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Title:
METHOD AND APPARATUS FOR MANUFACTURING SEALING PANEL AND METHOD AND APPARATUS FOR MANUFACTURING PLASMA DISPLAY PANEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149804
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method for manufacturing a sealing panel having a first substrate and a second substrate. The method has a melting step of melting a sealing material which does not contain a binder for bringing the material into a paste state; an application step of applying the molten sealing material on a surface of the second substrate; and a sealing step of bonding the first substrate and the second substrate through the sealing material applied on the surface of the second substrate.

Inventors:
IIJIMA EIICHI (JP)
HAKOMORI MUNETO (JP)
KURAUCHI TOSHIHARU (JP)
YANO TAKANOBU (JP)
ORII YUICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060019
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ULVAC INC (JP)
IIJIMA EIICHI (JP)
HAKOMORI MUNETO (JP)
KURAUCHI TOSHIHARU (JP)
YANO TAKANOBU (JP)
ORII YUICHI (JP)
International Classes:
H01J9/26; G09F9/30; H01J17/18
Foreign References:
JP2002075192A2002-03-15
JP2003223847A2003-08-08
JP2002367514A2002-12-20
Other References:
See also references of EP 2148355A4
TATSUO UCHIDA: "Encyclopedia of Flat Panel Displays", December 2001, pages: 752 - 754
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 第1基板と第2基板とを有する封着パネルの製造方法であって、
 ペースト化するためのバインダを含まない封着材を溶融させる溶融工程と;
 前記第2基板の表面に、溶融された前記封着材を塗布する塗布工程と;
 前記第1基板と前記第2基板とを、前記第2基板の表面に塗布された前記封着材を介して貼り合わせる封着工程と;
を備えることを特徴とする封着パネルの製造方法。
 請求項1に記載の封着パネルの製造方法であって、
 前記封着材は、低融点ガラスを含んでいる。
 請求項1に記載の封着パネルの製造方法であって、
 前記封着材は、低融点ガラスおよびフィラーを含んでいる。
 請求項1に記載の封着パネルの製造方法であって、
 前記溶融された封着材の内部に含まれるガスを排出する工程をさらに備える。
 第1基板と第2基板とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
 ペースト化するためのバインダを含まない封着材を溶融させる溶融工程と;
 前記第2基板に塗布された蛍光体を焼成する焼成工程と;
 焼成された前記第2基板の表面に、溶融された前記封着材を塗布する塗布工程と;
 前記第1基板と前記第2基板とを、前記第2基板の表面に塗布された前記封着材を介して貼り合わせる封着工程と;
を備え、
 前記焼成工程から前記塗布工程までの間、前記第2基板の温度が100℃以上に保持されることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項5に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
 前記焼成工程から前記封着工程までの間、前記第2基板が真空中または制御された雰囲気中に保持される。
 第1基板と第2基板とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
 前記第1基板に、この基板のサイズに対応したサイズの保護膜を形成する成膜工程と;
 ペースト化するためのバインダを含まない封着材を溶融させる溶融工程と;
 前記第2基板に塗布された蛍光体を焼成する焼成工程と;
 焼成された前記第2基板の表面に、溶融された前記封着材を塗布する塗布工程と;
 複数対の前記第1基板と前記第2基板とを、それぞれ前記第2基板の表面に塗布された前記封着材を介して、互いに並行して貼り合わせる封着工程と;
を備え、
 前記焼成工程から前記塗布工程までの間、前記第2基板の温度が100℃以上に保持されることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
 請求項7に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
 前記封着工程では、互いに異なるサイズを有する複数のプラズマディスプレイパネルを製造する際に、前記各プラズマディスプレイパネルのサイズに対応した前記第1基板及び前記第2基板が互いに貼り合わされる。
 第1基板と第2基板とを有する封着パネルの製造装置であって、
  真空中または制御された雰囲気中で、前記第2基板の表面にペースト化するためのバインダを含まない封着材が塗布される塗布室と;
 前記塗布室に設けられ、充填された前記封着材を前記第2基板の表面に塗布する塗布手段と;
 前記塗布手段に設けられ、前記充填された封着材を溶融させるヒータと;
 前記第1基板と前記第2基板とが前記封着材を介して貼り合わされる封着室と;
を備えることを特徴とする封着パネルの製造装置。
 第1基板と第2基板とを有するプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、
 前記第2基板に塗布された蛍光体が焼成される焼成室と;
 真空中または制御された雰囲気中で、焼成された前記第2基板の表面にペースト化するためのバインダを含まない封着材が塗布される塗布室と;
 前記塗布室に設けられ、充填された前記封着材を前記第2基板の表面に塗布する塗布手段と;
 前記塗布手段に設けられ、前記充填された封着材を溶融させるヒータと;
 前記第1基板と前記第2基板とが前記封着材を介して貼り合わされる封着室と;
を備え、
 前記焼成室から前記塗布室までの間を、前記第2基板の温度が100℃以上に保持されたまま搬送されるように構成されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造装置。
 請求項10に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、
 前記焼成室から前記封着室までの間を、前記第2基板が真空中または制御された雰囲気中に保持されたまま搬送されるように構成されている。
 第1基板と第2基板とを有するプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、
 前記第1基板に保護膜が形成される成膜室と;
 前記第2基板に塗布された蛍光体が焼成される焼成室と;
 真空中または制御された雰囲気中で、焼成された前記第2基板の表面にペースト化するためのバインダを含まない封着材が塗布される塗布室と;
 前記塗布室に設けられ、充填された前記封着材を前記第2基板の表面に塗布する塗布手段と;
 前記塗布手段に設けられ、前記充填された封着材を溶融させるヒータと;
 前記成膜室に接続され、前記第1基板と前記第2基板とが前記封着材を介して貼り合わされる複数の封着室と;
を備え、
 前記焼成室から前記塗布室までの間を、前記第2基板が、その温度が100℃以上に保持されたまま搬送されるように構成されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造装置。
 請求項12に記載のプラズマディスプレイパネルの製造装置であって、
 前記複数の封着室では、互いに異なるサイズを有する複数のプラズマディスプレイパネルを製造する際に、前記各プラズマディスプレイパネルのサイズに対応した前記第1基板及び前記第2基板が互いに貼り合わされるように構成されている。
Description:
封着パネルの製造方法および製 装置、並びにプラズマディスプレイパネル 製造方法および製造装置

 本発明は、封着パネルの製造方法および製 装置、並びにプラズマディスプレイパネル 製造方法および製造装置に関する。
 本願は、2007年6月8日に、日本に出願された 願2007-153291号に基づき優先権を主張し、そ 内容をここに援用する。

 従来から、プラズマディスプレイパネル(以 下「PDP」という。)は表示装置の分野で広く 用されており、最近では大画面で高品質か 低価格のPDPが要求されている。
 PDPは、前面基板と背面基板とが封着材を介 て貼り合わされ、内部に放電ガスが封入さ たものである。PDPとして、前面基板に維持 極および走査電極が形成され、背面基板に ドレス電極が形成された3電極面放電型が主 流となっている。走査電極とアドレス電極と の間に電圧を印加して放電を発生させると、 封入された放電ガスがプラズマ化して紫外線 が放出される。この紫外線により、背面基板 に形成された蛍光体が励起されて、可視光が 放出されるようになっている。

 PDPの製造工程は、背面基板の周縁部に対す 封着材の塗布工程と、前面基板および背面 板の封着工程とを備えている。封着材の塗 工程では、ペースト化された封着材が背面 板に塗布される。そこで、溶剤および樹脂 分からなるバインダを混合した封着材が採 されている。また、この封着材を塗布した 、その溶剤の除去を目的として乾燥工程(例 えば、120℃で10~20分間保持)を行い、さらに樹 脂成分の除去を目的として仮焼成工程を行っ ている(例えば、非特許文献1参照)。仮焼成工 程では、空気中または酸素雰囲気中において 、乾燥工程を終えた背面基板を、まず120℃か ら320℃まで5~10℃/分の昇温速度で加熱し、次 320℃から380℃まで4℃/分の昇温速度で加熱 る。そして380℃で10分間保持する。その後、 その背面基板を5~50℃/分の降温速度で常温ま 冷却する。なお昇温速度を緩やかにするの 、バインダの分解・燃焼を確実にするため ある。
内田龍男他著、「フラットパネルディス プレイ大事典」、工業調査会、2001年12月、p75 2-754、868-869

 しかしながら、封着材に含まれるバイン の樹脂成分は、上述した仮焼成によっても 分に除去することが困難である。封着材に 留した樹脂成分は、両基板の封着時に不純 ガスとなってパネル内を汚染する。この樹 成分による汚染が、封着工程において数時 の加熱真空排気(真空ベーク)によるパネル の清浄化(涸化)を必要とする要因になってい る。また、封着後のパネルにAC電圧を印加し 放電させ、パネルの放電電圧を低減し放電 性を安定化させるためのエージング(枯化) 、数時間から十数時間必要とする要因にも っている(例えば、非特許文献1参照)。した って、封着材におけるバインダの樹脂成分 残留防止が、PDPの製造工程においてスルー ット向上および省エネルギーを実現するた の大きな課題となっている。

 本発明は、上記課題を解決するためにな れたものであって、スループット向上およ 省エネルギーを実現可能な、封着パネルの 造方法および製造装置、並びにプラズマデ スプレイパネルの製造方法および製造装置 提供を目的とする。

 上記目的を達成するため、本発明では以下 手段を採用している。すなわち、本発明に る封着パネルの製造方法は、第1基板と第2 板とを有する封着パネルの製造方法であっ 、ペースト化するためのバインダを含まな 封着材を溶融させる溶融工程と;前記第2基板 の表面に、溶融された前記封着材を塗布する 塗布工程と;前記第1基板と前記第2基板とを、 前記第2基板の表面に塗布された前記封着材 介して貼り合わせる封着工程と;を備える。
 上記の封着パネルの製造方法によれば、バ ンダを含まない封着材を溶融させることに り、当該封着材を第2基板の表面に塗布する ことができる。また、バインダを含まない封 着材を採用したので、封着材からの放出ガス 量を大幅に低減することが可能になる。これ により、封着工程のパネル内部の清浄化(涸 )時間を大幅に短縮すること、または清浄化( 涸化)を不要にすることが可能になる。さら 、封着後のエージング(枯化)時間の大幅な短 縮またはエージングレスを達成することが可 能になる。また、従来技術のようなバインダ の除去工程が不要になる。したがって、プラ ズマディスプレイパネルの製造におけるスル ープット向上および省エネルギーを実現する ことができる。

 前記封着材は、低融点ガラスを含んでいて よい。
 この場合、封着材からの放出ガス量を低減 ることができる。また、比較的低温で塗布 よび封着を行うことが可能となる。さらに 封着後の気密性および貼り合わせ強度を確 することも可能となる。

 前記封着材は、低融点ガラスおよびフィラ を含んでいてもよい。
 この場合、封着材の熱膨張係数を、第1基板 および第2基板の熱膨張係数に接近させるこ が可能になり、その結果、封着後の気密性 よび貼り合わせ強度を確保することができ 。

 前記溶融された封着材の内部に含まれるガ を排出する工程をさらに備えてもよい。
 この場合、内部ガスが排出された封着材が 布されるので、封着材からの放出ガス量を らに低減することができる。

 一方、本発明に係るプラズマディスプレイ ネルの製造方法は、第1基板と第2基板とを するプラズマディスプレイパネルの製造方 であって、ペースト化するためのバインダ 含まない封着材を溶融させる溶融工程と;前 第2基板に塗布された蛍光体を焼成する焼成 工程と;焼成された前記第2基板の表面に、溶 された前記封着材を塗布する塗布工程と;前 記第1基板と前記第2基板とを、前記第2基板の 表面に塗布された前記封着材を介して貼り合 わせる封着工程と;を備え、前記焼成工程か 前記塗布工程までの間、前記第2基板の温度 100℃以上に保持される。
 上記のプラズマパネルディスプレイの製造 法によれば、バインダを含まない封着材を 用したので、封着材を熱溶融させた状態で 2基板の表面に塗布することになる。この場 合でも、焼成工程において第2基板に与えた エネルギーを、塗布工程において利用する とができる。その結果、省エネルギーを実 することができる。

 前記焼成工程から前記封着工程までの間、 記第2基板が真空中または制御された雰囲気 中に保持されてもよい。
 この場合、バインダを含まない封着材を採 したので、バインダの除去を目的とする乾 工程および焼成工程を大気中で行う必要が い。そのため、蛍光体焼成後の第2基板を真 空中または制御された雰囲気中に保持したま ま、第2基板への不純物ガスの付着を防止し つ、封着工程に導入することが可能になる これにより、封着工程のパネル内部の清浄 (涸化)時間を大幅に短縮すること、または清 浄化(涸化)を不要にすることが可能になる。 らに、封着後のエージング(枯化)時間の大 な短縮またはエージングレスを達成するこ が可能になる。
 したがって、プラズマディスプレイパネル 製造におけるスループット向上および省エ ルギーを実現することができる。

 また、本発明に係る他のプラズマディスプ イパネルの製造方法は、第1基板と第2基板 を有するプラズマディスプレイパネルの製 方法であって、前記第1基板に、この基板の イズに対応したサイズの保護膜を形成する 膜工程と; ペースト化するためのバインダ 含まない封着材を溶融させる溶融工程と;前 記第2基板に塗布された蛍光体を焼成する焼 工程と;焼成された前記第2基板の表面に、溶 融された前記封着材を塗布する塗布工程と; 数対の前記第1基板と前記第2基板とを、それ ぞれ前記第2基板の表面に塗布された前記封 材を介して、互いに並行して貼り合わせる 着工程と;を備え、前記焼成工程から前記塗 工程までの間、前記第2基板の温度が100℃以 上に保持される。
 上記のプラズマディスプレイパネルの製造 法によれば、一般に成膜工程の処理時間は 着工程の処理時間より短いので、プラズマ ィスプレイパネルの製造におけるスループ ト向上を実現することができる。

 前記封着工程では、互いに異なるサイズを する複数のプラズマディスプレイパネルを 造する際に、前記各プラズマディスプレイ ネルのサイズに対応した前記第1基板及び前 記第2基板が互いに貼り合わされてもよい。
 この場合、異なるサイズのパネルを効率的 製造することができる。

 一方、本発明に係る封着パネルの製造装置 、第1基板と第2基板とを有する封着パネル 製造装置であって、真空中または制御され 雰囲気中で、前記第2基板の表面にペースト するためのバインダを含まない封着材が塗 される塗布室と;前記塗布室に設けられ、充 填された前記封着材を前記第2基板の表面に 布する塗布手段と;前記塗布手段に設けられ 前記充填された封着材を溶融させるヒータ ;前記第1基板と前記第2基板とが前記封着材 介して貼り合わされる封着室と;を備える。
 上記の封着パネルの製造装置によれば、バ ンダを含まない封着材を採用しても、塗布 段の内部で封着材を溶融させて、第2基板の 表面に塗布することができる。また、バイン ダを含まない封着材を採用することで、封着 材からの放出ガス量を大幅に低減することが 可能になる。これにより、封着工程のパネル 内部の清浄化(涸化)時間を大幅に短縮するこ 、または清浄化(涸化)を不要にすることが 能になる。さらに、封着後のエージング(枯 )時間の大幅な短縮またはエージングレスを 達成することが可能になる。また従来技術に おけるバインダの除去工程が不要になる。し たがって、プラズマディスプレイパネルの製 造におけるスループット向上および省エネル ギーを実現することができる。

 一方、本発明に係るプラズマディスプレイ ネルの製造装置は、第1基板と第2基板とを するプラズマディスプレイパネルの製造装 であって、前記第2基板に塗布された蛍光体 焼成される焼成室と;真空中または制御され た雰囲気中で、焼成された前記第2基板の表 にペースト化するためのバインダを含まな 封着材が塗布される塗布室と;前記塗布室に けられ、充填された前記封着材を前記第2基 板の表面に塗布する塗布手段と;前記塗布手 に設けられ、前記充填された封着材を溶融 せるヒータと;前記第1基板と前記第2基板と 前記封着材を介して貼り合わされる封着室 ;を備え、前記焼成室から前記塗布室までの を、前記第2基板が、その温度が100℃以上に 保持されたまま搬送されるように構成されて いる。
 上記のプラズマディスプレイパネルの製造 置によれば、焼成室において第2基板に与え た熱エネルギーを、塗布室において利用する ことが可能になる。その結果、省エネルギー を実現することができる。

 前記焼成室から前記封着室までの間を、前 第2基板が真空中または制御された雰囲気中 に保持されたまま搬送されるように構成され ていてもよい。
 この場合、バインダを含まない封着材を採 するので、バインダの除去を目的とする乾 工程および焼成工程を大気中で行う必要が い。そのため、蛍光体焼成後の第2基板を真 空中または制御された雰囲気中に保持したま ま、第2基板への不純物ガスの付着を防止し つ、封着室に導入することが可能になる。 れにより、封着工程のパネル内部の清浄化( 化)時間を大幅に短縮すること、または清浄 化(涸化)を不要にすることが可能になる。さ に、封着後のエージング(枯化)時間の大幅 短縮またはエージングレスを達成すること 可能になる。したがって、プラズマディス レイパネルの製造におけるスループット向 および省エネルギーを実現することができ 。

 また、本発明に係る他のプラズマディスプ イパネルの製造装置は、第1基板と第2基板 を有するプラズマディスプレイパネルの製 装置であって、前記第1基板に保護膜が形成 れる成膜室と;前記第2基板に塗布された蛍 体が焼成される焼成室と;真空中または制御 れた雰囲気中で、焼成された前記第2基板の 表面にペースト化するためのバインダを含ま ない封着材が塗布される塗布室と;前記塗布 に設けられ、充填された前記封着材を前記 2基板の表面に塗布する塗布手段と;前記塗布 手段に設けられ、前記充填された封着材を溶 融させるヒータと;前記成膜室に接続され、 記第1基板と前記第2基板とが前記封着材を介 して貼り合わされる複数の封着室と;を備え 前記焼成室から前記塗布室までの間を、前 第2基板が、その温度が100℃以上に保持され まま搬送されるように構成されている。
 上記のプラズマディスプレイパネルの製造 置によれば、一般に成膜室の処理時間は封 室の処理時間より短いので、プラズマディ プレイパネルの製造におけるスループット 上を実現することができる。

 前記複数の封着室では、互いに異なるサイ を有する複数のプラズマディスプレイパネ を製造する際に、前記各プラズマディスプ イパネルのサイズに対応した前記第1基板及 び前記第2基板が互いに貼り合わされるよう 構成されていてもよい。
 この場合、異なるサイズのパネルを効率的 製造することができる。

 本発明によれば、バインダを含まない封 材を溶融させることにより、当該封着材を 2基板の表面に塗布することができる。また 、バインダを含まない封着材を採用したので 、封着材からの放出ガス量を大幅に低減する ことが可能になる。これにより、封着工程の パネル内部の清浄化(涸化)時間を大幅に短縮 ること、または清浄化(涸化)を不要にする とが可能になる。さらに、封着後のエージ グ(枯化)時間の大幅な短縮またはエージング レスを達成することが可能になる。また、従 来技術のようなバインダの除去工程が不要に なる。したがって、プラズマディスプレイパ ネルの製造におけるスループット向上および 省エネルギーを実現することができる。

図1は、3電極AC型プラズマディスプレイ パネルの分解斜視図である。 図2Aは、PDPの平面図である。 図2Bは図2AのA-A線に沿った側面断面図 ある。 図3は、本発明の第1実施形態に係るPDP 製造方法のフローチャートである。 図4は、同実施形態に係るPDPの製造装置 のブロック図である。 図5は、封着材の塗布室の内部構成を示 す斜視図である。 図6は、昇温脱離法による封着材の放出 ガス量の測定結果を示すグラフである。 図7は、エージング試験の結果を示すグ ラフである。 図8は、第2実施形態に係るPDPの製造装 のブロック図である。 図9は、第2実施形態の変形例に係るPDP 製造装置のブロック図である。

符号の説明

1 前面基板(第1基板) 
2 背面基板(第2基板) 
17 蛍光体 
20 封着材 
30 ディスペンサ(塗布手段) 
34 ヒータ 
64 成膜室 
72 焼成室 
78 塗布室 
82 封着室 
100 プラズマディスプレイパネル(封着パネル )

 以下、本発明の実施形態につき、図面を参 して説明する。なお、以下の説明に用いる 図面では、各部材を認識可能な大きさとす ため、その縮尺を適宜変更している。また 以下において基板の「内面」とは、当該基 の両表面のうち、当該基板と対をなす基板 の表面をいうものとする。
 (プラズマディスプレイパネル)
 図1は、3電極AC型プラズマディスプレイパネ ルの分解斜視図である。このプラズマディス プレイパネル(以下「PDP」という。)100は、対 配置された背面基板2および前面基板1と、 基板1,2の間に形成された複数の放電室16とを 備えている。

 前面基板1の内面には、所定の間隔でスト ライプ状に表示電極12(走査電極12aおよび維持 電極12b)が形成されている。この表示電極12は 、ITO等の透明導電性材料とバス電極とによっ て構成されている。この表示電極12を覆うよ に誘電体層13が形成され、その誘電体層13を 覆うように保護膜14が形成されている。この 護膜14は、放電ガスのプラズマ化によって 生した陽イオンから誘電体層13を保護するも のであり、MgOやSrO等のアルカリ土類金属の酸 化物によって構成されている。

 一方、背面基板2の内面には、所定の間隔で ストライプ状にアドレス電極11が形成されて る。このアドレス電極11は、前記表示電極12 と直交するように配置されている。このアド レス電極11と表示電極12との交点が、PDP100の 素になっている。
 そのアドレス電極11を覆うように、誘電体 19が形成されている。また、互いに隣接する アドレス電極11の間における誘電体層19の上 には、アドレス電極11と平行に隔壁(リブ)15 形成されている。さらに、互いに隣接する 壁15の間における誘電体層19の上面および隔 15の側面には、蛍光体17が配設されている。 この蛍光体17は、赤、緑、青の何れかの蛍光 発光するものである。

 図2Aは、PDPの平面図である。上述した前面 板1と背面基板2とが、これら基板の内面の周 縁部に配置された封着材20により貼り合わさ ている。
 図2Bは、図2AのA-A線における側面断面図であ る。図2Bに示すように、前面基板1と背面基板 2とが貼り合わされることにより、互いに隣 する隔壁15の間に放電室16が形成されている この放電室16の内部には、NeおよびXeの混合 ス等の放電ガスが封入されている。

 PDP100のアドレス電極11と走査電極12aとの に直流電圧を印加して対向放電を発生させ さらに走査電極12aと維持電極12bとの間に交 電圧を印加すると、面放電が発生される。 ると、放電室16内に封入された放電ガスがプ ラズマ化して、真空紫外線が放射される。こ の紫外線によって蛍光体17が励起され、その 果、可視光が前面基板1から放出される。

(封着材)
 上述した封着材20の材料として、前面基板1 よび背面基板2を構成するガラス基板と熱膨 張係数が近く、封着温度において十分な流動 性を示し、かつ排気・ベーキング温度におい て軟化しない材料を採用する必要がある。ま た封着後のパネル内部の気密性の保持が可能 であり、不純物ガスの放出がなく、かつパネ ル貼り合わせ強度を確保することが可能な材 料を採用する必要がある。このような材料と して、低融点ガラスを採用することが望まし い。具体的な低融点ガラスとして、融点が400 ℃程度のPbO・B 2 O 3 系の非結晶ガラス(非晶質ガラス)等を採用す ことが可能である。

 また、封着材20の熱膨張係数をガラス基板 接近させるために、また封着温度において 分な流動性を発揮させるために、低融点ガ スにフィラーを混合することが望ましい。 ィラーとして、アルミナ等のセラミック系 粉末材料を採用することができる。
 なお、ガラス基板との熱膨張係数の違いに る影響を緩和するため、より低融点のガラ (例えばスズリン酸系ガラス)を採用するこ もできる。また低融点ガラスに比べて融点 高いガラスでも、熱膨張係数がガラス基板 近い結晶系ガラス(例えば熱膨張係数が85×10 -7 /K)を採用してもよい。さらに、封着温度にお ける流動性を向上させるために、低融点ガラ スと基板との濡れ性を良くすることが望まし い。

 なお従来技術では、封着材をペースト化す ため、封着材にバインダを混合していた。 インダは溶剤および樹脂成分で構成される 溶剤は、封着材をペースト化するものであ 、α-ターピネオール等で構成される。樹脂 分は、ペースト中の固形分の分散等を目的 するものであり、エチルセルロースやニト セルロース、アクリル樹脂等で構成される このバインダは、封着材の塗布後には完全 除去する必要がある。
 本実施形態の封着材20には、このようなバ ンダが混合されていない。

(PDPの製造方法、製造装置)
 図3は、本発明の第1実施形態に係るPDPの製 方法のフローチャートである。PDPの製造工 は、パネル工程(S50)と、モジュール・セット 工程(S52)との2つに大きく分けられる。そのパ ネル工程(S50)は、前面基板工程(S60)と、背面 板工程(S70)と、パネル化工程(S80)との3つに分 けられる。

 前面基板工程(S60)では、まず表示電極12とな る透明電極を形成する(S62)。具体的には、ITO SnO 2 等の透明導電膜をスパッタ法等で形成し、パ ターニングして表示電極12を形成する。次に 透明導電膜からなる表示電極12の電気抵抗 低減するため、金属材料からなる補助電極( ス電極)をスパッタ法等により形成する(S63) 次に、各電極の保護と壁電荷の形成を目的 して、誘電体層13を印刷法等により厚さ20~40 μmに形成し、焼成する(S64)。次に、誘電体層1 3の保護と二次電子放出効率の向上のため、 護膜14を電子ピーム蒸着法等により厚さ700~12 00nmに形成する(S66)。

 図4は、本発明の第1実施形態に係るPDPの 造装置のブロック図である。PDPの製造装置50 は、前面基板ライン60の後端、背面基板ライ 70の後端およびパネル化ライン80の前端が、 それぞれ搬送室55に接続されたものである。 のPDPの製造装置50は、図3に示すPDPの製造プ セスのうち二点鎖線で囲われた範囲50を、 空中または制御された雰囲気中で連続して 施するものである。

 前面基板ライン60には、誘電体層13までが 形成された前面基板1を受け入れる仕込室(真 排気室)61と、前面基板1を150~350℃程度に加 する加熱室62と、電子ビーム蒸着法により保 護膜14を形成する成膜室64と、前面基板1を背 基板2と同等の温度(約380℃)に加熱する加熱 バッファ室66とが設けられている。

 一方、図3に示す背面基板工程(S70)では、A g、Cr/Cu/CrまたはAlからなるアドレス電極11を 成する(S72)。次に、アドレス電極11を保護す ため誘電体層19を形成する(S74)。次に、放電 空間および蛍光体17の発光面積を増加させる め、隔壁15をサンドブラスト法等によって 成する(S75)。サンドブラスト法は、隔壁15の 料となるガラスペーストを基板上に塗布し 乾燥後にマスク材をパターニングし、アル ナやガラスビーズ等の研磨剤を高圧で吹き けることにより、所定形状の隔壁15を形成 る方法である。次に、スクリーン印刷法等 より蛍光体17を塗布し、乾燥する。その後に 、乾燥された蛍光体17を約500℃程度で焼成す (S76)。次に、背面基板2を加熱しつつ封着材2 0を背面基板2の表面に塗布する(S78)

 図4に示す背面基板ライン70には、蛍光体17 塗布された背面基板2を受け入れて焼成を行 焼成室72と、封着材20を背面基板2の表面に 布する塗布室78とが設けられている。焼成室 72と塗布室78との間には、焼成室72における焼 成後の背面基板2を、その温度を100℃以上に 持したまま塗布室78に搬送して、そこで封着 材20を塗布しうるように、ヒートトンネル74 よび背面板仕込室76が設けられている。これ により、焼成室72において背面基板2に与えら れた熱エネルギーを塗布室78において利用す ことが可能になる。その結果、省エネルギ を実現することができる。
 ヒートトンネル74は、焼成後の背面基板2の 温機構を備えた基板搬送室である。なおヒ トトンネル74に代えてストッカー式の容器 より背面基板を搬送してもよい。またヒー トンネル74は、雰囲気分離を行うための排気 手段を備えていてもよい。背面板仕込室76で 、焼成後の背面基板2の温度を100℃以上に保 持したまま真空排気が行われる。なお背面板 仕込室76においては、背面基板2の加熱を行う ことも可能である。

(封着材の塗布室、塗布手段、塗布方法)
 図5は、封着材の塗布室の内部構成を示す斜 視図である。塗布室78の底部には、封着材20 塗布される背面基板2を載置するためのホッ プレート40が設置されている。
 このホットプレート40は、背面基板2を100~450 ℃程度に加熱することができる。なおホット プレート40に代えてヒータを設置し、背面基 2を輻射加熱してもよい。ホットプレート40 上方には、封着材20を吐出するディスペン (塗布手段)30が配置されている。なお、ホッ プレート40はXYステージ(不図示)に載置され ホットプレート40およびディスペンサ30が水 平面内を相対移動しうるようになっている。 なお、ホットプレート40を固定し、ディスペ サ30をXY移動機構(平面走査機構)に設置して よい。また塗布室78は、ターボ分子ポンプ 、水分を吸着排気するコールドトラップと らなる真空排気系(不図示)を備えている。

 ディスペンサ30は、円筒状のシリンジ32の先 端にノズル31を装着したものである。そのシ ンジ32の内部に充填された封着材20は、ノズ ル31の先端から吐出される。シリンジ32およ ノズル31の外周を取り巻くように、ヒータ34 設けられている。このヒータ34により、デ スペンサ30の内部に充填された封着材20は、 の融点以上に加熱されて溶融される。
 シリンジ32の上端には、真空ポンプ等の減 手段37およびコンプレッサ等の加圧手段38が 続されている。減圧手段37は、溶融した封 材20からその内部に含まれるガスを排出させ る。また、加圧手段38は、溶融した封着材20 ノズル31から定量的に吐出させる。

 上述した塗布室78において封着材20を背面基 板2の表面に塗布する際には、まずディスペ サ30の内部に、封着材20を構成する低融点ガ スおよびフィラーの粉末を充填する。次に ータ34に通電し、封着材20の粉末をその融点 以上(300~480℃程度)に加熱して溶融させる。こ の加熱中に減圧手段37を駆動して、シリンジ3 2の内部36を0.1Pa程度まで減圧する。これによ 、溶融した封着材20からその内部に含まれ ガス(H 2 やH 2 O、N 2 、CO、CO 2 など)を離脱させる(真空脱ガス処理)。
 なお、低融点ガラスおよびフィラーを予め 筒状に成型したものをシリンジにセットし もよい。この場合には、成型時またはシリ ジにセットした後の溶解時に真空脱ガス処 を行う。また低融点ガラスおよびフィラー または低融点ガラス単体を予め溶融、脱ガ および撹拌したものを、パイプなどの輸送 段によってシリンジへ供給してもよい。

 次に、塗布室78の内部を真空または制御 れた雰囲気に保持する。次にホットプレー 40上に背面基板2を載置する。次にXYステージ によりホットプレート40を移動させ、背面基 2における封着材20の塗布開始位置をディス ンサ30の下方に配置する。次に加圧手段38を 駆動して、シリンジ32の内部を所定圧力に加 することにより、溶融した封着材20をノズ 31から定量的に吐出させる。この状態で、XY テージによりホットプレート40を移動させ ことにより、背面基板2の周縁部に封着材20 連続的に塗布する。

 図3に戻り、上述した前面基板1および背 基板2を貼り合わせるパネル化工程を行う(S80 )。パネル化工程では、両基板のアライメン 工程(S82)と、放電ガス導入および封着工程(S8 4)とを行う。なお必要な場合には、短時間の ージング工程(S86)を行う。

 図4に示すように、保護膜14を形成した前面 板1を加熱・バッファ室で約380℃まで加熱し た後、搬送室55を経由して封着室82に搬送す 。搬送された前面基板1は、封着室82の上部 設けられたフック機構で保持される。その 持中には、封着室82の上部に設置されたヒー タで前面基板1の温度を約380℃に維持する。
 一方、封着材20が塗布された背面基板2を、 布室78から搬送室55を経由して封着室82に搬 する。搬送された背面基板2は、封着室82の 部に設けられたホットプレート上に載置さ て約380℃に保持される。次に、封着室に設 られた真空槽の大気側に設置されたCCDカメ により前面基板1および背面基板2のアライ ントマークを読み取り、両基板の位置合わ を行う。次に、放電ガスを導入して両基板 加圧し、封着材を430~450℃程度に加熱して封 する。封着により得られたパネルは、冷却 取出室へ搬送されて、約150℃まで冷却され その後に取り出される。

 なお本実施形態では、バインダを含まな 封着材を採用したので、バインダの除去を 的とする乾燥工程および焼成工程を大気中 行う必要がない。そのため、蛍光体の焼成 72において焼成された後の背面基板2が、真 中または制御された雰囲気中に保持された まの状態で、ヒートトンネル74、背面板仕 室76、塗布室78および搬送室55を経由して封 室82に導入される。すなわち、背面基板2へ 不純物ガスの付着を防止しつつ封着室82に導 入することが可能になる。そのため、封着工 程のパネル内部の清浄化(涸化)時間を大幅に 縮すること、または清浄化(涸化)を不要に ることが可能になる。さらに、封着後のエ ジング(枯化)時間の大幅な短縮またはエージ ングレスを達成することが可能になる。した がって、PDPの製造におけるスループット向上 および省エネルギーを実現することができる 。

 ところで従来技術では、溶剤および樹脂 分からなるバインダが封着材に混合されて たので、パネル封着時に、封着材から不純 ガスがパネル内部に放出されるおそれがあ 。この場合、放出された不純物ガスにより パネル内部に封入されている放電ガスの純 が低下して、放電電圧が上昇する。また封 材から放出された不純物ガスが基板表面の 膜に吸着されると、基板表面の2次電子放出 係数が低下して、放電電圧が上昇する。この ような放電電圧の上昇に伴って、PDPの消費電 力が増加することになる。そこで従来では、 封着工程の前に、バインダの溶剤の除去を目 的として乾燥工程を行い、またバインダの樹 脂成分の除去を目的として仮焼成工程を行っ ていた。しかしながら、上述した仮焼成によ っても樹脂成分を十分に除去することは困難 である。

 本発明の発明者らは、従来技術の封着材(仮 焼成後)および本発明の封着材につき、放出 ス量を測定する実験を行った。
 図6は、昇温脱離法(Thermal Desorption Spectroscop y;TDS)による封着材の放出ガス量の測定結果を 示すグラフである。TDSでは、封着材の温度を 約2200秒間で約450℃まで上昇させ、そのまま 持した。図6において、従来の封着材(仮焼成 後)の放出ガス量の測定結果を破線で示し、 発明の封着材の放出ガス量の測定結果を実 で示す。従来の封着材では、放出ガスとし 樹脂成分が検出されたほか、大気中で仮焼 したため水(H 2 O)、一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO 2 )が多く検出された。これに対して、本発明 封着材では放出ガス量が低下し、樹脂成分 検出されなかった。

 基板表面の被膜に吸着された不純物ガス 、真空ベークによる基板内の清浄化と基板 への所定時間の電圧印加(エージング処理) 行えば基板表面から離脱する。これにより 放電電圧が安定することになる。そこで従 技術では、封着工程において数時間の清浄 (涸化)を行っていた。また封着後のパネルに ついても、数時間から十数時間のエージング 処理を行う必要があった。

 本発明の発明者らは、従来方法で作製したP DPおよび本実施形態の方法で作製したPDPにつ 、エージング試験を行った。本試験におけ PDPの保護膜14には、膜厚800nmに成膜されたMgO を用い、また、放電ガスとしてNe-4%Xeを66.5kPa 圧力で導入した。
 なお、従来技術では、PDPの各製造プロセス それぞれ異なる装置で実施していたので、 護膜14形成後の前面基板1を大気(湿度50%)に1 間曝してからPDPを作製した。また、前面基 1と背面基板2との封着中に、350℃で90分間の 清浄化(涸化)を行った。
 これに対して、本実施形態に係るPDPの製造 法および製造装置では、上述したように保 膜の形成から封着工程までを真空中または 御された雰囲気中で行った。すなわち、保 膜14の形成後の前面基板1を大気に曝すこと くPDPを作製した。

 図7は、エージング試験の結果を示すグラ フである。なお、Vfは放電開始電圧であり、V sは放電維持電圧である。大気に曝した従来 方法により作製されたPDPの場合、放電開始 圧Vfおよび放電維持電圧Vsとも高く、また電 が安定するまでに約3時間を要している。こ れに対して、本実施形態に係る方法により作 製されたPDPの場合、放電開始電圧Vfおよび放 維持電圧Vsとも低く、放電開始電圧Vfは約1 以内で安定し、さらに、放電維持電圧Vsは当 初から安定している。この結果から、本実施 形態に係るPDPの製造方法および製造装置を採 用することにより、エージング時間を短縮す ることができることが確認された。また、放 電電圧が低くなることが確認された。すなわ ち、本実施形態に係るPDPの製造方法および製 造装置を採用することにより、消費電力の小 さいPDPを提供することができる。

 以上に詳述したように、本実施形態に係るP DPの製造方法は、ペースト化するためのバイ ダを含まない封着材20を、ディスペンサの 部で溶融させる工程と、背面基板2の表面に ィスペンサを用いて溶融された封着材20を 布する塗布工程と、前面基板1と背面基板2と を、背面基板2の表面に塗布された封着材20を 介して貼り合わせる封着工程とを備える。
 上記のPDPの製造方法によれば、バインダを まない封着材20を採用しても、ディスペン の内部で溶融させることにより、背面基板2 表面に塗布することができる。また、バイ ダを含まない封着材20を採用したので、封 材20からの放出ガス量を大幅に低減すること が可能になる。これにより、封着工程のパネ ル内部の清浄化(涸化)時間を大幅に短縮する と、または清浄化(涸化)を不要にすること 可能になる。さらに、封着後のエージング( 化)時間の大幅な短縮またはエージングレス を達成することが可能になる。また、従来技 術のようなバインダの除去工程が不要になる 。したがって、PDPの製造におけるスループッ ト向上および省エネルギーを実現することが できる。

 また本実施形態におけるPDPの製造方法は、 布工程の前に、ディスペンサの内部を減圧 て封着材20の内部に含まれるガスを排出す 工程を備える。
 この場合、内部ガスが排出された封着材20 塗布されるので、塗布された封着材20からの 放出ガス量をさらに低減することができる。 これにより、封着工程のパネル内部の清浄化 (涸化)時間を大幅に短縮すること、または清 化(涸化)を不要にすることが可能になる。 らに、封着後のエージング(枯化)時間の大幅 な短縮またはエージングレスを達成すること が可能になる。したがって、PDPの製造におけ るスループット向上および省エネルギーを実 現することができる。

(第2実施形態)
 図8は、第2実施形態に係るPDPの製造装置の ロック図である。第1実施形態に係るPDPの製 装置では、1個の成膜室に対して1個の封着 が接続されていたのに対して、第2実施形態 係るPDPの製造装置では、1個の成膜室64に対 て複数の封着室82a,82bが接続されている。な お、第1実施形態と同様の部分については、 の詳細な説明を省略する。

 本実施形態に係るPDPの製造装置51では、 面基板ライン60における加熱・バッファ室66 Aサイドに搬送室55aが接続され、Bサイドに 送室55bが接続されている。Aサイドの搬送室5 5aには、背面基板ライン70aおよびパネル化ラ ン80aが接続されている。またBサイドの搬送 室55bには、背面基板ライン70bおよびパネル化 ライン80bが接続されている。これにより、前 面基板ライン60の成膜室64に対して、複数の 面基板ライン70a,70bの封着室82a,82bが接続され た状態になっている。本実施形態では、前面 基板ライン60と垂直に背面基板ライン70a,70bが 伸び、前面基板ライン60と平行にパネル化ラ ン80a,80bが伸びている。

 本実施形態に係るPDPの製造装置51でも、 1実施形態と同様に、封着材20からの放出ガ 量を大幅に低減することが可能になる。こ により、封着工程のパネル内部の清浄化(涸 )時間を大幅に短縮すること、または清浄化 (涸化)を不要にすることが可能になる。さら 、封着後のエージング(枯化)時間の大幅な 縮またはエージングレスを達成することが 能になる。したがって、PDPの製造における ループット向上および省エネルギーを実現 ることができる。

 一般に成膜室64における成膜工程のタク タイムは、封着室82a,82bにおけるパネル化工 のタクトタイムに比べて短い。そこで本実 形態では、成膜室64に対して複数の封着室82 a,82bが接続されている構成とした。これによ 、成膜室の稼動効率を上昇させることが可 になり、その結果、第1実施形態に比べてPDP の製造におけるスループットを向上させる( えば、約2倍にする)ことができる。

 なお前記複数の封着室82a,82bは、それぞれ 異なるサイズの前面基板1および背面基板2が り合わせられるように形成されていてもよ 。すなわち、前記複数の封着室82a,82bでは、 互いに異なるサイズを有する複数のPDPを製造 する際に、前記各PDPのサイズに対応した前面 基板1及び背面基板2が互いに貼り合わされる うに構成されていてもよい。例えば、Aサイ ドの封着室82aで対角長さ42インチのパネルの 着を行い、Bサイドの封着室82bで対角長さ50 ンチのパネルの封着を行う構成としてもよ 。この場合、成膜室64は、異なるサイズの 面基板に対して成膜を行うことができるよ に形成される。これにより、異なるサイズ パネルを効率的に製造することができる。 た異なるサイズのパネル製造において、製 装置の一部(成膜室を含む前面基板ライン)を 共用することが可能になり、その結果、製造 コストを低減することができる。

(変形例)
 図9は、第2実施形態の変形例に係るPDPの製 装置のブロック図である。上述した第2実施 態に係るPDPの製造装置では、前面基板ライ 60と垂直に背面基板ライン70a,70bが伸び、前 基板ライン60と平行にパネル化ライン80a,80b 伸びていたが、図9に示す変形例に係るPDPの 製造装置52では、前面基板ライン60と平行に 面基板ライン70a,70bが伸び、前面基板ライン6 0と垂直にパネル化ライン80a,80bが伸びている
 この場合でも、第1実施形態と比べてPDPの製 造におけるスループットを向上させることが できる。また両サイドで異なるサイズの基板 を効率的に製造することも可能である。

 なお、本発明の技術範囲は、上述した各実 形態に限定されるものではなく、本発明の 旨を逸脱しない範囲において、上述した各 施形態に種々の変更を加えたものを含む。 なわち、各実施形態で挙げた具体的な材料 構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更 可能である。
 例えば、上記実施形態では低融点ガラスに ィラーを混合した封着材を採用したが、フ ラーを混合しない低融点ガラスのみからな 封着材を採用してもよい。

 また、上記実施形態では本発明をプラズ ディスプレイパネルに適用したが、本発明 電界放出ディスプレイパネルに適用するこ も可能である。電界放出ディスプレイパネ は、画素ごとに配置された電子放出源(エミ ッター)から真空中に電子を放ち、その電子 蛍光体に衝突させて発光させるものである 電界放出ディスプレイパネルとして、突起 の電子放出素子を備えたFED(Field Emission Displ ay)や、表面伝導型の電子放出素子を備えたSED (Surface-Conduction Electron-Emitter Display)等が挙げ れる。この電界放出ディスプレイパネルに 発明を適用した場合でも、エージング時間 短縮することが可能であり、また放電電圧 上昇を抑制することが可能である。

 スループット向上および省エネルギーを 現可能な、封着パネルの製造方法および製 装置、並びにプラズマディスプレイパネル 製造方法および製造装置を提供することが きる。