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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF DRYING PRINTED MATERIAL AND APPARATUS THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/013800
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To carry out drying of printing ink with the use of nanosized high-temperature dry steam. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] Nanosized high-temperature dry steam having undergone nanoorder clustering is generated and jetted to the print side of printed material so that the nanosized high-temperature dry steam imparts intramolecular vibrational energy to the ink of the print side. Consequently, the nanosized high-temperature dry steam of nanoorder not only passes through fiber pores of the printed material but also collides with the ink of the print side. The nanosized high-temperature dry steam having collided with the ink of the print side imparts thermally excited energy as intramolecular vibrational energy to the ink consisting of polar molecules. The ink is dried by the intramolecular energy.

Inventors:
YAMAGUCHI YASUO (JP)
ASAKURA KENTARO (JP)
AKIDUKI YUJI (JP)
YAMAGUCHI TOSHIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/064423
Publication Date:
January 29, 2009
Filing Date:
July 23, 2007
Export Citation:
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Assignee:
DAIDO IND (JP)
YAMAGUCHI YASUO (JP)
ASAKURA KENTARO (JP)
AKIDUKI YUJI (JP)
YAMAGUCHI TOSHIAKI (JP)
International Classes:
B41F23/04; F26B13/00
Foreign References:
JP2002019310A2002-01-23
JP2002337309A2002-11-27
JP2002168405A2002-06-14
Attorney, Agent or Firm:
TAKAHASHI, Isamu (Shinoda Bldg.10-7, Higashi Kanda 1-chom, Chiyoda-ku Tokyo 31, JP)
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Claims:
印刷物の乾燥処理を行う印刷物乾燥方法であって、
 ナノオーダにクラスター化したナノ高温乾燥蒸気を生成し、
 前記ナノ高温乾燥蒸気を印刷物の印刷面に噴射させ、
 前記ナノ高温乾燥蒸気により前記印刷面のインキに分子内振動エネルギーを付与することを特徴とする印刷物乾燥方法。
前記ナノ高温乾燥蒸気を、前記印刷物の繊維ポアを通過する数分子~数10分子のナノオーダにクラスター化する、請求項1に記載の印刷物乾燥方法。
前記ナノ高温乾燥蒸気を数分子~数10分子のナノオーダにクラスター化することで、前記ナノ高温乾燥蒸気を前記印刷物の繊維ポアに通過させ、かつ前記ナノ高温乾燥蒸気を印刷面のインキに衝突させる、請求項2に記載の印刷物乾燥方法。
前記ナノ高温乾燥蒸気を印刷面のインキに衝突させることで、極性分子をもつ前記インキに、前記ナノ高温乾燥蒸気の熱的に励起したエネルギーを分子内振動エネルギーとして付与する、請求項3に記載の印刷物乾燥方法。
前記ナノ高温乾燥蒸気を前記印刷物の両面から噴射させる、請求項1に記載の印刷物乾燥方法。
印刷物の乾燥処理を行う印刷物乾燥装置であって、
 高温乾燥蒸気を生成する蒸気生成手段と、
 前記蒸気生成手段で生成した前記高温乾燥蒸気をナノオーダにクラスター化するクラスター生成手段と、
 前記クラスター生成手段で生成した前記ナノ高温乾燥蒸気を印刷物の印刷面に噴射することで、前記ナノ高温乾燥蒸気により前記印刷面のインキに分子内振動エネルギーを付与する励起手段と、を有することを特徴とする印刷物乾燥装置。
前記クラスター生成手段は、前記高温乾燥蒸気を、前記印刷物の繊維ポアを通過する数分子~数10分子のナノオーダにクラスター化する、請求項6に記載の印刷物乾燥装置。
前記励起手段は、数分子~数10分子のナノオーダにクラスター化した前記ナノオーダの高温乾燥蒸気を前記印刷物の繊維ポアに通過させ、かつ前記ナノ高温乾燥蒸気を印刷面のインキに衝突させる、請求項6に記載の印刷物乾燥装置。
前記励起手段は、前記ナノオーダの高温乾燥蒸気を印刷面のインキに衝突させることで、極性分子をもつ前記インキに、前記ナノオーダの高温乾燥蒸気の熱的に励起したエネルギーを分子内振動エネルギーとして付与する、請求項8に記載の印刷物乾燥方方法。
前記励起手段は、前記ナノオーダの高温乾燥蒸気を前記印刷物の両面から噴射させる、請求項6に記載の印刷物乾燥装置。
Description:
印刷物乾燥方法及び印刷物乾燥 置

 本発明は、印刷物の印刷面上でのインキ 効率よく乾燥させ、印刷物同士の付着を回 する印刷物乾燥方法及び印刷物乾燥装置に する。

 印刷物の印刷面にインキで印刷をした場 、印刷面上のインキによって印刷物同士の 着を回避するために、印刷面に定着した印 インキを速乾させる必要がある。

 印刷インキの乾燥方式については、業界 び学術団体などにおいて、正式な乾燥方式 を定めていないが、印刷インキの乾燥方式 しては、酸化重合型、浸透乾燥型、蒸発乾 型、紫外線硬化型、赤外線硬化型、電子線 化型、常温自然乾燥型、熱硬化型混合反応 などが一般的に利用されている。

 乾燥方式で一般的なものは酸化重合型で り、その酸化重合型はオフセットインキ、 版インキなどの乾燥に用いられている。前 酸化重合型の乾燥方式は、空気中の酸素を 用して印刷インキを自然乾燥させている。 に用いられている乾燥方式は、グラビアイ キ、オフセット輪転インキなどの乾燥に用 る蒸発型乾燥方式である。前記蒸発型乾燥 式は、自然放置乾燥とガスバーナなどで得 熱風とを併用した乾燥方式である。また、 用インキとして用いられる凸版輪転インキ 水性フレキソインキ等を対象とした浸透乾 型乾燥方式があり、この乾燥方式は、紙の 維にインキを浸透させ、自然乾燥する乾燥 式である。

 近年、「必要なときに必要な部数だけ」 いうオンデマンド印刷に関心が寄せられて り、国内においても多くのオンデマンド印 機が稼働している。前記オンデマンド印刷 は、エレクトルインキという液状インキが いられている。

 以上述べた各種の印刷インキは、版から 印刷物へ転移された後、何らかの方法で印 面に定着させる必要がある。印刷インキの ヒクル(印刷ワニス)組成によって定着のタ プ(乾燥方式)が異なる。各種の印刷インキの 定着タイプ(乾燥方式)について詳述する。

 前記蒸発乾燥型は、インキ中に含まれる 発性溶剤を蒸発させることによって、印刷 ンキを乾燥固化させるものである。この印 インキとしては、低沸点溶剤を用いた速乾 のグラビアインキ、フレキソ(印刷ワニス) ンキ、高沸点溶剤を用いたスクリーンイン 、パッドインキ、ドライオフセットインキ 水性インキなどがある。この蒸発乾燥型方 は、浸透乾燥の全く期待できないプラスチ ク素材での印刷インキの定着方式として最 有効かつ適用例の多い方式である。乾燥速 は溶剤の種類によって調整されるが、同時 乾燥機による加熱や熱風によって促進され 。

 前記酸化重合型は、乾性油を主成分とす インキの印刷面に空気中の酸素が吸収され ビヒクル分子を繋ぎ合わせて網状の巨大分 として、印刷インキを乾燥固化させるもの ある。この印刷インキとしては、凸版イン (フレキソを除く)、金属スクリーン用イン などがある。この酸化重合型方式は、酸化 合にかなりの時間を要するので、マンガン コバルトなどの金属石鹸をドライヤーとし 添加し、さらに加熱することにより乾燥を 進させるものである。

 前記液反応型は、反応基を有する樹脂を ヒクルとするインキの2種混合のうち一方を 用いてインキ化し、他方を硬化剤として用い 、その組み合わせにより、印刷インキを反応 硬化させるものである。この印刷インキとし ては、レトルトパウチ用のポリウレタン樹脂 系グラビアインキ、エポキシ系、メラミン系 などの樹脂をビヒクルにしたスクリーンイン キ、パッドインキなどがある。この液反応型 は、使用直前に混合し、印刷後溶剤の蒸発に 次いで反応が起こり、加熱により反応が促進 される。2種混合インキは印刷しなくても反 が進行するので、機上安定性に問題があり 通常残インキを再使用できない(ポットライ )などの問題があり、取扱上注意を要する。 硬化して得られるインキ皮膜は強靱で、耐性 が非常に優れている。

 前記紫外線硬化型は、印刷インキ皮膜に 外線(UV)を照射し、瞬間的に反応させて固形 皮膜に変えるものである。UVインキのビヒク はポリマー、モノマー及び光重合溶剤(増感 剤)からなっており、光重合開始剤が特定波 の紫外線を吸収して連鎖反応を起こし、イ キを硬化させる。この紫外線硬化型乾燥シ テムの開発により、オフセット印刷、ドラ オフセット印刷及びスクリーン印刷をプラ チック類へ適用する際に大きな障害要因で る「乾燥性」の問題が解決されている。

 前記浸透乾燥型は、被印刷物が紙である 合、インキ中の油分が浸透し、固形分が紙 表面に残り乾燥させるものである。この印 インキとしては、新聞インキなどが代表的 例である。しかし、非吸収性のプラスチッ 、金属、ガラスなどの印刷面への印刷には 向きなものである。

 多くの印刷物、特に雑誌は、若干のコー スターチベース(トウモロコシ澱粉)の粉末 紙埃を含んでいる。これらの粉末は、印刷 ンキの乾燥過程で、静電気の発生を軽減し 印刷物同士、例えば雑誌の頁と頁とが貼り くのを回避するために用いられている。し も、前記コーンスターチベースには酸化防 剤が添加されている。また、印刷物に万遍 く振りかけることにより、「ブロッキング( 移り)」が起きにくくなるという指摘もある 。微粒子粉であるためには、「インキの隙間 」から「空気」が入って、インキの乾燥も促 進する作用がある。

 市販のものでは、すべての原材料に酸化 止剤(無水亜硫酸)と明記されているが、何 酸化防止剤が使用されているかという明快 回答がない。ただ、無水亜硫酸は酸化防止 漂白の作用がある。物質的には亜硫酸ナト ウムなど亜硫酸塩で使用されている。よく る説明は「製造時にコーンスターチを亜硫 水につけて溶解させてから澱粉を取り出す いう方法がとられているため」であり、こ 方法をウエットミリング亜硫酸浸漬法と呼 れている。

 上述した印刷インキの定着方式、すなわ 乾燥方式としては上述した種々の方式が存 するが、最も簡便な方式として、コーンス ーチベース(トウモロコシ澱粉)の粉末を用 た定着方式が採用されている。

 しかし、コーンスターチベースの粉末を 刷物に万遍なく振りかけるため、印刷の作 環境などを劣悪にしていることが指摘され おり、これに代わる良好な作業環境と安価 印刷インキの乾燥方式(定着方式)が要望さ ている。

 特許文献1には、蒸気を用いて設定温度に 食品を加熱する技術が開示されている。特許 文献2には、過熱蒸気を用いて食材を調理す 技術が開示されているのみで、蒸気を印刷 ンキの定着方式及び印刷物同士の付着の回 に応用するという示唆はない。

 しかも、特許文献1及び特許文献2には、蒸 の性質や特質について技術的な考察がなさ ておらず、加えて、蒸気を印刷インキの定 方式及び印刷物同士の付着の回避に応用す という示唆はない。

特開2003-70644号公報

特開2003-262338号公報

 本発明の目的は、ナノ高温乾燥蒸気を利 して印刷インキの乾燥を実現した印刷物乾 方法及び印刷物乾燥装置を提供することに る。

 前記目的を達成するため、本発明に係る印 物乾燥方法は、印刷物の乾燥処理を行う印 物乾燥方法であって、
 ナノオーダにクラスター化したナノ高温乾 蒸気を生成し、
 前記ナノ高温乾燥蒸気を印刷物の印刷面に 射させ、
 前記ナノ高温乾燥蒸気により前記印刷面の ンキに分子内振動エネルギーを付与するこ を特徴とするものである。

 本発明の印刷物乾燥方法を実施するための 刷物乾燥装置は、印刷物の乾燥処理を行う 刷物乾燥装置であって、
 高温乾燥蒸気を生成する蒸気生成手段と、
 前記蒸気生成手段で生成した前記高温乾燥 気をナノオーダにクラスター化するクラス ー生成手段と、
 前記クラスター生成手段で生成した前記ナ 高温乾燥蒸気を印刷物の印刷面に噴射させ 前記ナノ高温乾燥蒸気により前記印刷面の ンキに分子内振動エネルギーを付与する励 手段と、を有することを特徴とするもので る。

 本発明によれば、ナノ高温乾燥蒸気を利 して印刷インキの乾燥・印刷物同士の付着 回避を簡便、かつ確実に実現できるもので る。

 以下、本発明の実施形態を図に基づいて 細に説明する。

 図1は、本発明の実施形態に係る印刷物乾 燥装置を適用する印刷装置を示している。図 1に示す印刷装置は、連続したロール用紙を 用して印刷を行うものであって、印刷用紙1a を繰出ローラ2に保持し、繰出ローラ2から繰 出した印刷用紙1aの印刷面に印刷部3で印刷 行い、印刷済みの印刷用紙1bを本発明の実 形態に係る印刷物乾燥装置A内に通した後、 燥処理した用紙1を巻取ローラ4に巻き取る 造のものである。

 本発明の実施形態に係る印刷物乾燥装置A は図1に示すように、印刷部3による印刷用紙1 bを乾燥チャンバー21内に受け入れて、ナノ高 温乾燥蒸気で印刷物1bのインキを迅速に乾燥 せ、乾燥させた印刷物1bを巻取ローラ4に向 て送り出すものであり、図1~図3に示すよう 、蒸気生成手段5と、クラスター生成手段6 、励起手段7とを有している。

 蒸気生成手段5は、高温乾燥蒸気を生成す るものである。具体的には、蒸気生成手段5 図3に示すように、ボイラー8と、給水槽9と 有している。給水槽9には、水が給水弁10を して給水され、上限センサー11と下限センサ ー12とにより給水弁10を制御することで、設 量の水Wを給水槽9内に貯留する。ボイラー8 は、ポンプ13により逆止弁14を通して給水槽9 から水Wが給水され、ボイラー8は、給水され 水を加熱するヒーター15を備えている。ボ ラー8は、ヒーター15で水を加熱することで 高温飽和蒸気M1を生成する。16は、ボイラー8 内の水位を検知するセンサー、17はボイラー8 内の圧力を一定に維持するための圧力安全弁 、18は高温飽和蒸気M1をボイラー8から取り出 供給弁である。さらに、ボイラー8の出力側 には、高温飽和蒸気M1を通過させるパイプ19 、パイプ19に巻き付けた管状ヒーター20とを している。管状ヒーター20で加熱したパイ 19内に高温飽和蒸気M1を通過させることで高 乾燥蒸気M2を得ている。なお、蒸気生成手 5のボイラー8と給水槽9は一例であって、図 した構造のものに限られるものではない。 気生成手段5は、図示した以外のものであっ もよく、要は、蒸気生成手段5としては、高 温飽和蒸気M1を生成することが可能な構成で れば、いずれのものであってもよいもので る。

 クラスター生成手段6及び励起手段7とは 印刷済みの印刷用紙1bが送りローラ22で送ら る乾燥チャンバー21内に設置してある。ク スター生成手段6と励起手段7とを具体的に説 明する。すなわち、乾燥チャンバー21内には 1及び図2に示すように、送りローラ22を上下 方向に挟んでパイプ23、24を設置してある。 イプ23、24には図3に示すように、それぞれ複 数のノズル25を乾燥チャンバー21内に走行す 印刷用紙1bに向けて開口してある。クラスタ ー生成手段6は、パイプ23、24のノズル25から 温乾燥蒸気M2を噴射することで、ナノオーダ にクラスター化したナノ高温乾燥蒸気M3を得 いる(図2参照)。パイプ23は印刷用紙1bの印刷 面側に設置し、パイプ24は印刷物1bの裏面側 設置してある。パイプ24の印刷用紙1に対す 距離R2は、パイプ23の印刷用紙1に対する距離 R1よりも短く設定してある(R1>R2)。なお、パ イプ23と24の印刷用紙1bに対する距離は図示し たものに限られるものではなく、印刷用紙1b 種類に応じて適宜変更してもよいものであ 。なお、図2では、ナノ高温乾燥蒸気M3は、 イプ23の一部から噴射するように図示した 、パイプ23,24の全長に亘って噴射するもので ある。

 以上のように、クラスター生成手段6は、 ボイラー8内の蒸気圧を利用することで、高 乾燥蒸気M2をパイプ23、24のノズル25から噴き 出すことで、蒸気生成手段5で生成した高温 燥蒸気M2をナノオーダにクラスター化したナ ノ高温乾燥蒸気M3を生成する。

 親水性パルプ繊維であろうと、平滑度、 色度、不透明度を上げることで顔料塗工を し、印刷品質を向上させている印刷用紙1で あっても、図4(a)、(b)に示すように、繊維ポ (毛管)半径の大小こそあれ、空隙を有してい る。上述した印刷用紙1bの特性に応じて、ク スター生成手段6は、パイプ23、24のノズル25 から高温乾燥蒸気M2を噴き出すことで、数分 ~数10分子の大きさを有するナノ高温乾燥蒸 M3を生成する。クラスター生成手段6がナノ 温乾燥蒸気M3を数分子~数10分子の大きさに 成するには、パイプ23に開口するノズル25の を調整する、或いはボイラー8の蒸気圧を調 整するなどの方法で、印刷用紙1の繊維ポア 応じたナノ高温乾燥蒸気M3を生成する。

 本発明者は、印刷用紙1の繊維ポアについ て解析し、汎用されている印刷用紙1の繊維 アにナノ高温乾燥蒸気M3を通過させるには、 高温乾燥蒸気M2を数分子~数10分子の範囲の大 さに設定することが最も理想的であること 突き止めた。高温乾燥蒸気M2をナノオーダ クラスター化したナノ高温乾燥蒸気M3の粒子 径は、理論式を用いて計算し、150~210℃のナ 高温乾燥蒸気M3を印刷用紙1に吹き付け、紙 分計K―200(メーカ;KETT)を用いて、印刷業界で 要求される印刷用紙1bの含水率8.5~7.5%の範囲 保持できるナノ高温乾燥蒸気M3の粒径を数分 子~数10分子の範囲に特定した。印刷用紙1bは 種々の特性、特に繊維ポア径が異なるもの 存在するため、クラスターの下限の分子数 特定の数値に限定することは不可能であり 下限のクラスターの分子数を概ね9分子未満 、すなわち計算上は数分子となる。これを下 限範囲のクラスターの分子数とした。同様に 、クラスターの上限の分子数を特定の数値に 限定することは不可能であり、上限のクラス ターの分子数は約10分子~約90分子、すなわち 算上は数10分子であることを確認し、これ 上限範囲のクラスターの分子数とした。

 以上の考察に基づいて、クラスター生成 段6が生成するナノ高温乾燥蒸気M3のクラス ーを数分子~数10分子の範囲に特定した。な 、以上の考察は、現在市販されている印刷 紙に基づいて行ったものであり、今後開発 れる印刷用紙の特性によっては、ナノ高温 燥蒸気M3のクラスターの分子数は、変動す ことが予想される。要は、クラスター生成 段6が生成するナノ高温乾燥蒸気M3のクラス ーの分子数は、ナノ高温乾燥蒸気M3が印刷用 紙の繊維ポアを通過でき、かつ、後述の励起 手段7により印刷用紙のインキに分子内エネ ギーを付与できるものであれば、いずれの のであってもよいものである。

 励起手段7は、ボイラー8内の蒸気圧を利 することで、パイプ23のノズル25から噴き出 ことで、ナノオーダにクラスター化した高 乾燥蒸気M3を印刷用紙1bの印刷面に噴射する ことで、ナノ高温乾燥蒸気M3により印刷用紙1 bのインキ26に分子内エネルギーを付与する( 5(a)参照)。

 具体的には、励起手段7は、クラスター生 成手段6が生成した数分子~数10分子のナノオ ダにクラスター化したナノ高温乾燥蒸気M3を 印刷用紙1bの繊維ポアに通過させる共に、ナ 高温乾燥蒸気M3を印刷面のインキ26に衝突さ せ、インキ26に分子内エネルギーを付与する( 図5(a)参照)。

 インキは、極性分子を有している。この 性分子とは、例えば酸素側がマイナス、水 側がプラスの電荷を有する電気双極子を意 している。インキは、極性分子を有してい ため、外部からエネルギーを与えると、無 性分子に比べて著しい温度上昇が得られる 性を有している。

 クラスター生成手段6でクラスター化した ナノ高温乾燥蒸気M3は、通常の水分子クラス ーと異なり、高温で、かつ乾燥状態である め、高いエネルギー(励起状態)となってい 。

 したがって、励起手段7がナノ高温乾燥蒸 気M3を印刷面のインキ26に衝突させると、ナ 高温乾燥蒸気M3は、その熱的影響を印刷面の インキの内部に分子内振動26aとしてのエネル ギーを与えることとなる(図5(a)参照)。

 次に、本発明の実施形態に係る印刷物乾 装置Aを用いることで、印刷用紙1bの印刷面 付着したインキを乾燥(定着)させる方法に いて説明する。

 先ず、蒸気生成手段5は、ボイラー8のヒ ター15で水を加熱し、ボイラー8内に高温飽 蒸気M1を生成する。供給弁18が開弁されると 蒸気生成手段5は、ボイラー8内の蒸気圧に り、ボイラー8内の高温飽和蒸気M1をパイプ19 に送り出す。パイプ19は管状ヒーター20で加 されているため、パイプ19から供給される蒸 気は、高温乾燥蒸気M2となる。

 クラスター生成手段6は、蒸気生成手段5 ら高温乾燥蒸気M2をパイプ23、24に供給され と、ボイラー8内の蒸気圧を利用して、パイ 23、24から高温乾燥蒸気M2を印刷用紙1bに向 て噴射することで、ナノオーダにクラスタ 化したナノ高温乾燥蒸気M3を生成する。

 励起手段7は、ボイラー8内の蒸気圧を利 することで、クラスター生成手段6で生成し ナノ高温乾燥蒸気を印刷用紙1bの印刷面に 射することで、ナノ高温乾燥蒸気により印 面のインキに分子内エネルギーを付与する 具体的には、励起手段7は、励起手段7は、ナ ノ高温乾燥蒸気M3を印刷用紙1bに吹き付ける とで、ナノ高温乾燥蒸気M3を印刷用紙1bの繊 ポアに通過させると共に、ナノ高温乾燥蒸 M3を印刷面のインキ26に衝突させることで、 ナノ高温乾燥蒸気M3の熱的に励起したエネル ーをインキ26の分子内振動エネルギー26aと て付与する。

 次に、ナノ高温乾燥蒸気M3により印刷面 インキを乾燥(定着)する原理について説明す る。

 従来のインキ乾燥は200℃付近の熱風を用 て行うため、インキ中にバブルが発生する いう欠点があった。この理由について説明 る。図5(b)に示すように、インキ26が熱風に る熱的影響をうけて表面だけが乾燥される め、インキ26の表面に表面硬化膜26bが形成 れる。さらに、加熱が進行すると、インキ26 の内部に熱が伝熱(伝導熱)され、局部的に未 燥なインキ領域が突沸するため、バブル26c 発生する。これを回避するには、熱風によ 加熱容量を減らし、表面硬化膜26bが形成さ た後に、熱風による熱伝導を均一にするた 、必要以上に加熱時間を確保することで、 ンキ26の乾燥を行う必要があり、インキの 燥時間を短縮することはできないという課 がある。

 本発明の実施形態では、ナノ高温乾燥蒸気 用いることにより、インキ乾燥が有効に促 させるものである。このメカニズムは以下 とおりである。
 (1)前述したようにナノ高温乾燥蒸気(超微小 液滴クラスター)は数分子~数10分子のオーダ クラスター化した粒子であり、150~210℃の高 粒子である。
 (2)加熱物である印刷用紙は、主として紙と ンキ(水性、顔料、脂肪族炭化水溶剤などの トルエン、キシレン、ベンゼンなど)、コー (顔料塗工)材料からなる。
 (3)印刷用紙の構成としては種々あるが、基 的には構成繊維を積層させたポア(空隙)構 を有しているため、ミクロ的には図4(a)、(b) 示すように多くの空隙を有している。

 ナノオーダにクラスター化したナノ高温 燥蒸気M3を励起手段7が印刷用紙1bに噴射さ ると、ナノ高温乾燥蒸気M3は印刷用紙1bの繊 ポアを通過する。何故ならば、ナノ高温乾 蒸気M3のクラスター化した分子は、印刷用 1bの繊維ポアの径を考慮して、繊維ポアを通 過することができる分子に設定しているため である。したがって、数分子~数10分子のオー ダ粒子であるナノ高温乾燥蒸気M3は、印刷用 1bの繊維ポアを容易に通り抜けることとな 、ナノ高温乾燥蒸気M3は、印刷用紙1bの加熱 寄与しない。したがって、印刷用紙は、印 業界で要求される含水量を維持できること なる。

 さらに、ナノオーダにクラスター化した ノ高温乾燥蒸気M3を励起手段7が印刷用紙1b 噴射させると、ナノ高温乾燥蒸気M3は図5(a) 示すように、印刷用紙1bの印刷面に付着した インキ26に衝突する。

 クラスター生成手段6でクラスター化した ナノ高温乾燥蒸気M3は、通常の水分子クラス ーと異なり、高温で、かつ乾燥状態である め、高いエネルギー(励起状態)となってい 。

 したがって、励起手段7がナノ高温乾燥蒸 気M3を印刷面のインキ26に衝突させると、ナ 高温乾燥蒸気M3は図5(a)に示すように、その 的影響を印刷面のインキ26の内部に分子内振 動26aとしてのエネルギーを与えることとなる 。インキ26は、ナノ高温乾燥蒸気M3からエネ ギーを受けると、インキ26の内部の水分子の 振動が激しくなり、摩擦熱の発生によってイ ンキ内部の温度を高める。この原理に基づい て、インキ26の乾燥が促進されることとなる

 上述したメカニズムにより、印刷用紙の ンキ乾燥においては、印刷用紙1bは加熱さ ず、インキ26だけがナノ高温乾燥蒸気のエネ ルギーを吸収し、発熱・蒸発するため、イン キだけの選択加熱が可能になる。

 少なくとも、ナノ高温乾燥蒸気M3は、ナ オーダにクラスター化された水分子(数分子~ 数10分子オーダの高温乾燥蒸気クラスター)を 用いることにより、印刷用紙のインキ乾燥に おいては、印刷用紙のポア(毛管)内をナノ高 乾燥蒸気が容易に通り抜けるため、印刷用 を加熱せずにインキだけがナノ高温乾燥蒸 のエネルギーを吸収し、発熱・蒸発し、イ キだけの選択加熱が可能になる。

 ナノ高温乾燥蒸気がインキ乾燥に及ぼす乾 度-時間経過の模式図を図6に示す。図6(b)は 従来のインキ乾燥による乾燥度-時間経過で あり、乾燥に多くの時間(t 1 ~t 2 )が掛かり、かつ乾燥の質(D 1 )も悪い。

 これに対して図6(a)は、本発明の実施形態に おけるナノ高温乾燥蒸気による乾燥度-時間 過であり、乾燥に要する時間はほぼ瞬時(t a ~t b )であり、かつ乾燥の質(D 2 )も優れている。これは前述したように従来 インキ乾燥法は、インキが熱的影響をうけ 表面層の乾燥→表面硬化膜の形成→バブル 発生→インキ内部に熱が伝熱されて乾燥さ る。他方、ナノ高温乾燥蒸気はインキ内部 ら熱が発生し、伝熱乾燥されるために質の い乾燥が促進される。

 以上の説明では、ナノ高温乾燥蒸気M3を用 て印刷用紙1bのインキ26を乾燥することに特 して説明したが、これに限れるものではな 。すなわち、本発明の実施形態に係る印刷 乾燥装置Aは、インキ26を乾燥させる過程で 生する有害気体26d(乾性油成分=不飽和脂肪 や石油系溶剤など)の脱臭効果を促進するも である。
 具体的に説明すると、図5(a)に示すように、 インキ26を乾燥させる過程において、インキ2 6の成分に含まれる有害気体26dが発生する。 記有害気体26dは異臭を放つ場合がある。こ 有害気体26dは、印刷物1bが乾燥チャンバー21 を走行する過程で主として発生する。より 体的には、
 (1)インキの低沸点溶剤が蒸発し、乾燥する 程。
 (2)ドライヤーによる触媒作用により、空気 の酸素とインキ中の乾性油成分(不飽和脂肪 酸)が結合し、化学変化し、乾性油の重合が こり、乾燥する過程。
 (3)加熱によってインキ中の石油系溶剤が蒸 し、乾燥する過程。
などにおいて、乾燥チャンバー21から外部に 出される可能性がある。有害気体26dが乾燥 ャンバー21外の作業環境に漏出すると、作 環境を汚染してしまうばかりでなく、印刷 場の周辺住民にも悪影響を与える。

 本発明の実施形態では、ナノ高温乾燥蒸 M3がパイプ23,24から噴射し、乾燥チャンバー 21内にエアカーテンを形成する。前記エアカ テンで仕切られた空間内において、ナノ高 乾燥蒸気M3は、ナノオーダにクラスター化 ているため、超微細粒子であり、インキ26か ら発生した有害気体26dに衝突する。ナノオー ダのナノ高温乾燥蒸気M3が有害気体26dに衝突 る(クラスター化された水滴は、負イオンに なりやすい。これに有害気体26dがくっつく) 、有害気体26dは、ナノ高温乾燥蒸気M3により イオン分解及びクラスター水滴中に取り込ま れ、クラスター水滴の受け皿(図1の符号B)に 収される。

 以上のように本発明の実施形態によれば ナノ高温乾燥蒸気を利用して印刷インキの 燥を実現することができる。

 さらに、ナノ高温乾燥蒸気のクラスター 子を数分子~数10分子の範囲に設定すること より、ナノ高温乾燥蒸気を印刷用紙の繊維 アに通過させることで、印刷用紙の加熱を 避し、印刷業界で要求される印刷用紙の含 量を維持したままでインキを乾燥させるこ ができる。

 さらに、ナノ高温乾燥蒸気で印刷面のイ キのみを選択して加熱することができ、し も、インキの内部で分子内振動をさせるた 、インキの乾燥を促進させることができる

 さらに、本発明の実施形態によれば、イ キの乾燥過程で発生する有害気体は、水滴 分裂する場合に付近の空気に電離されるレ ード(Lenard)効果により発生する負イオンと 化学結合、つまりナノ高温乾燥蒸気との衝 によって生成する酸化反応による脱臭効果 、クラスター水滴中に取り込まれる相乗効 によって、インキから発生する有害気体が 業環境に漏出することはなく、作業環境を 潔に保つことができる。さらに、印刷工場 周辺に漏出することはなく、周辺住民の健 を阻害することはなく、職住接近した環境 印刷を行った場合にも、環境の汚染を回避 きるものである。このように、環境にも優 いインキの乾燥処理を提供できるものであ 。

 次に、本発明の実施形態に係る印刷物乾 装置を用いてインキの乾燥を行うための検 を行った。未だかつて、ナノ高温乾燥蒸気 利用して印刷インキの乾燥を実施するにあ っての最も重要な要素を学問的に解析した 文は存在しないが、本発明者は、印刷イン の乾燥を実施するにあたって、考察及び実 を行うことで、前記最も重要な要素は、印 用紙の印刷面上での高温乾燥温度と含水率 であるという結論に至った。

 通常、印刷業界では印刷済みの印刷用紙 含水量は8.5~4.5%の範囲であるとされている 熱風式による乾燥の場合、印刷用紙の含水 が低下してしまう。このとき、(1)静電気の 生、(2)紙面の縮み(歪み)、(3)紙面の膨潤(伸 )、(4)折り曲げ強度の劣化が発生する。

 本発明者は、ナノ高温乾燥空気を用いる とにより、含水率を低下させないインキ乾 が可能であるとの結論に達した。以下、そ 詳細を実験に基づいて説明する。

 A:紙秤量と含水率との関係
 実験では、単票(シングルペーパ)として紙 量180g/m 2 と240g/m 2 を用いた。オフセット用インキ(オフ輪転イ キ)を印刷した後、インキ高温乾燥機を通過 た時の紙面の表面温度と含水率との関係を 7に示す。

 印刷用紙の含水率の測定は、紙分析計K-20 0(メーカ:KETT)を用いた。紙面温度はポケット 射計PC-8400(メーカ:佐藤計量器製作所)を用い た。センサーはサーモパイル式であって、そ の測定範囲は-60~240℃である。紙面とセンサ との測定距離は約30mmに固定して行った。

 実験の結果、同じ含有率であれば、紙秤量 小さい180g/m 2 (薄い単票)の方が、紙秤量の大きな240g/m 2 (厚い単票)より表面温度が高いことが分かる また、紙秤量の含水率は、紙面温度が高い ど低くなる傾向にある。これは単純に、紙 量の小さい(紙厚が薄い)方が熱の吸収が早 ためと考えられる。このことは、紙秤量が さいと熱吸収も早く、放熱も早いと言える 以降、ロール紙印刷を考慮し、実験は紙秤 180g/m 2 を用いて実験を行った。

 B;乾燥チャンバー21の庫内温度と印刷用紙1b 含水率
 庫内温度と紙面の含水率との関係を図8に示 す。図8において、横軸に庫内温度を表記し 。設定値温度は180~210℃の範囲において、10 間隔で測定した。縦軸は、それぞれの温度 測定をしたときの印刷紙面上の含水率を測 した。庫内温度とは、乾燥チャンバー内で ナノ高温乾燥蒸気の温度のことをいう。こ 結果、印刷用紙の送り速度1.8m/minより速い、 3.6m/min(180~360cm/min)の送り速度でも共通してい が、ナノ高温乾燥蒸気によるインキ乾燥で 大きな違いは、紙面温度が高くならないた に、前述した紙面の縮みや膨潤が認められ いことである。

 今回の実験から、要求されている印刷用 の含水率8.5~7.5%の範囲においては、乾燥チ ンバー21内における印刷用紙1bの送り速度3~3. 6m/min、庫内温度180~190℃付近が最適であるこ が判明した。

 C;乾燥チャンバー21の庫内温度と印刷用紙1b 紙面温度
 庫内温度と紙面温度との関係を図9に示す。 庫内温度は、180~210℃の範囲で変化させた。 8から庫内の最適温度は、180~190℃付近が最適 であったことがわかっている。図9により、 内温度180~190℃のときの紙面温度は、70~90℃ 近を示す。ただし、紙面温度は紙秤量によ て異なるので、すべてに該当するわけでは いが、紙秤量180g/m 2 、1.8~3.6m/minにおいては、妥当な数値であると 考えられる。

 一方、庫内温度は高くなるに従って紙面 度も上昇する。また、送り速度は遅いほど 紙面温度が高くなる傾向が顕著に示されて る。したがって、仮に庫内温度を高くして 業するには、紙の送り速度を速くすれば、 的の紙面温度を達成できる。

 D;乾燥チャンバー21内での印刷用紙1bの送り 度と紙面温度
 紙面速度と紙面温度との関係を図9及び図10 示す。印刷用紙1bの送り速度1.8~3.6m/min、紙 温度70~90℃を確保するには、庫内温度は180~19 0℃が最適である。図9及び図10からも、庫内 度を高くすると、紙面温度が高くなる傾向 あることが明らかである。

 E;印刷用紙の表面温度と含水率
 印刷用紙の表面温度と紙面の含水率との関 を図11に示す。印刷用紙の含水率を7.5~9%付 に保つには、印刷用紙の表面温度を70~90℃、 送り速度を3~3.6m/minにすることが重要となる

 このような結果から、逆に印刷用紙の含 率を9~10%にするには、送り速度を3.6m/min以上 にすることが、大きな要素であることが示唆 される。

 F;印刷用紙の送り速度と含水率
 送り速度と紙面の含水率との関係を図12に す。図11と同じように、印刷用紙の含水率を 7~9%に抑えるには、送り速度を3~3.6m/min、庫内 度を180~190℃にすることが重要である。

 つまり、庫内温度を高くすると、印刷用 の含水率を下げてしまうので、庫内温度の 理が重要であると言える。

 G;印刷用紙の上部に設置したパイプ23のノズ ル25と印刷用紙との距離とが及ぼす印刷用紙 紙面温度
 ノズル25と印刷用紙1bとの間の距離とが及ぼ す紙面温度を調べるために、横軸に紙面から のノズル高さをプロットした。ノズル25の高 は印刷用紙1bの紙面から25~65mmに設定した。 軸は、それぞれ温度測定をしたときの印刷 面の表面温度ないし含水率を測定した。図1 3はノズルと紙面距離が及ぼす紙面温度の影 を示す。

 ノズルと紙面距離を25mmに近づけると、紙 の表面温度は高くなり、逆に65mmに遠ざける 、紙の表面温度は低くなる傾向を示した。 れは、ノズルに近いほど乾燥蒸気温度が高 ために、印刷紙が高い温度に曝されるため 考えられる。

 他方、図14に示すように、含水率は高く る傾向を示す。これは、図13に示すナノ高温 乾燥蒸気の温度と深く関連しており、ノズル と印刷紙面とを或る一定距離に保つことによ って、保湿性のある印刷が可能になることを 示唆している。

 H;乾燥チャンバー21の庫内温度と印刷用紙の 送り速度とが及ぼすインキ付着度;
 インキの乾燥程度を定量的に評価するため 「テープ貼り付け法」で採取した。この方 は、以下の手順により、インキ残りを画像 理により、その面積率を求めた。
(1)印刷面をセロファンテープで貼り付ける。
(2)コピー機(RICOH imagio neoC285)のスキャナー機 能を使い、600dpiからでスキャンした。
(3)adobe photoshop6にてトリミング処理を行い、 きい値255で2値化した。
(4)その後、画像ソフトを用いて面積率を求め た。
 庫内温度とインキ付着度(平均)の一例を図15 に示す。単純に黒点が多いほど、インキの未 乾燥を意味し、セロファンテープ側に黒点( ンキ)が転写される。

 テープ貼り付け法によるインキ付着度(画 像処理による2値化)から面積率を求めた結果 庫内温度の関係を図16、インキ付着度と送 速度との関係を図17に示す。

 これらの結果から、インキ付着度が低い 正温度は200℃であった。なお、印刷用紙の り速度については、最も遅い2.4~3.0m/minにお てインキ付着度が低く、優れた性能を示し 。

 なお、インキ付着が210℃の高温乾燥蒸気 悪化した理由は、輪転用インキは200℃を越 ると突沸現象が生じる。このため、通常の 刷では、冷却シリンダで冷却することによ て、インキの固化(固定化)を促進させるが 本装置の場合には冷却シリンダを使用しな ため、インキの流動化が生じたものと考え れる。

 以上の実験の結果からも明らかなように 本発明の実施形態において、ナノオーダに ラスター化したナノ高温乾燥蒸気を用いて 刷用紙のインキの乾燥を促進することは十 に実用をもつことが検証された。

 本発明によれば、ナノ高温乾燥蒸気を用 て印刷物のインキを印刷用紙の保湿性を維 したままで乾燥させることができるもので る。

本発明の実施形態に係る印刷物乾燥装 を適用した印刷装置の一例を示す構成図で る。 本発明の実施形態に係る印刷物乾燥装 におけるクラスター生成手段及び励起手段 示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る印刷物乾燥装 における蒸気生成手段とクラスター生成手 及び励起手段との関係を示す図である。 印刷用紙の繊維ポアを走査電子顕微鏡 観察した写真である。 (a)は本発明の実施形態に係る印刷物乾 装置によるインキの乾燥原理を示す図、(b) 、従来例に係るインキ乾燥原理を示す図で る。 (a)は、本発明の実施形態に係る印刷物 燥装置によるインキの乾燥度を示す特性図 (b)は、従来例に係るインキ乾燥方法におけ インキの乾燥度を示す特性図である。 単票による印刷用紙の表面温度と含水 を示す図である。 単票による庫内設定温度と印刷用紙の 水率との関係を示す図である。 単票による庫内設定温度と印刷用紙の 面温度との関係を示す図である。 単票による印刷用紙の送り速度と印刷 用紙の紙面温度との関係を示す図である。 単票による印刷用紙の紙面温度と含水 率との関係を示す図である。 単票による印刷用紙の送り速度と含水 率との関係を示す図である。 ノズルと印刷用紙との距離が及ぼす印 刷用紙の表面温度を示す図である。 ノズルと印刷用紙との距離が及ぼす印 刷用紙の含水率を示す図である。 テープ貼り付け法によるインキ付着度 を示す図である。 単票による庫内温度とインキ付着度と の関係を示す図である。 単票による印刷用紙の送り速度とイン キ付着度との関係を示す図である。

符号の説明

5 蒸気生成手段
6 クラスター生成手段
7 励起手段