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Patent Searching and Data


Title:
MAGNETIC SENSOR MODULE AND PISTON POSITION DETECTING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/105228
Kind Code:
A1
Abstract:
A magnetic sensor module is provided with a semiconductor substrate having an integrated circuit for performing switching operation; a magnetoresistive element, which is arranged on one surface of the semiconductor substrate and has a magnetically sensitive direction in a direction along the one surface; and a bias magnetic field applying member, which is arranged on the semiconductor substrate, on a surface parallel to the one surface. The bias magnetic field applying member is magnetized in a direction along the surface whereupon the bias magnetic field applying member is arranged. In a status where no external magnetic field is applied, the bias magnetic field applying member applies a bias magnetic field in a direction along the one surface whereupon the magnetoresistive element is arranged.

Inventors:
ITOI KAZUHISA (JP)
NAGASU KATSUBUMI (JP)
AIZAWA TAKUYA (JP)
NAKAO OSAMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052193
Publication Date:
September 04, 2008
Filing Date:
February 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FUJIKURA LTD (JP)
ITOI KAZUHISA (JP)
NAGASU KATSUBUMI (JP)
AIZAWA TAKUYA (JP)
NAKAO OSAMU (JP)
International Classes:
H01H36/00
Foreign References:
JPH074971A1995-01-10
JPS5930027A1984-02-17
JPS533667A1978-01-13
JP2007045295A2007-02-22
JP2007189692A2007-07-26
JPS61172075A1986-08-02
JPH0676706A1994-03-18
JP2004186040A2004-07-02
JP2616783B21997-06-04
Other References:
YAMADA TAKEYOSHI: "Highly Heat-Resistant Non-Contact Proximity Switch Developed by Tyco Electronics AMP K.K., Turning ON/OFF with Magnetic Field Disorder", NIKKEI ELECTRONICS, 5 October 2006 (2006-10-05), Retrieved from the Internet
NA K.K., IRON SHEET PROXIMITY SWITCH ME-301, 6 February 2007 (2007-02-06), Retrieved from the Internet
TAKEUCHI SHOTARO ET AL.: "MR sensor module", NEC TECHNICAL JOURNAL, vol. 51, no. 4, 1998, pages 106 - 110
See also references of EP 2117026A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 スイッチング動作を行う集積回路を備えた半導体基板と、この半導体基板の一方の面上に設けられ、かつ該一方の面に沿った方向に感磁方向を持つ磁気抵抗素子と、前記半導体基板に設けられ、かつ前記一方の面に平行な面上に配置されたバイアス磁界印加部材とを、備え、
 前記バイアス磁界印加部材は、該バイアス磁界印加部材が配置された前記面に沿った方向に着磁されており、外部磁界が印加されていない状態では、該バイアス磁界印加部材は、前記磁気抵抗素子が設けられた前記一方の面に沿った方向にバイアス磁界を印加するものである磁気センサモジュール。
 前記バイアス磁界印加部材がペースト磁石または薄膜磁石である請求項1に記載の磁気センサモジュール。
 前記集積回路は、前記磁気抵抗素子の出力電圧を所定の閾値と比較して、比較結果に応じて、前記磁気抵抗素子の出力電圧が前記所定の閾値より大きい高レベル状態であることを表す信号、又は、前記磁気抵抗素子の出力電圧が前記所定の閾値より小さい低レベル状態であることを表す信号を出力する請求項2に記載の磁気センサモジュール。
 前記バイアス磁界印加部材が前記半導体基板の一方の面とは反対の側である他方の面上に設けられている請求項3に記載の磁気センサモジュール。
 非磁性材料からなるシリンダチューブと、
 少なくとも一部が磁性材料からなり、前記シリンダチューブ内周面を摺動するように配されたピストンと、
 前記シリンダチューブの外周面に配され、バイアス磁界印加部材を有する磁気センサと、
 を備えたピストン位置検出装置。
 前記磁気センサは、磁束密度の高さに基づいてスイッチング動作を行う集積回路を少なくとも備え、かつ、前記バイアス磁界印加部材は、薄膜からなる磁石であり、前記集積回路の上面、下面、又は内部に配されている請求項5に記載のピストン位置検出装置。
 前記磁気センサは、半導体基板、及び、この半導体基板の一方の面上に設けられ、かつ該一方の面に沿った方向に感磁方向を持つ磁気抵抗素子を有し、前記バイアス磁界印加部材は磁石であり、該磁石は前記半導体基板に設けられ、かつ、前記一方の面に平行な面上に配置され、かつ、該磁石が配置された前記面に沿った方向に着磁されており、外部磁界が印加されていない状態では、該磁石は前記磁気抵抗素子が設けられた前記一方の面に沿った方向にバイアス磁界を印加する請求項5に記載のピストン位置検出装置。
Description:
磁気センサモジュール及び、ピ トン位置検出装置

 本発明は、磁気センサモジュールに関し、 び、シリンダチューブ内におけるピストン 位置を検出するピストン位置検出装置に係 、詳しくは油圧シリンダ、エアーシリンダ の流体圧シリンダ内におけるピストン位置 シリンダチューブの外側から検出するピス ン位置検出装置に関する。
 本願は、2007年2月26日に出願された特願2007-0 45295号、及び、2007年7月20日に出願された特願 2007-189692号に対し優先権を主張し、その内容 ここに援用する。

 磁気センサは、磁束密度の高低を検知す センサであり、開閉センサや鉄板等磁性体 近接して用いられる近接センサとして使用 れている。これまでの磁気センサは、磁電 換素子としてホールセンサを使用したもの 多かった。これまでの磁気センサを近接セ サとして使用する場合、図13A、図13B、図14 ような構成が多かった(例えば特許文献1~3、 特許文献1~3参照)。

 図13A、図13Bにおける、近接センサとして使 される磁気センサは、以下の構成を有する 即ち、図13Aに示すように、磁束4が、ホール 素子(またはスイッチ機能を含んだホールIC)2 長さ方向に対し垂直方向にホール素子2を貫 くように、磁石1がホール素子2に対して設置 れているものである。磁性体3がこの磁気セ ンサに接近すると、図13Bに示すように磁束4 磁性体3に吸引されるため、ホール素子2に印 加される磁束密度が低くなる。そこで、その 出力変化を検知することにより、磁性体3の 近を検知することができる。また、スイッ 機能を含んだホールICの場合には、所定の磁 束密度を閾値として、この閾値を境界に反転 した出力を得ることができる。
 また、図14に示す、近接センサとして使用 れる磁気センサの動作も同様である。この 気センサでは、磁束8が、ホール素子(または スイッチ機能を含んだホールIC)6の長さ方向 対し垂直方向にホール素子6を貫くように、 石5がホール素子6に対し設置されている。 の磁気センサでは、磁性体7の接近レベルに 応した出力変化を得ることができる。

 しかし、従来のホール素子を用いた磁気セ サでは、以下の問題が生じる。
(1)ホール素子2,6と磁石1,5とのペア構造が不可 欠のため、複数の部品が必要となり、また、 磁気センサのサイズが大きくなる(例えば特 文献2)。特に、図13A、図13Bの構成では、磁石 1とホール素子2との間に磁性体3が通過するた めのスリットSが必要となる(例えば非特許文 2)。
(2)バイアス磁界を印加するための磁石とホー ル素子との位置合わせが必要になる(例えば ラツキ防止策として、特許文献3)。
(3)一般的に、磁石特性のバラツキは大きいの で、磁石の特性バラツキを見込んだ設計が必 要になる(例えばバラツキ防止策として、特 文献3)。

従来の、ピストン位置検出装置の構造を図 15に示す(例えば、特許文献4)。磁石101がピス ン100に設置されており、磁気センサ103(この 磁気センサ103は、磁石を有していない)が、 磁性材料からなるシリンダチューブ102の外 に設置されている。ピストン100の移動によ て磁石101が磁気センサ103に接近すると、磁 センサ103が磁石101を検知し、ピストン100の 置を検出することができる。

 しかしながら、上述したような従来のピス ン位置検出装置では、ピストンに磁石を設 する必要があるため、ピストンの構造が複 であり、製造工程も多くなる。

 磁石と磁気センサの特性を考慮したシリン の設計が必要である。具体的には、磁束の きがシリンダチューブの長さ方向に対して 直か平行かによって、ホール素子の磁気セ サ又は磁気抵抗素子(MR素子)の磁気センサの 何れの磁気センサを使用する必要があるかが 違ってくる。さらに磁気抵抗素子の場合には 、磁束の向きと磁気センサの感磁方向を合わ せる必要がある。また、逆に磁気センサが決 まっている場合は、磁石の磁極の向きに注意 を払う必要がある。また、磁石をピストンに 設置するために、ピストンやシリンダチュー ブが太くなってしまう。

特開昭61-172075号公報

特開平6-76706号公報

特開2004-186040号公報

特許第2616783号公報 山田剛良、“磁場の乱れでオンオフ,タ コ エレが耐熱性が高い非接触の近接スイッ チ”、[online]、平成18年10月5日、日経エレク ロニクス、[平成19年2月6日検索]、インター ット<URL: http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/2 0061005/121974/> “鉄板近接スイッチ ME-301”、[online]、[ 成19年2月6日検索]、株式会社エヌエー、イ ターネット<URL: http://www.na-web.co.jp/products/m e/pr_02_21.html> 武内章太郎、今野秀人、友常薫、涌坪勉 、前田豊、“MRセンサモジュール”、NEC技報 日本電気株式会社、1998年、第51巻、第4号、 第106-110頁

 本発明は、上記事情に鑑みてなされたも であり、バイアス磁界印加部材(例えば、磁 石)を高い精度で容易に位置合わせすること でき、特性のバラツキが少ない磁気センサ ジュールを提供することを課題とする。ま 、本発明は、ピストンにバイアス磁界印加 材を配する必要をなくし、ピストンの構造 製造を簡単にすることが可能な、ピストン 置検出装置を提供することを課題とする。

 前記課題を解決するため、本発明は、ス ッチング動作を行う集積回路を備えた半導 基板と、この半導体基板の一方の面上に設 られ、かつ該一方の面に沿った方向に感磁 向を持つ磁気抵抗素子と、前記半導体基板 設けられ、かつ前記一方の面に平行な面上 配置されたバイアス磁界印加部材とを備え 前記バイアス磁界印加部材は、該バイアス 界印加部材が配置された前記面に沿った方 に着磁されており、外部磁界が印加されて ない状態では、該バイアス磁界印加部材は 前記磁気抵抗素子が設けられた前記一方の に沿った方向にバイアス磁界を印加するも である磁気センサモジュールを提供する。

 本発明の磁気センサモジュールにおいては 前記バイアス磁界印加部材がペースト磁石 たは薄膜磁石であることが好ましい。
 前記集積回路は、前記磁気抵抗素子の出力 圧を所定の閾値と比較して、比較結果に応 て、前記磁気抵抗素子の出力電圧が前記所 の閾値より大きい高レベル状態であること 表す信号、又は、前記磁気抵抗素子の出力 圧が前記所定の閾値より小さい低レベル状 であることを表す信号を出力するものであ ことが好ましい。
 前記バイアス磁界印加部材が前記半導体基 の一方の面とは反対の側である他方の面上 設けられていることが好ましい。
 本発明のピストン位置検出装置は、非磁性 料からなるシリンダチューブと、少なくと 一部が磁性材料からなり、前記シリンダチ ーブ内周面を摺動するように配されたピス ンと、前記シリンダチューブの外周面に配 れ、バイアス磁界印加部材を有する磁気セ サと、を備える。
 本発明において、前記磁気センサは、磁束 度の高さに基づいてスイッチング動作を行 集積回路を少なくとも備え、かつ、前記バ アス磁界印加部材は、薄膜からなる磁石で り、前記集積回路の上面、下面、又は内部 配されていることが望ましい。

 本発明において、前記磁気センサは、半導 基板、及び、この半導体基板の一方の面上 設けられ、かつ該一方の面に沿った方向に 磁方向を持つ磁気抵抗素子を有し、前記バ アス磁界印加部材は磁石であり、該磁石は 記半導体基板に設けられ、かつ、前記一方 面に平行な面上に配置され、かつ、該磁石 配置された前記面に沿った方向に着磁され おり、外部磁界が印加されていない状態で 、該磁石は前記磁気抵抗素子が設けられた 記一方の面に沿った方向にバイアス磁界を 加することが望ましい。

 本発明によれば、磁気抵抗素子(MR素子)、ス イッチング動作を行う集積回路(IC)を備えた 導体基板(MRスイッチ)、及び、バイアス磁界 加部材からなる集積構造を用いて磁気セン モジュールを構成することにより、以下の 点がある。
(1)バイアス磁界印加部材を磁気センサモジュ ールに含め、集積構造とすることで個別のバ イアス磁界印加部材が不要となる。
(2)印加磁界の方向が半導体基板の面と平行方 向になるため、磁気センサモジュールの小型 化が可能となる。

(3)半導体プロセスと親和性の高いプロセスを 用いてバイアス磁界印加部材を形成すること ができるため、バイアス磁界印加部材と半導 体基板との位置合わせが不要となる。また、 バイアス磁界印加部材と磁気抵抗素子の距離 を高精度に調整することができるため、印加 された磁界のバラツキを低減することができ る。
 また、本発明によれば、ピストンの少なく も一部を磁性材料とし、磁気センサがバイ ス磁界印加部材を備えることで、ピストン バイアス磁界印加部材を配する必要がなく る。これにより、バイアス磁界印加部材の 極を考えずに磁気センサの実装ができるこ に加え、ピストンにバイアス磁界印加部材 配さないことでピストンやシリンダチュー を細くすることができる。その結果、本発 ではピストンの構造や製造を簡単にしたピ トン位置検出装置を提供することができる

図1は、本発明の磁気センサモジュール の概略構成の一例を示す概略断面図である。 図2は、磁気抵抗素子の構成の一例を示 す平面図である。 図3Aは、図1に示す磁気センサモジュー ルに外部磁界が印加されていない状態におけ る磁界の様子を模式的に示す図面である。 図3Bは、図1に示す磁気センサモジュー ルに外部磁界が印加されていない状態におけ る出力を模式的に説明するグラフである。 図4Aは、図1に示す磁気センサモジュー ルに磁性体を半導体基板の表面側から近接さ せた状態における磁界の様子を模式的に示す 図面である。 図4Bは、図1に示す磁気センサモジュー ルに磁性体を半導体基板の表面側から近接さ せた状態における出力を模式的に説明するグ ラフである。 図5Aは、図1に示す磁気センサモジュー ルに磁性体を半導体基板の裏面側から近接さ せた状態における磁界の様子を模式的に示す 図面である。 図5Bは、図1に示す磁気センサモジュー ルに磁性体を半導体基板の裏面側から近接さ せた状態における出力を模式的に説明するグ ラフである。 図6Aは、図1に示す磁気センサモジュー ルをバンプを介して基板上に固定して磁気セ ンサを構成した様子を模式的に示す断面図で ある。 図6Bは、図1に示す磁気センサモジュー ルをバンプを介して基板上に固定して磁気セ ンサを構成した状態における磁界の様子を模 式的に示す図面である。 図7は、本発明に係るピストン位置検出 装置の一例を示す断面図である。 図8は、本発明に係るピストン位置検出 装置の他の一例を示す断面図である。 図9は、図7、8の装置を構成する磁気セ サの部分を抜き出して示す断面図である。 図10は、磁気抵抗素子の構成の一例を す平面図である。 図11Aは、磁気センサに外部磁界が印 されていない状態における磁界の様子を示 図である。 図11Bは、磁気センサに外部磁界が印 されていない状態における印加磁界と電圧 の関係を示すグラフである。 図12Aは、磁気センサに磁性体を近接 せた状態における磁界の様子を示す図であ 。 図12Bは、磁気センサに磁性体を近接 せた状態における印加磁界と電圧との関係 示すグラフである。 図13Aは、従来の磁気センサの一例を す概略図である。 図13Bは、従来の磁気センサの一例を す概略図である。 図14は、従来の磁気センサの他の例を す概略図である。 図15は、従来のピストン位置検出装置 一例を示す断面図である。

符号の説明

10…磁気センサモジュール、11…半導体基 、11a…一方の面、11b…他方の面、12…バイア ス磁界印加部材、13…磁気抵抗素子(MR素子)、 23…磁気センサ、31…ピストン位置検出装置 32…シリンダチューブ、33…ピストン、34… 性材料、40…磁気センサ、41…半導体基板、4 2…磁気抵抗素子、43…バイアス磁界印加部材 、44…薄膜磁石、47…磁気センサモジュール

 以下、本発明に係る第1実施形態による磁気 センサモジュールにつき、図1~図6Bを参照し 説明する。
 尚、この磁気センサモジュールは10、例え 、後述のように、バンプ等を介して、フレ シブルプリント回路(FPC)などの基板22に固定 れることにより、磁気センサ23を構成する
 図1は、本発明の磁気センサモジュール10の 略構成の一例を示す概略断面図である。図2 は、磁気抵抗素子13の構成の一例を示す平面 である。図3Aは、図1に示す磁気センサモジ ール10に外部磁界が印加されていない状態 おける磁界14の様子を模式的に示す図面であ り、図3Bは、この状態における出力を模式的 説明するグラフである。図4Aは、図1に示す 気センサモジュール10に磁性体20を半導体基 板の表面側から近接させた状態における磁界 15の様子を模式的に示す図面であり、図4Bは の状態における出力を模式的に説明するグ フである。図5Aは、図1に示す磁気センサモ ュール10に磁性体20を半導体基板の裏面側か 近接させた状態における磁界16の様子を模 的に示す図面であり、図5Bはこの状態におけ る出力を模式的に説明するグラフである。図 6Aは、図1に示す磁気センサモジュール10を、 ンプ21を介して基板上に固定して磁気セン 23を構成した様子を模式的に示す断面図であ り、図6Bは、この状態における磁界17の様子 模式的に示す図面である。

 なお、図3A、図4A、図5A、図6B中、符号14~17 は、それぞれの状態における磁界を模式的に 表現したものである。図3B、図4B、図5Bにおい て、高レベル(High level)から低レベル(Low level )へ遷移するとき、及び、低レベルから高レ ルへ遷移するときで、横軸方向において異 る位置を通ることが模式的に表現されてい 。

  この磁気センサモジュール10は、図1に すように、スイッチング動作を行う集積回 (図示略)を備えた半導体基板11と、この半導 基板11の一方の面11a上に設けられ前記一方 面11aに沿った方向に感磁方向を持つ磁気抵 素子13と、前記半導体基板11に設けられ、か 前記一方の面11aに平行な面11b上に配置され バイアス磁界印加部材(バイアス磁界印加用 磁石)12とを、少なくとも備えている。本形態 例の磁気センサモジュール10のバイアス磁界 加部材12の着磁方向は、図3Aに示すように、 該バイアス磁界印加部材12が形成された面11b 沿った方向であり(NおよびSが面11bに沿った 向に並んでいる)、外部磁界が印加されてい ない状態では、磁気抵抗素子13が形成された 記一方の面11aに沿った方向にバイアス磁界1 4を印加するものであることを特徴とする。

 バイアス磁界印加部材12としては、半導 基板11への積層に際し、半導体プロセスと親 和性が高いプロセスによって形成することが 可能な、ペースト磁石または薄膜磁石が好ま しい。磁石を構成する硬磁性体としては、特 に限定されるものではないが、サマリウム- バルト(SmCo)、鉄-白金(FePt)、コバルト-白金(Co Pt)、ネオジム-鉄-ホウ素(NdFeB)、フェライトな どが利用できる。

 ペースト磁石は、硬磁性体粉末等をバイ ダー樹脂に混合してなる硬磁性体ペースト 塗布などの方法で基板のいずれかの面に形 し、焼成・加熱ののち、所定の方向に着磁 て磁化させることによって設けることがで る。

 薄膜磁石は、硬磁性体を薄膜として成膜 たものであり、その作製方法は、特に限定 れるものではないが、スパッタや蒸着、め き、ボンド磁石の印刷などが挙げられる。 膜磁石を任意の形状にするパターニングに 、例えばエッチングやリフトオフなどのフ トリソグラフィー技術を利用することがで る。作製した薄膜磁石は、必要に応じてア ール処理を行ったのち、磁気センサとして 感磁方向に着磁を行う。

 ここで、図1に示す例では、バイアス磁界 印加部材12は、半導体基板11の一方の面11aと 反対の側である他方の面11b上に設けられて る。この場合、バイアス磁界印加部材12と磁 気抵抗素子13との距離は半導体基板11の厚み よって規定されるので、磁気抵抗素子13への 印加磁界を、精度良く制御することができる 。

 なお、本発明の磁気センサモジュール10 、この例に限られるものではなく、例えば イアス磁界印加部材12を、半導体基板11の一 の面11aと同じ側に設けてもよい。また、バ アス磁界印加部材12と半導体基板11とを積層 する際に、任意に他の層(図示せず)を介在さ てバイアス磁界印加部材12と半導体基板11と の距離を調整するようにしてもよい。この手 法によっても、磁気抵抗素子13への印加磁界 、精度良く制御することができる。介在さ る他の層は特に限定されないが、適当な無 材料あるいは有機材料等の非磁性材料を成 することによって容易に形成することがで る。

 本発明においては、磁気センサモジュー 10を構成する磁気抵抗素子13の磁電変換材料 として、膜の面に沿った方向に感磁方向を持 つ異方性磁気抵抗材料(MR)を用いている。磁 抵抗素子13は、鉄-ニッケル(FeNi)、鉄-ニッケ -コバルト(NiFeCo)等の強磁性体からなる磁性 から構成することができ、例えばパーマロ が挙げられる。

 本形態例において、半導体基板11上に設け れる磁気抵抗素子13は、図2に示すように4つ MR薄膜抵抗13a,13b,13c,13dと、MR薄膜抵抗13a~13d 間に設けられ導電体からなる端子a,b,c,dとか 構成され、ブリッジ構造を有する。それぞ のMR薄膜抵抗13a~13dを形成する方法としては 例えば、フォトリソグラフィー法によるパ ーン形成工程と、メッキ法やスパッタリン 法による成膜工程とを組み合わせた方法が げられる。
 MR薄膜抵抗13a~13dのパターンは、それぞれ所 の方向を向いて配置される。

 図2に示す磁気抵抗素子13の場合、2つのMR 膜抵抗13a,13dは、半導体基板11の一方の面11a における一の方向(以下、「X方向」という 図2では左右方向)を向いて配置されており、 他の2つのMR薄膜抵抗13b,13cは、半導体基板11の 一方の面11a上において前記X方向と直交する 向(以下、「Y方向」という。図2では上下方 )を向いて配置されている。

 X方向を向いて配置された2つのMR薄膜抵抗13a ,13dには、X方向を長手方向として平行に配置 れた複数のMR膜が設けられている。隣接す MR膜は、その端部同士でメアンダ形状(つづ 折り形状)になるように、MR膜または導電膜 介して、Y方向に電気的に接続されている。
 また、Y方向を向いて配置された2つのMR薄膜 抵抗13b,13cには、Y方向を長手方向として平行 配置された複数のMR膜が設けられている。 接するMR膜は、その端部同士でメアンダ形状 (つづら折り形状)になるように、MR膜または 電膜を介して、X方向に電気的に接続されて る。

 4つのMR薄膜抵抗13a~13dは、同じ材質のMR膜 ら形成されることが好ましい。これにより 4つのMR薄膜抵抗13a~13dは温度に対する特性変 動が同等となるので、磁気デバイスとしての 温度特性が向上する。折り返し部分を導電膜 で形成する場合、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウ (Al)等の導体膜が使用される。

 磁気抵抗素子13は図2に示すように、ブリ ジ回路を構成している。このため、4つのMR 膜抵抗13a~13dでは、互いに異なる方向(X方向 たはY方向)を向いて配置された素子同士が 接して配置されており、4つのMR薄膜抵抗13a~1 3dは、配線を介して接続されている。これら 配線は、例えば金(Au)、銅(Cu)、アルミニウ (Al)等の導体膜から構成することができる。4 つのMR薄膜抵抗13a~13dは、90°ずつ向きを変え 配置されている。4つのMR薄膜抵抗13a~13dは、 料、パターン形状や抵抗値が同じものであ ことが好ましい。4つのMR薄膜抵抗13a~13dを配 列する態様としては、例えば図2に示すよう 縦横2×2の配列が挙げられるが、MR薄膜抵抗 を適当な配線で接続することにより、他の 列を採用することも可能である。

 このようなブリッジ回路においては、端 aに電源電圧、端子bにはグランドレベルが れぞれ接続されたとき、磁気抵抗素子13の出 力は、他の2つの端子c,d間の電位差(ブリッジ 力)として得ることができる。ブリッジ出力 は、印加磁界の強さを反映して増減するので 、このブリッジ出力(電圧)の大きさを所定の 値と比較して、出力電圧が所定の閾値より きい(高レベル状態)か、出力電圧が所定の 値より小さい(低レベル状態)かの判別により 、スイッチング動作を行うことができる。本 発明においては、スイッチング動作は半導体 基板11に形成された集積回路(図示せず)によ 行われており、集積回路は高レベル状態か レベル状態かのいずれかを表す信号を出力 る。

 次に、本実施形態の磁気センサモジュー 10としての検出方法を、図3A~図5Bを参照して 説明する。磁気センサモジュール10の出力は 閾値の磁束密度により、磁束密度が低いと に出力電圧が高レベル状態(High level)となり 、磁束密度が高いときに出力電圧が低レベル 状態(Low level)となるように設定されている。 このため、磁気センサモジュール10の出力電 について閾値を定め、磁気センサモジュー 10の出力電圧が前記閾値より大きいときを レベル状態とし、磁気センサモジュール10の 出力電圧が前記閾値より小さいときを低レベ ル状態とする。また、閾値は、高レベル状態 と低レベル状態との間にギャップを設けて両 者が明確に区別されるようにすることが好ま しい。このように電圧値の比較によりスイッ チング動作を行う集積回路を、磁電変換素子 の出力と組み合わせて用いることにより、外 部磁界の強さに基づいてスイッチング動作を 行う磁気センサモジュール10を構成すること できる。

 図3Aに示すように、外部磁界が印加され ない状態では、磁気抵抗素子13には、バイア ス磁界印加部材12が形成された面に沿った方 に着磁されたバイアス磁界印加部材12によ て、磁気抵抗素子13が形成された面に沿った 方向にバイアス磁界14が印加される。このと の磁界14は、磁気抵抗素子13近傍の磁束密度 が高いもの(図3Aにおいて磁気抵抗素子13上に 線で右向き矢印として表す。)となる。そこ で、図3Bに示すように、このときの出力電圧 低レベル状態(Low level)と判定するように前 閾値を設定すると、低レベル状態の出力は 磁性体が近接されていない状態を表すこと なる。

 図4Aに示すように、鉄板等の磁性体20を近 接させると、バイアス磁界印加部材12から印 される磁束が磁性体20に吸引される。その 果、このときの磁界15は、磁気抵抗素子13近 の磁束密度が低いもの(図4Aにおいて磁気抵 素子13上に破線で右向き矢印として表す。) なる。そこで、図4Bに示すように、このと の出力電圧を高レベル状態(High level)となる うに前記閾値を設定すると、高レベル状態 出力は、磁性体20が近接されている状態を すことになる。

 図4Aでは磁性体20を半導体基板11の一方の 11a側から近接させた様子を説明したが、図5 Aに示すように、磁性体20を半導体基板11の他 の面11b側から近接させた場合でも同様に動 する。すなわち、磁性体20を近接させると バイアス磁界印加部材12から印加される磁束 が磁性体20に吸引される。その結果、磁気抵 素子13近傍の磁束密度が、弱い磁界16となり 、磁性体20が近接されている状態を表す高レ ル状態の信号を出力する。

 磁気抵抗素子13には、印加磁界の強さに じて抵抗値が変化する性質があり、印加磁 が強いほど抵抗値が減少する特性があるた 、磁気抵抗素子13の2つの端子間の電位差(ブ ッジ出力)は、MR膜へ印加される磁束密度の さを反映して増減する。このブリッジ出力 大きさを所定の閾値と比較して、出力電圧 所定の閾値より大きいか、小さいかの判別 よりスイッチング動作を行う。このような 成とすることにより、素子に印加される磁 密度の高低に応じて異なる2つの出力を発生 する磁気センサモジュール10を実現すること 可能となる。なお、集積回路から出力され この磁気センサモジュール10の出力として 、磁気抵抗素子13のブリッジ出力が所定の閾 値より小さいときに高電圧値による信号を出 し、磁気抵抗素子13のブリッジ出力が所定の 値より大きいときに低電圧値による信号を すようにしてもよい。また、その逆に、磁 抵抗素子13のブリッジ出力が所定の閾値よ 小さいときに低電圧値による信号を出し、 気抵抗素子13のブリッジ出力が所定の閾値よ り大きいときに高電圧値による信号を出すよ うにしてもよい。

 スイッチング動作を、半導体基板に設け 集積回路(IC)によって行うので、比較や制御 等に必要な回路を省スペースで構成すること ができ、磁気センサモジュール10の小型化を 現できる。本実施形態の磁気センサモジュ ル10は、図6Aに示すように、半導体基板11の 11a上にバンプ21を設け、フレキシブルプリ ト回路(FPC)などの基板22に固定することによ 磁気センサ23を構成することができる。尚 磁気センサモジュール10、バンプ21、及び、 板22が、図示しない磁気センサ用筐体に収 され、それらが全体として磁気センサ23を構 成しても良い。また、このとき半導体基板11 回路基板22との間は、バンプやワイヤ、導 ペースト(図示せず)などを用いて、電気的に 接続することができる。

 以上説明したように、本発明の第1実施形態 においては、着磁方向がバイアス磁界印加部 材12が形成された面に沿った方向であるバイ ス磁界印加部材12と、膜の面に沿った方向 感磁方向を持つ磁気抵抗素子13とを用いるこ とにより、磁性体20が磁気センサモジュール1 0に対していずれの方向から接近した場合で 検出することが可能になる。
 また、バイアス磁界印加部材12および磁気 抗素子13は、いずれも半導体プロセスと親和 性の高いプロセスを用いて形成することがで きるため、バイアス磁界印加部材12と磁気抵 素子13との位置関係を精度よく調整するこ が容易になる。また、いずれも半導体基板 積層されて一体化されるため、磁気センサ ジュール10、及び、この磁気センサモジュー ル10を備えた磁気センサ23を小型化すること できる。

(実施例)
 本実施例で作製した磁気センサモジュール1 0は、図1に示すように、磁気抵抗素子13と、 導体基板11上に集積されたバイアス磁界印加 部材12とからなる。磁気抵抗素子13は、図2に すように、4つのMR薄膜抵抗13a~13dのブリッジ 構造からなり、各MR薄膜抵抗は、パーマロイ 膜から形成されている。磁気抵抗素子13の 力は、集積回路内のコンパレータ(比較器)で 比較された後、スイッチング動作を行う。そ のパッケージは、シリコン(Si)基板からなる エハレベルパッケージ(WLP)で構成されており 、バンプ21(図6A、図6B参照)を含めたチップサ ズは、0.97×0.97×0.5(mm)である。

 半導体基板11の裏面11bには、バイアス磁 印加部材12としてNdFeB系のペースト磁石が配 される。NdFeB系のペースト磁石は、約80μmの 膜厚で形成され、磁気抵抗素子13の感磁方向 同一の面に沿った方向に着磁されている。 ースト磁石は、その膜厚によって磁気抵抗 子13への印加磁界を制御でき、また、バイ ス磁界印加部材12と磁気抵抗素子13との距離 基板11の厚みによって規定されるため、印 磁界を精度良く制御することが可能となる

 図6Aに示すように、この磁気センサモジ ール10を半導体基板11の一方の面11a上に設け バンプ21を介して基板22に実装して磁気セン サ23を構成した。そして、その出力を確認し ところ、出力は低レベルであった。この磁 センサ23は、バイアス磁界が印加されてい い状態では、約10~20(Oe)である印加磁界を閾 磁界として、それより強い磁界では出力は レベル、それより弱い磁界では出力が高レ ルとなるように設定されている。そのため 低レベルの出力は、磁気センサ23に約20(Oe)程 度のバイアス磁界が印加されていることを意 味する。

 次に図6Bに示すように、磁気センサモジ ール10のバイアス磁界印加部材12側から磁性 20として鉄板を近づけると、約10mmの距離で 気センサ23の出力が高レベルに反転した。 れは、バイアス磁界印加部材12で発生した磁 束が磁性体20に吸引される結果、磁気抵抗素 13の近傍の磁束密度が低下して、印加磁界 強さが約10(Oe)未満となったことを意味する

 同様に、特に図示はしないが、磁気センサ ジュール10の磁気抵抗素子13側(図6A、図6Bに ける下側)から磁性体を近づけたときも、磁 気センサ23の出力が高レベルに反転した。
 これらの結果から、磁性体20が、磁気抵抗 子13側から接近した場合でも、その反対側か ら接近した場合でも、区別なく高レベルに反 転した出力が得られたことがわかる。

 以下、本発明に係る第2実施形態につき、図 7~図12Bを用いて説明する。
 即ち、本発明に係るピストン位置検出装置 一実施形態を図面に基づいて説明する。

 図7は、本発明のピストン位置検出装置31の 実施形態を模式的に示す縦断面図である。
 本発明のピストン位置検出装置31は、非磁 材料からなるシリンダチューブ32と、少なく とも一部が磁性材料34からなり、前記シリン チューブ32の内周面を摺動するように配さ たピストン33と、前記シリンダチューブ32の 周面に配された磁気センサ40と、を少なく も備え、磁気センサ40は、バイアス磁界印加 部材43を少なくとも備える。

 本発明では、ピストン33の少なくとも一 を、磁束を吸収することができる磁性材料34 とし、磁気センサ40がバイアス磁界印加部材4 3を備えた構成とすることで、ピストン33に磁 石を配する必要がなくなる。これにより、磁 石の磁極を考えずに磁気センサ40の実装がで る。また、ピストン33に磁石を配さないこ でピストン33やシリンダチューブ32を細くす ことができる。その結果、本発明のピスト 位置検出装置31では、ピストン33の構造や製 造を簡単にすることができる。

 また、磁気センサ40の部分を抜き出して す断面図である図9で示すように、前記磁気 ンサ40は、磁気センサモジュール47、及び、 後述するような、バンプ51、基板52、及び、 れらを内部に収容する磁気センサ用筐体48か ら構成される。磁気センサモジュール47は、 束密度の高さに基づいてスイッチング動作 行う集積回路を少なくとも備えた半導体基 41、この半導体基板41の一方の面41a上に設け られ前記一方の面41aに沿った方向に感磁方向 を持つ磁気抵抗素子42と、前記半導体基板41 設けられ、かつ前記一方の面41aに平行な面41 b上に配置されたバイアス磁界印加部材(バイ ス磁界印加用磁石)43とを、少なくとも備え いる。前記バイアス磁界印加部材43は、薄 からなる磁石であり、前記集積回路の上面 下面、又は内部に配されている。これによ 、磁気センサ40が小型となり、ピストン位置 検出装置31の設計自由度が増し、ピストン位 検出装置31全体の小型化に貢献できる。

 シリンダチューブ32は、非磁性材料から る。このような非磁性材料としては、特に 定されるものではないが、例えばステンレ 鋼、銅等の非磁性金属材料、あるいはポリ チレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂材料 挙げられる。

 ピストン33は、棒状であり、前記シリンダ ューブ32の内周面を摺動するように、シリン ダチューブ32の内部に配される。
 ピストン33は、少なくとも一部が、磁束を 収することができる磁性材料34からなる。磁 性材料34としては、特に限定されるものでは いが、例えば鉄(Fe)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr) ネオジウム(Nd)などの磁力の高い材料を用い ることが好ましい。

 ピストン33は、図8に示すように、その全 が磁性材料34から構成されていてもよいし 図7に示すように、先端部のみが磁性材料34 ら構成されていてもよい。

 磁気センサ40は、前記シリンダチューブ32 の外周面に配された磁気近接センサである。 後述するように、磁気センサ40は、4つのMR薄 抵抗のブリッジ構造を備えてなり、その出 をコンパレータで比較することにより、ス ッチング動作をおこなう。ピストン位置検 装置31は、このスイッチング動作を利用し 、ピストン位置を検出する。

 磁気センサ40は、図9に示すように、半導 基板41の面41a上にバンプ51が設けられ、これ が、フレキシブルプリント回路(FPC)などの基 52に固定された構成を有する。このような 気センサ40が、シリンダチューブ32の外周面 配されている。また、このとき半導体基板4 1と回路基板52との間は、バンプ51やワイヤ、 電ペースト(図示せず)などを用いて、電気 に接続することができる。このように磁気 ンサ40は、WLP(ウエハレベルパッケージ)によ パッケージされており、磁気センサモジュ ル47にバンプを含めたチップサイズは、例 ば0.97×0.97×0.5mmである。なお、パッケージ形 態はWLPに限定されず樹脂モールドパッケージ でもよい。

 磁気センサ40の磁気抵抗素子42は、磁電変 換材料として、膜の面に沿った方向に感磁方 向を持つ異方性磁気抵抗材料(MR)を用いてい 。磁気抵抗素子42は、鉄-ニッケル(FeNi)、鉄- ッケル-コバルト(NiFeCo)等の強磁性体からな 磁性膜から構成することができ、例えばパ マロイが挙げられる。

 本実施形態において、半導体基板41上に けられる磁気抵抗素子42は、図10に示すよう 4つのMR薄膜抵抗42a,42b,42c,42dと、MR薄膜抵抗42 a~42dの間に設けられ、導電体からなる端子a,b, c,dとから構成され、ブリッジ構造を有する。 それぞれのMR薄膜抵抗42a~42dを形成する方法と しては、例えば、フォトリソグラフィー法に よるパターン形成工程と、メッキ法やスパッ タリング法による成膜工程とを組み合わせた 方法が挙げられる。MR薄膜抵抗42a~42dのパター ンは、それぞれ所定の方向を向いて配置され る。

 磁気抵抗素子42は図10に示すように、ブリ ッジ回路を構成している。このため、4つのMR 薄膜抵抗42a~42dは、互いに異なる方向(X方向ま たはY方向)を向いて配置された素子同士が隣 して配置され、配線を介して接続されてい 、との構造を有する。これらの配線は、例 ば金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の導体 から構成することができる。4つのMR薄膜抵 42a~42dは、90°ずつ向きを変えて配置されて る。また、4つのMR薄膜抵抗42a~42dは、材料、 ターン形状や抵抗値が同じものであること 好ましい。4つのMR薄膜抵抗42a~42dを配列する 態様としては、例えば図10に示すように縦横2 ×2の配列が挙げられるが、MR薄膜抵抗間を適 な配線で接続することにより、他の配列を 用することも可能である。

 このようなブリッジ回路においては、電 電圧が端子aに接続され、グランドレベルが 端子bに接続されたとき、磁気抵抗素子42の出 力は、他の2つの端子c,d間の電位差(ブリッジ 力)として得ることができる。ブリッジ出力 は、印加磁界の強さを反映して増減するので 、このブリッジ出力(電圧)の大きさを所定の 値と比較して、出力電圧が所定の閾値より きい(高レベル状態)か、出力電圧が所定の 値より小さい(低レベル状態)かの判別により 、スイッチング動作を行うことができる。本 形態例においては、スイッチング動作は半導 体基板41に形成された集積回路(図示せず)に り行われており、集積回路は高レベル状態 低レベル状態かのいずれかを表す信号を出 する。

 また、前記シリンダチューブ32の外側に、 気センサ40の一部を構成するバイアス磁界印 加部材43が配置されている。
 例えば図9に示す例では、バイアス磁界印加 部材43は、磁気センサ40において、半導体基 41に対して積層され、かつ前記一方の面41aに 平行な面41b内に配置されている。

 バイアス磁界印加部材43としては、半導 基板41への積層に際し、半導体プロセスと親 和性が高いプロセスによって形成することが 可能な薄膜磁石44が好ましい。薄膜磁石44を 成する硬磁性体としては、特に限定される のではないが、サマリウム-コバルト(SmCo)、 -白金(FePt)、コバルト-白金(CoPt)、ネオジム- -ホウ素(NdFeB)、フェライトなどが利用でき 。

 薄膜磁石44は、前述のような硬磁性体を 膜として成膜したものであり、その作製方 は、特に限定されるものではないが、ペー ト塗布、スパッタや蒸着、めっき、ボンド 石の印刷などが挙げられる。薄膜磁石44を任 意の形状にするパターニングには、例えばエ ッチングやリフトオフなどのフォトリソグラ フィー技術を利用することができる。作製し た薄膜磁石44は、必要に応じてアニール処理 行ったのち、磁気センサとしての感磁方向 着磁を行う。

 薄膜磁石44の膜厚や、薄膜磁石44が磁気セン サモジュール47に占める面積は特に限定され ものではなく、適宜決定される。例えば、 膜磁石44として、半導体基板41の面41bにNdFeB のペースト磁石を約80nmの膜厚で形成し、磁 気センサ40の感磁方向と同一方向に着磁する
 図11Aに示すように、薄膜磁石44は、該磁石 形成された面41bに沿った方向に着磁され(薄 磁石44の着磁方向は、面41bに沿った方向で り)、外部磁界が印加されていない状態では 磁気抵抗素子42が形成された面に沿った方 にバイアス磁界45を印加する。

 ここで、図9に示す例では、バイアス磁界 印加部材43は、半導体基板41の―方の面41aと 反対の側である他方の面41b上に設けられて る。この場合、薄膜磁石44と磁気抵抗素子42 の距離は半導体基板41の厚みによって規定 れるので、磁気抵抗素子42への印加磁界を、 精度良く制御することができる。

 なお、バイアス磁界印加部材43の配置は この例に限られるものではなく、例えばバ アス磁界印加部材43を、半導体基板41の―方 面41aと同じ側に設けてもよい。また、バイ ス磁界印加部材43と半導体基板41とを積層す る際に、任意に他の層(図示せず)を介在させ バイアス磁界印加部材43と半導体基板41との 距離を調整するようにしてもよい。この手法 によっても、磁気抵抗素子42への印加磁界を 精度良く制御することができる。介在させ 他の層は特に限定されないが、適当な無機 料あるいは有機材料等の非磁性材料を成膜 ることによって容易に形成することができ 。

 次に、本実施形態のピストン位置検出装 31において、磁気センサ40によるピストン位 置検出方法を、図11A~図12Bを参照して説明す 。磁気センサ40の出力は、閾値の磁束密度に より、磁束密度が低いときに出力電圧が高レ ベル状態(High level)となり、磁束密度が高い きに出力電圧が低レベル状態(Low level)とな ように設定されている。このため、磁気セ サ40の出力電圧について閾値を定め、磁気セ ンサ40の出力電圧が前記閾値より大きいとき 高レベル状態とし、磁気センサ40の出力電 が前記閾値より小さいときを低レベル状態 する。また、閾値は、高レベル状態と低レ ル状態との間にギャップを設けて両者が明 に区別されるようにすることが好ましい。 のように電圧値の比較によりスイッチング 作を行う集積回路を、磁電変換素子の出力 組み合わせて用いることにより、外部磁界 大きさに基づいてピストン位置を検出する ストン位置検出装置31を構成することができ る。

 図11Aに示すように、外部磁界が印加され ない状態では、磁気抵抗素子42には、バイ ス磁界印加部材43が形成された面に沿った方 向に着磁されたバイアス磁界印加部材43によ て、磁気抵抗素子42が形成された面に沿っ 方向にバイアス磁界45が印加される。このと きの磁界45は、磁気抵抗素子42近傍の磁束密 が高いもの(図11Aにおいて磁気抵抗素子42上 実線で右向き矢印として表す。)となる。そ で、図11Bに示すように、このときの出力電 を低レベル状態(Low level)と判定するように 記閾値を設定すると、低レベル状態の出力 、磁性体34(ピストン33)が近接されていない 態を表すことになる。

 図12Aに示すように、磁性体34(ピストン33) 近接させると、薄膜磁石44から印加される 束が磁性体34に吸引される。その結果、この ときの磁界46は、磁気抵抗素子42近傍の磁束 度が低いもの(図12Aにおいて磁気抵抗素子42 に実線で右向き矢印として表す。)となる。 こで、図12Bに示すように、このときの出力 圧を高レベル状態(High level)となるように前 記閾値を設定すると、高レベル状態の出力は 、磁性体34(ピストン33)が近接されている状態 を表すことになる。

 磁気抵抗素子42は、印加磁界の強さに応 て抵抗値が変化する性質を有し、印加磁界 強いほど抵抗値が減少する特性を有する。 のため、磁気抵抗素子42の2つの端子間の電 差(ブリッジ出力)は、MR膜へ印加される磁束 度の高さを反映して増減する。このブリッ 出力の大きさを所定の閾値と比較して、出 電圧が所定の閾値より大きいか、小さいか 判別によりスイッチング動作を行う。この うな構成とすることにより、素子に印加さ る磁束密度の高低に応じて異なる2つの出力 を発生する磁気センサ40、及びそれを利用し ピストン位置検出装置31を実現することが 能となる。なお、集積回路から出力される の磁気センサ40の出力としては、磁気抵抗素 子42のブリッジ出力が所定の閾値より小さい きに高電圧値による信号を出し、磁気抵抗 子42のブリッジ出力が所定の閾値より大き ときに低電圧値による信号を出すようにし もよい。また、その逆に、磁気抵抗素子42の ブリッジ出力が所定の閾値より小さいときに 低電圧値による信号を出し、磁気抵抗素子42 ブリッジ出力が所定の閾値より大きいとき 高電圧値による信号を出すようにしてもよ 。

 また、ピストン位置検出を、半導体基板4 1に設けた集積回路(IC)によって行うので、比 や制御等に必要な回路を省スペースに構成 ることができ、磁気センサ40の小型化を実 できる。

 以上、本発明の第2実施形態によるピスト ン位置検出装置31について説明してきたが、 発明はこれに限定されるものではなく、発 の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可 である。

 本発明の磁気センサモジュールは、鉄板 の磁性体の近接を検知する種々の用途に利 することができる。また、本発明は、ピス ン位置検出装置に適用可能である。