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Patent Searching and Data


Title:
METHOD AND APPARATUS FOR FORMING TRANSPARENT CONDUCTIVE FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084441
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for forming a transparent conductive film, wherein a zinc oxide-based transparent conductive film is formed on a substrate by sputtering using a target containing a zinc oxide material. The sputtering is performed in a reactive gas atmosphere containing two or three members selected from the group consisting of a hydrogen gas, an oxygen gas and water vapor.

Inventors:
TAKAHASHI, Hirohisa (ULVAC Inc., 523, Yokota, Sanmu-sh, Chiba 97, 2891297, JP)
高橋 明久 (〒97 千葉県山武市横田523 株式会社アルバック 千葉超材料研究所内 Chiba, 2891297, JP)
Application Number:
JP2008/073002
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ULVAC, Inc. (2500, Hagisono Chigasaki-sh, Kanagawa 43, 2538543, JP)
株式会社アルバック (〒43 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500 Kanagawa, 2538543, JP)
TAKAHASHI, Hirohisa (ULVAC Inc., 523, Yokota, Sanmu-sh, Chiba 97, 2891297, JP)
International Classes:
C23C14/08; C23C14/34; C23C14/35; H01B13/00
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (1-9-2, MarunouchiChiyoda-k, Tokyo 20, 1006620, JP)
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Claims:
 酸化亜鉛系材料を含むターゲットを用いて、スパッタリングにより基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する透明導電膜の成膜方法であって、
 水素ガス、酸素ガス、及び水蒸気の群から選択される2種または3種を含む反応性ガス雰囲気中で、前記スパッタリングを行う透明導電膜の成膜方法。
 前記スパッタリングを行うに際して、少なくとも前記水素ガス及び前記酸素ガスを前記雰囲気中に含めた場合、前記水素ガスの分圧(P H2 )と前記酸素ガスの分圧(P O2 )との比R(P H2 /P O2 )が下式(1)を満たす請求項1に記載の透明導電膜の成膜方法。
      R=P H2 /P O2 ≧5       (1)
 前記スパッタリングを行う際に、前記ターゲットに印加するスパッタリング電圧を、340V以下とする請求項1に記載の透明導電膜の成膜方法。
 前記スパッタリングを行う際に、直流電圧に高周波電圧を重畳したスパッタリング電圧を前記ターゲットに印加する請求項1に記載の透明導電膜の成膜方法。
 前記スパッタリングを行う際の、前記ターゲットの表面における水平磁界の強度の最大値を、600ガウス以上とする請求項1に記載の透明導電膜の成膜方法。
 前記酸化亜鉛系材料が、アルミニウム添加酸化亜鉛またはガリウム添加酸化亜鉛である請求項1に記載の透明導電膜の成膜方法。
 酸化亜鉛系材料を含むターゲットを用いて、このターゲットに対向して配置された基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する透明導電膜の成膜装置であって:
 真空容器と;
 この真空容器に備えられた水素ガス導入手段、酸素ガス導入手段、水蒸気導入手段のうちの2つ以上と;
 前記真空容器内にターゲットを保持するターゲット保持手段と;
 前記ターゲットにスパッタ電圧を印加する電源と;
を備えている透明導電膜の成膜装置。
 前記電源が、直流電源と高周波電源とを併用する請求項7記載の透明導電膜の成膜装置。
 前記ターゲット保持手段は、前記ターゲットの表面に強度の最大値が600ガウス以上の水平磁界を発生させる磁界発生手段を備えている請求項7または8記載の透明導電膜の成膜装置。
Description:
透明導電膜の成膜方法及び成膜 置

 本発明は、透明導電膜の成膜方法及び成膜 置に関する。更に詳しくは、フラットパネ ディスプレイ(FPD)、タッチパネル、太陽電 、電磁シールド、反射防止(AR)膜、発光ダイ ード(LED)等、オプトエレクトロニクス分野 各種デバイスに用いて好適な透明導電膜の 膜方法及び成膜装置に関する。
 本願は、2007年12月28日に日本出願された特 2007-340913号に基づき優先権を主張し、その内 容を取り込むものとする。

 従来、太陽電池や発光ダイオードの電極材 として、酸化インジウムに酸化スズを5~10質 量%添加したスズ添加酸化インジウム(ITO)があ り、透明導電材料として利用されている。
 しかしながら、ITOの原料となるインジウム( In)は希少金属であり、今後、入手困難となり コストが上昇することが予想されている。そ こで、ITOに替わる透明導電材料として、豊富 かつ安価な酸化亜鉛(ZnO)系材料が注目されて る(例えば、特許文献1参照)。

 ZnO系材料は、ZnOを僅かに還元することによ 化学量論的組成から少々ずれてZnO結晶中に 素空孔が形成されて自由電子を放出する、 るいは不純物として添加されたB、Al、Ga等 ZnO結晶格子中のZnイオンの位置に入り込んで イオンとなって自由電子を放出する等により 、導電性を示すn型半導体である。
 ZnO系材料は、大型基板への均一成膜が可能 スパッタリングに適しており、成膜装置に いては、ITO等のIn 2 O 3 系材料のターゲットをZnO系材料のターゲット に変更することにより成膜することが可能で ある。また、ZnO系材料は、In 2 O 3 系材料のように絶縁性の高い低級酸化物(InO) 含まないので、スパッタリングでの異常が 生し難い。

特開平9-87833号公報

 従来のZnO系材料を用いた透明導電膜は、透 性こそ従来のITO膜と遜色ないものの、比抵 がITO膜よりも高いという問題点があった。
 そこで、ZnO系の透明導電膜の比抵抗を所望 値まで下げるために、スパッタの際にチャ バー内に還元ガスとして水素ガスを導入し この還元雰囲気中にて成膜する方法が考え れている。
 しかし、この場合、得られた透明導電膜の 抵抗は確かに低下するものの、その表面に かながら金属光沢が生じてしまい、透過率 低下するという問題点があった。

 本発明は、上記の課題を解決するために されたものであって、酸化亜鉛系の透明導 膜の比抵抗を低下させるとともに、可視光 に対する透明性を維持できる透明導電膜の 膜方法及び成膜装置を提供することを目的 する。

 本発明者等は、酸化亜鉛系材料を用いた透 導電膜の成膜方法について鋭意検討を行っ 。その結果、本発明者等は、酸化亜鉛系材 からなるターゲットを用いて、スパッタ法 より酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する際 、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選 される2種または3種を含む反応性ガス雰囲 中にてスパッタを行い、さらに、水素ガス 分圧(P H2 )と酸素ガスの分圧(P O2 )との比R(P H2 /P O2 )が、
    R=P H2 /P O2 ≧5     (1)
を満たす条件下にてスパッタを行えば、酸化 亜鉛系透明導電膜の比抵抗を低下させること ができ、しかも、可視光線に対する透明性を 維持できることを見出し本発明を完成させた 。

 すなわち、本発明の透明導電膜の成膜方 は、酸化亜鉛系材料を含むターゲットを用 て、スパッタリングにより基板上に酸化亜 系の透明導電膜を成膜する透明導電膜の成 方法であって、水素ガス、酸素ガス、及び 蒸気の群から選択される2種または3種を含 反応性ガス雰囲気中で、前記スパッタリン を行う。

 この成膜方法では、スパッタ法により基板 に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する際に 水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択 れる2種または3種を含む反応性ガス雰囲気 にてスパッタを行う。これにより、スパッ 法により基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜 成膜する際の雰囲気を、水素ガス、酸素ガ 、水蒸気の群から選択される2種または3種を 含む雰囲気、すなわち還元性ガスと酸化性ガ スとの比が調和した雰囲気とすることが可能 になる。よって、この雰囲気下にてスパッタ を行えば、得られた透明導電膜は、酸化亜鉛 結晶中の酸素空孔の数が制御されて、所望の 導電率を有する膜となり、その比抵抗も低下 し所望の比抵抗の値となる。
 また、得られた透明導電膜は、金属光沢が じること無く、可視光線に対する透明性を 持することが可能である。

 前記スパッタリングを行うに際して、少な とも前記水素ガス及び前記酸素ガスを前記 囲気中に含めた場合、前記水素ガスの分圧( P H2 )と前記酸素ガスの分圧(P O2 )との比R(P H2 /P O2 )が下式(2)を満たしてもよい。
    R=P H2 /P O2 ≧5     (2)
 前記スパッタリングを行う際に、前記ター ットに印加するスパッタリング電圧を、340V 以下としてもよい。
 前記スパッタリングを行う際に、直流電圧 高周波電圧を重畳したスパッタリング電圧 前記ターゲットに印加してもよい。
 前記スパッタリングを行う際の、前記ター ットの表面における水平磁界の強度の最大 を、600ガウス以上としてもよい。
 前記酸化亜鉛系材料が、アルミニウム添加 化亜鉛またはガリウム添加酸化亜鉛でもよ 。

 本発明の透明導電膜の成膜装置は、酸化 鉛系材料を含むターゲットを用いて、この ーゲットに対向して配置された基板上に酸 亜鉛系の透明導電膜を成膜する透明導電膜 成膜装置であって:真空容器と;この真空容 に備えられた水素ガス導入手段、酸素ガス 入手段、水蒸気導入手段のうちの2つ以上と; 前記真空容器内にターゲットを保持するター ゲット保持手段と;前記ターゲットにスパッ 電圧を印加する電源と;を備えている。

 この成膜装置では、真空容器が、水素ガ 導入手段、酸素ガス導入手段、水蒸気導入 段のうち2つ以上を備えたことにより、酸化 亜鉛系材料からなるターゲットを用いて、ス パッタ法により基板上に酸化亜鉛系の透明導 電膜を成膜する際の雰囲気を、水素ガス導入 手段、酸素ガス導入手段、水蒸気導入手段の うち2つ以上を用いて、還元性ガスと酸化性 スとの比が調和した反応性ガス雰囲気とす ことが可能になる。よって、酸化亜鉛結晶 の酸素空孔の数が制御されることにより、 抵抗が低下し、金属光沢が生じること無く 可視光線に対する透明性を維持することが 能な酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜するこ が可能になる。

 前記電源が、直流電源と高周波電源とを併 してもよい。
 この成膜装置では、直流電源と高周波電源 を併用することにより、スパッタ電圧を低 させることが可能になる。これにより、結 格子の整った酸化亜鉛系の透明導電膜を成 することが可能になり、得られた透明導電 の比抵抗も低いものとなる。

 前記ターゲット保持手段に、前記ターゲッ の表面に強度の最大値が600ガウス以上の水 磁界を発生させる磁界発生手段が備えられ いてもよい。
 この成膜装置では、ターゲット保持手段に ターゲットの表面に強度の最大値が600ガウ 以上の水平磁界を発生させる磁界発生手段 設けたことにより、ターゲットの表面の垂 磁界が0(水平磁界が最大)となる位置に高密 プラズマが生成する。これにより、結晶格 の整った酸化亜鉛系透明導電膜を成膜する とが可能になる。

 本発明の透明導電膜の成膜方法によれば、 素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択さ る2種または3種を含む反応性ガス雰囲気中 てスパッタを行うので、酸化亜鉛系の透明 電膜の比抵抗を低下させることができ、し も、可視光線に対する透明性を維持できる
 したがって、比抵抗が低く、可視光線に対 る透明性に優れた酸化亜鉛系の透明導電膜 容易に成膜できる。

 本発明の透明導電膜の成膜装置によれば、 空容器に、水素ガス導入手段、酸素ガス導 手段、水蒸気導入手段のうち2つ以上を備え たので、これらを制御することにより、真空 容器内の酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する 際の雰囲気を、還元性ガスと酸化性ガスとの 比が調和した反応性ガス雰囲気とすることが できる。
 したがって、従来の成膜装置の一部を改良 るだけで、比抵抗が低く、可視光線に対す 透明性に優れた酸化亜鉛系の透明導電膜を 膜できる。

本発明の第1の実施形態のスパッタ装置 を示す概略構成図(平面図)である。 同実施形態のスパッタ装置の成膜室の 要部を示す平面断面図である。 無加熱成膜におけるH 2 Oガス(水蒸気)の効果を示すグラフである。 基板温度を250℃とした加熱成膜におけるH 2 Oガス(水蒸気)の効果を示すグラフである。 基板温度を250℃とした加熱成膜においてH 2 ガスとO 2 ガスを同時に導入した場合の効果を示すグラ フである。 基板温度を250℃とした加熱成膜においてH 2 ガスとO 2 ガスを同時に導入した場合の効果を示すグラ フである。 無加熱成膜におけるH 2 ガスの効果を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態のインターバッ ク式のマグネトロンスパッタ装置の成膜室の 主要部を示す断面図である。

符号の説明

 1 スパッタ装置
 2 仕込み/取り出し室
 3 成膜室
 4 粗引き排気手段
 5 基板トレイ
 6 基板
 7 ターゲット
 11 ヒータ
 12 カソード
 13 高真空排気手段
 14 電源
 15 ガス導入手段
 15a スパッタガス導入手段
 15b 水素ガス導入手段
 15c 酸素ガス導入手段
 15d 水蒸気導入手段
 21 マグネトロンスパッタ装置
 22 スパッタカソード機構
 23 背面プレート
 24 磁気回路
 24a、24b 磁気回路ユニット
 25 ブラケット
 26 第1磁石
 27 第2磁石
 28 ヨーク
 29 磁力線
 30 垂直磁界が0となる位置

 本発明の透明導電膜の成膜方法及び成膜装 を実施するための最良の形態について説明 る。
 なお、この形態は、発明の趣旨をより良く 解させるために具体的に説明するものであ 、特に指定のない限り、本発明を限定する のではない。

(第1の実施形態)
 図1は、本発明の第1の実施形態のスパッタ 置(成膜装置)を示す概略構成図(平面図)、図2 は同スパッタ装置の成膜室の主要部を示す平 面断面図である。
 このスパッタ装置1は、インターバック式の スパッタ装置であり、例えば、無アルカリガ ラス基板(図示せず)等の基板を搬入/搬出する 、仕込み/取り出し室2と、上記の基板上に酸 亜鉛系透明導電膜が成膜される成膜室(真空 容器)3とを備えている。
 仕込み/取出し室2には、この室内を粗真空 きするロータリーポンプ等の粗引き排気手 4が設けられている。また、仕込み/取出し室 2の室内には、基板を保持・搬送するための 板トレイ5が移動可能に配置されている。

 一方、成膜室3の一方の側面3aには、基板6 を加熱するヒータ11が縦置きに設けられてい 。成膜室3の他方の側面3bには、酸化亜鉛系 料のターゲット7を保持し、このターゲット 7に所望のスパッタ電圧を印加するためのカ ード(ターゲット保持手段)12が縦置きに設け れている。さらに、成膜室3には、この室内 を高真空引きするターボ分子ポンプ等の高真 空排気手段13、ターゲット7にスパッタ電圧を 印加する電源14、この室内にガスを導入する ス導入手段15が成膜室3に設けられている。

 カソード12は、板状の金属プレートからな 、ターゲット7がロウ材等でボンディング(固 定)により固定されている。
 電源14は、ターゲット7に直流電圧に高周波 圧が重畳されたスパッタ電圧を印加するた のもので、直流(DC)電源と高周波(RF)電源(図 略)とを備えている。
 ガス導入手段15は、Ar等のスパッタガスを導 入するスパッタガス導入手段15aと、水素ガス を導入する水素ガス導入手段15bと、酸素ガス を導入する酸素ガス導入手段15cと、水蒸気を 導入する水蒸気導入手段15dとを備えている。

 なお、このガス導入手段15のうち、水素 ス導入手段15b、酸素ガス導入手段15c、及び 蒸気導入手段15dについては、必要に応じて 択される。例えば、“水素ガス導入手段15b 酸素ガス導入手段15c”、“水素ガス導入手 15bと水蒸気導入手段15d”、のように2つの手 を選択して使用してもよい。

 次に、上記のスパッタ装置1を用いて基板上 に酸化亜鉛系透明導電膜を成膜する方法につ いて説明する。
 まず、ターゲット7をカソード12にロウ材等 ボンディングして固定する。ここで、ター ット材には、酸化亜鉛系材料、例えば、酸 アルミニウム(Al 2 O 3 )を0.1~10質量%添加したアルミニウム添加酸化 鉛(AZO)、酸化ガリウム(Ga 2 O 3 )を0.1~10質量%添加したガリウム添加酸化亜鉛( GZO)等が用いられる。中でも、比抵抗の低い 膜を成膜できる点で、アルミニウム添加酸 亜鉛(AZO)が好ましい。

 次いで、基板6を仕込み/取り出し室2の基板 レイ5に収納し、仕込み/取り出し室2及び成 室3を所定の真空度、例えば0.27Pa(2.0×10 -3 Torr)になるまで粗引き排気手段4で粗真空引き する。その後、基板6を仕込み/取り出し室2か ら成膜室3に搬入し、この基板6を、設定がオ になった状態のヒータ11の前に、ターゲッ 7に対向するように配置する。この基板6を、 ヒータ11により100℃~600℃の温度範囲内となる ように加熱する。

 次いで、成膜室3を所定の高真空度、例えば 2.7×10 -4 Pa(2.0×10 -6 Torr)になるまで高真空排気手段13で高真空引 する。その後、成膜室3に、スパッタガス導 手段15aによりAr等のスパッタガスを導入す とともに、水素ガス導入手段15b、酸素ガス 入手段15c、及び水蒸気導入手段15dのうちの なくとも2つ以上を用いて、水素ガス、酸素 ス、水蒸気の群から選択される2種または3 のガスを導入する。

 ここで、水素ガスと酸素ガスを選択した場 、水素ガスの分圧(P H2 )と酸素ガスの分圧(P O2 )との比R(P H2 /P O2 )は、
    R=P H2 /P O2 ≧5     (3)
を満たすことが好ましい。
 これにより、成膜室3内の雰囲気は、水素ガ ス濃度が酸素ガス濃度の5倍以上の反応性ガ 雰囲気となり、この反応性ガス雰囲気がR=P H2 /P O2 ≧5を満たすことで、比抵抗1.0×10 3 μω・cm以下の透明導電膜が得られる。

 また、水素ガスと水蒸気(ガス)を選択した 合、水素ガスの分圧(P H2 )と水蒸気(ガス)の分圧(P H2O )との比R(P H2 /P H2O )は、
    R=P H2 /P H2O ≧5     (4)
を満たすことが好ましい。
 これにより、成膜室3内の雰囲気は、水素ガ ス濃度が水蒸気濃度の5倍以上の反応性ガス 囲気となり、この反応性ガス雰囲気がR=P H2 /P H2O ≧5を満たすことで、比抵抗1.0×10 3 μω・cm以下の透明導電膜が得られる。

 次いで、電源14により、ターゲット7にスパ タ電圧を印加する。
 このスパッタ電圧は340V以下であることが好 ましい。放電電圧を下げることにより、結晶 格子の整った酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜 することが可能になり、得られた透明導電膜 の比抵抗も低いものとなる。
 このスパッタ電圧は、直流電圧に高周波電 を重畳することが好ましい。直流電圧に高 波電圧を重畳することで、放電電圧をさら 下げることができる。

 スパッタ電圧印加により、基板6上にプラズ マが発生し、このプラズマにより励起された Ar等のスパッタガスのイオンがターゲット7に 衝突する。この衝突により、ターゲット7か アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、ガリウム添 加酸化亜鉛(GZO)等の酸化亜鉛系材料を構成す 原子を飛び出させて、基板6上に酸化亜鉛系 材料からなる透明導電膜を成膜する。
 この成膜の過程では、成膜室3内の雰囲気が 、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択 される2種または3種以上からなる反応性ガス 囲気となる。よって、この反応性ガス雰囲 下にて行ったスパッタリングにより酸化亜 結晶中の酸素空孔の数が制御された透明導 膜を得ることができる。その結果、その比 抗も低下するので、所望の導電率及び比抵 を有する透明導電膜を得ることができる。

 特に、成膜室3内において、水素ガス濃度が 酸素ガス濃度の5倍以上となっている場合、 素ガスと酸素ガスとの比が調和した反応性 ス雰囲気となる。この反応性ガス雰囲気下 て行ったスパッタリングにより酸化亜鉛結 中の酸素空孔の数が高度に制御された透明 電膜を得ることができる。その結果、その 抵抗もITO膜相当に低下するので、所望の導 率及び比抵抗を有する透明導電膜を得るこ ができる。
 また、得られた透明導電膜では、金属光沢 生じず、可視光線に対する透明性が維持さ ている。

 次いで、この基板6を成膜室3から仕込み/取 出し室2に搬送し、この仕込み/取り出し室2 真空を破り、この酸化亜鉛系の透明導電膜 形成された基板6を取り出す。
 このように、比抵抗が低くかつ可視光線に する透明性が良好な酸化亜鉛系の透明導電 が形成された基板6が得られる。

 次に、本実施形態の酸化亜鉛系透明導電膜 成膜方法について、本発明者等が行った実 結果について説明する。
 5インチ×16インチの大きさのAl 2 O 3 を2質量%添加したアルミニウム添加酸化亜鉛( AZO)ターゲットを用い、このターゲットを直 (DC)電圧を印加する平行平板型のカソード12 ロウ材で固定した。次いで、仕込み/取り出 室2に無アルカリガラス基板を入れて仕込み /取り出し室2内を粗引き排気手段4で粗真空引 きを行った。次いで、この無アルカリガラス 基板を高真空排気手段13で高真空引きした成 室3に搬入し、AZOターゲットに対向配置させ た。

 次いで、ガス導入手段15により、Arガスを5mT orrの圧力になるよう導入した後、H 2 Oガスの分圧が5×10 -5 Torr、O 2 ガスの分圧が1×10 -5 Torr、のいずれかになるように導入した。そ て、H 2 OガスまたはO 2 ガスの雰囲気下で、カソード12に電源14によ 1kWの電力を印加することにより、カソード12 に取り付けたAZOターゲットをスパッタし、無 アルカリガラス基板上にAZO膜を堆積させた。

 図3は、無加熱成膜におけるH 2 Oガス(水蒸気)の効果を示すグラフである。図 3中、Aは反応性ガスを導入しない場合の酸化 鉛系透明導電膜の透過率を、BはH 2 Oガスをその分圧が5×10 -5 Torrになるように導入した場合の酸化亜鉛系 明導電膜の透過率を、CはO 2 ガスをその分圧が1×10 -5 Torrになるように導入した場合の酸化亜鉛系 明導電膜の透過率を、それぞれ示している

 反応性ガスを導入しない場合、透明導電膜 膜厚は207.9nm、比抵抗は1576μω・cmであった
 また、H 2 Oガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は20 4.0nm、比抵抗は64464μω・cmであった。
 また、O 2 ガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は208 .5nm、比抵抗は2406μω・cmであった。

 図3によれば、H 2 Oガスを導入することにより、透過率のピー 波長を膜厚を変えずに変更できることが分 った。また、反応性ガスを導入しないAに比 、H 2 Oガスを導入したBでは全体的に透過率も上昇 ていた。
 また、H 2 Oガスを導入した場合、比抵抗が高く、抵抗 化が大きくなるが、透過率が高い。すなわ 、この場合に得られる透明導電膜は、反射 止膜等のような低抵抗が要求されない光学 材に適用可能であることが分かった。
 さらに、H 2 Oガスの無導入と導入、もしくは導入量を変 させた条件での成膜を繰り返し行うことで 層毎に屈折率が変化した積層構造の光デバ スを1枚のターゲットで得られることが分か た。

 また、太陽電池のバッファー層やタンデム 造の中間電極は、膜厚が薄く、しかも膜厚 向へ電流が流れるために低抵抗への要求は い。これに対して、透過する光の波長のピ クを調整することが要求される場合には、 発明の透明導電膜の成膜方法により、H 2 Oガスの導入量により膜厚を変えずに透過率 ピーク波長を変更する。これにより、所望 波長の光を透過するバッファー層や中間電 を形成できる。
 さらに、LEDや有機EL照明など特定の波長を 光する素子に本発明の透明導電膜が使用さ る場合、発光する波長の透過率が最大にな ように透明導電膜の透過率を調整すること 可能である。

 次いで、無アルカリガラス基板を250℃に加 した以外は上記と同様にして無アルカリガ ス基板上にAZO膜を堆積させた。
 図4は、基板温度を250℃とした加熱成膜にお けるH 2 Oガス(水蒸気)の効果を示すグラフである。図 4中、Aは反応性ガスを導入しない場合の酸化 鉛系透明導電膜の透過率を、BはH 2 Oガスをその分圧が5×10 -5 Torrになるように導入した場合の酸化亜鉛系 明導電膜の透過率を、CはO 2 ガスをその分圧が1×10 -5 Torrになるように導入した場合の酸化亜鉛系 明導電膜の透過率を、それぞれ示している なお、直流(DC)電圧を印加する平行平板型の ソードを用いた。

 反応性ガスを導入しない場合、透明導電膜 膜厚は201.6nm、比抵抗は766μω・cmであった。
 また、H 2 Oガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は18 3.0nm、比抵抗は6625μω・cmであった。
 また、O 2 ガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は197 .3nm、比抵抗は2214μω・cmであった。

 図4によれば、加熱成膜においても、無加熱 成膜と同様の効果が得られることが分かった 。
 H 2 Oガスを導入した場合、膜厚が若干薄くなっ が、膜厚の干渉によるピーク波長のシフト 上に、ピーク波長がシフトした。すなわち 基板温度を250℃に加熱した場合においても 無加熱の場合と同様の効果が得られること 分かった。

 次いで、H 2 OガスをH 2 ガスに替え、直流(DC)電圧と高周波(RF)電圧を 畳可能な平行平板型のカソードを用い、電 14により1kWのDC電力に350Wの高周波(RF)電力を 畳させたスパッタ電力をカソード12に印加 、4Aの定電流制御として、これらの条件以外 は上記と同様にして無アルカリガラス基板上 にAZO膜を堆積させた。

 図5は、基板温度を250℃とした加熱成膜にお いてH 2 ガスとO 2 ガスを同時に導入した場合の効果を示すグラ フである。図5中、AはH 2 ガスの分圧が15×10 -5 Torr、O 2 ガスの分圧が1×10 -5 TorrになるようH 2 ガス及びO 2 ガスを同時に導入した場合の酸化亜鉛系透明 導電膜の透過率を、BはO 2 ガスをその分圧が1×10 -5 Torrになるよう導入した場合の酸化亜鉛系透 導電膜の透過率を、それぞれ示している。

 H 2 ガスとO 2 ガスを同時に導入した場合、透明導電膜の膜 厚は211.1nmであった。
 また、O 2 ガスのみを導入した場合、透明導電膜の膜厚 は208.9nmであった。
 図5によれば、H 2 ガスとO 2 ガスとを同時に導入した場合、O 2 ガスのみを導入した場合と比べて、膜厚の干 渉によるピーク波長のシフト以上に、ピーク 波長がシフトしていることが分かった。また 、透過率もO 2 ガスのみを導入した場合と比べて向上してい ることが分かった。

 図6は、基板温度を250℃とした加熱成膜にお いてH 2 ガスとO 2 ガスとを同時に導入した場合の効果を示すグ ラフである。O 2 ガスの分圧を1×10 -5 Torr(流量換算の分圧)に固定し、H 2 ガスの分圧を0~15×10 -5 Torr(流量換算の分圧)の間で変化させた場合の 酸化亜鉛系透明導電膜の比抵抗を示している 。なお、得られた透明導電膜の膜厚は概ね200 nmであった。
 この図によれば、H 2 ガスの圧力が0Torrから2.0×10 -5 Torrにかけては比抵抗が急激に低下するが、2. 0×10 -5 Torrを超えると比抵抗が安定してくることが かった。
 同一条件で反応性ガスを導入しない場合の 明導電膜の比抵抗は422μω・cmであるから、H 2 ガスとO 2 ガスを同時に導入した場合においても、比抵 抗の劣化が小さいことが分かった。

 特に、ディスプレイ等に使用される透明導 膜では、可視光領域での透過率が高いこと 加え、低抵抗であることが求められる。一 的なディスプレイの透明電極に1.0×10 3 μω・cm以下であることが求められる。図6に いて比抵抗が1.0×10 3 μω・cm以下となるのは、H 2 ガスの圧力が5.0×10 -5 Torr以上の場合である。O 2 ガスの圧力は1×10 -5 Torrであるから、比抵抗を1.0×10 3 μω・cm以下とするために、R=P H2 /P O2 ≧5とすることが好ましいことが分かる。

 図7は、無加熱成膜におけるH 2 ガスの効果を示すグラフである。図7中、AはH 2 ガスをその分圧が3×10 -5 Torrとなるように導入した場合の酸化亜鉛系 明導電膜の透過率を、BはO 2 ガスをその分圧が1.125×10 -5 Torrになるように導入した場合の酸化亜鉛系 明導電膜の透過率を、それぞれ示している なお、直流(DC)電圧を印加する対向型のカソ ドを用いた。

 H 2 ガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は191 .5nm、比抵抗は913μω・cmであった。
 また、O 2 ガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は206 .4nm、比抵抗は3608μω・cmであった。
 図7によれば、H 2 ガスを導入することにより、透過率のピーク 波長を、膜厚を変えずに変更できることが分 かった。
 また、H 2 ガスを導入した場合の透過率は、O 2 ガスを導入した場合と比べて高いことが分か った。
 以上により、H 2 ガスを導入したプロセスでは、H 2 ガス導入量を最適化することにより、高透過 率かつ低い比抵抗の酸化亜鉛系透明導電膜が 得られることが分かった。

 本実施形態の透明導電膜の成膜方法によれ 、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選 される2種以上を含む反応性ガス雰囲気中に てスパッタを行うことにより、酸化亜鉛系透 明導電膜の比抵抗を低下させるとともに、可 視光線に対する透明性を維持することができ る。
 したがって、比抵抗が低く、可視光線に対 る透明性に優れた酸化亜鉛系の透明導電膜 容易に成膜することができる。
 特に、透過率のピークの波長を変更したい 合には、水蒸気を導入することでピークの フト量を大きく変更することができる。さ に、水素または酸素を導入することにより フト量の調整も可能である。
 また、特に透過率と低抵抗を高いレベルで 立させたい場合には、酸素と水素を導入す ことが好ましい。

 本実施形態の透明導電膜の成膜装置によれ 、ガス導入手段15は、Ar等のスパッタガスを 導入するスパッタガス導入手段15aと、水素ガ スを導入する水素ガス導入手段15bと、酸素ガ スを導入する酸素ガス導入手段15cと、水蒸気 を導入する水蒸気導入手段15dとが最適条件で 構成されている。そのため、これらを制御す ることにより、酸化亜鉛系透明導電膜を成膜 する際の雰囲気を、還元性ガスと酸化性ガス との比が調和した反応性ガス雰囲気とするこ とができる。
 したがって、従来の成膜装置の一部を改良 るだけで、比抵抗が低く、可視光線に対す 透明性に優れた酸化亜鉛系の透明導電膜を 膜できる。

(第2の実施形態)
 図8は、本発明の第2の実施形態のインター ック式のマグネトロンスパッタ装置の成膜 の主要部を示す平面断面図である。
 このマグネトロンスパッタ装置21が、上記 スパッタ装置1と異なる点は、成膜室3の一方 の側面3bに酸化亜鉛系材料のターゲット7を保 持し、かつ、所望の磁界を発生する縦置きの スパッタカソード機構(ターゲット保持手段)2 2が設けられている点である。

 スパッタカソード機構22は、ターゲット7 ロウ材等でボンディング(固定)した背面プ ート23と、背面プレート23の裏面に沿って配 された磁気回路(磁界発生手段)24とを備えて いる。この磁気回路24は、ターゲット7の表面 に水平磁界を発生させる。磁気回路24は、複 の磁気回路ユニット(図8では2つ)24a、24bとこ れら磁気回路ユニット24a、24bを連結して一体 化するブラケット25を備えている。磁気回路 ニット24a、24bそれぞれは、背面プレート23 の表面の極性が相互に異なる第1磁石26およ 第2磁石27と、これらが装着されるヨーク28と を備えている。

 この磁気回路24では、背面プレート23側の極 性が相互に異なる第1磁石26および第2磁石27に より、磁力線29で表される磁界を発生させる これにより、ターゲット7の表面上の、第1 石26と第2磁石27との間に相当する領域におい ては、垂直磁界が0(水平磁界が最大)となる位 置30が表れる。この位置30に高密度プラズマ 生成するため、成膜速度を向上することが きる。
 このターゲット7の表面における水平磁界の 強度の最大値は、600ガウス以上であることが 好ましい。水平磁界の強度の最大値を、600ガ ウス以上とすることで放電電圧を下げること ができる。

 本実施形態の透明導電膜の成膜装置におい も、第1の実施形態のスパッタ装置と同様の 効果を奏する。
 しかも、成膜室3の一方の側面3bに所望の磁 を発生するスパッタカソード機構22が縦置 に設けられているので、スパッタ電圧を340V 下とし、ターゲット7表面における水平磁界 強度の最大値を600ガウス以上とすることによ り、結晶格子の整った酸化亜鉛系透明導電膜 を成膜できる。
 この酸化亜鉛系透明導電膜は、成膜後に高 でアニール処理を行っても酸化され難く、 の比抵抗の増加を抑制することができる。 らに、耐熱性に優れた酸化亜鉛系透明導電 を得ることができる。

 本発明の透明導電膜の成膜方法及び成膜 置は、酸化亜鉛系の透明導電膜の比抵抗を 下させるとともに、可視光線に対する透明 を維持できる。