日本電気株式会社 (〒01 東京都港区芝五丁目7番1号 Tokyo, 1088001, JP)
FUJI JUKOGYO KABUSHIKI KAISHA (7-2 Nishishinjuku 1-chome, Shinjuku-ku Tokyo, 16, 1608316, JP)
| 二次電池のSOC値を推定するSOC推定方法であって、 前記二次電池の充放電電流を監視して継続的に積算して第1の積算値を求め、前記第1の積算値を前記二次電池の容量値で除算した結果をSOC初期値に加算することにより、第1のSOC値を継続的に算出することと、 前記二次電池における充電と放電とが切り替わるタイミングを検出し、該タイミングにおいて、該タイミングでの前記二次電池の端子電圧を求めることと、 前記端子電圧を前記二次電池の平衡状態における開放電圧に換算するための補正値を求めることと、 前記端子電圧に前記補正値を加算した結果に基づいて第2のSOC値を求めることと、 前記第2のSOC値を求めるたびに、前記SOC初期値をその第2のSOC値で更新して前記第1の積算値の積算演算を再開始させることと、 過去に求めた第2のSOC値と今回求めた第2のSOC値との差と、前記差に対応する時間間隔における前記充放電電流の積算値とから、前記二次電池の現在の容量値を求めることと、 前記現在の容量値でもって、前記第1のSOC値の算出に用いる容量値を更新することと、 を有する、SOC推定方法。 |
| 前記タイミングの直前の一定期間における充放電電流を積算した第2の積算値を算出し、該第2の積算値と前記二次電池の温度から前記補正値を決定する、請求項1に記載のSOC推定方法。 |
| 前記一定期間を複数の区間に分割し、前記タイミングに近い方の区間の方が重視されるように前記区間ごとに重み付けを行って前記第2の積算値を算出する、請求項2に記載のSOC推定方法。 |
| 前記端子電圧に基づいて第3のSOC値を決定し、前記第3のSOC値が相対的に小さいときに小さくなり、前記第3のSOC値が相対的に大きければ大きくなるように前記補正値を決定する、請求項1に記載のSOC推定方法。 |
| 前記現在の容量値に基づいて前記二次電池の劣化を判定する段階を有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のSOC推定方法。 |
| 前記二次電池がリチウムイオン二次電池である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のSOC推定方法。 |
| 二次電池の容量の劣化を推定する劣化判定方法であって、 前記二次電池における充電と放電とが切り替わるタイミングを検出し、該タイミングにおいて、該タイミングでの前記二次電池の端子電圧を求めることと、 前記端子電圧を前記二次電池の平衡状態における開放電圧に換算するための補正値を求めることと、 前記端子電圧に前記補正値を加算した結果に基づいてSOC値を求めることと、 過去に求めたSOC値と今回求めたSOC値との差と、前記差に対応する時間間隔における前記二次電池に対する充放電電流の積算値とから、前記二次電池の現在の容量値を求めることと、 前記現在の容量値を求めた際の前記二次電池の温度及び充放電電流レートが所定の条件を満たすかを判定することと、 前記所定の条件を満たす場合の前記現在の容量値を基準値と比較することにより、前記二次電池の劣化を判定することと、 を有する、劣化判定方法。 |
| 二次電池の容量の劣化を推定する劣化判定方法であって、 前記二次電池における充電と放電とが切り替わるタイミングを検出し、該タイミングにおいて、該タイミングでの前記二次電池の端子電圧を求めることと、 前記端子電圧を前記二次電池の平衡状態における開放電圧に換算するための補正値を求めることと、 前記端子電圧に前記補正値を加算した結果に基づいてSOC値を求めることと、 過去に求めたSOC値と今回求めたSOC値との差と、前記差に対応する時間間隔における前記二次電池に対する充放電電流の積算値とから、前記二次電池の容量値を求めることと、 前記容量値を求めるごとに、当該容量値と、当該容量値を求めた際の前記二次電池の温度及び充放電電流レートとを記憶することと、 現在の容量値を、前記二次電池温度及び充放電電流レートが同等である条件で過去に求められた容量値と比較することにより、前記二次電池の劣化を判定することと、 を有する、劣化判定方法。 |
| 前記二次電池がリチウムイオン二次電池である、請求項7または8に記載の劣化判定方法。 |
| 二次電池のSOC値を推定するSOC推定装置であって、 前記二次電池における充放電電流を検出する電流検出手段と、 前記二次電池の端子電圧を検出する電圧測定手段と、 検出された前記充放電電流に基づき、前記充放電電流を継続的に積算して第1の積算値を求める積算演算手段と、 前記第1の積算値を前記二次電池の容量値で除算した結果をSOC初期値に加算することにより、第1のSOC値を継続的に算出するSOC値演算手段と、 前記電流検出手段の出力に基づき、前記二次電池における充電と放電とが切り替わるタイミングを検出するタイミング検出手段と、 前記二次電池の端子電圧を前記二次電池の平衡状態における開放電圧に換算するための補正値を取得する補正値取得手段と、 検出された前記タイミングにおける前記端子電圧に前記補正値を加算した結果に基づいて第2のSOC値を求めるSOC値推定手段と、 過去に求めた第2のSOC値と今回求めた第2のSOC値との差と、前記差に対応する時間間隔における前記充放電電流の積算値とから、前記二次電池の現在の容量値を求める容量演算手段と、 を有し、 前記現在の容量値でもって、前記第1のSOC値の算出に用いる容量値が更新され、前記第2のSOC値を求めるたびに、前記SOC初期値をその第2のSOC値で更新して前記第1の積算値の積算演算が再開始される、SOC推定装置。 |
| 前記補正値取得手段は、前記充放電電流をサンプリングして得られるサンプル値を順次格納するリングバッファを有し、前記リングバッファを参照して前記タイミングの直前の一定期間における充放電電流を積算した第2の積算値を算出し、該第2の積算値から前記補正値を決定する、請求項10に記載のSOC推定装置。 |
| 前記二次電池の温度を計測する温度測定手段をさらに有し、 前記補正値取得手段は、前記第2の積算値のほかに前記温度を用いて前記補正値を算出する、請求項11に記載のSOC推定装置。 |
| 前記現在の容量値に基づいて前記二次電池の劣化を判定する手段を有する、請求項10乃至12のいずれか1項に記載のSOC推定装置。 |
| 請求項10乃至13のいずれか1項に記載のSOC推定装置と、 前記SOC推定装置によってSOC値が推定される二次電池と、 を有する、バッテリパック。 |
| 二次電池の劣化を判定する劣化判定装置であって、 前記二次電池における充放電電流を検出する電流検出手段と、 前記二次電池の端子電圧を検出する電圧測定手段と、 前記電流検出手段の出力に基づき、前記二次電池における充電と放電とが切り替わるタイミングを検出するタイミング検出手段と、 前記二次電池の端子電圧を前記二次電池の平衡状態における開放電圧に換算するための補正値を取得する補正値取得手段と、 検出された前記タイミングにおける前記端子電圧に前記補正値を加算した結果に基づいてSOC値を求めるSOC値推定手段と、 過去に求めたSOC値と今回求めたSOC値との差と、前記差に対応する時間間隔における前記充放電電流の積算値とから、前記二次電池の容量値を求める容量演算手段と、 今回求めた容量値を、基準値または過去に求めた容量値と比較することによって前記二次電池の劣化を判定する劣化判定手段と、 を有する劣化判定装置。 |
本発明は、リチウムイオン二次電池に代 される各種の二次電池のSOC値を推定する方 及び装置と、そのような二次電池の劣化を 定する方法及び装置に関する。
近年、リチウムイオン二次電池やニッケ 水素電池などの二次電池が、電力用途とし 、例えばハイブリッド自動車における電動 駆動の電源などとして用いられるようにな てきている。ハイブリッド自動車などでの 途では、二次電池に現在貯えられている充 量とその二次電池の容量すなわちバッテリ 量との比であるSOC(残存容量:State of Charge) 随時算出し、算出されたSOC値に基づき、車 における駆動モータの制御や、二次電池の 放電の制御を行っている。具体的には、例 ばSOCが20%以下となった場合には、エンジン 始動して発電機によって発電し、その電力 よって二次電池を充電するような制御を行 、例えばSOCが80%以上となった場合には、二 電池がそれ以上充電されないようにする制 を行っている。
SOCは、二次電池内に充電されている利用可 なエネルギー量をパーセントで示している のであり、初期のSOCの値SOC init が既知であれば、二次電池の充放電電流Iを 視し、電流積算を行うことによって、式(1) 示すように、SOCを求めることができる。SOC 初期値としては、例えば、充電状態が0%もし くは100%であることを示す値が用いられる。
リチウムイオン二次電池に代表されるある の二次電池では、充電状態すなわちSOC値に じてバッテリ端子電圧が変化することが知 れており、SOC値に対するバッテリ端子電圧 関係を表わす特性曲線を予め求めておくこ ができる。ここでのバッテリ端子電圧とは バッテリの開放電圧のことである。したが て、この種の二次電池では、バッテリの使 開始前に、バッテリ端子間の開放電圧が十 に平衡に達した時点でその開放電圧を求め その求めた値から上述の特性曲線によって の時点でのSOC値を推定することができ、そ SOC値を式(1)または式(1A)における初期値SOC init とすることができる。二次電池がリチウムイ オン二次電池などであれば、ゼロ充電状態あ るいは満充電状態以外の状態からであっても 、電流積算によるSOC値の算出を行うことがで きることになる。図1は、リチウムイオン二 電池における開放電圧とSOCとの関係を例示 るものである。図中、V 0% はゼロ充電状態における開放電圧を示し、V 100% は満充電状態での開放電圧を示している。
なお、場合によっては、バッテリ容量に対
る放電容量の比であるDOD(放電深度;Depth of
Discharge)値を用いて制御を行う場合もある。
わゆる不可逆容量を無視すれば、
DOD[%]=100-SOC[%] (2)
の関係があるから、DOD値も上述と同様にして
算出することができる。
ところで、電流積算によって時々刻々のS OC値を求める場合、積算時の誤差が累積する で、長い時間にわたってSOC値を求め続ける とは難しい。一方、バッテリの開放電圧に ってSOC値を推定する方法では、原理的には 充放電電流がゼロの状態での端子電圧(すな わち開放電圧)を用いるべきものであるので 電池が使用されて充放電が行われている期 においては、SOC値を推定することができな 。
日本国特許公開:特開2001-303627号公報(特許文 献1)は、充放電電流が流れている状態におい もバッテリの端子電圧からSOC値を推定でき ように、計測された端子電圧に対し、バッ リ内の分極電圧V P と、バッテリの内部抵抗Rを充放電電流Iが流 ることによるI×Rで表される電圧降下とを補 正し、補正された端子電圧に基づいてSOC値を 推定することを開示している。しかしながら 、電池の内部抵抗値Rは、電池温度や電池の 化の度合いによって大きく変化するから、 開2001-303627号公報に記載の方法では、温度や 劣化の度合いを正確に知ることができなけれ ば、SOCを精度よく推定することはできない。 図2は、リチウムイオン二次電池における内 抵抗値と温度との関係を模式的に示したグ フであり、ここでは、内部抵抗値として放 抵抗を用いている。図2は、劣化によって内 抵抗が全体的に大きくなることを示してい 。
また、本発明の譲受人は、ハイブリッド自 車などの用途では、二次電池に対する充電 放電とが頻繁に切り替わり、その切り替わ タイミングでは充放電電流がゼロとなるこ に着目し、電流積算によるSOC値の算出を常 実行しながら、充電と放電とが切り替わる イミングで二次電池の端子電圧を測定し、 の測定結果に基づくSOCの推定値を用いて、 流積算によるSOC値算出の際に用いる初期値S OC init を更新することを提案している(日本国特許 開:特開2004-245673号公報(特許文献2))。この方 によれば、充電と放電とが切り替わるタイ ングごとに初期値SOC init が更新されるので、その時点で電流積算の累 積誤差がクリアされ、その結果、常に、正確 なSOC値を求めることが可能となる。
ところで、式(1)あるいは式(1A)から明らかな ように、SOC値は、電池容量Qに依存するが、 池容量Qは、電池の温度や、電池の劣化の度 い、さらに、充放電電流のレートによって 変化する。そのため、電流積算によってSOC を正確に推定するためには、電流積算の際 用いる初期値SOC init が正確であることとともに、電池容量Qの変 も考慮しなければならないことになる。電 容量Qを求めることができれば、電池容量変 における電池温度や充放電電流レートの寄 分を除去することによって、劣化に起因す 電池容量の変化量を求めることができ、電 自体の劣化の度合いをも推定することが可 になる。
劣化に伴う電池容量の低下は、温度や充 電電流、充放電時間、充放電電圧について 予め設定された条件で評価対象の電池に対 て充放電を行うこと、すなわちいわゆる容 測定モードでの充放電を実行することによ て、評価されていた。しかしながら、二次 池が車両に搭載されてランダムに充放電が り返される環境下では、その二次電池に対 、容量測定モードでの充放電を実行するこ は困難であり、車両搭載状態の二次電池の 池容量を計測することは難しかった。
なお、リチウムイオン二次電池などを用 る場合、これらの二次電池のセルを単独で いることは少なく、所望の放電電圧、放電 流が得られるように複数の単体セルを直列 び/または並列に接続したバッテリパックと して構成することが一般的である。このバッ テリパックには、二次電池セルのほかに、例 えば過充電防止回路などの安全回路や、SOC( 存容量)を測定してその測定値を出力する回 などが備えられることが多い。
本発明に関連するものとして、日本国特 公開:特開平8-29505号公報(特許文献3)は、二 電池の電流が所定値以下のとき、一定期間 おける二次電池の電圧変化から充電率を測 し、前回測定した充電率と今回測定した充 率の差分値とその間の二次電池の電流の時 積分値とから完全充電状態における二次電 の容量を推定し、さらに、推定された完全 電状態における二次電池の容量と今回測定 た充電率とから二次電池のSOCを推定するこ を開示している。日本国特許公開:特開2003-20 7552号公報(特許文献4)は、二次電池の放電電 と端子電圧との関係より求めた電流-電圧特 に基づいて、二次電池の充電状態を算出す ことを開示している。日本国特許公開:特開 2003-294817号公報(特許文献5)は、放電電流の積 値と充電電流の積算値との二次元関係に基 いて、二次電池の開放電圧を推定し、推定 れた開放電圧に基づいてSOCを推定すること 開示している。日本国特許公開:特開2003-3075 57号公報(特許文献6)は、定電流定電圧電源に り二次電池を充電した場合の電流及び電圧 時間変化を利用し、定電流定電圧電源に二 電池を接続して電流を流し、所定時間後の 流または電圧値を測定し、これらの測定値 基づいて二次電池のSOCを推定することを開 している。
日本国特許公開:特開2002-247773号公報(特許文
献7)は、満充電状態から所定の放電停止状態
で放電させたときの放電電気量からそのと
の実際の電池容量を求め、劣化を判定する
とを開示している。日本国特許公開:特開200
2-243813号公報(特許文献8)は、放電電流積算開
時の開放電圧、放電電流積算終了時の開放
圧、及び開放電圧とSOCとの相関関係に基づ
て、放電電流積算開始から放電電流積算終
までのSOCの変化量δSOCを算出し、このδSOCと
実際の放電電気量とから電池の容量を算出し
、さらに、温度による補正などを行って、二
次電池の劣化を推定することを開示している
。日本国特許公開:特開2003-338315号公報(特許
献9)は、二次電池の開放電圧によって求めた
SOC値と電流積算によるSOC値との差δSOCを求め
開放電圧から推定される電池の内部抵抗値
放電電流を変化させて放電させたときの電
変化から算出される内部抵抗値との差δIRを
求め、δSOC及びδIRから電池の劣化を判定する
ことを開示している。日本国特許公開:特開20
01-343437号公報(特許文献10)は、実際の充放電
気量から算出されるSOCと、開放電圧(あるい
電池電圧)から推定されるSOCとの差から、電
池の劣化状態を判定することを開示している
。
電流積算によってリチウムイオン二次電 などの二次電池のSOC値を求める上述した方 では、積算誤差や、その時点での温度低下 劣化などに起因する電池容量自体の変化の めに、正確なSOC値を求められない、という 題点がある。また、開放電圧からSOC値を推 する場合、より正確な推定値を得るために 、二次電池を開放状態にして長時間放置し 電池内が十分に平衡に達した時点での開放 圧を用いる必要があるが、実際の電池の利 状況では、平衡に達した時点での開放電圧 用いることは難しい、という問題点がある 実際の利用状況下において二次電池の端子 圧からSOC値を推定する方法も、上述のよう いくつか提案されているものの、必ずしも 確なSOC値を与えているわけではない。
そこで本発明の目的は、温度低下や劣化 よる電池自体の容量変化の影響を受けるこ なく、最新のSOC値を精度よく推定できる方 を提供することにある。
本発明の別の目的は、電池自体の容量を 度よく推定し、さらには電池の劣化を判定 きる方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、温度低下や 化による電池自体の容量変化の影響を受け ことなく、最新のSOC値を精度よく推定でき 装置を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、電池自体の 量を精度よく推定し、さらには電池の劣化 判定できる装置を提供することにある。
本発明の一様相によれば、二次電池のSOC を推定するSOC推定方法は、二次電池の充放 電流を監視して継続的に積算して第1の積算 値を求め、第1の積算値を二次電池の容量値 除算した結果をSOC初期値に加算することに り、第1のSOC値を継続的に算出することと、 次電池における充電と放電とが切り替わる イミングを検出し、このタイミングにおい 、このタイミングでの二次電池の端子電圧 求めることと、端子電圧を二次電池の平衡 態における開放電圧に換算するための補正 を求めることと、端子電圧に補正値を加算 た結果に基づいて第2のSOC値を求めることと 、第2のSOC値を求めるたびに、SOC初期値をそ 第2のSOC値で更新して第1の積算値の積算演算 を再開始させることと、過去に求めた第2のSO C値と今回求めた第2のSOC値との差と、この差 対応する時間間隔における充放電電流の積 値とから、二次電池の現在の容量値を求め ことと、現在の容量値でもって、第1のSOC値 の算出に用いる容量値を更新することと、を 有する。
本発明の別の様相によれば、二次電池のS OC値を推定するSOC推定装置は、二次電池にお る充放電電流を検出する電流検出手段と、 次電池の端子電圧を検出する電圧測定手段 、検出された充放電電流に基づき、充放電 流を継続的に積算して第1の積算値を求める 積算演算手段と、第1の積算値を二次電池の 量値で除算した結果をSOC初期値に加算する とにより、第1のSOC値を継続的に算出するSOC 演算手段と、電流検出手段の出力に基づき 二次電池における充電と放電とが切り替わ タイミングを検出するタイミング検出手段 、二次電池の端子電圧を二次電池の平衡状 における開放電圧に換算するための補正値 取得する補正値取得手段と、検出されたタ ミングにおける端子電圧に補正値を加算し 結果に基づいて第2のSOC値を求めるSOC値推定 手段と、過去に求めた第2のSOC値と今回求め 第2のSOC値との差と、その差に対応する時間 隔における充放電電流の積算値とから、二 電池の現在の容量値を求める容量演算手段 、を有し、現在の容量値でもって、第1のSOC 値の算出に用いる容量値が更新され、第2のSO C値を求めるたびに、SOC初期値をその第2のSOC で更新して第1の積算値の積算演算が再開始 される。
本発明は、例えば、容量測定モードを導 することなく各時点での電池容量Qを正確に 決定することができるという利点を有する。 また本発明によれば、正確な電池容量Qに基 いてSOC値を電流積算によって連続して計算 きるので、例えば、電流積算に伴う累積誤 の影響を受けることなく任意のタイミング のSOC値を正確に取得することが可能になる いう効果が得られる。
温度や充放電レートなどが予め規定する 件を満たしている場合において上述のよう して電池容量Qが求められた場合、本発明に よれば、例えば、その電池容量Qとその二次 池の本来の電池容量とを比較することによ 、二次電池の劣化の度合いを判定すること 可能になる。
10,40 SOC推定装置
11 二次電池
12 バッテリパック
21 電流検出器
22 電圧測定部
23 A/D変換器
24 極性検出部
25 エッジ検出部
26 SOC値推定部
27 SOC値演算部
28 積算演算部
29 リングバッファ
31 補正値取得部
32 容量演算部
33 温度センサ
41 劣化判定部
本発明の第1の実施形態に基づくSOC(残存容 )推定方法は、リチウムイオン二次電池に代 される各種の二次電池のSOC値を推定するも である。このSOC推定方法は、ハイブリッド 動車などの用途では、リチウムイオン二次 池などの二次電池において放電と充電とが 繁に切り替わって二次電池に流れる電流の きが切り替わり、その切り替わりに際して 瞬間的には充放電電流がゼロとなることに 目したものである。本実施形態の方法では 電流積算によるSOC値計算を連続して行うと もに、電流がゼロとなるタイミングで二次 池の端子電圧V t を測定する。実際には、測定された端子電圧 V t は、電流ゼロの状態が続いて平衡に達した後 の端子電圧すなわち平衡状態での開放電圧と は一般に異なるので、端子電圧を二次電池の 平衡状態における開放電圧に換算するための 補正値V c を決定し、V SOC =V t +V c とし、開放電圧とSOC値との予め求めてある関 係に対してV SOC を当てはめ、その時点でのSOC値を推定し、電 流積算によるSOC値計算の際の初期値SOC init を更新する。
補正値V c は、例えば、端子電圧V t を取り込んだ時点の直前の一定期間での充放 電電流の平均電流値に基づいて定めることが でき、さらに、直前での平均電流値に加え、 電池温度を用いて決定するようにしてもよい 。平均電流値の代わりに、その一定期間にお ける電流積算値をそのまま用いてもよい。一 定期間における平均電流値あるいは電流積算 値を用いる場合、その一定期間を複数の区間 に分割し、端子電圧V t を取り込むタイミングに近い方の区間の方が 重視されるように区間ごとに重み付けを行っ て、電流積算値を求めてもよい。
さらには、第1の実施形態の方法では、端子 電圧V t に基づいて仮のSOC値を決定し、仮のSOC値が小 さければ補正値が小さくなり、仮のSOC値が大 きければ補正値も大きくなるように、補正値 V c を決めるようにしてもよい。
第1の実施形態の方法では、端子電圧に基 づくSOC値の推定が2回以上行われ、かつ、そ 2回の推定の間の時間間隔での電流積算によ SOC値算出の誤差が小さいものであると考え れる場合には、その時間間隔内での充放電 気量qを電流積算によって算出する。またそ の時間間隔の始点と終点の双方で、端子電圧 によるSOC値の推定が行われているから、2つ 推定されたSOC値の差δSOCを計算し、Q=q/δSOCを 計算することによって、その時点での電池容 量Qが求められることになる。このようにし 電池容量Qが決定すれば、その電池容量Qを、 電流積算によるSOC値の算出に用いるようにす る。
なお、第1の実施形態のSOC推定方法では、 温度低下や電池自体の劣化に伴って電池容量 が変化した場合であっても、その時点での電 池容量が算出され、算出された電池容量によ ってSOC値が算出される。各時点での電池容量 が算出されるから、電池温度の変化や充放電 電流レートが異なることによる電池容量の変 化分を除去できれば、電池自体の劣化に伴う 電池容量の変化を求めることができる。そこ で、電池の製造事業者等が、予め、劣化検出 のための容量算出条件を定めておくものとし て、そのような容量算出条件を満たしている ときに上述のようにして電池容量が求められ た場合に、その求められた電池容量とその二 次電池の公称容量(基準値)とを比較すること よって、その二次電池の劣化の度合いを推 することが可能になる。容量算出条件とし は、例えば、温度や充放電電流レートが用 られる。あるいは、上述のように電池容量 算出するたびに、そのときの電池温度と充 電電流レートを記憶しておき、過去におい 同様の条件で算出された電池容量と比較す ことによって、その二次電池の容量劣化を 定することが可能である。
図3は、上述した第1の実施形態の方法に づいて動作するSOC推定装置の構成の一例を している。ここでは、例示として、バッテ パック12内にSOC推定装置10が組み込まれたも とし、また、二次電池11として、例えばリ ウムイオン二次電池が使用されているもの する。
SOC推定装置10は、二次電池11に対する充電電 流及び放電電流を検出する電流検出器21と、 次電池11の端子電圧V t を測定して出力する電圧測定部22と、電流検 器21の出力を一定のサンプリングレートで ンプリングしてアナログ/デジタル変換するA /D変換器23と、電流検出器21の出力波形を整形 し充放電電流の極性を検出する極性検出部24 、極性検出部24の出力におけるエッジを検 してトリガ信号を出力するエッジ検出部25と 、二次電池11の端子電圧に基づいてSOC値を推 するSOC値推定部26と、電流積算に基づくSOC を常時算出し、現在のSOC値を出力するSOC値 算部27と、A/D変換器23からの出力される電流 ンプル値に基づいて電流積算の演算を行う 算演算部28と、A/D変換器23からの電流サンプ ル値を格納するリングバッファ29と、エッジ 出部25からのトリガ信号に基づいてリング ッファ23内の一定期間分の電流値を積算し、 SOC値推定部26でのSOC値推定の際に用いられる 正値V c を取得する補正値取得部31と、二次電池11の 在の容量を推定する容量演算部32と、二次電 池11の温度を計測する温度センサ33と、を備 ている。充放電電流の極性とは、ここでは 充電であるか放電であるかの別のことであ 。
二次電池11は、複数の単位セルを直列に 続した組電池であってもよい。電圧測定部22 は、二次電池の正極端子と負極端子との間の 電圧を端子電圧として計測するものであるが 、二次電池11として組電池が使用される場合 あれば、組電池の正側端子と負側端子との の電圧を端子電圧として計測する。
電流検出器21としては、ホールセンサを いたオープンループのものや、シャント抵 を有しその両端の電圧を計測するものを用 ることができる。電流検出器21は、充放電電 流の大きさに比例するとともに、例えば充電 であれば負であり放電であれば正である電圧 を発生する。充電電流と放電電流との違いは 二次電池11に対する電流の向きで区別される のである。極性検出部24は、例えば、電流 出器21の出力が正か負かによって放電か充電 かを識別し、放電である期間中には論理レベ ルで“1”を出力し、充電である期間中には 0”を出力するように構成されている。この うな極性検出部24としては、非反転端子に 流検出器21からの波形が入力し、反転端子に は基準電位として0Vが供給されるコンパレー を用いることができる。エッジ検出部25は 極性検出部24の出力の立ち上がりエッジ及び 立ち下がりエッジにおいてトリガ信号を出力 する。立ち上がりエッジとは、“0”から“1 に遷移するエッジのことであり、立ち下が エッジとは、“1”から“0”に遷移するエ ジのことである。
SOC値推定部26は、二次電池11の開放電圧(開 路電圧)とSOC値との関係が既知である場合に この関係を用いて、測定された開放電圧か SOC値を推定しようとするものである。上述 たように、SOC値の推定に用いる開放電圧は 本来は、充放電電流がゼロになってから十 時間が経過した後の開放電圧すなわち平衡 態での開放電圧とすべきであるが、実際に 用中の二次電池について、平衡状態での開 電圧を取得することは困難である。そこで のSOC推定装置10では、実測された端子電圧V t に対して補正値V c を加算してV SOC とし、このV SOC が平衡状態での開放電圧であるとして、SOC値 を推定するようにしている。補正値V c の取得のために、リングバッファ29、補正値 得部31及び温度センサ33が設けられている。 補正値V c の取得については後述する。
SOC値推定部26には、電圧測定部22で測定され デジタル値で表された端子電圧V t と、エッジ検出部25で発生したトリガ信号と 入力している。そしてSOC値推定部26は、ト ガ信号が入力したタイミングで二次電池11の 端子電圧V t とそのタイミングで取得された補正値V c とを取り込み、V SOC =V t +V c を計算して、V SOC に対応するSOC値を出力する。実際には、SOC値 推定部26は、リチウムイオン二次電池の(平衡 状態での)開放電圧とSOCとの関係を示したル クアップテーブルを備え、V SOC を平衡状態での開放電圧としてこのルックア ップテーブルを参照し、SOC値を出力する。SOC 推定の対象である二次電池がリチウムイオン 二次電池以外の二次電池である場合には、そ の二次電池の特性に対応したルックアップテ ーブルを備えるようにする。
ここで、補正値V c の取得について説明する。
リングバッファ29は、A/D変換器23からの電 流サンプル値を順次格納するものであって、 格納すべき電流サンプル値の個数がリングバ ッファ29のメモリ容量を超えた場合には、最 古いサンプル値が最も新しいサンプル値に き換えられるようになっており、これによ て、リングバッファ29内には、リングバッ ァ29の容量分だけ、最新の時点から過去に遡 る各電流サンプル値が格納されることになる 。
補正値取得部31は、エッジ検出部25からトリ ガ信号が入力したとき、すなわち、二次電池 11における充電と放電とが切り替わるタイミ グにおいて、リングバッファ29内を検索し その時点から過去に向かって一定期間にお る電流サンプル値を読み出し、読出した電 サンプル値を積算して、その一定期間にお る電流の積算値(電荷量)を算出する。ここで 積算期間が一定なので、積算値は、その期間 内での平均電流値と等価である。そして補正 値取得部31は、得られた電流積算値に応じた 正値V c を出力する。実際には、補正値取得部31は、 流積算値と補正値V c との関係を示したルックアップテーブルを備 え、電流積算値によってこのルックアップテ ーブルを参照し、補正値V c を出力する。ルックアップテーブルの内容が SOC推定の対象である二次電池の種類や規格な どに応じて異なることは、言うまでもない。 したがって、事前に行う試験などに応じてル ックアップテーブルを作成しておけばよい。
また、充放電電流がゼロになったタイミン での端子電圧と平衡状態での開放電圧との は温度にも依存するので、第1の実施形態で は、温度センサ33で測定された温度をも用い 、補正値V c を算出することが好ましい。温度も利用して 補正値V c を求める場合には、補正値取得部31において 例えば、電流積算値と補正値V c との関係を表すルックアップテーブルを電池 温度ごとに設定することにより複数のルック アップテーブルを格納し、温度センサ33で計 された温度に基づいてルックアップテーブ を選択し、選択されたルックアップテーブ に基づいて補正値V c を求めるようにすればよい。
図4(a)及び図4(b)は、いずれも、補正値V c を説明する図である。図4(a)は、時刻t I=0 において二次電池が放電状態から電流Iがゼ の状態に移行した場合の、端子電圧VやSOCの 化を示している。放電中は、徐々に端子電 VとSOCが低下し、放電が停止した時点で、内 部抵抗による電圧降下分いわゆるIRドロップ がなくなるから、その分だけ端子電圧Vが上 昇する。その後、SOCは一定のままであるが、 端子電圧Vは徐々に増加し、最終的には、平 状態での開放電圧である一定値に収束する そこで、t I=0 の時の端子電圧と端子電圧の収束値との差と なるように補正値V c を設定する。補正値V c は、放電が停止する直前の期間における平均 放電電流値や温度に依存するから、上述した ように、積算電流値や温度に応じたルックア ップテーブルによって補正値V c が決定される。
同様に図4(b)は、時刻t I=0 において二次電池が充電状態から電流Iがゼ の状態に移行した場合の、端子電圧VやSOCの 化を示している。充電中は、徐々に端子電 VとSOCが上昇し、充電が停止した時点で、内 部抵抗による電圧降下分がなくなるから、そ の分だけ端子電圧Vが降下する。その後、SOC 一定のままであるが、端子電圧Vは徐々に低 し、最終的には、平衡状態での開放電圧で る一定値に収束する。そこで、t I=0 の時の端子電圧と端子電圧の収束値との差と なるように補正値V c を設定する。補正値V c は、充電が停止する直前の期間における平均 放電電流値や温度に依存するから、上述した ように、積算電流値や温度に応じたルックア ップテーブルによって補正値V c が決定される。
なお、上述したもの以外にも、補正値V c の求め方は各種のものがある。例えば、トリ ガ信号が入力するタイミングから過去に向う 一定期間内での電流積算値に基づいて補正値 を決定する場合に、この一定期間を複数の区 間に分割し、トリガ信号が入力するタイミン グに近い方の区間の方が重視されるように区 間ごとに重み付けを行って、電流積算値を求 めてもよい。また、一般に、SOCが大きい場合 には補正値V c も大きくなり、SOCが小さい場合には補正値V c は小さくなることが知られている。そこで、 端子電圧V t に基づいて仮のSOC値を決定し、仮のSOC値が小 さければ補正値が小さくなり、仮のSOC値が大 きければ補正値も大きくなるように、補正値 V c を決めるようにしてもよい。
このようにして決定された補正値V c は、上述したように、補正値取得部31からSOC 推定部26に送られ、端子電圧V t からSOC値を推定する際に使用される。
積算演算部28は、A/D変換器23のサンプリン グごとに、A/D変換器23の出力を積算する、す わち、式(1)の
容量演算部32は、第1の実施形態の方法によ て、二次電池11の現在の容量を算出するも である。SOC値推定部26により、端子電圧V t によるSOC値の推定が時刻t n-1 と時刻t n で行われ、それらのSOC推定値がそれぞれSOC n-1 、SOC n であったとする。容量演算部32は、トリガ信 を受信することによって、SOC値の推定が行 れたタイミングを知るとともに、SOC値推定 26から、SOC n-1 、SOC n を受け取り、積算演算部28からは、時刻t n-1 と時刻t n の間の電流積算値q n を受け取る。なおこの場合、時刻t n ではトリガ信号が発生して積算演算部28の積 値がリセットされるので、そのリセット直 の積算値をq n とすればよい。
容量がQである電池において、電荷量として 表される電流積算値としてq n だけの出入りがあれば、その前後でSOC値はq n /Qだけ変化するはずである。一方、端子電圧 らの推定により、電荷量q n の増減の前後で、SOC値は、SOC n -SOC n-1 だけ変化していることが分かっている。その 結果、時刻t n における容量をQ n とおくと、
このようにして容量演算部32は、時刻t n における電池容量を算出する。算出された電 池容量値Q n は、SOC値演算部27に送られる。図5は、充放電 電流と、SOCの推定が行われる時刻と、推定さ れたSOCと、容量の算出のために用いられた時 間間隔との関係を示す波形図である。
SOC値演算部27は、式(1)あるいは式(1A)に基づ て、時々刻々のSOC値を算出し、リアルタイ で現在のSOC値を外部に出力するものであり SOC値推定部26から出力されるSOCの最新の推 値を式(1A)におけるSOC init とし、容量演算部32から出力される最新の容 値を式(1A)におけるQとし、積算演算部28から 連続的に出力される電流積算値を式(1A)にお るσIδtとして、式(1A)を計算し、現在のSOC値 出力する。図5に示した例で説明すれば、時 刻t n と時刻t n+1 の間の期間においては、時刻t n で推定されたSOC値SOC n をSOC init として用い、時刻t n-1 と時刻t n の間の期間から算出された容量Q n を容量Qとして用いて、現在のSOC値が時々刻 と計算される。
このようにして第1の実施形態のSOC推定装 置10は、充放電電流の積算演算によって継続 に二次電池11のSOCを算出し続けるとともに 充電と放電とが切り替わるタイミングにお て、積算演算で使用されるSOC初期値及び電 容量値をそれらの正確な値で更新する。こ により、電流積算によりSOCを算出する際の 々の誤差の要因が排除され、任意の時点に いてその時点での正確なSOC値を知ることが きるようになる。
第1の実施形態のSOC推定装置10は、マイクロ ンピュータを用いて実装されるのが一般的 ある。その場合、エッジ検出部25、SOC値推 部26、SOC値演算部27、積算演算部28、リング ッファ29、補正値取得部31及び容量演算部32 各機能が、マイクロコンピュータによって 現される。具体的には、マイクロコンピュ タが充放電電流による積算演算を継続して 行するようにしておくとともに、コンパレ タなどの波形整形部からの出力信号がマイ ロコンピュータのインプットキャプチャ端 に入力するようにしてこの出力信号におけ 立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジが 出されるようにしておく。そして、エッジ 検出した場合にマイクロコンピュータにお て割り込みタスクが生成し、補正値V c の取得、V SOC の算出、V SOC によるSOC値のルックアップテーブルの参照、 容量Qの算出などが実行されるようにすれば 上述したSOC推定装置の機能を実現すること できる。
図6は、このようなマイクロコンピュータ の動作の一例を示すフローチャートである。 図6(a)は端子電圧からのSOC値の推定の処理を し、図6(b)は二次電池11の容量の推定の処理 示している。ここでは図示していないが、 イクロコンピュータは、上述した式(1)ある は式(1A)に基づき、電流積算によるSOC値の計 を常時実行し、電流積算によるSOC値を常時 力している。
端子電圧によるSOC値の推定では、図6(a)に示 すように、まず、ステップ101において、充放 電電流がゼロになるタイミングなど、SOC値の 推定が可能な条件を検出し、ステップ102にお いて、そのような条件が成立しているかどう かを判定し、成立していなければ、待ち合わ せのためにステップ101に戻り、条件が成立し ていれば、ステップ103において、二次電池11 端子電圧V t を検出する。また、ステップ104において、リ ングバッファを検索し、条件が成立する直前 の一定期間の電流値を積算して平均電流値を 算出する。ここでは積算の期間を一定にして いるので、平均電流値と使用することと積算 値そのものを使用することとは、互いに等価 である。そして、算出された平均電流値を用 いて、補正値V c を算出する。補正値V c の算出には、必要に応じて電池温度をさらに 用いてもよい。ステップ105において、V SOC =V t +V c を計算して、ステップ106において、V SOC に対応するSOC値を推定し、ステップ101に戻る 。このようにして推定されたSOC値によって、 式(1)あるいは式(1A)に基づく電流積算によるSO C値の計算において用いられる、初期値SOC init は更新される。なお、SOC init の更新があったタイミングで、電流積算の積 算値もゼロにリセットされる。
容量Qの推定では、図6(b)に示すように、ま 、ステップ111において、端子電圧による前 のSOC値の推定が行われた時刻t n-1 と今回のSOC値の推定が行われた時刻t n との時間間隔が所定の範囲内にあるかなど、 容量の推定が可能な条件を検出する。そして 、ステップ112において、そのような条件が成 立しているかどうかを判定し、成立していな ければ、待ち合わせのためにステップ101に戻 り、条件が成立していれば、ステップ103にお いて、時刻t n-1 と時刻t n の間の期間における電流積算値q n を下式のようにして算出する。
以上の処理をマイクロコンピュータに実 させることによって、ソフトウェアによっ 、第1の実施形態のSOC推定装置を構成するこ とができる。
ところで、第1の実施形態のSOC推定装置で は、温度低下や電池自体の劣化に伴って電池 容量が変化した場合であっても、その時点で の電池容量が算出され、算出された電池容量 によってSOC値が算出される。各時点での電池 容量が算出されるから、電池温度の変化や充 放電電流レートが異なることによる電池容量 の変化分を除去できれば、電池自体の劣化に 伴う電池容量の変化を求めることができる。 したがって、このSOC推定装置は、二次電池の 劣化を判定する劣化判定装置としても使用で きることになる。図7は、第2の実施形態に基 く、このように二次電池の劣化を判定する 能を備えたSOC推定装置を示している。
二次電池11の劣化判定を行う場合には、 池の製造事業者等は、予め、劣化検出のた の容量算出条件を定めておくものとする。 量算出条件としては、例えば、温度や充放 電流レートが用いられる。そして、そのよ な容量算出条件を満たしているときに上述 ようにして電池容量が求められた場合に、 の求められた電池容量とその二次電池の公 容量(基準値)とを比較することによって、そ の二次電池の劣化の度合いを推定すればよい 。図7に示すSOC推定装置40は、図3に示すSOC推 装置と同様のものであるが、SOC推定装置内 劣化判定部41を備えている点で図3に示すも と異なっている。
SOC推定装置では、容量演算部32での容量の 算に際して、上述の時刻t n-1 から時刻t n までの電流積算値q n と、時刻t n-1 から時刻t n までの時間間隔とが分かるから、容量Q n を計算したときの平均充放電電流レートが分 かる。また、温度センサ33によって温度は測 されている。そこで劣化判定部41は、容量 算部32から平均充放電電流レートと容量値Q n とを取得し、温度センサ33から電池温度の測 値を取得し、容量算出条件を満たしている を判定し、容量算出条件を満たしている場 に、Q n と予め記憶されている公称容量値とを比較し て、劣化判定を実行し、その判定結果を出力 する。
あるいは、劣化判定部41は、容量演算部32 が容量値を算出するたびに、その容量値とそ のときの電池温度と平均充放電電流レートと を取り込んで記憶し、過去において同様の条 件で算出された電池容量と比較することによ って、その二次電池の容量劣化を判定するよ うにしてもよい。
第2の実施形態のSOC推定装置40も、第1の実 施形態のSOC推定装置10と同様に、マイクロコ ピュータを用いて実装することができる。 の場合、エッジ検出部25、SOC値推定部26、SOC 値演算部27、積算演算部28、リングバッファ29 、補正値取得部31、容量演算部32及び劣化判 部41の各機能が、マイクロコンピュータによ って実現される。
以上、実施形態を参照して本発明を説明 たが、本発明は上記の実施形態に限定され ものではない。本発明の構成や詳細には、 発明のスコープ内で当業者が理解し得る様 な変更をすることができる。
この出願は、2006年8月29日に出願された日 本国特許出願:特願2006-232160を基礎とする優先 権を主張し、その開示の全てをここに取り込 む。
