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Patent Searching and Data


Title:
MAGNETIC DISK AND PROCESS FOR PRODUCING THE MAGNETIC DISK
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/123052
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a magnetic disk comprising a lubricating layer formed of a lubricant. The lubricant constituting the lubricating layer has excellent properties, for example, excellent fluidity, surface energy, and CFT properties. By virtue of the excellent properties, the magnetic disk has a high level of reliability despite a low floating quantity of a magnetic head due to a recent rapid increase in recording density and a very severe environment resistance requirement due to diversification of applications. The magnetic disk comprises a substrate and at least a magnetic layer, a protective layer, and a lubricating layer provided in that order on the substrate. The lubricating layer is formed of a lubricant that is a mixture of a specific perfluoropolyether lubricant with a lubricant formed of a compound comprising perfluoropolyether groups having a perfluoropolyether main chain in the structure thereof and having a hydroxyl group at the end thereof, the perfluoropolyether groups being bonded to each other through a divalent linking group having at least two hydroxyl groups in the structure thereof.

Inventors:
SHIMOKAWA KOICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/056290
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
March 27, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HOYA CORP (JP)
SHIMOKAWA KOICHI (JP)
International Classes:
G11B5/725; C10M105/54; C10M107/38; G11B5/84; C10N20/04; C10N30/00; C10N30/06; C10N40/18
Domestic Patent References:
WO2004031261A12004-04-15
WO2008038799A12008-04-03
Foreign References:
JP2001052328A2001-02-23
JP2001164279A2001-06-19
JP2003162810A2003-06-06
Attorney, Agent or Firm:
OTSUKA, Takefumi (JP)
Takeshi Otsuka (JP)
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Claims:
 基板上に、少なくとも磁性層と保護層と潤滑層が順次設けられた磁気ディスクであって、
前記潤滑層は、
 化学式
で示される化合物、及び、
 化学式
で示される化合物から選ばれる少なくとも一つの化合物を含有する潤滑剤aと、構造中にパーフルオロポリエーテル主鎖を有し且つ末端にはヒドロキシル基を有するパーフルオロポリエーテル基同士が、構造中に少なくとも2個のヒドロキシル基を有する2価の連結基を介して結合している化合物を含有する潤滑剤bと、を含有する潤滑剤cが成膜されてなることを特徴とする磁気ディスク。
前記潤滑剤bの数平均分子量(Mn)が、1000~10000の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク。
 前記潤滑剤cは、前記潤滑剤a/前記潤滑剤bの重量比が8:2~2:8であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ディスク。
前記保護層は、プラズマCVD法により成膜された炭素系保護層であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の磁気ディスク。
ロードアンロード方式の磁気ディスク装置に搭載される磁気ディスクであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の磁気ディスク。
 基板上に、少なくとも磁性層と保護層と潤滑層を順次形成する磁気ディスクの製造方法であって、
 化学式
で示される化合物、及び、
 化学式
で示される化合物から選ばれる少なくとも一つの化合物を含有する潤滑剤αを分子量分画して、重量平均分子量(Mw)が3000~7000、分子量分散度を1.2以下とした潤滑剤aを作製し、構造中にパーフルオロポリエーテル主鎖を有し且つ末端にはヒドロキシル基を有するパーフルオロポリエーテル基同士が、構造中に少なくとも2個のヒドロキシル基を有する2価の連結基を介して結合している化合物からなる潤滑剤bを作製し、前記潤滑剤aと前記潤滑剤bとを混合した潤滑剤cを作製し、該潤滑剤cを前記保護層上に成膜して前記潤滑層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
 前記分子量分画は超臨界抽出法で行うことを特徴とする請求項6に記載の磁気ディスクの製造方法。
 前記潤滑層を成膜した後に、前記磁気ディスクを50℃~150℃の雰囲気に曝すことを特徴とする請求項6又は7に記載の磁気ディスクの製造方法。
 
Description:
磁気ディスク及びその製造方法

本発明はハードディスクドライブ(以下、HD Dと略記する)などの磁気ディスク装置に搭載 れる磁気ディスク及びその製造方法に関す 。

近年の情報処理の大容量化に伴い、各種の 情報記録技術が開発されている。特に磁気記 録技術を用いたHDDの面記録密度は年率100%程 の割合で増加し続けている。最近では、HDD に用いられる2.5インチ径磁気ディスクにし 、1枚当り60Gバイトを超える情報記録容量が められるようになってきており、このよう 所要に応えるためには1平方インチ当り100G ットを超える情報記録密度を実現すること 求められる。HDD等に用いられる磁気ディス において高記録密度を達成するためには、 報信号の記録を担う磁気記録層を構成する 性結晶粒子を微細化すると共に、その層厚 低減していく必要があった。ところが、従 より商業化されている面内磁気記録方式(長 磁気記録方式、水平磁気記録方式とも呼称 れる)の磁気ディスクの場合、磁性結晶粒子 の微細化が進展した結果、超常磁性現象によ り記録信号の熱的安定性が損なわれ、記録信 号が消失してしまう、熱揺らぎ現象が発生す るようになり、磁気ディスクの高記録密度化 への阻害要因となっていた。

 この阻害要因を解決するために、近年、 直磁気記録方式用の磁気記録媒体が提案さ ている。垂直磁気記録方式の場合では、面 磁気記録方式の場合とは異なり、磁気記録 の磁化容易軸は基板面に対して垂直方向に 向するよう調整されている。垂直磁気記録 式は面内記録方式に比べて、熱揺らぎ現象 抑制することができるので、高記録密度化 対して好適である。このような垂直磁気記 媒体としては、例えば特開2002-74648号公報に 記載されたような、基板上に軟磁性体からな る軟磁性下地層と、硬磁性体からなる垂直磁 気記録層を備える、いわゆる二層型垂直磁気 記録ディスクが知られている。

ところで、従来の磁気ディスクは、磁気デ ィスクの耐久性、信頼性を確保するために、 基板上に形成された磁気記録層の上に、保護 層と潤滑層を設けている。特に最表面に用い られる潤滑層は、長期安定性、化学物質耐性 、摩擦特性、耐熱特性等の様々な特性が求め られる。

このような要求に対し、従来は磁気ディスク 用潤滑剤として、分子中にヒドロキシル基を 有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤が 多く用いられてきた。例えば、特開昭62-66417 公報(特許文献1)などには、HOCH 2 CF 2 O(C 2 F 4 O) p (CF 2 O) q CH 2 OHの構造をもつパーフルオロアルキルポリエ テル潤滑剤を塗布した磁気記録媒体などが られている。潤滑剤の分子中にヒドロキシ 基が存在すると、保護層とヒドロキシル基 の相互作用により、潤滑剤の保護層への付 特性が得られることが知られている。

特開昭62-66417号公報

上述したように、最近のHDDでは100Gbit/inch 2 以上の情報記録密度が要求されるようになっ てきたが、これは一つに、HDDが従来のコンピ ュータ用記憶装置としてのニーズに加えて、 携帯電話やカーナビゲーションシステム、デ ジタルカメラ等に搭載されるようになってき たことと関係がある。
これらの新規用途の場合、HDDを搭載する筐体 スペースがコンピュータに比べて著しく小さ いので、HDDを小型化する必要がある。このた めには、HDDに搭載する磁気ディスクの径を小 径化する必要がある。例えば、コンピュータ 用途では3.5インチ型や2.5インチ型の磁気ディ スクを用いることが出来たが、上記新規用途 の場合では、これよりも小径の、例えば1.8イ ンチ型~0.8インチ型などの小径磁気ディスク 用いられる。このように磁気ディスクを小 化した場合であっても一定以上の情報容量 格納させる必要があるので、勢い、情報記 密度の向上に拍車がかかることになる。

また、限られたディスク面積を有効に利用 するために、従来のCSS(Contact Start and Stop)方 式に代えてLUL(Load Unload:ロードアンロード)方 式のHDDが用いられるようになってきた。LUL方 式では、HDDの停止時には、磁気ヘッドを磁気 ディスクの外に位置するランプと呼ばれる傾 斜台に退避させておき、起動動作時には磁気 ディスクが回転開始した後に、磁気ヘッドを ランプから磁気ディスク上に滑動させ、浮上 飛行させて記録再生を行なう。停止動作時に は磁気ヘッドを磁気ディスク外のランプに退 避させたのち、磁気ディスクの回転を停止す る。この一連の動作はLUL動作と呼ばれる。LUL 方式のHDDに搭載される磁気ディスクでは、CSS 方式のような磁気ヘッドとの接触摺動用領域 (CSS領域)を設ける必要がなく、記録再生領域 拡大させることができ、高情報容量化にと て好ましいからである。

このような状況の下で情報記録密度を向上 させるためには、磁気ヘッドの浮上量を低減 させることにより、スペーシングロスを限り なく低減する必要がある。1平方インチ当り10 0Gビット以上の情報記録密度を達成するため は、磁気ヘッドの浮上量は10nm以下にする必 要がある。LUL方式ではCSS方式と異なり、磁気 ディスク面上にCSS用の凸凹形状を設ける必要 が無く、磁気ディスク面上を極めて平滑化す ることが可能となる。よってLUL方式のHDDに搭 載される磁気ディスクでは、CSS方式に比べて 磁気ヘッド浮上量を一段と低下させることが できるので、記録信号の高S/N比化を図ること ができ、磁気ディスク装置の高記録容量化に 資することができるという利点もある。

最近のLUL方式の導入に伴う、磁気ヘッド浮 上量の一段の低下により、10nm以下の低浮上 においても、磁気ディスクが安定して動作 ることが求められるようになってきた。と わけ上述したように、近年、磁気ディスク 面内磁気記録方式から垂直磁気記録方式に 行しており、磁気ディスクの大容量化、そ に伴うフライングハイトの低下が強く要求 れている。

磁気ヘッドの浮上量が例えば10nm以下の低 上量となると、磁気ヘッドは浮上飛行中に 気分子を介して磁気ディスク面上の潤滑層 断熱圧縮及び断熱膨張を繰り返し作用させ ようになり、潤滑層は繰り返し加熱冷却を けやすくなり、このため潤滑層を構成する 滑剤の低分子化が促進され易くなっている 潤滑剤が低分子化すると流動性が高まり、 護層との密着性が低下する。そして、流動 の高まった潤滑剤は、極狭な位置関係にあ 磁気ヘッドに移着堆積し、その結果、浮上 勢が不安定となりフライスティクション障 を発生させるものと考えられる。特に、最 導入されてきたNPAB(負圧)スライダーを備え 磁気ヘッドは、磁気ヘッド下面に発生する い負圧により潤滑剤を吸引し易いので、移 堆積現象を促進していると考えられる。移 堆積した潤滑剤はフッ酸等の酸を生成する 合があり、磁気ヘッドの素子部を腐食させ 場合がある。特に、磁気抵抗効果型素子を 載する磁気ヘッドは腐食され易い。

また一方で、潤滑剤の流動性が低いと、修復 性がなくなり、好適な潤滑性能を発揮できな くなり、特に低浮上量の下では潤滑剤が適度 な修復性を有することは重要な課題である。
また、成膜した潤滑層の表面エネルギーが高 いと、潤滑層の表面に水分や有機コンタミ等 を吸着し易くなり、特に低浮上量の下では、 潤滑層表面に吸着された水分や有機コンタミ 等が磁気ヘッドへ移着する可能性が高くなる 。

さらに、最近では磁気ディスク装置の応答 速度を敏速化するために、磁気ディスクの回 転速度を高めることが行なわれている。たと えばモバイル用途に好適な小径の1.8インチ型 磁気ディスク装置は、5400rpm以上の高速で回 させることで応答特性を高めることが行な れている。このような高速で磁気ディスク 回転させると、回転に伴う遠心力により潤 層が移動(マイグレーション)して、磁気ディ スク面内で潤滑層膜厚が不均一となり、低浮 上量の下では磁気ディスク表面と磁気ヘッド との接触による障害が顕在化してきた。

前述したように、最近では、磁気ディスク 装置は、従来のパーソナルコンピュータの記 憶装置としてだけでなく、携帯電話、カーナ ビゲーションシステムなどのモバイル用途に も多用されるようになってきており、使用さ れる用途の多様化により、磁気ディスクに求 められる環境耐性は非常に厳しいものになっ てきている。したがって、これらの情況に鑑 みると、従来にもまして、磁気ディスク表面 の耐久性や、潤滑層を構成する潤滑剤の例え ば流動性、表面エネルギー、定点浮上特性(CF T特性)などの特性の更なる向上が急務となっ いる。

また、近年の磁気ディスクの急速な情報記 録密度向上に伴い、磁気ヘッドと磁気ディス クの記録層間の磁気スペーシングの低減が求 められており、磁気ヘッドと磁気ディスクの 記録層の間に存在する潤滑層は、より一層の 薄膜化が必要となってきている。磁気ディス クの最表面の潤滑層に用いられる潤滑剤は、 磁気ディスクの耐久性に大きな影響を及ぼす が、たとえ薄膜化しても、磁気ディスクにと って安定性、信頼性は不可欠である。

このように、潤滑層の長期安定性に優れ、 近年の高記録密度化に伴う磁気スペーシング の低減や、磁気ヘッドの低浮上量のもとでの 高信頼性を有する磁気ディスクの実現が求め られ、さらには使用される用途の多様化など により、磁気ディスクに求められる環境耐性 は非常に厳しいものになってきているため、 従来にもまして、磁気ディスク表面の耐久性 や、潤滑層を構成する潤滑剤特性のより一層 の向上が求められている。

本発明は、このような従来の情況に鑑みな されたもので、その目的とするところは、潤 滑層を構成する潤滑剤特性、特に流動性、表 面エネルギー、CFT特性などの特性に優れ、近 年の急速な高記録密度化に伴う磁気ヘッドの 低浮上量のもとで、また用途の多様化に伴う 非常に厳しい環境耐性のもとで高信頼性を有 する磁気ディスク及びその製造方法を提供す ることである。

本発明者は、磁気ディスク用潤滑剤について 鋭意検討した結果、以下の発明により、前記 課題が解決できることを見い出し、本発明を 完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)基板上に、少なくとも磁性層と保護層 と潤滑層が順次設けられた磁気ディスクであ って、前記潤滑層は、
 化学式

で示される化合物、及び、
 化学式

で示される化合物から選ばれる少なくとも一 つの化合物を含有する潤滑剤aと、構造中に ーフルオロポリエーテル主鎖を有し且つ末 にはヒドロキシル基を有するパーフルオロ リエーテル基同士が、構造中に少なくとも2 のヒドロキシル基を有する2価の連結基を介 して結合している化合物を含有する潤滑剤b 、を含有する潤滑剤cが成膜されてなること 特徴とする磁気ディスクである。

(構成2)前記潤滑剤bの数平均分子量(Mn)が、1000 ~10000の範囲であることを特徴とする構成1に 載の磁気ディスクである。
(構成3)前記潤滑剤cは、前記潤滑剤a/前記潤滑 剤bの重量比が8:2~2:8であることを特徴とする 成1又は2に記載の磁気ディスクである。

(構成4)前記保護層は、プラズマCVD法により成 膜された炭素系保護層であることを特徴とす る構成1乃至3の何れか一に記載の磁気ディス である。
(構成5)ロードアンロード方式の磁気ディスク 装置に搭載される磁気ディスクであることを 特徴とする構成1乃至4の何れか一に記載の磁 ディスクである。

(構成6)基板上に、少なくとも磁性層と保護層 と潤滑層を順次形成する磁気ディスクの製造 方法であって、
 化学式

で示される化合物、及び、
 化学式

で示される化合物から選ばれる少なくとも一 つの化合物を含有する潤滑剤αを分子量分画 て、重量平均分子量(Mw)が3000~7000、分子量分 散度を1.2以下とした潤滑剤aを作製し、構造 にパーフルオロポリエーテル主鎖を有し且 末端にはヒドロキシル基を有するパーフル ロポリエーテル基同士が、構造中に少なく も2個のヒドロキシル基を有する2価の連結基 を介して結合している化合物からなる潤滑剤 bを作製し、前記潤滑剤aと前記潤滑剤bとを混 合した潤滑剤cを作製し、該潤滑剤cを前記保 層上に成膜して前記潤滑層を形成すること 特徴とする磁気ディスクの製造方法である

(構成7)前記分子量分画は超臨界抽出法で行う ことを特徴とする構成6に記載の磁気ディス の製造方法である。
(構成8)前記潤滑層を成膜した後に、前記磁気 ディスクを50℃~150℃の雰囲気に曝すことを特 徴とする構成6又は7に記載の磁気ディスクの 造方法である。

 構成1に係る発明によれば、基板上に少な くとも磁性層と保護層と潤滑層が順次設けら れた磁気ディスクであって、前記潤滑層は、 特定の潤滑剤化合物、すなわち前記潤滑剤a 前記潤滑剤bとを混合して含有する潤滑剤cを 成膜してなることにより、潤滑層を構成する 潤滑剤特性、特に流動性、表面エネルギー、 CFT特性などの特性に優れ、近年の急速な高記 録密度化に伴う磁気ヘッドの低浮上量のもと で、しかも用途の多様化に伴う非常に厳しい 環境耐性のもとで高信頼性を有する磁気ディ スクが得られる。

また、構成2に係る発明にあるように、前 潤滑剤bの数平均分子量(Mn)が、1000~10000の範 であることが特に好ましい。前記潤滑剤aと 合して用いた場合、適度な粘度による修復 を備え、好適な潤滑性能を発揮し、しかも れた耐熱性を兼ね備えることができるから ある。

また、構成3に係る発明にあるように、前記 滑剤cは、前記潤滑剤a/前記潤滑剤bの重量比 8:2~2:8であることが本発明による作用効果を 好適に発揮されるため、特に好ましい。
また、構成4に係る発明にあるように、前記 護層は、プラズマCVD法により成膜された炭 系保護層であることが特に好ましい。プラ マCVD法によれば、表面が均一で密に成膜さ た炭素系保護層を形成でき、本発明にとっ は好適だからである。

また、構成5に係る発明にあるように、本 明の磁気ディスクは、特にLUL方式の磁気デ スク装置に搭載される磁気ディスクとして 適である。LUL方式の導入に伴う磁気ヘッド 上量の一段の低下により、10nm以下の低浮上 においても磁気ディスクが安定して動作す ことが求められるようになってきており、 浮上量のもとで高い信頼性を有する本発明 磁気ディスクは好適である。

また、構成6に係る発明にあるように、基 上に少なくとも磁性層と保護層と潤滑層が 次設けられた磁気ディスクの製造方法であ て、前記潤滑剤aと前記潤滑剤bを作製し、さ らにこれらを混合した潤滑剤cを作製して、 護層上に成膜して潤滑層を形成することに り、潤滑層を構成する潤滑剤特性、特に流 性、表面エネルギー、CFT特性などの特性に れ、近年の急速な高記録密度化に伴う磁気 ッドの低浮上量のもとで、しかも用途の多 化に伴う非常に厳しい環境耐性のもとで高 頼性を有する磁気ディスクが得られる。

また、構成7に係る発明にあるように、上記 子量分画を超臨界抽出法で行うことが好適 ある。
また、構成8に係る発明にあるように、上記 滑層を成膜した後に、磁気ディスクを50℃~15 0℃の雰囲気に曝すことにより、成膜した潤 層の保護層への付着性をより向上させるこ ができる。

本発明によれば、潤滑層を構成する潤滑剤 特性、特に流動性、表面エネルギー、CFT特性 などの特性に優れ、近年の急速な高記録密度 化に伴う磁気ヘッドの低浮上量のもとで、し かも用途の多様化に伴う非常に厳しい環境耐 性のもとで高信頼性を有する磁気ディスクを 提供することができる。

 以下、本発明を実施の形態により詳細に説 する。
本発明の磁気ディスクは、基板上に、少なく とも磁性層と保護層と潤滑層が順次設けられ た磁気ディスクであって、前記潤滑層は、
 化学式

で示される化合物(以下、本発明に係る潤滑 化合物(I)と称する)、及び、
 化学式

で示される化合物(以下、本発明に係る潤滑 化合物(II)と称する)から選ばれる少なくとも 一つの化合物を含有する潤滑剤aと、構造中 パーフルオロポリエーテル主鎖を有し且つ 端にはヒドロキシル基を有するパーフルオ ポリエーテル基同士が、構造中に少なくと 2個のヒドロキシル基を有する2価の連結基を 介して結合している化合物(以下、本発明に る潤滑剤化合物(III)と称する)を含有する潤 剤bと、を含有する潤滑剤cが成膜されてなる 。

本発明の磁気ディスクにおける潤滑層に含 有される本発明に係る潤滑剤化合物(I)は、構 造中にパーフルオロポリエーテル主鎖を有し 、且つ末端には4個のヒドロキシル基を有す パーフルオロポリエーテル系化合物である また、本発明に係る潤滑剤化合物(II)は、構 中にパーフルオロポリエーテル主鎖を有し 且つ末端には2個のヒドロキシル基を有する パーフルオロポリエーテル系化合物である。 なお、これらのパーフルオロポリエーテル系 潤滑剤は、市販品としては、例えばソルベイ ソレクシス社製のフォンブリンゼットテトラ オール(商品名)およびフォンブリンゼットド ル(商品名)を用いることができる。

また、本発明に係る潤滑剤(III)は、構造中に ーフルオロポリエーテル主鎖を有し、且つ 端にはヒドロキシル基を有するパーフルオ ポリエーテル基同士が、構造中に少なくと 2個のヒドロキシル基を有する2価の連結基 介して結合している化合物である。
上記2価の連結基は、構造中に少なくとも2個 ヒドロキシル基を有するものであればよく たとえば、-(CR 1 R 2 )-で示される基を有する基である。ここで、R 1 、R 2 はそれぞれ水素原子またはヒドロキシル基で ある。

上記パーフルオロポリエーテル基は、その構 造中に例えば、-(O-C 2 F 4 )m-(O-CF 2 )n-(m、nはそれぞれ1以上の整数である。)で示 れるパーフルオロポリエーテル主鎖を有し 且つ末端にはヒドロキシル基を有するもの あり、かかるパーフルオロポリエーテル基 しては、例えば下記式(I)で示される基が好 しく挙げられる。
式(I)

式中、m、nはそれぞれ1以上の整数である。

本発明に係る潤滑剤(III)の製造方法としては たとえば、分子中にパーフルオロポリエー ル主鎖を有し且つ末端にヒドロキシル基を するパーフルオロポリエーテル化合物の2当 量と、該パーフルオロポリエーテル化合物と 反応してヒドロキシル基を生成しうる構造を 有する脂肪族化合物の1当量とを反応させる とによる製造方法が好ましく挙げられる。
上記脂肪族化合物としては、例えば、末端に エポキシド構造を有するジエポキシ化合物が 好ましく挙げられる。このような化合物を用 いることにより、本発明に係る潤滑剤(III)を 純度、高収率で得ることが可能である。こ ようなジエポキシ化合物の具体的例示を以 に挙げるが、本発明はこれには限定されな 。

また、上記パーフルオロポリエーテル化合物 としては、たとえば分子末端にヒドロキシル 基を有する下記式(II)で示されるパーフルオ ジオール化合物が挙げられる。
式(II)

式中、m、nはそれぞれ1以上の整数である。

つまり、塩基条件下で、末端にヒドロキシル 基を有するパーフルオロポリエーテル化合物 を塩基に作用させアルコキシドとし、このア ルコキシドが、末端にエポキシド構造を有す る脂肪族化合物と求核開環反応を行うことに より、パーフルオロポリエーテル化合物同士 が上記脂肪族化合物から変じた連結基を介し て結合された2量体化合物が得られる。
 以下に、本発明に係る潤滑剤(III)の例示化 物を挙げるが、本発明はこれらの化合物に 限定されない。

本発明では、潤滑層を構成する潤滑剤とし て、本発明に係る潤滑剤化合物(I)及び本発明 に係る潤滑剤化合物(II)から選ばれる少なく も一つの化合物を含有する潤滑剤aと、本発 に係る潤滑剤化合物(III)を含有する潤滑剤b を含有する潤滑剤cが用いられる。したがっ て、本発明に係る潤滑剤化合物(I)と本発明に 係る潤滑剤化合物(III)、本発明に係る潤滑剤 合物(II)と本発明に係る潤滑剤化合物(III)、 発明に係る潤滑剤化合物(I)と本発明に係る 滑剤化合物(II)と本発明に係る潤滑剤化合物 (III)のいずれかの組み合わせにより用いられ 。

本発明に係る潤滑剤(I)および(II)の分子量 特に制約はされないが、市販品を用いる場 には、適当な方法で分子量分画することに り、例えば重量平均分子量(Mw)が、3000~7000程 の範囲であることが好ましく、4000~6000の範 であることが更に好ましい。また、分子量 画することにより、分子量分散度(重量平均 分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比)を1.2以下とす のが好ましい。

また、本発明に係る潤滑剤(III)の分子量につ ても特に制約はされないが、例えば数平均 子量(Mn)が、1000~10000の範囲であることが好 しく、1000~6000の範囲であることが更に好ま い。前記潤滑剤aと混合して用いた場合、適 な粘度による修復性を備え、好適な潤滑性 を発揮し、しかも優れた耐熱性を兼ね備え ことができるからである。また、本発明に る潤滑剤(III)を適当な方法で分子量分画す ことにより、分子量分散度(重量平均分子量( Mw)/数平均分子量(Mn)比)を1.2以下とするのが好 ましい。
本発明において、分子量分画する方法に特に 制限を設ける必要は無いが、例えば、超臨界 抽出法による分子量分画や、ゲルパーミエー ションクロマトグラフィー(GPC)法による分子 分画などを用いることができる。

本発明では、本発明に係る潤滑剤化合物(I) 及び本発明に係る潤滑剤化合物(II)から選ば る少なくとも一つの化合物を含有する潤滑 aと、本発明に係る潤滑剤化合物(III)を含有 る潤滑剤bとを混合した潤滑剤cを用いるが、 この潤滑剤cは、潤滑剤a/潤滑剤bの重量比が8: 2~2:8であることが本発明による作用効果が好 に発揮されるため、特に好ましい。さらに ましくは、潤滑剤a/潤滑剤bの重量比が4:6~6:4 である。

本発明に係る潤滑剤を用いて潤滑層を成膜す るにあたっては、本発明に係る潤滑剤化合物 (I)及び本発明に係る潤滑剤化合物(II)から選 れる少なくとも一つの化合物を含有する潤 剤αを分子量分画して、例えば重量平均分子 量(Mw)が3000~7000、分子量分散度を1.2以下とし 潤滑剤aを作製し、本発明に係る潤滑剤化合 (III)を適宜分子量分画して潤滑剤bを作製し 次いで潤滑剤aと潤滑剤bとを混合した潤滑 cを作製し、該潤滑剤cを適当な溶媒に分散溶 解させた溶液を用いて、例えばディップ法に より塗布して成膜することができる。溶媒と しては、例えばフッ素系溶媒(三井デュポン ロロケミカル社製商品名バートレルXFなど) 好ましく用いることができる。潤滑層の成 方法はもちろん上記ディップ法には限らず スピンコート法、スプレイ法、ペーパーコ ト法などの成膜方法を用いてもよい。
本発明においては、成膜した潤滑層の保護層 への付着力をより向上させるために、成膜後 に磁気ディスクを50℃~150℃の雰囲気に曝して もよい。

本発明にあっては、潤滑層の膜厚は、4~18 とするのがよい。4Å未満では、潤滑層とし の潤滑性能が低下する場合がある。また18 を超えると、薄膜化の観点から好ましくな 、またフライスティクション障害が発生す 場合があり、またLUL耐久性が低下する場合 ある。

また、本発明における保護層としては、炭 素系保護層を好ましく用いることができる。 特にアモルファス炭素保護層が好ましい。保 護層はとくに炭素系保護層であることにより 、本発明に係る潤滑剤の極性基(特にヒドロ シル基)と保護層との相互作用が一層高まり 本発明による作用効果がより一層発揮され ため好ましい態様である。なお、炭素系保 層と潤滑層の付着力を調節するために、炭 系保護層を水素化炭素及び/又は窒素化炭素 として、水素及び/又は窒素の含有量を調節 ることにより制御することが可能である。 の場合、水素の含有量は水素前方散乱法(HFS) で測定したときに3~20原子%とするのが好まし 。また、窒素の含有量はX線光電子分光分析 法(XPS)で測定したときに、4~12原子%とするの 好ましい。

本発明における炭素系保護層においては、 水素及び/又は窒素は保護層全体に均一に含 される必要はなく、とくに保護層の潤滑層 に窒素を含有させ、磁性層側に水素を含有 せた組成傾斜層とすることが好適である。

本発明において炭素系保護層を用いる場合は 、例えばDCマグネトロンスパッタリング法に り成膜することができるが、特にプラズマC VD法により成膜されたアモルファス炭素保護 とすることが好ましい。プラズマCVD法によ 成膜することで保護層表面が均一となり密 成膜される。従って、より粗さが小さいCVD で成膜された保護層上に本発明による潤滑 を形成することは好ましい。
本発明にあっては、保護層の膜厚は、20~70Å するのがよい。20Å未満では、保護層とし の性能が低下する場合がある。また70Åを超 えると、薄膜化の観点から好ましくない。

本発明の磁気ディスクにおいては、基板はガ ラス基板であることが好ましい。ガラス基板 は剛性があり、平滑性に優れるので、高記録 密度化には好適である。ガラス基板としては 、例えばアルミノシリケートガラス基板が挙 げられ、特に化学強化されたアルミノシリケ ートガラス基板が好適である。
 本発明においては、上記基板の主表面の粗 は、Rmaxが6nm以下、Raが0.6nm以下の超平滑で ることが好ましい。なお、ここでいう表面 さRmax、Raは、JIS B0601の規定に基づくもので る。

 本発明の磁気ディスクは、基板上に少な とも磁性層と保護層と潤滑層を備えている 、本発明において、上記磁性層は特に制限 なく、面内記録方式用磁性層であっても、 直記録方式用磁性層であってもよいが、と に垂直記録方式用磁性層は近年の急速な高 録密度化の実現に好適である。とりわけ、C oPt系磁性層であれば、高保磁力と高再生出力 を得ることができるので好適である。

 本発明の磁気ディスクにおいては、基板 磁性層との間に、必要に応じて下地層を設 ることができる。また、該下地層と基板と 間に付着層や軟磁性層等を設けることもで る。この場合、上記下地層としては、例え 、Cr層、Ta層、Ru層、あるいはCrMo,CoW,CrW,CrV,Cr Ti合金層などが挙げられ、上記付着層として 、例えば、CrTi,NiAl,AlRu合金層などが挙げら る。また、上記軟磁性層としては、例えばCo ZrTa合金膜などが挙げられる。

本発明の磁気ディスクは、特にLUL方式の磁 気ディスク装置に搭載される磁気ディスクと して好適である。LUL方式の導入に伴う磁気ヘ ッド浮上量の一段の低下により、10nm以下の 浮上量においても磁気ディスクが安定して 作することが求められるようになってきて り、低浮上量のもとで高い信頼性を有する 発明の磁気ディスクは好適である。

 以下、実施例により本発明を更に具体的に 明する。
(実施例1)
図1は、本発明の一実施例による磁気ディス 10である。
磁気ディスク10は、基板1上に、付着層2、軟 性層3、第1下地層4、第2下地層5、磁性層6、 素系保護層7、潤滑層8が順次形成されてなる 。

(潤滑剤の製造)
本発明に係る潤滑剤化合物(I)を含有するソル ベイソレクシス社製のフォンブリンゼットテ トラオール(商品名)を超臨界抽出法で分子量 画し、Mwが3000、分子量分散度が1.08とした潤 滑剤aを作製した。また、前記式(II)で示され パーフルオロジオール化合物の2当量と、前 記例示のジエポキシ化合物の1当量とを塩基 件下で反応させることにより、前記の例示 潤滑剤化合物(本発明に係る潤滑剤化合物(III ))を製造した。具体的には、上記の両化合物 アセトン中で撹拌し、水酸化ナトリウムを えてさらにリフラックス(reflux)した。なお 反応温度、時間等の条件はそれぞれ適宜設 した。このようにして得られた化合物から る潤滑剤は、超臨界抽出法により適宜分子 分画を行い、NMR法を用いて測定したMnが4000 分子量分散度が1.25とした潤滑剤bを作製した 。次いで、上記潤滑剤aと潤滑剤bとを、重量 1:1で混合した潤滑剤cを作製した。

(磁気ディスクの製造)
化学強化されたアルミノシリケートガラスか らなる2.5インチ型ガラスディスク(外径65mm、 径20mm、ディスク厚0.635mm)を準備し、ディス 基板1とした。ディスク基板1の主表面は、Rm axが2.13nm、Raが0.20nmに鏡面研磨されている。
このディスク基板1上に、DCマグネトロンスパ ッタリング法により、Arガス雰囲気中で、順 、Ti系の付着層2、Fe系の軟磁性層3、NiWの第1 下地層4、Ruの第2下地層5、CoCrPt磁性層6を成膜 した。この磁性層は垂直磁気記録方式用磁性 層である。
引き続き、プラズマCVD法により、ダイヤモン ドライク炭素保護層7を膜厚50Åで成膜した。

次に、潤滑層8を以下のようにして形成した
上記のように製造した潤滑剤cを、フッ素系 媒である三井デュポンフロロケミカル社製 ートレルXF(商品名)に0.2重量%の濃度で分散溶 解させた溶液を調整した。この溶液を塗布液 とし、保護層7まで成膜された磁気ディスク 浸漬させ、ディップ法で塗布することによ 潤滑層8を成膜した。
成膜後に、磁気ディスクを真空焼成炉内で130 ℃、90分間で加熱処理した。潤滑層8の膜厚を フーリエ変換型赤外分光光度計(FTIR)で測定し たところ12Åであった。こうして、実施例1の 磁気ディスク10を得た。

(実施例2)
 本発明に係る潤滑剤化合物(I)を含有するソ ベイソレクシス社製のフォンブリンゼット トラオール(商品名)と、本発明に係る潤滑 化合物(II)を含有するソルベイソレクシス社 のフォンブリンゼットジオール(商品名)と 重量比1:1で混合したものを超臨界抽出法で 子量分画し、Mwが3000、分子量分散度が1.08と た潤滑剤aを作製した。次いで、上記潤滑剤 aと、実施例1と同様にして作製した潤滑剤bと を、重量比1:1で混合した潤滑剤cを作製した この潤滑剤cを用いて潤滑層を成膜したこと 外は実施例1と同様にして実施例2の磁気デ スクを製造した。

(実施例3)
本発明に係る潤滑剤化合物(II)を含有するソ ベイソレクシス社製のフォンブリンゼット オール(商品名)を超臨界抽出法で分子量分画 し、Mwが3000、分子量分散度が1.08とした潤滑 aを作製した。次いで、上記潤滑剤aと、実施 例1と同様にして作製した潤滑剤bとを、重量 4:6で混合した潤滑剤cを作製した。この潤滑 剤cを用いて潤滑層を成膜したこと以外は実 例1と同様にして実施例3の磁気ディスクを製 造した。

次に、以下の試験方法により、実施例1~3に用 いた潤滑剤及び磁気ディスクの評価を行った 。
(1)流動性
 磁気ディスクを、高温環境下、回転数5400rpm のHDDにセットし、500時間連続運転した後、HDD から取り出し、潤滑層の膜厚測定を行い、試 験前後の膜厚変動を確認することにより、流 動性評価を行った。膜厚変動のほとんど生じ ない場合を「○」、膜厚変動の生じた場合を 「×」として評価した。
(2)表面エネルギー
 2種以上の表面張力が既知の液体を磁気ディ スク表面に滴下し、その接触角を測定した。 そして、その接触角の測定データを用いてフ ォークスの式を解くことにより、表面自由エ ネルギーを求めた。
(3)OSA検査
 光学式表面分析装置(OSA)を用い、S波とP波に 分離した斜め波(Q波)を磁気ディスク表面に照 射した場合の磁気ディスク表面における反射 時の位相ずれを利用し、カーボン膜の磨耗を 観察した。その結果、問題のない場合を「○ 」、カーボン膜の磨耗が若干観察された場合 を「△」、さらに磨耗の程度が大きい場合を 「×」として評価した。
(4)CFT特性試験(定位置浮上試験)
定点位置は、ディスク内周側(ディスク半径15 mm位置)とした。なお、CFT試験は過酷環境とす るために、温度70℃、相対湿度80%の環境で実 した。その結果、連続4週間の定点連続浮上 に耐久することができ、過酷な条件下におい ても、CFT特性に極めて優れている場合を「○ 」、連続4週間に満たないで故障した場合を △」、連続2週間に満たないで故障した場合 「×」として評価した。
 以上の結果はまとめて後記表1に示す。

(比較例1)
本発明に係る潤滑剤化合物(I)を含有するソル ベイソレクシス社製のフォンブリンゼットテ トラオール(商品名)と、本発明に係る潤滑剤 合物(II)を含有するソルベイソレクシス社製 のフォンブリンゼットジオール(商品名)とを 量比1:1で混合したものを超臨界抽出法で分 量分画し、Mwが3000、分子量分散度が1.08とし た潤滑剤を作製し、この潤滑剤を用いて潤滑 層を成膜したこと以外は実施例1と同様にし 比較例1の磁気ディスクを製造した。

(比較例2)
実施例1と同様にして作製した潤滑剤bを単独 用いて潤滑層を成膜したこと以外は実施例1 と同様にして比較例2の磁気ディスクを製造 た。
実施例と同様の試験方法により、比較例1,2に 用いた潤滑剤及び磁気ディスクの評価を行っ た。結果は下記表1に示す。

 上記表1の結果から、本発明に係る潤滑剤 化合物(I)及び本発明に係る潤滑剤化合物(II) ら選ばれる少なくとも一つの化合物を含有 る潤滑剤aと、本発明に係る潤滑剤化合物(III )を含有する潤滑剤bとを混合した潤滑剤cを用 いた実施例1~3においては良好な結果が得られ た。これに対して、本発明に係る潤滑剤化合 物(I)及び本発明に係る潤滑剤化合物(II)から ばれる少なくとも一つの化合物を含有する 滑剤aを単独で用いた比較例1と、本発明に係 る潤滑剤化合物(III)を含有する潤滑剤bを単独 で用いた比較例2においては、少なくともい れかの評価結果が悪く、総合評価として良 な評価は得られなかった。

本発明の磁気ディスクの一実施例の模 的断面図である。

符号の説明

1 基板
2 付着層
3 軟磁性層
4 第1下地層
5 第2下地層
6 磁性層
7 炭素系保護層
8 潤滑層
10 磁気ディスク
 




 
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