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Title:
METHOD FOR CUTTING A FRAGILE MATERIAL SUBSTRATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057381
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method which can stably cut a substrate while reducing a bending moment (break pressure) required for the cutting. The method for cutting a fragile material substrate includes: a step for forming a crack along a planned cut line; and a break step for separating the substrate along the formed crack by applying a bending moment. The step for forming the crack forms a cyclic crack having the maximum depth limited by a clamping stress region inside the substrate while the crack depth is changed along the planned cut line by a cycle of the heating condition or/and the cooling condition by cyclically changing the heating condition and/or the cooling condition along the planned cut line. In the break step, a bending moment is applied from the rear surface side of the substrate to the cyclic crack.

Inventors:
ARIMA NORIFUMI (JP)
YAMAMOTO KOJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065860
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
September 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBOSHI DIAMOND IND CO LTD (JP)
ARIMA NORIFUMI (JP)
YAMAMOTO KOJI (JP)
International Classes:
B28D5/00; B23K26/00; B23K26/364; B23K26/40; C03B33/09
Domestic Patent References:
WO2006011608A12006-02-02
Foreign References:
JP3027768B2
JP2006248075A2006-09-21
JP2002316829A2002-10-31
JP2004223796A2004-08-12
JP2004155159A2004-06-03
Attorney, Agent or Firm:
KASHIMA, Yoshio (7-2 Minami Ogi-machi, Kita-k, Osaka-city Osaka 52, JP)
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Claims:
 脆性材料基板に設定した分断予定ラインに沿って、レーザビームの照射により形成されるビームスポットを相対移動させて、前記基板を軟化点以下の温度で基板表面側から加熱し、次いでノズルからの冷媒噴射により形成される冷却スポットを、前記ビームスポットを追随するように相対移動させて基板を冷却することによりクラックを形成する工程と、形成されたクラックに沿って曲げモーメントを加えることにより分離するブレイク工程とからなる脆性材料基板の分断方法であって、
クラックを形成する工程において、加熱条件又は/及び冷却条件を分断予定ラインに沿って周期的に変化させることにより、クラックの最大深さが基板内部の圧縮応力領域により制限される深さ以内に留まり、かつ、分断予定ライン方向に沿ってクラックの深さが前記加熱条件又は/及び冷却条件の周期で変化する周期クラックを形成し、
ブレイク工程において、基板裏面側から前記周期クラックに曲げモーメントを加えることを特徴とする脆性材料基板の分断方法。
 クラックを形成する工程の加熱条件又は冷却条件は、(1)冷却スポットを形成する冷媒噴射量、(2)ビームスポットの走査速度、(3)ビームスポットが通過してから冷却スポットが到達するまでの時間、(4)ビームスポットを形成するレーザビームの照射強度、(5)ビームスポットを形成するレーザビームのパルス間隔、(6)ビームスポットの形状の少なくともいずれかを周期的に変化させる請求項1に記載の脆性材料基板の分断方法。
 前記周期クラックの波長が10mm~200mmであり、周期クラックの最大深さと最小深さとの深さの差が基板の板厚の1%~5%である請求項1に記載の脆性材料基板の分断方法。
 脆性材料基板がガラス基板である請求項1に記載の脆性材料基板の分断方法。
 脆性材料基板に設定した分断予定ラインに沿って、レーザビームの照射により形成されるビームスポットを相対移動させて前記基板を溶融温度以上の温度で加熱して溝を形成する工程と、形成された溝に沿って曲げモーメントを加えることにより分離するブレイク工程とからなる脆性材料基板の分断方法であって、
溝を形成する工程において、加熱条件を分断予定ラインに沿って周期的に変化させることにより、分断予定ライン方向に沿って溝の深さが前記加熱条件の周期で変化する周期溝を形成し、
ブレイク工程において、基板裏面側から前記周期溝に曲げモーメントを加えることを特徴とする脆性材料基板の分断方法。
 溝を形成する工程において、周期溝とともに周期溝の底に周期クラックが形成され、周期溝および周期クラックに曲げモーメントを加える請求項5に記載の脆性材料基板の分断方法。
 溝を形成する工程の際の加熱条件は、(1)レーザビームの走査速度、(2)レーザビームの照射強度、(3)レーザビームの焦点の深さ、(4)レーザビームのパルス間隔の少なくともいずれかを周期的に変化させる請求項5に記載の脆性材料基板の分断方法。
 前記周期溝の波長が1mm~10mmであり、周期溝の最大深さと最小深さとの深さの差が基板の板厚の1%~5%である請求項5に記載の脆性材料基板の分断方法。
 脆性材料基板がサファイア基板である請求項5に記載の脆性材料基板の分断方法。
Description:
脆性材料基板の分断方法

 本発明は、レーザビームを照射して脆性 料基板の分断を行う方法に関する。ここで 性材料基板には、ガラス基板、サファイア 板、焼結材料のセラミックス、単結晶シリ ン、半導体ウエハ、セラミック基板等が含 れる。

 ガラス等の脆性材料基板に対し、基板に 定した分断予定ラインに沿ってレーザを照 してクラック(加工部分の材料が除去されな い)や溝(加工部分の材料が除去される)を形成 し、形成したクラックや溝に沿ってブレイク 処理を行うことにより、基板を分断する方法 が実用されている。

 図12は、レーザ照射により基板内に形成 れる溝やクラックの一例を示す模式断面図 ある。図12(a)は、レーザアブレーション加工 により形成される溝、図12(b)はレーザアブレ ション加工により形成される溝およびクラ ク、また、図12(c)はレーザスクライブ加工 より形成されるクラックを示している。

 レーザアブレーション加工では、分断予 ラインに沿ってUVレーザ等のレーザビーム 走査し、基板の溶融温度以上で加熱して蒸 させることにより、溝101、あるいは溝101と もに溝101の底に誘発されるクラック102が形 される。

 また、レーザスクライブ加工では、CO 2 レーザ等のレーザビームを、加工対象の基板 に照射して加工面にビームスポットを形成し 、このビームスポットを走査して、軟化点以 下の温度で分断予定ラインに沿って加熱した 後に、ビームスポットの軌跡に沿って冷却を 行う。これにより、加熱部位の周囲に生じた 圧縮応力と、冷却部位の周囲に生じた引張応 力との間の応力差に基づいてクラック103が形 成される(例えば特許文献1参照)。

 そして、レーザアブレーション加工によ 形成された溝101(あるいは溝101とクラック102 )、または、レーザスクライブ加工により形 されたクラック103に沿って、基板の裏面R側( 溝やクラックを形成した面と反対面)から曲 モーメントM(ブレイク圧)を加えてブレイク 理を行うことにより、クラック102、103や溝10 1を板厚方向に進展させて基板を分断する。

 一般に、脆性材料基板の分断の際に、小 な曲げモーメント(ブレイク圧)を加えるだ で簡単かつ確実にブレイク処理が行えるよ にするためには、クラックや溝をできるだ 板厚方向に深く形成しておくことが好まし 。また、分断面の「欠け」の発生を減らし 分断面の品質を良好にするためにも、クラ クや溝を板厚方向に深く形成しておくこと 好ましい。

 しかしながら、レーザアブレーション加 においては、溝(あるいは溝とクラック)を く形成することは技術的には可能であるが 溝の深さと加工時間とがほぼ比例するため 深い溝を形成しようとすれば、加工に長い 間を要することになる。ところがアブレー ョン加工の場合は、加工時間が長くなるほ 、溝となる部位から蒸散される基板物質の が増加し、これが周囲の基板表面を汚染す ことになる。そのため、溝を深く形成する とは、加工時間、基板汚染の観点から実用 ではない。むしろ、浅い溝で確実に分断で るようにすることが望ましい。

 一方、レーザスクライブ加工においては 基板物質が蒸散することはないので、基板 染の問題は生じないが、そもそもクラック 深く進展させること自体が基板内部に生じ 熱歪みの影響で阻害され、技術的に困難で る。クラックの進展を阻害する基板内の熱 みの影響について、以下に説明する。

 図13は、基板に対し、基板の軟化温度以 でレーザ照射するようにしてビームスポッ を走査し、次いで冷却したときに、基板内 生じる熱歪みの分布を示す模式断面図であ 。図において、レーザビームは、紙面の奥 から紙面の手前側へ連続して移動するもの する。

 図13(a)に示すように、レーザビームのビー スポットにより加熱された部位100には、図 、破線矢印で示すような方向に圧縮応力が じる。次いで、図13(b)に示すように、ビーム スポットの通過により加熱された部位100の近 傍に、冷媒の吹き付けによって冷却スポット 110が形成されると、図中実線矢印で示すよう な引張応力が生じる。
 この結果、これらの応力差に応じて、図13(c )に示すように、引張応力に対して直角方向 ある基板の板厚方向に進展したクラック120 形成される。

 しかし、冷却スポット110が形成された場 でも、クラック120を形成するのに十分な応 差が発生する部位は基板表面部分に限られ 。冷却スポット110から基板の板厚方向へ拡 する熱と、加熱された部位100から基板の板 方向へ拡散する熱との間に、クラック120を 成するのに十分な応力差、すなわち温度差 なくなれば、加熱された部位100から基板内 板厚方向に拡散された余剰の熱は、圧縮応 領域130として基板内に残存するようになる 考えられる。圧縮応力領域130は、基板内に ける相対的な熱歪みとして定義される。

 圧縮応力領域130は、図13(c)に示すように クラック120が基板の板厚方向にまっすぐ垂 に進展する作用を妨げるようになる。その 果、クラック120の板厚方向への進展は、レ ザビームを脆性材料基板の表面で実用的な 度で走査させた場合には、板厚の2割~4割程 の深さが限界であった。

 したがって、ビームスポットをクラック 成予定ライン(図13では紙面に垂直な方向)に 沿って連続して走査した場合には、基板はラ インに沿って途切れることなく連続して加熱 され、基板内部に圧縮応力領域が連続的に形 成されることになるので、クラック形成予定 ラインの直下に深いクラックを形成すること は、圧縮応力領域の存在により原理的に困難 であった。

 これに対し、レーザスクライブ加工にお て、レーザビームの照射を強く受ける高温 分と、この高温部分よりレーザビームの照 を弱く受ける低温部分とをクラック形成予 ライン(分断予定ライン)に沿って交互に形 することにより、クラックを深くまっすぐ 直に進展することができるクラック形成方 が開示されている(特許文献2参照)。

 特許文献2では、クラック形成予定ラインに 沿ってレーザビームを照射して脆性基板表面 にクラックを形成する際に、クラック形成予 定ライン上の一部の脆性基板の表面を遮光し てレーザビームが照射されない領域を形成す ることにより、以下のような現象が生じるこ とを見出している。
 すなわち、レーザビームに対する遮光長さ( クラック形成予定ライン方向の遮光部分の長 さ)が大きければ、遮光部分でクラックの進 が停止するが、少しずつ遮光長さを小さく ていくと、やがて、遮光部分においてもク ックが連続して形成されるとともに、遮光 分において形成されるクラックはその深さ 深くなるという現象を発見している。

 上記現象において、遮光部分を非遮光部 との相対比較において低温部分と定義し、 遮光部分を高温部分と定義する。この低温 分のクラック形成予定ライン方向の長さを 正化することにより、低温部分での熱歪み 発生を抑え、高温部分で連続して形成され 垂直クラックを低温部分で途切れさせるこ なく、むしろ深いクラックを形成しながら このクラックをレーザビームが照射される の高温部分に誘導させることが可能になる

 すなわち、クラック形成予定ライン方向に ける低温部分の長さを適正化することによ (低温部分でクラックを途切れさせないよう にしつつ低温部分の長さをできるだけ長くす る)、基板内部に圧縮応力領域が存在しない 、あるいは存在してもその発生が最小限に えられているので、低温部分と高温部分と 、板厚方向にまっすぐで深い連続したクラ クを精度よく形成することができる。これ より、脆性基板を分割するためのブレイク 置の簡略化、場合によっては省略が可能に る。

特許第3027768号公報

WO2006/11608号公報

 特許文献2に記載されるように、レーザビ ームの照射を強く受ける高温部分と、この高 温部分よりレーザビームの照射を弱く受ける 低温部分とを、クラック形成予定ライン(分 予定ライン)に沿って、適正な長さで交互に 成するようにすれば、クラックを垂直にま すぐ深く進展させることができ、後のブレ ク処理を容易に行うことができる。

 しかしながら、この方法を実行するため は、予め、レーザスクライブ加工(クラック 形成)のときに、高温領域と低温領域とを、 正な間隔に設定しておく必要があり、その めの設定や調整に手間を要することになる 同一規格、同一材料の基板を繰り返し加工 る場合のように設定を頻繁に変更する必要 ないときは、それでもかまわないが、異な 種類の基板等を次々と分断しようとする場 には、その度に設定を変更する必要があり 設定の手間を要することになる。

 そこで、本発明は、レーザを照射して基板 溝やクラックを形成し、形成した溝やクラ クに沿ってブレイク処理を行って基板を分 する場合に、安定して基板を分断すること でき、それでいて分断に要する曲げモーメ ト(ブレイク圧)を低減することができる分 方法を提供することを目的とする。
 また、本発明は、基板内部に形成される圧 応力領域の影響を受けないようにするため 適正な加熱、冷却条件を意識することなく すなわち圧縮応力領域が発生する加熱、冷 条件の下で加工を行った場合であっても、 分に小さな曲げモーメントを与えるだけで 断することができる分断方法を提供するこ を目的とする。

 上記課題を解決するためになされた本発 の脆性材料基板の分断方法は、脆性材料基 に設定した分断予定ラインに沿って、レー ビームの照射により形成されるビームスポ トを相対移動させて前記基板を軟化点以下 温度で基板表面側から加熱し、次いでノズ からの冷媒噴射により形成される冷却スポ トを、前記ビームスポットを追随するよう 相対移動させて基板を冷却することにより ラックを形成する工程と、形成されたクラ クに沿って曲げモーメントを加えることに り分離するブレイク工程とからなる脆性材 基板の分断方法であって、クラックを形成 る工程において、加熱条件又は/及び冷却条 件を分断予定ラインに沿って周期的に変化さ せることにより、クラックの最大深さが基板 内部の圧縮応力領域により制限される深さ以 内に留まり、かつ、分断予定ライン方向に沿 ってクラックの深さが前記加熱条件又は/及 冷却条件の周期で変化する周期クラックを 成し、ブレイク工程において、基板裏面側 ら前記周期クラックに曲げモーメントを加 るようにしている。

 本発明によれば、クラックを形成する工 で、基板に対する加熱条件又は冷却条件の なくともいずれかを、分断予定ラインに沿 て周期的に変化させ、周期的に変化する温 差を基板に与える。これにより、基板内に 加熱による圧縮応力と冷却による引張応力 の内部応力差が周期的に変化するようにな 。その結果、応力差により生じるクラック 周期的に変化し、「周期クラック」が形成 れるようになる。このとき既述の理由によ 、基板内部には圧縮応力領域が発生し(図13 照)、周期クラックの最大深さは圧縮応力領 域で制限されることになる(最大深さは板厚 1割~4割程度)。その一方で、周期クラックが 成された分断予定ラインに沿って、基板の 面側から曲げモーメントを加えると、曲げ ーメントが周期クラックのいずれかのクラ クのピーク部分に集中する(応力集中)よう なり、たとえクラックは浅く形成されてい も、比較的小さな曲げモーメントを与える けでブレイクされてしまうようになる。

 本発明によれば、周期クラックを形成す ようにし、クラック形成後のブレイク処理 おいて周期クラックのいずれかのクラック ピーク部分に応力集中させるようにしたの 、小さな曲げモーメント(ブレイク圧)を与 るだけで、応力集中点を起点にして、容易 ブレイク処理を行うことができる。

(その他の課題を解決するための手段及び効 )
 上記発明において、クラックを形成する工 の加熱条件又は冷却条件は、(1)冷却スポッ を形成する冷媒噴射量、(2)ビームスポット 走査速度、(3)ビームスポットが通過してか 冷却スポットが到達するまでの時間、(4)ビ ムスポットを形成するレーザビームの照射 度、(5)ビームスポットを形成するレーザビ ムのパルス間隔、(6)ビームスポットの形状 少なくともいずれかを周期的に変化させる うにしてもよい。

 これらのパラメータはいずれも、基板の 熱の程度、冷却の程度を変化させて、基板 板厚方向における温度勾配に差を生じさせ ことができるパラメータであるので、いず か一つあるいはいくつかを連動して周期的 変化させることにより、周期クラックを形 することができる。

 上記発明において、周期クラックの波長が1 0mm~200mmであり、周期クラックの最大深さと最 小深さとの深さの差が基板の板厚の1%~5%であ ようにしてもよい。
 これによれば、周期クラックの波長が短す ても(10mm未満)、長すぎても(200mm超)、ブレイ クの際に、曲げモーメント(ブレイク圧)が集 しにくくなるので、適切な波長(10mm~200mm)に ることにより、曲げモーメントが集中して わりやすくなる。また、周期クラックの最 深さと最小深さとの深さの差が基板の板厚 1%~5%となるようにすることにより、クラッ のピーク部分が顕著に現れるようになり、 げモーメントを集中させて加えることが容 になる。特に、脆性材料基板がガラス基板 ある場合に、この数値範囲の周期クラック 形成すれば、容易に分断することができる

 また、本発明の課題を解決するためにな れた本発明の他の脆性材料基板の分断方法 、脆性材料基板に設定した分断予定ライン 沿って、レーザビームの照射により形成さ るビームスポットを相対移動させて前記基 を溶融温度以上の温度で加熱して溝を形成 る工程と、形成された溝に沿って曲げモー ントを加えることにより分離するブレイク 程とからなる脆性材料基板の分断方法であ て、溝を形成する工程において、加熱条件 分断予定ラインに沿って周期的に変化させ ことにより、分断予定ライン方向に沿って の深さが前記加熱条件の周期で変化する周 溝を形成し、ブレイク工程において、基板 面側から前記周期溝に曲げモーメントを加 るようにしている。

 本発明によれば、溝を形成する工程で、 板に対する加熱条件を分断予定ラインに沿 て周期的に変化させることにより、深さの 期的に変化する「周期溝」が形成されるよ になる。続いて、周期溝が形成された分断 定ラインに沿って、基板の裏面側から曲げ ーメントを加えると、曲げモーメントが周 溝のいずれかの深さのピーク部分に集中す (応力集中)ようになり、たとえ溝は全体と て浅く形成されていても、比較的小さな曲 モーメントを与えるだけでブレイクできる うになる。すなわち溝が全体としては浅く 成されていているので、基板表面の蒸散に る汚染は少なく、しかも比較的小さな曲げ ーメントで確実にブレイクできる。

 上記本発明において、溝を形成する工程に いて、周期溝とともに周期溝の底に周期ク ックが形成される場合には、周期溝および 期クラックに曲げモーメントを加えるよう してもよい。
 これによれば、周期溝の底に周期クラック 形成される場合には、周期クラックのピー に集中して曲げモーメントを加えることに り、この場合も同様に、比較的小さな曲げ ーメントを与えればブレイクされるように る。溝は全体として浅く形成されているの 、基板表面の汚染も少ない。

 上記2つの発明において、クラックを形成す る際の加熱条件は、(1)レーザビームの走査速 度、(2)レーザビームの照射強度、(3)レーザビ ームの焦点の深さ、(4)レーザビームのパルス 間隔の少なくともいずれかを周期的に変化さ せるようにしてもよい。
 これらのパラメータはいずれも、基板の溶 量(乃至溶融部分の深さ)に影響するので、 ずれかあるいはいくつかを連動して周期的 変化させることにより、周期溝を形成する とができる。

 上記発明において、周期溝の深さの変化の 長が1mm~10mmであり、周期溝の最大深さと最 深さとの深さの差が基板の板厚の1%~5%である ようにしてもよい。
 これによれば、周期溝の深さの変化の波長 適切な波長(1mm~10mm)にすることにより、曲げ モーメントが集中して加わりやすくなる。ま た、周期溝の最大深さと最小深さとの深さの 差が基板の板厚の1%~5%となるようにすること より、溝のピーク部分が顕著に現れるよう なり、曲げモーメントを集中させて加える とが容易になる。特に、脆性材料基板がサ ァイア基板である場合に、この数値範囲の 期クラックを形成すれば、容易に分断する とができる。

本発明の一実施形態である脆性基板の 断方法において用いられるレーザスクライ 装置の構成図。 図1のレーザスクライブ装置の制御系の 構成を示すブロック図。 図1のレーザスクライブ装置の光学系調 整機構の内部構成を示す図。 レーザスクライブ加工を行ったときに 板に形成される周期クラックを示した模式 。 本発明の一実施形態である脆性基板の 分断方法において用いられるブレイク装置の 概略構成図。 図5aのブレイク装置の左側ユニット(A) 右側ユニット(B)とが分離された状態を示す 視図。 周期クラックが形成されたガラス基板 ブレイク処理を説明するための模式図。 本発明の他の一実施形態である脆性基 の分断方法において用いられるレーザアブ ーション装置の構成図。 図7のレーザアブレーション装置の制御 系の構成を示すブロック図。 図7のレーザアブレーション装置の光学 系調整機構の内部構成を示す図。 レーザアブレーション加工を行ったと きに基板に形成される周期溝を示した模式図 。 レーザアブレーション加工を行ったと きに基板に形成される周期溝および周期クラ ックを示した模式図。 レーザ照射により基板内に形成される 溝やクラックの例を示す模式断面図。 ビームスポットを走査し、次いで冷却 したときに、基板内に生じる熱歪みの分布を 示す模式断面図。

符号の説明

12 回転テーブル
13 レーザ(CO 2 レーザ)
14 光学系調整機構
16 冷却ノズル
16a 流量調整弁
16b ノズル位置調整機構
23a,23b スライドテーブル
25a,25b 製品クランプユニット
35 レーザ(UVレーザ)
36 光学系調整機構
50 制御部
53、55 記憶部
CS 冷却スポット
HS ビームスポット
SL スクライブライン(クラック)
AL スクライブライン(溝)
W  周期クラックまたは周期溝の波形
Cr クラック
Gr 溝
LS レーザスクライブ装置
BM ブレイク装置
LA レーザアブレーション装置

 本発明の実施形態を図面に基づいて説明 る。ここでは一枚のガラス基板を分断する 合を例に説明するが、ガラス以外の脆性材 基板であっても、あるいはフラットパネル ィスプレイ用基板のような複数の基板を貼 合せた貼り合せ基板であっても、本発明を 用することができる。

(第一実施形態)
 本発明の第一実施形態として、レーザスク イブ加工による分断方法について説明する この分断方法では、分断予定ラインに沿っ 周期クラックを形成するレーザスクライブ 置と、形成した周期クラックに沿って曲げ ーメント(ブレイク圧)を加えるブレイク装 とが用いられる。

 まず、レーザスクライブ装置について説 する。図1は本発明の一実施形態である脆性 基板の分断方法において用いられるレーザス クライブ装置の構成図であり、図2はその制 系のブロック図である。

 図1に基づいて、レーザスクライブ装置の 全体構成について説明する。レーザスクライ ブ装置LSは、水平な架台1上に平行に配置され た一対のガイドレール3,4に沿って、紙面前後 方向(以下Y方向という)に往復移動するスライ ドテーブル2が設けられている。両ガイドレ ル3,4の間に、スクリューネジ5が前後方向に って配置され、このスクリューネジ5に対し 、スライドテーブル2に固定されたステー6が 合されており、スクリューネジ5をモータ( 示外)によって回転することにより、スライ テーブル2がガイドレール3,4に沿ってY方向 移動し、モータの回転の向きによって往復 動するように構成されている。

 スライドテーブル2上に、水平な台座7が イドレール8に沿って、図1の左右方向(以下X 向という)に往復移動するように配置されて いる。台座7に固定されたステー10に、モータ 9によって回転するスクリューネジ10aが貫通 合されており、スクリューネジ10aが回転す ことにより、台座7がガイドレール8に沿って 、X方向に移動し、モータの回転の向きによ て往復移動する。

 台座7上には、回転機構11によって回転す 回転テーブル12が設けられており、この回 テーブル12の載置面上に、切断対象の脆性材 料基板であるガラス基板Gが水平な状態で載 され、必要に応じて固定される。回転機構11 は、回転テーブル12を、載置面に垂直な軸を 転軸として、回転させるようになっており 基準位置に対して任意の回転角度になるよ に回転できるように形成されている。ガラ 基板Gは、例えば吸引チャックによって回転 テーブル12に固定される。

 回転テーブル12の上方には、円形断面のレ ザビームを、予め設定した出力(照射強度)お よびパルス間隔で発振するレーザ13と、上記 ーザビームの断面形状を光学的に変形して ラス基板Gの上に楕円形状のビームスポット HS(図2)を形成する光学系調整機構14とが、取 フレーム15に固定されている。
 このレーザ13には、基板が溶融されないよ に基板の溶融温度未満の温度で加熱するた に、比較的長波長のレーザ、例えばCO 2 レーザが使用される。

 図3は、光学系調整機構14の内部構成を示 図である。レーザビームの光路Lに沿って、 上側に平凸レンズ14a、下側にシリンドリカル レンズ14bが取り付けられ、それぞれモータ( 図示)により上下方向(Z方向)に位置調整でき ようにレンズ位置調整機構14c、14dにより支 するようにしてある。平凸レンズ14aの位置 調整することにより主として楕円形状のビ ムスポットを形成する際の短軸長さの調整( 幅方向の調整)が行われ、シリンドリカルレ ズ14bの位置を調整することにより長軸長さ 調整が行われる。

 取付フレーム15には、光学系調整機構14の近 傍に、冷却ノズル16が取り付けられている。 の冷却ノズル16からは、冷却水、Heガス、炭 酸ガス等の冷媒がガラス基板
Gに噴射されるようにしてあり、ガラス基板G 表面には冷却スポットCS(図2)が形成される 冷媒は、冷媒供給源(不図示)から流量調整弁 16aを介してノズル16に送られる。この流量調 弁16aの開閉により、噴射開始および停止の 御が行われるとともに、開度の調整により 媒の噴射量が制御される。

 ノズル16には、モータ(不図示)駆動により ノズル16のX方向の位置を調整するノズル位置 調整機構16bが設けられている。ノズル位置調 整機構16bで冷却スポットCSとビームスポットH Sとのスポット間距離を調整することにより 加熱から冷却までの時間が調整される。

 また、取付フレーム15には、カッターホ ール18が上下調節機構17を介して取り付けら ている。このカッターホイール18は、焼結 イヤモンドまたは超硬合金を材料とし、外 面に頂点を刃先とするV字形の稜線部を備え ものであって、ガラス基板Gへの圧接力が上 下調節機構17によって調整できるようになっ いる。カッターホイール18は、ガラス基板G 端縁(あるいは端縁以外でもよい)に初期亀 TRを形成するときに、一時的に下降させるよ うにして用いる。

 さらに、取付フレーム15にはガラス基板G 刻印されたアライメントマークを映し出す メラ20が取り付けられている。ガラス基板G のアライメントマークの位置は予め制御系 記憶されており、アライメントマークによ ガラス基板の位置決め(ガラス基板の所定位 置にレーザ照射及び冷媒噴射をすること)が きるようにしてある。

 続いて、制御系について説明する。図2に 示すようにレーザスクライブ装置LSの制御系 、CPUからなり装置全体の制御を行う制御部5 0、キーボードおよびマウスからなり各種の 力操作が行われる入力部51、液晶パネルから なり制御情報やパラメータの入力画面が表示 される表示部52、制御プログラムや制御に用 るパラメータが記憶される記憶部53、およ 、制御部50による制御下で駆動されるテーブ ル駆動部61、レーザ駆動部62、光学系駆動部63 、冷媒駆動部64、ノズル駆動部65、カメラ駆 部66、カッター駆動部67の各駆動部により構 される。

 記憶部53には、予め、加熱条件や冷却条 として利用する制御パラメータとして、冷 噴射量、基板に対するビームスポット及び 却スポットの相対的な走査速度、ビームス ットと冷却スポットとのスポット間距離、 ーザ照射強度(レーザ出力)、レーザパルス間 隔、ビームスポット形状が記憶されるように してある。これらの制御パラメータは、入力 部51、および、表示部52に表示された入力画 により適宜設定できるようにしてある。

 そして、制御部50は、記憶部53に記憶され た上記制御パラメータに基づいて、周期クラ ックを形成するための制御信号を生成する。 すなわち、加熱条件あるいは冷却条件となる 制御パラメータの少なくとも一つを周期的に 変化させる制御信号を発生することにより、 分断予定ラインに沿ってレーザビームを走査 するときに、基板Gに対して、周期的に変化 る加熱又は冷却を行うための制御を行う。 体的な制御については、後述する。生成さ た制御信号は、対応する駆動部にそれぞれ 信され制御動作が実行される。

 各駆動部について説明する。テーブル駆 部61は、スライドテーブル2及び台座7、回転 テーブル12の位置決めを行うためのモータ(モ ータ9等)を駆動する。周期クラックを形成す 際には、記憶部53に設定された走査速度に づいて、台座7のX方向への走査が行われる。

 レーザ駆動部62は、レーザ13からレーザビ ームを照射する。周期クラックを形成する際 には、記憶部53に設定されたレーザ照射強度 レーザパルス間隔に基づいてレーザビーム 照射する。

 光学系駆動部63は、光学系調整機構14のレ ンズ位置調整機構14c、14dを駆動する。周期ク ラックを形成する際には、記憶部53に設定さ たビームスポットの形状(長軸長さ、短軸長 さ)に基づいて変形したビームスポットを照 する。

 冷媒駆動部64は、冷媒噴射量を制御する 量調整弁16aを駆動する。周期クラックを形 する際には、記憶部53に設定された冷媒噴射 量に基づいて冷媒を噴射する。

 ノズル駆動部65は、冷却ノズル16の位置を 調整するためのノズル位置調整機構16bを駆動 する。周期クラックを形成する際には、記憶 部53に設定されたスポット間距離に基づいて ズル16の位置を調整する。なお、スポット 距離と走査速度とに基づいてビームスポッ HSが通過してから冷却スポットCSが通過する での時間(加熱/冷却間時間という)が決定さ ることになる。加熱/冷却間時間が長いほど クラックの深さが深くなる。

 上記各駆動部以外に、カメラ駆動部66は、 メラ20を駆動し、アライメントマークを映し 出す。映し出されたアライメントマークによ り、基板Gの位置決めが行われる。
 また、カッター駆動部67は、カッターホイ ル18を駆動する。これにより基板Gに初期亀 を形成する。

 次に、周期クラックを形成するときの制 信号について具体的に説明する。周期クラ クを形成するためには、記憶部53に記憶さ た制御パラメータの少なくとも一つを周期 に変化させた制御信号を生成する。以下、 御パラメータごとに説明する。

(1)冷媒噴射量
 冷媒噴射量を周期変化させ、他の制御パラ ータを一定に維持する制御信号の場合、冷 噴射量が少ない部分ではクラックの深さが くなり、冷媒噴射量が多い部分ではクラッ の深さが深くなる。すなわち冷媒が多く噴 され強く冷却された部分で基板厚み方向に ける温度勾配(温度差)が大きくなり、この 分の応力差が大きくなってクラックが深く 展する。

(2)走査速度
 基板上でのビームスポット(及び冷却スポッ ト)の走査速度を周期変化させ、他の制御パ メータを一定に維持する制御信号の場合、 査速度が速い部分ではクラックの深さが浅 なり、遅い部分ではクラックの深さが深く る。すなわち走査速度が遅い部分では入熱 が増加して強く加熱され、この部分の応力 が大きくなってクラックが深く進展する。

(3)ビームスポットと冷却スポットとの間の距 離(スポット間距離)
 スポット間距離を周期変化させ、他の制御 ラメータを一定(ビームスポットの走査速度 も一定)に維持する制御信号の場合、スポッ 間距離を短くして加熱/冷却間時間(ビームス ポットHSが通過してから冷却スポットCSが通 するまでの時間)を短くした部分ではクラッ の深さが浅くなり、スポット間距離を長く て加熱冷却間時間を長くした部分ではクラ クの深さが深くなる。すなわちスポット間 離を長くした部分におけるクラック形成時 圧縮応力領域(すなわちクラック進展が制限 される領域)が深くなり、クラックが深く進 する。

(4)レーザ照射強度(出力)
 レーザ照射強度(出力)を周期変化させ、他 制御パラメータを一定に維持する制御信号 場合、レーザビームの照射強度が弱い部分 はクラックの深さが浅くなり、照射強度が い部分ではクラックの深さが深くなる。す わち照射強度が強い部分では入熱量が増加 て強く加熱され、この部分の応力差が大き なってクラックが深く進展する。

(5)レーザパルス間隔
 レーザのパルス間隔を周期変化させ、他の 御パラメータを一定に維持する場合、レー のパルス間隔が長い部分ではクラックの深 が浅くなり、パルス間隔が短い部分ではク ックの深さが深くなる。すなわち、パルス 隔が短い部分では入熱量が増加して強く加 され、この部分の応力差が大きくなってク ックが深く進展する。

(6)ビームスポット形状
 レーザスクライブ加工では、楕円形状等の ームスポットの長軸方向を分断予定ライン( スクライブ予定ライン)に合わせるようにし ビームスポットの走査が行われる。このと の長軸長さを周期変化させ、他の制御パラ ータを一定にする場合、長軸長さが短い部 では単位面積当りの熱量が多くなり、クラ クの深さが深くなり、長軸長さが長い部分 は単位面積当たりの熱量が少なくなり、ク ックの深さが浅くなる傾向がある。

 また、上述した(1)から(6)の制御パラメー について、複数の制御パラメータを同時に 期変化させるようにしてもよい。例えば、 媒噴射量とレーザ照射強度とを同時に変化 せて基板に生じる温度差を大きくしてもよ 。

 次に、スクライブ動作について説明する。 記レーザスクライブ装置LSでは、従来のス ライブ動作に比べ、制御パラメータの一部 周期的に変化する制御信号によって駆動部 動作させる点が異なるが、それ以外は同じ ある。
 すなわち、分断予定ラインの端に、カッタ ホイール18により初期亀裂TRを形成し、つい でビームスポットHSおよび冷却スポットCSを 断予定ラインに沿って走査させる。このと に、制御パラメータの一部が周期的に変化 る制御信号により各駆動部が制御されるよ にする。これにより、基板Gに周期クラック 形成されるようになる。

 図4は、制御パラメータを周期的に変化させ ながらレーザスクライブ加工を行ったときに 基板Gに形成される周期クラックを示した模 図であり、図4(a)は基板Gの斜視図、図4(b)はA- A’断面図、図4(c)はB-B’断面図、図4(d)はC-C’ 断面図である。
初期亀裂TRから直線状にビームスポットHSお び冷却スポットCSが走査されることにより、 図4(a)に示すようにクラックCrが形成され、基 板表面には直線状のスクライブラインSLが形 される。
 このとき、図4(a)(b)に示すように、板厚方向 に進展するクラックCrの先端部分は、制御パ メータが変動する周期と同周期の波形Wとな り、周期クラックが形成される。

 形成される周期クラックの波長は、制御 ラメータの変動周期(すなわち波長)に対応 て変化する。周期クラックの波長を適切な 長にすれば、後述するブレイク装置を用い 基板Gに対し曲げモーメントを加えたときに 曲げモーメント(ブレイク圧)が周期クラッ のピーク(山部分)に集中して加えられること になるので、加えられる曲げモーメントが小 さくても容易に分断できるようになる。

 曲げモーメント(ブレイク圧)が周期クラッ のピーク(山部分)に集中しやすい周期クラッ クの波長は、ガラスのような基板では、経験 的に10mm~200mmであることが判明している。そ ため、この波長範囲になるように、走査速 との関係で制御パラメータの周期を調整す 。
 また、周期クラックの最大深さと最小深さ の深さの差が基板の板厚の1%~5%となるよう すれば、周期クラックの山と谷とのピーク 分が顕著に現れるようになり、ブレイク装 において、曲げモーメントを集中して加え ことが容易になる。
 基板Gの板厚にもよるが、例えば基板の板厚 が0.5mm~1mm程度であれば、5μm~50μmの範囲にす ばよい。

 なお、形成される周期クラックの先端(最 深部)は、図4(c)(d)に示すように、クラック形 時に基板内に生じている圧縮応力領域の影 で進展が止まる結果、通常は板厚の10%~40%の 深さとなり、これ以上は進展しない。

 次に、ブレイク装置について説明する。 5(a)は本発明の一実施形態である脆性基板の 分断方法において用いられるブレイク装置の 概略構成図である。図1と同じ構成について 同符号を付すことにより、説明の一部を省 する。

 ここで説明の都合上、空間座標(x,y,z)を用い 、ブレイク装置10の設置床面と平行なテーブ 基準面を(x,y,z 0 )とし、設置床面と鉛直な方向をz軸とし、基 Gの分断方向(ブレイク方向)をy軸とする。ブ レイク装置BMは-x軸方向にスライド可能なス イドテーブル23aと、y軸と平行な回転軸を中 に傾動可能であり、且つ、+x軸方向にスラ ド調整可能な傾動テーブル23bを有している

 図5bはブレイク装置BMの左側ユニットBM(A) 右側ユニットBM(B)とが分離された状態を示 斜視図である。ブレイク装置BM全体が図5aの 台1に取り付けられるものとすると、左側ユ ニットBM(A)は図5aに示したような基板Gにおい 、スクライブラインSLより左側(-x軸方向)に 置される機構部を指し、右側ユニットBM(B) 基板GのスクライブラインSLより右側(+x軸方 )に設置される機構部を指す。

 また切断すべき基板Gを載置して保持する ために、第1の製品テーブル24aがスライドテ ブル23aに固定され、第2の製品テーブル24bが 動テーブル23bに固定されている。また第1の 製品テーブル24aの上部に第1の製品クランプ ニット25aが取り付けられ、第2の製品テーブ 24bの上部に第2の製品クランプユニット25bが 取り付けられる。基板GのスクライブラインSL をy軸と平行にし、スクライブラインSLを中心 に基板の-x軸側(左側)の領域を基板左部GLと呼 び、+x軸側(右側)の領域を基板右部GRと呼ぶ。 第1の製品クランプユニット25aは基板左部GLの 右端部を強固に押圧して基板を固定し、第2 製品クランプユニット25bは基板右部GRの左端 部を強固に押圧して基板を固定するものであ る。

 左側ユニットBM(A)にはスライド機構26が設 けられる。スライド機構26はスライドテーブ 23aを-x軸方向に付勢するもので、付勢力を える弾性部材、例えばエアシリンダ、バネ が設けられる。これに加えてスライド機構26 にはスライド範囲を規制するストッパや、ス ライド速度を規制するダンパ等が設けられる (図示せず)。

 右側ユニットBM(B)は支柱である一対の水 保持ブロック上部27aと一対の水平保持ブロ ク27bとにより保持される。水平保持ブロッ 下部27bは架台1に固定され、水平保持ブロッ 上部27aは傾動テーブル23bを回動自在に保持 る。水平保持ブロック上部27aと水平保持ブ ック下部27bとの間に図示しないスライドユ ットが設けられ、水平保持ブロック上部27a x軸方向にスライド調整できるようになって いる。そして+y軸側、及び-y軸側の水平保持 ロック上部27aには傾動軸28が設けられ、傾動 テーブル23b、第2の製品テーブル24b、及び第2 製品クランプユニット25bが傾動軸28を回転 として傾斜可能なように保持されている。 動軸28は例えば水平ブロック上部27aに軸受ハ ウジングを設け、このハウジングに圧入され たボールベアリングで保持される。ここで水 平保持ブロック上部27a及び傾動軸28を傾動機 という。

 第1の製品クランプユニット25aは、基板左部 GLを固定し、基板のスクライブラインSLに剪 応力及び曲げ応力を集中させるものである 第1の製品クランプユニット25aには、基板Gの スクライブラインSL付近を押圧する第1のクラ ンプバー29aが設けられている。この第1のク ンプバー29aの先端は第1の製品テーブル24aの 側
エッジに位置し、z軸方向に微動可能である 同様に第2の製品クランプユニット25bは、基 右部GRを固定し、基板のスクライブラインSL に剪断応力及び曲げ応力を集中させるもので ある。第2の製品クランプユニット25bには、 板GのスクライブラインSL付近を押圧する第2 クランプバー29bが設けられている。第2のク ランプバー29bの先端は第2の製品テーブル24b 左側エッジに位置し、z軸方向に微動可能で る。

 基板Gの保持方法として、真空吸着、その 他の手段により製品テーブルに固定すること ができる。基板がガラスであり、その表面に 樹脂が成膜されている場合は、静電吸着によ っても固定することができる。

 続いて傾動テーブル23bの傾動機構につい 説明する。図5a,bに示すように、水平保持ブ ロック上部27aの傾動軸28は、これを回転軸と て水平保持ブロック下部27bを除く右側ユニ トBM(B)全体を図6a中のCW方向又はCCW方向に回 可能にする。図6aは傾動軸28の取付位置を示 すブレイク装置の要部断面図である。傾動機 構を介して傾動テーブル23bを回動させるため に、回動制御部30が設けられる。回動制御部3 0はモータの回転力又は流体シリンダを用い 傾動テーブル23bを所定角だけ回動するもの あってもよく、アームやリンクを介して手 で傾動テーブル23bを回動するものであって よい。また傾動テーブル23bは回動を開始す のと同時に+x軸方向に移動するようになって いる。

 ブレイク装置の初期設定で、第1の製品テ ーブル24aと第2の製品テーブル24bとが、1枚の 板Gに対して同一の載置面を持つよう位置決 めされているとする。傾動軸28は、テーブル 載置された基板Gの上面及び下面から見て、 中央の位置にくるよう高さが調整される。

 基板Gの厚みを2d 0 とする。第1の製品テーブル24aの載置面は(x,y, -d 0 )となり、傾動軸28の位置は(0,y,-d 0 ~+d 0 )となる。傾動軸28の位置は基板Gの厚みや材 に応じて調整可能である。また第1の製品テ ブル24aの右エッジと、第2の製品テーブル24b の左エッジとの間隔を2gとすると、第1のクラ ンプバー29aの基板Gに対する押圧位置と、第2 クランプバー29bの基板Gに対する押圧位置と の間隔は2gと同程度が望ましい。なお、傾動 28は基板GのスクライブラインSLと平行で、 板の厚み範囲内に位置することが望ましい

 図6(b)はスクライブラインSLを中心とする レイク装置の部分拡大断面図である。ここ は基板Gの分断後の位置を実線を用いて示し ている。傾動軸28の位置(x,y,z)を(0,y,0)とする 分割後の基板右部GRにおいて、スクライブラ インSLの終点をPRとする。また基板右部GRが第 2の製品テーブル24bの左エッジと接するライ の終点をPR’とする。なお、基板Gが分割切 される前では、PRはPL(分割後の基板左部GLに けるスクライブラインSLの終点)と一致する

 図6(b)に示すように第2の製品テーブル24bをCC W方向に角度θだけ傾斜させると、点PR’の位 は(0,y,0)から(x 2 ,y,z 2 )に移動する。ここで各座標値は以下のよう なる。
 x 1 =0
 z 1 =-d 0
 x 2 =d 0 sinθ
 z 2 =d 0 (1-cosθ)-d 0

 第2のクランプバー29bの押圧力により、基板 右部GRの点PR’(x 2 ,y,z 2 )の部分が第2の製品テーブル24bに対する不動 になるとすると、基板右部GRの点PRに位置す るブレイク部分に対して前記の不動点PR’か 剪断力と引張力(曲げモーメント)が加わり 基板Gが分断される。基板Gの切断時にはスラ イド機構26により基板左部GLに対して-x軸方向 の付勢力が作用し、また傾動テーブル23bが回 動を開始すると同時に+x軸方向に移動すると に、基板左部GLの切断面である右エッジ部 -x軸方向に後退し、基板右部GRの左エッジ部 接触しなくなる。このためガラス基板の分 面に傷が付かず、滑らかな分断面が得られ 。
 この場合の水平移動量x 2 -x 1 を計算すると、θ=3°の場合、0.039mmとなる。

 スクライブラインSLで左右に分割された 板GR,GLは、第1のクランプバー29a、第2のクラ プバー29bを基板Gから解除することにより、 基板GR,GLを製品テーブルから外すことができ 。x軸方向に帯状となる1枚の基板を多数個 分割する場合、基板Gの所定箇所にスクライ ラインSLをそれぞれ設ける。そして基板Gをx 方向に所定ピッチだけ搬送し、製品クランプ ユニット25a,25bをセットし、その都度傾動テ ブル23bを傾斜させる。このような操作を繰 返すことにより、1枚のマザー基板から複数 の基板を製造することができる。

 第2の製品テーブルが傾斜すると、基板の 断面がスクライブライン形成位置を中心にV を形成するように曲げモーメント(曲げ応力) が加えられることになる。そして、V字を形 するように曲げモーメントが加えられる場 、クラックは基板下面(製品テーブルに接す 面)から押し広げられるようになるので、曲 げモーメントは、より下面側に近いクラック 先端部分(周期クラックの山ピーク)に集中す ことになる。このとき、周期クラックの谷 ークでは、紙面に対して前後の部分でクラ ク先端が浅くしか進展していないので、分 が開始するのに大きな曲げモーメントを必 とする。これに対し、周期クラックの山ピ クでは、紙面に対して前後の部分でクラッ 先端が更に深く進展しているので、分断が 始するのに大きな曲げモーメントを必要と ない。そのため、周期クラックの山ピーク 起点となって分断されやすくなる。

(第二実施形態)
 次に、本発明の第二実施形態として、レー アブレーション加工による分断方法につい 説明する。ここでは1枚のサファイア基板を 分断する場合を例に説明する。この分断方法 では、分断予定ラインに沿って周期溝を形成 するレーザアブレーション装置と、形成した 周期溝に沿って曲げモーメント(ブレイク圧) 加えるブレイク装置とが用いられる。この ち、ブレイク装置は第一実施形態で説明し ブレイク装置と同じであるので説明を省略 る。

 レーザアブレーション装置について説明 る。図7は本発明の一実施形態である脆性基 板の分断方法において用いられるレーザアブ レーション装置の構成図であり、図8はその 御系のブロック図である。なお、図1、図2の レーザスクライブ装置LSと同じ構成部分につ ては、同符号を付すことにより、説明の一 を省略する。このレーザアブレーション装 LAでは、レーザスクライブ装置に比べて、 板を溶融させやすい短波長のレーザを用い 。また、加熱後の強制的な冷却は必ずしも 要でないので、冷却機構は用いないように ている。

 レーザアブレーション装置LAの全体構成 ついて説明する。サファイア基板Gの位置をX Y方向および回転方向に移動させるためのス イドテーブル2、台座7、回転テーブル12につ てはレーザスクライブ装置LSと同じである

 回転テーブル12の上方には、レーザビーム( ビーム)を、予め設定した出力およびパルス 間隔で発振するレーザ35と、元ビームを集光 てガラス基板Gの表面上あるいは表面近傍に ビームスポットHS(図8)を形成する光学系調整 構36とが、取付フレーム15に固定されている 。
 レーザ35には、基板材料が溶融されるよう 溶融温度以上で加熱するために、比較的短 長のレーザが使用され、例えばUVレーザが使 用される。

 図9は、光学系調整機構36の内部構成を示 図である。レーザビームの光路Lに沿って凸 レンズ36aが取り付けられ、モータ(不図示)に り駆動されるレンズ位置調整機構36bにより 置調整できるようにしてある。この凸レン 36aの焦点の位置を変えることで、ビームス ットHSの形状が定められるとともに基板を 融するときの深さ位置が調整される。

 続いて、制御系について説明する。図8に 示すようにレーザアブレーション装置LAの制 系は、制御部50、入力部51、表示部52、記憶 55、および、制御部50による制御下で駆動さ れるテーブル駆動部61、レーザ駆動部62、カ ラ駆動部66、光学系駆動部68の各駆動部によ 構成される。

 記憶部55には、予め、制御パラメータと て、基板の走査速度、レーザビームの焦点 さ、レーザ照射強度(レーザ出力)、レーザパ ルス間隔が記憶されるようにしてある。これ らの制御パラメータは、入力部51、および、 示部52に表示された入力画面により適宜設 できるようにしてある。

そして、制御部50は、記憶部55に記憶され 上記制御パラメータに基づいて、周期溝を 成するための制御信号を生成する。すなわ 、制御パラメータの少なくとも一つを周期 に変化させる制御信号を発生することによ 、分断予定ラインに沿って周期的に変化す 溶融状態を基板Gに発生する制御を行う。具 的な制御については、後述する。生成され 制御信号は、対応する駆動部にそれぞれ送 され制御動作が実行される。

 各駆動部について説明する。テーブル駆 部61は、スライドテーブル2及び台座7、回転 テーブル12の位置決めを行うためのモータ(モ ータ9等)を駆動する。周期溝を形成する際に 、記憶部55に設定された走査速度に基づい 、台座7のX方向への走査が行われる。

 レーザ駆動部62は、レーザ35からレーザビ ームを照射する。周期溝を形成する際には、 記憶部55に設定されたレーザ照射強度(出力) レーザパルス間隔に基づいてレーザビーム 照射する。

 光学系駆動部63は、光学系調整機構36のレ ンズ位置調整機構36bを駆動する。周期溝を形 成する際には、記憶部55に設定された焦点深 に基づいてレーザビームの焦点位置を調整 る。

 続いて、周期溝を形成するときの制御信 について具体的に説明する。周期溝を形成 るためには、上述した制御パラメータの少 くとも一つが周期的に変化する制御信号を 成する。以下、制御パラメータごとに説明 る。

(2)走査速度
 走査速度を周期変化させ、他の条件を一定 維持する制御信号の場合、走査速度が速い 分では溝の深さが浅くなり、遅い部分では の深さが深くなる。すなわち走査速度が遅 部分での入熱量が増加して強く溶融され、 の部分の溝が深く形成される。

(3)焦点深さ
 レーザビームの焦点深さを周期変化させ、 の条件を一定(走査速度も一定)に維持する 御信号の場合、焦点深さを基板表面または い位置にした部分では溝深さが浅くなり、 点深さを深い位置にした部分では溝深さが くなる。すなわち焦点深さを深くした部分 は深くまで強く溶融される結果、溝が深く 展する。

(4)レーザ照射強度
 レーザ照射強度を周期変化させ、他の条件 一定に維持する制御信号の場合、レーザビ ムの照射強度が弱い部分では溝深さが浅く り、照射強度が強い部分では溝深さが深く る。すなわち照射強度が強い部分は入熱量 増加して強く溶融され、この部分の溝が深 形成される。

(5)レーザパルス間隔
 レーザのパルス間隔を周期変化させ、他の 件を一定に維持する場合、レーザのパルス 隔が長い部分では溝深さが浅くなり、パル 間隔が短い部分では溝深さが深くなる。す わち、パルス間隔が短い部分は入熱量が増 して強く溶融され、この部分の溝が深く形 される。

 また、上述した(1)から(5)の制御パラメー について、複数の制御パラメータを同時に 期変化させるようにしてもよい。例えば、 査速度と焦点深さとを同時に変化させたり てもよい。

 次に、アブレーション動作について説明す 。上記レーザアブレーション装置LAでは、 来のアブレーション動作に比べ、制御パラ ータの一部が周期的に変化する制御信号に って駆動部を動作させる点が異なるが、そ 以外は同じである。
すなわち、分断予定ラインに沿って、ビーム スポットHSを走査させ、基板Gを溶融させる。 このときに、制御パラメータの一部が周期的 に変化する制御信号により各駆動部が制御さ れるようにする。これにより、基板Gに周期 が形成されるようになる。

 図10は、制御パラメータを周期的に変化さ ながらレーザアブレーション加工を行った きに基板Gに形成される周期溝を示した模式 であり、図10(a)は基板Gの斜視図、図10(b)はA- A’断面図、図10(c)はB-B’断面図、図10(d)はC-C 断面図である。
 直線状にビームスポットHSが走査されるこ により、図10(a)に示すように溝Grが形成され 基板表面には直線状のスクライブラインAL 形成される。
 このとき、図10(a)(b)に示すように、板厚方 に進展する溝Grの先端部分は、制御パラメー タが変動する周期と同周期の波形Wとなり、 期溝が形成される。

 形成される周期溝の波長は、制御パラメ タの変動周期(すなわち波長)に対応して変 する。周期溝の波長を適切な波長にすれば ブレイク装置BMを用いて基板Gに対し曲げモ メントを加えたときに、曲げモーメント(ブ イク圧)が周期溝のピーク(山部分)に集中し 加えることができ、小さな曲げモーメント 加えるだけで容易かつ安定して分断できる うになる。

 曲げモーメント(ブレイク圧)を集中して加 ることができる周期溝の波長は、サファイ のような基板では経験的に1mm~10mmであること が判明している。そのため、この波長範囲に なるように、走査速度との関係で制御パラメ ータの周期を調整する。
また、周期溝の最大深さと最小深さとの深さ の差が基板の板厚の1%~5%となるようにすれば 周期溝の山と谷とのピーク部分が顕著に現 るようになり、ブレイク装置において、曲 モーメントを集中して加えることが容易に る。

 なお、形成される周期溝は、レーザアブ ーションによる加工時間を長くすれば深く ることもできるが、できるだけ加工時間を くして、浅い周期溝の状態でブレイク動作 行うようにする。周期溝の深さが浅い場合 も、周期溝のピーク部分に集中的に曲げモ メントが加わることで、比較的小さな曲げ ーメントで分断することができ、しかもア レーション加工で生じる基板表面の汚染を 減することができる。

 また、上述したレーザアブレーション加工 は溝Grが形成される場合を説明したが、基 材料の種類や加熱条件によっては、図11に示 すように、溝Grが形成されるだけでなく、溝G rの底にクラックCrが形成され、波形Wが周期 と周期クラックとにより形成される場合が る。
 この場合も、図10で説明した周期溝が形成 れた場合と同様であり、できるだけ浅い周 溝および周期クラックの状態でブレイク動 を行うようにすれば、比較的小さな曲げモ メントで分断することができ、しかもアブ ーション加工で生じる基板表面の汚染を低 することができる。

 次に、本発明の実施形態についての具体例 説明する。
(実施例1) 冷媒噴射量の変動による周期クラ クの形成
 初期亀裂TRを形成した無アルカリガラス基 (長さ300mm×幅300mm×厚さ0.7mm)に、CO 2 レーザ(出力120W)を走査してスクライブライン を形成し、そのとき冷媒噴射量を変動させて 周期クラックを形成した。ビームスポット及 び冷却スポットの走査速度を150mm/秒、冷媒噴 射量の変動周期(切替間隔)を1秒とし、冷却水 量の設定を0.8cc/分、1cc/分、0.8cc/分の順で切 替えた。結果を表1に示す。
 他の条件を一定に設定すると、単位時間当 りの冷却水量が多い位置(端部から150mm)でク ラックが深く形成された。浸透深さの変動幅 は13μm~15μmであり、基板板厚(0.7mm)の1.8%~2.1%で あった。

(実施例2) 走査速度の変動による周期クラッ の形成
 初期亀裂TRを形成した無アルカリガラス基 (長さ300mm×幅300mm×厚さ0.7mm)に、CO 2 レーザ(出力150W)を走査してスクライブライン を形成し、そのとき走査速度を変動させて周 期クラックを形成した。
レーザビーム及び冷却スポットの走査速度を 、220mm/秒と300mm/秒との2つの速度で変動させ 。結果を表2に示す。
他の条件を一定にして走査速度を変えると、 走査速度が遅い位置で深いクラックが形成さ れた。

(実施例3) レーザ照射強度(出力)の変動によ 周期クラックの形成
 初期亀裂TRを形成した無アルカリガラス基 (長さ300mm×幅300mm×厚さ0.7mm)に、CO 2 レーザを使用してスクライブラインを形成し 、そのとき照射強度を変動させて周期クラッ クを形成した。
 レーザビーム及び冷却スポットの走査速度 220mm/秒で一定にし、レーザ照射強度(出力) 、150Wと110Wとの2つの出力で変動させた。結 を表3に示す。
 他の条件を一定にすると、照射強度(出力) 大きい位置で深いクラックが形成された。

(実施例4) ビーム形状の変動による周期クラ クの形成
 初期亀裂TRを形成した無アルカリガラス基 (長さ300mm×幅300mm×厚さ0.7mm)に、CO 2 レーザ(出力150W)を使用してスクライブライン を形成し、そのとき楕円形状のビームスポッ トの長軸および短軸の長さを変動させて周期 クラックを形成した。
 レーザビーム及び冷却スポットの走査速度 220mm/秒で一定にし、長軸と短軸は(40mm×1.5mm) と、(27mm×1.9mm)の2つの形状で変動させた。結 を表4に示す。
 他の条件を一定にすると、ビームスポット 長軸が長い位置で浅いクラックが形成され 。

 本発明は、レーザビームを照射してガラ 基板等の脆性材料基板の分断を行う方法に 用することができる。