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Patent Searching and Data


Title:
METAL LAMINATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063742
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a low-cost flexible metal laminate having excellent flexibility, folding resistance characteristics, heat resistance reliability, moisture absorption characteristics and dimensional accuracy. Also disclosed is a low-cost flexible printed board. Specifically disclosed is a flexible metal laminate wherein a metal foil is arranged on at least one side of a heat-resistant resin film which is composed of a polyamideimide resin and has a two-layer structure. This flexible metal laminate is characterized in that one layer of the heat-resistant resin film is composed of a resin layer having an elastic modulus of not more than 4800 MPa, wherein (a) a monomer component having a naphthalene group is contained in an amount not less than a specific mol%; (b) the molar ratio between imide bonds and amide bonds is from 99/1 to 60/40; and (c) the imidization degree of imide bonds is not less than 50%. The flexible metal laminate is also characterized in that the other layer of the heat-resistant resin film is composed of a low moisture-expandable resin layer having a moisture expansion coefficient of not more than 20 ppm.

Inventors:
NAGATA SHOKO (JP)
SHIMENO KATSUYA (JP)
KURITA TOMOHARU (JP)
AOYAMA TOMOHIRO (JP)
NISHIMOTO AKIRA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069494
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
October 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYO BOSEKI (JP)
NAGATA SHOKO (JP)
SHIMENO KATSUYA (JP)
KURITA TOMOHARU (JP)
AOYAMA TOMOHIRO (JP)
NISHIMOTO AKIRA (JP)
International Classes:
B32B15/088; B32B15/08; H05K1/03
Domestic Patent References:
WO2003072639A12003-09-04
Foreign References:
JP2007204714A2007-08-16
JP2006224644A2006-08-31
JP2005325329A2005-11-24
JP2002261186A2002-09-13
JP2001234020A2001-08-28
JP2005068226A2005-03-17
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Claims:
 耐熱性樹脂フィルムの少なくとも片面に金属箔が積層されたフレキシブル金属積層体であって、該耐熱性樹脂フィルムは有機溶剤に可溶なポリアミドイミド樹脂からなる2層構成であり、そのうちの1層が、
a)酸成分の全量を100モル%、アミン成分の全量を100モル%、酸成分とアミン成
分の合計を200モル%としたときに、ナフタレン基を有するモノマー成分が80モル%
以上で、かつ
b)イミド結合とアミド結合のモル比が、99/1~60/40モル比、
c)イミド結合のイミド化率が50%以上
であって弾性率4800Mpa以下の樹脂層から形成されており、かつ、残りのもう1層が湿度膨張係数が20ppm以下の低湿度膨張性樹脂層から形成されていることを特徴とするフレキシブル金属積層体。
 金属箔と接する側の耐熱性樹脂層が
a)酸成分の全量を100モル%、アミン成分の全量を100モル%、酸成分とアミン成
分の合計を200モル%としたときに、ナフタレン基を有するモノマー成分が80モル%
以上で、かつ
b)イミド結合とアミド結合のモル比が、99/1~60/40モル比、
c)イミド結合のイミド化率が50%以上
であって弾性率4800Mpa以下の樹脂層から形成されており、金属箔と接していない側の樹脂層が湿度膨張係数が20ppm以下の低湿度膨張性樹脂層であることを特徴とする、片面のみに金属箔が積層された請求項1記載のフレキシブル金属積層体。
片面に金属箔が形成された請求項1又は2に記載のフレキシブル金属積層体であって、湿度膨張係数が20ppm以下の低湿度膨張性樹脂層が、
a)酸成分の全量を100モル%、アミン成分の全量を100モル%、酸成分とアミン成
分の合計を200モル%としたときに、ビフェニレン基を有するモノマー成分が100モ
ル%以上で、かつ
b)イミド結合とアミド結合のモル比が、99/1~65/35モル比、
c)イミド結合のイミド化率が50%以上
であることを特徴とするフレキシブル金属積層体。
a)酸成分の全量を100モル%、アミン成分の全量を100モル%、酸成分とアミン成
分の合計を200モル%としたときに、ナフタレン基を有するモノマー成分が80モル%
以上で、かつ
b)イミド結合とアミド結合のモル比が、99/1~60/40モル比、
c)イミド結合のイミド化率が50%以上
であって弾性率4800Mpa以下の樹脂層の厚み(T1)と、湿度膨張係数20ppm以下の低湿度膨張性樹脂層の厚み(T2)の比(T1)/(T2)が、0.05~5であることを特徴とする請求項1~3いずれか記載のフレキシブル金属積層体。
両面に金属箔が形成されるように請求項1~4のいずれかに記載のフレキシブル金属積層体を張り合わせることにより得られる両面フレキシブル金属積層体。
 請求項1~5のいずれかに記載のフレキシブル金属張積層体から得られるフレキシブルプリント基板。
 
Description:
金属積層体

 本発明は、耐熱性樹脂フィルムの少なく も片面に金属箔が積層されたフレキシブル 属積層体、及び、フレキシブルプリント基 に関し、更に詳しくは、屈曲性、耐折特性 絶縁性に優れ、かつ、半田処理後のピール 度、加湿処理後の半田耐熱性などの耐熱信 性、及び、湿度寸法変化率等の寸法精度に 優れるフレキシシブル金属積層体、フレキ ブルプリント基板に関するものである。

 本明細書、及び、特許請求の範囲におい 「フレキシブル金属張積層体」とは、金属 と樹脂層とから形成された積層体であって 例えば、フレキシブルプリント基板等の製 に有用な積層体である。又、「フレキシブ プリント基板」とは、例えば、フレキシブ 金属張積層体を用いてサブトラクティブ法 の従来公知の方法により製造でき、必要に じて、導体回路を部分的、或いは全面的に バーレイフィルムやスクリーン印刷インキ を用いて被覆した、いわゆるフレキシブル 路板(FPC)、フラットケーブル、テープオー メーティツドボンディング(TAB)用の回路板、 又は、TCP(テープキャリアパッケージ)実装用 回路板(チップオンフレキシブル基板など) どを総称している。

 従来のフレキシブルプリント基板用のフ キシブル金属張積層体は、ポリイミドフィ ムと金属箔とをゴム変性したエポキシ樹脂 アクリル樹脂などの接着剤によって貼りあ せたものであった。この接着剤で貼りあわ たフレキシブル金属張積層体から形成され フレキシブルプリント基板は、接着剤の耐 性がポリイミドフィルムに比べ著しく劣る に、耐熱信頼性、熱寸法安定性、絶縁信頼 等に劣るという問題点があった。   

 これらの問題を解決する為に、ポリイミド 樹脂溶液を金属箔に直接塗布することで、 着剤層のない二層構造の金属張積層体(二層 CCL)を形成する技術が提案されている(例えば 許文献1、2参照)。しかし、これらの二層CCL 、
・ 塗布するポリイミド系樹脂が有機溶剤に 溶な為、その前駆体であるポリアミック酸 液を塗布した後、金属箔上で高温熱処理す ことでイミド化する必要がある。従って、 工性に劣る。
・ 金属箔上に形成される樹脂フィルム層の 性率が高い為、フレキシブルプリント基板 耐屈曲特性、耐折特性などに劣る。
等の欠点がある。

 上述の様な加工性、耐屈曲特性、耐折特 を改良する目的で、特許文献3においては、 有機溶剤に可溶で、かつ、フィルム弾性率の 低い樹脂組成物を金属箔に直接塗布・乾燥す ることで、二層CCLを形成する技術が提案され ている。しかし、ここで用いられている樹脂 組成物は、加工性、耐屈曲性には優れるもの の、湿度寸法変化率等の寸法精度、半田処理 後のピール強度などの耐熱信頼性等に劣る為 に、例えば、半導体素子が実装される様な(TC P実装)、いわゆるCOF基板(チップオンフレキシ ブル基板)用途や、ファインピッチが要求さ るような高密度回路板用途等には適してい いという欠点があった。

特開昭57-50670号公報

特開昭57-66690号公報

特開2001-105530号公報

 本発明の目的は上記の課題を解決する為 なされたものであり、とりわけ、ファイン ッチが要求される様な、高密度回路板用途 も使用できる、フレキシブルプリント基板 のフレキシブル金属積層体、及び、フレキ ブルプリント基板を安価に製造しようとす ものである。即ち、本発明の目的は、屈曲 、耐折特性に優れ、かつ、湿度寸法変化率 低く、Tgの高い、半田処理後のピール強度 加湿処理後の半田耐熱性等の耐熱信頼性に 優れる基板材料からなるフレキシシブル金 積層体、フレキシブルプリント基板に関す ものである。

 本発明者らは、従来にはない、溶剤可溶 耐熱性に優れる樹脂組成物、および、これ の材料を含めたフレキシブルプリント基板 しての層構成、加工法等について鋭意検討 た結果、本発明に達成できたものである。

即ち、本発明は、以下のフレキシブル金属張 積層体、フレキシブルプリント基板である。
(1)
耐熱性樹脂フィルムの少なくとも片面に金属 箔が積層されたフレキシブル金属積層体であ って、該耐熱性樹脂フィルムは有機溶剤に可 溶なポリアミドイミド樹脂からなる2層構成 あり、そのうちの1層が、
a)酸成分の全量を100モル%、アミン成分の全量 を100モル%、酸成分とアミン成
分の合計を200モル%としたときに、ナフタレ 基を有するモノマー成分が80モル%
以上で、かつ
b)イミド結合とアミド結合のモル比が、99/1~60 /40モル比、
c)イミド結合のイミド化率が50%以上
であって弾性率4800Mpa以下の樹脂層から形成 れており、かつ、残りのもう1層が湿度膨張 数が20ppm以下の低湿度膨張性樹脂層から形 されていることを特徴とするフレキシブル 属積層体。
(2)
金属箔と接する側の耐熱性樹脂層が
a)酸成分の全量を100モル%、アミン成分の全量 を100モル%、酸成分とアミン成
分の合計を200モル%としたときに、ナフタレ 基を有するモノマー成分が80モル%
以上で、かつ
b)イミド結合とアミド結合のモル比が、99/1~60 /40モル比、
c)イミド結合のイミド化率が50%以上
であって弾性率4800Mpa以下の樹脂層から形成 れており、金属箔と接していない側の樹脂 が湿度膨張係数が20ppm以下の低湿度膨張性樹 脂層であることを特徴とする、片面のみに金 属箔が積層された(1)記載のフレキシブル金属 積層体。
(3)
片面に金属箔が形成された(1)又は(2)に記載の フレキシブル金属積層体であって、湿度膨張 係数が20ppm以下の低湿度膨張性樹脂層が、
a)酸成分の全量を100モル%、アミン成分の全量 を100モル%、酸成分とアミン成
分の合計を200モル%としたときに、ビフェニ ン基を有するモノマー成分が100モ
ル%以上で、かつ
b)イミド結合とアミド結合のモル比が、99/1~65 /35モル比、
c)イミド結合のイミド化率が50%以上
であることを特徴とするフレキシブル金属積 層体。
(4)
a)酸成分の全量を100モル%、アミン成分の全量 を100モル%、酸成分とアミン成
分の合計を200モル%としたときに、ナフタレ 基を有するモノマー成分が80モル%
以上で、かつ
b)イミド結合とアミド結合のモル比が、99/1~60 /40モル比、
c)イミド結合のイミド化率が50%以上
であって弾性率4800Mpa以下の樹脂層の厚み(T1) 、湿度膨張係数20ppm以下の低湿度膨張性樹 層の厚み(T2)の比(T1)/(T2)が、0.05~5であること 特徴とする(1)~(3)いずれか記載のフレキシブ ル金属積層体。
(5)
両面に金属箔が形成されるように(1)~(4)のい れかに記載のフレキシブル金属積層体を張 合わせることにより得られる両面フレキシ ル金属積層体。
(6)
(1)~(5)のいずれかに記載のフレキシブル金属 積層体から得られるフレキシブルプリント 板。
からなる。

 本発明のフレキシブル金属積層体は、屈 性、耐折特性、接着性に優れ、かつ、湿度 法変化率が低く、Tgの高い複数の樹脂組成 からなり、その層構成、加工条件により、 折特性、半田処理後のピール強度や加湿処 後の半田耐熱性等の耐熱信頼性、寸法精度 優れる。更に、用いる樹脂組成物は有機溶 に可溶である為、高温での熱処理の必要性 なく安価に製造できる。従って、COF基板な の高密度実装基板用途でも使用できるフレ シブル基板が安価に製造できることから、 業的に多大のメリットがある。

 本発明のフレキシブル金属積層体の樹脂フ ルム層は2層から構成されており、該樹脂フ ィルム層の少なくとも片面に金属箔が積層さ れている。2層の樹脂フィルム層に使用され 樹脂は、有機溶媒に可溶なポリアミドイミ 樹脂からなる。2層の樹脂フィルム層の内、1 層は、弾性率が4800Mpa以下であり、好ましく 4500Mpa以下であり、より好ましくは4300Mpa以下 の樹脂フィルム層(以下、低弾性率樹脂層と ぶ)から形成されており、もう1層は、湿度膨 張係数が20ppm以下であり、好ましくは15ppm以 であり、より好ましくは13ppm以下の樹脂フィ ルム層(以下、低湿度膨張性樹脂層と呼ぶ)か 形成されている。低弾性率樹脂層の弾性率 4800Mpaを超えると、フレキシブル金属積層体 の屈曲性、耐折特性が悪くなり、接着強度、 特に、半田処理後のピール強度等、耐熱信頼 性が悪くなる。また、特に低弾性率樹脂層の 弾性率が高くなると加湿処理後の半田耐熱性 の低下が大きく、とりわけ低湿度膨張性樹脂 層の湿度膨張性係数が高い場合顕著な傾向に ある。明確な理由はわからないが、加湿処理 時の半田処理では、低弾性率樹脂層が、半田 処理の際におこる放湿や熱膨張に対し、クッ ション的な役割を果たすためと推定される。 又、湿度膨張係数が20ppmを超えると、湿度寸 変化率が高くなり、寸法精度が悪くなり、 湿処理後の半田耐熱性等の耐熱信頼性も悪 なる。低弾性率樹脂層の弾性率は低ければ いほうが良いが、1000MPa以上が好ましい。100 0MPa未満だとハンドリング性、搬送性が低下 る場合がある。また要求性能によって一概 は言えないが、2000MPa以上、さらに2500MPa以上 であっても良い。湿度膨張係数は低ければ低 いほど良いが、1ppm以上であることが好まし 。要求性能によって一概には言えないが、5p pm以上、さらに7ppm以上であっても良い。金属 箔の湿度膨張係数は理論的には0ppmであるこ から、低湿度膨張性樹脂層の湿度膨張係数 低ければ低いほうが好ましい。
また、本発明の目的を達成するためには、2 の樹脂フィルム層のうち、金属箔と接する の耐熱性樹脂層が低弾性率樹脂層であるほ が、半田処理後のピール等、耐熱信頼性、 曲性、耐折特性に優れたフレキシブル金属 層体が得られるため好ましい。明確な理由 わからないが、金属箔と接する側に低弾性 樹脂層を配置することにより、その層がク ション性を発揮するため、屈曲性、耐折特 等の性能に優れるのであろうと予想される
また、該低弾性率樹脂層は吸湿膨張係数が一 般的に比較的高い傾向にあるが、金属箔と接 する側の耐熱性樹脂層を低弾性率樹脂層、金 属箔と接しない側の耐熱性樹脂層を低湿度膨 張性樹脂層としたことにより、低弾性率樹脂 層が金属箔層と低湿度膨張性樹脂層に挟まれ た構造となり、金属積層体の構造上、低弾性 率樹脂層は湿度の影響を受けにくくなるから 、加湿処理後の半田耐熱性等の耐熱信頼性に も優れるのではないかと予想されるが、明確 な理由はわからない。

 本発明で使用される耐熱性樹脂フィルム 、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド ポリパラバン酸、ポリアリレート、アラミ 等、耐熱性に優れる、所謂、エンジニアリ グプラスチックの範疇に分類される樹脂で れば使用することができる。耐熱性、寸法 度等から、好ましくは、ポリイミド、ポリ ミドイミドであり、加工性という観点から 更に好ましくは、有機溶剤に可溶なポリイ ド、ポリアミドイミドであり、より好まし は、有機溶剤に可溶なポリアミドイミドで る。

[低弾性率樹脂層]
低弾性率樹脂層において、本発明の実施用件 を満たす一つの必要条件は、酸成分の全量を 100モル%、アミン成分の全量を100モル%、酸成 とアミン成分の全量を200モル%としたときに 、ナフタレン基を有するモノマー成分が80モ %以上のポリアミドイミド樹脂である。好ま しくはナフタレン基を有するモノマー成分が 90モル%以上であり、より好ましくは100モル% 上である。ナフタレン基が80モル%未満では 吸湿特性が悪くなり、湿度寸法変化率等の 法精度が本発明の要件を満たさず、又、耐 性も低下してくる為、半田処理後のピール 度、加湿処理後の半田耐熱性等、耐熱信頼 も低下してくる。また、ナフタレン基を有 るモノマー成分が170モル%以下であることが ましく、より好ましくは160モル%以下、さら により好ましくは150モル%以下である。170モ %を超えると弾性率が上昇し、溶解性が下が 傾向にある。
イミド結合とアミド結合のモル比は、99/1~60/4 0モル比である。好ましくはイミド結合とア ド結合のモル比が99/1~75/25であり、より好ま くは90/10~80/20である。イミド結合とアミド 合のモル比が、60/40未満では、耐熱性、耐熱 信頼性が乏しくなり、特に半田処理後のピー ル強度が低下してくる。又、99/1を超えると 弾性率が高くなり、耐折特性、屈曲特性が 下してくる。更に、溶解性にも乏しくなる 、フレキシブル金属積層体の加工性が悪く る。
 本発明の目的を達成する為に用いる、弾性 が4800MPa以下の低弾性率樹脂層の一つの好ま しい実施態様を示すと、一般式(1)で表される 単位を必須成分とすることが好ましく、更に 、一般式(2)、一般式(3)、及び、一般式(4)で表 される群より選ばれる少なくとも1種の単位 、繰り返し単位として分子鎖中に含有する リアミドイミド樹脂が好ましい。ここで、 般式(2)中、Xは、特に、低弾性率性(屈曲性や 耐折特性)、Tg、耐熱信頼性、銅箔との接着性 から、SO2、又は直結(ビフェニル)、或いは、n =0が好ましく、更に好ましくは直結(ビフェニ ル)、或いはn=0の場合である。又、一般式(3) 、Yは、上記同様、低弾性率性、Tg、耐熱信 性、銅箔との接着性から、ベンゾフェノン (CO)、又は、直結型(ビフェニル)が好ましい 又、下記一般式(2)、一般式(3)で表される単 は、各々1種でも2種以上でもよい。尚、ナフ タレン骨格やベンゼン骨格には置換基が結合 されていても差し支えない。弾性率は低けれ ば低いほど好ましく、そのためには{一般式(2 )+一般式(3)+一般式(4)}に対する一般式(1)の割 を多くすること、アミド結合に対するイミ 結合の割合を少なくするなどの手段を取る とが望ましい。

 一般式(1)並びに、一般式(2)、一般式(3)及 一般式(4)の含有比は、モル比で{一般式(1)}/{ 一般式(2)+一般式(3)+一般式(4)}=1/99~40/60(モル比 )であることが好ましく、このときの、イミ 結合とアミド結合のモル比は、99/1~60/40モル である。更に、好ましくは{一般式(1)}/{一般 式(2)+一般式(3)+一般式(4)}=10/90~30/70でイミド結 合とアミド結合のモル比が99/1~75/25、最も好 しくは一般式(1)}/{一般式(2)+一般式(3)+一般式 (4)}=10/90~20/80でイミド結合とアミド結合のモ 比が90/10~80/20である。{一般式(1)}/{一般式(2)+ 般式(3)+一般式(4)}の含有比が、40/60を越える 場合、もしくは、1/99より低い場合は、耐熱 (Tg)、低弾性率性、及び、銅箔との密着性の 各々の両立化が困難になる傾向にある。特 、{一般式(1)}/{一般式(2)+一般式(3)+一般式(4)} の含有比が、40/60を越える場合は耐熱性が悪 なり、1/99より低い場合は溶剤に対する溶解 性が乏しくなり、又、樹脂フィルムの弾性率 が高くなる為、耐屈曲特性、耐折性が低下し てくる傾向にある。又、イミド結合とアミド 結合のモル比が、60/40未満では、耐熱性、耐 信頼性が乏しくなり、特に半田処理後のピ ル強度が低下してくる。イミド結合とアミ 結合のモル比が、99/1を超えると、弾性率が 高くなり、耐折特性、屈曲特性が低下してく る。更に、溶解性にも乏しくなる為、フレキ シブル金属積層体の加工性が悪くなる。

 又、耐熱性、吸湿特性という観点から、 ましい態様は、一般式(2)のアミド形成成分 一般式(3)、及び/又は、一般式(4)のイミド形 成成分の含有比をモル比で{一般式(2)}/{一般 (3)+一般式(4)}=5/95~95/5に調整することが好ま い。一般式(2)と一般式(3)、及び/又は、一般 (4)中での{一般式(2)}の含有量が、5モル%未満 では吸湿特性が悪くなる傾向にある。又、95 ル%を越える場合は、耐熱性が悪くなる傾向 にある。一つの好ましい実施態様の例を示す と一般式(1)が無水トリメリット酸と1,5-ナフ レンジイソシアネートからの繰り返し単位 一般式(2)がテレフタル酸と1,5-ナフタレンジ ソシアネートからの繰り返し単位、一般式( 3)がビフェニルテトラカルボン酸二無水物、 び/又は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸 二無水物と1,5-ナフタレンジイソシアネート らの繰り返し単位で、その含有比が一般式(1 )/{一般式(2)+一般式(3)+一般式(4)}=1/99~40/60モル で、かつ、一般式(2)/一般式(3)=10/90~90/10モル 比が好ましい

 上記において、一般式(1)と一般式(2)、及 一般式(3)、一般式(4)中での一般式(1)の含有 が40モル%を越える場合は、耐熱性、吸湿特 が低下し、又、1モル%未満では樹脂の溶剤 解性が悪くなったり、フィルム弾性率も高 なる傾向にある。又、一般式(2)と一般式(3) 一般式(4)中での一般式(2)の含有量が10モル% 満の場合は、吸湿特性が低下する場合があ 、90モル%を越える場合は樹脂の溶剤溶解性 悪くなる傾向にある。

 上記実施態様において、共通する好まし 態様について説明する。一般式(2)において 特に好ましくは、アミド結合が互いにパラ にある割合とメタ位にある割合の結合比率 パラ位/メタ位=5/95~100/0モル%を満たす場合で あり、更に好ましくは、アミド結合が互いに パラ位にある割合とメタ位にある割合の結合 比率がパラ位/メタ位=20/80~100/0モル%を満たす 合であり、最も好ましくはパラ位/メタ位=50 /50~100/0モル%を満たす場合である。パラ位が5 ル%以下では、耐熱性の向上効果が少なくな る傾向にある。

 また、これらポリアミドイミド樹脂は、 境に配慮するという観点から、フッ素、塩 、臭素、ヨウ素等のハロゲンを含まないノ ハロゲン系であるものが好ましい。

ポリアミドイミド樹脂のイミド結合は、その イミド化率が50%以上である必要がある。好ま しくは90%以上、より好ましくは95%以上である 。イミド化率は高ければ高いほど好ましく、 上限は100%である。イミド結合のイミド化率 50%未満では、低弾性率樹脂フィルムと低吸 性樹脂フィルムの接着性が低くなり、樹脂 間での剥離が生じ易くなる傾向にあり、半 処理後など、ピール強度が低下してくる。 の結果、耐折特性、屈曲性、耐熱信頼性(ピ ル強度)等の信頼性が乏しくなる。
 この理由は、第1層目のイミド化反応が完了 する前に、第二層目を積層すると、後の加熱 工程にて、加熱に伴なうイミド化反応が進行 し、それに伴ない発生する縮合水が樹脂層間 や樹脂と金属箔との界面で耐折性などの特性 に悪影響を及ぼす為と推定される。従って、 本願で使用する樹脂組成物の製造は、重合後 、得られた樹脂ワニスのイミド化率が完了す るような、後述に記載のイソシアネート法等 の方法で製造することが好ましく、当然、重 合溶媒に溶解することが求められる為、組成 物は有機溶剤に可溶であることが好ましい。 又、イソシアネート法による製造でもモノマ ーの純度や溶媒種の影響などにより、必ずし も重合後イミド化反応が完結しないこともあ る為、製造条件には留意する必要がある。イ ミド化率を50%以上とするためには、アミン法 の場合、通常の方法で前駆体を合成し、製膜 後、Tg以上まで徐々に昇温しTg付近(プラスマ ナス10℃)で1時間程度加熱し十分なイミド化 処理をすることが好ましい。またイソシアネ ート法では、重合に際し、水分率をモノマー モル数の50モル%以下にしたり、モノマーの純 度を高めることが好ましい。例えば、無水ト リメリット酸の閉環率が高いものを使用する こと、ジイソシアネート成分中の不純物であ るジアミン成分量が少ないことなどモノマー 純度が高いことが望ましい。
 尚、イミド化率の測定は、後述の実施例に 載の方法で求めることができる。

 又、これらポリアミドイミド樹脂は、後 するフレキシブル金属張積層体や接着剤層 き積層フィルムとする際の加工性からも、 機溶剤に溶解可能であることが必要である なお、ここで言う有機溶媒は、例えば、N- チル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミ 、N,N-ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチル-2 -イミダゾリジノン、テトラメチルウレア、 ルホラン、ジメチルスルホオキシド、γ-ブ ロラクトン、シクロヘキサノン及びシクロ ンタノンからなる群より選ばれる少なくと 1種であるか、あるいは、これらの一部をト エン、キシレン、ジグライム、トリグライ 、テトラヒドロフラン、メチルエチルケト 及びメチルイソブチルケトンからなる群よ 選ばれる少なくとも1種で置き換えたものと する。尚、本発明において、有機溶剤に可溶 であるとは、上記のいずれかの単独溶媒、も しくはこれらの少なくとも1種を20%以上含有 る混合有機溶媒の、いずれか一つに10重量% 上溶解することをいう。好ましくは、15重量 %以上、より好ましくは、20重量%以上である 尚、溶解したか否かの判定は、樹脂が固形 である場合には、200mlのビーカーに80メッシ を通過する樹脂粉末を規定重量添加し、25 で24時間静かに攪拌した後の溶液を25℃で24 間静置し、ゲル化、不均一化、白濁、析出 いずれかもなかったものを溶解していると 定することができる。

 溶剤に溶解可能とするためには
(1)上述の好ましい樹脂組成にする
(2)イミド基/アミド基の比率を低くする
(3)後述する脂環族基を有するポリカルボン酸 成分、ポリアミン成分として共重合する
(4)後述する脂肪族基を有するポリカルボン酸 成分、ポリアミン成分として共重合する
(5)芳香環中に屈曲性基を導入する。
(6)ポリマー鎖中にバルキーな化合物を導入す る。
(7)後述するエポキシ化合物等でポリマー変性 する。
等により達成することが出来る。

 以上の様に、ナフタレン骨格を主骨格と 、その結合比率を特定の割合とすることで ポリマー鎖自身の剛直性/屈曲性、ポリマー 鎖間の分子間力、面配向性等がほどよくバラ ンスし、溶剤溶解性、低弾性率、耐熱性など 本発明の目的を達成できる。

・・・一般式(1)

・・・一般式(2)

(Xは、酸素原子、CO、SO2、又は、直結を示 、nは0又は1を示す。)

・・・一般式(3)

(Yは、酸素原子、CO、又はOOC-R-COOを示し、nは0 又は1を、Rは二価の
有機基を示す。)

・・・一般式(4)

[低湿度膨張性樹脂層]
低湿度膨張性樹脂層は、湿度膨張係数が20ppm 下のポリアミドイミド樹脂から形成されて る必要がある。好ましくは湿度膨張係数が1 5ppm以下、より好ましくは13ppm以下のポリアミ ドイミド樹脂フィルム層(低湿度膨張性樹脂) ら形成されている。
 低湿度膨張性樹脂層において、酸成分の全 を100モル%、アミン成分の全量を100モル%、 成分とアミン成分の全量を200モル%としたと に、ビフェニレン基を有するモノマーが100 ル%以上であることが好ましく、より好まし くは120モル%以上、最も好ましくは140モル%以 である。ビフェニレン基が100モル%未満では 、吸湿特性が悪くなり、吸湿寸法変化率など の寸法精度、及び、加湿処理後の半田耐熱性 等の耐熱信頼性が悪くなる傾向にある。また 、ビフェニレン基を有するモノマーが180モル %以下が好ましく、より好ましくは170モル%以 、最も好ましくは160モル%以下である。180モ ル%を超えると溶解性が低下する傾向にある
ここで、イミド結合とアミド結合モル比は、 99/1~65/35モル比が好ましく、より好ましくは 90/10~70/30モル比である。
イミド結合とアミド結合モル比が、65/35未満 は、半田処理後のピール強度や、吸湿寸法 化率などの寸法精度が悪くなり、加湿処理 のピール強度、加湿処理後の半田耐熱性等 耐熱信頼性、耐湿性も悪くなる傾向にある イミド結合とアミド結合モル比が、99/1を超 えると、溶解性が乏しくなり、更には、弾性 率が高くなり、耐折特性、屈曲特性が悪くな る傾向にある。
 本発明の目的を達成する為に用いる、湿度 張係数が20ppm以下の低湿度膨張性樹脂層の つの好ましい実施態様をあげると、一般式(5 )、一般式(6)、一般式(7)からなる繰り返し単 を必須成分とし、その共重合比が{一般式(5)} /{一般式(6)}/{一般式(7)}=30~75/10~50/10~50(モル比) あるポリアミドイミド樹脂である。更に好 しくは、{一般式(5)}/{一般式(6)}/{一般式(7)}=3 5~65/10~30/20~50(モル比)であり、最も好ましいの は、一般式(5)}/{一般式(6)}/{一般式(7)}=40~50/10~2 5/25~40(モル比)である。ここで、イミド結合と アミド結合モル比は、99/1~65/35モル比が好ま く、より好ましくは、90/10~70/30モル比である 。一般式(5)が75モル%より多く、一般式(6)、一 般式(7)がそれぞれ下限より低い場合は、吸湿 寸法変化率などの寸法精度が大きくなり、又 、加湿処理後のピール強度、加湿処理後の半 田耐熱などの耐熱信頼性、耐湿性が悪くなる 傾向にある。又、一般式(5)が30モル%より少な く、一般式(6)、一般式(7)がそれぞれ上限より 多い場合は、溶解性に乏しくなり、又、樹脂 フィルムの弾性率が高くなり、本発明の目的 の一つである屈曲性、耐折性の確保が困難に なる傾向にある。又、イミド結合とアミド結 合モル比が、65/35未満では、半田処理後のピ ル強度や、吸湿寸法変化率などの寸法精度 悪くなり、加湿処理後のピール強度、加湿 理後の半田耐熱性等の耐熱信頼性、耐湿性 悪くなる傾向にある。イミド結合とアミド 合モル比が、99/1を超えると、溶解性が乏し くなり、更には、弾性率が高くなり、耐折特 性、屈曲特性が悪くなる傾向にある。
 特に、酸成分、アミン成分の中でも、最も ましい組み合わせは、ジメチルジアミノビ ェニルなどの、2置換体のビフェニレン基を 有するモノマーを使用した場合であり、酸成 分が無水トリメリット酸、3、3‘、4、4’-ベ ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、及 、3、3‘、4、4’-ビフェニルテトラカルボ 酸二無水物の組合せであり、かつ、アミン 分が、3,3’-ジメチル-4、4’-ジアミノビフェ ニルの場合である。
本層は、湿度膨張係数が20ppm以下の樹脂フィ ム層(低湿度膨張性樹脂)から形成されるが 湿度膨張係数はより低いほうが好ましく、 のためにはビフェニレン基の量を多くする アミド結合に対するイミド結合の比率を多 することや、イミド化率を大きくすること 望ましい。

 ここで、一般式(7)中、Yは、又は直結(ビ ェニル結合)或いは、エーテル結合が好まし 、特に、低吸湿寸法性等の寸法精度から、 に好ましくは、直結(ビフェニル結合)であ 。又、下記一般式(7)で表される単位は、各 1種でも2種以上でもよい。

 また、これらポリアミドイミド樹脂は環 に配慮するという観点から、フッ素、塩素 臭素、ヨウ素等のハロゲンを含まないノン ロゲン系であるものが好ましい。

ポリアミドイミド樹脂のイミド結合は、その イミド化率が50%以上であることが好ましく、 より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以 上である。イミド化率は高ければ高いほど好 ましく、上限は100%である。イミド結合のイ ド化率が50%未満では、低弾性率樹脂フィル と低吸湿性樹脂フィルムの接着性が低くな 、樹脂層間での剥離が生じ易くなる傾向に り、半田処理後など、ピール強度が低下し くる。その結果、耐折特性、屈曲性、耐熱 頼性(ピール強度)等の信頼性が乏しくなる傾 向にある。
 この理由は、第2層目のイミド化反応が完了 する前に、積層された構成で熱処理などの成 型加工を行うと、加熱処理に伴ないイミド化 反応が進行し、それに伴ない発生する縮合水 が樹脂層間や樹脂と金属箔との界面で接着性 に悪影響を及ぼす為と推定される。従って、 本願で使用する樹脂組成物の製造は、第2層 樹脂組成物においても、重合後、得られた 脂ワニスのイミド化率が完了するような、 述に記載のイソシアネート法等の方法で製 することが好ましく、当然、重合溶媒に溶 することが必須である為、組成物は有機溶 に可溶であることが好ましい。又、イソシ ネート法による製造でもモノマーの純度や 媒種の影響などにより、必ずしも重合後イ ド化反応が完結しないこともある為、製造 件には留意する必要がある。
イミド化率を50%以上とするためには、アミン 法の場合、通常の方法で前駆体を合成し、製 膜後、Tg以上まで、徐々に昇温しTg付近(プラ マイナス10℃)で1時間程度加熱し十分なイミ ド化処理をすることが好ましい。またイソシ アネート法では、重合に際し、水分率をモノ マーモル数の50モル%以下にしたり、モノマー の純度を高めることが好ましく、例えば、無 水トリメリット酸の閉環率が高いものを使用 すること、ジイソシアネート成分中の不純物 であるジアミン成分量が少ないことなどモノ マー純度が高いことが望ましい。
尚、イミド化率の測定は、後述の実施例に記 載の方法で求めることができる。

 又、これらポリアミドイミド樹脂は、後 するフレキシブル金属張積層体や接着剤層 き積層フィルムとする際の加工性からも、 機溶剤に溶解可能であることが必要である なお、ここで言う有機溶媒は、例えば、N- チル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミ 、N,N-ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチル-2 -イミダゾリジノン、テトラメチルウレア、 ルホラン、ジメチルスルホオキシド、γ-ブ ロラクトン、シクロヘキサノン及びシクロ ンタノンからなる群より選ばれる少なくと 1種であるか、あるいは、これらの一部をト エン、キシレン、ジグライム、トリグライ 、テトラヒドロフラン、メチルエチルケト 及びメチルイソブチルケトンからなる群よ 選ばれる少なくとも1種で置き換えたものと する。尚、本発明において、有機溶剤に可溶 であるとは、上記のいずれかの単独溶媒、も しくはこれらの少なくとも1種を20%以上含有 る混合有機溶媒の、いずれか一つに10重量% 上溶解することをいう。好ましくは、15重量 %以上、より好ましくは20重量%以上である。 、溶解したか否かの判定は、樹脂が固形状 ある場合には、200mlのビーカーに80メッシュ 通過する樹脂粉末を規定重量添加し、25℃ 24時間静かに攪拌した後の溶液を25℃で24時 静地し、ゲル化、不均一化、白濁、析出の ずれかもなかったものを溶解していると判 することができる。

 溶剤に溶解可能とするためには
(1)上述の好ましい樹脂組成にする
(2)イミド基/アミド基の比率を低くする
(3)後述する脂環族基を有するポリカルボン酸 成分、ポリアミン成分として共重合する
(4)後述する脂肪族基を有するポリカルボン酸 成分、ポリアミン成分として共重合する
(5)芳香環中に屈曲性基を導入する。
(6)ポリマー鎖中にバルキーな化合物を導入す る。
(7)後述するエポキシ化合物等でポリマー変性 する。
等により達成することが出来る。

・・・一般式(5)

(式中、R5およびR6は同じであっても異なっ いてもよく、それぞれ水素もしくは炭素数1 ~4のアルキル基、又は、アルコキシ基を示す )

・・・一般式(6)

(式中、R3およびR4は同じであっても異なっ いてもよく、それぞれ水素もしくは炭素数1 ~4のアルキル基、又は、アルコキシ基を示す )

・・・一般式(7)

(式中、R1およびR2は同じであっても異なっ いてもよく、それぞれ水素もしくは炭素数1 ~4のアルキル基、又は、アルコキシ基を示す 又、Yは直結(ビフェニル結合)、或いは、エ テル結合(-O-)を示す。)

本発明の所望の低湿度膨張性樹脂層を達成 するための手段の一例を上記に示したが、達 成手段はこれに限られるものではない。すな わち、メチル基、エチル基、フッ素系などの 疎水性置換基を導入したり、結合の極性を下 げることで、樹脂本来の吸水率を低下させる など適切な分子設計を行えば低湿度膨張性樹 脂が得られる。結合の極性を低下させるため には、例えば、アミド結合に対するイミド結 合の割合を多くするなどの手段がある。

[ポリアミドイミド樹脂の製造]
 上記ポリアミドイミド樹脂の製造は、通常 方法で合成することができる。例えば、イ シアネート法、アミン法(酸クロリド法、低 温溶液重合法、室温溶液重合法等)などであ が、本発明で用いるポリアミドイミド樹脂 、有機溶剤に可溶である必要があり、又、 記の耐折特性、屈曲特性、耐熱信頼性など 確保する為、或いは、工業的にも重合時の 液がそのまま塗工できるイソシアネート法 好ましい。

 イソシアネート法の場合、原料として芳 族トリカルボン酸無水物、芳香族ジカルボ 酸、芳香族テトラカルボン酸二無水物等と 香族ジイソシアネートを有機溶媒中で略化 両論量反応させることで本発明に用いる樹 組成物を得ることができる。ここで、芳香 トリカルボン酸無水物としては、トリメリ ト酸無水物等が、芳香族テトラカルボン酸 水物としては、ピロメリット酸二無水物、 ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、 フェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフ ニルエーテル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸 を、芳香族ジカルボン酸としてはテレフタ 酸、イソフタル酸、ビフェニルジカルボン 、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフ ニルスルホンジカルボン酸等を、芳香族ジ ソシアネートとしては、1,4-ナフタレンジイ ソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネ ト、2,6-ナフタレンジイソシアネート、2,7-ナ フタレンジイソシアネート、オルソトリジン ジイソシアネート等を使用できる。

 反応は有機溶媒中、通常10℃~200℃で1時間 ~24時間が好ましく、又、反応はイソシアネー トと活性水素化合物の反応に対する触媒、例 えば、3級アミン類、アルカリ金属化合物、 ルカリ土類金属化合物などの存在下に行っ も良い。

 本発明のポリアミドイミド樹脂を製造す ための重合溶媒としては、上記ポリアミド ミド樹脂を溶解し得る有機溶媒が使用でき 。かかる有機溶媒の典型例としては、例え 、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホル アミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1,3-ジ チル-2-イミダゾリジノン、テトラメチルウ ア、スルホラン、ジメチルスルホオキシド γ-ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シ ロペンタノンなどで、好ましくはN-メチル-2- ピロリドンである。また、これらの一部をト ルエン、キシレンなどの炭化水素系有機溶剤 、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロ フランなどのエーテル系有機溶剤、メチルエ チルケトン、メチルイソブチルケトンなどの ケトン系有機溶剤で置き換えることも可能で ある。

 本発明のポリアミドイミド樹脂の分子量 、N-メチル-2-ピロリドン中(ポリマー濃度0.5g /dl)、30℃での対数粘度にして0.3から2.5dl/gに 当する分子量を有するものが好ましく、よ 好ましくは0.5から2.0dl/gに相当する分子量を するものである。対数粘度が0.3dl/g未満では フィルム等の成型物にしたとき、機械的特性 が不十分となるおそれがあり、また、2.0dl/g 超えると溶液粘度が高くなる為、成形加工 困難となることがある。

 本発明のポリアミドイミド樹脂は、耐熱 、接着性、寸法安定性、屈曲性、絶縁性(耐 マイグレーション性)、吸湿特性などの各種 能のバランスをとる目的で、本発明の目的 する特性を損なわない範囲で、上記に示し 酸成分、イソシアネート成分、或いは、ア ン成分以外にも以下に示す、酸成分、アミ 成分を共重合することが可能である。又、 れら酸成分、アミン成分の組み合わせで別 重合した樹脂を混合して使用することもで る。当然、前述の酸成分、アミン成分の組 合わせで別途重合した樹脂同士を混合して 構わないし、前述の酸成分に加え、以下に 載する酸成分と、上述のアミン成分に加え 以下に記載するアミン成分との組み合わせ 別途重合した樹脂を混合しても構わない。

 例えば酸成分としては、以下のようなもの 挙げられる。
a)トリカルボン酸;ジフェニルエーテル-3,3’,4 ’-トリカルボン酸、ジフェニルスルホン-3,3 ,4’-トリカルボン酸、ベンゾフェノン-3,3’ ,4’-トリカルボン酸、ナフタレン-1,2,4-トリ ルボン酸、ブタン-1,2,4-トリカルボン酸など トリカルボン酸等の一無水物、エステル化 などの単独、或いは、2種以上の混合物。
b)テトラカルボン酸;ジフェニルスルホン-3,3 ,4,4’-テトラカルボン酸、ナフタレン-2,3,6,7- テトラカルボン酸、ナフタレン-1,2,4,5-テトラ カルボン酸、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボ ン酸、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、シク ロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸一無水物 、二無水物、エステル化物などの単独、或い は、2種以上の混合物。
c)ジカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、 セバシン酸、シクロヘキサン-4,4’-ジカルボ 酸のジカルボン酸、及びこれらの一無水物 エステル化物。

 例えば、アミン成分としては、以下のよう ものが挙げられる。
d)アミン成分
3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3 ’-ジエチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’ -ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’- エチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジ トキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジ トキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、p-フェニ ンジアミン、m-フェニレンジアミン、3,4’- アミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノ ジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェ ルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスル ン、3,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジア ノビフェニル、3,3’-ジアミノベンズアニリ 、4,4’-ジアミノベンズアニリド、4,4’-ジ ミノベンゾフエノン、3,3’-ジアミノベンゾ エノン、3,4’-ジアミノベンゾフエノン、2,6 -トリレンジアミン、2,4-トリレンジアミン、4 ,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’- アミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミ ジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェ ニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルメ ン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、p-キ レンジアミン、m-キシレンジアミン、2,2’- ス(4-アミノフェニル)プロパン、1,3-ビス(3-ア ミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ ェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェ キシ)ベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキ シ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェ キシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノ ェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミ ノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’-ビス (4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス( 3-アミノフェノキシ)ビフェニル、テトラメチ レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イ ソホロンジアミン、4,4’-ジシクロヘキシル タンジアミン、シクロヘキサン-1,4-ジアミン 、ジアミノシロキサン、或いは、これらに対 応するジイソシアネート単独、或いは、2種 上の混合物が挙げられる。当然、第1層で使 したモノマー成分を第2層の一部に用いるこ ともできるし、その逆も可能である。

[ポリアミドイミド樹脂溶液]
 必要ならば、フレキシブル金属張積層体、 いは、フレキシブルプリント基板の諸特性 たとえば、機械的特性、電気的特性、滑り 、難燃性などを改良する目的で、本発明の 記ポリアミドイミド樹脂溶液に、他の樹脂 有機化合物、及び無機化合物を混合させた 、あるいは、反応させたりして併用しても い。たとえば、滑剤(シリカ、タルク、シリ コーン等)、接着促進剤、難燃剤(リン系やト アジン系、水酸化アルミ等)、安定剤(酸化 止剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤等)、メッ 活性化剤、有機や無機の充填剤(タルク、酸 化チタン、シリカ、フッ素系ポリマー微粒子 、顔料、染料、炭化カルシウム等)、その他 シリコーン化合物、フッ素化合物、イソシ ネート化合物、ブロックイソシアネート化 物、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエ テル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂 フェノール樹脂のような樹脂や有機化合物 或いはこれらの硬化剤、酸化珪素、酸化チ ン、炭酸カルシウム、酸化鉄などの無機化 物をこの発明の目的を阻害しない範囲で併 することができる。又、必要に応じて、脂 族第3級アミン、芳香族第3級アミン、複素環 式第3級アミン、脂肪族酸無水物、芳香族酸 水物、ヒドロキシ化合物などのポリイミド の触媒を添加してもよい。例えば、トリエ ルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチ アニリン、ピリジン、ピコリン、イソキノ ン、イミダゾール、ウンデセン、ヒドロキ アセトフェノンなどが好ましく、特に好ま くは、ピリジン化合物、イミダゾール化合 、ウンデセン化合物であり、その中でも、 ンズイミダゾール、トリアゾール、4-ピリジ ンメタノール、2-ヒドロキシピリジン、ジア ビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7が好ましく、よ 好ましくは、2-ヒドロキシピリジン、ジア ビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7である。

 こうして得られるポリアミドイミド樹脂溶 中のポリアミドイミド樹脂の濃度は、広い
範囲から選択できるが、一般には5~40重量%程 が好ましく、特に8~20重量%程度とすること 好ましい。該濃度が上記範囲を外れると、 工性が低下する傾向にある。ポリアミドイ ド樹脂溶液の溶媒としては、塗工性等から N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセ トアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン テトラメチルウレア、スルホラン、ジメチ スルホオキシド、γ-ブチロラクトン、シク ヘキサノン、シクロペンタノンなどが好ま く、特に好ましくは、N-メチル-2-ピロリドン である。また、これらの一部をトルエン、キ シレンなどの炭化水素系有機溶剤、ジグライ ム、トリグライム、テトラヒドロフランなど のエーテル系有機溶剤、メチルエチルケトン 、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有 機溶剤で置き換えることも可能である。又、 これらの溶媒は、重合時の溶媒としても適用 できる為、重合溶液をそのまま塗工できるこ とから、加工性に優れる樹脂溶液を簡便に得 ることができる。

 適正な溶液粘度としては、25℃でのB型粘 が、1~1000ポイズの範囲であることが好まし 。該粘度が上記範囲を外れると塗工性が低 することがある。

[金属箔]
 本発明のポリアミドイミド樹脂や樹脂組成 を用いて金属箔と積層することによりフレ シブル金属張積層体とすることが出来る。 発明に用いる金属箔としては、銅箔、アル ニウム箔、スチール箔、及びニッケル箔な を使用することができ、これらを複合した 合金属箔や亜鉛やクロム化合物など他の金 で処理した金属箔についても用いることが きる。金属箔の厚みについては特に限定は いが、たとえば、3~50μmの金属箔を好適に用 いることができる。特に、回路のファインピ ッチ化の為には、3~12μmの厚みで、更に、塗 面の表面粗度Rzが、0.5~2.0μmの範囲が好まし 。各々の銅箔特性が下限値以下では、ピー 強度が低くなり、又、上限以上では、ファ ンピッチ化が困難になる傾向がある。
 金属箔は、通常、リボン状であり、その長 は特に限定されない。また、リボン状の金 箔の幅も特に限定されないが、一般には25~3 00cm程度が好ましく、特に50~150cm程度であるの が好ましい。
 銅箔は市販の電解箔、或いは、圧延箔をそ まま使用することができる。例えば、日本 解株式会社製の「HLS」、古河サーキットホ ル株式会社製の「F0-WS」、「U-WZ」、或いは 三井金属鉱業株式会社の「NA-VLP」、「DFF」 どが挙げられる。

[フレキシブル金属積層体の製造方法]
 本発明で、片面のみに金属箔を有する金属 層体のポリアミドイミド樹脂フィルム層は 例えば、前記金属箔に直接、或いは接着剤 を介して前記2種類のポリアミドイミド樹脂 (低弾性率樹脂、低湿度膨張性樹脂)の溶液を 次塗布し、塗膜を乾燥(以下、初期乾燥)、 合により熱処理・脱溶剤(以下二次乾燥)する ことにより形成することができる。

 金属箔に2種類の樹脂を積層する方法とし ては、第1層目を塗工し、初期乾燥後、第2層 を塗工、初期乾燥し、場合により、二次乾 して製造できる。又、第1層目を塗工し、初 期乾燥、及び、二次乾燥した後に、第2層目 塗工し、初期乾燥、二次乾燥して製造する ともできる。更に、第1層目を塗工した後に 第2層目を塗工し、初期乾燥、及び、二次乾 燥して製造することもできる。この場合、1 目と2層目を同時に塗工することもできる。

(塗工)
 本発明では、金属箔に直接、或いは接着剤 を介して、上記ポリアミドイミド樹脂溶液 塗布し、乾燥する。塗布方法としては、特 限定されるものではなく、従来からよく知 れている方法を適用することができる。例 ば、ロールコーター、ナイフコーター、ド タ、ブレードコーター、グラビアコーター ダイコーター、リバースコーターなどによ 、塗工液であるポリアミドイミド樹脂溶液 粘度を調整後、金属箔に直接、或いは、接 剤層を介して塗布することができる。接着 層を介して塗布する場合の接着剤組成とし は、特に限定はされず、アクリロニトリル タジエンゴム(NBR)系接着剤、ポリアミド系 着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエステ ウレタン系接着剤、エポキシ樹脂系、アク ル樹脂系、ポリイミド樹脂系、ポリアミド ミド樹脂系、ポリエステルイミド樹脂系な の接着剤が使用できるが、耐熱性、接着性 耐屈曲特性等からポリイミド樹脂系、ポリ ミドイミド樹脂系、或いは、これらの樹脂 エポキシ樹脂を配合した樹脂組成物が好ま く、接着剤層の厚みは、5~30μm程度が好まし 。
又、本発明の塗工液であるポリアミドイミド 樹脂溶液を金属箔に直接、或いは接着剤層を 介して塗布、或いは、塗布・乾燥した後、フ レキシブルプリント基板の諸特性を改良する 目的で、上記の接着剤を更に塗布することも できる。接着剤組成、厚みとしては、耐熱性 、接着性、耐屈曲特性、フレキシブルプリン ト配線板のカール性等の観点から上記と同様 であり、塗工、乾燥の条件も本発明のポリア ミドイミド樹脂溶液と同じ条件を適用するこ とができる。

(乾燥)
 本発明において、塗布後の乾燥条件に特に 定はないが、一般的には、ポリアミドイミ 樹脂溶液に使用する溶媒の沸点(Tb(℃))より7 0℃~130℃低い温度で初期乾燥後、溶媒の沸点 傍、或いは沸点以上の温度で更に乾燥(二次 乾燥)するのが好ましい。

 初期乾燥温度が(Tb-70)℃より高いと、塗工 面に発泡が生じたり、樹脂層の厚み方向での 残溶剤のムラが大きくなる為、金属積層体に 反り(カール)が発生する場合があり、これを 路加工したフレキシブルプリント基板の反 も大きくなる。

 また、乾燥温度が(Tb-130)℃より低いと、 燥時間が長くなり、生産性が低下する。初 乾燥温度は、溶媒の種類によっても異なる 、一般には60~150℃程度、好ましくは80~120℃ 度である。初期乾燥に要する時間は、一般 は上記温度条件下で、塗膜中の溶媒残存率 5~40%程度になる有効な時間とすることが望ま しく、一般には1~30分間程度が好ましく、特 好ましくは、2~15分間程度である。

 又、二次乾燥条件も特に限定はなく、溶 の沸点近傍、或いは、沸点以上の温度で乾 すればよいが、一般には120℃~400℃、好まし くは200℃~300℃である。120℃未満では乾燥時 が長くなり、生産性が低下し、300℃を超え と、樹脂組成によっては劣化反応が進行し 樹脂フィルムがもろくなる場合がある。二 乾燥に要する時間は、一般には上記温度条 下で、塗膜中の溶媒残存率が無くなる程度 なる有効な時間とすればよいが、一般には 分間~数十時間程度である。

 本発明において、乾燥は、不活性ガス雰囲 下、或いは、減圧下で行ってもよい。不活 ガスとしては、窒素、二酸化炭素、へリウ 、アルゴン等が例示できるが、入手容易な 素を用いるのが好ましい。又、減圧下で行 場合は、10 -5 ~10 3 Pa程度、好ましくは10 -1 ~200Pa程度の圧力下で行うのが好ましい。

 本発明において、初期乾燥、二次乾燥と に乾燥方式に特に限定はないが、ロールサ ート方式やフローティング方式など、従来 知の方法で行うことができる。又、テンタ 式などの加熱炉での連続熱処理や、巻き物 態で巻き取り、バッチ式のオーブンで熱処 しても良い。バッチ式の場合、塗布面と非 布面が接触しない様に巻き取ることが好ま い。又、加熱の方式は、従来公知の電気炉 IRヒーター、遠赤外ヒーターなどを適用で る。

 本発明において、弾性率4800Mpa以下の樹脂 層(低弾性率樹脂層)の厚み(T1)と湿度膨張係数 20ppm以下の樹脂層(低湿度膨張性樹脂層)の厚 (T2)の比(T1)/(T2)は好ましくは0.05~5であり、よ 好ましくは0.1~5、さらにより好ましくは0.15~ 5である。(T1)/(T2)が0.05未満では、屈曲性、耐 特性、耐熱信頼性に劣り、5を超えると寸法 安定性に劣る。 又、耐熱性、屈曲性、耐折 性、寸法安定性の各特性の両立化という観 から、より好ましい積層方法は、金属箔と する側の耐熱性樹脂層が弾性率4800Mpa以下の 低弾性率樹脂層で、金属箔と接していない層 が湿度膨張係数が20ppm以下の低湿度膨張性樹 層である。  

 こうして得られる本発明のフレキシブル 属張積層体は、ポリアミドイミド樹脂フィ ム層の少なくとも一方の面に金属箔を直接 えている為、耐熱性、寸法安定性、接着性 優れることを特徴としている。又、イソシ ネート法においてはイミド化工程が不要で り、溶剤の乾燥のみで成型できる為、或い 、高温での熱処理が不必要なことから、安 に製造でき、屈曲性、耐折特性、耐熱信頼 に優れることを特徴としている。

低弾性率樹脂層のフィルム厚みは、3~50μmが ましく、より好ましくは5~30μm、最も好まし は7~20μmである。3μm未満では半田処理後の ール強度、屈曲性、耐折性が低下する傾向 ある。50μmを超えると吸湿寸法変化率が低下 する傾向にある。
低湿度膨張性樹脂層のフィルム厚みは、10~60 mが好ましく、より好ましくは20~50μm、最も ましくは25~40μmである。10μm未満では吸湿寸 変化率が大きくなる傾向にある。60μmを超 ると屈曲性、耐折特性が低下する傾向にあ 。
 尚、ポリアミドイミド樹脂フィルム層と金 箔とからなる本発明のフレキシブル金属張 層体において、ポリアミドイミド樹脂フィ ム層全体の厚さは、広い範囲から選択でき が、一般には絶乾後の厚さで5~100μm程度が ましく、より好ましくは10~50μm程度である。 厚さが5μmよりも小さいと、フィルム強度等 機械的性質やハンドリング性に劣り、一方 厚さが100μmを超えるとフレキシブル性など 特性や加工性(乾燥性、塗工性)等が低下する 傾向がある。又、本発明のフレキシブル金属 張積層体には、必要に応じて、表面処理を施 してもよい。例えば、加水分解、低温プラズ マ、物理的粗面化、易接着コーティング処理 等の表面処理を施すことができる。

本発明の両面フレキシブル金属積層体は、両 面に金属箔を有する金属積層体であり、例え ば、上記のようにして成型された片面にのみ 金属箔が積層された金属積層体の樹脂面同士 を加熱ラミネートなど従来公知に方法で張り 合わせたり、接着剤層を介して従来公知の方 法で張り合わせたりするなどの方法で製造す ることができる。
 ラミネートの方式は特に限定されるもので なく、ロールラミネート、プレスラミネー 、ベルトプレスラミネートなど、従来公知 方式が採用でき、ラミネート温度は、通常 、樹脂のTg以上、例えば低湿度膨張性樹脂( り合わせる面の樹脂層)のTg以上、であり、3 00℃~500℃が好ましく、より好ましくは350℃~45 0℃、さらに好ましくは、380℃ ~430 ℃である 。300℃未満では、接着性が不十分であり、500  ℃を超えると樹脂の劣化が生じ、機械的特 が低下する傾向にある。又、ラミネートの 間は、特に限定はないが、通常は10秒~10時 、好ましくは1分 ~1時間、更に好ましくは3  ~30分である。10秒未満では接着性が不十分 あり、10時間を越えると、樹脂層の劣化が じ、機械的特性が低下する傾向にある。
 接着剤層を介して塗布する場合の接着剤組 としては、特に限定はされず、アクリロニ リルブタジエンゴム(NBR)系接着剤、ポリア ド系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリ ステルウレタン系接着剤、エポキシ樹脂系 アクリル樹脂系、ポリイミド樹脂系、ポリ ミドイミド樹脂系、ポリエステルイミド樹 系などの接着剤が使用できるが、耐熱性、 着性、耐屈曲特性等からポリイミド樹脂系 ポリアミドイミド樹脂系、或いは、これら 樹脂にエポキシ樹脂を配合した樹脂組成物 好ましく、接着剤層の厚みは、5~30μm程度が ましい。又、絶縁性能等からは、ポリエス ルやポリエステルウレタン樹脂系、或いは これらの樹脂にエポキシ樹脂を配合した樹 組成物が好ましく、接着剤層の厚みは、5~30 μm程度が好ましい。接着剤の厚さは、フレキ シブルプリント配線基板の性能を発揮するの に支障がない限り、特に限定されないが、厚 さが薄すぎる場合には、充分な接着性が得ら れにくい場合があり、一方、厚さが厚すぎる 場合には、加工性(乾燥性、塗工性)等が低下 る場合がある。尚、接着剤層を介した積層 成を形成する手段としては、後述の本発明 耐熱性樹脂を用いて成型した耐熱性フィル と金属箔を上記の接着剤で加熱ラミネート の方法により貼り合わせることもできる。

[フレキシブルプリント基板]
 上記本発明のフレキシブル金属張積層体を いて、例えばサブトラクティブ法等の方法 より、フレキシブルプリント基板を製造で る。導体回路のソルダーレジスト、或いは 汚れやキズなどから保護する目的で回路表 を被覆する場合は、従来公知の方法で、ポ イミド等の耐熱性フィルムを接着剤を介し 、配線板(導体回路が形成されたベース基板 )に貼り合わせる方法や、或いは、液状の被 剤をスクリーン印刷法で配線板に塗布する 法などが適用できる。液状の被覆剤として 、従来公知のエポキシ系やポリイミド系の ンキが使用できるが、好ましくはポリイミ 系である。又、エポキシ系やポリイミド系 の接着シートを配線板に直接貼りあわせる とも可能である。こうして得られるフレキ ブルプリント基板は、耐熱信頼性、寸法安 性、接着性に優れ、かつ、屈曲性、耐折特 、吸湿特性、絶縁性にも優れるため、ファ ンピッチが要求される高密度回路板用途等 も使用できることから工業的に多大のメリ トがある。

(フレキシブルプリント基板の製造方法)
 本発明のフレキシブルプリント基板は、上 した各層の材料を用いる以外は、従来公知 プロセス用いて製造することができる。
 一つの好ましい実施態様では、ポリイミド ィルムに接着剤層を積層した接着剤付カバ フィルムを製造する。他方、基材フィルム に所望の回路パターンを形成した半製品(以 下「基材フィルム側半製品」という)を製造 る。このようにして得られた接着剤付カバ フィルムと基材フィルム側半製品とを貼り わせることにより、フレキシブルプリント 線基板を得ることができる。

(基材フィルム側半製品の製造方法)
 基材フィルム側半製品は、上述のフレキシ ル金属張積層体を用いて、金属箔層に回路 形成することにより製造される。回路の形 は、従来公知の方法を用いることができる アディティブ法を用いてもよく、サブトラ ティブ法を用いてもよい。好ましくは、サ トラクティブ法である。
 回路の配線パターンは、任意のパターンが 成可能である。特に細かい配線パターンを した回路においても本発明のフレキシブル リント基板は高いレベルの性能を示すので 細かい配線パターンを施す回路において特 本発明のフレキシブルプリント基板は有利 ある。

 具体的には、回路の配線の太さは、100μm以 とすることが可能であり、配線の太さを50μ m以下とすることも可能であり、配線の太さ 30μm以下とすることも可能であり、配線の太 さを10μm以下とすることも可能である。
 配線の間隔は、100μm以下とすることが可能 あり、50μm以下とすることも可能であり、30 μm以下とすることも可能であり、10μm以下と ることも可能である。配線の太さと配線間 の和(回路ピッチ)は、100μm以下とすること 可能であり、60μm以下とすることが可能であ り、20μm以下とすることも可能である。

(接着剤付カバーフィルムの製造方法)
 接着剤付カバーフィルムは、例えば、ポリ ミドフィルムに接着剤を塗布、乾燥して製 される。接着剤は、特に限定はされず、ア リロニトリルブタジエンゴム(NBR)系接着剤 ポリアミド系接着剤、ポリエステル系接着 、ポリエステルウレタン系接着剤、エポキ 樹脂系、アクリル樹脂系、ポリイミド樹脂 、ポリアミドイミド樹脂系、ポリエステル ミド樹脂系などの接着剤が使用できるが、 熱性、接着性、耐屈曲特性等からポリイミ 樹脂系、ポリアミドイミド樹脂系、或いは これらの樹脂にエポキシ樹脂を配合した樹 組成物が好ましい。接着剤を積層する方法 、一般的な方法が適用でき、特に制限はな が、例えば、ロールコーター、ナイフコー ー、ドクタ、ブレードコーター、グラビア ーター、ダイコーター、リバースコーター どの塗布方法を用いて絶縁フィルムに塗布 乾燥して積層することができる。場合によ ては、離型性フィルムの上に上記塗布方法 接着剤層を形成させ、該接着剤層を絶縁フ ルムに転写法によりラミネートすることも 能である。乾燥条件は使用する接着剤に応 て、適時設定する。通常は30℃~150℃程度で る。又、必要に応じて、塗布された接着剤 おいて架橋反応を行うことができる。好ま い実施態様においては、接着剤層を半硬化 せる。

 得られた接着剤付カバーフィルムは、そ まま基材側半製品との貼り合わせに使用さ てもよく、また、離型性フィルムを貼りあ せて保管した後に、基材フィルム側半製品 の貼り合わせに使用してもよい。

(基材フィルム側半製品と接着剤付カバーフ ルムの貼り合わせ)
基材フィルム側半製品と接着剤付カバーフィ ルムとを貼り合わせる方法としては、任意の 方法が使用可能である。例えば、プレスまた はロールなどを用いて貼り合わせることがで きる。また、加熱プレス、または加熱ロール プレス装置を使用するなどの方法により加熱 を行いながら両者を貼りあわせることもでき る。

 例えば、半製品における接着剤層が未硬 状態もしくは半硬化状態のものであれば、 り合わせの際に加熱を行うことにより接着 層の架橋反応を進めて硬化させることが可 であり、接着剤層が完全硬化した最終製品 容易に得ることもできる。架橋反応が不足 場合、或いは、架橋反応を精密にコントロ ルする必要がある場合には、上記の任意の 法で貼りあわせ後、必要に応じて、ポスト ュアーを行うこともできる。

[フレキシブルプリント基板の使用方法]
 本発明のフレキシブルプリント基板は、フ キシブルプリント基板として採用され得る 意の積層構成とすることができる。例えば 上述の通り、基材フィルム層、金属箔層、 着剤層、およびカバーフィルム層の4層から 構成されるフレキシブルプリント基板とする ことができる。

 さらに必要に応じて、上記のフレキシブ プリント基板を2つもしくは3つ以上積層し 構成とすることもできる。例えば、上記4層 イプのフレキシブルプリント基板を複数積 し、必要に応じて、フレキシブルプリント 板とフレキシブルプリント基板の間を接着 で接着することが可能である。より具体的 は、例えば、第1のフレキシブルプリント基 板の基材フィルム層、第1のフレキシブルプ ント基板の金属箔層、第1のフレキシブルプ ント基板の接着剤層、第1のフレキシブルプ リント基板のカバーフィルム層、第1のフレ シブルプリント基板と第2のフレキシブルプ ント基板とを接着する接着剤層、第2のフレ キシブルプリント基板の基材フィルム層、第 2のフレキシブルプリント基板の金属箔層、 2のフレキシブルプリント基板の接着剤層、 よび第2のフレキシブルプリント基板のカバ ーフィルム層の合計9層が順に積層された構 とすることができる。

 また例えば、上記4層タイプのフレキシブル プリント基板を2つの基材フィルムの底部ど しを接着剤層により接着して背中合わせに り合わせた形態にすることもできる。この 合、例えば、上記4層タイプのフレキシブル リント基板を用いれば、
第1のフレキシブルプリント基板のカバーフ ルム層、
第1のフレキシブルプリント基板の接着剤層
第1のフレキシブルプリント基板の金属箔層
第1のフレキシブルプリント基板の基材フィ ム層、
第1のフレキシブルプリント基板と第2のフレ シブルプリント基板との基材フィルムどう を接着する接着剤、
第2のフレキシブルプリント基板の基材フィ ム層、
第2のフレキシブルプリント基板の金属箔層
第2のフレキシブルプリント基板の接着剤層 および
第2のフレキシブルプリント基板のカバーフ ルム層
の合計9層が順に積層された構成とすること できる。

[フレキシブルプリント基板の用途]
 本発明のフレキシブルプリント基板は、従 フレキシブルプリント基板が使用されてき 各種製品に使用可能である。また、本発明 フレキシブルプリント基板は、耐熱性、寸 安定性、屈曲性、、耐折特性、絶縁性等に れているので、特に細い配線が必要とされ 用途、および配線の間隔を狭くする必要が る用途に好適に使用可能である。例えば、 線の太さが30μm以下の製品に好適である。 た、例えば、配線の間隔が60μm以下の製品に 好適であり、配線の間隔が30μm以下の製品に り好適であり、配線の間隔が10μm以下の製 にさらに好適である。従って、配線の太さ 配線間隔との和(回路ピッチ)が狭い用途に好 適に使用することができる。回路ピッチが100 μm以下の製品に好適であり、回路ピッチが60 m以下の製品により好適であり、回路ピッチ 30μm以下の製品にさらに好適であり、回路 ッチが20μm以下の製品に特に好適である。

 また、本発明のフレキシブルプリント基 が使用される具体的な最終製品の例として 、フラットパネルディスプレイ、携帯電話 の液晶モニター用の駆動モジュール等など 挙げられる。

 以下、実施例により、この発明をさらに詳 く説明する。なお、本発明は実施例により 特に制限されるものではない。
 各実施例における特性値の評価方法は以下 通りである。尚、評価に用いた、粉末状の リアミドイミド樹脂サンプルは、各合成例 得られた、重合ドープを大量のアセトンで 再沈殿、精製して作成した。又、各種測定 評価に用いる、樹脂フィルム(基材フィルム )は、特に断りのないかぎり、各実施例、比 例で得られたフレキシブル金属張積層体の 属箔を、35%の塩化第二鉄(40℃)でエッチング 去し、樹脂フィルムを得た。

<対数粘度>
 粉末状のポリマーサンプルを用い、ポリマ 濃度が0.5g/dlとなるようにN-メチル-2-ピロリ ンに溶解し、その溶液の溶液粘度、及び、 媒粘度を30℃で、ウベローデ型の粘度管に り測定して、下記の式で計算した。
 対数粘度(dl/g)=[ln(V1/V2)]/V3     

 上記式中、V1はウベローデ型粘度管によ 測定した溶液粘度を示し、V2はウベローデ型 粘度管により測定した溶媒粘度を示すが、V1 びV2はポリマー溶液及び溶媒(N-メチル-2-ピ リドン)が粘度管のキャピラリーを通過する 間から求めた。また、V3は、ポリマー濃度(g /dl)である。

<Tg>
 表1に記載のポリアミドイミド樹脂サンプル を金属箔に塗工、乾燥した後、金属箔を35%の 塩化第二鉄(40℃)でエッチング除去し、単層 樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルム(サ プルサイズ4mm巾×15mm長さ)を動的粘弾性測定 装置(オリエンテック社製レオバイブロン)を いて、周波数1Hz、昇温速度10℃/分、の条件 TanδのピークトップからTgを求めた。

<熱膨張係数(CTE)>
 表1に記載のポリアミドイミド樹脂サンプル を金属箔に塗工、乾燥した後、金属箔を35%の 塩化第二鉄(40℃)でエッチング除去し、単層 樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルムの 膨張係数をTMA(熱機械分析/理学株式会社製) 張荷重法により、以下の条件で測定した。
なおフィルムは、窒素中、昇温速度10℃/分で 、一旦、変曲点まで昇温し、その後室温まで 冷却したフィルムについて測定を行った。
荷重:5g
サンプルサイズ:4(幅)×20(長さ)mm
昇温速度:10℃/分
雰囲気:窒素
測定温度範囲;100℃~200℃

<寸法変化率>
 IPC-FC241(IPC-TM-650,2.2.4(c))で150℃×30分の条件で 、MD方向とTD方向について測定し平均値を求 た。

<接着強度>
 IPC-FC241(IPC-TM-650,2.4.9(A))に従い、サブトラク ィブ法により回路パターンを作成したサン ルを用いて、回路パターンと耐熱性樹脂層 の接着強度を測定した。

<半田処理後のピール強度>
 IPC-FC241(IPC-TM-650,2.4.9(A))に従い、サブトラク ィブ法により回路パターンを作成し、350℃ 30秒間、半田浴にフロートさせた後のサン ルを用いて、接着強度を測定した。尚、半 浴へのサンプルのフロートは、樹脂基材面 接触するような形態で行った。

<湿度膨張係数(CHE)>
まず、表1に記載のポリアミドイミド樹脂サ プルを金属箔に塗工、乾燥した金属張積層 を作成した。そして、以下により測定した
(1) IPC-FC 241(IPC-TM-650、2.2.4(c))に準じて金属張 積層板の一定の位置に穴をあけ、25℃65%で4時 間調湿し、穴間距離を測長する。
(2) 金属張積層板の金属層を塩化第二鉄で前 除去(エッチング)し、得られた樹脂フィル を相対湿度が20%、40%、65%、90%の各雰囲気下 、25℃で24時間調湿する。
(3) IPC-FC 241(IPC-TM-650、2.2.4(c))に準じて、樹脂 フィルムの穴間距離を測長し、(1)の金属箔積 層体の穴間距離を基準に寸法変化率を求める 。
(4)(3)の寸法変化率を各相対湿度に対しプロッ トし、その湿度に対する傾きを湿度膨張係数 (CHE)とした。

<耐折特性>
 金属箔をエッチング除去して得た樹脂フィ ム(サンプルサイズ;25.4mm×88.9mm)を(株)東洋精 機製作所製のガーレ式柔軟度試験機を用いて 、JIS L 1096に準じて、柔軟度(反発力の目安) 測定した。測定結果の判定は、柔軟度の値 、120mg以上を×、120mgより低い場合を○とし 。

<樹脂フィルムの強度、伸度、弾性率>
 表1に記載のポリアミドイミド樹脂サンプル を金属箔に塗工、乾燥した後、金属箔を35%の 塩化第二鉄(40℃)でエッチング除去し、単層 樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルムか 、幅10mm、長さ100mmのサンプルを作成し、引 試験機(商品名「テンシロン引張試験機」、 洋ボールドウィン社製)にて、引張速度20mm/ 、チャック間距離40mmで測定した。

<イミド化率>
 粉末状のポリマーサンプルを用いて、赤外 光光度計(島津製作所(株)製)KBr法で、イミド の吸収(1380cm-1)とベンゼン隔の吸収(1510cm-1)よ 、その吸光度比を求めた。
 イミド化率の計算は、同一樹脂組成のワニ から以下の条件で作成した銅張積層フィル について、その樹脂表面を削り取ることに り作成した粉末状サンプルを用いて、同様 方法で、イミド(1380cm-1)とベンゼン核(1510cm-1 )の吸光度比を求め、この吸光度比を100%とし 算出した。
<銅張積層フィルム作成方法>
 厚み12μmの電解銅箔(商品名「HLS」、日本電 (株)製)にナイフコーターを用いて、脱溶剤 の厚みが20μになるようにコーティングし、 100℃の温度で5分乾燥した。次いで、減圧乾 条件;200℃×24hr(減圧度は溶剤の揮発により、 10~100Paの間で変動した)
窒素下での加熱(流量;20L/分);260℃×10hr
で熱処理した。
<加湿処理後の半田耐熱性> 
IPC-FC241(IPC-TM-650, 2.4.9(A))に従い、サブトラク ィブ法により回路パターンを作成し、40℃ 90%RHの雰囲気下、24hr加湿処理した。次いで 280℃で30秒間、半田浴にフロートさせた後の サンプルを用いて、膨れや剥がれの有無を目 視で観察した。膨れや剥がれのなかったもの を○、膨れや剥がれがあったものを×とした

 合成例1(樹脂1)
 反応容器に無水トリメリット酸192g(三菱瓦 化学(株)製)、1,5-ナフタレンジイソシアネー 209g(100モル%、住友バイエルウレタン(株)製) ジアザビシクロウンデセン1g(サンアプロ(株 )製)、及び、N-メチル-2-ピロリドン(以下NMPと することがある)1836g(三菱化学(株)製)(ポリ ー濃度15%)を加え、100℃まで2時間で昇温し、 そのまま5時間反応させた。次いで、NMP534g(ポ リマー濃度12重量%)を加え、室温まで冷却し 。得られた重合ドープは黄褐色透明でポリ ーはNMPに溶解していた。対数粘度、イミド 率は、表1に示す通りであった。又、本樹脂 液を用いて、実施例1記載の方法により成型 加工した金属積層体の金属箔を35%の塩化第二 鉄(40℃)でエッチング除去して得た樹脂フィ ム(単層でのフィルム特性)のTg、強度、伸度 弾性率、CHE, CTEは表1に示す通りであった。
 尚、各々のモノマーの純度は99%以上のもの 使用した。

 合成例2~13
 モノマー組成を表1に示す内容に変えた以外 は、合成例1と同じ重合条件で、樹脂ワニス 作成した。対数粘度、イミド化率、Tg、強度 、伸度、弾性率は、表1に示す通りであった

実施例1、2、5~9、比較例1~6
 以上の様にして得られたポリマー溶液を用 て、以下の様な成型加工条件でフレキシブ 金属張積層体を作成し、表1、表2に示す内 の各種特性を評価した。
(A)初期乾燥
 上記で得られた樹脂溶液を表2に示す様な積 層構成にて、基材樹脂層が2層構成の初期乾 されたフレキシブル金属張積層体を得た。
 即ち、厚み12μmの電解銅箔(商品名「NA-VLP」 三井金属鉱山(株)製)にナイフコーターを用 て、脱溶剤後の厚みが表―2記載の通りにな るように第1層目のコーティングし、100℃の 度で5分乾燥した。次いで、同様の方法で、 溶剤後の厚みが表―2記載の通りになるよう に、さらに、コーティングし、100℃の温度で 10分乾燥し、初期乾燥されたフレキシブル金 張積層体を得た。
(B)二次乾燥
 上記の初期乾燥された積層体を外径16イン のアルミ缶に、塗工面が外側になるよう巻 付け、真空乾燥機、或いはイナートオーブ で、以下に示す条件で加熱処理した。得ら た積層体の塗膜中の溶剤は完全に除去され いた。
減圧乾燥条件;200℃×24hr(減圧度は溶剤の揮発 より、10~100Paの間で変動した)
窒素下での加熱(流量;20L/分);260℃×10hr

実施例3、4
 銅箔を厚み12μmの古河サーキットホイル(株) 製の電解銅箔「U-WZ」、厚み12μmの日本電解( )製の電解銅箔「HLS」に変えた以外は、実施 2同様の方法でそれぞれフレキシブル金属積 層体を作成し、表1、表2に示す内容の各種特 を評価した。

略号の意味
TMA;無水トリメリット酸
BTDA;3、3、‘4、4’-ベンゾフェノンテトラカ ボン酸二無水物
BPDA;3、3、‘4、4’-ビフェニルテトラカルボ 酸二無水物
PMA:無水ピロメリット酸
TPA;テレフタル酸
NDI;1、5-ナフタレンジイソシアネート
TODI;O-トリジンジイソシアネート
DSDA;3、3、‘4、4’-ジフェニルスルホンテト カルボン酸二無水物
CHE;湿度膨張係数、CTE;熱膨張係数

 上述したように、本発明のフレキシブル金 積層体は、屈曲性、耐折特性、耐熱性が良 で、湿度寸法変化率が低く、Tgの高い複数 樹脂組成物からなり、その層構成、加工条 により、耐折特性、屈曲性、寸法精度、耐 信頼性に優れる。更に、用いる樹脂組成物 有機溶剤に可溶である為、高温での熱処理 必要性もなく安価に製造できる。従って、 密度実装基板用途でも使用できるフレキシ ル基板が安価に製造できることから、工業 に多大のメリットがある。