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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR EVALUATING COMPOUND USING PKC-iota
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026584
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to find a target gene for an antitumor agent effective specifically in a cancer cell caused by abnormality of p53 or PI3 kinase, and to realize the evaluation of a compound using the gene. A method for evaluating a compound effective in the treatment of cancer characterized by comprising the steps of: preparing a cell expressing PKC-iota by introducing a PKC-iota gene; bringing a test compound into contact with the cell; and detecting a specific binding of the test compound to the PKC-iota. A method for evaluating a compound having the step of measuring the activity or expression level of an intracellular signal transducer induced by the contact instead of the detection step.

Inventors:
BAMBA, Rie (3, Okubo, Tsukuba-shi, Ibaraki 11, 3002611, JP)
番場 理恵 (〒11 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株式会社 つくば研究所内 Ibaraki, 3002611, JP)
EGUCHI, Tomohiro (3, Okubo, Tsukuba-shi, Ibaraki 11, 3002611, JP)
江口 朋宏 (〒11 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株式会社 つくば研究所内 Ibaraki, 3002611, JP)
KOMATANI, Hideya (3, Okubo, Tsukuba-shi, Ibaraki 11, 3002611, JP)
駒谷 秀也 (〒11 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株式会社 つくば研究所内 Ibaraki, 3002611, JP)
Application Number:
JP2007/066653
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 28, 2007
Export Citation:
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Assignee:
BANYU PHARMACEUTICAL CO., LTD. (KITANOMARU SQUARE, 1-13-12 Kudan-kita, Chiyoda-ku, Tokyo 67, 1028667, JP)
萬有製薬株式会社 (〒67 東京都千代田区九段北一丁目13番12号 北の丸スクエア Tokyo, 1028667, JP)
BAMBA, Rie (3, Okubo, Tsukuba-shi, Ibaraki 11, 3002611, JP)
番場 理恵 (〒11 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株式会社 つくば研究所内 Ibaraki, 3002611, JP)
EGUCHI, Tomohiro (3, Okubo, Tsukuba-shi, Ibaraki 11, 3002611, JP)
江口 朋宏 (〒11 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株式会社 つくば研究所内 Ibaraki, 3002611, JP)
KOMATANI, Hideya (3, Okubo, Tsukuba-shi, Ibaraki 11, 3002611, JP)
International Classes:
C12Q1/02; C12Q1/48; C12Q1/68; G01N33/15; G01N33/50; C12N15/09
Attorney, Agent or Firm:
BANYU PHARMACEUTICAL CO., LTD. (KITANOMARU SQUARE, 1-13-12 Kudan-kita, Chiyoda-ku, Tokyo 67, 1028667, JP)
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Claims:
 癌の治療に有効な化合物の評価方法であって、
 PKC-iota遺伝子を導入し、PKC-iotaを発現する細胞を調製する工程と、
 該細胞に被検化合物を接触させる工程と、
 該PKC-iotaに対する該被検化合物の特異的結合を検出する工程と、を含むことを特徴とする化合物の評価方法。
 癌の治療に有効な化合物の評価方法であって、
 PKC-iota遺伝子を導入し、PKC-iotaを発現する細胞を調製する工程と、
 該細胞に被検化合物を接触させる工程と、
 該接触により生じた細胞内情報伝達物質の活性を測定する工程と、
 該活性と被検化合物を接触させない場合の該細胞内情報伝達物質の活性とを比較する工程と、を含むことを特徴とする化合物の評価方法。
 癌の治療に有効な化合物の評価方法であって、
 PKC-iota遺伝子を導入し、PKC-iotaを発現する細胞を調製する工程と、
 該細胞に被検化合物を接触させる工程と、
 該PKC-iotaの発現レベル又はPKC-iotaを介した細胞内情報伝達物質の発現レベルを測定する工程と、
を含むことを特徴とする化合物の評価方法。
 前記細胞内情報伝達物質が、BAD、LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKからなる群より選択されるいずれか一つである、請求項2又は3に記載の化合物の評価方法。
 癌の治療に有効な化合物の評価方法であって、
 被検化合物を、PKC-iotaに接触させる工程と、
 該接触によるPKC-iotaの活性の変化を検出する工程と、を含むことを特徴とする化合物の評価方法。
 癌の治療に有効な化合物の評価方法であって、
 BAD又はLLGL2存在下で、被検化合物をPKC-iotaに接触させる工程と、
 該接触によるPKC-iotaの活性の変化を検出する工程と、を含むことを特徴とする化合物の評価方法。
 前記癌がp53の機能異常に起因することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物の評価方法。
 前記癌がPI3キナーゼ(Phosphatidyl Inositol 3-kinase)の機能異常に起因することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物の評価方法。
 被検組織又は被検細胞における、PKC-iota遺伝子の発現量を測定する工程と、
 該発現量と正常組織又は正常細胞におけるPKC-iota遺伝子の発現量とを比較する工程と、
 比較した結果、被検組織又は被検細胞におけるPKC-iota遺伝子の発現量が正常組織又は正常細胞におけるPKC-iota遺伝子の発現量より有意に多いか否かを判断する工程と、を含む癌の診断方法。
 被検組織又は被検細胞における、PKC-iotaの活性を測定する工程と、
 該活性と正常組織又は正常細胞におけるPKC-iotaの活性とを比較する工程と、
 比較した結果、被検組織又は被検細胞におけるPKC-iotaの活性が正常組織又は正常細胞におけるPKC-iotaの活性より有意に高いか否かを判断する工程と、を含む癌の診断方法。
 PKC-iota阻害剤を投与した被検体由来の組織におけるPKC-iotaの活性を測定する測定工程と、
 PKC-iota阻害剤投与前後の活性を比較する比較工程を含む、PKC-iota阻害剤の効果の予測又は診断方法。
 PKC-iota阻害剤の薬効を予測又は診断する遺伝子マーカーであって、
 該遺伝子が、BAD、LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKからなる群より選択されるいずれか一つである、遺伝子マーカー。
 請求項12に記載の遺伝子マーカーを備える、マイクロアレイ。
 PKC-iota阻害剤の薬効を予測又は診断するタンパク質マーカーであって、
 該タンパク質が、BAD、LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKからなる群より選択されるいずれか一つである、タンパク質マーカー。
 請求項14に記載のタンパク質マーカーを備える、マイクロアレイ。
請求項14に記載のタンパク質マーカーを検出可能な抗体を含む、癌診断キット。
 請求項14に記載のタンパク質マーカーを検出可能な抗体を備える、抗体アレイ。
 PKC-iota阻害剤を投与した被検体由来の組織におけるHMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKからなる群より選択されるいずれか一つの遺伝子を検出する工程と、
 PKC-iota阻害剤投与前後の発現量を比較する工程を含む、PKC-iota阻害剤の効果の予測又は診断方法。
 前記検出に用いる検出手段がPCR又はDNAマイクロアレイである、請求項18に記載のPKC-iota阻害剤の効果の予測又は診断方法。
 PKC-iota阻害剤を投与した被検体由来の組織におけるHMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKからなる群より選択されるいずれか一つのタンパク質の活性を測定する工程と、
 PKC-iota阻害剤投与前後の活性を比較する工程を含む、PKC-iota阻害剤の効果の予測又は診断方法。
 PKC-iota阻害剤を投与した被検体由来の組織におけるBAD又はLGLL2のリン酸化レベルを測定する工程と、
 PKC-iota阻害剤投与前後のリン酸化レベルを比較する工程を含む、PKC-iota阻害剤の効果の予測又は診断方法。
Description:
PKC-iotaを用いた化合物の評価方

 本発明は、PKC-iotaを用いた化合物の評価 法及び当該方法によって得られた化合物に する。また、PKC-iota阻害剤の効果を予測する 遺伝子・タンパク質マーカーに関する。

 癌細胞において遺伝子に異常が見られる とは広く知られており、これまでに多くの 遺伝子や癌抑制遺伝子が見出されている。 た、正常細胞が癌化するには複数の遺伝子 異常を要する多段階発癌機構が存在するこ が明らかにされている。具体的には、正常 胞の癌化には、DNA修復遺伝子、癌抑制遺伝 及び癌遺伝子を含む複数の遺伝子異常の蓄 が必要とされている。

 なかでも、癌抑制遺伝子として知られるp 53は、当初、腫瘍ウイルスであるSV40のT抗原 複合体を形成する分子として発見された(非 許文献1)。その後、p53遺伝子が多くの癌で 失が見られる17番染色体の短腕(17p13)に存在 、対立遺伝子の双方が欠失と変異により不 性化されている癌抑制遺伝子であることが らかとなった(非特許文献2)。また、その遺 子産物は393アミノ酸からなる転写制御因子 、4量体を形成して機能することが明らかと っている。さらに、細胞周期に関与するp21 14-3-3、アポトーシスに関与するbax、PIG3、GAD D45等、非常に多くの遺伝子がp53の標的遺伝子 として同定されており、p53に異常が生じるこ とにより標的遺伝子の転写制御に異常を来た すと考えられる。

 実際、p53遺伝子の変異は、肺癌では70%、 癌では45%、乳癌では30%、大腸癌では65%、膀 癌では61%、膵臓癌では70%にのぼることが明 かとなっており、他の癌抑制遺伝子と比較 ても顕著に高い。

 このような状況の下、p53遺伝子の変異や 能異常と疾患との関連に関する研究が盛ん なされている。例えば、Soussiらは15000例以 にのぼるp53の変異をデータベース化してお (非特許文献3)、p53のDNA結合ドメイン領域内 位置するコドン175、245、248、273等には変異 頻発することを示している。また、ある種 肝細胞癌では、DNA結合ドメイン内のコドン24 9にはArgからSerへの変異が認められることが らかにされている(非特許文献4)。また、紫 線によって生じる皮膚癌においてもp53遺伝 中のCCがチミンダイマー化していることが報 告されている(非特許文献5)。このように、p53 は多くの癌の発症に大きな影響を及ぼしてい るため、p53異常細胞においてのみ有効な創薬 標的遺伝子の同定が望まれている。

 一方、PI3キナーゼは、85kD(p85)と110kD(p110) サブユニットからなる。p85サブユニットは ナーゼ活性部位を有さないが、p85サブユニ トに存在するSH2ドメインを介して膜結合受 体と会合するアダプタータンパク質として 能している。一方、p110サブユニットは、キ ーゼ活性を有する触媒サブユニットとして 能し、両サブユニットが一体となって細胞 情報伝達を司るリン酸化酵素として機能し いる。

 PI3キナーゼは、様々な増殖因子受容体を した刺激によって活性化され、ホスファチ ルイノシトール-4,5-二燐酸(PIP2)をリン酸化 て、ホスファチジルイノシトール-3,4,5-三燐 (PIP3)を生成し、さらに下流の主にAktを介す シグナルを活性化する。Aktも癌遺伝子とし 知られる分子である。また、PIP3を基質とし てPI3キナーゼ経路を負に制御している癌抑制 遺伝子PTENの変異も癌化の原因となることが られており、PI3キナーゼ経路の異常は癌化 重要な役割を果たしている。PI3キナーゼは 正常細胞においてPIP3を介して下流に存在す PDK1、Akt、プロテインキナーゼCを活性化す ことが報告されている(非特許文献6)。また atypical PKCの一種であるプロテインキナーゼC -zetaはPDK-1によって活性化されるとの報告も る(非特許文献8)。さらに、atypical PKCの一種 あるプロテインキナーゼC-zetaとプロテイン ナーゼC-lambdaとがインシュリン刺激によっ 活性化されたPI3キナーゼの下流に位置する とが報告されている(非特許文献9)。

 また、p53の変異はPTENの発現を減少させる ことも知られており、p53パスウェイとPI3キナ ーゼパスウェイとは互いにクロストークしな がら、細胞の増殖、生存に不可欠な役割を果 たしている。

 PI3キナーゼ(Phosphatidyl Inositol 3-kinase)もp53 と同様にその変異が種々の癌の原因となって いることが知られている。例えば、子宮内膜 癌、腸癌、乳がん、卵巣癌など、多くの癌に おいてp85及びp110のいずれのサブユニットに 変異が見られることが報告されている(非特 文献7)。

 一方、PKC(Protein kinase C)は、1970年代に発見 れたセリン-スレオニンリン酸化酵素である 。PKCは、受容体刺激等によって細胞質膜から 産生されるジアシルグリセロールと、同時に 産生されるイノシトール三リン酸によって誘 導されたCa 2+ により活性化される。活性化されたPKCは、基 質タンパク質をリン酸化することにより所定 の細胞応答を生じさせ、生理機能を発揮させ る。哺乳類のPKCはその構造上の違いから大き く、cPKC(conventional PKC)、nPKC(novel PKC)及びaPKC(a typical PKC)の3種類に分類される。cPKCの調節領 域には、ジアシルグリセロールやホルボール エステルが作用する2つのC1ドメインと、カル シウムが結合するC2ドメインが存在するが、n PKCにはC2ドメインが、aPKCには一つのC1ドメイ が欠損している。

 PKC-iota(PKC-ι:配列番号1及び2)はaPKCに分類 れるセリン-スレオニンリン酸化酵素として 既知のPKCの触媒部位において塩基配列が高 に保存された部位の配列を元にdegenerate PCR より単離された(非特許文献10)。PKC-iotaは587 ミノ酸からなるタンパク質であり、aPKCに属 するPKC-ζと72%の相同性を有する。

 PKC-iotaの生理機能に関してはまだ不明な が多いが、Jin Z.らは、ニコチン(nicotine)のニ トロソ化によって生じる発癌物質であるNitros amine 4-(Methylnitrosamine)-1-(3-pyridyl)-1-butanone (NNK) が、PKC-iotaを介してBcl2ファミリーに属するBad をリン酸化することによりBadのアポトーシス 促進機能を止め、結果的に肺癌細胞の生存を 維持すると報告している(非特許文献11)。す わち、PKC-iotaは、癌細胞の生命維持を司るシ グナル伝達経路において、アポトーシスを誘 導するBclファミリーを直接リン酸化している 。

J.Virol.、第31巻、463頁、1979年 N.Engl.J.Med.、第319巻、525頁、1988年 Nucleic.Acids.Res.、第22巻、3551頁、1994年 Nature、第350巻、427頁、1991年 PNAS、第88巻、10124頁、1991年 Science、第281巻、2042頁、1998年 Cancer Cell、第12巻、104頁、2007年 Curr. Biol.、第8巻、1069頁、1998年 J. Cell Biol.、第164巻、279頁、2004年 J.Biol.Chem.、第268巻、24296頁、1993年 J.Biol.Chem.、第280巻、16045頁、2005年

 しかしながら、PKC-iotaとp53との関連につ ては何ら知見がなく、PKC-iotaをp53変異細胞特 異的に有効な抗癌剤標的遺伝子とすることの 可能性については何ら示唆がないのが現状で あった。またPKC-iotaとPI3キナーゼとの間には 常細胞においてPI3キナーゼの下流でPKC-iota aPKCが機能していることを示す報告はあった のの(非特許文献6、8及び9)、癌細胞におけ PKC-iotaの活性化の機序については知見がなく 、PKC-iotaの発現とPI3キナーゼに起因する癌と 関連についても知見はないのが現状であっ 。また、p53又はPI3キナーゼの異常を原因と る癌細胞で特異的に有効な抗癌剤標的遺伝 についても知見が少なく、創薬標的遺伝子 してより多くの情報が望まれているのが現 であった。

 本発明は、上記従来技術の有する課題に みてなされたものであり、p53又はPI3キナー の異常を原因とする癌細胞で特異的に有効 抗癌剤標的遺伝子を見出し、当該遺伝子を いた化合物の評価を可能とすることを目的 する。

 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭 研究を重ねた結果、PKC-iotaの発現を抑制す ことにより変異型p53又は変異型PI3キナーゼ 有する細胞の増殖が抑制されること、その 、PKC-iotaがBADのリン酸化を介して細胞増殖を 制御していること、すなわち、PKC-iotaの阻害 よってBADが脱リン酸化され、Bcl-XLの機能抑 を介してアポトーシスを誘導していること 見出した。言い換えれば、p53又はPI3キナー に変異を有する癌細胞において、PKC-iotaの 現又は活性を阻害することによりアポトー スを誘導可能であることを見出し、本発明 完成した。また、本発明者らは、PKC-iotaを阻 害することにより発現が増加又は減少し、PKC -iota阻害剤の薬効予測のマーカーとして使用 得る一連の遺伝子群を見出し、本発明を完 した。

 すなわち、本発明の化合物の評価方法は 癌の治療に有効な化合物の評価方法であっ 、PKC-iota遺伝子を導入し、PKC-iotaを発現する 細胞を調製する工程と、当該細胞に被検化合 物を接触させる工程と、当該PKC-iotaに対する 被検化合物の特異的結合を検出する工程と を含むことを特徴とする。

 また、本発明の化合物の評価方法は、癌 治療に有効な化合物の評価方法であって、P KC-iota遺伝子を導入し、PKC-iotaを発現する細胞 を調製する工程と、当該細胞に被検化合物を 接触させる工程と、当該接触により生じた細 胞内情報伝達物質の活性を測定する工程と、 当該活性と被検化合物を接触させない場合の 該細胞内情報伝達物質の活性とを比較する工 程と、を含むことを特徴とする。

 さらに、本発明の化合物の評価方法は、 の治療に有効な化合物の評価方法であって PKC-iota遺伝子を導入し、PKC-iotaを発現する細 胞を調製する工程と、当該細胞に被検化合物 を接触させる工程と、当該PKC-iotaの発現レベ 又はPKC-iotaを介した細胞内情報伝達物質の 現レベルを測定する工程と、を含むことを 徴とする。

 ここで、上記化合物の評価方法において 前記細胞内情報伝達物質が、BAD、LLGL2、HMGB3 、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKからな 群より選択されるいずれか一つであること 好ましい。

 また、本発明の化合物の評価方法は、癌 治療に有効な化合物の評価方法であって、 検化合物を、PKC-iotaに接触させる工程と、 該接触によるPKC-iotaの活性の変化を検出する 工程と、を含むことを特徴とする。

 さらに、本発明の化合物の評価方法は、 の治療に有効な化合物の評価方法であって BAD又はLLGL2存在下で、被検化合物をPKC-iotaに 接触させる工程と、当該接触によるPKC-iotaの 性の変化を検出する工程と、を含むことを 徴とする。

 ここで、上述した化合物の評価方法すべ において、癌がp53の機能異常に起因するも である場合に好適に適応可能である。

 また、上述した化合物の評価方法すべて おいて、癌がPI3キナーゼ(Phosphatidyl Inositol  3-kinase)の機能異常に起因するものである場合 に好適に適応可能である。

 また、本発明の診断方法は、被検組織又 被検細胞における、PKC-iota遺伝子の発現量 測定する工程と、当該発現量と正常組織又 正常細胞におけるPKC-iota遺伝子の発現量とを 比較する工程と、比較した結果、被検組織又 は被検細胞におけるPKC-iota遺伝子の発現量が 常組織又は正常細胞におけるPKC-iota遺伝子 発現量より有意に多いか否かを判断する工 と、を含むことを特徴とする。

 さらに、本発明の診断方法は、被検組織 は被検細胞における、PKC-iotaの活性を測定 る工程と、当該活性と正常組織又は正常細 におけるPKC-iotaの活性とを比較する工程と、 比較した結果、被検組織又は被検細胞におけ るPKC-iotaの活性が正常組織又は正常細胞にお るPKC-iotaの活性より有意に高いか否かを判 する工程と、を含むことを特徴とする。

 また、本発明のPKC-iota阻害剤の効果の予 又は診断方法は、PKC-iota阻害剤を投与した被 検体由来の組織におけるPKC-iotaの活性を測定 る測定工程と、PKC-iota阻害剤投与前後の活 を比較する比較工程を含むことを特徴とす 。

 さらに、本発明の遺伝子マーカーは、PKC- iota阻害剤の薬効を予測又は診断する遺伝子 ーカーであって、当該遺伝子が、BAD、LLGL2、 HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKから なる群より選択されるいずれか一つであるこ とを特徴とする。

 ここで、前記遺伝子マーカーを備えるマ クロアレイも本発明に含まれる。

 また、本発明のタンパク質マーカーは、P KC-iota阻害剤の薬効を予測又は診断するタン ク質マーカーであって、当該タンパク質が LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF 1LKからなる群より選択されるいずれか一つで あることを特徴とする。

 ここで、前記タンパク質マーカーを備え マイクロアレイも本発明に含まれる。

 また、本発明の癌診断キットは、前記タ パク質マーカーを検出可能な抗体を含むこ を特徴とする。

 さらに、本発明の抗体アレイは、前記タ パク質マーカーを検出可能な抗体を備える とを特徴とする。

 また、本発明のPKC-iota阻害剤の効果の予 又は診断方法は、PKC-iota阻害剤を投与した被 検体由来の組織におけるHMGB3、NFIB、PXDN、CLDN1 2、RPIA、AKT3及びSNF1LKからなる群より選択され るいずれか一つの遺伝子を検出する工程と、 PKC-iota阻害剤投与前後の発現量を比較する工 を含むことを特徴とする。

 ここで、本発明のPKC-iota阻害剤の効果の 測又は診断方法において、検出に用いる検 手段がPCR又はDNAマイクロアレイであること 好ましい。

 また、本発明のPKC-iota阻害剤の効果の予 又は診断方法は、PKC-iota阻害剤を投与した被 検体由来の組織におけるHMGB3、NFIB、PXDN、CLDN1 2、RPIA、AKT3及びSNF1LKからなる群より選択され るいずれか一つのタンパク質の活性を測定す る工程と、PKC-iota阻害剤投与前後の活性を比 する工程を含むことを特徴とする。

 さらに、本発明のPKC-iota阻害剤の効果の予 又は診断方法は、PKC-iota阻害剤を投与した被 検体由来の組織におけるBAD又はLGLL2のリン酸 レベルを測定する工程と、PKC-iota阻害剤投 前後のリン酸化レベルを比較する工程を含 ことを特徴とする。

 p53又はPI3キナーゼの発現・機能異常を原 とする癌に特異的に働くターゲット遺伝子 してPKC-iotaが見出されたことから、当該遺 子を創薬標的とする化合物の評価(例えば、 薬候補化合物のスクリーニング)が可能とな る。p53又はPI3キナーゼの発現・機能の異常を 原因とする癌は非常に多種に渡ることから、 多くの癌の治療に有効な化合物の提供が可能 となる。また、PKC-iotaの発現量を指標として 断を行うことにより、p53又はPI3キナーゼの 現・機能の異常を原因とする癌の診断が可 となる。また、PKC-iota阻害剤の薬効予測の ーカーとしてBAD、LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN1 2、RPIA、AKT3及びSNF1LKを使用することが可能と なる。

 以下、本発明の好適な実施形態について 細に説明する。

 先ず、本発明にかかる用語について説明 る。

 本発明における「PKC-iota」とは、由来と る生物種は特に限定されず、例えば、ヒト サル、マウス、ラット、イヌ又はウサギ由 のPKC-iotaが挙げられる。中でも、評価される 化合物の投与対象がヒトであることから、ヒ トPKC-iota遺伝子であることが好ましい。

 また、本発明に係るPKC-iota遺伝子には、PK C-iotaと同等の生理機能を有し、キナーゼ活性 を有するものであれば1又は2以上の塩基の置 、欠失、付加又は挿入がある遺伝子も含ま る。ここで、当該遺伝子としては、かかる ンパク質をコードする遺伝子であればその 列は特に制限されないが、相同性が90%以上( 例えば、91、92、93、94、95、96、97、98、99%以 )であることが好ましい。

 また、本発明に係るPKC-iota遺伝子には、PK C-iota遺伝子とストリンジェントな条件下でハ イブリダイズする核酸も含まれる。ここで、 「ストリンジェントな条件でハイブリダイズ する」とは、二つの核酸断片が、Molecular Clon ing:A Laboratory Manual、第2版、コールドスプリ グハーバー(1989)、9.47-9.62及び11.45-11.61に記 されたハイブリダイゼーション条件下で、 互にハイブリダイズすることを意味する。 り具体的には、例えば、約45℃にて6.0×SSCで イブリダイゼーションを行った後に、50℃ て2.0xSSCで洗浄する条件が挙げられる。スト ンジェンシー選択のため、洗浄工程におけ 塩濃度を、例えば低ストリンジェンシーと ての約2.0xSSC、50℃から、高ストリンジェン ーとしての約0.2×SSC、50℃まで選択すること ができる。さらに、洗浄工程の温度を低スト リンジェンシー条件の室温、約22℃から、高 トリンジェンシー条件の約65℃まで上昇さ ることができる。

 また、本発明に係るPKC-iotaタンパク質に 、PKC-iotaと同等の生理機能を有し、キナーゼ 活性を有するものであれば1又は2以上のアミ 酸の置換、欠失、付加又は挿入があるもの 含まれる。ここで、当該タンパク質の配列 特に制限されないが、相同性が80%以上であ ことが好ましく、90%以上(例えば、91、92、93 、94、95、96、97、98、99%以上)であることがよ 好ましい。

 本発明者らは、PKC-iotaの発現を阻害する とにより変異型p53又はPI3キナーゼを有する 胞の増殖が抑制されることを見出した。p53 はPI3キナーゼの発現量は細胞の癌化と密接 関連があることが知られている。従って、PK C-iotaの発現量や活性を測定することにより、 p53又はPI3キナーゼに異常を有する癌の検出を することが可能となる。また、PKC-iotaの発現 とp53の変異又はPI3キナーゼの発現量ととの に相関があることから、p53又はPI3キナーゼ 発現量の異常を原因とするp53又はPI3キナー の機能異常による細胞の癌化とPKC-iotaの発 又は活性とは密接な関係を示す。従って、PK C-iotaを創薬の標的としてPKC-iotaに作用する化 物等を探索することにより、抗癌剤を得る とが可能となる。

 ここで、本発明に係る「p53の機能異常」 は、p53遺伝子における塩基の欠失(例えばナ ンセンス変異)、置換(例えば、ミスセンス変 、ポイントミューテーション)、挿入、フレ ームシフト等を原因とするものが考えられる が、本発明の対象としては、機能異常の原因 は特に限定されず、これらのいずれが機能異 常の原因であってもよい。

 また、p53の機能異常の具体例としては、p 53タンパク質の転写活性が低下又は活性化す 場合や、転写が全く起こらない場合が挙げ れるが、活性には異常を認めないがコード れる遺伝子には変異を生じている場合も含 れる。具体的には、例えば、p53との関与が 唆されているLi-Fraumeni Syndrome(Science、第250 、1233頁、1990年)、肝細胞癌(Nature、第350巻、3 77頁、1991年)、骨原性肉腫(Proc Natl Acad Sci US A、第84巻、7716頁、1987年)、横紋筋肉種(Proc Na tl Acad Sci USA、第87巻、5863頁、1990年)、結腸 (Science、第244巻、217頁、1989年)、肺癌(Science 第246年、491頁、1989年)、グリア芽細胞腫(Am. J. Hum. Genet.、第47巻(suppl.)、A4、1990年)、食 癌(Proc Natl Acad Sci USA、第87巻、9958頁、1990 )、膀胱癌(Science、第252巻、706頁、1991年)、 平上皮癌(Proc Natl Acad Sci USA、第88巻、10124 、1991年)、子宮頚癌(Lancet、第339巻、1070頁、 1992年)、肺癌(Proc Natl Acad Sci USA、第89巻、72 62頁、1992年)、白血病・リンパ腫(J Clin Invest. 、第90巻、653頁、1992年)が挙げられる。

 また、本発明に係る「PI3キナーゼの機能 常」とは、PI3キナーゼ遺伝子における塩基 欠失(例えばナンセンス変異)、置換(例えば ミスセンス変異、ポイントミューテーショ )、挿入、フレームシフト等を原因とするも のが考えられるが、本発明の対象としては、 機能異常の原因は特に限定されず、これらの いずれが機能異常の原因であってもよい。

 また、PI3キナーゼの機能異常の具体例と ては、PI3キナーゼの活性が低下又は活性化 る場合や、リン酸化が全く起こらない場合 挙げられるが、活性には異常を認めないが ードされる遺伝子には変異を生じている場 も含まれる。具体的には、例えば、子宮内 癌、腸癌、乳がん、卵巣癌、が挙げられる

 本発明における「被検組織」とは、癌の 査対象となる生体から抽出可能な組織であ 、p53の関与を検討する必要のある癌組織や 癌診断の必要があると認められる組織であ ばその種類は特に限定されない。かかる組 の例としては、ヒトの各種組織のほか、例 ば、神経芽腫、網膜芽細胞腫、脳腫瘍、頭 部癌、下垂体腺腫、神経膠腫、聴神経鞘腫 口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、甲状腺癌、胸腺 、中皮腫、乳癌、肺癌、胃癌、食道癌、大 癌、肝臓癌、膵臓癌、膵内分泌腫瘍、胆道 、陰茎癌、外陰癌、腎盂尿管癌、腎臓癌、 巣癌、前立腺癌、膀胱癌、子宮癌、絨毛性 患、膣癌、卵巣癌、卵管癌、卵巣胚細胞腫 、皮膚癌、菌状息肉症、悪性黒色腫、軟部 腫、骨腫瘍、悪性リンパ腫、白血病、骨髄 形成症候群、多発性骨髄腫、リンパ浮腫が われる組織が挙げられる。

 また、本発明における「被検細胞」も同 に、癌の検査対象となる生体から抽出可能 組織であり、p53の関与を検討する必要のあ 癌組織由来の細胞や、癌診断の必要がある 認められる組織由来の細胞であればその種 は特に限定されない。かかる細胞の例とし は、例えば、神経芽腫、網膜芽細胞腫、脳 瘍、頭頸部癌、下垂体腺腫、神経膠腫、聴 経鞘腫、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、甲状腺 、胸腺腫、中皮腫、乳癌、肺癌、胃癌、食 癌、大腸癌、肝臓癌、膵臓癌、膵内分泌腫 、胆道癌、陰茎癌、外陰癌、腎盂尿管癌、 臓癌、精巣癌、前立腺癌、膀胱癌、子宮癌 絨毛性疾患、膣癌、卵巣癌、卵管癌、卵巣 細胞腫瘍、皮膚癌、菌状息肉症、悪性黒色 、軟部肉腫、骨腫瘍、悪性リンパ腫、白血 、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、リン 浮腫が疑われる細胞が挙げられる。

 (1)化合物の評価
 PKC-iota遺伝子又はタンパク質を用いて、PKC-i otaに作用する化合物の評価をすることができ る。PKC-iotaに対する作用を検出する方法とし 、被検化合物のPKC-iotaに対する特異的結合( えば、酵素活性の阻害を生じる結合)を検出 する方法、被検化合物の接触によって変化し た遺伝子の発現量を検出する方法、及び、当 該接触によって生じた細胞内情報伝達物質の 活性又は発現レベルを測定する方法が挙げら れる。以下、順に説明する。

 先ず、被検化合物のPKC-iotaに対する特異 結合を検出することにより、被検化合物を 価する方法について説明する。

 本発明の第1の化合物の評価方法は、PKC-iota 伝子を導入し、PKC-iotaを発現する細胞を調 する工程と、当該細胞に被検化合物を接触 せる工程と、当該PKC-iotaに対する当該被検化 合物の特異的結合を検出する工程と、を含む ことを特徴とする。
本発明の化合物の評価方法において、被検化 合物としては特に制限はなく、具体的には、 例えば、天然化合物、有機化合物、無機化合 物、タンパク質、ペプチド等の単一化合物、 並びに、化合物ライブラリー、遺伝子ライブ ラリーの発現産物、細胞抽出物、細胞培養上 清、発酵微生物産生物、海洋生物抽出物、植 物抽出物、原核細胞抽出物、真核単細胞抽出 物若しくは動物細胞抽出物等を挙げることが できる。上記被験試料は必要に応じて適宜標 識して用いることができる。標識としては、 例えば、放射標識、蛍光標識等を挙げること ができる。また、上記被験試料に加えて、こ れらの被験試料を複数種混合した混合物も含 まれる。

 また、「特異的結合」とは、PKC-iotaと被 化合物との結合であって、被検化合物がPKC-i otaに結合することにより、PKC-iotaの活性及び/ 又は発現に影響を与えるような結合をいう。

 また、PKC-iota遺伝子を発現する細胞は、 業者が公知の方法で調製すればよく、具体 な方法としては特に制限はないが、例えば 下の方法によることができる。すなわち、PK C-iota遺伝子又はその一部からなる核酸を好適 なプロモーター及び転写調節エレメントを含 む発現ベクターにクローニングし、クローニ ングされた核酸を有するベクターを宿主細胞 に導入することにより調製する。ここで、前 記ベクターとしては、発現ベクターとして利 用可能なものであれば特に限定されないが、 例えば、pCMV-Tag、pcDNA3.1、pBlueBacHis2、pCI-neo、p cDNAI、pMC1neo、pXT1、pSG5、pEF1/V5-HisB、pCR2.1、pET1 1、λgt11又はpCR3.1が挙げられる。

 次に、PKC-iota遺伝子又はその一部からな 核酸が導入された発現ベクターを宿主細胞 導入する。かかる宿主細胞としては、遺伝 の発現に通常使用されるものであれば特に 定されず、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞 微生物のいずれであってもよく、具体的に 、例えば、COS1、COS7、CHO、NIH/3T3、293、Raji、C V11、C1271、MRC-5、CPAE、HeLa、293T又はSf9が挙げ れる。また、発現ベクターを宿主細胞に導 する方法としては、公知の方法であれば特 限定されないが、具体的には、例えば、エ クトロポレーション、リン酸カルシウム法 DEAE-デキストラン法、リポフェクション法又 は遺伝子銃が挙げられる。

 次に、このようにして調製したPKC-iotaを 現する細胞に被検化合物を接触させる。接 させる方法としては特に制限はなく、PKC-iota が細胞内に発現した状態であれば、細胞の培 養液や細胞を含む緩衝液に被験試料を添加す ることにより行うことができる。

 また、上記のようにして調製したPKC-iotaを 現する細胞を破砕又は可溶化した後、細胞 出液を用いてPKC-iotaと被検化合物の接触を行 うこともできる。細胞の破砕方法としては、 例えば、ホモジナイザーで細胞を押しつぶす 方法、超音波による破砕を挙げることができ る。また、細胞の可溶化方法としては、例え ば、可溶化剤(例えば、TritonX-100、コール酸ナ トリウム、NP-40)を含む緩衝液に細胞を懸濁し 、氷上で静置する方法を挙げることができる 。
被験試料がタンパク質の場合には、例えば、 当該タンパク質をコードするDNAを含むベクタ ーを、PKC-iotaが発現している細胞へ導入する とにより接触させてもよい。

 PKC-iotaと被検化合物との結合は、例えば 結合した化合物に付された標識による検出( えば、結合量を放射活性や蛍光強度による 出)のほか、PKCiotaが基質タンパク質(例えば BAD、LLGL2)又は基質ペプチドをリン酸化する 応を被検化合物が阻害することを指標とし 検出(例えば、リン酸化量を放射活性や蛍光 強度を用いた検出)、また、被検化合物のPKC-i otaへの結合によって生じたシグナル伝達の阻 害(例えば、BAD等の基質タンパク質のリン酸 、アポトーシスの誘導)を指標に検出するこ ができる。基質としてBADを用いる場合、BAD おいてリン酸化を受ける部位は112番目、136 目及び155番目のアミノ酸であることが本発 者らによって見出されている。従って、当 部位を含んだBADの部分ペプチドを基質とし 使用することもできる。

 PKC-iotaと被検化合物との結合を検出し、 検化合物非存在下において同様に反応を行 た対照区の結果と比較した結果、結合によ PKC-iotaの活性が阻害されている場合には、当 該被検化合物はPKC-iota阻害剤として機能する

 また、本発明の第2の化合物の評価方法は 、PKC-iota遺伝子を導入し、PKC-iotaを発現する 胞を調製する工程と、当該細胞に被検化合 を接触させる工程と、当該接触により生じ 細胞内情報伝達物質の活性を測定する工程 、当該活性と被検化合物を接触させない場 の細胞内情報伝達物質の活性とを比較する 程と、を含むことを特徴とする。

 本評価方法においては、第1の化合物の評 価方法と同様にして調製した細胞を用い、細 胞に披検化合物を接触させることにより接触 により生じた細胞内情報伝達物質の活性を測 定する。

 ここで、細胞内情報伝達物質としては、 報伝達パスウェイにおいてPKC-iotaの下流に 置し、PKC-iotaの発現や活性によってその発現 や活性に影響を受ける分子であれば特に限定 されず、例えば、BAD(Accession No. NM_032989.1:配 番号3及び4)、LLGL2(Accession No. NM_001031803:配 番号5及び6)、HMGB3(Accession No. NM_005342:配列番 号7及び8)、NFIB(Accession No. NM_005596:配列番号9 び10)、PXDN(Accession No. NM_012293:配列番号11及 12)、CLDN12(Accession No. NM_012129:配列番号13及 14)、RPIA(Accession No. NM_144563:配列番号15及び16 )、AKT3(Accession No. NM_005465:配列番号17及び18) びSNF1LK(Accession No. NM_173354:配列番号19及び20) を挙げることができる。

 細胞内情報伝達物質の活性の測定は、当 物質の種類に応じて適宜好適な条件で行え よい。例えば、転写調節因子であるHMGB3で れば、ゲルシフト法や比色法のELISAアッセイ により活性測定を行うことができる。また、 BADであれば、PKC-iotaが活性化していればそれ よってBADの112番目、136番目及び155番目のア ノ酸がリン酸化を受け、脱リン酸化するこ によってBcl-xlの活性を抑制することから、B cl-xlの活性抑制活性を測定することによりBAD 活性化状態を測定することができる。

 さらに、本発明の第3の化合物の評価方法 は、PKC-iota遺伝子を導入し、PKC-iotaを発現す 細胞を調製する工程と、当該細胞に被検化 物を接触させる工程と、当該PKC-iotaの発現レ ベル又はPKC-iotaを介した細胞内情報伝達物質 発現レベルを測定する工程、を含むことを 徴とする。また、化合物の評価を行った結 、所望の化合物を選択(スクリーニング)す には、接触前と比較して、PKC-iotaの発現レベ ル又はPKC-iotaを介した細胞内情報伝達物質の 現レベルを増加又は減少させた被検化合物 選択する工程をさらに含んでいてもよい。

 本評価方法においては、第1の化合物の評 価方法と同様にして調製した細胞を用い、細 胞に披検化合物を接触させることにより、接 触により生じたPKC-iota又はPKC-iotaを介した細 内情報伝達物質の発現レベルを測定する。

 ここで、PKC-iotaを介した細胞内情報伝達 質としては、情報伝達パスウェイにおいてPK C-iotaの下流に位置し、PKC-iotaの発現や活性に ってその発現や活性に影響を受ける分子で れば特に限定されず、例えば、BAD、LLGL2、HM GB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3又はSNF1LKを挙 ることができる。

 ここで、当該発現レベルを指標とする場 、発現レベルの測定法は特に制限されない 、例えば、ノーザンブロッティング、ウェ タンブロッティング又はDNAチップが挙げら る。ここで、本発明における「発現レベル とは、PKC-iotaを介した情報伝達パスウェイ に存在するタンパク質をコードする遺伝子 転写産物の絶対量又は相対量をいう。この 合、当該遺伝子にはDNA又はmRNAのいずれもが まれる。また、発現の検出対象がタンパク の場合、その「発現レベル」とは、PKC-iota 介した情報伝達経路上に存在するタンパク の翻訳産物の絶対量又は相対量をいう。ま 、シグナル伝達上の分子の活性を指標にす 場合、活性測定方法は特に制限されず、測 の対象となる分子の種類によって好適な方 を選択すればよい。

 一方、単離されたPKC-iotaタンパク質を化 物の評価に直接使用することもできる。す わち、被検化合物をPKC-iotaタンパク質に接触 させ、次に、接触によって生じたPKC-iotaタン ク質の活性の変化を検出する方法である。

 かかる接触の方法としては特に制限はな 、具体的には、例えば、緩衝液(リン酸緩衝 液、Tris塩酸緩衝液、HEPES緩衝液等)等の溶液 で混合することにより接触させる方法や、PK C-iotaタンパク質をメンブレン上に固定し、メ ンブレン上で被検化合物と接触させる方法が 挙げられる。緩衝液中で接触させる場合の反 応条件としては、特に限定されないが、例え ば、pH5.0~10、好ましくはpH6.5~8.5、さらに好ま くはpH7.0~8.0で、通常、10~50℃、好ましくは20 ~40℃、より好ましくは35~40℃、さらに好まし は37℃の条件下、1分間~24時間、好ましくは5 分間~10時間、より好ましくは10分間~3時間、 らに好ましくは30分間~1時間インキュベーシ ンすることが挙げられる。

 次に、接触によって生じたPKC-iotaの活性 変化を検出する。

 タンパク質の活性測定方法としては、使用 るタンパク質の性質により所望の方法を選 すればよく、具体的には、例えば、PKC-iota 対する適当な基質を準備し、溶媒中でPKC-iota 、基質及び被検化合物の存在下でキナーゼア ッセイを実施する方法が挙げられる。この場 合、酵素反応の確認は放射性標識されたリン (例えば、 32 P、 33 P)の取り込み等で確認することができる。

 また、PKC-iotaタンパク質の活性を測定す 際に、基質としてBAD又はLLGL2を用いることも できる。PKC-iotaはBAD及びLLGL2を基質として直 リン酸化していることを、本発明者らは見 している。その際、BADであれば、PKC-iotaによ って少なくともBADの112番目、136番目及び155番 目のアミノ酸がリン酸化を受けていることか ら、当該アミノ酸を含む部分ペプチドを基質 として使用することもできる。また、LGLL2で れば、PKC-iotaによって少なくともLLGL2の653番 目のセリンがリン酸化を受けていることから 、当該セリンを含む部分ペプチドを基質とし て使用することもできる。ここで、基質とし て当該部分ペプチドを使用する場合、そのア ミノ酸数は特に限定されないが、BAD及びLGLL2 いずれについても、8~50アミノ酸であること が好ましく、10~30アミノ酸であることがより ましく、12~20アミノ酸であることが特に好 しい。

 BADを基質として使用しPKC-iotaの活性を測定 る方法としては、公知のリン酸化検出手段 より行うことができるが、例えば、放射性 識されたリン(例えば、 32 P)の取り込みを確認するキナーゼアッセイ、 ン酸化BAD抗体を使用したウエスタンブロッ を挙げることができる。リン酸化BAD抗体は 公知の方法により作製することができ、例 ば、BADの112番目、136番目及び155番目のアミ 酸のうち少なくともいずれかのアミノ酸を むペプチド断片を抗原として使用し、公知 方法に従ってポリクローナル又はモノクロ ナル抗体を作製すればよい。

 LGLL2を基質として使用しPKC-iotaの活性を測定 する方法としては、公知のリン酸化検出手段 により行うことができるが、例えば、放射性 標識されたリン(例えば、 32 P、 33 P)の取り込みを確認するキナーゼアッセイ、 ン酸化LGLL2抗体を使用したウエスタンブロ トを挙げることができる。リン酸化LGLL2抗体 は、公知の方法により作製することができ、 例えば、LGLL2の653番目のセリンを含むペプチ 断片を抗原として使用し、公知の方法に従 てポリクローナル又はモノクローナル抗体 作製すればよい。

 以上のように、本発明の化合物の評価方 により化合物の評価をした結果、被検化合 の存在下におけるPKC-iotaの活性が、被検化 物の非存在下における結合活性(対照)より低 い値を示した場合には、当該被検化合物は、 本発明に係るPKC-iotaとリガンドとの結合を阻 する活性を有するアンタゴニストと判定さ る。アンタゴニストは、PKC-iotaに対するリ ンド及びそのアナログが有する生理活性を 制する。このため、アンタゴニストは、p53 機能異常に基づき、PKC-iotaを介したシグナル 伝達系の異常などに起因する癌の治療などの ための医薬組成物として有用である。

 また、本発明の化合物の評価方法により、P KC-iotaへの被検化合物結合後の細胞内シグナ 伝達を促進又は阻害する物質のスクリーニ グを行うことができる。すなわち、本発明 化合物の評価方法によって複数の被検化合 を評価することにより、アゴニスト又はア タゴニストとして機能する化合物を選択す ことができる。かかる選択の結果、被検化 物非存在下においてリガンド及びそのアナ グを作用させた場合の下流へのシグナル伝 の変化と比較して、その変化が抑制されれ 、当該被検化合物は、PKC-iotaへの被検化合物 結合後の下流へのシグナル伝達を阻害する化 合物であると判定される。逆に、被検化合物 が細胞内シグナル伝達を増強させれば、当該 化合物は、PKC-iotaへの被検化合物結合後の細 内シグナル伝達を促進する化合物であると 定される。このようなスクリーニング方法 よって選択された化合物は、p53の機能異常 起因する癌の治療及び診断に有効である。
(2)PKC-iotaリガンド
 (1)において説明した本発明の化合物の評価 法により、PKC-iotaリガンドを単離すること できる。かかるリガンドは単独で抗癌作用 有する薬剤として使用できる。

 PKC-iotaリガンドとなり得る被検化合物と ては特に制限はなく、例えば、天然化合物 有機化合物、無機化合物、タンパク質、ペ チド等の単一化合物、PKC-iotaの抗体、アンチ センス、RNAi又はリボザイムが挙げられる。 のようなPKC-iotaリガンドとしては、具体的に は、例えば、myristoylated atypical PKC pseudosubstr ate inhibitor peptide(BIOSOURCE社)が挙げられる。

 本発明のPKC-iotaリガンドをヒトや他の動 の医薬として使用する場合には、これらの 質自体を直接患者に投与する以外に、公知 製剤学的方法により製剤化して投与を行う とも可能である。例えば、必要に応じて糖 を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤 マイクロカプセル剤として経口的に、ある は水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得 液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤 形で非経口的に使用できる。例えば、薬理 上許容される担体若しくは媒体、具体的に 、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、 濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形 、ベヒクル、防腐剤、結合剤等と適宜組み わせて、一般に認められた製薬実施に要求 れる単位用量形態で混和することによって 剤化することが考えられる。

 錠剤、カプセル剤に混和することができ 添加剤としては、例えば、ゼラチン、コー スターチ、トラガントガム、アラビアゴム ような結合剤、結晶性セルロースのような 形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギ 酸のような膨化剤、ステアリン酸マグネシ ムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖又はサッ リンのような甘味剤、ペパーミント、アカ ノ油又はチェリーのような香味剤が用いら る。調剤単位形態がカプセルである場合に 、上記の材料にさらに油脂のような液状担 を含有することができる。注射のための無 組成物は注射用蒸留水のようなベヒクルを いて通常の製剤実施に従って処方すること できる。

 注射用の水溶液としては、例えば生理食 水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張 、例えばD-ソルビトール、D-マンノース、D- ンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、 当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体 にはエタノール、ポリアルコール、例えば ロピレングリコール、ポリエチレングリコ ル、非イオン性界面活性剤、例えばポリソ ベート80(TM)、HCO-50と併用してもよい。

 油性液としてはゴマ油、大豆油があげら 、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベ ジルアルコールと併用してもよい。また、 衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリ ム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカ ン、安定剤、例えばベンジルアルコール、 ェノール、酸化防止剤と配合してもよい。 製された注射液は通常、適当なアンプルに 填させる。

 患者への投与は、例えば、動脈内注射、 脈内注射、皮下注射などのほか、鼻腔内的 経気管支的、筋内的、経皮的、または経口 に当業者に公知の方法により行いうる。投 量は、患者の体重や年齢、投与方法などに り変動するが、当業者であれば適当な投与 を適宜選択することが可能である。また、 該化合物がDNAによりコードされうるもので れば、当該DNAを遺伝子治療用ベクターに組 み、遺伝子治療を行うことも考えられる。 与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症 などにより変動するが、当業者であれば適 選択することが可能である。

 化合物の投与量は、症状により差異はあ が、経口投与の場合、一般的に成人(体重60k gとして)においては、1日あたり約0.1から100mg 好ましくは約1.0から50mg、より好ましくは約 1.0から20mgであると考えられる。

 非経口的に投与する場合は、その1回の投与 量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法に よっても異なるが、例えば注射剤の形では通 常成人(体重60kgとして)においては、通常、1 当り約0.01から30mg、好ましくは約0.1から20mg より好ましくは約0.1から10mg程度を静脈注射 より投与するのが好都合であると考えられ 。
(3)癌の分子診断方法
 被検組織におけるPKC-iotaの発現量又は活性 測定して正常組織におけるPKC-iotaの発現量又 は活性と比較をすることにより、その組織が 癌化しているか否かを予測・診断することが できる。

 本発明の第1の癌の分子診断方法は、被検 組織又は被検細胞における、PKC-iota遺伝子の 現量を測定する工程と、当該発現量と正常 織又は正常細胞におけるPKC-iota遺伝子の発 量とを比較する工程と、比較した結果、被 組織又は被検細胞におけるPKC-iota遺伝子の発 現量が正常組織又は正常細胞におけるPKC-iota 伝子の発現量より有意に多いか否かを判断 る工程と、を含むことを特徴とする。

 本発明の第1の癌の分子診断方法において 、先ず、被検組織又は被検細胞におけるPKC-io ta遺伝子の発現量を測定する。遺伝子の発現 の測定の方法としては特に制限はないが、 えば、被検組織又は被検細胞から抽出したm RNAを鋳型としてRT-PCRを行う方法、前記遺伝子 がプロットされたマイクロアレイを用いる方 法、ノーザンブロットが挙げられる。ここで 、遺伝子の「発現量」とは、遺伝子転写産物 の絶対量又は相対量をいい、相対量の場合は 、後述する正常組織における発現量との相対 的な比較において当該遺伝子の発現量を決定 すればよい。

 次に、上記の方法により測定した遺伝子 発現量と正常組織又は正常細胞における対 遺伝子の発現量とを比較する。

 ここで、「正常組織又は正常細胞」とは 被検組織又は被検細胞と比較の対象となる 織又は細胞であればその由来は特に限定さ ず、健常人由来であっても癌患者由来であ てもよい。また、被検組織の近辺に存在す 正常組織又は正常細胞であってもよい。

 本工程においては、被検組織又は細胞に 現するPKC-iota遺伝子と正常組織又は細胞に 現するPKC-iota遺伝子(対応遺伝子)の発現量を 較するが、発現量の絶対量を比較してもよ 、また、比較による相対値を算出してもよ 。

 次に、比較した結果、被検組織又は被検 胞における遺伝子の発現量が正常組織又は 常細胞における遺伝子の発現量より有意に いか否かを判断する。

 前記の有意差の判断手法としては特に制 はないが、当業者に公知の統計学的手法を いて検定すればよい。

 被検組織又は被検細胞と、正常組織又は 常細胞における前記遺伝子の発現量の比較 結果、有意差をもって被検組織又は被検細 において発現が高いと認められた場合には 該被検組織又は被検細胞におけるp53又はPI3 ナーゼの発現量にに変異を有する可能性が く、p53又はPI3キナーゼの変異に起因して当 組織又は細胞が癌化している可能性がある 判断できる。

 また、本発明の第2の癌の分子診断方法は 、被検組織又は被検細胞における、PKC-iotaの 性を測定する工程と、当該活性と正常組織 は正常細胞におけるPKC-iotaの活性とを比較 る工程と、比較した結果、被検組織又は被 細胞におけるPKC-iotaの活性が正常組織又は正 常細胞におけるPKC-iotaの活性より有意に多い 否かを判断する工程と、を含むことを特徴 する。

 PKC-iotaは細胞内で自己リン酸化すること より活性化することが知られている。すな ち、PKC-iotaのリン酸化状態を測定することに より、その活性化の状態を知ることができる 。

 本発明の第2の癌の分子診断方法において 、先ず、被検組織又は被検細胞における、PKC -iotaの活性を測定する。活性の測定の方法と ては特に制限はないが、例えば、被検組織 は被検細胞の抽出液に存在するPKC-iotaを単 又は抽出液ごと用い、これを適当な基質と 媒中でリン酸化反応を生じせしめ、その活 を測定すればよい。この場合、酵素反応の 認は放射性又は蛍光標識されたリン酸の取 込み等で確認することができる。

 次に、上記の方法により測定した遺伝子 活性と正常組織又は正常細胞におけるPKC-iot aの活性とを比較する。

 活性を比較した結果、被検組織又は被検 胞におけるPKC-iotaの活性が正常組織又は正 細胞におけるPKC-iotaの活性より有意に強いか 否かを判断する。

 前記の有意差の判断手法としては特に制 はないが、当業者に公知の統計学的手法を いて検定すればよい。

 被検組織又は被検細胞と、正常組織又は 常細胞におけるPKC-iotaの活性の比較の結果 有意差をもってPKC-iotaの活性が上昇している 場合には、当該組織又は細胞におけるp53又は PI3キナーゼの機能又は発現量にに変異を有す る可能性が高く、p53又はPI3キナーゼの変異に 起因して当該組織又は細胞が癌化している可 能性があると判断できる。

 (4)遺伝子マーカー
 本発明の遺伝子マーカーは、PKC-iota阻害剤 薬効を予測又は診断する遺伝子マーカーで って、当該遺伝子が、BAD、LLGL2、HMGB3、NFIB、 PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKからなる群より 選択されるいずれか一つの遺伝子又は該遺伝 子と実質的に同等の機能を有する遺伝子であ ることを特徴とする。

 本発明の「遺伝子マーカー」とは、評価 象となるPKC-iota阻害剤の薬効や生体に対す 作用の指標となるものをいい、具体的には PKC-iota阻害剤の作用によって発現量や活性が 変化する遺伝子又はこれらに関連する物質( えば、DNA及びRNA並びにこれらの断片)をいう

 また、本発明の遺伝子マーカーには、BAD LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3又はSN F1LKの一部からなるポリヌクレオチドも含む このようなポリヌクレオチドは、BAD、LLGL2、 HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3又はSNF1LK遺伝 子から転写されたRNA、これから産生されるcDN A、ならびにこれらの遺伝子由来の配列を有 る合成核酸であってもよい。

 本発明者らは、本発明の遺伝子マーカー 発現がPKC-iotaの発現を抑制することによっ 増加又は減少することを確認している。す わち、PKC-iotaの発現を抑制することによって 、SNF1LK、CLDN12及びRPIAの3遺伝子は発現が増加 、HMGB3、NFIB、PXDN及びAKT3の4遺伝子は発現が 少する。また、PKC-iotaのキナーゼ活性依存 にBADの112番目、136番目及び155番目のアミノ 、又はLLGL2の653番目のセリンがリン酸化を受 けることも本発明者らにより見出されている ことから、PKC-iotaの活性が阻害されることに りBAD及び/又はLLGL2もリン酸化を受けないか あるいは脱リン酸化される。従って、BAD及 /又はLLGL2のリン酸化状態もまたPKC-iota阻害 の遺伝子マーカーとして使用可能である(BAD びLGLL2のリン酸化の検出については(5)タン ク質マーカーの項で述べる。)。

 本発明の遺伝子マーカーは、PKC-iota阻害 の投与により生体内組織中でその発現が増 又は減少する。PKC-iota阻害剤の薬効を予測又 は診断する場合には、遺伝子マーカーが発現 している任意の組織における当該遺伝子マー カーの発現量を測定すればよいが、サンプル の入手が容易であるとの観点から血液又は皮 膚組織における発現量を測定することが好ま しい。

 また、本発明の遺伝子マーカーの発現量 測定方法としては特に制限はないが、具体 には、例えば、ノーザンブロット法、定量 RT-PCR法、DNAマイクロアレイによってmRNA量を 測定することによりその発現量を定量するこ とができる。

 ここで、前記ノーザンブロット法に使用す プローブとしては、本発明の遺伝子マーカ であるBAD、LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA 、AKT3又はSNF1LK遺伝子を検出可能なプローブ あればよく、具体的には、これらの遺伝子 塩基配列の部分配列又は全部を使用するこ ができる。また、当該プローブの塩基数に いても特に制限はないが、少なくとも連続 る20塩基の長さの核酸であることが好ましく 、より好ましくは40塩基、さらに好ましくは6 0塩基、特に好ましくは80塩基以上のものが使 用される。また、当該プローブは、必要に応 じて検出可能なように標識して用いてもよい 。具体的には、例えば、 32 P、 14 C、 125 I、 3 H、 35 S等の放射性同位体で標識されていてもよく ビオチン、蛍光色素、酵素、金コロイド等 標識されていてもよい。

 また、前記定量的RT-PCR法に使用するプラ マーとしては、本発明の遺伝子マーカーで るBAD、LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT 3又はSNF1LK遺伝子を検出可能なプライマーで ればよく、その塩基数は特に制限されず、 ライマーの塩基配列や単離する遺伝子の塩 配列等によって適宜設定することができる 、一般に、連続した10~60塩基であることが好 ましく、15~30塩基であることがより好ましい また、その塩基配列は、検出の対象となるB AD、LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3又 SNF1LK遺伝子の塩基配列に基づいて決定する

 また、前記DNAマイクロアレイによって本 明の遺伝子マーカーの発現量を測定する場 、BAD、LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT 3又はSNF1LK遺伝子のうちの少なくとも一つの 伝子又は当該遺伝子の部分核酸がスポット れたDNAマイクロアレイを準備し、測定を行 ばよい。

 また、本発明の遺伝子マーカーは、PKC-iot a阻害剤の薬効を予測又は診断するために用 られる。すなわち、PKC-iota阻害剤を生体に投 与した後、当該遺伝子マーカーの発現量を測 定し、投与前の発現量と比較して発現量が増 加又は減少している場合に、当該阻害剤がPKC -iota特異的に作用し所定の薬効を発揮してい と認定することができる。すなわち、SNF1LK CLDN12及びRPIAの3遺伝子については発現が増 した場合に、HMGB3、NFIB、PXDN及びAKT3の4遺伝 については発現が減少した場合にPKC-iota阻害 剤が所定の薬効を発揮すると認定することが できる。具体的には、SNF1LK、CLDN12及びRPIAの3 伝子については、PKC-iota阻害剤を投与後、 発明の遺伝子マーカーの発現が増加してい ば、仮にPKC-iota阻害剤の薬効が目に見える状 態(例えば、癌症状の改善)に至っていない場 や、癌組織が非常に小さく、X線撮影のよう な従来の診断方法では診断が困難な場合であ っても、阻害剤の薬効が発揮されるであろう と予測できる。一方、SNF1LK、CLDN12及びRPIAの3 伝子については、PKC-iota阻害剤を投与後、 発明の遺伝子マーカーの発現が減少してい ば、同様に阻害剤の薬効について予測する とができる。また、PKC-iota阻害剤を薬剤とし て開発する段階において健常人を対象に臨床 試験を行う場合、本発明の遺伝子マーカーの 発現量を指標にして当該薬剤の効果を評価す ることが可能となる。

 また、本発明の遺伝子マーカーは、癌の 癒成績を判定する際にも使用できる。すな ち、PKC-iota阻害剤を抗癌剤として生体に投 し癌治療を行った場合、抗癌剤が効いたか うかを判定するには実際に癌組織が縮小し ことや癌細胞が減少したことを確認する必 がある。このような確認作業には、X線断層 影やX線造影撮影のような放射線を浴びるよ うな検査や、内視鏡やバイオプシーのような 患者の負担を伴う検査が必要となる。しかし 、本発明の遺伝子マーカーによれば、血液や 皮膚のような体組織の一部を極小量採取し、 当該組織における遺伝子マーカーの発現を測 定するだけで検査が完了する。従って、X線 層撮影、X線造影撮影、内視鏡又はバイオプ ーのような検査に代えて又はこれらの検査 予備的な検査として、患者に苦痛や負担を えることなくPKC-iota阻害剤の薬効を判定す ことが可能となる。

 (5)タンパク質マーカー
 本発明のタンパク質マーカーは、PKC-iota阻 剤の薬効を予測又は診断するタンパク質マ カーであって、当該タンパク質が、BAD、LLGL2 、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKか らなる群より選択されるいずれか一つのタン パク質又は実質的に同等の機能を有すること を特徴とする。

 本発明の「タンパク質マーカー」とは、 価対象となるPKC-iota阻害剤の薬効や生体に する作用の指標となるものをいい、具体的 はPKC-iota阻害剤の作用によって発現量や活性 が変化するタンパク質又はこれらに関連する 物質(例えば、部分ペプチド)をいう。

 本発明者らは、これらのタンパク質をコ ドする遺伝子のみならずタンパク質の発現 PKC-iota阻害剤の投与によって増加又は減少 ることを確認している。

 本発明のタンパク質マーカーは、PKC-iota 害剤の投与により生体内組織中でその発現 増加又は減少する。PKC-iota阻害剤の薬効を予 測又は診断する場合には、タンパク質マーカ ーが発現している任意の組織における当該タ ンパク質マーカーの発現量を測定すればよい が、サンプルの入手が容易であるとの観点か ら血液又は皮膚組織における発現量を測定す ることが好ましい。

 ここで、本発明のタンパク質マーカーは BAD、LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3 びSNF1LKからなる群より選択されるいずれか つのタンパク質と実質的に同等の機能を有 るタンパク質を含む。このようなタンパク としては、BAD、LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12 RPIA、AKT3及びSNF1LKタンパク質を構成するアミ ノ酸配列のうち1又は2以上のアミノ酸に置換 付加、欠失又は挿入があり、且つ、同等の 性を有するものが挙げられる。同等の活性 は、BADと実質的に同等の機能を有するタン ク質であればBAD活性を有することをいい、L LGL2と実質的に同等の機能を有するタンパク であればLLGL2活性を、HMGB3と実質的に同等の 能を有するタンパク質であればHMGB3活性を NFIBと実質的に同等の機能を有するタンパク であればNFIB活性を、PXDNと実質的に同等の 能を有するタンパク質であればPXDN活性を、C LDN12と実質的に同等の機能を有するタンパク であればCLDN12活性を、RPIAと実質的に同等の 機能を有するタンパク質であればRPIA活性を AKT3と実質的に同等の機能を有するタンパク であればAKT3活性を、SNF1LKと実質的に同等の 機能を有するタンパク質であればSNF1LK活性を それぞれ有することをいう。

 本発明のタンパク質マーカーの発現量の 定方法としては特に制限はないが、具体的 は、例えば、ウエスタンブロット法、ELISA 、プロテインチップによってタンパク質量 測定することによりその発現量を定量する とができる。

 ここで、前記ウエスタンブロット法は当 者に公知の方法で行うことができる。具体 には、例えば、PKC-iota阻害剤を投与した生 から採取した組織の総タンパク質をSDS-PAGEに より展開し、ニトロセルロース膜やPVDF膜等 転写する。その後、当該膜に本発明のタン ク質マーカーの抗体を添加、反応させ、さ に2次抗体を添加、反応させた後、当該2次抗 体を検出することにより、当該タンパク質マ ーカーを検出すればよい。また、生体から採 取した組織の総タンパク質をタンパク質マー カーの抗体で免疫沈降し、沈降物として得ら れたタンパク質をSDS-PAGEにより展開し、ウエ タンブロット法により検出してもよい。

 前記ウエスタンブロット法に使用する抗 としては、本発明のタンパク質マーカーで るBAD、LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT 3及びSNF1LKタンパク質を検出可能な抗体であ ばよく、ポリクローナル抗体であってもよ モノクローナル抗体であってもよい。かか ポリクローナル抗体は当業者に公知の方法 調製すればよく、例えば下記の方法に従っ 調製できる。すなわち、例えば、抗原を、 要に応じてフロイントアジュバント(Freund’s  Adjuvant)とともに、マウス、ラット、ハムス ー、モルモット又はウサギ等の哺乳動物に 疫し、当該免疫感作動物から得た血清から 得することができる。

 また、前記モノクローナル抗体は、例え 、抗原を、必要に応じてフロイントアジュ ントとともに、マウス、ラット、ハムスタ 、モルモットまたはウサギ等の哺乳動物に 疫する。次に、当該免疫感作動物から得た 体産生細胞と自己抗体産生能のない骨髄腫 細胞(ミエローマ細胞)からハイブリドーマ( 合細胞)を調製し、ハイブリドーマをクロー ン化し、哺乳動物の免疫に用いた抗原に対し て特異的親和性を示すモノクローナル抗体を 産生するクローンを選択することによって調 製することができる。さらに具体的には、抗 原を、必要に応じてフロイントアジュバント 哺乳動物の皮下内、筋肉内、静脈内又は腹腔 内等に1又は数回注射するかあるいは移植す ことにより免疫感作を施す。通常、最初の 疫から1~14日毎に1~4回程度免疫を行い、最終 疫より1~5日程度後に免疫感作された哺乳動 から抗体産生細胞を取得する。

 モノクローナル抗体を分泌するハイブリ ーマ(融合細胞)の調製は、定法に従って行 ことができる。すなわち、上述した方法に り免疫感作された哺乳動物から取得される 臓、リンパ節、骨髄あるいは扁桃等、好ま くは脾臓に含まれる抗体産生細胞と、マウ 、ラット又はヒト等由来の自己抗体産生能 ないミエローマ細胞との細胞融合させるこ により調製する。モノクローナル抗体を産 するハイブリドーマクローンのスクリーニ グは、ハイブリドーマをマイクロタイター レート等を用いて培養し、増殖の見られた ェルの培養上清の免疫抗原に対する反応性 、例えばRIAやELISA等の酵素免疫測定法によっ て測定することにより行なうことができる。

 ハイブリドーマからのモノクローナル抗 の製造は、ハイブリドーマをインビトロ、 はマウス、ラット、モルモット、ハムスタ またはウサギ等の腹水中等でのインビボで 養した後、得られた培養上清、又は哺乳動 の腹水から単離することにより行うことが きる。モノクローナル抗体の単離、精製は 上述の培養上清あるいは腹水を、飽和硫酸 ンモニウム、ユーグロブリン沈澱法、カプ イン酸法、カプリル酸法、イオン交換クロ トグラフィー(DEAEまたはDE52等)、抗イムノグ ロブリンカラムあるいはプロテインAカラム のアフィニティカラムクロマトグラフィー 供すること等により行うことができる。

 さらに、上述の方法により得られたポリ ローナル抗体又はモノクローナル抗体を用 て抗体アレイを調製することも可能である すなわち、上述の抗体をニトロセルロース やPVDF膜等の膜や、ニトロセルロースがコー トされたスライドやガラス基盤に、マイクロ アレイスポッターを用いて固定すればよい。

 また、BADとLGLL2はPKC-iotaによりリン酸化を 受ける。従って、BAD及びLGLL2のリン酸化状態 PKC-iotaの活性の指標、すなわちマーカーと り得る。BADのリン酸化は、抗リン酸化BAD抗 を用いたウエスタンブロット法により検出 ることができる。また、上述した方法で調 した抗BAD抗体を用いてウエスタンブロット 行い、BADのバンドを確認した後、当該バン が抗リン酸化セリン・スレオニン抗体によ 検出されるかどうかを確認することによっ もBADのリン酸化を確認することができる。LG LL2についても同様にリン酸化を確認すること ができ、LGLL2のリン酸化をマーカーとしてPKC- iotaの阻害活性を検出可能である。

 一方、本発明のタンパク質マーカーであ BAD、LLGL2、HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3 びSNF1LKの少なくとも一つのタンパク質をニ ロセルロース膜やPVDF膜等の膜や、ニトロセ ロースがコートされた基盤やガラス基盤に イクロアレイスポッターを用いて固定する とによりプロテインアレイを調製すること できる。この場合、前記タンパク質を直接 定してもよく、タンパク質又は膜若しくは 盤との間にリンカーを介して固定してもよ 。リンカーを介して固定することにより、 ンパク質の立体構造を損なわず活性を維持 た状態でプロテインアレイ(マイクロアレイ )を調製することが可能となる。

 また、本発明のタンパク質マーカーは、P KC-iota阻害剤の薬効を予測又は診断するため 用いられる。すなわち、PKC-iota阻害剤を生体 に投与した後、当該タンパク質マーカーの発 現量を測定し、投与前の発現量と比較して発 現量が増加又は減少している場合に、当該阻 害剤がPKC-iota特異的に作用し所定の薬効を発 していると認定することができる。すなわ 、SNF1LK、CLDN12及びRPIAの3タンパク質につい は発現が増加した場合に、HMGB3、NFIB、PXDN及 AKT3の4タンパク質については発現が減少し 場合にPKC-iota阻害剤が所定の薬効を発揮する と認定することができる。具体的には、SNF1LK 、CLDN12及びRPIAの3タンパク質については、PKC- iota阻害剤を投与後、本発明のタンパク質マ カーの発現が増加していれば、仮にPKC-iota阻 害剤の薬効が目に見える状態(例えば、癌症 の改善)に至っていない場合や、癌組織が非 に小さく、X線撮影のような従来の診断方法 では診断が困難な場合であっても、阻害剤の 薬効が発揮されるであろうと予測できる。一 方、HMGB3、NFIB、PXDN及びAKT3の4タンパク質につ いては、PKC-iota阻害剤を投与後、本発明のタ パク質マーカーの発現が減少していれば、 様に阻害剤の薬効について予測することが きる。また、PKC-iota阻害剤を薬剤として開 する段階において健常人を対象に臨床試験 行う場合、本発明のタンパク質マーカーの 現量を指標にして当該薬剤の効果を評価す ことが可能となる。

 また、本発明のタンパク質マーカーは、 の治癒成績を判定する際にも使用できる。 なわち、PKC-iota阻害剤を抗癌剤として生体 投与し癌治療を行った場合、抗癌剤が効い かどうかを判定するには実際に癌組織が縮 したことや癌細胞が減少したことを確認す 必要がある。このような確認作業には、X線 層撮影やX線造影撮影のような放射線を浴び るような検査や、内視鏡やバイオプシーのよ うな患者の負担を伴う検査が必要となる。し かし、本発明のタンパク質マーカーによれば 、血液や皮膚のような体組織の一部を極小量 採取し、当該組織におけるタンパク質マーカ ーの発現を測定するだけで検査が完了する。 従って、X線断層撮影、X線造影撮影、内視鏡 はバイオプシーのような検査に代えて又は れらの検査の予備的な検査として、患者に 痛や負担を与えることなくPKC-iota阻害剤の 効を判定することが可能となる。

 (6)癌診断キット
 本発明の癌診断キットは、本発明のタンパ 質マーカーを検出可能の抗体を含むことを 徴とする。当該抗体は、上述したBAD、LLGL2 HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKか なる群より選択されるいずれか一つのタン ク質又は実質的に同等の機能を有するタン ク質に対するポリクローナル抗体及びモノ ローナル抗体をいう。

 本発明の癌診断キットには、本発明のタ パク質マーカーを検出可能な抗体の他、例 ば、抗体検出用試薬、抗体検出用2次抗体、 反応に用いるプレートを備えていてもよい。

 本発明の癌診断キットを用いることによ 、PKC-iota阻害剤を投与した生体から採取し 組織(例えば、血液又は皮膚)におけるタンパ ク質マーカーを迅速且つ簡便に検出すること が可能となり、投与前後のタンパク質量を比 較することにより、PKC-iota阻害剤の薬効を予 又は診断することが可能となる。

 (7)PKC-iota阻害剤の効果の予測又は診断方法
 先ず、本発明の第1のPKC-iota阻害剤の効果の 測又は診断方法について説明する。

 本発明の第1のPKC-iota阻害剤の効果の予測 は診断方法は、PKC-iota阻害剤を投与した被 体由来の組織におけるHMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12 RPIA、AKT3及びSNF1LKからなる群より選択され 少なくとも一つの遺伝子又は該遺伝子と実 的に同等の機能を有する遺伝子を検出する 出工程と、PKC-iota阻害剤投与前後の発現量を 比較する比較工程を含むことを特徴とする。

 本発明に係る検出工程は、PKC-iota阻害剤 投与した被検体由来の組織におけるHMGB3、NFI B、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKからなる群 り選択される少なくとも一つの遺伝子又は 該遺伝子と実質的に同等の機能を有する遺 子(すなわち、本発明の遺伝子マーカー)を検 出する工程である。

 ここで、本発明に係る「組織」とは、PKC- iota阻害剤を投与した被験体由来の組織であ 、検出対象である遺伝子マーカーが発現し いる組織であればその組織の種類は限定さ ないが、採取が容易であるとの観点より血 又は皮膚組織であることが好ましい。

 本工程においては、PKC-iota阻害剤を投与 た生体より前記組織を採取し、そこから遺 子マーカー測定用のDNAを定法により抽出す 。抽出するDNAはゲノムDNAであってもよく、 出したRNAから逆転写反応によって得られたcD NAであってもよい。次に、得られたDNAを用い HMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LK遺 子の検出を行う。検出方法は定量的な手段 あれば特に限定されないが、具体的には、 えば、PCR法又はマイクロアレイが挙げられ 。

 検出工程でHMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AK T3及びSNF1LK遺伝子の検出が完了した後、PKC-iot a阻害剤投与前後の発現量を比較する比較工 へと進む。比較工程では、検出工程で検出 たHMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LK 伝子の発現量と、PKC-iota阻害剤を投与する前 の当該遺伝子の発現量とを比較することとな る。比較の結果、PKC-iota阻害剤の投与によっ SNF1LK、CLDN12及びRPIAの3タンパク質について 発現が増加した場合に、HMGB3、NFIB、PXDN及びA KT3の4タンパク質については発現が減少した 合には、投与したPKC-iota阻害剤が投与対象で ある人体に当該阻害剤が適切な作用機序で作 用し、投与効果を示していると判断すること ができる。これは癌組織が非常に小さい場合 や、医薬開発の臨床試験段階のように、物理 的な癌組織の大きさだけで薬効を測定するこ とが困難な場合に、PKC-iota阻害剤の薬効を測 する方法として非常に有益である。

 次に、本発明の第2のPKC-iota阻害剤の効果 予測又は診断方法について説明する。

 本発明の第2のPKC-iota阻害剤の効果の予測 は診断方法は、PKC-iota阻害剤を投与した被 体由来の組織におけるHMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12 RPIA、AKT3及びSNF1LKからなる群より選択され 少なくとも一つのタンパク質又は該タンパ 質と実質的に同等の機能を有するタンパク を検出する検出工程と、PKC-iota阻害剤投与前 後の発現量を比較する比較工程を含むことを 特徴とする。

 本発明に係る検出工程は、PKC-iota阻害剤 投与した被検体由来の組織におけるHMGB3、NFI B、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKからなる群 り選択される少なくとも一つのタンパク質 は当該タンパク質と実質的に同等の機能を するタンパク質(すなわち、本発明のタンパ 質マーカー)を検出する工程である。

 ここで、本発明に係る「組織」とは、PKC- iota阻害剤を投与した被験体由来の組織であ 、検出対象であるタンパク質マーカーが発 している組織であればその組織種は限定さ ないが、採取が容易であるとの観点より血 又は皮膚組織であることが好ましい。

 本工程においては、PKC-iota阻害剤を投与 た生体より前記組織を採取し、そこからタ パク質マーカー測定用のタンパク質を定法 より抽出するか、又は、当該タンパク質を む総タンパク質を採取する。具体的には、 えば、ウエスタンブロット法による検出に することができるよう、当該タンパク質を む総タンパク質を可溶化サンプルとして調 し、本工程に係る抽出タンパク質とするこ ができる。また、総タンパク質をサンプル して、検出対象となるタンパク質の抗体を いて免疫沈降を行い、当該タンパク質のみ 抽出してもよい。

 次に、得られたタンパク質を用いてHMGB3 NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSNF1LKタンパク の検出を行う。検出方法は定量的な手段で れば特に限定されないが、具体的には、例 ば、ウエスタンブロット法又はELISA法が挙 られる。ここで、ウエスタンブロット法又 ELISA法による検出には抗HMGB3抗体、抗NFIB抗体 、抗PXDN抗体、抗CLDN12抗体、抗RPIA抗体、抗AKT3 抗体又は抗SNF1LK抗体を用いる必要がある。こ れらの抗体はポリクローナル抗体又はモノク ローナル抗体のいずれであってもよい。また 、これらの抗体は定法により調製することが でき、例えば、先の(5)タンパク質マーカーの 項で述べた方法により調製することができる 。

 また、BADとLGLL2はPKC-iotaによりリン酸化を 受ける。従って、BAD及びLGLL2のリン酸化状態 PKC-iotaの活性の指標、すなわちマーカーと り得る。BADのリン酸化は、抗リン酸化BAD抗 を用いたウエスタンブロット法により検出 ることができる。また、上述した方法で調 した抗BAD抗体を用いてウエスタンブロット 行い、BADのバンドを確認した後、当該バン が抗リン酸化セリン・スレオニン抗体によ 検出されるかどうかを確認することによっ もBADのリン酸化を確認することができる。LG LL2についても同様にリン酸化を確認すること ができ、LGLL2のリン酸化をマーカーとしてPKC- iotaの阻害活性を検出可能である。

 検出工程でHMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AK T3及びSNF1LKタンパク質の検出が完了した後、P KC-iota阻害剤投与前後の発現量を比較する比 工程へと進む。比較工程では、検出工程で 出したHMGB3、NFIB、PXDN、CLDN12、RPIA、AKT3及びSN F1LKタンパク質の発現量と、PKC-iota阻害剤を投 与する前の当該タンパク質の発現量とを比較 することとなる。BAD及びLGLL2の場合はそのリ 酸化レベルを比較する。比較の結果、PKC-iot a阻害剤の投与によってSNF1LK、CLDN12及びRPIAの3 タンパク質については発現が増加した場合に 、HMGB3、NFIB、PXDN及びAKT3の4タンパク質につい ては発現が減少した場合には、投与したPKC-io ta阻害剤が投与対象である人体に当該阻害剤 適切な作用機序で作用し、投与効果を示し いると判断することができる。また、BAD及 LGLL2の場合には、そのリン酸化レベルが低 している場合にPKC-iota阻害剤が適切な作用機 序で作用し、投与効果を示していると判断す ることができる。これは癌組織が非常に小さ い場合や、医薬開発の臨床試験段階のように 、物理的な癌組織の大きさだけで薬効を測定 することが困難な場合に、PKC-iota阻害剤の薬 を測定する方法として非常に有益である。

 以下、実施例に基づいて本発明をより具 的に説明するが、本発明は、以下の実施例 限定されるものではない。

  実施例1
(変異型p53を有する細胞に対し、活性阻害が 異的に細胞毒性を示すKinaseの同定)
 先ず、変異型p53発現誘導細胞の作製を行っ 。野生型p53を持つU2OS Tet-on細胞(以下、U2OS  WTp53と示す)に、変異型p53(157番目のコドンに 異を有する)発現用プラスミドを導入するこ により、変異型p53発現誘導細胞(以下、U2OS  MT157と示す)を樹立した。U2OS MT157はドキシサ クリン(Doxycycline)添加により変異型p53を発現 することができる。

 次に、樹立した細胞に対するsiRNAのトラ スフェクションと細胞毒性の評価を行った すなわち、ドキシサイクリン存在下で培養 たU2OS WT p53とU2OS mt p53細胞にkinome wide siRN Aをトランスフェクションした。72時間後、WST -8(キシダ化学社製)を用いて細胞数を定量し 各リン酸化酵素の阻害による細胞毒性効果 調べた。U2OS mt p53細胞に対する毒性効果がU 2OS WT p53に比べて1.5倍以上であるリン酸化酵 素を変異型p53 context specific target geneを選択 したが、この中にPKC-iotaが含まれていた。図1 に示すとおり、PKC-iotaの阻害は、変異型p53を する細胞に対し特異的に細胞毒性を示すこ が分かった。

  実施例2
(肺癌細胞株を用いたPKC-iota阻害の効果)
 野生型p53を有することが知られている4種類 の細胞(A427、A549、LU99及びNCI-H460)、変異型p53 有する4種類の細胞(HOP62、HOP92、NCI-H322M及びNC I-H226)に対してPKC-iotaのsiRNAをトランスフェク ョンした。その72時間後にWST-8(キシダ化学 製)を用いて細胞数を定量し、各リン酸化酵 の阻害による細胞毒性効果を調べた。なお HOP62細胞は212番目のコドンに、HOP92細胞は175 番目のコドンに、NCI-H226細胞は158番目のコド に、それぞれ変異を有する。

 図2~9に示すように、PKC-iotaの発現抑制に り、変異型p53を有する細胞(図2~5)は全て増殖 が抑制されたが、野生型p53を有する細胞(図6~ 9)では4細胞中3細胞で増殖がほとんど抑制さ なかった。このことから、肺癌細胞株にお ても、PKC-iotaの阻害は変異型p53を有する細胞 に対してより効果を示すと考えられた。

  実施例3
(PKC-iota阻害はBADのリン酸化を抑制する)
 PKC-iota阻害による増殖抑制のメカニズムを らかにするため、PKC-iotaの基質であることが 知られているBADの、PKC-iotaによるリン酸化に いて検討した。すなわち、ドキシサイクリ 存在下で培養したU2OS WT p53及びU2OS mt p53 胞にPKC-iotaのsiRNAをトランスフェクションし 。72時間後、細胞を回収し、各細胞溶解液 のBAD Ser155のリン酸化状態をウエスタンブロ ットにより解析した。

 図10に示すとおり、U2OS WT p53及びU2OS mt  p53細胞のいずれも、PKC-iota阻害によりBADのSer1 55のリン酸化が抑制された。このことから、P KC-iotaが阻害されるとBADのSer155が脱リン酸化 れ、アポトーシスに向かうことが確認でき 。

  実施例4
(過剰発現したp53はBcl-XLに結合する)
 これまでの文献報告(J.Biol.Chem.、第276巻、405 83頁、2001年)から、変異型p53を有する細胞は 生型p53を有する細胞に比べてp53の発現量が いことと、p53はBcl-XLに結合して不活化する とが知られている。そこで、変異型p53を有 る細胞が野生型p53を有する細胞に比べて、PK C-iota阻害に対する感受性が高いメカニズムを 明らかにするため、下記の試験を行った。

 先ず、ドキシサイクリン存在下で培養し U2OS WT p53及びU2OS mt p53細胞を回収した。 に、各細胞溶解液に対して抗p53抗体及びProte in A agaroseを加え遠心することで、p53及びp53 合産物を回収した。回収したp53結合産物中 Bcl-XLタンパク量をウエスタンブロット法(図 11中、IB)により解析した。

 図11に示すとおり、p53過剰発現時にはBcl-X Lの結合量が増えることが分かった。このこ から、p53が過剰発現した細胞ではp53の結合 よりBcl-XLが不活化して、ミトコンドリアを したアポトーシスが起きやすくなっている 結論された。

  実施例5
(PI3キナーゼパスウェイが活性化した細胞に けるPKC-iotaの発現抑制の効果)
 PKC-iotaはPI3キナーゼによって活性化される とが知られている。このことから、PKC-iotaの 活性を阻害することにより、これらのパスウ ェイ上に異常を有する癌細胞に対して増殖抑 制効果を有することが期待される。そこで、 PI3キナーゼが活性化している細胞を用いて、 PKC-iota阻害の効果を調べた。

 PI3キナーゼのらせん状ドメイン(helical dom ain)に変異(E545K又はE545A)を有する3種類の細胞( NCI-H460、NCI-H596及びNCI-H1869)にPKC-iotaのsiRNAを導 入した。72時間後、WST-8を用いて細胞数を定 し、PKC-iotaの阻害による細胞毒性効果を調べ た。

 図12A(NCI-H460細胞)、図12B(NCI-H596細胞)及び 12C(NCI-H1869細胞)に示すとおり、全ての細胞に ついて細胞増殖が40%以上抑制された。このこ とから、PKC-iotaの発現阻害はPI3-kinaseが活性化 している細胞に対してより効果を示す、すな わち、PKC-iotaを阻害することにより、PI3キナ ゼが活性化している癌細胞の増殖抑制効果 期待されることが確認できた。

  実施例6
(LLGL2はPKC-iotaの基質である)
 siRNAを用いてPKC-iota/PKC-zetaダブルノックダウ ンすることによりLLGL2のリン酸化が阻害され か否かを検討した。

 MCF7及びHCC1419細胞株にPKC-iota siRNA(GGUUCGAGAC AUGUGUUCUTT:配列番号21、GGAAGGAGACCCGUGUACATT:配列番 号22及びGGAGACCCGUGUACAGUAUTT:配列番号23を混合溶 として使用)とPKC-zeta siRNAの混合溶液か、又 は陰性対照としてルシフェラーゼ(Luciferase)siR NAをsiLentFect (Bio-Rad社)を用いて導入した。MCF7 については72時間後、HCC1419については120時間 後にsiRNA処理した細胞の溶解液を調製した。B CA protein assay kit(PIERCE社)を用いて、各細胞 解液中のタンパク質量を測定・調整し、ウ スタンブロットによって、リン酸化LLGL2(pS653 )、LLGL2、PKC-iota及びPKC-zetaを検出した。ただ MCF7細胞溶解液中のphospho-LLGL2(pS653)及びLLGL2に ついては、LLGL2抗体によって免疫沈降を行っ 後、ウェスタンブロットを行い検出した。

 図13A(MCF7細胞)及び図13B(HCC1419細胞)に示す おり、PKC-iotaとPKC-zetaのsiRNA処理によりPKC-iot a及びPKC-zetaのタンパク量の減少がウェスタン ブロットによって確認された。また、このと きリン酸化LLGL2 (pSer653) の発現レベルも、未 処理及びLuciferase siRNA処理した場合と比較し 顕著に低下していた。すなわち、LLGL2 Ser653 のリン酸化はatypical PKCの発現に依存してい ことが確認された。

 次に、ドキシサイクリンでPKC-iotaの発現 誘導される細胞を樹立するため、下記の手 で細胞の調製を行った。

 まず、PKC-iota、常活性変異体PKCi(A120E)及び PKCi(K274W)をpTRE2hyg vectorにクローニングした( 下、順に、pTRE2hyg/PKCi-WT、 pTRE2hyg/PKCi-CA及びp TRE2hyg/PKCi-KDとする)。次に、pTRE2hyg/PKCi-WT、pTRE 2hyg/PKCi-CA、pTRE2hyg/PKCi-KD及びpTRE2hyg vectorをそ ぞれU-2OS Tet-on 細胞株にNucleofector (amaxa社) 又はFugene 6 (ロシュ社) を用いて導入した 24時間後に細胞を回収・再播種し、150μg/ml  イグロマイシン(Hygromycin)存在下で約2週間培 養し、出現したハイグロマイシン耐性の細胞 コロニーをシリンダークローニング法により 単離した。樹立したこれらの細胞をそれぞれ PKCi-WT Tet-on, PKCi-CA Tet-on, PKCi-KD Tet-on及びVec tor Tet-on U-2OSとする。

 次に、N末端にHAタグをつけたLLGL2をpcDNA3.1  vectorにクローニングした(以下pcDNA3.1/HA-LLGL2 する)。このpcDNA3.1/HA-LLGL2を、PKCi-WT Tet-on、P KCi-CA Tet-on、PKCi-KD Tet-on及びVector Tet-on U-2OS 、Fugene HDを用いて導入し、ドキシサイクリ ン(Doxycycline)を加えてPKC-iotaの発現を誘導した 。24時間後、これらの細胞の溶解液を調製し BCA protein assay kitを用いて各細胞溶液中の ンパク量を測定・調整した後、リン酸化LLGL 2 (pS653)、LLGL2 (HA)及びPKC-iotaをウェスタンブ ッティングにより検出した。

 図14に示すとおり、ドキシサイクリンに る常活性変異体PKC-iota(PKCi-CA) の発現の誘導 より、リン酸化LLGL2 (pSer653)のバンドの顕著 な増加がウェスタンブロットで認められた。 一方kinase dead PKCi (PKCi-KD) の発現を誘導し もLLGL2 Ser653のリン酸化の増強は認められな った。この実験からPKC-iotaのkinase活性依存 にLLGL2 Ser653のリン酸化が引き起こされるこ が確認された。

 以上の2つの実験からLLGL2がPKC-iotaの下流 基質であることが確認された。

  実施例7
(LLGL2のリン酸化を指標とした化合物評価系の 樹立)
 LLGL2の653番目のセリン(Ser653)のリン酸化を指 標にPKC-iotaの阻害剤の評価を行うことができ 系を構築するため、下記の試験を行った。

 まず、化合物評価に用いる細胞を調製す ため、PKCi-CA Tet-on U-2OS細胞にpcDNA3.1/Zeo/HA-LL GL2をFugene HDを用いて導入した。48時間後に細 胞を回収・再播種し、50μg/mlゼオシン(Zeocin) 在下で約2週間培養し、出現したゼオシン耐 の細胞コロニーをシリンダークローニング により単離した。以下、この樹立した細胞 LLGL2 stable/PKCi-CA Tet-on U-2OSとする。

 次に、LLGL2 stable/PKCi-CA Tet-on U-2OSをドキ サイクリン存在下で24時間培養した後、さ ざまな濃度のPKC-iota阻害剤Xと共に培養した PKC-iota阻害剤処理中は血清不含の培養液を使 用した。PKC-iota阻害剤処理開始から4時間後に 細胞溶解液を調製し、ウェスタンブロットと 、LLGL2抗体及びリン酸化LLGL2(pS653)抗体を用い sandwich ELISAによりリン酸化LLGL2(pS653)を検出 た。

 図15に示すとおり、ドキシサイクリン添 によって誘導されるLLGL2 Ser653のリン酸化がP KC-iota阻害剤の濃度依存的に抑制されること 、ウェスタンブロット及びsandwich ELISAによ 確認された。すなわち、本実験系がPKC-iotaの 阻害剤の評価に使用可能であることが示され た。またsandwich ELISAを阻害剤評価系に用いる ことで、ハイスループットなスクリーニング を実現可能であることが確認された。

  実施例8
(マイクロアレイ解析による遺伝子発現マー ーの探索)
 PKC-iotaの発現をsiRNAによって抑制したときに 、発現がup-regulation又はdown-regulationされるよ な遺伝子の探索を試みた。

 解析に用いる細胞を調製するため、まず 対数増殖期のHOP62細胞に1種類のPKC-iotaのsiRNA を導入した。また、対数増殖期のNCI-H596細胞 、2種類のPKC-iotaのsiRNAを導入した。それぞ 、siRNAの導入後から16、24又は48時間後に細胞 を回収し、RNeasy kit(キアゲン社)を用いて各 ンプルからmRNAを抽出した。

 次に、各サンプルにおけるmRNAの発現量を Affymetrix GeneChip(アフィメトリクス社)を用い 測定した。測定されたmRNAの発現量をRosetta R esolver System(ロゼッタ社)を用いて解析するこ で、コントロール(Luciferase siRNA)処理とPKC-io ta siRNA処理の間で有意な発現変化が観察され た遺伝子を検出した。すなわち、HOP62細胞及 NCI-H596細胞のいずれにおいても有意な発現 化が観察された遺伝子を抽出することで、PK Ciの調節に関連してmRNA発現量が変化する、マ ーカー候補遺伝子の探索を行った。

 その結果、2種類の細胞と2種類のsiRNAに共 通して、その発現がup-regulationされる遺伝子 28個、down-regulationされるような遺伝子が17個 つかった。

 次に、マイクロアレイ解析によって発現 化の見られた遺伝子の解析を行った。

 まず、A549、NCI-H460、HOP62、NCI-H596及びU2OS細 からRNeasy kitを用いてRNAを抽出した。次に、 得られたRNAから、SUPERSCRIPTIII PLATINUM TWO-STEP  QRT-PCR(インビトロジェン社)を用いてcDNAを調 した。こうして得られたcDNAを鋳型にしてTaq- man RT-PCRを行うことで、それぞれの細胞中の 補遺伝子のmRNA量を定量した。
以上の解析によって発現変化の見られた遺伝 子のなかから、発現変化が統計的に有意で、 PKCiを調節するPI3Kパスウェイや、PKCiが関わる 細胞極性関連因子などに注目してマーカー候 補遺伝子を絞った。

 図16~23に示すとおり、PKCiotaの発現を抑制 た場合、試験に供した5つの細胞全てにおい て、SNF1LK、CLDN12及びRPIAの3遺伝子はup-regulation され、AKT3、HMGB3、NFIB及びPXDNの4遺伝子はdown-r egulationされることが確認された。すなわち、 これらの遺伝子は、PKCiotaの発現調節に関連 て変化する遺伝子マーカーとして有用であ ことが確認できた。なお、図16~23中、■は無 処置の場合の結果を表し、□はコントロール の結果を表し、斜線はPKC-iota siRNA処理した場 合の結果を表す。

 p53の発現・機能異常を原因とする癌に特 的に働くターゲット遺伝子としてPKC-iotaが 出されたことから、当該遺伝子を創薬標的 する化合物の評価が可能となる。p53の発現 機能の異常を原因とする癌は非常に多種に ることから、多くの癌の治療に有効な化合 の提供が可能となる。また、PKC-iotaの発現量 を指標として診断を行うことにより、p53の発 現・機能の異常を原因とする癌の診断が可能 となる。

U2-OS細胞への変異型p53の導入の有無に る細胞毒性の影響を検討した結果を示す図 ある。 A427細胞へのPKC-iotaのsiRNAの導入による 胞増殖の変化を検討した結果を示す図であ 。 A549細胞へのPKC-iotaのsiRNAの導入による 胞増殖の変化を検討した結果を示す図であ 。 LU99細胞へのPKC-iotaのsiRNAの導入による 胞増殖の変化を検討した結果を示す図であ 。 NCI-H460細胞へのPKC-iotaのsiRNAの導入によ 細胞増殖の変化を検討した結果を示す図で る。 HOP62細胞へのPKC-iotaのsiRNAの導入による 胞増殖の変化を検討した結果を示す図であ 。 HOP92細胞へのPKC-iotaのsiRNAの導入による 胞増殖の変化を検討した結果を示す図であ 。 NCI-H322M細胞へのPKC-iotaのsiRNAの導入によ る細胞増殖の変化を検討した結果を示す図で ある。 NCI-H226細胞へのPKC-iotaのsiRNAの導入によ 細胞増殖の変化を検討した結果を示す図で る。 PKC-iotaの阻害の有無及びp53の変異の有 によって生じるBADのリン酸化を確認した結 を示す図である。 p53の変異の有無(発現量の多少)とBcl-XL 結合量との関係を確認した結果を示す図で る。 図12Aは、NCI-H460(E545K)細胞を用いてPKC-io taの阻害による効果を確認した結果を示す図 ある。

  図12Bは、NCI-H596(E545K)細胞を用いてPKC-iota の阻害による効果を確認した結果を示す図で ある。

  図12Aは、NCI-H1869(E545A)細胞を用いてPKC-iota 阻害による効果を確認した結果を示す図で る。
図13Aは、MCF7細胞を用いてPKC-iota及びPKC -zetaの阻害によるLLGL2のリン酸化の変化を確 した結果を示す図である。

  図13Bは、Hcc1419細胞を用いてPKC-iota及びPKC-z etaの阻害によるLLGL2のリン酸化の変化を確認 た結果を示す図である。
常活性変異体PKC-iotaの発現誘導によるL LGL2のリン酸化の変化を確認した結果を示す である。 PKC-iota阻害剤の添加によるLLGL2のリン 化の変化を確認した結果を示す図である。 図16Aは、A549細胞を用いてPKC-iotaの発現 を抑制した場合のPKC-iotaの発現量を示す図で る。

  図16Bは、HOP62細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のPKC-iotaの発現量を示す図で る。

  図16Cは、H460細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のPKC-iotaの発現量を示す図であ る。

  図16Dは、H596細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のPKC-iotaの発現量を示す図であ る。

  図16Eは、U2OS細胞を用いてPKC-iotaの発現を 制した場合のPKC-iotaの発現量を示す図である 。
図17Aは、A549細胞を用いてPKC-iotaの発現 を抑制した場合のAKT3の発現量を示す図であ 。

  図17Bは、HOP62細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のAKT3の発現量を示す図である 。

  図17Cは、H460細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のAKT3の発現量を3示す図である 。

  図17Dは、H596細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のAKT3の発現量を示す図である

  図17Eは、U2OS細胞を用いてPKC-iotaの発現を 制した場合のAKT3の発現量を示す図である。
図18Aは、A549細胞を用いてPKC-iotaの発現 を抑制した場合のHMGB3の発現量を示す図であ 。

  図18Bは、HOP62細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のHMGB3の発現量を示す図であ 。

  図18Cは、H460細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のHMGB3の発現量を示す図である 。

  図18Dは、H596細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のHMGB3の発現量を示す図である 。

  図18Eは、U2OS細胞を用いてPKC-iotaの発現を 制した場合のHMGB3の発現量を示す図である。
図19Aは、A549細胞を用いてPKC-iotaの発現 を抑制した場合のNFIBの発現量を示す図であ 。

  図19Bは、HOP62細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のNFIBの発現量を示す図である 。

  図19Cは、H460細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のNFIBの発現量を示す図である

  図19Dは、H596細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のNFIBの発現量を示す図である

  図19Eは、U2OS細胞を用いてPKC-iotaの発現を 制した場合のNFIBの発現量を示す図である。
図20Aは、A549細胞を用いてPKC-iotaの発現 を抑制した場合のPXDNの発現量を示す図であ 。

  図20Bは、HOP62細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のPXDNの発現量を示す図である 。

  図20Cは、H460細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のPXDNの発現量を示す図である

  図20Dは、H596細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のPXDNの発現量を示す図である

  図20Eは、U2OS細胞を用いてPKC-iotaの発現を 制した場合のPXDNの発現量を示す図である。
図21Aは、A549細胞を用いてPKC-iotaの発現 を抑制した場合のSNF1LKの発現量を示す図であ る。

  図21Bは、HOP62細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のSNF1LKの発現量を示す図であ 。

  図21Cは、H460細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のSNF1LKの発現量を示す図であ 。

  図21Dは、H596細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のSNF1LKの発現量を示す図であ 。

  図21EAは、U2OS細胞を用いてPKC-iotaの発現を 制した場合のSNF1LKの発現量を示す図である
図22Aは、A549細胞を用いてPKC-iotaの発現 を抑制した場合のCLDN12の発現量を示す図であ る。

  図22Bは、HOP62細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のCLDN12の発現量を示す図であ 。

  図22Cは、H460細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のCLDN12の発現量を示す図であ 。

  図22Dは、H596細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のCLDN12の発現量を示す図であ 。

  図22Eは、U2OS細胞を用いてPKC-iotaの発現 抑制した場合のCLDN12の発現量を示す図であ 。




 
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