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Patent Searching and Data


Title:
MATRIX CONVERTER SPACE VECTOR MODULATION METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/126593
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a space vector modulation method for a matrix converter which uses only one carrier for three phases upon carrier comparison. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] Provided is a matrix converter space vector modulation method which PWM-controls bidirectional switches (SW1 to SW9) of a matrix converter (3) by space vector modulation from a multi-phase AC power source. A switching pattern using a virtual indirect space vector is converted into a switching pattern formed by a combination of five vectors using direct conversion space vectors. Among the converted switching patterns, a switching pattern satisfying a predetermined condition is selected and duties of the five vectors of the selected switching pattern are calculated by using a duty relationship expression of the direct conversion space vectors. The matrix converter is PWM-controlled according to the calculated duties.

Inventors:
URUSHIBATA SHOTA
TADANO YUGO
Application Number:
PCT/JP2008/054481
Publication Date:
October 23, 2008
Filing Date:
March 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MEIDENSHA ELECTRIC MFG CO LTD (JP)
URUSHIBATA SHOTA
TADANO YUGO
International Classes:
H02M5/297
Other References:
HUBER L. ET AL.: "Space Vector Modulated Three-Phase to Three-Phase Matrix Converter with Input Power Factor Correction", IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICATIONS, vol. 31, no. 6, 1995, pages 1234 - 1246, XP000550007
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YAMAMOTO ET AL.: "Matrix Converter no Kukan Vector Hencho ni Okeru Pulse Pattern no Kaizen", PAPERS OF TECHNICAL MEETING ON SEMICONDUCTOR POWER CONVERTER, SPC, IEE JAPAN, vol. SPC-06, no. 147 TO 166, 25 November 2006 (2006-11-25), pages 77 - 82, XP008116482
See also references of EP 2120319A4
HIROSHI SHIMADA; TAKEHARU TAKESHITA: "PWM Control of Three-Phase to Three-Phase Matrix Converter for Reducing Output Voltage Harmonics", SEMICONDUCTOR POWER CONVERSION STUDY CIRCLE SPC, vol. 05, 2005, pages 48
HAKAHARU TAKESHITA; HIROSHI SHIMADA: "Matrix Converter Control Using Direct AC/AC Conversion Approach to Reduce Output Voltage Harmonics", ELECTRICAL ENGINEERING SOCIETY PAPER MAGAZINE D, vol. 126, no. 6, 2006
KIICHIRO YAMAMOTO; KATSUJI SHINOHARA; TATSUYA MORI: "Improvement of Pulse Pattern for Space Vector Modulated Matrix Converter", SEMICONDUCTOR POWER CONVERSION STUDY CIRCLE SPC, vol. 06, 2006, pages 159
YUGO TADANO ET AL.: "A Study of Space Vector Modulation Method for Three-Phase to Three-Phase Matrix Converter", MASS MEETING OF ELECTRICAL ENGINEERING SOCIETY INDUSTRIAL APPLICATION DEPARTMENT IN HEISEI, vol. 18, 2006, pages 1 - 04
Attorney, Agent or Firm:
HASHIMOTO, Takeshi et al. (Ekisaikai Bldg. 1-29, Akashi-cho, Chuo-k, Tokyo 44, JP)
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Claims:
空間ベクトルによる変調で双方向スイッチをPWM制御する多相交流-交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法であって、
 多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態とし、出力電圧指令値ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルX L 、Y L と、中間のベクトルX M 、Y M と、最小のベクトルX S 、Y S と、相電圧の中間電圧となる零ベクトルZと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルRを基本ベクトルとし、
 仮想間接形の空間ベクトルを用いたスイッチングパターンを、5つのベクトルの組み合わせから成る直接変換形の空間ベクトルを用いたスイッチングパターンに変換し、
 前記変換されたスイッチングパターンのうち、入力電流および/又は出力電圧の高調波を低減するための所定の条件を満たすスイッチングパターンを選択し、
 前記選択されたスイッチングパターンで遷移する5つの空間ベクトルのデューティを、仮想間接形の空間ベクトルと直接変換形の空間ベクトルのデューティ関係式から演算し、該演算されたデューティに基づいて双方向スイッチをPWM制御することを特徴とする交流-交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
前記所定の条件は、出力電圧指令の最大電圧相に入力最小電圧相を、出力電圧指令の最小電圧相に入力最大電圧相を接続しない、および、出力相に接続する入力相は最大電圧相から最小電圧相へ、最小電圧相から最大電圧相への切り替えを禁止する、であることを特徴とする請求項1に記載の交流-交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
前記デューティの演算は、前記直接変換形の5つの空間ベクトルを用いたスイッチングパターンに対応するデューティを、仮想間接形の空間ベクトルを用いたスイッチングパターンに適用されるデューティで表現したテーブルを用いて行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の交流-交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
前記指令値ベクトルとそれを囲む単振動ベクトルで構成される領域をセクターと定義したとき、入力側又は出力側のいずれかで、隣接するセクターに前記スイッチングパターンが変化する場合はパターンを更新しないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の交流-交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法。
Description:
交流-交流直接変換装置の空間ベ クトル変調方法

 本発明は、多相の交流電源から任意の電 または周波数に変換した多相出力を得る交 -交流直接変換装置(マトリックスコンバー )に係り、特に時々刻々と大きさ・位相が変 する空間ベクトルを入力/出力それぞれで表 現し、使用する基本ベクトルを選択してデュ ーティ演算する空間ベクトル変調方法に関す る。

 従来から存在するこの種の交流-交流直接 変換装置は、自己消弧形の半導体素子を用い た双方向スイッチを高速に切換え、単相また は多相の交流入力を任意の電圧または周波数 の電力に変換する変換装置であり、図1のよ に構成されている。

 図1は、三相/三相交流-交流直接変換装置 基本構成を示し、三相交流電源1は、リアク トルとコンデンサによる入力フィルタ部2お び9つの双方向スイッチSW1~SW)で構成された半 導体電力変換部3を介して任意の負荷4に接続 れる。9つの双方向スイッチSW1~SW9は、逆阻 IGBT18個で構成する場合や、通常のIGBT等の半 体素子とダイオードを組み合わせるなど、 の細部の構成方法には拘らないが、双方向 電力授受できるスイッチング素子で構成さ ている。

 なお、図1に示すように、以下、電源三相 をRST相、出力三相をUVW相とする。

 上記のように構成される交流-交流直接変 換装置の空間ベクトル変調方法としては、従 来、非特許文献1~4に記載のものが知られてい る。

 マトリックスコンバータに代表される交 -交流直接変換装置は、電源電圧をPWM制御し て出力電圧を生成する電圧形電力変換器と、 出力負荷電流を電流源とみなしてPWM制御によ り電源電流を生成する電流形電力変換器を組 み合わせた形とし、交流から交流へ直接電力 変換する装置である。両者の制御を同時に9 の双方向スイッチで実現するため、制御上 互いに関連し合っている(すなわち、入力と 力で授受される三相瞬時有効電力は一致し ければならない制約条件を持つ)。

 次に、上記を踏まえて交流-交流直接変換 装置の空間ベクトルを定義する。出力電圧は 交流の電源電圧から、入力電流も交流の負荷 電流からPWMで生成するので、一般的な直流- 流変換装置(インバータ)の空間ベクトルと異 なり、交流-交流直接変換装置が生成できるPW M制御による瞬時空間ベクトルは時々刻刻と 動する。出力電圧側の空間ベクトルの瞬時 間ベクトルの変動は、PWMで切り刻む基とな 電源電圧の位相・大きさに依存している。 力電流側の瞬時空間ベクトルは、出力負荷 流の位相・大きさに依存して変動する。

 また、交流-交流直接変換装置のスイッチン グパターンとしては、(1)電源短絡を引き起こ さない、(2)負荷電流を不連続としない、とい う制約条件を与える必要がある。(1)は電源短 絡による過電流破損の防止、(2)は誘導性負荷 のインダクタンスに蓄えられたエネルギーに よる過電圧故障を防止するためである。これ ら条件を考慮すると、9つの双方向スイッチSW 1~SW9のスイッチングパターンは27種類(3 3 )の組み合わせに限定される。

 27種類のスイッチングパターンを入力側 よび出力側で静止αβ座標上に展開すると、 1のように表現できる。

 表1において、空間ベクトルは、位相角30度 方向を正軸とした単振動ベクトルのグルー を単振動ベクトルS1、位相角150度方向を正 とした単振動ベクトルS2、位相角270度方向を 正軸とした単振動ベクトルS3、長さは最大一 で反時計方向に回転する回転ベクトルR1、 じく長さ一定で時計方向に回転する回転ベ トルR2、および6角形の中心零点で固定され 零ベクトルZ、の6つのグループに分けられる 。これら各々の基本ベクトルは、入力電圧の 位相θに依存、つまり入力電圧の角速度ω i に同期して変動する。また、ベクトルの長さ (6角形の大きさ)は入力線間電圧の大きさに対 応する。

 前述のとおり、瞬時空間ベクトルは時々 刻と変化するので、各位相に合わせて変動 る。静止αβ座標上における瞬時空間ベクト ルの変動の方向に着目すると、27種のベクト は、18種の単振動ベクトル(3軸で各6種、位 関係は一定)、6種の回転ベクトル(時計方向 3種、反時計方向に3種で、夫々大きさについ ては一定)3種の零ベクトル(原点位置で不変) 分類することができる。

 表1は、出力側空間ベクトルを基準に27種 パターンを分類した例であり、このような 間ベクトルの基本的な考え方については、 特許文献4等で既に知られている。

 非特許文献1,2は入力三相電圧の状態と、 望する三相電圧出力及び三相入力電流から9 つのスイッチを接続する方法を直接考える方 式(AC/AC直接変換方式)であり、出力電圧高調 を低減することを目的とし、入力最大電圧 ⇔最小電圧相のスイッチ切替を防止し、損 ・ノイズ低減に効果的である。

 非特許文献1,2では、出力電圧高調波を低 し、またスイッチング回数を低減すること 目的として、従来のAC/AC直接変換方式にお る制御周期T内のスイッチグパターン生成条 に、次のような条件を加えることを提案し いる。

 1.入力最大電圧相から最小電圧相、最小 圧相から最大電圧相への転流を禁止する。

 2.出力電圧指令の最大電圧相には入力最 電圧相を接続しない。出力電圧指令の最小 圧相には入力最大電圧相を接続しない。

 この条件を加えたスイッチングパターン 出力電圧の例を図2に示す。図2(a)は出力電 指令値が高い場合、図2(b)は出力電圧指令値 低い場合の例を各々示している(尚図2では 力相電圧R相>S相>T相、出力指令相電圧U 、V相、W相の時を示している)。

 上記スイッチングパターンを生成する手 としては、従来からよく用いられる簡単な 法である三角波比較法が利用できる。出力 各相に接続されるそれぞれ3つのスイッチを 点弧するデューティを演算後、各出力相個別 にキャリア比較し、パルス出力時間を決定す る。

 非特許文献3の方式は、従来のデューティ の演算が、直接AC/AC変換形に基づいており、 相有効電力一定条件が必要となる、などの 接形固有の演算が必要であったことに鑑み 、従来の仮想間接形変調方式によりデュー ィ値を求めた後、非特許文献1の三相個別の キャリア比較に展開する方式を採っている。

 この方式は、デューティ演算段階では仮 形ありながら、三相個別比較した後は直接 と同じパルスパターンが得られることが最 の特徴である。

 非特許文献3では、まず、電源電圧検出値 、出力電圧指令から、入力仮想整流器側の空 間ベクトルと、出力仮想インバータの空間ベ クトルを図3のように得る。同時に図4のよう 、それぞれの入出力指令ベクトルのセクタ 情報、入力電源R,S,T相、および出力U,V,W相の 大中小関係も得る。

 ここで、セクター情報について説明する 入力電流指令および出力電圧指令を三相二 変換することにより、それぞれの瞬時空間 令ベクトルが得られる。また仮想整流器お び仮想インバータのスイッチングの組み合 せによって図3のように空間ベクトルを定義 すると、この空間中を円軌跡するような指令 ベクトルは即ち三相正弦波電流および電圧の 指令となる。ここで図4のように空間を区切 。図4(a)の入力電流空間ベクトルの場合、入 電流指令ベクトルの位相が0度から30度の時 セクター1とし、30度から60度をセクター2と る。同様に360度にわたって続けていくと位 によって1~12の12個のセクターが定義できる 出力電圧指令ベクトルの場合は60度毎に6つ セクターを定義できる。

 入力電流指令ベクトルの情報から、そのベ トルを構成するために利用される入力整流 側の基本ベクトルI A ,I B と、そのベクトルに対する単位時間(制御周 )あたりのデューティd A ,d B を演算によって得る(非特許文献3の第2項参照 )。

 同様に、出力電圧指令ベクトルの情報から 図5のように、利用される出力側の基本ベク トルV X ,V Y と、そのベクトルに対するデューティd X ,d Y を演算から得る。尚、図5(a)のIin * は入力電流指令ベクトルを、図5(b)のVout * は出力電圧指令ベクトルを各々示している。

 そして、入力側のデューティと出力側の ューティを合成することによって、図6のよ うにマトリックスコンバータのスイッチング パターンとそのデューティを得ることができ る。入出力指令ベクトルのセクター情報と、 合成することによって出力されるマトリック スコンバータのスイッチングパターンは表2 ようになる。

 以上によって得られた5つのスイッチング パターンおよびデューティを用いて、出力U,V ,W相それぞれにつながる入力R,S,T相のデュー ィに再度展開する。出力相毎に、入力電圧 大相、中間相、最小相につながるデューテ を、仮想形デューティの和で求める。その られたデューティを入力電圧の最小相→中 相→最大相→中間相→最小相となるように 図7に示すキャリア比較によってパターンを る。出力相毎に得られた、パターンを合成 ることで、非特許文献1,2と同じスイッチン パターンを得ることができる。

島田大志、竹下隆晴:「出力電圧高調波 低減に着目した三相/三相マトリックスコン ータのPWM制御」、半導体電力変換研究会SPC- 05-48(2005) 竹下隆晴、島田大志:「出力電圧高調波 低減するAC/AC直接変換方式マトリックスコン バータ制御」、電気学会論文誌D、Vol.126No.6(20 06) 山本吉朗、篠原勝次、森辰也:「マトリ クスコンバータの空間ベクトル変調におけ パルスパターンの改善」、半導体電力変換 究会SPC-06-159(2006) 只野裕吾、漆畑正太、野村昌克、足利正 :「マトリックスコンバータの空間ベクトル 調法の検討」、平成18年電気学会産業応用部 門大会1-O4-4(2006)

 しかしながら、非特許文献1~3の方式では パルス配列時に三相個別のキャ利比較を行 ているので、セクター移行の過渡時におい 、スイッチング回数を低減することができ い。

 また非特許文献1~3のキャリア比較方式は 比較した結果をそのままPWMパルスとして適 する事例が多いので、セクター移行過渡時 ついて同時に2つ以上スイッチングをするモ ードが発生する。

 さらに、キャリア比較のためには3つのキ ャリアを個別に比較して制御を行う必要があ った。

 本発明は上記課題を解決するためのもの ありその目的は、キャリア比較の際に、三 に対して1つのキャリアを用いるだけで済み 、隣接するセクターにスイッチングパターン が変化する場合スイッチング回数の低減を行 い、同時に2つ以上がスイッチングしない交 -交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法 提供することにある。

 上記課題を解決するための請求項1に記載の 発明は、空間ベクトルによる変調で双方向ス イッチをPWM制御する多相交流-交流直接変換 置の空間ベクトル変調方法であって、多相 流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開 したベクトルの状態とし、出力電圧指令値ベ クトルVo*が存在するセクターの位相が遅れて いる単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単 動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの で最大のベクトルX L 、Y L と、中間のベクトルX M 、Y M と、最小のベクトルX S 、Y S と、相電圧の中間電圧となる零ベクトルZと セクター内に1つ存在する回転ベクトルRを基 本ベクトルとし、仮想間接形の空間ベクトル を用いたスイッチングパターンを、5つのベ トルの組み合わせから成る直接変換形の空 ベクトルを用いたスイッチングパターンに 換し、前記変換されたスイッチングパター のうち、入力電流および/又は出力電圧の高 波を低減するための所定の条件を満たすス ッチングパターンを選択し、前記選択され スイッチングパターンで遷移する5つの空間 ベクトルのデューティを、仮想間接形の空間 ベクトルと直接変換形の空間ベクトルのデュ ーティ関係式から演算し、該演算されたデュ ーティに基づいて双方向スイッチをPWM制御す ることを特徴としている。

 また請求項2に記載の発明は、前記所定の 条件は、出力電圧指令の最大電圧相に入力最 小電圧相を、出力電圧指令の最小電圧相に入 力最大電圧相を接続しない、および、出力相 に接続する入力相は最大電圧相から最小電圧 相へ、最小電圧相から最大電圧相への切り替 えを禁止する、であることを特徴としている 。

 また請求項3に記載の発明は、前記デュー ティの演算は、前記直接変換形の5つの空間 クトルを用いたスイッチングパターンに対 するデューティを、仮想間接形の空間ベク ルを用いたスイッチングパターンに適用さ るデューティで表現したテーブルを用いて うことを特徴としている。

 また請求項4に記載の発明は、前記指令値 ベクトルとそれを囲む単振動ベクトルで構成 される領域をセクターと定義したとき、入力 側又は出力側のいずれかで、隣接するセクタ ーに前記スイッチングパターンが変化する場 合はパターンを更新しないことを特徴として いる。

(1)請求項1~4に記載の発明によれば、キャリア 比較は、三相に対して1つのキャリアを用い だけで良く、従来の3つから大幅に低減させ ことができる。したがってキャリア比較の 算負荷が減少する。
 また、デューティの演算に関して、直接変 方式ではなく仮想間接変換方式でデューテ の演算ができるため、例えば非特許文献1,2 比較して、従来の制御手法を流用すること でき、また直接変換方式固有の計算条件が 要となる。

(2)また請求項3に記載の発明によれば、予 最終的なスイッチング信号の候補を既知条 としてテーブルにより把握することができ 。

(3)また請求項4に記載の発明によれば、隣 するセクターにスイッチングパターンが変 する場合に、スイッチング回数を減らすこ ができ、同時に2つ以上がスイッチングしな 。

 以下、交流-交流直接変換装置は、前記双 方向スイッチをPWM制御するマトリックスコン バータとして、図面を参照しながら本発明の 実施の形態を説明するが、本発明は下記の実 施形態例に限定されるものではない。

 まず本発明の原理を説明する。マトリッ スコンバータにおいては、電源電圧検出値 出力電圧指令から入力仮想整流器側の空間 クトルと出力仮想インバータの空間ベクト が得られる。入力電流指令ベクトル、出力 圧指令ベクトルのセクター情報(入力セクタ ーおよび出力セクター)、入力電源R,S,T相およ び出力U,V,W相の大中小関係が得られる。また クター情報と予め計算しておいた仮想間接 デューティ演算結果から、そのときのU相、 V相、W相のスイッチングパターン配置と適用 れるデューティ式も一意に決定できる。さ に、その各相のデューティ式の大中小関係 どから、合成後のスイッチングパターンが の順序で配置されるかが一意に決定できる

 したがって、仮想デューティと入出力セ ター、デューティ演算式の大中小関係が分 ってしまえば、テーブル的に最終的な5つの デューティとスイッチング順序を決定できる ことになる。この情報を用いてキャリア比較 で時間情報に変換すればよい。

(実施例1)
 非特許文献3と同様に従来のAC/DC/AC仮想間接 換方式を用いて、マトリックスコンバータ スイッチングデューティを算出する。求め れた仮想間接形によるスイッチングパター と、単位制御時間当たりにそのパターンの イッチングをするデューティ、セクターな の付随情報を用いて、仮想間接形では利用 きないスイッチング状態を含んだ直接変換 式のスイッチングパターンおよびデューテ に変換し並び替える。

 まず、仮想間接変換方式で得られた5つの スイッチングパターンと、そのデューティを 、直接変換方式のスイッチングパターンとデ ューティに変換する方式について説明する。 図8はマトリックスコンバータの入力相電圧 相が15度の時の、出力電圧空間ベクトルをす べてのスイッチングパターン(27通り)におい 表現した例である。ここで仮想間接形空間 クトル図において入力電流指令がセクター1 出力電圧指令がセクター1にある時を考える (入力相電圧の大きさはR相>S相>T相、出力 指令相電圧の大きさはU相>V相>W相となる) 。

 そのときに選択される仮想間接形のスイ チングパターンは表2からRTT,RRT,RSS,RRS,SSSの5 となる(RTTは左から順番に出力U,V,W相につな っている入力相を意味し、U相にはR相が、V とW相にはT相が接続されているスイッチン 状態を表している)。

 この入力セクター1、出力セクター1の状 は直接変換形空間ベクトルでは図8のAからB 領域になる。この領域には図9(a)で示すvRTT,vR SS,vSTT,vRST,vSST,vRRS,vRRT,vSSSの8つのスイッチング 状態を表すベクトルが存在する(零ベクトル 入力中間電圧相のvSSSを用いる)。

 仮想間接形で得られた5つのスイッチング 状態は、この8つ(単振動ベクトルX軸、Y軸各3 、零ベクトル、回転ベクトル)のうち図9(b) 5つのベクトルで表現されており、これらベ トルをデューティで調節することで出力指 ベクトルを構成している。本発明では、仮 間接変換方式で得られたもの以外のベクト も適切に使用して同じ出力指令ベクトルを 成することで、仮想間接変換方式から直接 換方式のスイッチングパターンに変換する とができる。

 すなわち、仮想間接形で得られるスイッ ングパターン(瞬時空間ベクトル)は,基本的 整流器+インバータのスイッチングパターン を合成して得られるものであり、入力三相を それぞれ別の出力三相につながるパターン( 1におけるグループR1とR2に相当するパターン )が使えない。これは入力整流器の三相がつ がる直流リンク(P,N)が上下二相しかない事に 起因する。また一般的な仮想間接形では整流 器側では相電圧最大相を基準に二相変調する ように制御される,即ち線間で最大および2番 に大きいスイッチングパターンで制御され ,例えば図3(a)の場合線間最大のRTと線間2番 のRSが利用されるため,線間3番目のSTは使用 れない。従って図9(a)のように直接形では使 れるスイッチングパターン(SST,STT)が、図9(b) のように間接形では現れない。ただし仮想整 流器側をPAM制御した場合はSTも利用できる。

 ここで、「出力電圧指令の最大電圧相に 力最小電圧相を、出力電圧指令の最小電圧 に入力最大電圧相を接続しない」という条 を与えると、スイッチングパターンの初期 と最終形は一義に決定される。初期形は出 最大電圧相のみ入力中間電圧相と接続し、 力中間電圧相と最小電圧相は入力最小電圧 と接続される。また最終形は出力最小電圧 のみ入力中間電圧相と接続し、出力最大電 相と中間電圧相は入力最大電圧相と接続さ る。

 これを上記の例に当てはめると、スイッ ングパターンは初期形がSTT、最終形がRRSと る。

 指令ベクトルを構成する空間ベクトルを8 つから5つ選択する際,初めと最後に選択され ものは,最小電圧相に多く接続され零ベクト ルでないもの,および最大電圧相に多く接続 れ零ベクトルでないものになる(各相T→S→R たはR→T→Sの順番でスイッチング変化をす ため)。上記の例では、最小電圧相はT相,ま TTTは使えないのでSTTが選ばれ、最大電圧相 RでRRRは使えないのでRRTとなる。

 次に「出力相に接続する入力相は最大電 相から最小電圧相へ、最小電圧相から最大 圧相への切り替えを禁止」の条件を与える 、スイッチングパターンの遷移は図10のよ になる。図10は、入力相電圧がR相>S相>T 、出力電圧がU相>V相>W相の関係にある きを表しており、例えばSTTは、出力U,V,W相に 入力S,T,T相が接続されることを意味している

 このうちRTS,SRT,STS,SRSの4つのスイッチング パターンは出力指令電圧であるU相>V相>W の条件を満たさず、指令ベクトルとは逆方 に発生するベクトルであるため使用しない したがってSTTからRRSに変化するスイッチン パターンは全部で5通りとなる(図10右側)。 の中から任意の1パターンを選択すればよい

 以上は、どの入出力セクターの状態でも り立ち、任意の入出力セクターと仮想間接 換方式でのスイッチングパターン、直接変 方式でのスイッチングパターンをまとめた のを表3~表6に示す。

 次にデューティの変換について前述の例 使って説明する。直接変換方式に変換後の5 通りのスイッチングパターン(図10の右側)の ち、まずSTT,SST,RST,RSS,RRSのスイッチングパタ ンを使った場合のデューティ変換について べる。

 仮想間接形と直接形に変換後の出力は等 くなければならないため、次の式が成立す 。

 ここで、式(a)のd a ,d b ,d c ,d d ,d e は、それぞれ直接変換形のベクトルvSTT,vSST,vR ST,vRSS,vRRSデューティである。またデューティ に関し次の二式が成り立つ。

 また、(a)式をα軸成分のみを抽出すると 式が成り立つ。

 (g)式の両辺を比較すると次式が得られる

 式(c),(h)、(i),(j),(k)より、

 となり、RTT,RRT,RSS,RRS,SSSをSTT,SST,RST,RSS,RRS 変換した際のデューティが簡単な加減算で められる。残りの4通りのスイッチングパタ ンにおいても、同様の手法でそれぞれのデ ーティは、変換前デューティの加減算の形 求めることができる。

 デューティの変換を行い、その結果が矛 (デューティがマイナスになる)している場 は、そのスイッチングパターン候補では、 換前と同等の入出力が得られないことを意 するので、次のスイッチングパターンのデ ーティを変換してやり、5つから正解のスイ チングパターンを探してやる。

 こうして得られた直接形のスイッチング ターンとそのデューティを図11に示すよう 1つのキャリア波と比較することによって最 的なスイッチング信号を得ることができる キャリア波としては三角波などが使用でき スイッチングパターンおよびデューティの 新は三角波の頂点で行われる。

 ここで、仮想間接形の入力側空間ベクト のセクター情報と出力側空間ベクトルセク ー情報から、スイッチングパターンを呼び ューティを決定するテーブルについて説明 る。まず直接形の出力電圧空間ベクトル群 おいて,指令ベクトルとそれを囲む単振動ベ クトルで構成される60度のセクタ中に存在す ベクトルを図12のように定義する。セクタ 中には必ず1つの回転ベクトルが存在し,それ をRとする。指令ベクトルよりも遅れ位相に り,瞬時値の大きいものからXL,XM,XS,指令ベク ルよりも進み位相にあり,瞬時値の大きいも のからYL,YM,YSとする。零ベクトルZは入力中間 電圧相で構成されるものを選ぶ。

 仮想型の入力電流空間ベクトルおよび出 電圧空間ベクトルのセクターから表7のよう にセクタモードを設定する。

 入力セクターが1,4,5,8,9,12のときに出力セ ターが1,3,5または入力セクターが2,3,6,7,10,11 時に出力セクターが2,4,6ならばセクターモ ド1(sm1),入力セクターが1,4,5,8,9,12のときに出 セクターが2,4,6または入力セクターが2,3,6,7, 10,11の時に出力セクターが1,3,5ならばセクタ モードは2と定義する(sm2)。

 それぞれのセクターモードの際に導き出さ る仮想型から直接形への変換後のスイッチ パターンは表8のようになる。

 表8によれば、セクターモードあたり5種 、計10種類の選択ベクトルの組み合わせが存 在する。これを入出力セクタ毎に全て展開し たものが表3~表6である。

 セクターモード1,および2から得られたス ッチパターンのデューティは表9のように一 意に決定される。

 表9の1~10からなるselection patternは表8のsele ction patternに相当し,セクターモードが1なら selection pattern1~5,セクタモード2ならばselection  pattern6~10が該当するベクトルのデューティ ある。表9からわかるように,すべて間接形で 得られるデューティの加減算の形で表現でき る。

 この手法を使ったときの入出力電圧およ 入出力電流波形は図13のようになる。図13(a) は出力電圧指令値が低いとき,図13(b)は出力電 圧指令が高いときの結果であり、各々上から 電源相電圧、入力電流、出力線間電圧、出力 電流を示している。

(実施例2)
 本実施例ではスイッチングパターンおよび ューティの更新について、次のように実施 る。入力セクターが+1または出力セクター ±1されスイッチングパターンが変化すると 、スイッチングパターンの初期値(キャリア 側頂点近傍で出力されるスイッチングパタ ン)および最終値(キャリア上側頂点近傍で 力されるスイッチングパターン)のどちらか 方が必ず同じパターンとなる。

 そのためスイッチングパターンを更新す 際に出力相につながるスイッチが変化する 合には、更新を取りやめて前のパターンを ッチし再度出力する。そして次の三角波の 点で前回更新しなかったスイッチングパタ ンを更新することで、スイッチングパター 更新の際のスイッチ変化を防止する。ただ 入出力とも同時にセクターが変化した場合 セクターが±-2以上変化した場合はスイッチ 変化を許し三角波頂点ですぐに切り替えを行 う。

本発明が適用される交流-交流直接変換 装置の基本構成図。 従来方式によるスイッチングパターン 出力電圧の例を示す説明図。 空間ベクトルを表し、(a)は入力仮想整 器側の空間ベクトル図、(b)は出力仮想イン ータの空間ベクトル図。 空間ベクトルの入力側セクターと出力 セクターの定義例の説明図。 入力電流指令ベクトル図及び出力電圧 令ベクトル図。 基本ベクトルとそのベクトルに対する ューティの関係を示す説明図。 従来例におけるキャリア比較の様子を す説明図。 マトリックスコンバータの入力相電圧 相が15度の時の、出力電圧空間ベクトル図 図8のセクター1領域におけるベクトル 。 本発明の条件を満たすスイッチングパ ターンの説明図。 本発明によるキャリア比較の様子を示 す説明図。 1セクターにおけるベクトル図。 本発明により制御を行ったときの入出 力の電圧、電流波形図。

符号の説明

 1…三相交流電源、2…入力フィルタ部、3 半導体電力変換部、4…負荷。