日下裕之 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 1008322, JP)
KUROMIYA, Koji (LTD. 2-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 1008322, JP)
黒宮幸次 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 1008322, JP)
SAITO, Satoshi (LTD. 2-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 1008322, JP)
齋藤仁志 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 1008322, JP)
SHIGEMATSU, Takashi (LTD. 2-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 1008322, JP)
重松亮 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 1008322, JP)
古河電気工業株式会社 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 Tokyo, 1008322, JP)
KUSAKA, Hiroyuki (LTD. 2-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 1008322, JP)
日下裕之 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 1008322, JP)
KUROMIYA, Koji (LTD. 2-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 1008322, JP)
黒宮幸次 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 1008322, JP)
SAITO, Satoshi (LTD. 2-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 1008322, JP)
齋藤仁志 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目2番3号 古河電気工業株式会社内 Tokyo, 1008322, JP)
SHIGEMATSU, Takashi (LTD. 2-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 1008322, JP)
| 金属製の導体上に、少なくともエナメル焼付層を含む一次被覆層を形成して一次被覆電線とし、該一次被覆電線の一次被覆層上に二次被覆層を押出形成して絶縁電線を製造する製造方法において、 前記一次被覆層表面を電線予熱手段により予熱する電線予熱工程と、 該予熱された一次被覆層上に対して樹脂押出手段により二次被覆層を押出形成する樹脂押出工程とを有することを特徴とする 絶縁電線の製造方法。 |
| 前記一次被覆層の最外層が前記エナメル焼付層である場合に、前記電線予熱工程では、前記エナメル焼付層のガラス転移点未満に前記一次被覆層表面を予熱することを特徴とする 請求項1に記載の絶縁電線の製造方法。 |
| 前記一次被覆層には、前記エナメル焼付層上に、前記二次被覆層と接着される接着層が形成され、かつ前記一次被覆層の最外層が該接着層である場合に、 前記電線予熱工程では、前記接着層のガラス転移点以上に前記一次被覆層表面を予熱することを特徴とする 請求項1に記載の絶縁電線の製造方法。 |
| 前記二次被覆層に密着向上材が添加されている場合に、 前記電線予熱工程では、前記密着向上材と前記一次被覆層との化学反応が生じる最低温度以上に前記一次被覆層表面を予熱することを特徴とする 請求項1に記載の絶縁電線の製造方法。 |
| 前記電線予熱工程では、前記一次被膜層および二次被覆層の熱分解温度以下に前記一次被覆層表面を予熱することを特徴とする 請求項1~4のいずれかに記載の絶縁電線の製造方法。 |
| 前記電線予熱工程では、前記一次被覆電線と非接触で前記一次被覆層表面を予熱することを特徴とする 請求項1~5のいずれかに記載の絶縁電線の製造方法。 |
| 前記予熱された前記一次被覆電線を電線整直手段により略真っ直ぐな状態に整直して前記樹脂押出手段へ供給する電線整直工程をさらに有することを特徴とする 請求項1~6のいずれかに記載の絶縁電線の製造方法。 |
| 前記二次被覆層が押出形成された絶縁電線を電線冷却手段により冷却する電線冷却工程と、 該冷却された絶縁電線の樹脂皮膜厚さを皮膜厚測定手段により測定する皮膜厚測定工程とをさらに有することを特徴とする 請求項1~7のいずれかに記載の絶縁電線の製造方法。 |
| 前記導体を導体供給手段により連続して供給する導体供給工程と、 前記導体供給工程から供給される導体を、駆動機構によらずに自由回転する一対の各ロールで圧延しながら、ダイスを通過させて所定形状に引抜伸線加工する導体加工工程と、 前記導体加工工程にて引抜伸線加工された導体を導体焼鈍手段により焼鈍する導体焼鈍工程と、 前記導体焼鈍工程にて焼鈍された導体上に、皮膜焼付手段により一次被覆層を焼付けて被覆形成する皮膜焼付工程と、 前記皮膜焼付工程にて一次被覆層が被覆形成された一次被覆電線を電線予熱手段により予熱する前記電線予熱工程と、 前記電線予熱工程にて予熱された一次被覆電線を電線整直手段により略真っ直ぐな状態に整直する電線整直工程と、 前記電線整直工程にて整直された一次被覆電線の一次被覆層上に、樹脂押出手段により押出樹脂を押出形成する樹脂押出工程と、 前記樹脂押出工程にて押出樹脂が押出形成された絶縁電線を電線冷却手段により一次被覆層上に対して押出樹脂が一体的に固着される温度に冷却する電線冷却工程と、 前記電線冷却工程にて冷却された絶縁電線の樹脂皮膜厚さを皮膜厚測定手段により測定する皮膜厚測定工程と、 前記樹脂押出工程にて押出樹脂が被覆された絶縁電線を電線巻取手段により巻き取る電線巻取工程とを有し、 前記導体供給手段、前記導体加工手段、前記導体焼鈍手段、前記皮膜焼付手段、前記電線予熱手段、前記電線整直手段、前記樹脂押出手段、前記電線冷却手段、前記皮膜厚測定手段、および前記電線巻取手段をタンデムに配置するとともに、前記導体供給工程から電線巻取工程までの全工程を一貫して行うことを特徴とする 請求項1に記載の絶縁電線の製造方法。 |
| 前記二次被覆層を構成する押出樹脂は、ポリフェニレンサルファイド樹脂であることを特徴とする 請求項1~9のいずれかに記載の絶縁電線の製造方法。 |
| 金属製の導体上に、少なくともエナメル焼付層を含む一次被覆層を形成して一次被覆電線とし、該一次被覆電線の一次被覆層上に二次被覆層を押出形成して絶縁電線を製造する製造装置において、 前記一次被覆層表面を予熱する電線予熱手段と、 該予熱された一次被覆層上に対して二次被覆層を押出形成する樹脂押出手段とを供えたことを特徴とする 絶縁電線の製造装置。 |
| 前記一次被覆層の最外層が前記エナメル焼付層である場合に、前記電線予熱手段では、前記エナメル焼付層のガラス転移点以下に前記一次被覆層表面を予熱するよう設定されていることを特徴とする 請求項11に記載の絶縁電線の製造装置。 |
| 前記一次被覆層には、前記エナメル焼付層上に、前記二次被覆層と接着される接着層が形成され、かつ前記一次被覆層の最外層が該接着層である場合に、 前記電線予熱手段では、前記接着層のガラス転移点以上に前記一次被覆層表面を予熱するよう設定されていることを特徴とする 請求項11に記載の絶縁電線の製造装置。 |
| 前記二次被覆層に密着向上材が添加されている場合に、 前記電線予熱手段では、前記密着向上材と前記一次被覆層との化学反応が生じる最低温度以上に前記一次被覆層表面を予熱するよう設定されていることを特徴とする 請求項11に記載の絶縁電線の製造装置。 |
| 前記電線予熱手段では、前記一次被膜層および二次被覆層の熱分解温度以下に前記一次被覆層表面を予熱するよう設定されていることを特徴とする 請求項11~14のいずれかに記載の絶縁電線の製造装置。 |
| 前記電線予熱手段は、前記一次被覆電線と非接触で前記一次被覆層表面を予熱するよう構成されていることを特徴とする 請求項11~15のいずれかに記載の絶縁電線の製造装置。 |
| 前記予熱された一次被覆電線を略真っ直ぐな状態に整直して樹脂押出手段へ供給する電線整直手段をさらに有することを特徴とする 請求項11~16のいずれかに記載の絶縁電線の製造装置。 |
| 前記二次被覆層が押出形成された絶縁電線を冷却する電線冷却手段と、 該冷却された絶縁電線の樹脂皮膜厚さを測定する皮膜厚測定手段とをさらに有することを特徴とする 請求項11~17のいずれかに記載の絶縁電線の製造装置。 |
| 前記導体を連続して供給する導体供給手段と、 前記導体供給手段から供給される導体を、駆動機構によらずに自由回転する一対の各ロールで圧延しながら、ダイスを通過させて所定形状に引抜伸線加工する導体加工手段と、 前記導体加工手段にて引抜伸線加工された導体を焼鈍する導体焼鈍手段と、 前記導体焼鈍手段にて焼鈍された導体上に、一次被覆層を焼付けて被覆形成する皮膜焼付手段と、 前記皮膜焼付手段にて一次被覆層が被覆形成された一次被覆電線を予熱する前記電線予熱手段と、 前記電線予熱手段にて予熱された一次被覆電線を略真っ直ぐな状態に整直する電線整直手段と、 前記電線整直手段にて整直された一次被覆電線の一次被覆層上に、押出樹脂からなる二次被覆層を押出形成する樹脂押出手段と、 前記樹脂押出手段にて押出樹脂が押出形成された絶縁電線を一次被覆層上に対して樹脂が一体的に固着される温度に冷却する電線冷却手段と、 前記電線冷却手段にて冷却された絶縁電線の樹脂皮膜厚さを測定する皮膜厚測定手段と、 前記樹脂押出手段にて樹脂が被覆された絶縁電線を電線巻取手段により巻き取る電線巻取手段とを有し、 前記導体供給手段、前記導体加工手段、前記導体焼鈍手段、前記皮膜焼付手段、前記電線予熱手段、前記電線整直手段、前記樹脂押出手段、前記電線冷却手段、前記皮膜厚測定手段、および前記電線巻取手段がタンデムに配置されていることを特徴とする 請求項11に記載の絶縁電線の製造装置。 |
この発明は、絶縁電線の製造方法及びそ 製造装置に関する。
従来、絶縁電線を製造する製造方法とし は、次のようなものが知られている。例え 断面丸形状の導体を、一対の各圧延ローラ 有するカセットローラダイス(CRD)に通して 面平角形状に引抜伸線加工した後、該導体 、焼鈍炉(アニーラー)に通して引抜伸線加工 により生じた導体の歪みを除去して柔軟化す る。さらに、該導体上にエナメルワニスを塗 布した後、焼付炉に通して焼き付けすること でエナメル焼付層を導体上に被覆形成し、こ うして得られた断面平角形状の絶縁電線を巻 き取る。このような方法の1つに、特許文献1 絶縁電線の製造方法がある。
近年、電気機器や産業モータ、自動車の 動モータ等では省エネルギーの推進及び小 高性能化が進み、これに伴いモータのイン ータ制御化が進んでいる。よって、モータ 使用される絶縁電線においてコロナ放電(尖 った電極の周りに不均一な電界が生じること によって起こる放電。局部破壊放電とも言う 。)が発生しやすい環境になっている。その うな絶縁電線におけるコロナ放電の発生を 止するために、一般に、絶縁電線の導体に 付けられるエナメル焼付層の肉厚を厚くす ことが有効であると言われている(パッシェ 則参照)。ただしエナメルワニスは高価であ るため、絶縁皮膜層の肉厚を厚くすることに より、その分、製造コストが掛かることにな る。
そこで出願人は、図3のような絶縁電線D2を
発した(特許文献2参照)。すなわち絶縁電線D
2は、図3に示すように、導体A上(外周側)にエ
メル焼付層B1を含む一次被覆層Bを形成して
線D1(以下、「一次被覆電線D1」という。)を
成し、さらにその一次被覆層B上(外周側)に
脂(以下、この樹脂を「押出樹脂」という。
)を押出塗布(以下、押出塗布を「押出形成」
いう。)して二次被覆層C(以下、「二次被覆
C」という。)を形成したものであり、安価
押出樹脂を用いてもコロナ放電の発生を防
することができる。このような絶縁電線D2の
構造を得るために、特許文献2中には、押出
脂を所定の温度に加熱した状態で押し出し
行なう技術が記載されている。
他方、特許文献3には、ポリエーテルエーテ
ルケトン(PEEK)からなる押出樹脂を導体表面に
形成して絶縁電線とする際に導体表面を予熱
し、押出樹脂の温度低下を抑制する技術、お
よびこのような導体予熱を不要とするために
導体表面に絶縁皮膜層を形成する技術が開示
されている。
特許文献2の製造方法でも耐コロナ性を改善
した絶縁電線の製造は可能であったが、耐コ
ロナ特性や接着強度の面で高品質な耐コロナ
電線を安価にかつ効率よく製造するためには
さらなる改良が求められていた。ここで高品
質な耐コロナ電線とは、例えばコロナ放電開
始電圧Vpであれば1200V以上、接着強度S(剥離強
度、ピール強度、密着強度とも言われる。)
あれば90mg/mm以上のものを指しており、以下
着強度Sを中心に説明を行なう。
とくに絶縁電線のサイズや材料等の仕様が
更になった場合に、製造条件出しが困難で
次被覆層と二次被覆層との間において接着
度が得られないほど弱くなる、という問題
あった。また特許文献3に開示されている一
次被覆層を形成する技術でも同様に一次被覆
層と二次被覆層の接着強度が不十分となる懸
念があった。
以上のように従来の技術では、安価で高品
な耐コロナ絶縁電線を安定して製造するこ
が困難であった。
なお本明細書において接着強度Sとは、ある
基材に固定された材料に幅wで切込みを入れ
、引っ張り試験機(ストログラフ)で引き剥が
すときに必要な荷重をNとしたときS=N/wで得ら
れる値と定義する。
また本明細書においてコロナ放電開始電圧V
pとは、絶縁電線同士が接触するとき隣接す
電線間の電位差により絶縁電線表面でコロ
放電を開始する電圧、と定義する。
この発明は前記問題に鑑み、安価で高品 な耐コロナ絶縁電線を安定して製造するこ ができる絶縁電線の製造方法及びその製造 置の提供を目的とする。
発明者らの検討によれば、特許文献2の技 術では、押出樹脂側のみが加熱された状態で 該押出樹脂の押し出しが行なわれるため、一 次被覆層表面が押出樹脂と十分良好に接着さ れることができないことがあり、接着強度不 足の原因となっている。また絶縁電線の断面 形状が非円形の場合、局所的に曲率半径が小 さな箇所ができてしまうことにより、その部 分における一次被覆層と二次被覆層との界面 で剥離が起こり易くなるため、上記接着強度 不足が顕著に現れるものと考えられる。
そこで請求項1に記載した発明の絶縁電線 の製造方法は、金属製の導体上に、少なくと もエナメル焼付層を含む一次被覆層を形成し て一次被覆電線とし、該一次被覆電線の一次 被覆層上に二次被覆層を押出形成して絶縁電 線を製造する製造方法において、前記一次被 覆層表面を電線予熱手段により予熱する電線 予熱工程と、該予熱された一次被覆層上に対 して樹脂押出手段により二次被覆層を押出形 成する樹脂押出工程とを有することを特徴と する。
また請求項2に記載した発明の絶縁電線の 製造方法は、請求項1記載のものであって、 記一次被覆層の最外層が前記エナメル焼付 である場合に、前記電線予熱工程では、前 エナメル焼付層のガラス転移点未満に前記 次被覆層表面を予熱することを特徴とする
また請求項3に記載した発明の絶縁電線の 製造方法は、請求項1に記載のものであって 前記一次被覆層には、前記エナメル焼付層 に、前記二次被覆層と接着される接着層が 成され、かつ前記一次被覆層の最外層が該 着層である場合に、前記電線予熱工程では 前記接着層のガラス転移点以上に前記一次 覆層表面を予熱することを特徴とする。
また請求項4に記載した発明の絶縁電線の 製造方法は、請求項1に記載のものであって 前記二次被覆層に密着向上材が添加されて る場合に、前記電線予熱工程では、前記密 向上材と前記一次被覆層との化学反応が生 る最低温度以上に前記一次被覆層表面を予 することを特徴とする。
また請求項5に記載した発明の絶縁電線の 製造方法は、請求項1~4のいずれかに記載のも のであって、前記電線予熱工程では、前記一 次被膜層および二次被覆層の熱分解温度以下 に前記一次被覆層表面を予熱することを特徴 とする。
また請求項6に記載した発明の絶縁電線の 製造方法は、請求項1~5のいずれかに記載のも のであって、前記電線予熱工程では、前記一 次被覆電線と非接触で前記一次被覆層表面を 予熱することを特徴とする。
また請求項7に記載した発明の絶縁電線の 製造方法は、請求項1~6のいずれかに記載のも のであって、前記予熱された前記一次被覆電 線を電線整直手段により略真っ直ぐな状態に 整直して前記樹脂押出手段へ供給する電線整 直工程をさらに有することを特徴とする。
また請求項8に記載した発明の絶縁電線の 製造方法は、請求項1~7のいずれかに記載のも のであって、前記二次被覆層が押出形成され た絶縁電線を電線冷却手段により冷却する電 線冷却工程と、該冷却された絶縁電線の樹脂 皮膜厚さを皮膜厚測定手段により測定する皮 膜厚測定工程とをさらに有することを特徴と する。
また請求項9に記載した発明の絶縁電線の 製造方法は、請求項1に記載のものであって 前記導体を導体供給手段により連続して供 する導体供給工程と、前記導体供給工程か 供給される導体を、駆動機構によらずに自 回転する一対の各ロールで圧延しながら、 イスを通過させて所定形状に引抜伸線加工 る導体加工工程と、前記導体加工工程にて 抜伸線加工された導体を導体焼鈍手段によ 焼鈍する導体焼鈍工程と、前記導体焼鈍工 にて焼鈍された導体上に、皮膜焼付手段に り一次被覆層を焼付けて被覆形成する皮膜 付工程と、前記皮膜焼付工程にて一次被覆 が被覆形成された一次被覆電線を電線予熱 段により予熱する前記電線予熱工程と、前 電線予熱工程にて予熱された一次被覆電線 電線整直手段により略真っ直ぐな状態に整 する電線整直工程と、前記電線整直工程に 整直された一次被覆電線の一次被覆層上に 樹脂押出手段により押出樹脂を押出形成す 樹脂押出工程と、前記樹脂押出工程にて押 樹脂が押出形成された絶縁電線を電線冷却 段により一次被覆層上に対して押出樹脂が 体的に固着される温度に冷却する電線冷却 程と、前記電線冷却工程にて冷却された絶 電線の樹脂皮膜厚さを皮膜厚測定手段によ 測定する皮膜厚測定工程と、前記樹脂押出 程にて押出樹脂が被覆された絶縁電線を電 巻取手段により巻き取る電線巻取工程とを し、前記導体供給手段、前記導体加工手段 前記導体焼鈍手段、前記皮膜焼付手段、前 電線予熱手段、前記電線整直手段、前記樹 押出手段、前記電線冷却手段、前記皮膜厚 定手段、および前記電線巻取手段をタンデ に配置するとともに、前記導体供給工程か 電線巻取工程までの全工程を一貫して行う とを特徴とする。
また請求項10に記載した発明の絶縁電線 製造方法は、請求項1~9のいずれかに記載の のであって、前記二次被覆層を構成する押 樹脂は、ポリフェニレンサルファイド樹脂 あることを特徴とする。
また請求項11に記載した発明の絶縁電線 製造装置は、金属製の導体上に、少なくと エナメル焼付層を含む一次被覆層を形成し 一次被覆電線とし、該一次被覆電線の一次 覆層上に二次被覆層を押出形成して絶縁電 を製造する製造装置において、前記一次被 層表面を予熱する電線予熱手段と、該予熱 れた一次被覆層上に対して二次被覆層を押 形成する樹脂押出手段とを供えたことを特 とする。
また請求項12に記載した発明の絶縁電線 製造装置は、請求項11に記載のものであって 、前記一次被覆層の最外層が前記エナメル焼 付層である場合に、前記電線予熱手段では、 前記エナメル焼付層のガラス転移点以下に前 記一次被覆層表面を予熱するよう設定されて いることを特徴とする。
また請求項13に記載した発明の絶縁電線 製造装置は、請求項11に記載のものであって 、前記一次被覆層には、前記エナメル焼付層 上に、前記二次被覆層と接着される接着層が 形成され、かつ前記一次被覆層の最外層が該 接着層である場合に、前記電線予熱手段では 、前記接着層のガラス転移点以上に前記一次 被覆層表面を予熱するよう設定されているこ とを特徴とする。
また請求項14に記載した発明の絶縁電線 製造装置は、請求項11に記載のものであって 、前記一次被覆層の最外層が密着向上材を添 加してなるエナメル焼付層である場合に、前 記電線予熱手段では、前記密着向上材と前記 一次被覆層との化学反応が生じる最低温度以 上に前記一次被覆層表面を予熱するよう設定 されていることを特徴とする。
また請求項15に記載した発明の絶縁電線 製造装置は、請求項11~14のいずれかに記載の ものであって、前記電線予熱手段では、前記 一次被膜層および二次被覆層の熱分解温度以 下に前記一次被覆層表面を予熱するよう設定 されていることを特徴とする。
また請求項16に記載した発明の絶縁電線 製造装置は、請求項11~15のいずれかに記載の ものであって、前記電線予熱手段は、前記一 次被覆電線と非接触で前記一次被覆層表面を 予熱するよう構成されていることを特徴とす る。
また請求項17に記載した発明の絶縁電線 製造装置は、請求項11~16のいずれかに記載の ものであって、前記予熱された一次被覆電線 を略真っ直ぐな状態に整直して樹脂押出手段 へ供給する電線整直手段をさらに有すること を特徴とする。
また請求項18に記載した発明の絶縁電線 製造装置は、請求項11~17のいずれかに記載の ものであって、前記二次被覆層が押出形成さ れた絶縁電線を冷却する電線冷却手段と、該 冷却された絶縁電線の樹脂皮膜厚さを測定す る皮膜厚測定手段とをさらに有することを特 徴とする。
この発明によると、電線冷却手段により 脂が押出形成された電線を冷却した後、皮 厚測定手段により電線に被覆された樹脂皮 厚さを測定するので、コロナ放電の発生を 止するのに適した樹脂皮膜厚さを有する電 が得られる。また、例えば樹脂皮膜厚さの い不良部分を取り除いてもよい。
また請求項19に記載した発明の絶縁電線 製造装置は、請求項11に記載のものであって 、前記導体を連続して供給する導体供給手段 と、前記導体供給手段から供給される導体を 、駆動機構によらずに自由回転する一対の各 ロールで圧延しながら、ダイスを通過させて 所定形状に引抜伸線加工する導体加工手段と 、前記導体加工手段にて引抜伸線加工された 導体を焼鈍する導体焼鈍手段と、前記導体焼 鈍手段にて焼鈍された導体上に、一次被覆層 を焼付けて被覆形成する皮膜焼付手段と、前 記皮膜焼付手段にて一次被覆層が被覆形成さ れた一次被覆電線を予熱する前記電線予熱手 段と、前記電線予熱手段にて予熱された一次 被覆電線を略真っ直ぐな状態に整直する電線 整直手段と、前記電線整直手段にて整直され た一次被覆電線の一次被覆層上に、押出樹脂 からなる二次被覆層を押出形成する樹脂押出 手段と、前記樹脂押出手段にて押出樹脂が押 出形成された絶縁電線を一次被覆層上に対し て樹脂が一体的に固着される温度に冷却する 電線冷却手段と、前記電線冷却手段にて冷却 された絶縁電線の樹脂皮膜厚さを測定する皮 膜厚測定手段と、前記樹脂押出手段にて樹脂 が被覆された絶縁電線を電線巻取手段により 巻き取る電線巻取手段とを有し、前記導体供 給手段、前記導体加工手段、前記導体焼鈍手 段、前記皮膜焼付手段、前記電線予熱手段、 前記電線整直手段、前記樹脂押出手段、前記 電線冷却手段、前記皮膜厚測定手段、および 前記電線巻取手段がタンデムに配置されてい ることを特徴とする。
請求項1または請求項11記載の発明によると
一次被覆層を予熱し、該予熱された一次被
層上に対して、例えばポリフェニレンサル
ァイド樹脂(以下、「PPS樹脂」という。)等
押出樹脂を押出形成するので、二次被覆層
一次被覆層との密着性を高め、高品質な耐
ロナ絶縁電線を安定して製造することがで
る。
すなわち従来(例えば特許文献2の内容)は押
樹脂の温度を高めておくことで押出樹脂が
次被覆層の表面の凹凸にうまく入り込んで
着することを期待していたが、本発明では
一次被覆層の表面を予熱しておくことで、
出樹脂の押出前に一次被覆層を十分加熱す
ことが出来るので、一次被覆層と二次被覆
とのさらなる密着力を安定して向上させる
とができる。
なお押出樹脂側の温度をさらに高くし押 樹脂からの伝熱により一次被覆層を加熱す 方法も考えられるが、それでは押出樹脂の 分解などの悪影響を考慮する必要があり温 コントロールが困難になることに加え、押 樹脂からの伝熱に頼った一次被覆層の昇温 は安定した一次被覆層の予熱は困難となる 能性があり、本発明の方が安価で高品質な コロナ絶縁電線を安定して製造する上で好 しい。
請求項2または請求項12記載の発明による 、一次被覆層がガラス転移点を越えないの 、表面に異物が接触するなどしても一次被 層の変形が生じにくいので、好ましい。
請求項3または請求項13記載の発明による 、接着層をガラス転移点以上に加熱するこ により、押出樹脂の押出時に接着層が確実 軟化し、二次被覆層表面との密着を確実に ることができるので、好ましい。
請求項4または請求項14記載の発明による 、二次被覆層に密着向上材(たとえばイソシ アネート)を添加して該密着向上材を一次被 層と化学反応をさせることで一次被覆層と 次被覆層との密着を確実にすることができ ので、好ましい。
請求項5または請求項15記載の発明による 、一次被覆層表面の予熱を前記一次被膜層 よび二次被覆層の熱分解温度以下とするこ で、一次被覆層と二次被覆層とを劣化させ ことなく、それらの接着強度を十分確保で るので、好ましい。
請求項6または請求項16記載の発明による 、前記一次被覆電線と非接触で前記一次被 層表面を予熱することで、予熱により、外 による変形を受け易くなっている一次被覆 表面の変形を防止し、外観の良い絶縁電線 製造することができるので、好ましい。
請求項7または請求項17記載の発明による 、略真っ直ぐな状態に整直した一次被覆電 を樹脂押出工程へ供給することで、電線の 次被覆層上に対して押出樹脂を略均一に(二 次被覆層内における電線の偏心が少ない状態 で)押出形成することができる。
請求項8または請求項18記載の発明による 、押出樹脂からなる二次被覆層が押出形成 れた絶縁電線を冷却した後、皮膜厚測定手 により導体に被覆された樹脂皮膜厚さを測 することで、各製造工程での製造条件を適 変更しても、コロナ放電の発生を防止する に適した樹脂皮膜厚さを有する電線を製造 ることができるようになり好ましい。また この被覆厚測定工程で例えば樹脂皮膜厚さ 薄い不良部分が発見された場合はこれを取 除くことができるので好ましい。
請求項9または請求項19記載の発明による 、一次被覆電線をボビンなどに巻き取るこ なく、そのままタンデムに一次被覆電線の 熱と押出樹脂の被覆を行なうので、一次被 層内への水分の吸収と閉じ込めを防止する とが出来る。以下さらに詳しく説明する。 常、一次被覆電線はいったんボビンなどに き取り、保管し、必要に応じて押出樹脂を 出形成することが考えられる。ここで一次 覆電線をそのまま長期保管しておくとエナ ル焼付層において水分を吸収し、後に絶縁 線として用いられる際に、一次被覆層内部 水分が膨張して、膨れによる概観不良を起 したり、さらに悪い場合には絶縁電線の絶 耐圧などの特性にも悪影響が出てしまう懸 がある。これに対して請求項9または請求項 19記載の発明によって、一次被覆電線を巻き ることなくそのままタンデムに一次被覆電 の予熱と押出樹脂の被覆を行なうので、一 被覆層内部に水分が吸収され、閉じ込めら ることが未然に防止される。
請求項10記載の発明によると、PPS樹脂は 例えばエナメルワニス等の樹脂よりも安価 あるだけでなく、例えば押出形成式の樹脂 出部に使用するのに適した樹脂材料の中で も相性が良く、電線の導体に被覆された一 被覆層上に対して略均一に押出形成するこ ができる。
本発明によれば、安価で高品質な耐コロ 絶縁電線を安定して製造することができる 縁電線の製造方法及びその製造装置を提供 ることができる。
a…導体供給工程
b…導体加工工程
c…導体焼鈍工程
d…皮膜焼付工程
e…電線予熱工程
f…電線整直工程
g…樹脂押出工程
h…電線冷却工程
i…皮膜厚測定工程
j…電線巻取工程
A…導体
B…一次被覆層
C…二次被覆層
D1…一次被覆電線
D2…絶縁電線
1…製造装置
2…導体供給部
3…導体加工部
3A…ロール
3B…ダイス
4…導体焼鈍部
4a…焼鈍炉
5…皮膜焼付部
5a…焼付炉
6…引取部
7…電線予熱部
8…電線整直部
9…樹脂押出部
10…電線冷却部
11…皮膜厚測定部
12…引取部
13…電線巻取部
図1は、本発明の一実施形態となる絶縁電線
D2の製造方法及びその製造装置を示す。ここ
は図3に示す絶縁電線D2の製造について主に
明し、さらに変形例となる図4の絶縁電線D2
製造についても説明中で言及することとす
。
図1に示すように、絶縁電線D2を製造する製
装置1は、導体供給工程aの導体供給部2と、
体加工工程bの導体加工部3と、導体焼鈍工
cの導体焼鈍部4と、皮膜焼付工程dの皮膜焼
部5と、皮膜焼付部5直後の引取部6と、電線
熱工程eの電線予熱部7と、電線整直工程fの
線整直部8と、樹脂押出工程gの樹脂押出部9
、電線冷却工程hの電線冷却部10と、皮膜厚
定工程iの皮膜厚測定部11と、皮膜厚測定部11
直後の引取部12と、電線巻取工程jの電線巻取
部13との順にタンデムで配置して構成される
以下、それぞれの部について説明する。
導体供給工程aの導体供給部2は、周知の プライ部等で構成することができ、モータ の駆動機構により駆動され、例えば導体製 工場等から供給された原料となる断面丸形 の導体Aを導体加工工程bの導体加工部3へ連 して供給するものである。
導体加工工程bの導体加工部3は、図1、図2 に示すように、モータ等の駆動機構によらず に、導体Aの接触抵抗により自由回転する上 一対の各ロール3A,3Aと、その各ロール3A,3Aに り断面平角形状に圧延された導体Aを所定の 形状及び寸法に引抜き加工するダイス3Bで構 される。
上下一対の各ロール3A,3Aは、断面丸形状の
体Aを断面平角形状に圧延するため、向かい
う各ロール3A,3Aを略並行に配置している。
まり、各ロール3A,3Aの間に送り込まれる断面
丸形状の導体Aを、後述する引取部6により引
き方向Pへ引っ張るとともに、その導体Aの
触抵抗により各ロール3A,3Aを自由回転させる
。導体Aの線径は、各ロール3A,3A間の間隙より
も大きいため、各ロール3A,3A間を通過する際
断面平角形状に圧延される。また、上下左
一対の各ロール3A,3Aで圧延してもよい。
ここで一対の各ロール3A、3Aは、モータ等の
駆動機構によらずに、導体の接触抵抗により
自由回転されるものを用いている。つまり、
各ロール3A、3A間の間隙よりも線径が大きい
体Aを各ロール3A、3Aの間に送り込みながら、
後述する引取部により引抜き方向へ引っ張る
ことにより、その導体の接触抵抗により各ロ
ール3A、3Aを自由回転させ、各ロール3A、3A間
通過する際に断面平角形状に圧延するもの
ある。このように、自由回転する一対の各
ール3A、3Aは、該ロール3A、3Aを強制的に回
させる駆動機構を持っていないので、各ロ
ル3A、3Aの間に送り込まれる導体Aの線速に応
じて圧延加工が行われる。引き抜き時におい
て、導体Aに付与される引張り力は、導体Aの
さ、材質に応じて可変調整することができ
。
ダイス3Bは、一対の各ロール3A,3Aにより圧延
された導体Aを、厚さ、幅、面取り半径等が
め規制された寸法の断面平角孔3Baに挿通す
とともに、その断面平角孔3Baに挿通された
体Aを、後述する引取部6により引抜き方向P
引っ張ることで、断面平角形状に伸線加工
る(図3参照)。
該ダイス3Bは、加工精度や寿命などを考慮
ると、広く使用されているダイヤモンドダ
スあるいは類似のものが好ましい。また、
のダイス3Bの穴形状を選択することにより、
実施例の断面平角形状の他にも、所望の横断
面形状に加工することができる。また、ダイ
ス3Bでもロール3A、3Aの場合と同様に断線防止
やダイス寿命の短命化防止の観点から、純銅
の導体Aの場合には、減面率は5~30%が好ましく
、10~25%の範囲にすることが最も好ましい。
導体焼鈍工程cの導体焼鈍部4は、導体加 部3により伸線加工された導体Aを内部に挿通 して加熱処理し焼鈍する焼鈍炉4aを有して構 され、圧延時及び引き抜き時に生じた導体A の歪みを除去し、柔軟化するものである。
皮膜焼付工程dの皮膜焼付部5は、焼鈍され
導体A上に一次被覆層Bのエナメル焼付層B1と
るエナメルワニスを塗布し焼付けする焼付
5aを有して構成され、導体焼鈍部4から供給
れる焼鈍済みの導体A上に対して焼付炉5a内
一次被覆層Bを焼付けて一次被覆電線D1を形
するものである。
なお図4に示すように、エナメル焼付層B1上
接着層B2を形成する場合もあるが、この場
は、エナメル焼付層B1形成後に、接着層B2を
成するエナメルワニスを塗布し、再度、焼
炉5a内で焼付を行なって接着層B2を形成する
。
焼付炉5a直後に配置した引取部6は、モー 等の駆動機構により駆動され、導体供給部2 から供給される導体Aを導体加工部3の各ロー 3A,3A間に送り込むとともに、ダイス3Bの穴に 通された導体Aに対して引抜き方向Pに向けて 張り力を付与する。なお、引張り力は、導 Aの線径、材質に応じて変更することができ る。
電線予熱工程eの電線予熱部7は、エアー( 下、「熱風」とも称する。)を所望する温度 (例えば略600℃)に加熱する図示しない遠赤外 ヒーターと、該遠赤外線ヒーターにより過 されたエアーを一次被覆電線D1に吹き付け 図示しない送風機で構成され、皮膜焼付部5 ら供給される一次被覆電線D1に高温の熱風 吹き付けて略均一に加熱し、後述する樹脂 密着性が高くなる表面温度に一次被覆電線D1 を予熱するものである。
ここで電線予熱部7による予熱についてさら
に詳細に説明する。
電線予熱部7では、一次被覆電線D1を予熱し
おくことで、樹脂押出工程gの前に一次被覆
層B側の濡れ性や化学反応の起き易さを確実
改善することができるので、一次被覆層Bと
次被覆層Cとの密着性を確実に向上させるこ
とができる。予熱温度は、一次被覆電線D1に
にも予熱を加えない場合よりも一次被覆層B
の温度を高くするためのものであるので、少
なくとも室温より高い温度に一次被覆層Bを
熱することになる。
例えば、図3に示す絶縁電線D2の場合、二次
覆層Cとなる押出樹脂のなかにイソシアネー
トなどの密着向上材を入れる場合と入れない
場合があり、それに応じて電線予熱部7によ
予熱温度設定を変えることが好ましい。こ
で密着向上材とは一次被覆層Bとの密着性改
を行なう添加剤である。
まず密着向上材を入れない場合、エナメル
付層B1の濡れ性を向上させる温度にすれば
いので、温度は上げれば上げるほど密着性
上効果が発揮される。さらにはエナメル焼
層B1の表面を該エナメル焼付層B1のガラス転
点(Tg)以上に向上させておくことで、一次被
覆層Bとの密着性をさらに改善することが出
る(例えばエナメル焼付層B1をポリアミドイ
ド樹脂とした場合にガラス転移点Tgが約270~30
0℃であるので、その温度以上とする。)。逆
エナメル焼付層B1のガラス転移温度Tg未満の
温度で予熱した場合、誤ってエナメル焼付層
B1が何かに接触した際、エナメル焼付層B1が
形しにくくなるので、好ましい。
押出樹脂に密着向上材を入れる場合も同 に温度を高くすれば高くするほどよいこと 確実であるが、密着向上材と一次被覆層Bと を十分、化学反応させる観点では、密着向上 材の温度を、前記化学反応が生じる最低温度 以上に向上させておくことが好ましい。例え ば一次被覆層としてポリアミドイミド、二次 被覆層CとしてPPS樹脂、密着向上材としてイ シアネートをそれぞれ選択した場合、一次 覆層と密着向上材との最低の化学反応温度 約140℃となるので、該140℃以上にエナメル 付層B1を予熱しておくことが好ましい。
またさらには、図4のように絶縁電線D2の一
被覆層Bとしてエナメル焼付層B1上に接着層B
2を形成し、二次被覆層Cとの接着力を向上さ
ることもできる。この場合には、接着層B2
ガラス転移点以上に電線D1側を予熱すること
が好ましい。例えば接着層B2としてポリフェ
ルサルフォン樹脂(PPSU樹脂)をエナメルワニ
としてエナメル焼付層B1とともに焼付形成
ることができる。その場合、PPSU樹脂のガラ
転移点は220℃程度であるので、該220℃以上
接着層B2を予熱することが好ましい。
なお電線予熱部7から樹脂押出部9への一次
覆電線D1の供給までに一次被覆層Bの表面温
が下がってしまうことを考慮し、予熱温度
高めに設定したほうがよい。またそのよう
温度低下を最小限に食い止めるように電線
熱部7から樹脂押出部9の間隔をできるだけ短
く設定したほうがよい。
一次被覆電線D1を予熱する方法は熱風方式
は限られないが、エナメル焼付層B1はガラス
転移点Tg以上に温度が上がると柔軟化される
で、一次被覆電線D1を熱源体と直接に接触
せて加熱する接触式の加熱方法ではエナメ
焼付層B1の形状を変形させてしまう可能性が
あるため、本実施形態のように、一次被覆電
線D1をエアーを介した伝熱により間接的に加
する、非接触の加熱方式が好ましい。
ここで皮膜焼付け部5から出た一次被覆電線
D1はボビンなどに巻き取ることなく、そのま
タンデムに電線予熱部7に送られる構成とな
っている。一次被覆電線D1は長期保管してお
ことで水分を吸収し、後述の絶縁電線D2と
て用いられる際に、一次被覆層B内部の水分
膨張して、膨れによる概観不良を起こした
、さらに悪い場合には絶縁電線D2の絶縁耐
などの特性にも悪影響が出てしまう懸念が
る。これに対して上記の通り、製造装置1で
皮膜焼付け部5から電線予熱部7にそのまま
られ、二次被覆層Cにより被覆されることで
一次被覆層B内部に水分が閉じ込められるこ
とが防止される。
電線整直工程fの電線整直部8は、一次被 電線D1を真っ直ぐな状態に整直する図示しな いガイドローラで構成され、電線予熱部7か 供給される一次被覆電線D1を真っ直ぐな状態 に整直するものである。一次被覆電線D1に曲 り癖がついたまま樹脂押出部9へ供給される と、一次被覆層B上に形成される二次被覆層C 厚さが均一にならず、部分的に大きくなっ り小さくなる、いわゆる偏肉が生じやすく る。そこで上記のように電線整直部8にて、 一次被覆電線D1を真っ直ぐな状態に整直して 脂押出部9へ供給することにより、樹脂押出 部9の押出ダイス内を通過する一次被覆電線D1 の通過位置を安定に押出ダイスの中心部にす ることができ、これにより一次被覆電線D1の 次被覆層B上に対して樹脂が略均一に押出形 成され、上記偏肉が防止される。
樹脂押出工程gの樹脂押出部9は、押出樹 を一次被覆電線D1の一次被覆層B上に押し出 樹脂押出機を有して構成されており、電線 直部8により整直された一次被覆電線D1の一 被覆層B上に対して押出樹脂を厚さが略均一 なるように押し出しすることで二次被覆層C を形成するものである。
電線冷却工程hの電線冷却部10は、例えば 縁電線D2を水など液中に浸漬して冷却する 却槽等で構成することができる。電線冷却 10は、例えば二次被覆層Cが押出形成された の絶縁電線D2を液中に浸漬して冷却する図示 しない冷却槽と、冷却槽の液中から引き出さ れる絶縁電線D2にエアーを吹き付けて乾燥す 図示しない送風機で構成され、樹脂押出部9 から供給される絶縁電線D2を冷却槽の液中に 漬して冷却し、一次被覆層B上に対して樹脂 を密着性が高められた上で一体的に固着する 。続いて、送風機から供給されるエアーを冷 却槽の液中から引き出される絶縁電線D2に吹 付けて乾燥させる。
電線冷却部10直後に配置した皮膜厚測定 11は、絶縁電線D2全体の線径と二次被覆層Cの 厚さを測定、算出するものであり、周知の測 定器により構成される。
皮膜厚測定部11直後に配置した引取部12は、
モータ等の駆動機構により駆動され、樹脂押
出済みの絶縁電線D2を個別に引取るとともに
真っ直ぐな状態が保たれる程度の張力を常
付与する。つまり、皮膜焼付工程dから樹脂
押出工程gまでの導体Aに張力を強めに掛けて
っ張ることで、捩れ等が生じないようにし
いる。なお、絶縁電線D2に付与される引張
力は、絶縁電線D2の線径、材質に応じて変更
することができる。
電線巻取工程jの電線巻取部13は、モータ等
駆動機構により駆動され、樹脂押出部9から
供給される樹脂押出済みの絶縁電線D2を連続
て巻回するものである。
以下、前記の如く構成した製造装置1によ る絶縁電線D2の製造方法を説明する。この絶 電線D2の製造方法は、導体供給工程aと、導 加工工程bと、導体焼鈍工程cと、皮膜焼付 程dと、電線予熱工程eと、電線整直工程fと 樹脂押出工程gと、電線冷却工程hと、皮膜厚 測定工程iと、電線巻取工程jとの順にタンデ (直列)で一貫して行う。
先ず、図1に示すように、導体供給工程a おいて、導体供給部2に供給された原料の導 Aを、導体加工工程bの導体加工部3へ連続し 供給する。
導体加工工程bにおいて、導体加工部3の ロール3A,3A間に送り込まれる断面丸形状の導 体Aを、引取部6により引抜き方向Pへ引っ張る とともに、その導体Aの接触抵抗により一対 各ロール3A,3Aを自由回転させて、各ロール3A, 3A間に送り込まれる導体Aを断面平角形状に圧 延する。このとき導体供給部2から供給され 導体Aの線径は、一対の各ロール3A,3A間の間 よりも大きいため、導体Aが各ロール3A,3A間 通過する際に断面平角形状に圧延される。 のように各ロール3A,3Aで圧延された導体Aを イス3Bの断面平角孔3Baに挿通するとともに、 その断面平角孔3Baに挿通された導体Aを、引 部6により引抜き方向Pへ引っ張りながら断面 平角形状に伸線加工して、導体焼鈍工程cの 体焼鈍部4へ供給する。
導体焼鈍工程cにおいて、導体焼鈍部4の 鈍炉4aに供給される導体Aを焼鈍し、圧延時 び引き抜き時に生じた導体Aの歪みを除去し 、柔軟化させた導体Aを皮膜焼付工程dの皮 焼付部5へ供給する。
皮膜焼付工程dにおいて、皮膜焼付部5の 付炉5aに供給される導体A上に、エナメルワ スを塗布して焼き付けてエナメル焼付層B1か らなる一次被覆層Bを形成し、電線予熱工程e 電線予熱部7へ供給する。なお焼付炉5aでは 炉内に一次被覆電線D1を複数回繰り返し挿 させる構成としてもよい。
電線予熱工程eにおいて、電線予熱部7に り一次被覆電線D1に高温の熱風を吹き付けて 略均一に加熱し、後述する樹脂の密着性が高 くなる表面温度に一次被覆電線D1を予熱した 、電線整直工程fの電線整直部8へ供給する
電線整直工程fおいて、電線整直部8へ供 される一次被覆電線D1を、引取部12により真 直ぐな状態が保たれる程度の張力を常時付 しながら、電線予熱部7により真っ直ぐな状 態に整直された一次被覆電線D1を、樹脂押出 程gの樹脂押出部9へ供給する。
樹脂押出工程gにおいて、樹脂押出部9に り一次被覆電線D1の一次被覆層B上に対して 脂を略均一に押出形成して二次被覆層Cを形 した後、電線冷却工程hの電線冷却部10へ供 する。
電線冷却工程hにおいて、電線冷却部10の 却槽に貯液された液中に絶縁電線D2を浸漬 て冷却し、一次被覆層B上に対して樹脂を密 性が高められた上で一体的に固着する。冷 槽の液中から引き出される絶縁電線D2に送 機から供給されるエアーを吹き付けて乾燥 せた後、PPS樹脂からなる二次被覆層Cで被覆 れた絶縁電線D2を、皮膜厚測定工程iの皮膜 測定部11へ供給する。
皮膜厚測定工程iにおいて、皮膜厚測定部 11により、絶縁電線D2の樹脂皮膜厚さ(一次被 層Bとその上に被覆された二次被覆層Cの厚 )を測定して、電線巻取工程jの電線巻取部13 供給する。
電線巻取工程jにおいて、電線巻取部13によ
絶縁電線D2を連続して巻回する。なお、皮
厚測定部11により測定された二次被覆層Cの
さが所定厚さ以上の場合、絶縁電線D2はコロ
ナ放電の発生を防止するのに適しているので
、良品として使用される。一方、二次被覆層
C厚が薄い絶縁電線D2は、不良品として処分さ
れる。
ここで絶縁電線D2の巻き取り時には、引き
り部12により絶縁電線D2を引き取ってから電
巻取部13で巻き取る。このときの引き取り
度は引き取り部6の引き取り速度よりも2~5%高
く設定する。これは一次被覆電線D1を予熱す
ことで該一次被覆電線D1に長手方向の伸び
現れてしまうので、引き取り部12における引
き取り速度を高くして電線のたるみを防止す
るものである。
以上のような製造方法により図3に示す絶 縁電線D2を製造した。ここでは導体Aとして無 酸素銅を使用し、一次被覆層Bのエナメル焼 層B1として密着向上材を利用しないポリアミ ドイミド樹脂を使用し、二次被覆層Cとして 自動車用モータに使用するため、複数種の 脂の中からPPS樹脂を選択して使用した。PPS 脂は、耐熱性に優れ、可撓性を有している で、樹脂押出式の樹脂押出部9で使用するの 適した材料の中で最も自動車モータ用途に 性が良いものの1つである。
ここでは例えば厚さT1=2mm、幅W=3.5mmの断面平
角形状に引抜伸線加工された導体A上に、一
被覆層Bを厚さT2=40μmで被覆し、その一次被
層B上に、二次被覆層Cを厚さT3=140μmで被覆し
て絶縁電線D2を製造した。
その際、電線予熱部7では、一次被覆電線D1
おけるエナメル焼付層B1の表面温度を、エ
メル焼付層B1の表面を十分軟化できる略270~30
0℃まで予熱してから樹脂押出部9に供給した
また樹脂押出部9では炉温を略280~320℃とし
、前述の軟化状態の一次被覆層B上に二次被
層Cを押出形成した。
その結果、コロナ放電開始電圧Vpが1200V、接
着強度100mg/mm程度の絶縁電線D2を得ることが
きた。
以上説明したように、本実施形態の絶縁 線の製造方法および製造装置によれば、金 製の導体A上に、少なくともエナメル焼付層 B1を含む一次被覆層Bを形成し一次被覆電線D1 し、該一次被覆電線D1の一次被覆層B上に二 被覆層Cを形成して所定断面形状の絶縁電線 D2を製造する際、一次被覆層B表面を電線予熱 部7により予熱する電線予熱工程eと、該予熱 れた一次被覆層B上に対して樹脂押出部9に り二次被覆層Cを押出形成する樹脂押出工程g とを有することにより、二次被覆層Cに対す 一次被覆層Bの密着性を向上させることがで 、絶縁電線D2の材質やサイズなどが変更に ったとしても、一次被覆層Bと二次被覆層Cと の接着強度を安定化させることが容易となる 。よって安価で高品質な耐コロナ絶縁電線を 安定して製造することができる。
また一次被覆層Bの最外層がエナメル焼付 層B1である場合に、電線予熱工程eでは、エナ メル焼付層B1のガラス転移点Tg以上に一次被 層B表面を予熱することにより、エナメル焼 層B1の表面が軟化して、より確実に二次被 層Cに対する一次被覆層Bの密着性を向上させ ることができる。
また一次被覆層Bにおいて、エナメル焼付 層B1上に、二次被覆層Cと接着される接着層B2 形成する接着層被覆工程をさらに有してい 場合には、電線予熱工程eでは、接着層B2の ラス転移点Tg以上に一次被覆層B表面を予熱 ることにより、接着層B2の表面が軟化して より確実に二次被覆層Cに対する一次被覆層B の密着性を向上させることができる。
また一次被覆層Bの最外層がエナメル焼付 層B1であって二次被覆層Cを形成する押出樹脂 に密着向上材を添加したものとした場合に、 電線予熱部7では、密着向上材とエナメル焼 層B1との化学反応が生じる最低温度以上にエ ナメル焼付層B1表面を予熱することにより、 着向上材とエナメル焼付層B1との化学反応 より確実に生じさせることができ、より確 に二次被覆層Cと一次被覆層Bとの密着性を向 上させることができる。
また電線予熱工程eでは、一次被膜層Bおよ
二次被覆層Cの熱分解温度以下に一次被覆層B
表面を予熱することにより、一次被覆層Bお
び二次被覆層Cの劣化を防止することが出来
。
また電線予熱工程eでは、一次被覆電線D1と
接触で一次被覆層B表面を予熱することによ
り、一次被覆層B表面形状に変形を生じさせ
ことなく二次被覆層Cを押出形成することが
きる。
また予熱された一次被覆電線D1を電線整 部8により略真っ直ぐな状態に整直して樹脂 出部9へ供給することにより、押出樹脂の偏 肉が防止される。
また絶縁電線D2を冷却するとともに、該 却された絶縁電線D2の樹脂皮膜厚さを測定す ることにより、各製造工程での製造条件を適 宜変更しても、コロナ放電の発生を防止する のに適した樹脂皮膜厚さを有する電線を製造 することができるようになり好ましい。また 、この被覆厚測定工程で例えば樹脂皮膜厚さ の薄い不良部分が発見された場合はこれを取 り除くことができるので好ましい。
また一次被覆電線D1をボビンなどに巻き ることなく、そのままタンデムに一次被覆 線D1の予熱と押出樹脂の被覆を行なうことに より、一次被覆層D1内への水分の吸収と閉じ めを防止することができ、好ましい。
またPPS樹脂は、例えばエナメルワニス等の
脂よりも安価であるだけでなく、例えば押
形成式の樹脂押出部に使用するのに適した
脂材料の中で最も相性が良く、導体Aに被覆
された一次被覆層D1上に対して略均一に押出
成するのに好適であるので、二次被覆層Cを
構成する押出樹脂としてPPS樹脂を選定するこ
とが好ましい。
以上説明したように、本実施形態の絶縁電
D2の製造装置と製造方法によれば、安価で
品質な耐コロナ絶縁電線を安定して製造す
ことができる。
なお、本発明の絶縁電線の製造方法及び製
装置は上述の実施形態に限定されるもので
ない。
例えば導体A、エナメル焼付層B1、接着層B2
二次被覆層Cの材料や、厚さ、幅、上記実施
に限定されるものではなく、用途に応じて
更することができる。
また例えば圧延加工前の導体Aは、例えば断
面が丸形状、卵形状、平角形状、楕円形状等
のもので構成することができる。また、導体
の材質は、例えばアルミニウム、銀、銅等の
導電性を有する金属で構成することができる
。主に銅が使用され、その場合には、純銅の
ほか低酸素銅や無酸素銅を特に好適に使用す
ることができる。また、圧延する導体が純銅
の場合には、断線防止や圧延仕上がり形状の
寸法安定性の観点から一対の各ロールでの減
面率は5~30%が望ましく、最も望ましいのは10~2
5%である。減面率を大きくする場合、各ロー
による圧延を複数回繰り返して行うか、複
の圧延ユニットを連続して通過させる等し
もよい。
また二次被覆層Cを構成する押出樹脂は、 用途に応じて、PPS樹脂以外にも、ポリエチレ ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンをモ ノマー成分の1つとするエチレン系共重合体 プロピレンをモノマー成分の1つとするプロ レン系共重合体等のポリオレフィン系樹脂 塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂等を使用す ことができる。また、ポリエステル樹脂、 リアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミ イミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポ スルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂 どの耐熱性に優れた縮合系樹脂等を使用す ことができる。また、芳香族環を多く導入 たイミド結合を含む樹脂(ポリイミド、ポリ アミドイミド、ポリエステルイミドなど)が 熱性、耐摩耗性、化学的安定性にも優れ、 に好適に用いることができる。
一対の各ロール3A、3Bは、実施形態におい て断面丸形状の導体Aを断面平角形状に圧延 るため、軸方向の周面が同径に形成された ールを略並行に配置する構成について説明 たが、断面平角形状の他にも、所望の断面 状に圧延したい場合、その形状に応じたロ ルを使用すればよい。
この発明の構成と、上述の実施例との対応
おいて、
この発明の導体供給手段は、実施例の導体
給部2に対応し、
以下同様に、
導体加工手段は、導体加工部3に対応し、
導体焼鈍手段は、導体焼鈍部4に対応し、
皮膜焼付手段は、皮膜焼付部5に対応し、
電線予熱手段は、電線予熱部7に対応し、
電線整直手段は、電線整直部8に対応し、
樹脂押出手段は、樹脂押出部9に対応し、
電線冷却手段は、電線冷却部10に対応し、
皮膜厚測定手段は、皮膜厚測定部11に対応
、
電線巻取手段は、電線巻取部13に対応する
、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限
されるものではなく、請求項に示される技
思想に基づいて応用することができ、多く
実施の形態を得ることができる。
