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Title:
MANUFACTURING METHOD FOR ALUMINUM-BASED ALLOY SPUTTERING TARGET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/151032
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method whereby it is possible to manufacture, at a high yield, Al-based alloy sputtering targets containing rare-earth elements and high-melting point elements having a higher melting point than Al. The method comprises a step of preparing a first powder of an Al-based alloy which contains rare-earth elements manufactured by an atomization method, a step of mixing the first powder and a second powder comprising at least one type of high-melting point element (X) having a higher melting point than Al, and a step of increasing the density of the powder mixture of the first powder and the second powder. In the mixing step, the maximum particle size (a) of the first powder is 10 to 200 mm; the maximum particle size (b) of the second powder is 10 to 150 mm; and the ratio (a)/(b) of the maximum particle size (a) of the first powder to the maximum particle size (b) of the second powder is 0.5 to 5.

Inventors:
EHIRA MASAYA
MATSUZAKI HITOSHI
TAUCHI YUUKI
TAKAGI KATSUTOSHI
IWASAKI YUKI
NAKAI JUNICHI
Application Number:
PCT/JP2009/060476
Publication Date:
December 17, 2009
Filing Date:
June 08, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KOBELCO RES INST INC (JP)
KOBE STEEL LTD (JP)
EHIRA MASAYA
MATSUZAKI HITOSHI
TAUCHI YUUKI
TAKAGI KATSUTOSHI
IWASAKI YUKI
NAKAI JUNICHI
International Classes:
C23C14/34; B22F1/00; B22F3/15; B22F9/08; C22C1/04; C22C21/00
Domestic Patent References:
WO2004001092A12003-12-31
Foreign References:
JPH11293454A1999-10-26
JPH10199830A1998-07-31
JPH10147860A1998-06-02
JP2008127624A2008-06-05
JPH1143765A1999-02-16
JPH11140636A1999-05-25
Attorney, Agent or Firm:
OGURI, Shohei et al. (JP)
Shohei Oguri (JP)
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Claims:
 希土類元素と、Alよりも高融点の高融点元素Xとを含有するAl基合金スパッタリングターゲット材の製造方法であって、
 アトマイズ法によって製造した希土類元素を含有するAl基合金の第1粉末を用意する工程、
 前記第1粉末と、1種以上の前記高融点元素Xを含む第2粉末とを混合する工程、及び
 前記第1粉末と前記第2粉末の混合粉末を緻密化する工程を含み、
 前記混合工程において、前記第1粉末の最大粒径(a)が10~200μmであり、前記第2粉末の最大粒径(b)が10~150μmであり、前記第1粉末の最大粒径(a)と前記第2粉末の最大粒径(b)との比(a)/(b)が0.5~5であるAl基合金スパッタリングターゲット材の製造方法。
 前記希土類元素は、Nd及びYのうち少なくとも一つである請求項1に記載の製造方法。
 前記高融点元素Xは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、WおよびNiよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である請求項1に記載の製造方法。
 前記希土類元素を1.0~10原子%、および前記高融点元素Xを0.5~5原子%含有するAl基合金スパッタリングターゲット材を製造する請求項1に記載の製造方法。
 請求項1~4のいずれかに記載の製造方法で製造されたAl基合金スパッタリングターゲット材。
Description:
Al基合金スパッタリングターゲ ト材の製造方法

 本発明は、歩留に優れるAl基合金スパッ リングターゲット材の製造方法、及びこの 法で製造されるAl基合金スパッタリングター ゲット材に関する。

 Al基合金スパッタリングターゲット材は 主として溶解法、スプレイフォーミング法 粉末法などで製造される。

 溶解法は、溶融金属を型で成形する方法 あり、様々な組成の合金スパッタリングタ ゲット材を製造できる。しかし、合金添加 が多い場合、溶解法では、粗大金属間化合 が晶出し、これが起点となって鋳造または 性加工中に割れが生ずる。また、Taなどの うにAlと比べて融点や密度が高い高融点・高 密度の元素を合金元素として用いる場合には 、凝固偏析が生ずる。そのため、Taなどを含 するAl基合金スパッタリングターゲット材 溶解法で製造すると、歩留が低下する。

 スプレイフォーミング法は、溶融金属(溶 湯)をガスによってアトマイズし、半凝固状 に急冷した粒子を堆積させ、所定形状のプ フォームを形成する方法である。しかしTaの ような融点が高い高融点元素を含むAl基合金 は、温度低下に伴い溶湯ノズル内で閉塞が ずる。またAl-Ta合金などでは、溶湯および 滴温度が高くなるため、液相を多く含む粒 が堆積時に飛散する。その結果、歩留が低 する。

 単体金属粉末同士を混合する粉末法は、 解法で製造が困難な組成のAl基合金を製造 るのに用いられることが多い。しかし、希 類元素単体の金属粉末は酸化しやすいため 粉末法を、希土類元素を含有するAl基合金ス パッタリングターゲット材の製造に適用する ことは難しい。

 一方、特許文献1や特許文献2には、溶解 と粉末法を組み合わせてスパッタリングタ ゲット材を製造する方法が開示されている このうち特許文献1には、まず(1)不活性ガス トマイズ法によってGe-Te合金粉末およびSb-Te 合金粉末を製造し、次いで(2)前記2種の合金 末を混合・焼結して、Ge-Sb-Te系スパッタリン グターゲット材を製造する方法が開示されて いる。また、特許文献2には、急冷凝固法に り製造した固体合金粉末とPt単体の金属粉末 とを混合し、この混合粉末をHIP(Hot Isostatic P ressing)処理で緻密化することによってスパッ リングターゲット材を製造する方法が開示 れている。

日本国特許第3703648号公報

日本国特開2006-144124号公報

 本発明の目的は、希土類元素と、Alより 高融点の高融点元素を含有するAl基合金スパ ッタリングターゲット材を歩留良く製造でき る方法を提供することにある。

 本発明の要旨を以下に示す。
[1] 希土類元素と、Alよりも高融点の高融点 素Xとを含有するAl基合金スパッタリングタ ゲット材の製造方法であって、
 アトマイズ法によって製造した希土類元素( 以下「REM」と略称することがある)を含有す Al基合金の第1粉末を用意する工程、
 前記第1粉末と、1種以上の前記高融点元素X 含む第2粉末とを混合する工程、及び
 前記第1粉末と前記第2粉末の混合粉末を緻 化する工程を含み、
 前記混合工程において、前記第1粉末の最大 粒径(a)が10~200μmであり、前記第2粉末の最大 径(b)が10~150μmであり、前記第1粉末の最大粒 (a)と前記第2粉末の最大粒径(b)との比(a)/(b) 0.5~5であるAl基合金スパッタリングターゲッ 材の製造方法。
 なお、前記第2粉末は、1種以上の前記高融 元素Xから構成されることが好ましい。
[2] 前記希土類元素は、Nd及びYのうち少なく も一つである[1]に記載の製造方法。
[3] 前記高融点元素Xは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta Cr、Mo、WおよびNiよりなる群から選ばれる少 なくとも1種の元素である[1]又は[2]に記載の 造方法。
[4] 前記希土類元素を1.0~10原子%、および前記 高融点元素Xを0.5~5原子%含有するAl基合金スパ ッタリングターゲット材を製造する[1]~[3]の ずれかに記載の製造方法。
[5] [1]~[4]のいずれかに記載の製造方法で製造 されたAl基合金スパッタリングターゲット材

 本発明によれば、アトマイズ法によって 造したAl-REM系Al基合金(以下「Al-REM合金」と 称する。)の第1粉末と、Alよりも高融点の高 融点元素(以下、Xで代表させる場合がある。) から構成される第2粉末とを混合する際に、 れらの最大粒径および比を適切に制御する とによって、Al-REM-X系Al基合金(以下「Al-REM-X 金」と略称する。)のスパッタリングターゲ ット材を歩留良く製造できる。

 本発明者は、酸化し易い希土類元素(REM) 、Alよりも高融点の高融点元素(X)を含有する Al-REM-X合金スパッタリングターゲット材を、 析が生ずることなく、歩留良く製造できる 法を提供するため、検討を重ねてきた。そ 結果、Al-REM合金の第1粉末と、高融点元素X 第2粉末を混合するに当たり、上記第1粉末の 最大粒径(a)および上記第2粉末の最大粒径(b) 並びにこれらの比((a)/(b))を適正に制御する 、所期の目的が達成されることを見出し、 発明を完成した。詳細には、本発明の方法 用いれば、粉末の混合時、混合粉末の運搬 、及び緻密化処理時(特にHIP処理のカプセル 填時)の振動偏析やころがり偏析が防止され 、スパッタリングターゲット材の歩留が向上 することが分かった。

 本発明の製造方法は、
(1)アトマイズ法によって製造したAl-REM合金の 第1粉末を用意する工程、
(2)上記の第1粉末と、Alよりも高融点の高融点 元素Xから構成される第2粉末とを混合する工 、及び
(3)上記第1粉末と上記第2粉末の混合粉末を緻 化する工程
を含む。また上記工程(3)で得られた緻密体に 、必要に応じて、塑性加工(鍛造、圧延、押 加工等)、旋盤加工、フライス加工等を施し も良い。以下、上記工程(1)~(3)について、順 に詳しく説明する。

[工程(1)]
 工程(1)では、アトマイズ法によって製造し Al-REM合金の第1粉末を用意する。本発明の製 造方法では、REM単体の金属粉末ではなく、Al- REM合金粉末(第1粉末)を使用するので、REMの酸 化を防止できる。

 第1粉末を製造するためのアトマイズ法は 特に限定されず、Al合金分野で良く知られて るアトマイズ法(例えばガスアトマイズ法、 水アトマイズ法、遠心力アトマイズ法など) 使用できる。アトマイズ法によれば、製造 る粉末の粒度分布を制御しやすいなどの利 がある。

[工程(2)]
 次に、本発明の方法を最も特徴付ける工程( 2)について説明する。
 工程(2)では、上記のAl-REM合金粉末(第1粉末) 、Alよりも高融点の高融点元素(X)から構成 れる第2粉末とを混合する。このようにAl-REM 金粉末を製造した後に高融点元素(X)を添加 ることによって、Al-REM-X合金スパッタリン ターゲット材を歩留良く製造できる。

 上記高融点元素Xは、Alよりも融点が高い 素であり、具体的には、Ti、Zr、Hf、V、Nb、T a、Cr、Mo、Wの第4~6族元素、およびNiが挙げら る。これらの高融点元素は、1種のみを含有 しても良いし、2種以上を含有しても良い。 に詳しく説明するが、これらの元素と、希 類元素を含むAl基合金スパッタリングターゲ ット材は、特に、光情報記録媒体のAl基合金 射膜などの製造に好適に用いられるが、上 の高融点元素は、Al基合金の熱伝導率の低 や耐食性の向上などに寄与することが知ら ている。すなわち、本発明の方法によって られるAl基合金スパッタリングターゲット材 の合金組成およびその含有量は、当該スパッ タリングターゲット材を用いて得られるAl合 膜の用途や特性などの関係で適宜決定され ものである。詳細は後述する。

 上記高融点元素Xから構成される第2粉末 、1種のみの高融点元素の単体金属粉末であ ても、2種以上の高融点元素を含む合金粉末 であっても良い。また、組成が異なる2種類 上の第2粉末を併用しても良い。

 本発明の製造方法において、第2粉末の製 造方法は特に限定されず、機械的粉砕法、化 学反応法、電解析出法、アトマイズ法のいず れの方法でも製造可能である。例えば第2粉 は、高融点元素Xの単体金属を溶製し、鋳型 固めた後、機械的に粉砕することで製造で る。

 本発明では、上記工程(2)の混合工程にお て、第1粉末の最大粒径(a)および第2粉末の 大粒径(b)、並びにこれらの比((a)/(b))を適正 制御することに大きな特徴がある。具体的 は、第1粉末の最大粒径(a)が10~200μmであり、 記第2粉末の最大粒径(b)が10~150μmであり、第 1粉末の最大粒径(a)と第2粉末の最大粒径(b)と 比((a)/(b))が0.5~5となるように混合する。後 する実施例に示すように、最大粒径および の比を適正に制御することによって、粉末 混合時、混合粉末の運搬時、及び工程(3)で 緻密化処理時(特にHIP処理のカプセル充填時) の振動偏析やころがり偏析が防止されるため 、スパッタリングターゲット材の歩留が向上 する。

 ここで粉末の最大粒径とは、光回析・散 に基づくFraunhofer法によって粉末の粒度分布 を測定し、粒径と頻度の関係を明らかにした 際に、大粒径側の頻度が3.0%以下を削除した きの粒径の最大値を意味する。本実施例で 、粒径分布と最大粒径は、レーザー光回析 散乱式の粒度分析計“日機装(株)MICROTRAC HRA( MODEL:9320-X100”によって測定した。

 まず、第1粉末(Al-REM合金粉末)の最大粒径( a)は、10μm以上(好ましくは50μm以上)、200μm以 (好ましくは150μm以下)である。第1粉末の最 粒径(a)が200μmを超えると、第1粉末間を第2 末が移動しやすくなり、混合時・運搬時・ 密化処理時に偏析が生じ易くなる。なお、 1粉末の最大粒径の下限は、実用可能な範囲 設定されたものである。

 また、第2粉末(他の元素Xの金属または合 粉末)の最大粒径(b)は、10μm以上(好ましくは 30μm以上)、150μm以下(好ましくは100μm以下、 り好ましくは45μm以下)である。第2粉末の最 粒径(b)が150μmを超えると、工程(2)での混合 が低下して、偏析が生じ易くなる。なお、 2粉末の最大粒径の下限は、実用可能な範囲 で設定されたものである。

 更に、第1粉末と第2粉末との最大粒径の である(a)/(b)は、0.5以上(好ましくは0.7以上、 より好ましくは2以上)、5以下(好ましくは4.5 下、より好ましくは4以下)である。第1粉末 第2粉末との最大粒径の比(a)/(b)が5を超える 、第2粉末が第1粉末間を移動しやすくなり、 混合時・運搬時・緻密化処理時に偏析が生じ 易くなる。一方、第1粉末と第2粉末との最大 径の比(a)/(b)が0.5未満であると、特に密度の 大きいX元素から構成される第2粉末を使用す 場合、粉末が移動しにくくなって工程(2)で 混合度が低下し、偏析が生じ易くなる。

 上述した第1粉末の最大粒径(a)、第2粉末 最大粒径(b)および第1粉末と第2粉末との最大 粒径の比(a)/(b)は、アトマイズ法などによっ 製造した第1粉末および第2粉末を、例えば、 工程(2)の前に分級(篩分け)などを行うことに って上記範囲に制御することができる。

 上記の第1粉末および第2粉末を混合する 程の混合手段は特に限定されず、周知の方 、例えばV型混合ミルなどを使用できる。

[工程(3)]
 上記工程(2)で得られた混合粉末を、工程(3) 緻密化することによってAl基合金スパッタ ングターゲット材(緻密体)を製造できる。な お工程(3)で得られた緻密体に、必要に応じて さらなる加工(例えば塑性加工、旋盤加工、 ライス加工など)を施して、さらに形状を付 してもよい。

 混合粉末の緻密化手段は、特に限定され いが、均一な緻密体が得られるHIP処理が好 しい。HIP処理は、例えば80MPa以上、より好 しくは85MPa以上の圧力下、400~600℃、より好 しくは500~570℃の温度で行うことが好ましい HIP処理の時間は、おおむね1~10時間、より好 ましくは1.5~5時間の範囲内とすることが好ま い。

 なおHIP処理以外の緻密化手段も使用でき 例えば押出加工することによって、塑性加 と共に、混合粉末の緻密化を行っても良い

 必要に応じて行なわれる上記の塑性加工 旋盤加工、フライス加工などは特に限定さ ず、周知の手段を採用できる。

 本発明の方法は、Al-{希土類元素(REM)}-{Al りも高融点元素(X)}合金スパッタリングター ット材の製造に好適に用いられる。ここで REMには、ランタノイド元素(LaからLuまでの15 元素)およびSc(スカンジウム)とY(イットリウ )が挙げられる。好ましくは、Ndおよび/また Yである。高融点元素Xは上述したとおりで る。

 本発明の方法によって得られるスパッタ ングターゲット材は、特に、光情報記録用A l基合金反射膜の製造に好適に用いられる。 記反射膜は、例えば、日本国特開2005-158236号 公報に詳細に記載されている。上記公報には 、REM(好ましくはNd及び/又はY)を1.0~10.0原子%、 およびTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、WおよびNi よりなる群から選ばれる少なくとも1種を0.5~5 原子%含有するAl基合金反射膜は、低熱伝導率 、低溶融温度、高耐食性および高反射率とい った優れた特性を有しており、レーザー等で マーキングを行う光情報記録媒体に好適に用 いられること、このようなAl基合金反射膜は 同一組成のスパッタリングターゲット材を いて形成できることが詳しく記載されてい 。

 上記公報に記載の反射膜について、より 細に説明すると以下のとおりである。まず Al基合金にREMを含有させることによって、 の熱伝導率を大きく低減することができる REMの中でもNdおよびYは、その熱伝導率低減 果が大きい。REM量の好ましい範囲は、1.0原 %以上10原子%以下、より好ましくは2.0原子%以 上7原子%以下である。

 Al-REM合金に、さらにTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta Cr、Mo、WおよびNiの少なくとも1種を含有させ ることによって、耐食性が向上する。また、 これら第4~6族元素およびNiは、Al基合金の熱 導率を下げることができる。これら元素の でもTi、Hf、TaおよびCrは、その耐食性改善効 果が大きい。これらの好ましい含有量は、0.5 原子%以上5原子%以下であり、より好ましくは 1.0原子%以上3.0原子%以下である。

 よって、本発明の方法によって得られる パッタリングターゲット材を、上記反射膜 成膜に用いるときは、上記反射膜の組成と じになるように、当該スパッタリングター ット材の組成を、REM(好ましくはNd及び/又は Y)を1.0~10原子%(より好ましくは2.0原子%以上7原 子%以下)、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Wおよ びNiよりなる群(耐食性改善効果の観点から好 ましくは、Ti、Hf、TaおよびCrよりなる群)から 選ばれる少なくとも1種の高融点元素を0.5~5原 子%(より好ましくは1.0原子%以上3.0原子%以下) 有するAl基合金とすれば良い。

 上記組成のスパッタリングターゲット材 製造するに当たっては、上記工程(1)におい 、REMを1.0~10原子%程度で含有するAl-REM合金の 第1粉末を用い、上記工程(2)において、上記 融点元素Xが0.5~5原子%となる量の第2粉末を用 いれば良い。

 なお、上記に挙げた本発明の方法によっ 得られるスパッタリングターゲット材の組 は、好ましい態様であって、これに限定す 趣旨ではない。本発明は、希土類元素(REM) Alよりも高融点の高融点元素(X)を含むAl-REM-X 金スパッタリングターゲット材を歩留まり く製造できる方法を開示するものであって その組成や含有量は、当該スパッタリング ーゲット材を用いて得られる反射膜などの 途や特性に応じて、適宜適切に決定される のだからである。よって、上記公報に記載 組成と異なる反射膜を製造する場合は、当 異なる反射膜の組成に応じたスパッタリン ターゲット材の組成とすれば良く、このよ なものも本発明の範囲内に包含される。

 以下、実施例を挙げて本発明をより具体 に説明するが、本発明は以下の実施例によ て制限を受けるものではなく、上記・下記 趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加え 実施することも勿論可能であり、それらは ずれも本発明の技術的範囲に包含される。

実施例1
 種々の方法によってAl-6原子%Nd-1原子%Ta合金 パッタリングターゲット材を製造し、歩留 りを評価した。

 まず、窒素ガスアトマイズ法によってAl-6 原子%Nd合金粉末(第1粉末)を製造した。この第 1粉末に、Taが1原子%となる量で第2粉末を添加 し、V型混合ミルで混合した。なお第1粉末の 大粒径(a)および第2粉末の最大粒径(b)が下記 表1に示すように、最大粒径は篩にて調整し 。なお最大粒径の測定は、前述した方法で 定した。

 次にこの混合粉末をカプセル管に充填し 脱気・封入した。その後、最高温度550℃・ 持時間2時間・圧力85MPaの条件でHIP処理し、A l-6原子%Nd-1原子%Ta合金スパッタリングターゲ ト材を製造した。

 比較のため、以下に記載の溶解法および プレイフォーミング法を用い、Al-6原子%Nd-1 子%Ta合金スパッタリングターゲット材を製 した。

 溶解法は、以下のようにして行なった。 空誘導溶解炉を用い、アルミナやスピネル の耐火物るつぼを使用して、溶解温度1350℃ 、不活性ガス(Ar)雰囲気で溶解し、銅鋳型ま は鉄鋳型(210mm×210mm×高さ50mm)に鋳造した。得 られた鋳塊の底部(5~10mm)を切り捨てた後、厚 10mm(製品厚さ5mm+5mm)となるように切断し、施 盤加工によってAl-6原子%Nd-1原子%Ta合金スパッ タリングターゲット材を製作した。

 スプレイフォーミング法は、以下のよう して行なった。スプレイフォーミング装置( 住友重機械工業(株)製)を用い、出湯温度1300 ・溶湯ノズル内径φ5.5mmの条件で、窒素ガス トマイズによって液滴をつくり、コレクタ 上に堆積させた。得られたプリフォームを プセル管に入れて脱気・封入後、温度550℃ 圧力85MPa・保持時間2時間の条件でHIP処理を 施した。得られた緻密体を鍛造、圧延後に 厚さ10mm(製品厚さ5mm+5mm)となるように切断し 、施盤加工によってAl-6原子%Nd-1原子%Ta合金ス パッタリングターゲット材を製作した。

 このようにして得られたスパッタリング ーゲット材の製品歩留は、製品重量/溶解重 量で評価した。

 これらの結果を表1に示す。本実施例では 、一般基準に従い、歩留が40%以上のものを合 格(A)、40%未満のものを不合格(B)と評価した。 なお、歩留ロスには、偏析によって生じたも のに加えて、塑性加工時や機械加工時に生じ たものも含まれる。

 表1の結果から明らかなように、混合時の 第1粉末の最大粒径(a)、第2粉末の最大粒径(b) および第1粉末と第2粉末との最大粒径の比(a )/(b)が本発明で規定する要件を満足する方法 製造したNo.3、4、6、9、および10は、いずれ 、製品歩留が向上した。

 これに対し、本発明で規定する上記要件 いずれかが本発明の範囲を満足しないNo.5、 7、および8は、いずれも、製品歩留が低下し 。また、従来法である溶解法(No.1)やスプレ フォーミング法(No.2)では、所望の製品歩留 得られなかった。

 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照 て説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱 ることなく様々な変更や修正を加えること できることは当業者にとって明らかである
 本出願は、2008年6月9日出願の日本特許出願( 特願2008-150527)に基づくものであり、その内容 はここに参照として取り込まれる。

 本発明によれば、アトマイズ法によって 造したAl-REM系Al基合金の第1粉末と、Alより 高融点の高融点元素から構成される第2粉末 を混合する際に、それらの最大粒径および を適切に制御することによって、Al-REM-X系Al 基合金のスパッタリングターゲット材を歩留 良く製造できる。