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Title:
MAGNESIUM ALLOY SHEET MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093420
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are: a magnesium alloy sheet material excellent in suitability for plastic working and rigidity; and a magnesium alloy molding having excellent rigidity. The sheet material is made of a magnesium alloy and comprises a matrix made of the magnesium alloy and rigid particles contained in the matrix. When the region ranging in the thickness direction from each surface of this sheet material to 40% of the thickness of the sheet material is referred to as a surface region and the remaining region is referred to as a central region, then the rigid particles present in the central region have a maximum diameter of 20-50 µm, excluding 20 µm and 50 µm, and the rigid particles present in the surface regions have a maximum diameter of 20 µm or smaller. Since the surface-side rigid particles are fine, these particles are less apt to become starting points for cracking or the like in plastic working. The presence of coarse particles in the central part can heighten the rigidity of the sheet material.

Inventors:
NUMANO, Masatada (1-3, Shimaya 1-chome, Konohana-k, Osaka-shiOsaka 24, 5540024, JP)
沼野正禎 (〒24 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号住友電気工業株式会社大阪製作所内 Osaka, 5540024, JP)
KAWABE, Nozomu (1-3, Shimaya 1-chome, Konohana-k, Osaka-shiOsaka 24, 5540024, JP)
河部望 (〒24 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号住友電気工業株式会社大阪製作所内 Osaka, 5540024, JP)
OISHI, Yukihiro (1-3, Shimaya 1-chome, Konohana-k, Osaka-shiOsaka 24, 5540024, JP)
大石幸広 (〒24 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号住友電気工業株式会社大阪製作所内 Osaka, 5540024, JP)
Application Number:
JP2009/000110
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 14, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO ELECTRIC INDUSTRIES, LTD. (5-33, Kitahama 4-chome Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 41, 5410041, JP)
住友電気工業株式会社 (〒41 大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 Osaka, 5410041, JP)
NUMANO, Masatada (1-3, Shimaya 1-chome, Konohana-k, Osaka-shiOsaka 24, 5540024, JP)
沼野正禎 (〒24 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号住友電気工業株式会社大阪製作所内 Osaka, 5540024, JP)
KAWABE, Nozomu (1-3, Shimaya 1-chome, Konohana-k, Osaka-shiOsaka 24, 5540024, JP)
河部望 (〒24 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号住友電気工業株式会社大阪製作所内 Osaka, 5540024, JP)
OISHI, Yukihiro (1-3, Shimaya 1-chome, Konohana-k, Osaka-shiOsaka 24, 5540024, JP)
International Classes:
C22C23/02; B22D11/06; B22D19/14; B22D21/04; C22F1/06; C22F1/00
Attorney, Agent or Firm:
YAMANO, Hiroshi (KEIMEI PATENT OFFICE, 10FASTRO Shin Osaka 2 Bldg.,1-3, Nishinakajima 6-chome,Yodogawa-ku, Osaka-shi, Osaka 11, 5320011, JP)
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Claims:
 マグネシウム合金からなる板材であって、
 マグネシウム合金からなる母材中に硬質粒子を含有しており、
 前記板材の厚さ方向において、板材の各表面から板材の厚さの40%までの領域を表面領域とし、残部の領域を中央領域とするとき、
 前記中央領域に存在する硬質粒子は、その最大径が20μmを超えて50μm未満であり、
 前記表面領域に存在する硬質粒子は、その最大径が20μm以下であることを特徴とするマグネシウム合金板材。
 前記表面領域に存在する硬質粒子は、その最大径が5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金板材。
 前記板材は、総圧下率20%以上の圧延加工が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマグネシウム合金板材。
 前記表面領域を構成する母材は、アルミニウムを2.5質量%以上6.5質量%未満含有し、シリコン及びカルシウムが合計で0.5質量%以下であるマグネシウム合金からなることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金板材。
 前記表面領域を構成する母材は、アルミニウムを6.5質量%以上20質量%以下含有し、シリコン及びカルシウムが合計で0.5質量%以下であるマグネシウム合金からなることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金板材。
 板材の総体積に占める前記中央領域に存在する硬質粒子の体積割合が0.5%以上15%未満であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金板材。
 前記中央領域に存在する硬質粒子は、析出物からなることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金板材。
 前記板材の表面に被覆層を具えることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金板材。
 請求項1に記載されるマグネシウム合金板材に塑性加工が施されてなることを特徴とするマグネシウム合金成形体。
 更に、その表面に被覆層を具えることを特徴とする請求項9に記載のマグネシウム合金成形体。
Description:
マグネシウム合金板材

 本発明は、マグネシウム合金板材、及び の板材に塑性加工を施してなる成形体に関 るものである。特に、塑性加工性に優れる 共に剛性が高いマグネシウム合金板材に関 る。

 マグネシウムに種々の添加元素を含有し マグネシウム合金が、携帯電話やノートパ コンといった携帯電気機器類の筐体や自動 部品などに利用されてきている。マグネシ ム合金は、六方晶の結晶構造(hcp構造)を有 るため常温での塑性加工性に乏しいことか 、上記筐体などのマグネシウム合金製品は ダイカスト法やチクソモールド法による鋳 材が主流である。

 マグネシウム合金の塑性加工性を向上する めに、特許文献1では、マグネシウム合金の 結晶粒内に25×10 -12 πm 2 以上2500×10 -12 πm 2 以下(面積相当円直径10~100μm)の析出物を複数 散させることを提案している。また、特許 献2は、マグネシウム合金中の晶析出物の最 大径を20μm以下と微細にすることで塑性加工 (成形性)に優れることを開示している。

特開2003-239033号公報

国際公開第06/003899号パンフレット

 一般的な塑性加工において、クラックの 生が起き難い代表的な加工として鍛造加工 挙げられる。この鍛造加工でも、析出物の 大径は20μm以下が好ましいと考えられる。 かし、特許文献1に記載されるマグネシウム 金素形材は、その全体に亘って均一的に析 物を存在させており、表面側に比較的粗大 析出物が存在する恐れがある。素材の表面 に20μmを超える粗大な析出物が存在すると 塑性加工時に割れなどが生じ易くなり、塑 加工性が低下する。

 一方、特許文献2に記載されるマグネシウ ム合金材は、その全体に亘って晶析出物を存 在させているものの、その最大径が20μm以下 あるため、塑性加工時に割れなどが生じ難 、塑性加工性に優れる。しかし、軽量化の めなどでマグネシウム合金材の厚さをより くした場合、剛性が小さくなり、衝撃を受 た際にマグネシウム合金材が凹むなどの変 を生じる恐れがある。

 そこで、本発明の目的の一つは、塑性加 性及び剛性の双方に優れるマグネシウム合 板材を提供することにある。また、本発明 他の目的は、剛性に優れるマグネシウム合 成形体を提供することにある。

 板材を曲げた場合、曲げの内側に位置す 一方の表面側には圧縮応力が作用し、曲げ 外側に位置する他方の表面側には引張応力 作用する。例えば、析出物といった粒子が 在する板材であって、その表面側に粗大な 出物が存在すると、上記応力が作用したと に割れの起点となり易い。しかし、この板 の厚さ方向における中心及びその近傍は、 質的に上記応力が働かない、或いは作用す 応力が表面側と比較して小さい。そのため 板材の中心及びその近傍部分に比較的粗大 析出物が存在しても、割れなどが生じ難い 考えられる。また、析出物は、母材である グネシウム合金自体と比較して剛性が高い 換言すると弾性率が大きいことから、この うな高剛性物が板材の中心及びその近傍に 在することで、板材の剛性を高められる。 に、この高剛性物がある程度粗大であると 板材の剛性を効果的に高められる。この知 に基づき、本発明板材は、表面側と中心部 とで大きさが異なる粒子が存在するものと る。

 本発明マグネシウム合金板材は、マグネ ウム合金からなる母材中に、母材の合金よ も弾性率が高い硬質粒子を含有する。この 材の厚さ方向において、板材の各表面から 材の厚さの40%までの領域を表面領域とし、 部の領域を中央領域とするとき、中央領域 存在する硬質粒子の最大径は20μmを超えて50 μm未満であり、表面領域に存在する硬質粒子 の最大径は20μm以下である。最大径の測定方 は後述する。

 本発明板材は、表面領域に存在する硬質 子の最大径が20μm以下と小さいため、硬質 子が塑性加工時に割れなどの起点となり難 、塑性加工性に優れる。かつ、本発明板材 、中央領域に剛性が高く比較的大きな粒子 特に、表面領域に存在する粒子よりも大き 粒子が存在するが、この中央領域は、曲げ どを加えた際に応力が作用し難い箇所であ ため、塑性加工性を阻害し難い。また、本 明板材は、中央領域に上記粗大な粒子が存 することで、板材の剛性を高められる。以 、本発明をより詳細に説明する。

 [マグネシウム合金板材]
 <マグネシウム合金>
 本発明板材は、実質的にマグネシウム合金 硬質粒子とで構成される。マグネシウム合 は、50質量%超のマグネシウム(Mg)と添加元素 と不可避的不純物とで構成される合金であり 、添加元素としては、例えば、アルミニウム (Al),亜鉛(Zn),マンガン(Mn)が挙げられる。Alを 有するマグネシウム合金は、耐食性に優れ 。特に、Alを2.5質量%以上6.5質量%未満含有す 場合、塑性加工が行い易く、6.5質量%以上20 量%以下含有する場合、耐食性がより高い。 2.5質量%以上であると、後述するように硬質 子を析出物とする場合、析出物が生成され く、20質量%以下とすることで、塑性加工性 低下を抑制する。Alに加えてZn,Mnといった元 を含有するマグネシウム合金は、マグネシ ム単体よりも強度や伸びといった機械的特 や耐食性に優れる。このようなマグネシウ 合金として、ASTM規格のAZ系合金やAM系合金 具体的には、AZ31,AZ61,AZ63,AZ80,AZ81,AZ91やAM60,AM10 0などが挙げられる。添加元素の含有量を調 することで、所望の特性を有するマグネシ ム合金とすることができる。

 上記マグネシウム合金は、シリコン(Si)及 びカルシウム(Ca)の含有量ができるだけ少な 方が好ましい。Si及びCaが少ないと、耐食性 劣化し難く、耐熱性の向上に伴う成形温度 高温化なども生じ難い。具体的には、合計 0.5質量%以下が好ましい。

 表面領域を構成する母材のマグネシウム 金と、中央領域を構成する母材のマグネシ ム合金とは異なる組成でもよいし、同一組 でもよい。例えば、表面領域を塑性加工性 優れるAZ31とし、中央領域を防食性に優れる AZ91にしてもよい。

 <硬質粒子>
 《組成》
 硬質粒子は、母材であるマグネシウム合金( 例えば、AZ91:弾性率45GPa)よりも弾性率が高い のとする。このような硬質粒子として、例 ば、Al 17 Mg 12 といったAl-Mg系析出物、その他Al-Mn系析出物 Mg-Zn系析出物などの金属間化合物が挙げられ る。これら金属間化合物は、200GPa程度の弾性 率を持つと考えられる。その他の硬質粒子と して、マグネシウムと反応し難い化合物、例 えば、炭化珪素(SiC:弾性率260GPa)、窒化アルミ ニウム(AlN:弾性率200GPa)、窒化ホウ素(BN:弾性 369GPa)といったセラミックスや、ダイヤモン (C:弾性率444GPa)などの単一元素物質が挙げら れる。これらセラミックス粒子や単一元素粒 子は、金属間化合物である析出物よりも弾性 率が高く、板材の剛性をより高められる。

 《硬質粒子を板材に存在させる方法》
 硬質粒子を析出によって生成する場合、本 明板材の製造条件を調整することで硬質粒 (析出物)を生成する。この場合、別途、粒 材料を準備する必要がない。マグネシウム 金の母材に硬質粒子を存在させる別の方法 しては、例えば、硬質粒子を上述のマグネ ウムと反応し難い化合物や物質とする場合 板材の中央領域に硬質粒子が存在し得る範 でこれら化合物や物質を溶解中の母材の任 の場所に挿入して母材に混合することで、 性に優れる本発明板材を製造することがで る。本発明板材は、析出物からなる粒子と ラミックスからなる粒子とが混在していて よい。また、中央領域に存在する硬質粒子 、表面領域に存在する硬質粒子とが異なる 成からなるものでもよい。

 《弾性率》
 本発明板材は、剛性を高めるために母材よ も硬度が高い硬質粒子を含有する。板材の 性をより高めるためには、硬質粒子は、母 の硬度の2倍以上、更に10倍以上であること 好ましい。また、硬質粒子は、その弾性率 50GPa以上であることが望ましい。弾性率が50 GPa以上であると、板材の剛性を高める効果が 大きく、弾性率が高いほど同効果が得られる ため、100GPa以上がより好ましい。

 板材の製造時の反応により硬質粒子を生 する場合、板材中の硬質粒子は、その構成 の組成比や結晶構造によって弾性率が異な 可能性がある。従って、板材製造後、板材 の硬質粒子の弾性率を適宜測定して、確認 るとよい。弾性率の測定方法としては、例 ば、作製した板材の中央領域を機械加工な で取り出し、薬液にて母相(マグネシウム合 金)を溶解した後の残渣を用いて、硬質粒子 体積の測定と、中央領域の曲げ試験による 性測定とを行い、これら測定結果の複合則 よる方法を採用することができる。この複 則による方法で所望の精度が得られ難い場 は、上述の残渣の物性値をマイクロビッカ ス硬度計などで直接測定してもよい。一方 溶解中の母材に硬質粒子となる原料粒子を 入する場合は、予め原料粒子の弾性率を測 しておくことが可能であり、材料設計が行 易い。このとき、原料粒子の選定は、弾性 で行えるが、原料粒子が微細であるなどし で弾性率の測定が難しい場合は、例えば、 造材の母相(マグネシウム合金)を薬液により 溶解して残渣(粒子)の硬度を測定することで 性率を推定することができる。

 《大きさ》
 本発明板材は、表面側に存在する硬質粒子 、内部に存在する硬質粒子との大きさ(最大 径)が異なることを最大の特徴とする。まず 板材の厚さ方向において板材の各表面から 材の厚さの40%以上離れた領域、つまり、板 の厚さ方向の中心を含む板材の厚さの20%の 域を中央領域とし、板材の各表面から板材 厚さの40%未満の領域、つまり、中央領域を むように存在する領域であって、板材の表 を含む板材の厚さの40%までの領域をそれぞ 表面領域とする。析出物やセラミックスは 伸びといった靭性が低いものが多く、硬質 子がこのような析出物などから構成される 合、中央領域を大きくし過ぎると、塑性加 性が低下する恐れがある。そこで、本発明 材では、板厚の20%の領域を中央領域とする 、中央領域を板厚の10%の領域、即ち、表面 域を板材の表面から板厚の45%までの領域と ると、更に塑性加工性に優れて好ましい。 して、表面領域に存在する硬質粒子(以下、 面粒子と呼ぶ)は、塑性変形性を阻害しない ように最大径を20μm以下とする。硬質粒子の 大径は、板材の厚さ方向の最大長さとする 表面粒子は、できるだけ小さい方が好まし 、5μm以下がより好ましい。特に、板材の耐 食性や塗装性といった意匠性を考慮すると、 板材の最表面に露出する硬質粒子はできる限 り少なく、かつその最大径は5μm以下が好ま く、1μm以下がより好ましい。また、上記意 性を考慮すると、板材の最表面に硬質粒子 実質的に存在しないことが好ましい。なお 実際の使用に際し、板材の表面が平滑でな 場合、切削や研磨などの修正加工が行われ ことがある。この場合、修正加工後におい 、中央領域及び表面領域を決定する。

 ここで、マグネシウム合金を鋳造すると 通常、析出物が析出される。従って、表面 子を析出物とする場合、製造条件を制御す ことで、表面粒子の大きさを上記所定の大 さに調整することができる。更に、セラミ クス粒子を表面粒子に含む場合、上記所定 範囲内のセラミックス粒子を用いるとよい また、表面粒子は、表面領域の全域に亘っ 均一的に分散していてもよいし、表面に近 ほど少なくなるように、即ち、中心に向か て多くなるように傾斜的に存在していても い。分散状態は、例えば、製造条件を制御 ることで調整することができる。詳しい制 方法は後述する。

 一方、中央領域に存在する硬質粒子(以下 、内部粒子と呼ぶ)は、剛性を高めるために 最大径を20μm超とする。内部粒子は、大きい 方が剛性を高められるが、大き過ぎると、塑 性加工性を低下させるため、50μm未満とする 好ましくは、20μm超40μm以下である。

 《含有量》
 表面粒子の含有量は、板材の総体積に占め 割合が0.5体積%以上15体積%以下が好ましい。 表面粒子の含有量が上記範囲を満たすことで 、中央領域との材料特性の差を小さくして、 板材の塑性加工性の低下を抑制することがで きる。一方、中央領域ではある程度硬質粒子 が存在しないと、十分に剛性を高められず、 多過ぎると、脆弱になり易い。内部粒子の具 体的な含有量は、板材の総体積に占める割合 が0.5体積%以上15体積%未満であることが好ま い。硬質粒子を析出物からなるものとする 合、マグネシウム合金の組成を調整したり 製造条件を制御することで硬質粒子の含有 を調整することができ、硬質粒子をセラミ クス粒子からなるものとする場合、混合量 調整することで硬質粒子の含有量を調整す ことができる。

 《形態》
 本発明板材は、鋳造材、この鋳造材に圧延 押出といった1次塑性加工、更に熱処理を施 した1次加工材が代表的な形態である。上記 造材は、表面側の硬質粒子が微粒であり、 較的粗大な硬質粒子が実質的に表面領域に 在しないため、圧延などの際に割れなどが じ難く、塑性加工性に優れる。また、この うな鋳造材に1次塑性加工を施すことで、鋳 時の欠陥などを除去して、表面性状を向上 きる。特に、総圧下率30%以上の圧延加工を した板材は、表面性状が高められるだけで く、引張強度や伸びといった機械的特性が 造材よりも優れる。鋳造材に圧延などの塑 加工を施すと歪みが導入されるため、本発 板材は、塑性加工後、歪み除去を目的とす 熱処理を施したものでもよい。得られた1次 加工材も鋳造材と同様に塑性加工性に優れ、 プレス加工や鍛造加工といった2次塑性加工 に割れなどが生じ難い。

 《厚さ》
 本発明板材は、製造条件を調整することで 々の厚さを有する。特に、圧延などを施す とで1mm以下の薄板とすることができる。そ て、本発明板材は、中央領域に比較的粗大 内部粒子が存在することで剛性が高められ 上述のように薄板としても、凹みなどの変 が生じ難い。

 《被覆層》
 本発明板材は、その表面に被覆層を具えて てもよい。被覆層は、代表的には、防食処 (化成処理又は陽極酸化処理)による防食被 と、装飾などを目的とした塗装膜とが挙げ れる。防食被膜を具えると、耐食性を高め れ、塗装膜を具えると、商品価値を高めら る。本発明板材に塑性加工を施す場合、防 被膜は、塑性加工により損傷し難いので、 性加工前に形成してもよいし、塑性加工後 形成してもよい。塑性加工前に防食被膜を えると、塑性加工時に防食被膜が潤滑剤と て機能する傾向にある。塗装膜は、塑性加 により損傷する恐れがあるため、塑性加工 に形成することが好ましい。

 [成形体]
 圧延などの1次塑性加工が施された1次加工 (本発明板材)にプレス加工や鍛造加工といっ た2次塑性加工を施すことで、本発明マグネ ウム合金成形体が得られる。この本発明成 体は、本発明板材と同様に中央領域に比較 粗大な内部粒子が存在するため、剛性が高 、変形などが生じ難い。

 本発明成形体は、被覆層を具えていても い。被覆層は、特に防食被膜と塗装膜とを えるものが好ましい。

 [製造方法]
 本発明マグネシウム合金板材を鋳造材とす 場合、例えば、以下の製造方法により製造 ることができる。
 <鋳造材の製造>
 《両領域における硬質粒子を析出物とする 合》
 本発明マグネシウム合金板材に存在する硬 粒子を析出物からなるものとする場合、例 ば、マグネシウム合金からなる溶湯を準備 る工程と、この溶湯を鋳造して板材とする 程とを具え、鋳造工程において、溶湯表面 冷却速度が50K/秒以上1000K/秒以下となるよう に冷却を行うと共に、最終凝固に要する時間 を制御する。端的に言うと、表面側と中心部 分とで温度差を設けて溶湯を凝固する。特に 、表面側を急冷することで、表面側に粗大な 析出物が析出されることを防止し、かつ内部 がゆっくり冷却されるように凝固時間を制御 することで、板材の厚さ方向の中心及びその 近傍に粗大な析出物が析出されるようにする 。凝固時間の制御は、例えば、鋳造速度を調 整することで行える。

 なお、冷却速度を遅くすると、中央偏析 生じる。この中央偏析は、板材の長手方向 び幅方向に分散的に存在し、通常、欠陥と て取り扱う。これに対し、上述のように冷 速度や鋳造速度を制御することで、中央偏 を制御し、比較的粗大な析出物が板材の長 方向及び幅方向に連続的に繋がるように板 を形成する。従って、析出物からなる硬質 子の大きさが、厚さ方向以外の方向、例え 、長手方向や幅方向に大きく成り得るが、 発明では、硬質粒子の厚さ方向の大きさを とする。また、硬質粒子における板厚方向 垂直な方向(長手方向、幅方向)の大きさが き過ぎると、硬質粒子と母材との界面で剥 が生じるなどして割れの起点となり易くな 。従って、硬質粒子における板厚方向に垂 な方向の最大値は、2mm以下が好ましい。特 、引張強さの低下を抑制しつつ剛性を高め には、硬質粒子の最大径(板厚方向の最大長 )と、硬質粒子が最も大きい方向(厚さ方向 長手方向及び幅方向のいずれかの方向)の最 値とのアスペクト比が1:10以下であることが 望ましい。剛性をより高めるには、上記アス ペクト比は、1:20以上が好ましいが、この場 、体積に対する粒子数が少なくなって塑性 工時の応力の分散点が減少することで、引 強さが低下する傾向にある。

 鋳造は、可動鋳型を用いる双ロール法(ツ インロール法)、双ベルト法(ツインベルト法) 、車輪ベルト法(ベルトアンドホイール法)と った連続鋳造法で行うことが好ましい。こ らの鋳造法は、鋳型面(溶湯と接触する面) 位置を一定に保持し易く、鋳型の回転に伴 て溶湯に接触する面が連続的に現れる構成 あるため、上記冷却速度や鋳造速度を所定 範囲に制御し易い。また、可動鋳型の作製 度が高いため、鋳造材を高精度に製造でき 。更に、鋳造は、溶湯を垂直方向に移動さ る垂直式鋳造でも、溶湯を水平方向に移動 せる水平式鋳造でもよい。

 上記鋳造工程において凝固材の表面側部 (主として板材の表面領域を形成する部分) 冷却速度を50K/秒以上とすることで、板材の 面側に最大径が20μmを超える粗大な析出物 析出されることを抑え、上記表面側部分が 固し始めてから、凝固材の中央部分(主とし 板材の中央領域を形成する部分)の凝固が完 了するまでの時間を0.1秒以上とすることで、 板材の中心部分に最大径が20μmを超える粗大 析出物を存在させ易く、剛性を十分に向上 きる。冷却速度は、凝固材(溶湯)の組成に じて適宜選択することができるが、好まし は、200K/秒以上1000K/秒以下である。冷却速度 の調整は、鋳造材の目標板厚や、溶湯や可動 鋳型の温度、可動鋳型の駆動(回転)速度、鋳 と溶湯との接触長などを調整したり、可動 型の材質などを適宜選択したり、鋳型の表 状態や冷却剤、離型剤などを調整すること 行うことができる。

 鋳造速度は、鋳造材の大きさや組成、冷 速度などを考慮して適宜選択することがで る。鋳造速度が遅過ぎると、鋳造材の中心 分も上記表面側と同程度の冷却速度で冷却 れてしまい、20μmを超える析出物を存在さ 難くなり、速過ぎると中心部分の冷却が遅 なることで50μmを超える非常に粗大な析出物 が存在する恐れがある。

 上述のように冷却速度や鋳造速度を制御 て、可動鋳型から排出された際に溶湯の凝 が完了していないようにする。つまり、可 鋳型から排出された時点で、溶湯の表面側 凝固され中心部分は未凝固状態とし、中心 分は、鋳型から排出後、除冷により凝固す ように冷却速度、鋳造速度を制御する。例 ば、可動鋳型を一対のロールとする場合、 ール間が最も接近する最小ギャップを溶湯 通過する際、即ち、ロールの回転軸を含む 面と注湯口の先端間(オフセット区間)内に 固完了点が存在しないように溶湯を凝固さ 、中央領域に大きな析出物を生成する。例 ば、鋳型から放出された段階で凝固材の全 が固化されないようにする。このとき、例 ば、可動鋳型を一対のロールとする場合、 ロール間を通過する凝固材は、内部が凝固 ていないことで、鋳造荷重が比較的小さく る。

 《中央領域における硬質粒子が析出物以外 ものを含む場合》
 析出物以外からなる硬質粒子、例えば、セ ミックス粒子からなる硬質粒子を含有する 発明板材は、セラミックス粒子とマグネシ ム合金との混合溶湯を用いることで製造可 である。より具体的には、所望のセラミッ ス粒子と、所望の組成のマグネシウム合金 らなる溶湯とを混合した混合溶湯を準備し 表面領域を構成するマグネシウム合金から る母材溶湯で上記混合溶湯を挟むようにし 同時に鋳造する。このとき、上述した製造 法と同様に、冷却速度や鋳造速度を制御す 。得られた板材は、中央領域がマグネシウ 合金とセラミックス粒子との複合材料から る。このように所望の硬質粒子を用いるこ で、粒子の組成や大きさを簡単に変化させ ことができる。

 《鋳造材の厚さ》
 鋳造材の厚さは、3mm以上5mm以下が好ましい 厚さがこの範囲であると、安定して長尺材 形成できると共に、所望の組織に制御し易 。

 <熱処理>
 得られた鋳造材に、組成の均質化や、塑性 工性を向上する目的で鋳造組織を再結晶組 とするための熱処理や時効処理、その他、 述するように析出物などの粒子の大きさを 整するために、熱処理を施してもよい。粒 の大きさを調整する熱処理の具体的な条件 、後述する。温度や時間は、合金組成によ て適宜選択するとよい。

 <1次塑性加工>
 上記鋳造材(鋳造後熱処理が施されたものを 含む)は、圧延や押出などの塑性加工性に優 ており、このような塑性加工を施すことで 表面性状を改善したり、引張強度や伸びと った機械的特性を向上できる。特に、総圧 率20%以上の圧延を施すと、鋳造組織を実質 に圧延組織(再結晶組織)とすることができる 。より好ましい総圧下率は30%以上である。圧 延は1パス以上行い、1パスあたりの圧下率は 3~30%が好ましく、更に7~20%とすると、圧延材 の縁部の割れが小さく、或いは同割れが生じ 難く、平滑性に優れる圧延材が得られてより 好ましい。また、圧延の際、被加工材の表面 温度を150~350℃、ロールの温度を150~350℃にし おくと、割れなどが生じ難く加工性を高め れると共に、加工時の熱による結晶組織の 大化を抑制して、プレス加工や鍛造加工な の2次加工性に優れる圧延材が得られる。得 られた1次加工材(代表的には圧延材)の両領域 に存在する硬質粒子の大きさは、鋳造材のと きとほぼ同じ大きさ、或いは塑性加工により 粉砕されてより細かい。1次加工材の厚さは 例えば、0.4mm以上4.8mm以下が挙げられる。所 の厚さになるように鋳造材に圧延などを施 。

 上記圧延などの1次塑性加工は、鋳造に引 き続いて連続的に行うと、鋳造材が有する余 熱を利用できてエネルギー効率に優れる。な お、連続鋳造に引き続いて1次塑性加工を行 ない場合は、1次塑性加工前に被加工材に250~ 600℃かつ被加工材の構成材料の固相線温度以 下の温度で30分以上50時間以下程度の比較的 時間の熱処理を施すと、塑性加工性を高め 1次塑性加工時に被加工材が割れたり、変形 ることを防止できる。被加工材の構成材料 組成によっては、この熱処理を行わなくて よい。

 1次塑性加工を複数パスに亘って行う場合 、所定パスごとに被加工材に熱処理を施した り、得られた1次加工材に熱処理を行うと、1 加工により導入された残留応力や歪みを除 して、機械的特性の向上を図ったり、2次塑 性加工性を高められる。熱処理条件は、加熱 温度:100~600℃かつ被加工材の構成材料の固相 温度以下、加熱時間:5分~5時間程度が挙げら れる。

 上記圧延や圧延後に熱処理が施された圧 材において特に表面領域は、平均粒径が0.5 m以上30μm以下といった微細な結晶組織を有 ており、2次塑性加工性に優れる。平均粒径 、圧延材の断面において、JIS G 0551に定め れた切断法によって表面領域の結晶粒径を め、その平均値を用いる。平均粒径は、圧 条件(総圧下率や温度など)、熱処理条件(温 や時間など)を調整することで変化させるこ とができる。

 得られた1次加工材に被覆層、特に防食被 膜を形成してから後述する2次塑性加工を施 てもよい。

 <2次塑性加工>
 上記1次加工材(塑性加工後に熱処理された のも含む)は、プレス加工や鍛造加工といっ 塑性加工性に優れており、このような塑性 工を施して得られた成形体は、軽量が望ま る種々の分野に好適に利用できる。特に、 の成形体は、厚さが0.3~1.2mm程度と薄くても 性が高いため、撓んだり変形などが生じ難 、商品価値が高い。なお、成形体の厚さは 成形体全体に亘って均一的でなくても構わ い。塑性加工により部分的に薄くなったり くなった部分を含んでいてもよい。

 2次塑性加工は、1次加工材を室温以上500 未満に加熱して、塑性加工性を高めた状態 行うことが好ましく、加工後に熱処理を施 ことが好ましい。熱処理条件は、加熱温度:2 00~450℃、加熱時間:5分~40時間程度が挙げられ 。2次塑性加工が施された2次加工材に被覆 を形成し、被覆層を具える成形体とすると 防食性や商品価値を高められる。1次加工材 防食被膜を具える場合、2次塑性加工時にお いて防食被膜が潤滑剤として機能して、加工 が行い易くなる。更に、塗装膜を形成する場 合は、2次塑性加工後に形成すると、2次塑性 工時に塗装膜が損傷することを防止できて ましい。或いは、1次加工材に2次塑性加工 施した後、防食被膜、塗装膜を順に形成し もよい。

 本発明マグネシウム合金板材は、塑性加 性に優れると共に、剛性に優れる。本発明 グネシウム合金成形体は、剛性に優れ、変 し難い。

混合溶湯と表面溶湯とを用いて本発明 材を製造するときに用いる連続鋳造装置を す模式説明図である。 試料No.5の断面顕微鏡写真である。 実施形態で作製した試料の高温域での びを示すグラフである。

符号の説明

 10 連続鋳造装置 11 溶解保持炉 12 隔壁 1 3 出湯口 14 冷却機構
 20 混合溶湯 21 表面溶湯

 以下、本発明の実施の形態を説明する。
 種々の組成のマグネシウム合金、及び適宜 ラミックス粒子を用いて鋳造材を作製し、 られた鋳造材に適宜圧延を施して、種々の 性を調べた。

 鋳造材は、以下のように作製した。表1に 示す組成のマグネシウム合金(残部Mg)の溶湯 準備し、用意した溶湯を表1に示す条件で連 鋳造して鋳造材(幅200mm)を作製する。厚さは 、適宜異ならせている。

 試料No.1~6の鋳造材は、溶湯を作製する溶解 と、溶解炉からの溶湯を一時的に貯留する だめ(タンディッシュ)と、溶解炉と湯だめ に配置される移送樋と、湯だめからの溶湯 可動鋳型に供給する注湯口と、供給された 湯を鋳造する可動鋳型とを具える連続鋳造 置を用いて作製する。ここでは、双ロール 造装置を用いる。溶解炉、移送樋、注湯口 どの外周には、溶湯の温度を維持できる加 手段を具えることが好ましい。また、鋳造 、マグネシウム合金が酸素と結合し難いよ に酸素が5体積%未満の低酸素雰囲気、例えば 、アルゴン、窒素、及び二酸化炭素から選択 される1種からなる雰囲気が好ましい。混合 囲気でもよい。更に、SF 6 やハイドロフロロカーボンなどを0.1~1.0体積% 度含めて防燃性を高めてもよい。後述する 料No.7~9についても同様である。なお、フッ や硫黄でマグネシウム合金溶湯の表面にフ 化皮膜や硫化皮膜を生成する場合は、この 膜と触れる気体(雰囲気)の酸素濃度を高く ることができる。具体的には、21体積%まで めても(残部:主として窒素)、即ち、大気雰 気としても問題なく試作を行えた。

 試料No.1~6の鋳造材では、ロール間から連続 に出される凝固材の表面に熱電対(安立計器 株式会社製)の接点が常に接触できるように 置し、熱電対の温度と凝固材の移動距離と ら表面側の冷却速度を求める。具体的には 以下のようにする。出湯口内面及び凝固材 表面(ここでは、溶湯が鋳型と接触する地点S 、及び凝固材が鋳型との接触を終了する地点 E)において、出湯口から連続的に出される凝 材の幅方向における中央部分にそれぞれ熱 対(ここでは、0.05mmの溶接品)を配置する。 固材が鋳型と接触する区間(上記地点Sと地点 Eとの間、例えば、ロールの最小ギャップか 下流側に所定距離進んだ地点までの区間)を 動する時間に対する凝固材の温度変化を測 し、以下の式(1)で求められる値を表面側の 却速度とする。
式(1) (出湯口内面の溶湯の温度と凝固材が鋳 型との接触を終了する時点での熱電対の測定 温度の差)/(凝固材が鋳型と接触する区間を移 動する時間(sec))
 上記地点Sの温度は、鋳込み開始温度を示し 、地点Eの温度は、熱電対が凝固材と同じ速 で移動することで、具体的には半凝固状態 ある凝固材に伴って熱電対が移動すること よって測定できる(後述する試料No.7~9も同様) 。

 なお、鋳造材の横断面組織を観察して、デ ドライトの間隔を測定し、以下の式(2)に当 はめることで冷却速度を試算したが、上記 電対による実測値とほぼ整合性があること 確認した。従って、この組織観察による手 で冷却速度を管理してもよい。
式(2) (冷却速度)=(デンドライト間隔(μm)/35.5) (-3.23)

 ここでは、冷却速度は、ロールの温度、 ールの表面被覆材、ロールの材質、ロール 、ロール間の最小ギャップ及び溶湯温度か 選ばれる一種の条件、又は数種の条件を組 合わせて変化させることで異ならせている また、鋳造速度は、鋳造装置に印加する電 値を変化させることで異ならせている。な 、比較的遅い鋳造速度で鋳造すると、ロー 間の間隙で溶湯が凝固するなどの問題が生 る恐れがあるため、垂直式双ロール鋳造装 を使うことが好ましい。

 試料No.7~9の鋳造材は、表面領域を構成す 溶湯(以下、表面溶湯と呼ぶ)と、中央領域 構成する混合溶湯とを用いて作製する。表 溶湯は、表1に示す母材組成のものを準備し 混合溶湯は、表1に示す母材組成の溶湯に添 加粒子として最大径40μm以下のSiC粒子を混合 たものを準備する。そして、図1に示すよう に両溶湯20,21を貯留する溶解保持炉11と、炉11 の中央に配される隔壁12と、炉11の下方に設 られた出湯口13近傍に設けられた冷却機構14 を具える連続鋳造装置10を用いて、試料No.7~ 9の鋳造材を作製する。炉11の外周には、図示 しない加熱手段を具えて溶湯20,21を所定の温 に保持できるようにしている。隔壁12は、 湯口13まで延設されて、両溶湯20,21の混合を 止し、出湯口13を出て凝固した両溶湯が図1 示すように積層状態となるように設けてい 。隔壁12内に混合溶湯20を供給し、隔壁12の 周面と炉11の内周面で囲まれる空間に表面 湯21を供給する。冷却機構14は、内部に循環 媒(例えば水)が充填されており、出湯口13近 傍の溶湯を連続的に効率よく冷却することが できる構成である。この鋳造装置10は、垂直 鋳造装置としている。

 試料No.7~9の鋳造材も、試料No.1~6と同様に熱 対を配置して、表面側の冷却速度を求める 具体的には、出湯口内面及び凝固材の表面( ここでは、溶湯が鋳型と接触する地点S、及 凝固材の表面が固相線温度になる地点E)にお いて、出湯口から連続的に出される凝固材の 幅方向における中央部分にそれぞれ熱電対( こでは、0.05mmの溶接品)を配置し、凝固材の 面が母相の固相線温度になるまでの区間長 を測定し、以下の式(3)で求められる値を表 側の冷却速度とする。
式(3) (出湯口内面の溶湯の温度と鋳造材の母 相の固相線温度)/(鋳造材表面が母相の固相線 温度になるまでの区間長さを移動する時間(se c))

 得られた試料No.1~8の鋳造材に、表2,3に示 加工度(ここでは総圧下率(%))の塑性加工(こ では圧延)を施し、1次加工材(ここでは圧延 )を得る。圧延は、鋳造材を300℃に加熱し、 ローラを200℃に加熱し、複数パス行う(1パス たりの圧下率:5~30%)。試料No.9の鋳造材は、 記塑性加工を施さず、鋳造材の厚さのまま ある。得られた試料No.1~8の圧延材、及び試 No.9の鋳造材の厚さ(最終厚さ:mm)、表面領域 び中央領域に存在する硬質粒子の組成及び 大径(μm)、中央領域に存在する最大径20μm超 硬質粒子の体積割合(体積%)、室温での引張 さ(MPa)、室温での伸び(%)、剛性、及び成形 を調べた。その結果を表2,3に示す。

 硬質粒子の存在は、例えば、試料の任意 断面をとり、この断面をX線顕微鏡で観察す ることで確認できる。断面は、硬質粒子が現 れるようにとる。具体的には、厚さ方向に平 行な面が現れるように板材を切断する。確認 された硬質粒子の組成は、断面を鏡面研磨し た後、例えば、EDXなどに代表される定性分析 と半定量分析を用いて求められる。表2,3にお いて「Al-Mg系」、「Mg-Zn系」の粒子は、析出 と考えられ、「Si-C系」の粒子は、添加したS iC粒子と考えられる。上記組成からなる各粒 は、母材であるマグネシウム合金よりも弾 率が十分に高く、50GPa以上であると考えら る。

 硬質粒子の最大径(μm)は、板材の断面を 定の倍率(ここでは400倍)の光学顕微鏡で観察 することで確認できる。光学顕微鏡での観察 が困難な場合、X線顕微鏡を用いることがで る。断面の所定の測定領域(ここでは、厚さ 幅3mmの領域)において、一つの硬質粒子を通 する板材の厚さ方向の線分をその硬質粒子 径とし、最も長い線分をその硬質粒子の最 径とする。測定領域において、板材の表面 ら厚さの45%までの表面領域と、二つの表面 域に挟まれて板材の中央に位置する厚さの1 0%の中央領域とのそれぞれについて、存在す 全ての硬質粒子の最大径を測定し、最も大 い最大径を調べる。図2に、試料No.5の断面 微鏡写真を示す。図2に示す写真は、板材の 央領域を含む中心部分を示し(厚さ0.15mmのみ )、黒い粒や白っぽい粒が硬質粒子である。

 最大径20μm超の硬質粒子の体積割合(含有量) は、試料の任意の断面(積層構造が見える面) とり、この断面についてX線顕微鏡で1mm 2 以上の断面積S(mm 2 )を観察し、断面積S(mm 2 )中に存在する粒子の総面積S 1 (mm 2 )及び粒子の個数nを算出する。得られた粒子 総面積S 1 (mm 2 )を個数nで除して、粒子の平均断面積S 0 (mm 2 )を求め、この平均断面積S 0 (mm 2 )を以下の式に導入して、体積割合を求める
 式 (体積割合)=(4×n×S 0 1.5 )/(3×S×π)

 剛性は、試料No.1(圧延材)を基準(1.00)とし 板状の各試料を薄片状に加工し、曲げ試験 で剛性率を測定し、試料No.1に対する相対値 を求めて評価する。この曲げ試験はJIS Z 2248 に準じて実施し、一定距離(250mm)だけ離して けられた2個の円筒状支えにシート状試験片 載せ、先端部が半円柱状(半径10mm)に形成さ た押し金具を上記試験片の中央部に当て、 の押し金具を徐々に押し込んで上記試験片 所定の曲げ角度(5°)にまで曲げることで、 記試験片の曲げ反力を測定した。また、試 片が所定形状よりも小さい場合、曲げ試験 、例えば、円筒状支えと試験片が接する地 の距離(以下、接触距離と呼ぶ)を変えて試料 No.1と比較測定を行うことで評価可能である とを確認している。具体的には、接触距離 25mmの場合に上述の条件と同等の測定結果が られることを確認している。成形性(塑性加 工性)は、試料No.1(圧延材)を基準(△)とし、試 料No.1~8は、200℃以上300℃未満の温度でR=5、Dia =40、絞り深さ30mmのカップ絞り試験を実施し n=5のうち、最も健全な成形品について、表 のクラック、しわ、形状精度などの一般的 成形体に対して実施される評価を行い、試 No.1よりもクラックの深さが小さく、しわが なく、形状精度が良好な場合を○と評価す 。試料No.1~8と厚さが異なる試料No.9は、板厚 に比例させてコーナーRが大きな金型を用い と共に、圧下速度も変えて200℃以上300℃以 の温度でカップ絞り試験を実施し、n=5のう 、最も健全な成形体について、同じ条件で げ試験を行った試料No.1と比較し、表面のク ックの深さが小さく、しわが少なく、形状 度が良好な場合を○と評価する。なお、成 性の試験は、上記曲げ試験に準じたシート 試験片と2個の円筒状支えとを用いた方法を 採用することができる。具体的には、試験片 全体を150~350℃に加熱した後、この試験片を 記支えで支持して、試験片の中央部に試験 の厚さの4倍の圧下子にて曲げ角90°の加工を 行った後、試験片を上記支えから取り外し、 試験片において曲げ軸に垂直な方向の断面に ついて湾曲部分の外側の裂け、キズ、その他 の欠点の有無をルーペ、マイクロスコープや 光学顕微鏡といった機器で観察する。この観 察結果が上記絞り試験の結果と同様の傾向が あることを確認している。

 表2,3に示すように、表面領域に存在する 質粒子の最大径が20μm以下であり、中央領 に存在する硬質粒子の最大径が20μm超50μm未 であると、鋳造材でも圧延材でも成形性に れると共に、剛性が高いことが分かる。特 、弾性率がより高い硬質粒子が存在するこ で、剛性が高く、引張強さといった機械的 性に優れることも分かる。また、最大径が2 0μm超の硬質粒子が中央領域にのみ存在し、 面領域には20μm以下の微細な硬質粒子が存在 している試料は、上記粗大な粒子が割れなど の起点になり難く、成形性に優れると考えら れる。

 更に、試料No.1,2,4,5について、高温での伸 び(200℃、250℃)を調べた。その結果を図3に示 す。図3に示すように、表面領域に存在する 質粒子の最大径が20μm以下であり、中央領域 に存在する硬質粒子の最大径が20μm超50μm未 である試料No.2,4,5は、高温での機械的特性に も優れることが分かる。

 上記圧延材(試料No.2,4~8)は、成形性に優れ ることから、例えば、プレス加工用素材とし て好適に利用できると期待される。特に、高 温での機械的特性に優れる試料は、例えば、 プレス成形や深絞り加工において、コーナー 部分での破断を低減できると考えられる。ま た、得られたプレス加工材(成形体)は、防食 膜や塗装膜を具えることで、防食性や商品 値を高めることができる。

 なお、得られた試料No.1~9の鋳造材に、250 ~600℃かつその固相線温度以下の温度範囲で 、30分~50時間の熱処理を実施した。上記温度 囲及び時間範囲において複数の条件で各試 に熱処理を施したが、上記温度範囲及び時 範囲では、変化度合いが小さいものの、鋳 材の内部に存在する粒子(析出物)の大きさ 小さくなることを確認した。このことから 鋳造材に存在する粒子の大きさ(径)と、最終 製品に存在させる粒子の大きさ(径)とから、 望の熱処理条件を適宜選択することができ 。例えば、最終製品に存在する粒子を小さ するには、熱処理をできるだけ多く施すと い。但し、柱状晶組織は、熱処理により粒 に再結晶して、粗大化が進行する。例えば アルミニウムを9質量%、亜鉛を1質量%、残部 がマグネシウム及び不可避不純物からなるマ グネシウム合金では、結晶が300μm以上に粗大 化すると塑性加工性が悪化する。また、過度 に長時間の熱処理を行うことはエネルギー利 用の面からも好ましくない。従って、鋳造材 に熱処理を施す場合、好ましい温度範囲は、 250~600℃かつ固相線温度以下の温度であり、 全かつ効率よく短時間で熱処理を行うには30 0~400℃がより好ましい。また、好ましい時間 囲は、30分~50時間であり、上述のように安 かつ効率を考慮すると3~30時間がより好まし 、10~15時間が特に好ましい。この熱処理の 了時は、急速に冷却すると、鋳造材表面の 化を防止して表面性状に優れる製品が得ら るだけでなく、結晶界面に脆弱な粒子が生 されることを抑制し、塑性加工性を向上す ことができて好ましい。この冷却速度は10℃ /分以上が好ましく、上述のように安全かつ 率を考慮すると、50℃/分以上がより好まし 、500℃/分以上が特に好ましい。

 なお、上述した実施形態は、本発明の要 を逸脱することなく、適宜変更することが 能であり、上述した構成に限定されるもの はない。例えば、マグネシウム合金の組成 添加する硬質粒子の組成などを適宜変更す ことができる。

 本発明マグネシウム合金板材は、プレス 工や鍛造加工といった塑性加工性に優れる め、このような成形加工用素材として好適 利用することができる。本発明マグネシウ 合金成形体は、携帯電気機器の筐体や自動 部品などの軽量化が望まれる分野の構造材 して好適に利用することができる。