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Title:
MACHINE-ERROR SIMULATION PRESS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096272
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a machine-error simulation press, in which a machine-error between the simulation press and a mass-production press or the like as a simulation target press. The machine-error simulation press (10) comprises mold-holding members (25 and 3b) for mounting a mold to press a workpiece thereon, and supporting members (34 and 3a) for supporting the outer circumference portions of the mold-holding members (25 and 3b). Further comprised is a load applying means (9) for applying a load at a pressing time to the portions, which are not supported by the supporting members (34 and 3a), of the mold-holding members (25 and 3b), thereby to adjust the deflections of the mold-holding members (25 and 3b).

Inventors:
YAMASAKI SHUSAKU (JP)
HAYASHI MITSUAKI (JP)
SHIMADA TAKAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050806
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 21, 2009
Export Citation:
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Assignee:
IHI CORP (JP)
YAMASAKI SHUSAKU (JP)
HAYASHI MITSUAKI (JP)
SHIMADA TAKAHIRO (JP)
International Classes:
B30B15/02; B21D24/02; B30B15/06
Foreign References:
JPS6161918B21986-12-27
JPH0281799U1990-06-25
JP2000312998A2000-11-14
Attorney, Agent or Firm:
HOTTA, Minoru (4FKenchiku-Kaikan, 26-20,Shiba 5-chom, Minato-ku Tokyo 14, JP)
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Claims:
 被加工物をプレスするための金型が取り付けられる金型保持部材と、該金型保持部材の外周部を支持する支持部材と、を備える機差模擬プレスであって、
 プレス加工時において、前記金型保持部材における前記支持部材に支持されない部分に荷重を作用させることで前記金型保持部材のたわみを調整する荷重付与手段を備える、ことを特徴とする機差模擬プレス。
 前記荷重付与手段は、前記金型保持部材に荷重を作用させるたわみ調整シリンダ装置であり、
 さらに、たわみ調整シリンダ装置が前記金型保持部材に作用させる荷重を調整するたわみ調整装置を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の機差模擬プレス。
 前記金型保持部材は、ボルスタとスライドプレートの少なくともいずれかである、ことを特徴とする請求項1に記載の機差模擬プレス。
 目標たわみ量に基づいて、プレス加工時における前記金型保持部材のたわみが目標たわみ量になるような前記荷重の値を算出する荷重演算装置を備え、
 前記たわみ調整装置は、たわみ調整シリンダ装置が前記金型保持部材に作用させる荷重が前記算出された値になるように前記たわみ調整シリンダ装置を調整する、ことを特徴とする請求項2に記載の機差模擬プレス。
 前記金型は、被加工物を上下方向に挟んでプレス加工する上金型と下金型であり、
 該上金型が下面に取り付けられ昇降運動させられるスライドと、
該スライドを昇降させプレス成型力を発生させるスライド駆動機構と、
 そのストローク位置の変化によりスライドの傾きを変化させるように前記スライドに荷重を作用させる傾き調整シリンダ装置と、
 該傾き調整シリンダ装置のストローク位置を調整する傾き調整装置と、備える、ことを特徴とする請求項1に記載の機差模擬プレス。
 前記金型は、被加工物を上下方向に挟んでプレス加工する上金型と下金型であり、
 該上金型が下面に取り付けられ昇降運動させられるスライドと、
 プレス加工時に上金型との間に被加工物を挟んだ状態で下降する可動部を有するダイクッション装置と、
前記可動部の動作を制御するクッション制御装置と、を備え、
 前記クッション制御装置は、所定の目標クッション特性を与えるための可動部作動パターンを記憶した記憶部を有し、
 前記クッション制御装置は、前記可動部作動パターンに従って前記可動部の動作を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の機差模擬プレス。
 前記金型保持部材と金型との間に、面圧分布調整板を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の機差模擬プレス。
Description:
機差模擬プレス 発明の背景

 本発明は、模擬対象プレスとの機差を模 できる機差模擬プレスに関する。

 自動車ボデー等の量産に用いる大型プレス 型(以下、金型という)は、自動車の価値を 定するため非常に重要である。このため金 は、車体デザインをパネル加工面に正確に 写するため、金型加工面(プレス面)はCAD,CAM ステムによりパネル板厚分をオフセットし 完全に一致するように製作されている。
 しかし、プレス加工時の成形圧により、金 (下金型と上金型)およびプレス装置(ボルス ーとスライド)が変形し、下型と上型のプレ ス面は完全には一致しなくなる。そのため、 プレス加工時において、プレス面が正確に一 致するように金型製作の最終工程において、 熟練技能者による「型合わせ作業」の繰り返 しが必要となる。

 型合わせ工程は、金型メーカにおいて試 用プレスを用いて行う工程(メーカでの型合 わせ)と、金型ユーザ(自動車メーカ等)の量産 用プレスを用いて行う工程(ユーザでの型合 せ)とがある。型合わせ工程の作業時間は両 合わせて、金型生産時間の1/2~2/5に相当し、 型合わせ工程の削減が生産性向上のため強く 要望されている。

 なお、本発明に関連する先行技術として 特許文献1が既に開示されている。特許文献 1は、ベッドと金型支持板との間に弾性変形 る部材を複数設けて、金型形状を調整する のである。

特開2005-169408号公報、「プレス加工用金 台およびプレス機械」

 上述した金型の型合わせ工程において、 ーザでの型合わせは、通常100~200時間であり 、型合わせ工程全体の1/3以上に達している。 ユーザでの型合わせは、その作業工費に加え て、その間のプレスラインの停止ロスがある 。そのため、ユーザでの型合わせ工程は、金 型ユーザ(自動車メーカ等)にとっても工程時 の短縮が強く要望されている。

 あらかじめ金型メーカにおいて完全に型 わせが完了しているにもかかわらず、ユー での型合わせにも長時間を必要とするのは 金型メーカにおいて使用する試作用プレス 金型ユーザにおいて使用する量産用プレス の間に差(プレス間の機差)があるためであ 。

 そこで、本発明の目的は、量産用プレス を模擬対象プレスとして、この模擬対象プ スとの機差を低減または無くすことができ ように調整可能な機差模擬プレスを提供す ことにある。

発明の要約

 上記目的を達成するため、本発明によれば 被加工物をプレスするための金型が取り付 られる金型保持部材と、該金型保持部材の 周部を支持する支持部材と、を備える機差 擬プレスであって、
 プレス加工時において、前記金型保持部材 おける前記支持部材に支持されない部分に 重を作用させることで前記金型保持部材の わみを調整する荷重付与手段を備える、こ を特徴とする機差模擬プレスが提供される
 本発明の好ましい実施形態によれば、前記 重付与手段は、前記金型保持部材に荷重を 用させるたわみ調整シリンダ装置であり、 らに、たわみ調整シリンダ装置が前記金型 持部材に作用させる荷重を調整するたわみ 整装置を備える。
 本発明の好ましい実施形態によれば、前記 型保持部材は、ボルスタとスライドプレー の少なくともいずれかである。

 上記構成では、荷重付与手段により、プレ 加工時における前記金型保持部材のたわみ 調整できる。このたわみ調整により、前記 型保持部材のたわみ分布を模擬対象プレス 金型保持部材のたわみ分布に一致させ、ま は、近似させることができる。
 従って、前記金型保持部材のたわみ分布に する機差を低減または無くすことができる

 本発明の好ましい実施形態によれば、上記 差模擬プレスは、目標たわみ量に基づいて プレス加工時における前記金型保持部材の わみが目標たわみ量になるような前記荷重 値を算出する荷重演算装置を備え、
 前記たわみ調整装置は、たわみ調整シリン 装置が前記金型保持部材に作用させる荷重 前記算出された値になるように前記たわみ 整シリンダ装置を調整する。
 これにより、目標たわみ量を入力するだけ 、自動的に金型保持部材のたわみを目標た み量に調整できる。

 本発明の好ましい実施形態によれば、前記 型は、被加工物を上下方向に挟んでプレス 工する上金型と下金型であり、上記機差模 プレスは、
 該上金型が下面に取り付けられ昇降運動さ られるスライドと、
 該スライドを昇降させプレス成型力を発生 せるスライド駆動機構と、
 そのストローク位置の変化によりスライド 傾きを変化させるように前記スライドに荷 を作用させる傾き調整シリンダ装置と、
 該傾き調整シリンダ装置のストローク位置 調整する傾き調整装置と、備える。

 上記構成では、傾き調整シリンダ装置お び傾き調整装置により、スライドの傾きを 整できる。従って、スライドの傾きに関す 機差をも低減または無くすことができる。

 本発明の好ましい実施形態によれば、前記 型は、被加工物を上下方向に挟んでプレス 工する上金型と下金型であり、上記機差模 プレスは、
 該上金型が下面に取り付けられ昇降運動さ られるスライドと、
 プレス加工時に上金型との間に被加工物を んだ状態で下降する可動部を有するダイク ション装置と、
 前記可動部の動作を制御するクッション制 装置と、を備え、
 前記クッション制御装置は、所定の目標ク ション特性を与えるための可動部作動パタ ンを記憶した記憶部を有し、
 前記クッション制御装置は、前記可動部作 パターンに従って前記可動部の動作を制御 る。

 上記構成では、クッション制御装置は、 標クッション特性を与えるための前記可動 作動パターンに従って前記可動部の動作を 御する。これにより、模擬対象プレスの目 クッション特性を模擬することができ、ダ クッションの特性に関する機差を低減また 無くすことができる。

 本発明の好ましい実施形態によれば、上記 差模擬プレスは、前記金型保持部材と金型 の間に、面圧分布調整板を備える。
 好ましくは、前記面圧分布調整板は、複数 凸平面を有し、各凸平面の高さはそれぞれ 立に設定されている。

 上記構成では、面圧分布調整板によれば、 記金型保持部材と金型との間における接触 分布を調整できる。
 従って、この接触圧分布に関する機差を低 または無くすことができる。

 本発明の好ましい実施形態によれば、(1) 型保持部材のたわみ分布に関する機差、(2) ライドの傾きに関する機差、(3)ダイクッシ ンの特性に関する機差、および(4)金型保持 材と金型との接触圧分布に関する機差のす てを低減または無くすことができる。これ より、模擬対象プレスと本発明の機差模擬 レスとの間における上金型と下金型による レス面の差を相乗的に低減または無くすこ ができる。

 上述した本発明によれば、量産用プレス等 模擬対象プレスとして、この模擬対象プレ との機差を低減または無くすことができる

本発明の実施形態による機差模擬プレ の構成図である。 図1のA-A線断面図である。 機差模擬プレスの第1実施例による剛性 調整方法を示す全体フロー図である。 機差模擬プレスの第2実施例による剛性 調整方法を示す全体フロー図である。 本発明の剛性調整手段の第1実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第1実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第1実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第1実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第2実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第2実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第3実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第3実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第4実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第4実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第4実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第4実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第5実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第5実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第6実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第6実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第6実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第6実施形態 である。 第6実施形態の実施例である。 アキュムレータガスの初期封入圧力と シリンダ支持剛性との関係図である。 本発明の剛性調整手段の第7実施形態 である。 本発明の剛性調整手段の第7実施形態 である。 第7実施形態の実施例である。 体積弾性係数と圧力の関係図である。 初期圧力の変化による油圧シリンダ反 力とストローク圧縮量の関係図である。 プレス荷重が偏心していない場合にお ける、ボルスタの目標たわみ分布と、たわみ 調整シリンダ装置により調整した後のボルス タのたわみ分布を示している。 プレス荷重が偏心している場合におけ る、ボルスタの目標たわみ分布と、たわみ調 整シリンダ装置により調整した後のボルスタ のたわみ分布を示している。 スライドの傾き調整方法を示すフロー チャートである。 傾き調整装置の第1構成例を示してい 。 傾き調整装置の第2構成例を示してい 。 クッション制御装置の第1構成例を示 ている。 模擬対象のクッション装置の構成を示 している。 模擬対象のクッション特性を示す図で ある。 第1構成例のクッション制御装置によ クッション模擬動作を示すフローチャート ある。 第1構成例のクッション制御装置によ 、図24のクッション特性を模擬した結果を示 している。 クッション制御装置の第2構成例を示 ている。 第2構成例のクッション制御装置によ クッション模擬動作を示すフローチャート ある。 第2構成例のクッション制御装置によ 、図24のクッション特性を模擬した結果を示 している。 圧力分布調整方法を示す全体フロー図 である。 ステップS43、S44の模式図である。 ステップS43、S44の模式図である。 ステップS43、S44の模式図である。

 本発明を実施するための最良の実施形態を 面に基づいて説明する。なお、各図におい 共通する部分には同一の符号を付し、重複 た説明を省略する。
[機差模擬プレスの全体構成]
 図1は、本発明の第1実施形態による機差模 プレスの構成図である。機差模擬プレス10は 、スライド3、スライド駆動機構5、カウンタ ランスシリンダ7、たわみ調整シリンダ装置 9、たわみ調整装置11、傾き調整シリンダ装置 13、傾き調整装置15、ダイクッション装置17、 クッション制御装置19、および面圧分布調整 23A,23Bを備える。

 スライド3は、上金型(図示せず)が下面に 定され、昇降運動する。図1の例では、スラ イド3は、スライド本体3aと、このスライド本 体3aの下面に固定されたスライドプレート3b を有する。スライド本体3aは、スライドプレ ート3bの支持部材であり、スライドプレート3 bの外周部を支持する。上金型は、後述のボ スタ25の上面に固定される下金型(図示せず) の間で被加工物を挟んでプレス加工を行う

 スライド駆動機構5は、1つまたは複数の ーボモータ(図示せず)と、上部のクラウン27 に設けられ上記サーボモータにより回転駆 する駆動ギア5aと、駆動ギア5aとスライド3 を連結し駆動ギア5aの回転運動をスライド3 昇降運動に変換する変換機構5b(図1の例では リンク)とを有する。

 カウンタバランスシリンダ7は、スライド 3および上金型の重量とバランスする上向き をスライド3に付加し、その上下動を容易に るようになっている。

 たわみ調整シリンダ装置9は、プレス加工時 において、金型保持部材(図1の例では、ボル タ25とスライドプレート3b)に荷重を作用す 。
 ボルスタ25は支持部材(図1の例では、後述の キャリア34)によりその外周部が支持されてお り、たわみ調整シリンダ装置9は、支持部材( ャリア34)により支持されていないボルスタ 分に上向き荷重を作用する下剛性調整シリ ダ9aを含む。図1の例では、上剛性調整シリ ダ9bはボルスタ25の中央部に上向き荷重を作 用する。
 スライドプレート3bは支持部材(図1の例では 、スライド本体3a)によりその外周部が支持さ れており、たわみ調整シリンダ装置9は、支 部材(スライド本体3a)により支持されていな スライドプレート部分に下向き荷重を作用 る上剛性調整シリンダ9bを含む。図1の例で 、上剛性調整シリンダ9bはスライドプレー 3bの中央部に下向き荷重を作用する。
 なお、下剛性調整シリンダ9aと上剛性調整 リンダ9bのうち一方のみを設けてもよい。

 たわみ調整装置11は、プレス加工時にた み調整シリンダ装置9が上記金型保持部材に 用させる荷重を調整するものである。たわ 調整装置11は、上剛性調整シリンダ9b用のた わみ調整装置11と下剛性調整シリンダ用のた み調整装置11とを別個に設けることができ 。たわみ調整装置11の構成については後述す る。

 傾き調整シリンダ装置13は、スライド駆動 構5とスライド3を連結する。この構成により 、傾き調整シリンダ装置13のストローク位置 化によりスライド駆動機構5とスライド3と 相対位置が変化する。即ち、スライド駆動 構5とスライド3とは傾き調整シリンダ装置13 介して連結されている。従って、傾き調整 リンダ装置13のストローク量(即ち、ストロ ク位置)を調整することで、水平方向に対す るスライド3の傾きが調整可能になっている
 図2は、図1のA-A線矢視図であり、スライド3 近傍のみを示している。図1及び図2の例で 、4つの傾き調整シリンダ装置13が設けられ おり、これら各傾き調整シリンダ装置13は、 その一端部がそれぞれスライド3の外周部付 に固定され、その他端部がスライド駆動機 5のリンク5bにピンにより回転可能に連結さ ている。

 図1において、傾き調整装置15は、傾き調 シリンダ装置13のストローク位置を調整す ものである。傾き調整装置15は、傾き調整シ リンダ装置13の圧力を制御して間接的に傾き 整シリンダ装置13のストローク位置を調整 、または、傾き調整シリンダ装置13のストロ ーク位置を直接制御する。傾き調整装置15は 各傾き調整シリンダ装置13のストローク位 調整を、他の傾き調整シリンダ装置13のスト ローク位置調整とは独立して行える。

 ダイクッション装置17は、図1の例では、 圧シリンダ装置であり、プレス加工時に、 向き推力が付与されながら、上金型との間 被加工物を挟んだ状態で下降して上金型に し上向き荷重を作用させる可動部17a(図1で 、ピストン)と、可動部17aの上端部により上 向に押されるクッションパッド17bと、クッ ョンパッド17bに支持されるピンプレート17c 、ピンプレート17cに支持されるクッション ン17dとを備える。

 クッション制御装置19は、目標クッショ 特性を与えるようにダイクッション装置17を 制御する。クッション制御装置19の構成につ ては後述する。

 面圧分布調整板23A,23Bは、ボルスタ25及びス イド3(図1の例では、スライドプレート3b)と 示しない金型の支持面との間に設けられる これにより、金型間の接触圧力分布の機差 低減またはなくすようになっている。
 面圧分布調整板23A,23Bは、金型との接触面に 複数の凸平面29を有する。また、各凸平面29 、FEMにより求めたシム調整厚をそれぞれ有 、各凸平面29の高さが、それぞれ独立に接触 圧力分布の機差を低減するように設定されて いる。
 なお、面圧分布調整板23A,23Bは、それぞれ一 体であるのが好ましいが、各凸平面29ごとに 離でき、それぞれが独立した厚さを有する ム板であってもよい。
 面圧分布調整板23A,23Bによる圧力調整方法に ついては後述する。

 機差模擬プレス10のフレームは、プレス 工時にスライド3から上向き荷重を受ける上 重支持部材27(図1の例では、クラウン)と、 レス加工時にボルスタ25から下向き荷重を受 ける下荷重支持部材31(図1の例では、ベッド) を複数の連結部材33(図1の例では、複数のタ イロッド)で連結したものである。なお、上 重支持部材27と下荷重支持部材31との間にア ライト20を挟持した状態で上荷重支持部材 下荷重支持部材が連結部材33により連結され ている。ベッド31はキャリア34を支持してい 。上述のように、キャリア34は、ボルスタ25 支持部材であり、ボルスタ25の外周部を支 している。

[たわみ調整方法]
(第1実施例)
 図3は、本発明の機差模擬プレス10の第1実施 例による剛性調整方法を示す全体フロー図で ある。この図において、本発明の方法は、S1~ S8の各ステップからなる。
 ステップS1では、模擬対象プレスの歪計測 ら歪データを取得する。模擬対象プレスは 例えば金型ユーザの量産用プレスである。 た歪計測は、金型保持部材(ボルスタ25とス イドプレート3b)のプレス時の歪を計測する
 ステップS2では、得られた歪データから模 対象プレスのたわみ分布を推定計算する。 の計算は、FEM計算または理論計算による。 られたたわみ分布を「目標たわみ分布」と る。
 ステップS3では、本発明の機差模擬プレス10 のたわみ計算をする。この計算は、等分布荷 重としてFEMによる。
 ステップS4では、上述したたわみ調整シリ ダ装置9の荷重設定をする。即ち、プレス加 時におけるボルスタ25またはスライドプレ ト3bのたわみ分布が目標たわみ分布となるよ うに、または、目標たわみ分布と近似するよ うに、たわみ調整シリンダ装置9がプレス加 時にボルスタ25またはスライドプレート3bの 央部に作用させる荷重を設定する。
 ステップS5では、たわみ調整シリンダ装置9 設定荷重でのたわみ計算をFEMで行う。
 ステップS6では、たわみ計算で得られたた み分布が目標どおりであることを確認する
 ステップS7では、金型を含むたわみ計算をFE Mで行う。
 ステップS8では、金型の影響は小さいこと 確認する。
 ステップS6,S8で問題がなければ本発明によ たわみ調整(剛性調整)を終了する。問題があ る場合には、ステップS3~S7を繰り返す。

(第2実施例)
 第2実施例では、目標たわみ量Wtを次式(1)に り計算する。Wtは、機差模擬プレス10におけ るプレス加工時での金型保持部材の目標たわ み量である。好ましくは、Wtは模擬対象プレ における金型保持部材の中央の変位量であ 。
 Wt=Pt/Kt ・・・(1)

 この式(1)においてPtは、模擬対象プレス プレス加工を行った場合にプレス加工時に 型に作用するプレス荷重であり、金型毎に なる。なお、このプレス荷重Ptは、プレス加 工時に金型に作用する総プレス荷重であって よい。

 また、式(1)において、Ktは、模擬対象プレ でのプレス加工時における、たわみWと金型 作用するプレス荷重Pとの関係を示す剛性で あり、次式(2)で表される。
 Kt=P/W ・・・(2)
 Pは、模擬対象プレスにおけるプレス加工時 に、金型に作用するプレス荷重であり、Ptと 義である。
 Wは、模擬対象プレスにおけるプレス加工時 での金型保持部材のたわみ量であり、上記ス テップS2の演算と同様の計算で求めてよい。 た、Wは模擬対象プレスにおける金型保持部 材の中央の変位量であってよい。

 第2実施例をフローチャートで示すと例え ば図4のようになる。以下、図4を参照しつつ 明する。

(ステップST2~ST5)
 Ptを金型毎に、Ktを模擬対象プレス毎に予め 求めておく(ステップST2~ST5)。
 一例として、模擬対象プレスAと模擬対象プ レスBがあり、金型aまたは金型bを用いる模擬 対象プレスAを模擬し、金型cまたは金型dを用 いる模擬対象プレスBを模擬する場合につい 説明する。
 金型aまたは金型bを用いた模擬対象プレスA 機差模擬プレス10で模擬する場合、および 金型cまたは金型dを用いた模擬対象プレスB 機差模擬プレス10で模擬する場合に備えて、 Pt a 、Pt b 、Kt A 、Pt c 、Pt d 、Kt B を予め求めておく。
 Pt a は、金型aを用いた模擬対象プレスAにおける レス加工時に、金型aに作用するプレス荷重 であり、Pt b は、金型bを用いた模擬対象プレスAにおける レス加工時に、金型bに作用するプレス荷重 であり、Pt c は、金型cを用いた模擬対象プレスBにおける レス加工時に、金型cに作用するプレス荷重 であり、Pt d は、金型dを用いた模擬対象プレスBにおける レス加工時に、金型dに作用するプレス荷重 である。
 また、Kt A は、模擬対象プレスAにおけるプレス加工時 の金型保持部材のたわみ量であり、金型に って変化しない模擬対象プレスAに固有の値 ある。Kt B は、模擬対象プレスBにおけるプレス加工時 の金型保持部材のたわみ量であり、金型に って変化しない模擬対象プレスBに固有の値 ある。
 Pt a 、Kt A は、次のように求める。金型aを用いた模擬 象プレスAでプレスを行い、このプレス加工 におけるPt a と金型保持部材のたわみ量Waを求める。Pt a は、例えば金型aの裏面などに貼り付けた歪 ゲージにより得られた歪みデータから求め(S T2、ST3)、金型保持部材のたわみ量Waは、第1実 施例の上記ステップS2と同じ方法で求めてよ (ST2、ST3)。
 次に、上式(2)を用いて、Kt A をKt A =Pt a /Waとして求める(ST4)。Pt b については、Pt a の場合と同様に、金型bを用いた模擬対象プ スAでプレスを行い、このプレス加工時にお るPt b を求める。Pt c 、Pt d 、Kt B も同様にして求める。
 このようにステップST2~ST5を繰り返し、求め たPt a 、Pt b 、Kt A 、Pt c 、Pt d 、Kt B を所定の記憶装置に記憶して、金型のプレス 荷重、模擬対象プレスの剛性をデータベース 化する(ST5)。

(ステップST6)
 金型aを用いた模擬対象プレスAを機差模擬 レスで10模擬する場合には、上式(1)を用いて 、Wt A をWt=Pt a /Kt A として求める(ST6)。金型bを用いた模擬対象プ レスAを機差模擬プレス10で模擬する場合には 、上式(1)を用いて、WtをWt=Pt b /Kt A として求める(ST6)。金型cまたは金型dを用い 模擬対象プレスBを機差模擬プレス10で模擬 る場合も同様である。なお、各模擬対象プ スで使用する金型の数が上記の例から増減 る場合や、模擬対象プレスの数が上記の例 ら増減する場合も、上述と同様である。

 以上のように、ステップST1において、模擬 象プレスの模擬に必要なデータ(すなわち金 型に作用するプレス荷重と模擬対象プレスの 剛性)が既知でない場合には、各模擬対象プ スにおいて、使用する金型毎にステップST2~ テップST5を行って必要なデータを得る。上 の例では、Pt a 、Pt b 、Kt A 、Pt c 、Pt d 、Kt B を得る。
 このように必要なデータを得たら、ステッ ST6にて、上式(1)を用いて目標たわみ量Wtを 算する。上記の例では、金型aを用いた模擬 象プレスAを模擬する場合には、上式(1)にお いて、PtにPt a を代入し、KtにKt A を代入して、Wt=Pt a /Kt A を求め、金型bを用いた模擬対象プレスAを模 する場合には、上式(1)において、PtにPt b を代入し、KtにKt A を代入して、Wt=Pt b /Kt A を求める。模擬対象プレスBの場合も同様で る。その後は、第1実施例と同様に第1実施例 のステップS3、S5~S8を行う。

 第2実施例の演算を行う目標たわみ演算装置 について説明する。第2実施例では、上述の うに、各金型毎に当該金型に作用するプレ 荷重Pt(上記の例では、模擬対象プレスAにつ てはPt a 、Pt b 、模擬対象プレスBについてはPt c 、Pt d )を求め、各模擬対象プレス毎に剛性Kt(上記 例では、Kt A 、Kt B )を求め、これらのデータを上記の記憶装置 記憶しておく。目標たわみ演算装置は、こ ように記憶装置に記憶された各金型毎のプ ス荷重Pt、および、各模擬対象プレス毎の剛 性Ktに基づいて、上述のように上式(1)を用い 目標たわみ量Wtを計算して、後述の荷重演 装置に出力する。なお、目標たわみ演算装 は、模擬対象プレスおよび対象とする金型 指定するための操作部を有し、オペレータ この操作部を操作して、模擬対象プレス(例 ば、模擬対象プレスA)および対象とする金 (例えば、金型a)が指定されると、これを模 するための目標たわみ量Wt(この場合、Wt=Pt a /Kt A )を計算する。

[荷重演算装置]
 機差模擬プレス10は、上述したたわみ調整 法の第1実施例または第2実施例で求めた目標 たわみ量に基づいて、プレス加工時における 金型保持部材のたわみが目標たわみ量になる ような上記ステップS4の上記設定荷重の値を 出する荷重演算装置を備える。
 この荷重演算装置は、上記ステップS2また ST6の演算により得られたたわみ分布・目標 わみ量(好ましくは、金型保持部材の中央の 位量)と、機差模擬プレス10のたわみ特性と 基づいて、上記ステップS4における上記設 荷重の値を演算する装置であってよい。こ たわみ特性は、プレス加工時にたわみ調整 リンダ装置9が金型保持部材(好ましくは、そ の中央部)に作用させる荷重と、プレス加工 における金型保持部材のたわみ量(好ましく 、その中央部の鉛直下方の変位量)との関係 であり、予め設定されている。この場合、こ の荷重演算装置は、機差模擬プレス10の金型 持部材の中央の変位量が模擬対象プレスの 型保持部材の中央の変位量と一致するよう 、上記設定荷重の値を算出してよい。なお 荷重演算装置は、上記たわみ特性を記憶す 記憶部を有するのがよい。
 さらに、荷重演算装置は、上記ステップS1 得られた歪データに基づいて、上記ステッ S2の演算も行ってよい。この場合には、荷重 演算装置は、上記ステップS1で得られた歪デ タから上記設定荷重の値を算出する。
 また、上記たわみ特性が線形的な関係であ 場合には、荷重演算装置は、次の式(3)で表 れるたわみ特性に基づいて、上記設定荷重 値を換算値Fとして演算してよい。
 Wt=W 0 +w1×F ・・・(3)
 ここでWtは、機差模擬プレス10におけるプレ ス加工時での金型保持部材の目標たわみ量で あり、上記ステップS2の演算により得られた である。好ましくは、目標たわみ量Wtは、 擬対象プレスにおける金型保持部材の中央 変位量である。
 W 0 は、機差模擬プレス10において、プレス加工 にたわみ調整シリンダ装置9が金型支持部材 に荷重を作用させない場合の金型支持部材の 無調整たわみ量である。
 w1は、機差模擬プレス10において、プレス加 工時にたわみ調整シリンダ装置9が金型支持 材に所定の単位荷重を作用させた場合の金 支持部材の単位荷重たわみ量である。好ま くは、単位荷重たわみ量w1は金型保持部材の 中央の変位量である。単位荷重たわみ量w1は め設定される。
 なお、模擬対象プレスにおける金型保持部 の上記歪データおよびたわみ分布と、上記 定荷重の値とは、模擬対象プレスごとにデ タベースとしておくのがよい。従って、模 対象プレスごとの歪データ、たわみ分布、 定荷重値を、荷重演算装置の記憶部に記憶 ておくのがよい。この場合、荷重演算装置 、操作部を有し、オペレータがこの操作部 操作して、どの模擬対象プレス用の上記設 荷重値に基づいてたわみ調整シリンダ装置9 を制御するかを選択できるようになっている のがよい。
 上記荷重演算装置が算出した上記設定荷重 は、たわみ調整装置11に入力されるのがよ 。この場合、たわみ調整装置11は、入力され た設定荷重値に基づいて、たわみ調整シリン ダ装置9が金型保持部材に作用させる荷重が 設定荷重値になるようにたわみ調整シリン 装置9を調整・制御する。

[たわみ調整装置の構成]
 以下、本発明のたわみ調整装置11の具体例 説明する。なお、以下の例では、ボルスタ25 を対象とするが、スライドプレート3bの場合 同様である。また、上剛性調整シリンダ9b のたわみ調整装置11の構成は、下剛性調整シ リンダ9a用のたわみ調整装置11の構成と同様 ある。

 図5A~図5Dは、本発明のたわみ調整装置11の 第1実施形態図である。この図において、25は ボルスタ、Aは油圧シリンダ、Bはサーボコン ローラ、Cは油圧制御回路、dxは変位量、Pは 荷重である。この例では、ボルスタ25を支持 る油圧シリンダAのサーボ制御により,油圧 リンダAによる支持剛性(即ち、プレス加工時 におけるボルスタ中央の変位量)を調整する

 図6A、図6Bは、本発明のたわみ調整装置11の 2実施形態図である。この図において、B1は 持剛性力算出、B2はシリンダ推力サーボ制 、dwはたわみ量、F1はシリンダ推力制御目標 、F2はシリンダ推力制御指令値である。こ 例では、たわみ量dwに応じて油圧シリンダの 推力を制御する。
 すなわち圧力制御弁またはフィードバック 御等により,ボルスタ25を支持する油圧シリ ダAの推力制御を行う。油圧シリンダ推力制 御の制御目標値F1は,設定する支持剛性特性D1 ら,ボルスタ25のたわみ量dwの検出値に基づ て設定する。

 図7A、図7Bは、本発明のたわみ調整装置11の 3実施形態図である。この図において、B3は 持剛性変位換算、B4はシリンダ位置サーボ 御、Pは発生荷重、L1はシリンダ位置制御目 値、L2はシリンダ位置制御指令値である。こ の例では、発生荷重Pに応じて油圧シリンダ 変位量dLを制御する。
 すなわちボルスタ25を支持する油圧シリン Aは、位置制御を行う。油圧シリンダ位置制 の制御指令値L2は,設定する支持剛性特性D2 ら,油圧シリンダに加わる荷重値Pの検出値に 基づいて設定する。

 図8A~図8Dは、本発明のたわみ調整装置11の 第4実施形態図である。この図において、S1,S2 はストローク位置である。この例では、ボル スタ25を支持するストローク位置S1,S2を変化 せて,油圧シリンダによる支持剛性を調整す 。

 ボルスタ25のたわみに対して,油圧シリンダ 発生する反力は,シリンダ内に封入されてい る作動油の圧縮量により決定される。圧力変 化量は、式(4)で示される。
 δP = K × δV/V・・・(4)
 ここで、δPは圧力変化量,Kは作動油体積弾 係数,δVは作動油体積変化量,Vは作動油初期 積である。

 この関係式(4)によれば、ボルスタのたわ により同一の作動油体積変化量δVが発生し としても,作動油初期体積Vによって発生す δPの値が異なる。すなわち,ボルスタ25を支 するシリンダストローク位置S1,S2を変化させ ることにより,ボルスタ25のたわみに対して発 生するシリンダ反力Pを変化させることがで ,油圧シリンダの支持剛性を調整することが 能である。

 図9A、図9Bは、本発明のたわみ調整装置11の 5実施形態図である。この図において、Eは 動機構、G1,G2は架台である。
 図9Aに示すように、シリンダストローク位 を変化させるには,上記油圧シリンダAよりも 充分高い剛性を持つ,何らかの直動機構E(送り ねじ機構,シリンダ,ジャッキ等)により,上記 圧シリンダのケーシングを昇降させること より可能である。
 また,図9Bに示すように、油圧シリンダAのケ ーシングを設置する架台を、いくつか異なる 高さの架台G1,G2を用意して、目標とする支持 性となる支持位置となるように、架台を交 しても良い。この場合、以降に紹介するア ュムレータまたは予圧力による方法を併用 ることにより,任意の支持剛性に調整可能と なる。

 図10A~図10Dは、本発明のたわみ調整装置11の 6実施形態図である。この図において、ACは キュムレータである。この例では、アキュ レータ容積を変更することにより,支持剛性 を調整する。
 すなわち、アキュムレータ封入ガスの圧縮 を利用して,油圧シリンダAによる支持剛性 発生させる。シリンダストローク圧縮量に して発生するシリンダ反力は,アキュムレー AC内ガスの圧縮量により決定されるので,ア ュムレータAC内のガス容積を変化させるこ により,油圧シリンダ支持剛性を調整するこ が可能となる。

 アキュムレータ内のガス容積を変化させる 法としては,以下の方法が挙げられる。
(1)アキュムレータガスの初期封入圧力の設定
(2)作動油圧の定圧供給値の設定
(3)複数のアキュムレータを設置し,使用する キュムレータを選択する

 一例として,図11、図12にアキュムレータ スの初期封入圧力P0の設定による,シリンダ 持剛性の変化量を示す。図11において、S1は ッド側受圧面積、S2はピストン側受圧面積 Psは定圧供給圧、Pbは定圧供給バランス圧で る。

 アキュムレータACの初期封入圧力P0を設定 する方法の他,シリンダに供給する圧力Ps,Pb( 圧供給値)の設定により,アキュムレータAC内 ガス容積を変化させることができるので,同 様にシリンダ支持剛性を調整することが可能 となる。また,複数のアキュムレータを用意 て,使用するアキュムレータACの選択/切換を うことによっても,シリンダ支持剛性を調整 することができる。さらに,各方法を併用す ば,その調整範囲を広げることが可能である

 図13A,図13Bは、本発明のたわみ調整装置11の 7実施形態図である。この例では、油圧シリ ンダAの予圧量を変更することにより,支持剛 を調整する。
 油圧作動油の体積弾性係数は,その作動圧力 によって変化するので,作動圧力領域を変化 せることにより,油圧シリンダAによる支持剛 性が調整可能となる。

 図14~図16は、油圧シリンダ予圧量の変更に る支持剛性調整の一例である。
 図15に示すように、圧力0~40MPa.absの範囲にお いて、約1.7~2.2GPaの範囲で体積弾性係数が変 する作動流体を使用したとすれば、図14にお いて油圧シリンダAの初期圧力を設定して,体 弾性係数を変化させることにより,油圧シリ ンダの支持剛性が調整可能となる。一例とし て,図16に初期圧力Psの変化による,油圧シリン ダ出力とストロークの関係図を示す。

 上記設定荷重をボルスタ25の中央位置に下 から上方に向けて作用させることで、模擬 象プレスにおけるボルスタ25の目標たわみ分 布を精度よく模擬できる。ボルスタ25に作用 るプレス荷重の重心がボルスタ25の中央位 である場合だけでなく、この重心がボルス 25の中央位置からずれている場合でも、上記 目標たわみ分布を精度よく模擬できることを 解析で確認した。図17と図18に、その解析結 を示す。
 図17は、上記重心がボルスタ25の中央位置で ある場合であり、図18は、上記重心がボルス 25の中央位置からずれている場合である。 17、図18において、横軸は、図1における左右 方向におけるボルスタ25の位置を示し、縦軸 、図1における紙面と垂直な方向に関しては ボルスタ中央でのプレス加工時のボルスタた わみ量(鉛直方向の変位)を示している。また 図17、図18において、破線は目標たわみ分布 を示し、実線はたわみ調整シリンダ装置9aに り上記設定荷重をボルスタ中央部に作用さ た場合のたわみ分布を示している。

 上述したたわみ調整により、ボルスタ25 スライドプレート3bのたわみに関する機差を 低減または無くすことができる。

[スライドの傾き調整]
 図19は、スライド3の傾き調整方法を示すフ ーチャートである。スライド3の傾きは、実 質的にはスライド3の下面(図1の例では、スラ イドプレート3bの下面)の傾きを意味する。

 ステップS11において、模擬対象プレスの ライド3の傾きを「目標傾き」として取得す る。例えば、模擬対象プレスのスライド3の きを計測により目標傾きを取得することが きる。このスライド3の傾きは、上金型が被 工物と接触しているプレス加工時(例えば、 スライド3が下死点に位置する時)のものとす のがよい。

 ステップS12において、プレス加工時におけ 機差模擬プレス10でのスライド3の傾きと目 傾きとの差を低減または無くすように、傾 調整シリンダ装置13のストローク位置を調 する。
 好ましくは、機差模擬プレス10の連結部材33 を、これに対応する模擬対象プレスの連結部 材の剛性より高くしておくことで、ステップ S12の調整を効果的に行える。この場合、ステ ップS12において傾き調整シリンダ装置13の剛 を下げる方向に(例えば、傾き調整シリンダ 装置13の弾性率を高くする方向に)、傾き調整 シリンダ装置13のストローク位置を傾き調整 置15により調整し、これにより、プレス加 時におけるスライド3の傾きの差を模擬対象 レスと機差模擬プレス10との間で低減また 無くす。

 ステップS12を実施するための傾き調整装 15の構成について説明する。

 例えば、傾き調整装置15は、傾き調整シ ンダ装置13のシリンダ室の圧力を制御してス トローク位置を制御してよいし、そのストロ ーク位置を直接制御してもよい。傾き調整装 置15は、例えば図20や図21のような構成であっ てよい。

 図20は、傾き調整シリンダ装置13の圧力(即 、シリンダ室内の圧力)を積極的に制御する とでスライド3の傾きを調整する場合の傾き 調整装置15の構成図である。図20に示すよう 、傾き調整装置15は、圧力指令装置15a、制御 装置15b、油圧制御回路15cを有する。
 圧力指令装置15aは、上記の目標傾きのデー が入力されるデータ入力部(例えば、インタ ーフェース、パネル、キーボードなど)を有 、入力された目標傾きと、後述の傾き特性 に基づいて、各傾き調整シリンダ装置13につ いての圧力指令値を出力する。傾き特性は次 のように求める。各傾き調整シリンダ装置13 複数の圧力値の各々ついて、それぞれ、他 3つの傾き調整シリンダ装置13の圧力値の複 の組み合わせの各々でのスライド3の傾きを 理論計算、FEMまたは実験により求め、この関 係を傾き特性として圧力指令装置15aに記憶し ておく。
 制御装置15bは、各圧力指令値と、各傾き調 シリンダ装置13の圧力を検出する圧力セン からの各圧力検出値P1と基づいて、各傾き調 整シリンダ装置13の圧力が圧力指令値になる うに油圧制御回路15cを制御する。
 油圧制御回路15cは、制御装置15bにより制御 れて各傾き調整シリンダ装置13へ供給する 圧を制御する。
 なお、このような制御と傾き特性の取得は プレス加工時を対象として行われてよい。

 図21は、傾き調整シリンダ装置13のストロー ク位置を積極的に調整することで、スライド 3の傾きを調整する場合の傾き調整装置16の構 成図である。この傾き調整装置16は、傾き調 装置15の代わりに設けられる。この図21に示 すように、傾き調整装置16は、位置指令装置1 6a、制御装置16b、油圧制御回路16cを有する。
 位置指令装置16aは、上記の目標傾きのデー が入力されるデータ入力部(例えば、インタ ーフェース、パネル、キーボードなど)を有 、入力された目標傾きと、後述の傾き特性 に基づいて、各傾き調整シリンダ装置13につ いてのストローク位置指令値を出力する。傾 き特性は次のように求める。各傾き調整シリ ンダ装置13の複数のストローク位置の各々つ て、それぞれ、他の3つの傾き調整シリンダ 装置13のストローク位置の複数の組み合わせ 各々でのスライド3の傾きを理論計算、FEMま たは実験により求め、この関係を傾き特性と して位置指令装置16aに記憶しておく。
 制御装置16bは、各ストローク位置指令値と 各傾き調整シリンダ装置13のストローク位 を検出するストローク位置センサからの各 トローク位置検出値ST1とに基づいて、各傾 調整シリンダ装置13のストローク位置がスト ローク位置指令値になるように油圧制御回路 16cを制御する。
 油圧制御回路16cは、制御装置16bにより制御 れて各傾き調整シリンダ装置13へ供給する 圧を制御する。
 なお、このような制御と傾き特性の取得は プレス加工時を対象として行われてよい。

 上述したスライド3の傾き調整によると、 傾き調整シリンダ装置13のストローク位置を 整することで、スライド傾きを調整するこ ができる。従って、プレス加工時における ライド3の傾きに関する機差を低減または無 くすことが可能になる。

 また、傾き調整シリンダ装置13のストロ ク位置変化によりスライド駆動機構5とスラ ド3との相対位置が変化するので、プレス加 工時におけるスライド3の傾きを効果的に調 できる。

 傾き調整シリンダ装置13のストローク位 を調整することで、プレス加工時における 結部材33の伸び量を調整可能になっているの で、連結部材33の伸び量の調整により、プレ 加工時におけるスライド3の変形量を効果的 に調整できる。

 複数の傾き調整シリンダ装置13が、それ れスライド3の複数個所に荷重を作用させる で、これら傾き調整シリンダ装置13を別個 調整することで、スライド3の傾きを一層細 く調整ができ、これにより機差を一層低減 たは無くすことはできる。

 機差模擬プレス10の連結部材33の剛性が、 模擬対象プレスの連結部材の剛性より高いの で、傾き調整シリンダ装置13の剛性を下げる 向に、傾き調整シリンダ装置13のストロー 位置を節することで、スライド3の傾きを効 的に調整できる。

 なお、図19の調整方法と、図3または図4の 調整方法を合わせて行うことができる。例え ば、最初に、たわみ調整シリンダ装置9の調 を行わずに傾き調整シリンダ装置13を調整す ることでスライド3の傾きの調整を行い、そ 後、傾き調整シリンダ装置13の調整を行わず にたわみ調整シリンダ装置9の調整を行うこ でスライドプレート3bのたわみの調整を行う ことができる。また、スライド3の傾きと金 保持部材のたわみに関する機差が十分に低 または無くなるまで、図19の調整方法と、図 3または図4の調整方法を交互に繰り返し行っ よい。

[クッション特性模擬]
 クッション制御装置19の第1構成例を図22に す。クッション制御装置19は、可動部位置検 出装置19a、推力指令装置19b、推力検出装置19c 、推力制御装置19dを有する。可動部位置検出 装置19aは、可動部17aの位置(図1の例では、油 シリンダのストローク位置)を検出するもの であって、例えばリニアスケールなどであっ てよい。推力指令装置19bは、上記記憶部を有 し、これに記憶された推力パターンと、可動 部位置検出装置19aからの可動部17aの検出位置 とに基づいて、指令推力値を出力する。推力 検出装置19cは、可動部17aの上向き推力を検出 する。推力制御装置19dは、推力指令装置19bか らの指令推力値(上向き推力の指令値)と、推 検出装置19cが検出した上向き推力値とに基 いて、可動部17aを制御する。なお、上記記 部は、複数の可動部作動パターンを記憶し おり、クッション制御装置19は操作部を有 、オペレータが操作部を操作して、複数の 動部作動パターンのいずれを実施するかを 択できるようになっている。
 推力検出装置19cは、上部シリンダ室内の圧 を検出しこの圧力検出値を出力する第1の圧 力センサ19c-1と、下部シリンダ室内の圧力を 出しこの圧力検出値を出力する第2の圧力セ ンサ19c-2と、第1の圧力センサ19c-1からの圧力 出値および第2の圧力センサ19c-2からの圧力 出値に基づいて可動部17aの上向き推力を算 する推力演算部19c-3とを有する。
 推力制御装置19dは、制御信号出力装置19d-1 油圧回路19d-2を有する。制御信号出力装置19d -1は、推力指令装置19bからの指令推力値と、 力検出装置19cが検出した上向き推力値とに づいて、推力制御信号を出力する。油圧回 19d-2は、この推力制御信号によりシリンダ (図22の例では、上部シリンダ室と下部シリ ダ室)の油圧を制御する。例えば、油圧回路1 9d-2は、油圧源37と、上記推力制御信号により 制御される切換弁(サーボ弁)38を有し、切換 38の制御により、油圧源37からの圧油を上部 リンダ室または下部シリンダ室に供給し、 部シリンダ室または上部シリンダ室の圧油 油タンクへ排出させる。

 また、クッション制御装置19はスライド 置検出装置19eを有する。スライド位置検出 置19eは、スライド3の昇降位置を検出する。 のスライド位置検出装置19eは、スライド3を 駆動させる上記サーボモータの回転角または 駆動ギア5aの回転角などの回転位置を検出す 回転角センサ(例えば、ロータリーエンコー ダ)と、この回転角センサが検出した回転位 に基づいて、スライド3の昇降位置を算出す 演算部とを有するものであってよい。代わ に、スライド位置検出装置19eは、スライド3 の昇降位置を直接検出する位置センサ(例え 、リニアスケール)であってもよい。

 可動部17aをその上限位置で係止するため 、上限ストッパ部材22が機差模擬プレス10に 設けられる。上限ストッパ部材22は、可動部1 7aが所定の上限位置より上昇しないように該 限位置まで上昇した可動部17aを係止する。 限ストッパ部材22は、機差模擬プレス10のフ レーム(例えば、ベッド31)に固定されている

 また、クッション制御装置19の制御信号 力装置19d-1は、スライド位置検出装置19eによ るスライド3の検出位置に基づいて、スライ 3が可動部17aに下向き荷重を与え始める直前 クッション力発生直前位置になったと判断 た時に、上限ストッパ部材22に係止されて る可動部17aの上向き推力を低下させる制御 ダイクッション装置17に対して行う。また、 制御信号出力装置19d-1は、スライド位置検出 置19eによるスライド3の検出位置に基づいて 、スライド3が可動部17aに下向き荷重を作用 せるクッション力発生開始位置に下降した 判断した時に、可動部作動パターンに従う 御を開始する。

 次に、第1構成例のクッション制御装置19 よるクッション模擬動作について説明する

 図23は、模擬対象プレスのダイクッション 置を示している。この図において、17bはク ションパッド、ASはエアシリンダ、ATはエア ンク、22は上限ストッパである。
 この例では、模擬対象プレスの模擬対象ク ション特性は、一定空気圧が封入されたエ シリンダASとタンクATにより得られるクッシ ョン特性であるとし、クッション力は封入空 気圧により決定されるものとする。図24は、 のような場合の模擬対象クッション特性を している。この場合、プレス加工前の待機 態では、上限ストッパ部材22がエアシリン ASの上向き推力を受けている。この状態から スライド3が下降し、スライド3がエアシリン ASに下向き荷重を作用させ始めた時点から クッション力が発生する。このクッション は、スライド3の下降によりエアシリンダAS シリンダ室の封入空気圧が圧縮されること 、スライド3の下降に応じて上昇する。

 図25は、第1構成例によるクッション模擬動 を示すフローチャートである。
 ステップS21において、スライド3と上金型が 被加工物を介してダイクッション装置17に下 き荷重を作用させ始める前において、上向 推力が付与されているピストン17aが上限ス ッパ部材22に係止された状態で待機する。 ち、プレス加工前の待機状態において、ク ション制御装置19は、可動部17aに所定の大き さの上向き推力を付与するようにダイクッシ ョン装置17を制御する。

 続いて、ステップS22において、スライド3 が下降してきて、スライド3と上金型が被加 物を介してダイクッション装置17に下向き荷 重を作用させ始める直前のクッション力発生 直前位置に到達したかを制御信号出力装置19d -1が判断する。制御信号出力装置19d-1は、こ 判断を上記スライド位置検出装置19eからの ライド3の検出位置に基づいて行う。制御信 出力装置19d-1が、スライド3が上記クッショ 力発生直前位置に到達していないと判断し 場合には、ステップS22の判断を時々刻々と り返す。制御信号出力装置19d-1が、スライ 3が上記クッション力発生直前位置に到達し と判断した場合には、ステップS23へ進む。

 ステップS23では、制御信号出力装置19d-1 、スライド3が上記クッション力発生直前位 に到達したと判断した時に、可動部17aに付 する上向き推力を低下させる制御を行う。 えば、制御信号出力装置19d-1が油圧シリン のシリンダ室(図22の例では、下部シリンダ )の圧油を抜く制御を行うことで、ピストン1 7aに付与する上向き推力を低下させる。

 ステップS24では、スライド3と上金型がダ イクッション装置17に下向き荷重を作用させ めるクッション力発生開始位置に到達した を判断する。制御信号出力装置19d-1は、こ 判断を上記スライド位置検出装置19eからの ライド3の検出位置に基づいて行う。制御信 出力装置19d-1が、スライド3が上記クッショ 力発生開始位置に到達していないと判断し 場合には、ステップS24の判断を時々刻々と り返す。制御信号出力装置19d-1が、スライ 3が上記クッション力発生開始位置に到達し と判断した場合には、ステップS25へ進む。 お、ステップS24において、制御信号出力装 19d-1は、ピストン17aの上向き推力を低下さ 続ける制御をダイクッション装置17に対して 行ってよい。

 ステップS25では、スライド3が上記クッシ ョン力発生開始位置に到達したと判断した時 に、クッション制御装置19は、上記の可動部 動パターンに従う制御を開始する。具体的 は、クッション制御装置19の制御信号出力 置19d-1は、スライド位置検出装置19eからのス ライド位置検出値に基づいて、スライド3が 記クッション力発生開始位置に到達したと 断した時から、推力指令装置19bからの指令 力値と、推力検出装置19cからの可動部17aの 向き推力検出値とを比較し、可動部17aの上 き推力を指令推力値に追従させるための制 信号を時々刻々と出力する。なお、推力指 装置19bは、上記スライド位置検出値とは関 なく、推力パターンと、可動部位置検出装 19aからの可動部17aの検出位置とに基づいて 令推力値を時々刻々と出力する。

 図26は、図25のフローチャートに従った場 合において、可動部17aの位置変位(油圧シリ ダのストローク位置変位)、可動部17aの上向 推力、および、可動部17aがスライド3に作用 させる上向き荷重(即ち、クッション力)を、 間に対して表したグラフである。なお、図2 6の可動部の上向き推力のグラフとクッショ 力のグラフで、実線が第1構成例によるクッ ョン制御装置19のクッション模擬動作の結 を示し、破線が模擬対象を示す。また、図26 において、スライド3がピストン17aに下向き 重を作用させ始める直前のクッション力発 直前位置で、可動部17aの上向き推力を低下 せるので、スライド3または上金型がダイク ション装置17に下向き荷重を作用させ始め 直後にクッション力が過大となることを回 できる。また、可動部17aが上限ストッパ部 22に係止されている状態において、クッショ ン制御装置19は、可動部作動パターンに定め れた可動部17aの初期上向き推力と同じ程度 大きさの上向き推力を可動部17aに与えてい ので、可動部作動パターンの開始時点にお て、可動部作動パターンに定められた初期 向き推力と、実際の可動部17aの上向き推力 の差を低減または無くすことができる。

 次に、第2構成例によるクッション制御装 置21について説明する。第2構成例によるクッ ション制御装置21は、第1構成例のクッション 制御装置19の代わりに設けられる。第2構成例 では、上限ストッパ部材22を省略する。

 図27は、第2構成例によるクッション制御装 21の構成を示している。クッション制御装 21は、可動部位置検出装置21a、推力指令装置 21b、推力検出装置21c、推力制御装置21dを有す る。第2構成例の可動部位置検出装置21a、推 指令装置21b、推力検出装置21cは、それぞれ 第1構成例による可動部位置検出装置19a、推 指令装置19b、推力検出装置19cと構成が同じ あってよい。
 第2構成例では、推力制御装置21dの制御信号 出力装置21d-1は、スライド3が可動部17aに下向 き荷重を作用させる前において、ピストン17a のストローク位置を一定に保持しており、ス ライド3が油圧シリンダに対し下向き荷重を 用させ始めるクッション力発生開始位置か スライド3がさらに下降することで、可動部1 7aの上向き推力が増加し所定値に達したら、 動部作動パターンに従う制御を開始するよ に構成されている。第2構成例のクッション 制御装置21では、スライド位置検出装置21eを 略してよい。第2構成例による推力制御装置 21dの油圧回路21d-2の構成は、第1構成例の油圧 回路19d-2と同じであってよい。

 次に、第2構成例のクッション制御装置21 よるクッション模擬動作について説明する 図28は、第2構成例のクッション制御装置21 よるクッション模擬動作を示すフローチャ トである。なお、この場合も、図24のクッシ ョン特性が模擬対象のクッション特性である 。

 ステップS31において、推力制御装置21dは、 動部位置検出装置21aからのピストン17aの検 位置に基づいてピストン17aを所定のストロ ク位置に保持して待機する。この場合、推 制御装置21dにより油圧シリンダの上部シリ ダ室と下部シリンダ室の圧力をそれぞれ一 値にするようにしてよい。例えば、切換弁3 8を図27の状態にしておく。
 その後、スライド3が下降してダイクッショ ン装置17と接触し可動部17aを押し下げる。
 ステップS32では、スライド3による可動部17a の押し下げにより、油圧シリンダのシリンダ 室の圧油が圧縮されることで可動部17aの上向 き推力が所定値に達したかどうかを判断する 。この判断は、制御信号出力装置21d-1が、推 検出装置21cからの推力検出値に基づいて行 。また、この判断は、上向き推力が所定値 達するまで、時々刻々と繰り返す。上向き 力が上記所定値に達したと判断した場合に 、ステップS33へ進む。ステップS32において この例では、切換弁38は図27の状態であって よい。
 ステップS33では、制御信号出力装置21d-1は 上向き推力が上記所定値に達したと判断し 時から、推力指令装置21bからの指令推力値 、推力検出装置21cからの可動部17aの上向き 力検出値とを比較し、可動部17aの上向き推 を指令推力値に追従させるための制御信号 時々刻々と出力する。なお、推力指令装置21 bは、推力検出装置21cからの指令推力値とは 係なく、推力パターンと、可動部位置検出 置21aからの可動部17aの検出位置とに基づい 指令推力値を時々刻々と出力する。

 図29は、図28のフローチャートに従った場 合において、可動部17aの位置変位(油圧シリ ダのストローク位置変位)、可動部17aの上向 推力、および、可動部17aがスライド3に作用 させる上向き荷重(即ち、クッション力)を、 間に対して表したグラフである。なお、図2 9の可動部の上向き推力のグラフとクッショ 力のグラフで、実線が第2構成例のクッショ 制御装置21によるクッション模擬動作の結 を示し、破線が模擬対象を示す。また、図29 において、推力制御装置21dにより可動部17aを 所定位置に待機させた状態から、スライド3 下降することでスライド3から可動部17aに下 き荷重が作用し、これにより、可動部17aの 向き推力が所定値に達したら、推力パター による制御を開始する。従って、上限スト パ部材22を用いなくても、クッション制御 置21の油圧サーボ制御機能だけで、目標のク ッション特性を模擬できる。

[面圧分布調整板による圧力調整方法]
 図30は、本発明の機差模擬プレス10の圧力分 布調整方法を示す全体フロー図である。この 図において、本発明の方法は、S41~S46のステ プからなる。
 ステップS41では、模擬対象プレスの歪計測 ら歪データを取得する。模擬対象プレスは 例えば金型ユーザの量産用プレスである。 た歪計測は、金型保持部材(ボルスタ25とス イドプレート3b)のプレス加工時の歪を計測 る。
 ステップS42では、得られた歪データから模 対象プレスの接触圧力分布を推定計算する この計算は、FEM計算または理論計算による 得られた接触圧力分布を「目標接触圧力分 」とする。

 図31は、ステップS43、S44の模式図である。
 ステップS43では、シム調整位置を設定する
 シム調整位置は、ボルスタ25及びスライド3 図示しない金型の支持面との間であって、 ッションピン17d、たわみ調整シリンダ装置9 等と干渉せず、かつボルスタ25及びスライド レート3bと金型の支持面の両方に両面が一 する位置に図31Aのように設定する。
 各シム調整位置をk(k=1,2,3・・・N)とする。

 ステップS44では、各シム調整位置における 位厚のシムによる接触圧力分布の変化率を 出する。
 すなわち、FEMモデル上の各シム調整位置に 位厚さのシムを強制変位として図31Bのよう 与え、金型の接触圧力の変化率を図31Cのよ に算出する。
各シム調整位置における単位厚のシムによる 接触圧力分布の変化率をdP k (x、y)とする。

 ステップS45では、目標接触圧力分布が得ら る必要シム調整量を算出する。すなわち、 標接触圧力分布とシム調整後の接触圧力分 との差異を適切な評価関数で表現し、それ 最小にするシム調整量を求める。
 このような評価関数は、例えば下記(5)式のP であってよい。下記(5)式において、P T (x、y)は模擬対象プレスの目標接触圧力分布 あり、P 0 (x、y)は機差模擬プレス10の調整前の接触圧力 分布であり、a(k)は各シム調整位置における 要シム調整量であり、最小二乗法によりPを 小にする必要シム調整量a(k)を求める。

P=(P 0 (x、y)+σa(k)×dP k (x、y)) 2 -P T (x、y) 2 ・・・(5)

 すなわち、ステップS43では、まずFEM計算モ ルにより、シム調整をしない場合の接触圧 分布をP 0 (x、y)を求めておく。
次にN個(図31Aでは15箇所)のシム調整位置を設 する。

 ステップS44では、FEM計算モデル上で、N個の 点それぞれに単位シム調整量を強制変位とし て与え、そのときの接触圧力分布の変化率を dP k (x、y)を記憶しておく。
 各点の必要シム調整量をa(k)とし、目標とす るP T (x、y)と、計算されたP 0 (x、y)およびdP k (x、y)を用いて、式(5)でP(k=1~N)が最小と成るよ うな必要シム調整量a(k)を決定する。

 ステップS46では、必要シム調整量a(k)を適用 した解析により、接触圧力分布が目標どおり であることを確認する。
 ステップS46で問題がなければ本発明による 力分布調整を終了する。問題がある場合に 、ステップS43~S45を繰り返す。

 上述した圧力調整方法によれば、ステッ S43でシム調整位置を設定し、ステップS44で シム調整位置における単位厚のシムによる 触圧力分布の変化率を算出し、ステップS45 目標接触圧力分布が得られる必要シム調整 を算出するので、各シム調整位置に必要シ 調整量のシム調整厚をそれぞれ有する面圧 布調整板23A,23Bを準備することができる。ま た、この面圧分布調整板23A,23Bをボルスタ25及 び/又はスライドプレート3bと金型の支持面と の間に挟持することにより、金型間の接触圧 力分布の機差を低減またはなくすことができ る。

 以上のように、本発明の実施形態による 差模擬プレス10では、(1)金型保持部材のた み分布に関する機差、(2)スライド3の傾きに する機差、(3)ダイクッションの特性に関す 機差、および(4)金型保持部材3bと金型との 触圧分布に関する機差のすべてを低減また 無くすことができる。これにより、模擬対 プレスと本発明の機差模擬プレス10との間に おける上金型と下金型によるプレス面の差を 相乗的に低減または無くすことができる。

 なお本発明は上述した実施の形態に限定 れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種 変更を加え得ることは勿論である。

 例えば、ボルスタ25に荷重を作用させる 一のたわみ調整シリンダ装置9aを設けたが、 ボルスタ2に上向き荷重を作用させる複数の わみ調整シリンダ装置を設けてもよい。同 に、スライドプレート3bに荷重を作用させる 単一のたわみ調整シリンダ装置9bを設けたが スライドプレート3bに下向き荷重を作用さ る複数のたわみ調整シリンダ装置を設けて よい。これにより、ボルスタ25またはスライ ドプレーと3bのたわみ分布を目標たわみ分布 一致または近似させるようにしてもよい。

 上述した実施形態では、荷重付与手段は たわみ調整シリンダ装置9であったが、たわ み調整シリンダ装置9の代わりに、上記の設 荷重をボルスタ25またはスライドプレーと3b それぞれ作用させる剛性を持つバネであっ もよい。

 上述した実施形態では、荷重付与手段は 油圧を用いるたわみ調整シリンダ装置9であ ったが、たわみ調整シリンダ装置9の代わり 圧電素子や超磁歪素子などを用いて荷重付 手段を構成してもよい。

 上述した実施形態では、プレス加工時の 擬対象プレスのスライドの傾きを計測し、 の計測したスライド傾きを目標傾きとした 、上金型と被加工物が接触していない非プ ス加工時の模擬対象プレスのスライドの傾 を計測し、この計測したスライド傾きを目 傾きとしてもよい。この場合、機差模擬プ ス10のスライド傾きの調整も、非プレス加 時を対象とする。なお、この場合、傾き調 シリンダ装置13の上部シリンダ室と下部シリ ンダ室の両方に液体を供給して傾き調整する のがよい。また、非プレス加工時のスライド 傾きを調整の対象とする場合における傾き調 整シリンダ装置13と傾き調整装置15の構成と ライド傾き調整方法の他の点は、上記実施 態と同様であってよい。

 スライド駆動機構5は、駆動ギア5aとリン 5bを用いてスライド3を昇降させたが、スラ ド3を昇降させる他の手段でスライド駆動機 構を構成してもよい。

 上述した実施形態では、4つの傾き調整シ リンダ装置13を設けたが、4つ以外の他の数(1 も含む)の傾き調整シリンダ装置13を設けて よい。

 上述の実施形態では、ダイクッション装置1 7は油圧シリンダ装置から構成されたが、本 明によると、ダイクッション装置17は、他の 液圧シリンダまたはエアシリンダで構成され てもよい。この場合、液圧シリンダまたはエ アシリンダのシリンダ室(好ましくは、上部 リンダ室と下部シリンダ室)の液圧または空 圧を制御することで、上記目標クッション 性(可動部作動パターン)が得られるように クッション制御装置が上記液圧または空気 を制御してよい。
 また、本発明によれば、ダイクッション装 17は、シリンダ装置に限定されず、その上 き推力が制御可能な他の手段であってもよ 。例えば、ダイクッション装置17は、サーボ モータなどの駆動モータと、該駆動モータの 回転駆動力を上向き推力に変換する変換機構 (例えば、ボールスクリューとボールナット) 含むものであってもよい。この場合、上記 テップS23における上向き推力の低下は、駆 モータへの供給電圧を低下することにより ってよい。

 油圧シリンダのダイクッション装置17を 1のように複数設ける場合には、ダイクッシ ン装置17のシリンダ室を互いに連通させて( えば、下部シリンダ室同士を連通させ、上 シリンダ室同士を連通させて)、単一のクッ ション制御装置により複数のダイクッション 装置17を制御してもよい。

 また、ダイクッション装置17を図1のよう 複数設ける場合に、ダイクッション装置17 とに、クッション制御装置を設けてもよい

 上述の実施形態では、ダイクッション装 17の可動部17aはピストンであったが、ピス ンをベッド31などに固定した場合には、ピス トンに対し上下動可能なシリンダ部が可動部 であってよい。

 可動部作動パターンは、可動部17aの上向 推力を、可動部17aの位置に対して定めた推 パターンであったが、本発明はこれに限定 れない。即ち、可動部作動パターンは、ス イド3の位置または時間に対して定めた推力 パターンであってよい。この場合、クッショ ン制御装置は、スライド3の検出位置または 測時間に基づいて、可動部17aが可動部作動 ターンに従って動作するように、ダイクッ ョン装置17を制御する。