Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
MAGNETIC ENCODER, APPARATUS FOR PRODUCING MAGNETIC ENCODER, PROCESS FOR PRODUCING MAGNETIC ENCODER, AND ROLLING BEARING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/050968
Kind Code:
A1
Abstract:
An apparatus for magnetic-encoder production (51) which includes a multiple magnet which is made of rubber and in which magnetic poles have been alternately arranged in the circumferential direction. The apparatus comprises: a mold core (71) in which an unvulcanized magnetic rubber comprising a rubber composition, a magnetic powder, and a vulcanizing agent is held; a heater (58) which heats the mold core (71); a press (52) which presses the unvulcanized magnetic rubber held in the mold core (71); and a coil (56) which generates a magnetic field and applies the magnetic field having a given direction to the mold core (71).

Inventors:
NAKAJIMA TATSUO (JP)
MATSUI ARITO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/066565
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
September 12, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
NAKAJIMA TATSUO (JP)
MATSUI ARITO (JP)
International Classes:
G01D5/245; F16C41/00
Foreign References:
JP2007010343A2007-01-18
JPH05144650A1993-06-11
Attorney, Agent or Firm:
ITOH, Hidehiko et al. (Oriental Sakaisuji Bldg. 21-19, Shimanouchi 1-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 82, JP)
Download PDF:
Claims:
 周方向に交互に磁極が配置されたゴム製の多極磁石を含む磁気エンコーダの製造装置であって、
 ゴム組成物、磁性粉および加硫剤を含む未加硫の磁性ゴムを収容する収容部と、
 前記収容部を加熱する加熱手段と、
 前記収容部に収容された前記未加硫の磁性ゴムを加圧する加圧手段と、
 磁界を発生させて、前記収容部に所定の方向の磁界をかける磁界発生手段とを備える、磁気エンコーダの製造装置。
 磁性材料により構成された部材を備え、
 前記収容部および前記部材は、前記磁界発生手段により発生した磁界のループを形成する、請求項1に記載の磁気エンコーダの製造装置。
 前記収容部は、磁性材料で構成された部分を含み、
 前記磁性材料で構成された部分は、収容された前記未加硫の磁性ゴムの前記所定の方向に位置する領域に配置される、請求項1に記載の磁気エンコーダの製造装置。
 前記磁気エンコーダは、前記多極磁石を保持するスリンガを含み、
 前記収容部は、前記スリンガを収容可能である、請求項1に記載の磁気エンコーダの製造装置。
 前記収容部は、第一および第二の金型を含み、
 前記第一および第二の金型が対面する部分に、前記未加硫の磁性ゴムが収容される、請求項1に記載の磁気エンコーダの製造装置。
 前記磁界発生手段は、コイルを含み、
 前記コイルを冷却する冷却手段を備える、請求項1に記載の磁気エンコーダの製造装置。
 周方向に交互に磁極が配置されたゴム製の多極磁石を含む磁気エンコーダの製造方法であって、
 ゴム組成物、磁性粉および加硫剤を含む未加硫の磁性ゴムを、収容部に収容する工程と、
 前記収容部に所定の方向の磁界をかけながら、前記未加硫の磁性ゴムを加熱圧縮成形する工程とを備える、磁気エンコーダの製造方法。
 前記収容部に予め前記多極磁石を保持するスリンガを収容する工程と、
 前記加熱圧縮成形の際に、加硫された前記磁性ゴムを前記スリンガに接着保持させる工程とを備える、請求項7に記載の磁気エンコーダの製造方法。
 周方向に交互に磁極が配置されたゴム製の多極磁石と、前記多極磁石を接着保持するスリンガとを含む磁気エンコーダの製造方法であって、
 前記多極磁石を接着保持する前記スリンガの接着部を、シランカップリング剤により処理する工程と、
 前記シランカップリング剤による処理の後に、前記接着部に接着剤を塗布する工程と、
 ゴム組成物、磁性粉および加硫剤を含む未加硫の磁性ゴムを、接着剤を塗布した前記接着部と接するようにして、収容部に収容する工程と、
 前記収容部に所定の方向の磁界をかけながら、前記未加硫の磁性ゴムを加熱圧縮成形すると共に、前記スリンガに加硫させた磁性ゴムを接着する工程と、
 加硫させた前記磁性ゴムを多極に着磁する工程とを備える、磁気エンコーダの製造方法。
 周方向に交互に磁極が配置されたゴム製の多極磁石を含む磁気エンコーダであって、
 前記多極磁石は、ゴム組成物、磁性粉および加硫剤を含む未加硫の磁性ゴムを、所定の方向に磁界をかけながら加熱圧縮成形することにより形成されている、磁気エンコーダ。
 前記多極磁石を接着保持するスリンガを含み、
 前記スリンガは、前記多極磁石を接着保持する接着部を有し、
 前記接着部は、シランカップリング剤により処理されている、請求項10に記載の磁気エンコーダ。
 前記磁性ゴムは、フェノール樹脂系接着剤によって接着されている、請求項11に記載の磁気エンコーダ。
 前記加硫剤は、少なくともパーオキシサイド系加硫剤または硫黄系加硫剤のうち、いずれか一方を含む、請求項10に記載の磁気エンコーダ。
 前記未加硫の磁性ゴムは、共架橋剤を含み、
 前記共架橋剤は、ビスマレイミド系共架橋剤を含む、請求項10に記載の磁気エンコーダ。
 前記ゴム組成物は、NBR(アクリロニトリルーブタジエンゴム)を含む、請求項10に記載の磁気エンコーダ。
 前記NBRは、中高ニトリルゴムを含む、請求項15に記載の磁気エンコーダ。
 前記磁性粉は、磁場配向用フェライト系磁性粉を含む、請求項10に記載の磁気エンコーダ。
 前記多極磁石の密度は、3.40g/cm 3 以上3.80g/cm 3 以下である、請求項10に記載の磁気エンコーダ。
 前記多極磁石中の前記磁性粉の配向度は、0.8以上である、請求項10に記載の磁気エンコーダ。
 外輪と、
 内輪と、
 前記外輪と前記内輪との間に配置され、前記外輪および前記内輪に設けられた軌道面上を転動する転動体と、
 請求項10に記載の磁気エンコーダとを含む、転がり軸受。
 前記多極磁石を覆うように前記多極磁石の軸受外方側に取り付けられ、非磁性材料から構成される保護カバーを含む、請求項20に記載の転がり軸受。
Description:
磁気エンコーダ、磁気エンコー の製造装置、磁気エンコーダの製造方法お び転がり軸受

 この発明は、磁気エンコーダ、磁気エン ーダの製造装置、磁気エンコーダの製造方 および転がり軸受に関し、特に、ゴム製の 極磁石を備える磁気エンコーダ、このよう 磁気エンコーダの製造装置、このような磁 エンコーダの製造方法およびこのような磁 エンコーダを備える転がり軸受に関するも である。

 従来、自動車のABS(Antilock Brake System)装置 に使用される軸受として、磁気エンコーダを 備えたシール付きの転がり軸受がある。この ような転がり軸受は、例えば、特開平6-281018 公報に開示されている。特開平6-281018号公 によると、回転数や回転方向を検出する回 検出装置は、磁気エンコーダとセンサとか 構成される。磁気エンコーダは、円周方向 交互に磁極を形成したゴム製の多極磁石と これを保持するスリンガとからなる。セン は、回転軸と共に回転する磁気エンコーダ 交互に配置される磁極を検出する。このよ にして、回転検出装置は、回転数等を検出 ている。

 ゴム製の多極磁石は、一般的には、未加 のゴム組成物に磁性粉を含有させた磁性ゴ を加硫して得られる。ここで、加硫させた 性ゴム中の磁性粉の配向度が低いと、高い 力を得ることができない。

 一般的に、リング状のゴム成形品は、押 し機によってリング状に押出した未加硫の ム組成物を加熱圧縮成形することにより得 れる。しかし、上記した磁性粉を含むゴム 成物を押出し機によって成形すると、未加 のゴム組成物中の磁性粉の配向が、多極磁 として所望する配向と直交する方向となる そうすると、加硫させた際に、磁性ゴム中 磁性粉の配向度が低くなる。

 特開2002-90178号公報によると、磁性粉を含 有させた未加硫の磁性ゴムをロール加工で薄 肉のシート状にして、機械配向により、磁性 ゴム中の磁性粉を所望の方向に配向させてい る。このようにして、所望の方向に磁性粉を 配向させた未加硫の磁性ゴムから、磁気エン コーダを製造することとしている。

 特開2002-90178号公報によると、シート状の 未加硫の磁性ゴムをリング状に打ち抜いて、 リング状の未加硫の磁性ゴムを得ることとし ている。しかし、リング状に打ち抜いた後の 未加硫の磁性ゴムについて、無駄が多く、再 利用を行なうにも工数がかかる。そうすると 、製造費のコストアップが生じ、引いては、 磁気エンコーダを安価に製造することができ ない。

 この発明の目的は、安価に製造すること できる磁気エンコーダの製造装置を提供す ことである。

 この発明の他の目的は、安価に製造する とができる磁気エンコーダの製造方法を提 することである。

 この発明に係る磁気エンコーダ製造装置 、周方向に交互に磁極が配置されたゴム製 多極磁石を含む磁気エンコーダの製造装置 あって、ゴム組成物、磁性粉および加硫剤 含む未加硫の磁性ゴムを収容する収容部と 収容部を加熱する加熱手段と、収容部に収 された未加硫の磁性ゴムを加圧する加圧手 と、磁界を発生させて、収容部に所定の方 の磁界をかける磁界発生手段とを備える。

 このように構成することにより、未加硫 磁性ゴムを収容部に収容し、加熱手段およ 加圧手段によって加熱圧縮成形により形成 る際に、磁界発生手段により発生させた磁 を収容部の所定の方向にかけながら加熱圧 成形を行うことができる。そうすると、未 硫の磁性ゴム中における磁性粉の配向に関 らず、磁性粉を所定の方向に高度に配向さ て、磁性ゴムを加硫させることができる。 たがって、未加硫の磁性ゴムの製造コスト 低減することができ、磁気エンコーダを安 に製造することができる。

 好ましくは、磁性材料により構成された 材を備え、収容部および部材は、磁界発生 段により発生した磁界のループを形成する こうすることにより、収容部にかけられる 界の密度を高くすることができる。したが て、さらに磁性粉を高度に配向させて磁性 ムを加硫させることができる。

 さらに好ましくは、収容部は、磁性材料 構成された部分を含み、磁性材料で構成さ た部分は、収容された未加硫の磁性ゴムの 定の方向に位置する領域に配置される。こ することにより、発生した磁界を、収容部 において未加硫の磁性ゴムが収容されてい 部分に収束させることができる。したがっ 、さらに磁性粉を高度に配向させて磁性ゴ を加硫させることができる。

 さらに好ましくは、磁気エンコーダは、 極磁石を保持するスリンガを含み、収容部 、スリンガを収容可能である。こうするこ により、加熱圧縮成形時において、加硫し 磁性ゴムをスリンガに加硫接着して保持さ ることができる。したがって、効率よく磁 エンコーダを製造することができる。

 さらに好ましくは、収容部は、第一およ 第二の金型を含み、第一および第二の金型 対面する部分に、未加硫の磁性ゴムが収容 れる。こうすることにより、第一および第 の金型によって、多極磁石の外形形状を形 しながら、未加硫の磁性ゴムを加硫させる とができる。

 さらに好ましくは、磁界発生手段は、コ ルを含み、コイルを冷却する冷却手段を備 る。こうすることにより、コイルの温度上 を低減して、連続成形を効率よく行うこと できる。

 この発明の他の局面においては、磁気エ コーダの製造方法は、周方向に交互に磁極 配置されたゴム製の多極磁石を含む磁気エ コーダの製造方法であって、ゴム組成物、 性粉および加硫剤を含む未加硫の磁性ゴム 、収容部に収容する工程と、収容部に所定 方向の磁界をかけながら、未加硫の磁性ゴ を加熱圧縮成形する工程とを備える。

 このような磁気エンコーダの製造方法に ると、未加硫の磁性ゴムを加熱圧縮成形す 際に、磁性ゴム中に含まれる磁性粉を所定 方向に高度に配向させながら加硫させるこ ができる。したがって、未加硫の磁性ゴム の磁性粉の配向に関わらず、所定の方向に 度に配向させて加硫させることができる。 たがって、未加硫の磁性ゴムの製造コスト 低減して、磁気エンコーダを安価に製造す ことができる。

 好ましくは、収容部に予め多極磁石を保 するスリンガを収容する工程と、加熱圧縮 形の際に、加硫された磁性ゴムをスリンガ 接着保持させる工程とを備える。こうする とにより、加熱圧縮成形の際に、加硫され 磁性ゴムをスリンガに接着することもでき 。したがって、さらに製造コストを低減し 安価に製造することができる。

 ここで、上記のような用途に用いられる 気エンコーダにおいて、磁気エンコーダに まれる多極磁石の磁束密度が高ければ、磁 を検出するセンサとのギャップ(間隔)の公 を大きくすることができる。そうすると、 気エンコーダの周辺部材の組立における寸 公差を大きく取ることができ、製造コスト 低減を図ることができる。磁束密度の高い 気エンコーダを得るためには、多極磁石に まれる磁性粉の配向度を高くする必要があ 。したがって、磁界をかけた方向に磁性粉 配向させやすい加熱圧縮成形により、多極 石を形成することが好ましい。

 ここで、多極磁石はスリンガに接着保持 れているが、上記した用途等に使用される 合、多極磁石とスリンガとの接着性が悪い 、すなわち、接着保持されている多極磁石 スリンガとの間の密着性が悪いと、多極磁 とスリンガとの間に融雪剤等の異物が侵入 てしまう。そうすると、スリンガと多極磁 との間において、この異物による腐食やガ が発生し、多極磁石がスリンガから剥離し 、磁気エンコーダが破損してしまう恐れが る。

 この発明のさらに他の目的は、破損の恐 を低減した磁気エンコーダを容易に製造す ことができる磁気エンコーダの製造方法を 供することである。

 この発明のさらに他の目的は、破損の恐 を低減した磁気エンコーダを提供すること ある。

 この発明のさらに他の目的は、破損の恐 を低減した転がり軸受を提供することであ 。

 この発明のさらに他の局面においては、 気エンコーダの製造方法は、周方向に交互 磁極が配置されたゴム製の多極磁石と、多 磁石を接着保持するスリンガとを含む磁気 ンコーダの製造方法であって、多極磁石を 着保持するスリンガの接着部を、シランカ プリング剤により処理する工程と、シラン ップリング剤による処理の後に、接着部に 着剤を塗布する工程と、ゴム組成物、磁性 および加硫剤を含む未加硫の磁性ゴムを、 着剤を塗布した接着部と接するようにして 収容部に収容する工程と、収容部に所定の 向の磁界をかけながら、未加硫の磁性ゴム 加熱圧縮成形すると共に、スリンガに加硫 せた磁性ゴムを接着する工程と、加硫させ 磁性ゴムを多極に着磁する工程とを備える

 こうすることにより、未加硫の磁性ゴム 加熱圧縮成形すると共に、加硫された磁性 ムをスリンガに接着保持させることができ 。この場合、スリンガの接着部は、シラン ップリング処理が施されているため、スリ ガと加硫させた磁性ゴムとの接着性を向上 せることができる。したがって、破損の恐 の少ない磁気エンコーダを容易に製造する とができる。

 また、この発明に係る磁気エンコーダは 周方向に交互に磁極が配置されたゴム製の 極磁石を含む磁気エンコーダであって、多 磁石は、ゴム組成物、磁性粉および加硫剤 含む未加硫の磁性ゴムを、所定の方向に磁 をかけながら加熱圧縮成形することにより 成されている。このような磁気エンコーダ 、磁性粉を所定の方向に高度に配向させら ている。

 好ましくは、磁気エンコーダは、多極磁 を接着保持するスリンガを含む。スリンガ 、多極磁石を接着保持する接着部を有する 接着部は、シランカップリング剤により処 されている。

 このように構成することにより、多極磁 とスリンガとの接着性を向上することがで る。したがって、多極磁石のスリンガから 脱落等を防止し、磁気エンコーダの破損の れを低減することができる。

 好ましくは、磁性ゴムは、フェノール樹 系接着剤によって接着されている。

 さらに好ましくは、加硫剤は、少なくと パーオキシサイド系加硫剤または硫黄系加 剤のうち、いずれか一方を含む。

 さらに好ましくは、未加硫の磁性ゴムは 共架橋剤を含み、共架橋剤は、ビスマレイ ド系共架橋剤を含む。

 さらに好ましくは、ゴム組成物は、NBR(ア クリロニトリルーブタジエンゴム)を含む。 た、NBRは、中高ニトリルゴムを含むことが ましい。

 さらに好ましくは、磁性粉は、磁場配向 フェライト系磁性粉を含む。

 ここで、上記した自動車用等に使用され 場合、多極磁石と道路からの砂塵等の異物 が擦れあって、多極磁石の表面が摩耗して まう恐れがある。そうすると、センサが多 磁石の磁極を適切に検出することができな 。ここで、特開2002-333033号公報によると、 気エンコーダの外方側に保護カバーを設け いる。図10は、特開2002-333033号公報に示す磁 エンコーダを示す断面図である。図10を参 して、玉軸受101は、外方部材102と、内方部 103と、転動体104と、軸受を密封するシール10 5と、内方部材103に取り付けられる磁気エン ーダ106とを備える。磁気エンコーダ106は、 リンガ107と、このスリンガ107によって保持 れる多極磁石108とを含む。また、玉軸受101 、多極磁石108を覆うように、多極磁石108の 受外方側に取り付けられる保護カバー109を える。この保護カバー109によって、異物と 接触による多極磁石108の摩耗を低減するこ にしている。

 特開2002-333033号公報のように多極磁石の 方側に保護カバーを取付けた場合、センサ 多極磁石との間に保護カバーを設けるスペ スが必要となり、センサと多極磁石とのギ ップ(間隔)が大きくなってしまう。このよう に、センサと多極磁石との距離が長くなると 、センサが多極磁石の磁気を適切に検出する ことができない恐れがある。

 この発明のさらに他の目的は、適切に磁 を検出することができる磁気エンコーダを 供することである。

 この発明のさらに他の目的は、回転数等 適切に検出することができる転がり軸受を 供することである。

 この発明に係る磁気エンコーダは、周方向 交互に磁極が配置されたゴム製の多極磁石 含む。多極磁石は、ゴム組成物、磁性粉お び加硫剤を含む未加硫の磁性ゴムを、所定 方向に磁界をかけながら加熱圧縮成形する とにより形成されている。多極磁石の密度 、3.40g/cm 3 以上3.80g/cm 3 以下である。

 未加硫の磁性ゴムを、磁界をかけながら 熱圧縮成形して形成され、多極磁石の密度 上記した範囲である磁気エンコーダは、成 性が良好であり、かつ、磁気特性に優れて る。したがって、このような磁気エンコー は、センサによって適切に磁力を検出され 。

 また、この発明に係る磁気エンコーダは 周方向に交互に磁極が配置されたゴム製の 極磁石を含む。多極磁石は、ゴム組成物、 性粉および加硫剤を含む未加硫の磁性ゴム 、所定の方向に磁界をかけながら加熱圧縮 形することにより形成されている。多極磁 中の磁性粉の配向度は、0.8以上である。

 未加硫の磁性ゴムを、磁界をかけながら 熱圧縮成形して形成され、多極磁石中の磁 粉の配向度が上記した範囲である磁気エン ーダは、磁気特性に優れている。したがっ 、このような磁気エンコーダは、センサに って適切に磁力を検出される。

 この発明の他の局面においては、転がり 受は、外輪と、内輪と、外輪と内輪との間 配置され、外輪および内輪に設けられたそ ぞれの軌道面上を転動する転動体と、上記 たいずれかの磁気エンコーダとを含む。

 このような転がり軸受は、磁気エンコー に含まれる多極磁石の磁力を適切に検出す ことができるため、回転数等を適切に検出 ることができる。また、このような転がり 受は、生産性が良好である。

 好ましくは、磁気エンコーダの軸受外方 に取り付けられ、非磁性材料から構成され 保護カバーを含む。

この発明の一実施形態に係る磁気エン ーダの製造方法により製造された磁気エン ーダを含む転がり軸受の一部を示す断面図 ある。 多極磁石の構成を示す概念図である。 磁気エンコーダ製造装置の概略断面図 ある。 磁気エンコーダ製造装置に含まれる金 中子の断面図である。 磁気エンコーダ製造装置に含まれる金 中子の斜視図である。 磁気エンコーダ製造装置に含まれる金 中子を構成する下金型中子の斜視図である 成形した未加硫の磁性ゴムを示す斜視 である。 磁性ゴムの加硫曲線を示すグラフであ 。 この発明の一実施形態に係る磁気エン ーダの製造方法により製造された磁気エン ーダを含む転がり軸受を備える車軸支持構 を示す概略断面図である。 従来の玉軸受の一部を示す断面図であ る。

 以下、この発明の実施の形態を、図面を 照して説明する。図1は、この発明の一実施 形態に係る磁気エンコーダの製造方法により 製造された磁気エンコーダを含む転がり軸受 の一部を示す断面図である。図1を参照して 転がり軸受11は、回転軸(図示せず)を支持す 。このような転がり軸受11は、自動車の車 を支持する軸受として利用される。

 転がり軸受11は、転動体としての玉12と、 玉12の内径側に配置される内輪13と、玉12の外 径側に配置される外輪14と、玉12を保持する 持器(図示せず)と、回転軸の回転数等を検出 するための磁気エンコーダ16と、軸受内部を 封するためのシール17とを含む。内輪13は、 回転軸に固定されており、回転軸と共に回転 する。一方、外輪14は、ハウジング(図示せず )に固定されている。玉12は、回転軸の回転時 において、内輪13および外輪14に設けられた 道面15a、15b上を転動する。

 シール17は、剛性を有する芯金31と、弾性 を有するゴム部32とを含む。芯金31は、外輪14 に取り付けられ、固定されている。ゴム部32 、芯金31の一部を覆うように構成されてい 。ゴム部32は後述するスリンガ24と適当な圧 で、複数の箇所において接触している。具 的には、シール17の内径側や軸受外部側に 出する複数のリップ部が、スリンガ24と接触 している。このようにして、転がり軸受11の 部を密封する。こうすることにより、内部 封入された潤滑油の漏れの防止や、転がり 受11の内部への異物の混入の防止を図って る。

 回転軸の回転数等を検出する回転検出装 21は、転がり軸受11に含まれる磁気エンコー ダ16と、回転センサ22とを含む。磁気エンコ ダ16と回転センサ22は、互いに対向する位置 設けられている。回転センサ22は、例えば 外輪14等と共にハウジングに取り付けられ、 固定されている。

 ここで、磁気エンコーダ16の構成につい 説明する。磁気エンコーダ16は、周方向に交 互に磁極が配置されたゴム製の多極磁石23と 多極磁石23を保持する金属製のスリンガ24と を含む。スリンガ24は、円筒部28aと、円筒部2 8aの一方側の端部から外径側に延びるフラン 28bとを備える。フランジ28bの外方側に、多 磁石23が保持される。

 図2は、多極磁石23の構成を示す概念図で る。図1および図2を参照して、多極磁石23は 、環状であり、その中央に貫通孔を有する。 多極磁石23は周方向において多極に磁化され おり、PCD(Pitch Circle Diameter:ピッチ円直径)26 上において、N極27aおよびS極27bを交互に配置 るように構成されている。

 スリンガ24に保持された多極磁石23は、回 転軸の回転に伴って、内輪13と共に回転する このとき、軸方向外側に配置され、多極磁 23に対向する位置に設けられた回転センサ22 の検出部25により、多極磁石23のN極27aおよびS 極27bの磁力の変化を読取る。このようにして 、回転検出装置21は、回転軸の回転数等を検 する。

 なお、多極磁石23を覆うように、多極磁 23の軸受外方側、すなわち、回転センサ22が 置する側に、非磁性材料から構成される保 カバーを設けることにしてもよい。こうす ことにより、砂塵等の異物との接触による 極磁石23の摩耗を低減することができる。 の場合、後述するように、多極磁石23の磁気 特性が良好であるため、多極磁石23と検出部2 5との間の距離を長くしても、検出部25は、適 切に多極磁石23の磁力の変化を読取ることが きる。また、多極磁石23と検出部25との間の 距離が長いため、かみ込んだ砂塵等の排出を 容易にすることができる。

 次に、磁気エンコーダ16の製造装置の構 について説明する。図3は、磁気エンコーダ1 6の製造装置の概略断面図である。なお、図3 においては、紙面上側を上方向とする。図3 を参照して、磁気エンコーダ製造装置51は、 界をかけながら加熱圧縮成形をすることが きる。磁気エンコーダ製造装置51は、圧力 かける加圧手段としてのプレス52と、可動プ レート54aに取り付けられた可動軸55aと、可動 プレート54aを支持する支柱53と、固定プレー 54bに取り付けられた固定軸55bとを含む。可 プレート54aの上方には、プレス52が取り付 られており、プレス52によって、可動プレー ト54aおよび可動軸55aは、下方向に移動し、荷 重を負荷することができる。

 また、磁気エンコーダ製造装置51は、可 軸55aおよび固定軸55bの先端に取り付けられ 後述する多極磁石の素材となる未加硫の磁 ゴムを収容する収容部としての金型中子71と 、金型中子71の周辺に配置される金型部60と 金型部60の周りに配置され、金型部60および 型中子71を加熱する加熱手段としてのヒー 58と、金型部60の上下方向に配置され、金型 60からの伝熱を遮断するための断熱プレー 59と、断熱プレート59の上下方向に配置され 冷却ジャケット管57と、冷却ジャケット管57 の上下方向に配置され、所定の方向の磁界を 発生させる磁界発生手段としてのコイル56と 含む。

 冷却手段としての冷却ジャケット管57は パイプ61を通じて送られるクーラー62からの 媒により、コイル56を冷却する。断熱プレ ト59は、金型部60からのコイル56への伝熱を 減する。なお、支柱53、可動プレート54a、固 定プレート54b、可動軸55aおよび固定軸55bは、 磁性材料で構成されており、冷却ジャケット 管57および金型部60は、非磁性材料で構成さ ている。なお、図3において、ハッチングで す部分は、磁性材料で構成された部材であ 。

 図4は、金型中子71の断面図である。図5は 、金型中子71の斜視図である。図6は、金型中 子71に含まれる下金型中子72bの斜視図である 図3~図6を参照して、金型中子71は、上金型 子72aと、上金型中子72aに対面する下金型中 72bから構成されており、それぞれ厚みを有 る円板状である。上金型中子72aの中央部に 、厚み方向に凹んだ凹部75aが設けられてい 。下金型中子72bの中央部には、厚み方向に らんだ凸部75bが設けられている。金型中子71 は、上金型中子72aに設けられた凹部75aと、下 金型中子72bに設けられた凸部75bとを嵌め合わ せるようにして配置される。なお、上金型中 子72aおよび下金型中子72bにより、多極磁石23 外形形状が形成される。

 上金型中子72aおよび下金型中子72bはそれ れ、磁性材料74および非磁性材料73から構成 されている。非磁性材料73は、上金型中子72a よび下金型中子72bの径方向中央側および外 側に配置されており、磁性材料74は、径方 において非磁性材料73に挟まれた部分に配置 される。上金型中子72aおよび下金型中子72bを 嵌め合わせたとき、上下方向において、それ ぞれ磁性材料74同士および非磁性材料73同士 位置するよう構成されている。なお、上金 中子72aおよび下金型中子72bに設けられた磁 材料74同士が最も近接する位置は、磁性材料 74が位置する領域において、径方向の中央側 近いことが好ましい。こうすることにより 磁性ゴムを加硫する際に、この位置におい 磁束密度を高めることができる。

 下金型中子72bにおいて、磁性材料74から 成される部分は、厚み方向に凹んでおり、 リンガ64を取り付けることができる。スリン ガ64を取り付けた下金型中子72bを上金型中子7 2aに嵌め合わせたとき、スリンガ64の上下方 には、磁性材料74が配置される。この場合、 スリンガ64は、多極磁石を保持する面65を上 として取り付けられる。

 なお、理解の容易の観点から、図3に示す 磁気エンコーダ製造装置51は、一つの金型中 71を備えた構成としているが、複数の金型 子71を取り付けることにより、磁気エンコー ダを同時に成形することができる。すなわち 、複数の金型中子71を左右方向に並列するよ に配置させて取り付け、一度の成形で多数 の磁気エンコーダを形成することができる

 コイル56への通電により、磁気エンコー 製造装置51において磁界を発生させることが できる。ここで、上記したように、磁気エン コーダ製造装置51を構成する部材は、磁性材 または非磁性材料で構成されているため、 気エンコーダ製造装置51において、図3中の 点鎖線で示す矢印IIIの方向に磁界のループ 形成することができる。このようにして、 型中子71内の所定の位置、具体的には、磁 材料74から構成されている部分の磁界を密に して、加熱圧縮成形を行う。こうすることに より、加熱圧縮成形時において、磁性ゴムに 含まれる磁性粉を高度に配向させることがで きる。なお、このような加熱圧縮成形におい ては、材料、すなわち、未加硫の磁性ゴムの 流動中に、磁性ゴム内の各部において、磁性 粉を磁界に沿って配向させることができる。 ここで、磁界をかけた射出成形によると、例 えば、材料の流れる端部側において、磁界の 方向と異なる方向に磁性粉が配向してしまう 。しかし、加熱圧縮成形によると、そのよう な恐れを低減することができる。

 次に、磁気エンコーダ16を製造する方法 ついて、説明する。まず、ヒータ58により加 硫温度に金型中子71を加熱した後、金型中子7 1内にスリンガ64を配置させる。スリンガ64の ち、磁性ゴムが位置する面65は、シランカ プリング処理されている。シランカップリ グ処理を行うシランカップリング剤は、ケ 素原子と、ケイ素原子に結合し、無機材料 結合する加水分解基と、アルキル基を介し ケイ素原子に結合し、有機材料と結合する 機官能基とを有する。シランカップリング 理は、例えば、アルコール、アルコールと との混合液、または、トルエン等の溶剤で 0.1~5重量%に希釈されたシランカップリング を用い、スプレー法やディッピング法等に って、面65を処理することにより行われる。

 スリンガ64のうち、磁性ゴムが位置する 65には、シランカップリング処理を施した後 、加硫接着剤を塗布しておく。次に、予め準 備された未加硫の磁性ゴム63を、下金型中子7 2b内のうち、スリンガ64の上部側、すなわち 加硫接着剤が塗布された面65側にセットする 。未加硫の磁性ゴム63は、図7に示すように、 予め一時的にリング状に成形されている。

 その後、可動プレート54aを下方向に移動 せて加圧し、磁性ゴム63の加熱圧縮成形を う。ここで、コイル56に通電して、磁界を発 生させ、磁界をかけながら成形を行う。所定 の時間を経過した後、コイル56への通電を停 する。その後、可動プレート54aを上方向に 動させ、磁気エンコーダを金型中子71から り外す。この場合、磁性ゴム63は、加硫接着 剤によってスリンガ64の面65に接着保持され いる。その後、加硫させた磁性ゴム63に対し て、必要に応じて所定温度、所定時間で熱処 理を行い、着磁ヨークによって多極に着磁し て多極磁石とし、所望の磁気エンコーダを得 る。

 上記した構成の磁気エンコーダ製造装置5 1によると、未加硫の磁性ゴムを金型中子71に 収容し、ヒータ58およびプレス52によって加 圧縮成形により形成する際に、コイル52によ り発生させた磁界を金型中子71の所定の方向 かけながら加熱圧縮成形を行うことができ 。そうすると、未加硫の磁性ゴム中におけ 磁性粉の配向に関わらず、磁性粉を所定の 向に高度に配向させて、磁性ゴムを加硫さ ることができる。したがって、未加硫の磁 ゴムの製造コストを低減することができ、 気エンコーダを安価に製造することができ 。

 ここで、得られた多極磁石の密度、すなわ 、加硫させた磁性ゴムの密度を、3.40g/cm 3 以上3.80g/cm 3 以下とすることが好ましい。密度が3.40g/cm 3 未満であると、保護カバーを取り付けてギャ ップが大きくなったときに、磁力を適切に検 出することができない恐れがあるためである 。また、密度が3.80g/cm 3 よりも高いと、加熱圧縮成形による附型が困 難となり、成形性が悪化する恐れがあるため である。多極磁石の密度は、素材となる材料 や配合比率によって左右されるが、例えば、 磁性粉の含有量を変更して、所望の値を得る ことができる。

 また、得られた多極磁石中の磁性粉の配 度、すなわち、加硫させた磁性ゴム中の磁 粉の配向度を、0.8以上とすることが好まし 。配向度が0.8未満であると、多極磁石の磁 密度が低くなり、保護カバーを取り付けて ャップが大きくなったときに、磁力を適切 検出することができない恐れがあるためで る。配向度は、素材となる材料や配合比率 よって左右されるが、例えば、上記した加 圧縮成形において、かける磁界の大きさを 更して、所望の値を得ることができる。

 次に、磁気エンコーダに含まれる多極磁 を構成する磁性ゴムについて、説明する。 記したように、多極磁石は、未加硫の磁性 ムを加熱圧縮成形し、加硫された磁性ゴム 多極に着磁することにより形成される。未 硫の磁性ゴムは、ゴム組成物、磁性粉、軟 剤(プロセスオイル)、亜鉛華、老化防止剤 加硫剤および共架橋剤を含む。また、ゴム 成物は、固形ゴムと、液状ゴムとを含む。

 ここで、ゴム組成物としては、天然ゴム ポリイソブチレン、ポリイソプレン、イソ レンーイソブチレンゴム(ブチルゴム)、ス レンーブタジエンゴム、スチレンーイソブ レンースチレンゴム(SBS)、スチレンーイソプ レンースチレンゴム(SIS)、スチレンーエチレ ーブチレンースチレンゴム(SEBS)、エチレン プロピレンターポリマー(EPDM)、アクリロニ リルーブタジエンゴム(NBR)、水素化NBR(H-NBR) フッ素ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴ 、クロロプレンゴム、クロルスルホン化ポ エチレン、エピクロルヒドリンゴム、ウレ ンゴム、多硫化ゴム等が挙げられる。

 なお、上記した自動車用の磁気エンコー としては、NBR、H-NBRおよびアクリルゴムが ましい。NBRは、ニトリル基の含有量に応じ 、極高ニトリルゴム(ニトリル基含有量43重 %以上)、高ニトリルゴム(ニトリル基含有量36 ~42重量%)、中高ニトリルゴム(ニトリル基含有 量31~35重量%)、中ニトリルゴム(ニトリル基含 量25~30重量%)、低ニトリルゴム(ニトリル基 有量24重量%以下)に大別される。上記用途に 用される場合、耐油性向上の観点から、ニ リル基含有量31重量%以上とすることが好ま い。さらに、コスト等を考慮すると、中高 トリルゴムを用いることが好ましい。NBRの 販品としては、Nipol1042(中高ニトリル)、Nipol 1041(高ニトリル)、Nipol1043(中ニトリル)、Nipol13 12(液状NBR)(いずれも日本ゼオン(株)製)等が挙 られる。

 未加硫の磁性ゴムを加硫させる加硫剤と ては、パーオキサイド系加硫剤を用いるこ が好ましい。こうすることにより、低温加 によって、未加硫の磁性ゴムを加硫させる とができる。そうすると、加熱圧縮成形時 おいて、温度上昇を抑制しながら、磁気エ コーダを製造することができる。したがっ 、量産性を考慮した連続成形を行うことが き、磁気エンコーダの生産性を良好にする とができる。

 ゴム組成物としてNBRを用いた場合のパー キサイド系加硫剤としては、ケトンパーオ サイド系、パーオキシケタール系、ハイド パーオキサイド系、ジアルキルパーオキサ ド系、パーオキシエステル系、パーオキシ カーボネート系、ジアシルパーオキサイド 加硫剤が挙げられる。特に、上記したよう 低温加硫には、パーオキシケタール系が好 しい。また、その配合は、固形ゴム100重量 に対し、10重量部以上含有させることが好 しい。パーオキシケタール系架橋剤の市販 としては、パーヘキサC40(1,1ジ(t-ブチルパー キシ)シクロヘキサン、日本油脂(株)製)等が 挙げられる。また、ジアシルパーオキサイド 系架橋剤の市販品としては、パーカドックス CH-50L(ジベンゾイルパーオキサイド、化薬ア ゾ(株)製)等が挙げられる。

 また、加硫剤として、硫黄を用いること できる。硫黄の市販品としては、硫黄(鶴見 化学工業(株)製)等が挙げられる。さらに、加 硫促進剤を用いることにしてもよい。加硫促 進剤としては、例えば、チラウム系の加硫促 進剤が挙げられる。チラウム系の加硫促進剤 の市販品としては、ノクセラーTTや、ノクセ ーCZ(いずれも大内新興化学工業(株)製)等が げられる。

 また、加硫剤と併用して、共架橋剤を用 ることにしてもよい。こうすることにより より効率的に磁性ゴムを加硫させることが きる。共架橋剤としては、アミンポリサル ァイド系、ビスマレイミド系、チラウム系 メタクリル酸高級エステル、メタクリル酸 金属塩、トリアジンチオール系等が挙げら る。特に、上記したような低温加硫に用い には、ビスマレイミド系共架橋剤が好まし 。また、その配合は、固形ゴム100重量部に し、10重量部以上含有させることが好まし 。ビスマレイミド系共架橋剤の市販品とし は、バルノックPM(N,N’-m-フェニレンビスマ イミド、大内新興化学工業(株)製)等が挙げ れる。チラウム系共架橋剤の市販品として 、ノクセラーTT(テトラメチルチラウムジス フィド、大内新興化学工業(株)製)等が挙げ れる。メタクリル酸金属塩の市販品として 、サンエステルSK-30(ジンクメタクリレート 三新化学工業(株)製)等が挙げられる。メタ リル酸高級エステルの市販品としては、サ エステルTMP(トリメチロールプロパントリメ クリレート)等が挙げられる。トリアジンチ オール系の市販品としては、ジスネットDB(2- ブチルアミノ-4,6-ジメルカプト-s-トリアジ 、三協化成(株)製)等が挙げられる。

 なお、軟化剤(プロセスオイル)の市販品 しては、シンタックHA-35(神戸油化学工業(株) 製)等、亜鉛華の市販品としては、酸化亜鉛( 化学工業(株)製)等、老化防止剤の市販品と ては、ノクラックCD(4,4’-ビス(α、α-ジメチ ルベンジル)ジフェニルアミン、大内新興化 工業(株)製)、内部離型剤の市販品としては EG-ROLL(積工化学(株)製)等が挙げられる。なお 、内部離型剤として、ステアリン酸等を用い てもよい。

 また、上述したように、磁性ゴムは加熱 縮成形時に加硫接着剤によってスリンガに 着して保持されるが、加硫接着剤としては フェノール樹脂を接着剤成分とするフェノ ル樹脂系接着剤が好ましい。フェノール樹 系接着剤としては、接着剤成分として、ノ ラック型フェノール樹脂、レゾール型フェ ール樹脂、およびこれらのフェノール樹脂 合物を含む接着剤が挙げられる。ノボラッ 型フェノール樹脂は、フェノール類とホル アルデヒドとを酸性触媒(塩酸、しゅう酸等 )の存在下で反応させることによって得られ 。この場合のフェノール類としては、フェ ール、m-クレゾール、m-クレゾールとp-クレ ールとの混合物、ビスフェノールA等が用い れる。レゾール型フェノール樹脂は、ビス ェノールAとホルムアルデヒドとを塩基性触 媒(アルカリ金属、マグネシウムの水酸化物 )の存在下で反応させることにより得られる

 フェノール樹脂系接着剤の市販品として 、シクソン715(ロームアンドハース社製)、 タロックN10、メタロックN15、メタロックN15D メタロックN31、メタロックNT、メタロックPA (いずれも東洋化学研究所製)、ケムロックTS16 77-13(ロッドファーイースト社製)等が挙げら る。また、フェノール樹脂とエポキシ樹脂 を含有する接着剤としては、メタロックXPH-2 7(東洋化学研究所製)等が挙げられる。さらに 、フェノール樹脂と合成ゴムとを含有する接 着剤としては、メタロックC12、メタロックN20 、メタロックN20D、メタロックN23、メタロッ P(いずれも東洋化学研究所製)等が挙げられ 。

 また、シランカップリング処理を行う際 使用されるシランカップリング剤の市販品 しては、KBM-903(アミノ基)、KBM-803(メルカプ 基)、KBM-5103(アクリロキシ基)、KBE-846(スルフ ド基)、KBM-1003(ビニル基)、KBM-403(エポキシ基 )、KBM-1403(スチリル基)、KBM-503(メタクリロキ 基)、KBE-585(ウレイド基)、KBM-703(クロロプロ ル基)(いずれも、信越化学工業(株)製)等が挙 げられる。

 磁性粉は、バリウム系フェライト、スト ンチウム系フェライトのようなハードフェ イトやソフトフェライトを用いることがで る。これらフェライト粉は、顆粒状の粉体 あってもよく、異方性のフェライト粉であ てもよい。さらに、上記した加熱圧縮成形 おいて、金型内での流動中の粒子抵抗がよ 小さい粒子形状を有する磁場配向用の異方 フェライトを用いてもよい。また、磁性粉 、希土類系磁性材料であってもよい。例え 、サマリウム鉄(SmFeN)系磁性粉、ネオジウム 鉄(NdFeB)系磁性粉、サマリウムーコバルトの ずれかの単独磁性粉であってもよい。さら 、このような希土類系磁性粉を2種以上混合 たものでもよい。さらに、上記したフェラ ト粉のみでは磁力が不足する場合、サマリ ム鉄系磁性粉やネオジウム鉄系磁性粉等の 土類系磁性粉をフェライト粉に混合しても い。こうすることにより、磁力向上を図り つ、安価に製造することができる。フェラ トの市販品としては、FA600(戸田工業(株)製) が挙げられる。

 なお、磁性粉の含有量は、固形ゴム100重 部に対し、1350重量部以上とすることが好ま しい。こうすることにより、より高い磁束密 度を得ることができる。一方、含有比率が高 くなると、バインダとしてのゴム成分の量が 相対的に低下し、成形性が悪化してしまうこ とになる。したがって、磁性粉の含有量は、 1800重量部未満とすることが好ましい。

 また、加熱圧縮成形時にかける磁界の強 は、80000A/m以上800000A/m以下とすることが好 しい。80000A/mよりも小さいと、得られた磁気 エンコーダの磁束密度が低くなる恐れがある ためである。また、磁界は、800000A/m程度で飽 和し、800000A/mよりも大きくすると、コイルの 発熱が大きくなってしまうからである。

 ここで、上記した磁性ゴムの加硫時間にお るスコーチ時間t 10 は、0.5分以上であり、加硫時間における適正 加硫時間t 90 は、20分以下である。このような磁性ゴムに ると、適正な加硫時間で未加硫の磁性ゴム 加硫させることができる。

 図8は、磁性ゴムの加硫曲線を示すグラフ である。図8において、縦軸は、トルク(荷重) を示し、横軸は、加硫時間を示す。このよう な加硫曲線は、キュラストメーターV型(日合 事(株))により得ることができる。

 ここで、スコーチ時間t 10 等の定義について説明する。まず、図8に示 ような所定の加硫温度における加硫曲線を る。そして、加硫曲線のうち、その最小の ルクをM L 、最大のトルクをM H とし、このM L とM H とを通り、時間軸に平行な直線L 1 、L 2 を引く。この二直線L 1 、L 2 間の距離をM E とすると、M E =M H -M L となる。ここで、M L +10%M E を通り、時間軸に平行な直線L 3 を引く。この直線L 3 と加硫曲線との交点の時間が、スコーチ時間 t 10 となる。また、ここで、M L +90%M E を通り、時間軸に平行な直線L 4 を引く。この直線L 4 と加硫曲線との交点の時間が、加硫適正時間 t 90 となる。

 上記した磁気エンコーダ製造装置51を用い 磁気エンコーダを加熱圧縮成形において製 する場合、スコーチ時間t 10 が0.5分よりも短いと、金型に磁性ゴムをセッ トしている間に加硫が始まってしまい、本来 の附形ができない恐れがある。すなわち、加 熱圧縮成形によって適切に成形することがで きないことになる。特に、複数の金型を用い て同時に成形し、多数個を一時に製造する場 合に、その傾向が顕著となる。一方、適正加 硫時間t 90 が20分よりも長いと、サイクルタイムが長く るばかりか、磁界をかける時間が長くなり コイルへの通電によるジュール熱の発生や 熱によりコイルの温度上昇を引き起こす恐 がある。したがって、磁性ゴムの加硫温度 おけるスコーチ時間t 10 を、0.5分以上とし、加硫温度における適正加 硫時間t 90 を、20分以下とすることにより、連続成形を 率的に行うことができる。

 ここで、磁気エンコーダの配合および評 を、表1~表13に示す。なお、磁場成形条件等 を以下に示す。

 磁場成形条件については、磁性ゴムを150 に加温した金型内にセットし、金型を閉じ 加熱圧縮直後から20分間印加し、磁界をか た。磁界の印加を停止した後、さらに10分間 金型内において保持した。加熱圧縮成形は、 合計30分とした。特に表中に記載していない 合については、100000A/mで印加した。

 耐油性試験については、JIS No.3相当のオ ルのIRM903を用いて、100℃、72時間浸漬後の 積変化率で判定した。表中の○は、±5%以下 あり、×は、±5%を超えた場合を示す。

 加硫特性については、キュラストメーターV 型(日合商事(株)製)を用いて、温度150℃、測 時間30分で加硫度を測定した。得られた加硫 曲線から、スコーチ時間t 10 および適正加硫時間t 90 を求めた。

 磁束密度については、磁場成形により得 れた磁気エンコーダ(外径φ78mm、内径φ68mm、 磁性ゴム部の厚み1.1mm)を45対90極に多極着磁 た後、磁気特性検査装置TMW-EC14L(東洋磁気工 (株)製)を用いて、ギャップ2mmで磁束密度を 定した。表中の○は、12mT以上であり、×は 12mTよりも低い値を示す。

 接着性については、JIS Z2371に準拠した塩 水通電試験で評価した。アルミニウム板を+ 、JIS K-6256 90°剥離用試験片を-極として、30 ℃の5%食塩水中で2Aの定常電流を印加し、12時 間後のゴム接着性を評価した。接着性の評価 については、接着剤界面での剥離がなく、磁 性ゴム部で破断したものを表中の○で示し、 接着剤界面での剥離があったものを表中の× 示した。

 密度測定については、以下の通りである。J IS R3503に示されるピクノメーター(比重瓶、 び容量50ml)を用いて計測した。まず、容器を 洗浄、乾燥させて容器の質量M 1 を測定した。この容器に、磁気エンコーダに より削り取った磁性ゴムを容器の高さの1/4程 度までの量を入れて、その時の質量M 2 を測定した。質量(M 1 -M 2 )が磁性ゴム自体の質量となる。次に、磁性 ムを入れた容器に磁性ゴム粉が全部浸るよ 少し多めに蒸留水を入れ、この状態で真空 器に投入した。そして、真空容器を10kPa程度 まで減圧して粒子に付着している空気の脱気 を行い、この脱気を磁性ゴム粉から気泡が発 生しなくなるまで行なった。その後、真空容 器から取り出し、液温が室温になるまで放置 した後、容器の規定量まで蒸留水を追加して 、その時の質量M 3 を測定した。次に、容器から磁性ゴムおよび 蒸留水を取り出して、洗浄、乾燥後、再度蒸 留水だけ容器に規定量まで入れて質量M 4 を測定した。別途、測定温度における蒸留水 の密度ρ L は、化学便覧(改訂4版、丸善(株)刊)基礎編5章 表5.2から補間して求めた。なお、磁性ゴムの 密度ρ(g/cm 3 )は、以下の数1で示す式で算出した。

 成形性については、上記した加熱圧縮成 により多極磁石として適切に附型できるか うかを評価し、適切に附型できたものを○ できなかったものを×で示した。

 磁気特性については、上記した加熱圧縮 形により得られた磁気エンコーダ(外径φ78mm 、内径φ68mm、磁性ゴム部の厚み1.1mm)を45対90 に多極着磁した後、厚み0.4mmのSUS製の保護カ バーを装着し、磁気特性検査装置TMW-EC14L(東 磁気工業(株)製)を用いて、保護カバーの表 からギャップ2.0mmで磁束密度を測定した。表 中の○は、5mT以上であり、×は、5mTよりも低 値を示す。

 配向度の評価については、以下の数2で示す 式で算出した。この式中の分母は、(4π×飽和 磁化×密度)×磁性粉の体積分率で算出される ここで、ストロンチウム系フェライトの場 は、密度がその真密度である5.11g/cm 3 であるとき、4π×飽和磁化×密度=4650(G)となる 。また、Brは、アキシャル方向にストレート( 単極)に飽和着磁した磁気エンコーダの表面 束密度(G)である。

 なお、上記した磁性粉の体積分率、すな ち、加硫された磁性ゴム中における磁性粉 体積分率は、例えば、磁性ゴムの質量や、 1により得られた磁性ゴムの密度等によって 算出することができる。

 なお、以下に示す表においては、配合お び評価を複数回記載しているものもある。

 表1~表2を参照して、No.1~No.9では、いずれも コーチ時間t 10 が0.5分以上、適正加硫時間t 90 が20分以下であり、加硫特性が良好であった 一方、No.10、No.11では、適正加硫時間t 90 が20分以上、No.12、No.13では、それぞれスコー チ時間t 10 が20秒、25秒であり、加硫特性が劣っていた また、No.14~No.16についても、それぞれ適正加 硫時間t 90 が20分以上であり、加硫特性が劣っていた。 たがって、良好な加硫特性を要求する場合 は、No.1~No.9に示す配合例を選択することが ましい。なお、No.9については、耐油性が劣 っていた。したがって、上記した自動車用に 使用される場合には、耐油性が良好なものを 選択することが好ましい。

 表3~表4を参照して、No.17~No.29では、磁束 度が12mT以上であり、磁気特性が良好であっ 。一方、No.32~No.34については、磁束密度が12 mTよりも低く、磁気特性が劣っていた。また No.30については、磁性粉の量が多すぎて、 形性が劣っていた。No.31については、コイル の発熱量が多く、量産性を考慮した成形性が 劣っていた。ここで、No.17~No.24では、磁性粉 含有量が多いため、より確実に磁束密度を めることができる。したがって、良好な磁 特性および成形性が要求される場合には、N o.17~No.24に示す配合例を選択することが好ま い。

 表5を参照して、シランカップリング処理 を施したNo.41~No.48では、接着性が良好である に対し、シランカップリング処理を施して ないNo.49、No.50では、接着性が悪化している 。

 表6~表7を参照して、No.51~No.58、No.62、No.63で 、いずれもスコーチ時間t 10 が0.5分以上、適正加硫時間t 90 が20分以下であり、加硫特性が良好であった 一方、No.59、No.60、No.61では、それぞれスコ チ時間t 10 が0.5分よりも短い、または、適正加硫時間t 90 が20分よりも長く、加硫特性が劣っていた。 たがって、良好な加硫特性を要求する場合 は、No.51~No.58、No.62、No.63に示す配合例を選 することが好ましい。なお、No.63について 、耐油性が劣っていた。したがって、上記 た自動車用に使用される場合には、耐油性 良好なものを選択することが好ましい。

 表8~表9を参照して、No.64~No.76、No.78では、 磁束密度が12mT以上であり、磁気特性が良好 あった。一方、No.77~No.81については、磁束密 度が12mTよりも低く、磁気特性が劣っていた また、No.77については、磁性粉の量が多すぎ て、成形性が劣っていた。No.78については、 イルの発熱量が多く、量産性を考慮した成 性が劣っていた。ここで、No.69~No.76では、 性粉の含有量が多いため、より確実に磁束 度を高めることができる。したがって、良 な磁気特性および成形性が要求される場合 は、No.69~No.76に示す配合例を選択することが 好ましい。

 表10~表11を参照して、密度が3.40g/cm 3 以上3.80g/cm 3 以下であるNo.91~No.98、No.103、No.104では、成形 および磁気特性が良好である。これに対し 密度が3.40g/cm 3 未満のNo.99、No.101では、磁気特性が劣ってい 。また、密度が3.80g/cm 3 よりも大きいNo.100、No.102では、成形性が劣っ ている。なお、No.104については、耐油性が劣 っている。したがって、上記した自動車用に 使用される場合には、耐油性が良好なものを 選択することが好ましい。

 表12~表13を参照して、配向度が0.8以上で るNo.111~No.118、No.121、No.122では、磁気特性が 好である。これに対し、配向度が0.8未満のN o.119、No.120では、磁気特性が劣っている。な 、No.122については、耐油性が劣っている。 たがって、上記した自動車用に使用される 合には、耐油性が良好なものを選択するこ が好ましい。

 このような磁気エンコーダを含む転がり 受は、自動車用の車軸の支持構造に備えら る。図9は、車軸支持構造を示す概略断面図 である。図9を参照して、車軸支持構造81は、 車軸(図示せず)と共に回転するハブ輪82と、 軸を支持する転がり軸受91とを含む。ハブ輪 82のフランジ84は、ボルト83によって車輪(図 せず)に固定されている。転がり軸受91は、 列アンギュラ玉軸受であり、複列に配置さ る玉92と、内輪93と、外輪94と、保持器95と、 シール96と、磁気エンコーダ(図示せず)とを む。

 内輪93はハブ輪82に固定され、車軸の回転 と共に回転する。外輪94は、外径側に配置さ るハウジング(図示せず)に固定される。ま 、シール96には、多極磁石およびスリンガを 含む磁気エンコーダが含まれており、回転セ ンサ97により、回転数を検出することができ 。

 このように、車軸支持構造81は構成され いる。このような車軸支持構造81は、生産性 が良好である。

 なお、上記の実施の形態においては、転 体として玉を使用した場合について説明し が、転動体として、円筒ころや針状ころ、 状ころ等のころを使用した場合についても 用される。また、シールを含まないタイプ 転がり軸受や、外輪または内輪を含まない がり軸受についても適用される。

 また、上記した磁気エンコーダは、転が 軸受に含まれることにしたが、これに限ら 、滑り軸受に含まれることにしてもよい。 らに、回転軸等に限らず、他の回転部材の 転数等を検出する際にも適用され、検出セ サと共に、回転部材の回転数等を検出する 転検出装置を構成することにしてもよい。

 以上、図面を参照してこの発明の実施形 を説明したが、この発明は、図示した実施 態のものに限定されない。図示した実施形 に対して、この発明と同一の範囲内におい 、あるいは均等の範囲内において、種々の 正や変形を加えることが可能である。

 この発明に係る磁気エンコーダ製造装置 よびその製造方法は、自動車用等、車軸用 転がり軸受に含まれる磁気エンコーダを製 する際に、有効に利用される。

 この発明に係る磁気エンコーダおよび転 り軸受は、自動車用等、車軸用の転がり軸 等に、有効に利用される。