株式会社谷黒組 (〒21 栃木県那須塩原市塩原1100 Tochigi, 32929, JP)
| 静置した状態では酸素が内部に浸透しにくく微生物による生化学反応が起きにくい有機性廃棄物を処理する方法であって、 前記有機性廃棄物の内部に酸素を強制的に供給し、 酸素が供給された前記有機性廃棄物の内部温度を前記生化学反応によって上昇させ、 上昇した温度を維持して前記生化学反応を継続し、前記有機性廃棄物を堆肥化させることを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。 |
| 静置した状態では酸素が内部に浸透しにくく微生物による生化学反応が起きにくい有機性廃棄物を処理する方法であって、 前記有機性廃棄物の内部に酸素を強制的に供給し、酸素が供給された前記有機性廃棄物の内部温度を前記生化学反応によって上昇させ、上昇した温度を維持して前記生化学反応を継続する第1反応段階と、 第1反応段階後の有機性廃棄物を、酸素と一酸化炭素の存在下に保持して発熱反応を生じさせ、前記有機性廃棄物を減量化又は炭化させる第2反応段階と、 を有することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。 |
| 前記第2反応段階は、前記有機性廃棄物の温度が少なくとも55℃以上であり、前記一酸化炭素が前記第1反応段階後の有機性廃棄物を発生源とし、その濃度が50ppm以上の環境下で行う、請求項2に記載の有機性廃棄物の処理方法。 |
| 前記静置した状態では酸素が内部に浸透しにくく微生物による生化学反応が起きにくい有機性廃棄物は、家畜排泄物若しくは農産廃棄物であって該廃棄物の含水率が全体として若しくは局部的に80%以上であり、又は、食品廃棄物であって該廃棄物の含水率が全体として若しくは局部的に40%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の有機性廃棄物の処理方法。 |
| 前記有機性廃棄物の内部への酸素の強制供給が、酸素を含む微加圧環境下に前記有機性廃棄物を置くことにより、又は、前記有機性廃棄物の内部に酸素を直接注入することにより行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載の有機性廃棄物の処理方法。 |
| 前記微加圧環境における圧力を、大気圧を超え15気圧以下とする、請求項5に記載の有機性廃棄物の処理方法。 |
| 酸素と一酸化炭素の存在下に保持することにより発熱反応が生じる有機性廃棄物を、該有機性廃棄物の温度を少なくとも55℃以上とし、前記一酸化炭素の濃度が50ppm以上とする環境下に置いて発熱反応を生じさせ、前記有機性廃棄物を減量化又は炭化させることを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。 |
| 前記一酸化炭素が前記有機性廃棄物を発生源とする、請求項7に記載の有機性廃棄物の処理方法。 |
| 有機性廃棄物を出し入れ可能に収容する密閉可能な容器と、 前記容器内の圧力を大気圧を超え15気圧以下に制御できる圧力制御装置と、 を備えることを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。 |
| 前記容器が、一酸化炭素濃度計と温度計とをさらに備える、請求項9に記載の有機性廃棄物の処理装置。 |
| 請求項2~6の何れか1項に記載の有機性廃棄物の処理方法を構成する第2反応段階を実施することにより生じた熱を熱源として利用することを特徴とする熱エネルギー利用方法。 |
| 請求項7又は8に記載の有機性廃棄物の処理方法を実施することにより生じた熱を熱源として利用することを特徴とする熱エネルギー利用方法。 |
本発明は、有機性廃棄物の処理方法及び 理装置に関し、さらに詳しくは、静置した 態では酸素が内部に浸透しにくく微生物に る生化学反応が起きにくい有機性廃棄物内 酸素を容易に導入し、自己発熱を促して堆 化や減量化等を実現できる有機性廃棄物の 理方法及び処理装置に関する。さらに、本 明は、有機性廃棄物の処理方法によって生 る自己発熱を熱源として利用する方法に関 る。
生物資源の循環利用への意識の高まりと もに、近年、有機性廃棄物の多くが堆肥化 れ、資源として土壌還元されるようになっ 。そのなかで、最も堆肥化・資源化が期待 れる畜産排泄物である家畜ふんや生ゴミ等 食品廃棄物(以下、これらを総称するときは 「家畜ふん等」という。)は、発生時点では 水分でいわゆる泥濘状となっている場合が い。そうした家畜ふん等は、泥濘状になっ いるために内部に空気(酸素)を取り込みにく く、通常の微生物分解による生化学反応が起 きにくく堆肥化しにくいという難点がある。 そのため、従来は、含水率を下げ、内部に酸 素を取り込み易くする方法が採られている。
含水率を下げる一つの手段として、有機 廃棄物に熱エネルギーや送風等を与えて含 率を下げる方法があるが、コストの点で問 があり現実的ではない。また、他の手段と て、畜産排泄物である家畜ふんの場合のよ に、オガクズ、稲藁、籾殻などの農業副産 を有機性廃棄物と混合して水分を下げ、そ 結果として空気を通り易くして微生物分解 よる生化学反応を促進する方法があるが、 の場合には、前記農業副産物を調達しにく 地域があったり、たとえ調達できたとして 農業副産物の加工作業が加わってコスト増 になったり、また、そうした農業副産物の 合はかえって総処理量が増してコスト増大 なったりするという難点がある。
なお、下記特許文献1には、家畜ふん等を 容器内で加熱、攪拌することにより堆肥化す る、廃棄物の循環再利用方法が提案されてい る。しかし、この方法においても、含水率の 高い有機性廃棄物に対しては上記同様の熱エ ネルギー等を与えて含水率を下げなければな らず、依然としてコストの点で課題がある。
一方、有機性廃棄物を堆肥化・資源化せ 、減量化して自然界に戻すことも考えられ が、その場合にも、泥濘状の有機性廃棄物 含水率を下げなければならず、上記と同様 問題が起こる。また、泥濘状の有機性廃棄 の含水率を単に下げて乾燥しただけでは微 物分解による堆肥化反応が起こっておらず 乾燥した有機性廃棄物を自然界に再び戻す 元の泥濘状の有機性廃棄物に戻ってしまう また、人間排泄物と同様の下水処理を行う どのコストもかけられない。
本発明は、上記問題を解決するためにな れたものであって、その目的は、従来のよ な熱エネルギーや送風による乾燥を行うこ なく、また、オガクズ等の農業副産物を混 ることなく、含水率の高い有機性廃棄物で ってもそのままの状態で微生物分解を促進 せて堆肥化や減量化を実現できる効果的な 機性廃棄物処理方法及び処理装置を提供す ことにある。
また、本発明の他の目的は、そうした有 性廃棄物の処理方法乃至処理装置での処理 よって生じた熱を効果的に利用する方法を 供することにある。
本発明者は、含水率の高い有機性廃棄物 堆肥化して再利用したり、減量化して廃棄 たりすることができる効果的な処理方法及 処理装置を研究している過程で、含水率の い泥濘状の有機性廃棄物であってもその内 に酸素を効果的に供給すれば、微生物分解 よる生化学反応が促進して堆肥化を実現で ることを見出した。そしてさらに研究を続 たところ、驚くべきことに、微生物分解に る自己発熱が終了する温度(約70℃前後)を超 え、100℃、200℃と温度が上昇する現象を見出 した。同様の温度上昇は、含水率が低い有機 性廃棄物であっても特定の雰囲気下に置くこ とにより起こることを見出した。ここでは、 これらの知見に基づいてなされたものであっ て、以下の第1~第3の観点に係る発明を提案す る。
すなわち、上記課題を解決する本発明の 1の観点に係る有機性廃棄物の処理方法は、 特に泥濘状の有機性廃棄物等の堆肥化・資源 化を実現するものである。その要旨は、静置 した状態では酸素が内部に浸透しにくく微生 物による生化学反応が起きにくい有機性廃棄 物を処理する方法であって、前記有機性廃棄 物の内部に酸素を強制的に供給し、酸素が供 給された前記有機性廃棄物の内部温度を前記 生化学反応によって上昇させ、上昇した温度 を維持して前記生化学反応を継続し、前記有 機性廃棄物を堆肥化させることを特徴とする 。
この発明によれば、静置した状態では酸 が内部に浸透しにくく微生物による生化学 応が起きにくい泥濘状の有機性廃棄物であ ても、その内部に酸素を強制的に供給する とにより、有機性廃棄物の生化学反応を促 させ且つ継続させることができ、有機性廃 物の堆肥化・資源化を実現できる。こうし 処理方法は、加熱や送風による乾燥を行っ り、オガクズ等の農業副産物を混ぜたりす 従来技術とは異なり、含水率の高い有機性 棄物の微生物分解を促進させて堆肥化を実 でき、また乾燥による減量化を実現できる
上記課題を解決する本発明の第2の観点に 係る有機性廃棄物の処理方法は、特に泥濘状 の有機性廃棄物等の減量化・廃棄化を実現す るものである。その要旨は、静置した状態で は酸素が内部に浸透しにくく微生物による生 化学反応が起きにくい有機性廃棄物を処理す る方法であって、前記有機性廃棄物の内部に 酸素を強制的に供給し、酸素が供給された前 記有機性廃棄物の内部温度を前記生化学反応 によって上昇させ、上昇した温度を維持して 前記生化学反応を継続する第1反応段階と、 1反応段階後の有機性廃棄物を、酸素と一酸 炭素の存在下に保持して発熱反応を生じさ 、前記有機性廃棄物を減量化又は炭化させ 第2反応段階と、を有することを特徴とする 。
この発明によれば、上記第1の観点に係る 処理方法である第1反応段階の後の第2反応段 として、その有機性廃棄物を、酸素と一酸 炭素の存在下に保持して化学反応を生じさ ることにより、驚くべきことに、微生物分 による自己発熱が終了する温度(約70℃前後) を超えて100℃、200℃と温度を上昇させること ができる。その結果、有機性廃棄物を十分に 堆肥化でき、さらに乾燥して減量化でき、ま た、その温度がさらに上がることによって炭 化でき、低コストの下でより減量化を実現で きる。この第2の観点に係る処理方法によれ 、十分に堆肥化した状態で乾燥乃至炭化さ ることができるので、自然界に再び廃棄し も従来のような元の泥濘状の有機性廃棄物 戻らない。
本発明の第1及び第2の観点に係る有機性 棄物の処理方法において、前記静置した状 では酸素が内部に浸透しにくく微生物によ 生化学反応が起きにくい有機性廃棄物は、 畜排泄物若しくは農産廃棄物であって該廃 物の含水率が全体として若しくは局部的に80 %以上であり、又は、食品廃棄物であって該 棄物の含水率が全体として若しくは局部的 40%以上であるように構成する。
前記の「静置した状態では酸素が内部に 透しにくく微生物による生化学反応が起き くい有機性廃棄物」とは、有機性廃棄物が 濘化して通気性が悪いものを指しており、 体的には、有機性廃棄物が家畜排泄物若し は農産廃棄物である場合にはその含水率が 体として80%以上であるものや全体では多く いが80%以上の含水率の部分を局部的に有す もの、又は、有機性廃棄物が生ゴミ等の食 廃棄物である場合にはその含水率が全体と て40%以上であるものや全体では多くないが4 0%以上の含水率の部分を局部的に有するもの ある。これらは全体として又は局部的に泥 化しており、静置した状態では酸素が内部 浸透しにくく微生物による生化学反応が起 にくいものである。この発明によれば、そ した有機性廃棄物に対して、上記第1及び第 2の観点に係る処理方法を適用することによ 、微生物分解による生化学反応を促進させ ことができる。
本発明の第1及び第2の観点に係る有機性 棄物の処理方法において、前記有機性廃棄 の内部への酸素の強制供給が、酸素を含む 加圧環境下に前記有機性廃棄物を置くこと より、又は、前記有機性廃棄物の内部に酸 を直接注入することにより行われるように 成する。
この発明の具体的手段により有機性廃棄 内に酸素を強制供給できるので、微生物分 による生化学反応を促進させることができ 。
本発明の第1及び第2の観点に係る有機性 棄物の処理方法において、前記微加圧環境 おける圧力を、大気圧を超え15気圧以下とす るように構成する。
この発明によれば、上記圧力範囲内であ ば、有機性廃棄物内に酸素を強制的に供給 ることができ、さらに高価な圧力容器等を いずとも実現できる。
本発明の第2の観点に係る有機性廃棄物の 処理方法において、前記第2反応段階は、前 有機性廃棄物の温度を少なくとも55℃以上と し、前記一酸化炭素が前記第1反応段階後の 機性廃棄物を発生源とし、その濃度を50ppm以 上とする環境下で行うように構成する。
この発明によれば、有機性廃棄物の温度 少なくとも55℃以上とし、第1反応段階後の 機性廃棄物を発生源とした一酸化炭素の濃 を50ppm以上とした環境下で第2反応段階が容 かつ効率的に進行する。その結果、微生物 解による自己発熱が終了する温度(約70℃前 )を超え、100℃、200℃という高い温度にまで 温度上昇を容易に起こすことができる。
上記課題を解決する本発明の第3の観点に 係る有機性廃棄物の処理方法は、特に泥濘状 に限らない有機性廃棄物の減量化・廃棄化を 実現するものであって、酸素と一酸化炭素の 存在下に保持することにより発熱反応が生じ る有機性廃棄物を、該有機性廃棄物の温度を 少なくとも55℃以上とし、前記一酸化炭素の 度を50ppm以上とした環境下に置いて発熱反 を生じさせ、前記有機性廃棄物を減量化又 炭化させることを特徴とする。
この発明によれば、酸素と一酸化炭素の 在下に保持することにより発熱反応が生じ 有機性廃棄物を上記温度と一酸化炭素濃度 囲気下に置くことにより、驚くべきことに その発熱反応が著しく促進され、100℃、200 と温度を上昇させることができる。その結 、有機性廃棄物を十分に乾燥して減量化で 、また、その温度がさらに上がることによ て炭化でき、低コストの下でより減量化を 現できる。この第3の観点に係る処理方法に よれば、十分に乾燥乃至炭化させることがで きるので、自然界に再び廃棄しても従来のよ うな元の泥濘状の有機性廃棄物に戻らない。
本発明の第3の観点に係る有機質汚泥の処 理方法において、前記一酸化炭素が前記有機 性廃棄物を発生源とするように構成する。
この発明によれば、微生物分解による生 学反応によって発熱した有機性廃棄物のよ に、一酸化炭素を発生するものであること 好ましい。
上記課題を解決するための本発明の有機 廃棄物の処理装置は、有機性廃棄物を出し れ可能に収容する密閉可能な容器と、前記 器内の圧力を大気圧を超え15気圧以下に制 できる圧力制御装置と、を備えることを特 とする。
この発明によれば、密閉可能な容器と圧 制御装置とを備えるので、例えば静置した 態では酸素が内部に浸透しにくく微生物に る生化学反応が起きにくい泥濘状の有機性 棄物をその容器内に入れ、密閉後に上記範 内の圧力を加えることにより、有機性廃棄 内に酸素を強制的に供給することができる その結果、有機性廃棄物内では微生物分解 よる生化学反応が起き、例えば堆肥化や乾 を促進させることができる。特に制御する 力はあまり高くはないので、高価な圧力容 を採用する必要もない。したがって、本発 の処理装置は、上記第1~第3の観点に係る有 性廃棄物の処理方法を容易かつ低コストで 施することができる。
本発明の有機性廃棄物の処理装置におい 、前記容器が、一酸化炭素濃度計と温度計 をさらに備えるように構成する。
上記課題を解決するための本発明の熱エ ルギーの利用方法は、上記本発明の第2の観 点に係る有機性廃棄物の処理方法を構成する 第2反応段階を実施することにより生じた熱 又は、上記本発明の第3の観点に係る有機性 棄物の処理方法を実施することにより生じ 熱、を熱源として利用することを特徴とす 。
本発明の第1の観点に係る有機性廃棄物の 処理方法によれば、静置した状態では酸素が 内部に浸透しにくく微生物による生化学反応 が起きにくい泥濘状の有機性廃棄物であって も、その内部に酸素を強制的に供給すること により、有機性廃棄物の生化学反応を促進さ せ且つ継続させることができ、有機性廃棄物 の堆肥化・資源化を実現できる。こうした処 理方法は、加熱や送風を行ったり、オガクズ 等の農業副産物を混ぜたりする従来技術とは 異なり、含水率の高い有機性廃棄物の微生物 分解を促進させて堆肥化を実現でき、また乾 燥による減量化を実現できる。
本発明の第2の観点に係る有機性廃棄物の 処理方法によれば、上記第1の観点に係る処 方法である第1反応段階の後、その有機性廃 物を、酸素と一酸化炭素の存在下に保持し 化学反応を生じさせることにより、微生物 解による自己発熱が終了する温度(約70℃前 )を超えて100℃、200℃と温度を上昇させるこ とができる。その結果、有機性廃棄物を十分 に堆肥化でき、さらに乾燥して減量化でき、 また、その温度がさらに上がることによって 炭化でき、低コストの下でより減量化を実現 できる。
本発明の第3の観点に係る有機性廃棄物の 処理装置によれば、酸素と一酸化炭素の存在 下に保持することにより発熱反応が生じる有 機性廃棄物を上記温度と一酸化炭素濃度雰囲 気下に置くことにより、その発熱反応が著し く促進され、100℃、200℃と温度を上昇させる ことができる。その結果、有機性廃棄物を十 分に乾燥して減量化でき、また、その温度が さらに上がることによって炭化でき、低コス トの下でより減量化を実現できる。
本発明の有機性廃棄物の処理装置によれ 、例えば静置した状態では酸素が内部に浸 しにくく微生物による生化学反応が起きに い泥濘状の有機性廃棄物をその容器内に入 、密閉後に上記範囲内の圧力を加えること より、有機性廃棄物内に酸素を強制的に供 することができる。その結果、有機性廃棄 内では微生物分解による生化学反応が起き 例えば堆肥化や乾燥を促進させることがで る。
本発明の熱エネルギーの利用方法によれ 、上記本発明の有機性廃棄物の処理方法で じた熱を熱源として利用するので、熱エネ ギーを有効利用することができる。特にこ した熱エネルギーを畜産事業等のエネルギ 源として利用することにより、事業コスト 節約を図り、競争力を高めることができる
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に 明する。なお、以下の実施形態は、本発明 好ましい例であって、その実施形態に限定 釈されるものではない。
図1は、静置した状態では酸素が内部に浸 透しにくく微生物による生化学反応が起きに くい泥濘状の有機性廃棄物を用い、その内部 に酸素を強制的に供給したときの時間と容器 内温度との関係を模式的に示したグラフであ る。この結果は、本発明者が含水率の高い泥 濘状の有機性廃棄物を堆肥化して再利用した り、減量化して廃棄したりすることができる 効果的な処理方法を研究している過程で、含 水率の高い有機性廃棄物を密閉容器内に入れ て僅かに加圧すると、加圧しない場合に比べ て有機性廃棄物内に多くの酸素が入り込み、 微生物分解による自己発熱が促進される「生 化学反応領域」(第1反応段階)を示すとともに 、さらに、微生物分解による自己発熱が終了 する温度(約70℃前後)を超えて100℃、200℃と 度が上昇する「化学反応領域」(第2反応段階 )を示すものである。
[有機性廃棄物の処理方法]
本発明の有機性廃棄物の処理方法は、3つの
態様に大別できる。第1は、図1に示す生化学
応領域での現象を利用した処理方法であり
第2は、図1に示す生化学反応領域での現象
化学反応領域での現象とを利用した処理方
であり、第3は、図1に示す化学反応領域での
現象を利用した処理方法である。
(第1の処理方法)
先ず、第1の処理方法について説明する。第
1の処理方法は、静置した状態では酸素が内
に浸透しにくく微生物による生化学反応が
きにくい有機性廃棄物に対し、その生化学
応を促進させるように処理する方法であっ
、特に泥濘状の有機性廃棄物等の堆肥化・
源化を効率的に実現するものである。詳し
は、その有機性廃棄物の内部に酸素を強制
に供給し、酸素が供給された有機性廃棄物
内部温度を前記生化学反応によって上昇さ
、上昇した温度を維持して前記生化学反応
継続し、有機性廃棄物を堆肥化させる方法
ある。
有機性廃棄物としては、微生物分解によ 生化学反応を起こすことができる家畜排泄 (糞尿)、人間排泄物(糞尿)、農産廃棄物、下 水汚泥、生ゴミ等の食品廃棄物(食品残滓)等 挙げることができる。家畜は、牛、豚、馬 を例示できる。特に第1の処理方法では、含 水率が高く、静置した状態では酸素が内部に 浸透しにくく微生物による生化学反応が起き にくい有機性廃棄物が対象となる。特に、全 体として又は局部的に泥濘化して通気性が悪 いものを対象とすることがより効果的である 。
有機性廃棄物が家畜排泄物(糞尿)や農産 棄物等のように繊維質を多く含むものであ 場合は、その含水率は、その有機性廃棄物 体として80%以上であるか、全体では多くな が局部的に80%以上である。こうした高い含 率の有機性廃棄物は泥濘状になっているこ から、微生物による生化学反応を起こすた の酸素が、泥濘状の表面から内部に入り込 にくい。そのため、微生物による生化学反 が進みにくく、その生化学反応に基づいた 部温度の上昇も遅く、その結果、いわゆる 肥化に長時間かかってしまう。しかし、こ 第1の処理方法は、そうした有機性廃棄物の 部に酸素を強制的に供給するので、酸素が 給された有機性廃棄物の内部温度を生化学 応によって迅速に上昇させることができる また、上昇した温度を維持することができ ように、有機性廃棄物を入れる反応容器の りを断熱材等で保温すれば、活発な生化学 応を継続することができ、有機性廃棄物の 肥化をより促進することができる。なお、 機性廃棄物の含水率が高い場合ほど、本発 の処理方法は効果的であり、例えば83%以上 あったり、87%以上であったりする場合のよ に、高い含水率の有機性廃棄物に対して特 好ましく適用できる。
全体の又は局部的な含水率が80%未満であ 場合は、酸素が有機性廃棄物の内部に入り くい現象はやや弱まるので、その有機性廃 物の内部に酸素を強制的に供給する必要性 弱まり、静置状態でも内部に酸素が入り込 で生化学反応が起こって温度が徐々に上昇 る。したがって、80%未満の場合は、酸素を 制的に内部に供給するという第1の処理方法 特有の手段を適用する必要は必ずしもない。 しかし、生化学反応をより促進させるという 観点からは適用してもよい。
また、有機性廃棄物が生ゴミ等の食品廃 物である場合は、その含水率は、その有機 廃棄物全体として40%以上であるか、全体で 多くないが局部的に40%以上である。上記し 家畜排泄物(糞尿)や農産廃棄物等のように 維質を多く含むものである場合は全体又は 部的な含水率が80%以上で泥濘化するが、繊 質をそれほど多く含まない生ゴミ等では80% 満でも泥濘化し、通常40%以上で泥濘化する 向がある。そのため、この第1の処理方法は こうした含水率を持つ泥濘化した食品廃棄 においても、上記同様、その内部に酸素を 制的に供給し、内部温度を生化学反応によ て迅速に上昇させることができ、有機性廃 物の堆肥化をより促進することができる。
含水率が「全体として」とは、有機性廃 物に水分が均等に又は比較的均等に含まれ いる場合における割合を指している。一方 含水率が「局部的に」とは、有機性廃棄物 体としては80%未満(畜産排泄物等の場合)又 40%未満(生ゴミ等の食品廃棄物の場合)であっ ても、部分的に見れば80%以上又は40%以上の泥 濘状になっている部分がある場合を指してい る。
有機性廃棄物全体の含水率の測定は、あ 程度の量の有機性廃棄物を試料として採取 、その試料の乾燥前後の質量測定で評価で る。一方、有機性廃棄物の局部的な含水率 、局部的に少量の試料を採取し、その乾燥 後の質量測定により評価できる。
有機性廃棄物内への酸素の供給は強制的 行われる。こうした強制的な供給により、 素を内部に取り込みにくい有機性廃棄物の 化学反応を促進できる。供給する酸素は、 素ガスそのものであってもよいし、酸素と のキャリアとを混合したガスであってもよ が、通常は、酸素を約20%程度含む一般的な 気が用いられる。
酸素の強制的な供給手段の具体例として 、例えば、酸素を含む微加圧環境下に有機 廃棄物を置くこと、又は、有機性廃棄物の 部に酸素を直接注入すること、等を挙げる とができる。
前者の酸素供給手段は、例えば図2に示す ように、加圧可能な密閉容器内に有機性廃棄 物を入れ、その容器に空気を入れて微加圧環 境とするものである。この手段において、容 器内の圧力は、大気圧(1気圧)を超え15気圧以 であることが好ましい。こうした圧力範囲 であれば、酸素は有機性廃棄物内に容易に り込むことができる、また、高価な圧力容 等を用いなくてもよい。なお、より効果的 酸素の供給からは2気圧以上10気圧以下であ ことが好ましく、さらに、より低廉な容器 観点からは、2気圧以上5気圧以下であるこ がより好ましい。
一方、後者の酸素供給手段は、密閉型容 でも開放型容器でも構わないが、そうした 器内に有機性廃棄物を入れ、その有機性廃 物に直接酸素を供給する手段であり、より 体的には、例えば複数のチューブを有機性 棄物に突き刺し、そのチューブ内に空気(酸 素)を通して有機性廃棄物内に入れるような 段を挙げることができる。なお、同様な原 であれば特に他の構造形態を備えるもので ってもよい。
酸素が存在する雰囲気下では、有機性廃 物内に存在する微生物の有機物分解による 化学反応が起こる。この生化学反応は代謝 を発生し有機性廃棄物の温度が上昇し、有 性廃棄物は約70℃前後になる。この第1の処 方法では、静置した状態では酸素が内部に 透しにくく微生物による生化学反応が起き くい泥濘状の有機性廃棄物に対し、強制的 酸素を供給するので、生化学反応が促進し 温度が上昇し、水分蒸発による適度な水分 態へ変化し、微生物の有機物分解がより一 促進され、堆肥化等も促進する。
また、この処理方法によれば、有機性廃 物内での微生物による生化学反応が酸素存 下で行われる。密閉型にすることにより、 生物反応によって副次的に発生するアンモ アの捕捉が容易となるため、効果的な臭気 策が可能であり、有機性廃棄物処理に付随 がちな周囲環境への悪臭公害も軽減するこ ができる。
以上説明した第1の処理方法によれば、静 置した状態では酸素が内部に浸透しにくく微 生物による生化学反応が起きにくい泥濘状の 有機性廃棄物であっても、その内部に酸素を 強制的に供給することにより、有機性廃棄物 の生化学反応を促進させ且つ継続させること ができ、有機性廃棄物の堆肥化・資源化を実 現できる。こうした処理方法は、加熱や送風 による乾燥を行ったり、オガクズ等の農業副 産物を混ぜたりする従来技術とは異なり、含 水率の高い有機性廃棄物の微生物分解を促進 させて堆肥化を実現でき、また乾燥による減 量化を実現できる。
(第2の処理方法)
次に、第2の処理方法について説明する。第
2の処理方法は、上記した第1の処理方法と同
、静置した状態では酸素が内部に浸透しに
く微生物による生化学反応が起きにくい有
性廃棄物(特に泥濘状のもの)に対し、その
化学反応を促進させて堆肥化・資源化させ
第1反応段階と、さらにその有機性廃棄物を
量化し又は炭化する第2反応段階とを備える
処理方法である。詳しくは、その有機性廃棄
物の内部に酸素を強制的に供給し、酸素が供
給された前記有機性廃棄物の内部温度を前記
生化学反応によって上昇させ、上昇した温度
を維持して前記生化学反応を継続する第1反
段階と、この第1反応段階後の有機性廃棄物
、酸素と一酸化炭素の存在下に保持して発
反応を生じさせ、その有機性廃棄物を減量
又は炭化させる第2反応段階とを有する方法
である。
この第2の処理方法において、第1反応段 は、上記第1の処理方法と同じであるので、 記第1の処理方法の説明欄で説明した技術的 事項(有機性廃棄物、その含水率、酸素の供 等)や作用効果についての説明はここでは省 する。
第2反応段階は、第1反応段階後の反応が こるステップであり、第1反応段階後、すな ち第1の処理方法で処理された後の有機性廃 棄物を、酸素と一酸化炭素の存在下に保持し て発熱反応を生じさせ、その有機性廃棄物を 減量化又は炭化させる反応段階である。
第2反応段階での有機性廃棄物は、第1反 段階で少なくとも55℃以上の温度になってい ることが必要である。また、含水率は特に限 定されないが、第一反応段階開始時と同じか 、もしくはやや水分が減少している程度であ る。例えば、30%~80%未満程度の範囲になって る場合が多い。
こうした有機性廃棄物を酸素と一酸化炭 の存在下に保持することによって発熱する とを本発明者は見出した。この第2反応段階 は、こうした発熱反応を生じさせる段階であ り、その結果、有機性廃棄物を減量化又は炭 化させることができる。
この発熱反応の詳細は十分には明らかで ないが、有機性廃棄物に酸素が反応して二 化炭素を発生させるときの発熱反応と、有 性廃棄物に酸素が反応して一酸化炭素を発 させる発熱反応と、一酸化炭素と酸素とが 応して二酸化炭素を発生させる発熱反応と 、少なくとも1以上含む反応であると考えら れる。
第2反応段階は、密閉環境下で行われるも のであっても、大気開放環境下で行われるも のであってもよいが、少なくとも大気中と同 程度の酸素が存在していればよい。なお、第 1反応段階が密閉環境下で行われた場合は、 2反応段階も引き続き第1反応段階と同じ密閉 環境下で行われてもよいし、第2反応段階は 気開放環境下で行われてもよい。第1反応段 と第2反応段階の反応環境を満たすものであ れば、その逆であってもよい。
第2反応段階では、一酸化炭素の存在が必 須である。一酸化炭素は第1反応段階で得ら た有機性廃棄物が酸素と不完全に反応して 成される。こうして生成された一酸化炭素 濃度は、50ppm以上、好ましくは100ppm以上であ る。一酸化炭素の濃度が50ppm以上であること より、第2反応段階での発熱反応が活発に行 われ、温度が顕著に上昇し、有機性廃棄物の 乾燥や炭化を進行させることができる。一酸 化炭素の濃度が50ppm未満では、50ppm以上存在 る場合に比べて発熱反応がやや不十分で温 もあまり上がらないことがあり、有機性廃 物の乾燥や炭化の進行が鈍くなる。
一酸化炭素は有機性廃棄物と酸素とが反 して生じるが、そうした一酸化炭素は第2反 応段階が行われる環境全体の濃度として含ま れていてもよい。この場合の有機性廃棄物は 、一酸化炭素が大気中に開放されない密閉環 境に置かれていることが好ましい。
一方、有機性廃棄物の内部で発生した一 化炭素は、有機性廃棄物の外にあまり放出 れず、その内部でさらに酸素と反応して発 反応を起こしてもよい。したがって、この 合の有機性廃棄物は大気開放環境に置かれ いてもよい。もちろん密閉環境下であって 構わない。なお、このように、内部で発生 た一酸化炭素が有機性廃棄物の外にあまり 出されない状態とは、有機性廃棄物の内部 一部が部分的に通気性が悪く、局所的に一 化炭素が発生する場合等を挙げることがで る。
第2反応段階での有機性廃棄物の温度は、 少なくとも55℃以上であることが好ましく、 70℃前後以上であることがより好ましい。 にこの温度が重要になるのは、第1反応段階 ら第2反応段階に移行する場合である。すな わち、第1反応段階では、微生物による生化 反応により温度が上昇し、通常、その温度 約70℃前後にまで上昇する。この約70℃前後 温度であれば、第2反応段階は容易に始まり 、有機性廃棄物と酸素乃至一酸化炭素との発 熱反応や、一酸化炭素と酸素との発熱反応が 容易に起こりやすい。一方で、そうした温度 に到達していなくても、少なくとも55℃以上 温度に有機性廃棄物がなっており、そこに 素と一酸化炭素が供給されれば、前記の各 熱反応が起こって温度上昇が起こり、さら 発熱反応が起こりやすくなる。
有機性廃棄物の処理に要する時間(期間) 、処理対象である有機性廃棄物の種類や含 率等の状況にもよるが、上記第1の処理方法 この第2の処理方法の第1反応段階に係る約70 ℃前後までの昇温に要する日数としては、通 常、0.5日以上、3日以下程度であり、この第2 処理方法の第2反応段階に係る例えば100℃、 200℃といった高温に到達するまでの日数とし ては、3日以上、14日以下程度である。したが って、有機性廃棄物の処理量との関係で、処 理容器乃至後述の処理装置を複数台準備して 行うことが好ましい。
以上説明した第2の処理方法によれば、上 記第1の処理方法である第1反応段階の後の第2 反応段階として、その有機性廃棄物を、酸素 と一酸化炭素の存在下に保持して化学反応を 生じさせることにより、微生物分解による自 己発熱が終了する温度(約70℃前後)を超えて10 0℃、200℃と温度を上昇させることができる その結果、有機性廃棄物を十分に堆肥化で 、さらに乾燥して減量化でき、また、その 度がさらに上がることによって炭化でき、 コストの下でより減量化を実現できる。こ 第2の処理方法によれば、十分に堆肥化した 態で乾燥乃至炭化させることができるので 自然界に再び廃棄しても従来のような元の 濘状の有機性廃棄物に戻らない。
また、特に好ましくは、有機性廃棄物の 度を少なくとも55℃以上とし、第1反応段階 の有機性廃棄物を発生源とした一酸化炭素 濃度を50ppm以上とした環境下とすることに り、第2反応段階が容易かつ効率的に進行す 。その結果、微生物分解による自己発熱が 了する温度(約70℃前後)を超え、100℃、200℃ という高い温度にまで温度上昇を容易に起こ すことができる。
(第3の処理方法)
次に、第3の処理方法について説明する。第
3の処理方法は、上記した第2の処理方法と同
第2反応段階に係るものであるが、上記した
第1及び第2の処理方法とは異なり、泥濘状に
らない有機性廃棄物の減量化・廃棄化を実
するものである。詳しくは、第2の処理方法
における第2反応段階と同様、酸素と一酸化
素の存在下に保持することにより発熱反応
生じる有機性廃棄物を、その有機性廃棄物
温度を少なくとも55℃以上とし、前記一酸化
炭素の濃度を50ppm以上とした環境下に置いて
熱反応を生じさせ、前記有機性廃棄物を減
化又は炭化させる方法である。
この第3の処理方法では、有機性廃棄物の 含水率は関係なく、泥濘状であってもなくて もよい。したがって、第1の処理方法や第2の 理方法の第2反応段階を経ない有機性廃棄物 であっても適用される。例えば、すでに堆肥 化された有機性廃棄物を用いてもよく、また 、含水率が低い乳牛ふん、木材チップ、玄米 等のような炭素を基質に持つドライ系のバイ オマス材料を有機性廃棄物として用いてもよ く、いずれもこの第3の処理方法を適用して り減量化したり炭化したりすることもでき 。なお、一酸化炭素はこうした有機性廃棄 を発生源とすることが好ましい。
なお、第3の処理方法での有機性廃棄物の 温度や一酸化炭素濃度は、第2の処理方法の 2反応段階と同様であるのでここではその説 を省略する。
以上説明した第3の処理方法によれば、酸 素と一酸化炭素の存在下に保持することによ り発熱反応が生じる有機性廃棄物(バイオマ 材料)を上記温度と一酸化炭素濃度雰囲気下 置くことにより、発熱反応が生じ且つその 熱反応が著しく促進され、100℃、200℃と温 を上昇させることができる。その結果、有 性廃棄物(バイオマス材料)を十分に乾燥し 減量化でき、また、その温度がさらに上が ことによって炭化でき、低コストの下でよ 減量化を実現できる。そして、この第3の観 に係る処理方法によれば、十分に乾燥乃至 化させることができるので、自然界に再び 棄しても従来のような元の泥濘状の有機性 棄物に戻らない。
(処理装置)
次に、有機性廃棄物の処理装置について説
する。図2は、本発明の有機性廃棄物の処理
装置の一例を示す構成図である。図2に示す
理装置は、有機性廃棄物を密閉環境下に置
、その環境を微加圧状態にして上記本発明
処理方法を適用する装置である。詳しくは
図2に示すように、有機性廃棄物を出し入れ
能に収容する密閉可能な容器2と、その容器
2内の圧力を大気圧を超え15気圧以下に制御で
きる圧力制御装置と、を備えている。
容器2は、有機性廃棄物を収容し、例えば 大気圧を超え15気圧以下の内圧に耐えること できる容器である。容器2は、有機性廃棄物 を出し入れできる開閉部(図示しない)を備え いるが、その開閉部は蓋状であってもよい 扉状であってもよく特に限定されない。容 の材質は特に限定されないが、有機性廃棄 に対して耐腐食性があり、また、耐熱性の る材質からなるものであればよく、例えば テンレス鋼等を例示できる。
この容器には、一酸化炭素濃度計や温度 (いずれも図示しない)が設けられているこ が好ましい。温度計は、上記した本発明の 理方法で説明した生化学反応時や化学反応 の温度を測定し、各反応の進行状況等の確 に便利である。また、一酸化炭素計は、上 した本発明の処理方法で説明した化学反応 の一酸化炭素濃度を測定し、化学反応の進 状況等の確認に便利である。こうした測定 置は、市販のものを用いることができ、そ 取付場所も任意である。
また、圧力計(図示しない)も設けられて ることが好ましい。圧力計は、容器内部の 力を測定し、容器2内の圧力を調整するため 利用される。
圧力制御装置は、容器2内の圧力を所定の 圧力に調整するための装置である。図2に示 装置10では、高圧ガスボンベ1と、ボンベ1と 器2とを連結する入気管3と、入気管3の途中 ボンベ1又は容器2に設けられて容器内に入 るガス量を調整する第1弁4と、容器2内のガ を排気する排気管5と、容器2又は排気管5に けられて容器2内のガス量を調整する第2弁6 、を備えている。
高圧ガスボンベ1は、圧縮空気が入ったボ ンベ等を例示できる。第1弁4と第2弁6は、コ ク式の手動制御弁であってもよいが、圧力 からのデータに基づいて駆動する自動制御 であることが好ましい。容器2内の圧力を正 に制御することができれば、有機性廃棄物 反応を安定して行うことができる。
なお、図2に示す処理装置10は、本発明の 理装置の一例であって、図示の構造形態に 定されるものではない。ボンベ1に代え、圧 縮ポンプやコンプレッサー等の圧力印加手段 を適用してもよい。また、容器内の圧力が内 部温度の上昇に伴って上昇してもボンベ側に 逆流するのを防ぐ圧力逆止弁(図示しない)が 気管3に設けられていてもよい。また、容器 2の周囲には断熱チャンバー7を設けることが ましい。この断熱チャンバー7は、容器7の 度を保温することができ、容器内での有機 廃棄物の微生物による第1反応段階である生 学反応速度及び第2反応段階である化学反応 速度を低下させないように作用する。
こうした処理装置10によれば、密閉可能 容器と圧力制御装置とを備えるので、例え 静置した状態では酸素が内部に浸透しにく 微生物による生化学反応が起きにくい泥濘 の有機性廃棄物をその容器内に入れ、密閉 に所定の圧力を加えることにより、有機性 棄物内に酸素を強制的に供給することがで る。その結果、有機性廃棄物内では微生物 解による生化学反応が起き、例えば堆肥化 乾燥を促進させることができる。特に制御 る圧力はあまり高くはないので、高価な圧 容器を採用する必要もない。したがって、 発明の処理装置は、上記した有機性廃棄物 処理方法を容易かつ低コストで実施するこ ができる。
(熱エネルギーの利用方法)
次に、上記本発明の処理方法時の発熱原理
活用した熱エネルギーの利用方法について
明する。本発明の熱エネルギーの利用方法
、上記本発明の第2の観点に係る有機性廃棄
物の処理方法を構成する第2反応段階を実施
ることにより生じた熱、又は、上記本発明
第3の観点に係る有機性廃棄物の処理方法を
施することにより生じた熱、を熱源として
用する方法である。
この熱エネルギーの利用方法は、上記第2 の処理方法の第2反応段階や第3の処理方法に いて、酸素と一酸化炭素の存在と所定の温 以上の環境下に有機性廃棄物を置いたとき その有機性廃棄物が化学反応して発熱し、 度が高温まで上昇することを利用する。
具体的な利用方法としては、容器内で有 性廃棄物の処理を行い、その容器内で発生 た水蒸気を熱源として熱交換する方法を挙 ることができる。この場合は、熱交換器が いられるが、その熱交換器は、容器から高 水蒸気を導入して高温側熱源として外部に エネルギーを供給するように、容器に直接 は配管を介して設けられる。
また、容器内で有機性廃棄物の処理を行 、その容器内で発生した水蒸気を冷媒用熱 として用いて冷暖房に利用する方法も挙げ ことができる。
温度が例えば100℃、200℃といった高温に 達するまでの日数としては、3日以上、14日 下程度であるので、化学反応で生じる熱を 源として利用する場合には、例えば図2に示 す処理装置を複数台併設し、有機性廃棄物の 投入時期を順次ずらして運転することにより 、連続的な熱源として利用することができる 。
こうした利用においては、熱交換機で冷 された水蒸気を再度処理容器内に還流させ 水分を循環利用することが好ましい。こう ることにより、有機性廃棄物の炭化を抑制 、有機性廃棄物を発熱用原料として比較的 時間持続的に利用することができる。
次に、具体的な実験例を示して本発明の 機性廃棄物の処理方法についてさらに詳し 説明する。
(実験1)
実験1として、微高圧下での反応実験を行っ
た。実験試料として、宇都宮大学農学部附属
農場から採取した乳牛ふんを用い、これを約
50~60%w.b.の含水率に調整し、約15時間30℃で静
した後に実験に供した。実験装置は、図2に
示したのと同様の構造形態からなる微高圧反
応装置を用い、1Lの反応槽に試料220g(含水率:5
1.6w.b.%)を入れた。反応槽の排気口を閉じ、空
気ボンベから反応槽内に空気を送り、槽内の
圧力を1MPaに維持した。この実験は、用いた
験装置の特性を考慮し、温度が約110℃から12
0℃に達した時点で終了した。
実験1の反応中のガス分析を行った。反応 中のガス濃度は、ガス検知器(GASTEC、Japan)を 用して計測した。微高圧反応では、1Lのガス 採取袋でガスを採取したのち測定し、常圧反 応では、反応槽の排気反応槽の排気記から直 接測定した。分析対象としたガスは、酸素、 一酸化炭素、二酸化炭素及びアンモニアとし た。
(実験2)
実験2として、常圧下での反応実験を行った
。実験試料は、上記実験1のものと同じもの
実験に供した。実験装置も実験1と同じ装置
用い、1Lの反応槽に試料250g(含水率:61.0w.b.%)
入れた。反応槽には約0.6L・min -1
・kg-vm -1
の空気を通気した。約70℃前後の堆肥化温度
到達した後、反応槽の入気口と排気口とを
じ、常圧下で反応槽を密閉した。この実験
、用いた実験装置の特性を考慮し、温度が
110℃から120℃に達した時点で終了した。な
、実験2においても、実験1と同様のガス分
を行った。
(温度変化の結果)
図3は、実験1(微高圧反応実験)と実験2(常圧
応実験)による温度変化を示すグラフである
。図3中、符号Aは実験1の微高圧反応実験を指
し、符号Bは実験2の常圧反応(コンポスト化+
応槽密閉)を指し、符号Cは実験2において反
槽を密閉(コンポスト化)した約75℃の時点を
している。実験1の微高圧反応実験では、約
70℃から約90℃付近まではほぼ直線的に温度
上昇し、その後指数関数的に温度が上昇し
いる。また、実験2の常圧反応実験では、温
は反応槽を密閉した約75℃から実験が終了
るまで直線的に上昇した。いずれにおいて
、双方とも、通常の堆肥化では起こりえな
約120℃もの高温に達した。なお、高温に耐
る容器を用いて確認したところ、双方の温
は到達日数の違いはあったが、いずれも200
まで至ったことを確認している。
(熱発生速度の結果)
実験1と実験2において、得られた温度プロ
ァイルを解析して熱発生速度を算出し、そ
結果を図4に示した。図4中、符号Aは実験1の
高圧反応実験を指し、符号Bは実験2の常圧
応(コンポスト化+反応槽密閉)を指している
双方とも常温から約70℃までは、約40℃と約6
0℃に熱発生速度のピークが観察され、明ら
に通常の堆肥化でも観察される中温微生物
高温微生物による活性のピークであると理
される。但し、常圧反応実験のほうが、約70
℃までの微生物活性は高いことがうかがえる
。
一方、約70℃以上の反応は、通常の堆肥 では考えられず、微生物に因る反応とは考 にくい。このことから、微高圧反応実験、 圧反応実験ともに、温度の上昇に伴い二種 の反応が進行しているといえる。すなわち 図4に示すように、常温から約70℃付近(PhaseA) までの反応と、約70℃以上(PhaseB)で生じる反 である。PhaseAでの反応は、堆肥化と同様の 応であり、微生物による有機物分解の結果 代謝熱が発生し温度が上昇する生化学反応 あると理解され、一方、PhaseBでの反応は、 常の堆肥化では全く見られない反応であり 化学的な反応が温度を上昇させていると理 される。
(実験1のガス分析結果)
図5は、実験1の微高圧反応実験における温
とガス濃度の変化を示すグラフである。反
開始直後は、微生物の活動により酸素が消
され、酸素濃度が低下し二酸化炭素濃度が
昇した。温度が約80℃付近までは酸素濃度、
二酸化炭素濃度ともにほぼ横ばいに推移して
いたが、約80℃以上で酸素濃度は低下し、二
化炭素濃度は上昇に転じた。
一方、一酸化炭素濃度は、時間とともに上 しており、約80℃以上での一酸化炭素の上 が顕著であった。約90℃以上での酸素濃度の 低下は、試料(乳牛ふん)を構成する炭素と酸 と反応(C+O 2 =CO 2 +94.1kcal、C+1/2O 2 =CO+26.4kcal)、及び、一酸化炭素と酸素と反応(C O+1/2O 2 =CO 2 +67.6kcal)により、酸素が消費されたことに起 していると推察される。同様に、上記反応 よって二酸化炭素濃度が上昇したと考えら る。また、上記反応は発熱反応なので、こ した各化学反応がPhaseBでの温度上昇に起因 ていると考えられる。
(実験2のガス分析の結果)
図6は、実験2の常圧反応実験における温度
ガス濃度の変化を示すグラフである。反応
始直後は、微高圧反応と同様に、微生物活
の結果、酸素濃度が低下し二酸化炭素濃度
上昇した。但し、約75℃まで常圧反応実験は
通気を行っており、通常の堆肥化反応と変わ
りないので、一旦低下した酸素濃度は再び上
昇し、同様に二酸化炭素濃度も低下した。一
方、一酸化炭素濃度は、通常の堆肥化反応で
も10~50ppm程度の一酸化炭素が排出されていた
また、アンモニアは、温度が約70℃以上で
い排出濃度を示した。
常圧反応では、堆肥化(PhaseA)での最高温 が約75℃であり、その時点から反応槽の入気 口と排気口を閉じて密閉とした。その直後か ら酸素濃度が急激に低下し、ガス検知管の検 出範囲である6%以下にまで低下した。それに い、微高圧反応の時と同様の化学反応によ 、二酸化炭素濃度は上昇したと思われる。 方、一酸化炭素は反応槽を密閉した後、急 に増加し始め、約100℃で1500ppmまで上昇した 。しかしながら、約80℃~約100℃で酸素濃度が 検出限界以下に推移したにも関わらず、一酸 化炭素濃度や二酸化炭素濃度は大幅に高くな った。このように一酸化炭素と二酸化炭素が 生成されるには、炭素や二酸化炭素と結合す るための酸素が必要であるが、分析結果では 酸素濃度は非常に低いため、未だ明らかでは ないが、その酸素は有機性廃棄物成分から供 給されていると推察される。
常圧反応における温度上昇のメカニズムも 微高圧反応と同様に、常温~約70℃までのPhas eAでは、微生物による生化学反応で温度が上 し、約70℃~約120℃を超える高温は、C+O 2 =CO 2 +94.1kcal、C+1/2O 2 =CO+26.4kcal、CO+1/2O 2 =CO 2 +67.6kcal、の化学反応によって温度が上昇する と考えられる。また、温度は圧力の有無に関 わらず非常に高い温度まで上昇することが明 らかになった。但し、常圧反応では、PhaseBに おける温度上昇が直線的であるのに対して、 微高圧反応では約90℃から温度や熱発生速度 指数関数的に上昇しており、約90℃以上で 圧力が指数関数的な温度の上昇に寄与して ると推測される。
(PhaseBでの一酸化炭素効果の検証)
図7は、空気と一酸化炭素のみの気体反応実
験の温度変化の結果を示すグラフである。Pha
seBの反応が、一酸化炭素を中心としたガスの
みに因る反応であるならば、空の反応槽に空
気と一酸化炭素のみを充填するだけで温度は
上昇するはずである。反応槽に空気と一酸化
炭素を充填し、温度を約60℃から約80℃に強
的に加温した結果、常圧でも微高圧でも空
と一酸化炭素のみで温度が上昇することが
認された。無論、対照区として空気のみで
高圧反応を行った場合、温度は上昇しなか
た。但し、反応槽に空気と「乳牛ふんの微
圧反応後のガス」を混合し、実験を行った
果、一酸化炭素濃度が100ppmのときは温度が
昇したが、一酸化炭素濃度が25ppm以下の時は
温度が低下した。温度を上昇させるには最低
限の一酸化炭素濃度が必要であると推察され
た。
一方、空気と一酸化炭素の反応を常温か 行った場含、常圧でも微高圧でも温度の上 は観察されなかった。よって、空気と一酸 炭素の反応を開始させるには、ある程度の 度が必要であると考えられる。以上のこと ら、PhaseBの反応は、気体による化学反応で り、一酸化炭素が関与していることが実証 れた。加えて、反応を開始させるには、最 限の温度と一酸化炭素濃度が必要であるこ も明らかになった。
(ドライ系バイオマスの微高圧反応)
図8は、乾燥させた乳牛ふんを約50℃~約70℃
加温した後、微高圧反応を行った時の温度
化を示したグラフである。70℃から微高圧
応を開始させた場合、含水率が0%w.b.の場合
さえも温度は上昇した。よって、試料の含
率はPhaseBの気体反応には関与しないことが
認された。一方、常圧で開始した対象区(含
率69.5%w.b.)のときは、温度が低下した。これ
は、温度上昇反応に必要な一酸化炭素濃度が
常圧下では十分に排出されなかったためと思
われる。それゆえ、圧力は、基質である試料
から一酸化炭素を発生させやすい効果を持つ
と推察される。
また、微高圧反応実験の開始温度を55℃ 設定した場合も温度の上昇が確認されたが 50℃から微高圧反応実験を開始した場合は温 度の上昇は確認されなかった。そのため、Pha seBの一酸化炭素を中心とした気体による化学 反応は、最低55℃以上で反応が開始されると えられる。
図9は、乳牛ふん以外のドライ系バイオマ ス(木材チップ、玄米)の微高圧反応の温度変 を示したグラフである。約70℃から微高圧 応を行った場合、木質チップ、玄米ともに 度は上昇した。これは、一酸化炭素を発生 せるための有機物(Cを含むもの)さえ存在す ば、温度を上昇させることが可能であるこ を意味する。一方、木質チップを53℃から微 高圧反応を行った場合は温度が低下した。こ れは、乾燥させた乳牛ふんと同様、PhaseBの気 体反応は、55℃以上で開始されるという結果 補完する。
(PhaseBにおける有機物分解)
表1は、PhaseBの気体反応前後におけるVM率(有
機物含有率)の変化を示したものである。Phase
Bでは、反応前後でVM率はほとんど変化せず、
有機物の分解は期待できない。常温から始ま
る微高圧反応・常圧反応での有機物分解は、
PhaseAでの微生物による有機物分解が大部分を
占めると理解される。
以上、図3~図9及び表1の結果から以下のこと
がいえる。
(1)微高圧反応、常圧反応(堆肥化十反応槽密
)の双方とも、120℃以上(約200℃程度まで確認
済み)の高温を発生させることができる。
(2)微高圧反応、常圧反応双方とも以下の2種
の反応によって温度が上昇する。
反応1(PhaseA:常温、約70℃):微生物の有機物分
解により代謝熱が発生する生化学的反応、
反応2(PhaseB:約70℃~):有機物から発生した一
化炭素が関与する以下の気体化学反応、
C+O 2
=CO 2
+94.1kcal(394.3kJ)
C+1/2O 2
=CO+26.4kcal(110.6kJ)
CO+1/2O 2
=CO 2
+67.6kcal(283.7kJ)
(3)PhaseBの気体化学反応は、一酸化炭素(50ppm以
上)、温度55℃以上で反応が開始されると推測
される。但し、微生物による発熱が期待でき
る場合は、70℃までの温度上昇には発熱量が
きい微生物の生化学反応を利用した方が効
的である。
(4)PhaseBの気体化学反応は、含水率に依存しな
い、また、炭素を基質に持つ物であれば、ど
のようなものでも温度を上昇させることがで
きる可能性がある。
(5)通常の堆肥化反応でも一酸化炭素は排出さ
れる。
1 高圧ガスボンベ
2 容器
3 入気管
4 第1弁
5 排気管
6 第2弁
7 断熱チャンバー
A 微高圧反応
B 常圧反応(コンポスト化+反応槽密閉)
C 反応槽を密閉(コンポスト化)
