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Title:
METAL PASTE FOR SEALING, METHOD FOR HERMETICAL SEALING OF PIEZOELECTRIC ELEMENT, AND PIEZOELECTRIC DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/114784
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a metal paste for sealing, which comprises a metal powder and an organic solvent, wherein the metal powder comprises at least one metal powder selected from a gold powder, a silver powder, a platinum powder and a palladium powder having a purity of 99.9% by weight or more and an average particle diameter of 0.1 to 1.0 μm, and wherein the metal powder and the organic solvent are contained in amounts of 85 to 93% by weight and 5 to 15% by weight, respectively. The metal paste may further contain an additive such as a surfactant, depending on the manner of application thereof. Also disclosed is a sealing method using the metal paste, which comprises the steps of: applying and drying the metal paste; sintering the metal paste at 80 to 300˚C to produce a sintered metal powder product; and compressing a base member and a cap member while heating the sintered metal powder product.

Inventors:
OGASHIWA TOSHINORI (JP)
MIYAIRI MASAYUKI (JP)
NAGANO YOJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054929
Publication Date:
September 25, 2008
Filing Date:
March 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TANAKA PRECIOUS METAL IND (JP)
EPSON TOYOCOM CORP (JP)
OGASHIWA TOSHINORI (JP)
MIYAIRI MASAYUKI (JP)
NAGANO YOJI (JP)
International Classes:
H01L23/10; B22F1/00; B22F1/107; B22F9/00; H03H3/02; H03H9/10
Foreign References:
JP2005216508A2005-08-11
JP2005317793A2005-11-10
JP2007043092A2007-02-15
JPH11354660A1999-12-24
JP2005216508A2005-08-11
JP2005317793A2005-11-10
JP2006049595A2006-02-16
US6410081B12002-06-25
EP1542239A12005-06-15
Other References:
See also references of EP 2124254A4
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA AND OKAZAKI (30-10 Hongo 3-chom, Bunkyo-ku Tokyo 33, JP)
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Claims:
金属粉末と有機溶剤とを含んでなる封止用の金属ペーストにおいて、
 前記金属粉末は、純度が99.9重量%以上であり、平均粒径が0.1μm~1.0μmである金粉、銀粉、白金粉、又はパラジウム粉から選択される一種以上の金属粉末であり、
 前記金属粉末を85~93重量%、前記有機溶剤を5~15重量%の割合で配合したことを特徴とする封止用の金属ペースト。
0.01~1重量%の界面活性剤を含む請求項1記載の封止用の金属ペースト。
界面活性剤は、アルキルアミン、アルキルアミンカルボン酸塩、カルボン酸アミド、エステルアミン、有機チタン化合物、スルホカルボン酸ナトリウムから選択される一種以上である請求項2記載の封止用の金属ペースト。
0.01~4重量%の樹脂を含む請求項1記載の封止用の金属ペースト。
樹脂は、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、アルキッド樹脂から選択される一種以上である請求項4記載の封止用の金属ペースト。
更に、0.05~2重量%のチクソ剤を含む請求項4又は請求項5記載の封止用の金属ペースト。
チクソ剤は、糖アルコール、カルボン酸アミド、ポリ酸アミドから選択される一種以上である請求項6記載の封止用の金属ペースト。
更に、0.01~1重量%の界面活性剤を含む請求項6又は請求項7記載の封止用の金属ペースト。
界面活性剤は、アルキルアミン、アルキルアミンカルボン酸塩、カルボン酸アミド、エステルアミン、有機チタン化合物、スルホカルボン酸ナトリウムから選択される一種以上である請求項8記載の封止用の金属ペースト。
圧電素子を収容するベース部材とその蓋体となるキャップ部材とを、請求項1~請求項9のいずれかに記載の封止用の金属ペーストを用いて接合することで気密封止する方法において、
 下記工程を含むことを特徴とする圧電素子の気密封止方法。
(a)ベース部材又はキャップ部材に、前記金属ペーストを塗布する工程。
(b)前記金属ペーストを乾燥し、80~300℃の温度で焼結させて金属粉末焼結体とする工程。
(c)前記金属粉末焼結体を介してベース部材にキャップ部材を配置し、少なくとも金属粉末焼結体を加熱しながら、一方向又は双方向から加圧してベース部材とキャップ部材とを接合する工程。
(c)工程において、加熱温度を80~300℃とする請求項10記載の封止方法。
(c)工程において、更に、少なくとも金属粉末焼結体に超音波を印加して加圧する請求項10又は請求項11記載の封止方法。
圧電素子を収容するベース部材と、その蓋体となるキャップ部材とを金属粉末焼結体にて接合して気密封止した構成を有する圧電デバイス。
Description:
封止用の金属ペースト及び圧電 子の気密封止方法並びに圧電デバイス

 本発明は、水晶振動子等の圧電素子を備 るパッケージの気密封止に用いられる金属 ースト及びこの金属ペーストを用いた封止 法に関する。具体的には、従来のろう付け に比べて低温での封止が可能であり、かつ 気密性に優れた方法に関する。

 携帯電話等の各種電子機器で使用されて る水晶振動子等の圧電素子は、空気中の湿 、酸素による酸化、劣化を防止するため、 ッケージに封入された状態で使用されてい 。この圧電素子パッケージの気密封止の方 としては、一般にろう付け法が用いられて る。ろう付け法による気密封止においては 圧電素子をパッケージの容器となるベース 材内部に固定し、これに接合部の形状に合 せて成形加工したろう材と蓋体となるキャ プ部材とを重ね、ろう材を加熱して溶融さ て、ベース部材とカバー部材とを接合する とにより行われる。

 パッケージ封止用のろう材としては、圧電 子への汚染を防止するためフラックスレス ろう材が使用されており、その中でも信頼 、耐食性に優れるAu-Sn系ろう材が一般に用 られている。そして、封止時の作業温度は ろう材の融点(AuSn系ろう材の融点は、約280℃ 前後である。)を考慮して、300℃以上に設定 れることが多い。

特開2005-347851号公報

 気密封止された圧電素子パッケージは、 の後、回路基板に実装されるが、その際の 電素子パッケージの実装電極と回路基板の ッド電極との接合材としてはSn系はんだが 用されている。しかし、Sn系はんだの融点は 、210~225℃であるため、実装時の接合温度はAu -Sn系ろう材の融点近傍である250~260℃に設定 れることが多い。そのため、回路基板への 装の際、封止材であるAu-Sn系ろう材が再溶融 し、パッケージの気密性を悪化させるおそれ がある。特に、パッケージ内を真空状態とし ているときに、かかる封止材の再溶融が起こ ると、封止材がパッケージ内部に吸い込まれ 、圧電素子表面に付着し、その特性(水晶振 子の場合には、周波数変動、振動動作)に悪 響を及ぼすこととなる。

 本発明は、以上のような背景のもとにな れたものであり、水晶振動子等の圧電素子 ッケージの気密封止の際に、比較的低温で ース部材とキャップ部材とを接合すること でき、且つ、十分な気密性を確保すること できる封止材及び封止方法を提供すること 目的とする。また、再加熱を受けても再溶 を生じさせることなく、内部の圧電素子の 性を維持することのできるものを提供する

 本発明者等は、上記課題を解決すべく、 来技術であるろう材に替えて新たな接合部 の適用を検討した。そして、鋭意検討を行 、以下の構成を有する金属ペーストを見出 た。

 即ち、本発明は、金属粉末と有機溶剤と 含んでなる封止用の金属ペーストにおいて 前記金属粉末は、純度が99.9重量%以上であ 、平均粒径が0.1μm~1.0μmである金粉、銀粉、 金粉、又はパラジウム粉から選択される一 以上の金属粉末であり、前記金属粉末を85~9 3重量%、前記有機溶剤を5~15重量%の割合で配 したことを特徴とする封止用の金属ペース である。

 本発明において、封止材として金属ペー トの形態を適用するのは、これを用いて後 する方法により封止を行うことにより、金 ペーストを構成する微小な金属粉末が焼結 となり、更に、塑性変形しつつ強固に結合 、その結果、緻密な接合部を形成するから ある。そして、本発明では、金属ペースト 構成する金属粉末の純度及び粒径と、金属 末と有機溶剤との配合割合を明確にするこ で、封止材として好適な金属ペーストを提 するものである。

 本発明に係る金属ペーストを構成する金 粉末は、純度が99.9重量%以上であり、平均 径が0.005μm~1.0μmである金粉、銀粉、白金粉 又はパラジウム粉から選択される一種以上 金属粉である。金属粉の純度について99.9重 %以上の高純度を要求するのは、純度が低い と粉末の硬度が上昇して塑性変形し難くなり 、緻密な接合部が形成されないからである。 また、金属粉末の構成金属を、金、銀、白金 、又はパラジウムのいずれかとしたのは、耐 食性、耐酸化性に優れるからである。

 また、金属粉の平均粒径については、1.0 mを超える粒径の金属粉では、これを焼結さ ても好ましい接合状態を発現させ難くなる らである。一方、金属粉末の粒径を0.1μm以 とするのは、ペーストとしたときの分散性 考慮するものである。即ち、粒径があまり 小さい場合、ペースト化において凝集が生 易くなるが、これを回避するためには、有 溶剤の配合割合が高くなり、下記の割合を えることとなるからである。

 金属粉末と共に金属ペーストの必須構成成 である有機溶剤は、その種類については、 に限定はない。好ましくは、エステルアル ール、ターピネオール、パインオイル、ブ ルカルビトールアセテート、ブチルカルビ ール、カルビトールがある。例えば、好ま いエステルアルコール系の有機溶剤として 2,2,4-トリメチル-3-ヒドロキシペンタイソブ レート(C 12 H 24 O 3 )、を挙げることができる。これらの溶剤は 比較的低温で乾燥させることができるから ある。

 そして、金属粉末と有機溶剤との配合割 については、金属粉末を85~93重量%とし有機 剤を5~15重量%として配合する。かかる割合 するのは、封止材としての用途を考慮する のである。本発明に係る金属ペーストを用 た封止方法においては、塗布後の金属ペー トが乾燥、焼結等の際に加熱を受けること なる。この過程においては、ペースト中の 機溶剤からガスが発生することとなるが、 機溶剤の配合割合が高い場合、このガスが ッケージ内部に残留するおそれがあり、ま 、封止後の接合部に有機溶剤が残留してこ からガスが発生するおそれもある。このよ にパッケージ内のガスは、内部の圧電素子 の特性劣化の要因となる。従って、封止用 金属ペーストとしては、金属粉末を分散さ ることができる範囲で、できるだけ少ない 機溶剤の配合が好ましい。本発明では、上 のような問題を生じさせない有機溶剤の配 割合を5~15重量%としつつ、上記のように金属 粉末の粒径を規定することでその分散性を確 保したものである。

 ここで、本発明に係る金属ペーストは、 の使用態様を考慮して、添加剤を含んでも い。本発明の実施においては、金属ペース を封止対象となるベース部材等に塗布する とが必要であるが、その塗布方法は、接合 象の形状、寸法に対応させて種々選択でき インクジェット法、フォトレジスト埋め込 法、スクリーン印刷法、ディスペンサー類 よる塗布等がある。本発明に係る金属ペー トは、金属粉末と有機溶剤との混合体を基 構成とし、この基本構成でも十分使用可能 あるが、上記塗布方法に応じて以下の添加 を含むことができる。

 フォトレジスト埋め込みによる塗布にお ては、上記基本構成に、0.01~1重量%の界面活 性剤を添加したものが好ましい。界面活性剤 は、ペースト中の金属粉末の凝集を抑制し、 塗布を容易とすることができる。この界面活 性剤としては、アルキルアミン、アルキルア ミンカルボン酸塩、カルボン酸アミド、エス テルアミン、有機チタン化合物(チタンカッ リング剤)、スルホカルボン酸ナトリウムが 用できる。

 また、スクリーン印刷法、ディスペンサ 類による塗布に用いられる金属ペーストは 上記基本構成に0.01~4重量%の樹脂を添加した ものが好ましい。この樹脂は、金属粉末の凝 集を抑制すると共に、ペースト供給時の粘度 特性を確保する目的で添加するものである。 好ましい樹脂としては、アクリル系樹脂、セ ルロース系樹脂、アルキッド樹脂から選択さ れる一種以上である。尚、アクリル系樹脂と しては、メタクリル酸メチル重合体を、セル ロース系樹脂としては、エチルセルロースを 、アルキッド樹脂としては、無水フタル酸樹 脂を、それぞれ挙げることができる。そして 、これらの中でも特にエチルセルロースが好 ましい。尚、樹脂の添加量は、0.01重量%未満 はその効果が現れず、4重量%をこえると封 後の接合部の緻密化を阻害することから、 記範囲とした。

 そして、スクリーン印刷法、ディスペン ー類による塗布に用いられる金属ペースト おいては、上記樹脂に加えて、0.05~2重量%の チクソ剤を添加するのが好ましい。チクソ剤 は、ペーストのダレ止め効果を有するもので あり、スクリーン印刷、ディスペンサー類で の塗布のし易さを調節するものである。チク ソ剤の例としては、糖アルコール、カルボン 酸アミド(ステアリン酸アミド等)、ポリ酸ア ドが挙げられる。

 そして、スクリーン印刷法、ディスペン ー類による塗布に用いられる金属ペースト 、更に、0.01~1重量%の界面活性剤を添加して も良い。この塗布方法用の金属ペーストは、 既に、凝集抑制のための樹脂を含んでいるが 、界面活性剤を添加することで、より均質な ペーストとすることができる。この界面活性 剤も含む金属ペーストは、ディスペンサー類 の中でも、微少量の吐出体積を制御しつつペ ースト塗布するマイクロスクリュー吐出や、 高速吐出を行うインパクト吐出によりペース トを塗布するのに有用である。尚、界面活性 剤の具体例は、上記と同様である。

 以上の添加剤については、塗布方法を考 して添加されるものであるが、その添加量 可能な限り低減することが好ましく、それ の合計添加量を0.01~4重量%とするのが好まし い。添加剤は、封止後の接合部に残渣として 残留する可能性があるからである。

 次に、本発明に係る金属ペーストを用いた 止方法につき説明する。本発明に係る封止 法は、圧電素子を収容するベース部材と、 の蓋体となるキャップ部材とを接合して気 封止する方法において、下記工程を含むこ を特徴とする圧電素子の気密封止方法であ 。
(a)ベース部材又はキャップ部材に、本発明に 係る金属ペーストを塗布する工程。
(b)前記金属ペーストを乾燥し、80~300℃の温度 で焼結させて金属粉末焼結体とする工程。
(c)前記金属粉末焼結体を介してベース部材に キャップ部材を配置し、少なくとも金属粉末 焼結体を加熱しながら、一方向又は双方向か ら加圧してベース部材とキャップ部材とを接 合する工程。

 本発明に係る封止方法では、塗布された 属ペーストを無加圧状態で加熱することで 属粉末焼結体としてこれを従来のろう材に 当する接合材とし、その後、ベース部材と ャップ部材とを金属粉末焼結体を介して加 しながら加圧することで両者を接合して封 するものである。この接合時において、金 粉末焼結体を構成する金属粉末は、塑性変 しつつ結合し、緻密な接合部を形成するよ になっている。そして、このように緻密化 れた接合部は、高純度の金等からなる緻密 バルク体である。従って、その融点は、適 される金属の融点に近くなるため、再加熱 受けても溶融することがなく、パッケージ 気密性を保持することができる。以下、各 程について説明する。

 金属ペーストの塗布方法については、上 の通り、インクジェット法、フォトレジス 埋め込み法、スクリーン印刷法、ディスペ サー類(マイクロスクリュー吐出、インパク ト吐出を含む)による塗布等が適用できる。

 塗布した金属ペーストを乾燥させるのは ペースト中の有機溶剤を除去するためであ 。この乾燥は、-20℃以上5℃以下で行なうの が好ましい。乾燥工程における雰囲気を減圧 雰囲気としても良い。これにより乾燥過程に おいて大気中の水分が金属粉末表面に結露す るのを防止することができる。減圧雰囲気と する場合、好ましくは100Pa以下、より好まし は10Pa以下とするが、この雰囲気の真空度は 、金属ペースト中の有機溶剤の揮発性に応じ て設定する。

 本発明では、乾燥後に金属ペーストを焼 することを要する。これにより、ペースト の金属粒子同士、及びベース部材又はキャ プ部材の接合面(ペースト塗布面)と金属粒 との間に、互いに点接触した近接状態が形 され、金属ペーストは金属粉末焼結体とな 。この金属粉末焼結体は、後述の接合時で 熱・加圧されることで、接触部が塑性変形 ると共に、その変形界面に金属原子間の結 が生じパッケージの気密性を確保するのに 分な緻密化が生じる。この点、焼結するこ なしにペーストを加圧した場合、粒子間隙 広がり粒子同士の結合が生ぜず接合ができ い。

 この焼結の温度は、80~300℃とするのが好 しい。80℃未満では上記のような点接触が じないからである。一方、300℃を超える温 で焼結すると、焼結が過度に進行し、金属 末間のネッキングが進行して強固に結合し しまい、その後に加圧しても緻密化できず ッケージの気密性を損なうからである。ま 、圧電素子を保護する観点から300℃以下で 接合が好ましいからである。尚、焼結の際 加熱時間は、30~120分とするのが好ましい。 時間では焼結炉の温度が安定せず十分な焼 ができず、また、あまりに長時間とすると 産性が損なわれるからである。更に、焼結 、圧力のない状態で行なうのが好ましい。

 上記焼結を行った後の加圧による接合は ベース部材とキャップ部材とを重ねて加圧 る。加圧の圧力は、接合部の緻密化のため 金属粉末焼結体の降伏強度より大きくする が好ましい。また、加圧は、ベース部材、 ャップ部材のいずれかからの一方向から行 ても良いし、双方向から行っても良い。

 そして、この接合工程では、金属粉末焼 体を加熱しながら加圧することが必要であ 。加熱することなく加圧すると接合部の緻 化が不十分なものとなり、接合強度が不足 、更に気密性の確保ができないからである このときの加熱温度は、80~300℃とするのが ましい。80℃未満では接合ができないから あり、300℃を超えると冷却時の熱歪の影響 大きくなるからである。

 尚、接合工程においては、作業雰囲気を真 下で行なうのが好ましい。水晶振動子のよ な圧電素子は、大気中よりも真空中におい 優れた振動特性(クリスタルインピーダンス 等)を示し、そのためにパッケージ内部を真 とすることが好ましいからである。作業雰 気の真空度としては、1×10 -1 Pa以上の高真空雰囲気とするのが好ましい。 発明は、かかる真空雰囲気中においても接 が可能である。

 また、接合工程の際には、加熱に加えて 音波を印加するのが好ましい。加熱と超音 との組合わせにより、金属粉末の塑性変形 び結合を促進し、より強固な接合部を形成 ることができる。超音波を印加する場合、 の条件は、振幅0.5~5μmとし、印加時間を0.5~3 秒とするのが好ましい。過大な超音波印加は 圧電素子を損傷させるからである。

 上記した接合工程における加熱及び超音 印加は、その目的から少なくとも金属粉末 結体に対して行なえばよいが、ベース部材 はキャップ部材全体に行っても良い。加熱 方法としては、ベース部材又はキャップ部 を加圧する際の工具を加熱し、そのときの 熱を利用するのが好ましい。簡易な方法で り、また、熱の影響を圧電素子に及ぼさな 点で好適だからである。同様に、超音波の 加は、ベース部材又はキャップ部材を加圧 る工具から超音波発振させるのが好ましい

 尚、本発明に係る方法において、接合対 となるベース部材、キャップ部材の材質に いての特に限定はなく、圧電素子パッケー で一般に使用されているものが使用でき、 えば、アルミナセラミックス、コバール(Fe- Ni-Co系合金)、42アロイ(Fe-Ni系合金)等が適用で きる。また、これらを基材として、金、パラ ジウム、ニッケル等を1層又は多層めっきし ものも適用できる。

本実施形態における接合工程を概略説 する図。

第1実施形態 :以下、本発明の好適な実施形態を説明する 本実施形態では、圧電素子パッケージとし 水晶振動子パッケージの気密封止を行った 図1は、その工程を概略示すものである。以 、図を参照しつつ各実施例における接合工 について説明する。

実施例1 :まず、キャップ部材10に金属ペースト20を塗 した。キャップ部材10は、コバール製であ 、その表面に、Ni(1μm)、Au(1μm)がめっきされ ものである。使用する金属ペーストは、湿 還元法により製造された純度99.99重量%の金 (平均粒径:0.3μm)と、有機溶剤としてエステ アルコール(2,2,4-トリメチル-3-ヒドロキシペ ンタイソブチレート(C 12 H 24 O 3 ))を混合して調整されたものである。有機溶 の配合割合は、10重量%とした。

 金属ペーストの塗布は、予め、フォトレ スト21にて金属ペースト部となるパターン 形成した後、全面に金属ペーストを塗布し 凹部(幅300μm)に金属ペーストを充填し、余分 なペーストを拭取った。

 金属ペースト20を塗布した後、これを乾 器にて-10℃で真空乾燥した。そして、キャ プ部材を電気炉にて、230℃で30分加熱して金 属ペーストを焼結し、粉末金属焼結体20‘と た。

 そして、アルミナセラミックス製のベース 材30(寸法:2.5mm×2.0mm)に、水晶振動子40を導電 性接着剤50を用いて固定し、これに焼結後の ャップ部材を載置した。キャップ部材の接 は、パッケージを真空雰囲気下(1×10 -1 Pa)に置き、ヒートステージ60からの伝熱によ 230℃となるようにしつつ、キャップ部材か 圧力(荷重167N)をかけて行った。この接合工 での加熱及び加圧時間は、10分間とした。

実施例2 :ここでは、金属ペーストの塗布方法を変更 て水晶振動子パッケージの封止を行った。 施例1と同じキャップ部材に、ディスペンサ 22により金属ペーストを供給し、同様の形 となるように塗布した。その後、実施例1と 様の工程により、金属ペーストの乾燥、焼 、及び、ベース部材への接合を行いパッケ ジの封止をした。

実施例3 :ここでは、焼結体の加圧・加熱と同時に超 波印加を行い接合した。実施例1と同様にし 、キャップ部材に金属ペーストを塗布・乾 し、焼結を行った後、実施例1と同様に水晶 振動子が固定されたベース部材にキャップ部 材を載置し、加熱・加圧して接合を行い真空 封止した(条件は実施例1と同じ)。超音波の印 加は、加圧時の工具より印加し、振幅1.0μm、 出力3.5W、印加時間は1秒とした。

 以上の各実施例で封止した水晶振動子パ ケージについて、クリスタルインピーダン 値(以下、CI値という)の測定を行った。CI値 測定は、π回路を使用したゼロ位相法で、 晶電流は10μWとした。また、この測定は、封 止直後、及び、封止後300℃で0.5時間大気中で 熱処理した後のパッケージについて行った。 その結果を表1に示す。

 表1から、各実施例の封止方法で製造され た水晶振動子パッケージは、いずれも基準値 をクリアしており、十分な気密性を確保でき ることが確認できた。また、これらのパッケ ージは、従来のろう材封止では耐えられない 熱処理を受けた後も、CI値の変化は見られず 熱処理後も気密性を維持できることが確認 きた。

第2実施形態 :この実施形態では、金属ペースト(金ペース )に、界面活性剤、樹脂、チクソ剤を添加し た金属ペーストを作成した。金属ペーストの 製造方法については、基本的に第1実施形態 同様とし(金属粉末の粒径は0.3μm)、添加剤の 配合量を調整しつつ組成を調整した。ここで 検討した金属ペーストの組成は以下の通りで ある。

 そして、製造した金属ペーストを用いパ ケージ封止を行い、熱処理前後のCI値の変 の有無を検討すると共に、接合部のリング ターン形成の際の不具合の有無・評価につ て検討した。尚、塗布以降の工程の封止条 は、第1実施形態と同様とした。また、この 施形態では、比較例として粒径の異なる(2μ m)金属粉末を用いた金属ペーストについても 討を行った。表3にその結果を示す。

 表3から、金属ペーストの組成を調整する ことで良好なパターンを形成することができ ることがわかる。但し、全ての添加物を同時 に添加したからといって、全ての塗布方法に 有効というわけではなく、適用する塗布方法 に応じた選択が好ましいことがわかる。

 尚、比較例のように金属粉末の粒径を大 くした場合、封止は殆どできないことも確 された。これは、粒径が大き過ぎるために 結時において適度な緻密化が生じなかった とによるものと考えられる。

 以上説明したように、本発明に係る金属 ースト及び封止方法によれば、圧電素子パ ケージの封止において、ベース部材とキャ プ部材とを比較的低温で接合することがで る。これにより、接合後の冷却過程におけ 熱応力から圧電素子を保護することができ 。本発明に係る方法は、効率的に圧電素子 ッケージの封止が可能であり、その気密性 十分なものである。そして、本発明によれ 、封止後のパッケージを再加熱しても、接 部が溶融することなくその気密性を維持す ことができる。これにより、圧電素子を使 する電子機器の歩留を向上させることがで る。