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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR DETECTING CRACK OCCURRENCE POSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028164
Kind Code:
A1
Abstract:
A surface layer (4) made of a composite material is overlaid on a surface (3) of a core layer (2) made of a foam synthetic resin material. An arrestor section (5) for preventing progress of separation between the surface layer (4) and the core layer (2) is provided in an interface region between the surface layer (4) and the core layer (2). Optical fibers (6a, 6b) having grating sections are embedded in the arrestor section (5) so as to extend along the surface layer (4). The position of occurrence of a crack between the surface layer (4) and the core layer (3) is detected by comparing spectra (A, B) of light reflected from the optical fibers (6a, 6b).

Inventors:
TAKEDA NOBUO
HIROSE YASUO
Application Number:
PCT/JP2008/002293
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV TOKYO (JP)
KAWASAKI HEAVY IND LTD (JP)
TAKEDA NOBUO
HIROSE YASUO
International Classes:
B64C1/00; G01B11/00; G01D5/353; G01M11/00
Foreign References:
JP2005208000A2005-08-04
JPH09510293A1997-10-14
JPH05340867A1993-12-24
JP2001004440A2001-01-12
JP2004317436A2004-11-11
JP2001021384A2001-01-26
JP2006282046A2006-10-19
Other References:
See also references of EP 2187165A4
Attorney, Agent or Firm:
PATENT CORPORATE BODY ARCO PATENT OFFICE (Bo-eki Bldg.123-1 Higashimachi, Chuo-ku,Kobe-sh, Hyogo 31, JP)
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Claims:
 発泡合成樹脂材料から成るコア層の表面に複合材料から成る表層を積層し、前記表層と前記コア層との界面領域に、前記表層と前記コア層との間の剥離の進展を阻止するためのアレスタ部を設け、
 前記アレスタ部内に、グレーティング部を有する複数の光ファイバを前記表層に沿って埋設し、
 各光ファイバからの反射光のスペクトルを比較することによって、前記表層と前記コア層との間の亀裂の発生位置を検出することを特徴とする亀裂発生位置の検出方法。
 前記各光ファイバは、前記アレスタ部の前記表層に沿う両端部にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1記載の亀裂発生位置の検出方法。
Description:
亀裂発生位置の検出方法

 本発明は、アレスタ部によって進展が阻 された亀裂の発生位置を検出するための方 に関する。

 近年、航空機の機体および高速鉄道車両 どの構造用材料として、発泡コアサンドイ チパネル(Foam Core Sandwich Panel)が用いられ いる。この発泡コアサンドイッチパネルは 発泡合成樹脂材料から成るコア層の表面に 繊維強化樹脂(略称FRP)から成る面板とも呼ば れる表層が一体的に形成された構造である。 発泡コアサンドイッチパネルは、軽量で高い 剛性が得られるとともに、水などの液体が浸 入せず、一体成形が可能であるため部品点数 を削減できるという多くの利点を有するが、 表層とコア層との間の剥離に弱いという問題 がある。

 前記表層とコア層との間の剥離を防止す 従来技術は、たとえば日本国公開公報の特 2006-282046号に提案されている。この先行技 では、表層である面板と、コア層である心 との間に、アレスタを設け、このアレスタ よって亀裂の進展を停留させることによっ 、面板と心材との間の剥離を阻止すること 提案されている。

 前記先行技術では、剥離の原因となる亀 の進展を停留させることが可能であるが、 の亀裂を修復するためには、亀裂の発生し 位置を特定する必要がある。しかしながら 発泡コアサンドイッチパネルのような部材 部で発生した亀裂の発生位置を容易に検出 る技術は、存在しない。

 本発明の目的は、部材内部の亀裂の発生 置を、容易にかつ正確に検出することがで る亀裂発生位置の検出方法を提供すること ある。

 本発明は、発泡合成樹脂材料から成るコ 層の表面に複合材料から成る表層を積層し 前記表層と前記コア層との界面領域に、前 表層と前記コア層との間の剥離の進展を阻 するためのアレスタ部を設け、前記アレス 部内に、グレーティング部を有する複数の ファイバを前記表層に沿って埋設し、各光 ァイバからの反射光のスペクトルを比較す ことによって、前記表層と前記コア層との の亀裂の発生位置を検出することを特徴と る亀裂発生位置の検出方法である。

 また本発明は、前記各光ファイバは、ア スタ部の前記表層に沿う両端部にそれぞれ けられることを特徴とする。

 本発明によれば、アレスタ部にグレーテ ング部を有する複数の光ファイバを埋設し 各光ファイバから反射光のスペクトルを比 することによって、亀裂が発生している位 を検出することができる。

 このような亀裂発生位置の検出は、亀裂先 がアレスタ部に近づくと、アレスタ部の応
力が増加するという知見に基づくものであっ て、各光ファイバのグレーティング部に非軸 対称な歪みが生じると、直交する2つの主応 方向に対して屈折率が異なることとなる。 って、反射光のスペクトルは波長の異なる ークを示す分布となり、これに基づく各光 ァイバの応力差から、亀裂が発生している 置を特定することができる。

 また本発明によれば、各光ファイバがア スタ部の表層に沿う両端部にそれぞれ設け れるので、亀裂によって発生したアレスタ の応力が分散しない位置に各光ファイバが 置されることになる。よって、応力変化が 光ファイバの歪み変化に反映されることと り、亀裂の検出感度が向上し、亀裂発生位 の検出精度が向上する。

本発明の実施の一形態の亀裂発生位置 検出方法の原理を説明するための図である 亀裂先端Pの接近に伴うアレスタ部5の 力変化を示す図である。 アレスタ部5に光ファイバ6a,6bを埋め込 だ発泡コアサンドイッチパネル1のFEMモデル を示す図である。 FEMモデルによる解析結果を示す図であ 。

 図1は本発明の実施の一形態の亀裂発生位 置の検出方法の原理を説明するための図であ る。本実施形態の亀裂発生位置の検出方法は 、航空機の機体および高速鉄道車両の構体な どに用いられる発泡コアサンドイッチパネル 1の亀裂発生位置を検出するために実施され 。発泡コアサンドイッチパネル1は、発泡合 樹脂材料から成るコア層2の表面3に、複合 料から成る表層4が積層され、表層4とコア層 2との界面領域に、表層4およびコア層2間の剥 離の進展を阻止するためのアレスタ部5が設 られる。

 コア層2は、発泡コアとも呼ばれ、たとえ ばポリエーテルイミド(略称PEI)またはポリビ ルクロライド(略称PVR)またはポリメタクリ イミド(略称PMI)から成る発泡合成樹脂によっ て構成される。

 また、表層4は、繊維強化樹脂(略称FRP)か 成る。繊維強化樹脂は、直径約10μmの強化 維が直交3軸方向に配向性を持つように張架 れた基材に、マトリクス樹脂を含浸させた 合材料である。強化繊維は、炭素繊維であ てもよく、ガラス繊維であってもよい、ま マトリクス樹脂は、たとえばエポキシ樹脂 用いられる。

 アレスタ部5内には、グレーティング部を 有する複数(本実施形態では2)の光ファイバ6a, 6bが表層4に沿って埋設され、各光ファイバ6a, 6bからの反射光のスペクトルA,Bを比較するこ によって、表層4およびコア層2間の亀裂の 生位置を検出することができる。

 各光ファイバ6a,6bは、たとえばコア外径8. 5μm~10μm、クラッド外径40μm~125μmの通信用シ グルモード光ファイバによって構成され、 レスタ部5の表層4に沿う両端部にそれぞれ設 けられる。これらの光ファイバ6a,6bに非軸対 な歪みが発生すると、直交する2つの主応力 方向X,Yに対してそれぞれ異なる屈折率が各光 ファイバ6a,6bのコア内に生じる。このとき、 光面となる2つのグレーティング部は、異な る波長の独立した光を反射するため、亀裂の 進展方向の上流側(図1では左側)に配置される 光ファイバ6aからの反射光のスペクトルAは、 2つのピークに分離し、顕著な双峰性を示す

 亀裂の進展方向の下流側に配置される他 の光ファイバ6bでは、アレスタ部5の亀裂に る応力が小さいため、光ファイバ6bからの 射光のスペクトルBは、顕著にピークが分離 るまでには至らず、スペクトル幅が広くな てスペクトル形状の崩れが確認される。

 このような2つのスペクトルA,Bの形状は、グ レーティング部と亀裂先端との距離Lに依存 るグレーティング部の3次元応力状態と直接 に関係付けられる。たとえば、スペクトルA の2つに分離したピークの間隔Hは、直交するX ,Y主応力方向の垂直応力差と比例し、グレー ィング部と亀裂先端との距離の関数である また、スペクトルBのような場合には、スペ クトルの半値幅h(ピーク値の1/2値を与える波 の間隔)がグレーティング部と亀裂先端との 距離Lの関数となる。よって、グレーティン 部と亀裂先
端との距離Lを、2つに分離したピークの間隔H 、あるいは、スペクトルの半値幅hの関数と て、即ち、L=F(H)あるいはL=F(h)として、解析 用いるコンピュータに予め設定しておくこ によって、亀裂先端位置を検出することが きる。

 各光ファイバ6a,6bには、LEDなどを用いた 帯域光源から光を入射させ、グレーティン 部で反射された反射光を光スペクトルアナ イザによって解析することでスペクトルA,B 得られ、そのスペクトルに関する情報を前 コンピュータに入力し、亀裂発生位置Lを算 することができる。

 図1では、発泡コアサンドイッチパネル1の 面の下に各光ファイバ6a,6bに対応して得られ たスペクトルA,Bを示し、このようなグレーテ ィング部を有する各光ファイバ6a,6bは、ファ バ・ブラッグ・グレーティング(Fiber Bragg G rating;略称F
BG)センサを構成する。グレーティング部は、 光ファイバ6a,6bのコアの屈折率を軸方向に周 的に変化させたブラッグ格子である。

 グレーティング部は、一例として述べる 、長さ10mm、周期が約530nmであり、各光ファ バ6a,6bの延在方向に、50mm~300mmの間隔をあけ 形成される。この間隔は、50mm~300mmに限るも のではなく、亀裂の発生位置を検出しようと する対象構造物や部位に応じて、要求される 検出位置にグレーティング部が配置されるよ うに任意に選ばれる。

 図2は亀裂先端Pの接近に伴うアレスタ部5 応力変化を示す図である。図2中の(1)は、亀 裂先端Pがアレスタ部5から距離L=15.0mmに存在 るときのアレスタ部5の応力発生状況を示し 図2中の(2)は亀裂先端Pがアレスタ部5から距 L=10.2mmに存在するときのアレスタ部5の応力 生状況を示し、図2中の(3)は亀裂先端Pがア スタ部5から距離L=5.1mmに存在するときのアレ スタ部5の応力発生状況を示す。図2中の(4)は 裂先端Pがアレスタ部5から距離L=2.4mmに存在 るときのアレスタ部5の応力発生状況を示し 、図2中の(5)は亀裂先端Pがアレスタ部5から距 離L=0.2mmに存在するときのアレスタ部5の応力 生状況を示し、図2中の(6)は亀裂先端Pがア スタ部5から距離L=0.09mmに存在するときのア スタ部5の応力発生状況を示す。

 図2では、アレスタ部5の応力が大きいほ 明度が高く(白く)、応力が小さいほど明度が 低く(暗く)表され、同図から明らかなように 亀裂先端Pがアレスタ部5に接近して距離Lが さくなるほどアレスタ部5内の応力は大きく なる。

 図3はアレスタ部5に光ファイバ6a,6bを埋め 込んだ発泡コアサンドイッチパネル1のFEMモ ルを示す図であり、図4はFGBセンサのスペク ルを示す図である。本件発明者は、亀裂先 の接近によってアレスタ部5の応力が増加す ることを確認するため、各光ファイバ6a,6bを め込んだ半径10mmの半円形断面のアレスタ部 5を有する長さ180mm、幅35mm、厚み26mmの発泡コ サンドイッチパネル1を模擬したFEMモデル10 用いて、亀裂先端Pがアレスタ部5の亀裂進 方向の上流側端部に接近する際の反射光ス クトルを求めたところ、図4のスペクトルA1,B 1を得た。

 その結果、亀裂の接近に伴うアレスタ部5 内の応力変化によって、反射光スペクトルの ピークが移動する現象を利用して、亀裂発生 位置を検出できることが確認された。

 以上のように本実施の形態によれば、アレ タ部5にグレーティング部を有する複数の光 ファイバ6a,6bを埋設し、各光ファイバ6a,6bか 反射光のスペクトルA,B
を比較することによって、亀裂が発生してい る亀裂先端位置を検出することができる。

 このような亀裂発生位置の検出は、亀裂 端Pがアレスタ部5に近づくと、アレスタ部5 応力が増加するという知見に基づくもので って、各光ファイバ6a,6bのグレーティング に非軸対称な歪みが生じると、直交する2つ 主応力方向に対して屈折率が異なることと る。よって、反射光のスペクトルは前述の 1に示されるように、波長の異なるピークを 示す分布となり、これに基づく各光ファイバ 6a,6bの応力差から、亀裂が発生している位置 特定することができる。

 また、各光ファイバ6a,6bがアレスタ部5の 層4に沿う両端部にそれぞれ設けられるので 、亀裂によって発生したアレスタ部5の応力 断面全体に分散しない位置に各光ファイバ6a ,6bが配置されることになる。よって、微小な 応力変化が各光ファイバ6a,6bの歪みの変化に 映されることとなり、亀裂の検出感度が向 し、亀裂発生位置の検出精度が向上する。

 このように亀裂の進展範囲を容易に特定 ることができるので、検査、修理に要する 用を低減することができる。また各光ファ バ6a,6bは、アレスタ部5に埋設されるので、 裂発生位置もアレスタ部5が存在する既知の 位置上に存在することになり、亀裂発生位置 の特定が容易かつ正確である。

 また、前述のような亀裂発生位置の検出 法によれば、進展がアレスタ部5によって抑 制されている亀裂が存在する発泡コアサンド イッチパネルによって構築された航空機や高 速鉄道車両などの実施対象物が運用中であっ てもモニタすることができる。よって、運行 上の安全性の向上を図り、たとえば航空機で あれば、損傷を修理することができる空港ま で運行を継続することも可能であり、運行に 支障を生じることなしに亀裂発生位置を検出 することができる。