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Patent Searching and Data


Title:
MESENCHYMAL CELL PROLIFERATION STIMULATOR AND SKELETAL SYSTEM BIOMATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026634
Kind Code:
A1
Abstract:
It is found that a SVVYGLR peptide can stimulate the proliferation of a mesenchymal cell such as a marrow-derived mesenchymal stem cell and a dental pulp cell. A carbonate apatite-collagen sponge comprising the SVVYGLR peptide is useful as a biomaterial for the regeneration of a bone marrow or a dental pulp. It becomes possible to provide a skeletal system biomaterial which is capable of stimulating the proliferation of a mesenchymal cell and is useful as an artificial bone marrow or an artificial dental pulp for repairing a defect in a bone marrow tissue or a dental pulp tissue.

Inventors:
HAMADA, Yoshinosuke (())
濱田 吉之輔 (())
MATSUURA, Nariaki (())
松浦 成昭 (())
EGUSA, Hiroshi (())
Application Number:
JP2007/066756
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 29, 2007
Export Citation:
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Assignee:
OSAKA UNIVERSITY (1-1 Yamadaoka, Suita-shi, Osaka 71, 5650871, JP)
国立大学法人大阪大学 (〒71 大阪府吹田市山田丘1番1号 Osaka, 5650871, JP)
Hiroshima University (3-2 Kagamiyama 1-chome, Higashi-Hiroshima-shi Hiroshima 11, Higashi-Hiroshima-shi Hiroshima 11, 7398511, JP)
国立大学法人広島大学 (〒11 広島県東広島市鏡山一丁目3番2号 Hiroshima, 7398511, JP)
HAMADA, Yoshinosuke (())
濱田 吉之輔 (())
MATSUURA, Nariaki (())
International Classes:
A61L27/00; C07K7/06; C12M3/00; C12N5/06
Attorney, Agent or Firm:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK (Daiwa Minamimorimachi Building, 2-6 Tenjinbashi 2-chome Kit, Kita-ku Osaka-shi Osaka 41, 5300041, JP)
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Claims:
 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを有効成分として含有する間葉系細胞増殖促進剤。
 請求の範囲第1項に記載の間葉系細胞増殖促進剤を含むことを特徴とする骨格系生体材料。
 炭酸アパタイトおよびコラーゲンの複合体からなるスポンジ状体であることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の骨格系生体材料。
 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチドを有効成分として含有する間葉系細胞接着促進剤を含むことを特徴とする請求の範囲第2項または第3項に記載の骨格系生体材料。
 請求の範囲第2項~第4項のいずれか1項に記載の骨格系生体材料を用いることを特徴とする骨髄組織または歯髄組織の再生方法。
Description:
間葉系細胞増殖促進剤およびそ を含有する骨格系生体材料

 本発明は、間葉系細胞増殖促進剤および れを含有する骨格系生体材料に関するもの ある。

 近年の高齢化社会において、骨、歯牙組 等の欠損・損傷を再建する技術の開発が望 れている。特に、再生医療の進歩による骨 系生体材料への関心が高まっている。欠損 織の修復に用いられる画期的な技術として 硬組織の構成要素である人工骨髄・歯髄の 発が望まれている。

 歯科の領域においては、特に、より長く 己の歯を維持して生活することが望まれて るため、歯髄組織を保存する治療法の重要 が高まっている。歯髄は、歯の中心に位置 る組織であり、細胞間質、血管、神経等に り構成されている。歯が齲蝕に罹患し、歯 の一部にまで感染が広がった場合、限局し 感染部位のみを切断し、残存する歯髄を存 させる治療法(生活歯髄切断法)が、有用な 療法として注目されている。

 しかしながら、歯髄の切断面を適切に処 するのは技術的に困難であり、必ずしも切 後の歯髄の状態を良好に保つことは期待で ないのが現状である。このため、より的確 、可能な限り侵襲を抑えた治療法を確立す ことが望まれている。そこで、感染部位の 断により欠損した歯髄部位をもとの状態に 生し、歯髄組織を保存することができれば 国民のQOLの向上と医療費の削減に計り知れ い貢献をもたらす可能性がある。

 骨組織の欠損を修復するための各種骨格系 体材料の研究は、炭酸アパタイト(CO 3 Ap)の生分解性の観点から進められている。本 発明者らは、化学組成および結晶化度の点に おいて、生体硬組織に類似する炭酸アパタイ トおよびコラーゲンから、作製した炭酸アパ タイト・コラーゲン複合体を生体材料として 用いることを提案している(非特許文献1およ 非特許文献2を参照のこと)。この炭酸アパ イト・コラーゲン複合体を、ラットの腹部 および頭蓋骨膜下に埋め込んだ場合、良好 生体適合性を示した。

 しかしながら、炭酸アパタイト・コラー ン複合体のinner bulk(内部バルク)には、細胞 が侵入できるスペースがない。そこで、スポ ンジ状炭酸アパタイト・コラーゲン複合体を 用いた場合、スポンジ状体の孔が大きいとき 、骨芽細胞の増殖、およびこの孔の内部への 細胞の侵入が促進されることが分かった(非 許文献3を参照のこと)。

 欠損組織を再生し、生体材料が生着する とによって、その機能を十分に発揮するた には、細胞へ酸素および栄養を供給するこ が不可欠である。すなわち、骨格系生体材 に複合機能を与える血管は、骨の維持およ 成長のためのライフラインとして不可欠で る。

 上述したように、炭酸アパタイト・コラ ゲン複合体は、適切な生体適合性を示し、 た、この複合体のスポンジ状体は、細胞の 潤に十分なスペースを有している。しかし がら、スポンジ状体の内部に細胞を浸潤さ たとしても、酸素および栄養を供給する血 の非存在下において、細胞が生存すること 不可能である。このため、生体材料内の血 新生が不可欠である。

 血管新生プロセスは、内皮細胞による血 基底膜の消化で開始される。その後、細胞 移動および増殖して管状構造を形成する。 数の研究者らが、各種の成長因子とサイト イン(血管内皮増殖因子(VEGF)、線維芽細胞成 長因子(FGF)、インターロイキン8)から発せさ る信号により、これらの細胞反応が厳重に 節されていることを報告している。

 細胞外基質蛋白質であるオステオポンチン( OPN)は、大量のシアル酸を含むリン酸蛋白質 あり、骨組織、腎臓、脳、皮膚等に広く分 している。OPNは骨代謝に関与し、炎症反応 血管新生を仲介する。最近、OPN内に血管新 作用に関与するアミノ酸配列[Ser-Val-Val-Tyr-Gly -Leu-Arg(SVVYGLR)]が発見された(特許文献1、非特 文献4および非特許文献5を参照のこと)。オ テオポンチン分子内でRGD配列に隣接するSVVY GLRはトロンビン切断によって暴露されていた ため、このモチーフが病態において重要であ ると考えられる。我々は、血管成長因子とし てのSVVYGLRの配列を人工合成することに既に 功している(非特許文献6を参照のこと)。

国際公開第WO2003/030925号パンフレット Okazaki M, Ohmae H, Hino T. Insolubilization of  apatite-collagen composites by UV irradiation. Biomat erials 1989; 10: 564-568. Okazaki M, Ohmae H, Takahashi J, Kimura H, Sak uda M. Insolubilized properties of UV-irradiated CO3ap atite-collagen composites. Biomaterials 1990; 11: 568-5 72. Itoh M, Shimazu A, Hirata I, Yoshida Y, Shinta ni, H, Okazaki M. Characterization of CO3Ap-collagen  sponges using x-ray high-resolution microtomography. Bi omaterials 2004; 25: 2577-2583. Yokosaki Y, Matsuura N, Sasaki T, Murakami I,  Schneider H, Higashiyama S, Saitoh Y, Yamakido M, Ta ooka Y, Sheppard D. The integrin a9b1 bind to a no vel recognition sequence (SVVYGLR) in the thrombin-cle aved amino-terminal fragment of osteopontin. J Biol C hem 1999; 274: 36328-36334. Hamada Y, Nokihara K, Okazaki M, Fujitani W, M atsumoto T, Matsuo M, Umakoshi Y, Takahashi J, Matsu ura N. Angiogenic activity of osteopontin- derived pe ptide SVVYGLR. Biochem Biophys Res Commun 2003; 310: 153-157. Hamada Y, Yuki K, Okazaki M, Fujitani W, Matsu moto T, Kobayashi Hashida M, Harutsugu K, Nokihara K , Daito M, Matsuura N, Takahashi J. Osetpontin-derive d peptide SVVYGLR induces angiogenesis in vivo. Dent Mater J 2004; 23: 650-655.

 上述のように、欠損組織を修復するため 生体材料がその機能を十分発揮するために 、欠損組織を再生し、生体材料が生着する けではなく、再生組織における血管新生が 要である。しかし、骨髄組織や歯髄組織の 生を促進するための生体材料として応用す ためには、さらに、組織間質を構成する間 系細胞の増殖を促進できることが望ましい

 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされ ものであり、その目的は、間葉系細胞の増 促進能を有する骨格系生体材料を提供する とにある。

 本発明者らは、上記の課題を解決するた に鋭意検討した結果、血管新生作用に関与 ることが知られているSVVYGLRペプチドが、骨 髄由来間葉系幹細胞、歯髄細胞などの間葉系 細胞に対して増殖を促進する作用を有するこ とを新たに見出し、当該SVVYGLRペプチドを含 する炭酸アパタイト・コラーゲンスポンジ 欠損した骨髄に移植すると、スポンジ領域 おける血管の形成およびスポンジ内部への 葉系細胞の侵入が認められ、骨髄再生用生 材料として有用であることを見出し、本発 を完成させるに至った。

 すなわち、本発明に係る間葉系細胞増殖 進剤は、配列番号1に示されるアミノ酸配列 を有効成分とするペプチドであることを特徴 としている。

 本発明に係る骨格系生体材料は、上記本 明に係る血管新生誘導および間葉系細胞増 促進剤を含むことを特徴としている。当該 格系生体材料は、炭酸アパタイトおよびコ ーゲンの複合体からなるスポンジ状体であ ことが好ましい。また、当該骨格系生体材 は、配列番号1に示されるアミノ酸配列から なるペプチドを有効成分として含有する間葉 系細胞接着促進剤を含むことが好ましい。

 本発明に係る骨髄組織または歯髄組織の 生方法は、上記本発明に係る骨格系生体材 を用いることを特徴としている。

 本発明の他の目的、特徴、および優れた は、以下に示す記載によって十分分かるで ろう。また、本発明の利点は、添付図面を 照した次の説明で明白になるであろう。

SVVYGLRペプチドがヒト骨髄由来間葉系幹 細胞の増殖に及ぼす影響を検討した結果を示 すグラフである。 SVVYGLRペプチドが歯髄細胞の増殖に及ぼ す影響を検討した結果を示すグラフである。 図中(a)はSVVYGLRペプチドを培地に添加し ていない場合の間葉系細胞ペレットの位相差 顕微鏡画像であり、図中(b)はSVVYGLRペプチド 培地に添加した場合の間葉系細胞ペレット 位相差顕微鏡画像である。 位相差顕微鏡で撮影したペレットの面積を画 像解析ソフトを用いて測定した数値(μm 2 )を示すグラフである。 合成炭酸アパタイトのX線回折パターン を示すチャートである。 図中(a)は炭酸アパタイト・コラーゲン ポンジの走査電子顕微鏡画像であり、図中( b)は炭酸アパタイト・コラーゲンスポンジのX 線マイクロコンピューター断層撮影で描出し た3D画像である。 SVVYGLRペプチドを含む炭酸アパタイト・ コラーゲンスポンジを移植した移植片の組織 像であり、図中(a)は低倍率で観察した組織像 、図中(b)は図中(a)のX部分の強拡大像、図中(c )は図中(a)のY部分の強拡大像である。 SVVYGLRペプチドを含まない炭酸アパタイ ト・コラーゲンスポンジを移植した移植片の 組織像であり、図中(a)は低倍率で観察した組 織像、図中(b)は図中(a)のZ部分の強拡大像で る。 SVVYGLRペプチドでコーティングしたプレ ート上に接着したヒト骨髄由来間葉系幹細胞 の細胞数を測定した数値を示すグラフである 。 SVVYGLRペプチドでコーティングしたプ ート上に接着したヒト歯肉線維芽細胞の細 数を測定した数値を示すグラフである。 SVVYGLRペプチドでコーティングしたプ ート上に接着したヒト歯根膜細胞の細胞数 測定した数値を示すグラフである。

 〔間葉系細胞増殖促進剤〕
 本発明に係る間葉系細胞増殖促進剤は、配 番号1に示されるアミノ酸配列、すなわちSer -Val-Val-Tyr-Gly-Leu-Arg(SVVYGLR)の7アミノ酸からな ペプチド(以下、「SVVYGLRペプチド」と記す) 有効成分とするものであればよい。SVVYGLRペ チドは、オステオポンチン中に存在する血 新生作用を有するペプチドとして公知であ が、本発明者らは、後段の実施例に示すよ に当該SVVYGLRペプチドが間葉系細胞の増殖を 促進する作用を有することを確認し、SVVYGLR プチドは間葉系細胞増殖促進剤の有効成分 なることが見出された。

 なお、本発明に係る間葉系細胞増殖促進 は、間葉系細胞の増殖促進作用を有する限 、SVVYGLRペプチドにおいて1または数個のア ノ酸が欠失、置換もしくは付加されたペプ ドを有効成分とするものであってもよい。

 ここで「1または数個のアミノ酸が欠失、 置換もしくは付加された」とは、部位特異的 突然変異誘発法等の公知の変異ペプチド作製 法により欠失、置換もしくは付加できる程度 の数(好ましくは3個、より好ましくは2個、さ らに好ましくは1個)のアミノ酸が欠失、置換 しくは付加されることを意味する。このよ な変異ペプチドは、公知の変異ペプチド作 法により人為的に導入された変異を有する プチドに限定されるものではなく、天然に 在するペプチドを単離精製したものであっ もよい。

 好ましい変異体は、保存性もしくは非保 性アミノ酸置換、欠失、または添加を有す 。好ましくは、サイレント置換、添加、お び欠失であり、特に好ましくは、保存性置 である。これらは、本発明に係るペプチド 性を変化させない。

 また、本発明に係る間葉系細胞増殖促進 の有効成分となるペプチドは、間葉系細胞 増殖促進作用を有する限り、SVVYGLRペプチド に付加的なペプチドを含むものであってもよ い。付加的なペプチドは特に限定されないが 、例えば、ポリアルギニンタグ(Arg-tag)やポリ ヒスチジンタグ(His-tag)やMyc、Flag等のエピト プ標識ペプチドが挙げられる。

 ペプチドが間葉系細胞の増殖促進作用を するか否かは、ペプチドを添加した培養液 用いて培養した間葉系細胞の増殖曲線を、 プチドを添加していない培養液を用いて培 した間葉系細胞の増殖曲線と比較すること より確認できる。

 また、ペプチドは、市販のペプチド合成 を用いる常法により、容易に合成すること できる。具体的には、例えば、Fmoc化学によ る高効率固相法により合成することができる 。また、常法により、遺伝子工学的に製造す ることも可能である。得られたペプチドをHPL C、LCMSなどに供し、質量理論値、単一ピーク 存在などにより目的のペプチドであること 確認できる。

 間葉系細胞は、骨髄あるいは歯髄といっ 結合組織を構成する細胞で、硬組織系細胞 分化できる間葉系幹細胞も含まれる。

 上記SVVYGLRペプチドは、単独で、または生 理緩衝液などの適切な溶媒に溶解した注射液 等の形態で、血管新生誘導および間葉系細胞 の増殖が望まれる組織に局所投与することが できる。手術や外傷により生じた創傷等の近 傍に本発明の間葉系細胞増殖促進剤を、注射 や塗布、噴霧等の方法により局所投与するこ とにより、間葉系細胞の増殖が促進され、創 傷の治癒が促進される。ここで、注射または 塗布若しくは噴霧等に用いるペプチド溶液中 のペプチド濃度は、特に限定されないが、通 常、0.001~10μg/mL程度である。また、投与量は 傷などの大きさや深さにより適宜選択でき が、傷全体がペプチド溶液で被覆される程 がよい。また、傷が治癒するまで、1日~数 毎に1回~数回投与することができる。また、 注射液には、他の消毒剤や消炎鎮痛剤など、 通常、傷の治療薬に含まれる種々の成分を含 んでいてもよい。

 また、SVVYGLRペプチドをキャリアに結合し 、SVVYGLRペプチドが結合されたキャリアを生 に埋め込むことにより間葉系細胞の増殖を 進することもできる。これはキャリアに固 化しているために必要な部位に選択的に作 させることができ、新たなDDS(ドラッグデリ リーシステム)としての可能性に富んでいる 。生体材料移植部に本発明の間葉系細胞増殖 促進剤を、塗布、噴霧等の方法により局所投 与することにより、間葉系細胞の増殖が促進 され、術後の治癒が促進される。ここで、キ ャリアとしては、特に限定されるものではな く、代用骨や代用歯、人工臓器等に用いられ る樹脂や、タンパク質等の生体高分子を挙げ ることができる。樹脂に上記ペプチドを結合 することにより、当該樹脂を生体に埋め込ん だ際に、樹脂と接する周辺組織中での間葉系 細胞の増殖が促進される。また、より好まし い態様として、タンパク質をキャリアとして 用いるができる。

 ここで、キャリアとして用いるタンパク は、生体適合性を有するいずれのタンパク であってもよく、とりわけ、生体組織との 合を良好にするために、細胞接着性タンパ 質であることが好ましい。細胞接着性タン ク質の好ましい例として、コラーゲン(ゼラ チン)、フィブロネクチン、ビトロネクチン よびラミニン、並びにこれらの部分加水分 物を挙げることができるがこれらに限定さ るものではない。なお、これらのタンパク は、アレルゲンを除去した精製タンパク質 あることが、アレルギー反応の防止の観点 ら好ましい。

 キャリアに結合されるペプチドの量は、 に限定されず、適宜選択することができる 、通常、キャリアとペプチドの重量比率(キ ャリア:ペプチド)が100:1~1:1程度であり、好ま くは20:1~5:1程度である。

 キャリアとペプチドとの結合は、共有結 によることが好ましい。結合は、例えばペ チドのN末端のアミノ基と、キャリア中の任 意のアミノ基をグルタルアルデヒド等の結合 架橋剤を用いて結合することにより容易に行 うことができる。また、人工臓器等の樹脂に 結合する場合には、この樹脂中に、アミノ基 等の、ペプチドとの結合に用いることができ る基を含むモノマーを共重合させておき、当 該アミノ基等とペプチドのN末端のアミノ基 結合することができる。また、SVVYGLRペプチ の一端または両端に、任意のアミノ酸配列 有する他のペプチドを結合したものを採用 、この任意のペプチドをキャリアとの結合 供することも好ましい。

 SVVYGLRペプチドを結合したキャリアは、塗 布または噴霧する他にそのままで生体内に埋 め込むことができる。キャリアとして、細胞 接着性タンパク質を採用した場合には、SVVYGL Rペプチド結合キャリアは、縫合糸、各種整 手術材料、傷口の癒着促進剤等として単独 たは他の薬効成分とともに用いることがで る。

 〔間葉系細胞接着促進剤〕
 本発明に係る間葉系細胞接着促進剤は、配 番号1に示されるアミノ酸配列、すなわちSer -Val-Val-Tyr-Gly-Leu-Arg(SVVYGLR)の7アミノ酸からな ペプチド(以下、「SVVYGLRペプチド」と記す) 有効成分とするものであればよい。本発明 らは、後段の実施例に示すように当該SVVYGLR プチドが間葉系細胞の接着を促進する作用 有することを確認し、SVVYGLRペプチドは間葉 系細胞接着促進剤の有効成分となることが見 出された。

 なお、本発明に係る間葉系細胞接着促進 は、間葉系細胞の接着促進作用を有する限 、SVVYGLRペプチドにおいて1または数個のア ノ酸が欠失、置換もしくは付加されたペプ ドを有効成分とするものであってもよい。 た、本発明に係る間葉系細胞接着促進剤の 効成分となるペプチドは、間葉系細胞の接 促進作用を有する限り、SVVYGLRペプチドに付 的なペプチドを含むものであってもよい。 加的なペプチドは特に限定されないが、例 ば、ポリアルギニンタグ(Arg-tag)やポリヒス ジンタグ(His-tag)やMyc、Flag等のエピトープ標 識ペプチドが挙げられる。なお、本明細書中 に記載の方法に従えば、当業者は、作成した ペプチドが間葉系細胞の接着促進作用を有す るか否かを容易に確認できる。また、ペプチ ドは、上述したいずれかの方法によって合成 することができる。

 上記SVVYGLRペプチドは、単独で、または生 理緩衝液などの適切な溶媒に溶解した注射液 等の形態で、間葉系細胞の接着が望まれる組 織に局所投与することができる。手術や外傷 により生じた創傷等の近傍に本発明の間葉系 細胞接着促進剤を、注射や塗布、噴霧等の方 法により局所投与することにより、間葉系細 胞の接着が促進され、創傷の治癒が促進され る。ここで、注射または塗布若しくは噴霧等 に用いるペプチド溶液中のペプチド濃度は、 上記の〔間葉系細胞増殖促進剤〕の項で説明 したものと同様である。

 また、SVVYGLRペプチドをキャリアに結合し 、SVVYGLRペプチドが結合されたキャリアを生 に埋め込むことにより間葉系細胞の接着を 進することもできる。生体材料移植部に本 明の間葉系細胞接着促進剤を、塗布、噴霧 の方法により局所投与することにより、間 系細胞の接着が促進され、術後の治癒が促 される。ここで、キャリアとして好ましい 質、キャリアに結合されるペプチドの量、 ャリアの使用例については、上記の〔間葉 細胞増殖促進剤〕の項で説明したものと同 である。

 〔骨格系生体材料〕
 本発明に係る骨格系生体材料は、上記本発 に係る間葉系細胞増殖促進剤を含むもので ればよい。したがって、公知の骨格系生体 料に適切な方法でSVVYGLRペプチドを結合させ たものが、本発明に係る骨格系生体材料とし て好適である。なかでも、炭酸アパタイトお よびコラーゲンの複合体からなるスポンジ状 体の骨格系生体材料にSVVYGLRペプチドを結合 せたものが特に好ましい。

 また、本発明に係る骨格系生体材料は、 記本発明に係る間葉系細胞接着促進剤をさ に含んでいてもよい。この場合、SVVYGLRペプ チドが間葉系細胞増殖促進剤の有効成分と間 葉系細胞接着促進剤の有効成分とを兼ねてい る。したがって、SVVYGLRペプチドを結合させ 骨格系生体材料が、間葉系細胞増殖作用お び間葉系細胞接着促進作用を有する。

 炭酸アパタイトおよびコラーゲンの複合 からなるスポンジ状体の骨格系生体材料は 例えば以下のようにして作製することがで る。

 用いる炭酸アパタイトとしては、一般式;Ca 10-X (PO 4 ) 6-Y (CO 3 ) Y (OH) 2-Z 、ただし、0≦X≦3~5、0≦Y≦2~4、0≦Z≦1~2で表 されるものであり、その合成方法と炭酸アパ タイトについては、各種論文(例えば非特許 献2)に報告されている。例えば、本発明者ら は、後段の実施例3に記載の方法で炭酸アパ イトを合成している。

 コラーゲンとしては、特に制限はなく、 販されているいずれのコラーゲンでも用い ことができる。ただし、市販のコラーゲン なかには純度が低く、アレルゲンが含まれ おり、品質の再現性も劣るものがあるので このようなコラーゲンは臨床適用には好ま くない。動物由来のコラーゲンを部分加水 解し、アレルゲンを除去したゼラチンが臨 用途のために市販されているので、このよ な精製されたコラーゲンまたはその部分加 分解物を用いることが好ましい。

 スポンジ状体は、コラーゲンを酸性水溶 (例えば、塩酸水溶液、リン酸水溶液)に溶 し、コラーゲン溶液および炭酸アパタイト 混合し、凍結乾燥することにより作製でき 。なお、コラーゲン溶液は炭酸アパタイト 混合する前または後に中和処理(例えば、NaOH 水溶液を添加)を行い、好ましくは当該溶液 pHを7~9の範囲内にする。また、コラーゲン溶 液と炭酸アパタイトの混合割合は、通常、コ ラーゲン溶液1gに対して炭酸アパタイト0.001~0 .01g、好ましくは0.003~0.01gである。

 炭酸アパタイトを混合したコラーゲン溶 にさらに有機溶媒を添加してもよい。添加 る有機溶媒は混合物の粘度を低下させ得る のであれば特に制限はないが、アルコール 有機溶媒が好ましく、中でもエタノールが ましい。なお、炭酸アパタイトを混合する のコラーゲン溶液に有機溶媒を添加しても い。有機溶媒の添加量は、通常、コラーゲ 溶液1gに対して0.01~0.5g、好ましくは0.1~0.3gで ある。また、有機溶媒の添加量は、添加後の 混合物の粘度が100~5000mPa・sの範囲内になる量 であることが好ましい。

 凍結乾燥は、コラーゲン/炭酸アパタイト 混合物を適当な容器等に入れ、市販の凍結乾 燥機を用いて行うことができる。

 炭酸アパタイトおよびコラーゲンの複合 からなるスポンジ状体(以下、「炭酸アパタ イト・コラーゲンスポンジ」と記す。)にSVVYG LRペプチドを含有させる方法としては、上述 方法により得られた炭酸アパタイト・コラ ゲンスポンジをSVVYGLRペプチド溶液に浸漬し て、スポンジ表面にSVVYGLRペプチドを付着さ る方法を挙げることができる。この場合、SV VYGLRペプチド溶液の濃度としては、10ng/ml~10μg /mlが好ましい。

 また、上記の〔間葉系細胞増殖促進剤〕 項で説明したように、SVVYGLRペプチドを予め キャリアタンパク質としてのコラーゲンに結 合させておき、SVVYGLRペプチド含有コラーゲ を用いて上述のように炭酸アパタイト・コ ーゲンスポンジを作製する方法を挙げるこ ができる。

 以上のようにして作製された本発明に係 骨格系生体材料は骨髄疾患や外傷により損 した骨髄の再生、および生活歯髄切断法後 歯髄再生に好適に用いることができる。つ り、修復しようとする骨髄損傷部位、また 、切断した歯髄部位に、本発明に係る骨格 生体材料を移植することにより、骨髄また 歯髄を再生し修復することが可能となる。

 〔骨髄組織または歯髄組織の再生方法〕
 本発明に係る骨髄組織または歯髄組織の再 方法は、上記本発明に係る骨格系生体材料 用いるものであればよい。本方法において 、SVVYGLRペプチド含有炭酸アパタイト・コラ ーゲンスポンジを再生・修復したい骨髄損傷 部位や歯髄切断部位に適用すればよい。

 なお、発明を実施するための最良の形態 項においてなした具体的な実施態様および 下の実施例は、あくまでも、本発明の技術 容を明らかにするものであって、そのよう 具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべ ものではなく、当業者は、本発明の精神お び添付の特許請求の範囲内で変更して実施 ることができる。

 また、本明細書中に記載された学術文献 よび特許文献の全てが、本明細書中におい 参考として援用される。

 〔実施例1:SVVYGLRペプチドが間葉系細胞の増 能に及ぼす影響〕
 SVVYGLRペプチドが骨髄および歯髄の組織間質 に存在する間葉系細胞の増殖能に及ぼす影響 をin vitroの実験系で検討した。

 骨髄組織間質の間葉系細胞には、ヒト骨 由来間葉系幹細胞(Cambrex BioScience社)を購入 て用いた。また、歯髄組織の主体を成す間 系細胞である「歯髄細胞」を、Nakamura Hら 方法(J Dent Res. 84: 515-520: 2005)に従い、Sprag ue-Dawleyラット(8週齢雄)の下顎切歯より分離培 養し、実験に用いた。

 これらの細胞を96穴培養プレート中に5,000 個/wellで播種し、SVVYGLRペプチド存在下(0~100ng/ ml)における細胞数をWST-1 Cell Counting Kit(同仁 化学)を用いて測定した。培地は1日おきに交 した。

 なお、SVVYGLRペプチドはPSSM-8ペプチド合成 装置(島津製作所製)を用いて、Fmoc法による固 相合成(固相担体:PEG-PS)で合成した。ペプチド 鎖合成後、樹脂に結合したペプチドを切り離 すために側鎖保護を除いた。得られたペプチ ドはHPLC(島津製作所製)により、純粋なSVVYGLR プチドであることを確認した。

 ヒト骨髄由来間葉系幹細胞の結果を図1に 示した。図1において、各群はn=6であり、平 値±SDを表している。図1から明らかなように 、10~100ng/mlのSVVYGLRペプチド存在下で培養した ヒト骨髄由来間葉系幹細胞の細胞数は、非存 在下(0ng/ml)で培養した対照群と比較して4日目 以降に有意に増加した(P<0.01)。

 歯髄細胞の結果を図2に示した。図2にお て、各群はn=6であり、平均値±SDを表してい 。図2から明らかなように、10~100ng/mlのSVVYGLR ペプチド存在下で培養した歯髄細胞の細胞数 は、非存在下(0ng/ml)で培養した対照群と比較 て10日目以降に有意に増加した(P<0.01)。

 これらの結果から、SVVYGLRペプチドはヒト 骨髄由来間葉系幹細胞および歯髄細胞の増殖 を濃度依存的に促進することが明らかとなっ た。

 〔実施例2:SVVYGLRペプチドが間葉系細胞の立 的増殖に及ぼす影響〕
 骨髄の間質に存在する間葉系細胞が長期間 かけて立体的に増殖凝集する際にSVVYGLRペプ チドが及ぼす影響をペレット培養実験により 検討した。

 Sprague-Dawleyラット(8週齢雄)の大腿骨骨髄 り間葉系細胞を分離培養し、Tsutsumi Sらの方 法(Biochem Biophys Res Commun.288:413-419:2001)に従っ て50,000個の細胞からペレット培養を行った。 培養には、α-MEM(high glucose:ナカライテスク) dexamethasone(100nM,Sigma-Aldrich)、ascorbic acid(50μg/m l,Sigma-Aldrich)、ITS+ premix(100倍希釈,BD Biosciences )、recombinant human transforming growth factor-β1(10n g/ml,PeproTech EC)を添加した培地を用いた。こ 培地に100ng/mlのSVVYGLRペプチドを添加して26日 間培養した。培地は1日おきに交換した。

 ペレットを回収し、10%リン酸緩衝ホルマ ン溶液で4℃、3時間、固定した。PBS(pH7.4)で 浄した後、ペレットを培養プレートのPBS中 浸漬し、位相差顕微鏡下で撮影した。撮影 たペレットの面積を画像解析ソフトImageJ ve r.1.33u(National Institute of health,USA)を用いて測 した。

 結果を図3および図4に示した。図3(a)はSVVYGLR ペプチドを培地に添加していない場合のペレ ットの位相差顕微鏡画像であり、図3(b)はSVVYG LRペプチドを培地に添加した場合のペレット 位相差顕微鏡画像である。両者を比較する 、明らかに(b)のほうが大きいことがわかる 図4は位相差顕微鏡で撮影したペレットの面 積を上記画像解析ソフトを用いて測定した数 値(μm 2 )を示すグラフである。両群のそれぞれ3個の レットを測定し、その平均値±SDを示してい る。図4から明らかなように、SVVYGLRペプチド 培地に添加した場合のペレットの大きさは 対照群の約1.5倍の大きさであった。

 これらのペレットの切片を作製しトルイ ンブルー染色にて観察した結果、トルイジ ブルーに特異的な染色像は見られず、細胞 自体の増加が観察された。したがって、こ ペレットの大きさの増加は、細胞がペレッ 内に産生した細胞外基質(酸性ムコ多糖)量 原因ではなく、細胞自身の増殖亢進に起因 ていることが確認された。以上の結果からSV VYGLRペプチドは、ペレット状態で長期間培養 た間葉系細胞の増殖を促進する可能性が示 された。

 〔実施例3:SVVYGLRペプチド含有炭酸アパタイ ・コラーゲンスポンジの作製〕
 炭酸アパタイト合成は、温度60±1℃、pH7.4±0 .2で行った。1.3mol/L酢酸バッファー1Lに、100mmo l/L Ca(CH 3 COO) 2 H 2 O溶液0.5Lと、60mmol/L (NH 4 ) 2 CO 3 を含む60mmol/L NH 4 H 2 PO 4 溶液0.5Lとを、攪拌しながら添加した。3時間 拌を続けた後、25℃で24時間静置した。炭酸 アパタイトは、ろ過によって分離し、蒸留水 で洗浄後、60℃で乾燥することにより得た。

 得られた合成炭酸アパタイトのX線回折を 、X線回折装置(DX1、島津製作所製)を用いて行 った。図5に合成炭酸アパタイトのX線回折パ ーンを示した。高度に結晶化したパターン 持つヒドロキシアパタイトと比較すると、 成炭酸アパタイトは低結晶化アパタイトパ ーンを有し、ヒトの骨のパターンと類似し いることがわかる。

 0.5wt%コラーゲン溶液(牛皮膚由来コラーゲ ン、(株)高研製)は、予め抗原性を最小化する ために酵素処理を施したものを用いた。0.05N NaOHで中和した後、直ちに70%(w/w)炭酸アパタ ト(乾燥重量)と混和した。ゲルを96穴プレー に分注し、-80℃で2時間凍結した後、凍結乾 燥機(Eyela製)で24時間乾燥した。不溶性にする ため、紫外線ランプ(10W、253.7nm)を10cmの距離 ら4時間照射した。6mm×10mmの円筒状の炭酸ア タイト・コラーゲンスポンジが得られた。

 走査電子顕微鏡(S-4100システム、日立製) 観察した画像を図6(a)に示した。また、X線マ イクロコンピューター断層撮影(X-ray micro-comp uted tomography)で描出した3D画像を図6(b)に示し 。なお、X線マイクロコンピューター断層撮 影には、SkyScan製のmicro CT 1072を用いた。

 図6(a)および(b)より、約50~300μmのサイズの 孔がスポンジの奥深くまで連続していた。凝 固した炭酸アパタイト結晶は、炭酸アパタイ ト・コラーゲンスポンジのfibrous ribbons of co llagen(コラーゲン線維帯)と共に観察された。

 炭酸アパタイト・コラーゲンスポンジを1 00ng/mlのSVVYGLRペプチド溶液に浸漬することに り、SVVYGLRペプチド含有炭酸アパタイト・コ ラーゲンスポンジを作製した。

 別途、SVVYGLRペプチドをコラーゲンに架橋 させた後、SVVYGLRペプチド含有コラーゲンと 酸アパタイトとを上述のとおり混和し凍結 燥してSVVYGLRペプチド含有炭酸アパタイト・ ラーゲンスポンジを作製した。

 具体的には、SVVYGLRペプチド含有コラーゲ ンを以下のようにして作製した。すなわち、 2架橋剤のGMBSを、コラーゲンに対して10等量 割合でPBS中、4℃にて2時間反応させた後、ゲ ルろ過カラムで未反応のGMBSを除去した。続 て、コラーゲンに対して等量のSVVYGLRペプチ を、室温で5時間反応させた。酢酸塩の形で 使用するため、脱塩カラムにて酢酸塩に置換 した。得られたSVVYGLRペプチド含有コラーゲ では、SVVYGLRペプチド:コラーゲンの重量比は 、約1:4であった。

 〔実施例4:SVVYGLRペプチドを含む炭酸アパタ ト・コラーゲンスポンジの移植〕
 4週齢のSPF/VAF Crl;CD(SD)系雄性ラット(日本チ ールス・リバー)を用いた。ラットにペント バルビタール(50mg/kg)麻酔下、UV照射したSVVYGLR ペプチド含有炭酸アパタイト・コラーゲンス ポンジを脛骨の骨髄中に外科的に埋め込んだ 。具体的には、ドリルを用いて、脛骨に骨髄 が露出しないように3×7mmの穴を開け、骨ノミ で骨髄を露出させた。骨髄単層を捨て、移植 片を配置するスペースを作った。なお、SVVYGL Rペプチドを含有しない炭酸アパタイト・コ ーゲンスポンジを移植したラットを対照群 した。

 移植後1週間目にラットを安楽死させ、移 植片を周囲の組織とともに摘出した。切片は 直ちにアセトン-ドライアイス中でOTCコンパ ンド(Tissue Tek製)を用いて包埋した。

 第VIII因子(フォンビルブラント因子)に対 るポリクローナル抗体(Dako製)を一次抗体と て用いた。厚さ6μm凍結切片を10%リン酸緩衝 ホルマリンで10分間固定した後、1:400に希釈 た一次抗体を切片上に載せて4℃で14時間反 させた。0.1%のtween-20を含むTris-HCl緩衝液でリ ンスし、ビオチン化抗ウサギ免疫グロブリン (Amersham製)で、室温にて30分間処理した。リン スした後、アルカリホスファターゼ標識スト レプトアビジン(Dako製)を反応させた。アルカ リホスファターゼ活性は、new fuchsin中で視覚 化した。ヘマトキシリンで核を対比染色した 。また、別途凍結切片をヘマトキシリン-エ ジン染色した。

 図7(a)、(b)、(c)にSVVYGLRペプチドを含む炭 アパタイト・コラーゲンスポンジを移植し 移植片の組織像を示した。図7(a)のX部分の拡 大像が(b)であり、図7(a)のY部分の拡大像が(c) ある。なお、X部分は骨髄との境界に近い炭 酸アパタイト・コラーゲンスポンジ領域、Y 分は骨梁部分である。

 図7(b)では、矢印で示した第VIII因子染色 位に代表されるように、第VIII因子陽性の血 内皮細胞により形成された多数の血管像が 明に観察された。さらに、血管内皮細胞は 酸アパタイト・コラーゲンスポンジ内部方 への侵入が認められた。また、多数の間葉 細胞が炭酸アパタイト・コラーゲンスポン 内部で観察された。図7(c)では、骨梁に第VII I因子陽性の血管内皮細胞により構成された ヴァース管が認められた。

 移植された炭酸アパタイト・コラーゲン ポンジは、術後1週間では吸収や分解されず 、多孔体として存在していることが確認され た。

 図8(a)、(b)に、対照のSVVYGLRペプチドを含 ない炭酸アパタイト・コラーゲンスポンジ 移植した移植片の組織像を示した。図8(a)のZ 部分の拡大像が(b)であり、Z部分は骨髄との 界に近い炭酸アパタイト・コラーゲンスポ ジ領域である。

 図8では、第VIII因子陽性の細胞はほとん 観察されず、(b)の移植片と骨髄との境界領 にのみ血管は確認された。また、間葉系細 は移植片多孔体内部でほとんど確認できな った。

 〔実施例5:SVVYGLRペプチドが間葉系細胞の接 能に及ぼす影響〕
 SVVYGLRペプチドが間葉系細胞の接着能に及ぼ す影響を検討した。間葉系細胞には、ヒト骨 髄由来間葉系幹細胞(研究用ヒト間葉系幹細 :RIKEN CELL BANKより提供)、ヒト歯肉線維芽細 (定法に従ってヒト歯肉より分離培養)およ ヒト歯根膜細胞(正常ヒト歯根膜線維芽細胞: 三光純薬より購入)を用いた。

 これらの細胞を培養する96穴浮遊細胞用 イクロプレート(旭テクノグラス社製)に、合 成SVVYGLRペプチドを0~100μg/mlの濃度で添加し、 37℃で2時間静置した後、リン酸緩衝液(PBS:Sigm a社製)で2回洗浄することによって、コーティ ングプレートを作製した。なお、SVVYGLRペプ ドは、上記〔実施例1〕に示す方法によって 成した。

 Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium(DMEM:ナカラ テスク)に懸濁したヒト骨髄由来間葉系幹細 、ヒト歯肉線維芽細胞およびヒト歯根膜細 を、SVVYGLRペプチドでコーティングしたコー ティングプレートに、それぞれ1ウェルあた 20,000個添加した。細胞を添加したコーティ グプレートを37℃のCO 2 インキュベーター(5%CO 2 )内で30分間インキュベートした後、PBSで2回 浄し、非付着細胞を取り除いた。

 コーティングプレート上に付着した細胞 0.1%クリスタルバイオレット(Wako社製)で10分 染色した後、PBSで3回洗浄した。各ウェルに 20%TritonX(Sigma社製)を添加し、48時間後に吸光 計(BioRadモデル680)を用いて波長550nmの吸光度 測定した(参照波長630nm)。

 コーティングプレートに接着した細胞数 細胞毎に評価した結果を図9~11に示した。図 9~11において、各群はn=8であり、平均値±SDを している。図9はヒト骨髄由来間葉系細胞の 結果を示しており、図9から明らかなように 0.01~100μg/mlのSVVYGLRペプチドでコーティング れたプレート上に接着したヒト骨髄由来間 系細胞の細胞数は、SVVYGLRペプチドでコーテ ングされていない(0μg/ml)プレート上に接着 た対照群と比較して濃度依存的に有意に増 した(P<0.01)。

 また、図10および11は、それぞれヒト歯肉 線維芽細胞およびヒト歯根膜細胞の結果を示 しており、図10および11から明らかなように 0.01~100μg/mlのSVVYGLRペプチドでコーティング れたプレート上に接着したヒト歯肉線維芽 胞およびヒト歯根膜細胞の細胞数は、それ れSVVYGLRペプチドでコーティングされていな (0μg/ml)プレート上に接着した対照群と比較 て濃度依存的に有意に増加した(P<0.01)。

 これらの結果から、SVVYGLRペプチドはヒト 骨髄由来間葉系幹細胞、ヒト歯肉線維芽細胞 およびヒト歯根膜細胞の接着を濃度依存的に 促進することが明らかとなった。また、上述 した炭酸アパタイト・コラーゲンスポンジの ような生体材料にSVVYGLRペプチドをコーティ グし、これを生体内に移植することによっ 、生体内において間葉系細胞の接着を促進 得ることが示唆される。

 本発明の血管新生誘導および間葉系細胞 殖促進剤は、間葉系組織の修復に有効に利 できる。特に、骨格系生体材料に含有させ ことにより、骨髄疾患や生活歯髄切断法後 歯髄再生に用いられる非常に有用なツール 提供できる。

 また、本発明の間葉系細胞増殖促進剤の 効成分は7個のアミノ酸から構成されるペプ チドであるので、分子量の大きいタンパク質 と比較して抗原性の観点から副作用が起こり 難く安全であり、代謝が容易であるという利 点を有している。さらに、タンパク質は組換 えタンパク質や抽出タンパク質として製造す る必要があるため、感染症や予期し得ない副 作用の発生などの問題を孕んでいるが、ペプ チドは高効率な合成方法が確立されており、 製造コストおよび安全性の点からも好ましい 。

 本発明により、国民のQOLの向上と医療費 削減を実現できるという効果を奏する。

 発明の詳細な説明の項においてなされた 体的な実施形態または実施例は、あくまで 、本発明の技術内容を明らかにするもので って、そのような具体例にのみ限定して狭 に解釈されるべきものではなく、本発明の 神と次に記載する請求の範囲内で、いろい と変更して実施することができるものであ 。

 本発明は、人工骨髄、人工歯髄として非 に有用であり、医薬品産業や医療機器産業 利用可能である。




 
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