北山 正男 (〒86 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 日本山村硝子株式会社内 Hyogo, 6628586, JP)
SUEKI, Atsushi (2-21, Hamamatsubara-ch, Nishinomiya-shi Hyogo 86, 6628586, JP)
末木 敦 (〒86 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 日本山村硝子株式会社内 Hyogo, 6628586, JP)
日本山村硝子株式会社 (〒86 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 Hyogo, 6628586, JP)
KITAYAMA, Masao (2-21, Hamamatsubara-ch, Nishinomiya-shi Hyogo 86, 6628586, JP)
北山 正男 (〒86 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 日本山村硝子株式会社内 Hyogo, 6628586, JP)
SUEKI, Atsushi (2-21, Hamamatsubara-ch, Nishinomiya-shi Hyogo 86, 6628586, JP)
| アスベスト廃棄物を都市ゴミ焼却灰と共に溶融してガラスを製造する方法であって,アスベスト廃棄物10~70重量%,都市ごみ焼却灰10~80重量%,及びガラスカレット10~50重量%の比率でガラス溶融窯に投入しこれを加熱溶融することを特徴とする方法。 |
| アスベスト廃棄物,都市ごみ焼却灰,及びガラスカレットの配合比率を示す三元組成図において座標点を(アスベスト廃棄物の重量%,都市ごみ焼却灰の重量%,ガラスカレットの重量%)として表すとき,点A(20,70,10),B(50,40,10),C(60,20,20),D(60,10,30),E(50,10,40)及びA(20,70,10)をこの順に線分で連結してなる閉じた図形上の点(各線分上をの点を含む)に対応する配合比率で各材料がガラス溶融窯に投入されるものである,請求項1の方法。 |
| アスベスト廃棄物,都市ごみ焼却灰,及びガラスカレットの配合比率を示す三元組成図において座標点を(アスベスト廃棄物の重量%,都市ごみ焼却灰の重量%,ガラスカレットの重量%)として表すとき,A(20,70,10),B(50,40,10),D(60,10,30),E(50,10,40)及びA(20,70,10)をこの順に線分で連結してなる閉じた図形上の点(各線分上の点を含む)に対応する配合比率で各材料がガラス溶融窯に投入されるものである,請求項1の方法。 |
| アスベスト廃棄物,都市ごみ焼却灰,及びガラスカレットの配合比率を示す三元組成図において座標点を(アスベスト廃棄物の重量%,都市ごみ焼却灰の重量%,ガラスカレットの重量%)として表すとき,点B(50,40,10),D(60,10,30),E(50,10,40)及びB(50,40,10)をこの順に線分で連結してなる閉じた図形上の点(各線分上の点を含む)に対応する比率で各材料がガラス溶融窯に投入されるものである,請求項1の方法。 |
| ガラスカレットがびんガラスカレット及び/又はブラウン管パネルガラスカレットである,請求項1ないし4の何れかの方法。 |
| ガラス溶融窯に投入されたアスベスト廃棄物,都市ごみ焼却灰及びガラスカレットの配合物の溶流点が1300℃以下である,請求項1ないし5の何れかの方法。 |
| ガラス溶融窯に投入されたアスベスト廃棄物,都市ごみ焼却灰及びガラスカレットの配合物の溶流点が1250℃以下である,請求項1ないし5の何れかの方法。 |
| 加熱溶融してなる溶融ガラスのSiO 2 含量が34重量%以上であり、且つNa 2 O含量とK 2 O含量との合計が5.0重量%以上である、請求項1ないし7の何れかの方法。 |
本発明は,アスベスト(石綿)を安全な物質 と返還するための方法に関し,より詳しくは アスベストの結晶を融解しガラス化させて安 全化する方法に関する。
アスベストは,耐摩耗性,耐熱性,柔軟性,耐 薬品性,電気絶縁性などの特性に非常に優れ 天然産の繊維状含水ケイ酸塩鉱物である。 前よりアスベストの吸引による肺癌や中皮 のリスクが指摘されてきたが,材料としての れた物性のため,また安価であるため,各種 断熱材,遮音材,摩擦材などとして,建設材料, 調機器,家電製品,車両等に,過去大量に使用 れてきた。近年になってアスベストを製造 場やその周辺住民の間でのアスベストに特 的な疾患である中皮腫の高頻度の発生が表 化し,社会問題となっている。現在では,ア ベストの新規使用は,代替方法のない一部の 殊な分野にのみ限定され,その他については 既に禁止されている。しかしながら,高度成 期に建てられた建造物が老朽化し解体処理 進められるに伴って,大量のアスベスト廃棄 が発生しつつある。
現在,アスベストを含んだ廃棄物は,年間 100万トン以上発生しており,その殆どは,予め 耐水性の材料で2重包装するか又は固形化し, れらが飛散や流出を防止する措置を講じた で,最終処分場のうち一定の場所に埋め立て 処分されている。しかも,アスベストはかさ 重(見かけの密度・比重)が小さく,梱包やセ ント固化では容積が減らないため,処分場ま の運搬と処分には多大な費用を要している しかもアスベスト廃棄物は,既存の建造物の 解体に伴い今後長期間にわたり大量に発生し 続けることが明らかである。もとより埋め立 て処分には限度がある上,既に最終処分場の 保自体も困難となっている。加えて,梱包や メント固化ではアスベストの繊維形態はそ まま維持されているため,無害化処理とはな っていない。長期的には,最終処分場からの 散がないとは保証し得ない。従って,このよ な結晶形を保った形でのアスベストの埋め て処分は,将来にわたって見たとき,応急的 措置でしかない。このため,アスベストの実 的な無害化処理方法を早急に開発する必要 ある。
アスベストの無害化の試みは,種々行われ ている。例えば,電気ガラス溶融炉中にアス ストの分解温度より高い温度1350~1380℃でガ スの本体を維持し,これにアスベスト,苛性ソ ーダ溶液及びカレットを供給してガラス化す る方法が知られている(特許文献1)。しかしな がら,アスベストは融点が高くこの方法では 融ガラス本体を維持する必要がある。温度 高く維持するために同文献では電気炉が用 られているが,電気炉では炉の大型化は困難 ある。アスベストを含んだ廃棄物は上記の おり大量に発生しているため,これを無害化 処理する装置は,1日200トン等といった大きな 理能力がなければ実用的意味がないが,電気 炉では,そのような大規模処理への対応は困 である。電気炉の代わりにバーナー加熱に る大型のガラス溶融窯を利用することが考 られるが,アスベスト含有の溶融ガラスの全 をそのような高温に維持して連続運転しよ とすると,燃料効率が悪くなり,しかも炉の 命を大幅に縮めることにもるなるため,やは 実用的でない。
また,アスベストにケイ酸カルシウム又は 更にアルミナを添加して加熱溶融し,溶融物 急冷却することによるガラス化方法が報告 れている(特許文献2参照)。この方法ではや り電気炉が使用されているが,混合物の融点 1315℃付近,溶流点は1370℃付近と高いため,上 記の先行技術と同,アスベストを含んだ廃棄 の大量処理には実用的でない。
一方,毎年全国で大量に排出されている都 市ゴミ焼却灰は,再利用が困難で,殆どが埋め て処分されている。処分場の確保はこれに いても問題であり,埋め立て以外に,何らか 再利用ができる材料に変えることが望まし 。
都市ゴミ焼却炉から排出される都市ゴミ 却灰とアスベスト廃材とを混合して被溶融 を形成し,これを表面式溶融炉において溶融 し溶融スラグ化することかならなるアスベス トの処理方法も提案されている(特許文献3参 )。この方法においても,アスベストと都市 ミ焼却灰の混合物の溶流点は,混合物中のア ベストの重量比が10,20,30及び40%の場合,1297℃ ,1364℃,1375℃及び1445℃であり,実質量のアスベ スト(30~40重量%)を処理するには1375℃台以上の 温度が必要となり,やはり燃料効率が悪いと う問題がある。
また,アスベストを含有する廃棄物に溶融 助剤として硝酸化合物,リン酸化合物,ケイ酸 合物,炭酸化合物及びアルカリ土類金属等を 混合し,必要に応じて溶融促進剤等の添加剤 添加し,溶融窯中で高温加熱してアスベスト ガラス化するか又は他の結晶構造を有する 質に返還することによる,アスベスト廃棄物 の処理方法が提案されている(特許文献4参照) 。この方法は,混合物の溶融温度を下げるた に硼砂を大量に添加する必要があるが,経済 が悪く,かつ安全上無害ではなく,しかも炉 寿命を大幅に縮めることにもなるため,実用 は困難である。
アスベストを含むスレート廃材を粉砕せ に,ホウ酸,ホウ酸と炭酸ナトリウムの混合 ,又はホウ砂と炭酸ナトリウムの混合物から る融解剤の水溶液に浸漬し,それを減圧下又 は加圧下に置いて融解剤をスレート廃材の表 面からスレート内部の空隙内に含浸させ,780 ~1000℃の範囲に加熱し,スレート廃材中のア ベストを溶融させてガラス化させる方法も 案されている(特許文献5参照)が,上記の技術 同様の問題により,やはり実用化は困難であ る。
更には,廃アスベスト材を,酸素燃焼型バ ナーを備え珪石を炉壁材とする横型回転炉 で加熱溶融してガラス化する処理方法が提 されている(特許文献6参照)。しかしながら, の方法は,1300~1700℃,好ましくは1400~1600℃で われるものであり,温度が高い上,一部溶融す る炉壁材とアスベストとの反応を利用してお り,炉壁が消耗するから,連続運転は困難であ ,また回転炉であるため大型化も困難である ため,アスベストの大規模処理には適さない
アスベスト廃棄物にCaF 2 源を,溶融物の成分がCaF 2 5~15%となるように加えて溶融,凝固してガラス 質とするアスベスト廃棄物の処理方法が提案 されている(特許文献7参照)。しかしながらこ の方法は,電気抵抗加熱炉を用い1300~1400℃と う高い溶融温度で処理を行うものであり,上 先行技術と同様の問題がある。
廃アスベスト材を廃紙,廃木材,廃プラス ックからなる群の少なくとも一種と燃焼さ るアスベスト処理方法も提案されている(特 文献8参照)。しかしながらこの方法は,燃焼 より有害物質(ダイオキシン等)の発生を誘 させる恐れがあると考えられ,しかも有用資 の消耗を招いてしまうため,やはり実用化は 困難である。
このような背景にあって,アスベストを溶融
させてガラス化させることのできる方法であ
って,アスベスト含有廃棄物を大規模スケー
で処理することを可能にする方法が求めら
ている。
アスベスト廃棄物と都市ゴミ焼却灰とを合
せて同時に溶融しガラス化することができ
ば,アスベストの結晶は消失し無害化する上
,都市ゴミ焼却灰とともに安定な材料として,
盤材その他種々の用途に再利用できる。大
に発生するアスベスト廃材及び都市ゴミ焼
灰を大きなスケールでガラス化処理するた
には,ガラスびんの製造に用いられているよ
うな,重油又はガスの燃焼を用いた大型の連
式タンク窯を用いることが好ましい。しか
ながら,そのためには,連続運転が可能である
よう,できるだけ低い温度でのアスベスト及
都市ゴミ焼却灰の溶融及び流動を達成する
とが必要である。これはまた,アスベストと
市ゴミ焼却灰とを含有する溶融ガラスが一
形成されても,それが連続式タンク窯内で結
晶化する,ということを避ける上でも極めて
要である。
すなわち,窯内の溶融ガラスに温度の不均一
が存在することは本来避け難く,このため,ア
ベストと都市ゴミ焼却灰を含有する溶融ガ
スの溶流点(ガラスの自由な流動が可能とな
る温度)が高いほど,溶流点より低い温度領域(
通常は底部)が窯内に生じ易くなる。特に,窯
のガラスの深さや色にもよるが,ガラスの上
層部と下層部(底部)の間には100~400℃の温度差
があるのが一般的である。窯内の溶融ガラス
に溶流点以下の領域が生ずると,その部位の
ラスの流動性が低下し,バブリングなどによ
ガラスの流れを利用した熱伝導が阻害され
,その領域のガラスに結晶化が起こり易くな
る。ガラスに一旦結晶化が起こると,その部
のガラスの流動性は極度に低下する。これ
温度の不均一を一層拡大させて更なる結晶
を促し,その悪循環によって窯内の大半を流
性のない結晶化したガラスで埋めてしまう
ととなる。このような事態が生じたときは,
最早その溶融窯内の結晶化ガラス(流動性が
い)を結晶化前の流動性のあるガラスに戻す
とはできない。従って,冷却するまで放置し
た後,窯を解体処分する他にない。こうして,
続式タンク窯の連続運転が不能となること
もとより,窯自体が破壊されることとなる。
現状では,アスベスト含有の溶融物の溶流点
高く,このような高い運転リスクがあるため,
連続式タンク窯によるアスベスト及び都市ゴ
ミ焼却灰の大規模ガラス化処理は,不可能で
る。これを可能にするには,上に述べたよう
窯内のガラスの上層部と下層部との間に温
差が生ずるのが避け難いことも考慮すると,
溶融物の溶流点を1300℃以下とすることが好
しく,1250℃以下とするのがより好ましい。
従って,本発明の目的は,アスベスト,特に スベスト廃棄物と都市ゴミ焼却灰を,好まし くは溶流点1300℃以下,より好ましくは溶流点1 250℃以下の溶融物として溶融させて,アスベ トの結晶が残らない形でガラス化すること 可能にする方法の提供にある。
本発明者は,アスベストと都市ゴミ焼却灰 に加えてガラスカレットを所定の比率で窯内 に投入して加熱したとき,連続式タンク窯に る連続運転が可能となる温度,すなわち好ま くは溶流点1300℃;以下,より好ましくは溶流 1250℃以下の溶融ガラスを得ることができる ことを見出し,本発明を完成させた。すなわ 本発明は以下を提供するものである。
1.アスベスト廃棄物を都市ゴミ焼却灰と共
溶融してガラスを製造する方法であって,ア
ベスト廃棄物10~70重量%,都市ごみ焼却灰10~80
量%,及びガラスカレット10~50重量%の比率で
ラス溶融窯に投入しこれを加熱溶融するこ
を特徴とする方法。
2.アスベスト廃棄物,都市ごみ焼却灰,及びガ
ラスカレットの配合比率を示す三元組成図(
1)において座標点を(アスベスト廃棄物の重
%,都市ごみ焼却灰の重量%,ガラスカレットの
量%)として表すとき,点A(20,70,10),B(50,40,10),C(60
,20,20),D(60,10,30),E(50,10,40)及びA(20,70,10)をこの順
に線分で連結してなる閉じた図形上の点(各
分上を含む)に対応する配合比率で各材料が
ラス溶融窯に投入されるものである,上記1
方法。
3.アスベスト廃棄物,都市ごみ焼却灰,及びガ
ラスカレットの配合比率を示す三元組成図(
2)において座標点を(アスベスト廃棄物の重
%,都市ごみ焼却灰の重量%,ガラスカレットの
量%)として表すとき,A(20,70,10),B(50,40,10),D(60,10
,30),E(50,10,40)及びA(20,70,10)をこの順に線分で連
結してなる閉じた図形上の点(各線分上を含
)に対応する配合比率で各材料がガラス溶融
に投入されるものである,上記1の方法。
4.アスベスト廃棄物,都市ごみ焼却灰,及びガ
ラスカレットの配合比率を示す三元組成図(
3)において座標点を(アスベスト廃棄物の重
%,都市ごみ焼却灰の重量%,ガラスカレットの
量%)として表すとき,点B(50,40,10),D(60,10,30),E(50
,10,40)及びB(50,40,10)をこの順に線分で連結して
なる閉じた図形上の点(各線分上を含む)に対
する比率で各材料がガラス溶融窯に投入さ
るものである,上記1の方法。
5.ガラスカレットがびんガラスカレット及
/又はブラウン管パネルガラスカレットであ
,上記1ないし4の何れかの方法。
6.ガラス溶融窯に投入されたアスベスト廃
物,都市ごみ焼却灰及びガラスカレットの配
物の溶流点が1300℃以下である,上記1ないし5
の何れかの方法。
7.ガラス溶融窯に投入されたアスベスト廃
物,都市ごみ焼却灰及びガラスカレットの配
物の溶流点が1250℃以下である,上記1ないし5
の何れかの方法。
8.加熱溶融してなる溶融ガラスのSiO 2
含量が34重量%以上であり、且つNa 2
O含量とK 2
O含量との合計が5.0重量%以上である、上記1な
いし7の何れかの方法。
本発明によれば,ガラスの大量溶融に用い られる連続式タンク窯を使用して,アスベス を連続的且つ大規模に完全にガラス化して 害化することができる。また,都市ごみ焼却 も併せて処理できる。従って,本発明は,有 なアスベスト廃棄物の蓄積という処理の問 を解決でき,最終処分場からの将来にわたる スベストの再飛散という問題を解消するこ ができる。また,本発明は,これまで廃棄物 して埋め立て処分されてきたアスベスト及 都市ごみ焼却灰という大量の廃棄物を,路盤 などのような新たな用途向けの資源として 用することを可能にする。
1=窯本体
2=原料投入機
3=酸素バーナー
4=バブラー
5=素地面計及び粘度測定装置
6=流出口
7=受け
本発明において,アスベスト廃棄物は,飛 性アスベスト及び非飛散性アスベストを包 する。「飛散性アスベスト」とは,保温材等 アスベストそれ自体,及び吹き付けアスベス ト除去物等の,アスベスト繊維が固形物に閉 込められていない,空気中に飛散し易い形態 アスベスト廃棄物をいう。また本発明にお て,「非飛散性アスベスト」とは,石綿スレ ト(平板,波板),石綿管,パルプメント板等のア スベスト成形板のような,アスベスト繊維が の物質と混合一体化して固められており,空 中に容易に飛散する虞の殆どないものをい 。なお,回収されるアスベスト廃棄物のうち ,「非飛散性アスベスト」の量が「飛散性ア ベスト」に比べて圧倒的に多いのが実情で る。
本発明において,ガラスカレットは,アスベ トと都市ごみ焼却灰との混合物に対して適 な比率で配合することにより,溶融した配合 の溶流点を低下させ,比較的低温で溶融物の 流動状態を維持する働きをする。本発明にお いて,「ガラスカレット」は,びんガラス,板ガ ラス,ブラウン管パネルガラス等を破砕した のを,同等に使用することができる。びんガ ス及び板ガラスは,何れもソーダ石灰ガラス であり,組成上SiO 2 ,Na 2 O及びCaOを主体とし,それら主成分の含量は一 に,SiO 2 約70重量%程度,Na 2 O約15重量%程度,及びCaO約10%程度である。残り 成分のうち主なものは,一般に,Al 2 O 3 ,K 2 O,MgOであり,それらの含量は全体で約5重量%程 である。また,ブラウン管パネルガラスは, 分上,SiO 2 ,Na 2 O,K 2 Oを主体としており,それら主成分の含量は一 に,SiO 2 約60重量%程度,Na 2 O約8重量%程度,K 2 O約8重量%程度,SrO約10%程度である。これらの ラスからなるガラスカレットは,適宜混合し 使用してもよい(表3参照)。
都市ごみ焼却灰は一般に,組成上,CaO,SiO 2 を主体とし,残りを主としてAl 2 O 3 ,Na 2 Oが占める。都市ごみ焼却灰は,単独では低い 流点(1200℃以下)を有するが,ガラスカレット と共にアスベスト廃棄物に配合した方が,全 としての配合物の溶流点を低下させるのに 利である。
本発明は,アスベスト廃棄物10~70重量%,都 ごみ焼却灰10~80重量%,及びガラスカレット10~5 0重量%の配合比率で実施される。
非飛散性アスベストは,特に石綿スレートの 形で過去大量に生産されて使用されてきた。 石綿スレートは約15重量%のアスベスト繊維を セメントで固めて波板,平板等の形に成形し ものであり,組成上の主たる成分として,SiO 2 ,CaO(両者で約60~75重量%),並びにMgO及びAl 2 O 3 を各数重量%含有する。石綿スレートは,飛散 アスベストよりも溶流点が高い(非飛散性ア スベストにおいて繊維の周囲を固めているセ メントの存在によるものと推定される)。使 するアスベストが非飛散性アスベストのみ あっても,配合物全体の60重量%までであれば, ガラスカレット及び都市ごみ焼却灰を適宜の 比率で配合することで,溶融したときの溶流 が好ましくは1300℃以下,より好ましくは1250 以下となる配合物を与えることができる。 飛散性アスベストの配合比率がこれを超え と,ガラスカレットと都市ごみ焼却灰の組み わせによっては溶流点が1300℃を超える配合 物となる領域とそうならない領域とが存する 。この場合,非飛散性アスベストの一部を飛 性アスベストに適宜置換すれば,置換される に応じて1300℃以下,又は1250℃以下の溶流点 与える配合物を得ることができる。
より具体的には,アスベスト廃棄物,都市 み焼却灰,及びガラスカレットの重量%の配合 率を示す三元組成図において座標点を(アス スト廃棄物の重量%,都市ごみ焼却灰の重量%, ラスカレットの重量%)として表すとき,点A(20 ,70,10),B(50,40,10),C(60,20,20),D(60,10,30),E(50,10,40)及 A(20,70,10)をこの順に線分で連結してなる図形 (5角形)上の点(各線分上の点を含む)に対応す 比率で各材料をガラス溶融窯に投入すれば, 好ましい溶流点を有するが得られる。従って ,本発明によるガラスの製造に際して,当該図 上のどの領域の配合比率を用いるかは,任意 である。例えば,上記図形ABCDEにおける点Aの わりに点(30.60,10),点(40,50,10),点(30,50,20),又は (40,40,20)その他を選ぶことによって,上記図形 ABCDEの内部に図形を設定してその範囲内に対 する配合比率で各材料を配合してもよい。 の点B,C,D及びEについても同様である。図形A BCDE内のそのような図形(多角形)の頂点の位置 ,個数は,上記図形ABCDE内にある限り,全く任意 ある。
更に好ましくはA(20,70,10),B(50,40,10),D(60,10,30 ),E(50,10,40)及びA(20,70,10)をこの順に線分で連結 してなる図形(4角形)上の点(各線分上の点を む)に対応する比率,特に好ましくは,B(50,40,10) ,D(60,10,30),E(50,10,40)及びB(50,40,10)をこの順に線 で連結してなる図形(3角形)上の点(各線分上 の点を含む)に対応する比率で,各材料がガラ 溶融窯内に投入されることである。
なお,窯内のアスベスト廃棄物,都市ごみ焼 灰及びガラスカレットを加熱溶融させた溶 ガラスに,もし溶流点低下の兆候が疑われた きは(これは,粘度測定装置により確認でき ),一時的にガラスカレットを窯内に適宜追加 投入してもよい。また,溶融ガラスの組成面 ら見れば,溶流点を1250℃以下に抑えるために は、溶融ガラス中のSiO 2 が34重量%以上、且つNa 2 O+K 2 Oが5.0重量%以上となる配合比率で窯内に投入 れるものであることが好ましい。
以下,実施例を参照して本発明を更に詳細 に説明するが,本発明がそれら実施例に限定 れることは意図しない。
以下の試験例において,アスベスト廃棄物 としては,非飛散性アスベストとして石綿ス ートを,飛散性アスベストとして吹付けアス スト除去物を,それぞれ用いた。非飛散性ア スベスト,飛散性アスベストの組成は表1のと りであった。また,使用した都市ごみ焼却灰 (兵庫県加古郡播磨町及び兵庫県西宮市より 出されたものを使用)の組成は表2のとおりで あった。
また,ガラスカレットとしては,びんガラ カレット及びブラウン管パネルガラスカレ トを使用した。それぞれのカレットの組成 表3のとおりであった。
ガラスカレット,都市ごみ焼却灰及びアス ベスト廃棄物の所定量(それぞれ数~数十mmの イズに粉砕されたもの)を坩堝にとり(合計300 ~400g),電気炉中で完全に加熱溶融させた。電 炉上部の穴を通して坩堝内に石英棒を差し み且つ回すことにより,坩堝内のガラスの流 性を確認した。次いで温度を徐々に低下さ 50℃に区切った所定温度(例えば,1400度,1350℃ ,1300℃,・・・等)で止め,その温度に少なくと 30分間保持した上で,上記と同様に石英棒で 堝内のガラスの流動性を確認した。また場 により,坩堝内のガラスの流動性は,坩堝を 気炉から取り出して揺すり,中のガラスの波 ちを確認することによっても確認した。こ を流動性の消失が確認できるまで順次繰り し,流動性が維持されていることが確認でき た温度のうち最も低いものを,溶流点とみな た(記録された溶流点。従って,「真の」溶流 点は,こうして記録された溶流点とその50℃下 方の温度との間のどこかに存する。)なお,試 例C6(非飛散性アスベストのみを溶融)につい ては,温度区切りをより狭く(10℃の幅)とって 定を行った。以下において,単に「溶流点」 というときは,こうして記録された溶流点を う。
表4-1~表8に示す各試験を行い,溶流点を測 して記録した。得られた各溶融ガラスの溶 点及び組成比率を併せて表に示す。
上記の結果を,アスベストとして非飛散性 アスベストのみを用いた試験の結果,飛散性 スベストのみを用いた試験の結果,並びに飛 性及び非飛散性アスベストの混合物を用い 試験の結果に分けて,ガラスカレット,都市 み焼却灰及びアスベスト廃棄物の配合比率 重量%で表した図4ないし図7にそれぞれ示す 図において◎は溶融ガラスの溶流点が1150℃, ○は1200℃,□は1250℃,△は1300℃であることを, それぞれ示す。また,黒丸は,溶流点が1350℃,14 00℃,1450℃,又は1490℃(試験例C6)であることを 括して示す。
非飛散性アスベスト,都市ごみ焼却灰及び ガラスびんカレットの配合比率を示す三元組 成図である図4で,座標点を(非飛散性アスベス トの重量%,都市ごみ焼却灰の重量%,びんカレ トの重量%)として表すとき,点(50,40,10),点(50,20 ,30),及び点(60,10,30)を結ぶ領域では溶融ガラス の溶流点が1150℃又は1200℃となり,特に,点(50,4 0,10)及び点(50,20,30)を結ぶ線上では,溶流点が11 50℃となることを示している。
また,非飛散性アスベスト,都市ごみ焼却 及びブラウン管カレットの配合比率を示す 元組成図である図5で,座標点を(非飛散性ア ベストの重量%,都市ごみ焼却灰の重量%,ブラ ン管カレットの重量%)として表すとき,点(20, 70,10),点(50,40,10),点(60,10,30),及び点(50,10,40)とを 結ぶ領域では,溶融ガラスの溶流点が1150℃~125 0℃となることを示している。
更に,飛散性アスベスト,都市ごみ焼却灰 びブラウン管カレットの配合比率を示す三 組成図である図6で,座標点を(飛散性アスベ トの重量,都市ごみ焼却灰の重量,ブラウン管 カレットの重量)として表すとき,点(50,40,10), (70,20,10),及び点(50,10,40)を結ぶ領域で溶融ガ スの溶流点が1150℃~1200℃となることを示し いる。特に,点(50,40,10)と点(50,10,40)とを結ぶ 域で溶融ガラスの溶流点が1150℃となること 示している。
図4及び5に見られるように,非飛散性アス ストの配合量が60重量%では,ガラスカレット 30重量%以上で溶融ガラスの溶流点が全て1150 ~1250℃までに収まっている。非飛散性アスベ ストの配合量がこれと同じで,ガラスカレッ の配合量が20重量%であると,これに対応する 流点は1300℃となるが〔図4における点(60,20,2 0)〕,カレットがガラスびんからのものである 場合,その配合量が10重量%では,これに対応す 溶流点は上昇し過ぎ(1350℃),本発明の目的に は適さない。但し,カレットがブラウン管カ ットである場合には,これに対応する溶流点 1300℃となる。
使用するアスベストのうち,非飛散性アス ベストと飛散性アスベストとを混合した場合 を示す図7では,非飛散性アスベストの配合量 飛散性アスベストと同じかこれを上回る場 ,これら両タイプのアスベストの合計配合量 が70重量%でも溶融ガラスの溶流点は1250℃に まり,それらの合計配合量が60重量%以下では 融ガラスの溶流点は1150℃~1200℃となること 示している。
なお、ガラスカレット,都市ごみ焼却灰及び アスベスト廃棄物を配合して溶融した場合、 溶融ガラスの組成において,SiO 2 含量が34重量%以上、且つNa 2 O含量とK 2 O含量との合計が5.0重量%以上とした場合に、 流点が1250℃以下となった。
溶融窯に投入するに際し,ガラスカレット ,都市ごみ焼却灰及びアスベスト廃棄物が,常 上記に規定された範囲になるように混合す ことにより,溶流点を1250℃以下に維持する とができるため,連続的な大規模処理が可能 ある。
図8及び9は,本発明の方法の実施に適した 続式タンク窯の一例の概要を示す平面図及 側面図である。これらの図において,1は窯 体であり,2は原料投入機,3は酸素バーナー(燃 料:重油),4は空気を圧送して窯内に連続的に 泡を生じさせるバブラー,5は素地面計及び粘 度測定装置,6は溶融したガラスの流出口,7は 融したガラスのための受けである。溶融し ガラスは,ガラス素地面が流出口6の高さを越 えることで,流出口6より溢れ出して受け7内に 落ちる。受け7は任意の構成でよく,例えば単 る容器,水を張った容器(落ちた溶融ガラス 急冷により粉砕できる),又はこれにコンベア を組み合わせたものその他である。原料であ るカレット,都市ごみ焼却灰及びアスベスト 配合物の窯内への投入速度は,流出口6からの 溶融ガラスの流出速度とバランスし,ほぼ一 のガラス素地面が維持されるように調整さ る。
本発明によれば,アスベストを無害化する ともに,都市ごみ焼却灰と併せて連続的且つ 規模にガラス化処理することができる。従 て本発明は,これまで無害化されないまま単 包装又は固形化して埋め立てられていたに ぎなかったアスベスト廃棄物の取り扱いの 題,及びそれらの方法で処分されたアスベス ト廃棄物の最終処分場からの将来にわたる再 飛散の問題の解決に,大きく貢献することが きる。また,本発明は,これまで廃棄物として 埋め立て処分されてきたアスベスト及び都市 ごみ焼却灰という大量の廃棄物を,路盤材な のような新たな用途向けの資源として利用 ることを可能にする。
Next Patent: HIGHLY THERMALLY CONDUCTIVE COMPOSITE MATERIAL
