MATSUZAKI HITOSHI
TAUCHI YUUKI
TAKAGI KATSUTOSHI
IWASAKI YUKI
NAKAI JUNICHI
KOBE STEEL LTD (JP)
EHIRA MASAYA
MATSUZAKI HITOSHI
TAUCHI YUUKI
TAKAGI KATSUTOSHI
IWASAKI YUKI
NAKAI JUNICHI
WO2004001092A1 | 2003-12-31 |
JPH11293454A | 1999-10-26 | |||
JPH10199830A | 1998-07-31 | |||
JPH10147860A | 1998-06-02 | |||
JP2008127624A | 2008-06-05 | |||
JPH1143765A | 1999-02-16 | |||
JPH11140636A | 1999-05-25 |
Shohei Oguri (JP)
希土類元素と、Alよりも高融点の高融点元素Xとを含有するAl基合金スパッタリングターゲット材の製造方法であって、 アトマイズ法によって製造した希土類元素を含有するAl基合金の第1粉末を用意する工程、 前記第1粉末と、1種以上の前記高融点元素Xを含む第2粉末とを混合する工程、及び 前記第1粉末と前記第2粉末の混合粉末を緻密化する工程を含み、 前記混合工程において、前記第1粉末の最大粒径(a)が10~200μmであり、前記第2粉末の最大粒径(b)が10~150μmであり、前記第1粉末の最大粒径(a)と前記第2粉末の最大粒径(b)との比(a)/(b)が0.5~5であるAl基合金スパッタリングターゲット材の製造方法。 |
前記希土類元素は、Nd及びYのうち少なくとも一つである請求項1に記載の製造方法。 |
前記高融点元素Xは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、WおよびNiよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である請求項1に記載の製造方法。 |
前記希土類元素を1.0~10原子%、および前記高融点元素Xを0.5~5原子%含有するAl基合金スパッタリングターゲット材を製造する請求項1に記載の製造方法。 |
請求項1~4のいずれかに記載の製造方法で製造されたAl基合金スパッタリングターゲット材。 |
本発明は、歩留に優れるAl基合金スパッ リングターゲット材の製造方法、及びこの 法で製造されるAl基合金スパッタリングター ゲット材に関する。
Al基合金スパッタリングターゲット材は 主として溶解法、スプレイフォーミング法 粉末法などで製造される。
溶解法は、溶融金属を型で成形する方法 あり、様々な組成の合金スパッタリングタ ゲット材を製造できる。しかし、合金添加 が多い場合、溶解法では、粗大金属間化合 が晶出し、これが起点となって鋳造または 性加工中に割れが生ずる。また、Taなどの うにAlと比べて融点や密度が高い高融点・高 密度の元素を合金元素として用いる場合には 、凝固偏析が生ずる。そのため、Taなどを含 するAl基合金スパッタリングターゲット材 溶解法で製造すると、歩留が低下する。
スプレイフォーミング法は、溶融金属(溶 湯)をガスによってアトマイズし、半凝固状 に急冷した粒子を堆積させ、所定形状のプ フォームを形成する方法である。しかしTaの ような融点が高い高融点元素を含むAl基合金 は、温度低下に伴い溶湯ノズル内で閉塞が ずる。またAl-Ta合金などでは、溶湯および 滴温度が高くなるため、液相を多く含む粒 が堆積時に飛散する。その結果、歩留が低 する。
単体金属粉末同士を混合する粉末法は、 解法で製造が困難な組成のAl基合金を製造 るのに用いられることが多い。しかし、希 類元素単体の金属粉末は酸化しやすいため 粉末法を、希土類元素を含有するAl基合金ス パッタリングターゲット材の製造に適用する ことは難しい。
一方、特許文献1や特許文献2には、溶解 と粉末法を組み合わせてスパッタリングタ ゲット材を製造する方法が開示されている このうち特許文献1には、まず(1)不活性ガス トマイズ法によってGe-Te合金粉末およびSb-Te 合金粉末を製造し、次いで(2)前記2種の合金 末を混合・焼結して、Ge-Sb-Te系スパッタリン グターゲット材を製造する方法が開示されて いる。また、特許文献2には、急冷凝固法に り製造した固体合金粉末とPt単体の金属粉末 とを混合し、この混合粉末をHIP(Hot Isostatic P ressing)処理で緻密化することによってスパッ リングターゲット材を製造する方法が開示 れている。
本発明の目的は、希土類元素と、Alより 高融点の高融点元素を含有するAl基合金スパ ッタリングターゲット材を歩留良く製造でき る方法を提供することにある。
本発明の要旨を以下に示す。
[1] 希土類元素と、Alよりも高融点の高融点
素Xとを含有するAl基合金スパッタリングタ
ゲット材の製造方法であって、
アトマイズ法によって製造した希土類元素(
以下「REM」と略称することがある)を含有す
Al基合金の第1粉末を用意する工程、
前記第1粉末と、1種以上の前記高融点元素X
含む第2粉末とを混合する工程、及び
前記第1粉末と前記第2粉末の混合粉末を緻
化する工程を含み、
前記混合工程において、前記第1粉末の最大
粒径(a)が10~200μmであり、前記第2粉末の最大
径(b)が10~150μmであり、前記第1粉末の最大粒
(a)と前記第2粉末の最大粒径(b)との比(a)/(b)
0.5~5であるAl基合金スパッタリングターゲッ
材の製造方法。
なお、前記第2粉末は、1種以上の前記高融
元素Xから構成されることが好ましい。
[2] 前記希土類元素は、Nd及びYのうち少なく
も一つである[1]に記載の製造方法。
[3] 前記高融点元素Xは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta
Cr、Mo、WおよびNiよりなる群から選ばれる少
なくとも1種の元素である[1]又は[2]に記載の
造方法。
[4] 前記希土類元素を1.0~10原子%、および前記
高融点元素Xを0.5~5原子%含有するAl基合金スパ
ッタリングターゲット材を製造する[1]~[3]の
ずれかに記載の製造方法。
[5] [1]~[4]のいずれかに記載の製造方法で製造
されたAl基合金スパッタリングターゲット材
本発明によれば、アトマイズ法によって 造したAl-REM系Al基合金(以下「Al-REM合金」と 称する。)の第1粉末と、Alよりも高融点の高 融点元素(以下、Xで代表させる場合がある。) から構成される第2粉末とを混合する際に、 れらの最大粒径および比を適切に制御する とによって、Al-REM-X系Al基合金(以下「Al-REM-X 金」と略称する。)のスパッタリングターゲ ット材を歩留良く製造できる。
本発明者は、酸化し易い希土類元素(REM) 、Alよりも高融点の高融点元素(X)を含有する Al-REM-X合金スパッタリングターゲット材を、 析が生ずることなく、歩留良く製造できる 法を提供するため、検討を重ねてきた。そ 結果、Al-REM合金の第1粉末と、高融点元素X 第2粉末を混合するに当たり、上記第1粉末の 最大粒径(a)および上記第2粉末の最大粒径(b) 並びにこれらの比((a)/(b))を適正に制御する 、所期の目的が達成されることを見出し、 発明を完成した。詳細には、本発明の方法 用いれば、粉末の混合時、混合粉末の運搬 、及び緻密化処理時(特にHIP処理のカプセル 填時)の振動偏析やころがり偏析が防止され 、スパッタリングターゲット材の歩留が向上 することが分かった。
本発明の製造方法は、
(1)アトマイズ法によって製造したAl-REM合金の
第1粉末を用意する工程、
(2)上記の第1粉末と、Alよりも高融点の高融点
元素Xから構成される第2粉末とを混合する工
、及び
(3)上記第1粉末と上記第2粉末の混合粉末を緻
化する工程
を含む。また上記工程(3)で得られた緻密体に
、必要に応じて、塑性加工(鍛造、圧延、押
加工等)、旋盤加工、フライス加工等を施し
も良い。以下、上記工程(1)~(3)について、順
に詳しく説明する。
[工程(1)]
工程(1)では、アトマイズ法によって製造し
Al-REM合金の第1粉末を用意する。本発明の製
造方法では、REM単体の金属粉末ではなく、Al-
REM合金粉末(第1粉末)を使用するので、REMの酸
化を防止できる。
第1粉末を製造するためのアトマイズ法は 特に限定されず、Al合金分野で良く知られて るアトマイズ法(例えばガスアトマイズ法、 水アトマイズ法、遠心力アトマイズ法など) 使用できる。アトマイズ法によれば、製造 る粉末の粒度分布を制御しやすいなどの利 がある。
[工程(2)]
次に、本発明の方法を最も特徴付ける工程(
2)について説明する。
工程(2)では、上記のAl-REM合金粉末(第1粉末)
、Alよりも高融点の高融点元素(X)から構成
れる第2粉末とを混合する。このようにAl-REM
金粉末を製造した後に高融点元素(X)を添加
ることによって、Al-REM-X合金スパッタリン
ターゲット材を歩留良く製造できる。
上記高融点元素Xは、Alよりも融点が高い 素であり、具体的には、Ti、Zr、Hf、V、Nb、T a、Cr、Mo、Wの第4~6族元素、およびNiが挙げら る。これらの高融点元素は、1種のみを含有 しても良いし、2種以上を含有しても良い。 に詳しく説明するが、これらの元素と、希 類元素を含むAl基合金スパッタリングターゲ ット材は、特に、光情報記録媒体のAl基合金 射膜などの製造に好適に用いられるが、上 の高融点元素は、Al基合金の熱伝導率の低 や耐食性の向上などに寄与することが知ら ている。すなわち、本発明の方法によって られるAl基合金スパッタリングターゲット材 の合金組成およびその含有量は、当該スパッ タリングターゲット材を用いて得られるAl合 膜の用途や特性などの関係で適宜決定され ものである。詳細は後述する。
上記高融点元素Xから構成される第2粉末 、1種のみの高融点元素の単体金属粉末であ ても、2種以上の高融点元素を含む合金粉末 であっても良い。また、組成が異なる2種類 上の第2粉末を併用しても良い。
本発明の製造方法において、第2粉末の製 造方法は特に限定されず、機械的粉砕法、化 学反応法、電解析出法、アトマイズ法のいず れの方法でも製造可能である。例えば第2粉 は、高融点元素Xの単体金属を溶製し、鋳型 固めた後、機械的に粉砕することで製造で る。
本発明では、上記工程(2)の混合工程にお て、第1粉末の最大粒径(a)および第2粉末の 大粒径(b)、並びにこれらの比((a)/(b))を適正 制御することに大きな特徴がある。具体的 は、第1粉末の最大粒径(a)が10~200μmであり、 記第2粉末の最大粒径(b)が10~150μmであり、第 1粉末の最大粒径(a)と第2粉末の最大粒径(b)と 比((a)/(b))が0.5~5となるように混合する。後 する実施例に示すように、最大粒径および の比を適正に制御することによって、粉末 混合時、混合粉末の運搬時、及び工程(3)で 緻密化処理時(特にHIP処理のカプセル充填時) の振動偏析やころがり偏析が防止されるため 、スパッタリングターゲット材の歩留が向上 する。
ここで粉末の最大粒径とは、光回析・散 に基づくFraunhofer法によって粉末の粒度分布 を測定し、粒径と頻度の関係を明らかにした 際に、大粒径側の頻度が3.0%以下を削除した きの粒径の最大値を意味する。本実施例で 、粒径分布と最大粒径は、レーザー光回析 散乱式の粒度分析計“日機装(株)MICROTRAC HRA( MODEL:9320-X100”によって測定した。
まず、第1粉末(Al-REM合金粉末)の最大粒径( a)は、10μm以上(好ましくは50μm以上)、200μm以 (好ましくは150μm以下)である。第1粉末の最 粒径(a)が200μmを超えると、第1粉末間を第2 末が移動しやすくなり、混合時・運搬時・ 密化処理時に偏析が生じ易くなる。なお、 1粉末の最大粒径の下限は、実用可能な範囲 設定されたものである。
また、第2粉末(他の元素Xの金属または合 粉末)の最大粒径(b)は、10μm以上(好ましくは 30μm以上)、150μm以下(好ましくは100μm以下、 り好ましくは45μm以下)である。第2粉末の最 粒径(b)が150μmを超えると、工程(2)での混合 が低下して、偏析が生じ易くなる。なお、 2粉末の最大粒径の下限は、実用可能な範囲 で設定されたものである。
更に、第1粉末と第2粉末との最大粒径の である(a)/(b)は、0.5以上(好ましくは0.7以上、 より好ましくは2以上)、5以下(好ましくは4.5 下、より好ましくは4以下)である。第1粉末 第2粉末との最大粒径の比(a)/(b)が5を超える 、第2粉末が第1粉末間を移動しやすくなり、 混合時・運搬時・緻密化処理時に偏析が生じ 易くなる。一方、第1粉末と第2粉末との最大 径の比(a)/(b)が0.5未満であると、特に密度の 大きいX元素から構成される第2粉末を使用す 場合、粉末が移動しにくくなって工程(2)で 混合度が低下し、偏析が生じ易くなる。
上述した第1粉末の最大粒径(a)、第2粉末 最大粒径(b)および第1粉末と第2粉末との最大 粒径の比(a)/(b)は、アトマイズ法などによっ 製造した第1粉末および第2粉末を、例えば、 工程(2)の前に分級(篩分け)などを行うことに って上記範囲に制御することができる。
上記の第1粉末および第2粉末を混合する 程の混合手段は特に限定されず、周知の方 、例えばV型混合ミルなどを使用できる。
[工程(3)]
上記工程(2)で得られた混合粉末を、工程(3)
緻密化することによってAl基合金スパッタ
ングターゲット材(緻密体)を製造できる。な
お工程(3)で得られた緻密体に、必要に応じて
さらなる加工(例えば塑性加工、旋盤加工、
ライス加工など)を施して、さらに形状を付
してもよい。
混合粉末の緻密化手段は、特に限定され いが、均一な緻密体が得られるHIP処理が好 しい。HIP処理は、例えば80MPa以上、より好 しくは85MPa以上の圧力下、400~600℃、より好 しくは500~570℃の温度で行うことが好ましい HIP処理の時間は、おおむね1~10時間、より好 ましくは1.5~5時間の範囲内とすることが好ま い。
なおHIP処理以外の緻密化手段も使用でき 例えば押出加工することによって、塑性加 と共に、混合粉末の緻密化を行っても良い
必要に応じて行なわれる上記の塑性加工 旋盤加工、フライス加工などは特に限定さ ず、周知の手段を採用できる。
本発明の方法は、Al-{希土類元素(REM)}-{Al りも高融点元素(X)}合金スパッタリングター ット材の製造に好適に用いられる。ここで REMには、ランタノイド元素(LaからLuまでの15 元素)およびSc(スカンジウム)とY(イットリウ )が挙げられる。好ましくは、Ndおよび/また Yである。高融点元素Xは上述したとおりで る。
本発明の方法によって得られるスパッタ ングターゲット材は、特に、光情報記録用A l基合金反射膜の製造に好適に用いられる。 記反射膜は、例えば、日本国特開2005-158236号 公報に詳細に記載されている。上記公報には 、REM(好ましくはNd及び/又はY)を1.0~10.0原子%、 およびTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、WおよびNi よりなる群から選ばれる少なくとも1種を0.5~5 原子%含有するAl基合金反射膜は、低熱伝導率 、低溶融温度、高耐食性および高反射率とい った優れた特性を有しており、レーザー等で マーキングを行う光情報記録媒体に好適に用 いられること、このようなAl基合金反射膜は 同一組成のスパッタリングターゲット材を いて形成できることが詳しく記載されてい 。
上記公報に記載の反射膜について、より 細に説明すると以下のとおりである。まず Al基合金にREMを含有させることによって、 の熱伝導率を大きく低減することができる REMの中でもNdおよびYは、その熱伝導率低減 果が大きい。REM量の好ましい範囲は、1.0原 %以上10原子%以下、より好ましくは2.0原子%以 上7原子%以下である。
Al-REM合金に、さらにTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta Cr、Mo、WおよびNiの少なくとも1種を含有させ ることによって、耐食性が向上する。また、 これら第4~6族元素およびNiは、Al基合金の熱 導率を下げることができる。これら元素の でもTi、Hf、TaおよびCrは、その耐食性改善効 果が大きい。これらの好ましい含有量は、0.5 原子%以上5原子%以下であり、より好ましくは 1.0原子%以上3.0原子%以下である。
よって、本発明の方法によって得られる パッタリングターゲット材を、上記反射膜 成膜に用いるときは、上記反射膜の組成と じになるように、当該スパッタリングター ット材の組成を、REM(好ましくはNd及び/又は Y)を1.0~10原子%(より好ましくは2.0原子%以上7原 子%以下)、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Wおよ びNiよりなる群(耐食性改善効果の観点から好 ましくは、Ti、Hf、TaおよびCrよりなる群)から 選ばれる少なくとも1種の高融点元素を0.5~5原 子%(より好ましくは1.0原子%以上3.0原子%以下) 有するAl基合金とすれば良い。
上記組成のスパッタリングターゲット材 製造するに当たっては、上記工程(1)におい 、REMを1.0~10原子%程度で含有するAl-REM合金の 第1粉末を用い、上記工程(2)において、上記 融点元素Xが0.5~5原子%となる量の第2粉末を用 いれば良い。
なお、上記に挙げた本発明の方法によっ 得られるスパッタリングターゲット材の組 は、好ましい態様であって、これに限定す 趣旨ではない。本発明は、希土類元素(REM) Alよりも高融点の高融点元素(X)を含むAl-REM-X 金スパッタリングターゲット材を歩留まり く製造できる方法を開示するものであって その組成や含有量は、当該スパッタリング ーゲット材を用いて得られる反射膜などの 途や特性に応じて、適宜適切に決定される のだからである。よって、上記公報に記載 組成と異なる反射膜を製造する場合は、当 異なる反射膜の組成に応じたスパッタリン ターゲット材の組成とすれば良く、このよ なものも本発明の範囲内に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体 に説明するが、本発明は以下の実施例によ て制限を受けるものではなく、上記・下記 趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加え 実施することも勿論可能であり、それらは ずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
種々の方法によってAl-6原子%Nd-1原子%Ta合金
パッタリングターゲット材を製造し、歩留
りを評価した。
まず、窒素ガスアトマイズ法によってAl-6 原子%Nd合金粉末(第1粉末)を製造した。この第 1粉末に、Taが1原子%となる量で第2粉末を添加 し、V型混合ミルで混合した。なお第1粉末の 大粒径(a)および第2粉末の最大粒径(b)が下記 表1に示すように、最大粒径は篩にて調整し 。なお最大粒径の測定は、前述した方法で 定した。
次にこの混合粉末をカプセル管に充填し 脱気・封入した。その後、最高温度550℃・ 持時間2時間・圧力85MPaの条件でHIP処理し、A l-6原子%Nd-1原子%Ta合金スパッタリングターゲ ト材を製造した。
比較のため、以下に記載の溶解法および プレイフォーミング法を用い、Al-6原子%Nd-1 子%Ta合金スパッタリングターゲット材を製 した。
溶解法は、以下のようにして行なった。 空誘導溶解炉を用い、アルミナやスピネル の耐火物るつぼを使用して、溶解温度1350℃ 、不活性ガス(Ar)雰囲気で溶解し、銅鋳型ま は鉄鋳型(210mm×210mm×高さ50mm)に鋳造した。得 られた鋳塊の底部(5~10mm)を切り捨てた後、厚 10mm(製品厚さ5mm+5mm)となるように切断し、施 盤加工によってAl-6原子%Nd-1原子%Ta合金スパッ タリングターゲット材を製作した。
スプレイフォーミング法は、以下のよう して行なった。スプレイフォーミング装置( 住友重機械工業(株)製)を用い、出湯温度1300 ・溶湯ノズル内径φ5.5mmの条件で、窒素ガス トマイズによって液滴をつくり、コレクタ 上に堆積させた。得られたプリフォームを プセル管に入れて脱気・封入後、温度550℃ 圧力85MPa・保持時間2時間の条件でHIP処理を 施した。得られた緻密体を鍛造、圧延後に 厚さ10mm(製品厚さ5mm+5mm)となるように切断し 、施盤加工によってAl-6原子%Nd-1原子%Ta合金ス パッタリングターゲット材を製作した。
このようにして得られたスパッタリング ーゲット材の製品歩留は、製品重量/溶解重 量で評価した。
これらの結果を表1に示す。本実施例では 、一般基準に従い、歩留が40%以上のものを合 格(A)、40%未満のものを不合格(B)と評価した。 なお、歩留ロスには、偏析によって生じたも のに加えて、塑性加工時や機械加工時に生じ たものも含まれる。
表1の結果から明らかなように、混合時の 第1粉末の最大粒径(a)、第2粉末の最大粒径(b) および第1粉末と第2粉末との最大粒径の比(a )/(b)が本発明で規定する要件を満足する方法 製造したNo.3、4、6、9、および10は、いずれ 、製品歩留が向上した。
これに対し、本発明で規定する上記要件 いずれかが本発明の範囲を満足しないNo.5、 7、および8は、いずれも、製品歩留が低下し 。また、従来法である溶解法(No.1)やスプレ フォーミング法(No.2)では、所望の製品歩留 得られなかった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照
て説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱
ることなく様々な変更や修正を加えること
できることは当業者にとって明らかである
本出願は、2008年6月9日出願の日本特許出願(
特願2008-150527)に基づくものであり、その内容
はここに参照として取り込まれる。
本発明によれば、アトマイズ法によって 造したAl-REM系Al基合金の第1粉末と、Alより 高融点の高融点元素から構成される第2粉末 を混合する際に、それらの最大粒径および を適切に制御することによって、Al-REM-X系Al 基合金のスパッタリングターゲット材を歩留 良く製造できる。
Next Patent: AIR CONDITIONER, AIR CONDITIONER MANUFACTURING METHOD, AND COMPRESSOR