Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF EXHAUST CLEANING FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINE AND EXHAUST CLEANER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054421
Kind Code:
A1
Abstract:
An exhaust cleaning method and exhaust cleaning apparatus for an internal combustion engine (1) in which a fuel is fed and burned under periodical rich/lean combustion conditions. In a fuel reformer (18) disposed independently of an exhaust channel (11) in the engine (1), the fuel for the internal combustion engine (1) is reformed to produce a reformed gas containing carbon monoxide. The reformed gas is supplied to the exhaust to be introduced into an exhaust converter (17) having, disposed therein, a catalyst which adsorbs and reduces nitrogen oxides. The nitrogen oxides contained in the exhaust are adsorbed and reduced. Thus, the nitrogen oxides contained in the exhaust are removed at a high efficiency.

Inventors:
IWAMOTO JUN (JP)
MOTOHASHI GO (JP)
SATO NAOHIRO (JP)
OHNO HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069162
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 22, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
HONDA MOTOR CO LTD (JP)
IWAMOTO JUN (JP)
MOTOHASHI GO (JP)
SATO NAOHIRO (JP)
OHNO HIROSHI (JP)
International Classes:
F01N3/08; B01D53/94; F01N3/24; F01N3/28; F02M27/02
Domestic Patent References:
WO2005103461A12005-11-03
WO2005044426A12005-05-19
Foreign References:
JP2002054427A2002-02-20
JP2003322012A2003-11-14
JP2004360540A2004-12-24
JP2003210944A2003-07-29
JP2586738B21997-03-05
JP2600492B21997-04-16
JP3642273B22005-04-27
Other References:
"Development of NOx Absorption/Reduction Type Ternary Catalyst System", PROCEEDINGS OF SOCIETY OF AUTOMOTIVE ENGINEERS OF JAPAN, vol. 26, no. 4, October 1995 (1995-10-01)
"A NOx Reduction System Using Storage-Selective Catalytic Reduction in Rich and Lean Operations", AACHENER KOLLOQUIUM FAHRZEUG-UND MOTORENTECHNIK, vol. 15, 2006, pages 259 - 270
See also references of EP 2213854A4
Attorney, Agent or Firm:
ISONO, Michizo (Sabo Kaikan Annex 7-4, Hirakawa-cho 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 93, JP)
Download PDF:
Claims:
 周期的なリッチ/リーン条件で燃料を供給して燃焼させる内燃機関の排気浄化方法であって、
 前記内燃機関の排気流路とは別に独立して設けられた燃料改質器で、前記内燃機関の燃料を改質して一酸化炭素を含む改質気体を製造する工程と、
 前記排気流路に設けられ、窒素酸化物を吸着して還元する触媒が配設された排気コンバータに導入する排気に前記改質気体を供給して、前記排気中の窒素酸化物を吸着して還元する工程と、
を含むことを特徴とする内燃機関の排気浄化方法。
 前記改質気体が、水素よりも一酸化炭素を多く含んでいることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記排気流路に合流させる改質気体の温度が、前記改質気体を合流させる排気流路中の排気の温度よりも高いことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記排気流路に合流させる改質気体の温度が、前記改質気体を合流させる排気流路中の排気の温度よりも高いことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記排気コンバータの入口温度が200℃以上、かつ前記排気流路に前記改質気体を導入する場合、リッチ条件の燃焼時であり、かつ前記改質気体の導入時の排気流路における排気中の酸素濃度が0.5%以下であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至請求の範囲第4項のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記排気コンバータの入口温度が200℃以下の場合は、前記内燃機関のリーン条件の燃焼時にも前記改質気体を前記排気コンバータに供給することを特徴とする請求の範囲第1項乃至請求の範囲第4項のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記内燃機関の燃料を改質して一酸化炭素を含む改質気体を製造する工程が、前記内燃機関の燃料の炭化水素と酸素含有気体との部分酸化反応によって改質気体を製造する工程であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至請求の範囲第4項のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記内燃機関の燃料を改質して一酸化炭素を含む改質気体を製造する工程が、前記内燃機関の燃料の炭化水素と酸素含有気体との部分酸化反応によって改質気体を製造する工程であることを特徴とする請求の範囲第5項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記内燃機関の燃料を改質して一酸化炭素を含む改質気体を製造する工程が、前記内燃機関の燃料の炭化水素と酸素含有気体との部分酸化反応によって改質気体を製造する工程であることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記内燃機関が、圧縮着火によって軽油を燃焼させるものであることを特徴とする請求の範囲第1項乃至請求の範囲第4項のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記内燃機関が、圧縮着火によって軽油を燃焼させるものであることを特徴とする請求の範囲第5項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記内燃機関が、圧縮着火によって軽油を燃焼させるものであることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記内燃機関が、圧縮着火によって軽油を燃焼させるものであることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記内燃機関が、圧縮着火によって軽油を燃焼させるものであることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 前記内燃機関が、圧縮着火によって軽油を燃焼させるものであることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の内燃機関の排気浄化方法。
 周期的なリッチ/リーン条件で燃料を供給して燃焼させる内燃機関の排気浄化装置であって、
 前記内燃機関からの排気流路に、上流側から下流側に沿って、一酸化炭素と炭化水素を酸化させて窒素酸化物を還元する触媒が配設された第1排気コンバータと、粒子状物質を捕捉する第2排気コンバータと、窒素酸化物を吸着して還元する触媒が配設された第3排気コンバータとが、この順に配置され、
 前記内燃機関の燃料を改質して一酸化炭素を含む改質気体を製造する燃料改質器が、前記内燃機関の排気流路とは別に独立して設けられ、
 前記第2排気コンバータと前記第3排気コンバータの間の排気流路に、前記改質気体を導入することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
 前記第1排気コンバータは、白金およびパラジウムから選ばれる少なくとも1種と、ロジウムおよびセリウムから選ばれる少なくとも1種とを含む触媒を備えることを特徴とする請求の範囲第16項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
 前記第3排気コンバータは、一酸化炭素と水蒸気から水素を生成するシフト反応触媒と、水素と窒素酸化物を反応させてアンモニアを生成する触媒と、生成したアンモニアを吸着保持する触媒とを備えることを特徴とする請求の範囲第16項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
 前記第3排気コンバータは、一酸化炭素と水蒸気から水素を生成するシフト反応触媒と、水素と窒素酸化物を反応させてアンモニアを生成する触媒と、生成したアンモニアを吸着保持する触媒とを備えることを特徴とする請求の範囲第17項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
 前記第3排気コンバータは、白金およびセリアと、ゼオライトとを含む触媒を備えることを特徴とする請求の範囲第16項乃至請求の範囲第19項のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
 前記燃料改質器が、前記内燃機関の燃料の炭化水素と酸素含有気体との部分酸化反応によって改質気体を製造することを特徴とする請求の範囲第16項乃至請求の範囲第19項のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
 前記燃料改質器が、前記内燃機関の燃料の炭化水素と酸素含有気体との部分酸化反応によって改質気体を製造することを特徴とする請求の範囲第20項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
 前記内燃機関が、圧縮着火によって軽油を燃焼させるものであることを特徴とする請求の範囲第16項乃至請求の範囲第19項のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
 前記内燃機関が、圧縮着火によって軽油を燃焼させるものであることを特徴とする請求の範囲第20項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
 前記内燃機関が、圧縮着火によって軽油を燃焼させるものであることを特徴とする請求の範囲第21項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
 前記内燃機関が、圧縮着火によって軽油を燃焼させるものであることを特徴とする請求の範囲第22項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
Description:
内燃機関の排気浄化方法および 気浄化装置

 本発明は、排気中に含まれる窒素酸化物 高効率に浄化する内燃機関の排気浄化方法 よび排気浄化装置に関する。

 近年、有害排出物抑制の観点から、発電 や自動車などの内燃機関から大気中へ排出 れる排気中の窒素酸化物が問題視されてい 。窒素酸化物は、酸性雨や光化学スモッグ 原因となり、世界的にその排出量を規制す 動きがある。ディーゼルエンジンやガソリ のリーンバーンエンジンなどの内燃機関は 薄燃焼を行うため、その排気中には酸素が く存在している。内燃機関の排気中に存在 ている有害成分のうち、窒素酸化物は還元 応により浄化が進行するが、酸素分圧の高 排気中では還元を起こすことが困難である とから、その解決のために様々な方法が検 されている。

 例えば、希薄燃焼の内燃機関からの排気 含まれる窒素酸化物を浄化する方法として 排気中の酸素濃度が過剰となるリーン条件 では、酸化触媒活性種を通して窒素酸化物 アルカリ金属、アルカリ土類金属等と反応 せて吸蔵し、さらに、燃料を周期的に噴射 ることで酸素が少ないリッチ条件として、 蔵された窒素酸化物を周期的に還元除去す 方法が知られている(非特許文献1、特許文 1、特許文献2)。この第1の方法は、リーン条 の排気中で窒素酸化物を触媒に吸蔵させた 、燃料を噴射することで一時的にリッチ条 下の酸素が少ない還元状態をつくり、窒素 化物を還元するものである。

 また、排気中の酸素濃度が過剰となるリ ン条件下の燃焼では、窒素酸化物を触媒上 吸着し、次に、内燃機関をリッチ条件に制 することで排気中に酸素が少ない状態を周 的に形成するととともに、一酸化炭素を周 的に合成して、排気中に供給することで、 ーン条件下で触媒に吸着された窒素酸化物 周期的に還元除去する方法が知られている( 非特許文献2)。この第2の方法では、リーン条 件下での触媒への窒素酸化物の吸着は200℃程 度の温度から起こることが確認されており、 前記の第1の方法に比べて低い温度から窒素 化物の除去が期待できる。

 この第2の方法は、リーン条件下の内燃機 関において、酸素が多い環境(リーン環境)下 排気中に存在する一酸化窒素、二酸化窒素 触媒に吸着させた(式1~式3)後に、内燃機関 一時的にリッチ条件に制御すると同時に一 化炭素を合成し、供給することで窒素酸化 を浄化するものである。このとき、一酸化 素は、酸素分圧が低い環境(リッチ環境)下で 排気中の水蒸気と触媒上で反応することで水 素を生成し(式4)、さらに、還元雰囲気中で水 素が一酸化窒素と反応してアンモニアが形成 され触媒上に吸着、保持される(式5)。この最 終還元剤であるアンモニアが、触媒上に吸着 している、もしくは吸着されようとしている 窒素酸化物を還元するものである(式6~8)。酸 過剰雰囲気下では、アンモニアを用いるこ により、一酸化窒素および二酸化窒素の両 を高効率に還元できることが知られている

式1:NO→NO(ad)               *リーン環 (酸素分圧大)
式2:2NO+O 2 →2NO 2 (ad)          *リーン環境(酸素分圧大)
式3:NO 2 →NO 2 (ad)              *リーン環境(酸素分 大)
式4:CO+H 2 O→H 2 +CO 2 <水性ガスシフト反応>*リッチ環境(酸素 圧小)
式5:5H 2 +2NO→2NH 3 (ad)+2H 2 O    *リッチ環境(酸素分圧小)
式6:4NH 3 +4NO+O 2 →4N 2 +6H 2 O    *リーン環境(酸素分圧大)
式7:2NH 3 +NO 2 +NO→2N 2 +3H 2 O    *リーン環境(酸素分圧大)
式8:8NH 3 +6NO 2 →7N 2 +12H 2 O     *リーン環境(酸素分圧大)

 さらに、上記の方法以外に、自動車の排気 路内で水素含有気体を合成し、この水素含 気体を用いて排気中の窒素酸化物を選択的 還元するシステムがある。これは、内燃機 や燃焼器等の排気流路に、水素が一酸化炭 よりも体積比で多くなるような還元性の合 気体をつくりだす水素富化触媒と、窒素酸 物を浄化する触媒とを配置してなる排気浄 システムである(特許文献3)。このシステム 、酸素過剰の排気中に、水素、一酸化炭素 炭化水素を添加して窒素酸化物を浄化する のであり、前述の第1および第2の方法とは きく考え方が異なるものである。例えば、 のシステムにおいて、一酸化炭素を排気に 加する場合、酸素分圧が高い酸素過剰の状 では、シフト反応は起きない。したがって このシステムでは、アンモニア合成反応も きない。

特許第2586738号公報

特許第2600492号公報

特許第3642273号公報 「NOx吸蔵還元型三元触媒システムの開発 」自動車技術会論文集 Vol.26,N0.4 October 1995 ”A NOx Reduction System Using Storage-Selective  Catalytic Reduction in Rich and Lean Poerations",15. Aachener Kolloquium Fahrzeug-und Motorentechnik 2006 p. 259-270

 しかしながら、前記の第1の方法では、窒 素酸化物の吸蔵が貴金属活性種による酸化反 応を経由して化合物を生成する機構に依存す る。そのため、窒素酸化物は硝酸根として吸 蔵されるが、この反応には相応のエネルギが 必要となる。また、一旦、硝酸根として吸蔵 された窒素酸化物を還元するのにもエネルギ が必要となり、250℃程度の温度条件下でない と吸蔵反応および浄化反応が起きないという 問題がある。また、浄化率を上げるためには 、燃料を多く噴射する必要があり、燃費の悪 化、排気中の炭化水素成分の増加などの問題 が生じる。

 また、前記の第2の方法では、浄化率を上 げるためには一酸化炭素を触媒上に多く供給 して直接の還元剤であるアンモニアの生成を 促す必要がある。アンモニアを生成させるた めに内燃機関をリッチ条件に制御する場合、 特に内燃機関の温度が暖まっていない始動初 期などでは、一酸化炭素と同時に炭化水素も 増加する結果となる。さらに、内燃機関を制 御して一酸化炭素をつくり出すのは制御の難 しさから燃費や静粛性の悪化などの問題が生 じるために限界がある。

 さらに、前記のシステムのように水素で 素酸化物を浄化する場合、酸素過剰の排気 では、200℃程度の温度から触媒上で水素の 焼が始まるため、それ以上の温度では窒素 化物に対する還元剤の比率が低くなり、窒 酸化物の還元反応が十分に進行し難くなる いう問題がある。また、排気流路に水素富 触媒が配設された排気コンバータを配置す 場合には、排気量が変動した場合でも有効 水素を製造するためには、水素富化触媒の 用量が多くなり、コンバータの大型化、高 スト化を招く。

 さらにまた、このシステムでは、窒素酸化 を除去する排気触媒コンバータ前で[H 2 /CO]d>1とするためには、一酸化炭素を燃焼 せるか、排気中の水蒸気の水素を取り出す 段が不可欠となる。しかし、酸素および水 気の濃度が変動する内燃機関の排気中では 酸化炭素だけを燃焼させる燃焼反応、水蒸 の水素を取り出す改質反応もしくはシフト 応を安定して持続させることが難しく、か 還元剤(水素)と窒素酸化物の量論比を一定に 制御するのがさらに困難であることが問題と なる。

 そこで、本発明の課題は、排気中に含ま る窒素酸化物を高効率に浄化する内燃機関 排気浄化方法および排気浄化装置を提供す ことにある。

 前記課題を解決するために、請求の範囲 1項に係る発明は、周期的なリッチ/リーン 件で燃料を供給して燃焼させる内燃機関の 気浄化方法であって、前記内燃機関の排気 路とは別に独立して設けられた燃料改質器 、前記内燃機関の燃料を改質して一酸化炭 を含む改質気体を製造する工程と、前記排 流路に設けられ、窒素酸化物を吸着して還 する触媒が配設された排気コンバータに導 する排気に前記改質気体を供給して、前記 気中の窒素酸化物を吸着して還元する工程 、を含むことを特徴とする。

 この内燃機関の排気浄化方法では、内燃 関の排気流路とは別に独立して設けられた 料改質器で、前記内燃機関の燃料を改質し 一酸化炭素を含む改質気体を製造し、この 質気体を、内燃機関の排気流路に設けられ 排気コンバータに導入する排気に供給して 排気コンバータに配設された触媒によって 素酸化物を吸着・還元して排気を浄化する とができる。

 請求の範囲第2項に係る発明は、前記排気 浄化方法において、前記改質気体が、水素よ りも一酸化炭素を多く含んでいることを特徴 とする。

 この排気浄化方法では、水素よりも一酸 炭素を多く含む改質気体によって、排気コ バータに導入された排気中の窒素酸化物の 媒による吸着・還元を促進させることがで る。

 請求の範囲第3項および4項に係る発明は 前記排気浄化方法において、前記排気流路 合流させる改質気体の温度が、前記改質気 を合流させる排気流路中の排気の温度より 高いことを特徴とする。

 この排気浄化方法では、排気流路中の排 よりも高い温度の改質気体を排気に合流さ ることによって、第3排気コンバータにおけ る触媒温度の上昇を助け、ライトオフ時間を 短縮させることができる。

 請求の範囲第5項に係る発明は、前記排気 浄化方法において、前記排気コンバータの入 口温度が200℃以上、かつ前記排気流路に前記 改質気体を導入する場合、リッチ条件の燃焼 時であり、かつ前記改質気体の導入時の排気 流路における排気中の酸素濃度が0.5%以下で ることを特徴とする。

 この排気浄化方法では、前記排気コンバ タの入口温度が200℃以上、かつ前記排気流 に前記改質気体を導入する場合、リッチ条 の燃焼とするとともに、前記改質気体の導 時の排気流路における排気中の酸素濃度を0 .5%以下とすることによって、排気中の一酸化 炭素と水蒸気から水素を製造する反応を促進 させることができるため、第3排気コンバー における窒素酸化物の吸着・還元による浄 を安定して行うことができる。

 請求の範囲第6項に係る発明は、前記排気 浄化方法において、前記排気コンバータの入 口温度が200℃以下の場合は、前記内燃機関の リーン条件の燃焼時にも前記改質気体を前記 排気コンバータに供給することを特徴とする 。

 この排気浄化方法では、前記排気コンバ タの入口温度が200℃以下の場合には、前記 燃機関のリーン条件の燃焼時にも前記改質 体を前記排気コンバータに供給することに って、導入される一酸化炭素の燃焼により 3排気コンバータのライトオフ時間を短縮さ せることができる。

 請求の範囲第7項乃至9項に係る発明は、 記排気浄化方法において、前記内燃機関の 料を改質して一酸化炭素を含む改質気体を 造する工程が、前記内燃機関の燃料の炭化 素と酸素含有気体との部分酸化反応によっ 改質気体を製造する工程であることを特徴 する。

 この排気浄化方法では、内燃機関の燃料 炭化水素と酸素含有気体との部分酸化反応 よって一酸化炭素を含む改質気体を製造し この改質気体を、排気とともに、第3排気コ ンバータに導入することによって、排気中の 窒素酸化物を吸着および還元して排気を浄化 することができる。

 請求の範囲第10項乃至15項に係る発明は、 前記排気浄化方法において、前記内燃機関が 、圧縮着火によって軽油を燃焼させるもので あることを特徴とする。

 この排気浄化方法は、窒素酸化物の浄化 行うのが難しい、圧縮着火によって軽油を 焼させる内燃機関に適用して、排気を効率 に浄化することができる。

 請求の範囲第16項に係る発明は、周期的 リッチ/リーン条件で燃料を供給して燃焼さ る内燃機関の排気浄化装置であって、前記 燃機関からの排気流路に、上流側から下流 に沿って、一酸化炭素と炭化水素を酸化さ て窒素酸化物を還元する触媒が配設された 1排気コンバータと、粒子状物質を捕捉する 第2排気コンバータと、窒素酸化物を吸着し 還元する触媒が配設された第3排気コンバー とが、この順に配置され、前記内燃機関の 料を改質して一酸化炭素を含む改質気体を 造する燃料改質器が、前記内燃機関の排気 路とは別に独立して設けられ、前記第2排気 コンバータと前記第3排気コンバータの間の 気流路に、前記改質気体を導入することを 徴とする。

 この排気浄化装置では、排気流路とは別 独立して設けられる燃料改質器で製造され 改質気体を、第3排気コンバータに流入する 排気中に導入することによって、第3排気コ バータに配設された触媒によって窒素酸化 を吸着・還元して排気を浄化することがで る。

 請求の範囲第17項に係る発明は、前記排 浄化装置において、前記第1排気コンバータ 、白金およびパラジウムから選ばれる少な とも1種と、ロジウムおよびセリウムから選 ばれる少なくとも1種とを含む触媒を備える とを特徴とする。

 この排気浄化装置では、第1排気コンバー タにおいて、白金およびパラジウムから選ば れる少なくとも1種と、ロジウムおよびセリ ムから選ばれる少なくとも1種とを含む触媒 よって、内燃機関から排気される排気中の 酸化炭素と炭化水素を燃焼させて排気中の 素酸化物量を減少させることができる。

 請求の範囲第18項および19項に係る発明は 、前記排気浄化装置において、前記第3排気 ンバータは、一酸化炭素と水蒸気から水素 生成するシフト反応触媒と、水素と窒素酸 物を反応させてアンモニアを生成する触媒 、生成したアンモニアを吸着保持する触媒 を備えることを特徴とする。

 この排気浄化装置では、第3排気コンバー タに一酸化炭素を含む改質気体を排気ととも に導入し、一酸化炭素と水蒸気から水素を生 成するシフト反応触媒と、水素と窒素酸化物 を反応させてアンモニアを生成する触媒と、 生成したアンモニアを吸着保持する触媒とに よって、排気中の窒素酸化物を吸着および還 元して排気を浄化することができる。

 請求の範囲第20項に係る発明は、前記排 浄化装置において、前記第3排気コンバータ 、白金およびセリアと、ゼオライトとを含 触媒を備えることを特徴とする。

 この排気浄化装置では、第3排気コンバー タに、一酸化炭素を含む改質気体を排気とと もに導入し、白金およびセリアと、ゼオライ トとを含む触媒によって、排気中の窒素酸化 物を吸着および還元して排気を浄化すること ができる。

 請求の範囲第21項乃至22項に係る発明は、 前記排気浄化装置において、前記燃料改質器 が、前記内燃機関の燃料の炭化水素と酸素含 有気体との部分酸化反応によって改質気体を 製造することを特徴とする。

 この排気浄化装置では、燃料改質器にお て、内燃機関の燃料の炭化水素と酸素含有 体との部分酸化反応によって改質気体を製 し、この改質気体を、排気とともに、第3排 気コンバータに導入することによって、排気 中の窒素酸化物を吸着および還元して排気を 浄化することができる。

 請求の範囲第23項乃至26項に係る発明は、 前記内燃機関が、圧縮着火によって軽油を燃 焼させるものであることを特徴とする。

 この排気浄化装置は、圧縮着火によって 油を燃焼させる内燃機関は、排気温度が低 、窒素酸化物の浄化を行うのが難しいため これに適用して、排気を効率的に浄化する とができる。

 本発明の内燃機関の排気浄化方法および 気浄化装置によれば、内燃機関の排気中に まれる窒素酸化物を高効率に浄化すること できる。特に、排気流路とは別に独立して けられる燃料改質器によって、一酸化炭素 含む改質気体を製造し、この改質気体を、 期的なリッチ/リーン条件下で内燃機関の排 気中の窒素酸化物を吸着・還元する触媒に供 給することによって、その触媒の性能を向上 させることができる。そのため、排気中の窒 素酸化物を高効率で浄化することができる。

 また、本発明の内燃機関の排気浄化装置 、排気流路とは別に独立して設けられた燃 改質器で一酸化炭素を含む改質気体を製造 、この改質気体を第3排気コンバータに供給 することによって、燃料消費の抑制と装置の 小型化、低コスト化が可能となり、また、早 期の起動を開始できるとともに、排気中の酸 素濃度や水蒸気濃度などの変動に左右される ことがなく、必要なときに必要な量の還元剤 を供給することができ、効率的に排気を浄化 することが可能となる。

本発明の排気浄化装置を備える内燃機 の基本的構成を示す概念図である。 内燃機関の排気の空燃比と、吸着・還 触媒の作用を説明する図である。

符号の説明

1   内燃機関
2   シリンダヘッド
4   ターボチャージャ
4a   コンプレッサ
4b   タービン
5   EGR(排出ガス循環流路)
6   吸気マニホールド
7   排気マニホールド
8   ECU
9   排気浄化装置
10   吸気流路
11   排気流路
12   インタークーラ
13   EGRクーラ
14   EGRバルブ
15   第1排気コンバータ
16   第2排気コンバータ
17   第3排気コンバータ
18   燃料改質器
18a   燃料供給路
18b   改質気体流路
19a   燃料供給バルブ
19b   圧力調整バルブ
20   コンプレッサ

 以下、本発明の内燃機関の排気浄化方法お び排気浄化装置について詳細に説明する。
 図1は、本発明の排気浄化装置を備える内燃 機関の基本的構成を示す概念図である。
 図1に示す内燃機関1は、ディーゼルエンジ の基本的な構成を有するものである。
 この内燃機関1は、4つの燃焼室を備えるシ ンダヘッド2と、ターボチャージャ4と、排気 ガス循環流路(以下、「EGR」という)5と、吸気 マニホールド6と、排気マニホールド7と、ECU( 電子制御装置)8と、排気浄化装置9とを有する ものである。

 シリンダヘッド2は、吸気マニホールド6 連結されるとともに、各燃焼室に燃焼用燃 を高圧状態で蓄えるコモンレール(図示せず) が連結され、先端を燃焼室に臨ませた燃料噴 射弁(図示せず)が設けられている。また、コ ンレールには、燃料タンク(図示せず)から 料を汲み上げて供給する燃料ポンプ(図示せ )が接続されている。

 ターボチャージャ4は、コンプレッサ4aの に吸気流路10が連結され、タービン4bの側に 排気流路11が連結されている。そして、吸気 路10の下流側は、インタークーラ12を介して 吸気マニホールド6に連結されている。また 吸気流路10の上流側には、吸気を清浄化する エアクリーナ、吸気量を調節する吸気制御弁 、低回転速度・低負荷運転領域で流路断面積 を絞って吸気流速を高めるためのスワールコ ントロール弁などが設けられている。

 EGR5は、シリンダヘッド2の各燃焼室の排 ポートに連結された排気マニホールド7に連 され、EGRクーラ13およびEGRバルブ14を介して 吸気マニホールド6に連結されている。EGRク ラ13は、排気マニホールド7から吸気マニホ ルド6に再循環され、燃焼室に流入する排気 冷却するものであり、EGRバルブ14は、燃焼 に流入する排気の再循環量を調節するもの ある。

 ECU8は、ターボチャージャ4、吸気流路10に 設けられる吸気制御弁、EGR制御弁、シリンダ ヘッド2の各燃焼室に設けられる燃料噴射弁 燃料ポンプ等の動作を制御するものである このECU8には、内燃機関1の所定箇所に配置さ れた吸気弁開度センサ、クランク軸回転速度 センサ、吸気流量センサ、過給圧センサ、EGR 弁開度センサ、コモンレール圧センサ、アク セルペダル操作量センサ、排気浄化装置9の 所に設けた温度センサ、燃焼圧センサ等か の出力信号が入力される。そして、ECU8のメ リには、クランク軸回転速度および要求ト ク(アクセルペダル操作量)に応じて実験等 よって予め求めた最適燃料噴射量をはじめ する各制御対象の制御目標値を設定したマ プが格納されており、内燃機関1の負荷状況 応じて最適な燃焼状態が得られるように、 部の制御が行われる。

 排気浄化装置9は、排気流路11に、上流側 ら下流側に沿って、第1排気コンバータ15と 第2排気コンバータ16と、第3排気コンバータ 17とが、この順に配置され、さらに、燃料改 器18とを有するものである。

 第1排気コンバータ15は、排気中の一酸化 素と炭化水素を酸化させて窒素酸化物を還 する触媒を備えるものである。用いる触媒 しては、白金およびパラジウムから選ばれ 少なくとも1種と、ロジウムおよびセリウム から選ばれる少なくとも1種とを含む触媒を いることができる。ロジウムは、第3排気コ バータ17における窒素酸化物の吸着・還元 力を補助するために必要な触媒成分であり また、セリウムは、酸素の吸着・放出能が く、急激な酸素濃度変化などにおいても安 した触媒作用を発揮するために必要な触媒 分である。

 第2排気コンバータ16は、排気中の煤など 粒子状物質を捕捉する触媒またはフィルタ 配設されているものである。粒子状物質を 捉するフィルタ材としては、炭化ケイ素(SiC )、コージュライト等がある。また、これら 白金やパラジウムを含む酸化触媒を坦持し ものであってもよい。

 燃料改質器18は、上流側で、燃料供給路18 aによって燃料供給バルブ19aを介して内燃機 1の燃料タンク(図示せず)に連結されている そして、燃料供給路18aは、コンプレッサ20に 圧力調整バルブ19bを介して連結されている。 また、燃料改質器18は、下流側で、改質気体 路18bによって第2排気コンバータ16と第3排気 コンバータ17とを連絡する排気流路11aに連結 れている。

 この燃料改質器18においては、内燃機関1 燃料タンク(図示せず)から、燃料供給路18a よって燃料供給バルブ19aを介して供給され 燃料を改質して一酸化炭素を含む改質気体 製造される。製造された改質気体は、改質 体流路18bを通って、改質気体流路18bに連結 れた排気流路11aを流通する排気に導入され 。燃料供給バルブ19a、圧力調整バルブ19b、 ンプレッサ20、および燃料改質器18内に設置 れた温度センサ(図示せず)は、ECU8に連結さ 、内燃機関1に連動して動作する。

 この燃料改質器18における燃料の改質は、 料を構成する炭化水素の部分酸化反応によ て行われる。この炭化水素の部分酸化反応 、例えば、炭化水素として軽油を用いた場 には、下記式9で表される反応である。
 式9:C n H 1.8n +0.5nO 2 →nCO+0.9nH 2
 この部分酸化反応は、高温状態で進行する のであり、特に、水素は高温で燃焼し易く 一酸化炭素の選択率が上がることになる。

 燃料改質器18に用いられる触媒としては ロジウムおよびセリウムを含む触媒、ロジ ムと白金およびアルミナを含む触媒などが げられる。

 第3排気コンバータ17は、窒素酸化物を吸 して還元する触媒(以下、「NOx吸着・還元触 媒」という)が配設され、このNOx吸着・還元 媒によって、改質気体とともに排気流路11a ら導入される排気中の窒素酸化物を吸着・ 元して排気を浄化するものである。

 この第3排気コンバータ17における窒素酸化 の吸着・還元は、下記の過程A(A1、A2)および 過程Bを繰り返すことによって行われる。す わち、周期的にリーン/リッチ条件で燃料を 給して燃焼させる内燃機関1から排出される 排気のリーン状態およびリッチ状態に応じて 、下記の過程A(A1,A2)および過程Bが繰り返され る。排気の空燃比が高いリーン状態では、排 気中の窒素酸化物NOx(NO、NO 2 )の触媒への吸着および一酸化窒素(NO)の酸化( 過程A1)が行われ、排気の空燃比が低いリッチ 状態では、触媒上で二酸化窒素(NO 2 )からアンモニア(NH 3 )の生成(過程B)が行われる。そして、次に、 気の空燃比が高いリーン状態となったとき 、排気中の窒素酸化物NOxと、触媒に吸着さ ているアンモニア(NH 3 )との反応によって、窒素酸化物NOxが還元さ て窒素(N 2 )と水(H 2 O)が生成(過程A2)し、排気中の窒素酸化物NOxが 浄化される。
 過程A1
  NO,NO 2 →NOx(ad)           リーン状態
  NO(ad)→NO 2 (ad)           リーン状態
 過程B
  NO 2 (ad)→NH 3 (ad)                 リッチ状態
 過程A2
  NH 3 (ad)+NOx→N 2 +H 2 O      リーン状態
 図2に、この過程A(A1,A2)および過程Bにおける 内燃機関の排気の空燃比と、吸着・還元触媒 の作用を示す。

 このとき、NOx吸着・還元触媒は、一酸化炭 と水蒸気から水素を生成するシフト反応触 と、水素と窒素酸化物を反応させてアンモ アを生成する触媒と、生成したアンモニア 吸着保持する触媒とを含むものである。シ ト反応触媒は、過程Bにおいて、二酸化窒素 (NO 2 )からアンモニア(NH 3 )の生成に必要な水素を生成する、すなわち 下記のシフト反応によって、水素を生成す 役割を有する。
   CO+H 2 O→H 2 +CO 2
 このNOx吸着・還元触媒として、特に、白金 よびセリアと、ゼオライトとを含む触媒を いることができる。白金およびセリア(セリ ウム酸化物)は、メタネーションを起こしに く、シフト反応を促進させるとともに、一 化炭素と水蒸気からの水素生成、水素と一 化窒素からのアンモニア合成を効果的に行 ために白金とセリアの存在が不可欠である 生成したアンモニアを保持する材料として ゼオライトが最も効果的である。

 そして、NOx吸着・還元触媒による窒素酸 物の吸着・還元において、燃料改質器18か 供給される改質気体は、一酸化炭素を含み 第3排気コンバータ17に配設された前記シフ 反応触媒によるシフト反応に一酸化炭素を 給するためのものである。

 ところで、この排気浄化装置9を有する内 燃機関1においては、吸気流路10を流れる空気 は、吸気マニホールド6を通って、シリンダ ッド2の燃焼室の吸気バルブ(図示せず)が開 するととともに、ピストン(図示せず)が下降 するとき、燃焼室に吸入される。吸入された 空気はピストンが上昇するときに、圧縮され て高温となる。

 一方、燃料タンク(図示せず)に貯留され 燃料(軽油)は、燃料ポンプおよびコモンレー ル(図示せず)を介して、燃料噴射弁に供給さ 、燃料噴射弁が駆動されるとき、燃焼室に 射され、圧縮されて高温となった吸入空気 よって自然着火(圧縮着火)して燃焼する。 の燃焼圧力によってピストンが下方に駆動 れた後、再び上昇するときに、排気弁(図示 ず)が開弁して、排気が排気マニホールド7 排出される。排出された排気は、排気流路11 を流通する。

 そして、ECUからの制御信号に応じて、EGR ルブ14が作動して、排気マニホールド7に連 されたEGR5を通じて、排気の一部が吸気マニ ホールド2に還流される。

 また、排気流路11に設けられたターボチ ージャ4において、排気によって、タービン4 bが回転され、その回転によって、タービン4b と機械的に接続されているコンプレッサ4aが 動され、吸気流路10から吸入される空気が 給される。ターボチャージャ4によって過給 れた空気は、インタークーラ12で冷却され 後、吸気マニホールド6に供給される。

 排気マニホールド7に排出された排気は、 排気流路11を通って、排気浄化装置9の第1排 コンバータ15、第2排気コンバータ16および第 3排気コンバータ17の順に流通する。そして、 第1排気コンバータ15において、一酸化炭素と 炭化水素(HC)を燃焼させて窒素酸化物が還元 れ、第2排気コンバータ16において、粒子状 質を捕捉され、第3排気コンバータ17におい 、窒素酸化物が吸着・還元され、浄化され 。

 ここで、内燃機関1において、前述の通り 、燃焼室に噴射された燃料は圧縮されて高温 となった吸入空気に触れて自己着火して燃焼 し、ピストンを下方に駆動する。また、燃焼 によって生じた排気は、排気行程において排 気バルブ(図示せず)が開弁されるとき、排気 ニホールド7および排気流路11に排出される この内燃機関1の自己着火による燃焼は、空 燃比(A/F)が、理論空燃比よりも高いリーン条 で行われる。したがって、内燃機関1から排 出される排気は、空燃比(A/F)が高い状態とな ている。一方、内燃機関1においては、前記 の通常の燃料噴射が行われてリーン条件での 燃焼が生じた後、爆発行程から排気行程に移 行した付近において、内燃機関1が低、中負 にあるとき、燃料噴射弁を介してポスト噴 量に基づいて燃料を噴射するポスト噴射が われる。このポスト噴射においては圧縮空 が存在しないことから、噴射された燃料の くは燃焼することなく、未燃燃料として排 系に排気される。未燃燃料の成分のほとん は、HC(炭化水素)である。したがって、この きの排気は、空燃比(A/F)が、理論空燃比よ も低いリッチ条件となる。また、内燃機関1 空燃比を制御することで、運転条件によっ はリッチ条件を作り出すことができ(燃焼リ ッチ)、この2つの方法を併用して、リッチ条 を作り出すことができる。

 このように、内燃機関1においては、リー ン条件とリッチ条件での燃焼が周期的に行わ れ、この内燃機関1から排出される排気も、 2に示すように、空燃比(A/F)が、理論空燃比 りも高いリーン状態と、空燃比(A/F)が、理論 空燃比よりも低いリッチ状態とを周期的に繰 り返す。

 この内燃機関1から排出される排気は、第 1排気コンバータ15、第2排気コンバータ16およ び第3排気コンバータ17において、排気におけ る周期的なリーン状態およびリッチ状態に応 じて、それぞれ下記のようにして浄化される 。

 以下、この排気浄化装置9における排気浄化 方法について説明する。
 まず、内燃機関1のポスト噴射および燃料リ ッチによって生じるリッチ状態の排気は、空 燃比が低いため、一酸化炭素および未燃の炭 化水素を含むものである。そして、第1排気 ンバータ13においては、この炭化水素と一酸 化炭素の酸化によって、窒素酸化物NOxが還元 される。

 次に、第2排気コンバータ16においては、 気中に含まれる粒子状物質(PM)がフィルタに 捕捉され、捕捉された粒子状物質は徐々に堆 積する。この堆積した粒子状物質は、フィル タに担持させた酸化触媒によって粒子状物質 の燃焼が行われる。このとき、ポスト噴射に よるリッチ状態の排気では、第1排気コンバ タ15における炭化水素と一酸化炭素の酸化に よって排気温度が上昇しているため、これに よって、酸化触媒による粒子状物質の燃焼が 行われる。

 次に、第2排気コンバータ16で粒子状物質 除去された排気には、排気流路11aにおいて 燃料改質器18から改質気体流路18bを通って 給される改質気体が導入される。この改質 体が導入された排気は、第3排気コンバータ1 7に導入され、前述の通り、排気のリーン状 およびリッチ状態に応じて、窒素酸化物の 着・還元が行われ、浄化される。浄化され 排気は、外部へ排出される。

 この排気浄化装置9において、第2排気コ バータ16における熱吸収量が大きく、排気流 路11aにおける排気温度よりも高温の改質気体 を導入することによって、第3排気コンバー 17における触媒温度の上昇を助け、ライトオ フ時間を短縮させることができる。

 また、内燃機関の始動初期など、第3排気 コンバータ17における触媒温度が低温(RT~50℃ 度)の状態で、かつリーン条件下においても 、高温の改質気体を第3排気コンバータ17に導 入することによって、導入される一酸化炭素 の一部が燃焼することで第3排気コンバータ17 のライトオフ時間を短縮させることができる 。すなわち、第3排気コンバータ17における触 媒温度が上昇すれば、シフト反応により生成 する水素、もしくは改質気体中に含まれる水 素からアンモニアが生成して窒素酸化物の浄 化が可能になる。そのため、第3排気コンバ タを起動して窒素酸化物の浄化を始めるま の時間(以下「ライトオフ時間」という)を短 縮させることができる。

 さらに、排気流路11aを流れる排気の温度 十分に高い(200℃以上)状態、かつ酸素過剰 雰囲気では、シフト反応、アンモニア生成 応は起こらないため、排気流路11aにおける 素濃度を0.5%以内にすることが好ましい。こ 排気流路11aにおける酸素濃度は、排気流路1 1aおよび第3排気コンバータ17の後に設けた酸 センサで監視するとともに、燃料供給量、 料噴射時期、空気供給量、EGR量、過給圧等 ECU8によって制御することによって、制御す ることが可能である。

 この内燃機関1の排気浄化装置9において、 料改質器18を、排気流路11とは別に独立して けることによって、下記の利点がある。
(1)第3排気コンバータ17において、リッチ状態 の排気におけるシフト反応を有効に進行させ 、水素を生成する。この反応において、生成 する水素濃度を上げるためには、シフト反応 は反応速度が遅いことから、相応のコンバー タ体積が必要となる。そこで、燃料改質器18 おいて、一酸化炭素の多い状態の改質気体 製造し、この改質気体を用いることによっ 、一酸化炭素の分圧を上げて第3排気コンバ ータ17を小さくすることができる。
(2)燃料改質器18を排気流路11とは別に独立し 設けることにより、排気成分や排気温度、 気流速などに影響されることなく、合成気 を製造する反応を効率的に行うことができ 。そのため、触媒量を少なくすることがで 、低コストとすることができる。また、燃 消費を低減するとともに、触媒も長寿命に きる。
(3)燃料改質器18は、小型でヒートロスが少な ものとすることができ、また、独立に設け ことで内燃機関1とは別系統の制御により早 期活性ができ、一酸化炭素を内燃機関1から 排気温度が上昇する前に供給することを可 にする。これにより、内燃機関1の制御で一 化炭素を製造する際に、特に、低温で副次 に生成していた炭化水素の排気濃度を抑制 ることが可能となる。

(4)一酸化炭素を内燃機関1の燃焼制御でつく という手法では制御の複雑さからのノイズ 振動の発生が問題となっていたが、排気流 11とは別に独立して設けられた燃料改質器18 よって一酸化炭素を製造することで、内燃 関1の制御を簡素にすることができ、ノイズ や振動の発生を抑制することが可能となる。
(5)燃料改質器18および排気流路11内にはシフ 反応など水素を濃縮するコンバータやシス ム等も必要が無いため、排気システムとし 小型かつ簡素なシステムにすることが可能 なる。

(6)排気流路11とは別に独立して設けられる燃 改質器18で燃料を改質して一酸化炭素を含 改質気体を製造することにより、排気中の 素濃度や水蒸気濃度などの変動に左右され ことがなく、効率的に改質気体を製造する とが可能となる。
(7)排気流路11とは別に独立して設けられる燃 改質器18で改質気体を製造することによっ 、燃料改質器18の改質反応における一酸化炭 素の選択率を上げて、改質気体を安定して製 造できる。これによって、第3排気コンバー 17へ一酸化炭素を多く導入することが可能と なり、シフト反応による水素生成を促し、ア ンモニア合成量、保持量を増大させることが 可能となる。これにより、窒素酸化物を効率 的に浄化することができる。

(8)改質気体を、第2排気コンバータ16より下 流、かつ第3排気コンバータ17の上流の排気流 路11aで排気中に導入することにより、改質気 体の排気流路への吐出圧力を低くすることが できる。これにより、燃料改質器18において 気体圧縮器など大きなエネルギを有する機 類が必要でないだけでなく、改質気体の製 反応は増モルの反応であるため反応平衡上 利な低圧での高効率な反応が可能となる。

 以下、本発明の実施例および比較例によ 本発明を具体的に説明するが、本発明は、 下の実施例に限定されるものではない。

実施例
 図1に示す構成を有する内燃機関1の排気浄 装置9において、燃料改質器18で用いる改質 媒として、1%ロジウム(Rh)/酸化セリウム(CeO 2 )の組成の改質触媒を用いるとともに、第1排 コンバータ15で用いる触媒(TWC触媒)、第3排 コンバータ17で用いるNOx吸着・還元触媒(LNC 媒)を調製した。

TWC触媒およびLNC触媒の調製法
 各触媒の構成成分の材料を、下記の表1およ び表2に示す組成となるように、水系媒体と もにボールミルに投入して、撹拌・混合し 、スラリーを製造した。得られたスラリー コージュライトにコーティングし、600℃で2 間乾燥・焼成して表1および表2にそれぞれ すTWC触媒およびLNC触媒を調製した。

 前記の改質触媒、TWC触媒およびLNC触媒を用 て、燃料改質器18、第1排気コンバータ15お び第3排気コンバータ17に触媒層を配設して 下記緒元の排気浄化装置を構成した。
 内燃機関
   排気量:2.2L
 第1排気コンバータ
   容量:0.8L
   TWC触媒量:150g/L
 第2排気コンバータ(DPF)
   容量:2.5L(触媒なし)
 第3排気コンバータ
   容量:2L
   LNC触媒量:250g/L
 燃料改質器:
   寸法:φ80mm×L60mm(触媒コンバータ容量:30cm 3 )

 そして、内燃機関の台上試験により、排 浄化率の測定を行った。第3排気コンバータ から排出された排気における窒素酸化物の浄 化率は、排気温度150℃の運転において、95%以 上となり、本発明の排気浄化方法および排気 浄化装置が、窒素酸化物の浄化に有効である ことが分かった。