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Patent Searching and Data


Title:
MEDICAL SUTURE NEEDLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084549
Kind Code:
A1
Abstract:
This aims to reduce a problem that a metal wire joined integrally to a hole formed in the root end face of a medical suture needle is liable to break. A suture needle (A) comprises a stop hole (5) formed in a root end face (3) for joining the end portion of a wire (10) by inserting and caulking the same, and a counter bore (6) formed on the side of the root end face (3) of the stop hole (5) and having a larger size (D) at least on the root end face (3) than the size (d) of the stop hole (5) and a smaller depth (L) than that of the caulking portion of the stop hole (5). The wired suture needle joins the wire (10) integrally by inserting the end portion of the wire (10) into the stop hole (5) and by caulking the outer circumference corresponding to the stop hole (5).

Inventors:
MATSUTANI MASAAKI (JP)
FUKUDA SHOUICHI (JP)
FUKUDA MASATOSHI (JP)
AKUTSU SHINICHI (JP)
KATO KAZUAKI (JP)
YANO SHINICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073476
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MANI INC (JP)
MATSUTANI MASAAKI (JP)
FUKUDA SHOUICHI (JP)
FUKUDA MASATOSHI (JP)
AKUTSU SHINICHI (JP)
KATO KAZUAKI (JP)
YANO SHINICHI (JP)
International Classes:
A61B17/06
Foreign References:
JP2003047617A2003-02-18
JPH0542160A1993-02-23
JPH04307051A1992-10-29
JPH04266749A1992-09-22
JP2002078712A2002-03-19
Other References:
See also references of EP 2226019A4
Attorney, Agent or Firm:
NAKAGAWA INTERNATIONAL PATENT OFFICE (3-7-8 Toranomon, Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
元端面に金属ワイヤを結合する医療用縫合針であって、元端面に形成され金属ワイヤの端部を挿入すると共にかしめにより結合するための止まり穴と、前記止まり穴の元端面側に形成され少なくとも元端面に於ける寸法が前記止まり穴の寸法よりも大きく且つ深さが前記止まり穴に対するかしめ部分よりも浅い座ぐり穴と、を有することを特徴とする医療用縫合針。
座ぐり穴の元端面に於ける寸法D、座ぐり穴の深さL、
止まり穴の寸法d、
縫合針の外径T、
元端面に於ける外周との壁の厚さt(t=T-D)とした際に、
d/Dの範囲は65%~95%、
t/Tの範囲は6.5%~20%、
L/Dの範囲は15.5%~110%であり、
かしめ部分の深さKは最低2.0mm、Lは最大1.0mm、Dは最大0.9mmであることを特徴とする医療用縫合針。
元端面に形成され金属ワイヤの端部を挿入する止まり穴と、前記止まり穴の元端面側に形成され少なくとも元端面に於ける寸法が前記止まり穴の寸法よりも大きい座ぐり穴と、を有し、前記止まり穴に金属ワイヤの端部を挿入すると共に該止まり穴に対応する外周をかしめることで、前記金属ワイヤを一体化したことを特徴とする金属ワイヤ付医療用縫合針。
前記座ぐり穴の元端面に於ける寸法D、前記座ぐり穴の深さL、
前記止まり穴の寸法d、
前記縫合針の外径T、
元端面に於ける外周との壁の厚さt(t=T-D)とした際に、
d/Dの範囲は65%~95%、
t/Tの範囲は6.5%~20%、
L/Dの範囲は15.5%~110%であり、
かしめ部分の深さKは最低2.0mm、Lは最大1.0mm、Dは最大0.9mmであることを特徴とする金属ワイヤ付医療用縫合針。
Description:
医療用縫合針

 本発明は、胸骨を含む骨を縫合する際に いて有利な医療用縫合針に関するものであ 。

 胸骨を含む骨を縫合する場合、金属ワイ を用いることが行われている。そして、こ 金属ワイヤを医療用縫合針の元端部に一体 に結合しておき、該医療用縫合針によって を刺通すると共に金属ワイヤを通過させ、 を通過した金属ワイヤを結束することで、 的の箇所を縫合している。

 金属ワイヤの医療用縫合針に対する結合 、医療用縫合針の元端面に金属ワイヤの太 よりも大きい穴を形成しておき、この穴に 属ワイヤの端部を挿入した後、穴に対応し 外周部分をかしめて縮径することによって われる。金属ワイヤを医療用縫合針に一体 させたときに結合強度が弱いと、縫合手術 に金属ワイヤが医療用縫合針の穴から離脱 てしまうこととなり、手術の進行に支障を すことになる。このため、両者の結合を確 に行えるような技術が提案されている。

 例えば、特許文献1に記載された技術は両 端が細く中央が太い胸骨縫合用ワイヤーを製 造する方法に関するものであり、0.8mm程度の いワイヤーの端面に0.4mm径の穴を深さ0.2mm~0. 3mmで形成すると共に、0.3mmの細いワイヤーの 部側面にくびれを形成しておき、細いワイ ーの端部を太いワイヤーの穴に挿入した後 ダイス等により太いワイヤーの外周から均 に力を加え圧着することにより、細いワイ ーのくびれ部分に太いワイヤーの内側部分 食い込んで引っ張り強さを確保している。

特開2002-078712号公報

 特許文献1に記載された技術では、太いワ イヤーと細いワイヤーを強固に一体化するこ とができる。しかし、この技術をそのまま医 療用縫合針と金属ワイヤとの結合に適用した 場合、金属ワイヤが医療用縫合針の元端面に 形成された穴の近傍から折損し易いという問 題が生じている。

 即ち、図5に示すように、縫合針51の元端 51aに形成した止まり穴51bにワイヤ52の端部 挿入すると共に元端部51cの外周に均等に力 加えてかしめた後、縫合針51をバイス等によ って固定した状態としてワイヤ52を元端面51a 対して90度となるように180度の繰り返し曲 を行ったとき、1往復又は2往復で折損してし まうという問題がある。

 本発明の目的は、医療用縫合針の元端面 形成した穴に一体的に結合した金属ワイヤ 折損し易いという問題を軽減することがで る医療用縫合針と、金属ワイヤ付医療用縫 針を提供することにある。

 上記課題を解決するために本発明に係る 療用縫合針は、元端面に金属ワイヤを結合 る医療用縫合針であって、元端面に形成さ 金属ワイヤの端部を挿入すると共にかしめ より結合するための止まり穴と、前記止ま 穴の元端面側に形成され少なくとも元端面 於ける寸法が前記止まり穴の寸法よりも大 く且つ深さが前記止まり穴に対するかしめ 分よりも浅い座ぐり穴と、を有するもので る。

 また本発明に係る金属ワイヤ付医療用縫 針は、元端面に形成され金属ワイヤの端部 挿入する止まり穴と、前記止まり穴の元端 側に形成され少なくとも元端面に於ける寸 が前記止まり穴の寸法よりも大きい座ぐり と、を有し、前記止まり穴に金属ワイヤの 部を挿入すると共に該止まり穴に対応する 周をかしめることで、前記金属ワイヤを一 化したものである。

 本発明に係る医療用縫合針(以下、「縫合 針」という)は、元端面に金属ワイヤ(以下「 イヤ」という)をかしめて結合するための止 まり穴を形成し、この止まり穴よりも元端面 側に止まり穴に対するかしめ部分よりも浅い 座ぐり穴を形成したので、止まり穴にワイヤ の端部を挿入してかしめたとき、前記座ぐり 穴は元端面に於ける寸法が止まり穴よりも大 きいことから、ワイヤとの間に隙間が形成さ れる。このため、前記座ぐり穴に対応する部 位のワイヤは、座ぐり穴との間の隙間の範囲 で曲げに対する自由度を有することになる。

 従って、ワイヤを折り曲げたとき、ワイ にはかしめられた止まり穴を起点として曲 が生じるものの、座ぐり穴に対応する部分 該座ぐり穴に接触して規制されることとな 、大きな曲率で曲がることはない。このた 、ワイヤの局部、特に縫合針の元端面に接 した部位、例えば座ぐり穴と元端面との境 付近に大きな応力が集中することがなく、 損し易いという問題を改善することができ 。

 また本発明に係るワイヤ付縫合針では、 端面に形成された止まり穴にワイヤの端部 挿入して該止まり穴に対応する外周をかし たので、座ぐり穴に対応する部位に於ける イヤの曲げに対する自由度を確保すること できる。このため、ワイヤが折損し易いと う問題を改善することができる。

 上記の如く本発明ではワイヤの材質や太 を変更することなく折損し易さを改善する とができる。このため、骨を縫合する手術 際に、従来と変わることのないワイヤを利 して確実な縫合を実現することができる。

縫合針の全体構成を説明する図である 縫合針の元端部分の断面図であり止め と座ぐり穴の構成を説明する図である。 縫合針に形成した止まり穴にワイヤを 合させた状態を説明する図である。 縫合針に結合させたワイヤに対する曲 実験を行う状態を説明する図である。 課題を説明する図であり、従来の金属 イヤ付縫合針のワイヤに対する曲げ実験を う状態を説明する図である。

符号の説明

 A           縫合針
 1           胴部
 2           針先
 3           元端面
 3a          壁
 4           元端部
 5           止まり穴
 6           座ぐり穴
 10          ワイヤ
 11          縮径部
 12          窪み
 13          隙間

 以下、本発明に係る縫合針及びワイヤ付 合針の最も好ましい実施形態について説明 る。本発明は、骨を縫合する際に用いるワ ヤを一体的に結合した医療用縫合針であっ 、ワイヤの折損し易さを改善したものであ 。

 本件発明者は、図5に示す課題である元端 面にワイヤを結合した縫合針に於けるワイヤ の折損し易さについて考察を行った結果、次 の知見を得た。即ち、前記縫合針では、ワイ ヤが縫合針に形成された止まり穴に挿入され てかしめによって結合されたとき、止まり穴 に対する挿入部分全体が拘束される。縫合針 を固定して、ワイヤを元端面に対し90度にな ように曲げたとき、ワイヤは元端面を起点 して曲げられることになり、該ワイヤの元 面の近傍に最大の曲げ応力が作用して最大 伸びが生じることになる。更にワイヤを繰 返し曲げることで、ワイヤに於ける元端面 近傍の部位が降伏して折損に至る。

 上記知見に基づき検討を重ねた結果、ワ ヤを結合させた止まり穴の端部から直接ワ ヤに180度の曲がりの自由度を与えることな 、僅かな距離だけ適度な自由度を発揮し得 ような拘束を行うことによって、ワイヤに 掛け上180度の曲げを生じさせたとしても曲 を大きくして応力の集中を軽減し、これに り折損のし易さを軽減することが可能にな のではないか、との方向性を得た。

 そして、上記の如き方向性に基づいて実 を重ねた結果、本発明をなすに至ったので る。即ち、本発明の縫合針は元端面からワ ヤを挿入してかしめることで該ワイヤを結 するための止まり穴を形成し、この止まり の元端面側に、少なくとも元端面に於ける 法が止まり穴の寸法よりも大きく且つ止ま 穴に対するかしめ部分よりも浅い座ぐり穴 形成したものである。

 またワイヤ付縫合針は、縫合針の元端面 形成した止まり穴にワイヤの端部を挿入す と共に、止まり穴に対応する外周部をかし ることでワイヤを縫合針に結合したもので る。

 次に、本実施例に係る縫合針の構造につ て図を用いて説明する。図1は縫合針の全体 構成を説明する図である。図2は縫合針の元 部分の断面図であり止め穴と座ぐり穴の構 を説明する図である。

 図1に示す医療用縫合針Aは骨を縫合する に該骨を刺通するものであり、断面が円形 胴部1を有しており、該胴部1の一方の端部に 鋭い尖端を有する針先2が形成され、他方の 部に元端面3が形成されている。また、胴部1 の元端面3側が元端部4として形成されている

 本実施例に於いて、胴部1は断面が円形に 形成されているが、この断面形状に限定する ものではなく、断面が三角形を含む多角形状 で、何れかのエッジに切刃が形成されていて も良い。また針先2も鋭い尖端であることに 定するものではなく、球状に形成された所 鈍針であっても良い。

 縫合針Aの材料は特に限定するものではな く、骨を刺し通す際の刺通抵抗に対抗し得る 強度と、刺通抵抗を小さくするために必要な 性能を確保し得るものであれば良い。このよ うな材料としては、炭素工具鋼に代表される 鋼、ステンレス鋼等があり、これらを選択的 に利用することが可能である。

 特に、顧客に至る流通過程で錆が生じる とのないオーステナイト系ステンレス鋼を 用することが好ましい。このオーステナイ 系ステンレス鋼の場合、熱処理による硬化 期待し得ないため、オーステナイト系ステ レス鋼の素材を冷間加工することによって 化させることが望ましい。

 図2に示すように、元端面3から深さ方向 止まり穴5が形成されており、該止まり穴5よ りも元端面3側に座ぐり穴6が形成されている 止まり穴5は結合すべきワイヤ10の太さ寸法 りも大きい寸法を有しており、深さは止ま 穴5の外周部分をかしめたときに充分にワイ ヤ10を結合し得る寸法を有している。

 止まり穴5の径は結合すべきワイヤの太さ よりも約0.02mm程度大きい寸法を持って形成さ れている。例えば、縫合針Aの太みが約1.48mm ある場合、ワイヤの太さは約0.8mmであり止ま り穴5の径は約0.82mmに設定され、縫合針Aの太 が約1.58mmである場合、ワイヤの太さは約1.0m mであり、止まり穴5の径は約1.02mmに設定され いる。また止まり穴5の深さは、該止まり穴 5の寸法に関わらず約3.0mm程度に設定されてい る。

 止まり穴5を形成する方法は特に限定する ものではなく、ドリルを利用したドリリング 、放電加工、レーザー加工等があり、何れの 加工方法も採用することが可能である。特に 、止まり穴5の形状の精度や寸法精度を保証 るにはドリリングであることが好ましい。

 また座ぐり穴6は、少なくとも元端面3に ける寸法Dが止まり穴5の寸法dよりも大きい 法を有しており、深さLは止まり穴5に対する かしめ部分Kよりも浅くなるように形成され いる。少なくとも元端面3に於ける寸法Dが止 まり穴5の寸法dよりも大きく形成される座ぐ 穴6の形状は、図2(a)に示すように、元端面3 ら深さ方向にストレート状の穴であって良 、また同図(b)に示すように、元端面3から深 さ方向に径が小さくなるテーパ状の穴であっ て良い。また、座ぐり穴6の内周面はストレ ト状、カーブ状等、種々の形状が適用でき 。

 元端面3に対し座ぐり穴6を形成する方法 特に限定するものではない。このような座 り穴6を形成する方法としては、該座ぐり穴6 がストレート穴である場合、ドリルやリーマ を利用することが好ましい。また座ぐり穴6 テーパ穴である場合、テーパリーマやテー 状の切刃を形成した刃物を利用することが ましい。

 上記の如く、座ぐり穴6は元端面3に於け 寸法Dが止まり穴5の寸法dよりも大きければ く、ストレート状の穴であるか、テーパ状 穴であるかを限定するものではない。また ぐり穴6がテーパ状の穴である場合、テーパ 度を限定するものでもない。

 座ぐり穴6の元端面3に於ける寸法Dと止ま 穴5の寸法dの差は、止まり穴5に結合された イヤ10の曲がりを許容し得る寸法(ワイヤ10 自由度を拘束する隙間)となる。このため、 記寸法差は大きい方が好ましい。

 しかし、縫合針Aの太みが決まっているた め、寸法Dを無制限に大きくできないことは 然であり、特に、寸法Dを大きくすると元端 3に於ける外周との壁3aの厚さが小さくなり かしめ部分Kに対してかしめを行ったときに 影響を受けて壁3aが破損することがある。

 上記の如く、座ぐり穴6の元端面3に於け 寸法Dの値は、元端部4の太みや元端面3に於 る壁3aの厚さ等の条件に応じて変化し、一義 的に設定し得るものではない。このため、サ ンプルとして寸法Dと深さLを変化させた複数 縫合針Aにワイヤ10を結合させてワイヤ付縫 針を製作し、このワイヤ付縫合針に結合さ たワイヤの折損実験を行って寸法Dや深さL 壁3aの厚さ等のデータを取得し、このデータ に基づいて好ましい範囲を設定している。

 次に、上記実験結果について説明するが この説明に先立って本実施例に係るワイヤ 縫合針の構成について図により説明する。 3は縫合針に形成した止まり穴にワイヤを結 合させた状態を説明する図である。図4は縫 針に結合させたワイヤに対する曲げ実験を う状態を説明する図である。尚、図に於い 前述の実施例と同一の部分には同一の符号 付して説明を所略する。

 本発明に係るワイヤ付縫合針(医療用縫合 針)は、骨を刺通し得るように構成された縫 針の元端面に止まり穴と座ぐり穴を形成し この止まり穴に金属製のワイヤ10を一体的に 結合させたものである。本発明に於いて、縫 合針に止まり穴と座ぐり穴が形成されること は必須であるが、他の部分の形状や構造は限 定するものではない。このため、特に縫合針 に対するワイヤの結合構造について説明する 。尚、本実施例では、縫合針として前述の縫 合針Aを用いており、該縫合針Aの構成に対す 説明は省略する。

 本実施例に係るワイヤ付縫合針は、縫合 Aに形成された止まり穴5にワイヤ10の端部が 挿入されると共に、元端部4の止まり穴5に対 する部分がかしめられることによって、該 イヤ10が結合し、元端面3から延出している

 ワイヤ10は金属を素材として予め設定さ た太さと長さを持って構成されている。ワ ヤ10の太さや長さはとくに限定するものでは なく、縫合すべき骨の性質や部位に対応させ て最適な寸法が選択される。

 ワイヤ10の材料としては鋼、ステンレス 、チタン等の中から選択的に用いることが 能である。中でも、オーステナイト系ステ レス鋼の場合には錆が生じる虞がないこと ら好ましく利用することが可能である。ま チタンの場合、生体に対する適合性が優れ いることから好ましく利用される。

 特に、チタンを材料とするワイヤの場合 オーステナイト系ステンレス鋼を材料とす ワイヤに比較して耐繰り返し曲げ性能が若 劣る傾向がある。このため、本発明のワイ 付縫合針は、チタンを材料とするワイヤ10 適用したときにより好ましい結果を得るこ が可能である。

 ワイヤ10は、端部を縫合針Aに形成した止 り穴5に挿入した後、かしめにより結合され ている。このかしめ作業は縫合針Aに於ける 端部4の止まり穴5に対応する外周部分を押圧 して変形させることで行われている。かしめ 作業を如何なる方法で行うかについては限定 するものではなく、縫合手術を行っている際 にワイヤ10が縫合針Aから離脱することがない ように結合されていれば良い。

 ワイヤ10を縫合針Aに形成した止まり穴5に 結合させるかしめ方法としては、例えば図3(a )に示すように、止まり穴5に対応する元端部4 の部分を全周にわたって押圧して縮径部11を 成してかしめる方法や、同図(b)に示すよう 、止まり穴5に対応する元端部4の外周を部 的に押し潰して窪み12を形成してかしめる方 法、更に、元端部4を全周にわたって縮径部11 を形成した後、部分的に押し潰して窪み12を 成する方法等の方法があり、これらの方法 選択的に採用することが可能である。かし 部分Kの長さ寸法は、止まり穴5の深さの2/3 度(約2.0mm)の長さがあれば十分である。そし 、同図に示すように、座ぐり穴6に対応する 元端部4の外周をかしめないようにすること 、ワイヤ10を折損しにくくすることができる 。

 ワイヤ10を止まり穴5に結合したとき、縫 針Aの元端面3ではワイヤ10の外周面と座ぐり 穴6の内周面との間にリング状の隙間13が形成 される。この隙間13は縫合針Aに対するワイヤ 10の折れ曲げ方向への動きの自由度を確保す ものであり、該ワイヤ10は外周が壁3aに接触 する角度範囲内で自由に動くことが可能であ る。そして外周の一部が壁3aに当接したとき ワイヤ10の動きが拘束されることとなる。

 このため、例えば、ワイヤ10を元端面3に し90度に折り曲げたとき、座ぐり穴6に対応 る部分では、ワイヤ10は止まり穴5との結合 位が起点となり、座ぐり穴6の深さLと隙間3 寸法によって規定される角度に保持される このため、ワイヤ10は大きな曲率で折れ曲 ることはない。

 また元端面3に於いて、ワイヤ10は壁3aと 当接部分を起点として折れ曲がる。このと 、ワイヤ10は既に止まり穴5との結合部位で 記角度に屈折しているため、壁3aとの当接部 分を起点とする90度の折り曲げ角度は前記角 を加えた角度となり、90度よりも大きい角 で折れ曲がることとなる。即ち、ワイヤ10の 曲率を小さくすることが可能となる。

 上記の如くして本発明に係るワイヤ付縫 針では、ワイヤ10の折損のし易さを改善す ことが可能となる。

 次に、座ぐり穴6の元端面3に於ける寸法D 深さLを変化させたときのワイヤ10の折損の 易さを測定した実験について説明する。本 験では、ワイヤ10を結合した縫合針Aをバイ によって固定しておき、ワイヤ10を元端面3 対して折り曲げて往復180度の繰り返し曲げ 行い、3回の繰り返し曲げに耐えたものを合 格とした。

 太み(外径T)が1.48mmの縫合針Aに対し、寸法 dが0.82mmで深さ3.0の止まり穴5を形成した。こ 縫合針Aに結合するワイヤ10の太さは0.8mmで る。

 実験1として、元端面3に於ける寸法Dが0.9m mで深さLが0.5mmの座ぐり穴6を形成し6本のサン プルを製作した。このサンプルでは、壁3aの さ(t)が0.29mmであり、隙間13は0.04mmである。 たd/Dは91.1%、t/Tは19.6%、L/Dは55.6%である。

 上記実験1では、6本のサンプル中1本が2回 の繰り返し曲げで折損したが、残りの5本は3 の繰り返し曲げに耐えることができた。こ 場合、製品として耐え得るものと考える。

 実験2として、元端面3に於ける寸法Dが1.0m mで深さLが0.5mmの座ぐり穴6を形成し6本のサン プルを製作した。このサンプルでは、壁3aの さ(t)が0.24mmであり、隙間13は0.09mmである。 たd/Dは82.0%、t/Tは16.2%、L/Dは50.0%である。

 上記実験2では、6本のサンプルの全てが3 の繰り返し曲げに耐えることができた。実 2の条件では製品として充分である。

 実験3として、元端面3に於ける寸法Dが1.2m mで深さLが0.2mmの座ぐり穴6を形成し6本のサン プルを製作した。このサンプルでは、壁3aの さ(t)が0.14mmであり、隙間13は0.19mmである。 たd/Dは68.3%、t/Tは9.5%、L/Dは16.7%である。

 上記実験3では、6本のサンプルの全てが3 の繰り返し曲げに耐えることができた。実 3の条件では製品として充分である。

 実験4として、元端面3に於ける寸法Dが1.3m mで深さLが0.2mmの座ぐり穴6を形成し6本のサン プルを製作した。このサンプルでは、壁3aの さ(t)が0.09mmであり、隙間13は0.24mmである。 たd/Dは63.1%、t/Tは6.1%、L/Dは15.4%である。

 上記実験4では、6本のサンプル全てでか めに失敗した。これは壁3aの厚さが薄くなり すぎたためと考える。

 比較実験1として、太みが1.48mmの縫合針A あって寸法dが0.82mmで且つ座ぐり穴6を形成し ないサンプルを作成して実験したところ、6 のサンプル全てが2回までの繰り返し曲げで 損した。

 次に、太み(外径T)が1.58mmの縫合針Aに対し 、寸法dが1.02mmで深さ3.0の止まり穴5を形成し 。この縫合針Aに結合するワイヤ10の太さは1 .0mmである。

 実験5として、元端面3に於ける寸法Dが1.2m mで深さLが0.5mmの座ぐり穴6を形成し6本のサン プルを製作した。このサンプルでは、壁3aの さ(t)が0.19mmであり、隙間13は0.09mmである。 たd/Dは85.0%、t/Tは8.9%、L/Dは41.7%である。

 上記実験5では、6本のサンプルの全てが3 の繰り返し曲げに耐えることができた。実 5の条件では製品として充分である。

 比較実験2として、太みが1.58mmの縫合針A あって座ぐり穴6を形成しないサンプルを作 して実験したところ、6本のサンプル全てが 2回までの繰り返し曲げで折損した。

 上記各実験の結果からみて、d/Dの範囲は6 5%~95%、t/Tの範囲は6.5%~20%が好ましいといえる それぞれの下限の理由としては、十分な壁 を確保するためであり、上限の理由として 、繰り返し曲げに耐えるようにするためで る。

 また、L/Dの範囲は15.5%~110%であることが好 ましいといえる。下限の理由としては、繰り 返し曲げに耐えるようにするためである。ま た、上限の理由としては、前述したように、 かしめ部分Kは最低約2.0mmあれば十分であり、 Lは最大約1.0mm程度であり、Dが0.9mmの場合に上 限となる。

 本発明の縫合針Aでは、ワイヤ10の材質や さを変更することなく繰り返し曲げに対す 折損し易さを改善することが可能となる。 のため、骨を縫合する際に用いる縫合針と て利用して有利である。