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Title:
MAGNETIC CORE AND METHOD FOR MANUFACTURING MAGNETIC CORE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175367
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a magnetic core that exhibits excellent penetration inhibition performance for adhesives or the like. At least a portion of a surface of the magnetic core is a coated surface that is coated with a siliceous film, and the arithmetic mean peak curvature (Spc: ISO25178) of the coated surface is less than or equal to 37000 mm-1. The magnetic core has a structure in which magnetic particles of an Fe-M (M is a metal more easily oxidized than Fe) based alloy are joined together via an oxide derived from the magnetic particles, and the siliceous film desirably contains a siloxane bond (-Si-O-Si-bond).

Inventors:
MIHARA TOSHIO (JP)
NISHIMURA KAZUNORI (JP)
KOYUHARA NORIKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007040
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 21, 2020
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI METALS LTD (JP)
International Classes:
B22F3/00; B22F3/24; H01F1/24; H01F1/33; H01F41/02
Domestic Patent References:
WO2019031209A12019-02-14
Foreign References:
JP2018198319A2018-12-13
JP2016139705A2016-08-04
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Claims:
\¥0 2020/175367 13 卩(:17 2020 /007040

請求の範囲

[請求項 1 ] 表面の少なくとも一部にシリカ質皮膜で被覆された被覆面を有し、 前記被覆面における山頂点の算術平均曲 (3 〇 : 1 3 0 2 5 1 7 8) が 3 7 0 0 0 〇! - 1以下である、 磁心。

[請求項 2] 請求項 1 に記載の磁心であって、

前記磁心が、 6 - 1\/1 (IV!は 6よりも酸化し易い金属) 系合金の 磁性粒子どうしが前記磁性粒子由来の酸化物を介して結合した構造を 有する、 磁/し、。

[請求項 3] 請求項 1 または 2に記載の磁心であって、

前記シリカ質皮膜がシロキサン結合 (一 3 丨 _〇_ 3 丨 一結合) を 含む、 磁心。

[請求項 4] 請求項 2または 3に記載の磁心であって、

前記酸化物は前記 1\/1を含み、 前記酸化物に含まれる 1\/1が I又は〇 「の少なくとも一方である、 磁心。

[請求項 5] 請求項 1から 4のいずれかに記載の磁心であって、

前記被覆面に形成された電極を有する、 磁心。

[請求項 6] 磁心の少なくとも一部をシリカ質皮膜で被覆し、 山頂点の算術平均 曲 (3 〇 : 丨 3〇 2 5 1 7 8) が 3 7 0 0 0 01 01 以下である被 覆面を形成する工程と、

前記被覆面に電極を形成する工程と、 を備える磁心の製造方法。

[請求項 7] 前記磁心が、 6 _ 1\/1 (IV!は 6よりも酸化し易い金属) 系合金の 磁性粒子どうしが前記磁性粒子由来の酸化物を介して結合した構造を 有する、 請求項 6に記載の磁心の製造方法。

[請求項 8] 前記シリカ質皮膜がシロキサン結合 (一 3 丨 _〇_ 3 丨 一結合) を 含む、 請求項 6または 7に記載の磁心の製造方法。

[請求項 9] 前記酸化物は前記 1\/1を含み、 前記酸化物に含まれる 1\/1が I又は〇

「の少なくとも一方である、 請求項 7または 8に記載の磁心の製造方 法。 \¥0 2020/175367 14 卩(:171? 2020 /007040

[請求項 10] 前記シリカ質皮膜は、 磁心の表面にシリカ質皮膜形成用処理液を塗 布し硬化させる工程を 1回以上行って形成する、 請求項 6から 9のい ずれかに記載の磁心の製造方法。

Description:
\¥02020/175367 1 卩(:17 2020 /007040

明 細 書

発明の名称 : 磁心および磁心の製造方法

技術分野

[0001] 本発明は磁心および磁心の製造方法に関する 。

背景技術

[0002] 従来から、 家電機器、 産業機器、 車両など多種多様な用途において、 イン ダクタ、 トランス、 チョーク等のコイル部品が用いられ、 コイル部品は、 磁 心に敷設されたコイルで構成されていて、 かかる磁心には、 磁気特性、 形状 自由度、 価格に優れるフェライ トが広く用いられている。

[0003] また、 近年、 電子機器等の電源装置の小型化が進み、 更に多様な環境下で も使用可能であることが求められるようにな った。 その結果、 小型 ·低背で あって、 1 30 ° 〇を超える高温の環境下で、 かつ大電流に対しても使用可能 なコイル部品の要求が強くなっている。 この様なコイル部品には、 フェライ 卜と比較してキュリー温度が高くて飽和磁束 密度も大きい金属系の軟磁性材 料を使用した磁心の採用が進んでいる。 金属系の軟磁性材料としては、 例え ば 6 -3 1系、 6 -1\1 1系、 6 -3 1 -八 1系、 6 -〇 「一八 1系 合金などの磁性粒子が用いられている。

[0004] 一般に焼結により製造されるフェライ ト磁心や、 金属系の軟磁性材料を用 いた圧粉磁心は微細な隙間や空孔を備えた多 孔質となり易いことが知られて いる。 特許文献 1ではフェライ ト磁心の微細な隙間に接着剤が染み込むのを 防ぐように、 磁心の表面にガラス層を設けることが記載さ れている。 また特 許文献 2には、 金属系の軟磁性材料を用いた圧粉磁心の空孔 部分に浸透防止 材料を充填して、 接着剤等の浸透を防止することが記載されて いる。

先行技術文献

特許文献

[0005] 特許文献 1 :特開 201 1 -01 4730号公報

特許文献 2 :特開 201 3-045926号公報 \¥0 2020/175367 2 卩(:17 2020 /007040 発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] 特許文献 1や特許文献 2では、 多孔質の磁心に対して封孔処理を行うこと で接着剤の浸透を抑制する。 しかしながら、 磁心の形状は複雑で、 成形時の 密度差等から空孔の存在量の偏りが生じ易く 、 またガラス層等の浸透防止用 材料による皮膜の形成状態や充填状態もまた 異なり易い。 そのため、 浸透抑 止の効果が十分に得られない場合があった。 そもそも封孔処理後の磁心が十 分な浸透抑止性能を有するかの判断は容易で はなく、 実際に接着剤等を塗布 して浸透状態を確認するしかなかった。

[0007] そこで本発明では、 浸透抑止性能の優れた磁心を提供することを 目的とす る。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明の一形態によれば、 表面の少なくとも一部にシリカ質皮膜で被覆 さ れた被覆面を有し、 前記被覆面における山頂点の算術平均曲 (3 〇 : I 3 0 2 5 1 7 8) 以下の磁心を提供できる。 これによれば 、 浸透抑止性能の優れた磁心を提供することが できる。

[0009] 本発明の一形態においては、 前記磁心が、 6 _ 1\/1 (IV!は 6よりも酸化 し易い金属) 系合金の磁性粒子どうしが前記磁性粒子由来 の酸化物を介して 結合した構造を有するのが好ましい。

[0010] 本発明の一形態においては、 前記シリカ質皮膜がシロキサン結合 (一 3 I

- 0 - 3 I —結合) を含むのが好ましい。

[001 1 ] 本発明の一形態おいては、 前記酸化物は前記 IV!を含み、 前記酸化物に含ま れる1\/1が八 丨又は〇 の少なくとも一方であるのが好ましい。

[0012] 本発明の一形態おいては、 前記被覆面に形成された電極を有するのが好 ま しい。

[0013] 本発明の別の形態によれば、 磁心の少なくとも一部をシリカ質皮膜で被覆 し、 山頂点の算術平均曲 (3 〇 : I 3 0 2 5 1 7 8)

以下である被覆面を形成する工程と、 前記被覆面に電極を形成する工程と、 \¥0 2020/175367 3 卩(:171? 2020 /007040

を備える磁心の製造方法を提供することが できる。 これによれば、 浸透抑止 性能の優れた被覆面の上に電極を形成するこ とができ、 磁心の信頼性や歩留 まりの向上が期待できる。

[0014] 本発明の別の形態おいては、 前記磁心が、 6 _ 1\/1 (IV!は 6よりも酸化 し易い金属) 系合金の磁性粒子どうしが前記磁性粒子由来 の酸化物を介して 結合した構造を有することが好ましい。

[0015] 本発明の別の形態おいては、 前記シリカ質皮膜がシロキサン結合 (一 3 I - 0 - 3 I —結合) を含むことが好ましい。

[0016] 本発明の別の形態おいては、 前記酸化物は前記 1\/1を含み、 前記酸化物に含 まれる 1\/1が八 丨又は〇 「の少なくとも一方であることが好ましい。

[0017] 本発明の別の形態おいては、 前記シリカ質皮膜は、 磁心の表面にシリカ質 皮膜形成用処理液を塗布し硬化させる工程を 1回以上行って形成するのが好 ましい。

発明の効果

[0018] 本発明によれば、 浸透抑止性能が優れた磁心を提供することが でき、 磁心 の信頼性や歩留まりの向上に寄与することが できる。 また、 本発明よれば、 浸透抑止性能の優れた被覆面の上に電極を形 成することができ、 磁心の信頼 性や歩留まりの向上に寄与することができる 。

図面の簡単な説明

[0019] [図 1]シリカ質皮膜で被覆された被覆面の山頂 の算術平均曲 (3 〇 : I 3 0 2 5 1 7 8) と浸透抑止性能との関係を説明するためのグ ラフである。

[図 2]シリカ質皮膜が被覆されていない磁心の 面を拡大した 3巳 IV!画像であ る。

[図 3]シリカ質皮膜で被覆された磁心の被覆面 拡大した 3巳 IV!画像である。 発明を実施するための形態

[0020] 以下、 本発明の実施形態について具体的に説明する が、 本発明はこれに限 定されるものではない。

[0021] 本実施形態の磁心は、 !\1 丨系フヱライ ト等のセラミック系の軟磁性材料や \¥02020/175367 4 卩(:171? 2020 /007040

、 前述の金属系の軟磁性材料の磁性粒子が用い られた多孔質なものであり、 その表面の少なくとも一部をシリカ質皮膜で 被覆したものである。 その被覆 面における山頂点の算術平均曲 (3 〇 : 1 3025 1 78) を 37000 以下とすることで、 被覆面の表面がなだらかな形状となり、 それに相 応して被覆面の上に塗布される接着剤等の浸 透が抑制された浸透抑止性能が 向上した磁心とすることができる。 被覆面の表面の性状を立体的に評価する 山頂点の算術平均曲 (3 〇 : 1 3025 1 78) は国際標準化機構の丨 3 025 1 78に規定され、 後述するレーザー顕微鏡等の計測機器によっ て容 易に計測可能である。

[0022] 1 3025 1 78には立体的な面粗さのパラメータとして、 他にも算術平 均高さ 33、 最大高さ 32、 アスペクト比 31: 「、 展開面積比 3 「などが あるが、 その内、 表面の少なくとも一部がシリカ質皮膜で被覆 された被覆面 を有する磁心において、 被覆面を山頂点の算術平均曲 3 〇で規定される特 有の表面プロファイルとすることにより、 浸透抑止性能に優れた磁心を提供 できるとの知見を得た。

[0023] 本実施形態の磁心は、 空孔率が 5〜 25%である多孔質のものを用いるこ とができる。 金属系の軟磁性材料としては、 例えば 6 と、 6 よりも酸化 しやすい元素 IV!を含有する軟磁性合金の磁性粒子とするの が好ましい。 磁心 の軟磁性材料の第 1の態様として、 IV! ( I及び(3 〇 の和を 1 00 質量%として、 I を 3質量%以上且つ 1 6. 0質量%以下、

%以上且つ 7. 0質量%以下で含み、 残部が 6 及び不可避不純物である軟 磁性合金であるのが好ましい。

[0024] また、 磁心の軟磁性材料の第 2の態様としては、 6、 IV! (八 I または〇 「) 、 3 丨の和を 1 00質量%として、 IV!を 1. 5質量%以上且つ 8質量% 以下、 3 丨 を 1質量%超え且つ 7質量%以下で含み、 残部が 6 及び不可避 不純物である軟磁性合金であるのが好ましい 。

[0025] なお上記した第 1の態様や第 2の態様において、 CやMn、 、 3、 〇、

!\1 し !\!などを不可避不純物として含みうる。 これらの不可避不純物の含有 \¥0 2020/175367 5 卩(:171? 2020 /007040

量は、 それぞれ、 0 £〇. 0 5質量%、 質量%、 0 2質量 %、 3 £〇. 0 2質量%、 0 £〇. 5質量%、 1\1 丨 £ 0 . 5質量%、 1\! £ 0 . 1質量%であることが好ましい。 前記第 1の態様では、 3 丨 についても、 不可避的不純物として〇. 5質量%以下で含まれる場合がある。

[0026] 軟磁性合金の磁性粒子の形態も特に限定する ものではないが、 例えば、 流 動性等の観点からは、 所定組成に調整された溶湯から、 比較的球状の粒子が 得られやすいアトマイズ法による磁性粒子を 用いることが好ましい。 ガスア トマイズ、 水アトマイズ等のアトマイズ法は、 展性や延性が高く、 粉砕しに くい合金の磁性粒子作製に好適である。

[0027] また磁性粒子の平均粒径 (ここでは、 累積粒度分布におけるメジアン径口

5 0を用いる) は、 これを限定するものではないが、 例えば、 1 以上、

1 0 0 以下の平均粒径を有するものを用いることが できる。 なお磁性粒 子を成形金型に充填した際に、 粒子径の大きな粒子どうしが隣り合うと、 そ の粒間に大きな隙間が形成されて充填率が上 がらず、 加圧成形により得られ る成形体の密度が上がらない傾向にある。 このため、 磁性粒子を分級し、 粒 子径の大きな粒子を除くことが好ましい。 分級の方法としては、 ふるい分け 分級などの乾式分級を用いることができ、 少なくとも 3 2 アンダーの ( すなわち、 目開き 3 2 の篩を通過した) 磁性粒子を得ることが好ましい 。 平均粒径を小さくすることで、 磁心の強度、 磁心損失、 高周波特性が改善 されるので、 平均粒径 (メジアン径口 5 0) は、 さらに好ましくは 1 5 以下である。 一方、 平均粒径が小さい場合は透磁率が低くなるた め、 平均粒 径 (メジアン径口 5 0) は、 より好ましくは 5 以上である。

[0028] 磁性粒子はバインダと混合し、 造粒によって顆粒とすることが好ましい。

それにより磁心に成形する際に、 金型内での流動性や充填性を向上できるし 、 加圧成形の際に磁性粒子同士を結着させ、 成形後のハンドリングに耐える 強度を成形体に付与することも出来る。 バインダの種類は特に限定されない が、 例えば、 ポリエチレンやポリビニルアルコール、 アクリル樹脂などの有 機バインダを使用できる。 熱処理後も残存する無機系バインダの併用も 可能 \¥0 2020/175367 6 卩(:171? 2020 /007040

である。

[0029] バインダの添加量は、 磁性粒子間にバインダが十分に行きわたり、 成形体 の強度を十分に確保できる程度であればよい が、 バインダの添加量が多過ぎ ると、 成形体の密度や強度が低下する傾向にある。 かかる観点から、 バイン ダの添加量は、 磁性粒子 1 〇〇重量部に対して、 〇. 2〜 1 0重量部にする ことが好ましく、 〇. 5〜 3 . 0重量部にすることがより好ましい。

[0030] 磁性粒子とバインダとの混合方法は、 特に限定されるものではなく、 従来 から知られている混合方法や混合機を用いる ことができる。 また、 造粒方法 としては、 例えば転動造粒や噴霧乾燥造粒などの湿式造 粒方法を採用できる 。 中でもスプレードライヤーを用いた噴霧乾燥 造粒が好ましく、 これによれ ば顆粒の形状が球形に近付き、 また加熱空気に曝される時間が短く、 大量の 顆粒を得ることができる。

[0031 ] 得られる顆粒は、 嵩密度: ·! . 5 ~ 2 . 平均粒径 (

0 5 0) : 6 0〜 1 5 0 であることが好ましい。 このような顆粒によれ ば、 成形時の流動性に優れるとともに、 磁性粒子間の隙間が小さくなって金 型内への充填性が増し、 その結果、 成形体が高密度になって透磁率の高い磁 心が得られる。 所望の大きさの顆粒径を得るために、 振動篩などによる分級 が使用できる。

[0032] また、 加圧成形時の顆粒と成形金型との摩擦を低減 させるために、 ステア リン酸やステアリン酸塩などの潤滑剤を添加 することが好ましい。 潤滑剤の 添加量は、 磁性粒子 1 〇〇重量部に対して〇. 1〜 2 . 0重量部とすること が好ましい。 潤滑剤は、 金型に塗布することも可能である。

[0033] 磁性粒子の顆粒は加圧成形に供される。 加圧成形では、 油圧プレスやサー ボプレスといったプレス機械と成形金型を用 いて、 トロイダル形状や直方体 形状などの所定形状に混合粉を成形する。 この加圧成形は、 室温成形でもよ いし、 バインダの材質によっては、 バインダが消失しない程度であって、 バ インダが軟化するガラス転移温度付近まで顆 粒を加熱して行う温間成形でも よい。 加圧成形により得られた成形体における磁性 粒子は、 互いに点接触あ \¥0 2020/175367 7 卩(:171? 2020 /007040

るいは面接触し、 部分的に空隙を介して隣接する。 成形体の密度は 5 . 6 X が好ましい。

[0034] 成形体に対する熱処理として 6 5 0 °〇以上 9 0 0 °〇以下の温度で焼鈍が実 施される。 焼鈍は、 大気中、 または酸素と不活性ガスとの混合気体中、 ある いは水蒸気を含む雰囲気中など、 酸素を含む雰囲気中で行われ、 中でも大気 中での熱処理が簡便で好ましい。 酸化物は、 熱処理時の磁性粒子と酸素との 反応により得られ、 磁性粒子の自然酸化を超える酸化反応によっ て生成され る。 かかる酸化物が生成されることにより、 優れた絶縁性や耐食性を有して 、 多数の磁性粒子間の粒界として堅固に結合さ れた高強度の磁心が得られる 。 また、 加圧成形で導入された応力歪を緩和して良好 な磁気特性が得られる

[0035] 軟磁性合金を構成する IV!元素の Iや(3 「は、 6 や他の非鉄金属と比較 して〇 (酸素) との親和力が大きい。 そのため、 熱処理時には、 大気中の〇 やバインダに含まれる〇が磁性粒子の表面近 傍の Iや 0 「と優先的に結合 し、 化学的に安定な I酸化物や 0 「酸化物、 あるいは他の非鉄金属との複 合酸化物として磁性粒子の表面に生成される 。 IV!元素を含む酸化物が磁性粒 子の表面に生成されることにより、 耐食性に優れるとともに、 磁性粒子の絶 縁性が高められ、 渦電流損失を低減して磁心の比抵抗を向上で きる。 なお、 よりも八 丨のほうが〇との親和力が大きいため、 IV!元素として八 丨 と〇 「を含む場合、 形成される酸化物の程度は I酸化物が優位となり、 0 「酸 化物は抑えられる傾向がある。 そして磁心の表面は磁性粒子の酸化物で覆わ れたものとなる。

[0036] 熱処理を経て得られた磁心において、 占積率 (相対密度) は 7 5〜 9 5 % の範囲内であることが好ましい。 このような磁心の空孔率は 5 %〜 2 5 %と なる。 なお占積率 (相対密度) は、 磁心の密度をその寸法および質量から算 出し、 得られた磁心の密度を、 磁性粒子の真密度で除して算出する。 磁性粒 子の真密度は、 同組成で溶解して作製したインゴッ トの密度を用いればよい \¥0 2020/175367 8 卩(:171? 2020 /007040

[0037] 次いで、 得られた磁心の表面にシリカ質皮膜を形成す る。 シリカ質皮膜は

3つの〇と 3 丨がシロキサン結合 (一 3 丨 一〇一 3 丨 一) した主鎖を有する 分子構造を有する。 シリカ質皮膜は (一 3 丨 _〇_ 3 丨 _) で示される結合 を有していれば良く、 また (一 3 丨 - 0 -) で示される結合が繰り返して連 続に結合していても良い。 このようなシリカ質皮膜を磁心の表面に形成 する 方法としては、 アルコキシシランオリゴマーのゾルを加水分 解により縮合反 応させてゲル化するゾルーゲル法を用いた低 温法が好ましい。 シリカ質皮膜 は、 アルコキシシランオリゴマー溶液とコロイダ ルシリカを含むシリカ質皮 膜形成用処理液の液中に磁心を浸潰し、 またはシリカ質皮膜形成用処理液を 磁心に噴霧した後、 硬化処理を行うことにより形成するのが好ま しい。 シリ 力質皮膜形成用処理液の溶媒は、 アルコール系溶媒、 グリコールエーテル系 溶媒など、 親水性の有機溶媒が好ましい。 シリカ質皮膜自体が耐熱性に優れ 、 高強度であり、 また磁心の表面の全体を覆うことで耐食性を 向上すること が出来る。

[0038] 前述の通り、 磁性粒子の酸化物によって磁心の表面は酸化 物の皮膜で覆わ れた状態であり、 この皮膜には磁性粒子由来の金属元素と〇が 結びついた状 態と、 金属元素と水酸基 (〇1 ~ 1) とが結びついた状態とが存在している。 磁 心表面の水酸基や酸化物とシリカ質皮膜中の 水酸基とが共有結合やイオン結 合等の化学結合することで、 磁性粒子とシリカ質皮膜との接着力を高める こ とができ、 もって磁心とシリカ質皮膜とが密着させるこ とができる。

[0039] また、 磁心の表面の磁性粒子間の隙間を通じてシリ カ質皮膜形成用処理液 が及んだ磁心内部の空孔にもシリカ質皮膜が 形成される。 シリカ質皮膜によ って磁心内部の空孔が埋まるとともに、 磁心表面 (被覆面) ではシリカ質皮 膜の形成によってなだらかな形状となる。 つまり、 被覆面の状態を山頂点の 算術平均曲 (3 〇 : 1 3 0 2 5 1 7 8) で定量化することで磁心の封孔状 態を容易に確認することが可能となる。 被覆面における山頂点の算術平均曲 (3 〇 : 丨 3 0 2 5 1 7 8) が 3 7 0 0 0 01 01 以下であれば、 浸透抑止 性能が優れた磁心とすることができる。 なお、 磁心をシリカ質皮膜形成用処 \¥0 2020/175367 9 卩(:171? 2020 /007040

理液に浸潰させた状態で脱泡処理し、 真空状態を解除する真空含侵法などの 処理を行うことで、 一層磁心にシリカ質皮膜形成用処理液を含浸 させること が出来る。

[0040] 磁心へのシリカ質皮膜形成用処理液の塗布方 法は、 例えば、 ディップスピ ンコート法、 ディップコート法、 スプレーコート法などの公知の方法に従っ て行えば良く、 特に限定されない。 なお、 シリカ質皮膜形成用処理液の粘度 によっては 1 0 0〜 2 0 0 °〇の温度に調整して塗布しても良い。 硬化処理は 、 例えば、 室温で硬化させても良いが、 4 0〜 2 0 0 ° 〇程度の温度下におく ことで硬化を促進しても良い。 磁心の表面に形成するシリカ質皮膜の膜厚は 、 〇. 5〜 1 〇 程度の膜厚とすることが好ましい。 シリカ質皮膜の膜厚 は、 磁心表面へのシリカ質皮膜形成用処理液の塗 布と硬化を繰り返すことで 調整可能である。 膜厚が厚くなるに従って、 皮膜内の残留応力で皮膜の表面 側にひびが生じ易くなる。 硬化速度を緩やかにすることによってひび発 生を 抑制することは出来るが、 生産性を考慮すれば膜厚は 5 以下であるのが 好ましく、 より好ましくは 3 以下である。

[0041 ] 磁心の被覆層の上に、 電極を形成して、 電極を備える磁心を構成すること ができる。 シリカ質皮膜で被覆され、 山頂点の算術平均曲 (3 〇 : I 3 0 2 5 1 7 8) 以下とされた被覆層は、 浸透抑止性能が優 れ、 安定して電極を形成することができる。 電極材料としては、 八 9 、 〇リ 、 八 I等 (その合金も含む) の導電性材料を用いることができる。 また、 電 極の形成方法としては、 例えば 銅合金、 丨合金、 ステンレス等 の金属端子を接着固定する方法や、 スパッタリング法、 イオンプレーティン グ法、 あるいは導体べーストを用いた印刷法、 転写法、 ディップ法などの方 法で膜状に電極を形成しても良い。

実施例

[0042] 磁性粒子として、 八 丨 を 5質量%、 残部を

e A \ C 「アトマイズ粉末 (平均粒径 0 5 0 = 1 〇 ) を準備した。 バイ ンダとして 八 (株式会社クラレ製ポバール 八_ 2 0 5) 水溶液、 溶 \¥0 2020/175367 10 卩(:171? 2020 /007040

媒としてイオン交換水を使用し、 それらを撹拌装置に投入し、 攪拌混合して スラリーとした。 アトマイズ粉末 1 0 0重量部に対して、 八固形分は 0 . 7 5重量部、 スラリー濃度が 8 0 %となるよう、 バインダとイオン交 換水の配合比を調整した。 スラリーをスプレードライヤー装置で噴霧乾 燥し た。 スプレードライヤー装置内部でスラリーを噴 霧し、 2 4 0 ° 〇の熱風でス ラリーを瞬時に乾燥させて、 装置下部から粒状になった顆粒を回収した。 得 られた顆粒の粗大粒を除去するため、 1 0 0メッシュのふるいを通し、 ふる い通し後の顆粒の平均粒径は 6 0 〜 8 0 の範囲内とした。 上記の各 造粒方法によって得られた顆粒に、 顆粒 1 〇〇重量部に対して〇. 4重量部 の割合でステアリン酸亜鉛を添加し、 混合機にて混合して成形用の顆粒を得 た。

[0043] 上記で得られた顆粒を金型に充填し、 油圧プレス機を用いて 5 . 8 9 /〇

[0044] 得られた成形体を 7 5 0 °〇 1時間、 大気中で熱処理を施して試料八、 試 料巳の磁心とした。 そして磁心の寸法および重量から密度を算出 した。

[0045] 次に、 円柱状の磁心をステンレス製のメッシュ籠に 収めてシリカ質皮膜形 成用処理液に 1分間浸潰した。 液温は 2 3 ° 〇であった。 シリカ質皮膜形成用 処理液には、 奥野製薬工業株式会社製 「〇 1 6 〇 1 〇 「 3シリーズの封 孔剤を使用した。 浸潰中は籠を揺動させて磁心表面に付着した 気泡を取り除 いた。 その後、 磁心を遠心脱水機に投入し、 8 . 4 01 / 3の周速で付着した 余剰の封孔剤を取り除き、 7 0 ° 〇の熱風で乾燥し硬化させた。 浸漬から乾燥 のコート処理工程を 1〜 3回繰り返す。 7 0 °〇の熱風乾燥においても縮合反 応が進みシリカ質皮膜が形成されるが、 未反応の部分が残るため、 コート処 理した後、 1 2 0 ^X2 0分の条件で再度硬化処理を実施して、 磁心の表面 の全面をシリカ質皮膜で覆った。

[0046] 得られた磁心について表面粗さを測定した。 表面粗さ測定は、 株式会社キ —エンス製レーザー顕微鏡 [<— X 1 2 0を用いた。 倍率は 1 0 0倍で、 評 \¥0 2020/175367 1 1 卩(:171? 2020 /007040

価領域は 1 4 5 1 0 9 の領域とし、 断面曲線のレべリング (傾斜 調整) 、 平滑化処理を行い、 視野の異なる 5つの評価領域における平均の山 頂点の算術平均曲 (3 〇 : 1 3 0 2 5 1 7 8) を得た。 またシリカ質皮膜 が未形成の磁心についても同様にして山頂点 の算術平均曲 (3 〇 : I 3 0 2 5 1 7 8) を得た。 図 2はコート処理を行っていない試料 の表面を 1 0 0〇倍で観察した 巳 IV!画像であり、 図 3はコート処理を 2回行った試料八 の表面を 1 0 0 0倍で観察した 3巳 IV!画像である。

[0047] 磁心の封孔性を確認するのに、 インク吸収テストを採用した。 テストイン

を用いた。 磁心の表面にテストインクを塗布し、 その経過を動画で撮影した 。 塗布時から 2秒経過後の静止画にてテストインクとそれ 外の領域をコン ピュータで二値化処理し、 観察面にてインクが吸収された割合から封孔 性を 判断した。 インク吸収が 3割以内の場合は良判定し、 3割超の場合は否判定 とした。

[0048] 磁心のシリカ質皮膜の被覆面について山頂点 の算術平均曲 (3 〇 : 丨 3 0 2 5 1 7 8) の測定結果と、 インク吸収テストの結果を纏めて表 1及び図 1 に示す。 なお表中、 インク吸収テストで良判定を〇、 否判定を Xとして示 している。

[0049] [表 1 ]

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[0050] 図 1 に示すように、 シリカ質皮膜で被覆された磁心の表面におい て山頂点 の算術平均曲 (3 〇 : 丨 3〇 25 1 78) が 370000101 以下である と、 インク吸収テストで良判定が得られるが、 37000 〇!_ 1 超だと否判 定となって、 容易に磁心の浸透抑止性能を評価することが 出来ることがわか る。 したがって、 シリカ質皮膜で被覆された被覆面の山頂点の 算術平均曲 ( 3 〇 : I 3025 1 78) が 37000 〇! -1 以下である磁心を用いるこ とにより、 浸透抑止性能の優れた磁心とすることができ る。