株式会社トクヤマシルテック (〒24 山口県周南市晴海町7-38 Yamaguchi, 〒7450024, JP)
| 石綿を含有する固体廃棄物を固体状の珪酸アルカリと混合、加熱することを含む、石綿含有廃棄物の処理方法。 |
| 上記珪酸アルカリのSiO 2 /M 2 Oモル比(Mはアルカリ金属を示す)が1~3.5である、請求項1記載の処理方法。 |
| 上記珪酸アルカリが粉末状または粒状である、請求項1または2のいずれか1つに記載の処理方法。 |
| 上記の混合物を750℃~1200℃の温度で加熱する、請求項1~3のいずれか1つに記載の処理方法。 |
本発明は、石綿を含有する固体廃棄物を 害化する方法に関する。
石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維 結晶の鉱物であり、優れた耐酸性、耐アル リ性、耐熱性や機械的強度を有することか 、長年にわたって建築資材、電気製品、自 車や家庭用品など幅広い分野で利用されて た。
しかし、石綿は肺がんや悪性中皮腫を引 起こすなど人体への有害性が明らかになり 近年、全面的にその使用が禁止されるに至 た。これに伴い、石綿を含有する廃棄物(以 下、「石綿含有廃棄物」とも呼ぶ)が多量に 生しており、このような廃棄物を如何に処 するかが大きな問題となっている。
この石綿含有廃棄物の取り扱いについて 、「廃棄物の処理および清掃に関する法律 により厳しく管理されており、石綿含有廃 物の処分方法は、管理型最終処分と溶融処 とに大別されている。従来、石綿含有廃棄 は管理型最終処分に付される場合がほとん であったが、新たな最終処分場の確保が困 になってきているために、現在では溶融処 への移行が進んでいる。
しかし、この溶融処理は石綿含有廃棄物 1,500℃以上の高温で処理して溶融させるも であり、処理温度が非常に高温であるため 例えば処理に用いられる加熱炉に特殊な耐 性材を使用する必要があり、このような溶 処理用の設備の建設には多額の費用を要す 。そして、もし、このような高温処理用の 備を建設したとしても、短期間のうちに処 設備が著しく劣化してしまうという問題も た存在する。さらに、このような高い温度 維持するためには莫大なエネルギーを要す ため燃料コストも無視できないものであり 加熱処理に伴って直接的もしくは間接的に 生する炭酸ガスの量も莫大なものである。 のため、石綿含有廃棄物をより低い温度で より安全な形態に変えることができる処分 法が求められている。
その対策として様々な方法が提案されて る。例えば、特許文献1には石綿含有廃棄物 に酸化アルミニウムを加えて焼成する方法が 記載されており、この方法においては、1280 程度の温度において焼成が行われている。 た、特許文献2には、石綿含有廃棄物と都市 ミ焼却灰との混合物を反応焼結させる方法 記載されており、この場合に焼却灰とは、 市ゴミの焼却処理により産生される廃棄物 、Ca、Si、Al、Mg、Na、K、Pの無機成分を主成 とするものとされている。さらに、特許文 3には、石綿含有廃棄物に珪酸ソーダまたは 珪酸カリウムの水溶液を加えて練土状にし、 これを一度乾燥させた後、焼成・焼結する方 法が記載されている。
本発明の目的は、石綿含有廃棄物を無害 する方法であって、その加熱処理過程にお るエネルギーコストを低く抑えかつ高い安 性を供する無害化方法を提供することであ 。
本発明のさらに別の目的は、石綿含有廃 物を無害化する方法であって、低いエネル ーコスト及び高い安全性を維持しながら、 熱処理設備における炉材への攻撃が少ない 害化方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、石綿含有廃 物を無害化する方法であって、低いエネル ーコスト及び高い安全性を維持しながら、 層高度な無害化を可能にする方法を提供す ことである。
上記目的を達成すべく鋭意検討した結果 本発明者らは、石綿含有廃棄物を処理する あたり、その処理剤としての珪酸アルカリ 固体の状態で石綿含有廃棄物と混合、加熱 ることによって、上記の課題が達成できる とを見出した。
従って、本発明は、石綿を含有する廃棄 を固体状の珪酸アルカリと混合、加熱する とを含む、石綿含有廃棄物の処理方法に関 る。
さらに、本発明は、石綿を含有する廃棄物 固体状の珪酸アルカリと混合、加熱するこ によって石綿含有廃棄物を処理する方法で って、珪酸アルカリのSiO 2 /M 2 Oモル比(Mはアルカリ金属を示す)が1~3.5である 、上記方法に関する。
本発明はまた、固体状の珪酸アルカリを む、石綿含有廃棄物無害化用処理剤に関す 。
本発明はさらに、石綿を含有する廃棄物 固体状の珪酸アルカリとを混合、加熱する とによって製造される珪酸肥料に関する。
本発明はまた、石綿を含有する廃棄物と 体状の珪酸アルカリとを混合、加熱するこ によって製造される建設資材に関する。
本発明において処理される「石綿を含有 る廃棄物」は、石綿を含有している廃棄物 あれば特に限定されることはなく、上述の 廃棄物の処理および清掃に関する法律」お びその政省令等において定義される「廃石 等」、「石綿含有廃棄物」および「石綿含 産業廃棄物」もまた本発明の「石綿を含有 る廃棄物」に含まれるものである。通常、 発明の方法に付されるのは、上記の「石綿 含有する廃棄物」のうちで固体のもの、す わち「石綿を含有する固体廃棄物(本明細書 においては、「石綿含有固体廃棄物」とも呼 ぶ)」である。
上記の石綿含有固体廃棄物は、石綿とし 通常分類される成分、例えばクリソタイル アモサイトまたはクロシダイト等のいずれ 成分を含むものでもよい。
ここで、この石綿含有固体廃棄物におけ 石綿以外の成分は、特に限定されるもので なく、例えば建築廃材であれば、コンクリ トやモルタル、各種レンガ、アスファルト 木材、樹脂等が混在している場合があるが このような成分があっても問題なく本発明 無害化処理に付すことができる。
本発明において処理される石綿含有固体 棄物としては、特に限定はされないが、例 ば、アスベスト製の石綿クロス(布)、石綿 ーン(ひも)、石綿リボン、石綿テープ、石綿 糸、石綿板、石綿被服、ジョイントシート、 シール材、石綿粉末のガラス溶融炉における 粘土のつなぎ、溶融アセチレンガスボンベ内 の多孔質物、石綿セメント円筒、押出成形セ メント板、住宅屋根用化粧スレート、繊維強 化セメント板、窯業系サイディング、クラッ チフェーシング、クラッチライニング、ブレ ーキパッド、ブレーキライニング、接着剤な どを含む廃棄物が挙げられる。
また、本発明における石綿含有固体廃棄 は、それらの石綿含有材料が設置されてい 現場から任意の方法で回収されたものであ ことができ、例えば石綿の飛散防止のため 、吹き付けによって廃棄物に水等を湿潤さ て、回収、解体されたものであってもよく 石綿含有固体廃棄物の回収、解体方法には に制限はない。
また、本発明を実施するに当たっては、 酸アルカリとの混合を容易にするために、 綿含有固体廃棄物を予め粉砕しておくこと 好ましい。粉砕後の大きさが小さいほど珪 アルカリによる処理の効率は高くなるが、 の分、粉砕コスト等も高くなりまた粉塵の 生も起きやすくなる。一般的には、目開き5 cmの篩を通る程度の大きさまで粉砕しておけ 大概は十分であるが、より均一な混合状態 達成するためには、目開き1cmの篩を通る程 の大きさまで粉砕することが好ましく、目 き5.6mm(3.5メッシュ)の篩を通る程度の大きさ まで粉砕することがさらに好ましい。通常は 、全量が目開き0.1mm(149メッシュ)の篩を通る で粉砕する必要はなく、目開き0.5mm(50メッシ ュ)の篩を全量が通るまで粉砕する必要性も ど無い。
石綿含有固体廃棄物の粉砕は、任意の公 の粉砕機、例えばミルやクラッシャー等を いて行うことができる。また粉砕時には、 塵の発生を抑制するため、水などで湿潤さ ておくこともできる。
本発明においては、石綿含有固体廃棄物 無害化のための処理剤として固体状の珪酸 ルカリを使用する。ここで「固体状」とは 常温常圧で固体の珪酸アルカリを、溶液や の相状態に変化させることなく、すなわち 体そのままの形で使用して石綿含有固体廃 物を処理することを意味する。
なお、本発明における珪酸アルカリとし は結晶質珪酸アルカリまたは非晶質珪酸ア カリのいずれを使用することも可能である 、結晶質珪酸アルカリは、無水物であるか たは含水率が約60重量%以下である場合に常 常圧で固体で存在し、一方、非晶質珪酸ア カリは、無水物であるかまたは含水率が約2 5重量%以下である場合に常温常圧で固体で存 する。非晶質珪酸アルカリおよび結晶質珪 アルカリは適宜混合して用いることも可能 ある。
本発明では、石綿含有廃棄物の無害化を 体状の珪酸アルカリを用いて促進し、また 酸アルカリは融点が比較的低いために、よ 低い温度においても珪酸アルカリによる被 効果が得られるため、石綿含有廃棄物を単 加熱することによる無害化処理や、酸化ア ミニウムを用いた無害化処理と比べて、加 温度をかなり低下させることができ、それ より大幅なエネルギーコストの削減が可能 ある。さらに、石綿含有固体廃棄物をこの うな固体状の珪酸アルカリと混合、加熱し 処理することによって、珪酸アルカリをそ を含む水溶液として使用した場合と比べて 水を揮散・除去させる必要がないため、エ ルギーコストを低く抑えることができ、ま 加熱処理中の発泡を原因とする体積の激増 心配がないために、処理操作を安全に行う とが可能になる。また、固体状の珪酸アル リを使用することにより、珪酸アルカリに する保存安定性の向上、保管コストや運搬 ストの削減も期待できる。
珪酸アルカリは様々なものが従来から知 れており、本願発明においては特に限定な 任意の固体状珪酸アルカリを使用すること できるが、例としては以下のものを挙げる とができる。
・式NaMSi x
O 2x+1
・yH 2
Oで表されるフィロ珪酸塩:
式中、Mはナトリウムまたは水素であり、x
1.9~4の数であり、yは0~20の数であり、そしてx
の好ましい値は2、3または4である。
この種のフィロ珪酸塩はヨーロッパ特許(EP- B)第0 164 514 号明細書に開示されている。好 ましいフィロ珪酸塩は、上記式中、Mがナト ウムでありそしてxが2または3の値であるも である。特に、ベータ-およびデルタ-二珪酸 ナトリウムNa 2 Si 2 O 5 ・H 2 Oの両方が好ましく、ここで、ベータ-二珪酸 トリウムは、例えば、国際特許出願公開第9 1/08171号に記載の方法によって得ることがで る。ベータ-二珪酸ナトリウムは TM SKS-7の名称で商業的に入手でき、そしてデル -二珪酸ナトリウムは TM SKS-6の名称で商業的に入手できる(クラリアン トGmbHの製品)。
・式NaMSi x
O 2x+1
・yH 2
Oで表される微細結晶性層状二珪酸ナトリウ
:
式中、Mはナトリウムまたは水素であり、x
1.9~4の数であり、そしてyは0~20の数であり、
ルファ-二珪酸ナトリウムを0~40重量%の割合
、ベータ-二珪酸ナトリウムを0~40重量%の割
で、デルタ-二珪酸ナトリウムを40~100重量%
割合でおよび非晶質画分を0~40重量%の割合で
含み、60%未満の網上残渣を有し、そしてメタ
珪酸ナトリウムを含まない。この種の珪酸塩
は、ドイツ特許出願公開(DE-A)第198 30 591号明
細書に記載されている。また、エコレイヤの
名称で商業的に入手できる(株式会社トクヤ
シルテックの製品)。
・式xNa 2
O * ySiO 2
* zP 2
O 5
で表される結晶性フィロ珪酸ナトリウム:
式中、x:y比は0.35~0.6であり、x:z比は1.75~1200
あり、そしてy:z比は4~2800である。この種の
酸ナトリウムは、ドイツ特許出願公開(DE-A)
196 01 063号明細書に記載されている。高い
晶化度および非常に高いカルシウム結合能
有するこれらの含リンフィロ珪酸塩も同様
、本発明において好ましく使用することが
きる。
・式aM I 2
O・bEO 2
・cX 2
O 5
・dZO 3
・SiO 2
・eH 2
Oで表される結晶性アルカリ金属フィロ珪酸
:
式中、M I
はアルカリ金属であり、Eは元素周期律表の
4主族の元素であり、Xは第5主族の元素であ
そしてZは第6主族の元素であり、そして以下
に適合する:
0.25≦a≦6.25
2.5・10 -4
≦b≦5.63
0≦c≦2.81
0≦d≦5.63
0≦e≦15.3。
ここで、好ましい結晶性アルカリ金属フ ロ珪酸塩は、リン、硫黄および/または炭素 を一定量含むものである。
・式Na 2
O * xSiO 2
* yH 2
Oで表される高アルカリ性結晶性珪酸ナトリ
ム:
式中、xは1.2~2.1の数であり、そしてyは0~20の
数である。この高アルカリ性結晶性珪酸ナト
リウムは、70~98重量%の割合の層状二珪酸ナト
リウムおよび2~30重量%の割合の、以下の式
Na 2
O * vSiO 2
* wH 2
O
[式中、vは0.05~2の数であり、そしてwは0~20の
である]で表される非フィロ珪酸塩性珪酸ナ
リウムからなることができる。
・式xM I 2
O・ySiO 2
で表される非フィロ珪酸塩性アルカリ金属珪
酸塩の環境中に微細に分布された形でアルカ
リ金属フィロ珪酸塩を含んでなる難溶性アル
カリ金属珪酸塩:
式中、M l
はアルカリ金属でありそしてy/xは(1.9~500):1で
る。このアルカリ金属珪酸塩は、全体で、
下の式
aM I 2
O・bM II
O・cX 2
O 3
・dZ 2
O 5
・eSiO 2
・fH 2
O
[式中、M I
はアルカリ金属であり、M II
はアルカリ土類金属であり、Xは元素周期律
の第3主族の元素でありそしてZは第5主族の
素であり、そして以下に適合する:
0.5≦a≦1;
0≦b≦0.5;
0≦c/e≦0.05;
0≦d/e≦0.25;
1.9≦e≦4;
0≦f≦20]
に相当する。
しかし、本発明においては、中でも、次 式で表される珪酸アルカリが使用される。
aM 2
O・bSiO 2
・nH 2
O
式中、Mはアルカリ金属、好ましくはナトリ
ウムおよび/またはカリウムであり、aは0.5~2
実数であり、bは0.5~3の実数であり、aおよびb
は0.5≦b/a≦5、好ましくは1≦b/a≦3.5、特に好
しくは1.5≦b/a≦2.5を満たし、そしてnは、上
記のa、bおよびMによって決定された珪酸アル
カリにおいて、常温常圧で固体を維持するこ
とができる上限値以下の実数である。一般的
には、nは0~9の実数である。ここで、上記式
のb/aは、SiO 2
のM 2
Oに対するモル比、すなわち、SiO 2
/M 2
Oモル比(Mはアルカリ金属を示す)を表す。
なお、一般的な珪酸アルカリである珪酸 トリウムや珪酸カリウムは、通常、原料や 造設備起因の夾雑物を含んでいる場合が多 が、本発明においては、市販されている珪 ナトリウム(例えば、和光純薬工業株式会社 製メタ珪酸ナトリウム)と同程度の夾雑物を む珪酸ナトリウムまたは珪酸カリウムであ ば問題なく使用することができる。具体的 は、珪酸ナトリウムまたは珪酸カリウムの ずれを使用する場合であっても、珪酸ナト ウムまたは珪酸カリウム以外に含まれる成 が乾量基準で3重量%以下であるのが好ましい 。
このような珪酸アルカリとしては、例え 、和光純薬工業株式会社製オルト珪酸ナト ウムn水塩(モル比=0.5)、関東化学株式会社製 無水メタ珪酸ナトリウム(モル比=1)、株式会 トクヤマシルテック製結晶性層状二珪酸ナ リウム(商品名:エコレイヤ)(モル比=2)、およ 株式会社トクヤマ製中モルカレット(モル比 =3)等を商業的に入手することができる。
さらに、本発明者らは、加熱処理中に発生 る炉材の浸食と、珪酸アルカリの石綿無害 作用との関係について更に検証を進めたと ろ、珪酸アルカリのSiO 2 /M 2 Oモル比が1を下回ると炉材に対するアルカリ 食による影響が出始め、他方ではSiO 2 /M 2 Oモル比が3.5を超えると、アルカリ分の減少 よって、珪酸アルカリの作用が低下して石 の無害化が不十分になる傾向があることを き止めた。それゆえ、珪酸アルカリのSiO 2 /M 2 Oモル比は、好ましくは1~3.5である。
さらに、1~3、好ましくは1.5~2.5、特に2のSiO 2 /M 2 Oモル比において、珪酸アルカリの融点が最 低下し、溶融珪酸アルカリによる被覆が、 熱工程の初期の段階から進行する。従って 石綿含有廃棄物を処理する能力、珪酸アル リによる被覆効果および加熱炉への影響を 慮すると、SiO 2 /M 2 O比は、最も好ましくは1.5~2.5、特に2である。
本発明における固体状の珪酸アルカリと ては、例えば粉末状、粒状またはペレット のものを使用することができる。混合の容 性の観点からは粉末状または粒状のものを 用するのが好ましい。
ここで、「粉末状」とは、平均粒子径1μm ~1mmの範囲内にある粒子を意味し、「粒状」 は、平均粒子径が1mmより大きく50mm未満であ 粒子を意味するが、いずれの場合にもその 状は特に限定されず、上記範囲内の径を有 るものであればよい。
粉末状または粒状の珪酸アルカリを使用 る場合には、その平均粒子径は好ましくは1 0μm~20mmである。粉末状または粒状の珪酸アル カリに関しては、粒が大きいほうが扱いは容 易であろうが、より均一に混合させるために は小さい平均粒子径を有するものが有利であ り、従って、10μm~5mmの平均粒子径を有するも の、例えば10μm~1mmの平均粒子径を有するもの がより好ましい。
しかし、平均粒子径が特に10μm~1mmの粉末 珪酸アルカリを使用した場合には、加熱処 後に確認される混合むらが減少し、さらに 平均粒子径が10μm~200μm、特に10μm~150μmの粉 状珪酸アルカリを使用した場合には、石綿 有廃棄物と珪酸アルカリとが非常に均一に 応するために、加熱処理後において混合む が全く観察されず、石綿の構造喪失度も大 くなることが判明した。従って、10μm~1mm、 ましくは10μm~200μm、特に好ましくは10μm~150 mの平均粒子径を有する粉末状珪酸アルカリ 使用するのが特に好ましい。
粉末状または粒状の珪酸アルカリの平均 子径は、分析篩を用いた粒度測定方法によ て測定することができる。分析篩を用いた 度測定は、JIS K0069の化学製品のふるい分け 試験方法に従って行うことができる。具体的 には、目開きの大きい篩が上段となるように 幾枚かの篩を重ね、最も上の段の篩に粉末ま たは顆粒を投入し、手動または機械によって 振動させる。その後、各篩上に残った粉末ま たは顆粒の量の重量を測定して重量分布を算 定し、重量%の積算値が50%になるときの粒子 を平均粒子径(μmまたはmm)と表す。
また、本発明においては、珪酸アルカリ して含水物または無水物(本明細書において は、含水率が1重量%以下である珪酸アルカリ 「無水物」と、含水率が1重量%よりも大き 珪酸アルカリを「含水物」と呼ぶ)のいずれ 使用することもできる。使用する珪酸アル リの含水率が高いほど、石綿繊維の溶融お びそれに伴う石綿繊維同士の融着が特に顕 になり、加熱処理後の廃棄物の有害性がさ に一段と低下することも本発明において確 された。
なお、前述のとおりに、珪酸アルカリは の含水率が高くなりすぎると固体状を維持 ることができないが、結晶質珪酸アルカリ 場合には、その化学組成に応じて通常は60 量%程度までの結晶水を含有することができ 非晶質珪酸アルカリの場合には含水率が高 なるにつれて固体から粘液状へと変化する 、通常は25重量%程度まで固体の形態を維持 る。
ただし、結晶質珪酸アルカリのように高 含水率において固体状を維持する場合であ ても、含水率が高すぎる場合には石綿含有 棄物を処理する際にエネルギーロスが生じ おそれがあり、さらに、珪酸アルカリの粒 同士が固結しやすくなるため、石綿含有廃 物および珪酸アルカリの混合の容易性・均 性の低下が懸念される。
従って、エネルギーコストおよび混合の 易性・均一性の観点からは、10~25重量%の含 率、例えば15~25重量%の含水率を有する珪酸 ルカリを使用することも好ましい。
また、珪酸アルカリとして含水物を使用 る場合には、同じ含水率であっても、より 子同士が固結しにくく、取扱い性に優れる いう点で、結晶質珪酸アルカリを使用する とが好ましい。なおむろん、非晶質珪酸ア カリと結晶質珪酸アルカリとを適宜混合し 用いてもよい。
ここで、「含水率」とは、固体状の珪酸 ルカリを強熱(720℃)して脱離する水分の、 熱前の珪酸アルカリの重量(水分及び共雑物 含む)に対する割合をいう。脱離した水分量 は、JIS K0068 化学製品の水分測定方法に規定 されている水分気化法を用いたカールフィッ シャー測定法で測定することにより求めるこ とができる。なお通常の珪酸アルカリは、上 記の強熱条件で脱離する成分を水分しか含有 しない場合が多いため、このような固体状珪 酸アルカリにおいては、カールフィッシャー 法で水分量を求めずとも、強熱前後の重量変 化を測定することによって実質的かつ簡便に 含水率を算出することができる。
当該測定方法をより具体的に述べると、 分量をカールフィッシャー測定法で測定す 場合には、JIS K0068で規定した装置を用いる 。試料(一般的には1g程度)を精秤し、水分を まない不活性ガス(例えば窒素、アルゴンな )を100ml/minで流した加熱炉(720℃)に試料を導 する。3分後から滴定を開始し、滴定結果よ り該水分量を算出する。
重量変化による簡便法を採用する場合に 、空焼きしたるつぼに試料(一般的には10g程 度)を精秤し、これを加熱炉で720度10分間加熱 する。加熱終了後の試料の重量を測定して加 熱後の重量減少量を求め、この重量減少がす べて水分の脱離によるものとして含水率を求 めればよい。
珪酸アルカリの含水物としては、例えば 末珪酸ナトリウムJIS-1号(含水率=20重量%、非 晶質)や、上述の和光純薬工業株式会社製メ 珪酸ナトリウムn水塩(nは1~9の整数、含水率=1 3~60重量%、結晶質)等を商業的に入手すること ができる。
本発明において、石綿含有固体廃棄物と 酸アルカリとの混合は、固形物同士の混合 関連して従来から公知の任意の方法で行う とができる。例えば、珪酸アルカリが粉末 または粒状である場合には、石綿含有固体 棄物と珪酸アルカリ粉末または顆粒とを混 するに当たり、混合容器の回転やパドル、 ボンなどの回転翼の回転、あるいは気流に り、粉体または顆粒全体を混合させること できる。具体的には、回転筒型混合機、V型 混合機、揺動回転型混合機、リボン型混合機 、パドル型混合機、回転鋤型混合機、円錐ス クリュー型混合機、二軸遊星撹拌型混合機、 ローラ付回転容器型混合機、撹拌付回転容器 型混合機、回転円盤型混合機等を用いて混合 を行うことができる。
石綿含有固体廃棄物と珪酸アルカリとを 合する際の混合比率は適宜調節される。こ で、石綿含有固体廃棄物が石綿以外の成分 含む場合には、石綿含有固体廃棄物は、該 綿以外の成分に依存して酸性、中性または 基性のいずれをも示し得る。石綿含有固体 棄物が中性または塩基性である場合の上記 合比率は、無害化処理の効率の観点から、 量比で0.1~10の混合比率(石綿含有固体廃棄物 :珪酸アルカリ=1:0.1~10)によって混合するのが ましく、経済的な観点も考慮すると0.2~5の 合比率が好ましい。また、石綿含有固体廃 物が酸性を示す場合には、珪酸アルカリが と反応してシリカを生じ、その分は石綿の 融に寄与しなくなるため、その分だけ珪酸 ルカリが多めに必要である。従って、石綿 有固体廃棄物が酸性である場合には、その 性度および酸量に応じて、重量比で0.5~200の 合比率(石綿含有固体廃棄物:珪酸アルカリ=1 :0.5~200)によって混合するのが好ましく、経済 的な観点も考慮すると1~20の混合比率が好ま い。
本発明の方法においては、石綿含有固体 棄物と固体状の珪酸アルカリとの混合物を 熱するが、この際、加熱温度は少なくとも7 50℃以上とすることが好ましい。なぜならば 加熱温度が750℃未満では反応の進行が低下 るおそれがあるからである。他方、加熱温 の上限は、使用する加熱炉の許容温度上限 依存するだけで、特に制限はないが、あま に高いと加熱炉の炉材への攻撃の増加に伴 加熱処理設備の劣化やエネルギーコストの 昇等が懸念されるため、一般的には、例え 750℃~1500℃の温度で行えば十分である。
しかし、本発明においては、石綿含有廃 物の無害化を珪酸アルカリにより促進し、 た珪酸アルカリは融点が比較的低いために り低い温度においても珪酸アルカリによる 覆効果が得られるため、750℃~1200℃、例え 750℃~1100℃といった温度での加熱処理によっ ても十分な無害化効果が達成される。
そして、反応効率、珪酸アルカリによる 覆効果および加熱炉への影響を総合的に考 すると、加熱処理は800℃~1000℃の温度で行 ことが好ましく、850℃~950℃の温度で行うこ が特に好ましい。このように低い温度で加 処理を行うことにより、設備コストおよび ネルギーコストをさらに低く抑えた上で、 綿含有廃棄物の十分な無害化を達成するこ が可能である。
加熱時間は特に加熱温度や、使用する加 炉のタイプなどに依存するが、一般的には1 分~100時間の加熱処理を施すことによって十 な無害化が達成される。多くの場合には10分 ~10時間程度の加熱処理である。
石綿含有固体廃棄物と珪酸アルカリとの 合物は、好ましくは、高温に保持された加 炉において加熱される。加熱炉の加熱方式 、直接式、間接式のいずれも使用すること でき、熱源は、燃料、電気のいずれも使用 ることができる。これらの加熱炉の例とし は、手だき炉、ストーカー炉、流動層型炉 キルン炉、マッフル炉、固体溶融炉等が挙 られる。
また、ロータリーキルン等の装置を使う とによって、混合しながら加熱することも 然可能である。
本発明による処理を行った後に石綿含有 体廃棄物が無害化されているか否かは、加 処理後の上記混合物を走査電子顕微鏡(以下 、「SEM」とも呼ぶ)で観察することによって 認できる。
SEM観察において、石綿特有の針状の繊維 造が確認されない場合、すなわち、石綿成 の繊維構造が喪失されている場合に、石綿 有固体廃棄物は無害化されたと判断される( 例えば、図1-(c))。また、上記の繊維構造喪失 だけでも無害化としては十分であるが、この ような繊維構造喪失だけでなく、繊維構造を 失った石綿成分同士が互いに融着している場 合には、石綿成分の飛散がより一層抑制され ることになり、有害性がさらに低下する(例 ば、図5-A(b))。
本発明の方法によって無害化された廃棄 は、重金属を含まない一般的なスラグと同 の後処理や廃棄方法に付すことができる。 た、主成分が珪酸塩であることから、珪酸 料への応用も考えられる。
本発明の方法を用いることにより、溶融 た珪酸アルカリが石綿含有廃棄物を被覆し それと同時に珪酸アルカリ中のアルカリ分 石綿を攻撃するため、人体に有害な石綿の 状繊維構造が失われ、該廃棄物の無害化が 成される。
そして、本発明の方法においては、珪酸 ルカリとして固体状のものを使用すること ら(すなわち、水を用いる必要がない)、水 揮散・除去させるためのエネルギーロスが く、さらに加熱の際の発泡等がないために 加熱も可能である。そのため、本発明の方 を使用した場合には、安全かつ安価に石綿 有廃棄物を無害化することができる。
また、処理される石綿含有廃棄物の組成 もよるが、無害化されたものの成分は、主 石綿と珪酸ナトリウムの成分からなるので 全性が高く、これらは安全に廃棄処理する とができ、または場合により、再び建設資 等に有効利用することもできる。
以下において、実施例1を含む本発明の複 数の実施例、比較例および参考例を示すが、 本発明は、これらの実施例等によって何等限 定されるものではなく、特許請求の範囲によ って特定されるものであることはいうまでも ない。
なお、以下の実施例等においては、走査 子顕微鏡として、日本電子データム株式会 製低真空走査電子顕微鏡(型式:JSM-5600LV)を使 用した。また、各実施例においては、以下の 表1に記載された珪酸ナトリウムを固体状珪 アルカリとして使用した。
実施例1
アスベストヤーン0.5gとオルト珪酸ナトリウ
ムn水塩(SiO 2
/M 2
Oモル比=0.5)0.5gとを容量50mlの坩堝に入れ、薬
で約10秒間かき混ぜた。その後、坩堝に蓋
して電気加熱炉(光洋リンドバーグ株式会社
電気炉KBF-894N)内に装入し、該電気炉内にお
て900℃で1時間加熱した。その後、室温まで
放冷し、内容物を取り出して走査電子顕微鏡
により観察した。
その結果、石綿は針状の繊維構造を失っ いた(図1-(a))。
実施例2
珪酸ナトリウムとして0.5gの無水メタ珪酸ナ
トリウム(SiO 2
/M 2
Oモル比=1)を使用すること以外、実施例1と同
の操作を行った。
加熱処理後の坩堝内容物を走査電子顕微 によって観察したところ、石綿は針状の繊 構造を失っていた(図1-(b))。
実施例3
珪酸ナトリウムとして0.5gのエコレイヤ粉末
(SiO 2
/M 2
Oモル比=2)を使用すること以外、実施例1と同
の操作を行った。
加熱処理後の坩堝内容物を走査電子顕微 によって観察したところ、石綿は針状の繊 構造を失っていた(図1-(c))。
実施例4
珪酸ナトリウムとして0.5gの中モルカレット
(SiO 2
/M 2
Oモル比=3)を使用すること以外、実施例1と同
の操作を行った。
加熱処理後の坩堝内容物を走査電子顕微 によって観察したところ、石綿は針状の繊 構造を失っていた(図1-(d))。
実施例5および6
900℃で加熱する代わりに750℃(実施例5)また
1200℃(実施例6)で加熱すること以外、実施例
1と同様の操作を行った(なお、1200℃で加熱す
る場合には、電気加熱炉として株式会社モト
ヤマ製酸化雰囲気超高温電気炉KB-2030Dを使用
た)。
1200℃で加熱した場合に、加熱処理後の坩 堝内を目視によって観察したところ、坩堝内 容物は完全に溶融していた(図3-(a))。750℃で 熱した場合の走査電子顕微鏡観察結果は下 の表2に記載したとおりである。
実施例7~9
900℃で加熱する代わりに600℃(実施例7)、750
(実施例8)または1200℃(実施例9)で加熱するこ
と以外、実施例2と同様の操作を行った(なお
1200℃で加熱する場合には、電気加熱炉とし
て株式会社モトヤマ製酸化雰囲気超高温電気
炉KB-2030Dを使用した)。
それぞれの電子顕微鏡(実施例7および8)ま たは目視(実施例9)による観察結果は、下記の 表2に示したとおりである。
実施例10~13
900℃で加熱する代わりに600℃(実施例10)、750
℃(実施例11)、1000℃(実施例12)または1200℃(実
例13)で加熱すること以外、実施例3と同様の
操作を行った(なお、1000℃および1200℃で加熱
する場合には、電気加熱炉として株式会社モ
トヤマ製酸化雰囲気超高温電気炉KB-2030Dを使
した)。
それぞれの電子顕微鏡(実施例10、11およ 12)または目視(実施例13)による観察結果は、 記の表2に示したとおりである。
実施例14
900℃で加熱する代わりに1200℃(実施例14)で
熱すること以外、実施例4と同様の操作を行
た(なお、電気加熱炉として株式会社モトヤ
マ製酸化雰囲気超高温電気炉KB-2030Dを使用し
)。
加熱処理後の坩堝内を目視によって観察 たところ、坩堝内容物はほぼ溶融していた 、融け残りが一部観察された(図3-(d))。
比較例0
未処理のアスベストヤーンを走査電子顕微
によって観察した。石綿は針状の繊維構造
有する(図4-A)。
比較例1
実施例1で使用したアスベストヤーン0.5gを
量50mlの坩堝に入れ、坩堝に蓋をして電気加
炉(光洋リンドバーグ株式会社製電気炉KBF-89
4N)内に装入し、該電気炉内において900℃で1
間加熱した。その後、室温まで放冷し、坩
内を目視によって観察した。その結果、坩
内のアスベストヤーンは若干縮み、ごわつ
たような状態になっていた。この加熱処理
の坩堝内容物を取り出して走査電子顕微鏡
より観察したところ、針状の繊維構造は失
れていなかった(図4-B(c))。
比較例2
珪酸ナトリウムとして、SiO 2
/M 2
Oのモル比が2である珪酸ナトリウムを30%含む
溶液1.66gを使うこと以外、実施例1と同様の
作を行った。坩堝を電気炉に装入して加熱
たところ、急速に発泡し、坩堝から内容物
あふれ出したため試験を中止した。
比較例3
珪酸ナトリウムとして0.5gの無水珪酸(SiO 2
/M 2
Oのモル比は無限大に相当)を使うこと以外、
施例1と同様の操作を行った。比較例1と同
、坩堝内のアスベストヤーンは若干縮み、
わついたような状態になっていた。この加
処理後の石綿リボンを走査電子顕微鏡によ
て観察したところ、針状の繊維構造は失わ
ていなかった。
比較例4~7
900℃で加熱する代わりに600℃(比較例4)、750
(比較例5)、1000℃(比較例6)または1200℃(比較
7)で加熱すること以外、比較例1と同様の操
を行った(なお、1000℃および1200℃で加熱す
場合には、電気加熱炉として株式会社モト
マ製酸化雰囲気超高温電気炉KB-2030Dを使用
た)。
それぞれの電子顕微鏡(比較例4、5および6 )または目視(比較例7)による観察結果は、下 の表2に示したとおりである。
以下の表2に、各種珪酸アルカリを用いて 種々の温度で加熱処理を行った場合における 加熱処理後の石綿の状態をまとめて記載した 。
実施例15
珪酸ナトリウムとして0.5gの粉末珪酸ナトリ
ウムJIS-1号(水ガラスを乾燥させた粉末で20重
%の含水率を有する)を使用すること以外、
施例1と同様の操作を行った。
加熱処理後の坩堝内容物を走査電子顕微 によって観察したところ、石綿は針状の繊 構造を失っており、さらに、加熱処理中に 綿繊維が溶融した結果、繊維同士が融着し 構造を有していた(図5-A(b))。
実施例16
珪酸ナトリウムとして0.5gのメタ珪酸ナトリ
ウム・9水塩(含水率57重量%)を使用すること以
外、実施例1と同様の操作を行った。
実施例17および18
900℃で加熱する代わりに750℃(実施例17)また
は1200℃(実施例18)で加熱すること以外、実施
15と同様の操作を行った(なお、1200℃で加熱
する場合には、電気加熱炉として株式会社モ
トヤマ製酸化雰囲気超高温電気炉KB-2030Dを使
した)。
以下の表3に、異なる含水率を有する珪酸 アルカリを用いて種々の温度で加熱処理を行 った場合における加熱後の石綿の状態(電子 微鏡または目視による観察結果)をまとめて 載した。なお、実施例3、11、13については に表2に記載したものであるが、各含水率間 の比較を容易にするために表3においても記 載してある。
表3の結果からは、含水率が高くなる程、 石綿繊維同士の融着が顕著になり、それに伴 って石綿の構造喪失度が高くなる傾向が認め られる。
これは、含水珪酸ナトリウムが、自身が つ水分が蒸発する前に一度ガラス状に溶融 、それによって石綿への反応性が高まった めと考えられる。
実施例19および20
珪酸ナトリウムとして0.5gのエコレイヤ顆粒
(平均粒子径700μm)(実施例19)またはエコレイヤ
粗粒(平均粒子径3.4mm)(実施例20)を使用するこ
以外、実施例1と同様の操作を行った。
以下の表4に、異なる平均粒子径を有する 珪酸アルカリを用いて加熱処理を行った場合 における加熱処理後の石綿の状態(電子顕微 による観察結果)をまとめて記載した。なお 実施例3については既に表2に記載したもの あるが、各平均粒子径間での比較を容易に るために表4においても記載してある。
表4の結果からは、平均粒子径が低い程、 加熱処理後の石綿の構造喪失度が高くなる傾 向が認められる。
これは、珪酸アルカリの平均粒子径が低 ほど、珪酸アルカリが石綿と広域にわたっ より均一に接触することができるためと考 られる。
参考例1
耐火レンガ(シャモットレンガ)の破片(径2~10
mm程度)5gとオルト珪酸ナトリウムn水塩(SiO 2
/M 2
Oモル比=0.5)5gとを50ml容量の坩堝に入れ、薬匙
で約10秒間かき混ぜた。その後、坩堝に蓋を
て電気加熱炉(光洋リンドバーグ株式会社製
電気炉KBF-894N)内に装入し、該電気炉内におい
て900℃で1時間加熱した。その後、室温まで
冷し、目視で坩堝内の状態を観察した。
その結果、耐火レンガの一部に変色や溶 が認められた。
参考例2
珪酸ナトリウムとして5gの無水メタ珪酸ナ
リウム(SiO 2
/M 2
Oモル比=1)を使用し、900℃で1時間加熱する代
りに1100℃で5時間加熱すること以外、参考
1と同様の操作を行った。なお、電気加熱炉
して、株式会社モトヤマ製酸化雰囲気超高
電気炉KB-2030Dを使用した。
耐火レンガに変色や成分溶出の兆候は認 られなかった。
参考例3
珪酸ナトリウムとして5gのエコレイヤ粉末(S
iO 2
/M 2
Oモル比=2)を使用すること以外、参考例2と同
の操作を行った。
耐火レンガに変色や成分溶出の兆候は認 られなかった。
参考例4
珪酸ナトリウムとして5gの中モルカレット
ラスカレット(SiO 2
/M 2
Oモル比=3.0)を使用すること以外、参考例2と
様の操作を行った。
耐火レンガに変色や成分溶出の兆候は認 られなかった。
参考例5
耐火レンガ(シャモットレンガ)の破片(径2~10
mm程度)5gを50ml容量の坩堝に入れ、坩堝に蓋を
して電気加熱炉(モトヤマ製酸化雰囲気超高
電気炉KB-2030D)内に装入し、該電気炉内にお
て1200℃で7時間加熱した。その後、室温まで
放冷し、目視で坩堝内の状態を観察した。
その結果、耐火レンガは変色や成分溶出 兆候は認められず、何の変化も確認されな った(図7-A)。
参考例6
5gのオルト珪酸ナトリウムn水塩(SiO 2
/M 2
Oモル比=0.5)を50ml容量の坩堝に入れ、坩堝に
をして電気加熱炉(モトヤマ製酸化雰囲気超
温電気炉KB-2030D)内に装入し、該電気炉内に
いて1200℃で7時間加熱した。その後、室温
で放冷し、目視で坩堝内の状態を観察した
珪酸ナトリウムの溶融が認められた。
参考例7
耐火レンガ(シャモットレンガ)の破片(径2~10
mm程度)5gとオルト珪酸ナトリウムn水塩(SiO 2
/M 2
Oモル比=0.5)5gとを50ml容量の坩堝に入れ、坩堝
に蓋をして電気加熱炉(モトヤマ製酸化雰囲
超高温電気炉KB-2030D)内に装入し、該電気炉
において1200℃で7時間加熱した。その後、室
温まで放冷し、目視で坩堝内の状態を観察し
た。
珪酸ナトリウムの溶融が認められ、該溶 物は黄色に着色していた。
参考例8、10および12
珪酸ナトリウムとして5gの無水メタ珪酸ナ
リウム(SiO 2
/M 2
Oモル比=1)(参考例8)、5gのエコレイヤ粉末(SiO 2
/M 2
Oモル比=2)(参考例10)、または5gの中モルカレ
ト(SiO 2
/M 2
Oモル比=3.0)(参考例12)を使用すること以外、
考例6と同様の操作を行った。
それぞれの目視による観察結果は、下記 表5に示したとおりである。
参考例9、11および13
珪酸ナトリウムとして5gの無水メタ珪酸ナ
リウム(SiO 2
/M 2
Oモル比=1)(参考例9)、5gのエコレイヤ粉末(SiO 2
/M 2
Oモル比=2)(参考例11)、または5gの中モルカレ
ト(SiO 2
/M 2
Oモル比=3.0)(参考例13)を使用すること以外、
考例7と同様の操作を行った。
それぞれの目視による観察結果は、下記 表5に示したとおりである。
以下の表5は、参考例1~13における坩堝内 目視観察結果をまとめて記載したものであ 。
表5の結果からは、モル比が小さい珪酸ナ トリウムを用いた場合に、溶融(冷却後固化) た珪酸ナトリウムが黄色に着色しているこ がわかる。これは珪酸ナトリウムにより耐 レンガが攻撃され、その成分が溶出したた と考えられる。
