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Title:
MAGNESIUM ALLOY MATERIAL FOR MOLDING PROCESSING, MAGNESIUM ALLOY MOLDING PROCESSING PRODUCT, AND PROCESS FOR PRODUCING MAGNESIUM ALLOY MOLDING PROCESSING PRODUCT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026236
Kind Code:
A1
Abstract:
A magnesium alloy material for molding processing that without the use of a lubricating oil or a solid lubricant, such as molybdenum disulfide, can yield a molding processing product with high processing efficiency; a magnesium alloy molding processing product obtained by molding processing of the magnesium alloy material for molding processing; and a process for producing the magnesium alloy molding processing product. The magnesium alloy molding processing product, such as an automobile member or a container, is obtained by coating a surface of magnesium alloy material with an organic resin, such as a water-soluble urethane resin, a water-soluble polyester resin, a water-soluble acrylic resin, a water-soluble epoxy resin or a resin obtained by modifying any of these organic resins, or an organic resin consisting of any of these resins impregnated with a silane coupling agent, a colloidal silica, a lubricant, a metal alkoxide, etc. to thereby produce a magnesium alloy material for molding processing exhibiting a friction coefficient of 0.2 or below at a processing temperature of 350°C or lower and subjecting the resultant magnesium alloy material for molding processing to molding processing.

Inventors:
KOMAI, Masao (LTD. Technical Research Laboratory 1296-1, Higashitoyo, Kudamatsu-shi Yamaguchi 11, 7448611, JP)
駒井正雄 (〒11 山口県下松市東豊井1296番地の1 東洋鋼鈑株式会社技術研究所内 Yamaguchi, 7448611, JP)
Application Number:
JP2006/316832
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 28, 2006
Export Citation:
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Assignee:
TOYO KOHAN CO., LTD. (2-12, Yonbancho Chiyoda-k, Tokyo 47, 1028447, JP)
東洋鋼鈑株式会社 (〒47 東京都千代田区四番町2番地12 Tokyo, 1028447, JP)
KOMAI, Masao (LTD. Technical Research Laboratory 1296-1, Higashitoyo, Kudamatsu-shi Yamaguchi 11, 7448611, JP)
International Classes:
B32B15/08
Attorney, Agent or Firm:
OHTA, Akio (C/O OHTA PATENT OFFICE, New State Manor 35623-1, Yoyogi 2-chom, Shibuya-ku Tokyo 53, 1510053, JP)
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Claims:
 水溶性ウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシ樹脂、またはこれらの有機樹脂を変性した樹脂のいずれか1種、または2種以上からなる有機樹脂をマグネシウム合金材表面に被覆してなる、350℃以下の加工温度における摩擦係数が0.2以下である成形加工用マグネシウム合金材。
 前記有機樹脂がシランカップリング剤、コロイダルシリカ、潤滑剤、金属アルコキシドのいずれか1種、または2種以上を含有してなる請求項1に記載の成形加工用マグネシウム合金材。
 前記有機樹脂が耐熱性付与剤を含有してなる請求項1または2に記載の成形加工用マグネシウム合金材。
 前記耐熱性付与剤がシロキサン化合物である請求項3に記載の成形加工用マグネシウム合金材。
 請求項1~4のいずれか1項に記載の成形加工用マグネシウム合金材を成形加工してなるマグネシウム合金成形加工体。
 前記マグネシウム合金成形加工体が自動車用部材であることを特徴とする、請求項5に記載のマグネシウム合金成形加工体。
 前記マグネシウム合金成形加工体が容器であることを特徴とする、請求項5に記載のマグネシウム合金成形加工体。
 前記容器が絞り容器であることを特徴とする、請求項7に記載のマグネシウム合金成形加工体。
 前記絞り容器の絞り比が4.0以下であることを特徴とする、請求項8に記載のマグネシウム合金成形加工体。
 水溶性ウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシ樹脂、またはこれらの有機樹脂を変性した樹脂のいずれか1種、または2種以上からなる有機樹脂をマグネシウム合金材表面に被覆してなる成形加工用マグネシウム合金材を、350℃以下の温度範囲で成形加工することを特徴とする、マグネシウム合金成形加工体の製造方法。
 前記有機樹脂として、シランカップリング剤、コロイダルシリカ、潤滑剤、金属アルコキシドのいずれか1種、または2種以上を含有してなる有機樹脂を用いることを特徴とする、請求項10に記載のマグネシウム合金成形加工体の製造方法。
 前記有機樹脂として、さらに耐熱性付与剤を含有してなる有機樹脂を用いることを特徴とする、請求項11に記載のマグネシウム合金成形加工体の製造方法。
 前記耐熱性付与剤として、シロキサン化合物を用いることを特徴とする、請求項12に記載のマグネシウム合金成形加工体の製造方法。
Description:
成形加工用マグネシウム合金材 マグネシウム合金成形加工体、およびマグ シウム合金成形加工体の製造方法

 本発明は特に成形加工性に優れた成形加 用マグネシウム合金材、その成形加工用マ ネシウム合金材を成形加工してなるマグネ ウム合金成形加工体、およびマグネシウム 金成形加工体の製造方法に関する。

 軽量なマグネシウム合金はモバイル通信 器やノートパソコンなどの小型の携帯用電 機器の外装ケース部材、旅行用のスーツケ スや書類収納用のアタッシェケースなどの 型ケース部材、フード、トランクリッド、 ア、フェンダーなどの自動車用部材などへ 適用が試みられている。マグネシウム合金 加工性に乏しく、高加工度で成形加工する とが極めて困難である。このような難加工 のマグネシウム合金を絞り加工するため、 り成形加工装置のダイ、パンチ、シワ押え 材の温度を150~400℃程度まで加熱して絞り成 形加工する方法(例えば特許文献1参照)、ダイ 、パンチ、ブランクホルダーを加熱し、これ らの成形加工工具を介してマグネシウムを再 結晶温度域まで加熱し、その加熱によりマグ ネシウムが再結晶して軟化し塑性変形しやす い焼鈍効果を誘発させながらマグネシウムブ ランクを箱状に熱間深絞りするマグネシウム 合金製ハードケースの製造方法(例えば特許 献2参照)などの成形加工時にマグネシウム合 金を再結晶温度域まで加熱する方法や、ポン チとダイの少なくとも一方の表面に、マグネ シウム材の板より軟質の純マグネシウム、純 アルミニウム、樹脂などの板を取り付けて塑 性加工を行う方法(例えば特許文献3参照)、加 熱したマグネシウム薄板の上下面に断熱材と してフッ素樹脂フィルムを設置して、高温で プレス成形する方法(例えば特許文献4参照)な どが提案されている。これらの提案に示され ているように、マグネシウム合金に絞り加工 などの成形加工を施す場合は、再結晶温度域 まで加熱することが不可欠である。

 さらに、加工を容易にするため潤滑剤を 用することも提案されている。例えば、プ ス金型の型表面に、チタンナイトライド、 イヤモンドライクカーボンなどの超硬質膜 コーティング処理により形成させる方法(例 えば特許文献5参照)、生分解性油脂、防錆・ 滑剤、極圧添加剤、さらに有機亜鉛化合物 有機モリブデン系化合物を含有してなるマ ネシウム合金またはアルミニウム合金用塑 加工油を用いて成形加工する方法(例えば特 許文献6参照)が提案されている。しかしこれ の方法はいずれも冷間加工で成形加工する 合に用いられており、上記の例におけるよ に、200℃を超える加工温度で成形加工する 合には有効な潤滑効果が得られない。

 本発明に関する先行技術文献として以下の のがある。

特開2003-290843号公報

特開2002-254115号公報

特開2001-300643号公報

特開平06-328155号公報

特開2003-154418号公報

特開2003-105364号公報

 本発明は、350℃以下の温度域で優れた潤 効果を発現し、潤滑油や二硫化モリブデン どの固体潤滑剤を用いることなく、高加工 で成形加工体を得ることが可能な成形加工 マグネシウム合金材、その成形加工用マグ シウム合金材を成形加工してなるマグネシ ム合金成形加工体、およびマグネシウム合 成形加工体の製造方法を提供することを目 とする。

 本発明の目的を達成するため、本発明の成 加工用マグネシウム合金材は、水溶性ウレ ン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性 クリル樹脂、水溶性エポキシ樹脂、または れらの有機樹脂を変性した樹脂のいずれか1 種、または2種以上からなる有機樹脂をマグ シウム合金材表面に被覆してなる、350℃以 の加工温度における摩擦係数が0.2以下であ 成形加工用マグネシウム合金材(請求項1)で り、
 上記(請求項1)の成形加工用マグネシウム合 材において、 前記有機樹脂がシランカッ リング剤、コロイダルシリカ、潤滑剤、金 アルコキシドのいずれか1種、または2種以上 を含有してなること(請求項2)を特徴とし、ま た
 上記(請求項1または2)の成形加工用マグネシ ウム合金材において、前記有機樹脂が耐熱性 付与剤を含有してなること(請求項3)を特徴と し、また
 上記(請求項3)の成形加工用マグネシウム合 材において、前記耐熱性付与剤がシロキサ 化合物であること(請求項4)を特徴とする。

 また、本発明のマグネシウム合金成形加工 は、上記(請求項1~4)のいずれかの成形加工 マグネシウム合金材を成形加工してなるマ ネシウム合金成形加工体(請求項5)であり、
 上記(請求項5)マグネシウム合金成形加工体 おいて、前記マグネシウム合金成形加工体 自動車用部材であること(請求項6)、または 器であること(請求項7)を特徴とし、また
 上記(請求項7)マグネシウム合金成形加工体 おいて、前記容器が絞り容器であること(請 求項8)を特徴とし、また
 上記(請求項7)マグネシウム合金成形加工体 おいて、前記絞り容器の絞り比が4.0以下で ること(請求項9)を特徴とする。

 さらに、本発明のマグネシウム合金成形加 体の製造方法は、水溶性ウレタン樹脂、水 性ポリエステル樹脂、水溶性アクリル樹脂 水溶性エポキシ樹脂、またはこれらの有機 脂を変性した樹脂のいずれか1種、または2 以上からなる有機樹脂をマグネシウム合金 表面に被覆してなる成形加工用マグネシウ 合金材を、350℃以下の温度範囲で成形加工 ることを特徴とするマグネシウム合金成形 工体の製造方法(請求項10)であり、
 上記(請求項10)のマグネシウム合金成形加工 体の製造方法において、前記有機樹脂として 、シランカップリング剤、コロイダルシリカ 、潤滑剤、金属アルコキシドのいずれか1種 または2種以上を含有してなる有機樹脂を用 ること(請求項11)を特徴とし、また
 上記(請求項11)のマグネシウム合金成形加工 体の製造方法において、前記有機樹脂として 、さらに耐熱性付与剤を含有してなる有機樹 脂を用いること(請求項12)を特徴とし、また
 上記(請求項12)のマグネシウム合金成形加工 体の製造方法において、前記耐熱性付与剤と して、シロキサン化合物を用いること(請求 13)を特徴とする。

 以下、本発明を詳細に説明する。
 本発明のマグネシウム合金成形加工体の製 に用いるマグネシウム合金材としては、純 グネシウムや、合金成分としてアルミニウ を1.0~9.0重量%、亜鉛を0.5~6.0重量%、マンガン を0.05~2.0重量%含有してなり、残部がマグネシ ウムおよび不可避的不純物からなるマグネシ ウム合金からなり、結晶粒径が2~50μm、より ましくは2~10μmであるマグネシウム合金であ ことが好ましい(以下、説明を簡略にするた め、純マグネシウムとマグネシウム合金の両 方を併せてマグネシウム合金と称する)。こ らのマグネシウム合金は押出材、切削加工 、熱延材などの板材として、下記に示す成 加工に適用する。板材を用いる場合は板厚 0.05~3.0mmのものであることが好ましい。これ のマグネシウム合金材の表面に有機樹脂を 覆して、成形加工用マグネシウム合金材と る。

 マグネシウム合金材表面に被覆する有機 脂としては、水溶性または水分散性樹脂で ることが好ましく、水溶性ウレタン樹脂、 溶性ポリエステル樹脂、水溶性アクリル樹 、水溶性エポキシ樹脂、またはこれらの有 樹脂を変性してなる水溶性のアクリル変性 リエステル樹脂、フェニルシリコン変性ア リル樹脂などが好ましい。これらの有機樹 は1種のみで用いてもよいし、2種以上を混 して用いてもよい。有機樹脂の添加%は、20~8 5重量%の範囲が望ましい。20重量%未満では、 成した有機樹脂皮膜が加工により損傷しや く望ましくない。85重量%を超えると特性上 題ないが経済的でない。さらに、マグネシ ム合金材の加工温度として、150℃を越える うな温度が好適に使用される場合が多いた 、耐熱性に優れた有機樹脂を使用するのが ましい。 

 これらの有機樹脂は樹脂単独で上記のマ ネシウム合金材に塗布乾燥して皮膜形成さ て用いてもよいが、成形加工性や耐食性を 上させるために、下記に示す物質を有機樹 に含有させて用いてもよい。シランカップ ング剤を含有させることにより、有機樹脂 膜のマグネシウム合金材に対する密着性、 に成形加工時の密着性が著しく向上する。 ランカップリング剤には、ビニル系、エポ シ系、スチリル系、メタクリロキシ系、ア リロキシ系、アミノ系、ウレイド系、クロ プロピル系、メルカプト系、イソシアネー 系などの官能基の種類によって分類され、 れらはすべて効果的に使用可能である。こ は、シランカップリング剤がほとんどの樹 に対して結合性、すなわち密着性にすぐれ いるためと考えられる。具体的には、エポ シ系のシランカップリング剤KBM403はウレタ やエポキシ系の樹脂等との結合に優れ、ア ノ系のシランカップリング剤KBM903はアクリ 系の樹脂等との結合に優れ、優れた密着性 示す。また、ウレタン系の樹脂と言っても 々の物があるため、エポキシ系のシランカ プリング剤KBM403だけではなく、アミノ系の ランカップリング剤KBM903でも優れた効果が られる。シランカップリング剤は有機樹脂 膜中に5重量%以下で含有していることが好 しく、1重量%以下で含有していることがより 好ましい。5重量%を超えて含有しても密着性 向上効果は飽和し、経済的に有利でなくな 。

 また、コロイダルシリカを含有させるこ により、有機樹脂皮膜の硬さが向上して耐 付性が向上し、耐食性も向上する。コロイ ルシリカは有機樹脂皮膜中に50重量%以下で 有していることが好ましい。50重量%を超え 含有すると、有機樹脂皮膜が硬くなりすぎ 、有機樹脂皮膜の加工性が劣化し、成形加 時に有機樹脂皮膜にクラックが生じやすく る。

 さらに、潤滑剤を含有させることにより マグネシウム合金材に有機樹脂皮膜を形成 せた成形加工用マグネシウム合金材の成形 工性が向上する。潤滑剤としては、ラウリ 酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア ン酸などの高級脂肪酸、これらの高級脂肪 のカルシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩 バリウム塩、マグネシウム塩、これらの高 脂肪酸エステル、ポリエチレンワックス、 リプロピレンワックスなどのポリオレフィ ワックス、ポリテトラフルオロエチレン、 リクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ ビニリデン、ポリフッ化ビニルなどのフッ 系ワックス、グラファイト、二硫化モリブ ン、ボロンナイトライドなどの無機質粉末 どを用いることができる。これらの潤滑剤 有機樹脂皮膜中に20重量%以下で含有してい ことが好ましい。20重量%を超えて含有する 、マグネシウム合金材に対する有機樹脂皮 の成形加工時も密着性が劣化する。

 さらにまた、金属アルコキシドを含有さ ることにより、マグネシウム合金材に有機 脂皮膜を形成させた成形加工用マグネシウ 合金材の耐熱性が向上する。金属アルコキ ドとしては、ボロン、アルミニウム、チタ 、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、 、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、 ンタン、セリウム、タンタル、タングステ のアルコキシドをあげることができるが、 でもチタン系のアルコキシドが好適に用い ことができる。これらの金属アルコキシド 、有機樹脂皮膜中に10重量%以下で含有して ることが好ましい。10重量%を超えて含有す と、マグネシウム合金材に有機樹脂皮膜を 成させた成形加工用マグネシウム合金材の 形加工性が低下する。上記のシランカップ ング剤、コロイダルシリカ、潤滑剤、金属 ルコキシドは有機樹脂皮膜中にそれぞれ1種 で単独で含有していてもよいが、2種以上が 有していてもよい。

 上記のようにして得られる有機樹脂をマ ネシウム合金材の表面に塗布乾燥して有機 脂皮膜を形成させる。有機樹脂皮膜の厚さ 乾燥後の厚さで0.1~50μmであることが好まし 、1~10μmであることがより好ましい。このよ うにして成形加工用マグネシウム合金材が得 られるが、加工温度での表面の摩擦係数は0.2 以下であることが好ましい。加工温度での摩 擦係数とは、成型加工用マグネシウム合金材 を加工する温度での摩擦係数を、HEIDON製球接 触式摩擦係数測定装置(Dynamic Strain Amplifer 3K -34D, Peeling/Slipping/Scratching TESTER HEIDON-14)を使 用して測定した値である。

 以上のようにして得られる成形加工用マ ネシウム合金材は、加工温度での摩擦係数 0.2以下であり、成形加工性に優れており、 り加工、鍛造、圧延、プレスフォージング どの成形加工でこれまで常用されていた潤 油や二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤を いることなく、好適に成形加工することが きる。また、これまで常用されていた潤滑 や二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤を併 しても好適に成形加工することができるの 、従来の潤滑油塗布が必要なマグネシウム 金材の製造方法と本発明の無塗油加工が可 な製造方法を併用して、従来の塗油を行う 造工程の中で連続して加工することも可能 ある。さらに、成形加工用マグネシウム合 材を350℃以下の温度範囲、好ましくは200~350 ℃の温間加工温度範囲に加熱して絞り加工す ると、200℃未満の温度域と比較してさらに加 工性が向上し、高加工度で成形加工すること が可能となる。しかし200℃を超える温度範囲 で成形加工する場合、有機樹脂皮膜が分解し て変色したり皮膜にクラックが生じ、見栄え が劣化するとともに加工度を向上させること が困難になる。そのため、有機樹脂単独での 耐熱性を向上させるだけでなく、有機樹脂皮 膜にさらに耐熱性付与剤を含有させることに より、200~350℃以下の高温の温間加工温度範 で有機樹脂皮膜が変色したり、クラックを じることなく、安定して成形加工を行うこ が可能となり、加工度も向上させることが きる。結果として、成形加工用マグネシウ 合金材の成形加工において、従来から実施 れている潤滑油を使用した場合と同じ加工 が得られる加工温度を、350℃以下の温度領 において、より低くすることが可能となり 必要以上の加熱処理が不要となるメリット 得られる。もちろん、成形加工時の潤滑油 布が不要となることは言うまでもない。

 耐熱性付与剤としては、ポリイミドなど 耐熱性樹脂やシロキサン化合物を用いるこ が好ましい。シロキサン化合物としては、 メチルシロキサン、ジエチルシロキサン、 チルエチルシロキサン、ジフェニルシロキ ン、メチルフェニルシロキサンなどのオル ノシロキサンのポリマーやモノマー、また これらのオルガノシロキサン分子内にポリ ルキレンオキシド基、水酸基、アミド基、 ルボキシル基、スルホン基、アミノ基のい れか1種または2種以上の置換基を1個以上有 るものが好適に好適に用いられる。これら 耐熱性付与剤は、有機樹脂皮膜中に5~80重量 %含有されていることが好ましく、10~60重量% 有されていることがより好ましい。このよ に、有機樹脂皮膜中に耐熱性付与剤を含有 せることにより、成形加工用マグネシウム 金板を200~350℃の温間加工温度範囲まで加熱 、高加工度で成形加工することが可能とな 。なお、耐熱性付与剤は有機樹脂に単独で 有してもよいが、上記のシランカップリン 剤、コロイダルシリカ、潤滑剤のいずれか1 種、または2種以上と併用して含有していて よい。

 このようにして得られるマグネシウム合 成形加工体は、必要に応じて有機樹脂皮膜 に塗装を施すことが可能である。あるいは 記の成形加工用マグネシウム合金材の有機 脂皮膜上に予め塗装を施しておいた塗装材 成形加工してマグネシウム合金成形加工体 してもよい。もちろん、有機樹脂皮膜を単 で被覆したまま使用することも可能である また、マグネシウム合金成形加工体に成形 工した後にアルカリ溶液を用いて有機樹脂 膜を溶解除去したり、研磨粒子を表面に吹 付けるショットブラスト法用いて除去した 、公知の陽極酸化処理やめっきなどの表面 理を施したり、さらにその上に塗装を施す とも可能である。

 以下、実施例にて本発明を詳細に説明する
(成形加工用マグネシウム合材材の作成)
 成形加工用マグネシウム合材材として、下 の合金成分を有する板厚0.4mmのマグネシウ 合金板の両面に、表1に示す樹脂溶液、また 、表1に示す樹脂に表1に示すシランカップ ング剤、コロイダルシリカ、潤滑剤、金属 ルコキシド、耐熱性付与剤を含有させてな 樹脂溶液を、乾燥後の状態でそれぞれの添 物が表1に示す含有量となるように、また乾 後の樹脂皮膜の厚さが表1に示す厚さとなる ようにバーコーターを用いて塗布し乾燥させ 、試料番号1~13で示す供試用の成形加工用マ ネシウム合材を作成した。
 <合金成分>
  Al:3.1重量%、Zn:1.1重量%、Mn:0.31重量%、残部: Mgおよび不可避的不純物元素
  <平均結晶粒径>
  8μm

(マグネシウム合金成形加工体の作成)
 上記のようにして得られた試料番号1~13で示 す供試用の成形加工用マグネシウム合金板を 、下記の条件で絞り加工して絞り容器に成形 加工し、マグネシウム合金成形加工体とした 。加工温度はダイスおよびブランクホルダー の温度を同一とし、パンチ温度のみ常温とし た。この絞り加工時の限界絞り比を求め、加 工性を評価した。また、加工温度での摩擦係 数を、ホルダー加熱装置が付属したHEIDON製摩 擦係数測定装置により測定した。測定に際し て、ホルダーに固定した成形加工用マグネシ ウム合金材を加工時の温度に加熱した後、接 触球は装置に付属した直径10mmのSUS球、測定 重200g、測定時間1.6mm/secの条件で測定した。
 <パンチ肩R>
  5mm
 <パンチ温度>
  25℃
 <ダイス温度>
  150℃、200℃、250℃、300℃、350℃
 <ブランクホルダー温度>
  150℃、200℃、250℃、300℃、350℃
 <絞り速度>
  1mm/秒
 <潤滑油および潤滑剤>
 本発明のマグネシウム合金材を加工する時 潤滑油および潤滑剤を不使用

 比較用として、上記のマグネシウム合金 の両面に市販の塑性加工用油G3080(日本工作 (株)製)を塗布したものを比較例の試料番号1 4、およびマグネシウム合金材の両面に50μmの 厚さのフッ素樹脂フィルムを取付けたものを 比較例の試料番号15として同様の条件で絞り 工し、比較用のマグネシウム合金成形加工 とした。なお、フッ素樹脂フィルムを取付 ない試料番号14のマグネシウム合金材の場 、加工温度が低い場合の加工性が極めて劣 ており、絞り加工することが困難であるの 、ダイス温度およびブランクホルダー温度 200℃以上の場合にのみ絞り加工した。また フッ素樹脂フィルムを取付けた試料番号15の マグネシウム合金材の場合は、ダイス温度お よびブランクホルダー温度が350℃であるとフ ッ素樹脂フィルムの損傷が激しく絞り加工す ることが困難であるので、ダイス温度および ブランクホルダー温度が150~300℃の場合にの 絞り加工した。

(有機樹脂皮膜の外観の評価)
 成形加工後のマグネシウム合金成形加工体( 絞り容器)表面の有機樹脂皮膜の外観を肉眼 察し、下記の基準で評価した。
 ◎:皮膜の変色および損傷は認められない。
 ○:わずかに皮膜の変色が認められるが、実 用上問題となる損傷は認められない。
 △:皮膜の変色および損傷が認められるが、 成形加工体(絞り容器)の形状に加工可能    あり、内部部材等にそのまま使用可能であ 。また、簡単な傷取り研磨処理等を   施 ことにより、美麗な外観が得られ、十分に 装部材として使用可能である。
 ×:皮膜の激しい損傷、および成形加工体(絞 り容器)表面に実用上問題となる疵が認    られる。
これらの結果を表2~4に示す。

 表2~4に示すように、マグネシウム合金板 有機樹脂を被覆してなる本発明の成形加工 マグネシウム合金材は優れた加工性を有し おり、従来法によるマグネシウム合金板に 滑油を塗布して絞り加工した場合の比較例( 試料番号14)と比較して、大幅に優れた加工性 を示す。さらに、従来では最も優れた加工性 を示すことから、主として研究開発で用いら れていた、潤滑剤として高価なフッ素樹脂フ ィルムを用いた比較例(試料番号15)と比較し 場合、同等以上の加工性を示しており、量 用としてはコストと生産性に問題があるフ 素樹脂フィルムを用いる方法に替わる方法 して、本発明の成形加工用マグネシウム合 材の優位性は明瞭である。さらに、有機樹 に耐熱性付与剤を含有させた場合は、350℃ での高温で絞り加工することが可能であり このような高温で絞り加工した場合に限界 り比4.0までの高加工度でマグネシウム合金 形加工体(絞り容器)に成形加工することが可 能である。

 マグネシウム合金材の表面に、潤滑性を する有機樹脂を被覆してなる本発明の成形 工用マグネシウム合金板は、高加工度でマ ネシウム合金成形加工体として製造するこ が可能であり、特に有機樹脂にシロキサン 合物などの耐熱性付与剤を含有させた場合 、200~350℃の温間加工温度範囲で優れた潤滑 効果が発現し、フード、トランクリッド、ド ア、フェンダーなどの自動車用部材、モバイ ル通信機器やノートパソコンなどの携帯用電 子機器の小型の外装ケース、旅行用のスーツ ケースや書類収納用のアタッシェケースなど の大型ケースなどの容器、特に絞り比が4.0以 下の高加工度で絞り加工する絞り容器などの マグネシウム合金成形加工体に好適に適用す ることができる。