市橋 誠 (〒53 大阪府大阪市中央区本町3丁目3番8号 日本ポリグル株式会社内 Osaka, 5410053, JP)
日本ポリグル株式会社 (〒53 大阪府大阪市中央区本町3丁目3番8号 Osaka, 5410053, JP)
THE UNIVERSITY OF TOKUSHIMA (2-24, Shinkura-cho Tokushima-sh, Tokushima 01, 7708501, JP)
国立大学法人徳島大学 (〒01 徳島県徳島市新蔵町2丁目24番地 Tokushima, 7708501, JP)
| 磁性材製の微粒体とポリマー系の凝集剤とを含有してなる磁性体凝集剤。 |
| 磁性材製の微粒体に、当該微粒体に結合させたケイ素化合物を介して、ポリマー系の凝集剤が結合されてなる、請求項1に記載する磁性体凝集剤。 |
| 磁性材製の微粒体とポリマー系の凝集剤とが混合状態にある合剤である、請求項1に記載する磁性体凝集剤。 |
| 磁性材製の微粒体がフェライトである請求項1に記載する磁性体凝集剤。 |
| 磁性材製の微粒体がマグネタイトである請求項1に記載する磁性体凝集剤。 |
| 磁性材製の微粒体が、平均粒径0.1~20μmを有するものである請求項1に記載する磁性体凝集剤。 |
| ポリマー系の凝集剤が生分解性ポリマーである請求項1に記載する磁性体凝集剤。 |
| ポリマー系の凝集剤が、ポリアミノ酸系凝集剤、多糖類系凝集剤、およびポリアクリル酸系凝集剤、およびポリエチレングリコール系凝集剤からなる群から選択されるいずれかである、請求項1に記載する磁性体凝集剤。 |
| ポリアミノ酸系凝集剤が、ポリグルタミン酸、その塩、またはポリグルタミン酸若しくはその塩の架橋物を有効成分とするものである、請求項8に記載する磁性体凝集剤。 |
| 磁性材製の微粒体の表面にケイ素化合物を結合させる工程、および磁性材製微粒体の表面に結合させたケイ素化合物にポリマー系の凝集剤を結合させる工程を有する、請求項2に記載する磁性体凝集剤の製造方法。 |
| (1)粉末状のポリマー系凝集剤と磁性材製微粒体とを粉体混合して磁性体凝集剤を調製するか、または (2)ポリマー系凝集剤を溶解した水溶液に磁性材製微粒体を混合し、次いで当該混合液を乾燥して、当該乾燥物を破砕する工程を用いて磁性体凝集剤を調製する、 請求項3に記載する磁性体凝集剤の製造方法。 |
| 被処理水中に請求項1~9のいずれかに記載する磁性体凝集剤を添加して分散させ、被処理水中の汚濁物質を吸着した磁性体凝集剤を、磁石に引き寄せる工程を有する、水浄化処理方法。 |
| 被処理水中に請求項1~9のいずれかに記載する磁性体凝集剤を添加して分散させ、次いで被処理水内で磁力を作動させて、被処理水中の汚濁物質を吸着した磁性体凝集剤を当該磁力に引き寄せ吸着させる工程を有する、水浄化処理方法。 |
| 被処理水中に請求項1~9のいずれかに記載する磁性体凝集剤を添加して分散させる工程、および当該磁性体凝集剤を混合した被処理水を、磁力を作動させた回収装置内に流通させて、被処理水中の汚濁物質を吸着した磁性体凝集剤を当該磁力に引き寄せ吸着させる工程を有する、水浄化処理方法。 |
| さらに、被処理水から汚濁物質を吸着した磁性体凝集剤を分離回収する工程を有する、請求項12に記載する水浄化処理方法。 |
| 請求項1~9のいずれかに記載する磁性体凝集剤を、被処理水1Lあたり5~3000mgの割合で用いる、請求項13に記載する水浄化処理方法。 |
| 被処理水がアルミニウムを含有する水であって、当該被処理水からアルミニウムを除去し浄化する方法である、請求項12に記載する水浄化処理方法。 |
本発明は、主として上・下水道施設に於 る水の浄化処理や溜池、沼、河川及び湖等 水の浄化処理に好適に用いられる磁性体凝 剤、およびその製造方法に関する。また本 明は、上記磁性体凝集剤を用いた水の浄化 法に関する。
近年、地球環境の汚染の防止や汚染され 環境の回復が人類社会の緊急の課題となっ おり、なかでも大気の温暖化の防止や水環 の回復および改善は優先的に解決する必要 ある問題となっている。
そのため、水環境保全の分野では、広域 な汚水浄化処理システムの運用によって生 排水や産業排水による河川や沼湖の汚染を 止したり、高能率な排水処理装置や処理薬 の採用により汚染源そのものの減量を図る 策が、広く押し進められている。
例えば、汚染された環境を積極的に回復 るため、アルミニウム系凝集剤やポリアク ルアミド等の合成高分子凝集剤を用いて、 池や沼湖の水を浄化することも行われてい 。しかし、この種の凝集剤は環境への2次汚 染を生じる危険があり、その大量使用には多 くの問題が残されている。
かかるアルミニウム系凝集剤や合成高分子
凝集剤を用いた水処理に於ける諸問題を解
するため、環境汚染を引き起さない自然分
可能な凝集剤として、ポリグルタミン酸や
リグルタミン酸架橋物を主体とする凝集剤
開発され、これを用いた河川や沼湖等の水
浄化処理技術が提案されている(特許文献1~4
等参照)
これらの技術は、河川や沼湖などに凝集剤
添加して攪拌混合することにより、当該凝
剤を核に水内の汚濁物質を付着凝集させ、
集物(フロック)を形成させる方法である。
た形成された凝集物は、時間の経過ととも
互いに付着して一層大型化する。斯くして
成された凝集物は、沈降して河川や沼湖な
の底に到達するまでに回収具で吸着或いは
い取り等して除去される。
しかし、水中に浮遊する凝集物を回収具 より効率よく吸着または掬い取りして除去 ることは難しく、費用、労力およびエネル ー消費などの面で、凝集物の分離除去には くの問題が残されている。除去しきれずに 中に残った凝集物は、最終的には川底や湖 に堆積することになる。川底や湖底に堆積 た凝集物の一部は長時間かかって微生物に り分解されるものの、大部分は川底や湖底 ヘドロ化することになる。また除去しきれ に水中に残った凝集物は、川底や湖底に沈 する前に、風波などの影響を受けて再拡散 ることもあり、浄化効率が低下するという 題がある。
また、上記のような凝集物の分離回収の 題を解決する方法として、あらかじめ磁性 粒子を河川や湖沼などに添加して汚濁物質 磁性体化させ、次いでアルミニウム系凝集 や合成高分子系凝集剤を添加混合し、上記 性体化物を凝集させて、この凝集物を、そ 磁性体の磁力を利用して分離除去する方法 提案されている(特許文献6~7参照)。
しかし、かかる方法は、使用する凝集剤の
が、磁性体粒子を混合しない場合に比して
加するため、凝集剤にかかるコストが上昇
るという問題に加えて、磁性体粒子の混合
程が増えるため処理期間が長くかかり、ま
にそれに伴って費用も増加するという問題
ある。
本願発明は、磁性体凝集剤およびその製 方法を提供することを目的とする。より詳 には、凝集性及び回収性に優れ、河川や湖 などの水浄化処理に用いたときに、被処理 中に含まれる濁りの原因となる藻類やプラ クトンの他、アルミニウムイオンや重金属 の金属イオンを速やかに吸着して凝集物を 成するとともに、形成された凝集物は磁石 どを用いて吸引または固着させることによ 効率よく回収することができる、磁性体凝 剤とその製造方法を提供することを目的と る。また、本発明は、かかる磁性体凝集剤 用いた水の効率的な浄化処理方法を提供す ことを目的とする。
本発明者らは、従前の凝集剤を用いた河川
湖沼などの水浄化処理における問題、具体
には、
(1)回収作業に多くの手数を要する割に、凝集
物の回収率が低いこと、
(2)凝集物の回収率が低いため、回収しきれな
かった多くの凝集物が河川や湖沼の底に堆積
し、ヘドロ化してしまうこと、
(3)気象条件等により被処理溶液が動く場合に
は、凝集物の沈降に時間がかかるうえ、一旦
形成した凝集物が再拡散され、水の浄化処理
効率が著しく低下すること、
等の問題に鑑み、回収作業が簡便且つ効率的
で、しかも一旦形成された凝集物が再拡散し
ないように凝集物を形成することによって、
凝集物の回収率を向上させる方法を開発すべ
く、鋭意検討を行った。そうしたところ、凝
集剤としてポリアミノ酸系凝集剤、多糖類系
凝集剤、ポリアクリル酸系凝集剤、およびポ
リエチレングリコール系凝集剤などといった
ポリマー系の凝集剤を用い、これを磁性材製
の微粒体に化学的に結合させるか、または上
記凝集剤と磁性材製の微粒体(磁性体の微粉
)とをあらかじめ混合させることにより、両
を一体化させてなる磁性体凝集剤を用いる
とにより、上記問題が解消できることを見
した。すなわち、当該磁性体凝集剤によれ
、河川や湖沼などの水に含まれる濁りの原
となる汚濁物や微細な粒子ならびにアルミ
ウムなどの金属等を速やかに吸着すること
でき、また当該吸着に伴い磁性体凝集剤を
にして形成された凝集物(フロック)は、そ
が有する磁性を利用して磁石を用いて強制
に吸引することにより、被処理水から分離
ることができる。このため、水中で形成さ
た凝集物(目に見えるものと目に見えないも
の両方を含む)は、それが再拡散することな
く、短時間に且つ確実に回収除去することが
でき、高い浄化能でもって水の浄化を効率的
に行うことが可能になる。
本発明は、かかる知見に基づいて完成した
のであり、下記の実施形態を有することを
徴とする:
(1)磁性体凝集剤
(1-1)磁性材製の微粒体とポリマー系の凝集
とを含有してなる磁性体凝集剤。
(1-2)磁性材製の微粒体に、当該微粒体に 合させたケイ素化合物を介して、ポリマー の凝集剤が結合されてなる、(1-1)に記載する 磁性体凝集剤。
(1-3)磁性材製の微粒体とポリマー系の凝 剤とが混合状態にある合剤である、(1-1)に記 載する磁性体凝集剤。
(1-4)上記磁性材製の微粒体が、表面にケ 素化合物が結合してなるものである、(1-3)に 記載する磁性体凝集剤。
(1-5)磁性材製の微粒体がフェライトであ (1-1)~(1-4)のいずれかに記載する磁性体凝集剤 。
(1-6)磁性材製の微粒体がマグネタイトで る(1-1)~(1-4)のいずれかに記載する磁性体凝集 剤。
(1-7)磁性材製の微粒体が、平均粒径0.1~20μ mを有するものである(1-1)~(1-6)のいずれかに記 載する磁性体凝集剤。
(1-8)ポリマー系の凝集剤が生分解性ポリ ーである(1-1)~(1-7)のいずれかに記載する磁性 体凝集剤。
(1-9)ポリマー系の凝集剤が、ポリアミノ 系凝集剤、多糖類系凝集剤、ポリアクリル 系凝集剤、およびポリエチレングリコール 凝集剤からなる群から選択されるいずれか ある、(1-1)~(1-8)のいずれかに記載する磁性体 凝集剤。
(1-10)ポリアミノ酸系凝集剤が、ポリグル ミン酸、その塩、またはポリグルタミン酸 しくはその塩の架橋物を有効成分とするも である、(1-1)~(1-7)のいずれかに記載する磁 体凝集剤。
(2)磁性体凝集剤の製造方法
(2-1)磁性材製の微粒体の表面にケイ素化合物
結合させる工程、および磁性材製微粒体の
面に結合させたケイ素化合物にポリマー系
凝集剤を結合させる工程を有する、(1-2)に
載する磁性体凝集剤の製造方法。
(2-2)(i)粉末状のポリマー系凝集剤と磁性材
微粒体とを粉体混合して磁性体凝集剤を調
するか、または
(ii)ポリマー系凝集剤を溶解した水溶液に磁
材製微粒体を混合し、次いで当該混合液を
燥して、当該乾燥物を破砕する工程を用い
磁性体凝集剤を調製する、
(1-3)に記載する磁性体凝集剤の製造方法。
(3)磁性体凝集剤を用いた水浄化方
法
(3-1)被処理水中に(1-1)~(1-10)のいずれかに記載
る磁性体凝集剤を添加して分散させ、被処
水中の汚濁物質を吸着した磁性体凝集剤を
磁石に引き寄せる工程を有する、水浄化処
方法。
(3-2)被処理水中に(1-1)~(1-10)のいずれかに 載する磁性体凝集剤を添加して分散させ、 いで被処理水内で磁力を作動させて、被処 水中の汚濁物質を吸着した磁性体凝集剤を 該磁力に引き寄せ吸着させる工程を有する 水浄化処理方法。
(3-3)被処理水中に(1-1)~(1-10)のいずれかに 載する磁性体凝集剤を添加して分散させる 程、および当該磁性体凝集剤を混合した被 理水を、磁力を作動させた回収装置内に流 させて、被処理水中の汚濁物質を吸着した 性体凝集剤を当該磁力に引き寄せ吸着させ 工程を有する、水浄化処理方法。
(3-4)さらに、被処理水から汚濁物質を吸 した磁性体凝集剤を分離回収する工程を有 る、(3-1)~(3-3)のいずれかに記載する水浄化処 理方法。
(3-5)(1-1)~(1-10)のいずれかに記載する磁性 凝集剤を、被処理水1Lあたり5~3000mgの割合で いる(3-1)~(3-4)のいずれかに記載する水浄化 理方法。
(3-6)被処理水がアルミニウムを含有する であって、当該被処理水からアルミニウム 除去し浄化する方法である、(3-1)~(3-5)のいず れかに記載する水浄化処理方法。当該方法は 、「(3-1)~(3-5)のいずれかに記載する水浄化処 方法を用いることを特徴とする、被処理水 らアルミニウムを除去する方法。」と言い えることができる。
本発明の磁性体凝集剤によれば、被処理 を処理することによって当該処理水中で形 された凝集物(目に見えない微小物を含む) 磁力を用いて簡便に且つ効率よく高収率で 着回収することが可能となり、短時間で高 浄化効果をもって水を浄化することが可能 なる。また、磁性体凝集剤によれば、被処 水が気象条件等の変動により動いても、凝 物が再拡散されるようなことがなくなり、 定した水の浄化処理が可能になる。
また本発明の磁性体凝集剤によれば、被 理水に磁性体粒子と凝集剤とを別個に投入 て処理する従来の方法に比べて、凝集性能 よび凝集物の回収効率に優れており、その 果、少量の凝集剤を用いて短時間で、効率 く水浄化を行うことが可能である。このた 、水浄化にかかる費用を大幅に削減するこ ができる。本発明の磁性体凝集剤が高い凝 性能を有する理由は定かでないものの、磁 材製微粒体とポリマー系凝集剤とを結合ま は混合により一体化させることにより、ポ マー系凝集剤の凝集能が向上したものと考 られる。
(1)磁性体凝集剤およびその製造方
法
本発明の磁性体凝集剤は、磁性材製の微粒
とポリマー系の凝集剤とを含有してなるこ
を特徴とする。
ここで磁性材としては、フェライト、およ 酸化クロムやコバルト等のフェライト以外 磁性材料を挙げることができる。シラン化 物との結合性の点から、好ましくはフェラ トである。フェライトとしては、スピネル ェライト、六方晶フェライトおよびガーネ トフェライトが含まれるが、好ましくは「X II O・Fe 2 O 3 」(式中、XはFe、Mn、Ni、Zn、Co、Cu、Mg、Sn、Ca たはCdである)で示されるスピネルフェライ であり、より好ましくは磁鉄鉱とも称され マグネタイト(Fe 3 O 4 、上記式中、X II 部位の元素がFeになったもの)である。なお、 マグネタイト(Fe 3 O 4 )の表面に酸化を抑制する耐酸化性被膜を施 ことは材料の安定性を向上させるうえで有 であり、本発明においても磁性材として同 に使用できる。耐酸化性被膜としては、例 ば亜鉛フェライト(ZnFe 2 O 4 )等を挙げることができる。
磁性材は微粒体の形態を有することが好 しい。その粒径は特に制限されないが、平 粒径として通常0.01~20μm、より好ましくは0.1 ~20μmである。なお、ここでいう平均粒径は、 レーザー回折法によって測定される値を意味 する。
本発明において使用される、ポリマー系 凝集剤は、シラン化合物と共有結合するこ ができると共に、被処理水中に含まれる汚 物質を吸着して凝集する性質を備え、また 水性があり水に容易に溶解若しくは拡散す 性質を有するポリマーであることが好まし 。
ここで対象とする「汚濁物質」には、本 明において浄化処理対象とする、例えば河 水、湖沼水、地下水、雨水などの飲料用原 ;食品加工や発酵工業などにおいて使用され る食品排水;池や堀や噴水などの観賞用水;プ ルなどの水泳用水;都市下水や家庭排水、産 業廃水などの被処理水に含まれる、BOD成分、 COD成分、浮遊物質(以下、「SS(Suspended Solids) ともいう)、およびアルミニウム、クロム、 ドミウム、水銀、亜鉛、およびヒ素などの 属イオンが含まれる。なお、上記BOD成分と 生物化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand )を生じる原因物質であり、COD成分とは化学 酸素要求量(Chemical Oxygen Demand)を生じる原因 物質を意味する。
かかるポリマー系の凝集剤としては、ポ アミノ酸系凝集剤、多糖類系凝集剤、ポリ クリル酸系凝集剤、およびポリエチレング コール系凝集剤を挙げることができる。中 もポリアミノ酸系凝集剤および多糖類系凝 剤は、生分解性を備えたポリマーとして好 な凝集剤である。特に好ましくは、磁性材 微粒体と組み合わせて使用した場合に、被 理水中に含まれる汚濁物質に対して優れた 着性および凝集性を発揮するポリアミノ酸 凝集剤である。
ここでポリアミノ酸系凝集剤には、ポリ ミノ酸、ポリアミノ酸の塩、ポリアミノ酸 導体、またはポリアミノ酸、その塩もしく その誘導体の架橋物を使用することができ 。好ましくはポリアミノ酸、ポリアミノ酸 塩、およびポリアミノ酸もしくはその塩の 橋物である。
これらのポリアミノ酸等を構成するアミ 酸としては、具体的にはグリシン、アラニ 、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロ シン、イソロイシン、フェニルアラニン、 ロシン、ジョードチロシン、スリナミン、 レオニン、セリン、プロリン、ヒドロキシ ロリン、トリプトファン、チロキシン、メ オニン、シスチン、システイン、α-アミノ 酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジ 、ヒドロキシリジン、アルギニン、および スチジンを挙げることができる。好ましく グルタミン酸およびアスパラギン酸であり より好ましくはグルタミン酸である。
一般に、アミノ酸の構造式はNH 2 (COOH)-CH-Rで表される。本発明で使用されるポ アミノ酸またはその塩には、同一アミノ酸 鎖状に重合したホモポリマーと複数種のア ノ酸が鎖状に重合したヘテロポリマーの両 が含まれる。いずれのポリアミノ酸も、中 ある水素原子Hや酸素原子Oが水と水素結合 るため、ポリアミノ酸は表面に水を吸着す 親水性を有している。尚、ポリアミノ酸は 種々の製造方法により生産することができ 特に制限されないが、微生物により生産さ たポリアミノ酸は天然物質であり、安全性 観点からも好適なものである。
ポリアミノ酸の塩としては、ナトリウム カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウ やマグネシウムなどのアルカリ土類金属塩 ならびにアンモニウム塩などを挙げること できる。好ましくはナトリウムやカリウム どのアルカリ金属塩である。
ポリアミノ酸またはその塩の架橋物は、通 、ポリアミノ酸またはその塩を放射線照射 ることによって調製することができる。ポ アミノ酸を放射線照射すると、例えば、ポ アミノ酸の中にあるCH 2 が脱水素反応によりCH-となり、2本のポリア ノ酸のCH-同士がCH-HCと結合して架橋体を形成 する。多数のポリアミノ酸同士が放射線で架 橋すると網目構造になり、この網目構造の内 部に袋状の空間が多数形成される。この袋状 の空間に水分子を吸収保存することができ、 その結果ポリアミノ酸よりも大きな保水性を 発揮する。そしてこの袋状の空間に基づく保 水性能に基づいて、被処理水中の汚濁物質を 吸着して凝集させることができるといわれて いる。また、放射線による架橋は、ポリアミ ノ酸を加熱することなく架橋することができ るので、ポリアミノ酸を変性させることなく 、ポリアミノ酸本来の性質を残したまま架橋 物が得られるというメリットがある。
本発明において好適なポリアミノ酸として 、ポリアスパラギン酸、および実施例で示 γ-ポリグルタミン酸を挙げることができる このγ-ポリグルタミン酸は(-OOC-CH 2 -CH 2 -CH(COOH)NH-)nで表される鎖状分子である(上記式 中、nは重合度を示す)。その平均分子量は、 に制限されないが、通常数万~数百万、好ま しくは20万~100万、より好ましくは80万~100万を 例示することができる。
γ―ポリグルタミン酸には、L-グルタミン 酸のホモポリマー、D-グルタミン酸のホモポ マー、これら両ホモポリマーの混合物、お びL-グルタミン酸とD-グルタミン酸との共重 合体(ヘテロポリマー)があり、本発明ではい れも使用することができる。微生物(例えば 、バチルス属に属するバチルス・スブチリス 、バチルス・アントラシス、バチルス・メガ テリウム、バチルス・ナットウなどの菌)が 生するγ―ポリグルタミン酸は、上記ヘテロ ポリマーであり、本発明において好適に使用 することができる。なお、かかるγ―ポリグ タミン酸およびその塩基性塩の製造方法は 特開2002-210307号公報に記載されており、そ を参照することができる。
なお、ポリアミノ酸系凝集剤として使用 れるγ-ポリグルタミン酸またはその塩は、 えば日本ポリグル(株)(大阪、日本)などから 商業的に入手することができる。
また本発明において好適なポリアミノ酸ま はその塩の架橋物としては、上記γ-ポリグ タミン酸またはその塩の放射線架橋物を挙 ることができる。当該架橋物は、上記γ-ポ グルタミン酸またはその塩に放射線を照射 ることによって調製することができる。具 的には、γ-ポリグルタミン酸またはその塩 放射線を照射すると、脱水素反応によりCH 2 がCH-となり、2本のγ-ポリグルタミン酸の直 がCH-HCを介して連結し、〔(-OOC-CH 2 -CH(COOH)NH-)n〕 2 のように架橋する。この架橋度が更に大きく なると、〔(-OOC-CH 2 -CH 2 -CH(COOH)NH-)n〕mのような分子量の大きな放射線 架橋体が生成される。ここで、mは架橋度を し、架橋連結されるγ-ポリグルタミン酸の 鎖の本数を与えるものである。
上記架橋度mを大きくすることにより、γ- ポリグルタミン酸の架橋物の分子量を1000万 上とすることができる。γ-ポリグルタミン またはその塩の架橋物の分子量としては、 常10万~5000万程度である。γ-ポリグルタミン はポリペプチド鎖であるから、-CH-HC-の連結 により内部に多数の大きな空間が形成された 網目構造となる。前述するように、この多数 の内部空間に被処理水を吸収して、被処理水 に含まれる汚濁物質を内部蓄積すると考えら れている。なお、かかるγ―ポリグルタミン またはその塩の架橋物の製造方法は、特開2 002-210307号公報に記載されており、それを参 することができる。
なお、ポリアミノ酸系凝集剤として使用 れるγ-ポリグルタミン酸またはその塩の架 物は、例えば日本ポリグル(株)(大阪、日本) などから商業的に入手することができる。
多糖類系凝集剤としては、例えば、アル ン酸、ペクチンおよびキトサンを使用する とができる。好ましくは実施例に示すキト ンである。
またポリアクリル酸系凝集剤としては、 ニオン性のポリアクリル酸若しくはその塩( 具体的にはアクリルアミド・アクリル酸ソー ダの共重合物、アクリルアミド・アクリルア ミド-2-メチルプロパンスルホン酸ソーダの共 重合物など);ノニオン性のポリアクリルアミ ;カチオン性のポリ(N,N,N-トリメチルアミノ チルメタクリレートクロリド)、アクリルア ノメタクリレート4級塩重合物(DAM)、アクリ アミノアクリレート4級塩・アクリルアミド 共重合物(DAA)、ポリアミジン塩酸塩;両性のア クリルアミド・アクリル酸・アクリルアミノ (メタ)アクリレート4級塩共重合物等がある。
またポリエチレングリコール系凝集剤と ては、ポリエチレングリコールやポリエチ ングリコールの一方の末端にアルキル基や オン性官能基などを結合させたポリエチレ グリコール誘導体等を挙げることができる
本発明の磁性体凝集剤は、上記する磁性 製微粒体とポリマー系凝集剤とを混合する とによって一体化されてなるもの(混合形態 )であってもよいし、また磁性材製微粒体と リマー系凝集剤とが結合することによって 体化されてなるもの(結合形態)であってもよ い。なお、磁性材製微粒体と併用するポリマ ー系凝集剤は、同一種のものであってもよい し、2種以上のものを任意に組み合わせて使 することもできる。
磁性材製微粒体とポリマー系凝集剤との 合は、両者を機械や撹拌具などの道具を用 て混合(混和)する方法によって行ってもよ し(機械的混和方法)、またポリマー系凝集剤 を水に溶解した後、当該水溶液に磁性材製微 粒体を添加混合して分散させ、これを乾燥さ せて得られた乾燥物を粉砕することによって 調製することもできる(溶解分散混合方法)。 お、機械的混和方法には、磁性材製微粒体 粉末状のポリマー系凝集剤とを粉体混合す 方法、および磁性材製微粒体とポリマー系 集剤とを破砕しながら混合する方法が含ま る。
磁性材製微粒体とポリマー系凝集剤との 合比は、特に制限されず、磁性材製微粒体1 重量部に対するポリマー系凝集剤の割合とし て通常0.0001~100重量部、好ましくは0.001~10重量 部の範囲から適宜選択することができる。よ り具体的には、ポリマー系凝集剤としてポリ グルタミン酸等のポリアミノ酸またはその塩 を用いる場合、磁性材製微粒体1重量部に対 て通常0.001~10重量部、好ましくは0.002~0.5重量 部の割合を;またポリマー系凝集剤としてポ グルタミン酸架橋物などのポリアミノ酸ま はその塩の架橋物を用いる場合、磁性材製 粒体1重量部に対して通常0.0001~100重量部、好 ましくは0.001~10重量部の割合を挙げることが きる。
混合物の形態は、制限されないが、粒径 数μm~数mmの微粒子形態を有することが好ま い。かかる混合物を機械的混和方法で調製 る場合は、ポリマー系凝集剤として微粒子 態物を使用することが好ましい。また上記 合物を溶解分散混合方法で調製する場合は 溶解乾燥後、粒径が数μm~数mm、例えば平均 径0.1~100μm程度になるように粉砕することが 好ましい。
なお、上記混合形態の磁性体凝集剤を調 する場合、上記磁材製微粒体としてケイ素 合物で表面処理してなる磁性体微粒子を使 することもできる。かかるケイ素化合物と ては後述するものを利用することができる ケイ素化合物で表面処理された磁材製微粒 は、後述するように、当該ケイ素化合物に 来するかまたはそれに派生する有機官能性 を表面に有する。
磁性材製微粒体とポリマー系凝集剤との 合は、通常ケイ素化合物を介して行うこと できる。具体的には、まず磁性材製微粒体 表面にケイ素化合物を結合させ、次いで当 磁性材製微粒体に結合させたケイ素化合物 ポリマー系凝集剤を結合させることによっ 調製することができる。
磁性材製微粒体の表面に結合させるケイ 化合物は、磁性材製の微粒子と結合する官 基と、ポリマー系凝集剤と結合する官能基 両方を有するケイ素化合物であればよく、 の種類は特に限定されない。このようなケ 素化合物としては、通常、シランカップリ グ剤と呼称されるケイ素化合物を使用する とができる。シランカップリング剤は、一 に、分子の一端に加水分解してシラノール (Si-OH)を与える、メトキシやエトキシなどを 有するアルコキシシリル基またはアセトキシ シリル基などの加水分解性の基(Si-OR)を有し 他端にアミノ基、エポキシ基、メタクリロ シ基、グリシジル基、チオール基、アルデ ド基、アルコキシ基などの有機官能性の基 有する化合物である。水存在下で加水分解 基は分解され、シラノール基(Si-OH)に変わる め、金属酸化物である磁性材製微粒体の表 (M-OH)とSi-O-M結合することができる。このた 、マグネタイトの表面はもちろん亜鉛フェ イトが被覆したマグネタイトにも結合する とができる。
上記有機官能性の基として、前述するよ に、アミノ基、エポキシ基、メタクリロキ 基、グリシジル基、チオール基、アルデヒ 基、アルコキシ基、アルキル基等の種々の を有するケイ素化合物(シランカップリング 剤)があるため、これらの中から、結合させ ポリマー系の凝集剤の種類に応じて適宜選 することができる。
例えば、ポリアミノ酸系凝集剤などのよう カルボキシル基を持つポリマー系凝集剤に 、そのカルボキシル基とアミド結合を形成 きるアミノ基を有機官能基として有するケ 素化合物が望ましい。アミノ基を官能基に つケイ素化合物としては、3-アミノプロピ トリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)ア ノプロピルトリメトキシシラン、式H 2 N(CH 2 ) 2 NH(CH 2 ) 2 NH(CH) 2 Si(OCH 3 ) 3 で表されるアルコキシシラン等のアミノアル キルアルコキシシランが例示される。
また、多糖類系凝集剤であるペクチンは 脱エステル化することにより、カルボキシ 基を有するペクチン酸となる。このため、 リマー系凝集剤としてペクチンを使用する 合は、ケイ素化合物として上記アミノ基を するケイ素化合物を用いることが好ましく この場合、脱エステル化した後、当該化合 とアミド結合させることができる。
なお、当該アミノ基を官能基に持つケイ 化合物を結合させた磁性材製微粒体を、酸 水物(例えば、無水コハク酸、無水グルタル 酸等)と反応させることにより、ケイ素化合 のアミノ基にカルボキシル基を付加するこ ができる。斯くして調製されるカルボキシ 基を官能基に持つ磁性材製微粒体は、水酸 とエステル結合を形成することができるの 、水酸基を有するポリマー系凝集剤、例え アルギン酸やポリエチレングリコール系凝 剤、ならびにポリアクリル酸系凝集剤を結 させるのに使用することができる。また、 ルボキシル基を官能基に持つ磁性材製微粒 は、アミノ基とアミド結合を形成できるの 、アミノ基を有するポリマー系凝集剤、例 ばキトサン等の多糖類系凝集剤、ポリリジ などのポリアミノ酸系凝集剤、ならびにポ アクリル酸系凝集剤を結合させるのに用い ことができる。
なお、本発明で使用されるケイ素化合物 特にシランカップリング剤は、前述するよ に分子の一端に、磁性材製微粒体と結合す 基、具体的には加水分解してシラノール基( Si-OH)を与える加水分解性の基(Si-OR)を有し、 端にポリマー系凝集剤と結合する有機官能 の基を有するものであればよい。このため 本発明で使用されるケイ素化合物には、上 の限りにおいて、通常使用されるシランカ プリング剤の部分加水分解物や重合物、な びにポリシラザン類も含まれる。
ここでケイ素化合物を介した磁性材製微 体とポリマー系凝集剤との結合比は、特に 限されず、磁性材製微粒体1重量部に対する ポリマー系凝集剤の割合として通常0.0001~10重 量部、好ましくは0.001~1重量部の範囲から適 選択することができる。より具体的には、 リマー系凝集剤としてポリグルタミン酸等 ポリアミノ酸またはその塩を用いる場合、 性材製微粒体1重量部に対して通常0.0001~1重 部、好ましくは0.001~0.1重量部の割合を;また リマー系凝集剤としてポリグルタミン酸架 物などのポリアミノ酸またはその塩の架橋 を用いる場合、磁性材製微粒体1重量部に対 して通常0.0001~10重量部、好ましくは0.001~1重 部の割合を挙げることができる。
本発明の磁性体凝集剤は、前述する磁性 製微粒体とポリマー系凝集剤とを混合形態 たは結合形態で有するものであればよく、 性材製微粒体とポリマー系凝集剤からなる のであってもよいが、本発明の効果を妨げ い限り、他の成分を含有していてもよい。 限されないが、他の成分としては、金属無 凝集剤や金属有機凝集剤などの金属系凝集 を例示することができる。好ましくは金属 機凝集剤である。かかる無機凝集剤として 具体的には、従来から水処理剤として公知 、塩基性塩化アルミニウム、硫酸アルミニ ム、塩化アルミニウムなどのアルミニウム 合物;塩基性硫酸第二鉄、塩化第二鉄、塩化 第一鉄などの鉄化合物を挙げることができる 。
(2)磁性体凝集剤を用いた水浄化方
法
本発明の磁性体凝集剤は、水中に浮遊して
在する汚濁物質を吸着し、当該吸着させた
濁物質を、当該凝集剤を核にして凝集させ
という特性を有する。形成された凝集物は
磁性体凝集剤に基づく凝集物そのものの磁
(磁性)を利用して、磁石などに引き寄せる
とが可能である。このため、形成された凝
物の掬い上げや濾過による回収除去が容易
ない、例えば溜池、堀、河川、湖沼、魚の
殖場、地下水、プールなどの水泳用水など
浄化に好適に使用することができる。また
れに限らず、本発明の磁性体凝集剤は、河
水、湖沼水、地下水、および雨水などの飲
用原水;食品加工や発酵工業などにおいて使
される食品排水;池や堀や噴水などの観賞用
水;都市下水や家庭排水、産業廃水などの水
般の浄化処理に使用することができる。
また本発明の磁性体凝集剤は、実験例2に 示すように、被処理水に含まれるアルミニウ ムなどの金属イオンの除去に有効である。欧 米では、酸性雨により土中のアルミニウムが 溶解し、このアルミニウムイオンが河川・湖 沼・地下に流れ込み、河川水・湖沼水・地下 水におけるアルミニウムイオン濃度が急激に 上昇する事態となっている。かかるアルミニ ウムイオンは、生物の体内に蓄積され、食物 連鎖を通して最終的に人体に蓄積される危険 性がある。特に、アルミニウムイオンはアル ツハイマー病の引き金になるとも言われてい るので除去が望まれる金属イオンである。
本発明の磁性体凝集剤を用いた水浄化は 前述する磁性体凝集剤を、処理対象とする 処理水に投入し分散させ、汚濁物質を吸着 せた後、この汚濁物質を吸着させた磁性体 集剤(凝集物)を磁力で引き寄せることによ て行うことができ、斯くして被処理水中に 在する汚濁物質は容易に短時間で浄水と分 され(浄水と汚濁物質との分離)、その結果、 被処理水を簡便かつ短時間で浄化することが できる。
ここで被処理水に投入する磁性体凝集剤 量としては、被処理水の種類や汚濁の度合 によって異なるものの、通常、被処理水1L たり5~3000mgの範囲から適宜選択することがで きる。好ましくは被処理水1Lあたり10~1000mg、 り好ましくは20~500mgである。
汚濁物質を吸着させた磁性体凝集剤(凝集 物)の磁力による吸引は、磁性体凝集剤を被 理水に投入し分散させた後、例えば(1)当該 処理水中に磁石を挿入して磁力を作用する 法(例えば実験例4参照)、(2)被処理水の底部( 器内外を問わない)に磁石を配置して磁力を 作用する方法(例えば実施例11参照)、(3) 磁性 体凝集剤を分散させた被処理水を、磁力を有 する磁石を備えた回収装置に通液させる方法 (例えば実施例12参照)、などによって行うこ ができ、斯くして被処理水を浄水と汚濁物 とに分離することができる。なお、汚濁物 (凝集物)の回収は、例えば上記(1)、および(2) の容器内に磁石を配置した場合は、被処理水 中に挿入または配置した磁石を回収すること によって、(2)の容器外に磁石を配置した場合 は、被処理水の上清を取り出すか、または磁 石の磁性をOFFにした後、被処理水中の沈殿層 を取り出すことによって行うことができる。 また(3)の場合は、磁性体凝集剤を分散させた 被処理水を上記分離装置に通液させることに より、同時に汚濁物質(凝集物)を回収するこ ができる。
なお、磁石としては、永久磁石および電 石のいずれを使用してもよいが、磁力をON OFFに制御することができることから、好ま くは電磁石である。磁力をONにすることで、 磁性体凝集剤に吸着凝集した汚濁物質(凝集 )を磁石に吸引することができ、磁力をOFFに ることで、吸引させた凝集物を脱離し、回 することができる。
水浄化処理に適した温度条件として、制 されないが、水温が通常5~30℃、好ましくは 10~25℃、より好ましくは20℃付近を挙げるこ ができる。また水浄化処理に適したpH条件と して、制限はされないが、通常pH5~11、好まし くはpH5.5~9を挙げることができる。なお、ア ミニウム等の両性金属は、pH4~7.5付近での溶 度が小さく析出しやすい傾向にある。この め、アルミニウム等の両性金属を除法する 合には、事前に被処理水のpHを、上記pH範囲 、好ましくはpH5.5~7.5の範囲になるように調整 することが好ましい。
以下、本発明を実施例および実験例を用 てより詳細に説明する。しかし、本発明は かる実施例および実験例になんら制限され ものではない。
参考実施例1
アミノ基を有するケイ素化合物を結合させ
磁性材製微粒体の調製
磁性材製微粒体としてマグネタイトの微粒
を用い、その外表面にケイ素化合物として
ミノ基を官能基とする3-アミノプロピルト
エトキシシラン(以下、「APTS」という)を結
させて、アミノ基を表面に有する磁性材製
微粒子を調製した。
具体的には、まず、マグネタイト(Fe 3 O4 4 )の微粒体(平均粒径0.2μm)をエタノール中に加 え、0.0128M溶液とした。その後、前記の溶液25 mlに水1mlとエタノール124mlを加えて溶液を150ml に調整し、これを30分間超音波にかけて攪拌 た。これに99%のAPTSを35μl加えて、先端にプ ペラの着いた攪拌機を用いて7時間にわたっ て急速攪拌を加えた(300-500rpm)。次いで、得ら れた攪拌物をエバポレータに入れ、含まれて いるエタノールを除去することにより、APTS 表面がコーティングされたマグネタイト微 体(以下、「APTS-マグネタイト微粒体」とも う)を得た。
斯くしてマグネタイト微粒体の外表面にA PTSを結合することにより、アミノ基を表面に 有する磁性材製微粒体(APTS-マグネタイト微粒 体)を調製した。
参考実施例2
アミノ基を有するケイ素化合物を結合させ
磁性材製微粒体の調製
マグネタイト(Fe 3
O 4
)の微粒体として、平均粒径0.2μmのものに代
て、平均粒径20μmのものを使用する以外は、
上記参考実施例1と同様にして、マグネタイ
微粒子(平均粒径20μm)の外表面にケイ素化合
としてアミノ基を官能基とするAPTSを結合さ
せて、アミノ基を表面に有する磁性材製の微
粒子を調製した。
参考実施例3
カルボキシル基を有するケイ素化合物を結
させた磁性材製微粒体の調製
参考実施例2で調製したアミノ基を表面に有
する磁性材製微粒体(APTS-マグネタイト微粒体
)を用いて、外表面にカルボキシル基を有す
マグネタイト微粒体を調製した。
具体的には、まず参考実施例2で調製した APTS-マグネタイト微粒体1gを1-メチル-2-ピロリ ドン100ml中に加え、攪拌しながら分散させた これに無水コハク酸2.5g(25mmol)を加え、1時間 室温で反応させることにより、APTSのアミノ を介してアミド結合を形成させた。反応終 後、反応物をアセトニトリルで3回洗浄した 斯くして、マグネタイト微粒体の外表面に カルボキシル基を有するケイ素化合物が結 した微粒体、すなわちカルボキシル基を表 に有する磁性材製微粒体を調製した。
実施例1
磁性体凝集剤の調製(γ-ポリグルタミン酸塩
の使用)
磁性材製微粒体として前記参考実施例1およ
び2のそれぞれで調製したAPTS-マグネタイト微
粒体(磁性材製微粒体)を用い、また凝集剤と
てγ-ポリグルタミン酸のナトリウム塩を用
、両者を化学的に結合させた磁性体凝集剤
調製した。
具体的には、まず、分子量20万~40万のγ- リグルタミン酸Na(γ-ポリグルタミン酸TYPE-L 日本ポリグル(株)製)または分子量80万~100万 γ-ポリグルタミン酸Na(γ-ポリグルタミン酸TY PE-H、日本ポリグル(株)製)(1.2g)、参考実施例1 たは2で調製したAPTS-マグネタイト微粒体(4.0 g)および4-ジメチルアミノピリジン(0.1g:0.82mmol )を水80mlに室温下で攪拌しながら分散させた
これに、さらに1-エチル-3-(3-ジメトルア ノプロビル)-カルボジイミド塩酸塩(2.0g:10.43m mol)を加え、0℃下で2時間攪拌した。その後、 室温下で1夜攪拌した。得られた溶液中に、 酸化ナトリウム5.5gを30mlの水に溶解したNaOH 溶液を冷却下(0℃)で添加し、さらに、室温 一夜攪拌した。次いで、これに6Nの塩酸溶液 を加えて当該溶液を酸性(約pH5)とし、更に、 温下で1時間攪拌した。斯くして得られた生 成物を、反応液から磁石を利用して回収分離 し、次いで回収した生成物を凍結乾燥するこ とにより、本発明に係る磁性体凝集剤を調製 した。
以下、分子量20万~40万のγ-ポリグルタミ 酸Naを用いて調製した磁性体凝集剤を「PGM-L と、また分子量80万~100万のγ-ポリグルタミ 酸Naを用いて調製した磁性体凝集剤を「PGM-H 」と称する。また、両者を区別しないで総称 するときは「PGM」と記載する。また、参考実 施例1で調製したAPTS-マグネタイト微粒体を用 いて作成した磁性体凝集剤を「PGM(マグネタ ト粒径0.2μm)」、参考実施例2で調製したAPTS- グネタイト微粒体を用いて作成した磁性体 集剤を「PGM(マグネタイト粒径20μm)」という 。
これらのPGMは、マグネタイト微粒体の外 面にアミノ基を官能基とするケイ素化合物( APTS)を結合した磁性材製微粒体に、アミド結 により、ポリマー性の凝集剤であるポリグ タミン酸塩を結合してなる磁性体凝集剤で る。
実施例2
磁性体凝集剤の調製(アルギン酸ナトリウム
塩の使用)
磁性材製微粒体として前記参考実施例3で調
製した、表面にカルボキシル基を有するマグ
ネタイト微粒体(磁性材製微粒体)を用い、ま
凝集剤としてアルギン酸ナトリウム塩を用
、両者を共有結合により結合させた磁性体
集剤を調製した。
具体的には、まず、アルギン酸ナトリウ (製品番号37094-01、(株)関東化学製)(0.66g)、参 考実施例2で調製したカルボキシル基を有す マグネタイト微粒体(2.18g)および4-ジメチル ミノビリジン(0.165g:1.32mmol)を水80mlに攪拌し がら分散させた。これに、さらに1-エチル-3- (3-ジメトルアミノプロビル)-カルボジイミド 酸塩(0.945g:4.93mmol)を加え、0℃下で2時間攪拌 した。その後、室温下で1夜攪拌した。得ら た溶液中に、水酸化ナトリウム5.5gを30mlの水 に溶解したNaOH水溶液を冷却下(0℃)で添加し さらに、室温で一夜攪拌した。次いで、こ に6Nの塩酸溶液を加えて当該溶液を酸性(約pH 5)とし、更に、室温下で1時間攪拌した。斯く して得られた生成物を、反応液から磁石を利 用して回収分離し、次いで回収した生成物を 凍結乾燥することにより、本発明に係る磁性 体凝集剤を調製した。
実施例3
磁性体凝集剤の調製(ポリアクリル酸の使
)
磁性材製微粒体として前記参考実施例1およ
び2のそれぞれで調製したAPTS-マグネタイト微
粒体(磁性材製微粒体)を用い、また凝集剤と
てポリアクリル酸を用い、両者を共有結合
より結合させた磁性体凝集剤を調製した。
具体的には、まず、平均分子量約2万5千 ポリアクリル酸(和光純薬工業(株)製)(0.62g)、 参考実施例1または2で調製したAPTS-マグネタ ト微粒体(2.05g)および4-ジメチルアミノピリ ン(0.169g:1.38mmol)を水80mlに室温下で攪拌しな ら分散させた。これに、さらに1-エチル-3-(3- ジメトルアミノプロビル)-カルボジイミド塩 塩(0.95g:4.96mmolを加え、0℃下で2時間攪拌し 。その後、室温下で1夜攪拌した。得られた 液中に、水酸化ナトリウム5.5gを30mlの水に 解したNaOH水溶液を冷却下(0℃)で添加し、さ に、室温で一夜攪拌した。次いで、これに6 Nの塩酸溶液を加えて当該溶液を酸性(約pH5)と し、更に、室温下で1時間攪拌した。斯くし 得られた生成物を、反応液から磁石を利用 て回収分離し、次いで回収した生成物を凍 乾燥することにより、本発明に係る磁性体 集剤を調製した。
実施例4
磁性体凝集剤の調製(PGAとマグネタイトの
合物)
γ-ポリグルタミン酸Na〔分子量80万~100万、γ
-ポリグルタミン酸TYPE-H、日本ポリグル(株)製
〕(以下「PGA」という)の粉体と、マグネタイ
(Fe 3
O 4
)の微粒体(平均粒径20μm)(磁性材製微粒体)(以
、「MT」という)を、重量比が1:9となるよう
混合し、PGAとMTの混合物を調製した(以下、
PGA/MT(1/9)」ともいう)。なお、混合は、上記P
GAの粉体とMTの粉体を密封容器に投入し、転
撹拌することによって行った。
実施例5
磁性体凝集剤の調製(PGAとマグネタイトの
合物)
実施例4と同様にして、PGAの粉体とMT(平均粒
径20μm)を、重量比が1:24となるように混合し
PGAとMTの混合物を調製した(以下、「PGA/MT(1/24
)」ともいう。
実施例6
磁性体凝集剤の調製(PGAとマグネタイトの
合物)
実施例4と同様にして、PGAの粉体とMT(平均粒
径20μm)を、重量比が1:19となるように混合し
PGAとMTの混合物を調製した(以下、「PGA/MT(1/19
)」ともいう。
実施例7
磁性体凝集剤の調製(PGAとマグネタイトの
合物)
実施例4と同様にして、PGAの粉体とMT(平均粒
径20μm)を、重量比が1:39となるように混合し
PGAとMTの混合物を調製した(以下、「PGA/MT(1/39
)」ともいう。
実施例8
磁性体凝集剤の調製(PGM-Lとα21Caの混合物)
実施例1で調製した「PGM-H(マグネタイト粒径
0.2μm)」および「PGM-H(マグネタイト粒径20μm)
のそれぞれと、商品名「α21Ca」(日本ポリグ
(株)製)の微粒体(粒径20~50μm)を1:3の重量比に
なるように、実施例4と同様に粉体混合し、PG
Mとα21Caとの混合物を調製した(以下、「PGM-H/
21Ca」ともいう)。なお上記「α21Ca」は、ポリ
グルタミン酸凝集剤(PGα21Ca)からポリグルタ
ン酸成分が除去されてなり、硫酸カルシウ
(CaSO 4
・1/2H 2
O)、炭酸ナトリウム(NaCO 3
・H 2
O)、硫酸マグネシウム(MgSO 4
・6H 2
O)、および硫酸アルミニウム(Al 2
(SO 4
) 3
・18H 2
O)を主成分とするものである。
実施例9
磁性体凝集剤の調製(MTとPGAとα21Caの混合物)
マグネタイト(Fe 3
O 4
)の微粒体(平均粒径0.1~20μm)(磁性材製微粒体)(
以下、「MT」という)、分子量80万~100万のγ-ポ
リグルタミン酸Na(γ-ポリグルタミン酸TYPE-H、
日本ポリグル(株)製)の粉体(以下、「PGA」と
う)、および上記実施例8で使用したα21Caの微
粒体(粒径20~50μm)を1:0.01:2の重量比になるよう
に、実施例4と同様に粉体混合し、MTとPGAとα2
1Caの混合物(磁性体凝集物)を調製した(以下、
「MT/PGA/α21Ca」ともいう)。
また別の態様として、上記全成分を下記の
法により溶解混合して磁性体凝集剤「MT/PGA/
α21Ca」を調製した:
PGAとα21Caを水に溶解し、次いでこれに微粒
状のMTを添加し、均一になるように十分撹
混合する。次いで、得られた混合物を加熱
燥し、これを0.1~100μm程度に破砕して微粒状
(磁性体凝集剤「MT/PGA/α21Ca」)を調製する。
実施例10
磁性体凝集剤の調製(MTとPGα21Caの混合物)
マグネタイト(Fe 3
O 4
)の微粒体(平均粒径0.1~20μm)(MT)と、ポリグル
ミン酸凝集剤(商品名「PGα21Ca」、日本ポリ
ル(株)製)の粉体を1:2の重量比になるように
実施例4と同様に粉体混合し、MTとPGα21Caの混
合物(磁性体凝集物)を調製した(以下、「MT/PG
21Ca」ともいう)。
また別の態様として、上記全成分を下記の
法により溶解混合して磁性体凝集剤「MT/PGα
21Ca」を調製した;
PGα21Caを水に溶解し、次いでこれに微粒子
のMTを添加し、均一になるように十分撹拌混
合する。次いで、得られた混合物を加熱乾燥
し、これを0.1~100μm程度に破砕して微粒状物(
性体凝集剤「MT/PGα21Ca」)を調製した。
実験例1
水浄化処理効果の評価(その1)
被験処理水として粉末活性炭の30重量%懸濁
を用い、また凝集剤として下記のものを使
して、各凝集剤の水浄化処理効果を評価し
。
(1)被験試料の調製
(1-1)被験処理水(30重量%の粉末活性炭懸濁液)
イオン交換水500mLに活性炭の粉末(関東化学(
株)製)を150mg入れ、マグネットスターラーを
いて10分間均一になるまで攪拌して、粉末活
性炭の30重量%懸濁液を調製した。
(1-2)凝集剤
(a)γ-ポリグルタミン酸凝集剤(γ-ポリグルタ
ン酸Na、分子量80万~100万、日本ポリグル(株)
)(以下「PGA」という)(比較例1)。
被験処理水への添加量として20~60ppmを使用し
。
(b)磁性体凝集剤(PGM-H[マグネタイト粒径20μm]
)(実施例1)
被験処理水への添加量として10~1000ppm(PGAの量
換算すると0.146~14.6ppm)を使用した。
(c)上記PGAとMT(平均粒径20μm)の1:9(重量比)混
物(実施例4)
被験処理水への添加量として500ppm(PGA量に換
すると50ppm)を使用した。
(d)上記PGAとMT(平均粒径20μm)1:24(重量比)混合
(実施例5)。
被験処理水への添加量として500ppm(PGA量に換
すると20ppm)を使用した。
(e)上記PGAとMT(平均粒径20μm)の1:19(重量比)混
物(実施例6)
被験処理水への添加量として200ppm(PGA量に換
すると10ppm)を使用した。
(f)上記PGAとMT(平均粒径20μm)1:39(重量比)混合
(実施例7)。
被験処理水への添加量として200ppm(PGA量に換
すると5ppm)を使用した。
(2)実験方法
500mL容量のビーカーに入れたイオン交換水50
0mLに活性炭の粉末150mg入れて調製した被験処
水(粉末活性炭の30重量%懸濁液)に、各凝集
(a)~(f)をそれぞれ添加し、攪拌機(200rpm、ジャ
ーテスター)を用いて10分間急速撹拌した。尚
、処理時の被験処理水の水温は19℃、pHは5(MET
TLER-TOLEDO社製pHメーター、MP220(ガラス電極法)
測定)であった。撹拌後、これをマグネット
プレート(KANETEC社製、PCMN1230、表面最大磁束
度0.45T)の上に置いて静置し、静置開始から
時的に(1、3、5、10、20、30および60分)、水底
ら7cmの位置の上澄み液を10mLずつ採取して濁
度を測定し、被験処理水に対する各凝集剤(a)
~(f)の水浄化効果を評価した。なお、濁度は
濁度計(EUTECH社製、NTU濁度を採用した90°錯乱
光方式Turbidimeter TN-100)を用いて測定した。
(3)実験結果
凝集剤(a)、凝集剤(b)、および凝集剤(c)~(f)に
ついて、被験処理水の濁度の経時的変化を表
1、表2、および表3にそれぞれ示す。
上記表1の結果を折れ線グラフにしたもの を図1に示す。
これらの結果からわかるように、被験処 水の濁度は凝集剤(a)(PGA)の添加により、そ を添加する前よりも上がってしまった。こ 理由として、PGAを添加することで被験処理 にPGAが溶解し、被験処理水の比重と粘性が がり、懸濁物(粉末活性炭)の自然沈降が妨げ られものと考えられる。
上記表2の結果を折れ線グラフにしたもの を図2に示す。
この結果からわかるように、凝集剤(b)(PGM -H)を添加することで、被験処理水中の活性炭 素(粉末)が凝集剤(b)に速やかに吸着凝集し、 験処理水を浄化することができた。
上記表3の結果を折れ線グラフにしたもの を図3に示す。
この結果からわかるように、凝集剤(c)~(f) (PGAとMTの混合物)を添加することで、被験処 水中の活性炭素(粉末)がこれらの凝集剤に速 やかに吸着凝集し、被験処理水を浄化するこ とができた。
各凝集剤(凝集剤(a)20ppm、凝集剤(b)500ppm、 集剤(f)200ppm)について、被験処理水の濁度の 経時的変化(水浄化効果)を対比した結果を、 4に示す。
以上の結果から、本発明の磁性体凝集剤( 凝集剤(b)、(c)および(f))を用いることで、PGA 独(凝集剤(a))では浄化しきれなかった被験処 理水(活性炭素(粉末)懸濁液)を、速やかに浄 することができることが判明した。
実験例2
水浄化処理効果の検討(その2)
被験処理水としてアルミニウムを含有する
溶液(1ppmアルミニウム水溶液)を用い、また
集剤として下記のものを使用して、各凝集
の水浄化処理効果を評価した。
(1)被験試料の調製
(1-1)被験処理水(1ppmアルミニウム水溶液)
化学分析用アルミニウム標準液(1000ppm、関
化学(株)製)をイオン交換水で1000倍に希釈し
1ppmアルミニウム水溶液(pH3.5、水温19℃)を調
製した。
(1-2)凝集剤
(a)γ-ポリグルタミン酸凝集剤(γ-ポリグルタ
ン酸Na、分子量80万~100万、日本ポリグル(株)
)(PGA)。
なお、被験処理水への添加量として10~1000ppm
使用した。
(b)実施例2で調製した磁性体凝集剤(PGM-H[マ
ネタイト粒径20μm])
なお、被験処理水への添加量として100~1000ppm(
PGAの量に換算すると1.46~14.6ppm)を使用した。
(c)マグネタイト微粒体(上記PGM-H[マグネタイ
ト粒径20μm]の調製に使用したマグネタイトの
微粒体)(平均粒径20μm)
なお、被験処理水への添加量として100~1000ppm
使用した。
(2)実験方法
500mL容量のビーカーに被験処理水(1ppmアルミ
ニウム水溶液)250mLをいれ、0.1Nの水酸化ナト
ウム水溶液でpH7に調整した(METTLER-TOLEDO社製pH
メーター、MP220(ガラス電極法)で測定)。これ
、各凝集剤(a)~(c)を添加し、攪拌機(200rpm、
ャーテスター)を用いて10分間急速撹拌した
尚、処理時の被験処理水の水温は21.5℃であ
た。撹拌後、これをマグネットプレート(KAN
ETEC社製、PCMN1230、表面最大磁束密度0.45T)の上
に置いて5分間静置し、水底から7cmの位置の
澄み液を10mL採取し、ICP(高周波誘導結合プラ
ズマ)分析装置を用いて定法に従って被験処
水中のアルミニウム濃度を測定し、被験処
水に対する各凝集剤(a)~(c)の水浄化効果を評
した。
(3)実験結果
凝集剤(a)、凝集剤(b)および凝集剤(c)でそれ
れ処理した被験処理水の、アルミニウム濃
(アルミニウム残留濃度)を、各添加量毎に
4、表5および表6に示す。
上記表4のうち、残留Al濃度の結果を折れ グラフにしたものを図5に示す。
表4に示すように、被験処理水のpHを、pH3. 5から7付近に調整するだけで、残留Al濃度は1p pmから0.667ppmと、0.33ppmほど減少した。しかし その後、凝集剤(a)を10~1000ppmの範囲で添加し て処理しても、上記表4および図5に示すよう 、被験処理水中の残留Al濃度は0.75~0.5ppmの間 で推移し、ほとんど除去効果はみられなかっ た。
さらに凝集剤(a)1000ppmで処理した被験処理 水の上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィ ターで濾過し、得られた処理液について残 Al濃度を測定した。しかし、0.692ppm(Al除去率3 0.8%)であり、ほとんど除去効果はみられなか た。
上記表5の結果を折れ線グラフにしたもの 図6に示す。
被験処理水のpHを、pH3.5からpH7付近に調整 するだけで、残留Al濃度は1ppmから0.628ppmと、0 .37ppmほど減少した。またその後、凝集剤(b)(PG M-H)を100~1000ppmの範囲で添加して処理を行った ところ、上記表5および図6に示すように、凝 剤(b)の添加量に依存して被験処理水中の残 Al濃度を低減することができ(残留Al除去率 増加)、凝集剤(b)1000ppmの添加で約0.03ppmまで げることができた(Al除去率96.9%)。
上記表6の結果を折れ線グラフにしたもの 図7に示す。
被験処理水のpHを、pH3.5から7付近に調整 るだけで、残留Al濃度は1ppmから0.547ppmと、0.4 53ppmほど減少した。しかし、その後、上記表7 および図7に示すように、凝集剤(c)(マグネタ ト)を100~1000ppmの範囲で添加して処理を行っ が、被験処理水中の残留Al濃度は0.464~0.554ppm の間で推移し、ほとんど除去効果は見られな かった。
さらに凝集剤(c)1000ppmで処理した被験処理 水の上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィ ターで濾過し、得られた処理液について残 Al濃度を測定した。その結果、0.104ppm(Al除去 89.6%)まで低下したが、凝集剤(b)1000ppmの添加 による除去効果(Al除去率96.9%)には及ばなかっ た。
各凝集剤(凝集剤(a)1000ppm、凝集剤(b)1000ppm 凝集剤(c)1000ppm)について、アルミニウム除 率(%)を対比した結果を、図8に示す。なお、 考のため、pH調整(pH3.5→pH7)によるAl除去(33.3 %)(凝集剤(a)実験系の結果を利用)も合わせて す。この結果から、本発明の磁性体凝集剤( 集剤(b):PGM-H)を用いることで、PGA単独および マグネタイト単独では浄化しきれなかったア ルミニウム含有水を、速やかに浄化すること ができることが判明した。
実験例3
水浄化処理効果の検討試験(その3)
被験処理水として20ppmのカオリン懸濁液を
い、また凝集剤として下記のものを使用し
、各凝集剤の水浄化処理効果を評価した。
(1)被験試料の調製
(1-1)被験処理水(20ppmのカオリン懸濁液)
水道水にカオリンを20ppmとなるように添加
、均一になるまで攪拌して20ppmのカオリン懸
濁液を調製した。
(1-2)凝集剤
(a) 実施例1で調製した磁性体凝集剤(PGM-L(マ
ネタイト粒径0.2μm))
(b)γ-ポリグルタミン酸架橋物凝集剤(日本ポ
グル(株)製、以下「PGα21Ca」という)
(2)実験方法
被験処理水500mLを500mL容量のビーカーに入れ
て、これに上記各凝集剤を下記の操作に従っ
て添加して凝集処理を行った。
(a)検体1:被験処理水に凝集剤(b)(PGα21Ca)を5 0ppm添加して凝集処理を行い、次いで当該処 水を入れたビーカーをマグネットプレート(K ANETEC社製、PCMN1230、表面最大磁束密度0.45T)の において20分間静置した。
(b)検体2:被験処理水に凝集剤(a)(PGM-L)を28pp m添加した後、さらに凝集剤(b)(PGα21Ca)を50ppm 加して凝集処理を行った。処理終了後、直 にビーカーに磁石製のスターラーバーを3個 入し、マグネットプレート(KANETEC社製、PCMN1 230、表面最大磁束密度0.45T)の上において20分 静置した。
(c)検体3(ブランク):被験処理水にいずれの 凝集剤も添加せずに凝集処理を行い、次いで 当該被験処理水を入れたビーカーをマグネッ トプレート(KANETEC社製、PCMN1230、表面最大磁 密度0.45T)の上において20分間静置した。
なお、凝集処理は、凝集剤を添加した被 処理水を、攪拌機(ジャーテスター)を用い 10分間急速撹拌することによって行った。尚 、処理時の各検体の水温は17.4℃、pHは7.6(METTL ER-TOLEDO社製pHメーター、MP220(ガラス電極法)で 測定)であった。
各検体1~3について、凝集処理(検体2につ てはスターラーバー投入)した後から経時的 水面から水深2.5cmの位置の上澄みを採取し 被験処理水の濁度を測定した。なお、濁度 、濁度計(笠原理化工業TR-55(ポリスチレン濁 )、測定範囲:0.00~1100mg/L)を用いて測定した。
(3)実験結果
各検体について経時的に濁度を測定した結
を表7および図9に示す。
表7および図9に示すように、凝集剤(a)(PGM- L)に、凝集剤(b)(PGα21Ca)を併用した検体2のほ が、凝集剤(b)(PGα21Ca)だけを使用する検体1に 比べて、静置して2分後で濁度が大きく低下 、その後、経時的に低下が進行した。凝集 理2分後の時点で各検体の状態を目視観察し ところ、凝集剤(b)(PGα21Ca)だけを使用した検 体1は被験処理水中に大きなフロックが若干 遊している状態であったのに対して、検体2 凝集処理直後に形成されたフロックが、投 したスターラーバーに速やかに吸着され、 験処理液中に大きなフロックはほとんど認 られなかった。このことより、凝集剤(a)(PGM -L)を用いて処理した検体2では、形成された ロックそのものが磁性を持ち、磁石に吸い けられることによって、速やかに分離され 水浄化できることが確認できた。また、こ 試験結果から凝集剤(a)(PGM-L)の使用により凝 形成されたブロックは、磁力の印加によっ も磁性材製微粒体(マグネタイト)から分離 ないことも確認された。
実験例4
水浄化処理効果の検討(その4)
被験処理水として大阪府内の農業用貯水池
ある「桃ヶ池」から採取した水を用い、ま
凝集剤として下記のものを使用して、各凝
剤の水浄化処理効果を評価した。
(1)被験試料の調製
(1-1)被験処理水
大阪府内の農業用貯水池である「桃ヶ池」
ら採取した。濁度は20,色度は31.1であった(
8参照)。
(1-2)凝集剤
(a)磁性体凝集剤「PGM-L/α21Ca」(実施例8)
(b)磁性体凝集剤「MT/PGA/α21Ca」(実施例9)
(c)磁性体凝集剤「MT/PGα21Ca」(実施例10)
(d)マグネタイト微粒体(MT)およびアルミニウ
系凝集剤(ポリ塩化アルミニウム、以下「PAC
と称する。一般式[Al 2
(OH)nCl 6
-n]m(1≦n≦5、m≦10)。JIS K1475-1996)を1:2(重量比)
の割合で併用(比較例1)
(e) マグネタイト微粒体(MT)およびアクリル酸
系凝集剤(ポリアクリル酸ナトリウム)を1:2(重
量比)の割合で併用(比較例2)
なお、各凝集剤の被験処理水への添加量は
200ppm(PGAの量に換算すると2.92~7.3ppm)とした。
(2)実験方法
図10に示すように、透明容器(符号1)に入れ
被験処理水(水温19℃)(符号4)に、凝集剤(a)~(c)
(符号5)をそれぞれ200ppmとなるように添加し、
攪拌器(符号2)を用いて30秒間撹拌混合した。
たその間に汚濁物質の凝集の様子と凝集物
形成状態を目視にて観察した。凝集剤(d)と(
e)については、まず最初にマグネタイト微粒
(MT)約67ppmを被験処理水(4)に添加して30秒間
拌混合し、次いで凝集剤(d)についてはアル
ニウム系凝集剤約133ppm、凝集剤(e)について
アクリル酸系凝集剤約133ppmをそれぞれ添加
、約30秒間撹拌混合した。そして汚濁物質の
凝集の様子と凝集物の形成状態を目視にて観
察した。
その後、各被験処理水中に磁束密度約8000 Gの棒磁石(符号6)を透明容器(1)の底近くまで 入し、約30秒間静置して、形成された凝集物 を棒磁石(6)に吸着させた。次いで、被験処理 水(4)の濁度をデジタル濁度計(笠原理化工業TR -55(ポリスチレン濁度)、測定範囲:0.00~1100mg/L)( 透過散乱光方式)(符号3)を用いて、また色度 分光光度計(UV-mini1240、(株)島津製作所製)(吸 光度法)を用いて測定した。
なお、試験は各凝集剤毎に5回ずつ行い、 その平均を求めた。
(3)実験結果
各凝集剤について、凝集物形成速度、凝集
の大きさと色、凝集物の磁石への吸着速度
凝集物の吸着回収率(%)、被験処理水の濁度(
NTU)、および被験処理水の色度(度)を評価した
結果を表8に示す。
表8の結果から、磁性材製微粒体と凝集剤 を混合一体化してなる本発明の磁性体凝集剤 (凝集剤(a)~(c))はいずれも、被験処理水に含ま れる汚濁物質を速やかに凝集し、また除去回 収する効果(被験処理水の浄化効果)に優れて ることが判明した。すなわち、これらの磁 体凝集剤によれば、被験処理水を短時間に つ高度に浄化することができる。
実施例11
磁性体凝集剤を用いた水の浄化方法(1)
図11は、本発明の磁性体凝集剤を用いた水
浄化方法の一態様を示すものである。図11に
於いて、符号Wは被処理溶液、符号Bは凝集剤
符号Mは電磁石、符号Eは直流電源、符号Sは
イッチ、符号7はタンク、符号8は処理溶液
出口、符号8aはバルブ、符号9は凝集物排出
、符号9aはバルブ、および符号2は攪拌器を
味する。
容量15トンのタンク(7)内に貯留された約10 トンの被験処理溶液(W)内へ、凝集剤(B)として 実施例1~10のいずれかで調製された磁性体凝 剤を、被験処理溶液(W)に対して200mg/Lの割合 添加混合する。
約7分間、攪拌器(2)により被験処理溶液(W)を 攪拌混合したあと、15分間被験処理溶液(W)を 置させ、その後スイッチ(S)を入れて電磁石( M)を作動させる。尚、電磁石(M)の磁束密度は 0.12~0.15Wb/m 2 に設定されている。
電磁石(M)を作動させることにより、約30~6 0秒後にはタンク(7)内に漂遊していた凝集物 電磁石(M)側へほぼ完全に吸着され、次いで 出口(8)のバルブ(8a)を開放することにより清 な処理済み水がタンク(7)外へ排出される。 た、スイッチ(S)を解除した後、抜出口(9)の ルブ(9a)を開放することにより、電磁石(M)に 吸着された凝集物が電磁石(M)から脱離して、 タンク(7)外へ排出される。
凝集剤(B)として、磁性体を結合させない 前のポリグルタミン酸塩を主体とする凝集 (例えば、実験例で使用するγ-ポリグルタミ ン酸、キトサン、γ-ポリグルタミン酸架橋物 )を用いた場合には、上記と同一条件下で攪 混合した際に形成された凝集物がタンク底 に自然沈降するのに約60~120分間を必要とす 。これに対して、本発明の磁性体凝集剤(実 例1~10)を使用した場合には、約20分間でほぼ 全ての凝集物を電磁石(M)側へ吸着することが できる。このため、水の浄化処理時間を大幅 に短縮できると共に、より確実に清浄な処理 排水を得ることができ、被験処理溶液Wの高 な浄化が可能となる。
図12の(a)は、上記被験処理溶液(処理前溶液 の浮遊物質量(SS)30 mmg /L、化学的酸素要求量(COD)25 mmg /L)をいれたタンク(7)中に、実施例1の磁性体 凝集剤を200mg/Lの割合で添加し、撹拌混入し 直後の溶液の状態を示す画像であり、(b)は 拌混合30分後の溶液の状態、および(c)は電 石を作動させてから2分後の溶液の上澄みの 態(電磁石作動から2分後にタンク中の被験 理溶液の上澄みを採取したもの)を示す。
図12の(b)と(c)との対比から明らかなよう 、電磁石を作動させることにより、磁性体 集剤を用いて形成された凝集物は、迅速に 磁石側にほぼ完全に吸着される。また、電 石への吸着に際して、磁性体凝集剤中の磁 材製微粒体と凝集物とが分離して、磁性材 微粒体のみが電磁石側へ吸着され凝集物は 中に再拡散するという現象は、全く認めら なかった。
また、この実施例では、本発明の磁性体 集剤のみを使用する態様を説明したが、上 実験例3(検体2)に示すように、本発明の磁性 体凝集剤と公知の凝集剤とを併用することも できる。斯くして、本発明の磁性体凝集剤に より形成されたフロックに公知の凝集剤によ り形成されたフロックを結合させることがで き、形成された全てのフロックを一度に磁石 を用いて吸引除去することが可能である。
実施例12
磁性体凝集剤を用いた水の浄化方法(2)
図13は、本発明の磁性体凝集剤を用いた水
浄化方法の一態様を示すものである。図13に
於いて、符号11は混合水排出口、符号11aはバ
ブ、符号10は凝集物の回収装置、符号8は処
液排出口、および符号8aはバルブを意味す
。なお、符号W、B、M、E、S、3、9、9aは図11と
同じである。
実施例9と同様に、容量15トンのタンク(7)内 貯留された約10トンの被験処理溶液(W)内へ 凝集剤(B)として実施例1~10で調製した各磁性 凝集剤を、被験処理溶液(W)に対して200mg/Lの 割合で添加混合する。所定の時間を置いてタ ンク(7)内の磁性体凝集剤混合水を排出口(11) 通して、回収装置(10)内へ導出する。なお、 収装置(10)は、スイッチ(S)を入れ電磁石(M)を 作動させ、励磁状態としている。電磁石(M)の 磁束密度は約0.12~0.15Wb/m 2 に設定されている。タンク(7)内の磁性体凝集 剤混合水が当該回収装置(10)に導入されると その混合水中に浮遊していた凝集物は、約30 ~60秒後には電磁石(M)にほぼ完全に吸着される 。
即ち、磁性体凝集剤(B)をタンク(7)の被験 理溶液(W)に添加し攪拌混合した後、短時間 置することにより、被験処理溶液(W)に含ま る浮遊物質はある程度の大きさに凝集され 。その後、被験処理溶液(W)を、電磁石(M)を 動させた回収装置(10)内に導出すると、当該 回収装置内を流動する間に被験処理溶液(W)で 形成された凝集物は電磁石(M)側に順次吸着さ れる。その結果、排出口(8)のバルブ(8a)を開 すると、排出口(8)からは、凝集物が除去さ 高度に処理された清浄な処理溶液が排出さ る。
一方、電磁石(M)に吸着された凝集物は、 イッチ(S)を解除して電磁石(M)を非励磁状態 した後に、抜出口(9)のバルブ(9a)を開放する ことにより回収装置(10)外へ排出される。
本発明は、河川水、湖沼水、地下水、雨 、池水および堀水などからなる原水;食品加 工や発酵工業などにおいて使用される食品排 水;池や堀や噴水などの観賞用水;都市下水や 庭排水、産業廃水などの水一般の浄化処理 有効に利用することができる。
Next Patent: HIGH-PRESSURE TANK TEMPERATURE DETECTION SYSTEM AND HIGH-PRESSURE TANK SYSTEM
