住友ゴム工業株式会社 (〒72 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 Hyogo, 65100, JP)
| 4輪車両に装着したタイヤから得られる車輪回転速度に基づいてタイヤ空気圧の低下を検出するタイヤ空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法であって、 サスペンション部材を含む車両モデルを作成する車両モデル作成ステップと、 タイヤモデルを作成するタイヤモデル作成ステップと、 タイヤと路面との間の摩擦係数を入力するステップと、 前記タイヤモデルが装着された車両モデルの走行シミュレーションを行うシミュレーションステップと を含んでおり、前記シミュレーションステップにおいて得られる4輪各輪のタイヤの車輪回転速度に基づいて、当該タイヤの空気圧が低下しているか否かを判定するための判定パラメータを設定することを特徴とするタイヤ空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法。 |
| 前記車輪回転速度は、少なくともタイヤと路面間のスリップと、荷重負荷によるタイヤ半径の変化とを考慮して得られるものであり、且つ 前記シミュレーションステップにおいて、さらに、車両が旋回しているときの判定パラメータを補正する補正パラメータ、異なる特性のタイヤが装着されていることを判定するタイヤ混用判定パラメータ、および車両の荷重状態が偏っていることを判定する偏荷重状態判定パラメータのうち少なくとも1つを、前記車輪回転速度に基づいて算出する請求項1に記載のタイヤ空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法。 |
| 前記タイヤモデルが、タイヤの前後力、横力、アライニングモーメント、およびキャンバースラストを含むタイヤの特性値により作成される請求項1または2に記載のタイヤ空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法。 |
| 車両の走行条件を変えて前記走行シミュレーションを実行することにより、前記補正パラメータ、タイヤ混用判定パラメータおよび偏荷重状態判定パラメータのうち少なくとも1つのパラメータの精度確認を行う請求項2に記載のタイヤ空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法。 |
| 走行中に車両に発生する空気抵抗を表現する、車両の前面投影面積、空力が作用する参照点、空気抗力係数および空気揚力係数を含むデータを入力するステップを更に含んでおり、 前記タイヤモデルを作成するステップが、少なくとも正規内圧時および減圧時におけるタイヤの前後力の特性を表すことができるタイヤモデルを作成するステップであり、且つ、 前記シミュレーションステップにおいて得られる4輪各輪のタイヤの車輪回転速度に基づいて、駆動輪タイヤの空気圧が低下しているか否かを判定するためのパラメータを設定する請求項1に記載のタイヤ空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法。 |
| 前記車両モデルが、車両重心位置、車両慣性モーメント、ホイールベース長さ、車両前後輪の各トラック幅、車両重量、サスペンションのスプリングバネ特性、ダンパー減衰特性、およびロールセンター高さを含む車両の特性値により作成される請求項1または5に記載のタイヤ空気圧低下検出方法におけるパラメータの設定方法。 |
本発明は空気圧低下検出方法におけるパ メータの設定方法に関する。さらに詳しく 、走行する車両の運動解析シミュレーショ により前記パラメータの設定を行う、空気 低下検出方法におけるパラメータの設定方 に関する。
車両に装着された車輪の回転速度を用い 、タイヤの空気圧が低下しているか否かを 接的に検出する方法がある(例えば、特開200 5-1419号および特開2006-1298号参照)。従来、こ ような検出方法を実用化するに際しては、 車テストを実施することにより、かかる検 方法に用いられているロジックの検証およ 変数(パラメータ)の最適化を含む適合作業と 呼ばれる作業を行っていた。すなわち、空気 圧低下検出装置を搭載する予定の開発車両を 入手し、テストコースなどを走行させる実車 テストを実施することで、4輪各輪の車輪回 速度、横G、ヨーレート、ステアリングアン ル、ホイールトルクなどの各種センサ情報 どの情報(空気圧低下検出に必要な情報)を ていた。そして、得られたテストデータを 析することで車両ごとの適合作業を行って た。特に、ドライバーに対して減圧警報を するか否かを決める警報閾値の設定は、複 の速度水準で一定速度での直線走行を実施 、得られるテストデータより求めている。
しかしながら、実車テストは、開発車両 体が必要であるため、当該開発車両の完成 待つ必要があり、また、テスト車両の数や ストの実施期間が制限されるなどの制約が る。また、実際にテストドライバーによっ テストを実施するため、人件費、車両管理 、燃料費などの多大な費用が掛かるととも 、計測準備、データ解析などの多岐にわた 膨大な工数と長期に及ぶ開発期間を要する いう問題もある。さらに、すでに適合作業 終えた開発車両がマイナーチェンジを行っ 場合、このマイナーチェンジをした開発車 による新たな実車テストを実施する必要が り、1種類の開発車両について適合作業が完 了するまでには、多くのコストと時間を要し ていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなさ たものであり、空気圧低下検出方法に用い れるパラメータを選定するに際し、実車に るテストを解消または削減することができ 空気圧低下検出方法におけるパラメータの 定方法を提供することを目的としている。
本発明のタイヤ空気圧低下検出方法におけ
パラメータの設定方法(以下、単に「設定方
法」ともいう)は、4輪車両に装着したタイヤ
ら得られる車輪回転速度に基づいてタイヤ
気圧の低下を検出するタイヤ空気圧低下検
方法におけるパラメータの設定方法であっ
、
サスペンション部材を含む車両モデルを作
する車両モデル作成ステップと、
タイヤモデルを作成するタイヤモデル作成
テップと、
タイヤと路面との間の摩擦係数を入力する
テップと、
前記タイヤモデルが装着された車両モデル
走行シミュレーションを行うシミュレーシ
ンステップと
を含んでおり、前記シミュレーションステ
プにおいて得られる4輪各輪のタイヤの車輪
回転速度に基づいて、当該タイヤの空気圧が
低下しているか否かを判定するための判定パ
ラメータを設定することを特徴としている。
本発明の設定方法では、作成したタイヤ デルを装着した車両モデルの走行シミュレ ションを行うことで4輪各輪のタイヤの車輪 回転速度を得ている。そして、この車輪回転 速度に基づいて、当該タイヤの空気圧が低下 しているか否かを判定するための判定パラメ ータを設定するので、実車テストを行うこと なくタイヤの減圧判定に必要なパラメータを 得ることができる。したがって、実車テスト に要していたコストや時間を大幅に削減する ことができる。
前記車輪回転速度を、少なくともタイヤと
面間のスリップと、荷重負荷によるタイヤ
径の変化とを考慮して得られるものとし、
つ
前記シミュレーションステップにおいて、
らに、車両が旋回しているときの判定パラ
ータを補正する補正パラメータ、異なる特
のタイヤが装着されていることを判定する
イヤ混用判定パラメータ、および車両の荷
状態が偏っていることを判定する偏荷重状
判定パラメータのうち少なくとも1つを、前
記車輪回転速度に基づいて算出するように構
成することができる。この場合、タイヤが実
際に減圧していないにもかかわらずタイヤ減
圧であると判定する誤判定を防止するのに用
いられる補正パラメータ、タイヤ混用判定パ
ラメータおよび偏荷重状態判定パラメータを
実車テストを行うことなく得ることができる
。
前記タイヤモデルを、タイヤの前後力、 力、アライニングモーメント、およびキャ バースラストを含むタイヤの特性値により 成することができる。
車両の走行条件を変えて前記走行シミュ ーションを実行することにより、前記補正 ラメータ、タイヤ混用判定パラメータおよ 偏荷重状態判定パラメータのうち少なくと 1つのパラメータの精度確認を行うのが好ま しい。この構成によれば、種々の走行条件下 において走行シミュレーションを実行するこ とで、誤判定を防止するための補正パラメー タ、タイヤ混用判定パラメータおよび偏荷重 状態判定パラメータの精度を高めることがで き、タイヤ空気圧低下方法の耐誤報性(警報 べき空気圧の低下が起こっていない場合に 報を出さないこと)を向上させることができ 。
走行中に車両に発生する空気抵抗を表現す
、車両の前面投影面積、空力が作用する参
点、空気抗力係数および空気揚力係数を含
データを入力するステップを更に含んでお
、
前記タイヤモデルを作成するステップが、
なくとも正規内圧時および減圧時における
イヤの前後力の特性を表すことができるタ
ヤモデルを作成するステップであり、且つ
前記シミュレーションステップにおいて得
れる4輪各輪のタイヤの車輪回転速度に基づ
いて、駆動輪タイヤの空気圧が低下している
か否かを判定するためのパラメータを設定す
るように構成することができる。
前記車両モデルを、車両重心位置、車両 性モーメント、ホイールベース長さ、車両 後輪の各トラック幅、車両重量、サスペン ョンのスプリングバネ特性、ダンパー減衰 性、およびロールセンター高さを含む車両 特性値により作成することができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の設
方法の実施の形態を詳細に説明する。
車輪の回転角速度から間接的にタイヤの減
を検出するタイヤ空気圧低下検出装置(DWS)
、車両に搭載されている制御ユニットなど
制御手段に含まれる記憶部に予め記憶され
いるプログラムを実行することにより、タ
ヤが減圧しているか否かを判定するもので
る。この検出装置においては、車両の種類
タイヤサイズなどによって当該プログラム
使用される各種パラメータを決定する作業(
合作業)が必要である。かかる適合作業で決
定すべきパラメータを従来は実車テストによ
り得られるデータを解析することで得ていた
が、本発明では、シミュレーションによって
データを得、このデータを解析することで前
記パラメータを獲得している。
例えば、2輪駆動車の駆動輪の1輪で減圧 生じた場合、または4輪駆動車の1輪で減圧が 生じた場合に警報を発するための警報閾値( ラメータ)を設定する方法が、これまでもい つか提案されているが、いずれも複数の速 水準での実車テストを繰り返すことでデー を取得し、このデータから警報閾値を算出 ていた。
本発明の一実施の形態では、車両が走行 ることで発生する空気抵抗を計算すること できる諸元を用いることで、走行車両に対 る空気抵抗の影響を考慮することができ、 れにより速度に依存して発生する駆動輪の リップ量を精度良く算出することが可能と る。そして、これに路面との間の摩擦係数 よびタイヤの前後力により左右されるスリ プ量を考慮することにより、駆動輪タイヤ 減圧したことを判定するための警報閾値を ミュレーションから得ることができる。
DWSに要される性能は大きく2つある。一つは
、警報すべき空気圧低下を確実に警報する警
報性能と、もう一つは、警報すべき空気圧の
低下が起こっていない場合、すなわち、後述
する車両の偏荷重や車両の急旋回などの理由
により車輪の回転速度が正常内圧時よりも速
くなったりした場合に誤報を出さない耐誤報
性能である。
本発明では、シミュレーションにより仮想
実車テストを実施することで、前記パラメ
タの設定および性能確認からなる適合作業
行っている。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の一実施の形態(第1の実施の
態)に係る設定方法を示すフローチャートで
ある。まず、ステップS1において、開発車両
の空気圧低下検出装置のプログラムを設計
る。タイヤの空気圧低下検出(警報)装置は
タイヤが減圧すると正常内圧のタイヤより
径(タイヤの動荷重半径)が減少するため、他
の正常なタイヤに比べると回転角速度が増加
するという原理を用いている。そして、タイ
ヤが減圧しているか否かを判断するのに用い
る判定値ないしは判定式として、従来、種々
のものが提案されている。例えば、タイヤの
回転角速度の相対的な差から減圧を検出する
場合の判定値(DEL)として
DEL={(F1+F4)/2-(F2+F3)/2}/{(F1+F2+F3+F4)/4}×100(%)・・・
・・・(1)
を用いることができる。ここで、F1~F4は、そ
ぞれ前左タイヤ、前右タイヤ、後左タイヤ
よび後右タイヤの回転角速度である。空気
低下検出装置では、得られた判定値を所定
閾値(例えば、或るタイヤが30%減圧している
ときのDEL)と比較して、判定値がこの閾値を
えているときにタイヤが減圧していると推
し、警報を発する。本発明では、このよう
判定値およびそれを求めるプログラム、並
に減圧判定の閾値について特に限定される
のではなく、4輪各輪のタイヤの回転角速度
用いてタイヤの減圧を判定するものである
ぎり、従来のロジックないしはプログラム
どを適宜用いることができる。
ついで、ステップS2において、シミュレ ション用の開発車両モデルおよびタイヤモ ルの作成を行う。後述する走行シミュレー ョンを実行するに際し、開発車の車両モデ を作成する必要があるが、4輪車両に装着し タイヤの回転速度に基づいてタイヤの減圧 判定する間接式タイヤ空気圧低下検出装置 は、通常、図3~5に示されるような車両重心 置、車両慣性モーメント、ホイールベース さ、車両前後輪の各トラック幅、車両重量( 車両バネ上重量、車両バネ下重量)、サスペ ションのスプリングバネ特性、ダンパー減 特性、およびロールセンター高さを含む車 の特性値を入力することで車両モデルを作 することができる。ただし、使用するソフ によっては、車両のボディー形状と材料物 をモデル化し、これらを入力することでシ ュレーションを実施することも可能である 例えば、サスペンションの場合、有限要素 により当該サスペンションの形状をそのま モデルとして再分割したり、実物と全く同 の機構モデルを表現したりすることも可能 あり、これらの方法では、部品個々の形、 なわち形状情報をベースにしてモデルが作 される。また、形状情報とともに用いられ 部品材料値として、有限要素法を用いて金 材料を対象とする場合、弾性率、ポアソン および密度などをあげることができる。
なお、サスペンションの動特性を車両運 解析シミュレーションで表現するための値 しては、前記サスペンションのスプリング ネ特性、ダンパー減衰特性、およびロール ンター高さ以外に、例えば車両バネ下重量 タイヤ・ホイールを含めた車軸慣性モーメ ト、ブッシュ部の弾性特性に関連する各種 変化量(車軸が上下方向に移動したときの前 後方向の変化量[mm/mm]、ブレーキがかかった きにタイヤに負荷される上下方向の力[N/N]、 タイヤに横力が負荷されたときのトウ角変化 量[Deg/N]、タイヤに横力が負荷されたときの 舵角変化量[Deg/N]、タイヤにアライニングト クが負荷されたときの操舵角変化量[Deg/N・m ]、タイヤに縦力が負荷されたときのホイー 中心の縦方向変化量[mm/N]、タイヤに縦力が 荷されたときのキャンバー角変化量[Deg/N]、 イヤにアライニングトルクが負荷されたと の傾斜角変化量[Deg/N・m]、タイヤに横力が 荷されたときのホイール中心横変化量[mm/N] トウ角と上下変位の関係[Deg/mm]、キャンバー 角と上下変位の関係[Deg/mm])をあげることがで きる。使用するソフトに応じて、これらの値 を適宜用いることができる。
ついでタイヤモデルを作成する。このタ ヤモデルは、タイヤの前後力(前後スリップ [%]に対する前後力[N])、横力(コーナリングフ ース、スリップ角[Deg]に対する横力[N])、ア イニングモーメント(SAT、スリップ角に対す るモーメント)、キャンバースラストからな タイヤ特性値を数値入力することで作成す ことができる。これら特性値としては、例 ば室内における試験結果のデータを用いる とができる。また、車両モデルの場合と同 に、タイヤ自体を、内部構造を伴った形状 ままにモデル化(例えば、有限要素法による デル化やバネと質量からなるモデル化)する ことも使用するソフトによっては可能である 。
また、タイヤの半径は当該タイヤに負荷 れる鉛直方向の荷重の大きさにより変化す ことから、この特性を表現するものとして 荷荷重に対する半径の変化を表現できるデ タまたは式が入力される。さらに、本実施 形態では、異なる特性のタイヤが装着され いることを判定するタイヤ混用判定パラメ タを得るために、タイヤと路面との間の摩 係数が入力される。
ついで、ステップS3において、ステップS2 において作成されたタイヤモデルを装着した 車両モデルを走行させるシミュレーションが 実行される。この走行シミュレーションによ って、タイヤのスリップと、荷重負荷による タイヤ半径の変化を考慮した4輪各輪の車輪 転速度を得ることができる。そして、この 輪回転速度に基づいて、タイヤが減圧して るか否かを判定するためのパラメータ(判定 ラメータ)を、例えば前述した式(1)を用いて 算出することができる。なお、エンジンのト ルク特性やトルクコンバーターの特性など、 シミュレーションツールで入力することがで きる特性がある場合は、シミュレーションの 精度を向上させるために、かかる特性を入力 するのが好ましい。
また、前述した耐誤報性能に関連したパ メータとして、車両が旋回しているときの 圧判定値(DEL)の補正を行う補正パラメータ 異なる特性のタイヤが一台の車両に混用さ ている状態(例えば、4輪のうち1輪だけが新 であり、残りは或る程度磨耗が進んだもの ある状態)を判定するタイヤ混用判定パラメ タ、車両の荷重状態が偏っていること(例え ば、車両の荷重状態が右、または左に偏って いること)を判定する偏荷重状態判定パラメ タなどがあるが、これらのパラメータがシ ュレーションにより得られるデータに基づ て算出される。
車両旋回時に得られる減圧判定値(DEL)の補
に関連するパラメータとして、旋回補正係
がある。この旋回補正係数は、車両旋回時
生じる減圧判定値(DEL)のズレを補正するため
の係数であり、補正後の減圧判定値(DEL)であ
補正DELは
補正DEL=DEL+旋回補正係数×横G・・・・・・(2)
で求めることができる。図6は、旋回によるDE
Lのズレおよびその補正を説明しており、横
は横Gを示しており、縦軸はDELを示している
旋回走行シミュレーションを実施し、いく
かの横Gが発生したときの減圧判定値(DEL)を4
輪各輪の車輪回転速度から算出し、横Gと減
判定値(DEL)との関係から旋回補正係数を算出
することができる。補正をしない場合、旋回
の程度が大きくなると、タイヤが減圧してい
ないにもかかわらずDELは警報閾値を超えるが
、横Gに比例してDELの補正量を大きくするこ
により、誤報を防ぐことができる。
また、タイヤ混用判定パラメータは、例 ば次のようにして算出することができる。4 輪のうち1輪だけが新品タイヤで残りが磨耗 イヤである場合、1輪のみ新品時のタイヤ特 を表すデータを入力し、残りの3輪は磨耗し た状態のタイヤ特性を表すデータを入力する 。そして、このタイヤデータに基づいて走行 シミュレーションを行い、得られる4輪各輪 車輪回転速度からタイヤ混用時を判別する ラメータを算出することができる。具体的 は、タイヤの磨耗の程度により、トルクに する路面との摩擦力に差が生じることを利 して算出することができる。駆動輪の左右 の回転比が、車軸にかかるトルクまたは速 に対して変化するならばタイヤ混用である 判断することができる。また、前述した式(1 )により得られるDEL、前輪と後輪の回転速度 に基づくDEL、および左側車輪と右側車輪の 転速度比に基づくDELの3つを比較することに りタイヤ混用であるか否かの判断をするこ もできる。
さらに、偏荷重状態判定パラメータは、 えば、車両の荷重状態が右に偏った場合、 定する荷重状態に合うように車両データに 重を負荷して走行シミュレーションを行い 得られる4輪各輪の車輪回転速度からパラメ ータを算出することができる。具体的には、 前述した式(1)により得られるDEL、前輪と後輪 の回転速度比に基づくDEL、および左側車輪と 右側車輪の回転速度比に基づくDELの3つを比 することにより偏荷重かどうかを判断する とができる。
なお、車両運動解析をすることができる ミュレーションソフトとしては、例えば“A dams”(商品名)、“veDYNA”(商品名)、“CarSim”( 商品名)、“LS-DYNA”(商品名)など、自動車業 において多用されているシミュレーション フトを適宜用いることができ、車両運動解 が可能であるかぎり、本発明において特に 定されるものではない。
ついで、ステップS4において、耐誤報性 を確認するためのシミュレーションが実行 れる。ステップS3において、誤報を防ぐため の各種パラメータ(補正パラメータ、タイヤ 用判定パラメータおよび偏荷重状態判定パ メータ)を算出しているが、車両の走行条件 種々変更させて走行シミュレーションを実 することにより、前記パラメータの精度確 が行われる。
補正パラメータについては、旋回が多い ースを走行させることにより、設定した補 パラメータにより誤報が回避できるか否か 確認を行うことができる。
また、タイヤ混用時に誤報が生じやすい は、地面に車両の駆動力が大きく伝わると であり、その一例がトレーラーの牽引時で る。このときにタイヤが混用されていると 報が生じ易くなる。山岳路を走行するとき 同様であり、登坂するためには地面に駆動 を大きく伝える必要があることから、タイ 混用時では路面との摩擦力がタイヤにより なるために誤報が生じることがある。した って、登坂コース走行およびトレーラー牽 走行をシミュレーションすることにより、 イヤ混用判定パラメータの精度確認を行う とができる。
そして、ステップS5において、走行条件 変えたシミュレーションにより耐誤報性能 関して所定の精度(例えば、車両が経験する あろう所定の走行条件下において、誤報が じない)が得られたか否かの判断を行い、所 定の精度が得られた場合は、ステップS6に進 、開発車両用の空気圧低下検出装置のプロ ラムおよび各種パラメータを決定し、一方 所定の精度が得られない場合は、ステップS 7において、減圧判定のロジックおよび/また パラメータの変更を行い、ステップS3に戻 。
なお、本発明に係るタイヤ空気圧低下検 装置では、タイヤ混用や偏荷重であると判 された場合に、誤報を避けるために減圧警 を出さないようにすることもできるし、ま 、タイヤ混用および偏荷重による車輪の回 速度の変化分を見込んで、減圧警報の閾値 高めに設定して、減圧量が大きいときだけ 報を発するようにすることもできる。
[第2の実施の形態]
図2は、本発明の他の実施の形態(第2の実施
形態)に係る設定方法を示すフローチャート
である。
まず、ステップS101において、開発車両用の
空気圧低下検出装置のプログラムを設計する
が、このステップS101の詳細は第1の実施の形
におけるステップS1と同様である。
本実施の形態では、2輪駆動車の駆動輪の 1輪、または4輪駆動車の1輪が減圧しているか 否かを検出するものであり、判定値(DEL)とし は、例えば前記式(1)を用いることができる
本実施の形態では、前述したように、空 抵抗を考慮することで、速度に依存して発 する駆動輪のスリップ量を算出し、これに 面との間の摩擦係数およびタイヤの前後力 より左右されるスリップ量を考慮すること 、減圧に起因するタイヤの回転速度の変化 精度良く算出することができる。
ついで、ステップS102において、シミュレ ーション用の開発車両モデルおよびタイヤモ デルの作成を行う。このステップS102におけ 開発車両モデルおよびタイヤモデルの作成 詳細は、第1の実施の形態におけるステップS 2とほぼ同様であるが、ステップS102における イヤモデルでは、正規内圧時および減圧時 おけるタイヤ前後力などのタイヤ特性値が 値入力されることで作成される。
また、このステップS102において、タイヤ と路面との間の摩擦係数が入力される。また 、走行中に車両に発生する空気抵抗を表現す る、車両の前面投影面積、空力が作用する参 照点(バネー質点系のモデルにおいて、本来 車体ボディー全体で空力が作用しているの 、代表する1点に空力が作用すると置き換え ことができる当該点のこと)、空気抗力係数 および空気揚力係数を含むデータが入力され る。これらのデータないしは諸元により、走 行中に車両に発生する空気抵抗を算出するこ とができる。この空気抵抗を考慮することで 、速度に依存して発生する駆動輪のスリップ 量を精度よく算出することができる。
ついで、ステップS103において、ステップ S102において作成されたタイヤモデルを装着 た車両モデルを走行させるシミュレーショ が実行される。この走行シミュレーション よって、タイヤのスリップを考慮した4輪各 の車輪回転速度を得ることができる。そし 、この車輪回転速度に基づいて、タイヤが 圧しているか否かを判定するためのパラメ タ(判定値)を、例えば前述した式(1)を用い 算出することができる。なお、エンジンの ルク特性やトルクコンバーターの特性など シミュレーションツールで入力することが きる特性がある場合は、シミュレーション 精度を向上させるために、かかる特性を入 するのが好ましい。
ついで、ステップS104において、他の装着 予定のタイヤモデルにてシミュレーションを 実行する。通常、1種類の車両(開発車両)に装 着することが予定されるタイヤは複数種類あ り、そのうち1種類のタイヤでの解析を行っ その種類に合うパラメータを設定しても、 の装着タイヤでも適したパラメータである どうかは不明である。このため、他の種類 タイヤ(他の装着タイヤ)でのシミュレーショ ンを実行し、既に得たパラメータが適当であ るか否か、パラメータの変更が必要であるか 否かを判断するのが好ましい。判断基準とし ては、タイヤが実際に減圧している場合にこ れを確実に警報するとともに、誤警報を防止 できることであり、後出する図9または表14に 関していえば、定積状態(最大積載状態)で30~1 40kphの速度域での駆動輪の25%減圧を警報でき か否か、および軽積状態(2人乗車相当状態) 10%減圧などの、警報しなくてもよい低い減 量で警報しないか否かをあげることができ 。
そして、ステップS105において、警報性能に
関して満足する結果が得られたか否かの判断
を行い、満足する結果が得られた場合(Yes)は
ステップS106に進み、開発車両用の空気圧低
下検出装置のプログラムおよび各種パラメー
タを決定し、一方、満足する結果が得られな
い場合(No)は、ステップS107において、減圧判
のロジックおよび/またはパラメータの変更
を行い、ステップS103に戻る。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発
はもとよりかかる実施例にのみ限定される
のではない。
〔実施例1〕
車両運動解析シミュレーションソフトとし
、CarSim(登録商標。株式会社バーテャルメカ
ニクスの車両運動シミュレーションソフトウ
ェア)を用いた。実施車両Aに関して必要な車
データとして、表1~3に示される車両データ
入力した(データ項目については、図3~5参照
)。また、タイヤデータとして、表4~6に示さ
るタイヤデータを入力した。ついで、走行
ミュレーションを実施し、旋回時の誤報を
避する補正パラメータ(旋回補正係数)を算出
するシミュレーションを実施した。シミュレ
ーションの結果を図7に示す。
〔比較例1〕
実施車両Aを用いていくつかのレベルの横G
車両に与える実車テストを行い、旋回補正
数を求めた。実車テストの結果を図8に示す
実車テストでは、旋回補正係数=0.24という
果が得られた。一方、シミュレーションで
、旋回補正係数=0.22という結果が得られた。
シミュレーションによる旋回補正係数の、実
車テストによる旋回補正係数に対する比は91.
7(%)であり、シミュレーションによって、10%
内の範囲の精度で旋回補正係数を設定でき
ことが分かる。
〔実施例2〕
車両運動解析シミュレーションソフトとし
、CarSim(登録商標。株式会社バーテャルメカ
ニクスの車両運動シミュレーションソフトウ
ェア)を用いた。実施車両B(前輪駆動or後輪駆
or4輪駆動)に関して必要な車両データとして
、表7~9に示される車両データを入力した(デ
タ項目については、図3~5参照)。また、タイ
Cとして225/50R17(DUNLOP社製)を用い、タイヤデ
タとして、表10~13に示されるタイヤデータ
入力した。また、空気抵抗に関する諸元と
て、以下のデータを入力した。
空気抵抗を算出するためのデータ
前面投影面積:1.8m 2
空力抗力係数:0.34
空力揚力係数:0.16
空力が作用する参照点:前輪軸中心から1.44m
方且つ車幅の中
心且つ地面に対し0mの高さ
ついで、走行シミュレーションを実施し 警報性能に関するパラメータである警報閾 を算出するシミュレーションを実施した。 ミュレーションの結果を表14および図9に示 。
〔比較例2〕
実施車両Bを用いて実車テストを行い、駆動
輪の1輪減圧時の減圧判定値(DEL)を求めた。実
車テストの結果を図9に示す。
実車テストで求められた減圧判定値に対し
シミュレーションにより得られた減圧判定
は、10%以内の範囲の精度で算出されており
空気圧低下検出方法におけるパラメータの1
つである警報閾値を精度良く設定できること
が分かる。車両運動解析シミュレーションを
行うことで、前記警報閾値を実車テストの実
施なしに算出することができ、それにかかる
工数およびコストを削減することができた。
なお、前述したように、現状にあっては 車テストを実施することで空気圧低下検出 置に必要なパラメータを獲得しているが、 両を購入した時点で装着されるOE(Original Equ ipment)タイヤは複数あることが多い。空気圧 下検出装置で必要なパラメータは、装着さ るタイヤによって変わる場合がある。例え 、警報閾値や、車両が旋回しているときの 圧判定値を補正するための旋回補正係数な である。そこで、現時点では、複数あるOEタ イヤのすべてで、自動車メーカーが承認する 性能を満たすことができる値をパラメータ値 として決定している。
このため、OEタイヤが複数ある場合は、 実に装着されるタイヤにとって最適なパラ ータ値が選定されていない場合がある。さ に、リプレースタイヤが装着された場合に ける警報性能などは未知の状態である。
これに対し、複数あるOEタイヤ個々に最 なパラメータ値を用いる方法として、当該OE タイヤは数が限定されていることから、予め 個々のOEタイヤについて最適な値を実車テス で取得しておき、それで得た最適値を車両 搭載する空気圧低下検出装置システム(DWSシ ステム)に入力することが考えられる。しか ながら、リプレースタイヤは、無数にある とから、それらの最適値を得るために予め 車テストを行うことは、非現実的である。
そこで、前述した警報閾値の設定を含む ミュレーションによる適合作業を開発段階 はなく、車両販売後のタイヤ装着時に行う とが考えられる。すなわち、前述した設定 法では、開発現場における計算機(コンピュ ータ)を用いてシミュレーションを実施して るが、このシミュレーションによる適合作 を、車載コンピュータ;インターネットなど 情報通信インフラなどでアクセス可能な、 適値を計算するサイトまたはサーバー;また は業者や個人が所有するパソコン(パーソナ コンピュータ)の中で行い、アウトプットと て得られるタイヤ個々の最適値を車両に搭 するDWSシステムにパラメータ値として入力 ることで、リプレースタイヤでも精度良く イヤ空気圧低下を検出することができる。
かかるシミュレーションによる適合作業を
現する態様として、以下の3つの態様が考え
られる。
[態様A]
この態様では、車両に搭載されたコンピュ
タにてシミュレーションが実行される。
まず、車両に搭載されたコンピュータに 前記車両重心位置、車両慣性モーメントな の車両情報を入力しておく。図10に示され ように、インターネットなどの情報通信手 を介して、またはICタグに内蔵された情報と して、タイヤの特性データ(タイヤの前後力 アライニングモーメントなど)を車両外部か 獲得する(ステップS10)。
ついで、ステップS11において、獲得したタ
ヤの特性データを車載コンピュータに入力
る。つぎに、ステップS12において、車両固
の車両情報が予め組み込まれている車載コ
ピュータにてシミュレーションを実施し、D
WSシステムに必要なパラメータ(例えば、警報
閾値、旋回時の警報判定値を補正する旋回補
正係数、偏荷重状態を判定するパラメータ、
データリジェクト条件を設定する閾値など)
獲得する。
ついで、ステップS13において、ステップS12
得られた最適なパラメータ値を車載のDWSシ
テムに入力すると、装着されたタイヤにと
て最適なパラメータ値でDWSシステムを作動
せることができる(ステップS14)。
[態様B]
この態様では、車両外部のサイトまたはサ
バーにてシミュレーションが実行される。
11に示されるように、インターネットでのAS
P(Application Service Provider)などの手段により、
DWSシステムに必要なパラメータを解析計算し
、その結果を出力することができるサイトま
たはサーバーにアクセスする(ステップS20)。
いで、車載コンピュータに装備されている
力手段からシミュレーションに必要な情報(
車両名、装着タイヤブランド、タイヤサイズ
)を入力する(ステップS21)。
前記サイトまたはサーバーにおいては、車
データとタイヤ特性データとが管理されて
り、これらのデータを用いて最適なパラメ
タ値の解析計算が実施され、得られるパラ
ータ値をインターネットなどの情報通信手
を介して入力者に送信する(ステップS22)。
入力者は、送信された最適なパラメータ値
車両に搭載されたDWSシステムに入力すると(
ステップS23)、装着されたタイヤにとって最
なパラメータ値でDWSシステムを作動させる
とができる(ステップS24)。
[態様C]
この態様では、業者または個人が所有する
ソコンにインストールされたソフトウェア
てシミュレーションが実行される。
まず、図12に示されるように、ステップS30
おいて、DWSシステムが搭載された車両とこ
車両に装着されたタイヤにとって最適なパ
メータ値の解析計算を行うソフトウェアを
業者または個人のパソコンにインストール
る。
ついで、車載コンピュータに装備されて る入力手段からシミュレーションに必要な 報(車両名、装着タイヤブランド、タイヤサ イズ)を入力する(ステップS21)。つぎに、解析 ソフト内に管理されている車両データとタイ ヤメーカーから入手されるタイヤ特性データ を用いて、業者または個人が所有するパソコ ンにて最適なパラメータ値の解析計算を実行 する(ステップS32)。
ついで、アウトプットとして得られた最 なパラメータ値をDWSシステムに入力する(ス テップS33)と、装着されたタイヤにとって最 なパラメータ値でDWSシステムを作動させる とができる(ステップS34)。
なお、車両情報は、車両の運動性能に関 する因子を含むこともあり、車両会社から 般に公開される可能性は非常に小さいと考 られることから、車載のコンピュータに予 第三者が閲覧できないようにインプットし おく(態様A)か、または特定の守秘義務を有 る管理者(サイトまたはサーバーの運営者( 様B)、ソフトウェアの製造者または管理者( 様C))のみが取得できるようにすることが考 られる。
また、タイヤ情報として必要なタイヤ特 も一般には公開されていないが、これらの 性値は、タイヤメーカー固有の内部構造や 料配合情報などではなく、タイヤを入手し タイヤ単体の測定により得ることができる 報である。
