prior art, in which the abnormality/trouble is decided or in which the degree of abnormality is ranked by making comparisons with the conventional threshold value, therefore, the engine output drop can be detected without using the threshold value, by comparing the pieces of frequency distribution information stored in connection with on the engine output.

Inventors:
YAMADA HIDEO (JP)
SAKAI MAKOTO (JP)
MATSUFUJI KAZUMOTO (JP)
TANAKA JUN (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/062743
Publication Date:
August 21, 2008
Filing Date:
June 26, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
CATERPILLAR MITSUBISHI LTD (JP)
YAMADA HIDEO (JP)
SAKAI MAKOTO (JP)
MATSUFUJI KAZUMOTO (JP)
TANAKA JUN (JP)
International Classes:
G01M15/02; E02F9/26; F02D29/00; F02D45/00
Foreign References:
JPH10273920A1998-10-13
JP2002180502A2002-06-26
JPH10168946A1998-06-23
JP2006011849A2006-01-12
JP2004190582A2004-07-08
JP3697136B22005-09-21
JPH1124744A1999-01-29
JP2002180502A2002-06-26
Attorney, Agent or Firm:
KABASAWA, Joo et al. (1-22 Shinjuku 3-chom, Shinjuku-ku Tokyo 22, JP)
Download PDF:
Claims:
 機体に搭載された稼働データ保存機能および無線通信機能を有する動態管理用コントローラに機体のエンジン出力と関連する信号の大きさと出現頻度との関係を表わす頻度分布情報を機体の一定時間稼働ごとに生成させ、
 動態管理用コントローラの無線通信機能により管理部に送信された複数の頻度分布情報を蓄積させ、
 複数の頻度分布情報を時系列に並べて比較することでエンジン出力の低下を検知する
 ことを特徴とする機体診断方法。
 エンジン出力に関する信号は、エンジンにより駆動されるポンプを制御するレギュレータに作用してポンプ出力を制御するパワーシフト圧である
 ことを特徴とする請求項1記載の機体診断方法。
 エンジン出力に関する信号は、ターボチャージャによりエンジン吸気側に過給されるブースト圧である
 ことを特徴とする請求項1記載の機体診断方法。
 エンジン出力に関する信号は、エンジン回転速度である
 ことを特徴とする請求項1記載の機体診断方法。
 エンジン出力が低下する際の変化量が規定範囲内か否かを判定し、
 規定範囲内であれば粗悪燃料によるエンジン出力の低下と判断し、
 規定範囲内でなければエンジンの故障によるエンジン出力の低下と判断する
 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の機体診断方法。
 機体に搭載されて機体のエンジン出力と関連する信号の大きさと出現頻度との関係を表わす頻度分布情報を機体の一定時間稼働ごとに生成する稼働データ保存機能および無線通信機能を有する動態管理用コントローラと、
 動態管理用コントローラの無線通信機能により送信された複数の頻度分布情報を受信して蓄積する管理部と、
 管理部から通信回線を経て入手した複数の頻度分布情報を時系列に並べて比較することでエンジン出力の低下を検知する端末機器と
 を具備したことを特徴とする機体診断システム。
Description:
機体診断方法および機体診断シ テム

 本発明は、稼働データ保存機能および無 通信機能を有する動態管理用コントローラ 用いた機体診断方法および機体診断システ に関する。

 図11に示されるように、油圧ショベルな の機体1には、この機体1の動作を制御する機 体コントローラ2と、機体1に搭載されたエン ン3の燃料噴射を制御するエンジンコントロ ーラ4と、機体キャブ内オペレータによる入 装置を兼ねた出力装置であるモニタ5とが設 られ、これらの機体コントローラ2、エンジ ンコントローラ4およびモニタ5は、データリ クライン6により接続され、このデータリン クライン6の一端はサービスツール用車両側 ネクタ7に接続されている。

 従来、機体1の性能(主にエンジン出力)が 正であるかどうかを判定するために、サー スマンが機体1のある現場に赴き、機体1の ービスツール用車両側コネクタ7にコミュニ ーションアダプタ8を介して計測機器または ノート型パーソナルコンピュータ9などを繋 た上で、例えば2ポンプリリーフ操作などの 殊な操作を行い、その際の油圧出力やエン ン回転数の変化を測定記録し、測定値が規 値の範囲内に収まっているか否かを見るこ が一般的である。

 上記2ポンプリリーフ操作は、機体1に搭 されている2つのメインポンプの吐出圧が、 ンジン3にとって一番負荷がかかっている状 態であるリリーフ圧になるように操作するこ とを指し、具体的には、作業装置のブームBm スティックStなどを可動限界位置に当接さ た状態で、これらの操作レバーを限界方向 操作し、すなわち限界方向であるので作業 置が動くことは無い状態の下で、油圧源の リーフ弁を経て油圧をリリーフさせる。

 図12は、この2ポンプリリーフ操作で得ら た測定結果の一例であり、ブームBmを可動 界位置に当接させた状態で、ブームシリン 操作用のブームレバーを一気にフル操作し 急負荷をかけ、そのときのエンジン回転数 、2つのメインポンプの斜板制御状況(ポンプ 斜板角、ポンプ吐出圧)などの変化を見なが 、エンジン3の性能を推し量るようにしてい 。

 この種のポンプ斜板制御では、パワーシ ト制御が用いられている。すなわち、検出 れたエンジン回転数およびポンプ吐出圧に じたパワーシフト圧を機体コントローラに り演算して、その演算結果の制御信号によ パワーシフト制御手段の電磁比例減圧弁を 御し、この電磁比例減圧弁で減圧制御され パイロット圧すなわちパワーシフト圧をレ ュレータ制御弁に導き、ポンプ吐出圧-吐出 流量特性を最適なものにシフト制御するよう にポンプ斜板をレギュレータにより制御して いる。すなわち、ポンプ吐出圧-吐出流量特 図において、一の定ポンプ馬力曲線から他 定ポンプ馬力曲線へとシフトさせる制御を ている(例えば、特許文献1参照)。

 また、作業機械に、その稼働状態を検知 る検知部と、その検知結果についての正常 異常判断を行ない、その判断結果と検知部 の検知結果とを記憶するデータ管理部と、 ーザ装置との間で通信を行なう第1通信部と を設け、ユーザ装置には、作業機械,親装置 の間で通信を行なう第2通信部と、作業機械 データ管理部からのデータを記憶する記憶 とを設け、そして、親装置には、ユーザ装 との間で通信を行なう第3通信部と、得られ たデータに基づいて作業機械の異常/故障診 を行なう異常/故障診断部とを設けたものが る。上記データ管理部は、各センサでの検 結果についての正常・異常判断を行なう(例 えば、エンジン回転数が所定回転数を超えた 場合や油圧ポンプの吐出圧が所定圧を超えた 場合などを異常とする)正常・異常判断部を えており、具体的には、作業機械のエンジ 回転数やポンプ吐出圧,作動油の温度などの 目毎に修理要となる基準値(閾値)を設定し テーブルを有しており、このテーブルの各 定値を参照して、閾値を超えている項目に いては異常/故障修理が必要であると判定し いる(例えば、特許文献2参照)。

 さらに、センサ検出値の絶対値を複数の閾 で段階的に区分して、異常度合いをランク 判断したり、単位時間前後でのセンサ検出 の差分(トレンドデータの傾き)を複数の閾 で段階的に区分して、異常度合いをランク 判断したり、単位時間あたりのエラーコー の発生頻度を複数の閾値で段階的に区分し 、異常度合いをランクで判断するものがあ (例えば、特許文献3参照)。

特許第3697136号公報(第7頁、図1、7)

特開平11-24744号公報(第1、13頁、図2-4)

特開2002-180502号公報(第11-12頁、図2-5)

 図11および図12に示された従来の機体性能 計測を伴う故障診断を行なうには、機体のあ る現場に行かないことには計測ができず、手 間がかかる問題があるとともに、現場を訪問 した際に、はじめて稼働時間などもわかるた め定期的に診断を行なうことが難しい。

 これに対し、特許文献2および特許文献3 記載された方法は、共に、機体のある現場 行かなくても遠隔地で機体の異常/故障診断 行なえるものであるが、実測により得られ データを基準値すなわち閾値と比較して、 の閾値を超えている項目については異常/故 障修理が必要であると判定したり、複数の閾 値を設定して、ランク付けされた異常度合い を求めるようにしているので、閾値を確定し ないと機体の異常/故障診断を行なうことが きない。

 本発明は、このような点に鑑みなされた ので、機体の異常/故障診断を、閾値を用い ることなく行なえる機体診断方法および機体 診断システムを提供することを目的とする。

 請求項1に記載された発明は、機体に搭載 された稼働データ保存機能および無線通信機 能を有する動態管理用コントローラに機体の エンジン出力と関連する信号の大きさと出現 頻度との関係を表わす頻度分布情報を機体の 一定時間稼働ごとに生成させ、動態管理用コ ントローラの無線通信機能により管理部に送 信された複数の頻度分布情報を蓄積させ、複 数の頻度分布情報を時系列に並べて比較する ことでエンジン出力の低下を検知する機体診 断方法である。

 請求項2に記載された発明は、請求項1記 の機体診断方法におけるエンジン出力に関 る信号を、エンジンにより駆動されるポン を制御するレギュレータに作用してポンプ 力を制御するパワーシフト圧とした機体診 方法である。

 請求項3に記載された発明は、請求項1記 の機体診断方法におけるエンジン出力に関 る信号を、ターボチャージャによりエンジ 吸気側に過給されるブースト圧とした機体 断方法である。

 請求項4に記載された発明は、請求項1記 の機体診断方法におけるエンジン出力に関 る信号を、エンジン回転速度とした機体診 方法である。

 請求項5に記載された発明は、請求項1乃 4のいずれか記載の機体診断方法において、 ンジン出力が低下する際の変化量が規定範 内か否かを判定し、規定範囲内であれば粗 燃料によるエンジン出力の低下と判断し、 定範囲内でなければエンジンの故障による ンジン出力の低下と判断する機体診断方法 ある。

 請求項6に記載された発明は、機体に搭載 されて機体のエンジン出力と関連する信号の 大きさと出現頻度との関係を表わす頻度分布 情報を機体の一定時間稼働ごとに生成する稼 働データ保存機能および無線通信機能を有す る動態管理用コントローラと、動態管理用コ ントローラの無線通信機能により送信された 複数の頻度分布情報を受信して蓄積する管理 部と、管理部から通信回線を経て入手した複 数の頻度分布情報を時系列に並べて比較する ことでエンジン出力の低下を検知する端末機 器とを具備した機体診断システムである。

 請求項1に記載された発明によれば、機体 の動態管理用コントローラにエンジン出力と 関連する信号の頻度分布情報を機体の一定時 間稼働ごとに生成させ、複数の頻度分布情報 を管理部に送信して蓄積させ、複数の頻度分 布情報を時系列に並べて比較することでエン ジン出力の低下を検知するので、従来の閾値 との比較で異常/故障判定したり異常度合い ランク付けする場合と異なり、エンジン出 に関して蓄積された複数の頻度分布情報間 比較により、エンジン出力の低下を、閾値 用いることなく検知できる機体診断方法を 供できる。

 請求項2に記載された発明によれば、パワ ーシフト圧の大きさと出現頻度との関係を表 わす複数の頻度分布情報を時系列に並べて比 較することでエンジン出力の低下を検知する ので、検出容易なパワーシフト圧の頻度分布 情報によりエンジン出力の低下を、閾値を用 いることなく容易に検知できる。

 請求項3に記載された発明によれば、ブー スト圧の大きさと出現頻度との関係を表わす 複数の頻度分布情報を時系列に並べて比較す ることでエンジン出力の低下を検知するので 、検出容易なブースト圧の頻度分布情報によ りエンジン出力の低下を、閾値を用いること なく容易に検知できる。

 請求項4に記載された発明によれば、エン ジン回転速度の大きさと出現頻度との関係を 表わす複数の頻度分布情報を時系列に並べて 比較することでエンジン出力の低下を検知す るので、検出容易なエンジン回転速度の頻度 分布情報によりエンジン出力の低下を、閾値 を用いることなく容易に検知できる。

 請求項5に記載された発明によれば、エン ジン出力が低下する際の変化量が規定範囲内 であれば粗悪燃料によるエンジン出力の低下 と判断し、規定範囲内でなければエンジンの 故障によるエンジン出力の低下と判断するの で、エンジン出力が低下する原因に適切に対 処できる。

 請求項6に記載された発明によれば、エン ジン出力と関連する信号の頻度分布情報を機 体の一定時間稼働ごとに生成する動態管理用 コントローラと、複数の頻度分布情報を受信 して蓄積する管理部と、管理部から入手した 複数の頻度分布情報を時系列に並べて比較す ることでエンジン出力の低下を検知する端末 機器とによって、従来の閾値との比較で異常 /故障判定したり異常度合いをランク付けす 場合と異なり、エンジン出力に関して蓄積 れた複数の頻度分布情報間の比較により、 ンジン出力の低下を、閾値を用いることな 検知できる機体診断システムを提供できる

本発明に係る機体診断システムの一実 の形態を示す構成図である。 同上システムに用いられる動態管理用 ントローラの一例を示すブロック図である 同上システムにより行なわれる機体診 方法における動態管理用コントローラ側の 業を説明する説明図である。 同上機体診断方法における管理部側の 度分布特性比較作業を説明する特性図であ 。 同上機体診断方法の一例を示すフロー ャートである。 同上機体診断方法の他の例を示すフロ チャートである。 同上機体診断方法で用いられるパワー フト圧頻度分布を示す特性図である。 同上機体診断方法で用いられるブース 圧頻度分布を示す特性図である。 同上機体診断方法で用いられるアクセ ダイヤルNo.9でのエンジン回転数頻度分布を 示す特性図である。 同上機体診断方法で用いられるアクセ ルダイヤルNo.8でのエンジン回転数頻度分布 示す特性図である。 従来の機体診断方法を示す構成図であ る。 従来の機体性能の判定に用いられる2 ンプリリーフ操作で得られた測定結果の一 を示す特性図である。

符号の説明

 11  機体
 15  管理部
 17,19  端末機器としての顧客端末機器、社 端末機器
 22  エンジン
 24  動態管理用コントローラ
 28  ポンプ
 29  レギュレータ
 30  ターボチャージャ

 以下、本発明を、図1乃至図10に示された 実施の形態を参照しながら詳細に説明する

 図1は、本発明に係る機体診断システムの 前提となる作業機械遠隔稼働管理システム10 概要を示し、この作業機械遠隔稼働管理シ テム10は、作業機械の機体11の動態管理を無 線通信を利用して遠隔地で行なうもので、機 体11は、稼働データ保存機能および無線通信 能を有するとともに、グローバル・ポジシ ニング・システム衛星(以下、グローバル・ ポジショニング・システムを「GPS」という)12 により位置測位機能を有する動態管理用コン トローラ(後で説明する)を備えている。なお 図1で図示された作業機械は油圧ショベルで あるが、作業機械としては、ブルドーザ、ロ ーダなどでも良い。

 機体11の動態管理用コントローラは、中 局13および無線キャリアネットワーク14を介 て、管理部15と通信可能に構成されている 無線キャリアネットワーク14は、携帯電話通 信と衛星通信とを併用して、機体11の動態管 用コントローラと管理部15とを結ぶ携帯電 回路網である。

 管理部15は、作業機械を生産するメーカ 内などに設置されたサーバを中心に構成さ 、この管理部15には、通信回線としてのイン ターネット回線網16を介して端末機器として 顧客端末機器17および顧客携帯電話17phが通 可能に構成されているとともに、通信回線 してのメーカ系列のイントラネット回線網1 8を介して端末機器としての社内端末機器19お よび社内携帯電話19phが通信可能に構成され いる。

 管理部15は、機体11の動態管理用コントロ ーラから無線通信で送信させた機体11の車両 報(車両名称(号機情報)、機種、建機本体シ アル番号など)、動態データ(すなわち稼働 ータ(稼働情報、機械情報、警告情報、メン ナンス情報)および位置情報(GPS衛星12による 地図表示))を受信して保存するとともに、受 したこれらの情報をウェブサイト(会員サイ ト)に反映させ、顧客およびメーカ社内また 販売店のサービスマンに対して、インター ット回線網16またはイントラネット回線網18 通じて、ウェブ(Web)またはメーラにて情報 供を行なうサーバを備えている。

 顧客端末機器17または社内端末機器19は、 顧客またはサービスマンが、インターネット 回線網16またはイントラネット回線網18を通 て管理部15にアクセスして、ウェブブラウザ またはメーラにより自分の所有または担当す る機体11の稼働データを閲覧する主としてパ ソナルコンピュータ(以下、単に「パソコン 」という)である。

 稼働データは、稼働情報(稼働時間、燃料 残量など)、機械情報(温度、エンジン回転速 すなわちエンジン回転数や、圧力などの油 機器状態など)、警告情報(未承認キー挿入 異常検出など)、メンテナンス情報(オイル交 換時期、フィルタ交換時期など)を含む。

 機体11内では、機体11の種々の機器を制御 する機体コントローラ21と、エンジン22の燃 噴射(噴射量、圧力、タイミング)をガバナを 介し制御するエンジンコントローラ23と、動 管理用コントローラ24と、入力機能を備え 表示器であるモニタ25とが、データリンクラ イン26により接続され、このデータリンクラ ン26の一端はサービスツール用車両側コネ タ27に接続されている。

 このサービスツール用車両側コネクタ27 は、コミュニケーションアダプタを介して ート型パーソナルコンピュータ(ノートパソ ン)などが接続可能となっているので、この ノートパソコンによりデータリンクライン26 介して機体コントローラ21および動態管理 コントローラ24などと通信を行ない、ノート パソコン上に機械情報などをリアルタイムで 表示させることもできる。

 機体コントローラ21の入力側には、無負 時のエンジン回転数を多段階に設定するた のアクセルダイヤル21ADと、操作レバーなど 操作器21LVとが電気的に接続されている。操 作器21LVがパイロット式の場合は、操作量に 例するパイロット圧を圧力センサで電気信 に変換して機体コントローラ21に入力する。

 エンジン22には、エンジン制御用に必要 エンジン回転数を検出するためのエンジン 転数センサ22rが設けられ、その出力部はデ タリンクライン26に接続されている。

 エンジン22には、このエンジン22により駆 動されるポンプとしての可変容量型ポンプ28 1対設けられ、これらの可変容量型ポンプ28 は、ポンプ斜板などの容量可変手段を制御 るレギュレータ29がそれぞれ設けられてい 。これらのポンプ制御用のレギュレータ29に 、ポンプコントローラで演算されたポンプ出 力を最適に制御するパワーシフト圧がそれぞ れ作用されると、ポンプ吐出圧・流量特性曲 線を最適なものにシフト制御できるが、これ らのパワーシフト圧を検出するためのパワー シフト圧センサ29psがそれぞれ設けられ、こ らの出力部はデータリンクライン26にそれぞ れ接続されている。

 エンジン22の排気管路および吸気管路に 、排気管路中のタービンを排気ガスにより し、そのタービンで吸気管路中のエアコン レッサを駆動するターボチャージャ30が設け られ、このターボチャージャ30によりエンジ 吸気側に過給されるブースト圧を検出する ースト圧センサ30bsが設けられ、その出力部 はデータリンクライン26に接続されている。

 このような作業機械遠隔稼働管理システ 10において、機体診断システムにあっては 機体11に搭載された動態管理用コントローラ 24は、機体11のエンジン出力と関連する信号 大きさと出現頻度との関係を表わす頻度分 情報を機体11の一定時間稼働ごとに生成する 稼働データ保存機能および無線通信機能を有 し、管理部15は、動態管理用コントローラ24 無線通信機能により送信された複数の頻度 布情報を受信して蓄積する機能を有し、端 機器としての顧客端末機器17または社内端末 機器19は、管理部15から通信回線を経て入手 た複数の頻度分布情報を時系列に並べて比 することでエンジン出力の低下を検知する 能を有する。

 エンジン出力と関連する信号としては、 ンジン22により駆動されるポンプ28を制御す るレギュレータ29に作用してポンプ出力を制 するパワーシフト圧、または、ターボチャ ジャ30によりエンジン吸気側に過給される ースト圧、または、エンジン回転数を用い 。

 次に、図2は、機体11の内外へのデータ授 を制御する動態管理用コントローラ24を示 。

 この動態管理用コントローラ24は、機体11 のバッテリ(図示せず)に直接接続される主電 回路に対し、エンジン始動回路(図示せず) パラレルに接続されている。したがって、 ンジン始動回路のエンジンキースイッチを フにしても、主電源スイッチをオフにしな 限り、動態管理用コントローラ24は主電源の 供給を受けて稼働状態を維持できる。

 この動態管理用コントローラ24は、演算 理部31と、この演算処理部31に接続された記 部32と、有線通信部33と、無線通信部34と、 置測定部35と、日付管理部36と、入出力信号 処理部37と、電源制御部38とからなる。

 演算処理部31は、動態管理用コントロー 24内のデータの授受等に関して各構成部32~37 対して指令を出力する。記憶部32は、演算 理部31より書き込まれた作業機械の稼働デー タ(稼働情報、機械情報、メンテナンス情報 よび警告情報)および演算処理部の指令基準 なる条件が記述された設定データを保存す 不揮発性メモリである。この記憶部32は、 存されるデータに応じて、記憶領域が稼働 ータ記憶部41、自発送信データ記憶部42、設 データ記憶部43の3つに分割されている。

 有線通信部33は、機体11内の他のコントロ ーラ(機体コントローラ21など)とデータリン ライン26aを介してデータ通信をする。無線 信部34は、無線キャリアネットワーク14を利 できる無線通信機器とメモリを備え、その 線キャリアネットワーク14を介して管理部15 とデータ通信をする。そのメモリには管理部 15の電話番号(連絡先データ)が保存されるほ 、この管理部15からの呼出用電子メールを保 存する領域が設定されている。

 位置測定部35は、GPS受信機を備え、GPS衛 12からの電波を受信して現在位置を測位する 。日付管理部36は、時計手段と充電池を備え 主電源オフ時にも日時を保持して日時デー を管理できるように独自の充電池を備え、 た予め演算処理部31より設定された日付、 刻になると演算処理部31に出力をする。

 入出力信号処理部37は、データリンクラ ン26bを介してセンサ類、リレーなどの各種 器に接続され、センサ類から得られた稼働 ータを機械情報として動態管理用コントロ ラ24に取込むとともに、リレーなどに対して 出力をするものである。

 電源制御部38は、演算処理部31、無線通信 部34および日付管理部36に接続され、これら 内部電源のオン/オフを制御する。

 そして、前記記憶部32への各データの保 は、前記演算処理部31の指令により処理され 、そのうち機体11の各種機器に設けられた稼 時間積算計、燃料残量センサ、温度センサ エンジン回転数センサ22r、パワーシフト圧 ンサ29psおよびブースト圧センサ30bsなどの 力センサなどのセンサ類から得られた稼働 報(稼働時間情報、燃料残量情報)、機械情報 (温度、エンジン回転数や、圧力などの油圧 器状態など)、メンテナンス情報および警告 報などの稼働データは、入出力信号処理部3 7および演算処理部31を経て記憶部32の稼働デ タ記憶部41に保存される。

 これらの稼働データのうち、警告を発す 条件に合致する異常データがあった場合、 れは警告情報として、自発送信データ記憶 42にも保存される。この自発送信データ記 部42に警告情報が保存されている場合、後述 するように、管理部15からの呼出用電子メー の有無に関わらず、演算処理部31は管理部15 側に警告情報を送信するよう指令を出力する 。

 演算処理部31の制御指令は、記憶部32の設 定データ記憶部43に保存される設定データに づいているが、更新すべき設定データは、 理部15側から送信され、それが前記設定デ タ記憶部43に保存される。

 次に、この動態管理用コントローラ24内 おける通信処理を説明する。

 演算処理部31では、主電源スイッチがオ になっている限り、管理部15からの呼出用電 子メールが受信されて無線通信部34のメモリ に保存されているか否かを常時チェックし いる。

 管理部15から呼出用電子メールが送信さ た場合、無線通信部34で受信し、即座に無線 通信部34のメモリに保存する。チェックして る演算処理部31がその保存を確認すると、 線通信部34に無線通信部34のメモリから管理 15の電話番号を取り出させ、管理部15側に架 電させる。

 無線通信部34が管理部15と通じると、管理 部15から設定データがあればそれが送信され それとともに所望の機体11の送信要求が送 される。演算処理部31では、まず設定データ を受信したかどうか確認し、受信があれば、 それを記憶部32の設定データ記憶部43に保存 て更新し、更新完了した結果をデータとし 管理部15側に返す。設定データは、上述した ように、演算処理部31の制御指令であり、更 以後は更新後の設定に基づき制御が行なわ る。

 それから、演算処理部31は、稼働データ 求を確認すると、所望の機体11の稼働データ を稼働データ記憶部41から取り出して、無線 信部34から管理部15へ送信させる。なお、稼 働データを受信した管理部15側では、その稼 データをウェブサイトに反映させ、顧客ま はサービスマンに情報提供する。

 それから、演算処理部31は、記憶部32の自 発送信データ記憶部42内に警告情報の有無を 認し、警告情報があれば、そのデータを取 出し、無線通信部34から管理部15へ送信させ る。

 警告情報を受信した管理部15側では、そ データをウェブサイトに反映させるととも 、管理部15側に登録されている顧客またはサ ービスマンの携帯電話17ph,19phに、警告情報を 受信した旨の電子メールを送信する。

 演算処理部31は、各データ送信後、設定 れた所定時間が経過すると、強制的に回線 切断させる。なお、管理部15からの呼出用電 子メールがない場合、演算処理部31は、記憶 32の自発送信データ記憶部42内に警告情報が あるか否かを常時チェックし、データがあれ ば、無線通信部34から管理部15に架電させて 警告情報を送信させる。

 次に、作業機械遠隔稼働管理システム10 顧客およびサービスマンを含めた実際のデ タの流れについて説明する。

 顧客および社内(販売店も含む)のサービ マンが現在の自己の所有または担当する機 11の稼働状況について知りたいときは、それ ぞれ各自の顧客端末機器17または社内端末機 19からインターネット回線網16またはイント ラネット回線網18を介して、管理部15が運営 るウェブサイトにアクセスし、IDとパスワー ドでログインした後、所望の機体11の稼働デ タの取得を要求する。

 管理部15側では、要求された所望の機体11 へのアクセスデータを自身のデータベースか ら取得し、そのデータに基づき、所望の機体 11に無線キャリアネットワーク14を介して呼 用電子メールを送信する。

 一方、機体11側では、動態管理用コント ーラ24の無線通信部34により前記呼出用電子 ールを受けておく。動態管理用コントロー 24の演算処理部31が呼出用電子メールの保存 を確認すると、無線通信部34に対して架電指 を出力し、携帯電話通信網を含む無線キャ アネットワーク14を介して管理部15側に架電 させる。

 電話を受けた管理部15側では稼働データ 要求信号を出力し、これを受けて前記機体11 側は、前記動態管理用コントローラ24内にお て、演算処理部31が記憶部32から所望の稼働 データを取得し、これを無線通信部34から出 させる。このデータを受けた管理部15側は いったん自身のデータベースに保存し、所 の出力形式で自身のウェブサイトに反映さ る。これにより、顧客端末機器17または社内 端末機器19において、その時点における所望 稼働データが表示される。

 このデータの流れにおいて、機体11の動 管理用コントローラ24は、エンジンキースイ ッチがオフのときでも機体11のバッテリから 接電源を得て、主電源スイッチが切られな 限り稼働しており、機体11が作動していな ときでも、管理部15側からの呼出用電子メー ルを常に監視して応答する体勢をとっている ので、主電源スイッチをオフにしない限り、 顧客または社内(販売店も含む)のサービスマ は、いつでも、管理部15が運営するウェブ イトを通じて、所望の機体11についてのリア ルタイムの稼働データを要求し、また取得す ることができる。

 警告情報については、それが自発送信デ タ記憶部42に保存されれば、主電源スイッ がオンである限り、機体11側から直ちに管理 部15側に送信され、電子メールによって顧客 末機器17または社内端末機器19に出力される ので、機体11に異常のあることをリアルタイ で知ることができる。

 顧客端末機器17または社内端末機器19から の稼働データの要求は、すべて管理部15を通 るルートとなっていて、これにより機体11 稼働データを送信する先は管理部15だけとな っており、そのデータ送信の始動も、管理部 15側からの呼出用電子メールの有無に限って るので、データを渡す顧客の認証機構が機 11にはまったく不要となり、しかもアクセ のあった時にデータを渡すのではなく、呼 は呼出で終了させた後、接続先が設定され いる管理部15だけに機体11側から架電のうえ ータを送信するので、機体11および管理部15 ともに簡易なシステム構成となるとともに、 データ漏洩のおそれがない。

 管理部15側が機体11とのデータの授受を一 括して行ない、受信したデータをウェブサイ トに反映させて顧客またはサービスマンに提 供するので、例えば機体11からは数値だけの データのみを受け取るものとしても、ウェ サイトに反映させる段階で、数値だけの生 ータを顧客またはサービスマンが所望する 式に加工して表示できる。

 次に、図3および図4に基づき、この作業 械遠隔稼働管理システム10を用いた機体診断 方法の一例を説明する。

(a) 機体11に搭載された稼働データ保存機 および無線通信機能を有する動態管理用コ トローラ24により、以下の積算を開始する。

(b) 機体11のエンジン出力と関連する信号( えば、パワーシフト圧、ブースト圧または ンジン回転数などの主要パラメータのデー 値)を、一定周期ごとに検出して、そのデー タ値の大きさごとに区分けして出現頻度を積 算することで、データ値の大きさと出現頻度 との関係を表わす一定の稼働時間N分の頻度 布情報Aを作成し、稼働データ記憶部41の不 発性メモリに保存する。

(c) 動態管理用コントローラ24は、頻度分 情報Aをリセットした後に、同様の積算を再 する。一方、積算の開始から一定の稼働時 Nが経過したら、管理部15からの要求信号に じて、稼働データ記憶部41の不揮発性メモ に保存された頻度分布情報Aを、動態管理用 ントローラ24の無線通信部34から中継局13お び無線キャリアネットワーク14を経て管理 15のサーバに送信する。

(d) 再び、機体11のエンジン出力と関連す 主要パラメータのデータ値を、一定周期ご に検出して、一定の稼働時間N分の頻度分布 報Bを作成し、稼働データ記憶部41の不揮発 メモリに保存する。

(e) 動態管理用コントローラ24は、頻度分 情報Bをリセットした後に、同様の積算を繰 返し実行する。一方、積算の開始から一定 稼働時間Nが経過したら(最初の積算開始か 2*N時間経過後)、管理部15からの要求信号に じて、稼働データ記憶部41の不揮発性メモリ に保存された頻度分布情報Bを、動態管理用 ントローラ24の無線通信部34から中継局13お び無線キャリアネットワーク14を経て管理部 15のサーバに送信する。

 このようにして機体11の一定時間稼働ご に生成させた、エンジン出力と関連する主 パラメータのデータ値の大きさと出現頻度 の関係を表わす複数の頻度分布情報A,Bは、 理部15からの要求信号に応じて、動態管理用 コントローラ24の無線通信機能により管理部1 5のサーバに送信され、このサーバ内に、図4 示されるように蓄積される。

 このため、顧客およびメーカ社内または 売店のサービスマンは、顧客端末機器17ま は社内端末機器19により、管理部15のサーバ に蓄積された複数の頻度分布情報A,Bを時系 に並べて比較することで、それらの波形の 動から、機体11の性能異常であるエンジン 力の低下と、その原因を、以下に示される うに検知することができる。

 次に、図5に示されたフローチャートを参 照して、機体診断方法の一例を説明する。

(ステップS1)
 アクセルダイヤル21ADが、No.10に設定されて るか否かを判定する。

(ステップS2)
 アクセルダイヤル21ADが、最高のNo.10に設定 れている場合は、エンジン回転数が目標回 数に達するように、ポンプ出力を制御する ワーシフト圧を変化させ、エンジンにかか 負荷を変動させる制御を行なっている。そ で、アクセルダイヤル21ADが、No.10に設定さ ている場合は、エンジン22の実出力に応じ パワーシフト圧が自動的に変化することに り、このパワーシフト圧を頻度分析するこ でエンジン22の出力を判断できることから、 アクセルダイヤル21ADがNo.10に設定されている 場合は、パワーシフト圧センサ29psによりパ ーシフト圧を検出する。

(ステップS3)
 機体11に搭載された稼働データ保存機能お び無線通信機能を有する動態管理用コント ーラ24は、このエンジン出力と関連するパワ ーシフト圧の大きさと出現頻度との関係を表 わすパワーシフト圧頻度分布情報を、図3に されるように機体11の一定時間稼働ごとに作 成し、動態管理用コントローラ24の無線通信 能により管理部15に送信する。

(ステップS4)
 管理部15は、受信した複数のパワーシフト 頻度分布情報を蓄積するので、販売店サー スマンなどは、社内端末機器19などにより、 図4に示されるように複数のパワーシフト圧 度分布情報を時系列に並べて比較する。

(ステップS5)
 販売店サービスマンなどは、複数のパワー フト圧頻度分布情報間の変動状態を見て、 るいは社内端末機器19などは、複数のパワ シフト圧頻度分布情報間の変動状態を自動 に判定して、エンジン出力の低下の傾向が れたか否かを判定する。具体例は、図7に基 き説明する。

(ステップS6)
 エンジン出力の低下の傾向が現れた場合は その際のパワーシフト圧頻度分布情報の変 量が規定範囲内か否かを判定する。すなわ 、エンジン出力の低下には、エンジンの異 (故障)と、粗悪燃料の使用の2つの原因があ 、エンジンの異常(故障)と粗悪燃料の使用 では、出力低下の変化の仕方と変化量が異 ることから、これらの2つを識別する。

(ステップS7)
 パワーシフト圧頻度分布情報の変化量が規 範囲内であれば、粗悪燃料によるエンジン 力の低下と判断する。この粗悪燃料につい は、事前に実機でテストしておくことによ 変化量がある程度規定できるので、この変 量から粗悪燃料の使用を判別する。

(ステップS8)
 パワーシフト圧頻度分布情報の変化量が規 範囲内でなければ、エンジンの故障による ンジン出力の低下と判断する。例えば、粗 燃料による出力低下は、燃料を注入した時 から急変するが、エンジンの故障による出 低下は、少しずつ出力が低下し、すなわち 々に傾向が現れるので変化量が規定範囲よ 小さい。また、突発的な故障の場合は、粗 燃料に比べて変化量が規定範囲より極端に きくなる。したがって、パワーシフト圧頻 分布情報の変化量が規定範囲より小さい側 、または大きい側へ逸脱している場合は、 ンジンの故障によるエンジン出力の低下と 断する。

(ステップS9)
 ステップS1でアクセルダイヤル21ADが、No.10 設定されていない場合は、No.9またはNo.8に設 定されているか否かが判断される。

(ステップS10)
 アクセルダイヤル21ADが、No.10より低速側のN o9またはNo8に設定された場合においては、パ ーシフト圧を固定しているため、エンジン 力の変化はエンジン回転数に現れることか 、このエンジン回転数を検出する。すなわ 、エンジンに対して目標回転数の指令は出 ているが、目標回転数に達することができ ようにパワーシフト圧などの制御を行なっ いるわけではないので、最初に負荷がかか た際のエンジン回転数の落ち込みなどがエ ジンの実出力に応じて変化することから、 ンジン回転数を頻度分析することでエンジ 22の出力を判断するために、エンジン回転 センサ22rによりエンジン回転数を検出する

(ステップS11)
 機体11に搭載された稼働データ保存機能お び無線通信機能を有する動態管理用コント ーラ24は、このエンジン出力と関連するエン ジン回転数の大きさと出現頻度との関係を表 わすエンジン回転数頻度分布情報を、図3に されるように機体11の一定時間稼働ごとに作 成し、動態管理用コントローラ24の無線通信 能により管理部15に送信する。

(ステップS12)
 管理部15は、受信した複数のエンジン回転 頻度分布情報を蓄積するので、販売店サー スマンなどは、社内端末機器19などにより、 図4に示されるように複数のエンジン回転数 度分布情報を時系列に並べて比較する。

(ステップS5-S8)
 販売店サービスマンなどは、複数のエンジ 回転数頻度分布情報間の変動状態を見て、 るいは社内端末機器19などは、複数のエン ン回転数頻度分布情報間の変動状態を自動 に判定して、エンジン出力の低下の傾向が れたか否かを判定する。具体例は、図9およ 図10に基づき説明する。

 エンジン出力の低下の傾向が現れた場合 、その際のエンジン回転数頻度分布情報の 化量が規定範囲内か否かを判定し、エンジ 回転数頻度分布情報の変化量が規定範囲内 あれば、粗悪燃料によるエンジン出力の低 と判断し、エンジン回転数頻度分布情報の 化量が規定範囲内でなければ、エンジンの 障によるエンジン出力の低下と判断する。

 次に、図6に示されたフローチャートを参 照して、機体診断方法の他の例を説明する。

(ステップS21)
 エンジン負荷とエンジン回転数に合わせて 気量が制御され、ターボチャージャ30によ エンジン吸気側に過給されるブースト圧は エンジン22の出力と関連して自動的に制御さ れるので、このブースト圧を選択して頻度分 析することでエンジン22の出力を判断できる とから、このブースト圧を検出する。

(ステップS22)
 機体11に搭載された稼働データ保存機能お び無線通信機能を有する動態管理用コント ーラ24は、このエンジン出力と関連するブー スト圧の大きさと出現頻度との関係を表わす ブースト圧頻度分布情報を、図3に示される うに機体11の一定時間稼働ごとに生成し、動 態管理用コントローラ24の無線通信機能によ 管理部15に送信する。

(ステップS23)
 管理部15は、受信した複数のブースト圧頻 分布情報を蓄積するので、販売店サービス ンなどは、社内端末機器19などにより、図4 示されるように複数のブースト圧頻度分布 報を時系列に並べて比較する。

(ステップS24)
 販売店サービスマンなどは、複数のブース 圧頻度分布情報間の変動状態を見て、ある は社内端末機器19などは、複数のブースト 頻度分布情報間の変動状態を自動的に判定 て、エンジン出力の低下の傾向が現れたか かを判定する。具体例は、図8に基づき説明 る。

(ステップS25)
 エンジン出力の低下の傾向が現れた場合は その際のブースト圧頻度分布情報の変化量 規定範囲内か否かを判定する。すなわち、 ンジン出力の低下には、エンジンの異常(故 障)と、粗悪燃料の使用の2つの原因があり、 ンジンの異常(故障)と粗悪燃料の使用とで 、出力低下の変化の仕方と変化量が異なる とから、これらの2つを識別する。

(ステップS26)
 ブースト圧頻度分布情報の変化量が規定範 内であれば、粗悪燃料によるエンジン出力 低下と判断する。この粗悪燃料については 事前に実機でテストしておくことにより変 量がある程度規定できるので、この変化量 ら粗悪燃料の使用を判別する。

(ステップS27)
 ブースト圧頻度分布情報の変化量が規定範 内でなければ、エンジンの故障によるエン ン出力の低下と判断する。例えば、粗悪燃 による出力低下は、燃料を注入した時点か 急変するが、エンジンの故障による出力低 は、少しずつ出力が低下し、すなわち徐々 傾向が現れるので変化量が規定範囲より小 い。また、突発的な故障の場合は、粗悪燃 に比べて変化量が規定範囲より極端に大き なる。したがって、ブースト圧頻度分布情 の変化量が規定範囲より小さい側か、また 大きい側へ逸脱している場合は、エンジン 故障によるエンジン出力の低下と判断する

 次に、図7乃至図10は、検証試験の結果を し、油圧ショベルを、燃料噴射量および作 内容を変えた3つの稼働パターンにより、各 10時間ずつ稼働して、動態管理用コントロー 24により頻度分布情報を作成し、管理部15の サーバに各頻度分布情報を蓄積させ、社内端 末機器19などでこれらの頻度分布情報を取出 て3つの稼働パターンのデータを比較する。

 稼働パターンは、燃料噴射量100%で掘削な どの負荷の大きな重負荷作業をする場合(実 で示す特性)と、燃料噴射量を90%に絞って同 の重負荷作業をする場合(2点鎖線で示す特 )と、燃料噴射量100%のままで均し作業などの 負荷の小さな軽負荷作業をする場合(点線で す特性)とである。

 先ず、図7は、複数のパワーシフト圧頻度 分布情報を時系列に並べて比較することでエ ンジン出力の低下を検知する例を示す。

 これらのパワーシフト圧頻度分布情報は エンジン出力が低下すると、実線で示され 100%出力波形のピーク右側の山に対し、2点 線で示される90%出力波形の対応する山は、 側(実線矢印で示される高圧側)へ移動するよ うに変形することから、この変形量よりエン ジン出力の低下の程度を判定できる。

 さらに、作業負荷が変化すると、実線で される重負荷の波形はピーク頻度が低い波 であるのに対して、点線で示される軽負荷 波形は、ピーク頻度が極端に突出する方向( 点線矢印で示される方向)に変形することか 、この変形量より作業負荷の大きさを判定 きる。

 次に、図8は、複数のブースト圧頻度分布 情報を時系列に並べて比較することでエンジ ン出力の低下を検知する例を示す。

 これらのブースト圧頻度分布情報は、エ ジン出力が低下すると、実線で示される100% 出力波形のピーク位置に対し、2点鎖線で示 れる90%出力波形の対応するピーク位置は、 側(実線矢印で示される低圧側)へ移動するよ うに変形することから、この変形量よりエン ジン出力の低下の程度を判定できる。

 さらに、作業負荷が変化すると、実線で される重負荷の波形はピーク頻度が高い波 であるのに対して、点線で示される軽負荷 波形は、ピーク頻度が極端に低い方向(点線 矢印で示される方向)に変形することから、 の変形量より作業負荷の大きさを判定でき 。

 次に、図9は、アクセルダイヤル21ADがNo.9 設定された場合での複数のエンジン回転数 度分布情報を時系列に並べて比較すること エンジン出力の低下を検知する例を示し、 た、図10は、アクセルダイヤル21ADがNo.8に設 定された場合での複数のエンジン回転数頻度 分布情報を時系列に並べて比較することでエ ンジン出力の低下を検知する例を示す。

 これらのエンジン回転数頻度分布情報は エンジン出力が低下すると、実線で示され 100%出力波形に対し、2点鎖線で示される90% 力波形は、山の左斜面が左側(実線矢印で示 れる低速側)に崩れるように変形することか ら、この変形量よりエンジン出力の低下の程 度を判定できる。

 さらに、作業負荷が変化すると、実線で される重負荷の波形に対して、点線で示さ る軽負荷の波形は、山の右斜面が右側(点線 矢印で示される高速側)に崩れるように変形 ることから、この変形量より作業負荷の大 さを判定できる。

 次に、上記の実施の形態により得られる 果を説明する。

 エンジン出力と関連する信号の頻度分布 報を機体11の一定時間稼働ごとに生成する 態管理用コントローラ24と、複数の頻度分布 情報を受信して蓄積する管理部15と、管理部1 5から入手した複数の頻度分布情報を時系列 並べて比較することでエンジン出力の低下 検知する端末機器17,19とによって、従来の閾 値との比較で異常/故障判定したり異常度合 をランク付けする場合と異なり、エンジン 力に関して蓄積された複数の頻度分布情報 の比較により、エンジン出力の低下を、閾 を用いることなく検知できる機体診断シス ムおよび機体診断方法を提供できる。

 特に、作業機械遠隔稼働管理システム10 構成するために機体11に搭載された専用の動 態管理用コントローラ24により自動的にデー が生成され、保存され、管理部15へ送信さ るため、より客観的で精度の高い情報をあ めることができ、それにより診断精度の向 を図ることもできる。

 具体的には、パワーシフト圧センサ29psに より検出されたパワーシフト圧の大きさと出 現頻度との関係を表わす複数の頻度分布情報 を時系列に並べて比較することでエンジン出 力の低下を検知するので、検出容易なパワー シフト圧の頻度分布情報によりエンジン出力 の低下を、閾値を用いることなく容易に検知 できる。

 あるいは、ブースト圧センサ30bsにより検 出されたブースト圧の大きさと出現頻度との 関係を表わす複数の頻度分布情報を時系列に 並べて比較することでエンジン出力の低下を 検知するので、検出容易なブースト圧の頻度 分布情報によりエンジン出力の低下を、閾値 を用いることなく容易に検知できる。

 さらには、エンジン回転数センサ22rによ 検出されたエンジン回転数の大きさと出現 度との関係を表わす複数の頻度分布情報を 系列に並べて比較することでエンジン出力 低下を検知するので、検出容易なエンジン 転数の頻度分布情報によりエンジン出力の 下を、閾値を用いることなく容易に検知で る。

 その上、エンジン出力が低下する際の変 量が規定範囲内であれば粗悪燃料によるエ ジン出力の低下と判断し、規定範囲内でな ればエンジン22の故障によるエンジン出力 低下と判断するので、エンジン出力が低下 る原因に適切に対処できる。

 すなわち、エンジン22の出力低下には、 ンジン22の異常(故障)と、粗悪燃料の使用の2 つが原因すると思われるが、出力低下の変化 の仕方と変化の量が異なることから、これら の2つを区別できるので、故障によるエンジ 性能の低下のみならず、使用する燃料に起 する性能低下なども確認できるため、3次規 対応エンジンで問題となっている不正燃料 用の発見に関しても有用である。

 なお、本発明に係る機体診断方法に用い エンジン出力に関する信号としては、上記 パワーシフト圧、ブースト圧、エンジン回 数を例示したが、作業機械遠隔稼働管理シ テム10によりエンジン出力の低下を検知す 場合に使える稼働データとしては、瞬間燃 消費量(すなわちエンジンコントローラから 燃料噴射指令値)や、ポンプ吐出圧などを用 いても良い。

 本発明は、作業機械遠隔稼働管理システ 10を搭載した油圧ショベル、ブルドーザま はローダなどの作業機械11に利用可能である 。