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Title:
MANUFACTURING METHOD OF RARE EARTH-IRON RING MAGNET WITH CONTINUOUS ORIENTATION CONTROLLED ANISOTROPY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/142005
Kind Code:
A1
Abstract:
The essential processes of this method include: a process for manufacturing segments having a continuously varying anisotropic orientation from perpendicular to surface to inside the surface by means of a uniform magnetic field maintained in a constant direction and a process in which a plurality of the segments is arranged on the circumference of a circle, the segments are pushed out in a ring shape by rheology based on viscous deformation of the segments from one thrust direction end plane of the segments, and compressed from both end planes in the thrust direction of the segments. In a ring magnet in which the anisotropic orientation is continuously controlled, the generation source of the static magnetic field has an energy density (BH)max ³ 160 to 180 kJ/m3.

Inventors:
YAMASHITA, Fumitoshi (())
山下文敏 (())
KAWAMURA, Kiyomi (())
河村清美 (())
Application Number:
JP2009/002214
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
May 20, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORPORATION (1006, Oaza KadomaKadoma-sh, Osaka 01, 〒5718501, JP)
パナソニック株式会社 (〒01 大阪府門真市大字門真1006番地 Osaka, 〒5718501, JP)
YAMASHITA, Fumitoshi (())
山下文敏 (())
KAWAMURA, Kiyomi (())
International Classes:
H02K15/03; H01F7/02; H01F13/00; H01F41/02; H01F1/08
Attorney, Agent or Firm:
NAITO, Hiroki et al. (1006 Oaza Kadoma,Kadoma-sh, Osaka 01, 〒5718501, JP)
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Claims:
一様な外部磁界Hexの方向とロータの任意の機械角φに対応する内外周方向接線との角度を角度Hθとしたとき、機械角φに対応した角度Hθの変化を与える内外周切片をもつセグメントを外部磁界Hexによる磁界中で成形加工する第1の工程と、
複数のセグメントを極数に応じて円周上に配置し、当該セグメントの一方のスラスト方向端面から、その粘性変形に基づくレオロジーを利用してリング状に押出し、続いて、当該セグメントのスラスト方向両端面から圧縮成形することで異方性を連続方向制御する第2の工程とを含む、
ことを特徴とした異方性を連続方向制御した希土類-鉄系リング磁石の製造方法。
回転軸中心を原点とした固定子鉄心ティースの機械角をφs、回転軸中心を原点としたロータ磁極中心の機械角をφrとしたとき、φs≒φrに相当する領域で磁極の回転方向接線に対する磁化ベクトル角Mcの90度に対する誤差平均が2度以下、前記磁化ベクトル角Mcから隣接する磁極の90度領域Mcに至る非ラジアル領域の磁化ベクトル角をMdとしたとき、機械角φと磁化ベクトル角Mdとの回帰式の相関係数rが0.995以上である請求項1記載の異方性を連続方向制御した希土類-鉄系リング磁石の製造方法。
予備成形セグメントとリング磁石との残留磁化Mrの差が0.03T以下、異方性分散σの差が7%未満である請求項1記載の異方性を連続方向制御した希土類-鉄系リング磁石の製造方法。
リング磁石の異方性方向の残留磁化Mrが0.95~1.05T、保磁力HcJが0.85~0.95MA/m、エネルギー密度(BH)maxが160~180kJ/m 3 である請求項1記載の異方性を連続方向制御した希土類-鉄系リング磁石の製造方法。
リング磁石の直径が25mm以下である請求項1記載の異方性を連続方向制御した希土類-鉄系リング磁石の製造方法。
Description:
異方性を連続方向制御した希土 -鉄系リング磁石の製造方法

 本発明は磁極中心にラジアル異方性領域 磁極間に非ラジアル磁気異方性領域を有し 小口径化しても磁気特性が劣化しない異方 を連続方向制御した希土類-鉄系リング磁石 の製造方法に関する。さらに詳しくは、家電 機器、空調機器、並びに情報機器などの各種 駆動源として幅広く使用されている、概ね50W 以下の磁石モータの省電力化、省資源化、小 型化、並びに静音化に強い影響を与える高性 能永久磁石型モータのための異方性を連続方 向制御した希土類-鉄系リング磁石の製造方 に関する。

 モータは、回転子、軸、軸受、固定子な を鉄鋼、非鉄金属、高分子などの各種材料 高精度で加工し、それらを組み合わせるこ で電気エネルギーを機械エネルギーに変換 る複合機能部品とみなせる。近年のモータ 、他の磁性材料を吸引したり反発したりす 能力、並びに外部エネルギーなしに永久的 静磁界を発生する能力をもつ磁石を利用し 永久磁石型モータが主流となっている。物 的に見て磁石が他の磁性材料と異なる点は 外部磁界を消した後も有効な磁化が残り、 や比較的大きな逆磁界などを加えたとき、 めて磁化反転(減磁)が起こり、それに伴っ 磁化の低下が起こるという点である。この うな磁石の重要な特性値にエネルギー密度(B H)maxがある。これは磁石の潜在的エネルギー 単位体積で表している。

 ところで、磁石の強く吸引したり反発し りする能力は、モータの種類によっては必 しも高性能化にはならない。しかし、非特 文献1では、磁石の基本特性の一つである残 留磁束密度Brとモータ性能の指標としてのモ タ定数KJ(KJは出力トルクKTと抵抗損の平方根 √Rの比)との関係から、モータ径、ロータ径 空隙、軟磁性材、磁石寸法などを固定した き、磁石のエネルギー密度(BH)maxの増加は、 本発明が対象とするリング磁石を使用する小 型モータにおいて、より高いトルク密度が得 られるとしている。

 しかしながら、当該モータの固定子鉄心 は巻線を収納するスロットと磁気回路の一 を形成するティースが存在するため、回転 伴ってパーミアンスが変化する。このため エネルギー密度(BH)maxの増加は、トルク脈動 、すなわち、コギングトルクを増大させる。 コギングトルクの増加は、モータの滑らかな 回転を妨げ、モータの振動や騒音を大きくし 、回転制御性が悪化するなどの弊害を伴う。

 上記のような弊害を避けるため、モータ コギングトルク低減に関して、従来、多く 研究がなされてきた。

 先ず、磁化方向に或る一定の厚さをもつ 極に関しては、磁石の偏肉化を挙げること できる。例えば、非特許文献2には、図11Aの ような、偏肉化した磁極1、固定子鉄心2、固 子鉄心スロット3、固定子鉄心ティース4を する小型モータについて述べられている。 なわち、非特許文献2は、残留磁化Br1.2T、磁 中心の最大厚さ3mm、磁極両端の最小厚さ1.5m mの偏肉化した磁極で12極18スロット表面磁石 同期モータ(SPMSM)とすると、コギングトルク を極小化できると記している。なお、この場 合は磁極の外径側からの偏肉であるが、その 逆の磁極内径側から偏肉した磁極であっても コギングトルクを低減できることは周知であ る。

 なお、非特許文献2では、図11Aのように磁 極の偏肉化でコギングトルクを極小化するに は、磁極中心の最大厚さに対し、磁極両端の 最小厚さが1/2程度となるような偏肉化が必要 であるとしている。したがって、磁極の厚さ 、すなわち磁化の方向(厚み)が薄くなると、 極を偏肉化してコギングトルクを極小化し うとしても十分な効果が得られなくなる。 えて一般に、機械的には脆弱な磁極である ら加工も難しくなる。

 一方、磁化方向の厚さが薄い磁極に関し は、非特許文献3の、図11Bのような磁極をス キューする方法、あるいは、非特許文献4の 図11Cのような磁極間の磁極面積を連続的に 除する方法が知られている。

 以上の従来技術をまとめると、何れも厚 磁極の磁極端を1/2程度まで薄くして固定子 心との空隙を広げるか、あるいは、薄い磁 の磁極間の面積を削減する。したがって、 極から発生する静磁界Msが磁束φとして固定 子鉄心へ流れ込む量が、磁気抵抗の増加で減 少する。その結果、それらの方法では、コギ ングトルクの低減によって一般に10~15%のトル ク密度の低下を招く。したがって、図11A、図 11Bおよび図11Cに示した従来技術によるコギン グトルク低減法は、磁石のエネルギー密度(BH )maxの増加によるモータのトルク密度の増加 犠牲になるという課題があった。

 他方では、非特許文献5のようなモータの コギングトルク低減法も知られている。非特 許文献5は、磁化方向の厚さが1.2mmと薄く、し かも残留磁化Mrが1Tと高いエネルギー密度の 土類-鉄系焼結磁石を用いて、図11A、図11Bお び図11Cに示したような磁化方向の厚さ、あ いは磁極の面積を削減しない方法でコギン トルクを低減している。すなわち、図12A~12D のように各磁極を2~5分割した磁極断片で一つ の磁極を構成し、磁極断片毎に異方性の方向 (磁化容易軸の方向)を段階的に調整した、所 Halbach Cylinderである。ただし、図面中、磁 1の添え字(2)~(5)は、磁極1を2~5分割した断片 数を示している。また、各断片の矢印の方 は異方性の方向(磁化容易軸の方向)を表して いる。

 上記構成の磁極を用いて12極18スロットの モータとしたとき、分割した磁極断片の数N コギングトルクTcogとは、Tcog=61.753×exp(-0.1451 N)なる累乗近似が成り立つ。すなわち、任意 の機械角φにおける磁化ベクトルMと、磁極の 周方向接線に対する磁化ベクトル角をMθとし たとき、磁極間では規則的に精度よく連続的 な変化を採ることが理想であることを示唆し ている。しかし、厚さ1.2mm、残留磁化Mrが1Tと 高いエネルギー密度の希土類-鉄系焼結磁石 、異方性の方向を異にする磁極断片を多数 意し、当該磁極断片をきめ細かく規則的に 置し、しかも、高い寸法精度で複数の磁極 構成し、ロータとすること自体が困難であ 。このため、当該磁極を整数倍準備した多 ロータ、あるいは、それを用いた小型モー を製造することは極めて困難である。加え 、経済との整合性に乏しいことも容易に推 できる。

 ところで、磁気的に等方性の磁石は着磁 の方向と、その磁界強度分布にしたがって 何なる方向にも自在に磁化できる。このた 、着磁ヨークの形状と起磁力の最適化によ て、図13の磁極1の円弧状矢印で示すような 化パターンを与えることができる。これに り、磁極と固定子鉄心との空隙磁束密度分 を容易に正弦波状に調整できる。したがっ 、SPMSMのような小型モータのコギングトル 低減は薄い磁極を磁気的に異方性の磁石材 で形成する場合と比べると極めて容易であ 。

 上記のような、等方性希土類磁石材料の研 は、先ずR.W.Leeらが始まりと思われる(非特 文献11を参照)。非特許文献11では、エネルギ ー密度(BH)maxが111kJ/m 3 の急冷凝固リボンを樹脂で固定すると、エネ ルギー密度(BH)maxが72kJ/m 3 の等方性Nd 2 Fe 14 B系ボンド磁石ができるとしている。その後 1980年代後半以降から現在に至るまで、希土 -鉄系溶湯合金の急冷凝固を主とした等方性 希土類磁石材料の研究が活発に行われている 。例えば、Nd 2 Fe 14 B系、Sm 2 Fe 17 N 3 系、あるいはそれらとαFe、FeB、Fe 3 B系との微細組織に基づく、交換結合を利用 たナノコンポジット磁石材料を含めて工業 に利用可能になっている。さらに、多彩な 金組織をミクロ制御した等方性磁石材料に え、粉末形状の異なる等方性磁石材料も工 的に利用可能になっている。例えば、非特 文献6~10を参照のこと。とくに、非特許文献1 0では、H.A.Daviesらが、等方性でありながらエ ルギー密度(BH)maxが220kJ/m 3 に達するという報告をしている。

 しかし、工業的に利用可能な等方性磁石材 のエネルギー密度(BH)maxは、高々134kJ/m 3 である。また、概ね50W以下の小型モータへの 応用で一般的な、等方性Nd 2 Fe 14 Bボンド磁石のエネルギー密度(BH)maxは、概ね8 0kJ/m 3 以下である。すなわち、1985年のR.W.Leeらのエ ルギー密度(BH)maxが111kJ/m 3 のリボンでエネルギー密度(BH)maxが72kJ/m 3 の等方性Nd 2 Fe 14 B系ボンド磁石を作製して以来、20年以上経過 しても、エネルギー密度(BH)maxの進歩でみる 、10kJ/m 3 にも満たない。

 したがって、等方性磁石材料の進歩を待 てエネルギー密度を増加し、本発明が対象 するモータの高トルク密度化は期待できな 。

 一方、等方性から異方性磁石への転換は 般にエネルギー密度(BH)maxの増加を伴うから 、小型モータでは、より高いトルク密度が得 られる。しかし、反面コギングトルクが増大 する。加えて、既存のラジアル異方性リング 磁石は、その内外径が減少すると、リングキ ャビティのセンターコアで外部磁界Hexを反発 させてラジアル配向磁界を発生させても、漏 洩磁束が増すためにエネルギー密度(BH)maxの 下が劣化する。とくに、直径25mm以下では、 の傾向が強まる。

 また、本発明に関連する異方性の希土類-鉄 系磁石材料として、例えば、非特許文献12で RD-Sm 2 Fe 17 N 3 や、非特許文献13でのHDDR-Nd 2 Fe 14 Bが挙げられる。

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 本発明の異方性を連続方向制御した希土 -鉄系リング磁石の製造方法は、必須とする 第1の製造工程では、一様な外部磁界Hexの方 とロータの任意の機械角φに対応する内外周 方向接線との角度をHθとし、機械角φに対応 た角度Hθの変化を与える内外周切片をもつ グメントを外部磁界Hexによる磁界中で成形 工する。必須とする第2の製造工程では、複 数のセグメントを極数に応じて円周上に配置 し、当該セグメントの一方のスラスト方向端 面から、その粘性変形に基づくレオロジーを 利用してリング状に押出し、続いて、当該セ グメントのスラスト方向両端面から圧縮成形 する。

 本発明はこのような異方性リング磁石の 造方法の提供によって、等方性磁石の欠点 あるエネルギー密度(BH)maxを概ね2倍以上に める。これによって、小型モータのトルク 度の増加を図るとともに、同一形状におい ラジアル異方性磁石特有のコギングトルク 起因する障害、例えば騒音を低減しようと るものである。

 従来の面内異方性など、明確な非ラジアル 方性領域をもたないラジアル異方性リング 石を適用したモータでは、磁石のエネルギ 密度(BH)maxが増加すると、機械角φに対する 極中心の磁化ベクトル角Mcと磁極端の磁化 クトル角MdとはMc≒Mdである。このため、磁 端の磁化ベクトル角Mdの機械角φに対する変 Md/φが指数関数的に増加する傾向にあった しかし、本発明にかかる磁極端の磁化ベク ル角Mdの機械角φに対する変化Md/φは、異方 の連続方向制御によって等方性磁石以下に 制することができる。その結果、フェライ 極異方性磁石や等方性Nd 2 Fe 14 B磁石に比べ、エネルギー密度(BH)maxが略2~10倍 の高性能希土類-鉄系リング磁石であるにも わらず、モータのコギングトルクを増加さ ることなく、トルク密度を高めることがで る。とくに、小口径化してもラジアル異方 リング磁石のようなラジアル配向磁界の低 によるエネルギー密度(BH)maxの低下がなく、 数のセグメントを生産することができる。

 したがって、本発明は、家電機器、空調 器、並びに情報機器などの各種駆動源とし 幅広く使用されている、概ね50W以下のモー の省エネルギー化、省資源化、小型化、並 に静音化に有効である。

図1Aは、異方性方向制御を示す第1の概 念図である。 図1Bは、異方性方向制御を示す第2の概 念図である。 図1Cは、異方性方向制御を示す第3の概 念図である。 図2Aは、押出圧縮過程を示す斜視外観 である。 図2Bは、押出圧縮成形ダイスの断面構 図である。 図3Aは、溶融高分子の外力による流動 態を示す第1の概念図である。 図3Bは、溶融高分子の外力による流動 態を示す第2の概念図である。 図4は、レオロジーを与える熱硬化性樹 脂組成物の分子構造を示す概念図である。 図5は、磁気異方性磁極のマクロ構造の 電子顕微鏡写真を示す図である。 図6Aは、磁石のM-H loopを示す特性図で る。 図6Bは、残留磁化とエネルギー密度を す特性図である。 図7Aは、セグメントの一例を示す形状 である。 図7Bは、セグメントとリング磁石の位 関係を示す断面図である。 図8Aは、ラジアル領域と非ラジアル領 を示す構成図である。 図8Bは、機械角と磁化ベクトルの関係 示す特性図である。 図9は、ラジアル領域の角度誤差と非ラ ジアル領域の機械角に対する磁化ベクトルの 回帰直線の相関係数の関係を示す特性図であ る。 図10Aは、エネルギー密度とモータ効 (最高値)の一例を示す特性図である。 図10Bは、回転数と騒音値の一例を示 特性図である。 図11Aは、従来の偏肉化によるコギン トルク低減法を示す概念図である。 図11Bは、従来のスキューによるコギ グトルク低減法を示す概念図である。 図11Cは、従来の磁極面積によるコギ グトルク低減法を示す概念図である。 図12Aは、従来の磁化方向の不連続制 によるコギングトルク低減法を示す第1の概 図である。 図12Bは、同第2の概念図である。 図12Cは、同第2の概念図である。 図12Dは、同第2の概念図である。 図13は、等方性磁石の磁化パターンを す概念図である。

 以下、本発明の実施の形態について、図 を用いて説明する。

 (実施の形態)
 本発明は、次の2つの工程を必須とする。そ の1つは、磁石の機械的設計とともに、一定 向に保たれた一様な磁界によって、面垂直 ら面内に異方性の方向が連続変化したセグ ントを作製する工程である。すなわち、作 されたセグメントにおいては、異方性の方 が、一様な磁界を受けた面に対して垂直と る方向からその面の広がり方向へと連続的 変化している。もう1つは、複数のこれらセ メントを円周上に配置し、当該セグメント 一方のスラスト方向端面から、当該セグメ トの粘性変形に基づくレオロジーによりリ グ状に押出し、続いてセグメントのスラス 方向両端面から圧縮する工程である。

 上記、本発明にかかる必須の製造工程をさ に詳しく説明する。先ず、本発明で必須と る第1の製造工程では、内外周切片を複数も つセグメントを、一様な外部磁界Hexによる磁 界中で成形加工する。ここで、内外周切片は 、機械角φに対応した角度Hθの変化を与える 片である。また、角度Hθは、一様な外部磁 Hexの方向と、セグメントの任意位置、すな ち、最終のロータ機械角φに対応する内外 方向接線との角度である。セグメントの成 加工法としては、よく知られた射出法や押 法で差し支えないが、エネルギー密度(BH)max 160~180kJ/m 3 とするには直交磁界中での圧縮法が好ましい 。

 また、本発明で必須とする第2の製造工程 では、先ず、必須とする第1の製造工程で製 した複数のセグメントを極数に応じて円周 に配置する。そして、当該セグメントの一 のスラスト方向端面から、その粘性変形に づくレオロジーを利用してリング状に押出 る。続いて、当該セグメントのスラスト方 両端面から圧縮成形して、異方性を連続方 制御した希土類-鉄系リング磁石とする。

 なお、上記、複数のセグメントとは2個以 上の偶数であり、その数自体は本発明にかか る小型モータの設計思想に委ねられる。

 ところで、希土類-鉄系磁石材料が自由に 回転する状態で、外部磁界Hexを与えたとき、 当該磁石材料は外部磁界Hexの方向に磁化され て整列する。したがって、セグメント断面に おいて内外周方向接線に対する磁化ベクトル 角M、すなわち異方性の方向は、M≒Hθとなる

 例えば、リング磁石の異方性磁極におい ラジアル異方性領域の磁化ベクトル角をMc 非ラジアル異方性領域の磁化ベクトル角をMd とし、さらに角度Hθとの誤差を小さくする必 要がある。そこで、セグメント形状の設定で は、次のようにして断面形状を求めることが 望ましい。すなわち、任意の機械角φの位置 角度Hθをもつ剛体が回転移動し、異方性の 度を崩さずに異方性の方向のみが変化する し、それらの剛体の集合体を非線形構造解 することでセグメントの断面形状を求める また、任意の機械角φの位置に対する角度H をもつ剛体の集合体が異方性の程度を崩さ に異方性の方向のみが変化する回転移動は 熱と外力によって生じる溶融線状高分子の ん断流動、伸長流動、およびそれらが重複 た粘性変形に基づくレオロジーを利用する

 次に、本発明で言う異方性の方向制御に いて、最適な異方性の方向と分布について 明する。ここで、回転軸中心を原点とした 定子鉄心ティースの機械角をφs、回転軸中 を原点としたリング磁石の磁極中心の機械 をφrとする。このとき、本発明にかかる望 しい異方性の連続方向制御の形態とは、φs φrに相当する領域では磁極の回転方向接線 対する磁化ベクトル角Mcを90度、すなわちラ ジアル異方性領域(以下、適宜、ラジアル領 と呼ぶ)を設けることが望ましい。ラジアル 域は、磁化ベクトル(異方性方向)が略回転 中心方向を向くセグメント中の領域である また、ラジアル領域での異方性方向の誤差 均を2度以下とする。さらに、上記磁化ベク ル角がMcのラジアル領域から隣接する磁極( 極)の磁化ベクトル角がMcのラジアル領域に る間は非ラジアル異方性領域(以下、適宜、 非ラジアル領域と呼ぶ)とする。すなわち、 ラジアル領域では、磁化ベクトル(異方性方 )が回転軸中心方向からずれた方向を向く。 この非ラジアル領域の磁化ベクトル角をMdと たとき、非ラジアル領域に相当する機械角 とMdの分布を与える一次回帰式φ=a×Md+b(a、b 係数)とすることが望ましい。これは磁極の 界近傍での異方性の方向が面内異方性とな ことを意味している。本発明ではφとMdの一 次回帰式の相関係数rを0.995以上の精度とする ものである。

 上記のような機械角φに対する異方性方 と、その分布とを与えると、リング磁石の 極が発生する静磁界Msが固定子鉄心ティース に到達する量の減少を最小限とすることがで きる。加えて、非ラジアル領域の磁化ベクト ル角Mdとしたとき、機械角φとMdとの分布を与 える一次回帰式の相関係数rを0.995以上の精度 とすることで、モータのコギングトルクを低 減できる。

 以上のようにリング磁石の磁極で発生す 静磁界の固定子鉄心への流入の安定化を図 、その減少を抑制している。しかも、磁極 の静磁界の極性反転を機械角φに対して安 化することが、最適な異方性の方向と、そ 分布と言える。

 一方、本発明にかかる異方性を連続方向制 した希土類-鉄系リング磁石でモータの小型 化、省エネルギー化を進めるには、当該磁極 から発生する静磁界の大きさも重要である。 そこで、本発明では、均質な異方性方向と、 その分布をもつリング磁石の製造過程、とく に、セグメントからリング磁石とする際の磁 気特性の劣化を限定する。本発明では、セグ メントと、それを加工したリング磁石におい て残留磁化Mrの差を0.03T以下、異方性分散σの 差を7%未満とすることができる。加えて、静 界の水準として、異方性方向の残留磁化Mr 0.95~1.05T、保磁力HcJを0.85~0.95MA/m、エネルギー 密度(BH)maxを160~180kJ/m 3 とすることができる。

 さらに、本発明にかかるリング磁石は、一 な磁界中で成形加工したセグメントで構成 るため、リング磁石を小口径化しても、そ エネルギー密度(BH)maxが劣化しない利点があ る。一般に、ラジアル異方性磁石は、その直 径が概ね25mm以下になると、配向のためのラ アル磁界の減少により、エネルギー密度(BH)m axが減少する。このため、このような小型モ タでは(BH)max≒80kJ/m 3 の等方性Nd 2 Fe 14 B磁石が用いられることが多いが、このよう 既存モータの小型化、省エネルギー化に、 り大きな効果が得られる。

 以上のような、レオロジーとエネルギー密 (BH)maxが160~180kJ/m 3 とを確保する好適なセグメントの構成として は、例えば次のような構造とする。すなわち 、150μm以下のNd 2 Fe 14 B系希土類-鉄系磁石材料を、平均粒子径3~5μm Sm 2 Fe 17 N 3 系希土類-鉄系磁石材料と結合剤とのマトリ ス(連続相)で隔離したマクロ構造とする。そ して、好ましくは、エネルギー密度(BH)maxが27 0kJ/m 3 以上の希土類-鉄系磁石材料の体積分率を80vol .%以上とする。

 図1Aは、異方性方向制御を示す第1の概念 、図1Bは、異方性方向制御を示す第2の概念 、そして、図1Cは、異方性方向制御を示す 3の概念図である。

 上記のような本発明にかかる異方性を連 方向制御した希土類-鉄系リング磁石を実現 するには、先ず、図1Aのようなセグメント10 準備する。セグメント10は、一様方向をもつ 外部磁界Hexと任意の位置で、内外周切片11と す角度Hθの分布が、磁極中心部分では90度 すなわちラジアル異方性領域となる。そし 、セグメント10は、周方向磁石端では面内異 方性になるように、角度Hθが90度から機械角 に対する一次式で連続変化する非ラジアル 方性領域をもつ。ただし、図1A、図1Cは、セ メント磁石の中心から右半分の断面形状を している。また、図1Bは、任意位置での内 周切片11である磁石断片と角度Hθ、磁化ベク トル角M(ラジアル異方性領域ではMc、非ラジ ル異方性領域ではMd)を示している。

 次に、本発明にかかる複数のセグメント1 0を円周上に配置し、セグメント10の一方のス ラスト方向端面から加圧する。そして、セグ メント10の粘性変形に基づくレオロジーを利 してリング状に押出し、続いてリング状に 出した複数のセグメント10をスラスト方向 端面から圧縮成形する。すると、図1Cのセグ メント10aようにセグメント10が変形する。変 したセグメント10aの各内外周切片11におい 、その異方性の方向を示す磁化ベクトル角M 、図1Bのように回転し、角度Hθと、その分 に応じた磁化ベクトル角M(Mc、およびMd)を有 るリング磁石となる。

 次に、上記本発明にかかる複数のセグメ トを押出圧縮成形してリング磁石を製造す 過程を、図2A、図2Bを用いて説明する。

 図2Aは、本発明にかかる押出圧縮過程の 例を示す斜視外観図である。また、図2Bは、 本発明にかかる押出圧縮成形ダイスの断面構 成図である。なお、図2Aでは、分かりやすく るため、図2Bに示す押出圧縮成形ダイスを いた状態での押出圧縮過程の一例を示して る。

 図2Aに示すように、押出圧縮過程で利用 る押出成形用コア30は、部位31、部位32およ 部位33を有している。この押出成形用コア30 部位31に、セグメント10に相当する予備成形 のセグメント磁石20が配置される。

 部位31では、図2Aのように、円周上に配置 した予備成形のセグメント磁石20を、図2Bに すような押出圧縮成形ダイス35とともに規定 位置に収納する。部位32では、部位31に収納 た当該セグメント磁石20のレオロジーを利用 し、図1Aから図1Cの形状に押出加工する。部 33では、部位32で押出されたセグメント磁石2 0を、リング形状に圧縮成形する。具体的に 、リング形状のパンチを用いて、図2Aに示す スラスト方向セグメント端面21の少なくとも 部を押し、複数の予備成形のセグメント磁 20を同時に部位31から部位32を経て、部位33 で押出す。そして、部位32でレオロジーによ り変形して部位33に押出した複数のセグメン 磁石20は、押出方向と逆方向からもリング 状のパンチを作動させて圧縮成形する。こ で、レオロジーを利用したセグメントの押 抵抗は殆どないが、圧縮成形の最終段階で 20~60MPaの圧力でセグメント相互を熱圧着して 一体化する。

 押出圧縮成形したリング磁石40は、当該 形型から離型したのち、熱処理が施され、 2Aに示すように、離型し、熱硬化したリング 磁石41が形成される。そして、このリング磁 41は、最終的にロータ鉄心42と組み合わされ て、例えば8極リング磁石ロータ43が形成され る。

 なお、本発明は異方性希土類-鉄系磁石材 料とともに、少なくとも図1Aから図1C、ある は図2Aのように、予備成形のセグメント磁石 20にレオロジーを付与するように調整した熱 化性樹脂組成物を用いる。

 図3Aは、溶融高分子の外力による流動形 を示す第1の概念図、また、図3Bは、溶融高 子の外力による流動形態を示す第2の概念図 ある。

 上記、本発明で言う磁石のレオロジーと 、図3A、図3Bの概念図で示すように、熱硬化 性樹脂組成物の成分の一部が、絡み合う糸状 の分子鎖として、予備成形セグメント磁石内 部に一様に介在する。そして、熱と外力F-F’ とに応じて、せん断流動、または伸長流動な どの粘性変形を原理としている。また、図2A 押出圧縮成形リング磁石40は、例えば、図4 示す熱硬化性樹脂組成物の成分を架橋反応 より3次元網目構造化し、図2Aのように熱圧 で一体化した磁石を剛体化する。これによ 、図2Aのように本発明にかかる磁石と鉄心 を組み合わせたロータの機械的強度、耐熱 、耐久性を調整することができる。

 図4は、ノボラック型エポキシオリゴマー 、線状ポリアミド、2-フェニル-4,5-ジヒドロ シメチルイミダゾールからなる熱硬化性樹 組成物の分子構造を示す概念図である。そ て、図4は、本発明にかかる磁石にレオロジ を付与するように調整した熱硬化性樹脂組 物の一例である。ただし、図4に示すドット サークルは架橋部分の分子構造を示している 。この図4の例では、線状ポリアミドが溶融 態のとき、絡み合う糸状の分子鎖として、 極中のマトリクスに一様に介在する。そし 、外力F-F’に応じて、せん断流動、または 長流動を引き起こすことで磁石の変形を担 。なお、図3A、図3Bに示す流動を与える熱硬 性樹脂組成物は、必ずしも図4に示すものだ けに限定されない。

 ところで、小型モータのトルク密度は、磁 が発生する静磁界Ms、すなわち、固定子鉄 と磁極との空隙磁束密度に比例する。仮に 同一寸法同一構造の磁石と固定子鉄心とで 成した小型モータの空隙磁束密度は、磁石 エネルギー密度(BH)maxの比の平方根に概ね比 する。このことから、エネルギー密度(BH)max の水準が、概ね80kJ/m 3 を上限とする等方性Nd 2 Fe 14 Bボンド磁石に対し、本発明にかかる磁極の ネルギー密度(BH)max値を160kJ/m 3 以上とすれば、略1.4倍のトルク密度の増加が 見込まれる。したがって、本発明にかかる異 方性を連続方向制御した希土類-鉄系リング 石は、トルク密度を高めるという観点から 残留磁化Mrが0.95T以上、保磁力HcJが0.9MA/m以上 、エネルギー密度(BH)maxが160kJ/m 3 以上の性能を有するものが望ましい。

 上記のような、エネルギー密度(BH)max≧160kJ/ m 3 の本発明にかかる磁石を得るには、エネルギ ー密度(BH)max≧270kJ/m 3 の希土類磁石-鉄系材料の磁石に占める体積 率を80vol.%以上とすることが望ましい。

 本発明にかかる異方性の希土類-鉄系磁石材 料としては、例えば、非特許文献12でのA.Kawam otoらのRD(Reduction and Diffusion)-Sm 2 Fe 17 N 3 や、非特許文献13でのT.Takeshitaらの(R2[Fe,Co]14B) 相の水素化(Hydrogenation,R2[Fe,Co]14BHx)、650~1000°C の相分解(Decomposition,RH 2 +Fe+Fe 2 B)、脱水素(Desorpsion)、再結合(Recombination)で作 した所謂HDDR-Nd 2 Fe 14 Bなどを挙げることができる。

 (実施例)
 以下、本発明にかかる異方性を連続方向制 した希土類-鉄系リング磁石について、8極12 スロット表面磁石型同期モータ(SPMSM)を対象 した実施例により、さらに詳しく説明する ただし、本発明が本実施例に限定されるも ではない。

 先ず、図5は、本発明にかかる密度6.01Mg/m 3 の磁石のマクロ構造の走査電子顕微鏡(SEM)写 を示す図である。ただし、異方性Sm 2 Fe 17 N 3 系希土類-鉄系磁石材料、並びに異方性Nd 2 Fe 14 B系希土類-鉄系磁石材料は、熱硬化性樹脂組 物とともに160℃の加熱下で、一様な外部磁 を1.4MA/mとした配向磁界を印加し、20~50MPaの 力で圧縮成形され、セグメントが形成され 。ここで、異方性Sm 2 Fe 17 N 3 系希土類-鉄系磁石材料は、粒子径が3~5μm、 ネルギー密度(BH)maxが290kJ/m 3 である。また、異方性Nd 2 Fe 14 B系希土類-鉄系磁石材料は、粒子径が38~150μm エネルギー密度(BH)maxが270~300kJ/m 3 である。図5のように、この磁石のマクロ構 の特徴は、Nd 2 Fe 14 B系希土類-鉄系磁石材料を、Sm 2 Fe 17 N 3 系希土類磁石微粉末と熱硬化性樹脂組成物と から成るマトリクス(連続相)で隔離した構造 している点にある。また、Sm 2 Fe 17 N 3 およびNd 2 Fe 14 B系希土類-鉄系磁石材料が占める体積分率は8 1vol.%である。

 図6Aは、図5に示したマクロ構造をもつ本発 にかかる磁石、および当該磁石材料を全てS m 2 Fe 17 N 3 系、またはNd 2 Fe 14 B系希土類-鉄系磁石材料とし、同一条件で製 した磁石のM-H loopを比較した特性図である ただし、測定磁界は±2.4MA/mである。図6Aか 明らかなように、保磁力HcJは、およそ1MA/mで ほぼ同じであるが、残留磁化Mrが異なる。そ で、これらの磁石の残留磁化Mrとエネルギ 密度(BH)maxとの関係をプロットすると、図6B 得られる。図6Bのように、本発明にかかる構 成とすると、そのエネルギー密度(BH)maxは160~1 80kJ/m 3 に達する。

 一方、熱硬化性樹脂組成物は、図4に示し たエポキシ当量205~220g/eq、融点70~76℃のノボ ック型エポキシオリゴマー、融点80℃、分子 量4000~12000の線状ポリアミド、2-フェニル-4,5- ヒドロキシメチルイミダゾールから成る。 れらはゲル化に至らず、線状ポリアミドは で再溶融し、絡み合う糸状の分子鎖として 石中に一様に介在する。そして、図3Bのよ な熱と外力の方向に応じて、せん断流動、 長流動を引き起こす。これにより、図1A、図 1B、および図2Aに対応するレオロジー特性を する。

 図7A、図7Bは、本発明にかかる上記マクロ 構造を有するセグメント磁石20、並びにそれ を押出圧縮成形したリング磁石40、すなわ 加工前後の形状図である。ここで、図7Aに示 す一様な外部磁界Hexとセグメントの任意の位 置の接線とに対する角度Hθは、リング磁石内 外周の任意の機械角φの位置の接線に対する 化ベクトルMの角度Mc、およびMdに相当する すなわち、Hθ≒Mc、Hθ≒Mdである。ここで、 1Aのように内外周方向接線に対する外部磁 Hexとなす角度Hθの設定は、セグメント外周 は0.3655mmピッチ、内周では0.2845mmピッチとし いる。そして、ラジアル方向磁極中心で2分 割した計96の剛体の集合体として、各剛体が それぞれ回転移動するとした非線形構造解 で図7Aのセグメント形状を設定している。

 次に、図2Aおよび図2Bで説明したように、 予備成形セグメント20を圧縮成形し、リング 石40を形成する。

 次に、本発明にかかる押出圧縮成形した ング磁石40は、当該成形型から離型したの 、大気中170℃、20分の熱処理を施す。これに より、線状ポリアミドを含む熱硬化性樹脂組 成物を図4のように架橋した。ただし、図4で 遊離エポキシ基を示しているが、これらは 全てイミダゾール類、あるいは線状ポリア ド分子鎖内アミノ活性水素、あるいは末端 ルボキシル基などと反応させ、剛直化する

 得られた、本発明にかかるリング磁石は 外径50.3mm、内径47.3mm、厚さ1.5mm、長さ13.5mm あり、同芯度は0.060mm以下、最大内径と最小 径の差である真円度は0.225mm以下の精度であ った。このリング磁石は最終的に鉄心と組み 合わせて、図2Aのリング磁石ロータ43のよう 外径50.3mm、長さ13.5mm、8極リング磁石ロータ した。

 次に、2turn/coilの着磁ヨークとパルス磁化 電源を用いて、先ず、パルス電流波高値Ip=10k Aで上記8極リング磁石ロータに瞬間強磁界を 加した。これにより、異方性の方向と、そ 分布にしたがって着磁ヨーク内のロータが 転し、ロータと着磁ヨークの磁極の位置を わせた。続いて、Ip=25kAのパルス着磁でロー タ磁石を着磁した。

 次に、本実施例では、図8Aに示す固定子 心ティースの機械角φ=14度、リング磁石1極 機械角φ=45度とした。また、図8Bに示すリン 磁石の磁極中心でのラジアル領域の周方向 線に対する磁化ベクトル角をMc、それ以外 非ラジアル領域の周方向接線に対する磁化 クトル角をMdとしたとき、Mc=90度である。な 、磁化ベクトル角Mの測定は径方向、接線方 向、軸方向の合成磁化ベクトル角Mが磁化容 軸の方向を示すとし、3次元ホールプローブ スラメータで1度あたり25点の測定を実施し 。さらに、磁化ベクトル角Mとその分布の評 価は、図8Bのようにラジアル領域では90度に する角度誤差平均とし、非ラジアル領域で 機械角φに対するMdの回帰式の相関係数を用 た。

 図9は本発明にかかるエネルギー密度(BH)max 160~180kJ/m 3 リング磁石ロータのラジアル領域の角度誤差 平均と非ラジアル領域の回帰直線の相関係数 とをプロットした特性図である。また、比較 例1~5として、同一外径寸法の8極磁石ロータ 磁化ベクトルの方向と、その分布精度を示 。ただし、比較例1は、160~180kJ/m 3 異方性連続方向制御アークセグメント磁石を 組み立てたロータである。比較例2は、130~140k J/m 3 パラレル配向磁界で作製したラジアル異方性 Nd 2 Fe 14 Bリング磁石ロータである。比較例3は、ラジ ル配向磁界で作製したラジアル異方性Nd 2 Fe 14 Bリング磁石ロータである。比較例4は、80kJ/m 3 正弦波着磁等方性Nd 2 Fe 14 Bリング磁石ロータである。比較例5は、16kJ/m 3 極異方性フェライトリング磁石ロータである 。ここで、非ラジアル領域の回帰直線の相関 係数が高い程、コギングトルクは低減し、ラ ジアル領域の角度誤差平均が小さい程、磁極 が発生する静磁界が固定子鉄心に到達し易く なることを意味している。この意味から、本 発明例は、磁化ベクトル、すなわち、異方性 の方向とその分布が、どの比較例よりも理想 的な形態であることは明白である。例えば、 比較例1のように異方性を方向制御したアー セグメント磁石を鉄心の周囲で組み立てる 成で、その組立誤差が原因となってバラツ を増大させる。また、比較例2、3のような異 方性を方向制御しない従来型ロータは非ラジ アル領域の回帰直線の相関係数の低下が顕著 であり、コギングトルクの増加が推察できる 。他方では、比較例4、5のように非ラジアル 域の回帰直線の相関係数が高くても、ラジ ル領域の角度誤差平均が増加すると磁極が 生する静磁界が固定子鉄心に伝わりにくく る。

 次に、セグメント、リング磁石の磁極に いて、任意の機械角φに対する角度Hθ、Mc、 およびMdに対応する部位から直径1mmの円柱磁 を採取した。そして、この円柱磁石から異 性の角度と、その程度を解析した結果を示 。先ず、円柱磁石の中心位置を機械角φに ける角度Hθ、Mc、およびMdとしたとき、円柱 石の全方向で最大磁化Msが最大となる角度 すなわち機械角φに対する角度Hθ、Mc、Mdを めた。その結果、セグメントとリング磁石 同一位置における残留磁化Mrの差は0.03T以下 あった。

 一方、異方性の程度は異方性分散σを用い 評価した。ここで異方性分散σ、すなわち、 異方性方向(C軸)の分布の解析は回転磁化にお ける全エネルギーE=Ku×sin 2 ψ-Ms×H×cos(ψ-ψo)において、円柱磁石の全エネ ルギーEを最小とする解、すなわち、(δE/δψ)= Ku×sin 2 ψ-Ms×H×sin(ψ-ψo)=0から、先ずψを決定した。 して、M=Ms×cos(ψo-ψ)から、Mが最大になるM-H  loopを試料振動型磁力計(VSM)で測定する。さら に、Ku×sin 2 ψ-Ms×H×sin(ψo-ψ)=0からψを求め、ψの確率分布 を適用して全体の配向状態、すなわち異方性 分散σを求めた。ただし、ψoは外部磁界の角 、ψはMsが回転した角度、Msは自発磁気モー ント、Kuは磁気異方性定数、Eは全エネルギ である。

 その結果、円柱磁石の中心位置をMθ設定 としたとき、円柱試料の全方向で残留磁化M sが最大となる角度、すなわちφに対する角度 Hθ、およびMc、Mdは、ほぼ等しかった。そし 、セグメントとリング磁石の異方性分散σの 値は最大でも7%以下であり、この水準は測定 差を考慮すれば同等である。このことは、 形磁石から円弧状磁石とする過程で、それ れの部位が回転移動する際に、異方性の程 、すなわちエネルギー密度(BH)maxの劣化なし に、異方性の方向のみが変化していることを 証明するものである。

 図10Aは、同一仕様の12スロット固定子鉄心 図9で示した各種8極磁石ロータとを組み合わ せた40W表面磁石型同期モータ(SPMSM)のモータ 率(最高値)をエネルギー密度との関係で示す 。また、図10Bは、上記SPMSMの回転数と騒音値 の関係を示す。例えば、エネルギー密度(BH) maxが160~180kJ/m 3 とした本発明例は最高効率が90%を越える。し かも、異方性の連続方向制御により、ラジア ル異方性磁石特有の200~700r/minの低速回転領域 の騒音値が最大10dB低減し、正弦波着磁した 方性Nd 2 Fe 14 B磁石ロータと同等の静音性が得られる。

 本発明は異方性リング磁石の製造方法の 供によって、等方性磁石の欠点であるエネ ギー密度(BH)maxを概ね2倍以上に高めること 、小型モータのトルク密度の増加を図ると もに、同一形状においてラジアル異方性磁 特有のコギングトルクに起因する障害、例 ば騒音を低減することができる。

 この発明に係るモータは、静音性、高効 、省エネルギーなどに利用でき、産業上の 用可能性は極めて高い。

10  セグメント
11  内外周切片
20  セグメント磁石
21  スラスト方向セグメント端面
30  押出成形用コア
35  押出圧縮成形ダイス
40  押出圧縮成形したリング磁石
41  離型し、熱硬化したリング磁石
42  ロータ鉄心
43  リング磁石ロータ
φ  機械角
Mc  (磁極中心(ラジアル領域)の)磁化ベクト 角
Md  (磁極端(非ラジアル領域)の)磁化ベクト 角
Hex  外部磁界
Hθ  (外部磁界の)角度




 
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