Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD AND APPARATUS FOR PRODUCTION OF HYDROCARBON FROM BIOMASS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025222
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an apparatus for producing a hydrocarbon from a biomass such as a glass or wood, which comprises: a biomass gasification unit (101) for feeding a raw material biomass (MB) and an overheated water vapor (S) for gasifying the biomass and a fuel biomass (FB) and air (A) for burning the fuel biomass, thereby producing a mixed gas (G) mainly composed of hydrogen and carbon monoxide; a clean-up means (201) for purifying the mixed gas (G); a gas tank (301) for storing the cleaned-up mixed gas (G) temporarily; a pressurizing pump (401) for pressurizing the mixed gas (G); and a hydrocarbon synthesis unit (501) for converting the pressurized mixed gas (G) into a hydrocarbon.

Inventors:
SAKAI MASAYASU (JP)
YOKOI TADASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064524
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
August 13, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
BIOMASS ENERGY CORP (JP)
SAKAI MASAYASU (JP)
YOKOI TADASHI (JP)
International Classes:
C10G2/00; C10J3/00
Domestic Patent References:
WO2008050727A12008-05-02
Foreign References:
JPS62169887A1987-07-27
JPS5621647A1981-02-28
JP2007061770A2007-03-15
JP2000515899A2000-11-28
JP2002193858A2002-07-10
JP2000140800A2000-05-23
Attorney, Agent or Firm:
HIRAYAMA, Kazuyuki (Shinjukugyoen Bldg.2-3-10, Shinjuku,Shinjuku-k, Tokyo 22, JP)
Download PDF:
Claims:
粉又はチップ状の原料バイオマスを800℃以上に加熱すると共に、800℃以上の水蒸気と接触させることによって、水素と一酸化炭素とを主成分とする混合ガスを生成し、この混合ガスを、所定の温度と所定の圧力下において所定の触媒に接触させて、炭化水素に転換することを特徴とする、バイオマスから炭化水素を製造する方法。
前記混合ガスを前記触媒に接触させる圧力が、3MPaより小さいことを特徴とする、請求の範囲1に記載のバイオマスから炭化水素を製造する方法。
前記触媒は、鉄、銅から選択される一方又は両方の物質の単体又は化合物を基本触媒とすると共に、マグネシウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、カリウム、ナトリウムから選択される一つ以上の物質の単体又は化合物を助勢触媒として付加し、且つ、ゼオライト、アルミナ、シリカから選択される一つ以上の物質を担持させて成ることを特徴とする、請求の範囲1又は2に記載のバイオマスから炭化水素を製造する方法。
前記触媒反応が、次の化学反応式
   CO+2H 2 →n -1 (CH 2 ) n +H 2 O
によって表される化学反応であることを特徴とする、請求の範囲1乃至3の何れかに記載のバイオマスから炭化水素を製造する方法。
前記混合ガスを前記触媒に接触させ、所定の触媒反応によって炭化水素に転換する段階を経て、前段階において残留した未反応分の混合ガスを再び前記触媒と同等の触媒に接触させて上記触媒反応によって炭化水素に転換する段階を経るという経路を、予め設定された所定数の段階にしたことによって、上記混合ガスに対して繰り返し所定の触媒反応を施し、段階的に未反応分の混合ガスを炭化水素に転換しつつ、該混合ガスの量を減少させることを特徴とする、請求の範囲1乃至4の何れかに記載のバイオマスから炭化水素を製造する方法。
原料バイオマスを800℃以上に加熱すると共に、800℃以上の水蒸気と接触させることによって生成して成る水素と一酸化炭素とを主成分とする混合ガスに、バイオマス以外の再生可能型エネルギーの動力によって水を電気分解して得られた水素を補填することによって、原料バイオマス当たりの炭化水素の収量を向上させることを特徴とする、請求の範囲1乃至5の何れかに記載のバイオマスから炭化水素を製造する方法。
バイオマスを原料及び燃料として水素と一酸化炭素とを主成分とする混合ガスを生成するバイオマスガス化装置と、このバイオマスガス化装置によって生成した上記混合ガスを加圧する加圧手段と、該混合ガスを適温に調整するための温度調整手段と、上記加圧手段によって加圧されつつ上記温度調整手段によって適宜の温度に保たれた混合ガスを反応物として所定の触媒反応をさせることによって生成物として炭化水素を得るための触媒と、この触媒を配設して成り適宜の圧力と温度にした混合ガスを該触媒に接触させて所定の触媒反応をさせるための反応室と、上記触媒反応によって生成した炭化水素を液化するための液化手段と、この液化手段によって液化した液化炭化水素を回収するための回収手段とを備えたことを特徴とする、バイオマスから炭化水素を製造する装置。
前記反応室は、前記混合ガスを導入する導入口と、該反応室内において触媒反応したことによって生成した炭化水素と未反応分の混合ガスとを排出する排出口とを備え、上記導入口から上記排出口に至る経路上に前記触媒が配設されて成ることを特徴とする、請求の範囲7に記載のバイオマスから炭化水素を製造する装置。
前記反応室は上部に前記混合ガスを導入する導入口を有し、下部に反応室内において混合ガスが触媒反応したことによって生成した炭化水素と未反応分の混合ガスとを排出する排出口を有し、且つ、上記導入口から上記排出口に至る経路上に前記触媒が配設されて成り、該反応室が複数配設され、最上流に位置する反応室の導入口は前記バイオマスガス化装置によって生成された混合ガスを導入し得るように該バイオマスガス化装置に連通され、最上流に位置する反応室の排出口は該反応室の直下流に位置する反応室の導入口に連通し、以下、直上流に位置する反応室の排出口が、その直下流に位置する反応室の導入口に連通していることを特徴とする、請求の範囲7又は8に記載のバイオマスから炭化水素を製造する装置。
前記液化手段は、上流側に導入口を、下流側に未反応分の前記混合ガスを排出するための排出口と、液化した炭化水素を抽出する抽出口とを有する液化室と、この液化室を冷却するための冷却手段とを備え、上記導入口が該液化室の上流側に位置する反応室の排出口に連通し、上記排出口が該液化室の下流側に位置する反応室の導入口に連通することを特徴とする、請求の範囲9に記載のバイオマスから炭化水素を製造する装置。
液化した炭化水素を回収する回収手段は、複数の前記液化室の各抽出口に連通したパイプラインを含み、該パイプラインはその経路上に配設されたバルブによって開閉自在であることを特徴とする、請求の範囲10に記載のバイオマスから炭化水素を製造する装置。
前記混合ガスを前記反応室内に導入するための前記導入口の上流側には、該反応室内に該混合ガスを導入する前に該混合ガスを所定の温度に調整するための温度調整手段を介在させることを特徴とする、請求の範囲7乃至11の何れかに記載のバイオマスから炭化水素を製造する装置。
前記反応室は、恒温室内温度調節手段によって所定の温度に調整された空気を取り入れるための空気取入口と空気を排出するための空気排出口とを有して成る、断熱材によって画成された恒温室の内部に配設されることを特徴とする、請求の範囲7乃至12の何れかに記載のバイオマスから炭化水素を製造する装置。
前記触媒が、鉄、銅から選択される一方又は両方の物質の単体又は化合物を基本触媒とすると共に、マグネシウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、カリウム、ナトリウムから選択される一つ以上の物質の単体又は化合物を助勢触媒として付加し、且つ、ゼオライト、アルミナ、シリカから選択される一つ以上の物質を担持させて成ることを特徴とする、請求の範囲7乃至13の何れかに記載のバイオマスから炭化水素を製造する装置。
前記バイオマスガス化装置は、断熱性を有する壁材によって画成さた断熱室と、この断熱室内に熱伝導性を有する壁材によって画成され且つ直径約2cm以下に粗粉砕された原料バイオマスを内部に導入する原料バイオマス導入手段と過熱水蒸気を内部に導入する過熱水蒸気導入手段とを有するガス化反応室と、上記断熱室と上記ガス化反応室との間の空間に燃焼高温ガスを供給する燃焼高温ガス発生装置とを備え、該ガス化反応室内に導入した原料バイオマスと過熱水蒸気とを、該ガス化反応室を成す熱伝導性を有する壁材を介して、該燃焼高温ガス発生装置から該断熱室と該ガス化反応室との間の空間に供給された上記燃焼高温ガスによって加熱し、該原料バイオマスと該過熱水蒸気とを吸熱反応させることによって、水素と一酸化炭素とを主成分とする混合ガスを生成するように構成されることを特徴とする、請求の範囲7乃至14の何れかに記載のバイオマスから炭化水素を製造する装置。
前記燃焼高温ガス発生装置は、燃料バイオマスを完全燃焼させることによって800℃以上の温度の前記燃焼高温ガスを発生させ、発生させた該燃焼高温ガスを前記断熱室と前記ガス化反応室との間の空間に供給することを特徴とする、請求の範囲7乃至15の何れかに記載のバイオマスから炭化水素を製造する装置。
Description:
バイオマスから炭化水素を製造 る方法と装置

 本発明は、草木等のバイオマスを原料と て生成した水素や一酸化炭素を反応物とし 生成物として炭化水素系の液体又は気体を 成する方法及び装置に係り、特に炭化水素 合成方法としてフィッシャー・トロプシュ (以下、FT法と称す)を利用した炭化水素の製 造方法及び装置に関するものである。

 従来、液体の炭化水素を合成するFT法に る石油代替合成燃料の合成は、天然ガスを 分燃焼させたり、或いは水蒸気を石炭で還 することによって得た水素と一酸化炭素を 高温、高圧下で触媒反応させることによっ なされていた。このFT法によれば、石油資源 が枯渇した場合や高騰した際には、FT法で天 ガスや石炭から一時的に石油代替燃料を合 することができるということからも様々な 討や改良、調製がなされてきた。

 ところが、従来のFT法による炭化水素燃 の合成方法及び合成装置では、非常に大き 圧力を必要とする上、高圧の要求に伴って 置が大型化してしまうという問題を呈して た。

 他方、近年、再生可能資源の利用が強く められるようになると共に、これに伴って イオマスのエネルギー利用の必要性が強く 識されるに至った。これは、石油代替燃料 して、天然ガスや石炭の直接利用或いは先 のFT法を用いた天然ガスや石炭からの合成 料は一定の有用性が認められるものの、二 化炭素の放出に起因する地球温暖化や再生 能性などの観点から依然として大きな課題 残しているのに対し、バイオマスのエネル ー利用にあっては、炭素循環に基づく再生 能性や量的可能性という観点からも期待が きいということによっている。

 このような期待に応えるべく、これまで 本発明者等は、特許文献1や特許文献2に開 したバイオマスを原料や燃料として水素や 酸化炭素を生成するためのバイオマスのガ 化装置や高温燃焼ガスの発生装置の開発を 行させてきている。

 しかしながら、特許文献1などの従来のバイ オマスガス化装置では、バイオマス原料から 水素や一酸化炭素を得ることが量的にも質的 にも困難であったこともあり、これまでバイ オマスを原料として得た水素や一酸化炭素を 反応物としつつ、FT法を用いることによって 体又は気体の炭化水素燃料を合成する方法 び装置は皆無であった。

特開2005-105285号公報

特開2006-300501号公報

 本発明は、上記現状に鑑みてなされたも であり、草木等のバイオマスを原料として 成した水素と一酸化炭素とを反応物とし、 型で且つ低圧でありながら高い収率で、生 物としての液体乃至気体の炭化水素燃料を 成することができる、バイオマスから炭化 素を製造する方法を提供することを一目的 する。本発明の第二の目的はバイオマスか 炭化水素を製造する装置を提供することで る。

 上記一目的を達成するために、本発明の イオマスから炭化水素を製造する方法にお て採った手段は、粉又はチップ状の原料バ オマスを、800℃以上に加熱すると共に800℃ 上の水蒸気と接触させることによって水素 一酸化炭素を主成分とする混合ガスを生成 、この混合ガスを、所定の温度と所定の圧 下において所定の触媒に接触させて炭化水 に転換することを特徴としている。

 混合ガスを触媒に接触させる圧力は、3MPa より小さいことが好ましい。

 混合ガスを接触させる触媒は、好ましく 、鉄、銅から選択される一方又は両方の物 の単体又は化合物を基本触媒とすると共に マグネシウム、カルシウム、コバルト、ニ ケル、カリウム、ナトリウムから選択され 一つ以上の物質の単体又は化合物を助勢触 として付加し、且つ、ゼオライト、アルミ 、シリカから選択される一つ以上の物質を 持させて成る。

 触媒反応は、次の化学反応式によって表さ る化学反応である。
  CO+2H 2 →n -1 (CH 2 ) n +H 2 O

 混合ガスを触媒に接触させ、所定の触媒 応によって炭化水素に転換する段階を経て 前段階において残留した未反応分の混合ガ を再び該触媒と同等の触媒に接触させて該 媒反応によって炭化水素に転換する段階を るという経路を、予め設定された所定数の 階にすれば、該混合ガスに対して繰り返し 定の触媒反応を施し、段階的に未反応分の 合ガスを炭化水素に転換しつつ該混合ガス 量を減少させることができる。

 原料バイオマスを800℃以上に加熱すると に800℃以上の水蒸気と接触させることによ て生成して成る水素と一酸化炭素とを主成 とする混合ガスに、バイオマス以外の再生 能型エネルギーの動力によって水を電気分 して得られた水素を補填することによって 原料バイオマス当たりの炭化水素の収量を 上させることができる。

 上記第二の目的を達成するため、本発明 バイオマスから炭化水素を製造する装置に いて採った手段は、バイオマスを原料及び 料として水素と一酸化炭素とを主成分とす 混合ガスを生成するバイオマスガス化装置 、このバイオマスガス化装置によって生成 た混合ガスを加圧する加圧手段と、該混合 スを適温に調整するための温度調整手段と 上記加圧手段によって加圧されつつ該温度 整手段によって適宜の温度に保たれた混合 スを反応物として所定の触媒反応をさせる とによって生成物として炭化水素を得るた の触媒と、この触媒を配設して成り適宜の 力と温度にした混合ガスを該触媒に接触さ て所定の触媒反応をさせるための反応室と 該触媒反応によって生成した炭化水素を液 するための液化手段と、この液化手段によ て液化した液化炭化水素を回収するための 収手段とを備えたことを特徴としている。

 反応室は、好ましくは、混合ガスを導入 る導入口と、該反応室内において触媒反応 たことによって生成した炭化水素と未反応 該混合ガスとを排出する排出口とを備え、 入口から排出口に至る経路上に触媒が配設 れて成る。

 反応室は、上部に混合ガスを導入する導 口を有し、下部には反応室内において混合 スが触媒反応したことによって生成した炭 水素と未反応分の混合ガスとを排出する排 口を有し、且つ、導入口から排出口に至る 路上に触媒が配設されて成り、該反応室が 数配設され、最上流に位置する反応室の導 口はバイオマスガス化装置によって生成さ た混合ガスを導入し得るように該バイオマ ガス化装置に連通され、該最上流に位置す 反応室の排出口は該反応室の直下流に位置 る反応室の導入口に連通し、以下、直上流 位置する反応室の排出口が、その直下流に 置する反応室の導入口に連通するように構 されることができる。

 液化手段は、好ましくは、上流側に導入 を、下流側に未反応分の混合ガスを排出す ための排出口と液化した炭化水素を抽出す 抽出口とを有する液化室と、この液化室を 却するための冷却手段とを備え、導入口が 化室の上流側に位置する反応室の排出口に 通し、排出口が液化室の下流側に位置する 応室の導入口に連通する。

 液化した炭化水素を回収する回収手段は 複数の液化室の各抽出口に連通したパイプ インを含んでいてよく、該パイプラインは の経路上に配設されたバルブによって開閉 在に構成される。

 混合ガスを反応室内に導入するための導 口の上流側には、該反応室内に該混合ガス 導入する前に該混合ガスを所定の温度に調 するための温度調整手段を介在させてもよ 。

 反応室は、恒温室内温度調節手段によっ 所定の温度に調整された空気を取り入れる めの空気取入口と空気を排出するための空 排出口とを有していてよく、断熱材によっ 画成されて構成される恒温室の内部に配設 れることができる。

 触媒は、好ましくは、鉄、銅から選択さ る一方又は両方の物質の単体又は化合物を 本触媒とすると共に、マグネシウム、カル ウム、コバルト、ニッケル、カリウム、ナ リウムから選択される一つ以上の物質を助 触媒として付加し、且つ、ゼオライト、ア ミナ、シリカから選択される一つ以上の物 の単体又は化合物を担持させて成る。

 本発明に用いられるバイオマスガス化装 は、断熱性を有する壁材によって画成され 成る断熱室と、この断熱室内に熱伝導性を する壁材によって画成され且つ直径約2cm以 に粗粉砕された原料バイオマスを内部に導 する原料バイオマス導入手段と過熱水蒸気 内部に導入する過熱水蒸気導入手段とを有 るガス化反応室と、断熱室とガス化反応室 の間の空間に燃焼高温ガスを供給する燃焼 温ガス発生装置とを備え、ガス化反応室内 導入した原料バイオマスと過熱水蒸気とを ガス化反応室を成す熱伝導を有する壁材を して、燃焼高温ガス発生装置から断熱室と ス化反応室との間の空間に供給された燃焼 温ガスによって加熱し、原料バイオマスと 熱水蒸気とを吸熱反応させることによって 水素と一酸化炭素とを主成分とする混合ガ を生成するように構成されることを特徴と ている。

 燃焼高温ガス発生装置は、燃料バイオマ を完全燃焼させることによって800℃以上の 度の燃焼高温ガスを発生させ、発生させた 焼高温ガスを断熱室とガス化反応室との間 空間に供給する。

バイオマスから炭化水素を製造する装 全体の構成を示す概略図である。 バイオマスガス化装置の全体的な構成 示す概略図である。 バイオマスのガス化装置の主要部であ て、混合ガスを生成するための装置の構成 示す図である。 燃焼恒高温ガス発生装置の構成を示す である。 炭化水素合成装置及び液化手段及び回 手段の構成を示す図である。

符号の説明

 1 バイオマスから炭化水素を製造するた の装置; 101 バイオマスガス化装置; 110 断 熱室; 111 燃焼高温ガス導入口; 112 燃焼高 ガス排出口; 120 ガス化反応室; 121 多穴体;  122 灰分排出手段; 123 混合ガス排出手段;  124 ガス化空間; 125 原料バイオマス導入口; 126 過熱水蒸気導入口; 127 混合ガス排出口;  128 灰分排出口; 130 原料バイオマス導入手 段; 131 スクリューフィーダ; 132 ホッパ; 14 0 過熱水蒸気導入手段; 141 ボイラ; 142 フ ンモータ; 143 煙突; 150 燃焼高温ガス発生 置; 151 火格子; 152 燃焼炉; 153 空気予熱 ; 154 上部燃焼室; 155 底部燃焼室; 156 燃 バイオマス導入口; 157 第一の空気導入口; 158 第二の空気導入口; 159 第三の空気導入 ; 160 燃焼高温ガス送出口; 161 灰溜; 201  リーンアップ手段; 202 熱交換器; 203 サイ クロン; 204 水噴霧器; 301 ガスタンク; 302  精製混合ガス導入口; 303 混合ガス送出口; 3 04 混合ガス再導入口; 401 加圧ポンプ; 501  化水素合成装置; 510 加圧混合ガス導入口; 520 温度調整手段; 521 恒温室; 522 恒温室 度調整装置; 523 温度制御空気導入口; 524  度制御空気排出口; 525 高温ガス導入ライ ; 526 空気導入ライン; 527 温度制御空気送 ライン; 30a 第一の反応室; 530b 第二の反 室; 530c 第三の反応室; 530d 第四の反応室; 530e 第五の反応室; 531 触媒; 532a 第一の混 合ガス導入ライン; 532b 第二の混合ガス導入 ライン; 532c 第三の混合ガス導入ライン; 532 d 第四の混合ガス導入ライン; 532e 第五の混 合ガス導入ライン; 533a,533b,533c,533d,533e 混合 ス導入口; 534a,534b,534c,534d,534e 排出ライン; 535a,535b,535c,535d,535e 温度調整部; 540 液化手 ; 541a 第一の液化室; 541b 第二の液化室; 5 41c 第三の液化室; 541d 第四の液化室; 541e  五の液化室; 542 冷却水導入ライン; 543 冷 却水排出ライン; 544 冷却槽; 545a,545b,545c,545d ,545e 導入ライン; 546a,546b,546c,546d,546e 液化炭 化水素排出口; 547a,547b,547c,547d 冷却混合ガス 排出口; 547e 最終的未反応分混合ガス排出口 ; 548 循環ライン; 550 回収手段; 551a 第一 回収管; 551b 第二の回収管; 551c 第三の回 管; 551d 第四の回収管; 551e 第五の回収管; 552 液化炭化水素抽出管; 553 バルブ; A,A1,A2 ,A3 空気; B 燃焼高温ガス; FB 燃料バイオマ ス; G 混合ガス; MB 原料バイオマス; S 過 水蒸気; TA 温度制御空気; W 冷却水

 以下、本発明の好ましい実施の形態を、図1 乃至図5を参照しながら詳細に説明する。
 本実施形態のバイオマスから炭化水素を製 する方法及び装置は、粉状乃至チップ状に たバイオマスを原料として、この原料バイ マスを800℃以上に加熱すると共に800℃以上 水蒸気と接触させることによって水素と一 化炭素とを主成分とする混合ガスを生成し このバイオマス由来の混合ガスを反応物と 、この反応物をFT法によって炭化水素に転 した後、液化することによって液体炭化水 系の合成燃料を得るものである。

 本実施形態におけるバイオマス由来の水 と一酸化炭素とを主成分とする混合ガスか 液体炭化水素を合成する方法は、該混合ガ を150℃乃至300℃にすると共に、3MPa未満の圧 力をかけて所定の触媒に接触させ、前記化学 反応式に代表されるような所定の触媒反応を させることによって、水素と一酸化炭素とを 気相の炭化水素に転換し、その気相炭化水素 を水や空気等の冷媒物質との間で熱交換する ことによって冷却して液体の炭化水素を得る ものである。

 触媒は、鉄、銅から選択される一方又は 方の物質の単体又は化合物を基本触媒とす と共に、マグネシウム、カルシウム、コバ ト、ニッケル、カリウム、ナトリウムから 択される一つ以上の物質の単体又は化合物 助勢触媒として付加し、且つ、ゼオライト アルミナ、シリカから選択される一つ以上 物質を担持させて構成される。

 触媒としては、例えば、従来公知のFT触 とゼオライト等の固体酸触媒とを複合させ 触媒を構成したものを用いることが可能で り、この場合、触媒反応としては、水素と 酸化炭素とから成る混合ガスが先ず、FT触媒 上において反応して重質炭化水素を生成する 。

 次いで、この重質炭化水素は、隣接する 体酸触媒上において分解し、より軽質な分 炭化水素とする。このような構成の触媒に れば、水素と一酸化炭素とからなる混合ガ から炭化水素を合成することができる上、 来問題となっていたFT触媒上で蓄積してし うワックスの分解除去が自動的になされ、 媒の失活やワックスによる混合ガスの拡散 速を抑制することができるという利点もあ 。

 具体的には、前記FT触媒は、予め空気中 おいて200℃で2時間乾燥させたシリカゲルに 酸コバルトをインシピエント・ウェットネ (incipient wetness)法で含浸させた後、120℃で12 時間乾燥させ、その後、400℃で2時間焼成す ことによって調整して所要のコバルト担持 のコバルト系FT触媒を得ることが可能である 。また、所定量の硝酸鉄、硝酸銅、硝酸マグ ネシウム、硝酸カルシウムを水500mLに溶解さ て、この溶液と20g/500mLに調整した炭酸ナト ウム水溶液とを60℃、pH8に調整してある500mL の水に同時に攪拌しながら滴下し沈殿物を生 成させ、全て溶液を滴下した後、更に1時間 拌してから沈殿物を濾過し、蒸留水で洗浄 て乾燥し、400℃で焼成することで鉄系FT触媒 を調整して得ることも可能である。

 更に、上述のようなゼオライトとFT触媒と 複合して成る複合触媒は、先に調整したコ ルトFT触媒とゼオライトとを混合しつつ、テ トラエチルオルトシリケート、硝酸アルミニ ウム、テトラプロピルアンモニウムヒドロキ シド、水、エタノールを用いてゾル前駆溶液 を調整し、これをオートクレーブに入れて180 ℃で水熱合成することによって調整して得る ことが可能である。また、先に調整した鉄系 FT触媒とゼオライトとを混合した後、一軸成 機で600kgf/cm 2 の成形圧で20分間加圧することによって得る とが可能である。そして、これらコバルト FT触媒とゼオライト系触媒とを複合して成 コバルト系複合触媒と、鉄系FT触媒とゼオラ イト系触媒とを複合して成る鉄系複合触媒と を混合して複合的に触媒として用いてもよい 。

 また、前記混合ガスを前記触媒に接触さ 、所定の触媒反応によって炭化水素に転換 る方法は、単一の段階だけで行なってもよ が、より好ましくは、バイオマス由来の水 と一酸化炭素とを主成分として成る混合ガ を、第一の段階として触媒に接触させて所 の反応によって炭化水素に転換しつつ、こ 段階を経た後、第一段階において残留した 反応分の混合ガスを再び前記触媒と同等の 媒に接触させて上記触媒反応によって炭化 素に転換するという第二段階を経て、更に その後、同様の段階を第三段階、第四段階 いうように、予め設定された所定数段階を るようにして、混合ガスに対して繰り返し 定の触媒反応を施し、段階的に未反応分の 合ガスを炭化水素に転換しつつ、混合ガス 量を減少させるようにする。

 また、バイオマス以外の再生可能型エネ ギーの動力によって水を電気分解して得ら た水素を、上記バイオマス由来の混合ガス 補填するようにしてもよく、この場合、原 バイオマス当たりの炭化水素の収量を著し 向上させることが可能となる。

 上記説明のバイオマスから炭化水素を製 する方法を具体的に実施するための本実施 態におけるバイオマスから炭化水素を製造 るための装置1は、図1に示すように、原料 イオマスMBとこの原料バイオマスMBのガス化 の過熱水蒸気S、及び、燃料バイオマスFBと の燃料バイオマスFBの燃焼用の空気Aとを供 して、水素と一酸化炭素とを主成分とする 合ガスGを生成するバイオマスガス化装置101 と、このバイオマスガス化装置101によって生 成した混合ガスGを精製するクリーンアップ 段201と、クリーンアップされた混合ガスGを 時的に貯留するガスタンク301と、混合ガスG を加圧する加圧ポンプ401と、加圧された混合 ガスGを炭化水素に転換するための炭化水素 成装置501とを備える。

 バイオマスガス化装置101は、図2乃至図4 示すように、内外の熱の出入りを遮断する めの断熱室110と、この断熱室110内に配設さ るガス化反応室120と、このガス化反応室120 に直径約2cm以下に粗粉砕された原料バイオ スMBを導入するための原料バイオマス導入手 段130と、ガス化反応室120内に過熱水蒸気Sを 入するための過熱水蒸気導入手段140と、断 室110とガス化反応室120との間の空間に燃焼 温ガスBを供給する燃焼高温ガス発生装置150 を備える。

 ガス化反応室120内の適当な高さ位置には 上下に連通した複数の貫通穴を有しガス化 応室120内を上下に画成する多穴体121が配設 れる。またガス化反応室120には、このガス 反応室120内に生じた灰分を外部に排出する めの灰分排出手段122と、ガス化反応室120内 おいて生成した水素と一酸化炭素とを主成 とする混合ガスGを外部に排出するための混 合ガス排出手段123とを備える。

 断熱室110は、その内外の熱の出入りを遮 するためのものであり、特に断熱室110の内 を高温にして所要の温度、好ましくは800℃ 上に保持することが出来るように構成され 。断熱室110は、従来公知の断熱材を利用し 構成することが出来、断熱室110内に配設さ るガス化反応室120を囲繞することが出来る のであればよく、形状や大きさ等は適宜設 することが可能であるが、断熱室110の内面 ガス化反応室120の外面との間に間隙を持た て、この間隙に燃焼高温ガス発生装置150に って発生させた燃焼高温ガスBを導入してガ ス化反応室120をその壁外から加熱することが できるようにする。

 断熱室110には、原料バイオマス導入手段1 30や過熱水蒸気導入手段140、混合ガス排出手 123或いは灰分排出手段122を断熱室110の外部 繋げるための内外に連通した連通口を、そ ぞれ原料バイオマス導入手段130、過熱水蒸 導入手段140、混合ガス排出手段123、灰分排 手段122等に密接させて熱が洩れないように 成する。

 また、断熱室110には、その内外に連通し 燃焼高温ガス導入口111と燃焼高温ガス排出 112とを形成し、燃焼高温ガス発生装置150か 該断熱室110内に燃焼高温ガスBを供給したり 、或いは排出したりすることが出来るように 構成する。

 ガス化反応室120は熱伝導性の壁材で画成 れて成り、その内部に所定の容積及び表面 のガス化空間124を有し、ガス化反応室120を 成する壁材の外面は断熱室110の壁面によっ 囲繞される。このガス化反応室120には、外 からガス化反応室120内に原料バイオマスMB 導入するための原料バイオマス導入口125と 外部からガス化反応室120内に過熱水蒸気Sを 入するための過熱水蒸気導入口126とが形成 れ、それぞれ原料バイオマス導入手段130、 熱水蒸気導入手段140に連結され、原料バイ マスMBと過熱水蒸気Sとを、ガス化反応室120 に導入することが出来るように構成される

 原料バイオマス導入口125は、ガス化反応 120の上部に形成され、原料バイオマス導入 125を通じて外部からガス化反応室120内に導 される原料バイオマスMBが、ガス化反応室12 0内において落下し、その落下過程において ス化することが出来る。

 過熱水蒸気導入口126はガス化反応室120の 部に形成され、該過熱水蒸気導入口126を通 て外部からガス化反応室120内に導入される 熱水蒸気Sが、ガス化反応室120内において上 昇流として導入することが出来る。

 また、ガス化反応室120は、その内部にお て生成した混合ガスGを該ガス化反応室120か ら排出するための混合ガス排出口127と、ガス 化反応室120内において原料バイオマスMBと過 水蒸気Sとのガス化に伴って微量ながら生じ た灰分を排出するための灰分排出口128とを有 し、混合ガス排出手段123、灰分排出手段122と 連結されて、ガス化反応室120内において生成 した混合ガスGや灰分を外部に排出すること 出来るように構成される。

 混合ガス排出口127は、ガス化反応室120の 面の適当な高さ位置、好ましくは、多穴体1 21の配設高さ位置よりも上部位置に形成され 。これに対して灰分排出口128は、ガス化反 室120の底部に形成し、多穴体121よりも下側 あり且つ灰分の堆積時には自重で落下して 部に取り出すことが出来るように構成され 。

 ガス化反応室120を成す壁材は、熱伝導性 耐熱性や熱衝撃性に優れた素材から成り、 ス化反応室120の外部から内部に熱を伝達し くすると共に、所要の温度や温度変化に耐 得るように構成する。ガス化反応室120内の ス化空間124の容積及び形状は、所要のガス 処理量に応じて適宜設定することが可能で るが、このガス化空間124はガス化の対象で る原料バイオマスMBを適宜量存在させるこ が出来る大きさ及び形状の空間に設定する ガス化反応室120内の表面積は、所要のガス 処理量に応じて適宜設定することが可能で る。

 ガス化反応室120内は、上下方向の適当な さ位置に配設される適当な厚さの多穴体121 よって上下に画成される。この多穴体121は 所要の高温に耐え得る金属若しくはセラミ クス製で全体として略板状を成し、その上 に貫通した多数の貫通穴を有して成る。こ 貫通穴の大きさは、水蒸気が難なく通過し 、未ガス化状態の原料バイオマスMBが通過 難い程度の直径に設定することが好ましい また、多穴体121は若干水平から傾斜させて 設してもよい。

 原料バイオマス導入手段130は、ガス化反 室120に形成される原料バイオマス導入口125 連通し、断熱室110に形成される連通口を通 て該断熱室110の外部までほぼ垂直に延出し 所定の内径及び長さの、耐熱素材から成る イプと、この上端に出口が連結され、ほぼ 平に延びたスクリューを内装して成るスク ューフィーダ131と、このスクリューフィー 131に原料バイオマスMBを供給するためのホ パ132とを備える。

 このスクリューフィーダ131は、ほぼ水平 向に所定の長さ延びた円筒体と、この円筒 の内部に回転自在に内装される該円筒体と ぼ同等の長さを有するスクリューと、この クリューの一端に配設され、該スクリュー 駆動するアクチュエータとを備える。アク ュエータを配設した逆側の先端部付近には スクリューの回動によって送給された原料 イオマスMBをスクリューフィーダ131から排 するための出口が円筒体に形成され、該円 体におけるアクチュエータ付近の上部には ホッパ132から原料バイオマスMBをスクリュー フィーダ131に取り込むための入口が形成され て成る。勿論、ホッパ132はこの入口に連設さ れる。

 過熱水蒸気導入手段140は、ガス化反応室1 20に形成される過熱水蒸気導入口126に連通し 断熱室110に形成される連通口を通して該断 室110の外部まで延出した所定の内径及び長 の、耐熱性及び耐水蒸気性を有する素材か 成るパイプを備える。このパイプの下流に 、断熱室110から排出される燃焼高温ガスBを 熱源として水を加熱することで生成する過熱 水蒸気Sを得るためのボイラ141を連結して、 熱水蒸気Sをガス化反応室120に導入する前に め加熱して過熱水蒸気Sとすることが好まし い。ボイラ141を経由した燃焼高温ガスBは、 ァンモータ142を介して煙突143から外部に排 する。

 混合ガス排出手段123は、ガス化反応室120 形成される混合ガス排出口127に連通し、断 室110に形成される連通口を通して断熱室110 外部まで延出した所定の内径及び長さの、 熱性や耐食性を有する素材から成るパイプ 備える。このパイプの下流には、生成され 混合ガスを精製するクリーンアップ手段201 連結する。

 灰分排出手段122は、ガス化反応室120に形 される灰分排出口128に連通し、断熱室に形 される連通口を通して該断熱室110の外部ま 延出した所定の内径及び長さの、耐熱性を する素材から成るパイプを備える。このパ プの下流には、該パイプを自在に開閉し得 該パイプにおけるガス化反応室120内外の連 状態を開通状態にしたり不通状態にしたり るためのバルブを配設することが好ましい

 燃焼高温ガス発生装置150は、図4に示すよ うに、内部に高さ方向のほぼ中央部に火格子 151が配設されて成る縦型に形成される燃焼炉 152と、この燃焼炉152内に導入する空気Aを予 するための空気予熱器153とを備える。

 燃焼炉152は、火格子151の上部に位置する 部燃焼室154と、火格子151の下部に位置する 部燃焼室155とを有する。燃焼炉152は、その 部に粗粉砕された燃料バイオマスFBをその 部に導入するための燃料バイオマス導入口15 6と、上部燃焼室154に導入した燃料バイオマ FBを燃焼させるための空気A1を吹き込むよう 導入するための第一の空気導入口157とを有 る。燃焼炉152の高さ方向のほぼ中央部には その内部に配設された火格子151内に空気A2 導入しつつ該火格子151から該空気A2を噴出さ せるための第二の空気導入口158が形成され、 燃焼しつつ落下して来る燃料バイオマスFBを に高効率に燃焼させるように構成される。 焼炉152の底部付近には、火格子151を通過し 降下して底部燃焼室155内に流下して来た燃 高温ガスBを更に完全燃焼させるための空気 A3を底部燃焼室155内に導入する第三の空気導 口159が形成され、導入された空気A3が燃焼 152内において略水平方向に噴出するように 成される。底部燃焼室155の側壁には、第三 空気導入口159に対向する位置にほぼ完全燃 した燃焼高温ガスBを送出するための燃焼高 ガス送出口160が形成される。燃焼炉152の底 には、燃料バイオマスFBの燃焼滓である灰 を溜めるための灰溜161が形成される。

 火格子151は、その内部に第二の空気導入 158から導入された空気A2が流通し得る流路 有する金属製の格子状を成し、該格子状の 格子151の上下両表面には複数の空気噴出口 形成され、第二の空気導入口158から導入さ た空気A2が上下方向に噴出する。

 空気予熱器153は、燃焼高温ガス発生装置1 50によって発生した燃焼高温ガスBの一部を利 用することによって、第一の空気導入口157や 第二の空気導入口158や第三の空気導入口159か ら燃焼炉152内に導入する空気Aを予め450℃ま 加熱することができる。

 クリーンアップ手段201は、図2に示すよう に、熱交換器202と、サイクロン203と、水噴霧 器204とを備え、これらを直列的に連結して、 混合ガスGをそれら熱交換器202、サイクロン20 3、水噴霧器204内を通過させることで、熱交 器202において余分な熱を熱交換によって回 しつつ除熱し、これを通過した混合ガスGに 量ながらも混在する灰分や煤、タール或い 水分をサイクロン203と水噴霧器204で除去し 精製する。これら熱交換器202やサイクロン2 03、水噴霧器204等の一連の混合ガス精製手段 最下流部には、精製した混合ガスGを一時的 に貯留するガスタンク301を連結する。

 ガスタンク301は、図2に示すように、クリ ーンアップ手段201を通過して精製された水素 と一酸化炭素を主成分とする混合ガスGを一 的に貯留することができるように構成され 精製された混合ガスGをその内部に導入する めの精製混合ガス導入口302と、ガスタンク3 01の下流に連結される加圧ポンプ401に混合ガ Gを送出するための混合ガス送出口303と、炭 化水素合成装置501において最後まで未反応で 残留した未反応分の混合ガスGを再びガスタ ク301内に導入する混合ガス再導入口304とを える。

 加圧ポンプ401は、図2に示すように、その 直ぐ上流に連結されるガスタンク301の混合ガ ス送出口303に連結されてガスタンク301から一 時的に貯留していた混合ガスGを流下させつ 、この混合ガスGを所要の圧力まで加圧する とができるように構成され、所要圧力に加 した混合ガスGを、加圧ポンプ401の直ぐ下流 に連結される炭化水素合成装置501に送給する 。

 炭化水素合成装置501は、図5に示すように 、加圧ポンプ401によって所要の圧力に加圧さ れた混合ガスGを導入する加圧混合ガス導入 510と、導入された混合ガスGを適温に調整す ための温度調整手段520と、加圧ポンプ401に って加圧されつつ温度調整手段520によって 宜の温度に保たれた混合ガスGを反応物とし て上記説明の如くの所定の触媒反応をさせる ことによって生成物として炭化水素を得るた めの触媒531を配設して成り、適宜の圧力と温 度にした混合ガスGを該触媒531に接触させて 定の触媒反応をさせるための反応室530と、 定の触媒反応によって生成した炭化水素を 化するための液化手段540と、この液化手段54 0によって液化した液化炭化水素を回収する めの回収手段550とを備える。

 温度調整手段520は、恒温室521とこの恒温 521内の温度を調整するための恒温室温度調 装置522とを備える。恒温室521は断熱材で画 されて所定の容積を有し、その内部に加圧 ンプ401によって加圧された混合ガスGを導入 するための加圧混合ガス導入口510と、恒温室 温度調整装置522によって所要の温度に制御さ れた温度制御空気TAを導入する温度制御空気 入口523と、恒温室521内に導入されて該恒温 521内を流下した温度制御空気TAを該恒温室52 1の外部に排出するための温度制御空気排出 524とを有する。恒温室521内には、複数の反 室530が配設されている。すなわち、本例に いて、互いに同等の第一乃至第五の反応室53 0a,530b,530c,530d,530eが配設され、これら第一乃 第五の反応室530a,530b,530c,530d,530eが一括的に 要の温度に保持することができる。

 恒温室温度調整装置522は、高温ガスを導 する高温ガス導入ライン525と、空気導入ラ ン526と、温度制御空気送給ライン527とを備 る。温度制御空気送給ライン527は、空気導 ライン526から導入した空気を高温ガス導入 イン525から導入した高温ガスと間接的或い 直接的に接触させて所要の温度に制御して 度制御空気TAを生成し、生成した温度制御 気TAを恒温室521内に送給する。恒温室521内の 温度は、この恒温室温度調整装置522によって 生成された適宜温度の温度制御空気TAを適宜 該恒温室521内に送給すると共に、温度制御 気TAを恒温室521内から排出してフローにす ことによって所要の温度に保持するように 成される。これによって、恒温室521内に導 される混合ガスGや、恒温室521内に配設され 第一乃至第五の反応室530a,530b,530c,530d,530eの 度を所要の温度に保持することができる。 お、高温ガスは、バイオマスガス化装置等 ら排出された燃焼高温ガスBを用いることが できる。

 第一乃至第五の反応室530a,530b,530c,530d,530e 、それぞれ所定の圧力に加圧された混合ガ Gを、所定の温度にして該第一乃至第五の反 応室530a,530b,530c,530d,530eの内部に導入する第一 乃至第五の混合ガス導入ライン532a,532b,532c,532 d,532eに連結される第一乃至第五の混合ガス導 入口533a,533b,533c,533d,533eと、該第一乃至第五の 反応室530a,530b,530c,530d,530e内部に導入された混 合ガスGに所定の触媒反応をさせるために該 一乃至第五の反応室530a,530b,530c,530d,530e内に 設される触媒531と、第一乃至第五の反応室53 0a,530b,530c,530d,530e内を流下した未反応分の混 ガスGや触媒反応によって生成した炭化水素 外部に排出する排出ライン534a,534b,534c,534d,53 4eとを有する。なお、触媒531としては、FT触 や上記説明の複合触媒を用いることができ 。

 第一乃至第五の混合ガス導入ライン532a,53 2b,532c,532d,532eは、混合ガスGを恒温室521内に導 入された温度制御空気TAと間接的に接触させ 、反応室530に導入する前に該混合ガスGを所 要の温度に調整するための第一乃至第五の温 度調整部535a,535b,535c,535d,535eを備え、第一乃至 第五の反応室530a,530b,530c,530d,530eにそれぞれ導 入する前に混合ガスGを所要の温度に調整す ことができる。

 第一乃至第五の反応室530は直列的に連結 れ、より上流側から下流側に流下する未反 分の混合ガスGを段階的に触媒反応させて炭 化水素に転換すると共に、未反応分の混合ガ スG量を減少させる。

 本実施形態の炭化水素合成装置501におい は、加圧混合ガス導入口510は、第一の混合 ス導入ライン532aを介して第一の反応室530a 連結され、この第一の反応室530aは、その下 に連結される第一の液化室541aとその更に下 流に連結される第二の混合ガス導入ライン532 bとを介して第二の反応室530bに連結される。 して、第二の反応室530bは、その下流に連結 される第二の液化室541bとその更に下流に連 される第三の混合ガス導入ライン532cとを介 て第三の反応室530cに連結される。同様に、 第三の反応室530cは、その下流に連結される 三の液化室541cとその更に下流に連結される 四の混合ガス導入ライン532dとを介して第四 の反応室530dに連結され、第四の反応室530dは その下流に連結される第四の液化室541dとそ の更に下流に連結される第五の混合ガス導入 ライン532eとを介して第五の反応室530eに連結 れるという五段階の第一乃至第五の反応室5 30a,530b,530c,530d,530eが設定されている。ここで 反応室の設定段階数は五段階に設定されて るが、勿論、五段階に限定されるものでは く、適宜の段階数に設定することが可能で る。

 第五の反応室530e内において生成した炭化 水素と未反応分の混合ガスGとを排出する該 五の反応室530eの排出ライン534eの下流には、 第五の液化室541eが連結される。

 液化手段540は、冷却水Wを導入するための 冷却水導入ライン542と、該冷却水Wを排出す ための冷却水排出ライン543とを有し、且つ 内部に導入した冷却水Wを収容し得る冷却槽5 44を備える。冷却槽544の内部には、第一の液 室541aと、第二の液化室541bと、第三の液化 541cと、第四の液化室541dと、第五の液化室541 eとが配設され、該冷却槽544内を流下する冷 水Wによってこれら第一乃至第五の液化室541a ,541b,541c,541d,541eを一括的に冷却し得る。

 第一乃至第四の液化室541a,541b,541c,541dは、 互いに同等に構成されるものであり、それぞ れ直ぐ上流に連結される第一乃至第四の反応 室530a,530b,530c,530dから流下して来る未反応分 混合ガスGと生成した炭化水素とを導入する 入ライン545a,545b,545c,545dと、第一乃至第四の 液化室541a,541b,541c,541d内において冷却されて 化した炭化水素を排出する液化炭化水素排 口546a,546b,546c,546dと、冷却されつつもガス状 混合ガスGを直ぐ下流に連結される混合ガス 導入ライン532b,532c,532d,532eに対して排気する 却混合ガス排出口547a,547b,547c,547dとを有する

 第五の液化室541eは、その直ぐ上流に連結 される第五の反応室530eから流下して来る未 応分の混合ガスGと生成した炭化水素とを、 五の液化室541eの内部に導入するための導入 ライン545eと、第五の液化室541e内において冷 されて液化した炭化水素を排出する液化炭 水素排出口546eと、冷却されつつも最終的に 未反応分として残留したガス状の混合ガスG 排出する最終的未反応分混合ガス排出口547e を有する。この最終的未反応分混合ガス排 口547eは、循環ライン548を介してガスタンク 301の混合ガス再導入口304に連結され、最終的 な未反応分の混合ガスGを再びガスタンク301 収容して循環させる。

 液化手段540によって液化された液化炭化 素は、集合管状に構成された回収手段550に って回収される。この回収手段550は、第一 至第五の各液化室530a,530b,530c,530d,530eの液化 化水素排出口546a,546b,546c,546d,546eにそれぞれ 結される第一の回収管551aと、第二の回収管 551bと、第三の回収管551cと、第四の回収管551d 、第五の回収管551eと、これら第一乃至第五 回収管551a,551b,551c,551d,551eが連結される液化 化水素抽出管552と、この液化炭化水素抽出 552の最下流部に配設されるバルブ553とを備 、全体として集合管状に構成され、液化し 炭化水素を該バルブ553の開閉操作によって 宜取り出すことができる。

 以上述べたように、本発明のバイオマス ら炭化水素を製造する装置は、複数の反応 を直列に連結して段階的に未反応分の混合 スを触媒反応させるように構成したことに って、比較的低圧であるにも拘わらず、高 収率で炭化水素を得ることが可能である。

 また、本発明は、反応室の温度維持を、 便な方法で温度制御し得る恒温室の内部に 反応室を配設して行なうように構成したこ によって、単純な構成でありながらも簡便 温度維持が可能となり、装置の複雑化を招 ことなく、メンテナンスも容易で実用性が く、バイオマスから炭化水素を製造する装 全体としての運転上の信頼性を向上させる とができる。

 また、本発明においては、外部から隔壁 介して熱供給して原料バイオマスと過熱水 気とを反応させる方式のバイオマスガス化 置を採用することによって、高効率にバイ マスをガス化することが可能となり、それ よって安定した生成量の水素と一酸化炭素 を主成分とする混合ガスを得ることができ 。

 更に、再生可能型のエネルギーによる水 電気分解によって得た水素を、バイオマス ス化装置から得られる水素と一酸化炭素を 成分とする混合ガスに補填するようにした とによって、原料バイオマスからの炭化水 の収量を著しく増加させることができる。

 本発明のバイオマスから炭化水素を製造 る方法及び装置1は以上説明したように構成 されるものであるが、その主旨を逸脱しない 範囲において様々な形態で実施することがで きる。

 以上述べたように、本発明の方法は、草 等のバイオマスを原料として生成した水素 一酸化炭素とを反応物とし、小型で且つ低 でありながら高い収率で、生成物としての 体乃至気体の炭化水素燃料を合成すること できる、バイオマスから炭化水素を製造す 方法及び装置を提供するものである。