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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF CONCENTRATING COLLOID DISPERSION LIQUID
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/014165
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of concentrating a colloid dispersion liquid through generation of a potential gradient in the colloid dispersion liquid, characterized in that the apparatus for concentrating has a concentrating vessel adapted to immerse a positive electrode and a negative electrode in the colloid dispersion liquid and carry out concentration and has no separating membrane. The method of concentrating a colloid dispersion liquid can attain enrichment at a high concentrating ratio with the use of a compact energy-saving apparatus without the use of any separating membrane.

Inventors:
MURATA, Yoshimasa (D204, 1265-2 Kamiarai, Tokorozawa-sh, Saitama 42, 3591142, JP)
村田 好正 (〒42 埼玉県所沢市上新井1265-2-D204 Saitama, 3591142, JP)
SAKAI, Chihiro (2-13-12, Konoike, Itami-sh, Hyogo 20, 6648520, JP)
酒井 千尋 (〒20 兵庫県伊丹市鴻池2丁目13番12号 日本板硝子テクノリサーチ株式会社内 Hyogo, 6648520, JP)
KUROSAKI, Keiko (2-13-12, Konoike, Itami-sh, Hyogo 20, 6648520, JP)
Application Number:
JP2008/063247
Publication Date:
January 29, 2009
Filing Date:
July 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
Nippon Sheet Glass Company, Limited (5-27, Mita 3-chome Minato-k, Tokyo 21, 1086321, JP)
日本板硝子株式会社 (〒21 東京都港区三田三丁目5番27号 Tokyo, 1086321, JP)
MURATA, Yoshimasa (D204, 1265-2 Kamiarai, Tokorozawa-sh, Saitama 42, 3591142, JP)
村田 好正 (〒42 埼玉県所沢市上新井1265-2-D204 Saitama, 3591142, JP)
SAKAI, Chihiro (2-13-12, Konoike, Itami-sh, Hyogo 20, 6648520, JP)
酒井 千尋 (〒20 兵庫県伊丹市鴻池2丁目13番12号 日本板硝子テクノリサーチ株式会社内 Hyogo, 6648520, JP)
International Classes:
B01D43/00; B01J13/00
Attorney, Agent or Firm:
OHTANI, Tamotsu et al. (OHTANI PATENT OFFICE, Bridgestone Toranomon Bldg.6F., 25-2, Toranomon 3-chome,Minato-k, Tokyo 01, 1050001, JP)
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Claims:
 コロイド分散液に電位勾配を与えるコロイド分散液の濃縮方法であって、濃縮のための装置が、コロイド分散液に陽極及び陰極を浸漬して濃縮する濃縮容器を有し、かつ、分離膜を有さないことを特徴とするコロイド分散液の濃縮方法。
 コロイドの電荷と同符号の電極を相対的にコロイド分散液表面に近く、異符号の電極を相対的に濃縮容器の底部に近く配置することを特徴とする請求項1に記載のコロイド分散液の濃縮方法。
 さらにコロイド分散液を連続的に補充する補充容器を有し、前記濃縮容器と該補充容器とが該濃縮容器の開口部で接続されており、該開口部がコロイド分散液で満たされている請求項1又は2に記載のコロイド分散液の濃縮方法。
 前記濃縮容器中のコロイド分散液にコロイドの高濃縮領域と欠損領域が存在し、前記補充容器から連続的に補充されるコロイド分散液が、該コロイドの高濃縮領域に供給される請求項3に記載のコロイド分散液の濃縮方法。
 前記コロイドを構成する組成及び組成比と陽極及び陰極を構成する材料の組成及び組成比が同一、あるいは陽極及び陰極を構成する材料がコロイドに対して電気化学的に不活性な材料である請求項1~4のいずれかに記載のコロイド分散液の濃縮方法。
 前記濃縮容器が絶縁性材料で構成される請求項1~5のいずれかに記載のコロイド分散液の濃縮方法。
 前記補充容器が絶縁性材料で構成される請求項3~6のいずれかに記載のコロイド分散液の濃縮方法。
 前記コロイドが貴金属コロイドである請求項1~7のいずれかに記載のコロイド分散液の濃縮方法。
Description:
コロイド分散液の濃縮方法

 本発明はコロイド分散液の濃縮方法に関 る。

 一般に、貴金属コロイド分散液などのコロ ド分散液を濃縮する方法として、加熱によ コロイド分散液中の水分を蒸発させてコロ ド分散液を濃縮する方法(以下、「蒸発法」 という。)が知られている(例えば特許文献1参 照)。しかしながら、高温の加熱を行うとコ イド粒子が凝集するなどの問題が生じるた 、例えば特許文献1においては、常圧下又は 圧下に50~90℃程度の温度で、15分~240分程度 時間をかけて水を留去する濃縮方法が提案 れている(特許文献1[0018]参照)。
 しかしながら、この蒸発法は、緩やかな加 条件であっても、本質的に加熱を伴うため 金属コロイドの酸化、凝集などの変質を生 る可能性がある。また加熱するための燃料 電力の費用、さらに減圧設備や蒸気回収用 却装置などの設備費用が生じ、製造コスト 大きくなるという点も問題である。

 また加熱を伴わない濃縮方法として、浸透 を用い、固形懸濁物やコロイドのような不 性成分を含む水溶液を濃縮する方法が提案 れている(例えば特許文献2参照)。特許文献2 には、概略以下の濃縮方法が開示されている 。
 すなわち、容器を半透膜で2つに分け、その 片方に濃縮する対象である固形懸濁物やコロ イドのような不溶性成分を含む溶液(以下、 低浸透圧溶液」という。)を入れ、もう片方 前記低浸透圧溶液よりも浸透圧が高くなる うに調整された溶液(以下、「高浸透圧溶液 」という。)を入れる。その後浸透膜を通っ 前記低浸透圧溶液から前記高浸透圧溶液に 媒成分が移動するため、前記低浸透圧溶液 の前記不溶性成分の濃度が高くなり、結果 に低浸透圧溶液が濃縮されるという方法で る。
 しかしながら、浸透膜を用いる方法は、一 に処理時間が長いという問題がある。具体 には、特許文献2の実施例において、高浸透 圧溶液として塩化ナトリウム水溶液を用いて 、牛乳を1.5倍に濃縮するために12時間を要し( 特許文献2、実施例1参照)、切削油排水を濃縮 するために15時間を要している(特許文献2、 施例2参照)。さらに、高浸透圧溶液の溶質が 処理対象の溶液に混入する可能性がある点も 問題である。

 これらの方法に対し、コロイド分散液に 位勾配を与え、コロイドの帯電状態により 極付近にコロイドが移動する現象を利用し 濃縮する方法がある。この場合には、電位 配と同じ方向に濃度勾配が生じる。すなわ 、正に帯電したコロイド粒子は負極側に集 り、負に帯電したコロイド粒子は正極側に まる(例えば、非特許文献1及び非特許文献2 照)。なお、電位勾配とは電極に印加した印 加電圧を電極間の距離で除したものをいう。

 また、生産効率の点から、コロイド分散液 連続的に濃縮する方法が望まれるが、従来 コロイド分散液の連続濃縮方法として、種 の方法が提案されており、例えば、限外濾 によるコロイド分散液の連続濃縮方法が知 れている(特許文献3[0087]及び[0102]参照)。限 濾過はフィルターにより水と粒子を分離す 一般的な濾過に対して、制御された細孔を する濾過膜を用い、該濾過膜を介して圧力 によって溶媒を排出して濃縮する方法であ 。この方法であれば、微小なコロイド粒子 も濃縮し得る。
 しかしながら、限外濾過による方法では、 用する濾過膜をコロイド粒子の大きさに合 せて交換する必要があり、作業が煩雑であ という問題点があった。また、濃縮比率を きくすることができず、通常、約2~3倍程度 濃縮比率であるため、高濃度のコロイド分 液を得るためには、複数回の濃縮工程が必 であった。さらには、濾過に際して、0.1~1MP aの圧力をかける必要があるため、少量の濃 を行う場合であっても、装置が大型化する どの問題があった。

 また、コロイド分散液の連続濃縮方法とし 、限外濾過装置と電気透析装置を用いて行 方法が提案されている(特許文献4、請求項3 [0021]参照)。これは、限外濾過に、イオン交 換膜を用いた電気透析を同時に組み合わせる ことにより、短時間に濃縮するものである。
 イオン交換膜は電荷を有する多孔質膜であ 、陽イオン又は陰イオンのみを通す性質を する。電気透析法は、このイオン交換膜を み合わせて水に溶けているイオン成分の濃 を行うものである。この濃縮方法における 動力は電気量であり、加えた電気量に比例 て水中のイオンを濃縮できる。そのため、 浸透などの圧力駆動の膜分離による濃縮方 に比較して、濃縮倍率が高いのが特徴であ 。
 しかしながら、電気透析は、電気泳動と陽 オン交換膜及び陰イオン交換膜の組み合わ によって濃縮するため、使用する陽イオン 換膜及び陰イオン交換膜を濃縮するコロイ の材料によって選択する必要があり、作業 煩雑であるという問題点があった。また、 縮過程で大きなイオン電導電流(30~40Vで数A~1 0A)を流さなければならないため、装置自体は 小型化できるが、電源装置は非常に大きなも のを必要とし、エネルギー消費が大きいとい う問題もあった。

特開2005-169333号公報

特開平9-75677号公報

特開2002-83518号公報

特開平8-278580号公報 近藤保ら「やさしいコロイドと界面の科 学」第21~25頁(1983年、三共出版) 池田勝一「基礎化学選書22コロイド化学 第117~121頁(1986年、裳華房)

 このような状況下、本発明は、分離膜を 用することなく、小型でエネルギー消費の ない装置を用いて、高い濃縮率で濃縮可能 コロイド分散液の濃縮方法を提供すること 目的とする。

 本発明者らは、保護コロイドを有さない貴 属コロイド粒子を電着法により基体に担持 る技術の研究過程において、特定の条件下 コロイド分散液などの電荷を有する微粒子 分散液に電位勾配を付与すると、従来の技 常識に反して、電位勾配とは必ずしも一致 ず、自由平面に対して垂直方向(重力方向) 該微粒子が移動することを発見した。すな ち、上述のように、一般にはコロイド分散 に電位勾配を付与すると、正に帯電したコ イド粒子は負極側に集まり、負に帯電した ロイド粒子は正極に集まるとされているが コロイド分散液のイオン濃度など、電流量 を制御することで、負に帯電した貴金属コ イド粒子などの微粒子が正極への電着をほ んど起こさず、負極から遠ざかるように分 液中で高濃度部分と希薄部分に分離する現 が生じることを見出した。
 この現象が生じる機構の詳細は不明である 、本発明者らは、この知見に基づき、貴金 コロイド分散液などの電荷を有するコロイ を、本質的に加熱を伴わない方法で濃縮す 本発明を完成した。
 また、本発明者らは、上記コロイド分散液 濃縮方法において、特定の構造を有する濃 容器、さらにはコロイド分散液を連続的に 充する補充容器を用いることで、分離膜を いることなくコロイド分散液を効率的に濃 することができることを見出した。本発明 かかる知見に基づき完成したものである。

 すなわち、本発明は、
(1)コロイド分散液に電位勾配を与えるコロイ ド分散液の濃縮方法であって、濃縮のための 装置が、コロイド分散液に陽極及び陰極を浸 漬して濃縮する濃縮容器を有し、分離膜を有 さないことを特徴とするコロイド分散液の濃 縮方法、
(2)コロイドの電荷と同符号の電極を相対的に コロイド分散液表面に近く、異符号の電極を 相対的に濃縮容器の底部に近く配置すること を特徴とする上記(1)に記載のコロイド分散液 の濃縮方法、
(3)さらにコロイド分散液を連続的に補充する 補充容器を有し、前記濃縮容器と該補充容器 とが該濃縮容器の開口部で接続されており、 該開口部がコロイド分散液で満たされている 上記(1)又は(2)に記載のコロイド分散液の濃縮 方法、
(4)前記濃縮容器中のコロイド分散液にコロイ ドの高濃縮領域と欠損領域が存在し、前記補 充容器から連続的に補充されるコロイド分散 液が、該コロイドの高濃縮領域に供給される 上記(3)に記載のコロイド分散液の濃縮方法、
(5)前記コロイドを構成する組成及び組成比と 陽極及び陰極を構成する材料の組成及び組成 比が同一、あるいは陽極及び陰極を構成する 材料がコロイドに対して電気化学的に不活性 な材料である上記(1)~(4)のいずれかに記載の ロイド分散液の濃縮方法、
(6)前記濃縮容器が絶縁性材料で構成される上 記(1)~(5)のいずれかに記載のコロイド分散液 濃縮方法、
(7)前記補充容器が絶縁性材料で構成される上 記(3)~(6)のいずれかに記載のコロイド分散液 濃縮方法、及び
(8)前記コロイドが貴金属コロイドである上記 (1)~(7)のいずれかに記載のコロイド分散液の 縮方法、
を提供するものである。

 本発明によれば、分離膜を使用すること く、小型でエネルギー消費の少ない装置を いて、高い濃縮率でコロイド分散液を濃縮 ることができる。

コロイド分散液の濃縮方法の説明図で る。 電圧印加後のコロイド分散液の分離状 を示す説明図である。 高濃度領域を分離回収する容器の構造 示す模式図である。 希薄領域を分離し、高濃度領域を分離 収する容器の構造を示す模式図である。 コロイド分散液の濃縮方法の説明図で る。

符号の説明

1 コロイド分散液(電圧印加前)
10 コロイド分散液(欠損領域)
11 濃縮槽
12 陽極
13 陰極
14 電源(直流電源)
14'  導線
15 分散液界面
16 コロイド分散液(高濃度領域)
17 補充槽
18 補充コロイド分散液
19 開口部(濃縮槽と補充槽の連結部)
21 排出バルブ(容器底部近傍)
22 排出バルブ(電極下端近傍)

 本発明のコロイド分散液の濃縮方法は、コ イド分散液に電位勾配を与えるコロイド分 液の濃縮方法であって、濃縮のための装置 、コロイド分散液に陽極及び陰極を浸漬し 濃縮する濃縮容器を有し、かつ、分離膜を さないことを特徴とする。
 本発明のコロイド分散液中におけるコロイ は、純水などの絶縁性分散媒中で、微視的 電気的反発によって凝集せずに存在する。 し、コロイド粒子の反対の電荷を持つ単原 イオンにゆるく囲まれ、全体として電気的 中性を保っている。本発明は、これらのコ イド分散液に陽極及び陰極を浸漬して、電 勾配を与えて濃縮するものである。

 通常、電荷を有する微粒子の分散液に電極 浸漬して電位勾配を与えると、正に帯電し 微粒子は負極側に集まり、負に帯電した微 子は正極側に集まる。しかしながら、特定 条件下であると、電荷を有する微粒子がこ ような泳動を起こさず、電極に対して重力 向(下方向)に濃縮される。
 より具体的には、濃縮容器中において、電 間に一定の直流電圧を印加すると、コロイ は容器の底近くに一様に濃縮され、コロイ の高濃縮領域とコロイドが除去された欠損 域が生じる。このとき、電流はほとんど流 ない。具体的には、数十ボルト(V)の印加電 に対して、1mA以下である。ここでは、コロ ド粒子とそれを取り囲む反対電荷のイオン 一緒に行動し、電気分解は起こさない。な 、1mA以上の電流が流れると水などの分散媒 電気分解が起こり、コロイドの濃縮を妨げ 結果となる。
 このような濃縮を生じさせるための方法と ては種々の方法があり、電極の位置関係を 定のものとする方法、電位勾配を付与する のコロイド溶液の条件を設定する方法、流 電流を制御する方法などがある。

 電極の位置を特定する方法としては、コロ ドの電荷と同符号の電極を相対的に分散液 面に近く、異符号の電極を相対的に容器の 部に近く配置する方法がある。
 コロイドが負に帯電している場合、すなわ コロイドの電荷が負である場合には、これ 同符号の電極、すなわち負極を相対的にコ イド分散液の分散液表面近くに配置し、一 、コロイドの電荷と異符号の電極である正 を相対的に容器の底部近くに配置する。

 また、濃縮されたコロイド分散液を抜き出 、それと同量の未濃縮コロイド分散液を供 することで、もしくは、濃縮されたコロイ 領域に未濃縮コロイド分散液を供給し、供 したコロイド量と同等の濃縮されたコロイ 分散液を採取することで、連続的に濃縮コ イドを得ることができる。
 さらに好ましい態様としては、濃縮のため 装置が、コロイド分散液に陽極及び陰極を 漬して濃縮する濃縮容器と、コロイド分散 を連続的に補充する補充容器とを有し、こ らの容器が濃縮容器の開口部で接続されて り、該開口部がコロイド分散液で満たされ いるものである。

 濃縮容器にはその開口部を通じて、コロイ 分散液を連続的に補充する補充容器と接続 れ、濃縮されたコロイド分散液および濃縮 に対応する欠損領域にある分散媒を抜き出 、その和と同量の未濃縮コロイド分散液を 給することで、分離膜を有さずともコロイ 分散液を効率的に濃縮することができる。 しくは、高濃度領域に未濃縮コロイド分散 を供給し、供給したコロイド量と同等の濃 されたコロイド分散液を採取することで、 続的に濃縮コロイドを効率的に得ることが きる。この際、供給したコロイド分散液の 散媒量に相当する分散媒を取り除く。特に 充容器から連続的に補充されるコロイド分 液がコロイドの高濃度領域に供給される後 の態様が好ましい。
 また、濃縮容器と補充容器は、コロイド分 液の電気的な絶縁性を維持するとの観点か 、また濃縮の様子を観察する観点から,透明 な絶縁性材料で構成されていることが好まし い。具体的には、ガラスなどの材料が挙げら れる。

 上記方法により、コロイド分散液が濃縮さ る機構については以下のように考えられる すなわち、純水のような絶縁性の分散媒中 、例えばコロイドが負に帯電している場合 は、電極間に直流電圧を印加することで、 極からわずかに放出された電子によって、 ロイドが反発して陰極付近より徐々にコロ ドの欠損領域が広がる。そのようにして形 された欠損領域と高濃度領域の界面は、表 エネルギーを小さくしようとして動き、界 がなめらかになって広がる。一旦、高濃度 域と欠損領域との界面が容器中に広がると 陰極から放出された電子である負電荷が絶 性分散媒の表面に一様に分布し、これと対 する高濃度領域の界面に等量の正電荷が誘 されることから、電気的な界面が水平に形 されると考えられる。このようにしてコロ ドの濃度が急峻に変化する界面が形成され 欠損領域と高濃度領域に分離する。しかも ロイドは高濃度領域で一様な分布をする。
 また、前述したように、高濃度領域に、未 縮コロイド分散液が流入すると、コロイド 界面が移動しつつ高濃度領域に保持される め、高濃度領域に維持され、絶縁性の分散 のみが移動するため、濃縮されたコロイド 散液が連続的に得られていく。
 従って、容器の底に近い側の電極と容器の の距離を定め、高濃度領域のかさ高さを決 することで、高濃度領域におけるコロイド 濃度を制御することができる。

 また、連続的に追加されるコロイド分散液 濃度については、50~500mg/Lの範囲であること が望まれる。この範囲であると、コロイド分 散液の濃縮が効果的に成される。
 上記した連続的にコロイド分散液を濃縮す 場合において、該濃度が50mg/L以上であれば 追加投入される分散媒の量が多くなりすぎ いため、高濃度領域と欠損領域(希薄領域) 界面の乱れが生じにくく、連続的な濃縮が 果的に行われる。以上の観点から、後から 加投入される未濃縮コロイド分散液の濃度 、60~150mg/Lの範囲がさらに好ましい。

 次に、コロイド分散液に電流が実質的に流 ないようにし、コロイドの濃縮を可能にす 条件としてはとしては、以下のようなもの ある。
 コロイドの平均粒子径については、平均粒 1~200nmの範囲が好適である。
 コロイド分散液の温度は40℃以下とするこ が好ましい。40℃以下とすることで、コロイ ド分散液中のコロイドの熱拡散の影響が小さ くなり、コロイド分散液の濃縮が行われる。 コロイド分散液の温度は、コロイド溶液の液 体状態を維持する中でなるべく低温、例えば 、コロイド溶液の流体本体が25℃以下である とが好ましい。

 本発明の濃縮方法において、電位勾配は2 V/cm以上であることが好ましい。2V/cm以上であ ると十分な濃縮が可能となる。電位勾配の上 限値については、負の電極から放出される電 子が界面を乱すため、通常は50V/cm程度である 。

 本発明の方法における分散媒は絶縁性を することが必要である。具体的には、抵抗 が7Mωcm以上であることが好ましい。該抵抗 が7Mωcm未満であると、分散媒に電流が流れ 電気分解の現象が起こるため、初期の界面 成現象が現れない。具体的には純水を好適 使用することができる。

 本発明によって濃縮し得るコロイドにつ ては、貴金属としては、白金、ルテニウム パラジウム、ロジウム、レニウム、オスミ ム、金、イリジウム、銀などが挙げられる これらの貴金属は一種単独であっても、ま 二種以上が併用されている場合であっても い。例えば、二種以上の貴金属元素からな 合金コロイド粒子又は二種類以上の貴金属 素の層が重なるコア/シェル構造を有する貴 金属コロイド粒子によって構成されるコロイ ド分散液に、本発明の濃縮方法は好適に使用 される。

 また、本発明の方法は、保護コロイド形 剤を実質上含まないものを用いることがで る。ここで、保護コロイド形成剤とは、従 コロイド粒子の分散安定性を保持するため コロイド液に含有されているもので、コロ ド粒子表面に付着して保護コロイドを形成 る物質のことである。このような保護コロ ド形成剤としては、例えばポリビニルアル ール、ポリビニルピロリドン、ゼラチンな の水溶性高分子物質、界面活性剤、高分子 レート化剤(例えば、特開2000-279818号公報に ける〔0013〕に記載の化合物)などが挙げら る。

 本発明において、保護コロイドを有さな 貴金属コロイド分散液は、例えば、前記特 文献に記載されるように、金属塩化物が溶 した溶液に還元剤を添加し、金属イオンを 元して金属微粒子を生成させる方法により ることができる。なお、このようにして得 れる貴金属コロイド分散液は保護コロイド 成剤を実質上含まなくても、貴金属コロイ 粒子の分散安定性が良好であり、実用上十 な長期間、例えば3日~30日間程度安定した分 散性を保持する。

 次に、本発明の実施の形態を、図面を参照 つつ説明する。
 本発明のコロイド分散液の濃縮方法は、図1 に示されるように、容器11中のコロイド分散 1に、陽極12と陰極13の二つの電極が浸漬さ 、この電極には電圧印加用の電源14が接続さ れている。

 陽極及び陰極の位置については、本発明 効果を奏する範囲であれば特に制限はない 、効率的にコロイドの濃縮をするためには 以下の位置関係にあることが好ましい。す わち、コロイドの電荷が負である場合には 重力方向に対して、陽極の下端が陰極の下 と同じ位置かもしくは陰極の下端よりも下 に位置するように制御し、コロイドの電荷 正である場合には、重力方向に対して、陰 の下端が陽極の下端と同じ位置かもしくは 極の下端よりも下方に位置するように制御 ることが好ましい。

 このような、電極に電圧を印加すると、電 が存在する付近のコロイドが電極より下方 移動し、図2に示すように希薄領域10と高濃 領域16が形成されてコロイド分散液が濃縮 れる。このとき、高濃度領域16の最も高い位 置は電極12の下端にほぼ一致する。
 次いで、図3に示すように、バルブ21を開栓 て高濃度コロイド分散液を直接分離回収す か、又は、図4に示すように、バルブ22を開 して希薄分散液を分離回収することで、高 度コロイド分散液を得ることができる。

 次に、図5は本発明のコロイド分散液の濃縮 方法における他の態様を示す説明図である。 図5では、コロイドが負電荷を帯びている場 について説明する。
 本態様は、図5に示されるように、濃縮容器 11中のコロイド分散液10に、陽極12と陰極13の つの電極が浸漬され、この電極には電圧印 用の電源14が接続されている。また補充容 17は濃縮容器11と開口部19で接続され、開口 19にはいかなる隔膜も有さない。

 陽極及び陰極の位置については、コロイド 負電荷を帯びているので、陰極13を相対的 分散液表面の近くに位置させ、陽極12を相対 的に容器の底部近くに位置させている。陽極 及び陰極の電極は、濃縮容器11全体で開口部1 9を介して補充容器17より追加投入される補充 コロイド分散液の流れを考慮して、濃縮容器 11の底部に平行に長く伸びている。
 このような、電極に電圧を印加すると、コ イドが陽極よりも下方に移動し、陽極の下 高濃度領域16を生じさせる。

 本発明における濃縮容器11は絶縁性材料 構成されていること、すなわち絶縁性の容 であることが望ましい。そして補充容器17に ついても絶縁性材料であることが望ましい。 また開口部19は、高濃度領域16の中にある必 がある。濃縮容器11は補充容器17を共通にし 、複数のものを並列的に並べてもよい。

 本発明の方法に用いる電極としては、コ イド分散液への難溶解性の点から、貴金属 料が望ましく、特にコロイド材料と同一の 属、さらには、コロイドを構成する組成及 組成比と陽極及び陰極を構成する材料の組 及び組成比が同一であることが望ましい。 た、その他コロイドに対して電気化学的に 活性な材料を用いることもできる。

 次に、本発明を実施例により、さらに詳細 説明するが、本発明は、この例によってな ら限定されるものではない。
実施例1
(1)白金コロイド分散液の調製
 0.8質量%の塩化白金酸水溶液(H 2 PtCl 6 ・6H 2 O)50gを純水850gで希釈し、この溶液を100℃に達 するまで加熱した。さらにこの溶液に1.0質量 %クエン酸ナトリウム水溶液100gを加え、1.5時 還流して、白金コロイド分散液を得た。さ に、該白金コロイド分散液を酸性・塩基性 合物のイオン交換樹脂を通してイオン交換 、濃縮用白金コロイド分散液を得た。この 金コロイド分散液は、白金コロイド粒子の 度が約130mg/L、コロイドの平均粒子径が5.2nm あった。なお、分散媒である純水の抵抗率 7~20Mωcmであり、保護コロイドは使用してい い。また、コロイド分散液のイオン濃度はI CP法を用いて測定し、コロイドの平均粒子径 、粒径測定装置(大塚電子株式会社製FPAR-1000 型測定装置)を用いて測定した。

(2)白金コロイド分散液の濃縮
 3.5×1×4cm 3 のプラスチック製濃縮槽を準備した。コロイ ド導入口も同様に0.5×1×4cm 3 のプラスチック製であり、開口部は断面1×0.3 cm 2 、長さ1cmである。この濃縮槽に、上記白金コ ロイド分散液12mLを入れた。電極としては、 0.3mmの白金線を用い、電極位置としては、陽 極が濃縮槽の底部から6mmの位置、陰極がコロ イド分散媒の表面(水面)より5mmの位置とした
 この電極間に25℃の条件下、40Vの直流電圧( 位勾配26V/cmに相当)を印加し、電流100~200μA 流れた。電圧印加により白金コロイドは陽 より下方に向かって移動し、陽極の下端位 を境界として、その下側は白金コロイドが 濃度に存在する領域(高濃度領域)となり、そ の上側は白金コロイドが存在しない透明な欠 損領域に分離した。電圧印加を開始後、5分 で約7倍に濃縮された。
 また、ここに未濃縮コロイド分散液2.5mLを 加供給したところ、高濃度領域と欠損領域 界面が一部変化したが、すぐに濃縮領域が 復し、濃縮が維持された。一方、濃縮領域 コロイド分散液を一部スポイトで取り出し も、すぐに濃縮領域が回復し、濃縮が維持 れた。

実施例2
(1)白金コロイド分散液の調製
 保護コロイドを含有する白金コロイド分散 (TMA(テトラメチルアンモニウムヒドロキシ )表面修飾白金コロイド分散液、田中貴金属 業(株)製の市販品、白金含有量10g/L)につい 、本発明の方法で濃縮を行った。該TMA表面 飾白金コロイド分散液0.6mLに蒸留水11.4mLを加 えて20倍に希釈して試料とした(500mg/L)。
(2)白金コロイド分散液の濃縮
 3×1×4cm 3 のプラスチック製濃縮槽を準備した。コロイ ド導入口も同様に1×1×4cm 3 のプラスチック製であり、開口部は断面1×0.3 cm 2 、長さ1cmである。この濃縮槽に、上記白金コ ロイド分散液12mLを入れた。電極としては、 0.3mmの白金線の先端以外をガラス管で被覆し たものを用い、電極位置としては、陽極が濃 縮槽の底部から12mmの位置、陰極がコロイド 散媒の表面(水面)より3mm下の位置とした。
 この電極間に25℃の条件下、40Vの直流電圧( 位勾配26V/cmに相当)を印加した。電圧印加直 後の電流は8.5mAであった。電圧印加により、 極付近に白金コロイドの希薄な領域が発生 て徐々に濃縮槽の表面付近を覆い(希薄領域 )、5分後には濃縮槽の上側が希薄領域、陽極 下端付近を境界として、その下側が白金コ イドの高濃度に存在する領域(高濃度領域) なった。このときの電流は12mAであり、安定 た状態での界面の高さは濃縮槽の底から5mm 位置であった。
 この状態で2時間放置した後、コロイド導入 口に上記500mg/L TMA表面修飾白金コロイド分散 液2mLを追加供給したところ、高濃度領域と希 薄領域の界面が一時上昇したが、すぐに界面 の低下が始まり、15分後には界面の高さが濃 槽の底から5mmの位置となり、濃縮が維持さ た。
 この状態からさらにコロイド導入口の上記5 00mg/L TMA表面修飾白金コロイド分散液2mLを追 供給したところ、高濃度領域と希薄領域の 面が一時上昇したが、すぐに界面の低下が まり、15分後には界面の高さが濃縮槽の底 ら5mmの位置となり、濃縮が維持された。
 さらに、希薄領域の一部をスポイトで静か 4mL取り出し、コロイド導入口に上記500mg/L T MA表面修飾白金コロイド分散液4mLを追加供給 たところ、高濃度領域と希薄領域の界面が れたが、30分後には界面の高さが濃縮槽の から5mmの位置となり、濃縮が維持されるこ が確認された。
 電圧印加の間中、それぞれの電極からは、 の電気分解による気泡が発生した。この場 、白金コロイド粒子とは反対の電荷を持つ オンが単原子イオンに比べてずっと大きい め、電界濃縮の過程で両者のイオンが一緒 行動しなかったものと考えられる。したが て、電気分解が生じ、過剰な電流が流れた 、同時に電界濃縮も起きたものと思われる
 また、陽極側のコロイド分散媒の表面(水面 )付近では、コロイドの濃度(目視による色の さ)のムラが発生して溶液中を波状に伝播す る現象が確認された。これについては、ムラ の発生地点が、陽極側で発生した泡が水面に 達して消失する地点と対応していると考えら れる。
 また、濃縮槽外表面の温度を非接触式の温 計で測定したところ、電圧印加直後から温 上昇が始まり(毎分0.3℃)、最終的には35℃で 安定となった。一方、補充槽の該表面の温度 は29℃程度のままであった。

実施例3
(1)金コロイド分散液の調製
 1質量%の塩化金酸水溶液9.41gを純水954.32gで 釈し、この溶液を100℃に達するまで加熱し 。さらに、この溶液に0.7質量%クエン酸ナト ウム水溶液14.4gを加え、1時間還流して、金 ロイド分散液を得た。さらに、該金コロイ 分散液を酸性・塩基性混合物のイオン交換 脂を通してイオン交換し、濃縮用金コロイ 分散液を得た。
(2)金コロイド分散液の濃縮
 実施例2で用いたのと同様のプラスチック製 濃縮槽に金コロイド分散液12mLを入れた。電 についても実施例2で用いたのと同様のもの 用いた。
 この電極間に25℃の条件下、40Vの直流電圧( 位勾配26V/cmに相当)を印加した。電圧印加直 後の電流は58μAであった。電圧印加により、 極付近に金コロイドの希薄な領域が発生し 徐々に濃縮槽の表面付近を覆い(希薄領域) 14分後には濃縮槽の上側が希薄領域、陽極の 下端付近を境界として、その下側が金コロイ ドの高濃度に存在する領域(高濃度領域)とな た。このときの電流は70μAであり、界面の さは濃縮槽の底から15mmの位置であった。
 この状態で、コロイド導入口に上記金コロ ド分散液2mLを追加供給したところ、高濃度 域と希薄領域の界面が一時上昇したが、す に界面の低下が始まり、電圧印加開始から2 4分後には界面の高さが濃縮槽の底から10mmの 置となり、濃縮が維持された。

 本発明の濃縮方法は、電気透析と異なり 電気的な界面形成による状態変化を利用し 濃縮であり、ほとんど電力を消費しないた 、電源は小型のものを用いることができる また、分離膜を利用せず、圧力をかけた送 系も不要であるため、ポンプも小型でよい 従って、全体として装置を小型化でき、効 的に短時間でコロイドの濃縮をすることが きる。また、希薄コロイド分散液を追加し 投入しても、高濃度領域と欠損領域の界面 維持され、連続的にコロイド分散液の濃縮 行うことができる。