住友金属工業株式会社 (〒41 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 Osaka, 5410041, JP)
| 2つの孔型ロールがそれぞれ配設された複数の圧延スタンドを備えるマンドレルミルであって、 第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドのロール径比が4.6以上に設定されていることを特徴とするマンドレルミル。 |
| 3つの孔型ロールがそれぞれ配設された複数の圧延スタンドを備えるマンドレルミルであって、 第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドのロール径比が2.8以上に設定されていることを特徴とするマンドレルミル。 |
| 請求項1又は2に記載のマンドレルミルによって管を延伸圧延する工程を含むことを特徴とする継目無管の製造方法。 |
本発明は、マンドレルミル及びこれを用 た継目無管の製造方法に関し、特に管の延 比を高めることができると同時に穴あき欠 の発生を抑止可能なマンドレルミル及びこ を用いた継目無管の製造方法に関する。
継目無管の製造設備であるマンドレルミ として、従来より、対向する2つの孔型ロー ルが各圧延スタンドに配設され、隣接する圧 延スタンド間で孔型ロールの圧下方向を90° らして交互に配置した2ロール式のマンドレ ミルが用いられている。また、圧下方向の す角が120°となるように3つの孔型ロールが 圧延スタンドに配設され、隣接する圧延ス ンド間で孔型ロールの圧下方向を60°ずらし て交互に配置した3ロール式のマンドレルミ も用いられている。
ここで、継目無管の製造効率を高めるに 、マンドレルミルにおける管の延伸比(=マ ドレルミル入側の管の肉厚/マンドレルミル 側の管の肉厚)をできるだけ高めることが望 ましい。管の延伸比を高めれば、延伸圧延後 の管の長さが長くなるため、一度の延伸圧延 で多数の製品素材を得ることができるからで ある。
マンドレルミルにおける管の延伸比を高 るには、例えば、各圧延スタンド(特に前段 圧延スタンド)毎の肉厚圧下率を大きく設定 ることが考えられる。しかしながら、肉厚 下率を大きく設定し過ぎると、孔型ロール 溝底で圧下した管材の流れ(メタルフロー)が 孔型ロールのフランジ側に十分に伝わらない こと等に起因して、孔型ロールのフランジに 対向する管の部位に穴あき欠陥と称される貫 通穴が発生する虞がある。また、管の延伸比 を高めるために、各圧延スタンド毎の肉厚圧 下率を過度に大きく設定することなく、圧延 スタンドの数を増やすことも考えられる。し かしながら、圧延スタンドの数を過度に増や すと、その分だけ設備コストが増大する他、 メンテナンスにも手間を要するため、現実的 な圧延スタンドの数は5~8基程度とされる。従 って、従来のマンドレルミル、例えば、5基 圧延スタンドを備えるマンドレルミルにお る管の延伸比は、4未満の値に抑えられてい のが一般的である。このため、継目無管の 造効率を高める上で、管の延伸比をより一 高めることのできるマンドレルミルが所望 れている。
本発明は、斯かる従来技術の問題を解決 るためになされたものであり、管の延伸比 高めることができると同時に穴あき欠陥の 生を抑止可能なマンドレルミル及びこれを いた継目無管の製造方法を提供することを 題とする。
前記課題を解決するため、本発明者は鋭 検討した結果、第1圧延スタンド及び第2圧 スタンドのロール径を所定値以上に大きく れば(従って、ロール径比を所定値以上に大 くすれば)、管の延伸比を高めることができ ると同時に穴あき欠陥の発生を抑止可能であ ることを見出した。本発明は、斯かる本発明 者の新しい知見に基づき完成されたものであ る。
すなわち、本発明の第1の手段は、2つの 型ロールがそれぞれ配設された複数の圧延 タンドを備えるマンドレルミルであって、 1圧延スタンド及び第2圧延スタンドのロール 径比が4.6以上に設定されていることを特徴と するマンドレルミルを提供する。
なお、前記第1の手段における「第1圧延ス ンド」とは、マンドレルミル入側から数え 第1番目に配置された圧延スタンドを意味す 。同様に、前記第1の手段における「第2圧 スタンド」とは、マンドレルミル入側から えて第2番目に配置された圧延スタンドを意 する。また、前記第1の手段における「ロー ル径比」とは、圧延スタンドに配置された各 孔型ロールの溝底におけるロール径(最小の ール径)をD R 、各孔型ロールの溝底間距離をD C としたときに、D R /D C で表される値である。
また、本発明の第2の手段は、3つの孔型 ールがそれぞれ配設された複数の圧延スタ ドを備えるマンドレルミルであって、第1圧 スタンド及び第2圧延スタンドのロール径比 が2.8以上に設定されていることを特徴とする マンドレルミルを提供する。
前記第2の手段における「第1圧延スタンド 及び「第2圧延スタンド」の意味は、前述し 第1の手段の場合と同一である。また、前記 第2の手段における「ロール径比」とは、圧 スタンドに配置された各孔型ロールの溝底 おけるロール径(最小のロール径)をD R 、各孔型ロールの溝底と孔型中心との距離を D C /2としたときに、D R /D C で表される値である。
さらに、前記課題を解決するため、本発 は、前記第1の手段又は第2の手段に係るマ ドレルミルによって管を延伸圧延する工程 含むことを特徴とする継目無管の製造方法 しても提供される。
本発明によれば、管の延伸比を高めるこ ができると同時に穴あき欠陥の発生を抑止 能である。従って、圧延不良を引き起こす となく、継目無管の製造効率を高めること できる。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明
実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る2ロー
式のマンドレルミルを構成する圧延スタン
の概略構成を示す縦断面図である。図1(a)に
示すように、本実施形態に係るマンドレルミ
ルは、2つの孔型ロールR11、R12が配設された
数の圧延スタンドを備える。そして、第1圧
スタンド及び第2圧延スタンドのロール径比
D R
/D C
が4.6以上に設定されていることを特徴とする
。
すなわち、図1(a)に示すように、第1圧延ス ンドに配置された各孔型ロールR11、R12の溝 Bにおけるロール径(最小のロール径)をD R 、各孔型ロールR11、R12の溝底B間の距離をD C としたときに、D R /D C で表されるロール径比が4.6以上に設定されて いる。第2圧延スタンドについても同様であ 。なお、他の圧延スタンド(例えば、本実施 態に係るマンドレルミルが合計5基の圧延ス タンドを備える場合には、第3圧延スタンド~ 5圧延スタンド)については、上記のロール 比に設定する必要はなく、従来より一般的 用いられているロール径比(例えば、3以下の 値)に設定することが可能である。以下、図1( b)を参照しつつ、第1圧延スタンド及び第2圧 スタンドのロール径比D R /D C を4.6以上に設定する理由について説明する。
図1(b)は、本実施形態に係るマンドレルミル
の第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドでの
の肉厚圧下率及びロール径比を種々の値に
定して延伸圧延を行ったときに、管に穴あ
欠陥が発生しなかったロール径比の下限値
プロットしたグラフである。換言すれば、
1(b)に示すグラフは、図1(b)に示す近似直線L
りも下方の領域で肉厚圧下率及びロール径
を設定すれば管に穴あき欠陥が発生する一
、近似直線Lよりも上方の領域で肉厚圧下率
及びロール径比を設定すれば管に穴あき欠陥
が発生しなかったことを意味する。なお、図
1(b)の横軸である肉厚圧下率は、第1圧延スタ
ド入側の管の肉厚をt i1
とし、第2圧延スタンド出側の管の肉厚をt o2
としたときに、下記の式(1)で定義される値で
ある。
肉厚圧下率=(t i1
-t o2
)/t i1
=1-t o2
/t i1
・・・(1)
ここで、上記の式(1)の右辺にあるt o2 /t i1 の逆数であるt i1 /t o2 は、第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドで 管の延伸比に相当する値である。このt i1 /t o2 を少なくとも4に設定すれば、マンドレルミ 全体での管の延伸比(=マンドレルミル入側の 管の肉厚/マンドレルミル出側の管の肉厚)を 来よりも大きな4以上の値にすることができ る。t i1 /t o2 =4のとき、上記の式(1)で定義される肉厚圧下 は0.75となる。そして、図1(b)から明らかな うに、肉厚圧下率=0.75のとき、ロール径比D R /D C を4.6以上に設定すれば、穴あき欠陥の発生を 抑止することが可能である。すなわち、ロー ル径比D R /D C を4.6以上に設定すれば、第1圧延スタンド及 第2圧延スタンドでの管の延伸比を4に(従っ 、マンドレルミル全体での管の延伸比を従 よりも大きな4以上の値に)高めることができ ると同時に、穴あき欠陥の発生を抑止可能で ある。
以上に説明した理由により、本実施形態に るマンドレルミルの第1圧延スタンド及び第 2圧延スタンドのロール径比D R /D C は4.6以上に設定される。これにより、本実施 形態に係るマンドレルミルによれば、管の延 伸比を高めることができると同時に穴あき欠 陥の発生を抑止可能である。なお、ロール径 比D R /D C を大きくする(ロール径D R を大きくする)と、延伸圧延中の管と孔型ロ ルR11、R12との接触長さ(管の軸方向に沿った さ)が長くなる。このため、延伸比(肉厚圧 率)を高く設定したとしても、延伸圧延の過 において、管材の流れ(メタルフロー)が孔 ロールR11、R12のフランジ側に十分に伝わる 果、穴あき欠陥の発生を抑止できるのだと えられる。
<第2実施形態>
図2(a)は、本発明の第2実施形態に係る3ロー
式のマンドレルミルを構成する圧延スタン
の概略構成を示す縦断面図である。図2(a)に
示すように、本実施形態に係るマンドレルミ
ルは、3つの孔型ロールR21、R22、R23が配設さ
た複数の圧延スタンドを備える。そして、
1圧延スタンド及び第2圧延スタンドのロール
径比D R
/D C
が2.8以上に設定されていることを特徴とする
。
すなわち、図2(a)に示すように、第1圧延ス ンドに配置された各孔型ロールR21~R23の溝底B におけるロール径(最小のロール径)をD R 、各孔型ロールR21~R23の溝底Bと孔型中心(被圧 延材である管のパスライン中心)Oとの距離をD C /2としたときに、D R /D C で表されるロール径比が2.8以上に設定されて いる。第2圧延スタンドについても同様であ 。なお、他の圧延スタンド(例えば、本実施 態に係るマンドレルミルが合計5基の圧延ス タンドを備える場合には、第3圧延スタンド~ 5圧延スタンド)については、上記のロール 比に設定する必要はなく、従来より一般的 用いられているロール径比(例えば、3以下の 値)に設定することが可能である。以下、図2( b)を参照しつつ、第1圧延スタンド及び第2圧 スタンドのロール径比D R /D C を2.8以上に設定する理由について説明する。
図2(b)は、本実施形態に係るマンドレルミ ルの第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドで 管の肉厚圧下率及びロール径比を種々の値 設定して延伸圧延を行ったときに、管に穴 き欠陥が発生しなかったロール径比の下限 をプロットしたグラフである。換言すれば 図2(b)に示すグラフは、図2(b)に示す近似直 Lよりも下方の領域で肉厚圧下率及びロール 比を設定すれば管に穴あき欠陥が発生する 方、近似直線Lよりも上方の領域で肉厚圧下 率及びロール径比を設定すれば管に穴あき欠 陥が発生しなかったことを意味する。なお、 図2(b)の横軸である肉厚圧下率は、前述した 1実施形態と同様に、前述した式(1)で定義さ る値である。
図2(b)から明らかなように、肉厚圧下率=0.75 とき、ロール径比D R /D C を2.8以上に設定すれば、穴あき欠陥の発生を 抑止することが可能である。すなわち、ロー ル径比D R /D C を2.8以上に設定すれば、第1圧延スタンド及 第2圧延スタンドでの管の延伸比を4に(従っ 、マンドレルミル全体での管の延伸比を従 よりも大きな4以上の値に)高めることができ ると同時に、穴あき欠陥の発生を抑止可能で ある。
以上に説明した理由により、本実施形態に るマンドレルミルの第1圧延スタンド及び第 2圧延スタンドのロール径比D R /D C は2.8以上に設定される。これにより、本実施 形態に係るマンドレルミルによれば、管の延 伸比を高めることができると同時に穴あき欠 陥の発生を抑止可能である。なお、ロール径 比D R /D C を大きくする(ロール径D R を大きくする)と、延伸圧延中の管と孔型ロ ルR11、R12との接触長さ(管の軸方向に沿った さ)が長くなる。このため、延伸比(肉厚圧 率)を高く設定したとしても、延伸圧延の過 において、管材の流れ(メタルフロー)が孔 ロールR11、R12のフランジ側に十分に伝わる 果、穴あき欠陥の発生を抑止できるのだと えられる。
なお、以上に説明した第1実施形態及び第2 施形態に係るマンドレルミルにおいて、第1 延スタンド及び第2圧延スタンドのロール径 比D R /D C を過度に大きく設定し過ぎる(ロール径D R を大きく設定し過ぎる)と、大径の孔型ロー が必要となるために設備コストが増大する また、圧延スタンド間の距離(第1圧延スタン ド~第2圧延スタンド間の距離、及び、第2圧延 スタンド~第3圧延スタンド間の距離)が長くな るため、管端の非定常部(孔型ロールによっ 両端が拘束されない状態で延伸圧延される 端の部位)が長くなり、管の品質が低下する もある。さらに、圧延スタンド間の距離が くなるに伴い、長尺のマンドレルバーが必 となるために設備コストが増大する。以上 ような弊害を防止するには、第1圧延スタン ド及び第2圧延スタンドのロール径比D R /D C をできるだけ下限値に近い値に設定すること が好ましい。
