| JP54139189 | LAPPING SAW |
| JP04216012 | CUTTING METHOD FOR SLICING MACHINE |
| WO/2009/148786 | A PIPE-PROCESSING, IN PARTICULAR A PIPE-CUTTING APPARATUS |
信越半導体株式会社 (〒04 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 Tokyo, 1000004, JP)
| ワイヤを複数の溝付きローラに巻掛けし、該溝付きローラにスラリを供給しつつ、前記ワイヤを走行させながらワークを前記ワイヤに押し当てることによって、前記ワークがウェーハ状に切断されるワイヤソーによるワークの切断方法において、前記スラリの供給温度を、前記ワークの切断開始から切断終了までの間上昇させながらワークを切断することを特徴とするワイヤソーによるワークの切断方法。 |
| 前記ワークの切断開始から切断終了までの間のスラリの供給温度の上昇を5℃以上15℃以下とすることを特徴とする請求項1に記載のワイヤソーによるワークの切断方法。 |
| 前記ワークの切断開始時のスラリの供給温度とワークの温度との差を3℃以下とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワイヤソーによるワークの切断方法。 |
| 前記ワークの切断開始から切断終了までの間のスラリの供給温度の上昇率を一定とすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のワイヤソーによるワークの切断方法。 |
| ワイヤを複数の溝付きローラに巻掛けし、該溝付きローラにスラリを供給しつつ、前記ワイヤを走行させながらワークを前記ワイヤに押し当てることによって、前記ワークをウェーハ状に切断するワイヤソーであって、前記スラリの供給温度を、前記ワークの切断開始から切断終了までの間上昇させながらワークを切断するよう制御するものであることを特徴とするワイヤソー。 |
| 前記ワークの切断開始から切断終了までの間のスラリの供給温度の上昇を5℃以上15℃以下となるよう制御するものであることを特徴とする請求項5に記載のワイヤソー。 |
| 前記ワークの切断開始時のスラリの供給温度とワークの温度との差を3℃以下となるよう制御するものであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のワイヤソー。 |
| 前記ワークの切断開始から切断終了までの間のスラリの供給温度の上昇率が一定となるよう制御するものであることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載のワイヤソー。 |
本発明は、ワイヤソーを用いて、ワーク(例
えばシリコンインゴット、化合物半導体のイ
ンゴット等)から多数のウェーハを切り出す
断方法に関する。
近年、ウエーハの大型化が望まれており、
の大型化に伴い、ワークの切断には専らワ
ヤソーが使用されている。
ワイヤソーは、ワイヤ(高張力鋼線)を高速
行させて、ここにスラリを掛けながら、ワ
クを押し当てて切断し、多数のウエーハを
時に切り出す装置である。
ここで、図3に、従来の一般的なワイヤソー
の一例の概要を示す。
図3に示すように、ワイヤソー101は、主に、
ワークを切断するためのワイヤ102、ワイヤ102
を巻回した溝付きローラ103、ワイヤ102に張力
を付与するための機構104、切断されるワーク
を下方へと送り出す機構105、切断時にスラリ
を供給する機構106で構成されている。
ワイヤ102は、一方のワイヤリール107から り出され、トラバーサ108を介してパウダク ッチ(定トルクモータ109)やダンサローラ(デ ドウェイト)(不図示)等からなる張力付与機 104を経て、溝付きローラ103に入っている。 イヤ102がこの溝付きローラ103に300~400回程度 巻掛けられることによってワイヤ列が形成さ れる。ワイヤ102はもう一方の張力付与機構104 ’を経てワイヤリール107’に巻き取られてい る。
また、溝付きローラ103は鉄鋼製円筒の周 にポリウレタン樹脂を圧入し、その表面に 定のピッチで溝を切ったローラであり、巻 けられたワイヤ102が、駆動用モータ110によ て予め定められた走行距離で往復方向に駆 できるようになっている。
なお、ワークの切断時には、ワーク送り機
105によって、ワークは保持されつつ押し下
られ、溝付きローラ103に巻回されたワイヤ1
02に送り出される。
また、溝付きローラ103、巻掛けられたワイ
102の近傍にはノズル115が設けられており、
断時にスラリタンク116からワイヤ102にスラ
を供給できるようになっている。また、ス
リタンク116にはスラリチラー117が接続され
おり、供給するスラリの温度を調整できる
うになっている。
このようなワイヤソー101を用い、ワイヤ1 02にワイヤ張力付与機構104を用いて適当な張 をかけて、駆動用モータ110により、ワイヤ1 02を往復方向に走行させながら、供給された ラリ中の遊離砥粒を、ワイヤ102によりワイ 溝(ワークの切断溝)の奥部に押しつけなが 溝底部のワークを削り取ることによって切 する。
この際に発生する摩擦により、ワークの切
部が発熱することによって、ワークは切断
に熱膨張する。また、溝付きローラはワイ
との摩擦熱や溝付ローラを支承するベアリ
グ部で発生する摩擦熱による熱膨張により
方向に伸び、このため溝付きローラに螺旋
に巻回されたワイヤ列とワークとの相対位
が切断中に変化してしまうことがあった。
前記溝付きローラの軸方向の変位はワーク
切断中に供給するスラリの温度と一定の相
があることが知られている(特開平5-185419号
報参照)。
これらワークの熱膨張や、溝付きローラの
方向の延びによるワイヤ列とワークとの相
位置の変化は、ワイヤ102によりワークに描
れる切断軌跡を湾曲させ、この切断軌跡の
曲が、ウェーハ加工後の形状測定においてW
arpとして検出されるという問題があった。
これらの問題に対する対策として、切断中
ワークの発熱については、ワーク保持部材
ワーク冷却手段を備え、切断中のワークを
却しながら切断するワイヤソーが開示され
いる(特開平11-58365号公報参照)。
しかし、このワイヤソーを使用したワー の切断手法では、切断中のワークをワーク 持部材に備えた冷却手段により冷却するが 切断部と冷却部が離れており、なおかつ冷 部の大きさに制約があるため、十分な冷却 力を持たせることは困難である。また、こ 方法では溝付ローラの熱膨張を制御するこ ができない。
一方、切断中の溝付きローラの熱膨張につ
て、複数の溝付きローラを回転自在に支持
る軸受と、各軸受けを冷却する冷媒を供給
る冷媒供給手段と、前記冷媒の温度を調整
る冷媒温度調整手段とを備えたワイヤソー
開示されている(特開2003-145406号公報参照)。
このワイヤソーでは、溝付きローラを支承
るベアリングの内輪側へ供給する冷媒の温
を調整することが可能であるが、ベアリン
の外輪側を冷却することは困難であり、ま
、溝付きローラの熱膨張は、溝付きローラ
外周面に供給されるスラリの温度の影響も
く受けるため、溝付きローラ軸部に供給す
冷媒の温度のみを調整する手法では、溝付
ローラの熱膨張を効果的に低減することは
難である。さらに、このワイヤソーでは切
中のワークの熱膨張を制御することはでき
い。
また、特開2003-1624号公報にワークの切断中
提供するスラリの温度を一定にする、ある
は、温度制御して所定の温度にするなどに
って、ワークの温度変化を小さくしながら
ークを切断する方法が開示されている。
また、国際公開第WO00/43162号パンフレットに
ワークの温度を制御するために、温度制御し
たスラリを直接ワークに注ぐ手段または温度
制御した媒体を直接ワークに吹き付ける手段
を装備したワイヤソーが開示されている。
しかし、前記のいずれの従来の技術におい
も、ワイヤソーに特別な機構を追加する必
があったり、Warpの改善効果が十分でないと
いう問題があった。
そこで、本発明者は試験を行い、切断中の
ークの温度と溝付きローラのワイヤソー前
側及びワイヤソー後方側の変位量を測定し
ワイヤソーでワークを切断した際に生じるW
arpの発生原因について調査を行った。
図3に示すようなワイヤソーを用いて、切断
中のスラリ供給温度が23℃と一定となるよう
制御しながら、試験用に用意した直径300mm
長さ300mmのシリコンインゴットを切断した。
切断中のワークの温度変化を実測した結果
図4に示す。
なお、ワークの温度は熱電対を使用してワ
クの両端で測定した。
図4に示すように、ワークの切断中にワーク
の温度は切断開始から上昇し、ワークの切り
込み深さが約170mmの付近で38℃(約15℃上昇)に
した後下降して、切断終了部付近(この場合
、切り込み深さが約275~300mm)において、急激
低下して、切断終了時にはスラリ供給温度
ほぼ同等の温度である23℃となった。
ワークの温度変化によるWarpの形状は、シ リコンの熱膨張係数、本試験でのワークの固 定方法及び、本試験で使用したワイヤソーで の、溝付きローラとワークの位置関係から、 ワークの両端方向の面に対し凹面であり、ワ ークの両端で5μm程度のWarpが生成されている 推測された。
次に、溝付きローラの変位量を実測した結
を図5(A)に示す。
なお、溝付きローラの変位量は、渦電流セ
サを溝付きローラの軸方向に接近して配設
て測定を行った(図5(B)参照)
図5(A)に示すように、溝付きローラの装置前
方側の位置は、ワークの切断開始からワーク
の切り込み深さが150mmまでの間に約10μm前方
変位し、その後、ワークの切断終了まで変
量は一定だった。一方、溝付きローラの装
後方側の位置は切断中にほとんど変位しな
った。
溝付きローラの変位によるWarpの形状は、 シリコンの熱膨張係数、本試験でのワークの 固定方法及び、本試験で使用したワイヤソー での溝付きローラとワークの位置関係から、 ワークの装置前方側の面に対し凸面であり、 ワークの装置前方側の端面で3μm、ワークの 置後方側の端面で0.7μm程度のWarpが生成され いると推測された。
このように、ウェーハ測定において実際 測定されるWarpは、前記ワークの温度変化や 溝付きローラの変位による切断軌跡の湾曲と 、これ以外の定量化できない種々の要因によ る切断軌跡の湾曲が合成された結果である。 従って、Warpを改善するためには、定量化で る要因、すなわちワークの温度変化と溝付 ローラの変位による切断軌跡の湾曲を小さ することが重要となる。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑みて されたもので、ワークの切断終了部付近で ワークの温度の低下を抑制し、なおかつ切 中の溝付きローラの変位の増加率の変化量 小さくすることにより、ワークに描かれる 断軌跡を直線に近くすることができるよう して切断するワークのWarpを改善可能なワイ ヤソー及びワイヤソーを用いたワークの切断 方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、 イヤを複数の溝付きローラに巻掛けし、該 付きローラにスラリを供給しつつ、前記ワ ヤを走行させながらワークを前記ワイヤに し当てることによって、前記ワークがウェ ハ状に切断されるワイヤソーによるワーク 切断方法において、前記スラリの供給温度 、前記ワークの切断開始から切断終了まで 間上昇させながらワークを切断することを 徴とするワイヤソーによるワークの切断方 を提供する。
このように、スラリの供給温度を、前記 ークの切断開始から切断終了までの間上昇 せながらワークを切断することによって、 ークの切断終了部付近でのワークの温度低 を抑制することができ、また、切断中の溝 きローラの変位の増加率の変化量を小さく ることができる。これによって、ワークに かれる切断軌跡を直線に近くすることがで 、切断するワークのWarpの形成を抑制するこ とができる。
このとき、前記ワークの切断開始から切断
了までの間のスラリの供給温度の上昇を5℃
以上15℃以下とすることが好ましい。
スラリ供給温度の上昇幅を5℃以上とするこ
とによって、切断終了部付近でのワーク温度
低下を抑制する効果を発揮することができる
。また、上昇幅を15℃以下とすることによっ
、ワーク以外のワイヤソー機構部の温度が
昇し、ワイヤソーのワーク保持精度やワー
送り精度の低下が発生することによるWarpへ
の悪影響が発生することはない。
またこのとき、前記ワークの切断開始時の
ラリの供給温度とワークの温度との差を3℃
以下とすることが好ましい。
このように、前記ワークの切断開始時のス
リの供給温度とワークの温度との差を3℃以
下とすることによって、ワークの切断開始時
のワークの温度上昇が滑らかになり、ワーク
の切断開始時のワークの温度の急激な変化に
よるWarpの悪化を防ぐことができる。
またこのとき、前記ワークの切断開始から
断終了までの間のスラリの供給温度の上昇
を一定とすることが好ましい。
このように、ワークの切断開始から切断終
までの間のスラリの供給温度の上昇率を一
とすることで、切断中の溝付きローラの変
の増加率が一定になる。これによって、ワ
クに描かれる切断軌跡をより直線的とする
とができ、切断するワークのWarpの形成をよ
り効果的に抑制することができる。
また、本発明は、ワイヤを複数の溝付き ーラに巻掛けし、該溝付きローラにスラリ 供給しつつ、前記ワイヤを走行させながら ークを前記ワイヤに押し当てることによっ 、前記ワークをウェーハ状に切断するワイ ソーであって、前記スラリの供給温度を、 記ワークの切断開始から切断終了までの間 昇させながらワークを切断するよう制御す ものであることを特徴とするワイヤソーを 供する。
このように、本発明のワイヤソーは、ス リの供給温度を、ワークの切断開始から切 終了までの間上昇させながらワークを切断 るよう制御するので、ワークの切断終了部 近でのワークの温度低下を抑制することが きるものとなっており、また、切断中の溝 きローラの変位の増加率の変化量を小さく ることができるものとなっている。これに って、ワークに描かれる切断軌跡を直線に くすることができ、切断するワークのWarpの 形成を抑制することができるものとなってい る。
このとき、前記ワークの切断開始から切断
了までの間のスラリの供給温度の上昇を5℃
以上15℃以下となるよう制御するものである
とが好ましい。
スラリ供給温度の上昇幅を5℃以上に制御す
れば、切断終了部付近でのワーク温度低下を
抑制する効果を確実に発揮することができる
。また、上昇幅を15℃以下に制御すれば、ワ
ク以外のワイヤソー機構部の温度が上昇し
ワイヤソーのワーク保持精度やワーク送り
度の低下が発生することによるWarpへの悪影
響が発生することはない。
このように、本発明のワイヤソーは、ワー
の切断開始から切断終了までの間のスラリ
供給温度の上昇を5℃以上15℃以下となるよ
制御するので、切断するワークのWarpを効果
的に低減することができるものとなっている
。
またこのとき、前記ワークの切断開始時の
ラリの供給温度とワークの温度との差を3℃
以下となるよう制御するものであることが好
ましい。
このように、本発明のワイヤソーは、ワー
の切断開始時のスラリの供給温度とワーク
温度との差を3℃以下となるよう制御するの
で、ワークの切断開始時のワークの温度上昇
が滑らかになり、ワークの切断開始時のワー
クの温度の急激な変化によるWarpの悪化を防
ことができるものとなっている。
またこのとき、前記ワークの切断開始か 切断終了までの間のスラリの供給温度の上 率が一定となるよう制御するものであるこ が好ましい。
このように、本発明のワイヤソーは、ワ クの切断開始から切断終了までの間のスラ の供給温度の上昇率を一定となるよう制御 るので、切断中の溝付きローラの変位の増 率が一定になる。これによって、ワークに かれる切断軌跡をより直線的にすることが き、切断するワークのWarpの形成をより効果 的に抑制することができるものとなっている 。
本発明ではワイヤソーにおいて、スラリの
給温度を、前記ワークの切断開始から切断
了までの間上昇させながらワークを切断す
よう制御するので、ワークの切断終了部付
でのワークの温度低下を抑制することがで
、また、切断中の溝付きローラの変位の増
率の変化量を小さくすることができる。こ
によって、ワイヤソーに特別な機構を追加
ることなく、ワークに描かれる切断軌跡を
線に近くすることができ、切断するワーク
Warpの形成を抑制することができるワークの
切断方法となる。
以下では、本発明の実施の形態について説
するが、本発明はこれに限定されるもので
ない。
前記のとおり、ウェーハ測定において実際
測定されるWarpは、ワークの温度変化や溝付
きローラの変位による切断軌跡の湾曲と、こ
れ以外の定量化できない種々の要因による切
断軌跡の湾曲が合成された結果である。従っ
て、Warpを改善するためには、定量化できる
因、すなわちワークの温度変化と溝付きロ
ラの変位による切断軌跡の湾曲を小さくす
ことが重要となる。
上記課題を解決するために、本発明者は ワイヤソーにおけるWarpの生成機構と、従来 のWarpの改善方法の問題点について、鋭意研 を重ねた。この結果、従来提案されているWa rp改善方法では、ワークの温度上昇や溝付き ーラの熱膨張による変位の絶対量を小さく ることによって課題を解決しようとしてい が、ワイヤソーでのWarpの生成においては、 必ずしも、ワークの温度や溝付きローラの熱 膨張による変位の絶対値がWarp値を決定する ではないことを知見し、本発明を完成させ 。
すなわち、本発明のワイヤソー及びワイ ソーによる切断方法は、スラリの供給温度 、ワークの切断開始から切断終了までの間 昇させながらワークを切断するよう制御す ので、ワークの切断終了部付近でのワーク 温度低下を抑制することができるものとな ており、また、切断中の溝付きローラの変 の増加率の変化量を小さくすることができ ものとなっている。これによって、ワーク 描かれる切断軌跡を直線に近くすることが き、切断するワークのWarpの形成を抑制する ことができるものとなっている。
図1は本発明のワイヤソーの一例を示す概略
図である。
図1に示すようにワイヤソー1は、主に、ワ
クを切断するためのワイヤ2、溝付きローラ3
、ワイヤ張力付与機構4、インゴット送り機
5、スラリ供給機構6で構成されている。
ここで、まず、スラリ供給機構6について述
べる。このスラリ供給機構6として、溝付き
ーラ3(ワイヤ2)に切断用のスラリを供給する
ズル15が配設されている。また、このノズ
15から供給される切断用のスラリは供給温度
を制御できるようになっている。
具体的には、例えば図1に示すように、スラ
リタンク16から、制御用コンピュータ18によ
制御された熱交換器19を介してノズル15に接
することにより、切断用のスラリの供給温
を制御する構成となっている。
また、スラリの種類は特に限定されず、従
と同様のものを用いることができる。例え
GC(炭化珪素)砥粒を液体に分散させたものと
することができる。
そして、切断用スラリを供給するノズル1 5とワーク送り機構5は制御用コンピュータ18 接続されており、予め設定したプログラム より、所定のワークの送り量、すなわち所 のワークの切断量に対して、自動的にノズ 15から所定量、所定のタイミングで温度制御 された切断用スラリを溝付きローラ3(ワイヤ2 )に噴射できるようになっている。
上記のワーク送り量やスラリ噴射量および
イミング、さらにはスラリ供給温度は、制
用コンピュータ18によって所望のように制
することができるが、特に制御手段はこれ
限定されない。
ワイヤ2は、一方のワイヤリール7から繰り
され、トラバーサ8を介してパウダクラッチ(
定トルクモータ9)やダンサローラ(デッドウェ
イト)(不図示)等からなる張力付与機構4を経
、溝付きローラ3に入っている。ワイヤ2がこ
の溝付きローラ3に300~400回程度巻掛けられる
とによってワイヤ列が形成される。ワイヤ2
はもう一方の張力付与機構4’を経てワイヤ
ール7’に巻き取られている。
図2に本発明で用いることができるワーク送
り機構5の一例を示す。図2に示すように、ワ
クは当て板14に接着されており、また、こ
当て板14はワークプレート13により保持され
いる。そして、これらの当て板14、ワーク
レート13を介して、ワーク送り機構5のワー
保持部11によりワークは保持される。
このワーク送り機構5は、ワークを保持しつ
つ押し下げるためのワーク保持部11、LMガイ
12を備えており、コンピュータ制御でLMガイ
12に沿ってワーク保持部11を駆動させること
により、予めプログラムされた送り速度で保
持されたワークを送り出すことが可能である
。
そして、このようにワーク送り機構5のワー
ク保持部11によって保持されたワークは、切
を行う際、ワーク送り機構5により、下方に
位置するワイヤ2へと送られる。また、この
ーク送り機構5は、ワイヤが当て板14に到達
るまでワークを下方へと送ることによって
ークの切断を完了させ、その後、ワークの
り出し方向を逆転させることにより、ワイ
列から切断済みワークを引き抜くようにす
。
上記スラリ供給機構6及びこれを制御する制
御用コンピュータ18以外のワイヤ2、溝付きロ
ーラ3、ワイヤ張力付与機構4、インゴット送
機構5は、従来のワイヤソーと同様のものと
することができる。
ワイヤ2の種類や太さ、溝付きローラ3の溝
ッチ、さらには他の機構における構成等は
に限定されるものではなく、従来法に従い
所望の切断条件となるようにその都度決定
ることができる。
例えば、ワイヤ2は、幅0.13mm~0.18mm程度の特
ピアノ線からなるものとし、(所望のウエー
厚さ+切り代)の溝ピッチを有する溝付きロ
ラ3とすることができる。
なお、ここで、溝付きローラ3についてさ らに説明を加えておく。従来より使用されて いる溝付きローラ3の一例として、図12に示す ようなものが挙げられる。溝付きローラ3の 端には、溝付きローラの軸20を支持している 軸受け21、21’が配設されているが、前述し 切断中の溝付きローラ3の軸方向の変化を考 して、例えば、軸受け21はラジアルタイプ ものであり、このラジアルタイプの軸受け21 側に溝付きローラ3が軸方向に伸びることが 能になっており、一方、軸受け21’はスラス トタイプのものであり、このスラストタイプ の軸受け21’側には伸びにくい構造になって る。通常、溝付きローラ3はこのような構造 であり、溝付きローラ3が軸方向に長さが変 した場合に装置に負荷がかかりすぎてしま ないように、両側を共に固定するのではな 、一方をその変化に対応できるようになっ いる。
したがって、本ワイヤソー装置1では、溝付
きローラ3が軸方向に伸張がすすむ場合、主
ラジアルタイプの軸受け21側(ワイヤソーの
方とする)に伸張がすすむことになる。
なお、本発明の切断方法においては、使用
るワイヤソー1において、溝付きローラ3は
記のようなタイプに限られるものではない
また、図11に示すように、ワークの温度を
定するために、ワークの両端に熱電対が設
されている。該熱電対は制御用コンピュー
18に接続されており、測定で得られたデータ
は制御用コンピュータ18でデータ処理できる
うにすることができる。
そして、本発明のワイヤソーでは、制御 コンピュータ18で、ワーク送り機構5および 交換器19を制御することで、スラリの供給 度を、ワークの切断開始から切断終了まで 間単調に上昇(供給温度を下降させない、か 、供給温度の上昇を止めない)させながらワ ークを切断するよう制御し、ワークの切断開 始から切断終了までの間のスラリの供給温度 の上昇を好ましくは5℃以上15℃以下となるよ う制御し、また、ワークの切断開始時のスラ リの供給温度とワークの温度との差を3℃以 となるよう制御する。
このとき、前記ワークの切断開始から切断
了までの間のスラリの供給温度の上昇率が
定となるよう制御するとなお良いが、制御
段はこれに限定されるわけではない。
以下、このようなワイヤソー1を用い、本発
明の切断方法を実施する手順について述べる
。
まず、ワーク送り機構5により、保持したワ
ークを所定速度で下方に送り出すとともに、
溝付きローラ3を駆動させて、ワイヤ張力付
機構4により張力が付与されたワイヤ2を往復
方向に走行させる。なお、このときのワイヤ
2に付与する張力の大きさや、ワイヤ2の走行
度等は適宜設定することができる。例えば
2.5~3.0kgfの張力をかけて、400~600m/minの平均速
度で1~2c/min(30~60s/c)のサイクルで往復方向に走
行させることができる。切断するワーク等に
合わせて決めれば良い。
また、ノズル15より、切断用スラリを溝付
ローラ3およびワイヤ2に向けて噴射を開始す
る。
このとき、スラリの供給温度を、ワークの
断開始から切断終了までの間単調に上昇さ
ながらワークを切断するように熱交換器19
制御用コンピュータ18によって制御する。
ワークの切断終了部付近でのワークの温度
下を抑制し、かつ、切断中の溝付きローラ
変位の増加率の変化量を小さくすることに
って、ワークに描かれる切断軌跡を直線に
くするためには、ワークの切断開始から切
終了までの間、供給するスラリの温度を下
させたり、上昇を停止させたりせず、上昇
せ続ければ良い。
このとき、ワークの切断開始から切断終了
での間のスラリの供給温度の上昇率が一定
なるように熱交換器19を制御用コンピュー
18によって制御するとなお良い。
このように、ワークの切断開始から切断終
までの間のスラリの供給温度の上昇率が一
となるように制御することによって、ワー
に描かれる切断軌跡をより直線的にするこ
ができる。しかし、本発明のワイヤソーで
、前記スラリの供給温度の上昇率の条件に
いてこれに限定されない。供給するスラリ
温度の上昇率はワークの切断開始から切断
了までの間で変更しても良く、常に一定で
ければならないわけではないが、該上昇率
変化量をなるべく小さくしたほうが良い。
また、ワークの切断開始から切断終了まで
間のスラリの供給温度の上昇を5℃以上15℃
下となるよう熱交換器19を制御用コンピュ
タ18によって制御することが好ましい。
スラリ供給温度の上昇幅を5℃以上とするこ
とによって、切断終了部付近でのワーク温度
低下を抑制する効果を確実に得ることができ
る。また、上昇幅を15℃以下とすることによ
て、ワーク以外のワイヤソー機構部の温度
上昇し、ワイヤソーのワーク保持精度やワ
ク送り精度の低下によるWarpへの悪影響はな
い。
また、ワークの切断開始時のスラリの供給
度とワークの温度との差を3℃以下となるよ
う熱交換器19を制御用コンピュータ18によっ
制御することができる。
このように、前記ワークの切断開始時のス
リの供給温度とワークの温度との差を3℃以
下とすることによって、ワークの切断開始時
のワークの温度上昇が滑らかになり、ワーク
の切断開始時のワークの温度の急激な変化に
よるWarpの悪化を防ぐことができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的
説明するが、本発明はこれに限定されない
(実施例1)
図1に示すワイヤソーを用い、ワークの切断
時における、溝付きローラに供給するスラリ
の供給温度を制御して直径300mm、軸方向長さ3
00mmのシリコンインゴットをウエーハ状に切
した。
なお、ワイヤ径160μmのワイヤを使用し、2.5k
gfの張力をかけて、500m/minの平均速度で60s/cの
サイクルでワイヤを往復方向に走行させて切
断した。また、スラリとしては、GC#1000とク
ラントとを重量比50:50の割合で混ぜたものを
用いた。
また、図5(B)に示すように、渦電流センサを
溝付きローラ3の軸方向に近接して配設して
く。これは、溝付きローラ3の軸方向変位を
定することができるようにするためであり
本発明に必須というわけではない。この溝
きローラ3の軸方向変位の測定は上記手段に
限定されないが、渦電流センサを用いれば非
接触で精度高く測定を行うことができるので
好ましい。
そして、切断開始時のワークの温度を23℃
し、スラリの供給温度を切断開始時の23℃か
ら切断完了時の35℃まで上昇率が一定となる
うに上昇(12℃上昇)させながらワークを切断
した。
切断中のワークの温度変化を実測した結果
図6に示す。
図6に示す通り、ワークの温度は、切断開始
から切り込み深さ285mmまで上昇し続け最高温
42.9℃に到達したが、切断終了時でのスラリ
温度が35℃と高温であるため、切断終了部付
でのワークの温度の低下は7.9℃に抑えられ
。
一方、図7に示す通り、溝付きローラは、前
方位置がワークの切り込み深さに対して直線
的に変位し切断終了時に30μmに達した。後方
置はワークの切り込み深さによらずほぼ一
の変位量だった。このように溝付きローラ
変位量は、従来のワイヤソーを使用した比
例の切断中のスラリ供給温度を23℃と一定
した場合の10μmから30μmに増加したが、変位
がワーク切り込み位置に対して直線的に増
しているため、下記のようにワーク切断軌
は湾曲せず、Warp形成への影響は大幅に抑え
られていた。
図8に切断後に測定されたウェーハのWarpの
布を示す。全ウェーハの平均値で5.51μmとな
ており、従来のワイヤソーで切断したウェ
ハのWarpに比べ大幅に改善されていた。
図10に、従来のワイヤソーと本発明のワイ
ソーで切断したワークのワイヤソー手前側
1枚目ウェーハの、ワーク送り方向断面にお
るWarp形状の比較を示す。図10から従来のワ
ヤソーを用いた場合に比べ本発明のワイヤ
ーを用いて切断したウェーハの表面のほう
より湾曲が抑えられていることがわかる。
(実施例2)
上記実施例1において、スラリ供給温度を切
断開始時の23℃から切断の中間(切り込み深さ
150mm)時の28℃まで上昇率が一定となるように
昇させ、さらにそこから切断完了時の35℃
で上昇率が一定となるように制御した(切断
中間時で上昇率を変化させるように制御し
)以外は、実施例1と同じ条件でワークを切
し、実施例1と同様のWarpの評価を行った。
その結果、全ウェーハの平均値で6.95μmと、
スラリの供給温度の上昇率を途中で変化させ
たために、実施例1よりは悪い結果であった
のの、従来のワイヤソーで切断したウェー
のWarpに比べ改善されていた。
(実施例3)
上記実施例1において、スラリ供給温度を切
断開始時の23℃から切断の中間(切り込み深さ
150mm)時の30℃まで上昇率が一定となるように
昇させ、さらにそこから切断完了時の35℃
で上昇率が一定となるように制御した(切断
中間時で上昇率を変化させるように制御し
)以外は、実施例1と同じ条件でワークを切
し、実施例1と同様のWarpの評価を行った。
その結果、全ウェーハの平均値で7.33μmと、
スラリの供給温度の上昇率を途中で変化させ
たために、実施例1よりは悪い結果であった
のの、従来のワイヤソーで切断したウェー
のWarpに比べ改善されていた。
(実施例4)
上記実施例1において、スラリ供給温度を切
断開始時の23℃から切断完了時の28℃まで上
率が一定となるように制御した以外は、実
例1と同じ条件でワークを切断し、実施例1と
同様のWarpの評価を行った。
その結果、全ウェーハの平均値で7.53μmと実
施例1よりは悪い結果であったものの、従来
ワイヤソーで切断したウェーハのWarpに比べ
善されていた。実施例1に比べWarpの改善が
ないのは、切断中に供給するスラリの供給
度の上昇幅を実施例1より小さくしたため、
ークに描かれる切断軌跡をより直線的とす
ための効果が小さかったためである。
(実施例5)
上記実施例1において、スラリ供給温度を切
断開始時の23℃から切断完了時の40℃まで上
率が一定となるように制御した以外は、実
例1と同じ条件でワークを切断し、実施例1と
同様のWarpの評価を行った。
その結果、全ウェーハの平均値で8.22μmと実
施例1よりは悪い結果であったものの、従来
ワイヤソーで切断したウェーハのWarpに比べ
善されていた。実施例1に比べWarpの改善が
ないのは、切断中に供給するスラリの供給
度の上昇幅を15℃を超えるようにしたため、
ワーク以外のワイヤソー機構部の温度が上昇
し、ワイヤソーのワーク保持精度やワーク送
り精度の低下が発生することによるWarpへの
影響が発生したためと考えられる。
(実施例6)
上記実施例1において、スラリ供給温度を切
断開始時の20℃から切断完了時の35℃まで上
率が一定となるように制御した以外は、実
例1と同じ条件でワークを切断し、実施例1と
同様のWarpの評価を行った。
その結果、全ウェーハの平均値で7.93μmと実
施例1よりは悪い結果であったものの、従来
ワイヤソーで切断したウェーハのWarpに比べ
善されていた。実施例1に比べWarpの改善が
ないのは、ワークの切断開始時のスラリの
給温度とワークの温度との差を3℃としたた
、ワークの切断開始時のワークの温度の変
によるWarpの悪化の抑制が実施例1に比べ十
でなかったためである。
(実施例7)
上記実施例1において、スラリ供給温度を切
断開始時の26℃から切断完了時の35℃まで上
率が一定となるように制御した以外は、実
例1と同じ条件でワークを切断し、実施例1と
同様のWarpの評価を行った。
その結果、全ウェーハの平均値で7.71μmと実
施例1よりは悪い結果であったものの、従来
ワイヤソーで切断したウェーハのWarpに比べ
善されていた。実施例1に比べWarpの改善が
ないのは、ワークの切断開始時のスラリの
給温度とワークの温度との差を3℃としたた
、ワークの切断開始時のワークの温度の変
によるWarpの悪化の抑制が実施例1に比べ十
でなかったためである。
(実施例8)
上記実施例1において、スラリ供給温度を切
断開始時の23℃から切断完了時の27℃まで上
率が一定となるように制御した以外は、実
例1と同じ条件でワークを切断し、実施例1と
同様のWarpの評価を行った。
その結果、全ウェーハの平均値で8.71μmと実
施例1よりは悪い結果であったものの、従来
ワイヤソーで切断したウェーハのWarpに比べ
善されていた。実施例1に比べWarpの改善が
ないのは、切断中に供給するスラリの供給
度の上昇幅を5℃未満である4℃としたため、
切断終了部付近でのワーク温度低下を抑制す
る効果が実施例1に比べ十分でなかったため
ある。
(実施例9)
上記実施例1において、スラリ供給温度を切
断開始時の19℃から切断完了時の34℃まで上
率が一定となるように制御した以外は、実
例1と同じ条件でワークを切断し、実施例1と
同様のWarpの評価を行った。
その結果、全ウェーハの平均値で8.67μmと実
施例1、実施例6よりは悪い結果であったもの
、従来のワイヤソーで切断したウェーハのW
arpに比べ改善されていた。実施例1、実施例6
比べWarpの改善が少ないのは、ワークの切断
開始時のスラリの供給温度とワークの温度と
の差を3℃を超える4℃としたため、ワークの
断開始時のワークの温度の変化によるWarpの
悪化の抑制が実施例1、実施例6に比べ十分で
かっためである。
(実施例10)
上記実施例1において、スラリ供給温度を切
断開始時の27℃から切断完了時の36℃まで上
率が一定となるように制御した以外は、実
例1と同じ条件でワークを切断し、実施例1と
同様のWarpの評価を行った。
その結果、全ウェーハの平均値で8.82μmと実
施例1、実施例7よりは悪い結果であったもの
、従来のワイヤソーで切断したウェーハのW
arpに比べ改善されていた。実施例1、実施例7
比べWarpの改善が少ないのは、ワークの切断
開始時のスラリの供給温度とワークの温度と
の差を3℃を超える4℃としたため、ワークの
断開始時のワークの温度の変化によるWarpの
悪化の抑制が実施例1、実施例7に比べ十分で
かっためである。
(比較例)
上記実施例1において、スラリ供給温度を切
断開始から切断終了まで23℃と一定となるよ
に制御した以外は、実施例1と同じ条件でワ
ークを切断し、実施例1と同様の評価を行っ
。
切断中のワークの温度変化を実測した結果
図4に示す。
図4に示す通り、切断中にワークの温度は切
断開始から上昇し、ワーク切り込み深さが約
170mmの付近で38.2℃と最高温度に達した後、そ
の後は降下し、切断終了部までにスラリ供給
温度と同じ23℃まで15.2℃低下した。
図5(A)に示すように、溝付きローラの前方位
置は、切断開始からワークの切り込み深さが
150mmまでの間に約10μm前方に変位し、その後
ワークの切断終了まで変位量は一定だった
一方、溝付きローラの後方位置は切断中に
とんど変位しなかった。
図9に切断後に測定されたウェーハのWarpの分
を示す。全ウェーハの平均値で9.05μmだった
。
表1に、各実施例、比較例における条件と ワーク切断時におけるWarpの結果をまとめた のを示す。
以上示したように、スラリの供給温度を、
記ワークの切断開始から切断終了までの間
昇させながらワークを切断するよう制御す
本発明のワイヤソーを用いることによって
ワークの切断終了部付近でのワークの温度
下を抑制することができ、また、切断中の
付きローラの変位の増加率の変化量を小さ
することができる。これによって、ワーク
描かれる切断軌跡を直線に近くすることが
き、切断するワークのWarpの形成を抑制する
ことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定され
ものではない。上記実施形態は例示であり
本発明の特許請求の範囲に記載された技術
思想と実質的に同一な構成を有し、同様な
用効果を奏するものは、いかなるものであ
ても本発明の技術的範囲に包含される。
