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Title:
MANUFACTURING METHOD FOR ELASTIC BOUNDARY WAVE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/087836
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method for manufacturing an elastic boundary wave device, in which a discontinuous portion is hardly formed in a dielectric film thereby to deteriorate the electric characteristics hardly, although an IDT is not thinned so much, in case the dielectric film is formed by a deposition method. In the elastic boundary wave device manufacturing method, a lower dielectric film (5) is so formed over a piezoelectric substrate (1), after an IDT (4) was formed, as to cover the IDT (4). A flattening step is executed to reduce the corrugations of the upper face of the lower dielectric film (5). An upper dielectric film (7) is formed to cover the lower dielectric film (5) having the corrugation-reduced upper face.

Inventors:
KANDO HAJIME (JP)
NODAKE NAOHIRO (JP)
SAEKI MASAHIKO (JP)
FUYUTSUME TOSHIYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074919
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
December 26, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
KANDO HAJIME (JP)
NODAKE NAOHIRO (JP)
SAEKI MASAHIKO (JP)
FUYUTSUME TOSHIYUKI (JP)
International Classes:
H03H3/08; H03H9/145
Domestic Patent References:
WO2006114930A12006-11-02
Foreign References:
JP2005150915A2005-06-09
JP2005080202A2005-03-24
JP2006295976A2006-10-26
JP2006270608A2006-10-05
Attorney, Agent or Firm:
MIYAZAKI, Chikara (5-4 Tanimachi 1-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osakan 12, JP)
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Claims:
 上から順に、上層誘電体膜/下層誘電体膜/IDT電極/圧電体の順でこれらが積層されてなる弾性境界波装置の製造方法であって、
 圧電体の上面にIDTを形成する工程と、
 堆積法により前記IDTを覆うように下層誘電体膜を形成する工程と、
 前記下層誘電体膜の上面の凹凸を緩和する平坦化工程と、
 前記上面の凹凸が緩和された下層誘電体膜を覆うように下層誘電体膜上に上層誘電体膜を形成する工程とを備えることを特徴とする、弾性境界波装置の製造方法。
 上から順に、上層誘電体膜/下層誘電体膜/IDT/圧電体の順序でこれらが積層されてなる積層構造を有する弾性境界波装置の製造方法であって、
 圧電体の上面にIDTと下層誘電体膜との厚みの差を緩和するための厚み調整用誘電体膜を形成する工程と、
 前記厚み調整用誘電体膜上に、IDTの形成される部分が開口部とされているレジストパターンを形成する工程と、
 前記レジストパターンをマスクとして前記厚み調整用誘電体膜をエッチングする工程と、
 IDTを形成するための金属膜を積層する工程と、
 前記レジスト膜を除去するとともに、レジスト膜上の金属膜を除去し、IDT電極を形成するとともに、IDT電極間のスペースに前記厚み調整用誘電体膜を残存させる工程と、
 前記IDT及び前記厚み調整用誘電体膜が残存している部分を覆うように堆積法により下層誘電体膜を形成する工程と、
 前記下層誘電体膜の上面の凹凸を緩和する平坦化工程と、
 前記下層誘電体膜の上面を覆うように上層誘電体膜を形成する工程とを備えることを特徴とする、弾性境界波装置の製造方法。
 前記平坦化工程において、前記下層誘電体膜上に、上面が平坦なレジスト層を形成し、該レジスト層の上面から一様にエッチングを行い、それによって前記下層誘電体膜の上面の凹凸を緩和して平坦化する、請求項1または2に記載の弾性境界波装置の製造方法。
 前記平坦化工程が前記下層誘電体膜の上面を研磨することにより行われる、請求項1または2に記載の弾性境界波装置の製造方法。
 前記IDTにより励振される弾性境界波の波長λとしたときに、前記平坦化工程後に、前記下層誘電体膜が前記IDT上に位置している部分において、前記圧電基板の上面から前記下層誘電体膜の上面までの距離が0.4λ以下である部分が設けられるように、前記平坦化工程が行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載の弾性境界波装置の製造方法。
 前記下層誘電体膜の形成及び前記平坦化工程がそれぞれ複数回行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載の弾性境界波装置の製造方法。
 前記IDTが、複数本の電極指を有し、複数本の電極指間のスペースにおいて、前記下層誘電体膜に下層誘電体膜が弾性境界波伝搬方向において不連続となっている弾性的不連続部分が生じない厚みに、前記下層誘電体膜が形成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の弾性境界波装置の製造方法。
Description:
弾性境界波装置の製造方法

 本発明は、例えば共振子や帯域フィルタ して用いられる弾性境界波装置の製造方法 関し、より詳細には、誘電体の膜質の不均 が緩和された構造を有する弾性境界波装置 製造方法に関する。

 携帯電話機の帯域フィルタなどに弾性表 波装置が広く用いられている。他方、パッ ージ構造の簡略化及び小型化を図り得るた 、弾性表面波装置に代わり、弾性境界波装 が注目されている。

 下記の特許文献1には、弾性境界波装置の製 造方法の一例が開示されている。特許文献1 記載の製造方法では、まず、LiNbO 3 などからなる圧電基板上に、フォトリソグラ フィ法によりIDTを含む電極が形成される。し かる後、IDTを覆うように、スパッタリング、 蒸着またはCVDなどの堆積法によりSiO 2 などからなる誘電体膜が形成される。このよ うにして得られた弾性境界波装置では、圧電 基板と誘電体膜との境界においてIDTにより弾 性境界波が励振され、該境界を弾性境界波が 伝搬する。

 ところで、IDTは、複数本の電極指を有し 電極指間には電極の存在しないスペースが 在する。従って、電極が存在する部分と、 記スペースのように電極が存在しない部分 の高さが異なることとなる。そのため、堆 法により誘電体膜を形成する場合、電極が 在する部分と電極が存在しない部分との高 の差により、誘電体膜が斜めに成長したり 形成される誘電体膜の膜質が不均一になっ りしがちであった。その結果、得られた弾 境界波装置の特性が劣化するおそれがあっ 。

 特許文献1では、上記問題を解決するには、 IDTなどの電極の膜厚を薄くすることが効果的 であると記載されている。より具体的には、 弾性境界波の波長λとしたときに、IDTの膜厚H を0.1λ以下とすることが望ましい旨が記載さ ている。

WO2004/070946

 しかしながら、特許文献1に記載のように 、IDTの厚みを0.1λ程度としたとしても、誘電 膜において、電極指間のスペースの中央に いて誘電体膜中に弾性的不連続部分が形成 れがちであった。これを、図10及び図11を参 照して説明する。

 図10及び図11は、以下の仕様で弾性境界波装 置を作製した場合のSiO 2 膜中の弾性的不連続部分の存在を模式的に示 す模式的正面断面図である。

 a)図10に示す弾性境界波装置の仕様:
 LiNbO 3 基板上に、λ=3.6μm、厚み0.103λ、デューティ=0 .6のIDTを形成し、さらに厚さ6μmのSiO 2 膜をRFマグネトロンスパッタにより成膜した

 図10から明らかなように、LiNbO 3 基板101上にIDT102が配置されている。IDT102は、 電極指102a,102bを有する。IDT102を覆うように、 SiO 2 膜103が形成されている。SiO 2 膜103中に、弾性的不連続部分103aが生じてい 。弾性的不連続部分103aは、電極指102a,102b間 スペースの中央において、該スペース上方 位置している。この弾性的不連続部分103aは 、LiNbO 3 基板の上面から0.18λの高さから、0.348λの高 に至っている。この弾性的不連続部分103aは 堆積法によりSiO 2 膜を成膜する際に、電極指102a側で堆積したSi O 2 膜と、電極指102b側で堆積したSiO 2 膜が上記スペース中央において衝突すること により形成されていると考えられる。

 弾性的不連続部分103aが生じると、弾性境 界波を励振させた際に、電気的特性が劣化す るおそれがあった。

 より具体的には、上記弾性的不連続部分1 03aが生じると、弾性境界波の音速が不均一と なり、IDT102による電気機械変換効率が劣化し 、電気機械結合係数が小さくなったり、伝搬 損失が大きくなったり、周波数ばらつきが増 大したりするおそれがある。

 b)図11に示す弾性境界波装置の仕様:
 LiNbO 3 基板201上に、λ=1.6μm、厚み0.113λ及びデュー ィ=0.5のIDTを形成し、さらに厚み6μmのSiO 2 膜203を形成した。

 ここでは、弾性的不連続部分203a~203cが、電 指202a,202b間、電極指202b,202c間及び電極指202c と図示されていない外側の電極指との間の各 スペースにおいて、SiO 2 膜中に生じている。

 弾性的不連続部分203a~203cは、LiNbO 3 基板201の上面から0.15λの高さから、0.46~0.5λ 高さに至っている。

 図10及び図11に示したように、IDTの厚みを0.1 03λまたは0.113λ程度としたとしても、SiO 2 膜中に大きな弾性的不連続部分103a,203a~203cが じ、それによって、電気的特性が劣化する それのあることがわかる。

 他方、特許文献1に記載のように、IDTの膜 厚を0.1λ以下、すなわちさらに薄くすれば、I DTの厚みによる影響を抑制することができる しかしながら、IDTの厚みを余り薄くすると 電気的抵抗が増加したり、十分な大きさの 気機械結合係数を得ることができなくなる

 本発明の目的は上述した従来技術の欠点 解消し、堆積法により誘電体膜が形成され 工程を備える弾性境界波装置の製造方法で って、IDTの厚みをさほど薄くせずとも、誘 体膜中の弾性的不連続部分の発生を効果的 抑制することを可能とする、弾性境界波装 の製造方法を提供することにある。

 本願の第1の発明は、上から順に、上層誘 電体膜/下層誘電体膜/IDT電極/圧電体の順でこ れらが積層されてなる弾性境界波装置の製造 方法であって、圧電体の上面にIDTを形成する 工程と、堆積法により前記IDTを覆うように下 層誘電体膜を形成する工程と、前記下層誘電 体膜の上面の凹凸を緩和する平坦化工程と、 前記上面の凹凸が緩和された下層誘電体膜を 覆うように下層誘電体膜上に上層誘電体膜を 形成する工程とを備えることを特徴とする。

 本願の第2の発明は、上から順に、上層誘 電体膜/下層誘電体膜/IDT/圧電体の順序でこれ らが積層されてなる積層構造を有する弾性境 界波装置の製造方法であって、圧電体の上面 にIDTと下層誘電体膜との厚みの差を緩和する ための厚み調整用誘電体膜を形成する工程と 、前記厚み調整用誘電体膜上に、IDTの形成さ れる部分が開口部とされているレジストパタ ーンを形成する工程と、前記レジストパター ンをマスクとして前記厚み調整用誘電体膜を エッチングする工程と、IDTを形成するための 金属膜を積層する工程と、前記レジスト膜を 除去するとともに、レジスト膜上の金属膜を 除去し、IDT電極を形成するとともに、IDT電極 間のスペースに前記厚み調整用誘電体膜を残 存させる工程と、前記IDT及び前記厚み調整用 誘電体膜が残存している部分を覆うように堆 積法により下層誘電体膜を形成する工程と、 前記下層誘電体膜の上面の凹凸を緩和する平 坦化工程と、前記下層誘電体膜の上面を覆う ように上層誘電体膜を形成する工程とを備え ることを特徴とする。

 なお、本明細書において堆積法とは、媒 材料を堆積しながら成膜する方法であり、 パッタリング、蒸着、CVDなどの媒質材料を 積しつつ成膜する方法を広く含むものとす 。

 第1,第2の発明においては、好ましくは、 記平坦化工程において、前記下層誘電体膜 に、上面が平坦なレジスト層を形成し、該 ジスト層の上面から一様にエッチングを行 れ、それによって前記下層誘電体膜の上面 凹凸が緩和され平坦化される。この場合に 、表面が平坦なレジスト層を形成しエッチ グを一様に行うだけで、容易に下層誘電体 の上面の凹凸が緩和され上面を平坦化する とができ、かつ下層誘電体膜の厚みの精度 高め得る。

 第1,第2の発明においては、下層誘電体膜 平坦化する平坦化工程は、下層誘電体膜の 面を研磨することにより行ってもよい。研 法を用いることにより、圧電基板を形成す ためのマザーのウェハの表面と同レベルま 下層誘電体膜表面を平坦化することができ 。

 第1,第2の発明では、好ましくは、前記IDT より励振される弾性境界波の波長λとした きに、前記平坦化工程後に、前記下層誘電 膜が前記IDT上に位置している部分において 前記圧電基板の上面から前記下層誘電体膜 上面までの距離が0.4λ以下である部分が設け られるように、前記平坦化工程が行われる。 上記弾性的不連続部分は、IDTの上面から0.4λ 下の高さ部分に設けられているので、下層 電体膜の上面までの距離が0.4λ以下の部分 設けられている場合には、該部分において 弾性的不連続部分が生じていたとしても、 弾性的不連続部分の少なくとも一部が除去 れることになる。従って、弾性境界波装置 特性の劣化を効果的に防止することができ 。

 本発明の製造方法では、下層誘電体膜の 成及び平坦化工程はそれぞれ複数回行われ もよい。その場合においても、平坦化工程 複数回行うことにより、上面が平坦な下層 電体膜を積層して、上方に形成される上層 電体膜を均一な膜質で形成することができ 。

 また、本発明において、IDTが複数本の電極 を有し、複数本の電極指間において、下層 電体膜に弾性的不連続部分が生じない発明 なるように下層誘電体膜が形成される場合 は、上記下層誘電体膜において弾性的不連 部分が生じない。従って、上記不連続性部 の存在による電気的特性の劣化を抑制する とができる。
(発明の効果)

 第1の発明に係る弾性境界波装置の製造方 法では、下層誘電体膜をIDTを覆うように形成 した後、平坦化工程により、下層誘電体膜の 上面の凹凸が緩和される。そのため、上面の 凹凸が緩和された下層誘電体膜を覆うように 、堆積法により上層誘電体膜を形成した場合 、上層誘電体膜において、前述した不連続性 部分が生じ難い。よって、IDTの厚みをさほど 薄くせずとも、堆積法により下層誘電体膜及 び上層誘電体膜を形成したとしても、弾性境 界波装置における電気的特性の劣化が生じ難 い。

 第2の発明によれば、IDTと、IDTと下層誘電 体膜の厚みの差を緩和するための厚み調整用 誘電体膜をIDTの電極指間のスペースに設けた 後に、IDT及び厚み調整用誘電体膜が残存して いる部分を覆うように堆積法により下層誘電 体膜が形成されるので、IDTの電極が存在する 部分と、上記スペースとの高さが厚み調整用 誘電体膜の形成により小さくされるので、下 層誘電体膜における不連続性部分が生じ難い 。加えて、下層誘電体膜の上面の凹凸が平坦 化工程によりさらに緩和された後に、上層誘 電体膜が形成されるので、上層誘電体膜中に おいても、不連続性部分が生じ難い。

 よって、IDTの厚みをさほど薄くせずとも 誘電体膜における上記不連続性部分の発生 効果的に抑制することができ、弾性境界波 置の電気的特性の劣化を抑制することがで る。

図1(a)~(d)は、本発明の第1の実施形態に る弾性境界波装置の製造方法を説明するた の各模式的正面断面図である。 図2(a)~(d)は、本発明の第1の実施形態に る弾性境界波装置の製造方法を説明するた の各模式的正面断面図である。 図3(a),(b)は、本発明の第1の実施形態に る弾性境界波装置の製造方法を説明するた の各模式的正面断面図である。 図4は、第1の実施形態において、平坦 工程を実施する前の下層誘電体膜上の凹凸 説明するための模式的正面断面図である。 図5は、第1の実施形態において、平坦 工程後の下層誘電体膜の上面の凹凸を説明 るための模式的正面断面図である。 図6は、第1の実施形態及び比較例で得 れた弾性境界波装置のインピーダンス周波 特性を示す図である。 図7は、第1の実施形態で得られた弾性 界波装置において生じている不連続性部分 位置を示す模式的正面断面図である。 図8は、第1の実施形態において、IDTの 厚を異ならせて製造した場合の不連続性部 の位置を模式的に示す正面断面図である。 図9(a)~(c)は、第2の実施形態の弾性境界 装置の製造方法の各工程を説明するための 式的正面断面図である。 図10は、従来の弾性境界波装置の製造 法で得られた弾性境界波装置における誘電 膜中の不連続性部分を説明するための模式 正面断面図である。 図11は、従来の弾性境界波装置の製造 法で得られた弾性境界波装置における誘電 膜中の不連続性部分を説明するための模式 正面断面図である。

符号の説明

 1…圧電基板
 2…厚み調整用誘電体膜
 3…レジストパターン
 4…IDT
 4A…金属膜
 5…下層誘電体膜
 6…平坦化レジスト層
 7…上層誘電体膜

 以下、図面を参照しつつ、本発明の具体 な実施形態を説明することにより、本発明 明らかにする。

 図1(a)~(d)、図2(a)~(d)及び図3(a),(b)を参照し 、本発明の第1の実施形態の製造方法を説明 する。

 本実施形態の弾性境界波装置の製造方法で 、図1(a)に示すように、圧電基板1をまず用 する。本実施形態では、圧電基板1は、15°Y ットX伝搬のLiNbO 3 からなる。

 次に、図1(b)に示すように、圧電基板1上に み調整用誘電体膜2をスパッタリングにより 成する。厚み調整用誘電体膜2は、SiO 2 からなる。スパッタリングに際しての成膜温 度は200℃、スパッタリングガスはArガス、O 2 ガス、ガス圧は0.3Paとし、厚み調整用誘電体 2の厚みは100nmとした。

 しかる後、上記厚み調整用誘電体膜2上に 全面にフォトレジスト層を形成し、フォトリ ソグラフィ法によりパターニングする。この ようにして、図1(c)に示すように、レジスト ターン3が形成される。レジストパターン3で は、開口部がIDTが形成される位置とされてい る。このレジストパターン3をマスクとして 厚み調整用誘電体膜2をエッチングする。す わち、図1(d)に示すように、エッチングによ り、レジストパターン3に覆われていない領 において、厚み調整用誘電体膜2を除去する このエッチングは、RIE(Reactive Ion Etching)ま はドライエッチングにより行われる。

 しかる後、図2(a)に示すように、全面にIDT を形成するための金属膜を蒸着により形成す る。図2(a)に示すように、レジストパターン3 開口部に、金属膜が堆積されて、IDT4が形成 される。また、レジストパターン3上にも、 属膜4Aが成膜されることになる。

 なお、IDT4とともに、IDTの両側に一対の反 射器を同時に形成した。本実施形態では、IDT 4の両側に一対の反射器を設けることにより 1ポート型の弾性境界波共振子を作製した。 お、IDTは複数本の電極指を有し、電極指の 数が50対、反射器の電極指の本数は各51本と した。また、IDT及び反射器における電極指周 期による波長λは3.42μmとし、デューティは0.5 とした。また、IDTにおいては、電極指交叉幅 がIDTの中央で35λ、IDTの弾性境界波伝搬方向 端では12λとなるように、交叉幅重み付を施 た。IDTと反射器との電極指中心間距離は0.5 とした。

 また、IDTは、複数の金属膜をスパッタリ グにより積層することにより形成した。よ 具体的には、上から順に、NiCr/Ti/Al/Ti/Ni/Au/Ni /Tiを20/10/100/10/10/140/5/10nmの厚みとなるように れらの金属膜を積層した。

 次に、リフトオフ法により、レジストパ ーン3と、レジストパターン3上に積層され いる金属膜4Aを除去する。このようにして、 図2(b)に示すように、IDT4が形成され、かつIDT4 が存在しない部分に厚み調整用誘電体膜2が 存することとなる。

 上記厚み調整用誘電体膜2が存在するため 、IDT4が形成されている部分と、IDT4が形成さ ていない部分、例えば電極指間のスペース の高さの差が小さくされている。

 しかる後、図2(c)に示すように、SiO 2 膜をスパッタリングにより成膜することによ り、下層誘電体膜5を形成する。ここでは、 層誘電体膜5は、成膜温度270℃、スパッタリ グガスとしてAr、O 2 を用い、ガス圧を0.1Paとし、厚さ1000nmとなる うに形成した。下方のIDT4と厚み調整用誘電 体膜2との厚みが異なるので、得られた下層 電体膜5では、上面に凸部5aと凹部5bとが形成 されることになる。この凸部5aと凹部5bとの さの差は上述したIDT4と厚み調整用誘電体膜2 の高さの差となる。もっとも、厚み調整用誘 電体膜2が設けられている分だけ、上記凸部5a と凹部5bとの高さの差は小さくされている。

 しかる後、図2(d)に示すように、平坦化レジ スト層をスピンコーティング法により3000nmの 厚みとなるように形成する。この平坦化レジ スト層6を、エッチングにより除去しつつ、 層誘電体膜5の上面を平坦化する。この平坦 工程は、エッチングガスを用いて行われる ここでは、エッチングガスとして、CF 4 とCHF 3 とを混合してなり、圧力7Paのエッチングガス を用いた。なお、SiO 2 のエッチング速度と上記平坦化レジスト層6 エッチング速度との比は1.02である。このよ にして、図3(a)に示すように、エッチングガ スを矢印で示すように吹きつけることにより エッチングを行い、下層誘電体膜5の上面を 坦化した。その結果、下層誘電体膜5の厚み 500nmとなった。

 しかる後、図3(b)に示すように、下層誘電体 膜5上に、上層誘電体膜7を、スパッタリング より成膜した。上層誘電体膜7は、SiO 2 からなり、スパッタリングによる成膜に際し ては、ターゲットとしてSiO 2 板を用い、成膜温度270℃とし、スパッタリン グガスとしてAr、O 2 を用い、ガス圧0.1Paとした。すなわち、堆積 を用いて上層誘電体膜7を形成した。

 次に、このようにして得られた弾性境界波 置のインピーダンス-周波数特性を図6に実 で示す。なお、図6の横軸は、共振周波数を 準とした規格化周波数であり、縦軸はイン ーダンス20log 10 │Z│(dB)である。比較のために、比較例とし 、上記平坦化用レジスト6の形成及び平坦化 工程を行わずに、図2(c)に示す構造を得た後 、直ちに上層誘電体膜を成膜したことを除 ては同様にして弾性境界波装置を製造した この比較例の弾性境界波装置のインピーダ ス周波数特性を図6に破線で示す。

 また、上記実施形態及び比較例で得られ 弾性境界波装置の共振周波数Fr、共振周波 Frと反共振周波数Faとの差(Fa-Fr)の共振周波数 Frに対する比(Fa-Fr)/Fr、及び反共振点のインピ ーダンスZaを下記の表1に示す。

 図6及び表1から明らかなように、比較例 場合と比べて、上記実施形態によれば、上 平坦化レジスト層6を形成して平坦化処理を っているため、(Fa-Fr)/Frが比較例の場合と比 べて増大し、従って、IDTによる電気機械変換 効率が高められ、よって電気機械結合係数を 高め得ることがわかる。

 また、実施形態によれば、比較例に比べ 反共振点のインピーダンスZaが高くなり、 れによって伝搬損失を低減し得ることがわ る。

 また、共振周波数Frのばらつきσも比較例 に比べて小さくなっていることがわかる。従 って、周波数ばらつきを小さくすることがで き、歩留りを高めることができ、弾性境界波 装置のコストを低減し得ることがわかる。

 なお、図3(a)では、上記平坦化工程により 、下層誘電体膜5の上面が平坦とされていた もっとも、図3(a)は、平坦化による効果を略 的に示しているものであり、エッチングガ を用いて平坦化工程を実施した場合、必ず も下層誘電体膜5の上面は図示のように完全 に平坦化されるものではない。

 実際には、図5に模式的拡大断面図で示す ように、平坦化工程後の下層誘電体膜5の上 においても幾分の凹凸は存在する。もっと 、平坦化工程前の下層誘電体膜5の上面は図4 に示すように、IDT4が設けられている部分と IDT4が存在しない部分との高さの差により大 な凹凸を有する。これに対して、上記平坦 工程を実施することにより、図5に示すよう に、下層誘電体膜5の上面の凹凸を小さくす ことができる。

 すなわち、本発明における平坦化工程と 、下層誘電体膜5の上面の凹凸が、図4に示 状態から図5に示す状態に変化するように、 凸を緩和する工程を広く含むものとし、必 しも下層誘電体膜の上面を完全に平坦化す ものに限らないことを指摘しておく。

 なお、本実施形態においても、IDTの電極 間においては、誘電体膜中に、前述した弾 的不連続部分が生じる。図7は、上記実施形 態において、IDT4の電極指間のスペース上方 生じた弾性的不連続部分を模式的に示す模 的断面図である。ここでは、圧電基板1の上 1aから上方に、高さ0.18λから、0.32λにわた 弾性的不連続部分8が設けられている。

 また、図8は、発明の課題の項の説明にお いて示した図11と同様の厚みのIDT電極を形成 たことを除いては、上記実施形態と同様に て弾性境界波装置を製作した場合の不連続 部分の位置を模式的に示す正面断面図であ 。図8においても、不連続性部分9a~9cは、隣 合う電極指間の中央において、圧電基板1の 上面から0.14λから0.4λの位置までに存在して る。

 従って、図7及び図8から明らかなように IDTの膜厚が多少変更されたとしても、上記 性的不連続部分は、本実施形態の製造方法 は、電極指間のスペースの中央において、 電基板の上面から0.1λ~0.4λの位置にあること がわかる。よって、上記平坦化工程に際して は、圧電基板1の上面1aから、0.1λ以下となる うに下層誘電体膜をエッチングすることが ましく、少なくとも0.4λ以下とすれば、弾 的不連続部分の少なくとも一部が除去され 弾性的不連続部分が小さくされている。そ 結果、弾性的不連続部分の存在による影響 軽減し得ることがわかる。よって、好まし は、本発明においては、上記平坦化工程に しては、下層誘電体膜5の上面が、圧電基板1 の上面1aから0.4λ以下となる部分が存在する うにエッチングを行うことが望ましい。

 次に、第2の実施形態の製造方法を説明す る。第2の実施形態では、第1の実施形態と同 にして、圧電基板1上に、IDT4とIDT4が形成さ ていない領域に残存している厚み調整用誘 体膜2とを形成する。

 しかる後、図9(a)に示すように、下層誘電 体膜5をスパッタリングにより全面に形成す 。この下層誘電体膜5の形成もまた、第1の実 施形態の下層誘電体膜5の形成と同様にして 一材料を用いて行われる。

 第2の実施形態が第1の実施形態と異なる ころは、平坦化工程が、CMP(Chemical Mechanical  Polishing)により行われることにあり、それに って図9(b)に示すように下層誘電体膜5の上面 5cが平坦化される。このように、平坦化工程 、エッチングの他、CMPなどの研磨方法や、 ーザー加工、イオンミリング等を用いて行 れてもよい。

 しかる後、図11(c)に示すように、下層誘 体膜5上に、上層誘電体膜7が形成される。上 層誘電体膜7は、第1の実施形態の上層誘電体 7と同様にして形成される。

 CMP法により研磨した場合、圧電基板1を得 るためのウェハの表面と同レベルまで平坦化 することができる。従って、上層誘電体膜7 おける弾性的不連続部分の発生をより確実 防止することができる。

 なお、上述した第1,第2の実施形態では、1 ポート型弾性境界波共振子の製造方法につき 説明したが、本発明に係る弾性境界波装置の 製造方法は、1ポート型弾性境界波共振子に らず、他の共振子構造を有するものであっ もよく、あるいは縦結合型フィルタ、ラダ 型フィルタ、縦結合共振子型フィルタ、横 合共振子型フィルタ、反射型SPUDTを用いたト ランスバーサル型フィルタ、弾性境界波光ス イッチ、弾性境界波光フィルタなど、弾性境 界波を用いた装置に広く適用することができ る。

 また、IDTを含む電極は、AlやAuなどの単一 の金属で形成されてもよく、あるいは、複数 の金属膜を積層してなる積層金属膜であって もよい。すなわち、Au、Alなどに、さらにPt、 Ag、Cu、Ni、Ti、Fe、W、Taなどの金属もしくは れらを主体とする合金膜を積層してもよい また、密着性や耐電力性を高めるために、Al やAuもしくはこれらの合金に加えて、Ti、Cr、 NiCr、Ni、PtまたはPdなどの薄い金属層を、密 層あるいは耐電力性向上層として他の金属 と圧電体との間、あるいは他の金属膜と誘 体との間等に配置してもよい。

 また、上記圧電基板1は、LiNbO 3 に限らず、LiTaO 3 などの他の圧電単結晶、あるいはPZTなどの圧 電セラミックスなど適宜の圧電材料により形 成され得る。

 また、下層誘電体膜及び上層誘電体膜を構 する誘電体材料についてもSiO 2 に限らず、Si 3 N 4 、ガラス、SiC、ZnO、Ta 2 O 5 、AlN、Al 2 O 3 などの適宜の誘電体を用いることができる。

 さらに、上層誘電体膜の上方に、さらに の弾性媒質層を積層してもよい。

 また、弾性境界波装置の強度を高めたり 腐食性ガスの侵入を防止するための保護層 上層誘電体膜上に設けてもよく、場合によ ては、本発明の弾性境界波装置を他のパッ ージに封入してもよい。上記保護層を構成 る材料としては特に限定されず、ポリイミ やエポキシ樹脂などの合成樹脂、酸化チタ 、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムな の無機絶縁性材料、Au、AlまたはWなどの金 を用いることができる。