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Patent Searching and Data


Title:
METHOD AND APPARATUS FOR DETECTION OF BIOMICROMOLECULE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/005117
Kind Code:
A1
Abstract:
The object is to detect a biomicromolecule in a sample in a simple and inexpensive facility. For achieving the object, a biomicromolecule in a sample (S) is detected optically. Specifically, the sample (S) containing an aptamer capable of interacting with the biomicromolecule is irradiated with an excitation light (Le).At the same time, the sample (S) is also irradiated with a measurement light (L2) for measuring the photothermal effect in the sample (S) caused by the irradiation with the excitation light (Le). Based on the change in the phase of the measurement light (L2), the photothermal effect in the sample (S) caused by the irradiation with the excitation light (Le) is determined. Based on the change in the measurement signal over time, the presence or absence of the interaction between the biomicromolecule and the aptamer is determined.

Inventors:
IKEBUKURO KAZUNORI
KATAYAMA RYO
TAKAHASHI EIJI
Application Number:
PCT/JP2008/062055
Publication Date:
January 08, 2009
Filing Date:
July 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV TOKYO NAT UNIV CORP (JP)
KOBE STEEL LTD (JP)
IKEBUKURO KAZUNORI
KATAYAMA RYO
TAKAHASHI EIJI
International Classes:
G01N25/16; G01N21/41; G01N33/543; G01N35/08; G01N37/00
Domestic Patent References:
WO2006033348A12006-03-30
WO2002090912A12002-11-14
Foreign References:
JP2001165939A2001-06-22
JP2004156925A2004-06-03
JP2004301520A2004-10-28
JP2006084431A2006-03-30
JP2006226880A2006-08-31
JP2005283566A2005-10-13
Other References:
IKEBUKURO K. ET AL.: "IER-ho o Riyo shita Shinki Tanpakushitsu Kenshutsuki no Kochiku", ABSTRACTS OF THE ANNUAL MEETING OF THE SOCIETY FOR BIOTECHNOLOGY, JAPAN, 25 August 2004 (2004-08-25), pages 241, XP008129124
SAKODA N. ET AL.: "Laser Kansho Konetsu Henkanho ni yoru Biryo Seitai Bunshi no Kenshutsu (II)", EXTENDED ABSTRACTS, JAPAN SOCIETY OF APPLIED PHYSICS AND RELATED SOCIETIES, vol. 52, no. 3, 29 March 2005 (2005-03-29), pages 1135 + ABSTR. NO. 30P-2F-18, XP003018572
TAKAHASHI E. ET AL.: "Laser Kansho Konetsu Henkanho ni yoru Kokando Kyuko Bunseki (2)", ABSTRACTS OF THE SYMPOSIUM OF THE JAPAN SOCIETY FOR ANALYTICAL CHEMISTRY, vol. 67, 29 April 2006 (2006-04-29), pages 87, XP008129133
Attorney, Agent or Firm:
KOTANI, Etsuji et al. (2-2 Nakanoshima 2-chome, Kita-k, Osaka-shi Osaka 05, JP)
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Claims:
 試料中の生体小分子を検出するための方法であって、
 前記生体小分子と相互作用可能なアプタマーを含む試料に対して励起光を照射するステップと、
 前記励起光の照射により前記試料内に生ずる光熱効果を測定するステップと、
 前記光熱効果の時間変化に基づいて前記試料中での前記生体小分子と前記アプタマーとの相互作用の発生の有無を判断することにより前記生体小分子の有無を検出するステップとを含む。
 請求項1記載の生体小分子の検出方法であって、
 前記光熱効果を測定するステップは、前記試料に前記励起光とは別の測定光を透過させてこの透過した測定光の位相変化を測定することを含む。
 試料中の生体小分子を検出するための装置であって、
 前記生体小分子と相互作用可能なアプタマーを含む試料を収容するための試料収容部と、
 前記試料収容部に収容される試料に対して励起光を照射する励起光照射系と、
 前記励起光の照射により前記試料内に生ずる光熱効果の測定信号を生成する測定装置とを含み、
 前記測定装置は、前記測定信号の時間変化に関するデータを作成し、その作成したデータに基づいて前記試料中での前記生体小分子とそのアプタマーとの相互作用の有無を判断することにより前記生体小分子の有無を検出する信号処理装置を含む。
 請求項3記載の生体小分子の検出装置において、
 前記測定装置は、前記試料に前記励起光とは別の測定光を透過させてこの透過した測定光の位相変化を測定する。
 請求項4記載の生体小分子の検出装置において、
 前記測定装置は、測定用光源と、この測定用光源から発せられる測定光を前記試料収容部に収容された試料に透過させ、この透過した測定光と参照光とを干渉させる光学系と、その干渉した光の強度を検出する光検出器とを含む。
 請求項3~5のいずれかに記載の生体小分子の検出装置において、
 前記試料収容部は、前記試料を収容する試料収容器と、この試料収容器内の試料を前記生体小分子とそのアプタマーとの反応温度に調節する温度調節機構と、その加熱された試料を前記励起光の照射位置まで移送する移送手段とを含む。
 請求項6記載の生体小分子の検出装置において、
 前記移送手段は、前記試料収容器を、この試料収容器内に前記試料を注入するための注入位置と、その注入された試料の温度を前記温度調節機構により調節するための温度調節位置と、前記励起光の照射位置の順に移送する。
 請求項6記載の生体小分子の検出装置において、
 前記試料収容器は、前記試料を流すための流路を有し、この流路は、その上流側から順に、前記生体小分子の検出の対象である第1液体及び当該生体小分子のアプタマーを含む第2液体がそれぞれ導入される第1導入部及び第2導入部と、その導入された第1液体と第2液体とを合流させて混合する混合部と、その混合液の温度を前記温度調節機構により調節して前記生体小分子と前記アプタマーとの反応を行わせるための反応部と、前記励起光が照射される励起光照射部とを有する。
Description:
生体小分子の検出方法及び装置

 本発明は、糖(糖鎖)、ヌクレオシド、ホ モン、ビタミンといった比較的分子量の小 い生体小分子を相互作用の利用により検出 るための技術に関するものである。

 生体分子の中には、例えば糖(糖鎖)、ヌ レオシド、ホルモン、ビタミンなどのよう 、比較的分子量の小さい生体小分子と呼ば る分子が存在する。このような生体小分子 特徴的な光吸収スペクトルを持たない場合 多いので、その検出及び同定をいわゆる分 法のみで行うことは困難である。

 このような生体小分子の検出を行うため 手段として、当該生体小分子と他の物質と 相互作用を利用する方法が考えられる。例 ば特許文献1には、蛋白質と小分子との相互 作用を検出する方法であって、蛋白質の活性 化サイトに小分子が入り込むことにより生じ る蛋白質の構造変化をNMRなどで分析し、さら に質量分析器を用いて前記小分子の構造を決 定する方法が開示されている。また、特許文 献2には、SPR(表面局在プラズモン共鳴)センサ を用いる方法であって、基板上に形成された 金属薄膜上に試料を固相結合し、この試料に 所定のレーザ光を入射したときの前記試料の 吸着度合いを前記SPRセンサによって検出する ものが開示されている。

 しかし、前記特許文献1に開示される方法 は、液体クロマトグラフィー、NMR、さらには 質量分析器といった多数の大掛かりで高価な 装置を要する不都合がある。また、前記特許 文献2により開示される方法では、金属表面 捕捉分子を固定する必要があり、その検出 高い再現性で実現するためにはきわめて高 な技術を要する。

 なお、核酸と蛋白質との相互作用を簡便か 高感度で検出する方法として、いわゆる蛍 法が知られているが、この方法は前記のよ な生体小分子の検出には不適である。この 光法は、相互作用する物質(例えば核酸と蛋 白質)の双方を互いに異なる蛍光色素で標識 、これらの蛍光色素が互いに作用して蛍光 変化させ得るようにした上で、その実際の 化の有無を測定するものであるが、このよ な蛍光色素を用いて小分子に標識を付する とは非常に難しい。もしできたとしても、 該蛍光色素が活性部位に影響を与えて正常 反応を阻害するおそれがある。

特開2006-226880号公報

特開2005-283566号公報

 本発明は、このような事情に鑑み、簡単 つ安価な設備で試料中の生体小分子の検出 感度良く行うことができる技術の提供を目 とする。

 本発明者は、前記目的を達成するため、 料中で生体小分子の相互作用が生じている きに生ずる光熱効果、すなわち、当該試料 所定の励起光を入射した時にこの励起光を 記試料が吸収して発熱する効果に着目し、 の光熱効果と、試料中での生体小分子とそ アプタマーとの相互作用の有無との間に著 い相関関係があることを見出した。具体的 、前記光熱効果は一般に時間が経過するに って減少するのであるが、前記生体小分子 そのアプタマーとの相互作用が生じている 料では少なくとも光熱効果の立上り直後に 記光熱効果の時間的減少がほとんどないこ を見出した。これは、前記アプタマーの構 が標的である前記生体小分子との相互作用 よって安定化することによるものであると 察される。

 本発明は、このような点に着目してなさ たものであり、試料中の生体小分子を検出 るための方法であって、前記生体小分子と 互作用可能なアプタマーを含む試料に対し 励起光を照射するステップと、前記励起光 照射により前記試料内に生ずる光熱効果を 定するステップと、前記光熱効果の時間変 に基づいて前記生体小分子とそのアプタマ との相互作用の発生の有無を判断すること より前記生体小分子の有無を検出するステ プとを含むものである。

 また本発明は、試料中の生体小分子を検 するための装置であって、前記生体小分子 相互作用可能なアプタマーを含む試料を収 するための試料収容部と、前記試料収容部 収容された試料に対して励起光を照射する 起光照射系と、前記励起光の照射により前 試料内に生ずる光熱効果の測定信号を生成 る測定装置とを含み、この測定装置は、前 測定信号の時間変化に関するデータを作成 、その作成したデータに基づいて前記相互 用の有無を判断することにより前記生体小 子の有無を検出する信号処理装置を含むも である。

 以上の構成によれば、前記試料に励起光 照射してそのときの光熱効果を測定し、そ 光熱効果の時間変化を監視することにより 前記試料中での生体小分子とそのアプタマ との相互作用の発生の有無、ひいては当該 体小分子そのものの有無を的確に判断する とができる。従って、試料中の生体小分子 の標識付与や金属薄膜への試料の固着とい た作業を要することなく、前記相互作用の 無ひいては前記生体小分子の有無を容易に つ高感度で検出することができる。また、 記検出装置は、前記信号処理装置が前記相 作用の有無の判断に有用なデータを作成し そのデータに基づいて相互作用の有無を自 的に判断し、これにより前記生体小分子の 無の検出を行う。

 ここで、生体小分子とは、生体分子のう 分子量が数百あるいは数千程度までの比較 低分子量のものであって、糖、ヌクレオシ 、ホルモン、ビタミンに代表される有機分 をいう。

本発明の第1の実施の形態に係る生体小 分子とそのアプタマーとの相互作用の検出装 置の全体構成図である。 前記検出装置における試料収容部の一 断面正面図である。 前記試料収容部の要部を示す一部断面 視図である。 (a)は前記試料収容部に用いられるマイ ロアレイの平面図、(b)はその要部断面図で る。 前記検出装置が生成する測定信号の強 の時間変化を示すグラフである。 (a)は本発明の第2の実施の形態で用いら れるマイクロリアクタの平面図、(b)は(a)の6B- 6B線断面図である。 (a)は本発明の第2の実施の形態において 得られる各測定位置A~Cでの測定信号の時間変 化を示すグラフ、(b)はその測定信号を重ね合 わせた信号の時間変化を示すグラフである。 前記第1の実施の形態に係る装置の実施 により得られる測定信号を示すグラフである 。

 本発明の第1の実施の形態を、図1~図5を参 照しながら説明する。

 図1は、この実施の形態に係る検出装置の 全体構成を示したものである。図示の検出装 置は、励起光照射系(以下、単に「励起系」 称する。)10と、測定系(測定装置)20と、試料 容部40とを備える。そして、この試料収容 40に後述の試料が収容される。

 前記励起系10は、前記試料収容部40の所定 位置に収容される試料に励起光を照射するた めのものであり、励起光源12と、分光機構14 、変調機構16と、ダイクロイックミラー17と 集光レンズ18とを備える。

 前記励起光源12としては、例えば白色光 出力するキセノンランプや紫外光を出力す 水銀ランプが好適である。この励起光源12か ら発せられる光は前記分光機構14で分光され 前記変調機構16で周期的に変調されて測定 好適な励起光Leとなる。

 前記ダイクロイックミラー17は、前記測 系20と前記試料収容部40との間に位置し、後 のように前記測定系20から送られてくる測 光はそのまま透過させる一方、前記励起光 12から送られてくる励起光Leを90°反射させて 前記測定光と同軸で前記試料収容器40側に導 。前記集光レンズ18は、前記ダイクロイッ ミラー17で反射した後の励起光Leを特定領域 に集光して前記試料収容部40に収容された 料に照射する。この励起光を前記試料が吸 して発熱することにより、その温度変化分 け当該試料の屈折率が変化する。

 前記測定系20は、前記試料の屈折率を測 するための測定光L2を当該試料に照射し、か つ、その測定光の位相変化によって前記屈折 率を測定するものである。この実施の形態で は、前記測定系20は、測定光源22と必要な光 系、さらには光検出器36及び信号処理装置38 備えている。

 前記測定光源22は、例えば出力1mWのHe-Neレ ーザ発生器からなり、この測定光源22から照 される測定光は、図1に示されるように、λ/ 2波長板23で偏光面の調節を受けた後、偏光ビ ームスプリッタ24によって、互いに直交する2 つの偏光、すなわち、参照光L1と測定光L2と 分光される。

 前記参照光L1は、音響光学変調器25Aによ て光周波数のシフト(周波数変換)を受けた後 、ミラー26Aで反射して偏光ビームスプリッタ 28に入力される。また、前記測定光L2は、音 光学変調器25Bによって光周波数のシフト(周 数変換)を受けた後、ミラー26Bで反射して前 記偏光ビームスプリッタ28に入力され、この プリッタ28で前記参照光L1と合成される。

 前記参照光L1は、前記偏光ビームスプリ タ30をそのまま透過してミラー34で180°反射 ることにより前記偏光ビームスプリッタ30に 戻る。このとき、前記偏光ビームスプリッタ 30と前記ミラー34との間には1/4波長板33が介在 していて、この1/4波長板33を往復で通過する 記参照光L1の偏光面を90°回転させる。従っ 、前記偏光ビームスプリッタ30に戻った参 光L1は前記試料収容部40と反対の側に90°反射 する。この参照光L1は、偏光板35を通じて光 出器36に入力される。

 一方、前記測定光L2は、前記偏光ビーム プリッタ30で前記試料収容部40側に90°反射さ れ、1/4波長板32、前記ダイクロイックミラー1 7、及び前記集光レンズ18を通じて試料収容部 40へ導かれる。この測定光L2は後述のように 料に入射され、さらに180°反射して、前記1/4 波長板32を通じて前記偏光ビームスプリッタ3 0に戻る。この測定光L2は、前記1/4波長板32の 復透過によってその偏光面が90°回転した状 態にあるので、今度は当該偏光ビームスプリ ッタ30をそのまま透過して前記参照光L1と合 し、前記偏光板35および前記光検出器36へ向 う。

 前記偏光板35では、前記参照光L1と前記測 定光L2とが互いに干渉し、その干渉光の光強 が前記光検出器36によって電気信号(測定信 )に変換される。

 前記信号処理装置38は、前記測定信号を 定のサンプリング周期をおいてサンプリン し、その測定信号に基づいて前記測定光L2( 定光)の位相変化を演算する。さらに、この 号処理装置38は、前記位相変化の時間的変 に関するデータを作成し、かつ、後述のよ に、当該データに基づいて前記試料S内にお る相互作用の有無を自動的に判断する。

 ここで、前記干渉光強度S1は、次の(1)式で される。
 S1=C1+C2・cos(2π・fb・t+φ) …(1)

 同式において、C1、C2は前記偏光ビームス プリッタ等の光学系や試料Sの透過率により まる定数、φは前記参照光L1と前記測定光L2 光路長差による位相差、fbは前記参照光L1と 記測定光L2の周波数差である。この(1)式よ 、前記干渉光強度S1の変化(前記励起光を照 しない或いはその光強度が小さいときとそ 光強度が大きいときとの差)から、前記位相 φの変化が求まることがわかる。前記信号 理装置38は、(1)式に基づいて前記位相差φの 化を算出する。

 前記励起光Leの強度が例えばチョッパの 転により周波数fで周期的に強度変調されて ると、試料Sの屈折率も前記周波数fで変化 、測定光L2の光路長も前記周波数fで変化し( 照光L1の光路長は一定)、前記位相差φも周 数fで変化する。従って、前記位相差φの変 を前記周波数fの成分(前記励起信号の強度変 調周期と同周期成分)について測定(算出)すれ ば、周波数fの成分を有しないノイズの影響 除去しつつ試料Sの屈折率変化のみを測定す ことが可能である。この測定は、前記位相 φの測定のS/N比を向上させる。

 また、前記励起光源12にレーザダイオー やLEDなどが用いられる場合、その励起光源12 の電源を電気回路でコントロールすることに より前記変調を行うことも可能である。

 前記試料収容部40は、図2に示すように、 台41と、試料収容器であるマイクロアレイ42 と、移送手段であるマニピュレータ44とを備 、前記基台41上には、自動分注装置46、ヒー タ47、及びミラー48が設置されている。

 前記マイクロアレイ42は、前記自動分注 置46から分注される試料を収容するものであ り、図2~図4に示すような平坦な基板により構 成される。このマイクロアレイ42の上面部に 、縦横に並ぶ複数(図4(a)に示す例では5×5=25 )の試料収容凹部42aが形成され、各試料収容 凹部42a内に図4(b)に示すような試料Sが分注さ る。本発明では試料収容器の具体的な材質 問わないが、この実施の形態に係るマイク アレイ42は、前記励起光Le及び測定光L2を透 させる材質を有する必要がある。具体的に 、合成石英、石英、PDMSなどが好適である。

 前記マニピュレータ44は、前記マイクロ レイ42の外形に対応する形状の窓44aを有し、 この窓44a内に前記マイクロアレイ42が嵌まり んだ状態で同アレイ42を保持する。換言す ば、このマイクロアレイ42を上下に開放した 状態で同アレイ42を四方外側から保持する。

 前記自動分注装置46は、前記基台41上に立 設され、前記試料Sを適量(すなわち前記各試 収容凹部42aを満たす量)だけ滴下する。

 前記ミラー48は、前記自動分注装置46から 水平方向に離れた位置で前記基台41上に設置 れ、前記測定系20から下向きに導入される 定光L2を上向きに180°反射させる。

 前記ヒータ47は、本発明に係る温度調節 構を構成するもので、前記ミラー48のすぐ上 に配設され、このヒータ47上に移送されるマ クロアレイ42を所定温度まで加熱する。こ 加熱温度は、前記試料Sにおける生体小分子 そのアプタマーとの相互作用を促進させる 度(反応温度)に設定されている。このヒー 47において前記励起光Le及び前記測定光L2が 射される位置には切欠部47aが形成され、こ 切欠部47aにおいて前記ミラー48が上方に開放 されている。

 なお、本発明に係る温度調節機構は、前 ヒータ47に限らない。逆に試料の温度を低 させる冷却器も含まれ得る。

 前記マニピュレータ44は、前記自動分注 置46による分注位置、前記ヒータ47上の加熱 置、及び前記ミラー48上の励起光Le及び測定 光L2の照射位置の順に前記マイクロアレイ42 搬送する。

 次に、この検出装置の作用を説明する。

 前記試料収容部40では、マイクロアレイ42 を保持するマニピュレータ44が同アレイ42を ず分注位置に移送する。そして、前記マイ ロアレイ42の各試料収容凹部42aが順に前記自 動分注装置46の直下に位置するように同アレ 42を走査する。これらの分注位置で、前記 動分注装置46から各試料収容凹部42a内に試料 Sが分注される。

 全ての試料収容凹部42aへの試料Sの分注が 完了した後、前記マニピュレータ44は前記マ クロアレイ42を前記ヒータ47上の加熱位置へ 移送する。この加熱位置は、前記マイクロア レイ42が前記ヒータ47に直接接触する位置で ってもよいし、当該ヒータ47から若干離間す る位置であってもよい。この加熱位置に前記 マイクロアレイ42が所定時間保持されること より、各試料収容凹部42a内の試料Sにおける 反応(生体小分子とそのアプタマーとの相互 用)が促される。

 その後、前記マニピュレータ44は、前記 イクロアレイ42を図4(b)に示すような前記励 光Le及び前記測定光L2の照射位置(前記ヒータ 47の切欠部47aに対応する位置であって前記ミ ー48の直上位置)へ移送する。そして、前記 イクロアレイ42の各試料収容凹部42a内の試 Sに対して順に前記励起光Le及び前記測定光L2 が照射されるように、前記マイクロアレイ42 走査する。

 この照射位置では、前記励起系10から前 試料収容部40に導かれる励起光Leが前記試料S に入射され、透過する。このとき、試料Sが 記励起光Leを吸収して発熱する(光熱効果)。 方、前記測定系20から試料収容部40に導入さ れる測定光L2は、前記励起光Leと同軸で前記 試料収容凹部42aに入射され、その凹部42a内 試料Sを透過する。さらに、この測定光L2は ラー48で上向きに反射して前記試料Sをさら 透過する。このとき、前記光熱効果による 熱の量に応じて前記試料Sでの屈折率が変わ 、該屈折率に応じて前記位相差φが変わっ いるので、当該発熱の量に応じて前記測定 20に戻る測定光L2とこの測定系20における前 参照光L1との干渉光強度が変わる。この干渉 光強度に対応する測定信号が前記測定系20の 検出器36により生成され、信号処理装置38に 入力される。

 この信号処理装置38は、前記測定信号を 定のサンプリング周期で取り込み、この測 信号の時間変化を示すデータ、例えば図5に すように経過時間と信号強度との関係を示 グラフを作成する。ここで、前記試料S中に 生体小分子が存在しない場合、すなわち当該 生体小分子とそのアプタマーとの相互作用が 生じていない場合は、時間経過とともに前記 信号強度が低下していくのに対し、前記相互 作用が生じていると時間経過にかかわらず信 号強度はほぼ一定値を維持する。そこで、こ の信号処理装置38は、前記信号強度の時間減 率を求め、その時間減衰率が一定以下の場 に前記相互作用が存在していると判断する これにより、前記試料S中の生体小分子の有 無の検出が実現される。

 この時間減衰率は、前記グラフに基づい 測定者が判定することも可能であるが、こ 実施の形態では前記信号処理装置38が自動 に前記時間減衰率を演算して前記相互作用 有無を判定する。その具体例としては、前 信号処理装置38がサンプリング周期毎に取り 込んだ信号強度に基づいて当該信号強度の時 間変化を表す直線近似式を演算し、その直線 の傾きが一定以下の場合に前記相互作用が生 じていると判断することが考えられる。また 、前記直線近似式からの各サンプリング信号 のばらつきが過度に大きい場合に測定不良と 判断するようにしてもよい。

 このような方法及び装置によれば、前記 料Sにおいて検出対象となる生体小分子やそ のアプタマーへの標識等を行うことなく、当 該試料Sにおける生体小分子とそのアプタマ との相互作用の有無を検出することができ 。これにより、分子量の小さい生体小分子 高感度で検出することが可能になる。

 次に、第2の実施の形態を図6及び図7を参 しながら説明する。なお、装置全体の構成 前記図1に示したものと同等であるので、こ こでは省略する。

 この第2の実施の形態では、前記第1の実 の形態のように試料収容器であるマイクロ レイ42そのものを移送する手段に代え、図6 示されるように試料を特定方向に流すため 流路60をもったマイクロリアクタ50が使用さ る。すなわち、このマイクロリアクタ50は 試料収容器としての役割と、試料を移送方 に案内する手段としての役割を兼ねる。

 このマイクロリアクタ50は、下側基板52と 、その上に重ねられる上側基板54とを備える これらの基板52,54は、前記マイクロアレイ42 と同様に前記励起光Le及び前記測定光L2を透 する材料により形成されている。

 前記流路60は、前記下側基板52の上面部に 形成された溝により構成されている。そして 、この下側基板52の上に前記上側基板54が載 られて接合されることにより、前記流路60が 封止されている。

 この流路60は、その上流側から順に、第1 給部61N及び第2供給部61Pと、各供給部61N,61P 下流側の供給流路62N,62Pと、これらの供給流 62N,62Pが合流する合流流路64と、検出対象と る生体小分子とそのアプタマーとを反応さ るための反応部65と、前記励起光Le及び前記 測定光L2が基板厚み方向に照射される光照射 66と、試料排出部68とを有する。

 前記第1供給部61Nは、検出されるべき生体 小分子が含まれる可能性のある第1液体(つま 検出の対象となる液体)が供給される部分で あり、前記第2供給部61Pは前記生体小分子と 相互作用が可能なアプタマーを含む液体が 給される部分であり、前記第1液体と前記第2 液体とが前記合流流路64で合流することによ 試料が生成される。

 前記供給部61N,61Pに対応して前記上側基板 54に同基板54を厚み方向に貫通する供給孔57が 形成され、同様に、前記試料排出部68に対応 て前記上側基板54に排出孔58が形成されてい る。前記供給孔57には、それぞれ、試料移送 段としての生体小分子供給用シリンジ及び プタマー供給用シリンジが接続される。こ らのシリンジは、前記供給孔57を通じて前 第1供給部61N及び第2供給部61Pにそれぞれ前記 第1液体及び前記第2液体を供給する。

 前記上側基板54には、前記反応部65の上方 に位置するようにヒータ56が組み込まれてい 。このヒータ56は、前記試料を、前記生体 分子とアプタマーとの反応温度(相互作用の めの温度)まで加熱する。また、この加熱時 間すなわち反応時間を十分に確保するために (例えば10分)、前記反応部65が蛇行してその流 路長を稼いでいる。

 前記光照射部66は、直線状をなし、その 手方向(すなわち試料の流れ方向)に並ぶ複数 の位置(図例では3つの位置A,B,C)に前記励起光L e及び前記測定光L2の照射位置が設定されてい る。そして、これらの照射位置に対して順に 前記励起光Le及び前記測定光L2が照射される うに、当該光Le,L2の照射位置またはマイクロ リアクタ50が動かされる。

 また、下側基板52の底面には、前記測定 L2を180°反射させるための反射膜(例えば誘電 多層膜)がコーティングされている。この反 膜は、前記測定光L2の反射によって当該測定 光L2に前記試料S内を往復させる。

 なお、前記流路60の寸法は適宜設定可能 あるが、一般には幅200μm程度、深さ100μm程 が好適である。試料の送液は比較的ゆっく とした速度であることが好ましく、例えば0. 5mm/sec程度が好適である。

 このマイクロリアクタ50では、前記試料 生成、相互作用、及び光熱効果の測定が全 行われるため、生体小分子の検出がコンパ トな構成で効率よく行われる。

 この第2の実施の形態での信号処理は例え ば次のようにして行われる。前記試料中に検 出対象となる生体小分子が存在しない場合、 すなわち当該試料中で生体小分子とそのアプ タマーとの相互作用が生じていない場合、前 記励起光Leの照射による光熱効果は時間経過 ともに減衰していくため、測定開始位置で る位置Aからその下流側の位置Bさらには位 Cに向かうに従って検出信号の強度は低下し いく。しかしながら、前記試料中に前記相 作用が生じた部分が存在している場合、そ 部分については光熱効果の減衰がほとんど いため、当該部分が位置B及び位置Cを通過 た時に信号強度が一時的に高くなる。すな ち、その信号強度の時間変化は例えば図7(a) ようになる。

 ただし、各位置A~Cでの検出信号には時間 なずれがあるので、そのずれ分を補正して 位置A~Cでの検出信号を同図(b)に示すように ね合わせると、前記相互作用が生じた部分( 同図P)においてのみ信号強度が著しく高くな 。従って、この局所的に信号強度が高い部 で相互作用が生じていることを把握するこ ができ、これにより、前記試料中に前記生 小分子が存在することを確認することがで る。

 前記信号処理装置38は、前記図7(b)に示さ るような重ね合わせデータの出力に加え、 の重ね合わせデータでのピーク値の大小か 相互作用の有無ひいては前記生体小分子の 無を自動的に判定する。なお、この第2の実 施の形態においても、前記第1の実施の形態 同様に励起光Le及び測定光L2の照射位置を単 の位置にのみ設定し、その時間変化を監視 るようにしてもよい。あるいは、前記光照 部66での試料の流れ速度と同等の速度で前 励起光Le及び測定光L2の照射位置を追従させ ようにしてもよい。

 また、本発明において、前記励起光によ 試料の光熱効果を測定する方法は前記のよ な光干渉法に限られない。例えば、熱レン 法のように、溶媒の屈折率の変化に伴う測 光の強度変化を測定する方法も利用可能で る。

 前記図1~図4に示す装置による生体小分子 検出を実証する。

 図4(a)(b)に示されるマイクロアレイ42には 成石英製のものを用い、その各試料収容凹 42aの形状は0.5mm×0.5mm×1.0mmの直方体とする( だし、この形状は例えば直径0.5mmの円柱でも 可。)。

 前記各試料収容凹部42aに、生体小分子で るアデノシンと特異的に反応するアプタマ (核酸からなる機能性高分子)を含む溶液を 注し、ヒータ47により75℃まで加熱して15分 持する。そして、ヒータ47にて15分間、25℃ 保温する。その後、アデノシンを含む試料 作成のために、アデノシンアプタマーの最 濃度が1.3μM、アデノシンの最終濃度が7.4μM なるようにこれらを混合する。この混合は アデノシンを含まない試料の作成では行わ い。

 次に、試料をヒータ47にて25℃に保ち、こ の状態を反応(相互作用)のために必要な時間( 5分間)維持する。その後、当該試料を励起光L e及び測定光L2の照射位置にセットしてその光 熱効果の測定を行う。励起光Leの光源12には 圧水銀ランプを用い、その波長250nm付近の発 光極大域をバンドパスフィルタで取り出して オプティカルチョッパーで80Hz程度に変調し 直径5mmの領域に集光して前記試料に照射す 。さらに、この励起光Leと同軸で測定光L2を 料に照射し、この測定光L2と参照光L1との干 渉光の強度を測定する。この測定信号を信号 処理装置38に電圧値として表示させ、さらに ータロガーにより連続的に記録する。

 その測定結果を図8に示す。同図線71に示 れるように、試料がアプタマーのみを含む 合は測定信号の強度がその立上り後に時間 過とともに徐々に低下していく。また、同 線72に示されるように、試料がアデノシン みを含む場合は信号強度の立上りすら存し い。これに対し、試料がアデノシンとその プタマーの双方を含む場合は、同図線70に示 されるように、信号強度が立ち上がってから その低下がほとんど見られない。

 従って、この測定信号の立上り後の低下 度を比較することにより、試料中における デノシンの存在を判定することができる。 体的には、アプタマーと混合されるアデノ ンの存在を40nM程度まで検出できることが確 認されている。

 以上のように、本発明に係る検出方法及 装置は、試料への励起光の照射に起因する 該試料中の光熱効果の時間変化に基づき、 記試料中における生体小分子の検出を簡易 つ安価な設備で確実に検出することを可能 する。具体的に、前記検出方法は、前記生 小分子と相互作用可能なアプタマーを含む 料に対して励起光を照射するステップと、 記励起光の照射により前記試料内に生ずる 熱効果を測定するステップと、前記光熱効 の時間変化に基づいて前記生体小分子とそ アプタマーとの相互作用の発生の有無を判 することにより前記生体小分子の有無を検 するステップとを含む。また、前記検出装 は、試料中の生体小分子を検出するための 置であって、前記生体小分子と相互作用可 なアプタマーを含む試料を収容するための 料収容部と、前記試料収容部に収容された 料に対して励起光を照射する励起光照射系 、前記励起光の照射により前記試料内に生 る光熱効果の測定信号を生成する測定装置 を含み、この測定装置は、前記測定信号の 間変化に関するデータを作成し、その作成 たデータに基づいて前記相互作用の有無を 断することにより前記生体小分子の有無を 出する信号処理装置を含む。

 前記検出方法において前記光熱効果を測 するステップとしては、前記試料に前記励 光とは別の測定光を透過させてこの透過し 測定光の位相変化を測定する操作を含むも が、好適である。同様に、前記検出装置に ける測定装置は、前記試料に前記励起光と 別の測定光を透過させてこの透過した測定 の位相変化を測定するものが、好適である 前記試料が光熱効果により発熱すると、当 試料での光の屈折率が変化するので、この 料に測定光を透過させてその位相変化を測 することにより、前記試料の光熱効果を容 にかつ的確に把握することができる。

 この場合、前記測定装置は、測定用光源 、この測定用光源から発せられる測定光を 記試料収容部に収容された試料に透過させ この透過した測定光と参照光とを干渉させ 光学系と、その干渉した光の強度を検出す 光検出器とを含むものが、好適である。

 この測定装置によれば、前記測定光と前 参照光との干渉光の強度を検出するだけの 単な構成で、前記試料を透過する測定光の 相変化を容易に計測することができる。

 一方、前記試料収容部は、前記試料を収 する試料収容器と、この試料収容器内の試 を前記生体小分子とそのアプタマーとの反 温度に調節する温度調節機構と、その加熱 れた試料を前記励起光の照射位置まで移送 る移送手段とを含むものが、好ましい。

 この構成によれば、前記試料収容器内で 前記試料中における生体小分子とそのアプ マーとの反応(相互作用)を行わせ、かつ、 のまま当該試料に対して励起光の照射を行 ことができる。

 前記移送手段としては、前記試料収容器 、この試料収容器内に前記試料を注入する めの注入位置と、その注入された試料の温 を前記温度調節機構により調節するための 度調節位置と、前記励起光の照射位置の順 移送するものが、好適である。

 また、前記試料収容器が、前記試料を流 ための流路を有し、この流路は、その上流 から順に、前記生体小分子の検出の対象と る第1液体及び当該生体小分子のアプタマー を含む第2液体がそれぞれ導入される第1導入 及び第2導入部と、その導入された第1液体 第2液体とを合流させて混合する混合部と、 の混合液の温度を前記温度調節機構により 節して前記生体小分子と前記アプタマーと 反応を行わせるための反応部と、前記励起 が照射される励起光照射部とを有するもの あってもよい。この試料収容器は、コンパ トな構成で効率の高い生体小分子の検出を うことを可能にする。

 また、前記励起光照射部が、その試料の れ方向に並ぶ複数の位置に前記励起光が照 されるものであれば、その各位置で光熱効 を測定することによって、当該光熱効果の 間変化を適正に検出することができる。