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Title:
MASKING DEVICE AND PLASMA DISPLAY PANEL MANUFACTURING SYSTEM EQUIPPED WITH THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/136429
Kind Code:
A1
Abstract:
A device (40) is used for masking, at the time of sticking a substance onto the surface of an object (10). The device has belt-like masks (41, 42) extending across an operation area in which an object to be masked is disposed, and a pair of forward/reverse rotatable rollers (45A, 45B), which are disposed on the both sides of the extending direction (M2) of the masks (41, 42) across the operation area and wind the masks (41, 42). The rotating direction of the rollers (45A, 45B) is switched to reciprocate the masks (41, 42).

Inventors:
TOKUNAGA KENRYO (JP)
MURASE TOMOHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001181
Publication Date:
November 12, 2009
Filing Date:
May 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI PLASMA DISPLAY LTD (JP)
TOKUNAGA KENRYO (JP)
MURASE TOMOHIKO (JP)
International Classes:
C23C4/02; B05B12/22; H01J9/02; H01J11/10; B05B15/04
Foreign References:
JP2000104156A2000-04-11
JPH10128444A1998-05-19
Attorney, Agent or Firm:
KUBO, YUKIO (JP)
Yukio Kubo (JP)
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Claims:
 物体の表面にその一部を除いて物質を付着させるためのマスキングをするマスキング装置であって、
 マスキング対象の物体が配置される作業エリアを横切って延びる帯状のマスクと、
 前記作業エリアに対する前記マスクの延在方向の両側で前記マスクを巻回する一対の正逆回転の可能なローラとを備え、
 前記一対のローラの回転方向を切り換えて前記マスクを往復移動させる
 ことを特徴とするマスキング装置。
 前記作業エリアでの前記マスクの当該マスクにおける幅方向の位置が可変である
 請求項1に記載のマスキング装置。
 前記一対のローラのそれぞれと前記作業エリアとの間に配置され、前記マスクに付着した物質を前記マスクから取り除く複数の洗浄機を備える
 請求項1に記載のマスキング装置。
 前記複数の洗浄機のそれぞれが、
 洗浄液を収容する液槽と、
 前記洗浄機における前記マスクの移動経路を前記洗浄液の液中を通過する巻き取り経路か前記洗浄液の液中を通過しない送り出し経路かのいずれかに切り換える機構とを備える
 請求項3に記載のマスキング装置。
 前記複数の洗浄機のそれぞれが、前記洗浄液の液中を通過した前記マスクからそれに付着する洗浄液を除去する手段を備える
 請求項4に記載のマスキング装置。
 プラズマディスプレイパネルの製造における基板の表面に部分的に層形成材料を付着させる工程に用いるシステムであって、
 層形成材料を噴射口から下方に向けて噴射する噴射装置と、
 前記基板を一方向に搬送して前記噴射口の下方の作業エリアに配置する搬送装置と、
 前記作業エリアに配置された前記基板の表面を前記噴射口に対して部分的に隠すマスキング装置とを備えており、
 前記マスキング装置が、
 前記基板の搬送方向と交差する方向に沿って前記作業エリアを横切って延びる帯状のマスクと、
 前記作業エリアに対する前記マスクの延在方向の両側で前記マスクを巻回する一対の正逆回転の可能なローラとを備え、
 前記一対のローラの回転方向を切り換えて前記マスクを往復移動させる
 ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル製造システム。
 プラズマディスプレイパネルの製造における基板の表面に部分的に層形成材料を付着させる工程に用いるシステムであって、
 層形成材料を噴射口から下方に向けて噴射する噴射装置と、
 前記基板を一方向に搬送して前記噴射口の下方の作業エリアに配置する搬送装置と、
 前記作業エリアに配置された前記基板の表面を前記噴射口に対して部分的に隠すマスキング装置とを備えており、
 前記マスキング装置が、
 前記基板の搬送方向と交差する方向に沿って前記作業エリアを横切るように互いに離れて延びる第1および第2の帯状のマスクと、
 前記作業エリアに対する前記マスクの延在方向の両側で前記第1および第2のマスクを巻回する二対の正逆回転の可能なローラとを備え、
 前記二対のローラの回転方向を切り換えて前記第1および第2のマスクをそれぞれ往復移動させる
 ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル製造システム。
 前記第1および第2のマスクの少なくとも片方について、前記作業エリアでの前記搬送方向の位置が可変とされている
 請求項7に記載のプラズマディスプレイパネル製造システム。
 前記マスキング装置が、
 前記作業エリア内で互いに離れて前記搬送方向に沿って延び且つ前記作業エリアの外で当該作業エリアに対する前記第1および第2のマスクの延在方向における一方側と他方側とに振り分けられた第3および第4の帯状のマスクと、
 前記作業エリアの前記延在方向の一方側で前記第3のマスクを巻回し且つ他方側で前記第4のマスクを巻回する二対の正逆回転の可能なローラとを備え、
 前記第3および第4のマスクを巻回するローラの回転方向を切り換えて前記第3および第4のマスクをそれぞれ往復移動させる
 請求項7に記載のプラズマディスプレイパネル製造システム。
 前記第3および第4のマスクの少なくとも片方について、前記作業エリアでの前記延在方向の位置が可変とされている
 請求項9に記載のプラズマディスプレイパネル製造システム。
 前記作業エリアに対する前記延在方向の両側に配置され、前記第1、第2、第3および第4のマスクに付着した材料物質を前記第1、第2、第3および第4のマスクから取り除く複数の洗浄機を備える
 請求項9に記載のプラズマディスプレイパネル製造システム。
Description:
マスキング装置およびそれを備 たプラズマディスプレイパネル製造システ

 本発明は、物体の表面にその一部を除い 物質を付着させるためのマスキングをする 置およびプラズマディスプレイパネルの製 システムに関する。

 スプレー塗布、蒸着、気相堆積などの各 手法によって物体の表面にその一部を除く うに膜を形成する際に、物体の表面のうち 膜材料の物質を付着させない領域を板状の スク(遮蔽体)で覆うマスキングが行われる 一般に、マスクは遮蔽すべきマスキング領 に対応した形状をもつ。工業製品の量産に いては、成膜対象である多数のワークに対 て一定個数ずつ順に膜を形成する場合に、1 のマスクが複数回の成膜に繰り返し用いら る。そして、定期的に膜形成が休止され、 スクに付着した物質を除去する清掃または 用したマスクを未使用のマスクに取り替え マスク交換が行われる。

 マスクとして無端ベルトを備えた溶射用の スキング装置が知られている(特許文献1)。 示された装置において、無端ベルトは溶射 象物の搬送方向を含む平面に沿って循環移 するように複数のプーリで案内され、溶射 受ける溶射位置と清掃のための退避位置と 通る。溶射位置で無端ベルトに付着した溶 物質は退避位置でスクレーパによって除去 れる。つまり、この装置では無端ベルトが 避位置を通るときに自動的に清掃される。

特開平10-8233号公報

 マスキング対象の物体よりも長いベルト( 帯状マスク)によるマスキングには、ベルト 一部を用いてマスキングを行いながらベル の他の部分の清掃を行うことができるとい 利点がある。ベルトの消耗を軽減する上で ルトを長くするのが有利であるが、無端ベ トを循環させる装置では、ベルトを長くす ばベルト案内機構が複雑になるとともに装 が大型になる。また、物体を傷つける突起 段差のない良好な継ぎ目をもつ無端ベルト 高価である。

 本発明はこのような事情に鑑みてなされ マスキングを休止せずにマスクを清掃する とができ且つマスクの寿命を長くすること できるマスキング装置の提供を目的として る。他の目的はプラズマディスプレイパネ の量産におけるマスキングを行う工程に好 な製造システムを提供することである。

 上記目的を達成するマスキング装置は、 体の表面にその一部を除いて物質を付着さ るためのマスキングをする装置であって、 スキング対象の物体が配置される作業エリ を横切って延びる帯状のマスクと、前記作 エリアに対する前記マスクの延在方向の両 で前記マスクを巻回する一対の正逆回転の 能なローラとを備える。当該マスキング装 は、前記一対のローラの回転方向を切り換 て前記マスクを往復移動させる。前記マス の配置は一対のローラが巻回するロール形 であるので、マスクの長さをローラ間の距 よりも十分に長くすることができる。マス を長くすればマスクの単位長あたりの使用 度が減少するので、マスクの寿命が延びる

 マスクに対して作業エリア外で清掃を実 することができる。清掃を自動的に行う手 をマスキング装置に組み付けてもよいし、 スキング装置と別体の清掃装置を使用して 掃を行うようにしてもよい。清掃のための 段を組み付ける場合、作業エリアの両側に 段を配置してマスクの移動方向にかかわら 清掃後にローラで巻き取るようにするのが ましい。

 好ましい態様では、作業エリアでの前記 スクの当該マスクにおける幅方向の位置が 変とされ、マスキング装置の用途の多様化 図られている。

 上記目的を達成する製造システムは、プ ズマディスプレイパネルの製造における基 の表面に部分的に層形成材料を付着させる 程に用いるシステムであって、層形成材料 噴射口から下方に向けて噴射する噴射装置 、前記基板を一方向に搬送して前記噴射口 下方の作業エリアに配置する搬送装置と、 記作業エリアに配置された前記基板の表面 前記噴射口に対して部分的に隠すマスキン 装置とを備える。前記マスキング装置は、 記基板の搬送方向と交差する方向に沿って 記作業エリアを横切って延びる帯状のマス と、前記作業エリアに対する前記マスクの 在方向の両側で前記マスクを巻回する一対 正逆回転の可能なローラとを備えており、 記一対のローラの回転方向を切り換えて前 マスクを往復移動させる。

本発明の実施形態に係るマスキング装 を備えたプラズマディスプレイパネル製造 ステムの構成を示す斜視図である。 前記マスキング装置における第1のマス クの移動経路を模式的に示す図である。 前記マスキング装置におけるマスク移 制御の概要を示すフローチャートである。

 本発明の実施形態として例示するマスキ グ装置は、プラズマディスプレイパネルの 造のための設備である。プラズマディスプ イパネルはテレビジョン映像やコンピュー 出力の表示に使用されるデバイスであり、 れぞれに電極が配列された一対のガラス板 らなる。

 図1において、プラズマディスプレイパネ ルの製造のためのシステム100は、後に加工さ れてガラス板となる基板10の表面に部分的に 形成材料を散布して付着させる工程に用い れる。層形成材料は具体的には酸化マグネ ウム結晶の粉体であり、ガス放電特性を良 にするために散布される。酸化マグネシウ 結晶の散布の効果は本発明に直接には関係 ないので、ここではその説明を省略する。 お、例えば特開2008-91086号公報に酸化マグネ シウム結晶の散布の効果の説明がある。

 システム100は、層形成材料を下方に向け 噴射するノズル21を有した噴射装置20と、基 板10を一方向(以下、第1方向という)M1に搬送 て層形成材料の散布のための作業エリアに 置する搬送装置30と、作業エリアに配置され た基板10の表面をノズル21の噴射口に対して 分的に隠すマスキング装置40とを備える。作 業エリアとは、ノズル21の噴射口に対する前 の所定範囲の空間であり、噴射を受ける基 10およびマスキングのためのマスクを配置 べき場所である。例示ではノズル21が下向き であるので作業エリアは噴射口の下方に位置 する。噴射装置20は、図示しない材料タンク よび噴射用ポンプなどを備え、スプレーガ と呼ばれる。例示の搬送装置30は基板10を水 平搬送するベルトコンベアと、作業エリア内 で基板10を上下移動させるリフト機構35(図2参 照)とから構成される。水平搬送用のベルト31 ,32は基板10が作業エリア内に所定時間停留す ように間欠的に駆動される。図には、作業 リアに配置されてリフトアップされた状態 基板10、次のベルト駆動で作業エリアに配 される基板10、前回のベルト駆動で作業エリ アから搬出された基板10b、および前々回のベ ルト駆動で作業エリアから搬出された基板10a が描かれている。基板10,10a、10bのサイズは例 えば対角50インチまたはそれ以上の画面サイ に対応する。マスキング装置40は以下に詳 するように構成される。

 マスキング装置40の行うマスキングが必 である理由は、主として層形成材料を散布 た後に基板10の不要部分を取り除いたり分割 したりするスクライブ工程の歩留まりを高め るためである。スクライブ時の基板10のハン リング状態を良好とするには、基板10にお るスクライブラインとその近傍への粉体の 着を防ぐ必要がある。基板10に定められるス クライブラインの位置は製造するプラズマデ ィスプレイパネルの画面サイズに依存する。 マスキング装置40は、画面サイズの異なる複 種のプラズマディスプレイパネルの製造に 用できるように、作業エリアでのマスク配 位置の変更が可能に構成されている。

 マスキング装置40は、基板10の搬送方向で ある第1方向M1と直角に交差する第2方向M2に沿 って作業エリアを水平に横切るように互いに 離れて延びる第1および第2の帯状のマスク41,4 2と、作業エリアに対する第2方向M2の両側で 1および第2のマスク41,42を巻回する二対の正 回転の可能なローラ45A,45B,46A,46Bと、作業エ ア内で互いに離れて第1方向M1に沿って延び つ作業エリアの外で当該作業エリアに対す 第2方向M2における一方側と他方側とに振り けられた第3および第4の帯状のマスク43,44と 、作業エリアの第2方向M2の一方側で第3のマ ク43を巻回し且つ他方側で第4のマスク44を巻 回する二対の正逆回転の可能なローラ47A,47B,4 8A,48Bと、計4本のマスク41,42,43,44を清掃するた めの一対の洗浄機50A,50Bとを備える。さらに スキング装置40は、計4対のローラを回転さ るモータを含む図示しない駆動機構および 動機構や洗浄機50A,50Bを制御する図示しない ントローラを備える。

 第1のマスク41は、第1方向M1と平行な軸の りに回転する一対のプーリ61,62によって、 業エリアに配置された基板10の上方に張られ る。第2のマスク42は同様の一対のプーリ63,64 よって基板10の上方に張られる。第3のマス 43は、水平面内で第2方向M2に対して傾いた 向の軸の回りに回転する一対のプーリ71,72に よって、作業エリアに配置された基板10の上 に張られ且つ90度捻られて巻回用の上記ロ ラ47A,47Bへ案内される。第4のマスク44は、プ リ71,72に対して対称に配置された一対のプ リ73,74によって基板10の上方に張られ且つ90 捻られて巻回用の上記ローラ48A,48Bへ案内さ る。これら4本のマスク41,42,43,44によって作 エリア内に四角形のマスクが構成される。

 マスク41,42,43,44のそれぞれは、対応する 回用ローラ対のローラ間の経路長の例えば10 倍以上の長さをもち、ローラ対にロール状に 多重に巻回される。ローラ対の片方のローラ のロールからマスクが送り出され、同時に他 のローラによるマスクの巻き取りが行われる 。このとき、巻き取り側のローラのみを駆動 して送り出し側のローラを従動させてもよい し、両方を同期させて駆動してもよい。いず れにしても、マスクが弛まないように適度の テンションをかけるのが望ましい。送り出し が最大限に達すると、ローラ対の回転が反転 されて以前と反対の方向にマスクが送り出さ れる。ローラ対の正反転に伴ってマスクは所 定の経路を往復移動する。

 図1に示されたある時点のローラ対の回転 の様子では、第1のマスク41をローラ45Aが送り 出してローラ45Bが巻き取り、第2のマスク42を ローラ46Aが送り出してローラ46Bが巻き取り、 第3のマスク43をローラ47Aが送り出してローラ 47Bが巻き取り、第4のマスク44をローラ48Aが送 り出してローラ48Bが巻き取っている。つまり 、作業エリアにおいて互いに平行な第1のマ ク41と第2のマスク42との間で移動方向が反対 であり、作業エリアにおいて互いに平行な第 3のマスク43と第4のマスク44との間でも移動方 向が反対である。ただし、これに限らず、4 のマスク41,42,43,44の移動方向の相対関係は任 意に定めることができる。

 マスク移動には、層形成材料の散布中(以 下、作業中という)はマスクを静止させる間 移動と、作業中もマスクを移動させる連続 動とがある。マスキング精度を高めるため マスクを基板10と密着させる場合は間欠移動 が好ましい。連続移動を採用する場合はマス クと基板10とを密着させないのが望ましい。

 作業エリアでのマスク配置位置は、第1お よび第4のマスク41,44の水平移動によって変更 される。第1のマスク41を案内するプーリ61,62 それらの軸方向に移動可能に支持され、第4 のマスク44を案内するプーリ73,74は第2方向M2 移動可能に支持されている。図1に描かれた 板10aは、移動可能範囲内で第1のマスク41を 2のマスク42に最も近づけ且つ第4のマスク44 第3のマスク43に最も近づけたマスキング状 での散布により形成された層19aを有してい 。また、基板10bは、移動可能範囲内で第1の マスク41を第2のマスク42から最も遠ざけ且つ 4のマスク44を第3のマスク43から最も遠ざけ マスキング状態での散布により形成された 19bを有している。ただし、第1および第4の スク41,44を必ずしも可変範囲の端の位置に配 置する必要はなく、可変範囲内のどの位置に も配置することができる。第1のマスク41の移 動と第4のマスク44の移動とを独立に行うこと ができる。移動可能範囲はマスキング装置40 用途に応じて適宜選定される。第1および第 4のマスク41,44だけでなく、第2および第3のマ ク42,43の位置を可変とし、それによってマ ク配置をより多様にすることができる。

 マスク41,42,43,44の材質は繰り返しの使用 耐えるのであれば金属でも樹脂でもよい。 さについてはロール化が可能で且つプーリ よる案内で塑性変形が生じないという条件 満たす必要がある。マスク41,42,43,44として、 厚さ0.05~0.5mm程度のステンレス(SUS304、SUS316な )のテープが好適例として挙げられる。

 マスク41,42,43,44のそれぞれにおけるマス ングに使用された部分は、巻き取りの前に 浄機50Aまたは洗浄機50Bによって洗浄される 作業エリアの第2方向M2の両側に配置された 浄機50A,50Bのそれぞれは、洗浄液(例えば、硝 酸溶液)を収容する液槽51と、マスク41,42,43,44 それぞれの移動経路を巻き取り用の経路か り出し用の経路かのいずれかに切り換える 路切換え機構53と、洗浄後のマスクから洗 液を除去する手段としての送風器54とを備え る。

 洗浄機50A,50Bの経路切換え機構53は、マス 41,42,43,44をそれぞれ案内する単一または複 のプーリを上下移動させる機構である。図2 代表として第1のマスク41の移動経路が示さ るとおり、各経路切換え機構53によって洗 液52の液中を通過しない送り出し経路R1と洗 液52の液中を通過する巻き取り経路R2との切 り換えが行われる。図2では、マスク41のうち の作業エリアへ送り出される部分に対して洗 浄機50Aの経路切換え機構53によって送り出し 路R1が設定され、マスク41のうちの作業エリ アを通り過ぎた部分に対して洗浄機50Bの経路 切換え機構53によって巻き取り経路R2が設定 れている。また、巻き取り側の洗浄機50Bの 風器54がマスク41のうちの洗浄液中を通過の 分の表裏両面にエアーを吹き付けている。 り出し側の洗浄機50Bの送風器54は休止して る。上述のとおり送り出しと巻き取りとが り換れば、各経路切換え機構53の状態も切り 換わる。

 なお、第1および第2のマスク41,42のそれぞ れに注目すると、図2のように2つの洗浄機50A, 50Bの一方では送り出し経路R1が他方では巻き り経路R2が設定される。これとは異なり、 3のマスク43に注目すると、片方の洗浄機50A おいて、マスク43の送出すべき部分には送り 出し経路R1が設定され、巻き取るべき部分に 巻き取り経路R2が設定される。また、第4の スク44に注目すると、片方の洗浄機50Bにお て、マスク44の送り出すべき部分には送り出 し経路R1が設定され、巻き取るべき部分には き取り経路R2が設定される。

 マスキング装置40においては、4本のマス 41,42,43,44に対して個別に移動制御が行われ 。図3のフローチャートは1つのマスクに対応 したローラ対の回転方向の切り換えと洗浄機 内の移動経路の切り換えの手順を示している 。

 マスキング装置40のコントローラは、マ キング装置40の稼動開始に際して各マスクに 対応したローラ対におけるマスク巻回状態を チェックする。例えばマスク41については一 のローラ45A,45Bの状態をチェックする。予め 一対のローラうちの一方が第1で他方が第2と められており、コントローラはまず第1のロ ーラが送り出し可能な状態か否をチェックす る(#11)。送り出し可能な状態とは、当該ロー にマスクが巻回されている状態である。こ 状態は、ロール径の大小をセンサで検出し り、送り出しに際してその量(時間、長さ、 またはローラ回転数)をカウントしておいた する方法によって検知することができる。

 第1のローラが送り出し可能な状態であれ ば、第1のローラと作業エリアとの間におけ 洗浄機内のマスク移動経路を送り出し経路R1 とし、第2のローラと作業エリアとの間にお る洗浄機内のマスク移動経路を巻き取り経 R2とするように、2つの洗浄機50A,50Bのそれぞ の経路切換え機構53が制御される(#12)。その 後、ローラ対の正回転が開始される(#13)。こ でいう正回転とは、第1のローラがマスクを 送り出し、第2のローラがマスクを巻き取る 転である。正回転は上述のとおり間欠的ま は連続的な回転とされる。第1のローラが送 出し可能な状態でなければ、コントローラ 後述のステップ番号#15の処理を実行する。

 第1のローラによる送り出しが限界または それに近い状態に達すると(#14)、正回転が停 され、第1のローラと作業エリアとの間にお ける洗浄機内のマスク移動経路を巻き取り経 路R2とし、第2のローラと作業エリアとの間に おける洗浄機内のマスク移動経路を送り出し 経路R1とするように、2つの洗浄機50A,50Bのそ ぞれの経路切換え機構53が制御される(#15)。 り出しが限界に達した否かは、マスク端の 傍にマーク(例えば穴)を設けておき、それ 光学的または機械的に検出することによっ 判断することができる。洗浄機内の経路を 定した後、ローラ対の逆回転が開始される(# 16)。逆回転とは、第2のローラがマスクを送 出し、第1のローラがマスクを巻き取る回転 ある。逆回転も間欠的または連続的な回転 される。

 第2のローラによる送り出しが限界または それに近い状態に達すると(#17)、逆回転が停 され、ステップ番号#12に戻って洗浄機内の 路の切り換えおよびローラ対の回転方向の り換えが行われる。

 以上のマスキング装置40を使用すること は次の利点がある。1回の散布におけるマス ングに帯状の各マスク41~44の一部を実質の 蔽体として使用し、複数回のマスキングに してマスクを長さ方向に移動させて各マス 41~44の互いに異なる部分を使用することがで きるので、マスク上に付着する物質の堆積量 を少なくすることができる。堆積量を少なく することにより、堆積物によってマスキング 領域と非マスキング領域との境界が歪になる のを防ぐことができるとともに、マスクの清 掃に要する時間を短縮することができる。こ れに対して、マスキング対象物と同程度の大 きさの固定式のマスクによるマスキングにお いては、マスクを頻繁に交換することで付着 物質の堆積量を少なくすることができるもの の、マスク交換の作業負担が大きく、多数の マスクを用意し且つそれらを保管するための 費用が必要である。

 帯状のマスク41~44の掛け回しがロール形 であるので、循環形式とは違って、マスク 十分に長くしても掛け回しの経路が複雑に らない。

 マスク41~44を巻回するローラ45A,45B,46A,46B,4 7A,47B,48A,48Bがマスキング対象物である基板10 搬送路の両側に配置されるので、搬送路の 方に配置される場合と比べてシステム100の 成を簡素化することができる。洗浄機50A,50B 組み付ける構成において洗浄機50A,50Bの配置 の自由度が大きい。マスク41~44の幅方向の位 を簡素な機構によって可変にすることがで る。

 第1および第4のマスク41,44の幅方向の位置 が可変であるので、画面サイズの異なる複数 種のプラズマディスプレイパネルの製造にマ スキング装置40を使用することができる。

 マスク41~44の使用部分を巻き取る以前に 浄し且つ洗浄液を除去するので、付着物を したまま又は洗浄液で濡れたままの状態で き取るのと比べて、マスク41~44の経時変化を 低減することができる。

 上記の実施形態において、システム100の 成は例示に限定されない。噴射装置20が散 する物質は粉体に限らず、粉体が分散した 体または他の溶液であってもよい。ノズル21 が固定配置されてもよいし対象物の表面に沿 って移動するものであってもよい。

 搬送装置30はベルトコンベア式に限らず 例えばアームで基板10をハンドリングするロ ボットであってもよい。

 マスキング装置40におけるマスク数は4に らない。第1のマスク41のみを備える構成で 、互いに交差する2本のマスクのみ(例えば マスク41とマスク44)を備える構成でもよい。 さらに、第1のマスク41と平行に3本以上の帯 マスクを配置したり、基板10の搬送方向(M1) 平行に3本以上の帯状マスクを配置したりす ことも可能である。作業エリアでの平行な スク間の距離や各マスクの幅は基板10の大 さに応じて適宜選定すればよい。マスク配 はマスキング対象に適合すればよい。例え 、複数個のプラズマディスプレイパネルを 括に製造するためにマザー基板に対してマ キングを行う場合には、分離された複数の が形成されるようにマスクを配置する。

 洗浄機50A,50Bにおいて、上述のように送り 出し側の送風器54を休止させてもよいし、巻 取りと送り出しとにかかわらず送風器54を 動させてもよい。例示では洗浄後で巻き取 の前にマスクにエアーを吹き付ける構成で るが、送風器54に加えて洗浄機50A,50Bから作 エリアに向かうマスクにエアーを吹き付け 送風器を設けることができる。

 洗浄液52は散布物質に応じて選定され、 浄液に対する耐性を考慮してマスクの材質 選定される。ローラやプーリのサイズおよ 材質も適宜選定される。ローラやプーリの 面を滑らかな面または摩擦力を高める加工 施した面としてもよいし、合成樹脂や合成 ムなどの伸縮性をもつ面としてもよい。

 本発明は、塗装膜を含む所望パターンの 形成のためのマスキングに利用することが きる。