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Title:
METHOD OF DRY TRANSFER PRINTING OF SYNTHETIC FIBROUS MATERIAL WITH DISPERSE DYE AND TRANSFER PAPER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/120681
Kind Code:
A1
Abstract:
A transfer paper which comprises a transfer paper base and a disperse dye ink printed thereon or imparted thereto. The transfer paper is used in a dry transfer printing method in which the transfer paper is pressed against a synthetic fibrous material with heating to thereby transfer the dye (pattern) from the transfer paper to the fibrous material. The transfer paper is characterized in that the transfer paper base has a releasant layer comprising a synthetic resin soluble in organic solvents and an ink-receiving layer made from a mixture comprising a hydrophilic synthetic resin which softens or melts upon heating, a hydrophilic binder, and various aids, the ink-receiving layer being superposed on the releasant layer. With this transfer paper for dry transfer printing, a highly fine pattern can be printed with excellent reproducibility. Furthermore, the transfer paper enables quick delivery by so-called printing without platemaking. The method of dry transfer plating employs this transfer paper.

Inventors:
TERAO HISASHIGE (JP)
YAMADA EIJI (JP)
HAMADA TAKASHI (JP)
YAMAMOTO GENSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055919
Publication Date:
October 09, 2008
Filing Date:
March 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ART INC (JP)
TERAO HISASHIGE (JP)
YAMADA EIJI (JP)
HAMADA TAKASHI (JP)
YAMAMOTO GENSHI (JP)
International Classes:
D06P5/00; B32B27/00; B41J2/01; B41M5/00; B41M5/50; B41M5/52; B44C1/17; D06P1/16; D21H27/00
Domestic Patent References:
WO2007111302A12007-10-04
Foreign References:
JP2006207101A2006-08-10
JPS4314865B1
JPH06270596A1994-09-27
JPH08100380A1996-04-16
JPS53126377A1978-11-04
JP2005264021A2005-09-29
JP2004176203A2004-06-24
JP4314865B22009-08-19
JPH06270596A1994-09-27
JP2006207101A2006-08-10
JP2003246954A2003-09-05
Attorney, Agent or Firm:
JINNO, Naoyoshi et al. (3-32 Higashikoraibash, Chuo-ku Osaka-shi Osaka 39, JP)
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Claims:
 転写用紙に分散染料インクをプリント又は付与してなる乾式転写捺染法用転写紙であって、
 該転写用紙が、有機溶剤可溶性の合成樹脂からなる離型剤層、及び、加熱により軟化或いは溶融する親水性合成樹脂、親水性糊剤及び各種助剤との混合物からなるインク受容層を有し、該離型剤層上にインク受容層を積層してなることを特徴とする乾式転写捺染用転写紙。
 インク受容層を構成する親水性合成樹脂と親水性糊剤との混合割合が、該親水性合成樹脂の100重量部に対し、該親水性糊剤が1~50重量部であることを特徴とする請求項1に記載の乾式転写捺染用転写紙。
 各種助剤が、pH調整剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乾式転写捺染用転写紙。
 pH調整剤が、有機酸の単独或いは有機酸又は無機酸の塩からなり、それ自身酸性であるか、加熱によって酸性となる物質から選ばれることを特徴とする請求項3に記載の乾式転写捺染用転写紙。
 分散染料インクが、非昇華型の分散染料インクであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の乾式転写捺染用転写紙。
 各種助剤が、pH調整剤、表面張力低下剤、増粘剤、保湿剤、箔転写用バインダー、濃染化剤、防腐剤、防黴剤、帯電防止剤、金属イオン封鎖剤及び還元防止剤から選択された少なくとも1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の乾式転写捺染用転写紙。
 離型剤層として用いる有機溶剤可溶性の合成樹脂が、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ステアリン酸樹脂及びポリエステル樹脂から選択された一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の乾式転写捺染用転写紙。
 加熱により軟化或いは溶融する親水性合成樹脂が、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性ウレタン変性エーテル樹脂、水溶性ポリビニルアルコール変性樹脂、水溶性アクリル酸系樹脂及び水溶性ポリエチレンオキサイド樹脂から選択された一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の乾式転写捺染用転写紙。
 親水性糊剤が、天然ガム糊(エーテル化タマリンドガム、エーテル化ローカストビーンガム、エーテル化グアガム、アカシアアラビヤ系ガム等)、繊維素誘導糊(エーテル化カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、加工デンプン糊(エーテル化澱粉、エステル化澱粉)、水溶性合成糊(ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール等)、海藻糊(アルギン酸ソーダ)から選択された1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の乾式転写捺染用転写紙。
 転写用紙に分散染料インクをプリント又は付与して転写紙を作成し、該転写紙を、合成繊維材料に密着して加圧・加熱処理することにより、分散染料インクを合成繊維材料に転写し、次いで固着処理する乾式転写捺染法であって、該転写用紙が、有機溶剤可溶性の合成樹脂からなる離型剤層、及び、加熱により軟化或いは溶融する親水性合成樹脂、親水性糊剤及び各種助剤との混合物からなるインク受容層を有し、該離型剤層上にインク受容層を積層してなることを特徴とする乾式転写捺染法。
 インク受容層を構成する親水性合成樹脂と親水性糊剤との混合割合が、該親水性合成樹脂の100重量部に対し、該親水性糊剤が1~50重量部であることを特徴とする請求項10に記載の乾式転写捺染法。
 各種助剤が、pH調整剤であることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の乾式転写捺染法。
 pH調整剤が、有機酸の単独或いは有機酸又は無機酸の塩からなり、それ自身酸性であるか、加熱によって酸性となる物質から選ばれることを特徴とする請求項12に記載の乾式転写捺染法。
 分散染料インクが、非昇華型の分散染料インクであることを特徴とする請求項10乃至請求項13の何れかに記載の乾式転写捺染法。
 固着処理が、湿式固着処理(スチーム処理)であることを特徴とする請求項10乃至請求項14の何れかに記載の乾式転写捺染法。
 湿式固着処理(スチーム処理)の温度範囲が、90~180℃であることを特徴とする請求項15に記載の乾式転写捺染法。
 各種助剤が、pH調整剤、表面張力低下剤、増粘剤、保湿剤、箔転写用バインダー、濃染化剤、防腐剤、帯電防止剤、金属イオン封鎖剤及び還元防止剤から選択された少なくとも1種又は2種以上であることを特徴とする請求項10乃至請求項16の何れかに記載の乾式転写捺染法。
 離型剤層として用いる有機溶剤可溶性の合成樹脂が、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ステアリン酸樹脂及びポリエステル樹脂から選択された一種又は二種以上であることを特徴とする請求項10乃至請求項17の何れかに記載の乾式転写捺染法。
 加熱により軟化或いは溶融する親水性合成樹脂が、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性ウレタン変性エーテル樹脂、水溶性ポリビニルアルコール変性樹脂、水溶性アクリル酸系樹脂及び水溶性ポリエチレンオキサイド樹脂から選択された一種又は二種以上であることを特徴とする請求項10乃至請求項18の何れかに記載の乾式転写捺染法。
 親水性糊剤が、天然ガム糊(エーテル化タマリンドガム、エーテル化ローカストビーンガム、エーテル化グアガム、アカシアアラビヤ系ガム等)、繊維素誘導糊(エーテル化カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、加工デンプン糊(エーテル化澱粉、エステル化澱粉)、水溶性合成糊(ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール等)、海藻糊(アルギン酸ソーダ)から選択された1種又は2種以上であることを特徴とする請求項10乃至請求項19の何れかに記載の乾式転写捺染法。
 合成繊維材料が、ポリエステル、トリアセテート、ジアセテート、ポリアミド、ポリアクリル等の合成繊維材料、半合成繊維材料の織物、編物、不織布等の単独、或いは天然繊維を含めた混紡、交織及び複合品から選ばれることを特徴とする請求項10乃至請求項20の何れかに記載の乾式転写捺染法。
請求項21に記載の乾式転写捺染法によって転写された合成繊維材料。
Description:
分散染料による合成繊維材料の 式転写捺染法並びに転写紙

 本発明は分散染料による合成繊維材料の 式転写捺染法並びに転写紙に関するもので る。

 従来から、布に染料で図柄を堅牢・精細に く方法として、スクリーン捺染、ローラー 染、ロータリースクリーン捺染、グラビア 刷或いはこれらのプリント技法を用いた転 捺染法が知られており、工業的に実施され いる。しかし、これらの製版プリント方式 は、
・色数に制約がある、
・3原色色分解型枠によるプリントでは多色 を表現できるが、3原色組成に用いる組成の 相・濃度を整える事が困難である、
・多重層を形成する為プリント加工の再現性 を欠く恐れが大きい
等の問題がある。加えて小ロット生産では、 製版作成費が高価となる、プリント加工時に 色糊を加工に必要な量より余剰に調製する必 要がある等、資材面での損失・無駄が増加す る問題が指摘されている。

 これらの問題点を解決する新たな捺染法 して、コンピュータで画像処理を行い、イ クジェット方式でプリントする無製版プリ トが脚光を浴びている。この無製版プリン は、布への直接プリントのほか、転写プリ ト分野へも展開されており、その実用化が められている。この無製版プリントによる 写プリントでは、紙上に、インクジェット リンターで染料インク(図柄)を付与して転 紙を製造し、この転写紙の染料が天然又は 成繊維材料に転写される。しかしながら、 の方法では、転写用紙に染料インクを、イ クジェットプリンターで、小ドットプリン する際に、ドット斑による均捺性を欠くと 、染料液が滲み出し繊細さを失う等の問題 が指摘されている。

 分散染料を用いるインクジェットプリン ー方式も、布帛への直接プリント法と、転 紙を用いる昇華転写法が実用化されている 布帛への直接プリント法の問題は、特許文 1(特開2005-264021号公報 第9頁段落番号0047~0051 )、或いは特許文献2(特公平5-36545号公報)等に 載があるように、にじみ防止効果を持たせ 為に、水溶性金属塩、ポリカチオン化合物 水溶性高分子、界面活性剤及び撥水剤等を いた布帛の前処理が不可欠である点である 即ち、布上にプリントされた水性インクが じんだり、はじく事によって図柄のシャー 性が失われるので、この問題点を回避する めに、前記特許公報記載例のように、布帛 何らかの前処理を施す必要がある。

 この前処理は、織編物の形状(織り方、編 み方、糸の太さ・撚り方等)によって変化さ る必要があり、工程が煩雑となってコスト ップの要因となるばかりでなく、前処理設 や特殊な薬剤が必要となるなど、経済性や 質の安定性に問題を生じる可能性が大きい 又、この直接プリント法は特許文献3(特開200 4-176203号公報)に記載があるように、ベルベッ トなど、立体織編物、立体生地、縫製品等の 厚生地に適用する事は困難である。また、布 帛への直接プリント法の場合は事前に転写紙 を備蓄できないので、インクジェットプリン ターのプリントスピードから考えてクイック デリバリー対応にも問題を生じる可能性があ る。

 一方、分散染料インクを用いてプリントし 転写紙を用いる方法としては、昇華型分散 料を用いる転写法がよく知られている。こ 昇華転写方式は、単に転写紙を圧着して加 するだけで染料を固着でき、洗浄が不要で るなどの長所があるが、一方、下記の多く 問題点がある。
(1)昇華性のよい分散染料を用いるため、図柄 周辺にブリードが生じ、デザインのシャープ 性に欠ける。即ち、図柄の尖鋭度と再現性に 欠けると言う問題がある。
(2)昇華固着法であるため染着濃度は濃色が得 難い。
(3)堅牢度の低い昇華性の分散染料が使用され るため、熱安定性、昇華堅牢度及び洗濯堅牢 度が低い。
(4)表面染着のためチョークマークが発生しや すい。
(5)高熱処理されるため繊維の風合が損なわれ る。
 分散染料の昇華型転写捺染方式が工業的に 格的に採用されないのは、これらの問題点 よると考えられる。

 なお、特許文献4には、剥離剤層、熱可塑 性樹脂層、水溶性高分子物質層、インキ層の 四層よりなる転写紙を布帛に重ね合わせ加圧 、加熱によりインキ層、水溶性高分子物質層 、熱可塑性樹脂層を布帛に転写させ、固着処 理する方法が記載されている。しかるに、こ の特許文献4に記載されている熱可塑性樹脂 は、トルエン溶液として塗布され(同特許文 第2頁右欄第5行目)、水洗工程でフィルムと って分離される(同特許文献第2頁左欄第19~23 行目)ものであり、いわゆる疎水性樹脂が使 されている。この疎水性樹脂は、本発明の 性分散染料との相溶性が悪く、本発明の対 とする分散染料インクを用いる乾式転写捺 法には適さない。また、疎水性樹脂は水洗 去が困難で、布帛の風合を損なう問題があ た。

 又、特許文献5には、一側面に離型層を有し 、更にその外層に糊剤と粘着剤とからなるコ ーティング層を有する転写紙であって、該転 写紙のコーティング層と布帛とを合わせて両 者を1~4kg/cm 2 で圧着した時の布帛への糊剤と粘着剤の転移 率が98~100%である転写紙について記載されて る。特許文献5では、インク受容層として糊 を主体とするため、布帛への糊剤と粘着剤 転写を加熱無しの圧着のみで行うことを特 としているが、このようなコーティング層 は、実用的価値が極めて乏しい加工法にな 。つまり、糊を塗布された転写用紙及びイ クジェットプリントされた転写紙は、通常 巻き取られ、転写工程に移行するまでの間 一定期間保存されなければならないが、1~4k g/cm 2 程度の圧着でインク受容層が剥離するのであ れば、数百メートル塗布或いはプリントされ た転写用紙・転写紙を巻き取った場合、紙の 裏面に転写が起こり、転写用紙・転写紙を巻 き取る事は事実上不可能となる。

 更に、特許文献6には、転写紙として、(1) 先ず紙の上に有機溶剤溶解性の合成樹脂から なる離型剤を塗布し、次いでその上に(2)親水 性の樹脂を塗布し、更にその上に(3)親水性糊 剤を塗布した3層構造から成る転写用紙を用 、その上に水溶性染料をインクジェットプ ント等で付与して乾燥した転写紙を用い、 に繊維材料とこの転写紙を密着・加熱して 写する事により転写紙上の図柄を繊維材料 面に移行・転写させ、固着処理することを 徴とする水溶性染料による天然繊維材料の 写捺染法が記載されている。

 しかるに、本発明の対象とする分散染料 インクは、水溶性染料のインクに比して、 集し易く、インクジェットのノズルの目詰 りが起き易いために、乾燥防止(保湿)剤や 詰まり防止のためのエチレングリコール、 リセリンなどの有機溶剤が多量に使用され 。このために、分散染料インクの転写用紙 対する吸収性が悪く、高濃度プリントが得 れ難いという問題があった。更に特許文献6 見られる3層構造から成る転写用紙では、工 程的に不利であり、また、いわゆる転移率が 不十分であるという問題もあった。

 以下、本明細書では転写紙に関する用語を 次の通りの意味で用いる事がある。
(1)転写用原紙:離型剤が塗布された状態の用 又はフイルム
(2)転写用紙:インク受容層が塗布された転写 原紙
(3)転写紙:分散染料インクをプリント又は付 してなる転写用紙

特開2005-264021号公報

特公平5-36545号公報

特開2004-176203号公報

特公昭43-14865号公報

特開平6-270596号公報

特開平2006-207101号公報

 本発明は、分散染料インクがプリント又は 与されている転写紙を合成繊維材料に加圧 加熱処理することにより、転写紙から該繊 材料に染料(図柄)を転写する乾式転写捺染 に用いる転写紙であって、
 ポリエステル、トリアセテート、ジアセテ ト、ポリアミド、ポリアクリル等の合成繊 材料、半合成繊維材料の織物、編物、不織 等の単独、或いは天然繊維を含めた複合品 例えば混紡、交織及び混織品等の捺染に使 可能であり、
 図柄の繊細性と再現性に優れる捺染を行う とができ、
 更にいわゆる無製版プリントによってクイ クデリバリーを可能にする乾式転写捺染用 写紙を提供することを課題とする。本発明 、更にこの乾式転写捺染用転写紙を用い、 柄の繊細性と再現性に優れ、低コスト及び コロジー対応でもある乾式転写捺染法を提 する。

 本発明は、転写用紙に分散染料インクをプ ント又は付与してなる乾式転写捺染法用転 紙であって、
 該転写用紙が、有機溶剤可溶性の合成樹脂 らなる離型剤層、及び、加熱により軟化或 は溶融する親水性合成樹脂、親水性糊剤及 各種助剤との混合物からなるインク受容層 有し、該離型剤層上にインク受容層を積層 てなることを特徴とする乾式転写捺染用転 紙である(請求項1)。

 又、本発明は、インク受容層を構成する親 性合成樹脂と親水性糊剤との混合割合が、 親水性合成樹脂の100重量部に対し、該親水 糊剤が1~50重量部であることを特徴とする請 求項1に記載の乾式転写捺染用転写紙である( 求項2)。
 又、本発明は、各種助剤が、pH調整剤であ ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載 の乾式転写捺染用転写紙である(請求項3)。

 又、本発明は、pH調整剤が、有機酸の単 或いは有機酸又は無機酸の塩からなり、そ 自身酸性であるか、加熱によって酸性とな 物質から選ばれることを特徴とする請求項3 記載の乾式転写捺染用転写紙である(請求項 4)。

 又、本発明は、分散染料インクが、非昇 型の分散染料インクであることを特徴とす 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の乾式 写捺染用転写紙である(請求項5)。

 又、本発明は、各種助剤が、pH調整剤、表 張力低下剤、増粘剤、保湿剤、箔転写用バ ンダー、濃染化剤、防腐剤、防黴剤、帯電 止剤、金属イオン封鎖剤及び還元防止剤か 選択された少なくとも1種又は2種以上である ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れ に記載の乾式転写捺染用転写紙である(請求 項6)。
 又、本発明は、離型剤層として用いる有機 剤可溶性の合成樹脂が、シリコン樹脂、フ 素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレ 樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポ アミド樹脂、フェノール樹脂、ステアリン 樹脂及びポリエステル樹脂から選択された 種又は二種以上であることを特徴とする請 項1乃至請求項6の何れかに記載の乾式転写 染用転写紙である(請求項7)。

 又、本発明は、加熱により軟化或いは溶 する親水性合成樹脂が、水溶性ポリエステ 樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性ウレタ 変性エーテル樹脂、水溶性ポリビニルアル ール変性樹脂、水溶性アクリル酸系樹脂及 水溶性ポリエチレンオキサイド樹脂から選 された一種又は二種以上であることを特徴 する請求項1乃至請求項7の何れかに記載の 式転写捺染用転写紙である(請求項8)。

 又、本発明は、親水性糊剤が、天然ガム (エーテル化タマリンドガム、エーテル化ロ ーカストビーンガム、エーテル化グアガム、 アカシアアラビヤ系ガム等)、繊維素誘導糊( ーテル化カルボキシメチルセルロース、ヒ ロキシエチルセルロース等)、加工デンプン 糊(エーテル化澱粉、エステル化澱粉)、水溶 合成糊(ポリアクリル酸塩、ポリビニルアル コール等)、海藻糊(アルギン酸ソーダ)から選 択された1種又は2種以上であることを特徴と る請求項1乃至請求項8の何れかに記載の乾 転写捺染用転写紙である(請求項9)。

 更に又、本発明は、転写用紙に分散染料イ クをプリント又は付与して転写紙を作成し 該転写紙を、合成繊維材料に密着して加圧 加熱処理することにより分散染料インクを 成繊維材料に転写し、次いで固着処理する 式転写捺染法であって、
 該転写用紙が、有機溶剤可溶性の合成樹脂 らなる離型剤層、及び、加熱により軟化或 は溶融する親水性合成樹脂、親水性糊剤及 各種助剤との混合物からなるインク受容層 有し、該離型剤層上にインク受容層を積層 てなることを特徴とする乾式転写捺染法で る(請求項10)。

 又、本発明は、インク受容層を構成する 水性合成樹脂と親水性糊剤との混合割合が 該親水性合成樹脂の100重量部に対し、該親 性糊剤が1~50重量部であることを特徴とする 請求項10に記載の乾式転写捺染法である(請求 項11)。

 又、本発明は、各種助剤が、pH調整剤であ ことを特徴とする請求項10又は請求項11に記 の乾式転写捺染法である(請求項12)。
 又、本発明は、pH調整剤が、有機酸の単独 いは有機酸又は無機酸の塩からなり、それ 身酸性であるか、加熱によって酸性となる 質から選ばれることを特徴とする請求項12に 記載の乾式転写捺染法である(請求項13)。

 又、本発明は、分散染料インクが、非昇華 の分散染料インクであることを特徴とする 求項10乃至請求項13の何れかに記載の乾式転 写捺染法である(請求項14)。
 また、本発明は、固着処理が、湿式固着処 (スチーム処理)であることを特徴とする請 項10乃至請求項14の何れかに記載の乾式転写 染法である(請求項15)。

 又、本発明は、湿式固着処理(スチーム処理 )の温度範囲が、90~180℃であることを特徴と る請求項15に記載の乾式転写捺染法である( 求項16)。
 又、本発明は、各種助剤が、pH調整剤、表 張力低下剤、増粘剤、保湿剤、箔転写用バ ンダー、濃染化剤、防腐剤、帯電防止剤、 属イオン封鎖剤及び還元防止剤から選択さ た少なくとも1種又は2種以上であることを特 徴とする請求項10乃至請求項16の何れかに記 の乾式転写捺染法である(請求項17)。

 又、本発明は、離型剤層として用いる有 溶剤可溶性の合成樹脂が、シリコン樹脂、 ッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチ ン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、 リアミド樹脂、フェノール樹脂、ステアリ 酸樹脂及びポリエステル樹脂から選択され 一種又は二種以上であることを特徴とする 求項10乃至請求項17の何れかに記載の乾式転 写捺染法である(請求項18)。

 又、本発明は、加熱により軟化或いは溶 する親水性合成樹脂が、水溶性ポリエステ 樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性ウレタ 変性エーテル樹脂、水溶性ポリビニルアル ール変性樹脂、水溶性アクリル酸系樹脂及 水溶性ポリエチレンオキサイド樹脂から選 された一種又は二種以上であることを特徴 する請求項10乃至請求項18の何れかに記載の 乾式転写捺染法である(請求項19)。

 又、本発明は、親水性糊剤が、天然ガム (エーテル化タマリンドガム、エーテル化ロ ーカストビーンガム、エーテル化グアガム、 アカシアアラビヤ系ガム等)、繊維素誘導糊( ーテル化カルボキシメチルセルロース、ヒ ロキシエチルセルロース等)、加工デンプン 糊(エーテル化澱粉、エステル化澱粉)、水溶 合成糊(ポリアクリル酸塩、ポリビニルアル コール等)、海藻糊(アルギン酸ソーダ)から選 択された1種又は2種以上であることを特徴と る請求項10乃至請求項19の何れかに記載の乾 式転写捺染法である(請求項20)。

 又、本発明は、合成繊維材料が、ポリエス ル、トリアセテート、ジアセテート、ポリ ミド、ポリアクリル等の合成繊維材料、半 成繊維材料の織物、編物、不織布等の単独 或いは天然繊維を含めた混紡、交織及び複 品から選ばれることを特徴とする請求項10 至請求項20の何れかに記載の乾式転写捺染法 である(請求項21)。
 更に又、本発明は、請求項21に記載の乾式 写捺染法により転写が施された合成繊維材 である(請求項22)。

 本発明によれば、いわゆる無製版プリン によってクイックデリバリーを可能とし、 かも尖鋭で高濃度・ 高品質・高堅牢な図 が容易に得られ、また、得られた合成繊維 品の風合いも良く、かつ余剰糊も不要で、 設の汎用設備が使用可能である等、コスト 品質及びエコロジー対応という極めて優れ 種々の効果を奏する。また、本発明の乾式 写捺染法によれば、低コストで小ロットに 対応でき、しかも品質の優れた転写捺染物 得ることができる。特に複雑な捺染技術を 素化し、工業生産的にも有利とするだけで く、どこでも誰でも自由に自分の好みに合 た図柄を選んで、合成繊維材料に鮮明・堅 で風合の良いデザインをプリントできると う特有の効果を奏する。

 本発明は、従来困難視されていた繊細な 染図柄の表現を再現性よく提供する合成繊 材料の乾式転写捺染法であり、多くの困難 克服して確立した新技術である。例えば、 写紙の保存安定性(転写紙の保存中にインク 受容層に傷がついたり脱落・剥離しないこと )と、生地への転写性(転写工程においてイン 受容層を100%転写し、紙と布とが綺麗に剥離 できること)は矛盾関係にあるが、この矛盾 係の物性を調和両立させた技術であり、か 、インクジェットプリンターで直接転写用 にプリントできること、被転写物である合 繊維材料サイドを何の前処理も必要としな こと、更に近年重要性が高まっている少量 品種生産や多様性のニーズに敏速で効率的 対応できる工業生産システムを構築できる けでなく、家庭でも簡単に楽しむことがで る高品質・機能性転写紙を提供できる技術 あり、環境適合性と共に経済性と品質効果( 鋭性、堅牢度、風合い等)も優れた方法であ って、捺染繊維製品の品質向上、付加価値向 上に大きく寄与することができる。

 本発明の利点は、インクジェットプリン ーで図柄を直接転写用紙にプリントできる に、布帛の前処理の必要がなく、現在多用 れているポリエステル繊維の乾式転写及び チーム固着設備を利用して合成繊維の工業 乾式転写捺染が可能となり、かつ、風合、 鋭度、堅牢性等の卓越した捺染性能を提供 うる転写紙の作製及びその転写紙を用いた 式転写捺染法を提供できる点にある。

 本発明は、前述したとおり、転写用紙に 散染料インクをプリント又は付与して転写 を作成し、該転写紙を、合成繊維材料に密 して、加圧・加熱処理することにより転写 、次いで固着処理する乾式転写捺染法に用 る転写紙であって、該転写用紙が、離型剤 として有機溶剤可溶性の合成樹脂を、その 層のインク受容層として、加熱する事によ て軟化或いは溶融する親水性合成樹脂、親 性糊剤及び各種助剤との混合物を用いて積 されてなること、即ち、有機溶剤可溶性の 成樹脂からなる離型剤層、及び、加熱によ 軟化或いは溶融する親水性合成樹脂、親水 糊剤及び各種助剤との混合物(以下、この混 合物を、「インク受容層ペースト」というこ とがある。)からなるインク受容層を有し、 離型剤層上にインク受容層を積層してなる とを特徴とする(請求項1)。

 即ち、本発明の転写紙は、離型剤層として 有機溶剤可溶性の合成樹脂層が形成された 写用原紙の上に、インク受容層として、前 インク受容層ペーストを塗布し、乾燥して 写用紙を作成し、該転写用紙に分散染料イ クをプリント又は付与して作成される。こ で、離型剤の上に塗布するインク受容層ペ ストの塗布量は、通常15g/m 2 ~80g/m 2 好ましくは、20g/m 2 ~50g/m 2 である。15g/m 2 以下であると転写における染料の移転率が不 十分となる傾向を示し、また、80g/m 2 以上では塗布後の乾燥が遅く、生産性が低く なり、染料固着処理後の洗浄性が悪くなるた めに、好ましくない。

 次に、本発明の特徴は、インク受容層ペ ストを多成分で構成し、その組成を最適化 る事によって、転写用紙に分散染料インク プリントされる際に、分散染料インクの吸 ・乾燥を容易ならしめ、デザインがボケる との無いように敏速に図柄を固定・安定化 、かつ転写性・剥離性が良好で、布への転 率を略100%にすることができ、再現性良く、 堅牢・繊細な転写が可能な転写紙を開発した 点にある。この場合、離型剤層の上に多量の 親水性糊剤が直接接触するような塗布条件で は転写性が大幅に低下する。本発明者らは、 これを解決するために、インク受容層として 、親水性合成樹脂と親水性糊剤との組成比率 が重要となり、具体的には該親水性合成樹脂 の100重量部に対し、該親水性糊剤が1~50重量 、更に好ましくは5~30重量部含有されるよう 範囲のインク受容層ペーストを用いること 好ましいことを見出した(請求項2)ものであ 。

 本発明において、このインク受容層ペー トを用いることの利点は、転写捺染される 成繊維材料について前処理を必要とせず、 インク受容層ペーストを転写用原紙に塗布 乾燥するだけで転写用紙を作成し、該転写 紙に分散染料インクをプリント又は付与し 転写紙を作成し、該転写紙を、合成繊維材 に密着して加圧・加熱処理することにより 写し、次いで固着処理することで乾式転写 染が完成されるものであり、いわゆる無製 プリントによってクイックデリバリーが可 、しかも尖鋭で高濃度・高品質・高堅牢な 柄が容易に得られ、コスト及びエコロジー 応の全く新しい転写捺染法を確立するに至 たものである。

 特に、本発明者らは、本発明の分散染料 ンクを用いる合成繊維材料の乾式転写捺染 においては、上記インク受容層ペーストにp H調整剤を含むことが極めて重要であり、該pH 調整剤として、有機酸の単独或いは有機酸又 は無機酸の塩からなり、それ自身酸性である か、加熱によって酸性となる物質から選ばれ たいわゆる弱酸性物質を含ませることによっ て(請求項3、請求項4)、本発明の課題(特に染 率の向上)解決に極めて効果的であることを 初めて見出し、本発明を完成するに至ったも のである。

 該有機酸の単独或いは有機酸又は無機酸の からなり、それ自身酸性であるか、加熱に って酸性となる物質から選ばれたいわゆる 酸性物質の具体例として、有機酸の単独と ては、脂肪族カルボン酸、例えば、脂肪族 ノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、 酪酸、イソ酪酸、吉草酸、アクリル酸、クロ トン酸などのC1-4脂肪族モノカルボン酸など) ハロゲン化脂肪族モノカルボン酸(モノクロ ロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸など のC1-4ハロゲン化脂肪族モノカルボン酸など) 脂肪族多価カルボン酸(マロン酸、コハク酸 、アジピン酸、マレイン酸などの脂肪族多価 カルボン酸、特にC1-4脂肪族多価カルボン酸 ど)、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(グリコー ル酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石 酸、クエン酸、グルコン酸などの脂肪族ヒド ロキシカルボン酸、特にC1-4脂肪族ヒドロキ カルボン酸など)、アルコキシカルボン酸(メ トキシ酢酸、エトキシ酢酸などのC1-4アルコ シカルボン酸など)、オキソカルボン酸(アセ ト酢酸などのC1-4オキソカルボン酸など)、さ には、メタンスルフォン酸、エタンスルホ 酸などのアルキルスルホン酸類、ベンゼン ルホン酸、キシレンスルホン酸、メシチレ スルホン酸、スルフォサリチル酸、p-トル ンスルフォン酸などの芳香族スルホン酸類 安息香酸、ケイ皮酸、サリチル酸などの芳 族カルボン酸類などが挙げられる。
 また、該有機酸又は無機酸の塩としては、 酸、酒石酸、リンゴ酸又はクエン酸などの 機酸のアンモニウム塩、或いは塩酸、硫酸 硝酸又は第一燐酸などの無機酸のアンモニ ム塩若しくは第一燐酸ソーダ、第一燐酸カ 又は第一燐酸リチウム塩などの無機酸のア カリ金属塩などが挙げられる。中でも、塩 、硫酸又は硝酸のアンモニウム塩が特に好 しくは用いられる。これらの弱酸性物質の 加量は、インク受容層ペーストに対して通 、0.1~10%が好ましく、より好ましくは0.3~5%で ある。

 本発明に用いられる前記インク受容層ペ ストの主体となる成分は、加熱・加圧で軟 ・溶融し、離型剤層から容易に剥離して布 に転写でき、転写・固着後に水で簡単に洗 流し除去できる親水性合成樹脂及び親水性 剤であり、これらのうち、親水性合成樹脂 物性としては、次の様な条件が満たされる が望まれる。

1.溶剤型離型剤層の上に均一に接着できる事 即ちコーティング時に水はじき性がなく、 一に塗布できる事。
2.塗布皮膜が柔軟強靭であり、転写紙及び布 の動的な取り扱い作業中や保管中に亀裂、 離現象を生じない事。
3.分散染料との相溶性がよく、染着を阻害し い事。
4.塗布後の乾燥が容易で、ブロッキング(タッ ク)を生じない事及びプリントした染料がス による汚染を生じない事。
5.転写の際の加熱により軟化又は溶融する事( すなわち、後述する転写のための加熱温度で 、軟化又は溶融する樹脂である事)、そして 熱・加圧により布帛への転写性及び紙の剥 性がよい事。
6.染料固着処理後の洗浄が容易で、繊維の風 を阻害しない事。
7.離型剤層への均一接着性を高めるために添 される表面張力低下剤とか、樹脂・糊・プ ント染料液の過乾燥防止剤との相溶性がよ こと(水はじき性、乾燥性、粘度安定性等の 調整に必要)。
 これらの条件が満たされる親水性合成樹脂 あれば、本発明の目的を達成できる。
 なお、表面張力低下剤の効果は薬剤の種類 混合量及び水溶性の合成樹脂の種類で異な ため、予め最適組み合わせの確認が望まれ 。

 次に、前記親水性糊剤の物性としては、次 様な条件が満たされる事が望まれる。
1.親水性合成樹脂との相溶性が良好である事
2.分散染料との相溶性がよく、転写後の染着 阻害しない事。
3.乾燥皮膜が柔軟強靭で、転写紙及び布帛の 的な取り扱い作業において亀裂・剥離等を じない事。
4.染料液のインクジェットプリントに於いて やかに糊層内部に均一に吸収保持できると に、乾燥が速く、染料のこすれによる接触 染を生じない事。
5.加熱・加圧処理で水溶性の合成樹脂と共に 型剤層から剥離し、布帛へ容易に移行でき こと。
6.染料固着処理後の洗浄で容易に除去できる 。
 親水性糊剤は、基本的には転写の際の加熱 より軟化や溶融しないものである。親水性 剤は、分散染料インクの印捺時のデザイン シャープ性を保持するために配合される。

 更に、本発明に用いられるインク受容層 ーストには、親水性合成樹脂及び親水性糊 以外に各種助剤の添加が好ましく、添加・ 合される各種助剤として、前記pH調整剤の に、表面張力低下剤、増粘剤、保湿剤、箔 写用バインダー、濃染化剤、防腐剤、防黴 、帯電防止剤、金属イオン封鎖剤及び還元 止剤から選択された1種又は2種以上が挙げら れる。

 ここで、表面張力低下剤としては、脂肪 類、アルコール類、アルデヒド類、エーテ 類、エステル類、アミン類、テンペル等が 効で、具体的には、例えばノニオン及びア オン系界面活性剤、メタノール、エタノー 、エチルエーテル、トリエタノールアミン ジエタノールアミン、アセトン、クロロホ ム、ジエチルヘキシルスルホコハク酸ナト ウム、ポリエーテル変性ポリジメチルシロ サンなどが挙げられる。具体的な商品名と てメイサノールTR(アニオン系活性剤:明成化 学工業社製)、イオネット300(ノニオン系活性 :三洋化成工業社製)、プラスコートRY-2(フッ 素系10%液:互応化学工業社製)などが挙げられ 上記化学薬品を含めて、インク受容層ペー トに対して0.1~5%添加される。これらは、イ ク受容層ペースト塗布時の水はじき防止剤 して効果的である。

 増粘剤としては、アクリル系合成糊が効果 で、具体的な商品名として増粘剤-F(アニオ 系:(株)佐野社製)、ハイプリントLN-11R(アニ ン系:林化学工業社製)、ダイシプリントST(京 都製糊社製)などが挙げられ、インク受容層 ーストに対して0.1~3%用いる事ができる。
 保湿剤としては、具体的にはポリエチレン リコール(MW200~600)、グリセリン等が挙げら 、インク受容層ペーストに対して1~5%用いる ができる。

 箔転写用バインダーとしては、具体的に ナイロンパウダー、アクリル系樹脂等をベ スに構成されたものが挙げられ、これらは 水性合成樹脂の転写促進の為に効果的であ 。

 濃染化剤としては、具体的には、メイプ ンターPE-11(ノニオン系活性剤:明成化学工業 社製)、IPサーモスM-10A(多価アルコール系:一 社油脂工業社製)、ハイアクセラーPE-71(ノニ ン系活性剤:センカ社製)などが挙げられ、 着率を更に向上させるために添加される。

 防腐剤、防黴剤としては、具体的にはネオ ントールLB(防腐剤:シントファイン社製)、 オシントールTF-1(防黴剤:シントファイン社 )、アモルデンFS-100(防腐・防黴剤:有機窒素 黄化合物:大和化学工業社製)、プロテクトー ルN(防腐・防黴剤:パラクロロメタクレゾール 系:岡本染料店社製)などが挙げられ、インク 容層ペーストの粘度安定性保持(防腐剤)、 布したインク受容層の貯蔵中における防黴 目的に使用される。
 還元防止剤としては、具体的には塩素酸ソ ダやメタニトロベンゼンスルホン酸ソーダ 挙げられ、これらは転写布帛のスチーム処 における染着安定性向上の為に用いられる  

 本発明で用いられる転写用原紙としては、 ラフトパルプ又はグラインドパルプ等のパ プ或いはリサイクル紙を原料として抄紙さ たパルプ紙、再生紙或いは耐熱性の合成樹 フィルム、例えばポリエステルフィルム等 用いられる。作業性から重量は10~150g/m 2 、厚さは0.01~0.5mm程度が好ましい。

 かかる転写用原紙に有機溶剤可溶性の合 樹脂、具体的には、シリコン樹脂、フッ素 脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹 、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリア ド樹脂、フェノール樹脂、ステアリン酸樹 及びポリエステル樹脂等を有機溶剤、例え 酢酸エチル、トルエン、キシレン、メタノ ル、エタノール、プロピルアルコール等で 解し、有機溶剤ワニスとして塗布乾燥して 型剤層を形成させる。離型剤層の厚みは10~3 0μm程度が好ましい。これらの転写用原紙と ては、例えば市販のポリエチレンラミネー クラフト紙を用いる事も可能である。なお 転写用原紙として、離型剤と同じ組成のフ ルムを用いる場合は、離型剤の塗布を省略 てそのまま、離型剤層を有する転写用原紙 して、使用できる利点がある。

 この転写用原紙の上に、インク受容層とし 、熱で軟化・溶融する親水性合成樹脂、具 的には、水溶性ポリエステル樹脂(例えば、 プラスコートZ-850、プラスコートZ-221及びプ スコートZ-730:以上、何れも互応化学工業社 、)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性ウレタン 性エーテル樹脂(例えば、HAレジンPE-1B:明成 学工業社製)、水溶性ポリビニルアルコール 変性樹脂(ホットメルト樹脂、エクセバール 樹脂、HPポリマー(クラレ社製)など)、水溶性 アクリル酸系樹脂(例えば、バインダー812-A-1: (株)佐野社製、アクリセット系樹脂:日本触媒 社製)及び水溶性ポリエチレンオキサイド樹 (例えば、アルコックスE-30:明成化学工業社 )等から選択された一種又は二種以上と、
 親水性糊剤の内、分散染料の繊維への染着 阻害しない親水性増粘物質、例えば、天然 ム糊(エーテル化タマリンドガム、エーテル 化ローカストビーンガム、エーテル化グアガ ム、アカシアアラビヤ系ガム等)、繊維素誘 糊(エーテル化カルボキシメチルセルロース ヒドロキシエチルセルロース等)、加工デン プン糊(エーテル化澱粉、エステル化澱粉)、 溶性合成糊(ポリアクリル酸塩、ポリビニル アルコール等)、海藻糊(アルギン酸ソーダ)か ら選択された1種又は2種以上を主体として含 インク受容層ペーストを、厚さ10~60μm程度 、塗布する。なお、該親水性糊剤には、染 インクのインク受容層への吸収を促進させ 表面の乾燥性を高める等の目的で、更に鉱 性糊(具体的には、シリカ、珪藻土、クレー タルク、ベントナイト、酸性白土等)等を加 えることもできる。

 本発明において、塗布するインク受容層の さは、樹脂が軟化・溶融して布へ転写する の難易度及び分散染料固着処理後の洗浄除 性に関わってくるため、インク受容層ペー トをコーティング機で塗布する場合は、付 量の管理が望まれる。
 また、親水性の合成樹脂の種類によっては 塗布時に水はじき現象を生じ離型剤との均 接着が困難になる場合がある。水はじきの 象は、糊剤の種類と糊固形分含有量、表面 力低下剤の種類と添加量(アニオン系、ノニ オン系界面活性剤、アルコール類等)等で異 るため、処方条件によって個々に調整する とが好ましい。また、コーティング時のイ ク受容層ペーストの粘度の増加にはアクリ 酸系合成糊を0.5~3%等を任意に用いる事がで る。

 本発明の転写紙に使用される分散染料イ クとしては、市販の分散染料インクをその ま用いることができる。或いは、特開平11-2 56084号公報、特開2003-246954号公報の記載に従 て、市販の分散染料パウダー、リキッド或 はコンクケーキ、プレスケーキ等色素原体 原料として用い、分散剤と共にサンドミル どで1.0μ~0.1μ程度に微粒化、分散化したあと 、微量の不純物を濾過して除いてインク原液 を作製し、このインク原液に、保湿剤、乾燥 防止剤、例えば尿素、ポリエチレングリコー ル、グリセリン、ジエチレングリコール、エ チレングリコール等と、必要に応じて表面張 力調整剤、消泡・脱気剤、粘度調整剤、PH調 剤、防黴剤、金属イオン封鎖剤等を添加・ 合して、ノズルの目詰まり防止対策として 微量の不溶物を孔径1~2μmのメンブレンフィ ターでろ過したあと脱気したものを使用す ことができる。

 具体的には、例えば、次のようにして分 染料インクを得ることができる。C.I.Disperse Yellow 114の色素分を15%、分散剤としてデモー ルC(特殊芳香族スルホン酸塩のホルマリン縮 物:花王社製)15%、水70%からなる混合物を、 径0.3mmのジルコニウムビーズを用いて、染料 の粒径が0.3μmになるように常法によって微粒 化する。ついで、ビーズを分離した分散液30% (重量%。以下、特に記載がない場合は同じ。) と、グリセリン10%、尿素2%、ポリエーテル変 ポリジメチルシロキサン(表面張力調整剤)2% 、残りは水で調製して100%とし、pHを7±0.5に調 整したあと、1μmのメンブレンフィルターで 過して、分散染料インクを得る。

 なお、例えば、特開2005-264021号公報に記 のインクの調製法の場合は、布帛へ直接プ ントするインクであるので、転写用紙へプ ントする本発明の場合とは配合組成が若干 なっている。即ち、転写用紙にプリントす 場合は、インクは速乾性である必要がある 、布へ直接プリントする場合は、インクが 内部へ浸透する(これはにじみの原因でもあ )ので、やや遅乾性のインクでもよく、エチ レングリコール、グリセリン等の水溶性の有 機溶剤が多量に配合されている。

 本発明の乾式転写捺染法は、昇華転写方 ではないので、分散染料の種類としては昇 型である必要は無い。むしろ昇華型分散染 は昇華堅牢度が低いので好ましくない。つ り、非昇華型の高堅牢タイプの分散染料を いることができるのが本発明の特徴でもあ 。よって、本発明においては、従来の昇華 写用染料としてはB又はCクラスまたはそれ 下の非昇華型の分散染料が好ましく用いら る。

 本発明に好適に用いられる非昇華型の高 牢タイプの分散染料としては、具体的には C.I.Disperse Yellow 114(Kiwalon Polyester Yellow 6GF)  C.I.Disperse Yellow 126(同 Yellow 6GRF)、 C.I.Dis perse Yellow 79(同 Yellow GLS)、 C.I.Disperse Yellow  163(同 Yellow BRF)、C.I.Disperse Orange 73(同 Oran ge RF)、C.I.Disperse Orange 62(同 Y.Brown RFL) 、C. I.Disperse Orange 30(同 Y.Brown 2RF) 、C.I.Disperse  Orange 61(同 Y.Brown 3RF) 、C.I.Disperse Red 202(For on Brill.Red S-RGL)、C.I.Disperse Red 153(Kiwalon Poly ester Scarlet D-GS)、C.I.Disperse Red 152(同 Red D-B S)、C.I.Disperse Red 167:1(同 Rubine  2GF)、C.I.Disp erse Red 145(同 Rubine D-3BF)、C.I.Disperse Red 179( 同 Rubine 2BF)、C.I.Disperse Violet 77(同 Violet 4R F)、C.I.Disperse Violet 63(同 Violet 3RF)、C.I.Disper se Blue 257(Sumikaron Blue S-3RF)、Kiwalon Polyester  Blue KBSF、C.I.Disperse Blue 165(Kiwalon Polyester Blu e 2BFL)、C.I.Disperse Blue 165:1(同 Blue BGFL)、C.I. Disperse Blue 73(同 Blue BGF)、C.I.Disperse Blue 149 (同 Blue D-5G)、C.I.Disperse Blue 60(同 T.Blue BG) Kiwalon Polyester T.Blue BG-LN、C.I.Disperse Blue 79 (同 Navy 2GF)、Kiwalon Polyester Navy R-80 Liquid、 Kiwalon Polyester Black KGSF Liquid、Kiwalon Polyester  Black T-62 Liquid などが挙げられる。ここで 非昇華型の高堅牢タイプの分散染料とは、 準染色濃度(JIS L-0802)1/1濃度において、昇華 堅牢度試験(JIS L-0879 1968)のPET白布汚染が汚 用グレースケール判定で3-4級又はそれ以上 堅牢度を有する分散染料をいう。

 本明細書では、本発明方法をハイテク技 のインクジェットプリント機を使用する事 メインに記載してあるが、インクの溶媒、 度、表面張力等を調整する事によって、機 捺染、手捺染、手描き、グラビア印刷等あ ゆる手段で図柄或いは色彩を付与できる事 言うまでもない。

 前述した様にして得られた転写用紙、即ち 転写用原紙(離型剤層を含む)-インク受容層 構成された転写用紙に、分散染料インク或 は液状品をインクジェットプリント或いは の他の方法によって図柄をプリント又は付 し、乾燥して、転写紙を作製する。次いで 転写紙と、合成繊維布を合わせ、加熱・加 によって布に図柄を転写した。この場合の 熱温度は、通常100℃から170℃、好ましくは1 10℃~160℃である。また、加圧の程度は、1~5kg/ cm 2 好ましくは1.5~3kg/cm 2 である。かくして、転写紙から布への染料の 移転率は100%がベストであり、本発明によれ 容易に染料の移転率をほぼ100%にすることが きる。

 最後に、染料の固着熱処理を行い、染料 布に染着させ、洗浄(素材により還元洗浄、 或いはソーピング)によってインク受容層と て用いた親水性合成樹脂と親水性糊剤を除 し、繊維の風合が良好なプリント生地或い プリント製品を得る。

 転写後の分散染料の繊維への固着は、通 の分散染料の染色法で採用されている固着 件がそのまま採用できるが、本発明者らは 本発明の分散染料による乾式転写捺染法に いては、特に湿式固着処理(スチーム処理) 、染着力、繊細性などにおいて優れている とを見出した。また、本発明の該湿式固着 理(スチーム処理)の好ましい温度範囲は90~180 ℃である。

 具体的には、本発明の湿式固着処理(スチ ーム処理)は、例えば、常圧スチーミング法 は100℃、30分の湿熱処理、HTスチーミング法 は、150~180℃、5~10分間の湿熱処理、HPスチー ミング法では、120~135℃、20~40分間の湿熱処理 によって染料の繊維への固着を行う。

 染料の固着処理後は洗浄(素材により還元 洗浄、或いはソーピング等)でインク受容層 用いた合成樹脂や糊剤及び未固着の染料等 除去し、繊維の風合が良好で鮮明な捺染物 得る事ができる。

 本発明の乾式転写捺染法に適用される合 繊維材料としては、分散染料で染着可能な の、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエ チレンテレフタレート、ポリアルキレンテレ フタレート、乳酸ポリエステル等)、トリア テート、ジアセテート、ポリアミド、ポリ クリル等の合成繊維材料、半合成繊維材料 織物、編物、不織布等の単独、或いは天然 維を含めた混紡、交織、複合系繊維等を挙 る事ができる。

 この場合、必要に応じて布帛には染料の 着向上に有益な薬剤或いは染着促進に効果 ある薬剤などで前処理したのち転写に用い も差支えないが、本発明はインク受容層を 成分で構成し、最適化する事によって、布 の前処理その他余分な工程を無くしてコス 競争力を高めたことが特徴の一つである。

 本発明の乾式転写捺染法では転写用原紙 塗布されたインク受容層がほぼ100%転写され るので、転写済みの紙は、転写用原紙として リサイクル使用が可能である。また、親水性 糊剤の付着量が通常の捺染に比べて遥かに少 ない事から、転写生地の洗浄水の廃水負荷も 小さい事を合わせ考えると、本発明方法は環 境に優しいエコ・フレンドリー加工法である 。

 本発明者等は粘り強い研究・実験を繰り し、転写性、転写紙安定性、プリントデザ ンの鮮鋭性、染着力、洗浄性、繊維の風合 堅牢度などの多くの難題を、インク受容剤 成に含まれる各種薬剤の選定・最適化と合 せ、成分の構成バランスを整える事で解決 を見出したものであり、その結果、布の前 理を省略でき、非昇華・堅牢型分散染料を いた転写捺染法を開発した。この方法は、 来知られていなかった新規な方法であり、 業的に有利であるだけでなく、一般家庭で 利用も可能な、実用性の高い、たぐい稀な 新規技術である。

 以下実施例によって本発明を更に詳細に 明するが、本発明はこれらの実施例に限定 れるものではない。なお、例中、%は重量% 意味する。

実施例1
 転写用パルプ紙(重量90g/m 2 、厚さ0.2mm)に、有機溶剤ワニス(フェノール 脂30%、エチルセルロース3%、炭酸カルシュー ム10%、クレー10%、酢酸エチル47%)をコーティ グ機により塗布し、乾燥後、140℃・3分間の ュアリングを施し、離型剤層を形成した。 型剤層の厚みは30μmであった。

 次いで、プラスコートZ-850(水溶性ポリエス ル樹脂25%分散液:互応化学工業社製)60%,FDア ギンBL(アルギン酸ソーダ低粘度品:古川化学 製)10%ペースト10%、ソルビトーゼC-5(エーテ 化澱粉:AVEBE社製)10%ペースト20%、増粘剤-F(ア リル系合成糊:(株)佐野社製)1%、硫酸アンモ ウム0.5%、塩素酸ソーダ0.5%、ヘキサメタ燐 ソーダ0.2%、ネオシントールLB(防腐剤:シント ファイン社製)0.1%、ネオシントールTF-1(防黴 :シントファイン社製)0.1%、メイサノールTR( ニオン系活性剤:明成化学工業社製)1.5%、残 を水で合計100%としたインク受容層ペースト 、コーティング機にて塗布し、乾燥して、 ンク受容層を形成した。このインク受容層 ーストの塗布量は30g/m 2 であった。この様にして分散染料用の乾式転 写用紙を得た。

 次いで分散染料インク液(C.I.Disperse Blue 2 57、色素分5%、エチレングリコール2%、グリセ リン10%、デモールC5%、表面張力調整剤2%、尿 3%、水73%含有)を上記転写用紙上にインクジ ットプリンター(HYPERECO:武藤工業社製:オン マンド型ピエゾインクジェット方式)によっ 図柄をプリントし、乾燥して、分散染料の 式転写捺染用転写紙を得た。なお、ここに いた分散染料は、高温染色に於ける JIS-L-08 02(標準染色濃度1/1)で昇華堅牢度4~5級の非昇 型である。(以下、同じ)

 次いで該転写紙と、ポリエステル布を合わ 、加熱・加圧(130℃・5秒、2kg/cm 2 )によりポリエステル布に図柄を転写した。 写紙から布への染料の移転率は100%であった 次いで該ポリエステル布にHTスチーム固着 理(170℃・10分間)を行い、水洗、還元洗浄(80 ・10分間:38度Be'苛性ソーダ2g、ハイドロサル ファイトコンク2g、ノニオン系活性剤1g/L含有 液)、水洗・乾燥後、寸法を整えるためヒー セット(160℃・2分)を施して仕上げた。この にして得られた転写布は、繊細かつ鮮明な ザインが表現されており、風合いも柔軟で 市場で要求される昇華・洗濯・汗などの堅 度も良好であった。尚、本実施例において ンク受容層ペーストに対して、ナイロンパ ダーを主成分とする箔転写用バインダー糊 15%加えると、転写時間が約1/4に短縮された

実施例2
 転写用パルプ紙(重量90g/m 2 、厚味0.2mm)に、実施例1で用いた有機溶剤ワ スを用いて、実施例1と同様に処理して離型 層を形成した後、HAレジンPE-1B(水溶性ウレ ン変性エーテル型樹脂25%粘調液:明成化学工 社製)55%、クレー粉末(粒径0.6μm)10%、メイプ ガムNP-5-D(グアガムの加水分解物:(株)三晶社 製)10%ペースト25%、塩化アンモニウム1%、レジ スターL(メタニトロベンゼンスルホン酸系還 防止剤:センカ社製)2%、テトロン210(EDTAの2ナ トリウム塩:明成化学工業社製)0.3%、ネオシン トールLB(防腐剤:シントファイン社製)0.1%、プ ラスコートRY-2(フッ素系10%液:互応化学工業社 製)1%、残量を水で合計100%のインク受容層ペ ストを、コーティング機にて塗布し、乾燥 、インク受容層を形成した。このインク受 層ペーストの塗布量は38g/m 2 であった。この様にして分散染料用の乾式転 写用紙を得た。

 次いで分散染料インク(C.I.Disperse Red 202, 素分7%、エチレングリコール5%、グリセリン 5%、デモールC7%、表面張力調整剤2%、尿素2%、 水72%含有)を上記転写用紙上にインクジェッ プリンター(HYPERECO:武藤工業社製:オンデマン ド型ピエゾインクジェット方式)によって図 をプリントし、乾燥して、分散染料の乾式 写捺染用転写紙を得た。なお、ここに用い 分散染料の昇華牢度は、5級の非昇華型であ 。

 次いで該転写紙と、ポリエステル布を合わ 、加熱・加圧(130℃・5秒、2kg/cm 2 )によりポリエステル布に図柄を転写した。 写紙から布への染料の移転率は100%であった 次いで該ポリエステル布にHPスチーム固着 理(130℃・30分間)を行い、水洗、還元洗浄(80 ・10分間:38度Be'苛性ソーダ2g、スーパーリダ ック16(還元剤:センカ社製)4g、ノニオン系活 剤1g/L含有液)、水洗・乾燥後、寸法を整える ためヒートセット(170℃・20秒)を施して仕上 た。この様にして得た転写布は実施例1と同 に印刷調でない繊細なデザインと均捺性お び適度な浸透性を有しており、繊維の風合 柔軟で、耐光・昇華・洗濯・汗等の各種堅 度にも優れるものであった。

 本実施例において、分散染料インクとし 非昇華型である前記イエロー、レッド、ブ ーの3原色、例えばC.I.Disperse Yellow 114 (Kiwal on Polyester Yellow 6GF)、C.I.Disperse Red 202 (Foron  Brill.Red S-RGL)及びC.I.Disperse Blue 257 (Sumikaron  Blue S-3RF)とブラック(Kiwalon Polyester Black KGS F Liquid )を揃えて用い、前記インクジェット プリンターでプリントすると、パソコンでデ ザインした図柄および色調が、転写-固着し 布上に正確に精度よくフルカラーで表現さ ており、かつ加工の再現性にも優れるもの あった。

実施例3
 ポリエチレン離型剤塗布クラフト紙(重量75g /m 2 :三菱製紙社製)に、アルコックスE-30(ポリエ レンオキサイド系水溶性樹脂粉末:明成化学 業社製)10%、バインダーTGF-218(ナイロンパウ ー含有箔バインダーペースト:(株)松井色素 究所社製)5%、キプロガムPL-V(タマリンド系 ム:日澱化学社製)10%ペースト25%、二酸化珪素 パウダー1%、硫酸アンモニウム0.5%、MSパウダ (メタニトロベンゼンスルホン酸系還元防止 剤:明成化学工業社製)2%、ヘキサメタ燐酸ソ ダ0.3%、ネオシントールLB(防腐剤:シントファ イン社製)0.1%、ネオシントールTF-1(防黴剤:シ トファイン社製)0.1%、プラスコートRY-2(フッ 素系表面張力低下剤10%液:互応化学工業社製)1 .5%、残量を水で合計100%としたインク受容層 ーストをコーティング機にて塗布し、乾燥 て、インク受容層を形成した。このインク 容層ペーストの塗布量は30g/m 2 であった。この様にして分散染料用の乾式転 写用紙を得た。

 次いで分散染料インク液(C.I.Disperse Blue 257 色素分6%、ジエチレングリコール2%、グリセ リン8%、デモールC6%、表面張力調整剤2%、尿 2%、水74%含有)を上記転写用紙上にインクジ ットプリンター(HYPERECO:武藤工業社製:オンデ マンド型ピエゾインクジェット方式)によっ 図柄をプリントし、乾燥して、分散染料の 式転写紙を得た。次いで該転写紙と、ポリ ステル布を合わせ、加熱・加圧(140℃・3秒、 2kg/cm 2 )によりポリエステル布に図柄を転写した。 写紙から布への染料の移転率は100%であった

 次いで該ポリエステル布にHTスチーム固 処理(130℃・30分間)を行い、水洗、還元洗浄( 80℃・10分間:38度Be'苛性ソーダ1g、ハイドロサ ルファイトコンク1g、ノニオン系活性剤1g/L含 有液)、水洗・乾燥後、寸法を整えるためヒ トセット(160℃・90秒)を施して仕上げた。こ 様にして得られた転写布は、鮮明・濃厚な 調と繊細なデザインが表現されており、風 いも柔軟で、優れるものであった。

実施例4
 転写用パルプ紙(重量90g/m 2 、厚味0.2mm)に、離型剤層として実施例1で用 た有機溶剤ワニスを用いて同様に処理した 、インク受容層としてプラスコートZ-221(水 性ポリエステル樹脂20%分散液:互応化学工業 製)60%、サンプリントTME(グアガムの加水分 物:(株)三晶社製)6%、塩化アンモニウム1%、塩 素酸ソーダ0.5%、ヘキサメタ燐酸ソーダ0.2%、F AS-300(防腐剤:(株)佐野社製)0.2%、メイサノール TR(アニオン系活性剤:明成化学工業社製)1%、 量を水で合計100%のインク受容層ペーストを コーティング機にて塗布・乾燥した。この ンク受容層ペーストの塗布量は30g/m 2 であった。この様にして分散染料用の乾式転 写用紙を得た。

 次いで分散染料インクとして市販品(KIWA・JE T-E TEXTILE MAGENTA(紀和化学工業社製)を用いて 上記転写用紙上にインクジェットプリンタ (EPSON PM-770C型)によって図柄をプリントし、 乾燥して、分散染料の乾式転写紙を得た。次 いで該転写紙と、ポリエステル布を合わせ、 加熱・加圧(130℃・5秒、2kg/cm 2 )によりポリエステル布に図柄を転写した。 写紙から布への染料の移転率は100%であった

 次いで該ポリエステル布にHTスチーム固 処理(170℃・8分)を行い、水洗、ソーピング(8 0℃・5分:アニオン系活性剤1g/L及びソーダ灰3g /Lの含有液)、水洗して仕上げた。この様にし て得られたポリエステルの転写布は、鮮明・ 濃厚な色調と繊細なデザインが表現されてお り、風合いも柔軟であった。

実施例5
 ポリエチレン離型剤塗布クラフト紙(重量75g /m 2 :三菱製紙社製)に、プラスコートZ-730(水溶性 リエステル樹脂25%分散液:互応化学工業社製 )30%、HAレジンPE-1B(水溶性ウレタン変性エーテ ル型樹脂25%粘調液:明成化学工業社製)30%、セ ベスガム4450(エーテル化CMC:ダイセル化学工 社製)7%ペースト15%、フジヘックBL-15(ヒドロ シエチルセルロース:フジケミカル社製)10% ースト15%、硫酸アンモニウム0.5%、塩素酸ソ ダ0.5%、ヘキサメタ燐酸ソーダ0.2%、ネオシ トールLB(防腐剤:シントファイン社製)0.1%、 オシントールTF-1(防黴剤:シントファイン社 )0.1%、メイサノールTR(アニオン系活性剤:明 化学工業社製)1.5%、残量を水で合計100%とし インク受容層ペーストをコーティング機に 塗布し、乾燥して、インク受容層を形成し 。この塗布量は25g/m 2 であった。この様にして分散染料用の乾式転 写用紙を得た。

 次いで分散染料インク液(C.I.Disperse Yellow 11 4,色素分8%、エチレングリコール3%、グリセリ ン8%、デモールC7%、表面張力調整剤2%、尿素2% 、水70%含有)を上記転写用紙上にインクジェ トプリンター(HYPERECO:武藤工業社製:オンデマ ンド型ピエゾインクジェット方式)によって 柄をプリントし、乾燥して、分散染料の乾 転写紙を得た。ここに用いた分散染料の昇 堅牢度は、5級の非昇華型である。次いで該 写紙と、ポリエステル/トリアセテート(70/30 )の複合素材布を合わせ、加熱・加圧(140℃・3 秒、2kg/cm 2 )によりを該複合素材布に図柄を転写した。 写紙から該複合素材布への染料の移転率は10 0%であった。

 次いで該複合素材布にHTスチーム固着処 (170℃・10分間)を行い、水洗、還元洗浄(80℃ 10分間:ソーダ灰2g、ハイドロサルファイト ンク1g、ノニオン系活性剤1g/L含有液)、水洗 乾燥後、寸法を整えるためヒートセット(160 ℃・2分)を施して仕上げた。この様にして得 れた複合素材転写布は、鮮明・濃厚な色調 繊細なデザインが表現されており、風合い 柔軟であった。

実施例6
 転写用パルプ紙(重量90g/m 2 、厚味0.2mm)に、実施例1で用いた有機溶剤ワ スを用いて、実施例1と同様に処理し、離型 層を形成した後、プラスコートZ-850(水溶性 リエステル樹脂25%分散液:互応化学工業社製 )55%、HASバインディTG-30(タマリンドガム:シキ ー社製)10%ペースト15%、ソルビトーゼC-5(エ テル化澱粉:AVEBE社製)10%ペースト10%、塩化ア モニウム1%、MSパウダー(メタニトロベンゼ スルホン酸系還元防止剤:明成化学工業社製) 2%、ヘキサメタ燐酸ソーダ0.2%、ネオシントー ルLB(防腐剤:シントファイン社製)0.1%、ネオシ ントールTF-1(防黴剤:シントファイン社製)1%、 プラスコートRY-2(フッ素系表面張力低下剤10% :互応化学工業社製)1%、残量を水で合計100% したインク受容層ペーストをコーティング にて塗布し、乾燥して、インク受容層を形 した。このインク受容層ペーストの塗布量 35g/m 2 であった。この様にして分散染料用の乾式転 写用紙を得た。

 次いで分散染料インク(実施例2で用いたイ ク)を上記転写用紙上にインクジェットプリ ター(HYPERECO:武藤工業社製:オンデマンド型 エゾインクジェット方式)によって図柄をプ ントし、乾燥して、分散染料の乾式転写紙 得た。次いで該転写紙と、ポリエステル布 合わせ、加熱・加圧(140℃・4秒、2kg/cm 2 )によりポリエステル布に図柄を転写した。 写紙から布への染料の移転率は100%であった

 次いで該ポリエステル布にHTスチーム固 処理(175℃・8分間)を行い、水洗、還元洗浄(8 0℃・10分間:38度Be'苛性ソーダ2g、ハイドロサ ファイトコンク2g、ノニオン系活性剤1g/L含 液)、水洗・乾燥後、寸法を整えるためヒー トセット(160℃・2分)を施して仕上げた。この 様にして得られた転写布は、鮮明・濃厚な色 調と繊細なデザインが表現されており、風合 いも柔軟であった。

実施例7
 ポリエチレン離型剤塗布クラフト紙(重量75g /m 2 :三菱製紙社製)に、プラスコートZ-730(水溶性 リエステル樹脂25%分散液:互応化学工業社製 )40%、バインダー812-A-1(水溶性アクリル酸系樹 脂50%分散液:(株)佐野社製)20%、セルベスガム44 50(エーテル化CMC:ダイセル化学工業社製)7%ペ スト15%、フジヘックBL-15(ヒドロキシエチル ルロース:フジケミカル社製)10%ペースト15%、 硫酸アンモニウム0.5%、塩素酸ソーダ0.5%、ヘ サメタ燐酸ソーダ0.2%、ネオシントールLB(防 腐剤:シントファイン社製)0.1%、ネオシントー ルTF-1(防黴剤:シントファイン社製)0.1%、メイ ノールTR(アニオン系活性剤:明成化学工業社 製)1.5%、残量を水で合計100%としたインク受容 層ペーストをコーティング機にて塗布し、乾 燥して、インク受容層を形成した。この塗布 量は35g/m 2 であった。この様にして分散染料用の乾式転 写用紙を得た。

 次いで分散染料インク液(C.I.Disperse Yellow 11 4,色素分8%、エチレングリコール3%、グリセリ ン8%、デモールC7%、表面張力調整剤2%、尿素2% 、水70%含有)を上記転写用紙上にインクジェ トプリンター(HYPERECO:武藤工業社製:オンデマ ンド型ピエゾインクジェット方式)によって 柄をプリントし、乾燥して、分散染料の乾 転写紙を得た。ここに用いた分散染料の昇 堅牢度は、5級の非昇華型である。次いで該 写紙と、ポリエステル/トリアセテート(70/30 )の複合素材布を合わせ、加熱・加圧(140℃・3 秒、2kg/cm 2 )によりを該複合素材布に図柄を転写した。 写紙から該複合素材布への染料の移転率は10 0%であった。

 次いで該複合素材布にHTスチーム固着処 (170℃・10分間)を行い、水洗、還元洗浄(80℃ 10分間:ソーダ灰2g、ハイドロサルファイト ンク1g、ノニオン系活性剤1g/L含有液)、水洗 乾燥後、寸法を整えるためヒートセット(160 ℃・2分)を施して仕上げた。この様にして得 れた複合素材転写布は、鮮明・濃厚な色調 繊細なデザインが表現されており、風合い 柔軟であった。