明渡 純 (〒64 茨城県つくば市並木1-2-1 独立行政法人産業技術総合研究所内 Ibaraki, 3058564, JP)
独立行政法人産業技術総合研究所 (〒21 東京都千代田区霞が関一丁目3番1号 Tokyo, 1008921, JP)
AKEDO, Jun (2-1 Namiki 1-Chome, Tsukuba-sh, Ibaraki 64, 3058564, JP)
| インクジェット方式により、金属微粒子を含むインク、又は金属アルコキシド溶液を原料溶液として、液滴化し、該液滴を基板上に着弾させて該基板上に配線パターン、又は機能膜パターンを形成する描画工程を含むパターン形成方法において、前記描画工程の前に、前記液滴が前記基板上に着弾する着弾予定領域を予め加熱する予熱工程とを含むことを特徴とするパターン描画方法。 |
| 前記予熱工程は、レーザー、又は赤外線を前記基板の前記着弾予定領域に照射して加熱することを特徴とする請求項1に記載のパターン描画方法。 |
| 前記基板上の前記着弾予定領域の温度を測定する基板温度測定工程を含み、前記予熱工程は、前記基板温度測定工程で測定された基板温度に基づいて、前記基板の移動速度、前記液滴の吐出サイクル、及び前記着弾予定領域の加熱を制御する予熱制御工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン描画方法。 |
| インクジェット方式により、金属微粒子を含むインク、又は金属アルコキシド溶液を原料溶液として、液滴化し、該液滴を基板上に着弾させて該基板上に配線パターン、又は機能膜パターンを形成する描画手段を有するパターン形成装置において、 前記基板上に前記液滴が着弾する着弾予定領域を加熱するための基板加熱手段と、前記基板を移動させる移動手段と、前記基板において前記液滴が着弾する着弾予定領域の基板温度を測定する基板温度測定手段と、を有し、前記基板温度に基づいて、前記移動手段の移動速度、前記液滴の吐出サイクル、及び前記着弾予定領域の加熱を制御する予熱制御手段とを有することを特徴とするパターン描画装置。 |
| インクジェット方式により、金属微粒子を含むインク、又は金属アルコキシド溶液を原料溶液として、液滴化し、該液滴を基板上に着弾させて該基板上に形成された配線パターンであって、配線パターンの配線厚みと線幅との比であるアスペクト比が0.1以上であることを特徴とする配線パターン。 |
| インクジェット方式により、金属微粒子を含むインク、又は金属アルコキシド溶液を原料溶液として、液滴化し、該液滴を基板上に着弾させて該基板上に形成された配線パターンであって、配線パターンのサイドウオールの角度が17度以上の急角度であることを特徴とする配線パターン。 |
本発明は、パターン描画方法、パターン 画装置、および配線パターンに関し、例え 、薄膜形成方法、デバイスの製造方法、電 光学装置の製造方法、並びに電子機器に関 る。
高機能部品には小型、低コスト化だけで く製品の多様化や製品サイクルの短期化に 応できる設計・製造技術が求められる。高 能な部品を提供し、新たな産業の牽引役と て期待されるMEMS技術もますます高集積化・ 高機能化が求められると同時に、実用化段階 では、少量多品種製品での製造コストの低減 や製作期間の短縮などの課題を解決すること も重要になっている。
また、一般にこの様なMEMS部品を実用製品に
つなげるには、半導体チップを使用する場合
と異なり、センサやアクチュエータ機能を損
なわずに高い信頼性で製品と一体化すること
が求められ、このための実装技術がMEMSデバ
スコストのかなりの部分を占めるとされて
る。
特に医療、福祉分野など、ヒューマンイン
ーフェイスをとる必要があるMEMS部品(人デ
イス)やロボット、車載関連デバイスでは、
装コストの大幅な低減や設計・仕様変更あ
いは、カスタムメイド、アドオンメイドに
応するための実装のフレキシビリティーを
幅に向上することが必要となり、迅速な電
材料の微細なパターンニング技術が重要と
ってきている。
ところが一般に金属、非金属材料の薄膜 フォトリソグラフィプロセスでマスキング エッチングなどにより形成した膜を微細パ ーン化するには、工程が複雑になり、パタ ンのフレキシビリティーにも制限が多く、 きな段差のある部位に連続的なパターンを 成することは困難で、さらに、非金属材料 場合はエッチング速度が遅く、また、エッ ング温度が高いためにエッチングガスによ 基板やデバイス構造へのダメージやマスク 料の耐久性などに製造上の多くの課題をも 。
そこで最近では、金属ナノ粒子インクや 属アルコキシド溶液などの原料をインクジ ット方式で液滴化し、基板上に直接描画し 、微細パターンを形成、その後、熱処理な を施すことで、金属やセラミックス膜の微 パターンをエッチング工程なしで形成する 法が提案されている。液滴を微細化するこ で、1μm前後の線幅のパターンも形成できる ようになってきている。
この手法の場合、基板上に形成された熱処
前の微細パターンは結晶化あるいは金属化
ておらず、このままでは機能を発現しない
そこで、これを熱処理して結晶化させる。
かしながら、膜を厚く積み上げてから一度
熱処理すると、結晶化に伴う膜の収縮から
クラックや剥離を生じ、安定にデバイスを
造することが困難で、また、膜の厚みを得
には何度も同じ場所に堆積を繰り返す必要
あり、高速の厚膜パターンの形成が困難と
う問題があった。
従来インクジェット法では、液滴が基板 着弾するときに表面張力による基板材の濡 性や基板表面粗さによる毛細管効果のため 滴が広がり、液滴径の数倍以上の線幅とな 微細な描画が出来なかった。この様な課題 対し、一般には、基板表面に様々な表面処 を施し、この濡れ性を制御、液滴の広がり 押さえることで、微細描画を目指す開発が められている。
また、ノズル開口サイズを10μm以下と微細
し、電界吸引を用いて吐出液滴のサイズを
積で1/1000以下にすることでミクロンサイズ
線幅の微細描画を可能とする微細インクジ
ット技術が開発されている(例えば、特許文
1参照)。この特許文献1によれば、液滴サイ
が小さくなることで、非線形に溶液の蒸発
度が高まり、基板着弾後の液滴の広がりを
さえ、数ミクロン線幅の描画を可能として
る。
しかし、前記の基板表面に様々な表面処 を施す場合、表面描画する液滴材料と基板 料の組み合わせに制限があり、また、大き 段差や凹凸のある非平面の基板上への適応 困難などの課題がある。さらに供給液滴材 にもよるが、ノズルの詰まりを考慮した場 、表面張力と粘性の選択には制限があり、 およそ30~50μmの線幅が限界とされる。
また、特許文献1では、液滴サイズが非常 に小さいため、基板上へのノズルあたりの材 料供給が著しく微量で、一回の描画での膜厚 は数十nm程度で、数ミクロン以上の厚みを取 には、数十回以上の重ね塗りが必要になり 大電流のパワー伝送や高周波領域での信号 送用の配線には描画時間がかかり過ぎ、実 的なスループットが得られないという実用 の問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされ
もので、上述した電子部品作成などに適用
能な様々な材質、形状の基板材料に対し、
用的な高い描画速度をもち、一回の描画で0
.5μm以上の厚みのある微細パターンを安定に
成する方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明では、ノズルの微細化など
より液滴を微細化することなく、基板上に
弾した液滴サイズの広がりを抑え、配線や
能膜として実用的な厚みのある微細な配線
ターンや機能膜パターンを形成する手法を
供する。
請求項1記載の発明は、インクジェット方式
により、金属微粒子を含むインク、又は金属
アルコキシド溶液を原料溶液として、液滴化
し、該液滴を基板上に着弾させて該基板上に
配線パターン、又は機能膜パターンを形成す
る描画工程を含むパターン形成方法において
、前記描画工程の前に、前記液滴が前記基板
上に着弾する着弾予定領域を予め加熱する予
熱工程とを含むことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記
のパターン描画方法において、前記予熱工
は、レーザー、又は赤外線を前記基板の前
着弾予定領域に照射して加熱することを特
としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2
記載のパターン描画方法において、前記基
上の前記着弾予定領域の温度を測定する基
温度測定工程を含み、前記予熱工程は、前
基板温度測定工程で測定された基板温度に
づいて、前記基板の移動速度、前記液滴の
出サイクル、及び前記着弾予定領域の加熱
制御する予熱制御工程を含むことを特徴と
ている。
すなわち、金属微粒子を溶媒に中に分散し
金属微粒子インクや金属アルコキシド溶液
どの原料溶液をインクジェット方式で液滴
し、基板上に直接描画して、微細な配線パ
ーンや機能膜パターンを形成する微細パタ
ン形成方法において、インクジェット描画
より微細パターンを形成する基板を、液滴
弾前にあらかじめレーザーやランプにより
所加熱しておき、その後、基板上の局所加
された近傍にインクジェットヘッドのノズ
が相対するように、基板を移動させ、液滴
着弾させる。着弾された液滴は、局所加熱
れた基板の余熱効果により、液滴中の溶媒
分は直ちに蒸発・乾燥することで液滴の基
への濡れ性による広がりは抑制される。
さらに、加熱温度と加熱箇所を制御するこ
で、微細パターンを結晶化し、厚みのある
細な導電性配線パターンや機能膜パターン
形成する。
請求項4記載の発明は、インクジェット方 式により、金属微粒子を含むインク、又は金 属アルコキシド溶液を原料溶液として、液滴 化し、該液滴を基板上に着弾させて該基板上 に配線パターン、又は機能膜パターンを形成 する描画手段を有するパターン形成装置にお いて、前記基板上に前記液滴が着弾する着弾 予定領域を加熱するための基板加熱手段と、 前記基板を移動させる移動手段と、前記基板 において前記液滴が着弾する着弾予定領域の 基板温度を測定する基板温度測定手段と、を 有し、前記基板温度に基づいて、前記移動手 段の移動速度、前記液滴の吐出サイクル、及 び前記着弾予定領域の加熱を制御する予熱制 御手段とを有することを特徴としている。
この発明はすなわち、請求項1記載の方法 を具体化するための装置構成で、図1に示す うに、通常のインクジェット装置に、基板 熱のためのレーザーや赤外線照射手段と移 ステージならびに前記液滴着弾位置(着弾予 領域)での基板温度測定手段を有し、前記液 滴着弾位置での基板温度測定手段による測定 温度に基づいて、前記ステージの移動速度や 液滴の吐出サイクル、ならびに前記レーザー や赤外線照射強度を最適制御する構成となっ ている。このとき、基板加熱のためのレーザ ーや赤外線照射手段の配置を、基板移動方向 に対し、インクジェットノズルの上流側に配 置することを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、インクジェ ット方式により、金属微粒子を含むインク、 又は金属アルコキシド溶液を原料溶液として 、液滴化し、該液滴を基板上に着弾させて該 基板上に形成された配線パターンであって、 配線パターンの配線厚みと線幅との比である アスペクト比が0.1以上であることを特徴とし ている。
また、請求項6記載の発明は、インクジェッ
ト方式により、金属微粒子を含むインク、又
は金属アルコキシド溶液を原料溶液として、
液滴化し、該液滴を基板上に着弾させて該基
板上に形成された配線パターンであって、配
線パターンのサイドウオールの角度が17度以
の急角度であること、好ましくはほぼ垂直
あることを特徴としている。
本発明によれば、液滴サイズが大きく材料
給量が微細液滴の吐出を用いる微細インク
ェット技術に比べ十分多いため微細パター
の堆積速度は、十分に速く、数十ミクロン
下の微細な配線形成する際に、特別に微細
開口サイズのノズルや静電界による吸引を
いる必要がなく、従来インクジェットノズ
同程度の50μm開口サイズか、それ以上の開
サイズを持ったノズルを使用しながら、ノ
ルの開口径あるいはインクの液滴径より小
な微細パターン描画ができる。
これにより従来、実用上大きな問題になっ
いた微細ノズルでの原料インク詰まりの問
が解決され実用性の高い微細パターン描画
術が実現できる。
また、基板と原料インクとの組み合わせや
板表面の粗さによる基板表面との濡れ性の
響を最小限に抑えて、様々な基板材料に対
、密度が高く膜厚のある微細細線を直接描
することを可能にできる。
尚、基板をヒーターなどで直接加熱する場
でも同様の効果が得られると考えられるが
液滴着弾位置(着弾予定領域)以外の広い面
が加熱されるため、基板から発せられる熱
、インクジェットヘッド自体も加熱されや
く、ヘッドのノズル内にある原料インクが
間と共に乾燥し、ノズル内での原料インク
詰まりにより、長時間にわたる安定なイン
吐出が実現できない問題や、特に描画精度
点からノズル基板間距離を数mm以下に近づけ
なければならない100μm以下の微細な液滴吐出
の場合、基板温度を100℃以上にあげることは
困難という欠点があった。
これに対し、レーザーや赤外線照射による
熱は、着弾予定領域の空間的に局所的な加
なので、基板に近接したインクジェットノ
ルへの熱的影響は著しく押さえられ、ノズ
内の原料インクは乾燥することなく、ノズ
詰まりのない状態で基板表面を十分に高温
でき、かつ安定な液滴吐出と描画を継続で
る。
1.インクジェットノズル
2.レーザー照射もしくはランプ光照射加熱装
3.基板温度測定用放射温度計
4.基板
5.移動ステージ
6.ステージ移動方向
7.吐出液滴
8.加熱ビーム
9.予熱制御部
本発明において、厚みのある微細パター を形成するには、液滴径が小さすぎると材 の供給量そのものが少なくなるため厚みの る微細パターンを得るには重ね書き描画を う必要があるが、液滴径が10μm~150μmの範囲 好ましくは50μm~100μmの範囲であれば、重ね 画無しで、0.5μm以上の厚みのあるライン状 微細パターンを形成できる。
また、このとき、レーザー光照射やラン 加熱による基板加熱温度は、高すぎると、 弾した液滴の部分的な加熱むらによる沸騰 象が生じ、緻密で平滑な微細パターン表面 得られず、また、基板加熱温度が低すぎる 、乾燥効果が不足し、液滴は広がる。これ 、着弾する際の液滴サイズに依存するが、 意検討した結果、液滴径が10μm~150μmの範囲 好ましくは50μm~100μmの範囲において、有機 媒の蒸発が加速されかつ急過熱による沸騰 象が生じない温度として、液滴着弾位置(着 弾予定領域)での基板表面温度は、50℃~200℃ 望ましく、これにより斑がなく、スムーズ 表面を持った微細パターンが形成できる。
ここで、前記着弾予定領域は、所定時間 経過した後に液滴が着弾することが予定さ た基板上の位置であり、描画情報に基づい 決定される。前記描画情報は、基板上に描 するパターンに関するパターン情報と、そ パターン情報に描画するタイミングを割り てた時間情報を組み合わせた情報である。 の描画情報は、描画手段又は、図示しない 位コンピュータなどによって作成される。 なわち、前記描画情報には、どの時刻に、 板上のどの座標に液滴を吐出するかという 報が含まれているので、所定の時刻に液滴 着弾する予定の基板上の位置が、基板の移 方向及び基板の移動速度に基づいて特定で る。従って、所定の時刻に液滴が着弾する 定の基板上の位置と、基板の移動方向及び 板の移動速度とに基づいて、前記着弾予定 域が特定される。
また、レーザー光照射やランプ加熱によ 、直接着弾された液滴のみ加熱することは 液滴サイズが100μm以下と小さいため高い位 あわせ精度が必要となり、外部振動などに り不安定な描画となり実用的でない。また 照射エネルギーの精度も高い精度が要求さ 実用的でない。このため、レーザー光照射 ランプ加熱により加熱照射する光スポット は、50μm~10mm、好ましくは500μm~5mmに設定す 。この時、レーザー光やランプ光の照射は インクを着弾させる基板表面側から照射す と、基板の厚みや材質に関係なく、かつ基 への熱的ダメージを最小限に抑え、安定し 描画が可能になる。
さらに、基板の局所加熱のタイミングと 熱位置は、液滴が基板に着弾すると同時、 いはその以前に加熱する場合、着弾した液 が基板との濡れ性により広がる前に、液滴 乾燥するのに十分な温度まで上昇させるた には、かなりハイパワーの加熱照射が必要 なる。このため、瞬間的にノズルと基板間 空気が局所的に温められ、これにより生じ 空気の流れのため、後続する液滴を基板上 正確に着弾することが困難になり、結果、 細パターンを正確に描画することが困難と る。
そこで、図1に示すように、インクジェッ トヘッドに対し相対移動する基板上のインク 液滴着弾位置の上流側の離れた位置にレーザ ー光照射装置やランプ加熱装置(基板加熱手 )を配置し、基板を移動させる移動ステージ( 移動手段)の移動速度とレーザー光やランプ の照射強度、レーザー光照射装置やランプ 熱装置によって加熱される照射スポットサ ズや照射位置とインク液滴の着弾位置とを 動させて調整することにより、液滴が基板 着弾する前に最適な基板加熱温度に容易に 整することができる。
また、この様に配置することで、レーザー
照射装置やランプ加熱装置をインクジェッ
ヘッド部に物理的に近づけて配置すること
困難な、ノズル基板間距離を大幅に近づけ
必要のある50μm以下の液滴吐出ヘッドやマ
チノズルヘッド(複数ノズルがアレー上に並
だ構造)の場合でも、同様のインク液滴の着
弾位置における加熱効果を容易に基板に与え
ることができる利点を有する。
また、このときインク中のAg超微粒子など
重量分率を液滴サイズに応じて最適化する
とで、インク乾燥、焼結を短時間で行うこ
が可能になり、基板加熱温度を必要最小限
でき、基板への熱的ダメージを最小限に抑
することが可能になる。
以下、本発明の実施形態を図1から図3を参
して説明する。図1は本発明の実施形態であ
微細パターン形成装置の概略的な全体構成
示す構成図である。
本発明による、微細パターン描画装置は、
1に示されるインクジェットノズル1とレー
ー照射もしくはランプ光照射加熱装置2、基
温度測定用放射温度計3、基板4、移動ステ
ジ5、ステージ速度及び加熱温度を制御する
熱制御部9から構成され、このとき、基板加
熱のためのレーザー照射もしくはランプ光照
射加熱装置2の配置を、基板移動方向に対し
インクジェットノズル1の上流側に配置する
とを特徴とする。
基板温度測定用放射温度計3は、基板温度測
定手段として機能する。このとき、基板温度
測定用放射温度計3は、基板表面温度の測定
が、インク液滴の基板上での着弾点に近け
ば、どのような方向から測定してもかまわ
い。
描画工程は、まず、インクジェットノズル1
からは液滴を吐出しない状態で、レーザー照
射もしくはランプ光照射加熱装置2により基
4を非接触で加熱する。次に加熱された基板
面の温度を基板温度測定用放射温度計3によ
り測定する(基板温度測定工程)。このときの
定位置は、液滴の基板上への着弾位置にな
べく近く設定するのが好ましい。
次に、移動ステージ5をインク吐出サイクル
に合わせ連続的な微細パターンが形成できる
速度で往復運動させながら、この測定された
温度が基板4上に着弾する液滴乾燥に適切な
度になるように、レーザー照射もしくはラ
プ光照射加熱装置2の加熱照射パワーを予熱
御部9により調整する(予熱制御工程)。この
熱制御部9が予熱制御手段として機能する。
上記設定が完了したら、図1に示すように、
基板4をレーザー照射もしくはランプ光照射
熱装置2の側からインクジェットノズル1の方
向に移動(ステージ移動方向6)させ、インクジ
ェットノズル1から原料インクを吐出し、微
パターンを描画する。
本発明で使用する原料インクとしては、 子径1μm以下の微粒子が有機溶媒に分指され た構成であればよく、金,銀,銅,白金,パラジ ム,タングステン,ニッケル,タンタル,ビスマ ,鉛,インジウム,錫,亜鉛,チタン又はアルミ ウムのいずれか一つからなる金属若しくは の酸化物又は各金属の内のいずれか二種以 からなる合金を含有する、という構成にな ている。
図2は、本発明のレーザー照射加熱によるイ ンクジェット描画配線幅の縮小効果を示した ものである。使用した原料インクは、Ag ナ 粒子インク(ハリマ化成(株)製、Ag粒子径:6~10n m、主溶媒:n-テトラデカン、Ag微粒子重量分率 :20~60wt%)を、基板には石英ガラス基板を、加 照射源にはCO 2 レーザーを用い、100Hz~50kHzで100μmのノズル開 のインクジェットヘッドから吐出し、微細 ターンの描画を行った。
このときの移動ステージ4の移動速度は、 1mm/sec~100mm/secの範囲で、インクジェットノズ 1もしくは基板上のインク着弾位置とレーザ ー照射もしくはランプ光照射加熱装置2によ 基板上の加熱部位の中心との距離は、0.05mm~5 0mmの範囲で設定してある。また、吐出液滴の 直径は、インク吐出に同期したフラッシュ光 源により実験結果から、約50μmになっている とを確認した。
その結果、図2に示すように、レーザー照 射がない通常のインクジェット描画の場合、 Ag配線の線幅は370μmと吐出液滴径よりはるか 広がり、線幅も不安定なのに対し、レーザ 照射により基板加熱するとライン状の途切 のない連続的な微細Ag配線パターンが得ら 、その線幅は、一定で、吐出インク液滴と 等程度の58μmと、レーザー照射しない場合の 線幅の約1/6程度まで細くできた。
図3は、上記レーザー照射の有無について 形成されたAg配線パターンの断面 形状の違 を比較したものである。断面形状は、レー ー顕微鏡で計測した。レーザー照射を行う 配線厚みも約4倍厚くなり、また、描画配線 イドウオールの傾斜角度もレーザー照射し い場合に比べ約17度と急角度になっており エッジ部も鋭利になっている。したがって レーザー照射無しの場合に比べ、レーザー 射有りの場合には、傾斜角度が17度以上とす ることができ、その結果、線幅の細い微細な 配線パターンが形成可能となり、同時に、線 幅が細くなる分だけ厚みの厚い配線パターン が得られるので、単層でも十分な厚みの配線 パターンを形成可能となるという効果を生じ る。以上のことから、本発明の実行的な効果 があることが確認できた。
また、図3に示されたものにおいて、配線 パターンの配線厚みと線幅との比(配線厚み/ 幅)であるアスペクト比は、レーザー照射無 しの場合約0.002、レーザー照射有りの場合約0 .037である。本発明の、金属微粒子を含むイ ク、又は金属アルコキシド溶液は、従来の ルク材よりも低い体積抵抗率のため、実用 供する導体抵抗を有する配線パターンを形 するには、アスペクト比は0.1以上であるこ が好ましい。
図4は、同様の条件で、100μm段差、幅500μmの
溝が掘られた石英ガラス基板上に、前記溝部
にまたがって、配線を施した結果である。溝
は研削加工により形成されているので、その
表面は、研削されていない部分より大きく荒
れている。
その結果、レーザー照射しない場合は、前
溝部の表面が荒れている部分や段差エッジ
分では、毛細管力により着弾した液滴は大
く広がり非常に広い線幅になっており、電
的導通も取れなかった、これに対し、レー
ー照射を行った場合は、溝以外の部分と溝
部も含め同一線幅で描画でき、線幅も約60μ
mと大幅に細くすることができた。
また、本発明のレーザー照射効果により 微細な凹凸のある基板上に液滴の広がり無 金属配線などの微細パターン膜を形成でき ため、これまで、インクジェット配線など 問題となっていた基板との密着力について 基板表面の凹凸とその上に形成された微細 ターン膜とのアンカーリング効果により微 パターン膜の基板への密着強度を飛躍的に 上できる。
図5及び図6は、本発明における移動する 板上のレーザー照射箇所を、インクジェッ 液滴の基板上での着弾位置と一致させた場 の配線描画結果である。図5は、上記図1から 図3記載の描画条件で、レーザー照射位置を 弾位置に合わせた場合で、基板が移動して るため、図1~図3記載の描画条件では、レー ー加熱が不十分であり、結果、液滴は十分 乾燥固化せず、このため描画線幅は細くな ず、不安定になる。図6は、このレーザーの ワー不足を補うためにレーザーのパワーを くし、また、ステージ移動速度を遅くし、 画線幅がレーザー照射効果で細くなる条件 探したものである。しかしながら、配線幅 減少効果は認められるものの、配線パター 自体に、インクの突沸現象と考えられる微 な穴や凹凸が見られ、スムーズな微細配線 描画できない。
このことより、基板に対し相対移動する ンクジェットヘッドの上流側の離れた位置 レーザー光照射装置やランプ加熱装置を配 し、基板を移動させる移動ステージの移動 度とレーザー光やランプ光の照射強度とを 動させて調整することにより、液滴が基板 着弾する前に最適な基板加熱温度に容易に 整でき、ノズル詰まりや基板の熱的ダメー を最小に押さえ、早いステージ移動速度で 実用的なプロセスマージンが得られること 実証された。
図7は、インク液滴サイズを先の実施例より 小さくした場合の本発明によるレーザー照射 加熱によるインクジェット描画配線幅の縮小 効果を示したものである。使用した原料イン クは、Agナノ粒子インク(ハリマ化成(株)製、A g粒子径:6~10nm、主溶媒:n-テトラデカン、Ag微 子重量分率:60~80wt%)を、基板には石英ガラス 板を、加熱照射源にはCO 2 レーザーを用い、1kHz~50kHzでインクジェット ッドから吐出し、微細パターンの描画を行 た。
このときの移動ステージ4の移動速度は、10m m/sec~100mm/secの範囲で、インクジェットノズル 1もしくは基板上のインク着弾位置とレーザ 光源にはCO 2 レーザーを用いレーザー照射加熱装置2によ 基板上の加熱部位の中心との距離は、0.5mm~50 mmの範囲で設定してある。また、吐出液滴の 径は、インク吐出に同期したフラッシュ光 により実験結果から、通常の家庭用のイン ジェットプリンターと同等の約20~25μm(4~8pL) なっていることが確認された。
その結果、図7に示すように、レーザー照 射がない通常のインクジェット描画の場合、 Ag配線の線幅は155μmと吐出液滴径よりはるか 広がり、線幅も不安定なのに対し、レーザ 照射により基板加熱するとライン状の途切 のない連続的な微細Ag配線パターンが得ら 、その線幅は、一定で、吐出インク液滴よ 小さな7~10μmと、レーザー照射しない場合の 幅の約1/15~1/22程度まで細くできた。
図8は、上記のレーザー照射の有無につい て形成されたAg配線パターンのSEM像であり、 9は、上記のレーザー照射の有無について形 成されたAg配線パターンの断面形状である。 8及び図9はすべて同一サンプルに対する観 像である。正確な断面形状は、レーザー顕 鏡で計測した。立体的な厚みのある微細配 が形成できていることがわかる。レーザー 射を行うと、安価な家庭用のインクジェッ プリンターと同等のインクジェットヘッド 用いながら、線幅は10μm以下、配線厚みは、 シングルノズルの重ね書き無しで、10μm以上 配線厚みと線幅との比(配線厚み/線幅)であ アスペクト比で1以上にもなり、描画速度も 10mm/sec以上と高速描画が可能になる。また、 画配線のサイドウオールの角度もほぼ垂直 なっており、レーザー照射しない場合に比 明らかに急角度になっている。以上のこと ら、本発明の実行的な効果があることが確 できた。
また、この時、レーザーのパワーを調整す と、描画後の熱処理無しで、配線導体とし 十分実用できる体積抵抗率で10 -6 ω・cmオーダーの電気抵抗値を得ることが可 である。図10は、本発明により描画と同時に 熱処理されたAg微細配線の様子で、この時の1 0mm長さでの直流抵抗値は6.27ωで、線幅は約30~ 50μm、厚みは約5μmであることから、体積抵抗 率は、3×10 -6 ω・cmであった。図11は、ガラス基板からカッ ターで強制的に剥離した様子である。配線は 金属光沢を発し、カール状になっていること から金属的な弾性を有し、Ag超微粒子は十分 結されている様子がわかる。ただし、対象 板材料やAgインク以外の機能性材料によっ は、上記、配線線幅の微細化、配線厚みの 膜化を実現できるレーザー照射条件と一致 ない場合があるので、別途、配線熱処理用 レーザー照射加熱装置を設けるか、吐出イ ク液滴加熱用あるいは基板加熱用のレーザ 照射加熱装置2からミラーなどによって分岐 、微細パターン描画直後に、よりハイパワ のレーザーを照射し、熱処理を行ってもよ 。
図12は、本発明によるAg微細配線の優れた電 気特性を利用して、コプレーナー型高周波伝 送線路を形成した結果である。具体的には、 図12中、左下が描画された線路の全体像、上 拡大像、右の図はさらにそれを拡大したも と、描画手順の模式図である。線路の描画 法は、まず、本発明によるレーザー照射に り線幅50μmの3本の平行なAg配線を描画し、 にグランドプレーンになる部分の描画では レーザー照射を行わず、描画を行う。この うに、本発明では、レーザー照射をオン、 フしたり、その照射パワーを制御すること 、広い面積のAgパターンや線幅の異なる配線 パターンを同一のインクジェットヘッドを用 いて、効率的に描画することが可能となる。 図13は、このようにして描画された線路長さ4 mmのコプレーナー型高周波線路の伝送特性で る。S21は反射特性を示す。線路幅50μm、線 ギャップ40μmである。理論計算によるシミュ レーション結果と比較して、40GHzまでの帯域 、S21=20log 10 (通過量/入射量)で定義される信号の電力利得 (減衰特性)を表すS21が-1.5dB以上(入力信号の84% 以上を透過する。ちなみに、バルク材での伝 送特性は、S21が-1dBで約90%の透過率)と実用性 有ることが確認できた。
