Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METAL COVERED POLYIMIDE COMPOSITE, PROCESS FOR PRODUCING THE COMPOSITE, AND APPARATUS FOR PRODUCING THE COMPOSITE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/050970
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a metal covered polyimide composite, which can effectively prevent separation in an adhesive-free flexible laminate (particularly a two-layer flexible laminate), particularly can effectively suppress separation from the interface of a copper layer and a tin plating, and a process for producing the composite and an apparatus for producing the composite. The metal covered polyimide composite comprises a polyimide film, a tie-coat layer and a metal seed layer formed on a surface of the polyimide film by electroless plating or a drying method, and a copper layer or a copper alloy layer formed thereon by electroplating. The metal covered polyimide composite is characterized in that the copper plating layer or the copper alloy plating layer comprises three to one copper or copper alloy layer.

Inventors:
KOHIKI MICHIYA (JP)
MICHISHITA NAONORI (JP)
MAKINO NOBUHITO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/066644
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
September 16, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NIPPON MINING CO (JP)
KOHIKI MICHIYA (JP)
MICHISHITA NAONORI (JP)
MAKINO NOBUHITO (JP)
International Classes:
C25D7/00; B32B15/088; C23C28/02; C25D5/56; C25D7/06; H05K3/38
Foreign References:
JP2007204848A2007-08-16
JP2002252257A2002-09-06
JP2007246962A2007-09-27
JP2005210058A2005-08-04
Attorney, Agent or Firm:
OGOSHI, Isamu (Daini-Toranomon Denki Bldg. 5F,3-1-10 Toranomon, Minato-ku, Tokyo 01, JP)
Download PDF:
Claims:
 ポリイミドフィルムの表面に無電解めっき又は乾式法により形成されたタイコート層および金属シード層と、さらにその上に電気めっきにより形成された銅又は銅合金層を有する金属被覆ポリイミド複合体において、前記銅又は銅合金めっき層は3層~1層の銅又は銅合金層を備えていることを特徴とする金属被覆ポリイミド複合体。
 前記タイコート層が、ニッケル、クロム、コバルト、ニッケル合金、クロム合金、コバルト合金のいずれか1種からなり、前記金属シード層が銅または銅合金であることを特徴とする請求項1記載の金属被覆ポリイミド複合体。
 ポリイミドフィルムの表面に無電解めっき又は乾式法によりタイコート層および金属シード層を形成した後、さらにその上に、3~1層の銅又は銅合金からなる電気めっき層を形成することを特徴とする金属被覆ポリイミド複合体の製造方法。
 ポリイミドフィルムの表面に無電解めっき又は乾式法によりタイコート層および金属シード層を形成した後、めっき用ドラムに前記のタイコート層および金属シード層を形成したポリイミドフィルムを周回させて電気めっきを行う際に、電気めっきゾーンを1~4ゾーンとして、銅又は銅合金の電気めっき層を形成することを特徴とする請求項3記載の金属被覆ポリイミド複合体の製造方法。
 請求項1に記載した金属被覆ポリイミド複合体を用いて、エッチングにより、銅又は銅合金の回路を形成した後、同銅又は銅合金の回路に、錫めっきを施すことを特徴とする電子回路基板の製造方法。
 電気めっきを1~2槽で行うことを特徴とする請求項3~6のいずれか一項に記載の金属被覆ポリイミド複合体の製造方法。
 電気めっき槽、電気めっき槽に一部を浸漬させためっき用ドラム、めっき用ドラムに、表面に無電解めっき又は乾式法によりタイコート層および金属シード層を形成した被めっきポリイミドフィルムを周回させる装置、前記タイコート層および金属シード層を形成したポリイミドフィルムのめっき面に電流を供給する装置、ドラムに対向させて1又は複数のアノードを設置し、めっきゾーンを1~4ゾーンとしたことを特徴とする金属被覆ポリイミド複合体の製造装置。
 電気めっき槽を2槽とし、めっきゾーンを2~4ゾーンとしたことを特徴とする請求項7記載の金属被覆ポリイミド複合体の製造装置。
 電気めっき槽層を1槽とし、めっきゾーンを1~2ゾーンとしたことを特徴とする請求項8記載の金属被覆ポリイミド複合体の製造装置。
Description:
金属被覆ポリイミド複合体、同 合体の製造方法及び同複合体の製造装置

 本発明は、フレキシブルプリント基板、T AB、COF(Chip on Film)等の電子部品の実装素材と して用いられる金属被覆ポリイミド複合体、 同複合体の製造方法及び同複合体の製造装置 に関する。

 ポリイミドフィルムに主として銅からな 金属導体層を積層したFCCL(Flexible Copper Clad Laminate)は電子産業における回路基板の素材 して広く用いられている。中でも、ポリイ ドフィルムと金属層との間に接着剤層を有 ない無接着剤フレキシブルラミネート(特に 二層フレキシブル積層体)は回路配線幅のフ ァインピッチ化に伴い注目されている。

 無接着剤フレキシブルラミネート、特にフ インピッチに対応した無接着剤フレキシブ ラミネートの製造方法としては、ポリイミ フィルム上にスパッタリング、CVD、蒸着な の乾式法により、ポリイミドとの接着が良 な材料から構成されるタイコート層および 工程の電気メッキにおけるカソード兼電流 導電体として働く金属シード層を予め形成 、次いで電気めっきにより回路基板の導体 となる金属層を製膜する、いわゆるメタラ ジング法が主に行われている(特許文献1参 )。
 このメタライジング法においては、金属層 ポリイミドフィルムとの密着力を高めるた に、金属層を形成するに先立ち、ポリイミ フィルム表面をプラズマ処理により、表面 汚染物質の除去ならびに表面粗さの向上を 的として改質を行うことが行われている(特 許文献2及び特許文献3参照)。

 一般に、ポリイミドフィルム上にスパッタ ングなどの乾式法により金属層を予め形成 る際には、中間層の材料の選択により密着 やエッチング性を改良する工夫がなされて る(特許文献4参照)
 また、ポリイミドフィルムの表面を化学的 エッチングして表面を粗化し、そこに下地 とさらにその上に銅の蒸着層を形成するTAB FPCに使用する金属膜付のポリイミドフィル の提案がなされている(特許文献5参照)。

 金属被覆ポリイミド複合体は、COF(Chip on Fi lm)等の電子部品の実装素材として使用する場 合に、ポリイミド上の金属層を部分的に除去 して回路パターンを作製
した後、回路パターンを形成している銅層の 上にさらに錫めっきが施され、更に錫めっき 層上には、ソルダーレジスト、樹脂封止等の 処理が施されるが、この錫めっき層が剥離す るという問題を生じる。この剥離は、電気メ ッキによる銅層と錫めっき層との間に生じる カーケンダルボイド(空隙)が大きな原因の一 である。カーケンダルボイドについては、 に詳しく説明する。
 電気メッキ銅層は通常、複数の電解槽によ 形成されるが、電解槽と電解槽の間では当 、銅層の電気めっき電流条件が大きく変動 る。電気めっき電流条件が大きく変動する 分は、銅結晶粒、不純物の取り込み等が、 の部分と異なるために銅メッキ層中の境界 なる。カーケンダルボイドはこの銅めっき 境界と錫メッキ層とが近接する部分に特に 生するので、多槽の電気めっき槽を使用し めっきする場合には、少なくとも電気めっ 槽の数に相当する数のカーケンダルボイド 発生することになる。

 このような問題を解決する方法として、複 の電解槽によって形成される銅メッキ被膜 おいて、表層から少なくとも錫メッキ層の3 倍までの領域を同一の電解槽で銅層を形成す るという提案がなされている(特許文献6参照) 。そして、この特許文献6では、剥離原因が ーケンダルボイドであるという分析をして る。
 しかし、この場合、銅めっきの最上層部そ 上に被覆された錫だけの問題として捉えて る。しかしながら、銅の回路を形成し、錫 を被覆した場合には、銅の最上層だけでな 、側面にも錫層の被覆が成される。また、 述のように、同一の電解槽であっても銅層 界は発生し得るため十分な解決とは言えな 。
 したがって、そのときに発生する多層から る銅層(特許文献6の実施例では9層)と錫層と の接合界面に発生するカーケンダルボイドの 問題を解決していない。また、最上層のみが 厚い銅層は、それだけ他の銅層を薄くせざる を得ないので、銅層のバランスが崩れるとい う問題がある。

 以上から、多数の電気めっき槽を必要とす つづらおり式の電気めっきは好ましくなく 電気めっき槽の数をできるだけ減らすこと 好ましい。少ない電気めっき槽で同じ所望 さのめっき銅層を得るためには、めっき電 密度を上げる必要があり、ドラム式電気め き法が有効である。ドラム式電気めっき法 、無電解めっき又は乾式法によりタイコー 層および金属シード層を形成したポリイミ フィルムを、電槽に浸漬したドラム表面に 回させて、その表面に銅めっきを行う方法 あり、カソードとなるフィルムの走行中の りやブレ等の外乱を受けずにアノードとカ ードの間の距離を近づけ、かつ常に一定に 御できることから、電流密度を高くするこ が可能である。またアノードとカソードの 離を近づけることでめっき電解液の流速を げることが容易であることも、電流密度を くする上で効果的である。したがって、ド ム式電気めっき法はカーケンダルボイドを 少させるために有効である。
 しかし、このドラム式電気めっき法にも問 がある。電気メッキの電着速度を上げるた には電流密度を上げる必要があるが、電気 ッキ開始の初期においてはポリイミド表面 形成した金属シード層は、その厚さが限ら ていることから大電流に耐えられない。そ ために、ドラムに対向するように設置した ノードを複数のゾーンに分割し(めっきゾー ン)、各々のゾーンへの電流密度を独立に制 することが行われる。
 その結果、アノードへの給電量(電流量)が わる毎に、異なる銅めっき層が形成され、 の銅めっき層境界にカーケンダルボイドが 生する。従来は、生産効率を考慮して、ア ードを数多く配置し、4ゾーン以上の給電方 を採っているので、銅層は4個以上になって いる。

 また、ドラムに被めっき材を周回させ、対 する位置にアノードを設けてめっきを行う に、1個のアノードとめっきドラムとの間隔 を、めっきの領域ごとに異なるようにし、又 はサイズの異なるメッシュをアノードとめっ きドラムの間に配置する提案がなされている (特許文献7参照)。これは一見、めっき槽を減 少させることにより、カーケンダルボイドの 発生を抑制できるかに見える。
 しかし、このアイデアは、アノード毎に電 密度を制御することが面倒なので、1個のア ノードとした程度のことで、非現実的な発想 である。というのは、給液方法が不明である 上に、いかなる給液方法をとるにせよ、メッ シュ等を配置すると、めっき液の流速が乱れ 、均一な流速を確保できないからである。す なわち、特許文献1では、メッシュ等が障害 なって、めっき液の流速コントロールがで ず、ドラム回転軸に平行な方向での電着量 均一性を確保することが難しい。このアイ アはカーケンダルボイド以前の問題、すな ち、めっきの均一性にかかわる問題を有す ものであり、非現実的手法と言える。また この技術では、カーケンダルボイドの問題 認識すらない。

 以上から、従来技術には、銅層と錫層の間 発生するカーケンダルボイドの問題を根本 に解決する手法がないと言える。

特許第3258296号公報

特許第3173511号公報

特表2003-519901号公報

特開平6-120630号公報

特開平6-210794号公報

特開2007-214519号公報

特開2007-204848号公報

 本願発明は、無接着剤フレキシブルラミ ート(特に、二層フレキシブル積層体)にお る剥離防止、特に銅層と錫めっきの界面か 剥離するのを効果的に抑制できる金属被覆 リイミド複合体、同複合体の製造方法及び 複合体の製造装置を提供することを課題と るものである。

 上記の課題に鑑み、本発明は以下の発明を 供するものである。
1)ポリイミドフィルムの表面に無電解めっき は乾式法により形成されたタイコート層お び金属シード層と、さらにその上に電気め きにより形成された銅又は銅合金層を有す 金属被覆ポリイミド複合体において、前記 又は銅合金めっき層は3層~1層の銅又は銅合 層を備えていることを特徴とする金属被覆 リイミド複合体。
2)前記タイコート層が、ニッケル、クロム、 バルト、ニッケル合金、クロム合金、コバ ト合金のいずれか1種からなり、前記金属シ ード層が銅または銅合金であることを特徴と する上記1)記載の金属被覆ポリイミド複合体

 また、本願発明は、
3)ポリイミドフィルムの表面に無電解めっき は乾式法によりタイコート層および金属シ ド層を形成した後、さらにその上に、3~1層 銅又は銅合金からなる電気めっき層を形成 ることを特徴とする金属被覆ポリイミド複 体の製造方法。
4)ポリイミドフィルムの表面に無電解めっき は乾式法によりタイコート層および金属シ ド層を形成した後、めっき用ドラムに前記 タイコート層および金属シード層を形成し ポリイミドフィルムを周回させて電気めっ を行う際に、電気めっきゾーンを1~4ゾーン して、銅又は銅合金の電気めっき層を形成 ることを特徴とする上記3)記載の金属被覆 リイミド複合体の製造方法
5)上記1の)金属被覆ポリイミド複合体を用い 、エッチングにより、銅又は銅合金の回路 形成した後、同銅又は銅合金の回路に、錫 っきを施すことを特徴とする電子回路基板 製造方法
6)電気めっきを1~2槽で行うことを特徴とする 記3)~6)のいずれか一項に記載の金属被覆ポ イミド複合体の製造方法、を提供する。

 さらに、本願発明は、
7)電気めっき槽、電気めっき槽に一部を浸漬 せためっき用ドラム、めっき用ドラムに、 面に無電解めっき又は乾式法によりタイコ ト層および金属シード層を形成した被めっ ポリイミドフィルムを周回させる装置、前 タイコート層および金属シード層を形成し ポリイミドフィルムのめっき面に電流を供 する装置、ドラムに対向させて1又は複数の アノードを設置し、めっきゾーンを1~4ゾーン としたことを特徴とする金属被覆ポリイミド 複合体の製造装置
8)電気めっき槽を2槽とし、めっきゾーンを2~4 ゾーンとしたことを特徴とする上記8)記載の 属被覆ポリイミド複合体の製造装置
9)電気めっき槽層を1槽とし、めっきゾーンを 1~2ゾーンとしたことを特徴とする上記8)記載 金属被覆ポリイミド複合体の製造装置、を 供する。

 以上により、本願発明の金属被覆ポリイ ド複合体、同複合体の製造方法及び同複合 の製造装置は、無接着剤フレキシブルラミ ート(特に、二層フレキシブル積層体)にお る剥離防止を防止する、特に銅層と錫めっ の界面から剥離するのを効果的に抑制でき 密着力を高めることが可能であるという優 た効果を有する。

ドラム型式の2槽式電気めっき装置の概 略説明図である。 実施例1に示す3層の銅層を備えた、ポ イミド層上の銅箔断面の顕微鏡写真である 実施例1の3段めっき銅層をエッチング て回路を形成し、次にこの銅回路上に錫め き層を形成して、この錫めっき後アニール 、その断面を観察した境界の断面を示す顕 鏡写真である。 実施例2に示す2層の銅層を備えた、ポ イミド層上の銅箔断面の顕微鏡写真である 実施例2の2段めっき銅層をエッチング て回路を形成し、次にこの銅回路上に錫め き層を形成して、この錫めっき後アニール 、その断面を観察した境界の断面を示す顕 鏡写真である。 実施例3に示す1層の銅層を備えた、ポ イミド層上の銅箔断面の顕微鏡写真である 実施例3の2段めっき銅層をエッチング て回路を形成し、次にこの銅回路上に錫め き層を形成して、この錫めっき後アニール 、その断面を観察した境界の断面を示す顕 鏡写真である。 実施例4に示す1層の銅層を備えた、ポ イミド層上の銅箔断面の顕微鏡写真である 実施例4の1段めっき銅層をエッチング て回路を形成し、次にこの銅回路上に錫め き層を形成して、この錫めっき後アニール 、その断面を観察した境界の断面を示す顕 鏡写真である。 比較例1に示す10段の銅層境界層の断面 を示す顕微鏡写真である。 比較例1に示す10段の銅めっき層をエッ チングして回路を形成し、次にこの銅回路上 に錫めっき層を形成して、この錫めっき後ア ニールし、その断面を観察した境界の断面を 示すもので、この回路部の断面及び回路銅の 上面に見られるカーケンダルボイドを示す顕 微鏡写真である。

 次に、本願発明の具体例について説明する なお、以下の説明は本願発明を理解し易く るためのものであり、この説明に発明の本 を制限されるものではない。すなわち、本 明に含まれる他の態様または変形を包含す ものである。
 なお、本願発明は、銅めっきだけでなく、 合金めっきの場合も含むものであるが、説 をより簡単にするために銅めっきとして説 することもある。この場合には、銅合金を むものとする。
 ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面 、スパッタリング法により金属層を、さら その表面に銅又は銅合金層からなる金属導 層を形成することにより、無接着剤フレキ ブルラミネートを作製することを基本とす 。
 最初に、ポリイミドフィルム表面をプラズ 処理することにより、表面の汚染物質の除 と表面の改質を行う。

 次に、このポリイミドフィルムの表面に、 般にタイコート層と言われる5~300nmのスパッ タリング金属層を形成する。通常このスパッ タリング金属層は、ニッケル、クロム、コバ ルト、ニッケル合金、クロム合金、コバルト 合金のいずれか1種から選択する。一般に、 リイミドフィルムは12.5μm~50μmのものが使用 きるが、これは回路基板に要請されるもの あり、その厚さには特に制限はない。通常 宇部興産製ユーピレックス、DuPont/東レ・デ ュポン製カプトン、カネカ製アピカルなどが 用いられているが、これも特に制限があるも のではない。
 前記タイコート層は、金属層とポリイミド の密着強度を上げ、耐熱、耐湿環境下での 定性を高める役割をする。
 引き続いて、前記タイコート層上にスパッ リングで金属シード層となる銅層を150~500nm 成する。このスパッタリング銅層が、次工 の電気メッキ工程におけるカソード兼電流 導電体となる。

 次に、上記の金属シード層上に、銅又は銅 金からなる電気めっき層を形成する。めっ 装置には、図1に示すような電気めっき装置 を使用する。
 この電気めっき装置は、電気めっき槽、電 めっき槽に一部(約半分)を浸漬させためっ 用ドラム、めっき用ドラムに被めっきポリ ミドフィルムを周回させる装置、ポリイミ フィルムのめっき面に電流を供給する装置 びドラムに対向させて1又は複数のアノード 有している。ひとつの形態として、これら アノードは所謂不溶性アノードであり、銅 ッキのための銅イオン供給は別途銅を溶解 銅濃度を調整した電解液を電解槽に給液す ことによりなされる。

 本発明に使用する銅又は銅合金めっき装置 、1~2槽式である。2槽式の場合には、Aセル( )で、ゾーン1~4を有し、Bセル(槽)でも同様に 、ゾーン5~8を有している。1槽式は、Aセルの であることは容易に理解できると考える。
 なお、従来はめっきの効率を重視するため 、2槽とする場合でも、ゾーン数を増やして 、めっき層を4段以上としていた。
 これらのゾーン毎に、ドラムに対向させて アノードが設置されている。電気めっき液 、電気めっき槽の下部から給液し、電気め き槽の上部からオーバーフローする送液方 となっている。この給液方法は、流速をコ トロールすることができ、均一なめっき層 形成するために必要なことである。また、 アノードゾーンの電流は、独立に調整でき ようになっている。

 なお、このような2槽めっき装置を用いた めっきの初期の段階、すなわちゾーン1とゾ ン2では、前記スパッタリング金属層への銅 は銅合金めっきは殆んど行わず、ごく少量 めっきが形成されるのみである。また、Bセ ルでも同様であり、一旦大気に出された被め っき材を、すぐには殆んどめっきせず、すな わちゾーン5、6でも周回の初期においては、 っきを形成しない。したがって、このよう 2槽式の電気めっき装置では、ゾーン3、4と ーン7、8でめっきが行われる。

 従来は、多数のめっき槽を並列させ、つづ 折式に連続してポリイミドフィルムを、繰 返してめっき層に浸漬してめっきする方式 採用されている。従来は、多くの場合、こ 方式で銅めっき層が形成されている。これ よれば、めっき段数に制限がないので、め き槽の数だけ多層にめっきが可能である。
 このようなつづら折式のめっきでは、各め き槽での滞留時間が短いので、所定の厚み 達成するためには、通常10層以上のめっき が形成される(上記特許文献6参照)。

 COF(Chip on Film)等の電子部品では、このよう にして製造された金属被覆ポリイミド複合体 の銅層をエッチング液によりエッチングして 導電性の回路を形成する。そして、この銅回 路上に錫めっきを施し、さらにソルダーレジ ストや樹脂等が被覆される。この場合に、銅 の回路層と錫めっき層との間の剥離又は錫層 のクラックが問題となる。
 これは、上記に説明したカーケンダルボイ が原因していると考えられる。銅の回路層 錫めっき層との間の剥離した箇所を観察し 結果、空隙が観察された。この錫層は、銅 路の上表面だけでなく、回路の側面にも形 されるので、銅回路の上表面だけでは解決 きない問題である。

 銅メッキ層の境界近傍は結晶粒界、不純 が多く存在するため銅結晶の格子配列が不 全であると考えられる。これらの不完全格 配列は銅の拡散を大幅に加速するため、銅 ッキ層境界近傍では銅と錫の相互拡散にお て銅の拡散速度が錫の拡散速度を大幅に上 り、銅メッキ層境界近傍での銅が欠乏する したがって、銅メッキ層境界近傍に、銅が 散した後の多数の原子空孔が生じる。これ 原子空孔が、銅メッキ層境界近傍の格子配 が不完全な部分にトラップされ集合した空 が、カーケンダルボイドである。

 カーケンダルボイドは、室温では容易に発 しないと考えられるが、錫めっき後の80~150 程度の熱処理、ソルダーレジスト、封止樹 等の処理工程での150~160℃程度の熱処理によ り前記の機構により拡散が進行し、カーケン ダルボイドが発生する。これら熱処理は配線 基板の製造工程上不可欠であり、界面の不連 続部が存在する以上、避けられない問題とも 言える。
 実際に、このカーケンダルボイドが発生し 箇所、すなわち不連続なめっき境界では、 続的にメッキされた部分に比べて、微小結 粒の存在、めっきの際の添加剤に起因する 考えられるC、O、S及びHの濃度が高い等の現 象が観察されており、前記のカーケンダルボ イド発生機構を裏付ける。なお、銅層の連続 めっき部には、後述するように、殆んどカー ケンダルボイドの発生が認められない。

 したがって、カーケンダルボイドは、銅層 数が少ないほど、つまり銅層境界が少ない ど、少なくなる。この意味から、2槽ドラム 式の銅めっき装置で、一度めっきした面を大 気にさらし、さらにめっきを行った場合には 、銅層の境界(不連続層)が形成されるので、2 槽ドラム式において、カーケンダルボイドを 完全に抑制することは難しい。
 しかしながら、カーケンダルボイドが発生 たからと言って、全てが錫層の亀裂や剥離 生ずるとは限らないので、効率良く銅めっ 層を形成するに際して、カーケンダルボイ の量を、いかにして少なくするかというこ が重要である。
 さらに、前記つづら折式のめっき装置にお ては、カーケンダルボイドは、その槽数ま はそれ以上(10層以上)発生するので、明らか に好ましいことではないと言える。

 以上から、本願発明は、電気めっき槽、電 めっき槽に一部(約半分)を浸漬させためっ 用ドラム、めっき用ドラムに被めっきポリ ミドフィルムを周回させる装置、ポリイミ フィルムのめっき面に電流を供給する装置 びドラムに対向させて1又は複数のアノード 備えたドラム式めっき装置において、めっ ゾーンを3~1ゾーンとして、銅又は銅合金層 3~1層とする金属被覆ポリイミド複合体の製 装置を提供し、かつ、それぞれの銅又は銅 金層間で、境界の数は2~0であるようにした 属被覆ポリイミド複合体の製造方法及び装 を提供するものである。
 なお、この場合、効率的なめっきを行うた に、ゾーン3とゾーン4の間の距離(又はゾー 7とゾーン8の間の距離):Lをアノードと被め き体との距離:dの2倍以下、更に望ましくは 1/2以下となるように調整するのが望ましい
 これによって、錫めっきした銅層と錫層の 連続界面を可能な限り少なくし、カーケン ルボイドの発生を抑制したものである。

 また、銅又は銅合金電気めっきの槽は極 少ない方がのぞましい。それは上記の通り 不可避的な不連続界面が生ずるからである したがって、1~2槽で行うことが、より望ま い条件として、提供するものである。

 次に、実施例および比較例に基づいて説 する。なお、本実施例はあくまで一例であ 、この例のみに制限されるものではない。 なわち、本発明に含まれる他の態様または 形を包含するものである。

(実施例1)
 ポリイミドフィルムに使用する材料は、特 制限はない。例えば、宇部興産製ユーピレ クス、DuPont/東レ・デュポン製カプトン、カ ネカ製アピカルなどが上市されているが、い ずれのポリイミドフィルムにおいても本発明 は適用できる。このような特定の品種に限定 されるものではない。本実施例及び比較例で は、ポリイミドフィルムとして宇部興産製ユ ーピレックス-SGAを使用した。
 まず、最初にポリイミドフィルムを真空装 内にセットし真空排気後、プラズマにてポ イミドフィルムの表面改質処理を行った。

 次に、上記のプラズマ処理したポリイミド ィルム表面にスパッタリングにより、25nmの タイコート層(Ni-20wt%Cr)を形成した。
 続いて、スパッタリングにより300nmの金属 ード層(銅層)を形成した。これは、無電解め っきによっても形成できるが、本実施例では スパッタリングにより実施した。
 さらに、上記の金属シード層の表面に、図1 に示すドラム型2槽式電気めっき装置を使用 、硫酸銅めっき浴を用いて電気めっきによ 、銅からなる金属導体層(合計厚さ約8μm)を 成し、二層フレキシブル積層体を作製した この場合、ゾーン数を減らすために、Aセル おいては、ゾーン3とゾーン4におけるアノ ドを電気的に連結するとともに、ゾーン3と ーン4の間の距離:Lを、アノードと被めっき との距離:dの約1/2程度となるように調整し 、銅めっき層を形成した。

 銅層の形成の結果、上記に説明した通り、A セルではゾーン1とゾーン2では、わずかなめ き層が形成されただけである。また、Bセル でも、ゾーン5とゾーン6ではめっき層は形成 れなかった。銅層は主として、ゾーン3+ゾ ン4、ゾーン7、ゾーン8で形成された。この 果を、表1に示す。
 この表1に示すように、ゾーン3+ゾーン4で3.9 0μm、ゾーン7で2.07μm、ゾーン8で2.20μmの銅め き層が形成された。因みに、ゾーン1では0.0 5μm、ゾーン2では0.27μm、ゾーン5とゾーン6で 0μmであった。

 このようにして得た銅層の断面を図2に示す 。この銅層の断面は、NH 3 :29%、H 2 O 2 :1%水溶液に15秒浸漬して化学研磨したもので る。
 ゾーン3+ゾーン4では約2ゾーン分の厚さとな っており、他のゾーン7、ゾーン8で形成され 銅層の厚さには、それほど大きな差異はな 、均一な層が形成されていることが分かる
 AセルとBセル間、すなわちゾーン3+4とゾー 7間には、通常のめっき界面だけで、特に目 った境界層は観察されなかった。

 次に、この銅層をエッチングして回路を形 し、さらにこの銅回路上に、日鉱金属製AT-5 01の錫めっき浴に50℃-3分浸漬させ、約0.3μmの 錫めっき層を形成した。この錫めっき後、120 ℃×12時間、アニールし、その断面を観察し 。この断面は、同様にNH 3 :29%、H 2 O 2 :1%水溶液に15秒浸漬して化学研磨した。この 果を、図3に示す。
 この図3に示すように、それぞれの層(3層)の 境界部(2個)に、小さいカーケンダルボイド(KV )が確認された。銅層の直上にはカーケンダ ボイドは無かった。
 従来の10段の銅層で発生する多量の(少なく も10層の境界面に発生する)カーケンダルボ ドに比べると格段優れていることが分かる

(実施例2)
 次に、実施例1と同様に、図1に示すドラム 2槽式電気めっき装置を使用し、ゾーン数を らすために、Aセルにおいては、ゾーン3と ーン4を電気的に連結するとともに、ゾーン3 とゾーン4の間の距離:Lを、アノードと被めっ き体との距離:dの約1/2程度となるように調整 、Bセルにおいては、ゾーン7とゾーン8を電 的に連結するとともに、ゾーン7とゾーン8 間の距離:Lを、アノードと被めっき体との距 離:dの約1/2程度となるように調整し、銅めっ 層を形成した。
 銅層の形成の結果、上記に説明した通り、A セルではゾーン1とゾーン2では、わずかなめ き層が形成されただけである。また、Bセル でも、ゾーン5とゾーン6ではめっき層は形成 れなかった。これは、実施例1と同様である 。

 以上の結果、銅層は主として、ゾーン3+ゾ ン4、ゾーン7+ゾーン8で形成された。この結 を、表2に示す。この表2に示すように、ゾ ン3+ゾーン4で3.90μm、ゾーン7+ゾーン8で4.27μm の銅めっき層が形成された。
 因みに、ゾーン1では0.05μm、ゾーン2では0.27 μm、ゾーン5とゾーン6では0μmであった。

 このようにして得た銅層の断面を図4に示す 。この銅層の断面は、NH 3 :29%、H 2 O 2 :1%水溶液に15秒浸漬して化学研磨したもので る。
 ゾーン3+ゾーン4では約2ゾーン分の厚さとな っており、他のゾーン7+ゾーン8でも約2ゾー 分の厚さとなったが、これらの銅層の厚さ は、それほど大きな差異はなく、均一な層 形成されていることが分かる。AセルとBセル 間、すなわちゾーン3+4とゾーン7+8間には、通 常のめっき界面だけで、特に目立った境界層 は観察されなかった。

 次に、この銅層をエッチングして回路を形 し、さらにこの銅回路上に、日鉱金属製AT-5 01の錫めっき浴に50℃-3分浸漬させ、約0.3μmの 錫めっき層を形成した。この錫めっき後、120 ℃×12時間、アニールし、その断面を観察し 。この断面は、同様にNH 3 :29%、H 2 O 2 :1%水溶液に15秒浸漬して化学研磨した。
 この結果を、図5に示す。この図5に示すよ に、それぞれの層(2層)の境界部に(1個)と下 (金属シード層との境界部)に1個の、小さい ーケンダルボイド(KV)が確認された。銅層の 上にはカーケンダルボイドは無かった。
 従来の10段の銅層で発生する多量の(少なく も10層の境界面に発生する)カーケンダルボ ドに比べると格段優れていることが分かる また、実施例1に比べて、銅めっきの層の不 連続層が減少している分、カーケンダルボイ ド数は、さらに減少した。

(実施例3)
 次に、実施例2のめっき条件に加え、ゾーン 1とゾーン2の電流をオフとして銅めっき層を 成した。ゾーン1とゾーン2の電流をオフと るために、ゾーン1とゾーン2は通常のアノー ドに代えて、同一形状の絶縁物質で作製した ダミーアノードを設置した。
 銅層の形成の結果、Aセルではゾーン1とゾ ン2では、めっき層は形成されなかった。ま 、同様にBセルでも、ゾーン5とゾーン6では っき層は形成されなかった。
 以上の結果、銅層は、ゾーン3+ゾーン4、ゾ ン7+ゾーン8で形成された。この結果を、表3 に示す。この表2に示すように、ゾーン3+ゾー ン4で4.25μm、ゾーン7+ゾーン8で4.25μmの銅めっ き層が形成された。
 因みに、ゾーン1とゾーン2では0μm、ゾーン5 とゾーン6では0μmであった。

 このようにして得た銅層の断面を図6に示す 。この銅層の断面は、NH 3 :29%、H 2 O 2 :1%水溶液に15秒浸漬して化学研磨したもので る。
 ゾーン3+ゾーン4では約2ゾーン分の厚さとな っており、他のゾーン7+ゾーン8でも約2ゾー 分の厚さとなったが、これらの銅層の厚さ は、それほど大きな差異はなく、均一な層 形成されていることが分かる。AセルとBセル 間、すなわちゾーン3+4とゾーン7+8間には、通 常のめっき界面だけで、特に目立った境界層 は観察されなかった。

 次に、この銅層をエッチングして回路を形 し、さらにこの銅回路上に、日鉱金属製AT-5 01の錫めっき浴に50℃、3分浸漬させ、約0.3μm 錫めっき層を形成した。この錫めっき後、1 20℃×12時間アニールし、その断面を観察した 。この断面は、同様にNH 3 :29%、H 2 O 2 :1%水溶液に15秒浸漬して化学研磨した。
 この結果を、図7に示す。この図7に示すよ に、それぞれの層(2層)の境界部、および下 (金属シード層との境界部)と銅層の直上の、 いずれの位置にもカーケンダルボイドは観察 されなかった。
 従来の10段の銅層で発生する多量の(少なく も10層の境界面に発生する)カーケンダルボ ドに比べると、格段に優れていることが分 る。また、実施例2に比べて、銅めっきの層 の不連続層が減少している分、カーケンダル ボイド数は、さらに減少した。

(実施例4)
 次に、ドラム型1槽式電気めっき装置を使用 し、ゾーン数を減らすために、1セルのみで かつ1ゾーンのみで銅めっき層を形成した。 なわち、銅層は1層のみである。
 以上の結果、銅層は1ゾーンで形成された。 この結果を、表4に示す。この表4に示すよう 、1ゾーンで8.50μmの銅めっき層が形成され 。
 このようにして得た銅層の断面を図8に示す 。この銅層の断面は、NH 3 :29%、H 2 O 2 :1%水溶液に15秒浸漬して化学研磨したもので る。

 次に、この銅層をエッチングして回路を形 し、さらにこの銅回路上に、日鉱金属製AT-5 01の錫めっき浴に50℃、3分浸漬させ、約0.3μm 錫めっき層を形成した。この錫めっき後、1 25℃×10.5時間、アニールし、その断面を観察 た。この断面は、同様にNH 3 :29%、H 2 O 2 :1%水溶液に15秒浸漬して化学研磨した。
 この結果を、図9に示す。この図9に示すよ に、下段(金属シード層との境界部)に1個の 小さいカーケンダルボイド(KV)が確認された けで、銅層の直上にも、カーケンダルボイ は無かった。
 従来の10段の銅層で発生する多量の(少なく も10層の境界面に発生する)カーケンダルボ ドに比べると格段優れていることが分かる また、実施例1に比べても、銅めっきの層の 不連続層が減少している分、カーケンダルボ イド数は、さらに減少した。

(比較例1)
 次に、従来の10個の銅めっき槽に連続して リイミドフィルムを導入し、つづら折式に10 段の銅層をポリイミドフィルムの表面に形成 した場合について、実施例1と同様に、カー ンダルボイドを調べた結果を示す。この場 、一段の平均厚みは約0.5μmであり、10段の銅 めっき層として、約8μmの銅層が形成された
 このようにして得た銅層の断面を図10に示 。この銅層の断面は、NH 3 :29%、H 2 O 2 :1%水溶液に15秒浸漬して化学研磨したもので る。他の条件は、実施例1と同様である。

 次に、この銅層をエッチングして回路を形 し、さらにこの銅回路上に、日鉱金属製AT-5 01の錫めっき浴に50℃-3分浸漬させ、約0.3μmの 錫めっき層を形成した。この錫めっき後、125 ℃×10.5時間、アニールし、その断面を観察し た。この断面は、同様にNH 3 :29%、H 2 O 2 :1%水溶液に15秒浸漬して化学研磨した。
 この結果を、図11に示す。この図11に示すよ うに、銅箔の上層面及び各同層の界面に、多 数の小さいカーケンダルボイド(KV)が確認さ た。
 このように、10段の銅層で発生する多量の( なくとも10層の境界面に発生する)カーケン ルボイドは、著しく多く、銅層と錫めっき との間に剥離を生じた。

 本願発明の金属被覆ポリイミド複合体、 複合体の製造方法及び同複合体の製造装置 、無接着剤フレキシブルラミネート(特に、 二層フレキシブル積層体)における剥離防止 防止する、特に銅層と錫めっきの界面から 離するのを効果的に抑制でき、密着力を高 ることが可能であるという優れた効果を有 るので、フレキシブルプリント基板、TAB、CO F等の電子部品の実装素材として用いられる 接着剤フレキシブルラミネートとして有用 ある。