恒川 孝二 (〒50 神奈川県川崎市麻生区栗木2-5-1 キヤノンアネルバ株式会社内 Kanagawa, 21585, JP)
NAGAMINE, Yoshinori (2-5-1 Kurigi Asao-ku, Kawasaki-sh, Kanagawa 50, 21585, JP)
永峰 佳紀 (〒50 神奈川県川崎市麻生区栗木2-5-1 キヤノンアネルバ株式会社内 Kanagawa, 21585, JP)
キヤノンアネルバ株式会社 (〒50 神奈川県川崎市麻生区栗木2-5-1 Kanagawa, 21585, JP)
TSUNEKAWA, Koji (2-5-1 Kurigi Asao-ku, Kawasaki-sh, Kanagawa 50, 21585, JP)
恒川 孝二 (〒50 神奈川県川崎市麻生区栗木2-5-1 キヤノンアネルバ株式会社内 Kanagawa, 21585, JP)
NAGAMINE, Yoshinori (2-5-1 Kurigi Asao-ku, Kawasaki-sh, Kanagawa 50, 21585, JP)
| 第1強磁性層、金属酸化物からなるトンネルバリア層、および第2強磁性層を有するトンネル磁気抵抗素子の製造方法であって、前記トンネルバリア層を作製する工程が、前記第1強磁性層の上に酸素をドープしながら第1の金属層を成膜し、次いで酸素がドープされた前記第1の金属層を酸化処理して酸化物層とし、該酸化物層の上に第2の金属層を成膜することを特徴としたトンネル磁気抵抗素子の製造方法。 |
| 前記第1および第2の金属層がMg(マグネシウム)であることを特徴とした請求項1に記載のトンネル磁気抵抗素子の製造方法。 |
| 前記第1および第2の金属層の成膜方法が、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)のうち少なくとも1種類をスパッタリングガスの主成分とするスパッタリング法であることを特徴とした請求項1に記載のトンネル磁気抵抗素子の製造方法。 |
| 前記第1の金属層の成膜中に酸素をドープする方法として、前記スパッタリングガスに30%以下の酸素ガスを混合することを特徴とした請求項1に記載のトンネル磁気抵抗素子の製造方法。 |
| 前記第1の金属層の成膜中に酸素をドープする方法として、スパッタリングガスの導入口と酸素ガスの導入口を個別に設け、スパッタリングガスの流量と酸素ガスの流量を独立に制御することを特徴とした、請求項1に記載のトンネル磁気抵抗素子の製造方法。 |
| 前記第1の金属層の成膜中に酸素をドープする際、成膜の最初と最後は酸素ガスを導入せずに、成膜の途中にだけ酸素ガスを導入することにより、 前記第1の金属層の中で、酸素ガスを導入して形成された中間層は、酸素ガスを形成させずに形成された前記第1の金属層の下部層及び上部層より酸素濃度の高い状態を実現することを特徴とした請求項5に記載のトンネル磁気抵抗素子の製造方法。 |
| 前記酸素ドープされた第1の金属層を酸化処理する方法として、0.01~10Torrの範囲の酸素圧力雰囲気に曝露することを特徴とした請求項1に記載のトンネル磁気抵抗素子の製造方法。 |
| 前記酸素ドープされた第1の金属層を酸化処理する方法として、活性酸素種を用いたラジカル酸化であることを特徴とした請求項1に記載のトンネル磁気抵抗素子の製造方法。 |
| 前記第2の金属層がMgであって、その膜厚が0.1nm以上0.6nm以下であることを特徴とした請求項1に記載のトンネル磁気抵抗素子の製造方法。 |
| 基板搬送機構を備えた真空搬送チャンバー、 前記真空搬送チャンバーとゲートバルブを介して接続され、少なくとも前記第1強磁性層をスパッタ成膜することが可能な第1のスパッタ成膜チャンバー、 前記真空搬送チャンバーとゲートバルブを介して接続され、前記第1の金属層を酸素混合ガス雰囲気においてスパッタ成膜して酸素ドープされた金属層を形成することが可能な第2のスパッタ成膜チャンバー、 前記搬送チャンバーとゲートバルブを介して接続され、前記酸素ドープされた金属層を酸化処理して酸化物層とすることが可能な酸化処理チャンバー、及び、 前記搬送チャンバーとゲートバルブを介して接続され、少なくとも前記第2の金属層と第2強磁性層をスパッタ成膜することが可能な第3のスパッタ成膜チャンバー、 を有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法を実現するトンネル磁気抵抗素子の製造装置。 |
本発明は、磁気ディスク駆動装置の磁気 生ヘッドおよび磁気ランダムアクセスメモ の記憶素子および磁気センサに関する。
結晶性のMgOをトンネルバリア層としたト ネル磁気抵抗素子は、室温で200%以上の巨大 なMR比(磁気抵抗変化率)を示すことから、磁 ディスク駆動装置の磁気再生ヘッドや磁気 ンダムアクセスメモリ(MRAM)の記憶素子、磁 センサへの応用が期待されている。従来のMg Oをトンネルバリア層としたトンネル磁気抵 素子においては、MgOトンネルバリア層の形 には、MgOの焼結ターゲットを用いたRFマグネ トロンスパッタリング法が用いられていた( 許文献1、非特許文献1~5)。しかしながら、MgO 焼結ターゲットを用いたRFマグネトロンスパ タリングによるMgO形成方法では、規格化ト ネル抵抗値(RA)のバラツキが生じやすいとい う問題があり、デバイス製造時の歩留まりを 著しく低下させる恐れがあった。
このような問題を回避するためにMgO焼結 ーゲットを用いないで、MgOトンネルバリア を形成する方法がいくつか知られている。
TsannらはMgOトンネルバリア層の形成方法と
て、第1に、金属Mg層を成膜し、第2に、酸素
ープした金属Mg層を積層し、第3に、その積
体を酸化処理するという3段階の形成方法を
提案している(特許文献2)。
赴らはMgOトンネルバリア層の形成方法として
、第1Mg層を成膜し、前記第1Mg層を自然酸化法
によってMgO層とし、前記MgO層の上に第2Mg層を
成膜するという3段階の形成方法と、第1Mg層
成膜し、前記第1Mg層上に反応性スパッタに
ってMgO層を形成し、前記MgO層の上に第2Mg層
成膜するという3段階の形成方法を提案して
る(特許文献3)。
洪らはMgOトンネルバリア層の形成方法と て、第1Mg層を成膜し、前記第1Mg層をラジカ 酸化によって第1MgO層とし、前記第1MgO層を ニールして(001)結晶配向性を持たせ、前記第 1MgO層の上に第2Mg層を成膜し、前記第2Mg層を 然酸化して第2MgO層とするという5段階の形成 方法を提案している。洪らはまた、第1Mg層を 成膜し、前記第1Mg層をラジカル酸化によって 第1MgO層とし、前記第1MgO層の上に第2Mg層を成 し、前記第2Mg層をラジカル酸化して第2MgO層 とし、前記第2MgO層の上に第3Mg層を成膜する いう5段階の形成方法も提案している(特許文 献4)。
三浦らはMgOトンネルバリア層の形成方法 して、第1Mg層を成膜し、前記第1Mg層を自然 化し、前記第1Mg層の上に第2Mg層を成膜し、 記第2Mg層を前記第1Mg層の酸化時よりも低い 素圧力で自然酸化するという4段階の形成方 法を提案している(特許文献5)。
DaveらはMgOトンネルバリア層の形成方法と して、金属Mgをプラズマ酸化する方法、金属M gをラジカル酸化する方法、Arと酸素の比を5:3 とした反応性スパッタリング、MgO焼結ターゲ ットを用いたRFスパッタリングの4種類の方法 を紹介している(非特許文献6)。OhらもまたMgO ンネルバリア層の形成方法として、金属Mg ラジカル酸化する方法を紹介している(非特 文献7)。
単に金属Mgを酸化してMgOトンネルバリア層 形成しようとすると、非特許文献6や非特許 献7に紹介されているように、数100ω・μm 2 以下のRAを得ることは困難である。これは金 Mgが酸素雰囲気に曝されると表面に不動態 膜が形成されて、それより深く酸化が進行 にくくなるためと考えられている。
そのため、特許文献4や特許文献5には、 属Mgの成膜と酸化を2回繰り返すことによっ 上記問題を解決する方法が提案されている しかしながら金属Mgの成膜と酸化を2回繰り す方法では、成膜チャンバーと酸化処理チ ンバーを行ったり来たりして生産のスルー ットを著しく低下させてしまうという問題 ある。もしくは、繰り返し搬送によるスル プット低下を避けるために金属Mgの成膜チャ ンバーと酸化処理チャンバーを2チャンバー つ設ける方法が考えられるが、その場合に 装置コストの増加、設置面積の増加などに りデバイスの生産コストを増加させてしま という問題が生じる。
特許文献2と特許文献3の方法においては 較的工程数が少なく済み、スループットや 産コストの問題は解消される。しかしなが 、低RA領域におけるMR比が40%以下と、MgOトン ルバリア層を用いたトンネル磁気抵抗素子 性能が十分に発揮されていない。また、歩 まりに大きく影響するRAのバラツキについ の実施例がないため、生産に適したプロセ かどうか不明である。
本発明は、工程数が比較的少なく、なお つRAの均一性に優れた特性を有するととも 、低RAにおいて高MR比が得られるトンネル磁 抵抗素子の製造方法および製造装置を提供 ることを目的とする。
本発明では、第1強磁性層、金属酸化物か らなるトンネルバリア層、および第2強磁性 を有するトンネル磁気抵抗素子の製造方法 あって、前記トンネルバリア層を作製する 程が、前記第1強磁性層の上に酸素をドープ ながら第1の金属層を成膜し、次いで酸素が ドープされた前記第1の金属層を酸化処理し 酸化物層とし、該酸化物層の上に第2の金属 を成膜することにより、上記課題を解決し 。
本発明によれば、RAのバラツキが少なく 低RAにおいて高MR比が得られるトンネル磁気 抗素子の製造方法および製造装置を提供す ことができる。
本発明の実施の形態について図面を用いて
明する。
図1は、本発明のトンネル磁気抵抗素子の製
造に使用しうるスパッタリング装置の構成を
模式的に示す平面図である。係る装置におい
ては、基板搬送用のロボット28が2機搭載され
た真空搬送室20と、真空搬送室20に接続され
スパッタリング室21乃至24と、基板前処理室2
5と酸化処理室26とロードロック室27から構成
れている。ロードロック室27を除く全ての
屋は2×10 -6
Pa以下の真空室であり、各真空室間の基板の
動は真空搬送ロボット28によって真空中に
行われる。
スピンバルブ型トンネル磁気抵抗薄膜を 成するための基板は、初め大気圧にされた ードロック室27に配置され、ロードロック 27を真空排気した後、真空搬送ロボット28に って所望の真空室に搬送される。
一例として、後述する実施例で作製した磁
固定層として積層フェリ固定層を有するボ
ム型のスピンバルブ型トンネル磁気抵抗薄
を製造する場合について説明する。
図2は本実施形態に係るトンネル磁気抵抗素
子の断面模式図である。
図2を参照して各層の具体的構成を説明す る。下部電極層2は、Ta(5nm)/CuN(20nm)/Ta(3nm)/CuN(20 nm)/Ta(3nm)の積層構造を有する。反強磁性層3が PtMn(15nm)、磁化固定層4がCoFe(2.5nm)/Ru(0.85nm)/CoFeB (3nm)からなる積層フェリ固定層であり、4bのCo FeBが第1強磁性層に相当する。トンネルバリ 層6がMgO(1.5nm)である。磁化自由層7がCoFeB(3nm) 、第2強磁性層に相当する。保護層8として 、Ta(8nm)/Cu(30nm)/Ta(5nm)/Ru(7nm)の積層構造を使用 する。尚、( )内は膜厚を示す。
PtMn層は、アニールによって規則化し反強 磁性が発現するように、スパッタリングター ゲットの組成と成膜条件(ガス種、ガス圧、 入電力)を調整して、Pt含有量が47~51(atomic%)と なるようにPtMn層を形成する。
上記のような膜構成を効率的に成膜するた に、次のようにスパッタリングターゲット 各スパッタリング室に配置する。スパッタ ング室21にはTa(タンタル)、Cu(銅)を、スパッ タリング室22には、Co 70 Fe 30 (コバルト-鉄)、PtMn(プラチナ-マンガン)、Ru( テニウム)、Co 60 Fe 20 B 20 (コバルト-鉄-ボロン)を、スパッタリング室23 にはMgをそれぞれスパッタリングターゲット2 1a~21b、22a~22d、23aとして配置する。また、ス ッタリング室24にはTa、Co 60 Fe 20 B 20 、Mg、Ru、Cuをスパッタリングターゲット24a~24 eとして配置する。
本発明において最も複雑な膜構成である積
フェリ構造を持ったスピンバルブ型トンネ
磁気抵抗薄膜は、次のようにして形成され
。
初めに、基板1を基板前処理室25に搬送し、
スパッタエッチングにより、大気中で汚染
れた表面層の約2nmを物理的に除去する。そ
後、基板1をスパッタリング室21に搬送して
Ta/CuN/Ta/CuN/Taの積層構造からなる下部電極層
2を成膜する。この時、CuNの成膜時にはCuター
ゲットを用い、スパッタリングガスとしてAr
他に微量の窒素を添加することによってCuN
形成している。その後、基板をスパッタリ
グ室22に移動してPtMn/CoFe/Ruからなる反強磁
層3及びCoFeBからなる磁化固定層4(第1強磁性
)を成膜する。なお、ここで、反強磁性層3と
してPtMnの代わりにIrMn(イリジウム-マンガン)
用いてもよく、その場合はIrMn層の下地層9
してRu層を用いるのが好ましい。そのような
場合、スパッタリング室22で成膜される膜構
は、Ru/IrMn/CoFe/Ru/CoFeBとなる。
次に、トンネルバリア層の形成方法を説 する。第1強磁性層となるCoFeBまでをスパッ リング室22で成膜した後、基板1をスパッタ ング室23に移動して酸素をドープしながら 属Mgを成膜する。酸素のドープ方法の例とし ては、スパッタリングガスとしてArと酸素を いる。なお、ここで、混入させる酸素ガス 、スパッタリングガスの30%以下にすること 好ましい。これは、Mgターゲットの表面酸 を抑制するためである。
それぞれ個別のガス導入口を真空室に設 ており、Arと酸素の流量を個別に制御しな らガスを導入する。酸素ドープ時における 素ガスの導入のタイミングとしては、スパ タリングガスのArの導入タイミングと常に同 じにする必要はなく、Arの導入タイミングよ 遅らせたり、Arの停止タイミングよりも早 たりしても良い。
次に、基板1を酸化処理室26に移動し酸化 理を行う。酸化処理の方法としては自然酸 とラジカル酸化のどちらを用いても良い。 然酸化の場合は、酸素雰囲気の圧力を0.01~10 Torrに維持し、所定の時間放置する。ラジカ 酸化の場合は、酸素雰囲気の中で電極に高 波を印加して酸素プラズマを発生させ、長 10mm程度、直径1mm程度の穴が複数個空いたシ ワープレートを通過させることによってプ ズマ中の荷電粒子以外の粒子(活性酸素種お よび酸素)を基板に照射させる。
次いで、基板1をスパッタリング室24に移 し、Mg/CoFeB/Ta/Cu/Ta/Ruを成膜する。Mgの膜厚は 0.1nm以上0.6nm以下とすることが好ましい。こ することにより、図11を用いて後述するよう に、100%以上のMR比を発現することができる。
この後、作製したトンネル磁気抵抗薄膜 、磁場中アニール炉に入れ、強さ8kOe以上の 一方向に平行な磁場を印加しながら、真空中 にて所望の温度と時間でアニール処理を行う 。経験的には250℃以上360℃以下であり、低温 の場合には5時間以上の長時間を、高温の場 には2時間以下の短時間が好ましい。
なお、上述の実施形態においては、スパ タリングガスとして、Ar(アルゴン)を主成分 としたが、これに限定されるものではなく、 例えば、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Kr(クリプ ン)、Xe(キセノン)のうち少なくとも1種類を 成分とするスパッタリングガスを用いても い。
次に本発明の実施例について図面を用い 説明する。
(実施例1)
図3は、本発明に係る製造方法および製造装
置を用いて作製したトンネル磁気抵抗素子の
膜構成図である。反強磁性層3として厚さ7nm
IrMnを用い、その下地層9として5nmのRu層を使
した以外は、図2の膜構成と同じである。
図4を参照して、本実施例に係るトンネルバ
リア層の形成方法を説明する。
図4は、本実施例によるトンネルバリア層の
形成フローである。
ステップS401においては、前述した実施形態
と同様にして、第1強磁性層までを成膜した
ステップS403においては、第1強磁性層とな
CoFeB層の上に、1.2nmの金属Mgを15sccmのArガスと
5sccmの酸素を独立に導入した雰囲気中で成膜
た(混合した酸素濃度は25%である)。次いで
テップS405においては、酸化処理室で0.1Torrま
たは1Torrの酸素雰囲気に60~600秒放置して酸化
理した。
最後に、ステップS407においては、Arガスを1
5sccmのみ導入した雰囲気中で0.2nmの金属Mgを成
膜した。その後、ステップS409においては、Co
FeB/Ta/Cu/Ta/Ruまで成膜してトンネル磁気抵抗素
子の成膜を終了した。
本トンネル磁気抵抗素子は成膜後に磁場 アニール炉に入れ、真空中で1Tの磁場を印 しながら360℃で2時間の磁場中アニール処理 行った。
図5a、および図5bは、本トンネル磁気抵抗素 子のMR比およびRAを酸化時間に対してプロッ したグラフである。図5aに示すように、いず れの酸化条件においても100%を超えるMR比が得 られていることがわかる。図5bに示すように RAについては、いずれの酸化条件において 酸化時間が増すにつれてRAが増大しているが 、0.1Torrの低圧条件の方が1Torrの高圧条件に比 べて約半分の値に低くなっている。最も低い RAが得られたのは、0.1Torr条件で60秒の酸化処 を行った時で、2.6ωμm 2 のRAで121%のMR比を達成している。
なお、MR比とRAは、12端子プローブを用い Current-In-Plane-Tunneling(CIPT)法によって測定し 。CIPT法の測定原理はD.C.Worledge,P.L.Trouilloud,「 アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)」,83(2003),84-86に記載されている 。
(実施例2)
図6は、第1の金属層成膜時に酸素をドープ
る際、成膜の初期と最後に酸素ガスの混合
止めた場合のトンネルバリア層の形成フロ
を示している。この時、第1の金属層を酸化
る方法としてラジカル酸化を用いた。トン
ル磁気抵抗素子の膜構成は、図2の膜構成を
用いた。
以下に、図6を参照してトンネルバリア層の
形成フローを説明する。
ステップS601においては、前述した実施形態
と同様にして、第1強磁性層までを成膜した
ステップS603においては、以下の3つの工程
経て、第1強磁性層上に第1の金属層を成膜し
た。すなわち第1の金属層の成膜初期段階は
酸素ガスを導入せずに、Arガス雰囲気で第1
金属層を成膜した(第1の金属層の下部層)。
膜中期段階において、Arガスと酸素ガスを導
入した雰囲気で第1の金属層を成膜した(第1の
金属層の中間層)。さらに成膜後期段階は、
素ガスを導入せずに、Arガス雰囲気で第1の
属層を成膜した(第1の金属層の上部層)。こ
することにより、第1強磁性層および第2強磁
性層が酸化されてしまうことを抑制すること
ができる。
以下、上記ステップS603をより詳細に説明す
る。
まず初めに、スパッタリング室23の中で第1
磁性層となるCoFeB層の上に1.2nmの金属Mg(第1
金属層)を成膜する。
この1.2nmの金属Mg層成膜時の投入Powerとシャッ
ター開閉とArガス導入と酸素ガス導入の概略
イムチャートを図7に示す。まず初めにMgタ
ゲットのついたカソードへのパワー投入と
空チャンバー内へのArガスの導入をほぼ同
に行いプラズマを発生させる。投入するパ
ーはDC50W,導入するArガスの流量は100sccmであ
。このプリスパッタ時間においては、ター
ットと基板の間に配置されたシャッターは
じているので、基板には膜が付着しない。
次に、シャッターを開けて成膜を開始する 。膜厚が0.6nmに達したら(第1の金属層の下部 に相当する)、5sccm(酸素濃度=4.76%)の酸素ガス を導入し、Mg層に微量の酸素をドープする。M g層の膜厚が1.0nmに達したら(第1の金属層の中 層に相当する)酸素の導入を停止する。引き 続き、残りの0.2nmのMg層をAr雰囲気中で成膜し (第1の金属層の上部層に相当する)、1.2nmの第1 の金属層の成膜を完了する。
なお、本実施例においては、第1の金属層 の成膜初期段階と成膜後期段階において、酸 素を導入せず、Ar雰囲気で第1の金属層を成膜 したが、必ずしも両段階で行う必要はなく、 どちらか一方の成膜段階だけ酸素を導入せず 、Ar雰囲気で第1の金属層を成膜する方法を採 用してもよい。
次に、ステップS605においては、基板を酸 化処理室26へ移動しラジカル酸化する。ラジ ル酸化時には真空チャンバー内に700sccmの酸 素ガスを導入し、電極に300WのRFパワーを投入 した。酸化時間は10秒とした。
最後に、ステップS607もおいては、基板を スパッタリング室24に移動し、0.3nmの金属Mg( 2の金属層に相当する)を成膜する。次いでス テップS609においては、前述の実施形態と同 にして、第2強磁性層以降を成膜した。
図8は、本方法によって作製したトンネル磁 気抵抗素子のRAとMR比の関係を示したグラフ ある。比較のために、第1の金属Mg層成膜時 酸素を導入しない場合のデータもプロット た。第1の金属Mg層成膜時に酸素を導入し、 属Mg層に酸素をドープすることによって、2.5 ωμm 2 の低RAで86%の高MR比を達成することができた
(実施例3)
図9は、実施例2で使用したトンネル磁気抵
素子の膜構成およびMgOトンネルバリアの形
方法と同様のトンネル磁気抵抗素子におい
、ラジカル酸化の酸化時間のみを100秒とし
時のRAの基板面内分布を示したグラフである
。横軸は直径300mmウエハの中心からの距離で
る。比較のためにMgOの焼結ターゲットからR
FスパッタリングによってダイレクトにMgOト
ネルバリアを形成したトンネル磁気抵抗素
のRA分布も載せた。これによれば、本発明の
方法によって形成したトンネル磁気抵抗素子
のRA分布は1.6%であり、MgO焼結ターゲットのRF
パッタリングによる方法のRA分布9.4%よりも
らかに良い結果であることがわかる。
(実施例4)
図10もまた実施例2で使用したトンネル磁気
抗素子の膜構成およびMgOトンネルバリアの
成方法と同様のトンネル磁気抵抗素子であ
て、ラジカル酸化の酸化時間のみを20秒と
た時のRAの基板間バラツキを示したグラフで
ある。横軸は連続処理した基板の枚数である
。比較のためにMgOの焼結ターゲットからRFス
ッタリングによってダイレクトにMgOトンネ
バリアを形成したトンネル磁気抵抗素子のR
Aバラツキも載せた。これによれば、本発明
方法によって形成したトンネル磁気抵抗素
の基板間RAバラツキは1.3%であり、MgO焼結タ
ゲットのRFスパッタリングによる方法のRAバ
ツキ6.7%よりも明らかに良い結果であること
がわかる。
(実施例5)
図10は、実施例1の磁気トンネル素子におい
、第2の金属Mg層の膜厚を変えた時のMR比を
したグラフである。第2の金属Mg層を成膜す
ことによって著しくMR比が増大することがわ
かった。本結果から第2に金属層として成膜
る金属Mg層の膜厚は0.1nm以上0.6nm以下が好ま
い。こうすることにより、100%以上のMR比を
現することができる。
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